(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】パネル積載ラック及びパネル施工方法
(51)【国際特許分類】
E04G 21/16 20060101AFI20240828BHJP
【FI】
E04G21/16
(21)【出願番号】P 2020015596
(22)【出願日】2020-01-31
【審査請求日】2023-01-04
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】松井 友香
(72)【発明者】
【氏名】田中 秋水
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 孝
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-346599(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0073428(US,A1)
【文献】特開2003-096902(JP,A)
【文献】特開2014-114087(JP,A)
【文献】特表平10-500462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/16
E04G 21/14
B65D 19/10
E04B 1/348
E04B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築用パネルを積載し、積載された該建築用パネルを建物本体の所定部位に向かって吊り上げる際に用いられるパネル積載ラックであって、
前記建築用パネルを下方から支持するパネル受け部材と、
該パネル受け部材に取り付けられ、前記建築用パネルを積載したときに該建築用パネルと前記パネル受け部材の上下方向の間に隙間を形成した状態で前記建築用パネルを保持するパネル保持部材と、を備え、
前記パネル受け部材には、吊り上げ装置によって前記パネル積載ラックを吊り上げるためのラック吊り上げ部が設けられ、
前記パネル保持部材は、前記建築用パネルを積載したときに前記建築用パネルの底面に当接し、
平面視で前記建築用パネルに隠れるように配置され、前記建築用パネルを下方から保持し、
前記パネル積載ラックは、前記建築用パネルの側方部分が前記パネル受け部材から外側に突出するように前記建築用パネルを積載
し、
前記パネル保持部材のパネル固定部に対して、前記建築用パネルの底面に設けられた被固定部を上下方向から固定部材で固定することで、前記パネル保持部材が前記建築用パネルを保持することを特徴とするパネル積載ラック。
【請求項2】
前記パネル保持部材は、前記パネル受け部材の上面に取り付けられる底壁部と、前記底壁部から上方に延びている側壁部と、前記側壁部から屈曲し、前記底壁部に対向する上壁部と、を有し、
前記パネル固定部は、前記上壁部に形成され、
前記パネル固定部に対して前記建築用パネルの前記被固定部を前記固定
部材で固定することで、前記パネル保持部材が前記建築用パネルを保持することを特徴とする請求項
1に記載のパネル積載ラック。
【請求項3】
前記建築用パネルを水平に積載し、積載された該建築用パネルを前記建物本体の所定部位に向かってそのまま水平に吊り上げ、水平状態で上下方向から設置するために用いられ、
前記パネル受け部材は、前記建築用パネルを挟むように間隔を空けて設けられ、上下方向に延びている一対の支柱部と、該一対の支柱部を連結するように延びて、前記建築用パネルを下方から支持するパネル受け部と、を有し、
前記パネル保持部材は、前記パネル受け部の上面に取り付けられ、該パネル受け部の長尺方向において間隔を空けて複数配置されており、
前記ラック吊り上げ部は、前記支柱部の上方部分に設けられ、
前記パネル受け部材は、所定の間隔を空けて一対に設けられ、
前記一対のパネル受け部材を連結し、前記建築用パネルを挟むように間隔を空けて設けられる一対のつなぎ部材をさらに備え、
該つなぎ部材は、前記建築用パネルを積載したときに該建築用パネルよりも下方位置に配置されており、
前記パネル受け部材は、上下方向に複数重ねたときに前記建築用パネルを水平に収容可能な間隔を空けて互いに着脱可能に設けられることを特徴とする請求項
1又は2に記載のパネル積載ラック。
【請求項4】
建築用パネルを積載し、積載された該建築用パネルを建物本体の所定部位に向かって吊り上げる際に用いられるパネル積載ラックを利用したパネル施工方法であって、
前記建築用パネルを下方から支持するパネル受け部材と、前記建築用パネルを保持するパネル保持部材とを有する前記パネル積載ラックに前記建築用パネルを積載するパネル積載工程と、
前記パネル受け部材に設けられたラック吊り上げ部に吊り上げ装置の一部を取り付けて、前記建築用パネルが保持された前記パネル積載ラックの少なくとも一部を前記建物本体の所定部位に向かって吊り上げるパネル吊り上げ工程と、
前記建物本体の所定部位に前記建築用パネルをそのまま積載された状態で設置するパネル設置工程と、
設置された前記建築用パネルを前記パネル積載ラックから取り外すパネル取り外し工程と、を含み、
前記パネル積載工程では、
前記パネル保持部材によって前記建築用パネルと前記パネル受け部材の上下方向の間に隙間を形成した状態で前記建築用パネルを下方から保持させ、
前記パネル保持部材を前記建築用パネルの底面に当接させ、
平面視で前記建築用パネルに隠れるように配置し、
前記建築用パネルの側方部分が前記パネル受け部材から外側に突出するように前記建築用パネルを積載
し、
前記パネル積載工程では、前記パネル保持部材に対し前記建築用パネルの底面に設けられた被固定部を上下方向から固定部材で固定することで、前記建築用パネルを保持させることを特徴とするパネル施工方法。
【請求項5】
前記パネル積載工程では、前記建築用パネルを水平に積載し、
前記パネル吊り上げ工程では、前記パネル積載ラックを前記建物本体の所定部位に向かって水平に吊り上げ、
前記パネル設置工程では、前記パネル受け部材と、前記建物本体の所定部位とが上下方向で重ならないようにして、前記建物本体の所定部位に前記建築用パネルをそのまま水平状態で上下方向から設置することを特徴とする請求項
4に記載のパネル施工方法。
【請求項6】
前記パネル施工方法は、板状のパネルフレームの側面に仕上げ面材が固定されてなる前記建築用パネルを施工するために用いられ、
前記パネル積載工程では、前記パネル保持部材に対し前記パネルフレームの底面に設けられた
前記被固定部を上下方向から固定することで、前記建築用パネルを保持させ、
前記パネル設置工程では、前記建物本体の所定部位に前記パネルフレームを上下方向から嵌合させることで、前記建築用パネルを水平に設置することを特徴とする請求項
4又は5に記載のパネル施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル積載ラック及びパネル施工方法に係り、特に、建築用パネルを積載し、積載された建築用パネルを建物本体に向かって吊り上げる際に用いられるパネル積載ラック及びパネル施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工場において製造された幅や厚さの異なる建築用パネルを運搬するために、当該建築用パネルを積載することが可能な積載ラックが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
具体的な積載、運搬方法について説明すると、工場の製造ラインから取り出された直後の建築用パネル(例えば、庇パネルや外壁パネル)は、積載ラックに水平に積載された状態で工場内に保管される。その後、積載ラックに水平に積載された状態でトラック等の運搬車両に積み込まれ、施工現場に運搬される。
運搬された建築用パネルは、施工現場に据え付けられたレッカー等によって積載ラックとともに積み下ろされ、施工現場に保管される。そして、施工現場に据え付けられたクレーン等によって、一枚ずつ吊り上げられ、建物本体の所定部位に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-89567号公報
【文献】特開2018-104041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1、2のような積載ラックを用いた場合、工場から施工現場までの積載、運搬作業においては作業者が効率良く作業することができる。しかしながら、施工現場において建物本体に建築用パネルを取り付ける際には、一般にクレーン等によって建築用パネルを直接吊り上げていたため、吊り上げ作業中に例えば建築用パネルが他の建築用部材に接触してしまうと、当該建築用パネルの仕上げ面材が損傷、破損等してしまう虞があった。
そのため、建築用パネルの積載、運搬作業を効率良くするとともに、建築用パネルを安定して吊り上げることができ、吊り上げた建築用パネルを建物本体に効率良く取り付けることが可能な技術が求められていた。
特に、各種の建築用パネルのうち、板状のパネルフレームの上面、前方側面及び両側面に仕上げ面材が固定されてなる庇パネル等の建築用パネルにおいて、当該仕上げ面材の損傷、破損等を防止することが可能な技術が求められていた。
【0005】
また、一般に建築用パネルを積載、運搬するときには、仕上げ面材を損傷、破損させないようにすべく、パネルフレームに仕上げ面材を固定しない状態で積載、運搬し、施工現場にてパネルフレームに仕上げ面材を固定させて、建築用パネルを完成させていた。
しかしながら、建築用パネルの積載、運搬作業をより効率化すべく、工場にて建築用パネルを予め完成させておき、仕上げ面材の損傷、破損を極力防止しながら、完成した建築用パネルを積載、運搬する技術が求められていた。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、建築用パネルの積載、運搬、吊り上げ作業を効率良く行うことが可能なパネル積載ラック及びパネル施工方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、建築用パネルを安定して吊り上げることができ、吊り上げた建築用パネルを安定して建物本体に設置することが可能なパネル積載ラック及びパネル施工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、本発明のパネル積載ラックによれば、建築用パネルを積載し、積載された該建築用パネルを建物本体の所定部位に向かって吊り上げる際に用いられるパネル積載ラックであって、前記建築用パネルを下方から支持するパネル受け部材と、該パネル受け部材に取り付けられ、前記建築用パネルを積載したときに該建築用パネルと前記パネル受け部材の上下方向の間に隙間を形成した状態で前記建築用パネルを保持するパネル保持部材と、を備え、前記パネル受け部材には、吊り上げ装置によって前記パネル積載ラックを吊り上げるためのラック吊り上げ部が設けられ、前記パネル保持部材は、前記建築用パネルを積載したときに前記建築用パネルの底面に当接し、平面視で前記建築用パネルに隠れるように配置され、前記建築用パネルを下方から保持し、前記パネル積載ラックは、前記建築用パネルの側方部分が前記パネル受け部材から外側に突出するように前記建築用パネルを積載し、前記パネル保持部材のパネル固定部に対して、前記建築用パネルの底面に設けられた被固定部を上下方向から固定部材で固定することで、前記パネル保持部材が前記建築用パネルを保持すること、により解決される。
上記構成により、建築用パネルの積載、運搬、吊り上げ作業を効率良く行うことが可能なパネル積載ラックを実現することができる。
詳しく述べると、建物本体の所定部位に建築用パネルを取り付けるにあたって、吊り上げ装置によって建築用パネルを直接吊り上げるものではなく、建築用パネルが積載されたパネル積載ラックを吊り上げるため、建築用パネルを安定して吊り上げることができ、かつ、吊り上げた建築用パネルを建物本体に効率良く設置することができる。
また、積載された建築用パネルとパネル受け部材の上下方向の間に隙間を形成した状態で建築用パネルを保持するパネル保持部材を備えているため、仕上げ面材を有する建築用パネルを効率良く積載し、運搬することができる。すなわち、工場にて建築用パネルを予め完成させておき、仕上げ面材の損傷、破損を極力防止しながら、完成した建築用パネルを積載、運搬することができる。
【0008】
また、前記パネル保持部材は、前記パネル受け部材の上面に取り付けられる底壁部と、前記底壁部から上方に延びている側壁部と、前記側壁部から屈曲し、前記底壁部に対向する上壁部と、を有し、前記パネル固定部は、前記上壁部に形成され、前記パネル固定部に対して前記建築用パネルの前記被固定部を前記固定ボルトで固定することで、前記パネル保持部材が前記建築用パネルを保持すると良い。
【0009】
このとき、前記建築用パネルを水平に積載し、積載された該建築用パネルを前記建物本体の所定部位に向かってそのまま水平に吊り上げ、水平状態で上下方向から設置するために用いられ、前記パネル受け部材は、前記建築用パネルを挟むように間隔を空けて設けられ、上下方向に延びている一対の支柱部と、該一対の支柱部を連結するように延びて、前記建築用パネルを下方から支持するパネル受け部と、を有し、前記パネル保持部材は、前記パネル受け部の上面に取り付けられ、該パネル受け部の長尺方向において間隔を空けて複数配置されており、前記ラック吊り上げ部は、前記支柱部の上方部分に設けられ、前記パネル受け部材は、所定の間隔を空けて一対に設けられ、前記一対のパネル受け部材を連結し、前記建築用パネルを挟むように間隔を空けて設けられる一対のつなぎ部材をさらに備え、該つなぎ部材は、前記建築用パネルを積載したときに該建築用パネルよりも下方位置に配置されており、前記パネル受け部材は、上下方向に複数重ねたときに前記建築用パネルを水平に収容可能な間隔を空けて互いに着脱可能に設けられると良い。
上記構成により、例えば庇パネルのように、水平に積載され、建物本体の所定部位に向かって水平に吊り上げられる建築用パネルの吊り上げ作業を効率良く行うことが可能なパネル積載ラックとなる。
また、パネル保持部材がパネル受け部の長尺方向において間隔を空けて配置されており、かつ、ラック吊り上げ部が支柱部の上方部分に設けられているため、建築用パネルをより安定させて積載、運搬し、吊り上げることができる。
また、例えば庇パネルのように、建物本体の所定部位にそのまま水平状態で上下方向から設置される建築用パネルを安定して吊り上げることができ、かつ、効率良く設置することができる。
また、つなぎ部材は、積載された建築用パネルよりも下方位置に配置されているため、例えば、建築用パネルが積載されたパネル積載ラックをフォークリフト等で持ち上げて運搬するときに、当該フォークリフト(フォーク部)が建築用パネルの底面に当接してしまうことを避けることができる。すなわち、つなぎ部材が、フォークリフト(フォーク部)に当接する当接部材として機能する。
また、パネル積載ラックに対し建築用パネルを上下方向に複数積載することができ、かつ、パネル積載ラックを分割することで建築用パネルを1枚ずつ効率良く吊り上げることができる。
【0011】
また前記課題は、建築用パネルを積載し、積載された該建築用パネルを建物本体の所定部位に向かって吊り上げる際に用いられるパネル積載ラックを利用したパネル施工方法であって、前記建築用パネルを下方から支持するパネル受け部材と、前記建築用パネルを保持するパネル保持部材とを有する前記パネル積載ラックに前記建築用パネルを積載するパネル積載工程と、前記パネル受け部材に設けられたラック吊り上げ部に吊り上げ装置の一部を取り付けて、前記建築用パネルが保持された前記パネル積載ラックの少なくとも一部を前記建物本体の所定部位に向かって吊り上げるパネル吊り上げ工程と、前記建物本体の所定部位に前記建築用パネルをそのまま積載された状態で設置するパネル設置工程と、設置された前記建築用パネルを前記パネル積載ラックから取り外すパネル取り外し工程と、を含み、前記パネル積載工程では、前記パネル保持部材によって前記建築用パネルと前記パネル受け部材の上下方向の間に隙間を形成した状態で前記建築用パネルを下方から保持させ、前記パネル保持部材を前記建築用パネルの底面に当接させ、平面視で前記建築用パネルに隠れるように配置し、前記建築用パネルの側方部分が前記パネル受け部材から外側に突出するように前記建築用パネルを積載し、前記パネル積載工程では、前記パネル保持部材に対し前記建築用パネルの底面に設けられた被固定部を上下方向から固定部材で固定することで、前記建築用パネルを保持させること、によっても解決される。
【0012】
このとき、前記パネル積載工程では、前記建築用パネルを水平に積載し、前記パネル吊り上げ工程では、前記パネル積載ラックを前記建物本体の所定部位に向かって水平に吊り上げ、前記パネル設置工程では、前記パネル受け部材と、前記建物本体の所定部位とが上下方向で重ならないようにして、前記建物本体の所定部位に前記建築用パネルをそのまま水平状態で上下方向から設置すると良い。
上記構成により、例えば庇パネルのように、水平に積載され、建物本体に向かって水平に吊り上げられ、建物本体の所定部位にそのまま水平状態で上下方向から設置される建築用パネルを効率良く、かつ安定して施工することができる。
また、建物本体の所定部位に建築用パネルを設置するにあたって、パネル受け部材と、建物本体の所定部位とが上下方向で干渉してしまうことを抑制でき、建築用パネルを効率良く、安定して設置することができる。
【0013】
このとき、前記パネル施工方法は、板状のパネルフレームの側面に仕上げ面材が固定されてなる前記建築用パネルを施工するために用いられ、前記パネル積載工程では、前記パネル保持部材に対し前記パネルフレームの底面に設けられた被固定部を上下方向から固定することで、前記建築用パネルを保持させ、前記パネル設置工程では、前記建物本体の所定部位に前記パネルフレームを上下方向から嵌合させることで、前記建築用パネルを水平に設置すると良い。
上記構成により、仕上げ面材を有する建築用パネルにおいて仕上げ面材の損傷、破損を極力防止しながら、当該建築用パネルを積載、運搬、吊り上げ及び設置することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のパネル積載ラック及びパネル施工方法によれば、建築用パネルの積載、運搬、吊り上げ作業を効率良く行うことができる。
また、建築用パネルを安定して吊り上げることができ、吊り上げた建築用パネルを安定して建物本体に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態のパネル積載ラックを示す斜視図であって、建築用パネルが積載された状態を示す図である。
【
図2】建築用パネルをパネル積載ラックの一部と共に吊り上げた状態を示す図である。
【
図3A】建築用パネル(庇パネル)を示す斜視図である。
【
図3B】別の角度から見た建築用パネルを示す斜視図である。
【
図4】建物本体の所定部位に建築用パネルを設置する作業を説明する図である。
【
図5】上下方向に重ねられたパネル受け部材を示す分解斜視図である。
【
図6】パネル受け部材及びつなぎ部材を示す斜視図である。
【
図8】パネル積載ラックを用いたパネル施工方法を示す工程図である。
【
図9A】建物本体に建築用パネルを設置する施工手順を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施形態について
図1-
図9A,Bを参照して説明する。
本実施形態は、建築用パネルを水平に積載し、積載された建築用パネルを建物本体の所定部位に向かって水平に吊り上げる際に用いられるパネル積載ラックを利用したパネル施工方法であって、パネル積載ラックに建築用パネルを積載するパネル積載工程と、パネル積載ラックのラック吊り上げ部に吊り上げ装置の一部を取り付けて、建物本体の所定部位に向かって吊り上げるパネル吊り上げ工程と、建物本体の所定部位に建築用パネルをそのまま積載された状態で設置するパネル設置工程と、設置された建築用パネルをパネル積載ラックから取り外すパネル取り外し工程と、を備えており、上記パネル積載工程では、パネル保持部材によって建築用パネルとパネル受け部材の上下方向の間に隙間を形成した状態で建築用パネルを保持させることを特徴とする発明に関するものである。
【0017】
本実施形態のパネル積載ラック1は、
図1に示すように、建築用パネル2を複数積載した状態で運搬し、保管することが可能なラックであって、例えば、工場で建築用パネル2を水平に積載した状態で保管したり、工場から施工現場まで建築用パネル2を水平に積載した状態で運搬したりするために用いられる。
また、パネル積載ラック1は、
図2に示すように、積載された建築用パネル2を建物本体の所定部位に向かって吊り上げる際に用いられ、かつ、当該所定部位に建築用パネル2をそのまま水平状態で上下方向から設置する際に用いられるものである。
【0018】
建築用パネル2は、
図3A,Bに示すように、建物を構成する矩形板状の部材であって、具体的には、庇パネルであって、矩形板状のパネルフレーム2aと、パネルフレーム2aの上面、前方側面及び左右両側面にそれぞれ固定されている矩形板状の仕上げ面材2bと、から主に構成されている。
なお、パネルフレーム2aの側面に固定された仕上げ面材2bは、パネルフレーム2aよりも上下方向において(上方及び下方に向かって)突出するように取り付けられている。
そのため、建築用パネル2を積載するときには、パネルフレーム2aから突出した仕上げ面材2bの一部が損傷、破損しないように工夫する必要がある。
【0019】
パネルフレーム2aの底面において間口方向の両端部分には、パネル積載ラック1に固定するための固定ナット2c,2dがそれぞれ形成されている。
また、パネルフレーム2aの底面において固定ナット2c及び固定ナット2dの間の部分には、
図4に示す建物本体Bの所定部位(具体的には、腕木B1)に上下方向から嵌合させるための切り欠き溝2eが間隔を空けて複数形成されている。
なお、建築用パネル2は、「庇パネル」に特に限定されることなく、「外壁パネル」や「屋根パネル」のような片面仕上げパネル、「腰壁パネル」のような両面仕上げパネルであっても良く、各種の建築用パネルを採用することができる。
【0020】
パネル積載ラック1は、
図1に示すように、所定の間隔を空けて設けられ、建築用パネル2を下方から支持する一対のパネル受け部材10と、一対のパネル受け部材10を連結し、建築用パネル2を挟むように間隔を空けて設けられる一対のつなぎ部材20と、パネル受け部材10に取り付けられ、建築用パネル2とパネル受け部材10の上下方向の間に隙間を形成した状態で建築用パネル2を保持するパネル保持部材30と、から主に構成されている。
本実施形態のパネル積載ラック1では、一対のパネル受け部材10が上下方向に3段積み重ねられて構成されている。パネル積載ラック1の1段目には「長尺な建築用パネル」が積載され、2段目には「中尺な建築用パネル」積載され、3段目には「長尺な建築用パネル」が積載されている。
なお、
図1に示すように、複数の建築用パネル2が積載されたときに、それぞれの建築用パネル2の間口方向の中心部分が、パネル積載ラック1の長尺方向の中心部分に位置しており、言い換えれば、一対のパネル受け部材10の間の中間部分に位置している。
【0021】
パネル受け部材10は、
図1、
図5に示すように、建築用パネル2の受け部材であって、金属材料の角パイプ等が加工された略H形状の長尺体からなり、パネル積載ラック1の土台として機能するほか、建築用パネル2を着脱可能に支持する部材としても機能する。
パネル受け部材10は、建築用パネル2の間口方向の両端部を下方から支持するために間隔を空けて2本立設されている。
また、パネル受け部材10は、建築用パネル2を収容可能な間隔を空けて上下方向に複数重ねて配置することができ、互いに着脱可能となるように構成されている。
【0022】
パネル受け部材10は、建築用パネル2を挟むように間隔を空けて設けられ、上下方向に延びている一対の支柱部11と、一対の支柱部11を連結するように延びて、建築用パネル2を下方から支持するパネル受け部12と、から主に構成されている。
なお、パネル受け部12の上面には、パネル受け部12の長尺方向に間隔を空けて複数のパネル保持部材30が取り付けられている。
【0023】
支柱部11は、
図5に示すように、パネル受け部材10を上下方向に複数重ねたときに全体としてパネル積載ラック1の支柱となる部分であって、パネル積載ラック1の4隅に配置されている。
支柱部11は、上下方向に長尺な横断面ロ字形状の本体部11aと、本体部11aの上端部に形成された係合凸部11bと、本体部11aの下端部に形成され、上下方向に複数重ねたときに係合凸部11bと着脱可能に係合する係合穴部11cと、を有している。
また、支柱部11は、その本体部11aの外側面から突出するように形成され、つなぎ部材20を取り付けるためのつなぎ取り付け軸11dと、係合凸部11bの外側面に形成され、吊り上げ装置によってパネル積載ラック1を吊り上げるためのラック吊り上げ穴11eと、を有している。
【0024】
つなぎ取り付け軸11dは、支柱部11(本体部11a)の外側面からパネル受け部12側とは反対側に突出する取り付け軸であって、パネル積載ラック1の高さ方向においてパネル受け部12よりも高い位置に配置されており、かつ、パネル保持部材30と略同じ高さ位置に配置されている。
ラック吊り上げ穴11eは、
図2に示す吊り上げ装置L(吊り上げフックL1)に掛け止めされたワイヤL2の端部を取り付けるための貫通穴であって、パネル積載ラックの四隅に配置されている。
詳しく述べると、ラック吊り上げ穴11eは、支柱部11の延出方向とは直交する直行方向において支柱部11(係合凸部11b)の外側面及び内側面を貫通している。
本実施形態では、
図2に示すように、パネル積載ラック1を水平に吊り上げるために、長尺な2本の玉掛けワイヤL2及びシャックルL3が用いられており、シャックルL3が支柱部11を貫通するように取り付けられる。
【0025】
パネル受け部12は、断面ロ字形状の長尺体であって、建築用パネル2の間口方向の端部を下方から支持する部分であって、パネル積載ラック1の長尺方向の両端部にそれぞれ配置されている。
パネル受け部12の上面には、水平に積載した建築用パネル2を保持するためのパネル保持部材30が取り付けられている。
【0026】
つなぎ部材20は、
図1、
図6に示すように、一対のパネル受け部材10を連結する部材であって、矩形板状の長尺体からなり、パネル積載ラック1の剛性を付与し、建築用パネル2を挟むように保持する機能のほか、パネル積載ラック1をフォークリフト等で持ち上げて運搬するときに、当該フォークリフトのフォーク部(ツメ部)を当接させる当接部材としても機能する。
つなぎ部材20の長尺方向の両端部には、支柱部11のつなぎ取り付け軸11dに取り付けるための取り付け穴21が形成されており、つなぎ部材20が支柱部11の外側面に対して固定される。
このとき、一対のつなぎ部材20はパネル受け部材10を間に挟み込むようにして構成される。
【0027】
なお、つなぎ部材20の長尺方向の両端部には、
図6に示すように、吊り上げ装置Lの玉掛けワイヤL2を係合させるための略T字形状のラック吊り上げ部22が形成されている。当該ラック吊り上げ部22を利用してパネル積載ラック1を吊り上げることもできる。
【0028】
パネル保持部材30は、
図7に示すように、建築用パネル2を下方から保持する部材であって、断面略U字形状の板状部材からなり、パネル受け部材10(パネル受け部12)の長尺方向の両端部に一対となるように取り付けられている。
詳しく述べると、パネル保持部材30は、パネル受け部12の上面に取り付けられる底壁部31と、底壁部31の内側端部から連続して上方に延びている側壁部32と、側壁部32の延出端部から連続して屈曲し、パネル受け部12の幅方向の外側に延びている上壁部33と、を有している。
上壁部33の外縁のうち、支柱部11に最も近接した外縁部分には、上壁部33の外縁から中央側へ向かって切り欠き形成されたパネル固定穴34が形成されている。
【0029】
パネル固定穴34は、
図7に示すように、略半楕円形状の切り欠き穴であって、パネル固定穴34の内部に固定ボルト35を導き入れることができる。
また、パネル固定穴34は、建築用パネル2の底面に設けられた固定ナット2c,2dに上下方向で連通した状態で固定ボルト35によって締結される。
そうすることで、パネル積載ラック1に建築用パネル2を固定することができる。
【0030】
上記構成において、
図1、
図6に示すように、つなぎ部材20が、パネル積載ラック1の高さ方向においてパネル受け部12よりも上方位置に配置されており、かつ、建築用パネル2を挟むように設けられている。
そのため、建築用パネル2を安定して積載し、運搬することができる。
また、パネル積載ラック1は、
図4に示すように、積載された建築用パネル2を建物本体Bの所定部位に向かって吊り上げる際に用いられるところ、建築用パネル2を安定して吊り上げることができる。
また、パネル積載ラック1は、吊り上げた建築用パネル2(庇パネル)を建物本体Bの所定部位(腕木B1)にそのまま水平状態で上下方向から設置する際に用いられるところ、つなぎ部材20と、建物本体Bの腕木B1とが上下方向で干渉してしまうことを抑制でき、建築用パネル2を安定して設置できる。
【0031】
また上記構成において、
図1、
図5に示すように、パネル積載ラック1は、ラック吊り上げ穴11eを備えている。
そのため、
図2に示す吊り上げ装置Lによって建築用パネル2を直接吊り上げるものではなく、建築用パネル2が積載されたパネル積載ラック1を吊り上げるため、建築用パネル2を効率良く、安定して吊り上げることができる。
また上記構成において、ラック吊り上げ穴11eは、パネル保持部材30よりも上方位置に配置されており、かつ、パネル保持部材30よりもパネル積載ラック1の短尺方向において外側位置に配置されている。
そのため、パネル積載ラック1が安定して吊り上げ易い形状、構成となる。その結果、例えば庇パネルのように、水平に積載され、建物本体の所定部位に向かって水平に吊り上げられる建築用パネル2の吊り上げ作業を安定して効率良く行うことができる。
【0032】
また上記構成において、つなぎ部材20は、パネル積載ラック1の高さ方向においてパネル保持部材30と略同じ高さ位置に配置されており、建築用パネル2(建築用パネル2の下端部)よりも低い位置に配置されている。
そうすることで、建築用パネル2が積載されたパネル積載ラック1をフォークリフト等で持ち上げて運搬するときに、当該フォークリフト(フォーク部)が建築用パネル2の底面に当接してしまうことを避けることができる。
つまり、建築用パネル2を運搬するときに、パネルフレーム2aから突出した仕上げ面材2bの一部が損傷してしまうことを避けることができる。
【0033】
また上記構成において、
図4に示すように、パネル積載ラック1は、建築用パネル2とともに吊り上げられ、吊り上げた建築用パネル2(庇パネル)を建物本体Bの腕木B1にそのまま水平状態で上下方向から設置する際に用いられる。
このとき、パネル積載ラック1につなぎ部材20を取り付けたままの状態にしておくと、つなぎ部材20と、腕木B1とが干渉してしまう。そのため、建物本体Bに建築用パネル2を設置する前に、具体的にはパネル積載ラック1を吊り上げる前につなぎ部材20を予め取り外しておくと良い。
そうすれば、建築用パネル2の積載、運搬作業から、吊り上げ、設置作業までの一連作業を効率良く行うことが可能なパネル積載ラック1となる。
【0034】
<パネル施工方法>
次に、パネル積載ラック1を利用したパネル施工方法について
図8に基づいて説明する。
具体的には、
図4に示すように、建築用パネル2(庇パネル)が積載されたパネル積載ラック1を建物本体Bに向かって水平に吊り上げ、建物本体Bの腕木B1に建築用パネル2をそのまま上下方向から設置するパネル施工方法について説明する。
【0035】
パネル積載ラック1を利用したパネル施工方法では、
図8に示すように、まず、工場においてパネル積載ラック1を組み立てるラック組み立て工程(ステップS1)から始まる。
具体的には、一対のパネル受け部材10及びつなぎ部材20を1ユニットとして上下方向に複数重ねてパネル積載ラック1を組み立てる。例えば、
図1に示すように、「長尺な建築用パネル」又は「中尺な建築用パネル」を適宜選択して複数積載することができる。
【0036】
その後、パネル積載ラック1に建築用パネル2を水平に積載し(ステップS2)、パネル受け部材10上にあるパネル保持部材30に対し建築用パネル2を固定する(ステップS3)。
パネル積載工程では、一対のパネル受け部材10によって建築用パネル2の間口方向の両端部が支持されるようにして建築用パネル2を積載する。
なお、同じ高さ位置に一対のパネル受け部材10を設置する毎に1枚の建築用パネル2を載置することで、上下方向に間隔を空けながら複数の建築用パネル2を積載することができる。
パネル固定工程では、パネル保持部材30のパネル固定穴34と、建築用パネル2に設けられた固定ナット2c,2dとを連通させた状態で、固定ボルト35を用いて建築用パネル2を固定する。
なお、パネル積載ラック1に建築用パネル2が固定されたときに、建築用パネル2とパネル受け部材10の上下方向の間に隙間が形成されており、建築用パネル2の仕上げ面材2bが他の構成部品と接触しないように工夫されている。
【0037】
その後、建築用パネル2が積載されたパネル積載ラック1を運搬車両によって施工現場に運搬し(ステップS4)、施工現場でパネル積載ラック1を積み下ろし、パネル積載ラック1からつなぎ部材20を取り外した上で施工現場に保管する(ステップS5)。
保管されている間に、
図9A(a)に示すように、建物本体Bに腕木B1を設置し、さらに腕木B1に近接した上方部分に外壁パネルB2を設置する(ステップS6)。
なお、この時点で外壁パネルB2を設置しておくことで、作業者の安全をより確保し易くなる。
【0038】
その後、パネル積載ラック1のラック吊り上げ穴11eに吊り上げ装置Lの一部を取り付けて、
図9A(b)に示すように、建築用パネル2が固定されたパネル積載ラック1の一部を建物本体Bに向かって水平に吊り上げる(ステップS7)。
このとき、パネル積載ラック1の一部とは、
図1に示すパネル積載ラック1の最上段に位置する一対のパネル受け部材10及び一対のつなぎ部材20であって、建築用パネル2とは、最上段に位置する長尺な建築用パネルである。
【0039】
その後、
図9A(c)に示すように、建物本体Bの腕木B1に建築用パネル2をそのまま水平状態で上下方向から設置し、仮固定する(ステップS8)。
具体的には、一対のパネル受け部材10と、建物本体Bの腕木B1とが上下方向で重ならないようにして建築用パネル2を水平に設置する。
より具体的には、腕木B1に対し建築用パネル2のパネルフレーム2a(切り欠き溝2e)を上方から嵌合させることで、建築用パネル2を仮固定する。
【0040】
その後、
図9A(d)に示すように、建築用パネル2をパネル積載ラック1から取り外し(ステップS9)、建物本体Bの腕木B1に建築用パネル2を本固定して(ステップS10)、本作業工程を終了する。
なお、建築用パネル2を本固定するためには、腕木B1に沿って建築用パネル2をスライド移動させて建物本体B側に引き寄せた後、腕木B1及び建築用パネル2をボルト固定すれば良い。
上記パネル施工方法であれば、建築用パネル2の積載、運搬作業だけでなく、建築用パネル2を安定して吊り上げることができ、建物本体Bに効率良く設置することができる。
【0041】
なお、上記作業工程では、
図9Aに示すように、建物本体Bに対し建築用パネル2(庇パネル)を設置する前に外壁パネルB2を予め設置しているところ、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、
図9Bに示すように、建物本体Bに対し建築用パネル2を設置(仮固定)した後に外壁パネルB2を設置するようにしても良い。その場合には、仮固定された建築用パネル2を足場として利用しながら、作業者が外壁パネルB2を設置することができる。
なお、
図9Bに示す施工方法を採用する場合には、
図8に示すパネル施工方法において、ステップS6の工程を「建物本体に腕木を設置」に変更し、ステップS9の「パネル取り外し工程」の後にステップS9-2の工程「外壁パネルの設置」を新たに追加すれば良い。
【0042】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、
図1、
図2に示すように、建築用パネル2(庇パネル)を「水平に」積載し、積載された建築用パネル2を建物本体に向かって「水平に」吊り上げる際に用いられるパネル積載ラック1について説明しているが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、パネル積載ラックが、建築用パネル(外壁パネル)を「垂直に」積載し、建築用パネルを建物本体に向かって「垂直に」吊り上げる際に用いられるものであっても良い。
その場合には、建物本体の所定部位に建築用パネルをそのまま垂直状態で真横から設置するように用いられると良い。
また例えば、パネル積載ラックが、建築用パネル(屋根パネル)を「斜めに」積載し、建築用パネルを建物本体に向かって「斜めに」吊り上げる際に用いられるものでも良い。
その場合には、建物本体の所定部位に建築用パネルをそのまま斜め状態で斜め外側から設置するように用いられると良い。
【0043】
上記実施形態では、
図1に示すように、パネル積載ラック1が一対のパネル受け部材10と、一対のつなぎ部材20とを備えているが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、パネル積載ラックが、パネル受け部材10よりも幅広に形成された1つのパネル受け部材のみを備えており、当該パネル受け部材で建築用パネル2を支持することとしても良い。
また例えば、パネル積載ラックが、一対のパネル受け部材10と、1つのつなぎ部材とを備えた構成としても良い。
また例えば、パネル積載ラックが、一対のパネル受け部材10の上面においてパネル保持部材30をそれぞれ1つずつ備えた構成としても良いし、それぞれ3つ以上備えた構成としても良い。
【0044】
上記実施形態では、
図5に示すように、パネル受け部材10の係合凸部11bが、支柱部11の上端部に形成され、係合穴部11cが支柱部11の下端部に形成されているが、特に限定されることなく変更可能であって、それぞれ逆の構成であっても良い。
すなわち、係合穴部11cが支柱部11の上端部に形成され、係合凸部11bが支柱部11の下端部に形成されていても良い。
そのほか、凸部と穴部の係合関係に特に限定されなくても良い。すなわち、支柱部11が、その上端部に形成される第1係合部と、下端部に形成され、上下方向に複数重ねたときに第1係合部と着脱可能に係合する第2係合部とを有していても良い。
【0045】
上記実施形態では、主として本発明に係るパネル積載ラック及びパネル施工方法に関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0046】
1 パネル積載ラック
2 建築用パネル
2a パネルフレーム
2b 仕上げ面材
2c,2d 固定ナット(被固定部)
2e 切り欠き溝
10 パネル受け部材
11 支柱部
11a 本体部
11b 係合凸部
11c 係合穴部
11d つなぎ取り付け軸(つなぎ取り付け部)
11e ラック吊り上げ穴(ラック吊り上げ部)
12 パネル受け部
20 つなぎ部材
21 取り付け穴(取り付け部)
22 ラック吊り上げ部
30 パネル保持部材
31 底壁部
32 側壁部
33 上壁部
34 パネル固定穴(パネル固定部)
35 固定ボルト(固定部材)
B 建物本体
B1 腕木
B2 外壁パネル
L 吊り上げ装置
L1 吊り上げフック
L2 ワイヤ(玉掛けワイヤ)
L3 シャックル