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7545231凝固点降下剤を噴射する除氷装置を有するマルチコプター
<図1>
  • -凝固点降下剤を噴射する除氷装置を有するマルチコプター 図1
  • -凝固点降下剤を噴射する除氷装置を有するマルチコプター 図2
  • -凝固点降下剤を噴射する除氷装置を有するマルチコプター 図3
  • -凝固点降下剤を噴射する除氷装置を有するマルチコプター 図4
  • -凝固点降下剤を噴射する除氷装置を有するマルチコプター 図5
  • -凝固点降下剤を噴射する除氷装置を有するマルチコプター 図6
  • -凝固点降下剤を噴射する除氷装置を有するマルチコプター 図7
  • -凝固点降下剤を噴射する除氷装置を有するマルチコプター 図8
  • -凝固点降下剤を噴射する除氷装置を有するマルチコプター 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】凝固点降下剤を噴射する除氷装置を有するマルチコプター
(51)【国際特許分類】
   B64D 15/10 20060101AFI20240828BHJP
   B64C 27/08 20230101ALI20240828BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20240828BHJP
   B64U 10/14 20230101ALI20240828BHJP
   B64U 20/80 20230101ALI20240828BHJP
   B64U 101/45 20230101ALN20240828BHJP
【FI】
B64D15/10
B64C27/08
B64C39/02
B64U10/14
B64U20/80
B64U101:45
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020090152
(22)【出願日】2020-05-23
(65)【公開番号】P2021185052
(43)【公開日】2021-12-09
【審査請求日】2023-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】520180976
【氏名又は名称】山崎 雅文
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】弁理士法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】山崎 雅文
(72)【発明者】
【氏名】木村 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】阿部 裕幸
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-529213(JP,A)
【文献】特許第154652(JP,C2)
【文献】特開平09-086499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 15/10
B64C 39/02
B64C 27/08
B64U 10/14
B64U 20/80
B64U 101/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行するための推進力を発生する回転翼と、凝固点降下剤を噴射する除氷装置と、を有し、
前記除氷装置は、前記回転翼に着氷することを防止する凝固点降下剤を噴射する噴射部と、前記噴射部から噴射した前記凝固点降下剤を噴射するノズルと、を有し、
前記ノズルは、前記回転翼に、前記凝固点降下剤を噴射するとともに、
前記回転翼を支持する支持部と、
前記支持部が取り付けられている本体部と、を有し、
前記噴射部は、前記本体部に取り付けると共に、前記ノズルは、前記本体部に配置したマルチコプター。
【請求項2】
飛行するための推進力を発生する回転翼と、凝固点降下剤を噴射する除氷装置と、を有し、
前記除氷装置は、前記回転翼に着氷することを防止する凝固点降下剤を噴射する噴射部と、前記噴射部から噴射した前記凝固点降下剤を噴射するノズルと、を有し、
前記噴射部は、前記ノズルに前記凝固点降下剤を供給するためにその凝固点降下剤を収納する第1収納部と、
前記第1収納部に収納された前記凝固点降下剤を噴射するために、圧縮空気を収納する第2収納部と、前記第1収納部と、前記第2収納部とを接続する中空の管と、前記第1収納部と、前記ノズルを接続する中空の第2管と、を有し、
前記第2収納部から前記中空の管によって前記圧縮空気が噴射され、前記第1収納部において、前記圧縮空気が膨張することで、前記中空の第2管によって、前記凝固点降下剤を前記ノズルから前記回転翼に噴射するとともに、
前記回転翼を支持する支持部と、前記支持部が取り付けられている本体部と、を有し、前記噴射部は、前記本体部に取り付けると共に、前記ノズルは、前記本体部に配置したマルチコプター。
【請求項3】
飛行するための推進力を発生する回転翼と、 凝固点降下剤を噴射する除氷装置と、を有し、
前記除氷装置は、前記回転翼に着氷することを防止する凝固点降下剤を噴射する噴射部と、前記噴射部から噴射した前記凝固点降下剤を噴射するノズルと、を有し、
前記ノズルは、前記回転翼に、前記凝固点降下剤を噴射するとともに、
前記回転翼を支持する支持部と、前記支持部が取り付けられている本体部と、を有し、
前記噴射部は、前記本体部に取り付けると共に、前記ノズルは、前記支持部に配置したマルチコプター。
【請求項4】
飛行するための推進力を発生する回転翼と、凝固点降下剤を噴射する除氷装置と、を有し、
前記除氷装置は、前記回転翼に着氷することを防止する凝固点降下剤を噴射する噴射部と、前記噴射部から噴射した前記凝固点降下剤を噴射するノズルと、を有し、
前記噴射部は、前記ノズルに前記凝固点降下剤を供給するためにその凝固点降下剤を収納する第1収納部と、
前記第1収納部に収納された前記凝固点降下剤を噴射するために、圧縮空気を収納する第2収納部と、
前記第1収納部と、前記第2収納部とを接続する中空の管と、前記第1収納部と、前記ノズルを接続する中空の第2管と、を有し、
前記第2収納部から前記中空の管によって前記圧縮空気が噴射され、前記第1収納部において、前記圧縮空気が膨張することで、前記中空の第2管によって、前記凝固点降下剤を前記ノズルから前記回転翼に噴射するとともに、
前記回転翼を支持する支持部と、前記支持部が取り付けられている本体部と、を有し、
前記噴射部は、前記本体部に取り付けると共に、前記ノズルは、前記支持部に配置したマルチコプター。
【請求項5】
飛行するための推進力を発生する回転翼と、凝固点降下剤を噴射する除氷装置と、を有し、
前記除氷装置は、前記回転翼に着氷することを防止する凝固点降下剤を噴射する噴射部と、前記噴射部から噴射した前記凝固点降下剤を噴射するノズルと、を有し、
前記ノズルは、前記回転翼に、前記凝固点降下剤を噴射するとともに、
前記回転翼を支持する支持部と、前記支持部が取り付けられている本体部と、前記ノズルを配置するノズル取り付け部と、を有し、前記ノズル取り付け部は、前記本体部に取り付けられ、前記噴射部は、前記本体部に配置すると共に、前記ノズルは、前記ノズル取り付け部に配置したマルチコプター。
【請求項6】
飛行するための推進力を発生する回転翼と、凝固点降下剤を噴射する除氷装置と、を有し、
前記除氷装置は、前記回転翼に着氷することを防止する凝固点降下剤を噴射する噴射部と、前記噴射部から噴射した前記凝固点降下剤を噴射するノズルと、を有し、
前記噴射部は、前記ノズルに前記凝固点降下剤を供給するためにその凝固点降下剤を収納する第1収納部と、
前記第1収納部に収納された前記凝固点降下剤を噴射するために、圧縮空気を収納する第2収納部と、
前記第1収納部と、前記第2収納部とを接続する中空の管と、前記第1収納部と、前記ノズルを接続する中空の第2管と、を有し、
前記第2収納部から前記中空の管によって前記圧縮空気が噴射され、前記第1収納部において、前記圧縮空気が膨張することで、前記中空の第2管によって、前記凝固点降下剤を前記ノズルから前記回転翼に噴射するとともに、
前記回転翼を支持する支持部と、前記支持部が取り付けられている本体部と、前記ノズルを配置するノズル取り付け部と、を有し、前記ノズル取り付け部は、前記本体部に取り付けられ、前記噴射部は、前記本体部に配置すると共に、前記ノズルは、前記ノズル取り付け部に配置したマルチコプター。
【請求項7】
前記回転翼に、当該回転翼をガードするためのカバーを取り付けた請求項1から6いずれかに記載のマルチコプター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転翼に着氷することを防止する凝固点降下剤を噴射する除氷装置を有するマルチコプターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
寒冷地や、山岳地帯において、いわゆるマルチコプターを飛行させると、回転翼に着氷する場合がある。その場合に回転翼に付着した氷を取り除かなくては飛行に支障をきたす恐れがある。
【0003】
このような場合に、回転翼に衝撃を与え、その衝撃により氷を除去する方法。あるいは、特表2011-516344号に開示されているように、「少なくとも1つの熱源(20)と、航空機の除氷されるべき部分へ空気を送達するための少なくとも1つの空気送達手段(23)とを備えた航空機用除氷システムであって、空気加熱装置(30)を介して上記航空機の客室から空気を排出するための航空機の空調システム(26)に、上記空気送達手段(23)が接続され、上記航空機の客室からの空気を加熱するために、上記空気加熱装置(30)が少なくとも1つの熱源(28)に接続されていることを特徴とする、航空機用除氷システム。」が開示されている。
【0004】
少なくとも1つの熱源(20)と、航空機の除氷されるべき部分へ空気を送達するための少なくとも1つの空気送達手段(23)とを備えた航空機用除氷システムであって、空気加熱装置(30)を介して上記航空機の客室から空気を排出するための航空機の空調システム(26)に、上記空気送達手段(23)が接続され、上記航空機の客室からの空気を加熱するために、上記空気加熱装置(30)が少なくとも1つの熱源(28)に接続されていることを特徴とする、航空機用除氷システム。
しかしながら、氷結した回転翼に衝撃を与える方法では、回転翼が薄く強度も低いマルチコプターについて適当ではない。また、上述の航空機用除氷システムでは、構造が複雑で軽量なマルチコプターに搭載することは現実的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2011-516344号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、構造が単純で軽量な除氷装置を有するマルチコプターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、第1観点のマルチコプターは、飛行するための推進力を発生する回転翼と、凝固点降下剤を噴射する除氷装置と、を有し、除氷装置は、回転翼に凝固点降下剤を噴射するというものである。
【0008】
また、第2観点のマルチコプターは、第1観点において、除氷装置は、回転翼に着氷することを防止する凝固点降下剤を噴射する噴射部と、噴射部から噴射した凝固点降下剤を噴射するノズルと、を有し、ノズルは、回転翼に、凝固点降下剤を噴射するというものである。
【0009】
また、第3観点のマルチコプターは、第2観点において、噴射部は、ノズルに凝固点降下剤を供給するためにその凝固点降下剤を収納する第1収納部と、第1収納部に収納された凝固点降下剤を噴射するために、圧縮空気を収納する第2収納部と、第1収納部と、第2収納部とを接続する中空の管と、第1収納部と、ノズルを接続する中空の第2管と、を有し、第2収納部から中空の管によって圧縮空気が噴射され、第1収納部において、圧縮空気が膨張することで、中空の第2管によって、凝固点降下剤を前記ノズルから噴射するというものである。
【0010】
また、第4観点のマルチコプターは、第2観点または第3観点において、回転翼を支持する支持部と、支持部が取り付けられている本体部と、を有し、噴射部は、本体部に取り付けると共に、ノズルは、本体部に配置したというものである。
【0011】
また、第5観点のマルチコプターは、第2観点または第3観点において、回転翼を支持する支持部と、支持部が取り付けられている本体部と、を有し、噴射部は、本体部に取り付けると共に、ノズルは、支持部に配置したというものである。
【0012】
また、第6観点のマルチコプターは、第2観点または第3観点において、回転翼を支持する支持部と、支持部が取り付けられている本体部と、ノズルを配置するノズル取り付け部と、を有し、ノズル取り付け部は、本体部に取り付けられ、噴射部は、前記本体部に配置すると共に、ノズルは、ノズル取り付け部に配置しというものである。
【0013】
また、第7観点のマルチコプターは、第1観点からまたは第6観点において、回転翼に、当該回転翼をガードするためのカバーを取り付けたというものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、構造が単純で軽量な除氷装置を有するマルチコプターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】Aは、第1実施例のマルチコプターの斜視図である。Bは、第1実施例のマルチコプターの正面図である。
図2】除氷装置の概念図である。
図3】Aは、第2実施例のマルチコプターの斜視図である。Bは、第2実施例のマルチコプターの正面図である。
図4】Aは、第3実施例のマルチコプターの斜視図である。Bは、第3実施例のマルチコプターの正面図である。
図5】Aは、第4実施例のマルチコプターの斜視図である。Bは、第4実施例のマルチコプターの正面図である。
図6】Aは、第5実施例のマルチコプターの斜視図である。Bは、第5実施例のマルチコプターの正面図である。
図7】Aは、第6実施例のマルチコプターの斜視図である。Bは、第6実施例のマルチコプターの正面図である。
図8】Aは、第7実施例のマルチコプターの斜視図である。Bは、第8実施例のマルチコプターの正面図である。
図9】Aは、第8実施例のマルチコプターの斜視図である。Bは、第8実施例のマルチコプターの正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図示の実施形態を参照して実施例について説明する。第1実施例のマルチコプター10は、除氷装置100を搭載することが可能である。除氷装置100は、マルチコプター10における回転翼50に着氷することを防止する凝固点降下剤を噴射する噴射部200と、その噴射部200から噴射した凝固点降下剤を外部に噴射するノズル300と、を有するものである。尚、マルチコプターとは、回転翼を複数枚持つ航空機をいう。
【0017】
除氷装置100における噴射部200は、凝固点降下剤を噴射するためのものであり、その凝固点降下剤をあらかじめ収納する第1収納部210と、その第1収納部210に収納された凝固点降下剤を噴射するために、圧縮空気を収納する第2収納部220と、を有する(図2参照)。また、噴射部200は、後述する中空の管230と、中空の第2管240とを有する。また、中空の管230の途中には、開閉可能な電子弁250が配置されている。
【0018】
圧縮空気を収納する第2収納部220と第1収納部210は、上述の中空の管230によって接続されており、第2収納部220から圧縮された空気をその中空の管230によって第1収納部210に送ることができる。
【0019】
第1収納部210は、合成樹脂製あるいは金属製のタンクを使用することができる。また、例えば、炭酸飲料のペットボトルを使用することができる。そのペットボトルを圧力タンクとして使用するためである。もっとも、これに限られないのはいうまでもない。
【0020】
第2収納部220から送られた圧縮された空気は膨張し、第1収納部210内に送り込まれる。第1収納部210はいわば圧力タンクであり、その内部にあらかじめ入れてある、凝固点降下剤を、上述の中空の第2管240によって、ノズル300に送られることで、そのノズル300から、凝固点降下剤を噴出することができる。
【0021】
本実施例の凝固点降下剤は、例えば、プロピレングリコールを水で、希釈したものが好ましく、そのプロピレングリコールの濃度は、50質量パーセントが好ましい。また、例えば塩水であれば、氷点を硬化させることができるために凝固点降下剤として使用することができる。また、塩化カルシウム水溶液、エチレングリコール、不凍多糖、不凍タンパク質を、それぞれ溶液として使用できるが、これらに限られることはない。
【0022】
第2収納部220は、あらかじめ圧縮された空気が収納されており、上述した開閉可能な電子弁250を開くことで、その空気を第1収納部210に送ることで、第1収納部210に配置された凝固点降下剤を、上述の中空の第2管240によって、ノズル300からを噴出することができる。なお、第2収納部220は、例えば、自転車のタイヤのパンク補修用の二酸化炭素を発生させるボンベを使用することができる。このように、図示しない使用者が、この電子弁250を開閉させることで、適切なタイミングで凝固点降下剤を回転翼50に噴出することで、氷結を防止することができる。なお、電子弁250の開閉は公知であり、後述する図示しない制御装置を通じて、無線操縦することができる。
【0023】
次に、上記構成の除氷装置100は、第1実施例のマルチコプター10に搭載されている。第1実施例のマルチコプター10は、複数の回転翼50を駆動するための図示しない駆動部が配置されている本体部60を有する。
【0024】
また、複数の回転翼50をそれぞれ吊り下げるように配置する支持部70を複数有する。支持部70は、文字通り、回転翼50を支持するためのものであり、その内部に、その回転翼50を駆動させるためにモーター55に給電する図示しないワイヤが配置されている。また本体部60にそのモーター55に給電する図示しないバッテリーを備えている。
【0025】
また、マルチコプター10は、無線操縦するための図示しない受信装置と回転翼50の回転および電子弁250の開閉を制御する制御装置を有する。なお、それらの構成は公知であるのでその説明を省略する場合がある。
【0026】
尚、後述する他の実施例のマルチコプターの構成と共通するものについては、同一の符号を付しその説明を省略することがある。
【0027】
第1実施例のマルチコプター10は、複数の回転翼50が下方Dに向くように配置され、複数の支持部70によって、それぞれ吊り下げられるように配置されている。また、本体部60に噴射部200が取り付けられており、中空の第2管240によって接続されたノズル300が本体部60に配置されている。
【0028】
このときノズル300の向きは、回転翼50の回転面と平行であって、その回転面と面一になるように配置されている。回転翼50の回転面と平行に吹き付けることによって、凝固剤をプロペラである回転翼50全体に供給することができる。したがって、除氷装置100だけでその回転翼50全体に凝固点降下剤を供給することができるので、マルチコプター10全体の重量増を抑制することができる。
【0029】
また、マルチコプター10は、複数の回転翼50をそれぞれ吊り下げるように配置する支持部70を複数有する。支持部70は、文字通り、回転翼50を支持するためのものであり、その内部に、その回転翼50を駆動させるためにモーター55に給電する図示しないワイヤが配置されている。また本体部60にそのモーター55に給電する図示しないバッテリーを備えている。
【0030】
また、マルチコプター10は、無線操縦するための図示しない受信装置と回転翼50の回転を制御する制御装置を有する。なお、それらの構成は公知であるのでその説明を省略する場合がある。
【0031】
尚、第1実施例のマルチコプター10と、後述する他の実施例のマルチコプターの構成と共通するものについては、同一の符号を付しその説明を省略することがある。
【0032】
第2実施例のマルチコプター12は、第2除氷装置120を有する。第2除氷装置120は、噴射部200と第2ノズル320を有するものである。なお、噴射部200は、第1実施例のマルチコプター10における噴射部200と同一であるのでその説明を省略する。また、第2ノズル320の位置は、第1実施例のマルチコプター10のノズル300の位置と異なっており、支持部70に配置されている。第2ノズル320の向きは、回転翼50の回転面に対し垂直方向であって、その回転面に対し下方Dに向くように配置されている。このように回転翼50の回転面と垂直に吹き付けることによって、凝固剤をプロペラである回転翼50全体に供給することができる。したがって、第2除氷装置120だけでその回転翼50全体に凝固点降下剤を供給することができるので、マルチコプター12全体の重量増を抑制することができる。
【0033】
第3実施例のマルチコプター13は、第3除氷装置130を有する。第3除氷装置130は、噴射部200と第3ノズル330を有するものである。なお、噴射部200は、第1実施例のマルチコプター10における噴射部200と同一であるのでその説明を省略する。また、第3ノズル330位置は、第1実施例のマルチコプター10のノズル300の位置と異なっており、支持部70にそれぞれ2箇所配置されている。第3ノズル330の向きは、回転翼50の回転面に対し垂直方向であって、その回転面に対し下方Dに向くように配置されている。もっとも、ノズル330は、2箇所に限られず複数有することも好ましい。このように回転翼50の回転面と垂直に吹き付けることによって、凝固剤をプロペラである回転翼50全体に供給することができる。したがって、第3除氷装置130だけでその回転翼50全体に凝固点降下剤を供給することができるので、マルチコプター13全体の重量増を抑制することができる。
【0034】
また、第4実施例のマルチコプター14は、第4除氷装置140を有する。第4除氷装置140は、噴射部200と第4ノズル340を有するものである。なお、噴射部200は、第1実施例のマルチコプター10における噴射部200と同一であるのでその説明を省略する。また、中空の第2管240によって接続された第4ノズル340は、カバー80に配置されている。また、カバー80は、回転翼50をガードするためのものである。尚、図示しないが、第2実施例のマルチコプター12および第3実施例のマルチコプター13の回転翼50に、ガードするためのカバー80を取り付けることも可能である。
【0035】
このとき第4ノズル340の向きは、回転翼50の回転面と平行であって、その回転面と面一になるように配置されている。回転翼50の回転面と平行に吹き付けることによって、凝固剤をプロペラ全体に供給することができる。したがって、第4除氷装置140だけで、その回転翼50全体に凝固点降下剤を供給することができるので、マルチコプター14全体の重量増を抑制することができることは上記と同様である。
【0036】
また、第5実施例のマルチコプター15は、第5除氷装置150を有する。第5除氷装置150は、噴射部200と第5ノズル350を有するものである。なお、噴射部200は、第1実施例のマルチコプター10における噴射部200と同一であるのでその説明を省略する。また、中空の第2管240によって接続された第5ノズル350は、本体部60に配置されている。
【0037】
このとき第5ノズル350の向きは、回転翼50の回転面と平行であって、その回転面と面一になるように配置されている。回転翼50の回転面と平行に吹き付けることによって、凝固剤をプロペラ全体に供給することができる。したがって、第5除氷装置150だけでその回転翼50全体に凝固点降下剤を供給することができるので、マルチコプター15全体の重量増を抑制することができることは上記と同様である。なお、複数の第2支持部75は、上述の第1支持部70の位置と比較して、本体部60の下方に配置されている。回転翼50を上向きに配置したからである。
【0038】
第6実施例のマルチコプター16は、第6除氷装置160を有する。第6除氷装置160は、噴射部200と第6ノズル360を有するものである。なお、噴射部200は、第1実施例のマルチコプター10における噴射部200と同一であるのでその説明を省略する。また、第6ノズル360の位置は、第5実施例のマルチコプター15の第5ノズル350の位置と異なっており、ノズル取り付け部78に配置されている。ノズル取り付け部78は、本体部60の上部から、屹立するように配置されつつ、ほぼ水平に延伸し、さらに垂直下方に向くようにコの字状を呈している。また、第6ノズル360の向きは、回転翼50の回転面に対し垂直方向であって、下方Dに向くように配置されている。
【0039】
従って回転翼50の回転面に垂直に吹き付けることによって、凝固剤をプロペラ全体に供給することができる。したがって、第6除氷装置160だけでその回転翼50全体に凝固点降下剤を供給することができるので、マルチコプター16全体の重量増を抑制することができることは上記と同様である。
【0040】
第7実施例のマルチコプター17は、第7除氷装置170を有する。第6除氷装置160との相違は、ノズル取り付け部78において、先端に第6ノズル360と、その途中に第7ノズル370を有し、ノズルを2か所有するというものである。他の点は、第6実施例のマルチコプター16と同一であるのでその説明を省略する場合がある。第6ノズル360および第7ノズル370の向きは、回転翼50の回転面に対し垂直方向であって、下方Dに向くように配置されている。もっとも、第6ノズル360および第7ノズル370は、ノズル取り付け部78において、2箇所に限られず複数有することも好ましい。また、回転翼50の回転面に垂直に吹き付けることによって、凝固剤をプロペラ全体に供給することができる。したがって、第7除氷装置170だけでその回転翼50全体に凝固点降下剤を供給することができるので、マルチコプター17全体の重量増を抑制することができることは上記と同様である。
【0041】
また、第8実施例のマルチコプター18は、第8除氷装置180を有する。第8除氷装置180は、噴射部200と第8ノズル380を有するものである。なお、噴射部200は、第1実施例のマルチコプター10における噴射部200と同一であるのでその説明を省略する。また、中空の第2管240によって接続された第8ノズル380がカバー80に配置されている。また、第8ノズル380の向きは、回転翼50の回転面に対し水平方向に配置されている。このように、回転翼50の回転面と平行に吹き付けることによって、凝固剤をプロペラ全体に供給することができる。したがって、第8除氷装置180だけでその回転翼50全体に凝固点降下剤を供給することができるので、マルチコプター18全体の重量増を抑制することができることは上記と同様である。
【0042】
上述の第4実施例のマルチコプター14の回転翼50に、ガードするためのカバー80を取り付けることも可能である。図示しない使用者の怪我を防止するためである。尚、図示しないが、第5実施例のマルチコプター15および第6実施例のマルチコプター16、第7実施例のマルチコプター17の回転翼50に、ガードするためのカバー80を取り付けることも可能である。
【0043】
上記いずれのマルチコプター10,12,13,14,15,16、17,18において、回転翼50に凝固点降下剤を吹き付けることができるので、回転翼50の凍結を防止することができる。
【符号の説明】
【0044】
10 第1実施例のマルチコプター
12 第2実施例のマルチコプター
13 第3実施例のマルチコプター
14 第4実施例のマルチコプター
15 第5実施例のマルチコプター
16 第6実施例のマルチコプター
17 第7実施例のマルチコプター
18 第8実施例のマルチコプター
50 回転翼
55 モーター
60 本体部
70 支持部
75 第2支持部
78 ノズル取り付け部
80 カバー
100 除氷装置
120 第2除氷装置
130 第3除氷装置
140 第4除氷装置
150 第5除氷装置
160 第6除氷装置
170 第7除氷装置
180 第8除氷装置
200 噴射部
210 第1収納部
220 第2収納部
230 管
240 第2管
300 ノズル
320 第2ノズル
330 第3ノズル
340 第4ノズル
350 第5ノズル
360 第6ノズル
370 第7ノズル
380 第8ノズル
図1
図2
図3
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図5
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図9