(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】撮像装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 23/63 20230101AFI20240828BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20240828BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20240828BHJP
【FI】
H04N23/63
H04N23/60 500
G03B17/18
(21)【出願番号】P 2020101077
(22)【出願日】2020-06-10
【審査請求日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】P 2019135677
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大輪 寧司
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 和紀
(72)【発明者】
【氏名】坂井田 稔
(72)【発明者】
【氏名】大森 勇司
【審査官】辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/021626(WO,A1)
【文献】特開2019-092018(JP,A)
【文献】特開2009-253690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/63
H04N 23/60
G03B 17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブビュー画像を撮像して表示部にライブビュー表示を行う撮像装置であって、
1つの静止画の撮像の露光時間と前記ライブビュー画像の撮像周期に基づいて、前記1つの静止画の撮像における露光を分割して行うか否かを判定する
第1の判定手段と、
前記
第1の判定手段により露光を分割して行うと判定された場合、前記1つの静止画の撮像の露光時間を分割して、前記1つの静止画へ合成される複数の静止画を取得する分割手段と、
前記分割手段により分割される前記複数の静止画のうち、撮像センサからの第1の静止画の読み出し期間と、前記第1の静止画に続く第2の静止画の前記撮像センサからの読み出し期間に重複が発生するか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段により前記重複が発生すると判定された場合に、前記重複が解消されるように前記撮像センサによる前記複数の静止画の撮影を変更する変更手段と、
前記複数の静止画の1つ以上を順次にライブビュー画像として用いることにより、前記1つの静止画の撮像によりライブビュー画像を撮像できなかった期間におけるライブビュー表示を行う表示制御手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記
第1の判定手段は、前記1つの静止画の撮像の露光時間が、ライブビュー画像の撮像周期に基づいて決定される所定の閾値より大きい場合に、前記1つの静止画の撮像の露光を分割すると判定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記所定の閾値は、ライブビュー画像の撮像周期から、ライブビュー画像の撮像と静止画の撮像との間の切り替えに要する時間を差し引いた時間であることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記分割手段は、前記1つの静止画の撮像の露光時間を、ライブビュー画像の前記撮像周期の長さで分割することを特徴とする請求項2または3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記
第1の判定手段は、ライブビュー画像の撮像周期で決まるライブビュー画像の撮像タイミングに基づいて分割タイミングを決定し、前記1つの静止画の露光の期間が前記分割タイミングを超える場合に、前記1つの静止画の撮像の露光を分割すると判定し、
前記分割手段は前記分割タイミングで前記1つの静止画の撮像の露光時間を分割することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記分割タイミングは、前記撮像周期に従って開始されたライブビュー画像の露光が終了するタイミングに決定されることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記分割タイミングは、前記撮像周期に従ってライブビュー画像の撮像が開始するタイミングに決定されることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記撮像周期に従って撮像されたライブビュー画像が表示されるタイミングと、前記1つの静止画の露光を分割して得られた前記複数の静止画の各々が表示されるタイミングとが一致するように、前記分割タイミングが決定されることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記分割手段により得られた前記複数の静止画の明るさを、前記ライブビュー画像の撮像条件に基づいて調整する調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記複数の静止画の明るさを、それぞれの分割された露光時間と前記ライブビュー画像の撮像の露光時間との比に従って調整することを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記変更手段は、前記第2の静止画の露光の開始タイミングを、前記読み出し期間の前記重複を回避するように遅延させることを特徴とする
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記変更手段は、前記第2の静止画の露光時間が前記重複を回避する長さとなるように、前記複数の静止画のうちの前記第2の静止画を除く他の静止画の少なくとも1つに割り当てられた露光時間の一部を前記第2の静止画の露光時間に移すことを特徴とする
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記変更手段は、前記第2の静止画の撮影を中止することを特徴とする
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記複数の静止画を前記1つの静止画に合成する合成手段をさらに備え、
前記合成手段は、前記第2の静止画の撮影が中止された場合に、前記第2の静止画を除く前記複数の静止画を合成し、前記第2の静止画の露光時間に相当する輝度の不足を調整して1つの静止画を生成することを特徴とする
請求項13に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記変更手段は、前記第1の静止画と前記第2の静止画の撮影に代えて、前記第1の静止画の露光時間と前記第2の静止画の露光時間を足し合わせた露光時間により1つの静止画を撮影するように変更することを特徴とする
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記
第2の判定手段は、前記第2の静止画に与えられた露光時間が所定時間より短い場合に前記重複が発生すると判定することを特徴とする
請求項1乃至15のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記所定時間は、前記撮像センサから静止画を読み出すのに要する時間に基づいて設定されていることを特徴とする
請求項16に記載の撮像装置。
【請求項18】
ライブビュー画像を撮像してライブビュー表示を行う撮像装置の制御方法であって、
1つの静止画の撮像の露光時間と前記ライブビュー画像の撮像のタイミングに基づいて、前記1つの静止画の撮像における露光を分割して行うか否かを判定する
第1の判定工程と、
前記
第1の判定工程により露光を分割して行うと判定された場合、前記1つの静止画の撮像の露光時間を分割して、前記1つの静止画へ合成される複数の静止画を取得する分割工程と、
前記分割工程により分割される前記複数の静止画のうち、撮像センサからの第1の静止画の読み出し期間と、前記第1の静止画に続く第2の静止画の前記撮像センサからの読み出し期間に重複が発生するか否かを判定する第2の判定工程と、
前記第2の判定工程により前記重複が発生すると判定された場合に、前記重複が解消されるように前記撮像センサによる前記複数の静止画の撮影を変更する変更工程と、
前記1つの静止画の撮像によりライブビュー画像の撮像ができなかった期間において、前記複数の静止画の1つ以上を順次にライブビュー画像として表示部に表示する表示制御工程と、
を備えることを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項19】
コンピュータを、
請求項1乃至17のいずれか1項に記載された撮像装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一定間隔で連続して撮像を行い、その撮像画像(ライブビュー画像)を表示するライブビュー(以下LVと表記)機能を有する撮像装置が知られている。ユーザは、このようなLV画像により、静止画の撮像内容を確認することができる。また、ユーザは、移動する被写体をLV画像で確認しながら、静止画の連続撮影を行うことができる。
【0003】
撮像装置が備える撮像センサが1つの場合、撮像センサは静止画記録用の画像データ出力とLV表示用の画像データ出力の両方を行う必要があるが、静止画用の駆動を行っている間にLV表示用の駆動を行うことはできない。LVを表示中に静止画の連続撮影(連写)が行われた場合、レリーズのタイミングと連写間隔によっては、静止画用駆動時間が表示用駆動時間に重なることがある。撮像センサが静止画用駆動を行っている間はLV表示用の画像データ出力が得られないため、LV表示をブラックアウトさせるか、前フレームの出力をLV表示として複数回表示(同一フレームを連続表示)させることが行われる。
【0004】
同一フレームを連続表示する場合、LV表示において被写体の動きに加速感が加わったような不自然な動きに見える現象が発生する。また、ブラックアウトを行った場合、不自然な動きは無くなるが輝度変化が大きいために撮影者の目が疲れるなど視認性に課題がある。特許文献1には、静止画の連写中にLV表示をブラックアウトさせる場合に、ブラックアウトとブラックアウトの間に表示されるLV画像表示の輝度を明るくする構成が記載されている。特許文献1では、連写時にLV表示期間以外に黒画像を表示すること(ブラックアウト)を前提に、LV表示期間に対する黒画像の表示期間の割合が大きくなるほどLV表示輝度を明るくする。特許文献1では、このような構成により、静止画撮像時にブラックアウトによって表示が暗く観察されるのを抑制することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1は、黒画像表示を前提としており、LV表示の輝度を明るく表示することで、黒画像表示との輝度差が大きくなるため、輝度差による視認性悪化は改善されない。また、1つ1つの静止画の露光時間が長くなると、黒画像表示期間またはLV画像の非更新期間が長くなるため、ブラックアウトおよび同一フレームの連続表示によるLV表示では、視認性がさらに悪化する。
【0007】
本発明は、静止画の撮像中などにおけるLV表示の視認性を改善する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様による撮像装置は以下の構成を備える。すなわち、
ライブビュー画像を撮像して表示部にライブビュー表示を行う撮像装置であって、
1つの静止画の撮像の露光時間と前記ライブビュー画像の撮像周期に基づいて、前記1つの静止画の撮像における露光を分割して行うか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により露光を分割して行うと判定された場合、前記1つの静止画の撮像の露光時間を分割して、前記1つの静止画へ合成される複数の静止画を取得する分割手段と、
前記複数の静止画の1つ以上を順次にライブビュー画像として用いることにより、前記1つの静止画の撮像によりライブビュー画像を撮像できなかった期間におけるライブビュー表示を行う表示制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、静止画の撮像中などにおけるLV表示の視認性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態による撮像装置の構成例を示すブロック図。
【
図2A】第1実施形態による静止画連写中のLV表示に関するタイミングチャート。
【
図2B】第1実施形態による静止画連写中のLV表示に関するタイミングチャート。
【
図3A】第1実施形態による静止画連写中のLV表示に関するタイミングチャート。
【
図3B】第1実施形態による静止画連写中のLV表示に関するタイミングチャート。
【
図3C】第1実施形態による静止画連写中のLV表示に関するタイミングチャート。
【
図4】第1実施形態による処理の一例を示すフローチャート。
【
図5】第1実施形態による処理の一例を示すフローチャート。
【
図7】読み出し期間の重複の発生を防止するための処理を説明する図。
【
図8】第2実施形態による処理の一例を示すフローチャート。
【
図9】第2実施形態による処理の一例を示すフローチャート。
【
図10】第2実施形態による処理の一例を示すフローチャート。
【
図11】第2実施形態による処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
以下では画像処理装置を撮像装置の一部として説明する。また、以下では、撮像装置の例としてデジタルカメラを説明するがこれに限られるものではない。例えば、デジタルビデオカメラ、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、車載カメラ等の撮像装置を採用することも可能である。
【0013】
<第1実施形態>
図1は第1実施形態に係る撮像装置としてのデジタルカメラの構成の一例を示すブロック図である。デジタルカメラは、撮像部100、画像処理部101、表示部102、表示デバイス103、制御部104、データ転送部105、バス106、一時記録部107、記録部108を有する。また、デジタルカメラは、画像データを圧縮または圧縮されたデータを伸張する圧縮伸張部、圧縮されたデータを外部メディアに記録する外部記録部(いずれも不図示)などを有する。なお、圧縮されたデータとは、JPEGやMPEG形式などに圧縮された画像データである。デジタルカメラは、ライブビュー画像を撮像してライブビュー表示を行う機能を有する。以下、ライブビューをLVと表記する場合もある。
【0014】
撮像部100は、受光した被写体像を電気信号に変換して画像データを作成するCCDやCMOSセンサ等の撮像センサと、撮像センサにより得られたアナログ画像信号をデジタル信号に変換して画像データとして出力するするAD変換器とを有する。撮像部100から出力された画像データは、データ転送部105を介して一時記録部107に書き込まれる。
【0015】
画像処理部101は、画素補正、黒レベル補正、シェーディング補正、傷補正、ホワイトバランス調整、倍率色収差補正、ガンマ補正、輝度・色生成処理、幾何変形、ノイズリダクション、拡大縮小などの複数の処理を実行する。画像処理部101は、これら複数の処理の1つ以上を用いることで、画像データに対して適切な画像処理を施す。また、画像処理部101は画像処理を適切に行うにあたり、画像の分割領域ごとまたは画像全体についての平均輝度、ヒストグラム、動き量などの評価値を取得する。また画像処理部101は、被写体領域の検出を行ったうえで、被写体領域についての平均輝度、ヒストグラム、動き量などの評価値を取得する。これら評価値は例えばホワイトバランス調整、倍率色収差補正、ガンマ補正、輝度・色生成処理などに使用される。また、画像処理部101は、データ転送部105と接続され、データ転送部105から画像データを入力し画像処理した処理結果を、データ転送部105を介して一時記録部107へ書き込む。
【0016】
表示部102は、表示デバイス103の表示制御を行う。表示部102は、画像処理部101で処理された画像データを、一時記録部107からデータ転送部105を介して入力し、必要に応じた処理を施した上で表示画像を生成し、表示デバイス103へ転送する。表示部102が行う処理としては、例えば、輝度・色調整、表示デバイス103のサイズに表示画像を合わせるために画像の周辺に固定色(例えば黒塗り)の画素を追加する処理、表示データに撮像時間などを埋め込む処理、OSD(On-Screen Display)画像を重畳する処理、表示デバイス103に合わせたフォーマット変換などがある。表示デバイス103は、例えば、液晶表示器(LCD)により構成され、表示部102からの画像の表示を行う。表示デバイス103は、例えばデジタルカメラの背面の表示パネル、電子ビューファインダ(EVF)を構成し得る。表示パネル、電子ビューファインダには、LV表示がなされる。
【0017】
制御部104は、デジタルカメラの動作制御を司る1つまたは複数のプロセッサーを備え、デジタルカメラを構成する各機能ブロックに対して様々な指示を行い、各種の制御、処理を実行する。例えば、制御部104は、バス106を介して接続された画像処理部101、表示部102、データ転送部105、一時記録部107、記録部108を制御する。また、制御部104は、撮像部100による撮影動作(露光、読み出し)を制御する。1つまたは複数のプロセッサーは、記録部108に記録されているプログラムを実行することで、本実施形態の各処理を実現する。なお、画像処理部101、表示部102、データ転送部105などの機能の少なくとも一部が制御部104(プロセッサー)により実現されてもよい。
【0018】
データ転送部105は、データ転送を行う複数のDirect Memory Accessコントローラ(WRDMACとRDDMAC)を備える。画像データは、例えば画像処理部101からWRDMACによってバス106を経て一時記録部107に一時記憶される。また、一時記録部107に記憶されている画像データは、RDDMACによってバス106を経てデータ転送部105に接続されている画像処理部101、表示部102へ出力される。バス106は、各々独立したバス構成のシステムバスとデータバスを備える。
【0019】
一時記録部107は、不図示のメモリ制御部とメモリを備える。メモリ制御部は、制御部104或いはデータ転送部105からの指示に応じて、メモリへのデータの書き込み、メモリからのデータの読み出しを行う。また、メモリは、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像、音声等のデータや制御部104の動作用の定数、プログラム等を格納するのに十分な記憶容量を備えており、例えば、DRAMなどから構成される。なお、一時記録部107は、複数のメモリを具備してもよい。
【0020】
記録部108は、不図示の不揮発性メモリ制御部と不揮発性メモリから構成される。不揮発性メモリ制御部は、制御部104からの指示に応じて、不揮発性メモリにデータを書き込んだり、不揮発性メモリからデータを読み出したりする。不揮発性メモリは、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリには、制御部104の動作用の定数、プログラム等が記憶される。
【0021】
図2A~
図2Bおよび
図3A~
図3Cは、静止画連写においてレリーズタイムを一定とし、連写間隔を調整した、静止画連写中のLV表示に関するタイミングチャートである。縦方向にタイミング信号あるいは処理を示しており、横方向は時間を示している。
図2A~
図2Bと
図3A~
図3Cは、静止画の撮像(以下、静止画撮像ともいう)の露光時間が異なる2種類のタイミングチャートを示している。なお、
図2A~
図2B、
図3A~
図3Cのタイミングチャートは、本発明の理解のために各動作のタイミングを模式的に示したものであり、各処理に要する時間などを厳密に表現したものではない。
【0022】
まず
図2A~
図2Bについて説明する。撮像表示V同期211は、撮像部100からのLV画像の読み出しタイミングであり、LV画像の撮像(以下、LV撮像ともいう)の垂直同期信号のタイミングを示している。撮像表示V同期211は、例えば1秒間に60フレームの画像が出力されるタイミング信号であり、LV画像の撮像周期を示す。
【0023】
静止画同期212は、撮像部100からの静止画の読み出しタイミングを示しており、1枚目の静止画の撮像以降、静止画の連続撮影における撮像間隔T1で発生する同期信号である。タイミング200は、ユーザによるシャッタボタン押下のタイミングを示しており、レリーズタイムT0後に、静止画同期信号が発生している。レリーズタイムT0は、固定の時間としてもよいし、可変の時間としてもよい。但し、レリーズタイムT0を固定の時間にすると、静止画撮像がLV撮像と重なる可能性が高くなる。これに対して、レリーズタイムT0を可変とする場合は、たとえばLV撮像と重ならないタイミングに静止画撮像の開始タイミングをずらすように構成することができる。
【0024】
センサ出力213は、LV画像撮像のための露光時間TL、静止画撮像のための露光時間T2、撮像部100からの画像信号の読み出し開始と終了のタイミング、及び、センサ切り替え時間を示す。ここで、センサ切り替え時間とは、LV画像の撮像と静止画の撮像の切り替えに要する時間である。センサ出力213において、LV画像の撮像タイミングを表示1から表示8に示し、静止画の撮像タイミングを静止画1から静止画2に示している。センサ出力213の表示1~表示8はLV画像の撮像における露光時間TLと読み出し時間tLを含む。センサ出力213の静止画1~静止画2は、静止画撮像のための露光時間T2と読み出し時間t2を含む。切り替え時間201はLV画像の撮像から静止画の撮像への撮像部100の切り替え時間、切り替え時間202は静止画の撮像からLV画像の撮像への撮像部100の切り替え時間である。一般に表示1~表示8と静止画1~静止画2とでは、撮像時間(露光時間+読み出し時間)が異なる。これは、LV画像と静止画像とで画素数、露光時間が異なるためである。
【0025】
画像処理214は、画像処理部101による画像処理の開始と終了のタイミングを示す。撮像部100が有する撮像センサの一番上のラインの読み出しが開始されると、画像処理部101は、全てのラインの読み出しを終えてなくとも、そのフレームの画像処理を開始することができる(追いかけ処理)。画像処理214において表示1~表示8、静止画1~静止画2が示すタイミングは以下の処理を含む。すなわち、撮像部100から読み出された画像をデータ転送部105を介して一時記録部107に記録すること、画像処理部101がデータ転送部105を介してこの画像を読み出して処理し、データ転送部105を介して処理済みの画像を一時記録部107に記録すること、を含む。また、表示1から表示8、および静止画1、静止画2の画像処理(処理203)のタイミングでは、撮像部100からの画像データの一画面全てが一時記録部107に記録される前に画像処理部101が処理を開始していること(追いかけ処理)を示している。なお、データ転送部105は、撮像部100が書き込んだ画像データを画像処理部101が読み出すように制御している。つまり、画像処理部101は、撮像部100が一時記録部107へ書き込む前に読み出すことがないように制御される。静止画はLV画像よりも画素数が多いため、画像処理にかかる時間はLV画像より静止画の方が長い。
【0026】
表示V同期215は、表示デバイス103へのLV表示のための垂直同期信号のタイミングを示しており、例えば1秒間に60フレームの画像を表示するタイミング信号である。なお、表示V同期215は、LV画像の撮像周期である撮像表示V同期211から一定時間遅れて発生している。表示部102は、あるフレームの画像処理が(例えば、撮像センサの上のラインから)開始されると、そのフレームの画像処理を終えていなくとも、そのフレームを用いた表示を行うことができる(追いかけ処理)。表示V同期215は、撮像部100から画像が出力されてから表示デバイス103に表示されるまでに要する最短の時間だけ撮像表示V同期211からずれたタイミングに設定されている。LV表示216は、画像処理部101で処理された画像を、表示部102が表示デバイス103へ表示するタイミングを示す。
図2A~
図2Bの例では、静止画(静止画1、静止画2)の撮像のタイミングがLV画像の撮像のタイミングに重ならないため、表示1から表示8まで連続してLV画像を取得しLV表示することができている。
【0027】
次に
図3A~
図3Bについて説明する。
図2A~
図2Bでは、静止画の露光時間T2がLV撮像の周期(撮像表示V同期)に比べて小さく、LV撮像およびLV表示に影響を及ぼさない状態を示した。
図3A~
図3Bでは、静止画撮像の露光時間T2が撮像表示V同期の周期よりも長く、静止画撮像とLV撮像とが重なる場合のタイムチャートを示している。
【0028】
縦の項目である撮像表示V同期211、静止画同期212、センサ出力213、画像処理214、表示V同期215、LV表示216は
図2A~
図2Bで説明したとおりである。但し、後述する分割露光により得られる複数の静止画を合成する静止画合成351が加わっている。また、
図2A~
図2Bでは静止画の露光時間T2が撮像表示V同期(表示V同期)の1周期内に収まっていたのに対し、
図3A~
図3Bでは、静止画の露光時間が、撮像表示V同期の3周期の期間にまたがる程度に長い。そこで、
図3A~
図3Bでは、長い露光時間の静止画を得るために、1つの静止画の露光時間を複数に分割する分割露光が行われる。本実施形態では、1つの静止画の露光時間を撮像表示V同期211に同期して分割している。1つの静止画1は、このような分割露光により得られる複数の静止画(静止画1-1~静止画1-3)を合成すること(静止画合成351)により生成される。
【0029】
図3Bにおけるセンサ出力213のタイミングに示されるように、撮像部100は撮像センサから静止画の露光時間T2を露光時間T3、T4、T5に分割して読み出しを行う(分割露光)。なお、分割露光の各露光において、撮像センサからの静止画の読み出し時間(TR:静止画の読み出し開始から完了までの時間)が必要になる。また、
図3Bでは、直前の静止画撮影のための露光が完了してから(静止画の読み出しを開始してから)次の静止画撮影のための露光を開始するまでに必要な期間をt
3=t
4=t
5としている。これらの期間は、例えば、撮像センサの1ラインの画像データの読み出し期間であり、読出を終えたラインから順次に次の静止画のための露光が開始される。
図3Bの例では、露光時間T2(=T3+T4+T5)の静止画を得るのに要する撮像時間はT3+t
3+T4+t
4+T5+TRとなる。各分割露光における画像の読み出し時間が等しい場合、これをt(=t
3=t
4=t
5)とすると、露光時間T2の静止画を得るのに要する撮像時間は、T3+T4+T5+2t+TRとなる。
【0030】
また、
図3Bの例では、撮像表示V同期211の信号を基準に、LV撮像の露光が完了するタイミングを静止画撮像における露光の分割タイミングとしている。但し、静止画撮像における露光の分割タイミングの決定方法はこれに限られるものではない。例えば、LV撮像の露光開始タイミングなどに基づいて静止画撮像における露光の分割タイミングが決定されてもよい。このように撮像表示V同期211に基づいて決定された分割タイミングを用いて分割露光を行うことで、通常のLV撮像からLV表示までの遅延と、静止画の分割露光を利用したLV表示の場合の表示遅延とを合わせることができる。すなわち、撮像表示V同期211の撮像周期に従って撮像されたLV画像が表示されるタイミングと、1つの静止画の露光を分割して得られた複数の静止画の各々が表示されるタイミングとを一致させることができる。
【0031】
画像処理214では、画像処理部101が、分割読み出しをした静止画1-1(処理303)、静止画1-2(処理304)、静止画1-3(処理305)に画像処理を施す。このとき、画像処理部101は、分割露光により得られた複数の静止画の明るさを、ライブビュー画像の撮像条件に基づいて調整する。静止画をライブビュー表示に利用するためである。例えば、画像処理部101は、各露光時間T3、T4、T5とライブビュー撮像時の撮像条件とに基づいて、静止画1-1、1-2の表示輝度がライブビュー画像と合うように輝度調整を行う。例えばLV撮像と静止画撮像とで露光時間以外の撮像条件は同じであると仮定した場合、LVの露光時間をTLとすると、静止画1-1~1-3のそれぞれからLV表示画像を生成する輝度調整のためのGainはそれぞれ下式(1)~(3)となる。
【0032】
Gain1=TL/T3 ...(1)
Gain2=TL/T4 ...(2)
Gain3=TL/T5 ...(3)
上記の輝度調整の例では、式(1)~(3)により、分割露光により得られた複数の静止画の明るさを、それぞれの分割された露光時間(T3~T5)とライブビュー画像の撮像の露光時間(TL)との比に従って調整されている。輝度調整は、式(1)~(3)で算出されたGain1~3のうちの対応する露光時間のGainを用いて、下式(4)によって行われる。例えば、静止画1-1の輝度調整の場合、Gain1をGainとして用いて式(4)を計算することで輝度調整後の静止画が得られる。
【0033】
輝度調整後の静止画=静止画撮像による静止画×Gain ...(4)
LV表示216において、表示4(フレーム306)の次のフレーム307およびその次のフレーム308については、静止画撮像のためにLV撮像を実行できていない。そこで、静止画1-1と静止画1-2をフレーム307,308のLV画像として表示する。なお、図示の例では、表示7をLV撮像できたためフレーム308の次のフレームでは表示7がLV表示に用いられ、静止画1-3はLV表示には使用されない。静止画の露光時間が図示の例よりも長く、露光時間T5(および/またはその読み出し時間)または切り替え時間202が表示7のLV撮像と重なる場合は、表示7のLV撮像ができない。その場合、静止画1-3(305)が表示7の代わりにLV画像として用いられることになる。
【0034】
静止画合成351では、分割露光したセンサ出力である静止画1-1、静止画1-2、静止画1-3を合成して露光時間T2に対応する静止画が生成される。図示の例では、静止画1-2がセンサ出力されるのと並行して静止画1-1と静止画1-2を加算する(合成処理309)ことで合成された静止画が得られる。さらに静止画1-3がセンサ出力されるのと並行して、合成処理309で合成された静止画と静止画1-3を加算(合成処理310)して合成された静止画が生成される。こうして合成処理309、310により生成された静止画は、露光時間T2(=T3+T4+T5)相当の静止画として取得される。
【0035】
なお、
図3Bでは、静止画撮像における露光の分割タイミングをLV撮像のタイミング(LV撮像の露光時間の完了)を考慮して決定したが、これに限られるものではない。例えば、
図3Cのように、撮像表示V同期211の周期Tvに従って、静止画撮像における露光の分割タイミングを決定してもよい。
図3Cでは、静止画の露光時間T2を撮像表示V同期の周期Tvで分割しており、T2=Tv+Tv+Trとなっている。最後の期間Trは、Tvで分割した結果として得られた、Tvよりも短い露光の残時間である。撮像表示V同期211の周期Tvで分割露光を行うので、静止画1-1の撮像が、LV表示216のフレーム306'の表示に間に合わない。この場合、フレーム306'にその手前のフレーム306(表示4)が繰り返し表示されるようにしてもよいし、フレーム306'をブラックアウトとしてもよい。
【0036】
また、
図2A~
図2B、
図3A~
図3Cでは、ユーザによるシャッタボタン押下のタイミング200に対する静止画撮像のための露光開始タイミングを、タイミング200の次のLV撮像の露光完了後(レリーズタイムT0)とした。しかし、静止画撮像のための露光開始タイミングはこれに限られるものではなく、例えば、静止画露光開始タイミングをタイミング200に対して一番近い未来の撮像表示V同期のタイミングとしてもよい。この場合、静止画露光開始タイミングのLV撮像が静止画撮像に置き換わるので、静止画の露光時間の長さに関わらず、少なくとも1フレームは静止画撮像で得られた画像をLV表示することになる。
【0037】
以上、
図2A~
図3Cの参照により説明した動作を実現する制御部104の処理手順について、
図4および
図5のフローチャートを用いて説明する。まず、
図2A~
図2Bと、
図3A、
図3Cにより説明した動作を実現する処理について
図4を用いて説明する。
図4は、制御部104による、LV表示静止画撮像における静止画の分割露光処理を示すフローチャートである。
図4では、制御部104は、分割露光を行うかをある固定の閾値(Th)に基づいて判定し、撮像表示V同期(Tv)で分割露光を行う。
【0038】
ステップS401で、制御部104は、残露光時間Trの初期値として静止画の露光時間Tsをセットする。静止画の露光時間Tsはユーザの指定または制御部104による露出制御によって決まるシャッタースピードの時間である。
図3Cでは、Ts=Tv+Tv+Trである。
【0039】
ステップS402で、制御部104は、残露光時間Trと固定の所定の閾値Thとを比較する。比較の結果、Trの方がThより大きい場合(S402でYES)、処理はステップS403に進み、TrがTh以下の場合(S402でNO)、処理はステップS406に進む。なお、閾値Thは、LV撮像を邪魔しないで静止画を撮像できる最大の露光時間を表す固定値である。例えば、撮像部100のLV撮像と静止画撮像の切替えに要する時間(例えば時間201と時間202)が撮像表示V同期の周期Tvから除かれた時間であり、撮像表示V同期211の周期Tv未満(Th<Tv)の時間である。
【0040】
ステップS403では、制御部104は、静止画をTvとTrのうちの短い方の時間を露光時間として撮像を実行することで分割露光を行う。ここでTvは撮像表示V同期211の1周期の時間である。また、TvとTrのうちの短い方の時間を用いるのは、Th<Tr<Tvの場合があるからである。撮像した分割露光画像はデータ転送部105を介して一時記録部107に一時記録される。ステップS404では、画像処理部101が、分割露光して撮像した画像を通常のLV撮像画像と合わせるように輝度調整し、表示部102は輝度調整された画像を表示デバイス103に表示する。なお、輝度調整には例えば
図3A~
図3B(式(1)~(4))で説明した方法を用いることができる。テップS405で、制御部104は、残露光時間Trを、現在のTrからTvを引いた値に更新する(Tr=Tr-Tv)。その後、処理はステップS402に戻る。こうして残露光時間Trが閾値Th以下になるまでステップS402からステップS405の処理が繰り返される。
【0041】
ステップS406では、制御部104は、残露光時間Trで静止画を分割露光、撮像する。但し、この時点でTr<0の場合(Tv>Tr>Thの場合、ステップS405でTr<0になる)はそのまま処理を終了する。ステップS407において、制御部104は、ステップS406で実行した分割露光または撮像部100の切り替え時間がLV撮像の開始タイミングに重なるか否かを判断する。分割露光がLV撮像の開始タイミングと重なる場合、画像処理部101は、当該分割露光、撮像により得られた静止画を通常のLV撮像画像と合わせるよう輝度調整し、表示部102は、輝度調整された静止画を表示デバイス103に表示する。なお、輝度調整については、
図3A~
図3B、式(1)~(4)により上述した通りである。
【0042】
静止画の分割露光が行われた場合、ステップS408において、画像処理部101は、分割露光により得られた複数枚の分割露光画像を合成し、露光時間T2に対応する一枚の静止画を生成する。
図3Cの例では、露光時間Tvの2枚の静止画と、露光時間がTr(=T2-Tv-Tv)の静止画との2枚の静止画が合成される。生成方法は例えば
図3A~
図3Bで説明した方法を用いることができる。なお、フローチャートでは、静止画の合成をステップS408でまとめて示しているが、
図3Cに示したように、分割露光で得られた静止画を順次に合成していくようにしてもよい。また、静止画露光時間TsがThより小さい場合は、直ちにS406以降の処理が実行され、制御部104は、例えば、
図2A~
図2Bで説明したタイミングによる動作を行うよう制御する。
【0043】
以上により、LV表示において、ブラックアウトや、同じ画像の連続表示などによる更新が途切れるような現象を起こすことなく、連続して更新画像を表示し続けることができる。
【0044】
図5は分割露光を行うかを撮像表示V同期に同期したタイミングまでの期間に基づいて判定して処理する場合の処理フローの例である。
図5では、LV撮像が終了するタイミングまでの期間に基づいて分割露光を行うか否かを判定し、LV撮像が終了するタイミングまでの期間で静止画撮像の露光時間を分割する。
図5に示される処理により、制御部104は、例えば、
図2A~
図2B,
図3A~
図3Bに示したタイミングによる動作を行うよう制御する。
【0045】
ステップS501で、制御部104は、残露光時間Trに静止画の露光時間Tsをセットする(Tr=Ts)。露光時間Tsはユーザの指定または制御部104による露出制御によって決まるシャッタースピードの時間であり、
図3Bの例では、Ts=T3+T4+T5である。
【0046】
ステップS502で、(次のLV撮像表示V同期までの期間+LV露光時間TL)をTeとして取得する。なお、本実施形態では、
図3Bに示されるようにLV撮像の露光時間の完了タイミングに合わせるようTeを算出しているが、これに限られるものではない。例えば、上述したように、LV撮像の露光開始タイミングに合わせるなどの仕様に基づいてTeを算出してもよい。これによりLV撮像時と分割露光による撮像時とで、撮像部100から画像を読み出してから表示デバイス103で表示するまでの遅延を合わせることが可能となり、より確実にLV画像または静止画(分割静止画)をLV表示として利用できるようになる。ステップS503では、制御部104は、残露光時間TrとステップS502で取得したTeを比較する。比較の結果、Trの方がTeより大きい場合(ステップS503でYES)、当該静止画撮像の露光時間によって次のLV画像の撮像ができないので、処理はステップS504に進む。ステップS504以降では、静止画撮像を分割露光により撮像することで得られた分割静止画をLV表示に用いる処理が行われる。他方、TrがTe以下の場合(ステップS503でNO)、処理はステップS507に進む。
【0047】
ステップS504では、制御部104は、静止画を露光時間Teで分割露光して撮像するよう撮像部100を制御する。撮像した分割露光画像はデータ転送部105を介して一時記録部107に一時記録される。ステップS505では、画像処理部101が、分割露光して撮像した画像を通常のLV撮像により得られる画像と合わせるよう輝度調整する。表示部102は輝度調整された画像を表示デバイス103に表示する。なお、輝度調整は、
図3B、式(1)~(4)で説明したとおりである。
【0048】
ステップS506で、制御部104は、残露光時間Trを、TrからTeを引いた値に更新して、処理をステップS502に戻す。制御部104は、ステップS502で新たにTeを取得し、ステップS503でTrとTeを比較し、TrがTe以下になるまでステップS502からステップS506の処理を繰り返す。こうして、例えば、
図3Bに示されるように分割露光が実行されることになる。なお、
図3Bにおいて、T3は、最初に算出されるTeであり、T4は次に算出されるTeである。T5は、TrがTe以下になった時点のTrである。ステップS507~S509の処理は、
図4のステップS406~S408と同様である。
【0049】
以上のように、上記実施形態によれば、LV表示において、ブラックアウトや、同じ画像の連続表示などによる更新が途切れるような現象を起こすことなく、連続して更新画像を表示し続けることができる。したがって、上記実施形態によれば、静止画撮像や静止画の連写撮影時において、静止画の露光時間が長くなるなどしてLV撮像、表示が行えない場合でも、視認性のよい滑らかなLV表示を行うことが可能な撮像装置を提供することができる。
【0050】
<第2実施形態>
例えば、第1実施形態の
図3B、
図3Cに示されるように、分割露光を実施することにより静止画1-1から静止画1-3が得られる場合を考える。この場合、静止画1-3を得るための露光時間が短いと、撮像部100の撮像センサから静止画1-2を読み出す期間と、静止画1-3を読み出す期間とが重複する場合がある。このような読み出し期間の重複が発生する場合、静止画の読み出しを実行することができなくなる。第2実施形態では、このような読み出し期間の重複を回避して、確実に静止画の読み出しを行える撮像装置を説明する。なお、第2実施形態に係る撮像装置の構成は第1実施形態と同様である。
【0051】
また、静止画連写においてLV画像を連続して表示できる場合のタイミングチャートは、第1実施形態(
図2A~
図2B)に示したとおりである。他方、静止画露光時間が長くなる場合は、
図3A~
図3Cに示されるように、分割露光により静止画が撮像される。このような分割露光処理において、最後の分割露光における露光時間が短く、最後の分割露光による静止画の読み出し期間と1つ前の分割露光による静止画の読み出し期間とが重複する場合、
図3B,
図3Cとは異なるタイミングチャートによる静止画の撮影処理が必要となる。
【0052】
まず、読み出し期間の重複について説明する。
図6は、分割露光を伴う静止画撮影の様子を示す図である。
図6(a)~(b)は、
図3B、
図3Cの静止画1-1~静止画1-3の露光および読み出しのタイミングを抽出して示した図である。
図6(a)は、最後の分割露光(静止画1-3に対する分割露光)の露光時間T5が、1つ前の静止画(静止画1-2)の読み出し完了までの期間Toよりも長い場合を示す。期間Toは、静止画1-3の露光開始から静止画1-2の読み出し完了までの期間(To=TR-t4)である。T5>Toの場合、静止画1-2の読み出し期間と静止画1-3の読み出し期間が重複することはない。
【0053】
一方、
図6(b)は、最後の分割露光(静止画1-3に対する分割露光)の露光時間T5が、1つ前の静止画(静止画1-2)の読み出し完了までの期間Toよりも短い場合を示す。この場合、静止画1-2の読み出し期間と静止画1-3の読み出し期間が、期間Twにおいて重複するため、露光時間T5の静止画1-3を得ることができない。なお、図中のT3~T5は
図3BのタイミングチャートのT3~T5に対応するものであり、括弧書きで示したTv、Trは
図3Cのタイミングチャートに対応する。また、
図6では静止画撮影の分割数が3つの場合を示したが、これに限られるものではなく、分割数は2、4以上であってもよい。
【0054】
本実施形態では、分割露光により撮影される複数の静止画のうち、読み出し期間に重複が発生する静止画撮影が存在する場合に、その重複が解消されるように撮像センサによる複数の静止画の撮影を変更する。
図7は、分割露光による静止画の読み出し期間が重なる場合(
図6(b))の対処例を示す図である。ここでは、
図7(a)~(d)の4つの方法について説明する。
【0055】
第一の方法は、静止画の露光の開始タイミングを、読み出し期間の重複を回避するように遅延させる。
図7(a)では、静止画読み出し期間が重なるタイミングの分割露光のタイミングを重ならないタイミングにずらすことで解決する方法が示されている。静止画1-2と静止画1-3は、静止画の合成画像の画質を考慮すれば、なるべく間を空けずに露光されることが望ましい。しかしながら、
図6(b)に示したように、静止画1-3の露光時間が短いため、静止画1-2と静止画1-3の間を空けずに露光/読み出しが行われると、静止画1-2と静止画1-3の読み出し期間に重複が生じる。そこで、制御部104は、撮像部100における静止画1-3の露光の開始タイミングを、読み出し期間の重複を回避するように遅延させる。すなわち、静止画1-2の読み出し完了よりも静止画1-3の読み出しの開始が後になるようにTx(Tx>To-T5)だけ静止画1-3の露光の開始タイミングを後ろへずらすことにより、読み出し期間の重複が解消される。
【0056】
第二の方法は、読み出し期間の重複が生じる静止画の露光時間に、複数の静止画のうちの当該静止画を除く他の静止画の少なくとも1つに割り当てられた露光時間の一部を移すことで読み出し期間の重複を回避する。
図7(b)では、読み出し期間が重ならない分割となるように、他の静止画(静止画1-1)の露光時間を静止画1-3の露光時間に割り当てている。例えば、
図3Bのように、撮像表示V同期211に同期して各分割露光の長さが決定される場合は、静止画の露光開始タイミング(静止画1-1の露光開始タイミング)を
図7(b)に示すようにTxだけ後ろへずらす。これにより、静止画1-1の露光時間がTx減少し、静止画1-3の露光時間をTxだけ延ばすことができる。静止画1-3の露光時間をT5+Tx>ToとなるようにTxを設定することで、静止画1-2と静止画1-3の読み取り機関の重複を避けることができる。なお、
図3Cのように、分割露光時間が固定長Tvで分割される場合は、例えば、静止画1-1の露光時間をTv-Txとし、静止画1-3の露光時間をTr+Tx>Toとすればよい。また、この場合、露光時間が短縮される静止画は、先頭の静止画に限られるものではない。また、複数の静止画の露光時間から最後の静止画を延長するための露光時間が取得されるようにしてもよい。例えば、静止画1-1と静止画1-2の露光時間をTv-Tx/2に変更し、静止画1-3の露光時間をTxだけ延長するようにしてもよい。
【0057】
第三の方法は、読み出し期間の重複が生じる静止画の撮影を中止することで読み出し期間の重複を回避する。
図7(c)では、静止画読み出し期間が重なった分割露光を実施しないことで、上述した読み出し期間の重複が解消される様子を示している。最後の静止画1-3に関わる分割露光が実施されないため、静止画の全体の露光時間が、削除された静止画1-3の露光時間の分だけ不足することになる。この露光時間の不足は、例えば、静止画1-1と静止画1-2の画像合成後にゲインアップすることで解決され得る。
【0058】
また、実施を取りやめた静止画1-3のVのLV表示用の画像が無くなることによりLV撮像が可能となる場合には、制御部104は、LV表示画像を得るためにLV撮像を実施しLV表示する。
【0059】
第四の方法は、読み出し期間が重複する2つの静止画の撮影を、それら2つの静止画の露光時間を足し合わせた露光時間による1つの静止画の撮影に変更することで読み出し期間の重複を回避する。例えば、
図7(d)に示されるように、静止画読み出し期間が重なる分割露光が発生する場合に、これらの露光時間を分割せずに、露光時間を延長することで解決する。すなわち、
図7(d)において静止画1-3の分割露光の読み出しが重なる場合、これを分割せず静止画1-2の露光時間をT4+T5とすることで、読み出し期間の重複が解消されている。
【0060】
次に、
図7(a)~(d)により上述した、読み出し期間の重複を解消するための第一~第四の方法を実現する動作例について、
図8~
図11のフローチャートを用いて説明する。
【0061】
図8は
図7(a)を参照して説明した第一の方法(静止画読み出し期間が重なるタイミングの分割露光のタイミングを重ならないタイミングにずらす)を実行するための処理を示すフローチャートである。
【0062】
図8(a)は
図4のフローチャートに追加される処理を示す。ステップS402で残露光時間Tr>閾値Thではない(ステップS402でNO)と判定されると、処理はステップS801に進む。ステップ801で、制御部104は、残露光時間Trと静止画読み出し期間Toとを比較する。残露光時間Trの方が静止画読み出し期間Toよりも長い(Tr>To)場合、処理はステップS406へ進む。ステップS406以降の処理は、
図4に示したとおりである。他方、残露光時間Trが静止画読み出し期間To以下(Tr≦To)の場合、処理はステップS802に進む。このように、制御部104は、残露光時間Trと静止画読み出し期間Toを比較することで静止画の読み出し期間が重複するか否かを判断している。残露光時間Trの方が静止画読み出し期間Toよりも長い場合は静止画読み出し期間は重ならず、残露光時間Trが静止画読み出し期間To以下の場合は静止画読み出し期間が重なると判断される。
【0063】
ステップS802では、静止画の読み出し期間が重ならないように残露光時間Trの露光開始タイミングを、例えば
図7(a)の静止画1-3について示されるように後ろにずらす。その後、処理は、
図4のステップS406へ進み、ステップS802で設定されたタイミングで分割露光が開始される。
【0064】
図8(b)は、
図7(a)に示される動作を実現するために
図5のフローチャートに追加される処理を示す。ステップS503で残露光時間Tr≦Teと判定されると(ステップS503でNO)、処理はステップS811に進む。ステップ811で、制御部104は、残露光時間Trと静止画読み出し期間Toとを比較する。残露光時間Trの方が静止画読み出し期間Toよりも長い(Tr>To)場合、処理はステップS507へ進む。ステップS507以降の処理は、
図5に示したとおりである。他方、残露光時間Trが静止画読み出し期間To以下(Tr≦To)の場合、処理はステップS812に進む。ステップS812では、静止画の読み出し期間が重ならないように残露光時間Trの露光開始タイミングを、例えば
図7(a)の静止画1-3について示されるように後ろにずらす。その後、処理は、
図5のステップS507へ進み、ステップS812で設定されたタイミングで分割露光が開始される。
【0065】
図9は、
図7(b)を参照して説明した第二の方法(静止画読み出し期間が重ならない分割となるように静止画の分割露光の期間を変更する)を実行するための処理を説明するフローチャートである。
【0066】
図9(a)は
図4のフローチャートに示される処理を開始するのに先立って実行される処理を示す。ステップS901で、制御部104は、残静止画露光時間Trを静止画露光時間Tsに設定する。静止画露光時間Tsはユーザの指定または制御部104による露出制御によって決まるシャッタースピードの時間である。ステップS902で、制御部104は、残静止画露光時間Trと閾値Thと比較する。Tr>Thの場合、処理はステップ903に進み、Tr≦Thの場合、処理はステップ904に進む。ステップS903で、制御部104は、残静止画露光時間Trを、Trから撮像表示V同期211の周期Tvを引いた値に更新する。Tr≦Thになるまで、ステップS902、S903が繰り返される。なお、閾値Th、周期Tvは
図4に関して上述したとおりである。
【0067】
ステップS904において、制御部104は、残静止画露光時間Trと静止画読み出し期間Toを比較する。
図8の処理と同様に、残静止画露光時間Trと静止画読み出し期間Toを比較することで静止画読み出し期間が重なるか否かが判断される。残静止画露光時間Trの方が静止画読出し期間Toより長い(Tr>To)場合は、本処理を終了し、制御部104は、
図4に示される静止画撮像を開始する。残静止画露光時間Trが静止画読出し期間To以下(Tr≦To)の場合、処理はステップS905に進む。ステップS905では、制御部104は、1つ目の分割露光の露光時間をTvからTxだけ差し引いた時間に設定した後、
図4に示される静止画撮像を開始する。なお、
図4のS403~S405において、最初の分割露光に用いられるTvは、Tv-Txとなる。これにより、最後の分割露光の露光時間をTxだけ長くすることができる。したがって、例えば、TxをTo-Trとすれば、最後の分割露光の読み出し期間と1つ前の分割露光の読み出し期間は重ならなくなる。
【0068】
図9(b)は、
図5のフローチャートに示される処理を開始するのに先立って実行される処理を示す。ステップS911で、制御部104は、残静止画露光時間Trを静止画露光時間Tsに設定する。そして、ステップS912において、制御部104は、(次のLV撮像表示V同期までの期間+LV露光時間TL)をTeとして取得する。ステップS913において、制御部104は、残静止画露光時間TrとTeを比較する。Tr>Teの場合、処理はステップ914に進み、Tr≦Teの場合、処理はステップ915に進む。ステップS914で、制御部104は、残静止画露光時間TrからTeを引いた値に更新する。Tr≦Teになるまで、ステップS913、S914が繰り返される。
【0069】
ステップS915において、制御部104は、残静止画露光時間Trと静止画読み出し期間Toを比較することにより、静止画読み出し期間が重なるか否かを判断する。残静止画露光時間Trの方が静止画読出し期間Toより長い(Tr>To)場合は、本処理を終了し、制御部104は、
図5に示される静止画撮像を開始する。残静止画露光時間Trが静止画読出し期間To以下(Tr≦To)の場合、処理はステップS916に進む。ステップ916では、
図7(b)で示したように静止画の露光開始タイミングをずらす。例えば、To-Trだけ露光開始タイミングを後ろにずらすと最後の分割露光は読み出し期間が重ならなくなる。その上でステップS911から再度処理を行う。最終的にステップS915でNOと判定されたところで、その時点で設定されている静止画の露光開始タイミングにて分割露光が実施される。
【0070】
図10は
図7(c)の参照により上述した第三の方法(静止画読み出し期間が重なる分割露光を中止することで読み出し期間の重複を回避する)を実行するための処理を示すフローチャートである。
【0071】
図10(a)は
図4のフローチャートに追加される処理を示す。ステップS402で、制御部104は、残静止画露光時間Trと閾値Thと比較する。Trの方がThより大きい(Tr>Th)場合、処理はステップS403に進む。ステップS403~S405の処理は
図4で説明したとおりである。
【0072】
ステップS402でTrがTh以下(Tr≦Th)と判定された場合、処理はステップS1001に進む。ステップS1001において、制御部104は、残静止画露光時間Trと静止画読み出し期間Toを比較する。残静止画露光時間Trの方が静止画読出し期間Toより長い(Tr>To)場合、処理はステップS406に進む。ステップS406以降の処理は
図4で説明したとおりである。一方、残静止画露光時間Trが静止画読出し期間To以下(Tr≦To)の場合、処理はステップS1002に進む。上述したように、残静止画露光時間Trと静止画読み出し期間Toを比較することで静止画読み出し期間が重なるか否かが判断されている。
【0073】
ステップS1002では、制御部104は、これ以上の静止画露光を行わず、静止画撮影を打ち切る。このとき、制御部104は、打ち切りにより不実行となった露光の露光時間Trを記憶する。ステップS1003において、LV撮像が間に合わない場合に、画像処理部101は、当該分割露光、撮像により得られた静止画を通常のLV撮像画像と合わせるよう輝度調整し、表示部102は、輝度調整された静止画を表示デバイス103に表示する。この処理は、
図4により上述したS407の処理と同様である。
【0074】
ステップS1004において、画像処理部101は、分割露光により取得された複数枚の分割露光画像を合成して一枚の静止画画像を生成する。生成方法は、ステップS408で説明した方法が用いられ得る。さらに、打ち切られた残りの露光時間Trの分だけ静止画の合計露光時間が短くなっているため、画像処理部101は、ステップS1005において、(静止画露光時間Ts)/(Ts-Tr)だけゲインアップを行う。これによって静止画露光時間Tsの静止画と同等の静止画像を生成することができる。
【0075】
図10(b)は
図5のフローチャートに追加される処理を示す。ステップS503で、制御部104は、残静止画露光時間TrとTeを比較する。Trの方がTeより大きい(Tr>Te)場合、処理はステップS504に進む。ステップS504~S506の処理は
図5で説明したとおりである。他方、ステップS503でTrがTe以下(Tr≦Te)と判定された場合、処理はステップS1011に進む。ステップS1011において、制御部104は、残静止画露光時間Trと静止画読み出し期間Toを比較する。残静止画露光時間Trの方が静止画読出し期間Toより長い(Tr>To)場合、処理はステップS507に進む。ステップS507以降の処理は
図5で説明したとおりである。一方、残静止画露光時間Trが静止画読出し期間To以下(Tr≦To)の場合、処理はステップS1012に進む。上述したように、残静止画露光時間Trと静止画読み出し期間Toを比較することで静止画読み出し期間が重なるか否かが判断されている。ステップS1012~S1015の処理は、
図10(a)のステップS1002~S1005の処理と同様である。
【0076】
図11は
図7(d)の参照により上述した第四の方法(静止画読み出し期間の重なる分割露光が発生する場合にこの露光時間を分割せずに静止画露光時間を延長する)を実行するための処理を示すフローチャートである。
【0077】
図11(a)は
図4のフローチャートに追加される処理を示す。ステップS402で、制御部104は、残静止画露光時間Trと閾値Thと比較する。Trの方がThより大きい(Tr>Th)場合、処理はステップS1101に進む。ステップS1101で、制御部104は、Tr-TvがToより大きいか否かを判定する。Tr-TvがToより大きい場合、処理はステップS403に進む。ステップS403~ステップS405の処理は
図4により上述したとおりである。また、ステップS402でTrがTh以下と判定された場合、処理はステップS406へ進む。ステップS406以降の処理は、
図4により上述したとおりである。
【0078】
また、ステップS1101において、Tr-TvがTo以下と判定された場合も処理はステップS406へ進む。この場合、静止画のための露光はこれ以上分割されず、Thより大きい残静止画露光時間Trを用いた露光が行われる。これは、静止画読み出し期間が重なることを予想して露光の分割を禁止した場合であり、ステップS406において撮像表示V同期の1周期Tvよりより長い残りの静止画露光時間Trのまま露光、撮像が行われる。その後のステップS407、S408の処理は、上述したとおりである。
【0079】
以上のように、第2実施形態によれば、分割露光を行った際に、前後の分割静止画の読み出しにおいて画像の読み出し期間の重複が発生することを防止できる。
【0080】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0081】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0082】
100:センサ、101:画像処理部、102:表示部、103:表示デバイス、104:制御部、105:データ転送部、106:バス、107:一時記録部、108:記録部