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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】食事提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240828BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020209821
(22)【出願日】2020-12-18
(65)【公開番号】P2022096709
(43)【公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桜井 英之
(72)【発明者】
【氏名】中野 伸洋
(72)【発明者】
【氏名】前田 和久
(72)【発明者】
【氏名】谷川 洋平
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 啓介
(72)【発明者】
【氏名】新間 寛太郎
(72)【発明者】
【氏名】林 伸樹
(72)【発明者】
【氏名】坂口 徹朗
(72)【発明者】
【氏名】小川 祐佳里
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特許第7503050(JP,B2)
【文献】特開2020-060917(JP,A)
【文献】特開2019-200487(JP,A)
【文献】特開2019-003474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天候情報を取得し、取得した前記天候情報に基づいて所定エリアで提供する食事の提供数を推定するサーバを備える食事提供システムであって、
前記サーバは、過去の天候に対する過去の前記所定エリアの入場者数の変化を関連付けて格納した入場者数実績データベースと、天候に応じて前記食事の提供数に対する販売価格の変化を規定した食事販売価格データベースとを備え、
前記天候情報と前記入場者数実績データベースとに基づいて前記食事の販売箇所毎の提供数を推定し、前記天候情報と前記食事販売価格データベースとに基づいて前記食事の販売箇所毎の前記販売価格を変化させること、
を特徴とする食事提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定エリアでの食事提供システムに関し、特に、天候に応じて所定エリアでの食事の提供数を推定する食事提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
天候を検出して天候に応じた様々な動作を行わせることが提案されている。例えば、特許文献1には、車両において、天候を検出し、天候に応じて車室内に異なる音楽を提供したり、車室内のイルミネーションを変更させたり、車室内に音声情報を流したりすることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-174269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、最近様々な観光施設が建設されている。観光施設等の所定エリアではいろいろな販売箇所で来場者に食事を提供するが、天候によって食事の販売数量が変化する。このため、天候が悪く入場者が少ない場合等に食事の売れ残りが出てしまい、フードロスが発生する場合があった。
【0005】
一方、近年、フードロスの低減が求められている。
【0006】
そこで、本発明は、所定エリアでのフードロスの低減を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の食事提供システムは、天候情報を取得し、取得した前記天候情報に基づいて所定エリアで提供する食事の提供数を推定するサーバを備える食事提供システムであって、前記サーバは、過去の天候に対する過去の前記所定エリアの入場者数の変化を関連付けて格納した入場者数実績データベースと、天候に応じて前記食事の提供数に対する販売価格の変化を規定した食事販売価格データベースとを備え、前記天候情報と前記入場者数実績データベースとに基づいて前記食事の販売箇所毎の提供数を推定し、前記天候情報と前記食事販売価格データベースとに基づいて前記食事の販売箇所毎の前記販売価格を変化させること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、所定エリアでのフードロスの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態のランチ提供システムの構成を示す系統図である。
図2】入場者数実績データベースの構造を示す図である。
図3】外出者数実績データベースの構造を示す図である。
図4】大型店舗入館者数実績データベースの構造を示す図である。
図5】ランチ販売価格データベースに格納されているマップである。
図6図1に示すランチ提供数推定部に格納されている入場者数に対するランチの提供数の変化を示すマップである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら食事提供システムの実施形態について説明する。以下の説明では、食事提供システムをテーマパーク30におけるランチの提供を行うランチ提供システム100に適用した例について説明する。ここで、テーマパーク30は請求項に記載の所定エリアである。なお、食事提供システムは、テーマパーク30以外の所定エリアでランチと異なる食事、例えば、夕食、弁当の販売等にも適用できる。ランチ提供システム100は、サーバ10と、サーバ10と通信回線40で接続されたテーマパーク30のゲート31と、第1~第3ランチ販売店舗32~34と、サーバ10と通信回線40で接続された天候情報提供会社21と、携帯電話会社22と、大型店舗23とで構成されている。ここで、テーマパーク30は、文化や国、時代、キャラクタなど特定のテーマに合わせて全体を演出する大規模な観光施設である。
【0011】
サーバ10は、通信部15と、ランチ提供数推定部16と、ランチ販売価格設定部17と、入場者数推定部18と、入場者数実績データベース11と、外出者数実績データベース12と、大型店舗入館者数実績データベース13と、食事販売価格データベースであるランチ販売価格データベース14の各機能ブロックを備えている。
【0012】
通信部15は、インターネットや電話回線等の通信回線40を介して天候情報提供会社21、携帯電話会社22、大型店舗23、テーマパーク30のゲート31、第1~第3ランチ販売店舗32~34との間でデータの授受を行う。
【0013】
入場者数実績データベース11は、過去の天候に対する過去のテーマパーク30の入場者数の変化を関連付けて格納したデータベースである。図2に示す様に、入場者数実績データベース11は、通信部15が、天候情報提供会社21からその日の晴れ、曇り、雨等の天候情報を取得し、ゲート31からその日のテーマパーク30への入場者数情報を取得し、天候に対するテーマパーク30の入場者数の平均値を算出し、天候に対するテーマパーク30の過去の入場者を関連付けて格納したデータベースである。
【0014】
図3に示す様に、外出者数実績データベース12は、通信部15が、天候情報提供会社21からその日の晴れ、曇り、雨等の天候情報を取得し、携帯電話会社22からテーマパーク30の周辺の都市の外出者数情報を取得し、天候に対するテーマパーク30周辺の都市の外出者数の平均値を算出し、天候に対するテーマパーク30の周辺の都市の過去の外出者数を関連付けて格納したデータベースである。
【0015】
図4に示す様に、大型店舗入館者数実績データベース13は、通信部15が、天候情報提供会社21からその日の晴れ、曇り、雨等の天候情報を取得し、デパート、スーパー等の大型店舗23から大型店舗23の入館者数情報を取得し、天候に対する大型店舗23の入館者数の平均値を算出し、天候に対する大型店舗23の過去の入館者数を関連付けて格納したデータベースである。
【0016】
図5に示す様に、ランチ販売価格データベース14は、天候毎にランチ提供数Nに対するランチの販売価格Pを規定したマップである。図5において、実線aは、天候が晴れの場合を規定し、破線bは天候が曇りの場合を規定し、一点鎖線cは、天候が雨の場合を規定する。図5に示すように、天候が曇りの場合に販売価格は、天候が晴れの場合の販売価格よりも安く設定されており、雨の場合の販売価格は、曇りの場合の販売価格よりも安く設定されている。また、晴れの場合と曇りの場合に、提供数Nに対して販売価格Pは一定となっているが、雨の場合には、提供数Nが少ないほど販売価格Pが安くなるように設定されている。
【0017】
図1に戻って、ランチ提供数推定部16は、通信部15を介して天候情報提供会社21から取得した天候情報と入場者数実績データベース11から取得した入場者情報に基づいて、テーマパーク30の入場者数を推定し、図6に示すマップ19を用いて第1~第3ランチ販売店舗32~34のランチの提供数を推定してランチ販売価格設定部17と第1~第3ランチ販売店舗32~34とに出力する。ここで、マップ19は、第1~第3ランチ販売店舗32~34毎の入場者数に対するランチの提供数を規定したマップで、実線dは第1ランチ販売店舗32の提供数を規定し、破線eは第2ランチ販売店舗33の提供数を規定し、一点鎖線fは第3ランチ販売店舗34の提供数を規定する。
【0018】
ランチ販売価格設定部17は、ランチ提供数推定部16から入力された各ランチ販売店舗32~34での推定ランチ提供数と天候情報とランチ販売価格データベース14とに基づいて、各ランチ販売店舗32~34での販売価格Pを設定して各ランチ販売店舗32~34に送信する。
【0019】
第1~第3ランチ販売店舗32~34は、テーマパーク30の中のランチ販売箇所であり、第1ランチ販売店舗32は、ゲート31に一番近く、第3ランチ販売店舗34はゲート31から一番遠いところに位置している。第2ランチ販売店舗33は、第1ランチ販売店舗32と第3ランチ販売店舗34との中間に位置している。
【0020】
入場者数推定部18は、外出者数実績データベース12と天候情報、または、大型店舗入館者数実績データベース13と天候情報とに基づいて、テーマパーク30の入場者数を推定してランチ提供数推定部16に出力する。
【0021】
サーバ10は、情報処理を行うプロセッサであるCPUとプログラムやデータを格納する記憶部とを備えるコンピュータである。通信部15と、ランチ提供数推定部16と、ランチ販売価格設定部17と、入場者数推定部18の各機能ブロックは、CPUがプログラムを実行することにより実現される。また、入場者数実績データベース11と、外出者数実績データベース12と、大型店舗入館者数実績データベース13と、ランチ販売価格データベース14は、記憶部の中に図2図5に示すデータベースを格納することで実現される。
【0022】
以上の様に構成されたランチ提供システム100の動作について説明する。ランチ提供数推定部16は、天候情報提供会社21からその日の天気予報等の天候情報を取得する。そして、入場者数実績データベース11を参照してその日の入場者数を推定入場者数A1として算出する。
【0023】
図2に示す例では、その日の天気が晴れの場合にはその日の入場者数を1,000人と推定し、曇りなら800人、雨なら500人と推定する。そしてランチ提供数推定部16は、内部に格納した図6に示すマップ19を用いて推定入場者数A1から第1~第3ランチ販売店舗32~34の提供数N1~N3を推定する。そして、ランチ提供数推定部16は推定した提供数N1~N3を第1~第3ランチ販売店舗32~34と、ランチ販売価格設定部17に出力する。
【0024】
ランチ販売価格設定部17は、天候情報とランチ販売価格データベース14とに基づいて、第1~第3ランチ販売店舗32~34でのランチの販売価格を設定する。図5に示す例では、晴れの日は、ランチの提供数がN1と推定される第1ランチ販売店舗32での販売価格も提供数がN2と推定される第2ランチ販売店舗33での販売価格も提供数がN3と推定される第3ランチ販売店舗34での販売価格も同一のP1に設定する。また、曇りの日も、第1~第3ランチ販売店舗32~34の販売価格は同一で、晴れの日よりも安いP2に設定する。一方、雨の日は、第1ランチ販売店舗32での販売価格はP2よりも安いP31で、第2ランチ販売店舗33での販売価格はP31よりも安いP32で、第3ランチ販売店舗34での販売価格は、P32よりも安いP33と設定する。このように、雨の日は、ゲート31から遠く、ランチの提供数が少ないと推定されるランチ販売店舗での販売価格Pを安くする。
【0025】
このように、実施形態のランチ提供システム100は、天候によりランチ販売店舗毎の提供数と販売価格を変化させるので、テーマパーク30でのフードロスを低減することができる。また、ランチ提供システム100は、雨の日にはランチの提供数が少ないと推定されるゲート31から遠いランチ販売店舗ほど販売価格Pを安くすることにより、雨の日でも入場者がテーマパーク30の奥にあるアトラクションにも入場することを促すことができる。
【0026】
以上の説明では、ランチ提供システム100は、入場者数実績データベース11を参照してランチの提供数を推定することとして説明したが、これに限らす、入場者数実績データベース11に代えて、外出者数実績データベース12を参照してランチの提供数を推定してもよい。
【0027】
サーバ10は、天候情報提供会社21から取得したその日の天候情報と、外出者数実績データベース12とに基づいて、その日のテーマパーク30のある地域の外出者数を推定する。そして、過去の外出者数とテーマパーク30の入場者との関係からその日のテーマパーク30への入場者数を推定してランチ提供数推定部16に出力する。
【0028】
ランチ提供数推定部16は、図6に示すマップ19を用いて入場者数推定部18から入力された入場者数に対する第1~第3ランチ販売店舗32~34でのランチの提供数を推定して第1~第3ランチ販売店舗32~34とランチ販売価格設定部17に出力する。
【0029】
ランチ販売価格設定部17は、ランチ提供数推定部16から入力された第1~第3ランチ販売店舗32~34のランチの提供数とランチ販売価格データベース14とに基づいて、第1~第3ランチ販売店舗32~34でのランチの販売価格を設定する。そして設定した各ランチ販売店舗32~34での販売価格を第1~第3ランチ販売店舗32~34に送信する。
【0030】
また、サーバ10は、外出者数実績データベース12に代えて大型店舗入館者数実績データベース13を用いてテーマパーク30への入場者数を推定して、同様の方法で各ランチ販売店舗32~34でのランチの提供数を推定し、販売価格を設定してもよい。
【0031】
上記の様に、外出者数実績データベース12を用いた場合でも、大型店舗入館者数実績データベース13を用いた場合でも、天候によりランチ販売店舗毎の提供数と販売価格を変化させるので、テーマパーク30でのフードロスを低減することができる。
【0032】
以上、食事提供システムをテーマパーク30におけるランチの提供を行うランチ提供システム100に適用した例について説明したが、食事提供システムは、テーマパーク30以外の所定エリアにも適用できる。例えば、野球やサッカー等の競技を行うスポーツ施設で、食事としてスナックや弁当を販売する場合にも適用することができる。
【符号の説明】
【0033】
10 サーバ、11 入場者数実績データベース、12 外出者数実績データベース、13 大型店舗入館者数実績データベース、14 ランチ販売価格データベース、15 通信部、16 ランチ提供数推定部、17 ランチ販売価格設定部、18 入場者数推定部、19 マップ、21 天候情報提供会社、22 携帯電話会社、23 大型店舗、30 テーマパーク、31 ゲート、32~34 ランチ販売店舗、40 通信回線、100 ランチ提供システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6