(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】描画方法、原版製造方法および描画装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20240828BHJP
G03F 1/78 20120101ALI20240828BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240828BHJP
H01J 37/305 20060101ALI20240828BHJP
【FI】
H01L21/30 541F
G03F1/78
G03F7/20 504
G03F7/20 521
H01L21/30 502D
H01J37/305 B
(21)【出願番号】P 2021045152
(22)【出願日】2021-03-18
【審査請求日】2023-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】香川 譲徳
【審査官】大門 清
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-027866(JP,A)
【文献】特開平03-076212(JP,A)
【文献】特開2003-031474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 1/78
G03F 7/20
H01J 37/305
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の段差部の配置状態を示す段差部配置情報を取得し、
前記段差部の高さを示す段差部高さ情報を取得し、
前記基板の高さを測定し、
前記取得された段差部配置情報および段差部高さ情報と、前記測定された高さとに基づいて、前記基板の描画位置に応じた電子ビームのビームフォーカス値の分布を示すフォーカスマップを算出し、
前記算出されたフォーカスマップに基づいて決定されたビームフォーカス値の電子ビームによって、前記基板にパターンを描画
し、
前記高さの測定は、前記段差部を含めて行われ、
前記フォーカスマップの算出は、
前記段差部を含めて測定された高さに基づいて前記基板の高さの分布を示す第1高さ分布を算出し、
前記算出された第1高さ分布から前記取得された段差部配置情報および段差部高さ情報に基づいて前記段差部の高さの影響を除去した第2高さ分布を算出し、
前記算出された第2高さ分布に、前記段差部配置情報および前記段差部高さ情報を加える、
ことを含む描画方法。
【請求項2】
前記基板のスロープ部の配置状態を示すスロープ部配置情報を取得し、
前記取得されたスロープ部配置情報および前記段差部高さ情報に基づいて、前記スロープ部の傾斜角度および傾斜向きを算出することをさらに含む
請求項
1に記載の描画方法。
【請求項3】
前記基板のスロープ部の傾斜角度を示す傾斜角度情報を取得し、
前記スロープ部の傾斜向きを示す傾斜向き情報を取得することをさらに含む
請求項
1に記載の描画方法。
【請求項4】
前記パターンの描画は、前記ビームフォーカス値の変化が大きい箇所において、前記ビームフォーカス値の変化が小さい箇所と比較してビーム整定時間を長くすることを含む請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の描画方法。
【請求項5】
前記パターンの描画は、前記ビームフォーカス値の変化が大きい箇所において、前記ビームフォーカス値の変化が小さい箇所と比較して前記基板が載置されたステージの移動時間を遅くすることを含む請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の描画方法。
【請求項6】
前記パターンの描画は、前記ビームフォーカス値の変化が小さい箇所から順に行う請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の描画方法。
【請求項7】
請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の描画方法を用いて基板にパターンを形成する、
ことを含む原版製造方法。
【請求項8】
基板の段差部の配置状態を示す段差部配置情報と、前記段差部の高さを示す段差部高さ情報とを取得する取得部と、
前記基板の高さを測定する測定部と、
前記取得された段差部配置情報および段差部高さ情報と、前記測定された高さとに基づいて、前記基板の描画位置に応じた電子ビームのビームフォーカス値の分布を示すフォーカスマップを算出する算出部と、
前記算出されたフォーカスマップに基づいて決定されたビームフォーカス値の電子ビームによって、前記基板にパターンを描画する描画部と、
を備え
、
前記測定部は、前記段差部を含めて前記高さを測定し、
前記算出部は、前記段差部を含めて測定された前記高さに基づいて前記基板の高さの分布を示す第1高さ分布を算出し、前記算出された第1高さ分布から前記取得された段差部配置情報および段差部高さ情報に基づいて前記段差部の高さの影響を除去した第2高さ分布を算出し、前記算出された第2高さ分布に、前記段差部配置情報および前記段差部高さ情報を加えることにより、前記フォーカスマップを算出する、
描画装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、描画方法、原版製造方法および描画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ビームを用いたパターンの描画によって半導体プロセス用の原版を作製する場合がある。この場合、原版用の基板の表面形状によっては、ビームフォーカス値を適切に決定して高精度にパターンを描画することが困難となるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板の表面形状にかかわらず高精度にパターンを描画することが可能な描画方法、原版製造方法および描画装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態によれば、描画方法は、基板の段差部の配置状態を示す段差部配置情報を取得することを含む。前記方法はさらに、前記段差部の高さを示す段差部高さ情報を取得することを含む。前記方法はさらに、前記基板の高さを測定することを含む。前記方法はさらに、前記取得された段差部配置情報および段差部高さ情報と、前記測定された高さとに基づいて、前記基板の描画位置に応じた電子ビームのビームフォーカス値の分布を示すフォーカスマップを算出することを含む。前記方法はさらに、前記算出されたフォーカスマップに基づいて決定されたビームフォーカス値の電子ビームによって、前記基板にパターンを描画することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態による描画装置の一例を示す図である。
【
図2A】第1の実施形態による描画装置を適用可能なマスクブランクの一例を示す断面図である。
【
図2B】第1の実施形態による描画装置を適用可能なテンプレートブランクの一例を示す断面図である。
【
図2C】第1の実施形態による描画装置を適用可能なマスクブランクの他の一例を示す断面図である。
【
図3】第1の実施形態による描画方法の一例を示すフローチャートである。
【
図4】第1の実施形態による描画方法において、
図3のフローチャートに示される表面形状データの取得工程を説明するための説明図である。
【
図5】第1の実施形態による描画方法において、
図3のフローチャートに示される基板表面の高さの測定工程を説明するための説明図である。
【
図6】第1の実施形態による描画方法において、
図3のフローチャートに示される高さ分布の算出工程を説明するための説明図である。
【
図7】第1の実施形態による描画方法において、
図3のフローチャートに示されるフォーカスマップの算出工程を説明するための説明図である。
【
図8】第1の実施形態による描画方法において、
図3のフローチャートに示される描画工程を説明するための説明図である。
【
図9A】第1の実施形態による描画方法の作用を説明するための説明図である。
【
図9B】第1の比較例を説明するための説明図である。
【
図9C】第2の比較例を説明するための説明図である。
【
図10】第2の実施形態による描画方法において、
図3のフローチャートに示される基板表面の高さの測定工程を説明するための説明図である。
【
図11】第2の実施形態による描画方法において、
図3のフローチャートに示される高さ分布の算出工程を説明するための説明図である。
【
図12A】第3の実施形態による描画方法において、
図3のフローチャートに示される表面形状データの取得工程を説明するための説明図である。
【
図12B】第3の実施形態による描画方法において、スロープ部の傾斜角度および傾斜向きを算出する例を説明するための説明図である。
【
図13A】実施形態によるフォトマスクの製造方法を示す断面図である。
【
図13B】
図13Aに続く、実施形態によるフォトマスクの製造方法を示す断面図である。
【
図13C】
図13Bに続く、実施形態によるフォトマスクの製造方法を示す断面図である。
【
図13D】
図13Cに続く、実施形態によるフォトマスクの製造方法を示す断面図である。
【
図13E】
図13Dに続く、実施形態によるフォトマスクの製造方法を示す断面図である。
【
図14A】実施形態によるテンプレートの製造方法を示す断面図である。
【
図14B】
図14Aに続く、実施形態によるテンプレートの製造方法を示す断面図である。
【
図14C】
図14Bに続く、実施形態によるテンプレートの製造方法を示す断面図である。
【
図14D】
図14Cに続く、実施形態によるテンプレートの製造方法を示す断面図である。
【
図14E】
図14Dに続く、実施形態によるテンプレートの製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1から
図14Eにおいて、同一または類似する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態による描画装置1の一例を示す図である。
図1に示される描画装置1は、例えば、半導体プロセスに用いられる原版を製造する際に、電子ビームEBの照射によって後述する基板6上(すなわち、基板6上のレジスト膜9)にパターンを描画するために用いることができる。基板6は、電子ビームEBの照射による原版の製造に適用できるものであれば具体的な態様は特に限定されない。例えば、
図2A~
図2Cにおいて後述するように、基板6は、マスクブランク6A,6Cまたはテンプレートブランク6Bであってもよい。
【0009】
図1に示される描画装置1は、計算機2と、高さ測定部3と、制御装置4と、電子照射ユニット5と、ステージ7とを備える。電子照射ユニット5は、電子光学鏡筒(図示せず)内に配置されている。基板6は、電子光学鏡筒に連通する真空チャンバ内においてステージ7上に載置されている。ステージ7は、モータ等の駆動装置によって例えば水平方向(X方向、Y方向)および鉛直方向(Z方向)に移動可能である。ステージ7が移動されることで、ステージ7上の基板6に対する電子ビームEBの照射位置が変更可能となっている。
【0010】
ここで、描画装置1の構成部についてさらに詳述する前に、描画装置1を適用可能な基板6の例について説明する。
図2Aは、実施形態による描画装置1を適用可能なマスクブランク6Aの一例を示す断面図である。
図2Bは、実施形態による描画装置1を適用可能なテンプレートブランク6Bの一例を示す断面図である。
図2Cは、実施形態による描画装置1を適用可能なマスクブランク6Cの他の一例を示す断面図である。マスクブランク6A,6Cは、フォトリソグラフィ用の原版であるフォトマスクの製造に用いられる基板6の例である。テンプレートブランク6Bは、ナノインプリントリソグラフィ用の原版であるテンプレートの製造に用いられる基板6の例である。
【0011】
図2Aおよび
図2Cに示すように、基板6としてのマスクブランク6A,6Cは、透光性基板61と、透光性基板61上に形成された遮光膜62とを有する。透光性基板61は、例えば、主成分として石英を含有していてもよい。遮光膜62は、例えば、主成分としてクロム(Cr)などの金属を含有していてもよい。一方、
図2Bに示すように、基板6としてのテンプレートブランク6Bは、例えば主成分として石英を含有することで、全体として透光性を有している。
【0012】
半導体装置用のデバイス基板(ウエハ)に形成された被加工膜の表面に段差またはスロープが存在する場合、一様にフラットな表面を有するフォトマスクまたはテンプレートを用いた場合は被加工膜を精度良く加工することが困難となる。具体的には、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィの場合、被加工膜上のレジスト膜に露光光の焦点を合わせることが困難となることで、被加工膜上のレジスト膜を適切に露光することが困難となる。テンプレートを用いたナノインプリントリソグラフィの場合、被加工膜であるデバイス基板上のレジストにテンプレートを適切に押し付けてパターンを転写することが困難となる。この結果、被加工膜に所望の精度で回路パターンを形成することが困難となる。そこで、段差やスロープが存在する被加工膜を精度良く加工する観点から、フォトマスクまたはテンプレート用の基板6A~6Cの表面は、被加工膜の表面形状に合わせた表面形状を有する。具体的には、
図2Aに示されるマスクブランク6Aの表面は、面内方向d1に沿った(すなわち、フラット)なベース部6aと、ベース部6aに対して段差zd(すなわち高さの差)を有するフラットな段差部6bと、ベース部6aと段差部6bとを接続するスロープ部6cとを有する。なお、マスクブランク6Aをステージ7上に載置したときに、面内方向d1は水平方向に一致する。
図2Aに示されるスロープ部6cは直線状の傾斜平面であるが、
図2Aの符号6c’に示すように、スロープ部6c’は傾斜曲面であってもよい。
図2Bに示されるテンプレートブランク6Bおよび
図2Cに示されるマスクブランク6Cの表面は、ベース部6aと段差部6bを有する。なお、テンプレートブランク6Bは、スロープ部を有していてもよい。
【0013】
ここで、原版(フォトマスク、テンプレート)を製造するために基板6上にパターンを描画する際には、基板6上にレジスト膜9を形成する。なお、
図13Aでは、基板6の一例としてのマスクブランク6A上にレジスト膜9を形成している。
図14Aでは、基板6の一例としてのテンプレートブランク6B上にレジスト膜9を形成している。そして、レジスト膜9が形成された基板6に電子ビームEBを照射することで、レジスト膜9にパターンを描画する。
【0014】
レジスト膜9が形成された基板6は、その自重によってたわみが発生する。第1の実施形態による描画装置1は、たわみを有し、なおかつ段差部が設けられた基板6の表面にフォーカスが合ったパターンの描画を行うように構成されている。
【0015】
具体的には、
図1に示すように、計算機2には、表面形状データ8が入力される。表面形状データ8は、基板6の表面形状に関するデータである。表面形状データ8は、段差部配置情報と、段差部高さ情報とを含む。段差部配置情報は、基板6の表面上の段差部の配置状態(例えば、位置)を示す情報である。段差部高さ情報は、段差部の高さを示す情報である。表面形状データ8は、例えば、原版の設計データに基づいて計算機2と異なる計算機で作成されたデータである。また、
図1に示すように、計算機2には、描画データ10が入力される。描画データ10は、電子ビームEBの照射によって基板6上にパターンを描画するためのデータである。描画データ10は、例えば、原版の設計データに基づいて計算機2と異なる計算機で作成されたデータである。計算機2に描画データ10および表面形状データ8を入力する方法は特に限定されず、例えば、データ通信による入力および記憶媒体を介した入力のいずれであってもよい。表面形状データ8の更なる詳細については、後述する描画方法の実施形態で説明する。
【0016】
高さ測定部3は、基板6の表面の高さを測定する。より詳しくは、高さ測定部3は、基板6の表面上に形成されたレジスト膜9の表面の高さを測定する。さらに詳しくは、高さ測定部3は、基板6の表面の高さを基板6の表面上の複数の箇所で測定する。高さ測定部3は、測定された基板6の表面の高さを計算機2に出力する。高さ測定部3は、例えばレーザなどによって光学的に基板6の表面の高さを計測してもよい。
【0017】
計算機2は、表面形状データ8から取得された段差部配置情報および段差部高さ情報と、測定された基板6の表面の高さとに基づいて、基板6の描画位置に応じた電子ビームのフォーカス値の分布を示すフォーカスマップを算出する。計算機2は、算出されたフォーカスマップを制御装置4に出力する。計算機2によるフォーカスマップの算出例については、後述する描画方法の実施形態で説明する。
【0018】
制御装置4は、計算機2から入力されたフォーカスマップに基づいて、基板6の描画単位(ショット)毎のビームフォーカス値を決定する。そして、制御装置4は、決定されたビームフォーカス値の電子ビームによって基板6上にパターンを描画するように電子照射ユニット5を制御する。
【0019】
電子照射ユニット5は、制御装置4で決定されたビームフォーカス値の電子ビームEBを基板6上に照射して基板6上のレジスト膜9にパターンを描画する。電子照射ユニット5は、例えば、電子ビームEBを放出する電子銃と、放出された電子ビームEBの軌道を制御する電子光学系(偏向器、電磁レンズ等)とを備える。
【0020】
(描画方法)
以下、第1の実施形態による描画装置1を適用した描画方法の実施形態について説明する。
図3は、第1の実施形態による描画方法の一例を示すフローチャートである。
【0021】
図3に示すように、先ず、計算機2は、描画データ10を取得する(ステップS1)。描画データ10は、基板6の表面に対応する二次元の領域を示し、領域内に定義されたパターンを有する。描画データ10上のパターンは、基板6の表面の対応する位置(すなわち座標)に描画される。
【0022】
また、
図3に示すように、計算機2は表面形状データ8を取得する(ステップS2)。表面形状データ8の取得は、描画データ10の取得と前後が入れ替わってもよく、または同時であってもよい。
図4は、
図3のフローチャートに示される表面形状データ8の取得工程の一例を説明するための説明図である。
図4に示すように、表面形状データ8は、少なくとも、段差部配置情報と、段差部高さ情報とを含む。段差部配置情報は、基板6の表面上の段差部の配置状態(例えば、位置)を示す情報である。より具体的には、段差部配置情報は、描画データに対応した二次元の領域を示し、領域内に定義された段差部を有する。段差部高さ情報は、段差部の高さを示す情報である。段差部高さ情報は、基板の表面のうち段差部内に位置しないフラットなベース部の平均高さを高さの基準(0[μm])とした相対的な高さを示す情報である。なお、
図4に示される例において、段差部は、ベース部よりも高さが低い凹段差である。段差部は、ベース部よりも高さが高い凸段差であってもよい。段差部の高さの絶対値は、0.1[μm]以上であってもよい。表面形状データ8は、テーブル形式のデータであってもよい。なお、段差部の高さは、1mm
2を例とする単位面積当たりの平均高さを用いてよい。
【0023】
描画データ10および表面形状データ8を取得した後、
図3に示すように、描画装置1は、ステージ7上に基板6をロードする(ステップ3)。ステージ7上にロードされたときに、基板6の表面には既にレジスト膜9が形成されている。
【0024】
ステージ7上に基板6をロードした後、高さ測定部3は、たわみを有する基板6の表面上にフォーカスが合った描画を行うため、基板6の表面、すなわち、レジスト膜9の表面の高さを測定する(ステップS4)。
図5は、第1の実施形態による描画方法において、
図3のフローチャートに示される基板表面の高さの測定工程を説明するための説明図である。なお、
図5では、レジスト膜9の図示を省略している。基板6の高さ分布を算出するため、
図5に示すように、高さ測定部3は、基板6の表面上の複数の測定点Pにおいて高さを測定する。段差部6bが高さ分布に影響しないようにするため、測定点Pは、段差部6bを除く基板6の表面であるベース部6a上に設定される。高さ測定部3は、計算機2が取得した段差部配置情報に基づいて、ベース部6a上にのみ測定点Pを設定して測定を行う。高さ測定部3は、レーザーなどの光が出射部31(光源)から出射されてから測定点Pで反射されて受光部32(センサ)で受光されるまでの時間に基づいて、測定点Pにおける基板6の表面の高さを測定する。複数の測定点Pのそれぞれで高さを測定するため、高さ測定部3は、ステージ7をX方向およびY方向に駆動して複数の測定点Pを順に出射部31からの光の照射位置まで移動させる。
【0025】
基板6の表面の高さを測定した後、
図3に示すように、計算機2は、測定された高さに基づいて、基板6の表面の高さの分布を示す高さ分布を算出する(ステップS5)。高さ分布は、基板6のたわみの度合いを示している。
図6は、第1の実施形態による描画方法において、
図3のフローチャートに示される高さ分布の算出工程を説明するための説明図である。計算機2は、各測定点Pで測定された基板6の表面の高さに基づいて、高次多項式を用いて
図6に示すように高さ分布として基板6の全表面における高さの分布を算出する。
図6は、X座標およびY座標ごとの基板6の表面の高さ(Z)の分布を示している。
【0026】
高さ分布を算出した後、
図3に示すように、計算機2は、算出された高さ分布に、段差部配置情報および段差部高さ情報を足し合わせることで、フォーカスマップを算出する(ステップS6)。
図7は、第1の実施形態による描画方法において、
図3のフローチャートに示されるフォーカスマップの算出工程を説明するための説明図である。
図7に示す例において、計算機2は、高さ分布のうち、段差部配置情報に示される範囲の高さを、段差部高さ情報に示される凹段差の高さだけ低くすることで、フォーカスマップを算出する。なお、段差部が凸段差である場合は、高さ分布のうち、段差部配置情報に示される範囲の高さを、段差部高さ情報に示される凸段差の高さだけ高くすることで、フォーカスマップを算出すればよい。
【0027】
フォーカスマップを算出した後、
図3に示すように、制御装置4は、フォーカスマップに基づくビームフォーカス値での描画を行う(ステップS7)。すなわち、制御装置4は、算出されたフォーカスマップに基づいてビームフォーカス値を決定し、決定されたビームフォーカス値の電子ビームによって基板6上にパターンを描画する。
図8は、第1の実施形態による描画方法において、
図3のフローチャートに示される描画工程を説明するための説明図である。
図8に示すように、ステップS6で算出されたフォーカスマップに基づいて決定されたビームフォーカス値の電子ビームEBは、ベース部6aおよび段差部6bのいずれにおいても基板6の表面にフォーカスが合っている。
【0028】
図9Aは、第1の実施形態による描画方法の作用を説明するための説明図である。
図9Bは、第1の比較例を説明するための説明図である。
図9Cは、第2の比較例を説明するための説明図である。もし、段差部を除いて測定された基板6の表面の高さのみに基づいて算出されたフォーカスマップを用いて描画を行う場合、
図9Bに示すように、基板6の表面のベース部6aに対して高さが異なる段差部6bにおいて、矩形の破線で示される主偏向領域(電子ビームを走査できる領域)に回転成分および倍率成分のずれが生じる。これにより、段差部6bにおいてフォーカスが合わなくなり、パターンの描画精度が悪化する。また、もし、段差部を含めて測定された基板6の表面の高さのみに基づいて算出されたフォーカスマップを用いて描画を行う場合、
図9Cに示すように、基板6の表面のベース部6aおよび段差部6bの双方において、主偏向領域に回転成分および倍率成分のずれが生じる。これにより、段差部6bにおいてフォーカスが合わなくなり、パターンの描画精度が悪化する。
【0029】
これに対して、第1の実施形態による描画装置1によれば、段差部を除いて測定された基板6の表面の高さに基づく高さ分布に、段差部配置情報および段差部高さ情報を足し合わせて算出されたフォーカスマップを用いることで、基板6の表面形状にかかわらず高精度にパターンを描画することができる。
【0030】
なお、パターンの描画においては、ビームフォーカス値の変化が大きい箇所において、ビームフォーカス値の変化が小さい箇所と比較してビーム整定時間を長くしてもよい。または、ビームフォーカス値の変化が大きい箇所において、ビームフォーカス値の変化が小さい箇所と比較して基板6が載置されたステージ7の移動時間を遅くしてもよい。これにより、ビームフォーカス値の変化が大きい箇所におけるパターンの描画を適切に行うことができる。
【0031】
また、パターンの描画は、ビームフォーカス値の変化が小さい箇所から順に行ってもよい。
【0032】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、段差部配置情報、段差部高さ情報、および基板6の表面高さの測定結果に基づいてフォーカスマップを算出し、算出されたフォーカスマップに基づいて決定されたビームフォーカス値で描画を行うことで、基板の表面形状(段差部の存在)にかかわらず高精度にパターンを描画することが可能となる。
【0033】
また、第1の実施形態によれば、段差部を除いて測定された基板6の表面高さに基づいて高さ分布を算出し、算出された高さ分布に段差部配置情報および段差部高さ情報を足し合わせてフォーカスマップを生成することで、段差部の存在にかかわらずパターンをより高精度に描画することができる。
【0034】
(第2の実施形態)
次に、
図10および11を参照して、第1の実施形態に対してフォーカスマップの算出方法が異なる第2の実施形態について説明する。
図10は、第2の実施形態による描画方法において、
図3のフローチャートに示される基板表面の高さの測定工程を説明するための説明図である。
図11は、第2の実施形態による描画方法において、
図3のフローチャートに示される高さ分布の算出工程を説明するための説明図である。
【0035】
図5で説明したように、第1の実施形態においては、段差部6bを除いた基板6の表面上、すなわちベース部6a上にのみ測定点Pを設定して基板6の表面の高さを測定していた。これに対して、第2の実施形態においては、段差部6bを意図的に除外するような特別な測定点Pの設定は行ず、予め決められた方法(例えば、等間隔など)にしたがって測定点Pを設定する。結果的に、測定点Pのいくつかが段差部6b上に位置する。第2の実施形態において、計算機2は、このような段差部6bを含めて測定された基板6の表面の高さに基づいて高さ分布を算出する。算出される高さ分布は、
図11に示すように、段差部6bの影響を含んだ高さ分布となる(ステップS51)。段差部6bの影響を含んだ高さ分布は、基板6の高さ分布を正確に表していない。
【0036】
しかるに、第2の実施形態において、計算機2は、段差部配置情報および段差部高さ情報に基づいて、段差部6bの影響を含んだ高さ分布から段差部6bの影響を除去した高さ分布を算出する(ステップS51)。例えば、段差部6bの影響を含んだ高さ分布のうち、段差部配置情報に示される範囲の高さを、段差部高さ情報に示される高さだけ増加させる。なお、高次多項式等を用いた必要な形状補完をさらに行ってもよい。
【0037】
段差部6bの影響を除去した高さ分布を算出した後は、
図3のステップS6以降と同様の工程を実施する。
【0038】
第2の実施形態によれば、段差部6bの影響を事後的に除去した高さ分布を算出し、算出された高さ分布に段差部配置情報および段差部高さ情報を足し合わせてフォーカスマップを算出することで、第1の実施形態と同様に基板6の表面形状にかかわらず高精度にパターンを描画することができる。
【0039】
(第3の実施形態)
次に、
図12Aおよび
図12Bを参照して、スロープ部をさらに考慮してフォーカスマップを算出する第3の実施形態について説明する。
図12Aは、第3の実施形態による描画方法において、
図3のフローチャートに示される表面形状データの取得工程を説明するための説明図である。
図12Bは、第3の実施形態による描画方法において、スロープ部の傾斜角度および傾斜向きを算出する例を説明するための説明図である。
【0040】
第3の実施形態において、表面形状データ8には、スロープ部配置情報と、傾斜角度情報と、傾斜向き情報とが含まれている。スロープ部配置情報は、基板6の表面上のスロープ部の配置状態を示す情報である。傾斜角度情報は、
図12Aに示すように、スロープ部の傾斜角度θを示す情報である。傾斜向き情報は、スロープ部の向きを示す情報である。より具体的には、
図12Aに示される例において、傾斜向き情報は、スロープ部の高さが減少する二次元上の方向を、二次元上の基準方向d2とのなす角度で表現した情報である。例えば、
図12Aに示されるスロープ部C1は、スロープ部C1の高さが減少する二次元上の方向が基準方向d2と一致すため、傾斜向きが0[度]である。一方、
図12Aに示されるスロープ部C4は、スロープ部C4の高さが減少する二次元上の方向が基準方向d2と反対であるため、傾斜向きが180[度]である。
【0041】
第3の実施形態において、計算機2は、高さ分布に、段差部配置情報および段差部高さ情報に加えて、さらにスロープ部配置情報、傾斜角度情報および傾斜向き情報を足し合わせることでフォーカスマップを算出する。具体的には、計算機2は、高さ分布のうち、段差部配置情報に示される範囲の高さを、段差部高さ情報に示される高さだけ低くし、また、スロープ部配置情報に示される範囲の高さを、傾斜角度情報および傾斜向き情報に示される高さだけ低くすることで、フォーカスマップを算出する。
【0042】
図12Bは、第3の実施形態による描画方法において、スロープ部の傾斜角度および傾斜向きを算出する例を説明するための説明図である。計算機2は、表面形状データ8に傾斜角度情報および傾斜向き情報が含まれていない場合には、スロープ部配置情報および段差部高さ情報に基づいてスロープ部の傾斜角度および傾斜向きを算出し、算出された傾斜角度および傾斜向きを用いてフォーカスマップを算出することができる。例えば、
図12Bに示すように、スロープ部配置情報および高さ情報に示されるスロープ部の下端のX座標(x1)およびZ座標(z1)と、スロープ部の上端のX座標(x2)およびZ座標(z2)とに基づいて、傾斜角度θおよび傾斜向きd3を算出してもよい。
図12Bに示される例において、傾斜角度θは、スロープ部の下端(x1,z1)と上端(x2,z2)との2点の座標を結ぶ一次関数の傾き(z2-z1)/(x2-x1)の逆正接(tan
-1)である。また、
図12Bに示される例において、傾斜向きd3は、一次関数のZ値が減少するx2からx1に向かう方向である。
【0043】
第3の実施形態によれば、段差部に加えてスロープ部をさらに考慮したフォーカスマップを算出することで、段差部およびスロープ部の存在にかかわらず高精度にパターンを描画することができる。
【0044】
(原版製造方法)
図3~
図12Bで説明した実施形態による描画方法法は、原版の製造に用いることができる。以下、実施形態による描画方法を適用した原版製造方法として、フォトマスクの製造方法の実施形態およびテンプレートの製造方法の実施形態を順に説明する。
【0045】
図13Aは、実施形態によるフォトマスクの製造方法を示す断面図である。フォトマスクの製造においては、先ず、
図13Aに示すように、
図2Aで説明したマスクブランク6A上にレジスト膜9を形成する。レジスト膜9の形成は、レジスト膜9のコーティングおよびコーティング後のプリベーキングを含む。なお、
図13Aに示される例において、レジスト膜9は、ポジ型である。レジスト膜9は、ネガ型であってもよい。
【0046】
図13Bは、
図13Aに続く、実施形態によるフォトマスクの製造方法を示す断面図である。レジスト膜9を形成した後、
図13Bに示すように、描画装置1によって、実施形態による描画方法を用いて決定されたビームフォーカス値の電子ビームEBを照射する。これにより、電子ビームEBが照射された部分のレジスト膜9が露光される。
【0047】
図13Cは、
図13Bに続く、実施形態によるフォトマスクの製造方法を示す断面図である。レジスト膜9を露光し、露光されたレジスト膜9をポストベーキングした後、
図13Cに示すように、レジスト膜9を現像する。レジスト膜9をの現像は、薬液を用いたウェットプロセスで行う。現像によって、露光された部分のレジスト膜9が除去され、レジスト膜9が除去された位置において部分的に遮光膜62が露出する。
【0048】
図13Dは、
図13Cに続く、実施形態によるフォトマスクの製造方法を示す断面図である。レジスト膜9を現像した後、現像されたレジスト膜9をマスクとして用いて遮光膜62をエッチング(すなわち、加工)する。エッチングはドライプロセスで行う。
【0049】
図13Eは、
図13Dに続く、実施形態によるフォトマスクの製造方法を示す断面図である。遮光膜62をエッチングした後、
図13Eに示すように、レジスト膜9を除去する。これにより、フォトマスク60Aが得られる。
【0050】
図14A~
図14Eは、実施形態によるテンプレート60Bの製造方法を示す断面図である。
図14A~
図14Eに示すように、テンプレート60Bの製造方法は、フォトマスク60Aの製造方法と基本的に同じである。テンプレート60Bの製造方法は、エッチングで加工される対象が遮光膜62ではなくテンプレートブランク6Bである点が、フォトマスク60Aの製造方法と異なる。
【0051】
実施形態によるフォトマスク60A、テンプレート60Bの製造方法によれば、基板の表面形状にかかわらず高精度に描画を行うことができる。パターンが高精度に描画されたフォトマスク60A、テンプレート60Bを半導体プロセスに適用することで、表面に段差やスロープを有するデバイス基板に正確な寸法のパターンを形成することができ、半導体装置を適切に製造することができる。
【0052】
図1に示される計算機2の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、計算機2の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。また、計算機2の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0053】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
【0054】
(付記)
(1)基板の段差部の配置状態を示す段差部配置情報を取得し、
前記段差部の高さを示す段差部高さ情報を取得し、
前記基板の高さを測定し、
前記取得された段差部配置情報および段差部高さ情報と、前記測定された高さとに基づいて、前記基板の描画位置に応じた電子ビームのビームフォーカス値の分布を示すフォーカスマップを算出し、
前記算出されたフォーカスマップに基づいて決定されたビームフォーカス値の電子ビームによって、前記基板にパターンを描画する、
ことを含む描画方法。
(2)前記高さの測定は、前記段差部を除いて行われ、
前記フォーカスマップの算出は、
前記段差部を除いて測定された高さに基づいて前記基板の高さの分布を示す高さ分布を算出し、
前記算出された高さ分布に、前記段差部配置情報および前記段差部高さ情報を加える、
ことを含む(1)に記載の描画方法。
(3)前記高さの測定は、前記段差部を含めて行われ、
前記フォーカスマップの算出は、
前記段差部を含めて測定された高さに基づいて前記基板の高さの分布を示す第1高さ分布を算出し、
前記算出された第1高さ分布から前記段差部の高さの影響を除去した第2高さ分布を算出し、
前記算出された第2高さ分布に、前記段差部配置情報および前記段差部高さ情報を加える、
ことを含む(1)に記載の描画方法。
(4)前記基板のスロープ部の配置状態を示すスロープ部配置情報を取得し、
前記取得されたスロープ部配置情報および前記段差部高さ情報に基づいて、前記スロープ部の傾斜角度および傾斜向きを算出することをさらに含む
(1)乃至(3)のいずれかに記載の描画方法。
(5)前記基板のスロープ部の傾斜角度を示す傾斜角度情報を取得し、
前記スロープ部の傾斜向きを示す傾斜向き情報を取得することをさらに含む
(1)乃至(3)のいずれかに記載の描画方法。
(6)前記パターンの描画は、前記ビームフォーカス値の変化が大きい箇所において、前記ビームフォーカス値の変化が小さい箇所と比較してビーム整定時間を長くすることを含む(1)乃至(5)のいずれかに記載の描画方法。
(7)前記パターンの描画は、前記ビームフォーカス値の変化が大きい箇所において、前記ビームフォーカス値の変化が小さい箇所と比較して前記基板が載置されたステージの移動時間を遅くすることを含む(1)乃至(6)のいずれかに記載の描画方法。
(8)前記パターンの描画は、前記ビームフォーカス値の変化が小さい箇所から順に行う(1)乃至(7)のいずれかに記載の描画方法。
(9)前記スロープ部は傾斜平面を有する(4)または(5)に記載の描画方法。
(10)前記スロープ部は傾斜曲面を有する(4)または(5)に記載の描画方法。
(11)(1)乃至(10)のいずれかに記載の描画方法を用いて基板にパターンを形成する、
ことを含む原版製造方法。
(12)前記基板上にレジスト膜を形成することをさらに含み、
前記基板の高さを測定は、前記レジスト膜の表面の高さの測定であり、
前記パターンの描画は、前記レジスト膜に行われる(11)に記載の原版製造方法。
(13)前記パターンが描画された前記レジスト膜を現像し、
前記現像されたレジスト膜をマスクとして用いて前記基板を加工し、
前記加工された基板から前記レジスト膜を除去する、
ことをさらに含む(12)に記載の原版製造方法。
(14)前記原版は、フォトマスクである(11)乃至(13)のいずれかに記載の原版製造方法。
(15)前記原版は、ナノインプリントリソグラフィ用のテンプレートである(11)乃至(13)のいずれかに記載の原版製造方法。
(16)
基板の段差部の配置状態を示す段差部配置情報と、前記段差部の高さを示す段差部高さ情報とを取得する取得部と、
前記基板の高さを測定する測定部と、
前記取得された段差部配置情報および段差部高さ情報と、前記測定された高さとに基づいて、前記基板の描画位置に応じた電子ビームのビームフォーカス値の分布を示すフォーカスマップを算出する算出部と、
前記算出されたフォーカスマップに基づいて決定されたビームフォーカス値の電子ビームによって、前記基板にパターンを描画する描画部と、
を備える描画装置。
【符号の説明】
【0055】
1:描画装置、2:計算機、3:高さ測定部、4:制御装置、6 基板、8 表面形状データ