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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】長尺部材の接合構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/964 20060101AFI20240828BHJP
   F16B 7/20 20060101ALI20240828BHJP
   F16B 7/18 20060101ALI20240828BHJP
【FI】
E06B3/964 Z
F16B7/20 D
F16B7/18 E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021083759
(22)【出願日】2021-05-18
(65)【公開番号】P2022177482
(43)【公開日】2022-12-01
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江口 隆光
(72)【発明者】
【氏名】工藤 雅之
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-244810(JP,A)
【文献】実開平04-104000(JP,U)
【文献】実開昭61-032490(JP,U)
【文献】特開平06-229181(JP,A)
【文献】実開昭60-008324(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/96 - 3/99
F16B 7/18 - 7/20
E06B 11/00 - 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部を備え小口が同一の形状をなす2本の長尺部材と、
各々の前記長尺部材の前記中空部に挿入される2つの挿入部を有する連結部材と、を有し、
前記2本の長尺部材が、各々の前記中空部に挿入された前記挿入部に固定具により固定され、互いの前記小口を突き合わせて接合される長尺部材の接合構造であって、
前記長尺部材は、断面が矩形状をなす前記中空部を備える本体部材と、
前記本体部材と前記挿入部とを固定する前記固定具を覆うカバー部材と、を有し、
前記本体部材は、前記中空部を形成し互いに対向する一対の第一対向壁部及び一対の第二対向壁部と、
前記一対の前記第一対向壁部が前記中空部より外側に延出されて前記カバー部材が係止され、前記一対の前記第二対向壁部の一方と共に溝部を形成する延出片と、
前記中空部内に挿入された前記挿入部と対向し、前記溝部を形成する前記一方の前記第二対向壁部と共に、当該挿入部の、前記一対の前記第二対向壁部が対向する対向方向の移動を規制する対向方向規制部と、を有し、
前記長尺部材は、前記小口の外形形状が、前記対向方向における中心に対して線対称な矩形状をなし
前記一対の前記第二対向壁部のうちの他方の外面から前記対向方向規制部において前記挿入部と対向する対向部までの距離は、前記延出片に係止された前記カバー部材の外面から前記一対の前記第二対向壁部のうちの一方の前記中空部側の面までの距離と等しいことを特徴とする長尺部材の接合構造。

【請求項2】
請求項1に記載の長尺部材の接合構造であって、
前記2本の長尺部材は、互いの端部が当該長尺部材の長手方向に対し所定の同一角度で切断されて互いの前記小口が突き合わされており、
突き合わされる前記2本の長尺部材の前記端部は、一方の前記長尺部材の前記カバー部材側が鈍角をなし、他方の前記長尺部材の前記カバー部材側が鋭角をなしていることを特徴とする長尺部材の接合構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の長尺部材の接合構造であって、
前記一対の前記第二対向壁部のうちの他方は、前記カバー部材側に突出し、前記長尺部材の長手方向及び前記対向方向といずれも交差する交差方向における中央から振り分けて配置された2つの突起を有しており、
前記2つの突起の間隔は、前記一対の前記第二対向壁部のうちの一方の前記中空部側の面と、前記対向部との間隔と等しいことを特徴とする長尺部材の接合構造。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の長尺部材の接合構造であって、
前記本体部材は、前記一対の前記第一対向壁部に各々設けられ前記中空部内に挿入された前記挿入部と対向し、当該挿入部の、前記一対の前記第一対向壁部が対向し前記対向方向と交差する交差方向の移動を規制する交差方向規制部を有し、
前記長尺部材は、前記小口の外形形状が正方形状をなしており、
前記一対の前記第一対向壁部において、各々の外面から、前記交差方向規制部が前記挿入部と対向する対向部までの距離は、前記延出片に係止された前記カバー部材の外面から前記一対の前記第二対向壁部のうち一方の前記中空部側の面までの距離と等しいことを特徴とする長尺部材の接合構造。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の長尺部材の接合構造であって、
突き合わされる前記2本の長尺部材の前記小口の間に設けられ、
前記連結部材が挿通される開口と、
各々の前記長尺部材の前記小口を収容する収容部と、
を有するコーナー部材を有することを特徴とする長尺部材の接合構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2本の長尺部材を接合する長尺部材の接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、長尺部材の接合構造として、例えば、同じ断面形状を持つ一対の枠部材同士が、各々の先端面を突き合わせて所定の角度で連結される枠部材の連結構造は知られている(例えば、特許文献1参照)。この枠部材の連結構造により連結される各々の枠部材は、先端が長さ方向に対し傾斜している中空の部材であり、所定角度で折れ曲がった折曲がり角部を中間部に有するコーナー部材の両側部がそれぞれ、各枠部材の中空の内部に嵌合されて連結されている。
【0003】
また、各枠部材とコーナー部材とがビスなどにより固定されるものも知られており、固定するビスが外部に露出しないように、枠部材の所定の面にビスの頭部が収容される溝部を設け、溝部を覆うカバー材を備えているものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-191578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の長尺部材の接合構造は、コーナー部材に、同一の断面形状をなす一対の脚部が所定の角度をなすように設けられており、一対の脚部が、同じ断面形状を持つ一対の枠部材の各中空部に各々挿入されて連結されている。このとき、同じ断面形状をなす各枠部材に、溝部と溝部を覆うカバー材とが設けられている場合には、枠部材の溝部を除いた部位が備える中空部に脚部が挿入されるため、各枠部材の先端面を突き合わせたときに、中空部同士及び溝部同士が対向するように突き合わせなければ、一対の枠部材の外周面が繋がった状態に接合することはできない。このため、一対の枠部材の外周面が繋がるように連結するためには、カバー材の位置が限定されてしまい、カバー材が視認されやすい位置に配置されてしまう場合があり、意匠性が損なわれる虞があるという課題があった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、意匠性に優れた長尺部材の接合構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために本発明の長尺部材の接合構造は、中空部を備え小口が同一の形状をなす2本の長尺部材と、各々の前記長尺部材の前記中空部に挿入される2つの挿入部を有する連結部材と、を有し、前記2本の長尺部材が、各々の前記中空部に挿入された前記挿入部に固定具により固定され、互いの前記小口を突き合わせて接合される長尺部材の接合構造であって、前記長尺部材は、断面が矩形状をなす前記中空部を備える本体部材と、前記本体部材と前記挿入部とを固定する前記固定具を覆うカバー部材と、を有し、前記本体部材は、前記中空部を形成し互いに対向する一対の第一対向壁部及び一対の第二対向壁部と、前記一対の前記第一対向壁部が前記中空部より外側に延出されて前記カバー部材が係止され、前記一対の前記第二対向壁部の一方と共に溝部を形成する延出片と、前記中空部内に挿入された前記挿入部と対向し、前記溝部を形成する前記一方の前記第二対向壁部と共に、当該挿入部の、前記一対の前記第二対向壁部が対向する対向方向の移動を規制する対向方向規制部と、を有し、前記長尺部材は、前記小口の外形形状が、前記対向方向において線対称であり、前記一対の前記第二対向壁部のうちの他方の外面から前記対向方向規制部において前記挿入部と対向する対向部までの距離は、前記延出片に係止された前記カバー部材の外面から前記一対の前記第二対向壁部のうちの一方の前記中空部側の面までの距離と等しいことを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、意匠性に優れた長尺部材の接合構造を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1(a)は、本実施形態に係る長尺部材の接合構造により接合されたフレームユニットの一例を門袖と共に示す正面図、図1(b)は、フレームユニットの一例を門袖と共に示す右側面図、図1(c)は、フレームユニットの一例を門袖と共に示す平面図である。
図2】下アクセントフレーム材と左アクセントフレーム材の接合構造を示す分解斜視図である。
図3】下アクセントフレーム材と左アクセントフレーム材の接合構造を示す縦断面図である。
図4】フレーム材の断面図である。
図5】本実施形態に係る長尺部材の接合構造の第一変形例を示す分解斜視図である。
図6】上アクセントフレーム材と左アクセントフレーム材の接合構造を示す分解斜視図である。
図7】上アクセントフレーム材と左アクセントフレーム材の接合構造を示す縦断面図である。
図8】本実施形態に係る長尺部材の接合構造の第に変形例を示し、図8(a)は、カバー部材の外面を下方に向けた状態を示す断面図、図8(b)は、カバー部材の外面を側方に向けた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る長尺部材の接合構造について図面を参照して説明する。
本実施形態においては、図1に示すように、例えば、玄関の前などに立設される湿式門袖(以下、門袖という)1のデザイン性を高めるべく当該門袖1と共に設けられるフレームユニット2を例に挙げ、フレームユニット2を構成する長尺部材としてのフレーム材20a、20b、22、23、24、25同士の接合に適用した長尺部材の接合構造について説明する。
門袖1は、地面Gから立設され表面に化粧が施された矩形状をなす1枚の壁であり、一方の面側に表札、インターフォン等が設けられている。
【0010】
以下の説明においては、構築された門袖1及びフレームユニット2を敷地などの外側から見たときに、上下となる方向を上下方向、左右となる方向を左右方向、奥行き方向を見込み方向として示す。門袖1及びフレームユニット2の各部位であっても、また、門袖1及びフレームユニット2を構成する各部材については単体の状態であっても、門袖1及びフレームユニット2が構築されている状態にて上下方向、左右方向、見込み方向にて方向を特定して説明する。また、門袖1及びフレームユニット2において、表札等が設けられている敷地等の外側を手前側と称し、反対側となる敷地等の内側を奥側と称する。
【0011】
本実施形態のフレームユニット2は、門袖1の上面1b及び右側面1aに沿って設けられるベースフレームユニット20と、ベースフレームユニット20から手前側に張り出し設けられ、左右方向において門袖1の前からベースフレームユニット20よりも右側まで亘るように設けられるアクセントフレームユニット21と、を有している。
【0012】
ベースフレームユニット20は、基礎2aから立設され門袖1の右側面1aと右方向に間隔を空けて配置された縦ベースフレーム材20aと、門袖1の上面1bと上方向に間隔を空けて配置された横ベースフレーム材20bと、門袖1と縦ベースフレーム材20a及び横ベースフレーム材20bとを繋ぐ連結ベースフレーム材20cと、を有している。縦ベースフレーム材20aは、門袖1の右側面1aとの間に設けられた2本の連結ベースフレーム材20cにより門袖1と連結されており、その上端は、門袖1よりも高い位置に位置している。
【0013】
横ベースフレーム材20bは、門袖1の上面1bに設けられた連結ベースフレーム材20cの上端と、縦ベースフレーム材20aの上端との間に掛け渡されて各々接合されている。
【0014】
アクセントフレームユニット21は、4本のアクセントフレーム材22、23、24、25が矩形状に接合されたアクセントフレーム本体26と、アクセントフレーム本体26を縦ベースフレーム材20aと連結する連結アクセントフレーム材27と、基礎2bから立設されアクセントフレーム本体26を支持する支持フレーム材28と、を有している。
【0015】
本実施形態の長尺部材の接合構造は、例えば、アクセントフレーム本体26の4本のアクセントフレーム材22、23、24、25の各接合部に適用されている。
【0016】
4本のアクセントフレーム材22、23、24、25は各々、長手方向に沿って貫通する中空部221a、231a、241a、251aを有する本体部材221、231、241、251と、各本体部材221、231、241、251に各々係止されるカバー部材222、232、242、252とを有している。すなわち、本体部材221、231、241、251に各々カバー部材222、232、242、252が係止されて、4本のアクセントフレーム材22、23、24、25が構成されている。
【0017】
4本のアクセントフレーム材22、23、24、25をなす本体部材221、231、241、251同士及びカバー部材222、232、242、252同士は、いずれも同一の断面形状をなし、長手方向を押し出し方向とする押し出し成形により製造された部材である。本体部材221、231、241、251及びカバー部材222、232、242、252は、成形された同一の部材から適宜長さに切断されて用いられる。
【0018】
互いに隣り合い、接合される2本のアクセントフレーム材22、23、24、25は、接合される端部22a、23a、24a、25aが、長手方向に対して45度の角度をなすように切断され、本体部材221、231、241、251に各々カバー部材222、232、242、252が係止された状態で、突き合わせたときに、90度の角度をなすように加工されている。
【0019】
以下の説明においては、主に、アクセントフレーム本体26の下側にて横方向に配置される下アクセントフレーム材22と、左側にて縦方向に配置される左アクセントフレーム材24との接合部を例に挙げて説明する。また、各アクセントフレーム材22、23、24、25の構成及び形状については、下アクセントフレーム材22を例に挙げて説明するが、アクセントフレーム本体26の上側にて横方向に配置される上アクセントフレーム材23、左アクセントフレーム材24、及び右側にて縦方向に配置される右アクセントフレーム材25も同様である。このため、以下の説明において、各アクセントフレーム材22、23、24、25を区別して説明する場合には、各アクセントフレーム材22、23、24、25において同一の部位に、上下左右の区別をした同一の名称を付し、各部材を示す数字の後に同一の数字またはアルファベットを付して説明を省略する。
【0020】
接合される下アクセントフレーム材22と左アクセントフレーム材24は、図2図3に示すように、突き合わされる互いの小口22b、24bの間に、下アクセントフレーム材22及び左アクセントフレーム材24の小口22b、24bを覆うコーナー部材3を介し、各々の中空部221a、241aに挿入される連結部材4に固定されて接合されている。
【0021】
連結部材4は、中空部221a、241aに挿入される2本の挿入部4aが90度の角度をなすように一体に設けられている。接合される下アクセントフレーム材22及び左アクセントフレーム材24は、中空部221a、241a、に挿入された挿入部4aに固定具としてのビス5により固定されて接合される。
【0022】
2本の挿入部4aは、同一形状をなしており、90度の角度をなす角部において、2本の挿入部4aに沿う方向、すなわち中空部221a、241aに挿入される挿入方向のいずれに対しても45度の角度をなす線Xを対称軸とする線対称の形状をなしている。また、各挿入部4aにおいて、挿入方向と交差する交差方向に切断したときの断面の外形形状は長方形状をなしている。
【0023】
90度の角度をなす連結部材4の入り隅部及び外周側の角部には、見込方向に沿って窪み4bが設けられており、この窪み4bに、コーナー部材3が保持されるように構成されている。本実施形態の連結部材4は、見込方向すなわち2本の挿入部4aが延出している方向といずれも直交する方向を押し出し方向とする押し出し成形により製造されている。
【0024】
コーナー部材3は、アクセントフレーム材22、24の45度に切断された小口22b、24bの外周よりも僅かに大きな、ほぼ板状をなす部材であり、各々の面に小口22b、24b、が当接される。コーナー部材3の両面には、小口22b、24bが当接されたアクセントフレーム材22、24、の小口22b、24bを収容する収容部3aがそれぞれ設けられている。すなわち、コーナー部材3は、当接されたアクセントフレーム材22、24の小口22b、24bよりも外周側の部位の厚みが、他の部位の厚みよりも厚くなるように突出している。また、コーナー部材3には、連結部材4が挿通される開口3b(図5)が設けられている。
【0025】
図4に示すように、下アクセントフレーム材22の下本体部材221は、下中空部221aを形成し互いに対向する一対の下第一対向壁部221b、221c及び一対の下第二対向壁部221d、221eと、一対の下第一対向壁部221b、221cが下中空部221aより外側に延出され一方の下第二対向壁部221dと共に下溝部22cを形成し、下カバー部材222が係止される下延出片221fと、下中空部221a内に挿入された挿入部4aと対向し、下溝部22cを形成する一方の下第二対向壁部221dと共に、当該挿入部4aの、一対の下第二対向壁部221d、221eが対向する対向方向の移動を規制する下対向方向規制部221gと、を有している。
【0026】
下アクセントフレーム材22の下カバー部材222は、下本体部材221の下溝部22cを覆う下カバー本体222aと、下カバー本体222aから突出して下延出片221fに係止される下係止片222bとを有している。下アクセントフレーム材22は、下係止片222bが下延出片221fに係止されて下カバー本体222aが下溝部22cを覆う状態で、下本体部材221とともに断面の外形形状が矩形状をなす下アクセントフレーム材22を構成する。このため、下アクセントフレーム材22は、小口22bの外形形状が、一対の下第二対向壁部221d、221eが対向する対向方向における中央に対して線対称であり、4つの外面22d、22e、22f、22gのうちの1つの外面22gは下カバー部材222の下カバー本体222aがなしている。
【0027】
下本体部材221の下中空部221a内に、一対の下第一対向壁部221b、221cから各々下中空部221a内に突出し、下溝部22cを形成する一方の下第二対向壁部221dと共に、下中空部221a内に挿入された挿入部4aの対向方向の移動を規制する下対向方向規制部221gが設けられている。下中空部221a内に挿入される挿入部4aは、一方の下第二対向壁部221dと下対向方向規制部221gの間に嵌入されて対向方向の移動が規制され、下本体部材221の長手方向及び対向方向といずれも交差する交差方向は、一対の下第一対向壁部221b、221cの下中空部221a内側の面により移動が規制される。
【0028】
このため、連結部材4の挿入部4aは、断面が長方形状をなす外形の長手方向の長さL1が一対の下第一対向壁部221b、221cの間隔W1とほぼ等しく、短手方向の長さL2が、一方の下第二対向壁部221dと下対向方向規制部221gとの間隔W2とほぼ等しく形成されている。また、下アクセントフレーム材22は、下本体部材221に下カバー部材222を係止した状態で、一方の下第二対向壁部221dの下中空部221a側の面221kから下カバー部材222の外面22gまでの距離L3と、他方の下第二対向壁部221eの外面22dから下対向方向規制部221gにおいて挿入部4aと対向する下対向部221hまでの距離L4とが等しく形成されている。
【0029】
下アクセントフレーム材22と左アクセントフレーム材24とを接合する場合には、例えば、まず、下アクセントフレーム材22及び左アクセントフレーム材24の接合する端部22a、24aを、長手方向に対して45度をなす角度にて各々切断しておく。このとき、下アクセントフレーム材22は、下カバー部材222が下面をなすように取り付けるため、下カバー部材222側が鋭角をなすように切断しておく。一方、左アクセントフレーム材24は、左カバー部材242がコーナーの内側を向くように取り付けるため、下カバー部材222側が鈍角をなすように切断しておく。そして、下アクセントフレーム材22及び左アクセントフレーム材24は、いずれも、下本体部材221と下カバー部材222、及び、左本体部材241と左カバー部材242とを分離しておく。
【0030】
次に、コーナー部材3の開口3bに連結部材4の挿入部4aを挿通し連結部材4の窪み4cにコーナー部材3に入り込ませて、コーナー部材3を連結部材4に取り付けておく。
【0031】
次に、連結部材4の一方の挿入部4aを下本体部材221の下中空部221aに挿入し、下本体部材221の小口をコーナー部材3に当接させて下本体部材221の小口を収容部3aに収容させる。このとき、挿入部4aは、下本体部材221の一方の下第二対向壁部221dと下対向方向規制部221gとの間に挿入し、下カバー部材222の外面22gが下方に向き、他方の挿入部4aが上方に向くように配置する。その後、下本体部材221の下溝部22cを形成する一方の下第二対向壁部221d側からビス5を貫通させて挿入されている挿入部4aに螺合し、下本体部材221を連結部材4と連結する。
【0032】
次に、連結部材4の他方の挿入部4aを左本体部材241の左中空部241aに挿入し、左本体部材241の小口をコーナー部材3に当接させて左本体部材241の小口を収容部3aに収容させる。このとき、挿入部4aは、左本体部材241の一方の左第二対向壁部241dと左対向方向規制部241gとの間に挿入し、左カバー部材242の外面24gがコーナーの内側に向くように配置する。その後、左本体部材241の左溝部24cを形成する一方の左第二対向壁部241d側からビス5を貫通させて挿入されている挿入部4aに螺合し、左本体部材241を連結部材4と連結する。
【0033】
次に、下本体部材221の下延出片221fに下カバー部材222の下係止片222bに係止して下カバー部材222を取り付け、下アクセントフレーム材22と左本体部材241との接合が完了する。尚、本実施形態の左アクセントフレーム材24及び下アクセントフレーム材22は、下アクセントフレーム材22の下カバー部材222及び左アクセントフレーム材24の左カバー部材242の外面22g、24gを、接合されて形成されるコーナーの内側と外側とのいずれの側に配置して接合しても、下アクセントフレーム材22と左アクセントフレーム材24との間に段差が生じることなく、各々の4つの外面22d、22e、22f、22g、24d、24e、24f、24gが繋がるように接合される。また、下アクセントフレーム材22と右アクセントフレーム材25との接合は、左右の方向を異ならせて同様に接合することができる。
【0034】
また、下本体部材221の他方の下第二対向壁部221eには、交差方向の中央から振り分けた位置に2つの突起でなる下交差方向規制部221iが下中空部221a側に突出させて設けられている。左本体部材241の他方の左第二対向壁部241eには、交差方向の中央から振り分けた位置に2つの突起でなる左交差方向規制部241iが左中空部241a側に突出させて設けられている。2つの下交差方向規制部221i及び左交差方向規制部241iの間隔W3は、断面が長方形状をなす挿入部4aにおいて断面の短手方向の長さL2とほぼ等しく形成されている。このため、上述した連結部材4の挿入部4aの断面における長手方向の長さL1を、一方の下第二対向壁部221dの下中空部221a側の面と他方の下第二対向壁部221eの下中空部221a側の面との間隔W4、及び、一方の左第二対向壁部241dの左中空部241a側の面と他方の左第二対向壁部241eの左中空部241a側の面との間隔W4とほぼ同じ幅に形成した連結部材4を用いると、図5に示すように、接合する左アクセントフレーム材24の左カバー部材242と下アクセントフレーム材22の下カバー部材222の外面22g、24gを、いずれも見込方向における手前側または奥側に臨むように配置して接合することも可能となる。このとき、ビス5は、連結部材4の各挿入部4aに、見込方向に沿って設けられているビス螺合部4cに螺合する。
【0035】
また、図6図7に示すように、上アクセントフレーム材23と左アクセントフレーム材24とを接合する場合には、上アクセントフレーム材23及び左アクセントフレーム材24の接合する端部23a、24aは、長手方向に対して45度をなす角度にて各々、予め切断しておく。このとき、上アクセントフレーム材23は、上カバー部材232が下面をなすように取り付けるため、上カバー部材232側が鈍角をなすように切断しておく。一方、左アクセントフレーム材24は、左カバー部材242がコーナーの内側を向くように取り付けるため、左カバー部材242側が鈍角をなすように切断しておく。そして、上アクセントフレーム材23及び左アクセントフレーム材24は、いずれも、上本体部材231と上カバー部材232、及び、左本体部材241と左カバー部材242とを分離しておく。
【0036】
次に、コーナー部材3の開口3bに連結部材4の挿入部4aを挿通し連結部材4の窪み4cにコーナー部材3に入り込ませて、コーナー部材3を連結部材4に取り付けておく。
【0037】
次に、連結部材4の一方の挿入部4aを左本体部材241の左中空部241aに挿入し、左本体部材241の上側の小口をコーナー部材3に当接させて左本体部材241の小口を収容部3aに収容させる。このとき、挿入部4aは、左本体部材241の一方の左第二対向壁部241dと左対向方向規制部241gとの間に挿入する。その後、左本体部材241の左溝部24cを形成する一方の左第二対向壁部241d側からビス5を貫通させて挿入されている挿入部4aに螺合し、左本体部材241を連結部材4と連結する。
【0038】
次に、連結部材4の他方の挿入部4aを上本体部材231の上中空部231aに挿入し、上本体部材231の小口をコーナー部材3に当接させて上本体部材231の小口を収容部3aに収容させる。このとき、挿入部4aは、上本体部材231の一方の上第二対向壁部231dと上対向方向規制部231gとの間に挿入し、上カバー部材232の外面23gが下方に向くように配置する。その後、上本体部材231の上溝部23cを形成する一方の上第二対向壁部231d側からビス5を貫通させて挿入されている挿入部4aに螺合し、上本体部材231を連結部材4と連結する。
【0039】
次に、上本体部材231の上延出片231fに上カバー部材232の上係止片232bに係止して下カバー部材222を取り付け、左本体部材241の左延出片241fに左カバー部材242の左係止片242bに係止して左カバー部材242を取り付けて、下アクセントフレーム材22、上アクセントフレーム材23、左アクセントフレーム材24、右アクセントフレーム材25の接合が完了する。ここに説明した、下アクセントフレーム材22、上アクセントフレーム材23、左アクセントフレーム材24、右アクセントフレーム材25の接合手順は、一例であり、これに限るものではない。すなわち、下アクセントフレーム材22、上アクセントフレーム材23、左アクセントフレーム材24、右アクセントフレーム材25を接合する順番は、いずれの順序であっても構わない。
【0040】
本実施形態の長尺部材の接合構造によれば、2本のアクセントフレーム材22、23、24、25の中空部221a、231a、241a、251aに挿入した挿入部4aに固定するビス5は、カバー部材222、232、242、252により覆われて露出しないので、意匠性に優れている。
【0041】
また、互いの小口22b、23b、24b、25bを突き合わせて接合される2本のアクセントフレーム材22、23、24、25の各々は、中空部221a、231a、241a、251aを備える本体部材221、231、241、251にカバー部材222、232、242、252が係止された状態で、一対の第二対向壁部221d、221e、231d、231e、241d、241e、251d、251eが対向する対向方向における中央に対して線対称の形状であり、さらに、本体部材221、231、241、251は、一対の第二対向壁部221d、221e、231d、231e、241d、241e、251d、251eのうちの他方の第二対向壁部221e、231e、241e、251eの外面22d、23d、24d、25dから対向方向規制部221g、231g、241g、251gにおいて挿入部4aと対向する対向部221h、231h、241h、251hまでの距離L4が、延出片221f、231f、241f、251fに係止されたカバー部材222、232、242、252の外面22g、23g、24g、25gから一対の第二対向壁部221d、221e、231d、231e、241d、241e、251d、251eのうちの一方の第二対向壁部221d、231d、241d、251dにおける中空部221a、231a、241a、251a内側の面221k、231k、241k、251kまでの距離L3と等しいので、2本のアクセントフレーム材22、23、24、25の向きを小口22b、23b、24b、25bが逆になるように配置して、すなわち、カバー部材222、232、242、252が係止されている側を対向方向において、互いに反対側に位置させて配置しても、互いのアクセントフレーム材22、23、24、25の外面同士が繋がった外形にて接合することが可能である。
【0042】
2本のアクセントフレーム材22、23、24、25は、互いの端部22a、23a、24a、25aを、当該アクセントフレーム材22、23、24、25の長手方向に対し45度の角度で同様に切断して互いの小口22b、23b、24b、25bを突き合わせると、2本のアクセントフレーム材22、23、24、25は90度の角度をなして配置され、いずれかのアクセントフレーム材22、23、24、25の本体部材221、231、241、251とカバー部材222、232、242、252との境界が視認されやすい位置に配置されてしまう虞がある。上記長尺部材の接合方法によれば、45度の角度をなす2本のアクセントフレーム材22、23、24、25の端部22a、23a、24a、25aにおいて、カバー部材222、232、242、252側が鈍角をなすアクセントフレーム材22、23、24、25と、カバー部材222、232、242、252側が鋭角をなすアクセントフレーム材22、23、24、25とが、互いの小口22b、23b、24b、25bが突き合わされて接合されるので、接合されたアクセントフレーム材22、23、24、25における、本体部材221、231、241、251とカバー部材222、232、242、252との境界を、2本のアクセントフレーム材22、23、24、25の端部22a、23a、24a、25aを同様に切断して接合する場合と、対向方向において異ならせて配置することができる。
このため、例えば、本長尺部材の接合構造により、4本のアクセントフレーム材22、23、24、25を、矩形の枠状に接合したアクセントフレーム本体26が上方から視認されやすい場合には、上アクセントフレーム材23と下アクセントフレーム材22のカバー部材232、222をいずれも下側に配置することにより、アクセントフレーム本体26を上方から見たときに、上アクセントフレーム材23と下アクセントフレーム材22における本体部材221、231とカバー部材222、232との境界が視認されにくいアクセントフレーム本体26を形成することができる。このため、より意匠性が向上する。
【0043】
また、上アクセントフレーム材23と下アクセントフレーム材22との本体部材221、231とカバー部材222、232との境界部分が下側に配置されているので、雨水等が溝部22c、23cに進入することを防止することも可能である。
【0044】
また、一対の第二対向壁部221d、221e、231d、231e、241d、241e、251d、251eのうちの他方の第二対向壁部221e、231e、241e、251eに設けられた2つの交差方向規制部221i、231i、241i、251iの間隔W3は、一対の第二対向壁部221d、221e、231d、231e、241d、241e、251d、251eのうちの一方の第二対向壁部221d、231d、241d、251dの中空部221a、231a、241a、251a内側の面221k、231k、241k、251kと、対向方向規制部221g、231g、241g、251gの対向部221h、231h、241h、251hとの間隔W2と等しいので、挿入部4aの交差方向の幅が、一対の第二対向壁部221d、221e、231d、231e、241d、241e、251d、251eのうちの一方の第二対向壁部221d、231d、241d、251dの中空部221a、231a、241a、251a内側の面221k、231k、241k、251kと、対向方向規制部221g、231g、241g、251gの対向部221h、231h、241h、251hとの間隔W2と同等の連結部材4を用いれば、2つの交差方向規制部221i、231i、241i、251iの間に、挿入部4aを挿入することにより、2つのアクセントフレーム材22、23、24、25を各々90度回転させた位置にて接合することが可能となる。
【0045】
このため、接合されたアクセントフレーム材22、23、24、25におけるカバー部材222、232、242、252が、側方に位置するように配置することが可能でとなるので、カバー部材222、232、242、252を配置する方向の自由度がより向上する。このとき、連結部材4を、挿入部4aの幅方向を押し出し方向とする押出部材にて構成すると、カバー部材222、232、242、252がいずれの方向に配置されるように接合する場合であっても、同一の押出部材から適宜幅にて切断して連結部材4を製造することができる。このため、製造性に優れ、且つ、製造コストを抑えることが可能である。
【0046】
また、突き合わされる2本のアクセントフレーム材22、23、24、25の小口22b、23b、24b、25bの間に、連結部材4が挿通されてアクセントフレーム材22、23、24、25の小口22b、23b、24b、25bを収容するコーナー部材3が設けられているので、連結部材4により接合され突き合わされた2本のアクセントフレーム材22、23、24、25の小口22b、23b、24b、25bは外部に露出しない。このため、より意匠性に優れた状態で2本のアクセントフレーム材22、23、24、25を接合することができる。
【0047】
上記実施形態においては、連結部材4の挿入部4aの断面形状を長方形状としたが、アクセントフレーム材22、23、24、25の外形形状、及び、挿入部4aの断面形状をいずれも正方形状とし、挿入部4aの断面の中心がアクセントフレーム材22、23、24、25の断面の中心と一致する位置にて、挿入部4aの対向方向及び交差方向の移動が規制されるように構成すると、接合する2本のアクセントフレーム材22、23、24、25のカバー部材222、232、242、252をいずれの方向に向けて接合することが可能となる。
【0048】
より具体的に、下アクセントフレーム材22と左アクセントフレーム材24との接合部を例に挙げて説明する。たとえば、図8に示すように、下アクセントフレーム材22と左アクセントフレーム材24とを、各々外形形状が正方形状をなすように形成する。下本体部材221と左本体部材241とには、一対の第一対向壁部221b、221c、231b、231c、241b、241c、251b、251cに各々対向する側に突出させて交差方向規制部221i、231i、241i、251iをそれぞれ設けておく。この交差方向規制部221i、231i、241i、251iが、各々の中空部221a、231a、241a、251a内に挿入された挿入部4aと対向し、挿入部4aの交差方向の移動が規制される。
【0049】
また、一対の第二対向壁部221d、221e、231d、231e、241d、241e、251d、251e他方の第二対向壁部221e、231e、241e、251eには、中空部221a、231a、241a251a側に突出させて、対向方向規制部221g、231g、241g251gをそれぞれ設けておく。この対向方向規制部221g、231g、241g251gが、各々の中空部221a、231a、241a、251a内に挿入された挿入部4aと対向し、一方の第二対向壁部221d、231d、241d、251dと共に、挿入部4aの対向方向の移動を規制する。
【0050】
そして、各々の第一対向壁部221b、221c、231b、231c、241b、241c、251b、251cにおいて、各第一対向壁部221b、221c、231b、231c、241b、241c、251b、251cの外面22e、22f、23e、23f、24e、24f、25e、25fから、交差方向規制部221i、231i、241i251iが挿入部4aと対向する対向部221j、231j、241j、251jまでの距離L5、及び、他方の第二対向壁部221e、231e、241e、251eの外面22d、23d、24d、25dから対向方向規制部221g、231g、241g、251gの対向部221h、231h、241h、251hまでの距離L4は、延出片221f、231f、241f、251fに係止されたカバー部材222、242の外面22g、24gから一方の第二対向壁部221d、231d、241d251dにおける中空部221a、231a、241a、251a内側の面までの距離L3と等しくしておく。
【0051】
この場合には、断面形状が正方形状をなす連結部材4により接合することにより、接合する2本のアクセントフレーム材22、23、24、25の各外面22d、22e、22f、22g、23d、23e、23f、23g、24d、24e、24f、24g、25d、25e、25f、25gのいずれが互いに隣り合うように接合されたとしても、段差が生じることなく接合することが可能である。すなわち、接合された2本のアクセントフレーム材22、23、24、25が各々有するカバー部材222、232、242252の外面22g、23g、24g25gをいずれの方向に向けても接合することが可能となる。
【0052】
また、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
本実施形態には、少なくとも以下の発明が含まれる。
【0053】
中空部を備え小口が同一の形状をなす2本の長尺部材と、各々の前記長尺部材の前記中空部に挿入される2つの挿入部を有する連結部材と、を有し、前記2本の長尺部材が、各々の前記中空部に挿入された前記挿入部に固定具により固定され、互いの前記小口を突き合わせて接合される長尺部材の接合構造であって、前記長尺部材は、断面が矩形状をなす前記中空部を備える本体部材と、前記本体部材と前記挿入部とを固定する前記固定具を覆うカバー部材と、を有し、前記本体部材は、前記中空部を形成し互いに対向する一対の第一対向壁部及び一対の第二対向壁部と、前記一対の前記第一対向壁部が前記中空部より外側に延出されて前記カバー部材が係止され、前記一対の前記第二対向壁部の一方と共に溝部を形成する延出片と、前記中空部内に挿入された前記挿入部と対向し、前記溝部を形成する前記一方の前記第二対向壁部と共に、当該挿入部の、前記一対の前記第二対向壁部が対向する対向方向の移動を規制する対向方向規制部と、を有し、前記長尺部材は、前記小口の外形形状が、前記対向方向において線対称であり、前記一対の前記第二対向壁部のうちの他方の外面から前記対向方向規制部において前記挿入部と対向する対向部までの距離は、前記延出片に係止された前記カバー部材の外面から前記一対の前記第二対向壁部のうちの一方の前記中空部側の面までの距離と等しいことを特徴とする長尺部材の接合構造である。
【0054】
このような長尺部材の接合構造によれば、2本の長尺部材の中空部に挿入した挿入部に固定する固定具は、カバー部材により覆われて露出しないので、意匠性に優れている。また、互いの小口を突き合わせて接合される2本の長尺部材の各々は、中空部を備える本体部材にカバー部材が係止された状態で、一対の第二対向壁部が対向する対向方向において線対称の形状であり、さらに、本体部材は、一対の第二対向壁部のうちの他方の外面から対向方向規制部において挿入部と対向する対向部までの距離が、延出片に係止されたカバー部材の外面から一対の第二対向壁部のうち一方の中空部側の面までの距離と等しいので、2本の長尺部材の向きを小口が逆になるように配置して、すなわち、カバー部材が係止されている側を対向方向において、互いに反対側に配置しても、互いの長尺部材の外面同士が繋がった外形にて接合することが可能である。
【0055】
かかる長尺部材の接合構造であって、
前記2本の長尺部材は、互いの端部が当該長尺部材の長手方向に対し所定の同一角度で切断されて互いの前記小口が突き合わされており、
突き合わされる前記2本の長尺部材の端部は、一方の前記長尺部材の前記カバー部材側が鈍角をなし、他方の前記長尺部材の前記カバー部材側が鋭角をなしていることを特徴とする。
【0056】
2本の長尺部材は、互いの端部を、当該長尺部材の長手方向に対し所定の角度で同様に切断して互いの小口を突き合わせると、2本の長尺部材は所定の角度をなして配置され、いずれかの長尺部材の本体部材とカバー部材との境界が視認されやすい位置に配置されてしまう虞がある。上記長尺部材の接合方法によれば、所定の角度をなす2本の長尺部材の端部において、カバー部材側が鈍角をなす長尺部材と、カバー部材側が鋭角をなす長尺部材とが、互いの小口が突き合わされて接合されるので、接合された長尺部材における、本体部材とカバー部材との境界を、2本の長尺部材の端部を同様に切断して接合する場合と、対向方向において異ならせて配置することができる。
【0057】
このため、例えば、本長尺部材の接合構造により、4本の長尺部材を、矩形の枠状に接合した枠体が上方から視認されやすい場合には、上の横材をなす長尺部材と下の横材をなす長尺部材のカバー部材をいずれも下側に配置することにより、枠体の上方から見たときに、上下の長尺部材における本体部材とカバー部材との境界が視認されにくい枠体を形成することができる。このため、より意匠性が向上する。
【0058】
かかる長尺部材の接合構造であって、前記一対の前記第二対向壁部のうちの他方は、前記カバー部材側に突出し、前記長尺部材の長手方向及び前記対向方向といずれも交差する交差方向における中央から振り分けて配置された2つの突起を有しており、前記2つの突起の間隔は、前記一対の前記第二対向壁部のうちの一方の前記中空部側の面と、前記対向部との間隔と等しいことを特徴とする。
【0059】
このような長尺部材の接合構造によれば、一対の第二対向壁部のうちの他方に設けられた2つの突起の間隔は、一対の第二対向壁部のうちの一方の中空部側の面と対向部との間隔と等しいので、挿入部の交差方向の幅が、一対の第二対向壁部のうちの一方の中空部材側の面と、他方の中空部材側の面との間隔と同等の連結部材を用いれば、2つの突起の間に、挿入部を挿入することにより、2つの長尺部材を互いに90度回転させた位置にて接合することが可能となる。このため、接合された長尺部材におけるカバー部材が、側方に位置するように配置することが可能となる。このとき、連結部材を、挿入部の幅方向を押し出し方向とする押出部材にて構成すると、カバー部材がいずれの方向に配置されるように接合する場合であっても、同一の押出部材を、カバー部材を配置する方向に合わせた幅に切断することにより連結部材を製造することができる。このため、製造性に優れ、且つ、コストも抑えることが可能である。
【0060】
かかる長尺部材の接合構造であって、前記本体部材は、前記一対の前記第一対向壁部に各々設けられ前記中空部内に挿入された前記挿入部と対向し、当該挿入部の、前記一対の前記第一対向壁部が対向し前記対向方向と交差する交差方向の移動を規制する交差方向規制部を有し、前記長尺部材は、前記小口の外形形状が正方形状をなしており、前記一対の前記第一対向壁部において、各々の外面から、前記交差方向規制部が前記挿入部と対向する対向部までの距離は、前記延出片に係止された前記カバー部材の外面から前記一対の前記第二対向壁部のうち一方の前記中空部側の面までの距離と等しいことを特徴とする。
【0061】
このような長尺部材の接合構造によれば、長尺部材は、前記小口の断面における外形形状が正方形状をなしており、各々の第一対向壁部の外面から、交差方向規制部の対向部までの距離が、延出片に係止されたカバー部材の外面から一対の第二対向壁部のうち一方の中空部側の面までの距離と等しいので、長尺部材に挿入された挿入部と長尺部材とが対向している部位から、長尺部材の各外面までの距離が、4つの外面において全て等しくなる。このため、長尺部材には、挿入部において第一対向壁部及び第二対向壁部と対向する部位が、いずれの対向壁部と対向させても挿入することが可能であり、挿入した挿入部の対向方向及び交差方向のいずれの方向への移動も規制しつつ、接合した長尺部材の外面を段差が生じることなく繋がった状態に接合することが可能となる。このため、各長尺部材においてカバー部材が各外面のいずれの位置に配置される状態であっても長尺部材同士を接合することが可能である。
【0062】
かかる長尺部材の接合構造であって、突き合わされる前記2本の長尺部材の前記小口の間に設けられ、前記連結部材が挿通される開口と、各々の前記長尺部材の前記小口を収容する収容部と、を有するコーナー部材を有することを特徴とする。
【0063】
このような長尺部材の接合構造によれば、突き合わされる2本の長尺部材の小口の間に、連結部材が挿通されて長尺部材の小口を収容するコーナー部材が設けられているので、連結部材により接合され突き合わされた2本の長尺部材の小口は外部に露出しない。このため、より意匠性に優れた状態で2本の長尺部材を接合することができる。
【符号の説明】
【0064】
3 コーナー部材
3a 収容部
3b 開口
4 連結部材
4a 挿入部
5 ビス
22 下アクセントフレーム材(フレーム材)
22a 端部
22b 小口
22c 下溝部(溝部)
22d、22e、22f、22g 外面
23 上アクセントフレーム材
23a 端部
23b 小口
23c 上溝部
24 左アクセントフレーム材
24a 端部
24b 小口
24c 左溝部
24d、24e、24f、24g 外面
25 右アクセントフレーム材
221 下本体部材(本体部材)
221a 下中空部(中空部)
221b 下第一対向壁部(第一対向壁部)
221c 下第一対向壁部(第一対向壁部)
221d 一方の下第二対向壁部(一方の第二対向壁部)
221e 他方の下第二対向壁部(他方の第二対向壁部)
221f 下延出片(延出片)
221g 下対向方向規制部(対向方向規制部)
221h 下対向方向規制部の対向部
221i 下交差方向規制部(交差方向規制部)
221j 下交差方向規制部の対向部
221k 中空部側の面
222 下カバー部材
231 上本体部材
231a 上中空部(中空部)
231d 上第二対向壁部
231f 上延出片
231g 対向方向規制部
231h 上対向部(対向部)
232 上カバー部材
241 左本体部材
241a 左中空部(中空部)
241d 左第二対向壁部
241e 左第二対向壁部
241f 左延出片
241g 対向方向規制部
241h 左対向部(対向部)
241i 左交差方向規制部
241k 中空部側の面
242 左カバー部材
251 右本体部材
L3 一方の第二対向壁部の中空部側の面からカバー部材の外面までの距離
L4 他方の第二対向壁部の外面から対向部までの距離
L5 各々の第一対向壁部の外面から対向部までの距離
W2 一方の第二対向壁部の中空部側の面と対向部との間隔
W3 2つの交差方向規制部の間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8