(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】トランスアクスル
(51)【国際特許分類】
F16H 63/34 20060101AFI20240828BHJP
B60T 1/06 20060101ALI20240828BHJP
【FI】
F16H63/34
B60T1/06 G
(21)【出願番号】P 2021163931
(22)【出願日】2021-10-05
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】中川 光路
(72)【発明者】
【氏名】藁科 秀平
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-105423(JP,A)
【文献】特開平11-336892(JP,A)
【文献】特開2017-61994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 63/34
B60T 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力を発生させる駆動用モータと、
前記駆動用モータと並列配置された発電用モータと、
前記駆動用モータによる車両の駆動をロックするパーキング機構とを備え、
前記パーキング機構は、パーキングロッド、パーキングギヤ、パーキングポール、及びパーキングレバーを有しており、
前記駆動用モータ及び前記発電用モータの軸線方向から見て前記駆動用モータと前記発電用モータとの間に、前記パーキングロッドが配置されており、
前記パーキングロッドは、前記駆動用モータの軸線方向に沿って直線状に延びる直線状部と、前記直線状部に対して交差する方向に沿って曲線状に延びる曲げ部とを有しており、
前記曲げ部よりも一端
側において前記パーキングレバーに対して連結され、
前記直線状部側にある他端が自由端とされており、
前記曲げ部は、前記駆動用モータの軸線方向に対して
前記直線状部の基端から離れる方向に膨れるように曲がることによって形成された所定量のオフセットを有しており、
前記曲げ部が、前記直線状部の延びる方向に対して直交する方向に延びており、
前記パーキングロッドと前記パーキングレバーとの接続部は、
前記駆動用モータの軸線方向において、前記曲げ部よりも前記パーキングロッドの先端側に位置していること、を特徴とするトランスアクスル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスアクスルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トランスアクスルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、トランスアクスルを備える車両が開示されている。上記特許文献1には、いわゆるシリーズ式ハイブリッド車(車両)について、エンジンを動力源として第一電動機を駆動させ、第一電動機の駆動により第二電動機を駆動させて走行(EV走行)することが可能となっている、ことが記載されている。
【0004】
上記特許文献1には、トランスアクスルのトランスアクスルハウジング(ケース)に、運転者の操作に基づいて車両の駆動輪をロックするパーキング機構が設けられており、パーキング機構は、ポール、ピン、トーションスプリング、サポート、ロッド 、アウターレバー、シャフト、パーキングレバー、及びロッド支え等の構成部材により構成されている、ことが記載されている。また、上記特許文献1には、パーキング機構の構成部材が、第一電動機及び第二電動機の各軸における軸径方向の外側に配置されている、ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたトランスアクスルでは、トランスアクスルハウジング(ケース)において、第一電動機及び第二電動機の各軸よりも軸径方向の外側までパーキング機構の構成部材が配置されているため、パーキング機構の構成部品が配置されるトランスアクスルハウジング(ケース)の体格の大型化につながるという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解消すべくなされたものであって、体格が大型化することを抑制可能なトランスアクスルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、次のように構成されている。
【0009】
(1)本発明によるトランスアクスルは、駆動力を発生させる駆動用モータと、前記駆動用モータと並列配置された発電用モータと、前記駆動用モータによる車両の駆動をロックするパーキング機構とを備え、前記パーキング機構は、パーキングロッド、パーキングギヤ、及びパーキングポールを有しており、前記駆動用モータと前記発電用モータとの間に、前記パーキングロッドが配置されていること、を特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、駆動用モータと発電用モータとの間にパーキングロッドを配置することによって、パーキングロッドとパーキングギヤとの間に配置されるパーキングポールの長さを短くすることができる。このため、パーキングポールの長さが小さくなる分、パーキング機構の体格を小さくすることができる。これにより、パーキング機構が配置されるトランスアクスル(ケース)の体格を小さくすることが可能であるため、トランスアクスル全体の体格の大型化を抑制することができる。
【0011】
また、上記構成によれば、駆動用モータと発電用モータとの間に形成される空間を有効活用してパーキングロッドを配置することができる。このため、例えば、駆動用モータ又は発電用モータの軸線方向に重なる位置にパーキングロッドが配置される場合と比較して、トランスアクスル全体の体格が軸線方向へ大型化することを抑制できる。
【0012】
(2)本発明によるトランスアクスルにおいて、好ましくは、前記パーキングロッドは、前記駆動用モータの軸線方向に沿って直線状に延びる直線状部と、前記直線状部に対して交差する方向に沿って曲線状に延びる曲げ部とを有しており、前記曲げ部は、前記駆動用モータの軸線方向に対して所定量のオフセットを有していること、を特徴とするとよい。このように構成すれば、曲げ部が所定のオフセットを有することにより、パーキングロッドにおける軸線方向へのストローク量を担保することができる。これにより、トランスアクスルの軸線方向の大きさをコンパクトにしつつ、パーキングロッドのストローク量を担保することができる。
【0013】
(3)この場合において、好ましくは、前記曲げ部が、前記直線状部の延びる方向に対して直交する方向に延びていること、を特徴とするとよい。このように構成すれば、パーキングロッドの曲げ部が軸線方向に直交する方向に配置されるため、トランスアクスルの軸線方向への大きさが小さくなるように、パーキングロッドの曲げ部を効果的に配置することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る態様によれば、体格が大型化することを抑制可能なトランスアクスルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係るトランスアクスルを示す平面図である。
【
図2】
図1のトランスアクスルのギア室側を示す側面図である。
【
図3】
図1のトランスアクスルにおいてパーキング機構の配置を示す側面図である。
【
図4】
図1のトランスアクスルのパーキング機構を示す斜視図である。
【
図5】
図4のパーキング機構のレンジ位置に対応するロッドの位置を示す図である。
【
図6】
図4のパーキング機構のロッドの位置に対応するポールの姿勢を示す図である。
【
図7】
図1のトランスアクスルにおいてPレンジとされた場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係るトランスアクスル10について、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
トランスアクスル10は、車両Vに設けられている。また、車両Vは、図示を省略したエンジンやバッテリなどを備えている。車両Vは、いわゆるシリーズ式ハイブリッド車とされている。具体的には、車両Vは、エンジンを動力源として後述する第一電動機14を駆動させ、第一電動機14の駆動により後述する第二電動機16を駆動させて走行可能とされている。車両Vは、エンジンを停止させてバッテリを動力源とし、第二電動機16を駆動させて走行(EV走行)することができる。
【0018】
なお、本発明の車両は、シリーズ式ハイブリッド車に限定されず、パラレル式ハイブリッド車、AT車、電気自動車などに好適に採用することができる。
【0019】
なお、以下の説明では、トランスアクスル10を車両Vに搭載した状態における上下方向を、単に「上下方向H」と記載して説明する。また、上下方向Hにおいて、上方を単に「上方Up」と、下方を単に「下方Lw」と記載して説明する。
【0020】
また、以下の説明では、電動機12の軸線Lが延びる方向を、「軸線方向X」と記載して説明する場合がある。
【0021】
図1、
図2、及び
図3に示すとおり、トランスアクスル10は、ケース体30、電動機12、デファレンシャル機構、パーキング機構40、及びシフト装置を備えている。また、トランスアクスル10には、二つの電動機12(第一電動機14及び第二電動機16)が設けられている。二つの電動機12(第一電動機14及び第二電動機16)は、各軸の軸線方向が並列になるように配置されている。なお、デファレンシャル機構、及びシフト装置は図示を省略している。
【0022】
トランスアクスル10には、第二電動機16から動力が伝達されて回転する動力伝達軸20が設けられており、動力伝達軸20には、後で説明するパーキングギヤ41が取り付けられている(
図3参照)。
【0023】
第一電動機14(MG1)は、モータジェネレータからなる発電用モータである。第一電動機14には、インバータなどを内蔵する発電機コントローラが接続されている。第一電動機14から出力される交流電力は、発電機コントローラにより直流電力に変換されて、その直流電力が電池に供給されることにより、電池が充電される。第一電動機14は、エンジン(図示を省略)の駆動により回転動力が伝達されて駆動する。
【0024】
第二電動機16(MG2)は、モータジェネレータからなる駆動用モータである。第二電動機16には、インバータなどを内蔵するモータコントローラが接続されている。モータコントローラには、電池が接続されている。電池から出力される直流電力がモータコントローラに供給され、その直流電力がモータコントローラにより交流電力に変換されて、交流電力が第二電動機16に供給されることにより、第二電動機16が駆動される。
【0025】
なお、以下の説明では、第一電動機14(MG1)及び第二電動機16(MG2)を総称して、単に「電動機12」と記載して説明する場合がある。
【0026】
電動機12は、ロータ17及びステータ18を備えている。ロータ17は永久磁石を備えており、磁力を発生させる。
【0027】
電動機12は、軸線Lが横向きとなるように配置されている。すなわち、電動機12は、略円柱状をなす外観において、円柱の底面に相当する二つの面が側方となるように配置されている。なお、以下の説明では、電動機12の軸線方向Xに配置される面(略円柱をなす電動機12の二つの底面)を、単に「側方面F」と記載して説明する場合がある。また、側方面Fを含め、電動機12の側方を、単に「側方」と記載して説明する場合がある。
【0028】
デファレンシャル機構は、左右の駆動輪を駆動する左右一対のドライブシャフト(図示を省略)の間の差動を許容するとともに、これら左右一対のドライブシャフトに回転動力を伝達するように構成されている。
【0029】
第二電動機16から動力伝達軸20に伝達された動力は、デファレンシャル機構を介して駆動輪(図示を省略)に伝達される。これにより、駆動輪が回転し、車両Vが走行する。また、車両Vは、パーキングギヤ41がロックされると、駆動輪がロックされる。
【0030】
ケース体30は、第一電動機14や第二電動機16等を収容するための収容体である。ケース体30は、アルミニウムにより構成されている。
図1に示すとおり、ケース体30には、区画壁34、及びサポート取付部36が設けられている。
【0031】
なお、本実施形態のケース体30は、三つの構成部材(ケース30a、ハウジング30b、及び図示を省略したリアカバー)によりひとつの収容体をなしている。なお、本実施形態では、ケース体30を三つの構成部材により構成されるものとした例を示したが、二つ、あるいは四つ以上の構成体により形成されるものであってもよい。
【0032】
ケース体30の内部空間は、区画壁34によりモータ室31とギヤ室32とに仕切られている。
図1に示すとおり、モータ室31には、電動機12が収容されている。ギヤ室32には、パーキング機構40を構成する部品(ポール42、ロッド46等)や、デファレンシャル機構を構成するギヤ等が収容されている。
【0033】
図1に示すとおり、サポート取付部36は、区画壁34に形成されている。サポート取付部36は、区画壁34からギヤ室32側に突出するように形成された部分である。サポート取付部36には、パーキング機構40のサポート45が取り付けられる。
【0034】
シフト装置(図示を省略)は、図示を省略したシフトレバーを備えており、シフトレバーに対する運転者の操作により、複数のレンジ位置から一のレンジ位置を選択可能とされている。シフト装置には、例えば、PレンジやDレンジ、Bレンジ、Rレンジ等の複数のシフト位置が設けられている。
【0035】
パーキング機構40は、車両Vの駆動輪をロックするためのものである。
図4に示すとおり、パーキング機構40は、パーキングギヤ41、ポール(パーキングポール)42、ピン43、トーションスプリング44、サポート45、ロッド(パーキングロッド)46、カム47、アウターレバー48、コントロールシャフト49、パーキングレバー50、コンプレッションスプリング52等の構成部材(コントロール部品)を備えている。
【0036】
パーキング機構40は、運転者の操作に基づいて車両Vの駆動輪をロックする。より具体的には、パーキング機構40は、運転者がPレンジとする操作(パーキング操作)を行うことに基づき、動力伝達軸20の回転を制限して駆動輪をロックする。以下、パーキング機構40を構成する各部品について説明する。
【0037】
ポール42は、パーキングギヤ41をロックするための部材である。
図6に示すとおり、ポール42は、ピン43を揺動支点として上下方向Hに揺動可能に設けられている。また、
図4に示すとおり、ポール42は、一端側がカム47と接触可能な位置に配置されており、他端がパーキングギヤ41と嵌合可能な位置に配置されている。なお、以下の説明では、ポール42のカム47側の端部を「基端42a」と、パーキングギヤ41側の端部を「先端42b」と記載して説明する場合がある。
【0038】
ロッド46は、シフト位置に応じてストロークするように変位可能な棒状の部材である。ロッド46は、パーキングレバー50の揺動に応じて、ロッド46の長手方向に沿って往来するように移動する。ロッド46は金属素材により構成されている。より具体的には、ロッド46は、鉄製の部材とされている。
図1及び
図4に示すとおり、ロッド46は、略L字状の棒状部材であり、一端がパーキングレバー50に対して連結され、自由端とされた他端が電動機12と向かい合うように配置されている。
【0039】
図2に示すとおり、本実施形態では、ロッド46は、電動機12の軸線方向Xから見て、第一電動機14と第二電動機16との間に挟まれるように配置されている。
【0040】
図4及び
図7に示すとおり、ロッド46は、直線状部461と、曲げ部462とを有している。直線状部461は、電動機12の軸線方向Xに沿って直線状に延びているとともに、ストロークするように移動する部分である。曲げ部462は、直線状部461の延びる方向(軸線方向X)に対して直交する方向(上下方向H)に沿って曲線状に延びている。
図7に示すとおり、曲げ部462は、電動機12の軸線方向Xに対して所定量のオフセットZを有している。言い換えると、曲げ部462は、後述する直線状部461の基端46aから離れる方向に膨れるように曲がっている。
【0041】
なお、以下の説明では、ロッド46の直線状部461において、パーキングレバー50側の端部を基端46aと、電動機12側の端部を先端46bと記載して説明する場合がある。
【0042】
図7に示すとおり、ロッド46の先端46bが、電動機12の側方面F(側方)側を向くように配置されている。また、ロッド46の直線状部461は、長手方向が電動機12の軸線Lに沿うように配置されている。また、
図2に示すとおり、ロッド46の直線状部461の軸線は、第一電動機14の軸線よりも上方Upで、かつ、第二電動機16の軸線よりも下方Lwに配置されている。
【0043】
カム47は、コマ状の部材であり、ロッド46に取り付けられている。カム47は、ロッド46と一体的に移動して、ポール42の基端42aに接触する位置と、ポール42の基端42aから離間する位置とに変位する(
図6参照)。
【0044】
サポート45は、ロッド46をガイドするための部材である。上述のとおり、サポート45は、区画壁34に形成されたサポート取付部36に取り付けられており、ロッド46の進退動作をガイドする。
【0045】
パーキング機構40では、運転者のシフト操作に連動してコントロールシャフト49が回転し、コントロールシャフト49に取り付けられたパーキングレバー50が揺動する。また、パーキングレバー50の揺動により、ロッド46及びカム47が電動機12に向けて移動する(
図5参照)。
【0046】
シフト位置に応じたロッド46の位置について、
図5を参照しつつより詳細に説明する。
図5(a)に示すとおり、Bレンジの場合には、ロッド46は、先端46bと電動機12との離間距離が大きい距離D1となる位置(位置P1)に配置される。また、カム47は、ポール42と接触しない位置となる。
【0047】
また、
図6(a-1)に示すとおり、ポール42は、トーションスプリング44の付勢力により先端42bが持ち上げられた状態で維持される。そのため、Bレンジの場合には、ポール42の先端42bがパーキングギヤ41と噛み合わない位置で維持される。
【0048】
図5(b)に示すとおり、Rレンジの場合には、ロッド46は、先端46bと電動機12との離間距離が距離D2となる位置(位置P2)に配置される。また、カム47は、ポール42と接触しない位置となる。
【0049】
また、
図6(a-1)に示すとおり、ポール42は、トーションスプリング44の付勢力により先端42bが持ち上げられた状態で維持される。そのため、Rレンジの場合には、ポール42の先端42bがパーキングギヤ41と噛み合わない位置で維持される。
【0050】
図5(c)に示すとおり、Pレンジの場合には、ロッド46は、先端46bと電動機12との離間距離が小さい距離D3となる位置(位置P3)に配置される。また、カム47は、ポール42と接触する位置となる。
【0051】
図6(b-2)に示すとおり、ポール42は、基端42aがカム47に押されてカム47に乗り上げ、トーションスプリング44の付勢力に逆らって上方Upに押し上げられる。また、
図6(b-1)に示すとおり、ポール42は、ピン43を支点として揺動して先端42bが下方Lwに押し下げられ、パーキングギヤ41と噛み合う。これにより、車両Vの駆動輪がロックされる。
【0052】
上記説明した実施形態によれば、以下の効果(1)~(3)を得ることができる。
【0053】
(1)上記実施形態によるトランスアクスル10では、第二電動機16と第一電動機14との間にロッド46を配置した。上記実施形態によれば、ロッド46とパーキングギヤ41との間に配置されるポール42の長さを短くすることができる。このため、ポール42の長さが小さくなる分、パーキング機構40の体格を小さくすることができる。これにより、パーキング機構40が配置されるトランスアクスル10(ケース)の体格を小さくすることが可能であるため、トランスアクスル10全体の体格の大型化を抑制することができる。
【0054】
また、上記実施形態によれば、第二電動機16と第一電動機14との間に形成される空間を有効活用してロッド46を配置することができる。このため、例えば、第二電動機16又は第一電動機14の軸線方向Xに重なる位置にロッド46が配置される場合と比較して、トランスアクスル10全体の体格が軸線方向Xへ大型化することを抑制できる。
【0055】
(2)上記実施形態によるトランスアクスル10では、曲げ部462が第二電動機16の軸線方向Xに対して所定量のオフセットZを有するようにした。このため、曲げ部462が有する所定のオフセットZにより、ロッド46における軸線方向Xへのストローク量を担保することができる。これにより、トランスアクスル10の軸線方向Xの大きさをコンパクトにしつつ、ロッド46のストローク量を担保することができる。
【0056】
(3)上記実施形態によるトランスアクスル10では、曲げ部462が直線状部461の延びる方向(軸線方向X)に対して直交する方向に延びるようにした。これにより、ロッド46の曲げ部462が軸線方向に直交する方向(下方Lw)に配置されるため、トランスアクスル10の軸線方向Xへの大きさが小さくなるように、ロッド46の曲げ部462を効果的に配置することができる。
【0057】
(変形例)
上記実施形態は、以下のように変更した構成とすることもできる。
【0058】
上記実施形態では、ロッドの直線状部が第一及び第二電動機の軸線方向に沿って配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ロッドの直線状部が第一及び第二電動機の軸線方向に対して傾斜して配置されていてもよい。
【0059】
上記実施形態では、ロッドの曲げ部が直線状部に対して直交する方向に延びている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ロッドの曲げ部が直線状部に対して交差する方向に延びていてもよい。
【0060】
上記実施形態は、いずれも本発明の適応の例示であり、特許請求の範囲に記載の範囲内におけるその他いかなる実施形態も、発明の技術的範囲に含まれることは当然のことである。
【符号の説明】
【0061】
10 トランスアクスル
12 電動機
14 第一電動機(発電用モータ)
16 第二電動機(駆動用モータ)
30 ケース体
31 モータ室
32 ギヤ室
34 区画壁
40 パーキング機構
41 パーキングギヤ
42 ポール(パーキングポール)
46 ロッド(パーキングロッド)
461 直線状部
462 曲げ部
X 軸線方向
Z オフセット