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特許7545392ウエハを処理するための装置およびかかる装置を制御する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】ウエハを処理するための装置およびかかる装置を制御する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240828BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20240828BHJP
【FI】
H01L21/304 651M
H01L21/304 651B
H01L21/304 648G
H01L21/306 R
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021542331
(86)(22)【出願日】2020-01-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(86)【国際出願番号】 EP2020050076
(87)【国際公開番号】W WO2020151932
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】1900912.5
(32)【優先日】2019-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】510141648
【氏名又は名称】ラム・リサーチ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH AG
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブライエン・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】シルグナナム・プラディープ
(72)【発明者】
【氏名】ポニクヴァー・マティヤ
(72)【発明者】
【氏名】ゴラー・アロイス
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-054242(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0093100(US,A1)
【文献】特表2012-524400(JP,A)
【文献】特開2013-197423(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0316963(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/306
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハを処理するための装置であって、
ウエハを受け入れるよう適合された回転可能チャックと、
前記ウエハを加熱するために、前記回転可能チャックによって受け入れられた前記ウエハに照射するよう構成された発光加熱素子アレイを備えた加熱アセンブリであって、前記ウエハが前記回転可能チャックによって受け入れられている時に、前記発光加熱素子アレイは、前記ウエハの第1表面に照射するように配置されると共に、反対側の第2表面は露出される、加熱アセンブリと、
液体を前記ウエハの前記第2表面に供給する液体ディスペンサと、
前記発光加熱素子アレイによって放射された光を検出するよう構成され、前記発光加熱素子アレイによって放射された光の強度に関する信号を出力する1または複数の光センサと、を備え、
前記1または複数の光センサは、
前記発光加熱素子アレイの反対側に配置された光センサであって、前記ウエハが前記回転可能チャックによって受け入れられた時に、前記発光加熱素子アレイに対して、前記ウエハの反対側にあるように配置されている光センサ、または、
前記ウエハが前記回転可能チャックによって受け入れられている時に前記ウエハから反射された前記発光加熱素子アレイ由来の光を検出するよう構成された光センサ、を含む、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記発光加熱素子アレイの反対側に配置された前記光センサは、前記回転可能チャックの回転軸上に配置され、および/または、前記回転軸を中心としている、装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の装置であって、前記発光加熱素子アレイの反対側に配置された前記光センサは、前記発光加熱素子アレイに対して所定の固定位置に配置されている、装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の装置であって、前記装置は、前記発光加熱素子アレイの反対側に配置された前記光センサに迷光が到達するのを防止するよう構成されたカバーを備える、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、前記発光加熱素子アレイの反対側に配置された前記光センサは、前記カバーの内側に配置されるか、または、取り付けられている、装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の装置であって、前記カバーは、前記装置の処理チャンバのフレームに取り付け可能である、装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の装置であって、前記装置は、前記発光加熱素子アレイの反対側に配置された1つだけの光センサを備える、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、前記ウエハから反射された記光を検出するよう構成された前記光センサと、前記発光加熱素子アレイとは、前記装置の同じ基板に統合されている、装置。
【請求項9】
請求項1または請求項8に記載の装置であって、前記装置は、前記ウエハが前記回転可能チャックによって受け入れられている時に前記ウエハから反射された前記発光加熱素子アレイ由来の光を検出するよう構成された複数の光センサを備える、装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の装置であって、
記アレイを構成する前記発光加熱素子は、所定の波長、または、所定の波長範囲内の波長を有する光を放射するよう構成されたLEDであり、
前記1または複数の光センサは、前記所定の波長、または、前記所定の波長範囲内の波長を有する光を検出するよう適合されている、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であって、前記装置は、前記所定の波長、または、前記所定の波長範囲内の波長を有する光を選択的に伝達するよう構成された光学フィルタを備える、装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の装置であって、さらに、前記発光加熱素子アレイに供給される電力を制御すると共に、前記1または複数の光センサの測定値出力を受信するよう構成されたコントローラを備える、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、前記コントローラは、前記1または複数の光センサの測定値出力、または、前記測定値出力から導出された情報を、基準値と比較し、前記比較に基づいて、
前記発光加熱素子アレイに含まれる前記発光加熱素子の内の1以上の素子の動作状態に関する情報を決定し、および/または、
前記発光加熱素子アレイに含まれる前記発光加熱素子の内の1以上の素子に供給される前記電力を調整するよう構成されている、装置。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載の装置であって、
前記発光加熱素子アレイは、複数の個別に制御可能な発光加熱素子グループで構成され、
前記コントローラは、前記複数の発光加熱素子グループの各々に供給される電力を個別に制御するよう構成されている、装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、前記コントローラは、
前記複数の発光加熱素子グループの内の1グループの照度を示す測定値出力を前記1または複数の光センサから受信し、
その発光加熱素子グループについての前記測定値出力または前記測定値出力から導出された情報を、そのグループのための基準値と比較し、
前記比較に基づいて、
その発光加熱素子グループの動作状態に関する情報を決定し、および/または、
その発光加熱素子グループに供給される電力を制御するよう構成されている、装置。
【請求項16】
請求項13または請求項15に記載の装置であって、前記基準値は、前記1または複数の光センサからの以前の測定値出力であるか、または、前記以前の測定値出力から導出される、装置。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の装置を制御する方法であって、
前記発光加熱素子アレイに電力を供給する工程と、
前記1または複数の光センサから測定値出力を受信する工程と、
前記測定値出力、または、前記測定値出力から導出された情報を、基準値と比較する工程と、
前記比較に基づいて、
前記発光加熱素子アレイの動作状態に関する情報を決定し、および/または、
前記発光加熱素子アレイに供給される電力を制御する工程と、
を備える、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記発光加熱素子の内の1または複数の素子へ選択的に電力を供給する工程と、
前記発光加熱素子の内の前記1または複数の素子の動作状態に関する情報を決定する工程と、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハを処理するための装置と、かかる装置を制御する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハは、エッチング、洗浄、研磨、および、材料蒸着などの様々な表面処理を受けうる。かかる処理を実行するために、ウエハは、様々な処理をウエハの表面に対して実行できるように、回転可能チャック上にマウントされうる。
【0003】
例えば、ウエハの表面は、ウエハの表面に洗浄液(例えば、イソプロピルアルコールまたは脱イオン水)を当てることによって洗浄されうる。次いで、ウエハの表面は、回転可能チャックを用いてウエハを回転させつつウエハを加熱することで洗浄液を蒸発させることによって乾燥されうる。かかる洗浄処理は、一般に、スピン洗浄処理と呼ばれている。
【0004】
ウエハの表面を洗浄するために利用できる装置の例が、US2017/0345681A1に記載されており、その内容は、参照によって本明細書に援用される。
【0005】
US2017/0345681A1に記載されている装置は、ウエハがマウント可能である回転可能チャックと、ウエハが回転可能チャックにマウントされている時にウエハの上面に液体を供給するための液体ディスペンサと、を備える。装置は、さらに、ウエハが回転可能チャックにマウントされた時にウエハの下方に配置され、ウエハを加熱するよう構成されている加熱素子のアレイを備える。液体がウエハの表面上に供給された後、加熱素子のアレイは、液体を蒸発させるためにウエハを加熱するよう制御される。
【発明の概要】
【0006】
最も一般的に、本発明は、ウエハを処理するための装置であって、装置内にマウントされたウエハを加熱するよう構成された発光加熱素子と、発光加熱素子によって放射された光を検出するよう構成された1または複数の光センサと、を備える、装置を提供する。したがって、本発明の装置は、発光加熱素子によって放射された光の測定を可能にする。
【0007】
発光加熱素子によって放射された光の測定値は、多くの異なる理由で有用でありうる。例えば、測定値は、発光加熱素子の内の1または複数の素子の劣化、ずれ、または、故障を特定するため、もしくは、発光加熱素子によって放射される光の光強度分布のより正確な制御を達成するために用いられてよい。これは、例えば、装置によって異なる半導体ウエハの加熱の間、または、異なるそれぞれの装置の間、での再現性を改善しうる。
【0008】
特に、発明者は、発光加熱素子によって放射される光が、例えば、発光加熱素子の内の1または複数の素子の故障または劣化により、時間と共に変化することを見つけた。これは、異なる処理工程の間、および、異なるウエハの間、での加熱状態の変動につながりうる。これは、例えば、半導体ウエアに実行される処理が、温度などの処理条件に非常に敏感でありうることから、問題になる可能性がある。
【0009】
本発明の装置は、発光加熱素子によって放射される光の任意の変化(例えば、強度の変化)が1または複数の光センサによって検出されうることから、この問題に対処するよう機能しうる。
【0010】
また、本発明は、異なる装置において発光加熱素子によって放射される光を測定および比較することにより、装置間でのウエハの加熱の再現性を改善しうる。
【0011】
また、本発明の装置は、装置のメンテナンスおよびトラブルシューティングを容易にしうる。例えば、1または複数の光センサは、発光加熱素子の内の1または複数の素子によって放射される光の経時的な変化(発光加熱素子の内の1または複数の素子の劣化から生じうる)を検出するために用いられてよい。1または複数の光センサは、故障素子を交換または修理できるように、放射された光の変化をどの素子または素子グループが引き起こしているのかを決定するために用いられてもよい。
【0012】
一部の例において、1または複数のセンサからの出力に基づいて、発光加熱素子へ供給される電力の量を調整することにより、発光加熱素子の照射の変化を補償することが可能でありうる。
【0013】
加熱素子のアレイを監視するための従来の技術は、温度センサのアレイを上に配置されたテストウエハを利用することを含む。テストウエハは、加熱素子のアレイの上にマウントされ、テストウエハ上の異なる点における温度が、温度センサのアレイを用いて監視されうる。次いで、アルゴリズムを用いて、所望の温度がテストウエハにわたって達成されるまで、加熱素子へ供給される電力が調整されうる。
【0014】
かかるテストウエハの利用に勝る本発明の装置の利点は、1または複数の光センサが、発光加熱素子アレイによって放射される光のその場検出を可能にすることである。逆に、テストウエハは、テストウエハの温度の測定(様々な他の変数および環境要因によって影響される場合もある)を介して加熱素子の出力の間接的な測定を可能にするだけである。したがって、本発明は、発光加熱素子アレイの出力のより正確かつ高速な監視および制御を可能にしうる。
【0015】
したがって、本発明の第1態様によると、ウエハを処理するための装置が提供されており、その装置は、ウエハを受け入れるよう適合された回転可能チャックと、ウエハを加熱するために、回転可能チャックによって受け入れられたウエハに照射するよう構成された発光加熱素子アレイを備えた加熱アセンブリと、発光加熱素子アレイによって放射された光を検出するよう構成された1または複数の光センサと、を備える。
【0016】
上述のように、1または複数の光センサは、発光素子アレイによって放射された光のその場検出を可能にする。これは、装置のメンテナンスおよびトラブルシューティングを容易にし、および/または、ウエハの加熱状態の制御を改善しうる。
【0017】
本発明の第1態様に従った装置は、以下の任意選択的な特徴の内の任意の特徴、または、両立できる場合、任意の組み合わせ、を有してよい。
【0018】
用語「回転可能チャック」(または、回転チャック)は、単に、ウエハを保持して回転させるように設計されたウエハホルダを意味しうる。
【0019】
回転可能チャックは、ウエハの表面と実質的に垂直である回転可能チャックの回転軸に関してウエハを回転させるよう構成されてよい。
【0020】
回転可能チャックは、上から見ると、実質的に円形であってよい。
【0021】
回転可能チャックは、ウエハを受け入れて、チャックに対して所定位置にしっかりとウエハを保持するよう適合されたメカニズム(例えば、クランプ、ネジ、真空ホルダ、など)を備えてよい。
【0022】
回転可能チャックは、所定のサイズのウエハ(例えば、300mmまたは450mmの直径を有するウエハ)を受け入れるよう適合されてよい。
【0023】
回転可能チャックは、回転軸に関するチャックの回転を駆動するためのモータを備えてよい。
【0024】
あるいは、回転可能チャックは、外部の駆動手段によって(例えば、磁気誘導で)回転させられてもよい。
【0025】
加熱アセンブリは、回転可能チャックにマウントされたウエハを加熱するよう機能する。加熱アセンブリは、回転可能チャックによって受け入れられたウエハに照射するよう構成された発光加熱素子アレイを備える。
【0026】
したがって、発光加熱素子は、光を用いて放射加熱によってウエハを加熱する。
【0027】
用語「アレイ」は、単に、複数の発光加熱素子を意味しうるため、発光加熱素子が任意の特定の順序で配列されていることを必ずしも意味しない。
【0028】
発光加熱素子のアレイは、ウエハが回転可能チャックによって受け入れられた時にウエハの方を向くよう配置されてよい。
【0029】
発光加熱素子のアレイは、ウエハの第1表面の方を向くよう配置されてよく、第1表面は、処理(例えば、洗浄、材料の蒸着、など)が実行されるウエハの第2表面と反対側である。
【0030】
発光加熱素子は、実質的に平らな表面上に(例えば、回路基板などの基板上に)配置されてよい。
【0031】
基板は、ウエハが回転チャックによって受け入れられた時にウエハと実質的に平行になるよう配置されてよい。
【0032】
発光加熱素子は、均一にウエハに照射するために、平らな表面に実質的に均一に分散されてよく、結果として、ウエハが均一に加熱されうる。
【0033】
加熱アセンブリは、上から見ると、円形であってよい。
【0034】
発光加熱素子のアレイは、ウエハの面積と実質的に同じ面積、または、ウエハの面積の10%以内の面積、を占めるよう配置されてよい。
【0035】
すべての発光加熱素子が、同じタイプであってよい(例えば、すべてが同じ特徴を有してよい)。
【0036】
一般に、発光加熱素子は、光を用いて放射加熱を実行する素子(または部品)である。
【0037】
発光加熱素子によって放射される光は、可視光であってよい。
【0038】
加熱アセンブリは、回転可能チャックが回転軸に関して回転された時に回転可能チャックと一緒に回転しないように、回転可能チャックに対して取り付けられている。換言すると、発光加熱素子アレイは、回転可能チャックが回転軸に関して回転された時に静止したままであってよい。これは、発光加熱素子アレイへの電気接続の提供を容易にしうる。
【0039】
ここで、発光加熱素子は、ウエハを加熱するのに適した波長の光を放射する光源を指しうる。例えば、発光加熱素子は、380nm~650nmの波長範囲で最大強度を有する光を放射してよい。
【0040】
いくつかの実施形態において、発光加熱素子の内の1以上は、発光ダイオード(LED)であってよい。
【0041】
発光加熱素子は、加熱アセンブリにおいて(加熱アセンブリの中心に関して同心の)同心円の上に配置されてよい。
【0042】
各同心円において、加熱素子は、異なるグループにまとめられてよい。換言すると、それぞれの同心円における加熱素子は、その同心円の周りに均一に分布されていなくてよい。
【0043】
異なるグループの各々が、同じ数の加熱素子(例えば、16の加熱素子)を含んでよい。
【0044】
1または複数の光センサは、発光加熱素子アレイによって放射された光を検出するよう構成されている。
【0045】
したがって、1または複数の光センサは、発光加熱素子アレイによって放射された光の量(または、光の強度)に関する信号を出力してよい。
【0046】
このように、発光加熱素子アレイによって放射される光の量は、アレイが所望のレベルで動作しているか否かを判定するために、所定の値(例えば、目標値、以前の測定値、または、基準値)と比較されてよい。
【0047】
1または複数の光センサは、(例えば、基準光源に対して)較正されてよい。これは、異なる装置の間での再現性を保証しうる。
【0048】
ここで、光センサは、光を検出して、検出光の量に関する信号を出力できるセンサであってよい。例えば、適切な光センサは、フォトダイオードなどの光検出器でありうる。
【0049】
1または複数の光センサは、発光加熱素子アレイによって放射された光の波長に対応する波長を有する光を検出するよう構成されてもよい。
【0050】
1または複数の光センサは、装置内で発光加熱素子アレイに対して固定位置にあってよい。これは、発光加熱素子アレイによって放射された光の量の再現可能な測定を可能にしうる。
【0051】
利用中、発光加熱素子アレイは、(例えば、アレイに接続された電源で)アレイに電力を供給することによって制御されてよい。これは、発光加熱素子によって光を放射させうる。
【0052】
1または複数の光センサから取得された1または複数の信号は、例えば、信号を以前の測定値もしくは基準信号または目標値と比較することによって、発光加熱素子アレイが所望の強度の光を放射しているか否かを判定するために用いられてよい。
【0053】
1または複数の光センサからの信号は、発光加熱素子アレイを較正するよう機能しうる。例えば、所望の強度に達したことを信号が示すまで、発光加熱素子アレイに供給される電力を調整してよい。これは、経時的な発光加熱素子の劣化の補償も可能にしうる。
【0054】
1または複数の光センサからの信号は、発光加熱素子アレイの劣化またはアレイにおける故障の発生をチェックするために、経時的に監視されてよい。
【0055】
いくつかの実施形態において、アレイ内の発光加熱素子の個々のグループを別個に制御することが可能であってもよい。このように、各グループが所望の強度の光を放射しているか否かを判定することが可能でありうる。
【0056】
同様に、いくつかの実施形態において、個々の発光加熱素子によって放射された光の量を検出できるように、個々の発光加熱素子を別個に制御できてもよい。
【0057】
これらの実施形態は、適切に機能していない単一の発光加熱素子または発光加熱素子グループの特定を可能にしうるため、装置のメンテナンスをさらに容易にしうる。
【0058】
1または複数の光センサは、発光加熱素子アレイの反対側に配置された光センサ(または、2以上の光センサ)を含んでよい。
【0059】
発光加熱素子アレイの反対側に配置された光センサは、真っ直ぐに、または、斜めに、発光加熱素子アレイの方を向いている。
【0060】
このように、発光加熱素子アレイによって放射される光は、1または複数の光センサに向かって放射されうる。
【0061】
これは、アレイ内の発光加熱素子の各々によって放射された光の直接検出を可能にしうる。
【0062】
これは、発光加熱素子アレイによって生み出される光の量の変化を検出できる精度を改善しうる。結果として、異なる装置の間での加熱状態の再現性も改善されうる。
【0063】
光センサが発光加熱素子アレイの方を向いているということは、光センサの受光面が、真っ直ぐに、または、斜めに、アレイに向かって方向付けられていることを意味しうる。
【0064】
発光加熱素子アレイの反対側に配置された光センサは、ウエハが回転可能チャックによって受け入れられた時に、発光加熱素子アレイに対して、ウエハの反対側にあるように配置されてよい。
【0065】
換言すると、発光加熱素子アレイの反対側に配置された光センサは、発光加熱素子アレイによって照射されるウエハの側に対して、ウエハの反対側に配置されてよい。
【0066】
これは、光センサを収容するために回転可能チャックおよび加熱アセンブリの構造を変更する必要がないことから、既存の装置への光センサの組み込みを容易にしうる。
【0067】
さらに、センサが発光加熱素子アレイの反対側にあるこの配置は、センサが、発光加熱素子アレイからさらに離れて配置されてもよいことを意味しうる。結果として、光センサは、アレイ全体によって放射された光を測定するのに必要な光センサが少なくてよいように、または、アレイ全体から放射された光を検出するのに単一の光センサのみで足りうるように、より多くの数の発光加熱素子から放射された光を検出できうる。
【0068】
発光加熱素子アレイの反対側に配置された光センサは、回転可能チャックの回転軸上に配置されてよく、および/または、回転軸を中心としてよい。
【0069】
発光加熱素子アレイは、回転可能チャックの回転軸に関して対称に配置されてよい。このように、回転可能チャックの回転軸上に配置され、および/または、回転軸を中心とする光センサは、発光加熱素子アレイに対しても中心に配置されうる。
【0070】
これは、発光加熱素子アレイ内の全素子によって放射された光の検出を容易にしうる。
【0071】
発光加熱素子アレイの反対側に配置された光センサは、発光加熱素子アレイに対して所定の固定位置に配置されてよい。
【0072】
発光加熱素子アレイの反対側に配置された光センサが2以上ある場合、発光加熱素子アレイの反対側に配置された光センサの各々は、発光加熱素子アレイに対してそれぞれの所定の固定位置に配置されてよい。
【0073】
これは、発光加熱素子アレイによって放射された光の測定間の再現性を保証しうる。
【0074】
光センサの位置が所定であることは、光センサと発光加熱素子の各々との間の距離も所定であることを意味する。
【0075】
これは、1または複数の光センサからの出力信号に基づいて、発光加熱素子アレイによって放射された光の強度を算出することを可能にしうる。
【0076】
いくつかの実施形態において、装置は、発光加熱素子アレイの反対側に配置された光センサに迷光が到達するのを防止するよう構成されたカバーを備えてもよい。
【0077】
これは、発光加熱素子アレイの反対側に配置された光センサが、発光加熱素子アレイによって放射されたものではない迷光を検出することを回避しうる。
【0078】
結果として、発光加熱素子アレイによって放射された光の測定の精度が改善されうる。
【0079】
発光加熱素子アレイの反対側に配置された光センサは、カバーの内側に配置されるか、または、取り付けられてよい。
【0080】
このように、カバーは、光センサを取り付けるのに便利な位置を提供しうる。これは、1または複数の光センサを収容するために、回転可能チャックまたは発光加熱素子アレイの構造を変更する必要性を回避しうる。これは、既存の装置に1または複数の光センサを組み込むのを容易にしうる。
【0081】
カバーは、装置の処理チャンバのフレームに取り付け可能であってよい。
【0082】
例えば、装置は、回転可能チャックおよび加熱アセンブリが配置される処理チャンバを備えてよい。処理チャンバは、様々な処理(例えば、エッチング、材料の蒸着、洗浄、など)がウエハに実行されるチャンバであってよい。カバーは、処理チャンバのフレームに取り付けられた時に迷光がチャンバ内に入ることを防止するように構成されてよい。したがって、発光加熱素子アレイによって放射された光を測定する時、カバーが、処理チャンバのフレームに取り付けられてよい。測定が完了すると、カバーは、例えば、他の装置を処理チャンバ内に設置するために、取り外されてもよい。
【0083】
カバーは、発光加熱素子アレイの反対側に配置された光センサが発光加熱素子アレイに対して所定の位置に配置されることを保証するために、1セットのアライメント形状を備えてよい。これは、発光加熱素子アレイによって放射された光の測定が再現可能であることを保証しうる。
【0084】
いくつかの実施形態において、装置は、発光加熱素子アレイの反対側に配置された1つだけの光センサを備えてよい。これは、装置を簡略化し、ならびに/もしくは、1つの光センサからの出力信号のみを解析すればよいので、発光加熱素子アレイによって放射された光の検出および/または測定を容易にしうる。このように、発光加熱素子アレイの反対側に配置された1つの光センサが、発光加熱素子アレイ全体によって放射された光を検出しうる。
【0085】
いくつかの実施形態において、1または複数の光センサは、ウエハが回転可能チャックによって受け入れられている時にウエハから反射された発光加熱素子アレイ由来の光を検出するよう構成された光センサを含んでもよい。
【0086】
したがって、反射光を検出するよう構成された光センサは、ウエハが回転可能チャックによって受け入れられた時に、発光加熱素子アレイと、ウエハの同じ側にあるように配置されてよい。
【0087】
ウエハが回転可能チャックによって受け入れられている時、発光加熱素子アレイによって放射された光は、ウエハによって反射されうる。次いで、反射光の一部または全部が、反射光を検出するよう構成された光センサによって検出されうる。
【0088】
このように、ウエハが回転可能チャックによって受け入れられている時に、発光素子アレイによって放射された光を検出および監視できる。
【0089】
これは、発光加熱素子アレイによって放射された光をウエハの処理中に監視することを可能にしうる。結果として、ウエハが処理されている間に、発光加熱素子の劣化のその場補償を実行することが可能でありうる。これは、所望の加熱状態がウエハの処理中に維持されることを保証するよう機能しうる。
【0090】
反射光を検出するよう構成された光センサは、発光加熱素子アレイと同じ平面に配置されてもよい。
【0091】
これは、発光加熱素子によって放射された光を光センサが遮蔽することを回避しつつ、光センサが反射光を受けるために適切に配置されることを保証しうる。
【0092】
反射光を検出するよう構成された光センサと、発光加熱素子アレイとは、装置の同じ基板(例えば、回路基板)に統合されてよい。
【0093】
このように、反射光を検出するよう構成された光センサと、発光加熱素子アレイとの両方が、同じ基板(または支持)上に提供されてよい。これは、装置の構造を簡略化しうる。
【0094】
例えば、反射光を検出するよう構成された複数の光センサが、発光加熱素子アレイの全体にわたって分散されてもよい。これは、センサが、発光加熱素子アレイ全体からの反射光を検出できることを保証しうる。
【0095】
基板は、回路基板であってよい。
【0096】
一部の例において、基板は、発光加熱素子で生み出された熱を放散するよう構成されたヒートシンクを備えてもよい。
【0097】
上述のように、装置は、ウエハが回転可能チャックによって受け入れられている時にウエハから反射された発光加熱素子アレイ由来の光を検出するよう構成された複数の光センサを備えてよい。
【0098】
これは、発光加熱素子の内のより多くまたは全部の素子からの光が光センサによって検出されることを可能にしうる。
【0099】
以上、1または複数の光センサが、発光素子アレイの反対側に配置された1または複数の光センサを含む実施形態、ならびに、1または複数の光センサが、ウエハから反射された発光加熱素子アレイ由来の光を検出するよう構成された1または複数の光センサを含む実施形態、について論じた。ただし、いくつかの実施形態において、1または複数の光センサは、両方の構成の光センサを備えてもよく、すなわち、1または複数の光センサは、発光加熱素子アレイの反対側の1または複数の光センサと、ウエハから反射された発光加熱素子アレイ由来の光を検出するよう構成された1または複数の光センサと、を含んでもよい。
【0100】
いくつかの実施形態において、発光加熱素子の内の1以上は、所定の波長、または、所定の波長範囲内の波長を有する光を放射するよう構成された発光ダイオード(LED)であってよく、1または複数の光センサは、所定の波長、または、所定の波長範囲内の波長を有する光を検出するよう適合されてよい。
【0101】
LEDは、非常に効率的であり、比較的少ない廃熱を生じうるので、LEDの利用は有利でありうる。LEDは、ウエハを加熱するのに適した波長または波長範囲の光を放射する。例えば、LEDは、380nm~650nmの範囲の1または複数の波長を有する光を放射してよい。その他の波長範囲も適切でありうる。
【0102】
1または複数光センサは、発光加熱素子によって放射されたその波長の光に敏感である。これは、発光加熱素子アレイによって放射された光の正確な検出を保証しうる。
【0103】
一部の例において、1または複数の光センサは、所定の波長範囲内の波長にのみ敏感でありうる。このように、所定の周波数範囲外の波長を有する迷光が光センサによって検出されえないので、発光加熱素子アレイによって放射された光を検出できる精度が改善されうる。
【0104】
装置は、所定の波長、または、所定の波長範囲内の波長を有する光を選択的に伝達するよう構成された1または複数の光学フィルタを備えてもよい。例えば、フィルタは、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、または、バンドパスフィルタであってよい。
【0105】
1または複数の光学フィルタは、1または複数の光センサが、1または複数の光学フィルタを通った光のみを受け入れるように配置されてよい。
【0106】
このように、所定の周波数範囲外の波長を有する迷光は、光センサによって検出されえない。これは、発光素子アレイによって放射された光を検出できる精度を改善しうる。
【0107】
1または複数のフィルタは、1または複数の光センサと一体化されるか、または、光センサに取り付けられてよく、もしくは、1または複数の光センサと別個に提供されてもよい。
【0108】
装置は、さらに、発光加熱素子アレイに供給される電力を制御すると共に、1または複数の光センサの測定値出力を受信するよう構成されたコントローラを備えてよい。
【0109】
コントローラは、発光加熱素子アレイに供給される電力を制御すると共に、1または複数の光センサの測定値出力を受信するためにソフトウェアをインストールされたコンピュータデバイスであってよい。
【0110】
かかるコントローラは、例えば、1または複数の光センサからの測定値を記録することにより、発光加熱素子によって放射された光の監視を容易にしうる。
【0111】
次いで、かかる測定値は、例えば、経時的な発光加熱素子アレイの任意の劣化があるか否かを判定するために用いられてよい。
【0112】
コントローラは、通信インターフェース(例えば、USB、イーサネット、など)を介して、発光加熱素子アレイに電力を供給する電源に接続されてよい。コントローラは、電源によって発光加熱素子アレイに供給される電力の量を制御するために、コマンドを電源へ送信するよう構成されてよい。同様に、コントローラは、1または複数の光センサから測定値を受信するために、通信インターフェース(例えば、USB、イーサネット、など)を介して、1または複数の光センサに接続されてよい。
【0113】
コントローラは、1または複数の光センサの測定値出力に基づいて装置を制御するよう構成されてよい。
【0114】
例えば、コントローラは、発光加熱素子アレイによって放射される光の所望の強度に達したことを測定値出力が示すまで、発光加熱素子アレイによって供給される電力を制御するよう構成されてよい。これは、例えば、測定値出力、または、測定値出力から導出された情報を、所望の強度に対応する基準値と比較ことによって、達成されてよい。このように、コントローラは、発光加熱素子アレイの自動較正を実行しうる。
【0115】
コントローラは、1または複数の光センサの測定値出力、または、測定値出力から導出された情報を、基準値と比較し、その比較に基づいて、発光加熱素子アレイに含まれる発光加熱素子の内の1以上の素子の動作状態に関する情報を決定し、および/または、発光加熱素子アレイに含まれる発光加熱素子の内の1以上の素子に供給される電力を調整するよう構成されてよい。
【0116】
基準値は、例えば、目標値/所望の値、同じ1または複数の光センサからの以前の測定値、もしくは、1または複数の基準発光加熱素子について取得された別個の測定値、であってよい。
【0117】
発光加熱素子の内の1以上の素子の動作状態に関する情報は、例えば、発光加熱素子の1グループまたは全部からの光強度が期待されるよりも低く、したがって、発光加熱素子の内の1以上が期待通りに動作していない可能性があることの特定であってよい。あるいは、この情報は、例えば、劣化または単一故障により、適切に機能していない特定の発光加熱素子の識別であってもよい。
【0118】
このように、コントローラは、発光加熱素子の内の1以上が適切に機能しているか否か、もしくは、それが劣化または故障を抱えているか否か、を判定してよい。例えば、測定値出力、または、測定値出力から導出された情報が、基準値と一致した場合、コントローラは、1または複数の発光素子が適切に機能していると判定してよい。測定値出力、または、測定値出力から導出された情報が、基準値と一致しない(例えば、基準値よりも低い)場合、コントローラは、1または複数の発光素子が適切に機能していない(例えば、劣化したか、または、故障している)と判定してよい。
【0119】
コントローラは、1または複数の発光加熱素子の決定された動作状態をユーザに通知するよう構成されてよい。このように、ユーザは、発光加熱素子の劣化または故障を知ることができるので、その結果として、ユーザは、装置の適切なメンテナンスを実行できる。
【0120】
コントローラは、所定の電力レベルが発光加熱素子の内の1以上へ供給された時の測定値出力に対応する基準値をメモリ内に格納するよう構成されてよい。このように、コントローラは、所定の電力レベルを1または複数の発光加熱素子に印加し、測定値出力、または、測定値出力から導出された情報を、基準値と比較することによって、1または複数の発光加熱素子の動作状態をテストしてよい。コントローラは、1または複数の発光加熱素子の異なるセットのための基準値を格納するよう構成されてよい。このように、コントローラは、1または複数の発光加熱素子の異なるセットの動作状態を判定してよい。
【0121】
コントローラは、比較に基づいて、発光加熱素子アレイに含まれる発光加熱素子の内の1以上の素子に供給される電力を調整してよい。例えば、1つまたは1グループの発光加熱素子からの光強度が基準値よりも低いと判定された場合、コントローラは、光強度を基準値まで上げるために、その1つまたは1グループの発光加熱素子に供給される電力を上げてよい。この電力調整は、動作状態の決定と独立して、または、決定に続いて、実行されてよい。
【0122】
このように、コントローラは、1または複数の発光加熱素子の劣化または故障を補償しうる。これは、ウエハを処理する時に所望の加熱状態(例えば、照度)が利用される(ひいては、これが、ウエハ間および装置間での処理の再現性を改善しうる)ことを保証するよう機能しうる。
【0123】
発光加熱素子アレイは、複数の個別に制御可能な発光加熱素子グループで構成されてよく、コントローラは、複数の発光加熱素子グループの各々に供給される電力を個別に制御するよう構成されてよい。
【0124】
このように、発光加熱素子グループの各々は、そのグループに電力を供給することによってコントローラにより個別に作動されてよい。これは、発光加熱素子の各々を個別に制御するよりも、装置の複雑さを低減しうる。
【0125】
発光加熱素子グループは、発光加熱素子アレイに含まれる発光加熱素子の内の1以上の素子を含んでよい。
【0126】
各発光加熱素子グループは、ウエハが回転可能チャックによって受け入れられた時にウエハの異なるゾーンを加熱するよう構成されてよい。
【0127】
複数の発光加熱素子グループは、各グループがそれぞれの半径方向位置を占めるように、回転可能チャックの回転軸を中心に同心に配置されてよい。このように、ウエハの異なる半径方向ゾーンが、異なる発光加熱素子グループを作動させることによって加熱されうる。
【0128】
コントローラは、さらに、複数の発光加熱素子グループの内の1グループの照度を示す測定値出力を1または複数の光センサから受信し、その発光加熱素子グループについての測定値出力または測定値出力から導出された情報を、そのグループのための基準値と比較し、その比較に基づいて、その発光加熱素子グループの動作状態に関する情報を決定し、および/または、その発光加熱素子グループに供給される電力を制御するよう構成されている。
【0129】
このように、コントローラは、特定の発光加熱素子グループの動作状態を決定しうる。コントローラは、各発光加熱素子グループについて動作状態を決定できるように、この処理を各発光加熱素子グループに実行してよい。これは、適切に機能していない発光加熱素子グループの特定を容易にしうるため、装置のトラブルシューティングおよびメンテナンスを容易にしうる。
【0130】
複数の発光加熱素子グループの内の1グループの照度を示す測定値出力を取得するために、コントローラは、その発光加熱素子グループに光を放射させるためにその発光加熱素子グループに供給される電力を制御する(例えば、その発光加熱素子グループのみに光を放射させ、アレイ内の他の発光加熱素子には放射させないように制御する)よう構成されてよい。
【0131】
コントローラは、さらに、発光加熱素子グループについて決定された動作状態に基づいて、発光加熱素子グループに供給される電力を調整するよう構成されてよい。このように、発光加熱素子グループの各々は、個別に較正されうる。
【0132】
コントローラは、複数の発光加熱素子グループの各々のための基準値をメモリ内に格納するよう構成されてよい。発光加熱素子グループのための基準値は、その発光加熱素子グループのための所定の電力レベルに関連してよい。したがって、発光加熱素子グループの動作状態を決定するために、コントローラは、そのグループに供給される電力レベルをそのグループのための所定の電力レベルに調整してよい。
【0133】
基準値は、1または複数の光センサを用いて取得された以前の測定値出力であってもよい。
【0134】
装置は、ウエハに対して処理を実行するのに必要なさらなる構成要素を備えてもよい。例えば、装置は、さらに、ウエハの表面上に液体(例えば、洗浄液)を供給するよう構成された液体ディスペンサを備えてもよい。液体ディスペンサは、発光加熱素子アレイの方を向いたウエハの表面と反対側のウエハの表面に液体を供給するよう構成されてよい。
【0135】
液体ディスペンサは、ウエハの表面上の異なる位置に液体を供給するために移動可能であってよい。このように、洗浄処理中に、液体が、回転可能チャックに受け入れられたウエハの表面上に供給されてよい。次いで、ウエハは、ウエハの表面から液体を除去するために、回転可能チャックと共に回転されてよい。次いで、発光加熱素子アレイでウエハを加熱することにより、残りの液体が蒸発されてよい。
【0136】
装置は、さらに、ウエハが回転可能チャックに受け入れられている時に発光加熱素子アレイとウエハとの間にあるように配置された透明プレート(例えば、石英またはサファイアで形成されている)を備えてよい。透明プレートは、発光加熱素子によって放射された光に対して透過的であってよい。透明プレートは、ウエハの表面に対して実行されている処理から発光加熱素子アレイを保護するよう機能しうる。装置は、ウエハを洗浄するための洗浄装置であってよい。より具体的には、装置は、ウエハをスピン洗浄するためのスピン洗浄装置であってよい。
【0137】
ウエハは、半導体ウエハであってよい。
【0138】
本発明の第2態様によると、本発明の第1態様に従った装置を制御する方法が提供されている。本発明の第2態様の方法は、本発明の第1態様に関連して上述した特徴を備えてよく、したがって、これらの特徴については繰り返さない。
【0139】
方法は、発光加熱素子アレイに電力を供給する工程と、1または複数の光センサから測定値出力を受信する工程と、測定値出力、または、測定値出力から導出された情報を、基準値と比較する工程と、その比較に基づいて、発光加熱素子アレイの動作状態に関する情報を決定し、および/または、発光加熱素子アレイに供給される電力を制御する工程と、を備える。
【0140】
方法は、さらに、決定された動作状態に基づいて、発光加熱素子アレイに供給される電力を調整する工程を備えてよい。
【0141】
方法は、さらに、発光加熱素子の内の1または複数の素子へ選択的に電力を供給する工程と、発光加熱素子の内の1または複数の素子の動作状態に関する情報を決定する工程と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0142】
本発明の実施形態について、添付の図面を参照しつつ以下で説明する。
図1a】本発明の第1実施形態に従った装置を示す概略断面図。
図1b】ウエハが装置内にマウントされた状態の本発明の第1実施形態を示す概略断面図。
図2】本発明の第2実施形態に従った装置を示す概略断面図。
図3】本発明の第3実施形態に従った装置を示す概略断面図。
図4】本発明の実施形態で利用できる加熱アセンブリの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0143】
さらなる選択肢および選好
図1aおよび図1bは、本発明の第1実施形態に従って、ウエハを処理するための装置100を示す概略断面図である。図1aでは、ウエハが装置内にマウントされていない。図1bでは、ウエハ101が装置100内にマウントされている。
【0144】
装置100は、ウエハを受け入れるよう適合された回転可能チャック102を備える。回転可能チャック102は、ベース106上に回転可能に取り付けられたチャック本体104を備える。チャック本体104は、符号108で示されている回転軸を中心にベース106に対して回転可能である。ベース106に対するチャック本体104の回転は、例えば、モータ(図示せず)によって駆動されてよく、モータ自体は、コントローラによって制御されてよい。チャック本体104は、ウエハを受け止めてウエハを所定位置にしっかりと保持するよう適合された1セットのグリップピン110を備える。このように、ウエハがグリップピン110を介して回転可能チャック102上にマウントされると、ベース106に対してチャック本体104を回転させることによって、ウエハを回転させることができる。図1bに示す構成において、グリップピン110は、所定位置にウエハ101を保持するために把持力を印加する。ただし、その他の適切なメカニズムが、ウエハ101を所定位置に保持するために、代わりに用いられてもよい(例えば、クランプ、ネジ、サクションホルダ、など)。
【0145】
回転可能チャック102は、さらに、チャック本体104上に取り付けられた透明プレート112(例えば、石英またはサファイアで形成されている)を備える。透明プレート112は、ベース106に対してチャック本体104と共に回転するように、チャック本体104に固定されている。図1bに示すように、透明プレート112は、ウエハ101が回転可能チャック102にマウントされた時にウエハ101と実質的に平行になるように配置されている。
【0146】
装置100は、さらに、加熱アセンブリ114を備える。加熱アセンブリ114は、回転可能チャック102にマウントされたウエハに照射するよう構成されたLED116のアレイを備える。LED116は、回転可能チャックによって受け入れられたウエハ(例えば、ウエハ101)を加熱するための発光加熱素子として機能する。この例において、LEDは、380nm~650nmの波長範囲の光を放射するよう構成されている。例えば、LED116は、380nm~650nmの波長範囲で最大強度を有する光を放射してよい。発明者は、この波長範囲が半導体ウエハを加熱するのに適することを見出した。透明プレート112は、LED116によって放射された波長に対して実質的に透過的であるよう構成されており、すなわち、LED116によって放射された光のすべてまたは大部分が、透明プレート112によって伝達される。
【0147】
加熱アセンブリ114は、さらに、プレート118を備える。LED116のアレイは、プレート118の上面に取り付けられており、プレート118は、LED116のアレイのためのヒートシンクとして機能することで、LED116によって生成された熱を放散させる。例えば、プレート118は、アルミニウムなどの金属で形成されてよい。LED116のための駆動回路(図示せず)を備えた回路基板120が、プレート118の下面上に提供されている。LED116のアレイと回路基板上の駆動回路との間の相互接続が、プレート118を通してなされる。プレート118は、固定ポスト122に取り付けられている。固定ポスト122は、チャック本体104と共に回転しないように、チャック本体104に接続されていない。プレート118は、透明プレート112と実質的に平行である。
【0148】
LED116のアレイは、ウエハが回転可能チャック102にマウントされた時に、ウエハ101の方を向くよう配置されている。図1bに示すように、ウエハ101が回転可能チャック102にマウントされた時、透明プレート112は、LED116のアレイとウエハ101との間に位置する。したがって、LED116のアレイによって放射された光は、透明プレート112によって伝達され、ウエハ101に作用することで、ウエハ101を加熱しうる。透明プレート112は、ウエハが回転可能チャック102にマウントされている時にウエハ101に対して実行される処理からLED116のアレイを保護するよう機能しうる。
【0149】
LED116のアレイは、ウエハ101の第1表面103を照射するよう配置されており、第1表面103は、ウエハ101の第2表面105の反対側である。ウエハ101の第2表面105は、処理(例えば、エッチング、材料の蒸着、洗浄)がウエハ101の第2表面105に実行されうるように露出されている。LED116のアレイは、回転可能チャック102の回転軸108に関して実質的に対称に配置されてよい。このように、LED116のアレイは、回転軸108に関して実質的に対称にウエハへ照射しうる。
【0150】
装置100は、さらに、LED116のアレイによって放射された光を検出するように配置された光センサ124を備える。光センサ124は、フォトダイオードまたはその他の適切な光センサであってよく、LED116によって放射された光に対して敏感である。光センサ124は、LED116によって放射される波長に対応するまたはそれを含む波長範囲を選択的に伝達するよう構成された光学バンドパスフィルタを備えてよい。光センサ124は、LED116のアレイの反対側に配置され、LED116のアレイの方を向いており、すなわち、光センサ124の受光領域が、LED116のアレイに向けられている。光センサ124は、回転可能チャック102の回転軸108を中心とする。したがって、LED116のアレイに関して実質的に中心に配置されうる。この実施形態では、単一の光センサ124のみが提供されており、光センサ124は、LED116のアレイにおける全LED116から光を感知するよう配置されている。
【0151】
光センサ124は、LED116のアレイに対して固定位置にある。これは、LED116からの光の検出の再現性を改善しうる。光センサ124とLED116のアレイとの間の距離は、例えば、LED116の明るさ、光センサ124の感度、および、LEDから光センサ124への入射角を考慮して、LED116のアレイにおける全LED116からの光の良好な検出を可能にするよう設定されてよい。
【0152】
符号126で示す図1aの矢印は、光センサ124に入射するLED116によって放射された光を示している。光センサ124は、LED116のアレイの性能が直接監視されうるように、LED116によって放射された光の直接検出を可能にする。
【0153】
光センサ124は、検出された光の量に関連する(例えば、比例する)信号を出力してよい。このように、光センサ124から出力された測定値に基づいて、LED116のアレイによって生み出された光強度を推定することが可能になりうる。実際的には、LED116のアレイにわたる入射角のばらつきにより、LED116の光強度の絶対値を推定することは困難な場合がある。しかしながら、光センサ124は、LED116によって放射された光の相対値を経時的に測定および追跡することを可能にしうる。例えば、光センサ124からの出力信号は、例えば、LED116の劣化またはアレイの故障により、LEDのアレイによって放射される光の量に時間と共に何らかの変化があるか否かを判定するために、記録および監視されてよい。
【0154】
図1bに示すように、ウエハ101が回転可能チャック102にマウントされた時、ウエハ101は、光センサ124とLED116のアレイとの間に配置される。結果として、LED116からの光は、ウエハ101によって光センサ124に到達するのを妨げられる。したがって、利用時に、LED116のアレイによって放射された光は、例えば、LEDのアレイの性能を評価するため、および/または、LED116のアレイを較正するために、回転可能チャック102にウエハをマウントする前に測定されてよい。測定後に、ウエハ101は、処理されるために回転可能チャック102にマウントされてよい。
【0155】
LED116は、LED116の複数の個別に制御可能なグループに配置されてよい。LED116のグループの各々を独立的に制御(例えば、スイッチオンまたはオフ)できるように、電力が、例えば、回路基板120上の回路を介して、LED116の複数のグループの各々へ独立的に供給されてよい。LED116の各グループは、アレイ内のLED116の内の1または複数を含んでよい。LED116の各グループは、ウエハ101の異なるゾーンを制御可能に加熱できるように、ウエハ101の特定のゾーンを加熱するよう配置されてよい。LED116の複数のグループは、各グループがそれぞれの半径方向位置を占めるように、回転可能チャック102の回転軸108を中心に同心に配置されてよい。このように、ウエハ101の異なる半径方向ゾーンが、LED116の異なるグループを作動させることによって加熱されうる。
【0156】
LED116のグループの各々は、光センサ124を用いてそのグループによって放射された光の測定値を取得するために、個別に作動されてよい。このように、LED116のグループの各々が正確に機能しているか否かを判定することが可能でありうる。
【0157】
単一のLED116または単一グループのLED116からの光を検出するために、光センサ124が、その単一のLED116または単一グループのLED116からの光のみを検出するように、電力が、その単一のLED116または単一グループのLED116のみに供給されてよい。
【0158】
装置100は、さらに、LED116のアレイに供給される電力を制御するため、および、光センサ124からの測定値出力(例えば、出力信号)を受信するために、コントローラ(図示せず)を備えてよい。
【0159】
コントローラは、要求された機能を実行するためにソフトウェアをインストールされた任意の適切なコンピュータデバイスであってよい。例えば、コントローラは、LED116のアレイに供給される電力の量を制御するために、通信インターフェース(例えば、USB、イーサネット、など)を介して、回路基板120に接続されてよい。同様に、コントローラは、光センサ124からの測定値出力を受信するために、通信インターフェースを介して光センサ124に接続されてよい。コントローラは、LED116のアレイのための様々な制御パラメータ(例えば、電力レベル)が格納されているメモリを備えてよい。コントローラは、光センサ124から受信された測定データも格納してよい。
【0160】
コントローラは、光センサ124から受信された測定値出力に基づいて、LED116のアレイに供給される電力を自動的に制御するよう構成されてよい。例えば、コントローラは、(例えば、基準値と測定値出力を比較することによって)所望の照射がLED116によって生み出されていることを測定値出力が示すまで、LED116のアレイに供給される電力を調整してよい。LED116のアレイが、LED116の複数の個別に制御可能なグループを含む場合、コントローラは、各グループについて所望の出力が得られるように、LED116のグループの各々に供給される電力を自動的に調整してよい。
【0161】
コントローラは、LED116のアレイの動作状態(例えば、LED116のアレイが適切に機能しているか否か)を自動的に決定するよう構成されてよい。このために、コントローラは、そのメモリ内にLED116のアレイのための基準値を格納してよい。基準値は、所定の電力レベルがLED116のアレイに供給された時の光センサ124からの測定値出力(例えば、以前の測定において測定されたもの)に対応してよい。次いで、コントローラは、LED116のアレイに所定の電力レベルを供給し、光センサ124からの測定値出力を基準値と比較してよい。測定値出力が基準値と一致した場合、コントローラは、LED116のアレイが正しく機能していると判定してよい。測定値出力が基準値と異なる(例えば、低い)場合、コントローラは、LED116のアレイが適切に機能していないと判定してよい。コントローラは、ユーザが問題をさらに調査して任意の適切なメンテナンスを実行できるように、かかる判定がなされた時にユーザへ通知してよい。同様に、コントローラは、各グループの動作状態を判定できるように、LED116の複数のグループの各々に対する基準値を格納してよい。コントローラは、さらに、(例えば、LED116の劣化を補償するために)、測定値または判定された動作状態に基づいて、LED116のアレイに供給される電力を調整するよう構成されてよい。
【0162】
図2は、本発明の第2実施形態であるウエハを処理するための装置200を示す概略断面図である。装置200は、回転可能チャック、加熱アセンブリ、および、光センサなど、装置100に関して説明した特徴すべてを備える。装置100に関して説明した特徴に対応する装置200の特徴については、図1と同じ符号で図2に示されており、再度説明はしていない。
【0163】
装置100に関して説明した特徴に加えて、装置200は、処理チャンバ202を備える。図2に示すように、回転可能チャック102、ベース106、加熱アセンブリ114、および、光センサ124は、処理チャンバ202内に配置されている。処理チャンバ202は、ウエハの処理に適したチャンバであってよい。例えば、それは、ウエハの処理に好ましい条件を提供するために、処理チャンバ202内の雰囲気(例えば、その圧力および組成)を制御できてよい。処理チャンバ202は、回転可能チャック102、ベース106、および、加熱アセンブリ114が(ポスト122と共に)取り付けられているフレーム204を備える。処理チャンバ202は、さらに、光センサ124が取り付けられているカバー206を備える。光センサ124は、LED116のアレイの方を向くと共に回転可能チャックの回転軸108を中心とするように、カバー206に取り付けられている。カバー206は、処理チャンバ202のフレーム204上に取り付けられ、外部から処理チャンバ202に迷光が入るのを防止するよう機能する。このように、光センサ124によって検出される光は、LED116のアレイによって放射される光だけでありうる。これは、LED116のアレイによって放射された光が測定されうる精度を改善しうる。
【0164】
カバー206は、LED116のアレイに対する光センサ124の位置が、測定中に正確に知られうるように、LED116のアレイに対して所定の固定位置に光センサ124を保持するよう配置される。これは、測定の再現性を保証しうる。
【0165】
一部の例において、カバー206は、処理チャンバ202のフレーム204に着脱可能に取り付け可能であってよい。このように、カバー206は、例えば、処理に向けて回転可能チャック102にウエハを設置するために、フレーム204から取り外されてよい。ウエハが回転可能チャック102に設置されると、処理チャンバ202を閉じるために、カバー206が、フレーム204に取り付けられてよい。カバー206およびフレーム204は、フレーム204に対するカバー206の位置決めのために、係合可能なアライメント形状を備えてよい。これは、カバー206がフレーム204に取り付けられた時に光センサ124が所定の位置にあることを保証しうる。適切なアライメント形状は、例えば、対応する突起と凹部またはノッチであってよい。装置200の構成は、既存の装置への光センサ124の組み込みを容易にしうる。実際、光センサ124の存在に適応するために、処理チャンバ202のカバー206だけを変更すればよい。
【0166】
図3は、本発明の第3実施形態であるウエハを処理するための装置300を示す概略断面図である。装置300は、ウエハ301を受け入れるよう適合された回転可能チャック302を備える。回転可能チャック302は、チャック本体304を備えており、チャック本体304は、ベース306上に回転可能に取り付けられ、符号308によって示す回転軸を中心に回転可能である。チャック本体304は、ウエハを受け止めてウエハを所定位置にしっかりと保持するよう適合された1セットのグリップピン310を備える。図3に示す例では、ウエハ301が、回転可能チャック302にマウントされている様子が示されている。回転可能チャック302は、さらに、チャック本体304上に取り付けられた透明プレート312(例えば、石英またはサファイアで形成されている)を備える。透明プレート312は、ウエハが回転可能チャック302にマウントされた時にウエハ301と実質的に平行になるように配置されている。回転可能チャック302およびその構成要素は、上述の装置100の回転可能チャック102と同様に機能してよく、上記の装置100の構成要素の説明が、この装置300の対応する構成要素に当てはまりうる。
【0167】
装置300は、さらに、加熱アセンブリ314を備える。加熱アセンブリ314は、ウエハ301が回転可能チャック302にマウントされたウエハ301に照射するよう配置されたLED316のアレイを備える。LED316は、ウエハ301を加熱するための発光加熱素子として機能する。この例において、LEDは、380nm~650nmの波長範囲の光を放射するよう構成されている。例えば、LED316は、380nm~650nmの波長範囲で最大強度を有する光を放射してよい。透明プレート312は、LED316によって放射された波長に対して透過的であるよう構成されており、すなわち、LED316によって放射された光が、透明プレート312によって伝達される。
【0168】
加熱アセンブリ314は、さらに、プレート318を備える。LED316は、プレート318の上面に取り付けられている。プレート318は、LED316のアレイのためのヒートシンクとして機能することで、LED316によって生成された熱を放散させる。例えば、プレート318は、アルミニウムなどの金属で形成されてよい。LED316のための駆動回路(図示せず)を備えた回路基板320が、プレート318の下面上に提供されている。LED316のアレイと回路基板上の駆動回路との間の相互接続が、プレート318を通してなされる。プレート318は、固定ポスト322に取り付けられている。固定ポスト322は、チャック本体304と共に回転しないように、チャック本体304に接続されていない。プレート318は、透明プレート312と実質的に平行である。
【0169】
LED316のアレイは、ウエハ301の第1表面303を照射するよう配置されており、第1表面103は、ウエハ301の第2表面305の反対側である。ウエハ301の第2表面305は、処理(例えば、エッチング、材料の蒸着、洗浄)がウエハ301の第2表面305に実行されうるように露出されている。LED316のアレイは、回転可能チャック302の回転軸308に関して実質的に対称に配置されている。このように、LED316のアレイは、回転軸308に関して実質的に対称にウエハへ照射しうる。
【0170】
加熱アセンブリ314は、上述の装置100の加熱アセンブリ114と同様に機能してよい。例えば、LED316のアレイは、装置100に関連して上述したように、個別に制御可能なLED316のグループに配置されてよい。
【0171】
装置300は、さらに、1セットの光センサ324を備える。1セットの光センサ324は、プレート318の上面(すなわち、LED316のアレイと同じ表面)の上に配置されている。1セットの光センサ324は、アレイ全体にわたって、例えば、実質的に一様に(例えば、一定間隔で)分散されている。光センサ324は、フォトダイオードまたはその他の適切な光センサであってよく、LED316によって放射された光に対して敏感である。光センサ324は、LED316によって放射される波長に対応する波長範囲を選択的に伝達するよう構成された光学バンドパスフィルタを備えてよい。
【0172】
光センサ324は、LED316と同じ方向に向くよう配置されている。このように、光センサは、ウエハ301が回転可能チャック302上にマウントされた時に、ウエハ301の第2表面305から反射されたLED316からの光を検出してよい。これは、図3の矢印326によって示されており、矢印326は、LED316によって放射され、ウエハ301によって反射された後に、光センサ324によって検出される光を表している。光センサはLED316のアレイ全体にわたって分散されているので、全LED316によって放射された光を光センサ324で検出することが可能でありうる。各光センサ324は、その光センサ324によって検出された光の量に関連する(例えば、比例する)測定信号を出力してよい。回路基板320は、光センサ324の各々から測定信号を取得するための読み取り回路を備えてよい。光センサ324と回路基板320との間の相互接続は、プレート318を通して形成されてよい。
【0173】
したがって、装置300は、ウエハ301から反射されたLED316からの光を測定することを可能にする。これは、ウエハが回転可能チャックにマウントされている間(例えば、ウエハが処理されている間)のLED316の性能をリアルタイムで監視することを可能にしうる。これは、ウエハの処理全体を通して所望の加熱状態を維持することを保証するために、LED316のアレイに供給される電力のリアルタイム調整を可能にしうる。
【0174】
装置300は、さらに、LED316に供給される電力を制御するため、および、光センサ324からの測定値出力(例えば、出力信号)を受信するために、コントローラ(図示せず)を備えてよい。コントローラは、要求された機能を実行するためにソフトウェアをインストールされた任意の適切なコンピュータデバイスであってよい。例えば、コントローラは、LED316のアレイに供給される電力の量を制御するため、および、光センサ324からの測定値出力を受信するために、通信インターフェース(例えば、USB、イーサネット、など)を介して、回路基板320に接続されてよい。コントローラは、LED116のアレイのための様々な制御パラメータ(例えば、電力レベル)が格納されているメモリを備えてよい。コントローラは、光センサ324から受信された測定データも格納してよい。
【0175】
コントローラは、装置100のコントローラに関して上述したのと同様の機能を実行するよう構成されてよい。例えば、コントローラは、光センサ324から受信された測定値出力に基づいて、LED316またはLED316のグループに供給される電力を自動的に制御するよう構成されてよい。このように、コントローラは、ウエハ301が回転可能チャック302にマウントされている時に、光センサ324による測定値に基づいてLED316のアレイの自動制御を可能にしうる。また、コントローラは、LED316のアレイまたはLED316のグループの動作状態を判定するよう構成されてよい。判定された動作状態に応じて、コントローラは、ユーザが適切なメンテナンス手順を実行できるように、動作状態をユーザに通知するよう構成されてよい。
【0176】
上述した実施形態すべての装置は、さらに、回転可能チャックにマウントされたウエハを処理するよう構成された構成要素を備えてもよい。例えば、装置は、ウエハの上面(すなわち、LEDのアレイによって照射されるウエハの表面と反対側のウエハの表面)に液体を供給するよう構成された液体ディスペンサを備えてもよい。
【0177】
装置は、ウエハを洗浄するための装置(例えば、ウエハをスピン洗浄するためのスピン洗浄装置)であってよい。
【0178】
ウエハは、半導体ウエハであってよい。
【0179】
本発明のいくつかの実施形態における加熱アセンブリ114、314の構成例が、図4に示されている。
【0180】
図4に示すように、LED116、316は、加熱アセンブリ114、314の中心の周りに同心リング上に配置されている。LED116、316の配置は、加熱アセンブリ114、314の中心の周りで回転対称になっている。
【0181】
所与の同心リング内で、LED116、316は、グループ401にまとめられており、例えば、各グループ401内に16のLED116、316がある。換言すると、所与の同心リングにおけるLED116、316は、同心リングの周りに均一に分布されていない。
【0182】
上述のように、LED116、316のグループ401の各々への電力は、独立制御されてよい。
【0183】
この例において、LED116、316の20の同心リングがあるが、もちろん、別の実施形態において、同心リングの数は異なっていてもよい。
【0184】
図4において、加熱アセンブリ114、314は、4つの四分円402に分けられており、四分円5402は、コネクタ403によって結合されている。
【0185】
各LEDは、10Wの電力消費量を有し、3Wの電力を提供してよい。
【0186】
もちろん、加熱アセンブリ114、314は、図4に示したものと異なっていてもよい。特に、加熱アセンブリにおけるLEDの配置は、本発明の本質ではない。また本開示は以下の形態として実現できる。
[形態1]
ウエハを処理するための装置であって、
ウエハを受け入れるよう適合された回転可能チャックと、
前記ウエハを加熱するために、前記回転可能チャックによって受け入れられた前記ウエハに照射するよう構成された発光加熱素子アレイを備えた加熱アセンブリと、
前記発光加熱素子アレイによって放射された光を検出するよう構成された1または複数の光センサと、
を備える、装置。
[形態2]
形態1に記載の装置であって、前記1または複数の光センサは、前記発光加熱素子アレイの反対側に配置された光センサを含む、装置。
[形態3]
形態2に記載の装置であって、前記発光加熱素子アレイの反対側に配置された前記光センサは、前記ウエハが前記回転可能チャックによって受け入れられた時に、前記発光加熱素子アレイに対して、前記ウエハの反対側にあるように配置されている、装置。
[形態4]
形態2または形態3に記載の装置であって、前記発光加熱素子アレイの反対側に配置された前記光センサは、前記回転可能チャックの回転軸上に配置され、および/または、前記回転軸を中心としている、装置。
[形態5]
形態2から形態4のいずれか一項に記載の装置であって、前記発光加熱素子アレイの反対側に配置された前記光センサは、前記発光加熱素子アレイに対して所定の固定位置に配置されている、装置。
[形態6]
形態2から形態5のいずれか一項に記載の装置であって、前記装置は、前記発光加熱素子アレイの反対側に配置された前記光センサに迷光が到達するのを防止するよう構成されたカバーを備える、装置。
[形態7]
形態6に記載の装置であって、前記発光加熱素子アレイの反対側に配置された前記光センサは、前記カバーの内側に配置されるか、または、取り付けられている、装置。
[形態8]
形態6または形態7に記載の装置であって、前記カバーは、前記装置の処理チャンバのフレームに取り付け可能である、装置。
[形態9]
形態2から形態8のいずれか一項に記載の装置であって、前記装置は、前記発光加熱素子アレイの反対側に配置された1つだけの光センサを備える、装置。
[形態10]
形態1から形態9のいずれか一項に記載の装置であって、前記1または複数の光センサは、前記ウエハが前記回転可能チャックによって受け入れられている時に前記ウエハから反射された前記発光加熱素子アレイ由来の光を検出するよう構成された光センサを含む、装置。
[形態11]
形態10に記載の装置であって、前記反射光を検出するよう構成された前記光センサと、前記発光加熱素子アレイとは、前記装置の同じ基板に統合されている、装置。
[形態12]
形態10または形態11に記載の装置であって、前記装置は、前記ウエハが前記回転可能チャックによって受け入れられている時に前記ウエハから反射された前記発光加熱素子アレイ由来の光を検出するよう構成された複数の光センサを備える、装置。
[形態13]
形態1から形態12のいずれか一項に記載の装置であって、
前記発光加熱素子は、所定の波長、または、所定の波長範囲内の波長を有する光を放射するよう構成されたLEDであり、
前記1または複数の光センサは、前記所定の波長、または、前記所定の波長範囲内の波長を有する光を検出するよう適合されている、装置。
[形態14]
形態13に記載の装置であって、前記装置は、前記所定の波長、または、前記所定の波長範囲内の波長を有する光を選択的に伝達するよう構成された光学フィルタを備える、装置。
[形態15]
形態1から形態14のいずれか一項に記載の装置であって、前記装置は、さらに、前記発光加熱素子アレイに供給される電力を制御すると共に、前記1または複数の光センサの測定値出力を受信するよう構成されたコントローラを備える、装置。
[形態16]
形態15に記載の装置であって、前記コントローラは、前記1または複数の光センサの測定値出力、または、前記測定値出力から導出された情報を、基準値と比較し、前記比較に基づいて、
前記発光加熱素子アレイに含まれる前記発光加熱素子の内の1以上の素子の動作状態に関する情報を決定し、および/または、
前記発光加熱素子アレイに含まれる前記発光加熱素子の内の1以上の素子に供給される前記電力を調整するよう構成されている、装置。
[形態17]
形態15または形態16に記載の装置であって、
前記発光加熱素子アレイは、複数の個別に制御可能な発光加熱素子グループで構成され、
前記コントローラは、前記複数の発光加熱素子グループの各々に供給される電力を個別に制御するよう構成されている、装置。
[形態18]
形態17に記載の装置であって、前記コントローラは、
前記複数の発光加熱素子グループの内の1グループの照度を示す測定値出力を前記1または複数の光センサから受信し、
その発光加熱素子グループについての前記測定値出力または前記測定値出力から導出された情報を、そのグループのための基準値と比較し、
前記比較に基づいて、
その発光加熱素子グループの動作状態に関する情報を決定し、および/または、
その発光加熱素子グループに供給される電力を制御するよう構成されている、装置。
[形態19]
形態16または形態18に記載の装置であって、前記基準値は、前記1または複数の光センサからの以前の測定値出力であるか、または、前記以前の測定値から導出される、装置。
[形態20]
形態1から形態19のいずれか一項に記載の装置を制御する方法であって、
前記発光加熱素子アレイに電力を供給する工程と、
前記1または複数の光センサから測定値出力を受信する工程と、
前記測定値出力、または、前記測定値出力から導出された情報を、基準値と比較する工程と、
前記比較に基づいて、
前記発光加熱素子アレイの動作状態に関する情報を決定し、および/または、
前記発光加熱素子アレイに供給される電力を制御する工程と、
を備える、方法。
[形態21]
形態20に記載の方法であって、
前記発光加熱素子の内の1または複数の素子へ選択的に電力を供給する工程と、
前記発光加熱素子の内の前記1または複数の素子の動作状態に関する情報を決定する工程と、
を備える、方法。
図1a
図1b
図2
図3
図4