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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】灯具ユニット
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/40 20180101AFI20240828BHJP
   F21S 41/675 20180101ALI20240828BHJP
   F21S 41/20 20180101ALI20240828BHJP
   F21S 41/147 20180101ALI20240828BHJP
   F21S 41/36 20180101ALI20240828BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20240828BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20240828BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20240828BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240828BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20240828BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20240828BHJP
【FI】
F21S41/40
F21S41/675
F21S41/20
F21S41/147
F21S41/36
F21V7/00 590
F21W102:00
F21Y101:00 100
F21Y101:00 300
F21Y115:10
F21Y115:30
F21Y115:20
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021556080
(86)(22)【出願日】2020-11-09
(86)【国際出願番号】 JP2020041677
(87)【国際公開番号】W WO2021095673
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2023-08-16
(31)【優先権主張番号】P 2019206744
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】本多 貴彦
(72)【発明者】
【氏名】望月 幸平
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-072765(JP,A)
【文献】特開2008-204913(JP,A)
【文献】特開2014-056746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/00
F21V 7/00
F21W 102/00
F21Y 101/00
F21Y 115/10
F21Y 115/30
F21Y 115/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを含む投影光学系と、
入射した光を選択的に前記投影光学系に向けて反射する反射部を有する光偏向装置と、
光源と、前記光源から出射した光を前記反射部に向けて反射する主リフレクタと、を有する照射光学系と、
前記光源の光を反射する第1の補助リフレクタであり、前記光源から前記レンズへ直接向かう光を遮蔽する遮蔽部と、
前記第1の補助リフレクタで反射された光を前記レンズへ向けて反射する第2の補助リフレクタと、を備え、
前記遮蔽部は、前記反射部から前記レンズへ向かう光を妨げないように配置されており、
前記第2の補助リフレクタは、前記主リフレクタで反射して前記光偏向装置へ向かう光を妨げないように配置されており、かつ、反射した光が前記レンズに入射するように構成されており、
前記レンズは、前記第2の補助リフレクタで反射した光がグレアとならないように該光を内面反射するように構成されることを特徴とする灯具ユニット。
【請求項2】
レンズを含む投影光学系と、
入射した光を選択的に前記投影光学系に向けて反射する反射部を有する光偏向装置と、
光源と、前記光源から出射した光を前記反射部に向けて反射する主リフレクタと、を有する照射光学系と、
前記光源の光を反射する第1の補助リフレクタであり、前記光源から前記レンズへ直接向かう光を遮蔽する遮蔽部と、
前記第1の補助リフレクタで反射された光を反射する第2の補助リフレクタと、
前記第2の補助リフレクタで反射された光を前記レンズへ向けて反射する第3の補助リフレクタと、を備え、
前記遮蔽部は、前記反射部から前記レンズへ向かう光を妨げないように配置されており、
前記第2の補助リフレクタは、前記主リフレクタで反射して前記光偏向装置へ向かう光を妨げないように配置されており、かつ、前記光偏向装置より下方に配置されており、
前記第3の補助リフレクタは、反射された光がロービーム用配光パターンに利用されるように前記レンズの所定の領域に向けて反射するように構成されていることを特徴とする灯具ユニット。
【請求項3】
前記光偏向装置は、反射部の前方側に配置された透明なカバー部材を有し、
前記主リフレクタは、該主リフレクタで反射して前記光偏向装置へ向かう光のうち前記カバー部材で反射された光が前記レンズに入射しないように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の灯具ユニット。
【請求項4】
前記光偏向装置は、前記反射部としてマイクロミラーアレイを有し、
前記マイクロミラーアレイの各ミラー素子は、前記照射光学系により照射された光を所望の配光パターンの一部として有効に利用されるように前記投影光学系へ向けて反射する第1反射位置と、前記照射光学系により照射された光が有効に利用されないように反射する第2反射位置とを切り替え可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の灯具ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灯具ユニットに関し、例えば、車両用前照灯に用いられる灯具ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マトリックス状に配列された複数の反射素子が表面に設けられた光偏向装置により、光源から出射した光を選択的に反射することで、車両前方を所定の配光パターンで照射する車両用前照灯が考案されている(特許文献1)。
【0003】
反射装置は、多数個の反射素子がそれぞれ傾倒可能に配置されており、多数個の反射素子の位置を第1位置と第2位置とに切り替え可能である。そして、反射装置は、各反射素子を、光源からの光の反射方向が配光パターンの形成に寄与する第1位置と配光パターンの形成に寄与しない第2位置とに適宜変化させることで、路面などを照明する配光パターンを形成するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-64964
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の車両用前照灯では、光源から出射した光の一部がそのまま投影レンズに入射すると、路面などを照明するように制御された配光パターン以外の領域が照射され、他車両や歩行者にグレアを与えるおそれがある。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その例示的な目的のひとつは、グレアを低減した新たな灯具ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の灯具ユニットは、レンズを含む投影光学系と、入射した光を選択的に投影光学系に向けて反射する反射部を有する光偏向装置と、光源と、光源から出射した光を反射部に向けて反射する主リフレクタと、を有する照射光学系と、光源からレンズへ直接向かう光を遮蔽する遮蔽部と、を備える。遮蔽部は、反射部からレンズへ向かう光を妨げないように配置されている。
【0008】
この態様によると、光源から出射した光が直接レンズへ入射することを抑制できる。
【0009】
光偏向装置は、反射部の前方側に配置された透明なカバー部材を有してもよい。主リフレクタは、該主リフレクタで反射して光偏向装置へ向かう光のうちカバー部材で反射された光がレンズに入射しないように構成されていてもよい。これにより、カバー部材で反射された、いわゆる制御されていない光がレンズに入射することを抑制できる。
【0010】
遮蔽部は、光源の光を反射する第1の補助リフレクタであり、第1の補助リフレクタで反射された光をレンズへ向けて反射する第2の補助リフレクタを更に備えてもよい。第2の補助リフレクタは、主リフレクタで反射して光偏向装置へ向かう光を妨げないように配置されており、かつ、レンズへ向けて反射した光がレンズで光路が変化して出射した場合にグレアとならないように構成されていてもよい。これにより、第2の補助リフレクタで反射されてレンズへ向かう光がグレアとなることを抑制できる。
【0011】
遮蔽部は、光源の光を反射する第1の補助リフレクタであり、第1の補助リフレクタで反射された光を反射部へ向けて反射する第2の補助リフレクタを更に備えてもよい。第2の補助リフレクタは、主リフレクタで反射して光偏向装置へ向かう光を妨げないように配置されており、かつ、反射した光が反射部でレンズに向けて反射され該レンズで光路が変化して出射した場合に配光パターンとして有効に利用できるように構成されていてもよい。これにより、光源からレンズへ直接向かう方向に出射した光であっても、光偏向装置の反射部によって制御された反射光となるので、配光パターンとして有効に利用でき、光源から出射する光の利用効率が向上する。
【0012】
遮蔽部は、光源の光を反射する第1の補助リフレクタであり、第1の補助リフレクタで反射された光を反射する第2の補助リフレクタと、第2の補助リフレクタで反射された光をレンズへ向けて反射する第3の補助リフレクタと、を更に備えてもよい。第2の補助リフレクタは、主リフレクタで反射して光偏向装置へ向かう光を妨げないように配置されており、かつ、光偏向装置より下方に配置されており、第3の補助リフレクタは、反射された光がロービーム用配光パターンに利用されるようにレンズの所定の領域に向けて反射するように構成されていてもよい。これにより、光源からレンズへ直接向かう方向に出射した光であっても、ロービーム用配光パターンとして有効に利用でき、光源から出射する光の利用効率が向上する。
【0013】
光偏向装置は、反射部としてマイクロミラーアレイを有してもよい。マイクロミラーアレイの各ミラー素子は、照射光学系により照射された光を所望の配光パターンの一部として有効に利用されるように投影光学系へ向けて反射する第1反射位置と、照射光学系により照射された光が有効に利用されないように反射する第2反射位置とを切り替え可能に構成されていてもよい。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、グレアを低減した新たな灯具ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】車両用前照灯の概略構成を示す鉛直断面図である。
図2】車両用前照灯の要部構造を模式的に示す斜視図である。
図3】光偏向装置の概略断面図である。
図4】第1の実施の形態に係る灯具ユニットの概略構成を示す模式図である。
図5】第2の実施の形態に係る灯具ユニットの概略構成を示す模式図である。
図6】第3の実施の形態に係る灯具ユニットの概略構成を示す模式図である。
図7】第4の実施の形態に係る灯具ユニットの概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述される全ての特徴やその組合せは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0018】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る灯具ユニットは、種々の車両用灯具に用いることができる。はじめに、第1の実施の形態に係る灯具ユニットを搭載可能な車両用前照灯の概略について説明する。
【0019】
図1は、車両用前照灯の概略構成を示す鉛直断面図である。図2は、車両用前照灯の要部構造を模式的に示す斜視図である。
【0020】
車両用前照灯10は、車両前方側に開口部を有するランプボディ12と、ランプボディ12の開口部を覆うように取り付けられた透光カバー14とを備える。透光カバー14は、透光性を有する樹脂やガラス等で形成される。ランプボディ12と透光カバー14とにより形成される灯室16内には、灯具ユニット18が収容されている。
【0021】
灯具ユニット18は、投影レンズ20を含む投影光学系22と、入射した光を選択的に投影光学系22に向けて反射する反射部24を有する光偏向装置26と、光源28と、光源28から出射した光を反射部24に向けて反射する主リフレクタ30と、を有する照射光学系32と、を備える。各部は、図示しない支持機構によりランプボディ12に取り付けられている。
【0022】
光源28は、LED(Light emitting diode)、LD(Laser diode)、EL(Electroluminescence)素子等の半導体発光素子や、電球、白熱灯(ハロゲンランプ)、放電灯(ディスチャージランプ)等を用いることができる。主リフレクタ30は、光源28から出射した光を光偏向装置26の反射部24に導くように、内面30aが所定の反射面で構成されている。
【0023】
光偏向装置26は、投影レンズ20の光軸上に配置され、光源28から出射した光を選択的に投影レンズ20へ反射するように構成されている。光偏向装置26は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)やDMD(Digital Mirror Device)といった複数の微小ミラーをアレイ(マトリックス)状に配列したものである。これらの複数の微小ミラーの反射面の角度をそれぞれ制御することで、光源28から出射した光の反射方向を選択的に変えることができる。つまり、光源28から出射した光の一部を投影レンズ20へ向けて反射し、それ以外の光を投影レンズ20外の方向へ向けて反射することができる。
【0024】
図3は、光偏向装置の概略断面図である。光偏向装置26は、複数の微小なミラー素子34がマトリックス状に配列された反射部24としてのマイクロミラーアレイ36と、ミラー素子34の反射面34aの前方側(図3では右側)に配置された透明なカバー部材38と、を有する。ミラー素子34は略正方形であり、水平方向に延びミラー素子をほぼ等分する回動軸34bを有している。
【0025】
マイクロミラーアレイ36の各ミラー素子34は、照射光学系32により照射された光を所望の配光パターンの一部として有効に利用されるように投影光学系22へ向けて反射する第1反射位置(図3の実線で表すON状態)と、照射光学系32により照射された光が有効に利用されないように反射する第2反射位置(図3の点線で表すOFF状態)と、を個別に切り替え可能に構成されている。
【0026】
投影レンズ20は、例えば、図1に示すように、前方側表面及び後方側表面が自由曲面形状を有する自由曲面レンズからなり、投影レンズ20の後方焦点を含む後方焦点面上に形成される光源像を、反転像として灯具前方の仮想鉛直スクリーン上に配光パターンとして投影する。投影レンズ20は、その後方焦点が車両用前照灯10の光軸上、かつ光偏向装置26のマイクロミラーアレイ36の反射面の近傍に位置するように配置される。
【0027】
図4は、第1の実施の形態に係る灯具ユニットの概略構成を示す模式図である。なお、図4に示す光偏向装置26では、マイクロミラーアレイ36のうちの一つのミラー素子34のみを図示している。
【0028】
図4に示すラインL1は、ミラー素子34の反射面34aがニュートラルな位置P0(第1反射位置P1と第2反射位置P2との間)にある場合の反射面34aの法線方向を示す。また、ラインL2は、ミラー素子34の反射面34aが第1反射位置P1にある場合の反射面34aの法線方向を示す。ラインL3は、ラインL2を軸としてラインL5を反転させた線である。
【0029】
ラインL4は、ラインL1を軸としてラインL6を反転させた線である。ラインL5は、ミラー素子34の反射面34aの中心と投影レンズ20の端部とを結ぶ方向を示す。ラインL6は、カバー部材38の表面の中心と投影レンズ20の端部とを結ぶ方向を示す。
【0030】
図4に示す角度α1は、ラインL1とラインL2とが成す角度であり、ミラー素子34の反射面34aがニュートラルな位置P0と第1反射位置P1との成す角度(ミラー旋回角)を意味する。角度α2は、ラインL1とラインL6とが成す角度である。角度α3は、ラインL2とラインL5とが成す角度である。
【0031】
ここで、主リフレクタ30の好ましい配置について説明する。第1に、主リフレクタ30は、主リフレクタ30で反射された光のうちカバー部材38の表面で反射された光が投影レンズ20に入射しないように配置されるとよい。そのためには、ラインL4に沿った主リフレクタ30における反射光が、ラインL6よりも外側の領域(図4のラインL6よりも上側領域)に向かうように、主リフレクタ30の上端を設定すればよい。つまり、ラインL4とラインL1とが成す角度α2’が角度α2以上(あるいは角度α2より大きい)であればよい。
【0032】
第2に、主リフレクタ30は、光偏向装置26からの反射光(ミラー素子34の反射面34aが第1反射位置P1にある場合の反射光)が投影レンズ20に入射するように配置されるとよい。そのためには、ラインL3に沿った主リフレクタ30における反射光が、ラインL5よりも内側の領域(図4のラインL5よりも下側領域)に向かうように、主リフレクタ30の下端を設定すればよい。つまり、ラインL2とラインL3とが成す角度α3’が角度α3以下(あるいは角度α3より小さい)であればよい。
【0033】
したがって、主リフレクタ30の好ましい配置は、図4に示すラインL3とラインL4との間の領域Rである。
【0034】
しかしながら、領域Rに配置した主リフレクタ30の構成によっては、光源28から投影レンズ20へ直接向かう光GLが生じる。光GLが投影レンズ20の入射面20aに下方から大きな入射角度で入射すると、投影レンズ20で屈折したとしても上方に向かって出射し、グレア光となる可能性がある。
【0035】
そこで、本実施の形態に係る灯具ユニット18は、光源28から投影レンズ20へ直接向かう光GLを遮蔽する遮蔽部40と、を備える。遮蔽部40は、光偏向装置26の反射部24から投影レンズ20へ向かう光を妨げないように配置されている。また、遮蔽部40は、黒樹脂等の光吸収部材であってもよく、表面に反射膜が形成された反射部材であってもよい。反射部材は、光GLを下方に反射するように反射面が形成されていてもよい。このような遮蔽部40によって、光源28から出射した光が直接投影レンズ20へ入射することを抑制できる。
【0036】
前述のように、図4の領域Rに配置されている主リフレクタ30は、主リフレクタ30で反射して光偏向装置26へ向かう光のうちカバー部材38で反射された光が投影レンズ20に入射しないように構成されている。これにより、カバー部材38で反射された、いわゆる制御されていない光が投影レンズ20に入射することを抑制でき、グレアを低減した新たな灯具ユニットを提供できる。
【0037】
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施の形態に係る灯具ユニットの概略構成を示す模式図である。なお、第1の実施の形態に係る灯具ユニットと同様の構成については同じ符号を付して説明を適宜省略する。
【0038】
第2の実施の形態に係る灯具ユニット42は、前述の遮蔽部の機能を果たし、光源28の光を反射する補助リフレクタ44と、補助リフレクタ44で反射された光を投影レンズ20へ向けて反射する補助リフレクタ46と、を備えている。補助リフレクタ46は、主リフレクタ30で反射して光偏向装置26へ向かう光を妨げないように配置されている。具体的には、補助リフレクタ46は、主リフレクタ30が配置されている領域Rより下方、かつ、ラインL3より下方に配置されている。
【0039】
また、補助リフレクタ46は、投影レンズ20へ向けて反射した光R1が投影レンズ20で光路が変化して出射した場合にグレアとならないように構成されている。ここで、補助リフレクタ44および補助リフレクタ46の反射面は、前述の構成を満たすために、互いに自由曲面を用いて設計されていてもよい。
【0040】
本実施の形態に係る灯具ユニット42では、投影レンズ20に入射した光R1は、投影レンズ20の内部で全反射しながら下方に出射する。これにより、補助リフレクタ46で反射されて投影レンズ20へ向かう光が、投影レンズ20の前面からグレアとして出射することを抑制できる。
【0041】
(第3の実施の形態)
図6は、第3の実施の形態に係る灯具ユニットの概略構成を示す模式図である。なお、第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る灯具ユニットと同様の構成については同じ符号を付して説明を適宜省略する。
【0042】
第3の実施の形態に係る灯具ユニット48は、前述の遮蔽部の機能を果たし、光源28の光を反射する補助リフレクタ44と、補助リフレクタ44で反射された光を反射部24へ向けて反射する補助リフレクタ50と、を備えている。補助リフレクタ50は、主リフレクタ30で反射して光偏向装置26へ向かう光を妨げないように配置されている。具体的には、補助リフレクタ50は、主リフレクタ30が配置されている領域Rより下方、かつ、ラインL3より下方に配置されている。
【0043】
また、補助リフレクタ50は、反射した光R2が反射部24で投影レンズ20に向けて反射され、投影レンズ20で光路が変化して出射した場合に配光パターンとして有効に利用できるように構成されている。ここで、補助リフレクタ44および補助リフレクタ50の反射面は、前述の構成を満たすために、互いに自由曲面を用いて設計されていてもよい。例えば、補助リフレクタ44は、光源28を第1焦点、補助リフレクタ50近傍に第2焦点を有する楕円面で構成してもよい。
【0044】
これにより、光源28から投影レンズ20へ直接向かう方向に出射した光であっても、光偏向装置26の反射部24によって制御された反射光R3となるので、配光パターンとして有効に利用でき、光源28から出射する光の利用効率が向上する。
【0045】
(第4の実施の形態)
図7は、第4の実施の形態に係る灯具ユニットの概略構成を示す模式図である。なお、第1の実施の形態乃至第3の実施の形態に係る灯具ユニットと同様の構成については同じ符号を付して説明を適宜省略する。
【0046】
第4の実施の形態に係る灯具ユニット52は、前述の遮蔽部の機能を有し、光源28の光を反射する補助リフレクタ44と、補助リフレクタ44で反射された光を上方へ向けて反射する補助リフレクタ54と、補助リフレクタ54で反射された光を投影レンズ20へ向けて反射する補助リフレクタ56と、を備えている。補助リフレクタ54は、主リフレクタ30で反射して光偏向装置26へ向かう光を妨げないように配置されている。具体的には、補助リフレクタ54は、主リフレクタ30が配置されている領域Rより下方、かつ、ラインL3より下方に配置されている。
【0047】
また、補助リフレクタ54は、光偏向装置26より下方に配置されており、補助リフレクタ56は、反射された光がロービーム用配光パターンに利用されるように投影レンズ20の所定の領域に向けて反射するように構成されている。ここで、補助リフレクタ44および補助リフレクタ54の反射面は、前述の構成を満たすために、互いに自由曲面を用いて設計されていてもよい。
【0048】
これにより、光源28から投影レンズ20へ直接向かう方向に出射した光であっても、ロービーム用配光パターンとして有効に利用でき、光源28から出射する光の利用効率が向上する。
【0049】
以上、本発明を上述の実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態や変形例に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、車両用前照灯に用いられる灯具ユニットに利用できる。
【符号の説明】
【0051】
L1 ライン、 P1 第1反射位置、 R1 光、 L2 ライン、 P2 第2反射位置、 R2 光、 L3 ライン、 R3 反射光、 L4,L5,L6 ライン、
10 車両用前照灯、 12 ランプボディ、 14 透光カバー、 16 灯室、 18 灯具ユニット、 20 投影レンズ、 20 直接投影レンズ、 20a 入射面、 22 投影光学系、 24 反射部、 26 光偏向装置、 28 光源、 30 主リフレクタ、 30a 内面、 32 照射光学系、 34 ミラー素子、 34a 反射面、 34b 回動軸、 36 マイクロミラーアレイ、 38 カバー部材、 40 遮蔽部、 42 灯具ユニット、 44,46 補助リフレクタ、 48 灯具ユニット、 50 補助リフレクタ、 52 灯具ユニット、 54,56 補助リフレクタ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7