(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
H04R 7/04 20060101AFI20240828BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20240828BHJP
【FI】
H04R7/04
H04R1/02 102Z
(21)【出願番号】P 2022015049
(22)【出願日】2022-02-02
(62)【分割の表示】P 2020116044の分割
【原出願日】2020-07-06
【審査請求日】2022-02-09
(31)【優先権主張番号】10-2019-0080583
(32)【優先日】2019-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, スンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ナム, スルギ
(72)【発明者】
【氏名】キム, テヒョン
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/070399(WO,A1)
【文献】特開2014-131300(JP,A)
【文献】国際公開第2016/067667(WO,A1)
【文献】特開2017-184223(JP,A)
【文献】国際公開第2018/123310(WO,A1)
【文献】特開2014-174391(JP,A)
【文献】特開2010-199818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00- 1/02
H04R 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動板;
前記振動板の後端にあるガイドパネル;
前記ガイドパネルと前記振動板の前記後端との間にある固定部材;
前記固定部材の内側にあって、前記ガイドパネルと前記振動板の前記後端との間に設けられ、前記固定部材とは異なる材料である振動吸収体;及び
前記振動板を振動させるように構成された振動発生装置を含み、
前記振動吸収体の厚みは、前記固定部材の厚みとは異なる、
セット装置。
【請求項2】
前記振動吸収体は、弾性素材を含む、請求項1に記載のセット装置。
【請求項3】
前記振動吸収体は、弾性素材を含み、
前記固定部材は、接着媒体を含む、請求項1に記載のセット装置。
【請求項4】
前記固定部材は、有機接着物質、光硬化性接着物質、または熱硬化性接着物質を含む、請求項1に記載のセット装置。
【請求項5】
前記固定部材は、前記振動板の後端に固定されるように構成され、
前記振動吸収体は、前記振動板の後端に接するように構成される、請求項1に記載のセット装置。
【請求項6】
前記振動吸収体は、丸みを帯びた面取り形状または斜線面取り形状を含んだ内側の角の部分を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のセット装置。
【請求項7】
前記振動吸収体の幅は、前記固定部材の幅より大きい、請求項1に記載のセット装置。
【請求項8】
前記ガイドパネルは、前面及び外側を有し、
前記振動吸収体は、前記ガイドパネルの前記前面と前記振動板の前記後端との間にあり、
前記固定部材は、前記ガイドパネルの前記外側及び前記振動吸収体の外側を覆って、前記振動板の前記後端に接続される、請求項7に記載のセット装置。
【請求項9】
前記振動吸収体は、ウェーブ形状、鋸歯形状、または直線形状を含んだ内側を有する、請求項8に記載のセット装置。
【請求項10】
前記振動吸収体は、丸みを帯びた面取り形状または斜線面取り形状を含んだ内側の角の部分を有する、請求項7~9のいずれか一項に記載のセット装置。
【請求項11】
前記振動吸収体の厚みは、前記固定部材の厚みより大きい、請求項1に記載のセット装置。
【請求項12】
前記ガイドパネルは、前記振動吸収体の厚み及び前記固定部材の厚みに対応する階段状パターンを備える、請求項1に記載のセット装置。
【請求項13】
前記階段状パターンは、前記固定部材に対応する固定領域、及び前記振動吸収体に対応する振動吸収領域を有し、
前記固定領域の厚みは、前記振動吸収領域の厚みより大きい、請求項12に記載のセット装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のセット装置を備えた、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、表示装置に関するもので、より具体的には、音響を出力する表示パネルを有する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、表示装置は、テレビ、モニター、ノートパソコン、スマートフォン、タブレットコンピュータ、電子パッド、ウェアラブル機器、ウォッチフォン、携帯情報機器、ナビゲーション、または車両制御表示機器などの電子製品または家電製品に搭載して映像を表示する画面に使用される。
【0003】
一般的な表示装置は、映像を表現する表示パネル、および映像に関連した音響を出力するための音響装置を含むことができる。
【0004】
しかし、一般的な表示装置は、音響装置から出力する音響が、表示パネルの後方または下方に進行するので、壁または床から反射する音響間の干渉により音質が低下し、これにより、正確な音響伝達が難しいという問題点があり、視聴者の没入感が低下するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の発明者らは、一般的な表示装置の問題点を認識し、表示パネルの前方で映像を視聴する時、音響の進行方向が表示パネルの前方になることができ、音質を向上させることができるいくつかの実験を行った。複数の実験を経て、表示パネルの前方に進行することができる音響を発生することができ、音質を向上させることができる新しい構造の表示装置を発明した。
【0006】
本出願の一例による解決しようとする課題は、正確な音響伝達が可能な表示装置を提供することを技術的課題とする。本出願の一例による解決しようとする課題は、表示パネルの前方に進行することができる音響を発生させることができる表示装置を提供することである。
【0007】
本出願の一例による解決しようとする課題は、音質が改善され、視聴者の没入感を高めることができる表示装置を提供することを技術的課題とする。特に、表示パネルを直接振動するにおいて、表示パネルの端で反響する振動を抑制して、良質の音響を提供する表示装置を提供することを技術的課題とする。
【0008】
上述した本発明の技術的課題以外に、本発明の他の特徴および利点は、以下の記述または、そのような記述および説明から、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本出願の一例による表示装置は、表示モジュール、ガイドパネル、背面カバー、音響発生ユニット、固定部材および振動吸収体を含む。ガイドパネルは、表示モジュールの背面の縁に沿って配置される。背面カバーは、ガイドパネルに付着する。音響発生ユニットは、表示モジュールと背面カバーの間の空間に配置される。接着固定部材と振動吸収体は、ガイドパネルと表示モジュールの背面との間に配置される。接着固定部材は、ガイドパネルを表示モジュールの背面に固定する。振動吸収体は、表示モジュールの内側部に向かってガイドパネルに配置される。
【0010】
一例として、表示モジュールは、カバーグラスと表示パネルを備える。カバーグラスは、表示領域および表示領域を囲む非表示領域を備える。表示パネルは、表示領域に対応してカバーグラスの背面に付着する。
【0011】
一例として、ガイドパネルは、外郭部に対応する固定領域と、表示モジュールの内側部に配置されて固定領域と隣接する振動吸収領域を備える。接着固定部材は、固定領域に配置され、振動吸収体は、振動吸収領域に配置される。
【0012】
一例として、ガイドパネルの固定領域の厚さは、ガイドパネルの振動吸収領域の厚さよりも厚い。
【0013】
一例として、ガイドパネルは、剛性部と弾性部を含む。振動吸収体は、ガイドパネルと一体型に弾性部に対応して配置される。ガイドパネルは、接着固定部材によって表示モジュールに付着固定される。ガイドパネルの少なくとも剛性部は、背面カバーに付着固定される。
【0014】
一例として、振動吸収体は、表示モジュールの内側領域に延長された複数の延長突出部、そして表示モジュールの外側の領域に陥没した複数の陥没突出部のうちの少なくともいずれか一つを備える。
【0015】
一例として、延長突出部及び陥没突出部の少なくとも一つは、表示モジュールの四隅の少なくとも一つに配置される。
【0016】
一例として、延長突出部及び陥没突出部の少なくとも二つは、表示モジュールの互いに対向する二つの辺に配置される。
【0017】
本出願の他の例に係る表示装置は、表示モジュールは、接着固定部材、ガイドパネル、振動吸収体、背面カバーおよび音響発生ユニットを含む。表示モジュールは、表示領域と表示領域を囲む非表示領域を備える。接着固定部材は、非表示領域の背面で外郭部に配置される。ガイドパネルは、接着固定部材に接着される。振動吸収体は、非表示領域の背面で外郭部に隣接する内側部に配置される。背面カバーは、ガイドパネルの背面に合着固定される。音響発生ユニットは、表示領域の背面で背面カバーに配置される。
【0018】
一例として、表示モジュールは、表示領域および非表示領域を備えたカバーグラス、そしてカバーグラスの背面で表示領域に対応して配置された表示パネルを含む。音響発生ユニットは、表示パネルの背面に配置される。
【0019】
一例として、ガイドパネルは、外郭部に対応する固定領域、そして内側部に対応する振動吸収領域を備える。接着固定部材は、固定領域に配置され、振動吸収領域には、振動吸収体が配置される。
【0020】
一例として、ガイドパネルの固定領域は、振動吸収領域よりも厚さが厚い。振動吸収体は、振動吸収領域で表示モジュールの背面と接触して、ガイドパネルに付着する。
【0021】
一例として、ガイドパネルは、非表示領域の内側部に配置される。振動吸収体は、ガイドパネルの上部表面に付着し、非表示領域の背面と接触する。接着固定部材は、非表示領域の外郭部で、振動吸収体の外側面およびガイドパネルの外側面と付着する。
【0022】
一例として、ガイドパネルは、外郭部に配置された剛性部、そして内側部に配置された弾性部を備える。ガイドパネルの上部表面は、接着固定部材によって表示モジュールの非表示領域の背面に付着する。ガイドパネルの下部表面は、背面カバーに付着する。
【0023】
一例として、振動吸収体は、表示モジュールの内側領域に延長された複数の延長突出部、そして表示モジュールの外側領域に陥没した複数の陥没突出部のうちの少なくともいずれか一つを備える。
【発明の効果】
【0024】
本出願の一例によると、正確な音響伝達が可能な表示装置を提供することができ、音質が改善され、視聴者の没入感を高めることができる表示装置を提供することができる。本出願の一例によると、表示パネルの前方に音響を出力することができる表示装置を提供することができる。特に、表示パネルを直接振動することにより、パネルの端で反響する振動を抑制し、高品質の音質を提供することができる。
【0025】
前記した本出願の効果以外に、本出願の他の特徴および利点は、以下の記述および、そのような記述および説明から、本出願が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本出願による背面に音響発生ユニットが配置された表示装置を示す図である。
【
図2】
図1に示した切取線I-I’で切断した図で、本出願の第1実施例による表示装置の構造を示す断面図である。
【
図3】本出願の第2実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。
【
図4】本出願の第3実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。
【
図5】本出願の第4実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。
【
図6】本出願の第5実施例による表示装置の構造を示す背面図である。
【
図7】本出願の第6実施例による表示装置の構造を示す背面図である。
【
図8】本出願の様々な実施例による表示装置で測定した周波数対比音圧レベルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本出願の利点と特徴、そしてそれらを達成する方法は添付の図と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるだろう。しかし、本明細書は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、異なる多様な形態で具現されるものであり、単に本実施例は、本出願の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本明細書は、請求項の範疇によってのみ定義される。
【0028】
本出願の一例を説明するため、図に示した形状、大きさ、比率、角度、個数などは、例示的なものであって、本発明が図に示した事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一参照符号は同一の構成要素を指す。また、本発明を説明するにおいて、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0029】
本明細書で言及した「含む」、「有する」、「からなる」などが使用されている場合、「~だけ」が使用されていない限り、他の部分を追加することができる。構成要素を単数で表現した場合に特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0030】
構成要素を解釈するに当たり、別途の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0031】
位置関係についての説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~横に」などで2つの部分の位置関係が説明されている場合、「すぐに」または「直接」が使用されていない限り、二つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0032】
時間の関係についての説明である場合、例えば、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、「~前に」などで時間的前後関係が説明されている場合、「すぐに」または「直接」が使用されていない以上、連続的でない場合も含むことができる。
【0033】
第1、第2などが多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本出願の技術的思想内で第2構成要素であることもあり得る。
【0034】
本出願の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであるだけで、その用語によって、その構成要素の本質、順序、順番または個数などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」すると記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接に連結したり、または接続することができるが、特別に明示的な記載事項がない間接的に連結したりまたは接続することができる各構成要素の間に他の構成要素が「介在」することもあると理解しなければならない。
【0035】
「少なくとも一つ」の用語は、一つ以上の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むものと理解されなければならない。例えば、「第1項目、第2項目、および第3項目の中の少なくとも一つ」の意味は、第1項目、第2項目、または第3項目各々だけではなく、第1項目、第2項目、および第3項目の中から二つ以上で提示され得るすべての項目の組み合わせを含むとすることができる。
【0036】
本出願のいくつかの例のそれぞれの特徴が部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能で、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各例を互いに対して独立的に実施することができ、関連の関係で一緒に実施することもできる。
【0037】
本明細書で「表示装置」は、表示パネルと表示パネルを駆動するための駆動部を含む液晶モジュール(Liquid Crystal Module; LCM)または有機発光表示モジュール(Organic Light Emitting Display Module; OLED Module)、量子ドットモジュール(Quantum Dot Module; QD Module)などを含むことができる。また、本明細書で「表示装置」は、LCM、OLED、及びQDモジュールなどを含む完成品(complete productまたはfinal product)であるラップトップコンピュータ、テレビ、コンピュータモニタ、自動車用装置(automotive apparatus)または車両(vehicle)の他の形態などを含む電装装置(equipment apparatus)、スマートフォンまたは電子パッドなどのモバイル電子機器(mobile electronic apparatus)などのセットの電子装置(set electronic apparatus)またはセット装置(set deviceまたはset apparatus)も含むことができる。
【0038】
したがって、本明細書での表示装置は、LCM、OLED、およびQDモジュールなどの表示装置自体、およびLCM、OLED、及びQDモジュールなどを含む応用製品またはエンドユーザーのための装置であるセット装置までを含むことができる。
【0039】
また、他の例では、表示パネルと駆動部などで構成されるLCM、OLED、およびQDモジュールを「表示装置」として表現し、LCM、OLED、およびQDモジュールを含む完成品としての電子機器を「セット装置」と、選択的に表現することもできる。例えば、表示装置は、液晶または有機発光の表示パネル、および表示パネルを駆動するための制御部であるソースプリント回路基板(source PCB)を含むことができる。セット装置は、表示装置、およびソースPCBに電気的に接続してセット装置全体を駆動するセット制御部であるセットPCBまたは制御PCBを含むことができる。
【0040】
本明細書の実施例に使用される表示パネルは、液晶表示パネル、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode)表示パネル、および電界発光表示パネル(electroluminescent display panel)などのすべての形態の表示パネルを用いることができ、実施例に限定されるものではない。例えば、表示パネルは、音響発生モジュールによって振動することによって音響を発生することができるなんらかの表示パネルであり得る。また、本明細書の実施例による表示装置に適用される表示パネルは、表示パネルの形態や大きさに限定されない。
【0041】
例えば、表示パネルが液晶表示パネルである場合には、表示パネルは、複数のゲートラインと複数のデータライン、及びゲートラインとデータラインによって定義される画素領域に形成される画素(pixel)(または副画素)を含む。また、表示パネルは、各画素の光透過度を調節するためのスイッチング素子である薄膜トランジスタを含むアレイ基板、カラーフィルタ、および/またはブラックマトリックスなどを備えた上部基板、およびアレイ基板と上部基板との間に形成される液晶層を含むことができる。
【0042】
そして、表示パネルが有機発光表示パネルである場合には、表示パネルは、複数のゲートラインと複数のデータライン、及びゲートラインとデータラインによって定義される画素領域に形成される画素(pixel)(または副画素)を含む。また、表示パネルは、各画素に選択的に電圧を印加するための素子である薄膜トランジスタを含むアレイ基板、アレイ基板上の有機発光素子層、および有機発光素子層を覆うようにアレイ基板上に配置される封止基板(またはカプセル化(encapsulation)基板)などを含むことができる。封止基板は、外部の衝撃から薄膜トランジスタおよび有機発光素子層などを保護し、有機発光素子層に水分や酸素が侵入することを防止することができる。そして、アレイ基板上に形成される有機発光素子層は、無機発光(inorganic light emitting)素子層、量子ドット発光(quantum dot light emitting)素子層、またはマイクロ発光ダイオード素子に変更することができる。
【0043】
本明細書で音響発生モジュールを含む表示装置は、自動車(automobile)での中央制御パネル(central control panel)などのユーザーインターフェースモジュール(user interface module)で車両(vehicle)に適用することができる。例えば、このような表示パネルは、表示パネルの振動が車両の内部に向かって伝播されるように二つの前座席の搭乗者(occupants)間に具現することができる。したがって、車両内でのオーディオ体験は、車両内部の側面(interior sides)にのみスピーカーを有することに比べて改善され得る。
【0044】
以下では、本出願による表示装置の例を添付の図を参照して詳細に説明する。各図の構成要素に参照符号を付加することにおいて、同一の構成要素については、たとえ他の図上に表示されていても、可能な限り同一の符号を有することができる。そして、添付した図に示した構成要素のスケールは、説明の便宜上、実際と異なるスケールを有するので、図に示したスケールに限定されない。
【0045】
図1は、本出願による背面に音響発生ユニットが配置された表示装置を示す図である。
図1を参照すると、本出願による表示装置は、映像を表示するための表示モジュール(DIS)の振動によって音響(S1、S2)を出力することができる。例えば、表示装置で、表示モジュール(DIS)は、振動発生装置(または音響発生装置)(EX)によって振動して音響(S1、S2)を発生することができる。表示モジュール(DIS)の振動によって発生する音響(S1、S2)の大部分は、表示装置の画面前方(FD)に向かって直接出力することができる。したがって、本出願による表示装置は、表示モジュール(DIS)を音響生成のための振動板として使用して、表示モジュール(DIS)の画面前方(FD)に音響(S1、S2)を出力することにより、正確な音響伝達が可能であり、音質が改善され、視聴者の没入感を高めることができる。
【0046】
本出願に基づく表示装置は、音響発生ユニットが表示モジュール(DIS)に振動を提供して、表示モジュール(DIS)自体が振動して音響を放出する。表示モジュール(DIS)は、カバーグラス(CG)のような振動可能な基板を使用するので、カバーグラス(CG)の角の部分で反響する振動によって音響振動が相殺されたり妨害を受け、音質が低下し得る。本出願は、このような問題を解消するために、反射振動を抑制するための構造体を備えた構造を提供する。以下、図を参照して、この出願の様々な実施例について詳細に説明する。
【0047】
第1実施例
【0048】
図2は、
図1に示した切取線I-I’で切断した図で、本出願の第1実施例による表示装置の構造を示す断面図である。
【0049】
図2を参照すると、本出願の第1実施例による表示装置は、表示モジュール(DIS)、ガイドパネル(GP)、背面カバー(BC)、接着固定部材(AD)、振動吸収体(DM)および音響発生ユニット(EX)を含むことができる。表示モジュール(DIS)は、液晶表示モジュールであり得るが、これに限定されない。例えば、発光表示モジュールは、電気泳動表示モジュール、マイクロ発光ダイオード表示モジュール、電子湿潤表示モジュール、または量子ドット発光表示モジュールなどの表示モジュールであり得る。
【0050】
表示モジュール(DIS)は、表示パネル(DP)とカバーグラス(CG)を含むことができる。カバーグラス(CG)は、表示領域(AA)と非表示領域(IA)を備えることができる。表示領域(AA)は、映像情報が表示される部分であり、非表示領域(IA)は、表示領域(AA)を囲む部分であり特別な映像情報を表示しないことができる。しかし、場合によっては、非表示領域(IA)に付加的な表示機能をさらに有したり、または特定の固定イメージを表示することもできる。カバーグラス(CG)の内側表面で表示領域(AA)には、表示パネル(DP)が付着していることができる。
【0051】
表示パネル(DP)は、映像を表示する素子であり、発光表示パネルで具現することができる。図に示さなかったが、表示パネル(DP)の表示素子を駆動するための外部回路部をカバーグラス(CG)の非表示領域(IA)に配置することができる。
【0052】
表示モジュール(DIS)の背面には、背面カバー(BC)が結合している。具体的には、表示モジュール(DIS)の非表示領域(IA)には、ガイドパネル(GP)が付着している。また、ガイドパネル(GP)の背面には、背面カバー(BC)が結合している。図に示さなかったが、ガイドパネル(GP)と背面カバー(BC)は、接着剤や結合ネジのような手段を用いて互いに結合することができる。
【0053】
背面カバー(BC)は、剛性を補完するために、複数の屈曲部を備えることにより、平坦でない表面状態を有することができる。背面カバー(BC)は、ガイドパネル(GP)と結合するための結合部710と結合部710から湾曲して延長されたボディ部730を備えることができる。結合部710は、ガイドパネル(GP)と面合着する結合面711を備えることができる。図に示さなかったが、結合面とガイドパネル(GP)の間に接着剤が介在していることもあり、結合部710を貫通してガイドパネル(GP)を締結するネジのような固定部材を含むこともできる。
【0054】
背面カバー(BC)で、表示領域(AA)の一部には、音響発生ユニット(EX)が配置され得る。図では、背面カバー(BC)の一部を貫通する貫通孔を介して音響発生ユニット(EX)が設置されている場合を示した。しかし、必ずしもこのような構造に限定されるものではなく、背面カバー(BC)の内側表面に音響発生ユニット(EX)を付着することもできる。したがって、音響発生ユニット(EX)は、表示モジュール(DIS)と背面カバー(BS)との間に設けられた空間に配置される構造を有する。
【0055】
また、図では、音響発生ユニット(EX)が表示モジュール(DIS)の背面に直接付着した構造を示している。これは、本出願の好ましい構造の一つとして提示したものであり、これに限定されるものではない。他の例として、音響発生ユニット(EX)が表示モジュール(DIS)と一定間隔離隔して直接振動を表示モジュール(DIS)に提供せず、空気を通じた音圧を提供することもできる。
【0056】
ガイドパネル(GP)は、表示モジュール(DIS)の非表示領域(IA)に対応して合着することができる。例えば、ガイドパネル(GP)の下部表面は、背面カバー(BS)に付着していて、上部表面は接着固定部材(AD)を媒介として表示モジュール(DIS)の背面に付着している。また、ガイドパネル(GP)と表示モジュール(DIS)の背面との間には、振動吸収体(DM)が介在している。振動吸収体(DM)は、弾性が非常に高い物質からなり得る。振動吸収体(DM)は、ガイドパネル(DP)の上部表面と表示モジュール(DIS)の背面と密着していることができる。場合によって、振動吸収体(DM)は、ガイドパネル(DP)とは、接着剤を介して付着し、表示モジュール(DIS)の背面とは、単純に密着状態を維持することができる。
【0057】
ガイドパネル(GP)は、接着固定領域(ADA)と振動吸収領域(DMA)を備える。接着固定領域(ADA)は、ガイドパネル(GP)を表示モジュール(DIS)に接着固定させる領域を意味する。振動吸収領域(DMA)は、ガイドパネル(GP)で接着固定領域(ADA)から内側に隣接する領域であって、音響発生ユニット(EX)で発生した振動を反射させず、吸収する領域を意味する。
【0058】
接着固定部材(AD)は、ガイドパネル(GP)を表示モジュール(DIS)に接着固定させる媒体であって、有機接着物質、光硬化性接着物質あるいは熱硬化性接着物質からなり得る。しかし、これに限定されるものではなく、ガイドパネル(GP)と表示モジュール(DIS)を結合することができるいかなる接着媒体も使用することができる。
【0059】
音響発生ユニット(EX)で振動が発生すると、表示モジュール(DIS)に伝達され、音響が発生する。このとき、振動は音響発生ユニット(EX)から表示モジュール(DIS)の端に伝播される。表示モジュール(DIS)の端には、ガイドパネル(GP)と表示モジュール(DIS)が接着固定部材(AD)によってしっかりと接着されているので、音響振動が接着固定部材(AD)で反響して表示モジュール(DIS)の中心部に戻り得る。このような反響振動は、音響発生ユニット(EX)から継続的に発生する音響振動と相殺されたり、振動に悪影響を与え、音質が低下することが起こり得る。
【0060】
しかし、本出願の第1実施例による表示装置は、接着固定部材(AD)と音響発生ユニット(EX)の間で接着固定部材(AD)と隣接して配置された振動吸収体(DM)をさらに備える。振動吸収体(DM)は、反響振動を吸収して削除することで、音響発生ユニット(EX)で発生する音響振動を正常な状態に保つことができる。
【0061】
また、図には振動吸収体(DM)の形状が長方形の構造である場合を示した。しかし、必要によって、表示モジュール(DIS)と接する角の部分に丸みを帯びた面取り形状を有したり、斜線面取り形状を有することができる。このような面取り形状は、表示モジュール(DIS)から伝達される振動が振動吸収体(DM)の先端とぶつかる、あるいは摩擦によって雑音が発生することを防止することができる。
【0062】
第1実施例では、ガイドパネル(GP)領域内に接着固定領域(ADA)と振動吸収領域(DMA)が一緒に配置されている。したがって、ガイドパネル(GP)が占める非表示領域内に接着固定部材(AD)と振動吸収体(DM)がすべて配置されることで、狭いベゼル構造を有しながらも、表示モジュール(DIS)から伝達される振動を効率的に吸収する効果を期待することができる。
【0063】
第2実施例
【0064】
図3は、本出願の第2実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。
図3による本出願の第2実施例は、基本的に第1実施例による表示装置と同様の構造を有する。差があるとすれば、ガイドパネル(GP)と表示モジュール(DIS)との間に配置された振動吸収体(DM)および接着固定部材(AD)の配置構造にある。
図3は、振動吸収体部分を拡大した図であり、第2実施例の特徴を拡大して示している。
図3に示さない構成要素については、第1実施例での説明を参照する。
【0065】
図3を参照すると、本出願の第2実施例による表示装置は、表示モジュール(DIS)、ガイドパネル(GP)、背面カバー(BC)、接着固定部材(AD)、振動吸収体(DM)および音響発生ユニット(EX)を含むことができる。
【0066】
表示モジュール(DIS)は、表示パネル(DP)とカバーグラス(CG)を含むことができる。カバーグラス(CG)は、表示領域(AA)と非表示領域(IA)を備えることができる。カバーグラス(CG)の内側表面で表示領域(AA)には、表示パネル(DP)が付着され得る。
【0067】
表示モジュール(DIS)の背面には、背面カバー(BC)が結合されている。具体的には、表示モジュール(DIS)の非表示領域(IA)には、ガイドパネル(GP)が配置されている。また、ガイドパネル(GP)の背面には、背面カバー(BC)が結合されている。
【0068】
背面カバー(BC)は、ガイドパネル(GP)と結合するための結合部710と結合部710から湾曲して延長されたボディ部730を備えることができる。結合部710は、ガイドパネル(GP)と面合着する結合面711を備えることができる。
【0069】
背面カバー(BC)で、表示領域(AA)の一部には、音響発生ユニット(EX)が配置され得る。ここで、音響発生ユニット(EX)は、図に示していないが、第1実施例の説明と同じ配置構造を有することができる。
【0070】
ガイドパネル(GP)は、表示モジュール(DIS)の非表示領域(IA)に対応して配置することができる。例えば、ガイドパネル(GP)の下部表面は、背面カバー(BS)に付着していて、上部表面には振動吸収体(DM)が配置され得る。ここで、振動吸収体(DM)は、ガイドパネル(GP)に付着することもでき、単純に密着した状態で結合することもできる。
【0071】
第2実施例では、接着固定部材(AD)が表示モジュール(DIS)の背面、振動吸収体(DM)の外側側面、そしてガイドパネル(GP)の外側側面を覆いながら、これらの表面を連結する構造で合着させることができる。
【0072】
第2実施例では、振動吸収体(DM)がガイドパネル(DP)全体と表示モジュール(DIS)の背面に密着した構造を有する。振動吸収体(DM)は、ガイドパネル(DP)と接着することもでき、単純に密着状態を維持することができる。また、振動吸収体(DM)は、表示モジュール(DIS)の背面と接着することもでき、単純に密着状態を維持することもできる。
【0073】
ガイドパネル(GP)は、接着固定領域(ADA)と振動吸収領域(DMA)を備える。接着固定領域(ADA)は、ガイドパネル(GP)を表示モジュール(DIS)に接着固定させる領域を意味する。振動吸収領域(DMA)は、ガイドパネル(GP)で接着固定領域(ADA)から内側に隣接する領域であって、音響発生ユニット(EX)で発生した振動を反射させずに、吸収する領域を意味する。
【0074】
第1実施例では、接着固定領域(ADA)がガイドパネル(GP)の一部として外郭部に定義されているが、第2実施例では、接着固定領域(ADA)がガイドパネル(GP)の外側に定義されている。また、第1実施例では、振動吸収領域(DMA)がガイドパネル(GP)の一部として内側部に定義されているが、第2実施例では、ガイドパネル(GP)自体が振動吸収領域(DMA)として定義されている。
【0075】
したがって、第2実施例では、振動吸収体(DM)の空間を最大限に広く確保が可能である。その結果、振動吸収体(DM)に、様々な形態的変化を加えることができる。例えば、振動吸収体(DM)の辺を単純に直線形状を有すること以外に、ウェーブ形状を付与したり、鋸歯形状を付与することができる。この場合、表示モジュール(DIS)から伝達される様々な周波数帯域の振動をより効率的に吸収することができる。
【0076】
接着固定部材(AD)は、ガイドパネル(GP)を表示モジュール(DIS)に接着固定させる媒体であり、有機接着材料あるいは熱硬化性接着物質からなることができる。
【0077】
音響発生ユニット(EX)で振動が発生すると、表示モジュール(DIS)に伝達され、音響が発生する。このとき、振動は音響発生ユニット(EX)から表示モジュール(DIS)の端に伝播される。本出願の第2実施例による表示装置は、接着固定部材(AD)と音響発生ユニット(EX)の間で接着固定部材(AD)と隣接して配置された振動吸収体(DM)をさらに備える。振動吸収体(DM)は、反響振動を吸収して削除することで、音響発生ユニット(EX)で発生する音響振動を正常な状態に保つことができる。
【0078】
図上では、振動吸収体(DM)の形状が長方形の構造である場合を示した。しかし、必要によっては、表示モジュール(DIS)と接する角の部分に丸みを帯びた面取り形状を有したり、斜線面取り形状を有することができる。このような面取り形状は、表示モジュール(DIS)から伝達される振動が振動吸収体(DM)の先端とぶつかる、あるいは摩擦によって雑音が発生することを防止することができる。
【0079】
第3実施例
【0080】
図4は、本出願の第3実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。第3実施例は、実質的に第1実施例とほぼ同一である。差があるとすれば、ガイドパネル(GP)の断面構造にある。
【0081】
図4を参照すると、本出願の第3実施例による表示装置は、表示モジュール(DIS)、ガイドパネル(GP)、背面カバー(BC)、接着固定部材(AD)、振動吸収体(DM)および音響発生ユニット(EX)を含むことができる。
【0082】
表示モジュール(DIS)は、表示パネル(DP)とカバーグラス(CG)を含むことができる。カバーグラス(CG)は、表示領域(AA)と非表示領域(IA)を備えることができる。カバーグラス(CG)の内側表面で表示領域(AA)には、表示パネル(DP)が付着され得る。
【0083】
表示モジュール(DIS)の背面には、背面カバー(BC)が結合されている。表示モジュール(DIS)の非表示領域(IA)には、ガイドパネル(GP)が付着している。また、ガイドパネル(GP)の背面には、背面カバー(BC)が結合している。
【0084】
背面カバー(BC)は、ガイドパネル(GP)と結合するための結合部710、そして結合部710から湾曲して延長されたボディ部730を備えることができる。結合部710は、ガイドパネル(GP)と面合着する結合面711を備えることができる。
【0085】
背面カバー(BC)において、表示領域(AA)の一部には、音響発生ユニット(EX)が配置され得る。音響発生ユニット(EX)は、表示モジュール(DIS)と背面カバー(BS)との間に設けられた空間に配置される構造を有する。
【0086】
ガイドパネル(GP)は、表示モジュール(DIS)の非表示領域(IA)に対応して合着することができる。ガイドパネル(GP)と表示モジュール(DIS)の背面との間には、振動吸収体(DM)が介在している。振動吸収体(DM)は、ガイドパネル(DP)の上部表面と表示モジュール(DIS)の背面と密着していることができる。場合によって、振動吸収体(DM)は、ガイドパネル(DP)とは、接着剤を介して付着し、表示モジュール(DIS)の背面とは、単純に密着状態を維持することができる。
【0087】
ガイドパネル(GP)は、接着固定領域(ADA)と振動吸収領域(DMA)を備える。接着固定領域(ADA)は、ガイドパネル(GP)を表示モジュール(DIS)に接着固定させる領域を意味する。振動吸収領域(DMA)は、ガイドパネル(GP)で、接着固定領域(ADA)から内側に隣接する領域であって、音響発生ユニット(EX)で発生した振動を反射させずに、吸収する領域を意味する。
【0088】
第3実施例では、接着固定領域(ADA)の厚さが振動吸収領域(DMA)の厚さよりも厚い階段状(step pattern)を有することができる。例えば、接着固定部材(AD)が非常に薄い両面テープを使用するか、薄く塗布する接着物質を使用している場合は、振動吸収体(DM)が振動を吸収するのに適した厚さを確保することは困難であり得る。この場合には、ガイドパネル(GP)の厚さを基準に、振動吸収領域(DMA)部分のガイドパネルを除去して、接着固定領域(ADA)よりも薄い厚さを有するように形成することができる。
【0089】
この場合には、振動吸収領域(DMA)に配置される振動吸収体(DM)がかなり厚い厚さを有することで、音響発生ユニット(EX)で発生して表示モジュール(DIS)を介して伝達される音の振動を効果的に吸収して、反射振動が発生することを完全に遮断することができる。
【0090】
第3実施例の構造は、接着固定部材(AD)に非常に薄い接着剤を使用する場合に、振動吸収体(DM)の十分な厚さを確保するために、適切な構造である。例えば、接着固定部材(AD)が数μmレベルの厚さを有する接着物質である場合、数mmの厚さを有する振動吸収体(DM)を具備するためには、ガイドパネル(GP)で、振動吸収領域(DMA)に振動吸収体(DM)を実装する適切な厚さを有するように形成することが好ましい。
【0091】
本出願の第3実施例による表示装置は、接着固定部材(AD)と音響発生ユニット(EX)の間では、接着固定部材(AD)と隣接して配置された振動吸収体(DM)をさらに備える。振動吸収体(DM)は、反響振動を吸収して削除することで、音響発生ユニット(EX)で発生する音響振動を正常な状態に保つことができる。
【0092】
第4実施例
【0093】
図5は、本出願の第4実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。第4実施例では、振動吸収体を別途に備えず、ガイドパネル(GP)の一部を振動吸収体に構成した場合を説明する。
【0094】
図5を参照すると、本出願の第4実施例による表示装置は、表示モジュール(DIS)、ガイドパネル(GP)、背面カバー(BC)、接着固定部材(AD)および音響発生ユニット(EX)を含むことができる。表示モジュール(DIS)は、表示パネル(DP)とカバーグラス(CG)を含むことができる。カバーグラス(CG)は、表示領域(AA)と非表示領域(IA)を備えることができる。カバーグラス(CG)の内側表面で表示領域(AA)には、表示パネル(DP)が付着し得る。
【0095】
表示モジュール(DIS)の背面には、背面カバー(BC)が結合している。具体的には、表示モジュール(DIS)の非表示領域(IA)には、ガイドパネル(GP)が付着している。また、ガイドパネル(GP)の背面には、背面カバー(BC)が結合している。
【0096】
背面カバー(BC)は、ガイドパネル(GP)と結合するための結合部710、そして結合部710から湾曲して延長されたボディ部730を備えることができる。結合部710は、ガイドパネル(GP)と面合着する結合面711を備えることができる。
【0097】
ガイドパネル(GP)は、表示モジュール(DIS)の非表示領域(IA)に対応して合着することができる。例えば、ガイドパネル(GP)の下部表面は、背面カバー(BC)に付着していて、上部表面は接着固定部材(AD)を媒介として表示モジュール(DIS)の背面に付着している。
【0098】
ガイドパネル(GP)は、接着固定領域(ADA)と振動吸収領域(DMA)を備える。接着固定領域(ADA)は、ガイドパネル(GP)を表示モジュール(DIS)に接着固定させる領域を意味する。振動吸収領域(DMA)は、ガイドパネル(GP)で接着固定領域(ADA)から内側に隣接する領域であって、音響発生ユニット(EX)で発生した振動を反射させずに、吸収する領域を意味する。
【0099】
第4実施例では、ガイドパネル(GP)は剛性部(RA)と弾性部(EA)を備えることができる。剛性部(RA)は、接着固定領域(ADA)に対応する部分として定義することができる。弾性部(EA)は、振動吸収領域(DMA)に対応する部分として定義することができる。これにより、第4実施例では、振動吸収体を別個に備えずに、ガイドパネル(GP)の一部の形状を改造して形成した弾性部(EA)が振動吸収体の代わりをすることができる。
【0100】
したがって、ガイドパネル(GP)が占める領域を自由に設計が可能で、様々な形状の構造体に適用することができる。また、振動吸収体(DM)を別途に設定していないので、製造および組立工程では非常に容易に作業することができる。
【0101】
このようにガイドパネル(GP)自体に振動吸収体(DM)を一体的に形成する第4実施例では、第1実施例のように、ガイドパネル(GP)が配置される非表示領域(IA)の面積を最小化する利点を得ることができ、同時に振動吸収体(DM)を多様に形成することができる第2実施例の利点を有することができる。
【0102】
剛性部(RA)は、弾性がほとんどなく、表示モジュール(DIS)の背面と背面カバー(BC)の間を固定連結する部分である。弾性部(EA)は、剛性部(RA)から音響発生ユニット(EX)に向かって延長された部分である。弾性部(EA)は、断面構造で見たとき、鋸歯状あるいはバネの形状を有するようにパターン化したもので、剛性部(RA)と同一の物質で形成しても、形状によって弾力が剛性部(RA)に比べてはるかに改善された構造的特徴を有することができる。
【0103】
接着固定部材(AD)がガイドパネル(GP)の剛性部(RA)だけではなく、弾性部(EA)の上部表面に塗布されていて、ガイドパネル(GP)全体を表示モジュール(DIS)に接着固定することができる。この場合にも、弾性部(EA)の弾性力によって音響発生ユニット(EX)から伝達された音の振動を吸収して、反射振動を発生しない。
【0104】
また、場合によって、接着固定部材(AD)は、ガイドパネル(GP)の剛性部(RA)にのみ塗布して、弾性部(EA)は、表示モジュール(DIS)と密着して接触する状態を維持することができる。この場合にも、弾性部(EA)の弾性力によって音響発生ユニット(EX)から伝達された音の振動を吸収して、反射振動を発生しない。
【0105】
これまでは、表示モジュール(DIS)の背面に配置される振動吸収体(DM)の配置および構造を断面図で詳しくみた。以下では、平面図での振動吸収体(DM)の構造について詳細に説明する。
【0106】
第5実施例
【0107】
図6は、本出願の第5実施例による表示装置の構造を示す背面平面図である。
図6は、断面構造を示す先で参考にした図とは異なり、背面カバー(BC)が表現されていない。第5実施例では、平面図で見たガイドパネル(GP)、接着固定部(DA)および振動吸収体(DM)の配置関係を中心に説明する。
【0108】
図6を参照すると、本出願の第5実施例による表示装置は、表示モジュール(DIS)、ガイドパネル(GP)、背面カバー(BC)、接着固定部材(AD)、振動吸収体(DM)および音響発生ユニット(EX)を含むことができる。表示モジュール(DIS)は、表示パネル(DP)とカバーグラス(CG)を含むことができる。カバーグラス(CG)は、表示領域(AA)と非表示領域(IA)を備えることができる。カバーグラス(CG)の内側表面で表示領域(AA)には、表示パネル(DP)が付着し得る。
【0109】
表示モジュール(DIS)の背面には、背面カバー(BC)が結合している。具体的には、表示モジュール(DIS)の非表示領域(IA)には、ガイドパネル(GP)が付着している。また、ガイドパネル(GP)の背面には、背面カバー(BC)が結合しているが、平面図上では表現されない。
【0110】
ガイドパネル(GP)は、表示モジュール(DIS)の非表示領域(IA)に対応して合着することができる。ガイドパネル(GP)は、接着固定部材(AD)を用いて表示モジュール(DIS)の非表示領域(IA)に付着している。ガイドパネル(GP)に隣接して、内側には振動吸収体(DM)が配置されている。非表示領域(IA)に配置された振動吸収体(DM)は、表示モジュールの内側領域に延長された複数の延長突出部(DMI)をさらに備えることができる。振動吸収体(DM)は、非表示領域(IA)で表示モジュール(DIS)の背面に密着し得る。一方、延長突出部(DMI)は、振動吸収体(DM)が表示領域(AA)に延長して表示パネル(DP)の一部と密着することができる。
【0111】
延長突出部(DMI)は、鋸歯状、あるいは不規則な長さと幅を有する三角形の形が連続配列された構造を有することができる。このような複雑な構造は、音響発生ユニット(EX)で発生する振動の周波数が複雑多様で、これらの複合周波数を効率的に吸収して、反響振動を抑制することができる。
【0112】
また、振動吸収体(DM)は、表示モジュール(DIS)の非表示領域(IA)で表示モジュール(DIS)の外側に不規則に陥没した複数の陥没突出部(DMO)をさらに備えることができる。振動吸収体(DM)は、非表示領域(IA)で表示モジュール(DIS)の背面に密着し得る。一方、陥没突出部(DMO)も振動吸収体(DM)が非表示領域(IA)にさらに陥没した構造を有することで、非表示領域(IA)で表示モジュール(DIS)の背面と接着固定部材(AD)によって合着することができる。
【0113】
図6では、表示モジュール(DIS)の背面から左上隅と右下隅に延長突出部(DMI)が配置され、右上隅と左下隅に陥没突出部(DMO)が配置された場合を示した。しかし、これに限定されるものではなく、表示モジュール(DIS)の背面から四隅すべてに延長突出部(DMI)または陥没突出部(DMO)を配置することができる。
【0114】
図6で点線は、ガイドパネル(GP)が振動吸収体(DM)を一体に構成した構造で、接着固定部材(AD)の領域と、振動吸収体(DM)の領域を区分する境界線であり得る。例えば、
図5で接着固定領域(ADA)と振動吸収領域(DMA)を区別する境界線であり得る。
【0115】
本出願の第5実施例による表示装置は、接着固定部材(AD)と音響発生ユニット(EX)の間で、接着固定部材(AD)と隣接して配置された振動吸収体(DM)をさらに備える。特に、振動吸収体(DM)は、表示モジュール(DIS)の内側領域に延長された複数の延長突出部(DMI)と外側領域に陥没した複数の陥没突出部(DMO)のうちの少なくともいずれか一つを備えることができる。したがって、振動吸収体(DM)および延長突出部(DMI)または陥没突出部(DMO)は、音響発生ユニット(EX)で発生する音響振動の反響振動を抑制することができる。これにより、音響発生ユニット(EX)で発生する音響振動を高品質の状態に保つことができる。
【0116】
第6実施例
【0117】
図7は、本出願の第6実施例による表示装置の構造を示す背面平面図である。
図7においても断面構造を示す先に参考にした図とは異なり、背面カバー(BC)が表現されていない。第6実施例は、第5実施例とほぼ同じ構造を有する。差があるとすると、延長突出部(DMI)と陥没突出部(DMO)が隅だけではなく、少なくとも2つの隅の間を延長する、どれか一つの辺にも配置された差がある。
【0118】
図7を参照すると、本出願の第6実施例による表示装置は、表示モジュール(DIS)、ガイドパネル(GP)、背面カバー(BC)、接着固定部材(AD)、振動吸収体(DM)および音響発生ユニット(EX)を含むことができる。表示モジュール(DIS)は、表示パネル(DP)とカバーグラス(CG)を含むことができる。カバーグラス(CG)は、表示領域(AA)と非表示領域(IA)を備えることができる。カバーグラス(CG)の内側表面で表示領域(AA)には、表示パネル(DP)が付着し得る。
【0119】
表示モジュール(DIS)の背面には、背面カバー(BC)が結合している。具体的には、表示モジュール(DIS)の非表示領域(IA)には、ガイドパネル(GP)が付着している。また、ガイドパネル(GP)の背面には、背面カバー(BC)が結合しているが、平面図上には表現されない。
【0120】
ガイドパネル(GP)は、表示モジュール(DIS)の非表示領域(IA)に対応して合着することができる。ガイドパネル(GP)は、接着固定部材(AD)を用いて表示モジュール(DIS)の非表示領域(IA)に付着している。ガイドパネル(GP)に隣接して、内側には振動吸収体(DM)が配置されている。非表示領域(IA)に配置された振動吸収体(DM)は、表示モジュールの内側領域に延長された複数の延長突出部(DMI)をさらに備えることができる。振動吸収体(DM)は、非表示領域(IA)で表示モジュール(DIS)の背面に密着し得る。一方、延長突出部(DMI)は、振動吸収体(DM)が表示領域(AA)に延長されて表示パネル(DP)の一部と密着することができる。
【0121】
延長突出部(DMI)は、鋸歯状、あるいは不規則な長さと幅を有する三角形の形が連続配列した構造を有することができる。このような複雑な構造は、音響発生ユニット(EX)で発生する振動の周波数が複雑多様で、これらの複合周波数を効率的に吸収して、反響振動を抑制することができる。
【0122】
また、振動吸収体(DM)は、表示モジュール(DIS)の非表示領域(IA)で表示モジュール(DIS)の外側に不規則に陥没した複数の陥没突出部(DMO)をさらに備えることができる。振動吸収体(DM)は、非表示領域(IA)で表示モジュール(DIS)の背面に密着し得る。一方、陥没突出部(DMI)も振動吸収体(DM)が非表示領域(IA)にさらに陥没した構造を有することで、非表示領域(IA)で表示モジュール(DIS)の背面と接着固定部材(AD)によって合着することができる。
【0123】
図7では表示モジュール(DIS)の背面から左上隅から左下隅に至る左側辺領域に延長突出部(DMI)が配置され、右上隅から右下隅に至る右側辺領域には、陥没突出部(DMO)が配置された場合を示した。しかし、これに限定されるものではなく、表示モジュール(DIS)の背面から互いに向かい合う二辺領域に対してすべて延長突出部(DMI)を配置することができる。
【0124】
例えば、左上隅、左側辺および左下隅に渡って延長突出部(DMI)が配置され、これと向き合う右上隅、右側辺および右下隅に渡って延長突出部(DMI)を配置することができる。他の例として、左上隅、上辺および右上隅に渡って延長突出部(DMI)が配置され、これと向き合う左下隅、下辺および右下隅に渡って延長突出部(DMI)を配置することができる。
【0125】
また、左上隅、左側辺および左下隅に渡って陥没突出部(DMO)が配置され、これと向き合う右上隅、右側辺および右下隅に渡って陥没突出部(DMO)を配置することができる。他の例として、左上隅、上辺および右上隅に渡って陥没突出部(DMO)が配置され、これと向き合う左下隅、下辺および右下隅に渡って陥没突出部(DMO)を配置することができる。
【0126】
図7において点線は、ガイドパネル(GP)が振動吸収体(DM)を一体的に構成した構造で、接着固定部材(AD)の領域と、振動吸収体(DM)の領域を区分する境界線であり得る。例えば、
図5で接着固定領域(ADA)と振動吸収領域(DMA)を区別する境界線であり得る。
【0127】
本出願の第6実施例による表示装置は、接着固定部材(AD)と音響発生ユニット(EX)の間で、接着固定部材(AD)と隣接して配置された振動吸収体(DM)をさらに備える。特に、振動吸収体(DM)は、表示モジュール(DIS)の内側領域に延長された複数の延長突出部(DMI)と外側領域に陥没した複数の陥没突出部(DMO)のうちの少なくともいずれか一つを備えることができる。したがって、振動吸収体(DM)および延長突出部(DMI)または陥没突出部(DMO)は、音響発生ユニット(EX)で発生する音響振動の反響振動を抑制することができる。これにより、音響発生ユニット(EX)で発生する音響振動を高品質の状態に保つことができる。
【0128】
以上、様々な実施例で説明した本出願による表示装置では、
図8に示すような音響グラフ測定で改善された結果を得ることができることが確認できた。
図8は、本出願の様々な実施例による表示装置で測定した周波数対比音圧レベルを示すグラフである。
図8で実線は、本出願による構造的特徴を有する表示装置が示した周波数対比音圧レベルの測定グラフであり、点線は、本出願の振動吸収体を備えていない場合に測定された周波数対比音圧レベルのグラフである。ここで、X軸は発生する音の周波数帯域を示し、単位はHzである。Y軸のSPLは、Sound Pressure Level(音圧)を意味し、単位はdBである。
【0129】
図8を参照すると、低域では特に、優れた音圧レベルの結果を示す。たとえば、「a」と表示した部分を見ると、約140Hzの低域周波数で音圧が75dBから80dBに向上した結果を知ることができる。また、「b」で表示した部分を見ると、本出願の振動吸収体を適用していない場合、80dBの音圧を有する周波数帯域が160Hzであったが、本出願の振動吸収体を適用し、80dBの音圧を有する周波数が140Hzまでより広く拡張されることが分かる。
【0130】
すなわち、本発明による振動吸収体を備えた表示パネルでは、音響発生ユニットから提供された音の振動が表示パネルの端で反響せずに、振動吸収体により除去されるので、表現可能な周波数帯域がさらに広がり、表現される周波数の音圧がさらに向上する効果を得ることができる。このような効果は、特に200Hz以下の低域でより改善された結果を得ることができた。
【0131】
なお、以上の様々な実施例において、振動吸収体(DM)は、接着固定部材(AD)より音響発生ユニット(EX)の近くに配置されてもよい。
【0132】
上述した本出願の例で説明した特徴、構造、効果などは、本出願の少なくとも一つの例に含まれ、必ずしも一つの例のみに限定されるものではない。さらに、本出願の少なくとも一つの例で例示された特徴、構造、効果などは、本出願が属する分野の通常の知識を有する者によって他の例に対しても組み合わせ、または変形して実施可能である。したがって、このような組み合わせと変形に係る内容は、本出願の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【0133】
以上、添付した図を参照して、本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本明細書では、必ずこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で多様に変形実施ことができる。したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例により、本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。従って、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり限定的ではないと理解しなければならない。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。