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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240828BHJP
【FI】
A63F7/02 324A
A63F7/02 301C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022026303
(22)【出願日】2022-02-24
(65)【公開番号】P2023122669
(43)【公開日】2023-09-05
【審査請求日】2023-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小原 雄太
(72)【発明者】
【氏名】小林 和広
【審査官】佐藤 嘉純
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-195534(JP,A)
【文献】特開2005-328987(JP,A)
【文献】特開2017-144095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流通する流路がそれぞれ形成される複数の流路形成部材を備え、
前記複数の流路形成部材によってそれぞれ形成される複数の前記流路は互いに連続しており、
前記複数の流路形成部材の各々には、前記流路を少なくとも部分的に閉鎖可能な開閉部が設けられており、
前記複数の流路形成部材は、第1流路形成部材と、第2流路形成部材とを含み、
前記第1流路形成部材および前記第2流路形成部材が遊技機に取り付けられた状態において、前記第1流路形成部材により形成される前記流路の端部の開口と、前記第2流路形成部材により形成される前記流路の端部の開口とは、互いに対向し、
前記第1流路形成部材が前記遊技機から取り外された場合に、前記第1流路形成部材に設けられる前記開閉部、および前記第2流路形成部材に設けられる前記開閉部の少なくとも一方の前記開閉部は、当該開閉部が設けられる流路形成部材により形成される前記流路の端部の開口を少なくとも部分的に閉鎖し、
当該開閉部は、前記第1流路形成部材の前記遊技機に対する取り付け方向に平行移動可能となっており、
当該開閉部は、前記第1流路形成部材が前記遊技機に取り付けられると、前記取り付け方向に押されて移動することで、当該開閉部が設けられる流路形成部材により形成される前記流路の端部の開口を開放することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技球が流通する流路がそれぞれ形成される複数の流路形成部材を備え、
前記複数の流路形成部材によってそれぞれ形成される複数の前記流路は互いに連続しており、
前記複数の流路形成部材の各々には、前記流路を少なくとも部分的に閉鎖可能な開閉部が設けられており、
前記複数の流路形成部材のうちの少なくとも1つの流路形成部材において、
前記開閉部が前記流路を少なくとも部分的に閉鎖している状態で前記開閉部が前記遊技球と接触し得る点は、前記遊技球の中心よりも、当該流路形成部材が遊技機に取り付けられている姿勢における上側に位置し、
前記開閉部が前記流路を少なくとも部分的に閉鎖している状態で前記開閉部が前記流路を閉鎖する領域、当該流路形成部材が前記遊技機に取り付けられている姿勢における上下方向の長さは、前記遊技球の半径よりも短いことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技球を用いる遊技機であるパチンコ機では、例えば、特許文献1に開示されているように、遊技機の外部に遊技球がこぼれ出ることを抑制するための技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-135918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技球を用いる遊技機では、様々な状況において、遊技球がこぼれ出ることが想定されるため、遊技球がこぼれ出ることをより適切に抑制することが望ましい。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑み、遊技球がこぼれ出ることを抑制することが可能な遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、遊技球が流通する流路がそれぞれ形成される複数の流路形成部材を備え、前記複数の流路形成部材によってそれぞれ形成される複数の前記流路は互いに連続しており、前記複数の流路形成部材の各々には、前記流路を少なくとも部分的に閉鎖可能な開閉部が設けられており、前記複数の流路形成部材は、第1流路形成部材と、第2流路形成部材とを含み、前記第1流路形成部材および前記第2流路形成部材が遊技機に取り付けられた状態において、前記第1流路形成部材により形成される前記流路の端部の開口と、前記第2流路形成部材により形成される前記流路の端部の開口とは、互いに対向し、前記第1流路形成部材が前記遊技機から取り外された場合に、前記第1流路形成部材に設けられる前記開閉部、および前記第2流路形成部材に設けられる前記開閉部の少なくとも一方の前記開閉部は、当該開閉部が設けられる流路形成部材により形成される前記流路の端部の開口を少なくとも部分的に閉鎖し、当該開閉部は、前記第1流路形成部材の前記遊技機に対する取り付け方向に平行移動可能となっており、当該開閉部は、前記第1流路形成部材が前記遊技機に取り付けられると、前記取り付け方向に押されて移動することで、当該開閉部が設けられる流路形成部材により形成される前記流路の端部の開口を開放する。
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、遊技球が流通する流路がそれぞれ形成される複数の流路形成部材を備え、前記複数の流路形成部材によってそれぞれ形成される複数の前記流路は互いに連続しており、前記複数の流路形成部材の各々には、前記流路を少なくとも部分的に閉鎖可能な開閉部が設けられており、前記複数の流路形成部材のうちの少なくとも1つの流路形成部材において、前記開閉部が前記流路を少なくとも部分的に閉鎖している状態で前記開閉部が前記遊技球と接触し得る点は、前記遊技球の中心よりも、当該流路形成部材が遊技機に取り付けられている姿勢における上側に位置し、前記開閉部が前記流路を少なくとも部分的に閉鎖している状態で前記開閉部が前記流路を閉鎖する領域、当該流路形成部材が前記遊技機に取り付けられている姿勢における上下方向の長さは、前記遊技球の半径よりも短い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技球がこぼれ出ることを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例に係る遊技機における遊技球の貯留に関連する部品群を示す斜視図である。
図2】球タンクユニットを示す斜視図である。
図3】揚送ユニットを示す斜視図である。
図4】滞留球通路ユニットを示す斜視図である。
図5】整流器ユニットを示す斜視図である。
図6】球タンクユニットのシャッター部が閉じている状態を示す図である。
図7】球タンクユニットのシャッター部が開いている状態を示す図である。
図8】揚送ユニットのシャッター部が閉じている状態を示す図である。
図9】揚送ユニットのシャッター部が開いている状態を示す図である。
図10】揚送ユニットの出口側開口の近傍を示す図である。
図11】滞留球通路ユニットのシャッター部が閉じている状態を示す図である。
図12】滞留球通路ユニットのシャッター部が開いている状態を示す図である。
図13】整流器ユニットのシャッター部が閉じている状態を示す図である。
図14】整流器ユニットのシャッター部が開いている状態を示す図である。
図15】整流器ユニットの出口側開口の近傍を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施例について詳細に説明する。かかる実施例に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0010】
図1は、本発明の実施例に係る遊技機1における遊技球の貯留に関連する部品群を示す斜視図である。図1および後述する各図面では、遊技機1の前後方向、左右方向および上下方向が、それぞれX方向、Y方向およびZ方向として示されている。なお、X方向の正方向が遊技機1の前面方向と対応する。Y方向の正方向が遊技機1の右方向と対応する。Z方向の正方向が遊技機1の上方向と対応する。
【0011】
遊技機1は、遊技球を用いるパチンコ機である。特に、遊技機1は、遊技球を封入循環式にして遊技者が遊技球に触れることなく遊技を進行することができる封入式の遊技機である。遊技球は、遊技機1の外部に排出されることなく、遊技機1の内部に封入されて循環する。図1では、このような遊技機1における遊技球の貯留に関連する部品群およびその周辺部分のみが抽出されて示されている。具体的には、図1に示される部品群は、遊技機1の中枠の下部に設けられる。
【0012】
図1に示すように、遊技機1は、遊技球の貯留に関連する部品群として、球タンクユニット10と、揚送ユニット20と、滞留球通路ユニット30と、整流器ユニット40と、発射機ユニット50と、ファール回収通路ユニット60とを備える。
【0013】
球タンクユニット10は、遊技機1の中枠の下面の上部に配置される。揚送ユニット20は、球タンクユニット10に対して左側に配置される。滞留球通路ユニット30は、球タンクユニット10に対して上側に配置され、揚送ユニット20の上右部から右側に延在する。整流器ユニット40は、滞留球通路ユニット30に対して右側に配置される。発射機ユニット50は、整流器ユニット40に対して下側から後側に亘って配置される。ファール回収通路ユニット60は、球タンクユニット10および滞留球通路ユニット30に対して後側に配置される。
【0014】
球タンクユニット10、揚送ユニット20、滞留球通路ユニット30および整流器ユニット40には、後述するように、遊技球が流通する流路がそれぞれ形成されている。つまり、これらの各ユニットは、遊技球が流通する流路が形成される流路形成部材に相当する。球タンクユニット10、揚送ユニット20、滞留球通路ユニット30および整流器ユニット40によってそれぞれ形成される複数の流路は互いに連続している。
【0015】
図2は、球タンクユニット10を示す斜視図である。球タンクユニット10には、遊技機1の遊技盤を流下した遊技球が収容される。球タンクユニット10には、遊技球が流通する流路11が形成されている。流路11の下流端には、出口側開口11aが形成されている。出口側開口11aは、球タンクユニット10のうち左後側に配置され、左側に臨む。流路11の上流端には、遊技盤を流下した遊技球が送られるようになっている。球タンクユニット10では、遊技球は、流路11を流通して、出口側開口11aから排出される。球タンクユニット10から排出された遊技球は、揚送ユニット20に送られる。
【0016】
図3は、揚送ユニット20を示す斜視図である。揚送ユニット20は、遊技球を上方に送る。揚送ユニット20には、遊技球が流通する流路21が形成されている。流路21の上流端には、入口側開口21aが形成されている。入口側開口21aは、揚送ユニット20のうち右後側の下部に配置され、右側に臨む。
【0017】
各ユニットが遊技機1に取り付けられた状態において、揚送ユニット20の入口側開口21aは、球タンクユニット10の出口側開口11aと接続される。具体的には、揚送ユニット20の入口側開口21aと、球タンクユニット10の出口側開口11aとは、互いに対向して近接する。球タンクユニット10の出口側開口11aから排出された遊技球は、揚送ユニット20の入口側開口21aから流路21に送られる。このように、球タンクユニット10の流路11と、揚送ユニット20の流路21とは、互いに連続している。
【0018】
流路21の下流端には、出口側開口21bが形成されている。出口側開口21bは、揚送ユニット20のうち右前側の上部に配置され、右側に臨む。出口側開口21bの上下位置は、入口側開口21aの上下位置よりも高い。揚送ユニット20では、遊技球は、流路21を流通しながら上方に送られ、出口側開口21bから排出される。揚送ユニット20から排出された遊技球は、滞留球通路ユニット30に送られる。
【0019】
図4は、滞留球通路ユニット30を示す斜視図である。滞留球通路ユニット30には、発射される前の遊技球が滞留する。滞留球通路ユニット30には、遊技球が流通する流路31が形成されている。流路31の上流端には、入口側開口31aが形成されている。入口側開口31aは、滞留球通路ユニット30の左端に配置され、左側に臨む。
【0020】
各ユニットが遊技機1に取り付けられた状態において、滞留球通路ユニット30の入口側開口31aは、揚送ユニット20の出口側開口21bと接続される。具体的には、滞留球通路ユニット30の入口側開口31aと、揚送ユニット20の出口側開口21bとは、互いに対向して近接する。揚送ユニット20の出口側開口21bから排出された遊技球は、滞留球通路ユニット30の入口側開口31aから流路31に送られる。このように、揚送ユニット20の流路21と、滞留球通路ユニット30の流路31とは、互いに連続している。
【0021】
流路31の下流端には、出口側開口31bが形成されている。出口側開口31bは、滞留球通路ユニット30の右端に配置され、右側に臨む。出口側開口31bの上下位置は、入口側開口31aの上下位置よりも低い。滞留球通路ユニット30では、遊技球は、流路31を流通しながら右側に送られ、出口側開口31bから排出される。滞留球通路ユニット30から排出された遊技球は、整流器ユニット40に送られる。
【0022】
図5は、整流器ユニット40を示す斜視図である。整流器ユニット40は、遊技者による発射操作に応じて発射機ユニット50に1球ずつ遊技球を送る。遊技者が遊技機1の操作ハンドルを回転させる発射操作を行うと、整流器ユニット40から発射機ユニット50に遊技球が送られ、発射機ユニット50から遊技盤の遊技領域に向けて遊技球が発射されるようになっている。整流器ユニット40には、遊技球が流通する流路41が形成されている。流路41の上流端には、入口側開口41aが形成されている。入口側開口41aは、整流器ユニット40のうち左側に配置され、左側に臨む。
【0023】
各ユニットが遊技機1に取り付けられた状態において、整流器ユニット40の入口側開口41aは、滞留球通路ユニット30の出口側開口31bと接続される。具体的には、整流器ユニット40の入口側開口41aと、滞留球通路ユニット30の出口側開口31bとは、互いに対向して近接する。滞留球通路ユニット30の出口側開口31bから排出された遊技球は、整流器ユニット40の入口側開口41aから流路41に送られる。このように、滞留球通路ユニット30の流路31と、整流器ユニット40の流路41とは、互いに連続している。
【0024】
流路41の下流端には、出口側開口41bが形成されている。出口側開口41bは、整流器ユニット40のうち後側に配置され、後側に臨む。出口側開口41bの上下位置は、入口側開口41aの上下位置よりも低い。整流器ユニット40では、遊技球は、流路41を流通して、出口側開口41bから排出される。整流器ユニット40から排出された遊技球は、発射機ユニット50に送られる。
【0025】
図1中の発射機ユニット50は、整流器ユニット40から送られた遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射する。図1中のファール回収通路ユニット60は、遊技領域に向けて発射された遊技球のうち、遊技領域に到達せずに球タンクユニット10に直接送られない遊技球を回収して、球タンクユニット10に送る。
【0026】
上記のように、遊技機1では、流路形成部材としての球タンクユニット10、揚送ユニット20、滞留球通路ユニット30および整流器ユニット40によってそれぞれ形成される流路11、21、31、41は、互いに連続している。そして、これらの流路11、21、31、41を遊技球が循環するようになっている。
【0027】
ここで、遊技機1では、遊技球がこぼれ出ることを抑制するために、流路形成部材に相当する各ユニットに、流路を少なくとも部分的に閉鎖可能な開閉部が設けられている。それにより、遊技機1内に封入されている遊技球の数が増減することに起因して遊技の円滑な進行が妨げられることが抑制される。また、遊技機1内での使用を想定している遊技球とは異なる遊技球が遊技機1内に混入することが抑制される。なお、以下で説明するシャッター部(具体的には、後述するシャッター部12、22、32、42)が開閉部の一例に相当する。
【0028】
具体的には、各部品をメンテナンスする目的等で、遊技機1から各部品を取り外す場合がある。揚送ユニット20、滞留球通路ユニット30および整流器ユニット40のうちの一部のユニットを遊技機1から取り外した場合に、いずれかのユニットに形成されている流路の開口から遊技球がこぼれ出ることが想定される。遊技機1では、一部のユニットを遊技機1から取り外した場合に、シャッター部が閉じることによって、遊技球がこぼれ出ることが抑制される。なお、シャッター部が閉じている状態は、シャッター部が流路を少なくとも部分的に閉鎖している状態を意味する。一方、シャッター部が開いている状態は、シャッター部が流路を閉鎖せずに開放している状態を意味する。以下、球タンクユニット10、揚送ユニット20、滞留球通路ユニット30および整流器ユニット40の各ユニットのシャッター部について、詳細に説明する。
【0029】
図6は、球タンクユニット10のシャッター部12が閉じている状態を示す図である。図7は、球タンクユニット10のシャッター部12が開いている状態を示す図である。図6および図7は、図2中のA-A断面を示す。球タンクユニット10のシャッター部12は、遊技機1から揚送ユニット20が取り外された場合に、閉じている状態となる。この場合、球タンクユニット10の流路11は、部分的に閉鎖される。一方、球タンクユニット10のシャッター部12は、遊技機1に揚送ユニット20が取り付けられている場合に、開いている状態となる。この場合、球タンクユニット10の流路11は、閉鎖されずに開放される。
【0030】
図6は、遊技機1から揚送ユニット20が取り外された場合における球タンクユニット10を示す。図6に示すように、球タンクユニット10には、シャッター部12が設けられている。シャッター部12は、出口側開口11aの近傍に配置されている。具体的には、シャッター部12は、出口側開口11aに対して左側に配置されている。
【0031】
シャッター部12は、略円筒形状を有している。球タンクユニット10のうち出口側開口11aの近傍には、ガイド穴部13が形成されている。ガイド穴部13は、略円柱形状の空間であり、前後方向に延在している。シャッター部12は、ガイド穴部13に摺動可能に嵌合されている。それにより、シャッター部12は、前後方向に延在し、前後方向に移動可能となっている。
【0032】
ここで、シャッター部12は、図示しないバネ等の付勢部材によって前側に付勢されている。それにより、図6では、シャッター部12がガイド穴部13から前側に突出した状態となっている。なお、シャッター部12が、図6の状態からさらに前側に移動して、ガイド穴部13から外れることはないようになっている。
【0033】
図6の状態では、シャッター部12の前側の部分が、出口側開口11aのうち下後側の部分と左右方向に対向している。ゆえに、出口側開口11aが部分的に閉鎖されているため、流路11内の遊技球GBは、出口側開口11aから球タンクユニット10の外部に排出されない。それにより、遊技機1から揚送ユニット20が取り外された場合に、球タンクユニット10内の遊技球GBが出口側開口11aからこぼれ出ることが抑制される。
【0034】
図7は、遊技機1に揚送ユニット20が取り付けられている場合における球タンクユニット10を示す。図7に示すように、遊技機1に揚送ユニット20が取り付けられると、シャッター部12の前端が、揚送ユニット20の外壁部W20によって後側に押し付けられる。それにより、シャッター部12は、ガイド穴部13内に収容された状態となる。この状態では、シャッター部12は、出口側開口11aと左右方向に対向していない。ゆえに、出口側開口11aが閉鎖されずに開放されているため、流路11内の遊技球GBは、出口側開口11aから球タンクユニット10の外部に排出され、揚送ユニット20に送られる。
【0035】
図8は、揚送ユニット20のシャッター部22が閉じている状態を示す図である。図9は、揚送ユニット20のシャッター部22が開いている状態を示す図である。図8および図9は、図3中のB-B断面を示す。揚送ユニット20のシャッター部22は、遊技機1から揚送ユニット20が取り外された場合に、閉じている状態となる。この場合、揚送ユニット20の流路21は、部分的に閉鎖される。一方、揚送ユニット20のシャッター部22は、遊技機1に揚送ユニット20が取り付けられている場合に、開いている状態となる。この場合、揚送ユニット20の流路21は、閉鎖されずに開放される。
【0036】
図8は、遊技機1から揚送ユニット20が取り外された場合における揚送ユニット20を示す。図8に示すように、揚送ユニット20には、シャッター部22が設けられている。シャッター部22は、入口側開口21aの近傍に配置されている。具体的には、シャッター部22は、入口側開口21aに対して上側に配置されている。
【0037】
シャッター部22は、本体部22aと、押圧部22bと、閉鎖部22cとを有している。本体部22aは、略円筒形状を有している。揚送ユニット20のうち入口側開口21aに対して上側には、ガイド穴部23が形成されている。ガイド穴部23は、略円柱形状の空間であり、前後方向に延在している。本体部22aは、ガイド穴部23に摺動可能に嵌合されている。それにより、本体部22aは、前後方向に延在し、前後方向に移動可能となっている。押圧部22bは、本体部22aの後側から突出している。閉鎖部22cは、略平板形状を有しており、本体部22aの下前側から下側に突出している。閉鎖部22cは、入口側開口21aと略平行な平面上に延在している。
【0038】
ここで、シャッター部22は、図示しないバネ等の付勢部材によって後側に付勢されている。それにより、図8では、本体部22aがガイド穴部23のうち後側に位置し、押圧部22bがガイド穴部23から後側に突出し、閉鎖部22cの一部が流路21内に位置している状態となっている。なお、本体部22aが、図8の状態からさらに後側に移動して、ガイド穴部23から外れることはないようになっている。
【0039】
図8の状態では、閉鎖部22cの後側の部分が、入口側開口21aのうち上前側の部分を塞いでいる。ゆえに、入口側開口21aが部分的に閉鎖されているため、流路21内の遊技球GBは、入口側開口21aから揚送ユニット20の外部に排出されない。それにより、遊技機1から揚送ユニット20が取り外された場合に、揚送ユニット20内の遊技球GBが入口側開口21aからこぼれ出ることが抑制される。
【0040】
図9は、遊技機1に揚送ユニット20が取り付けられている場合における揚送ユニット20を示す。図9に示すように、遊技機1に揚送ユニット20が取り付けられると、シャッター部22の押圧部22bが、球タンクユニット10の外壁部W10によって前側に押し付けられる。それにより、押圧部22bがガイド穴部23内に収容され、本体部22aがガイド穴部23のうち前側に位置し、閉鎖部22cが流路21外に位置している状態となる。この状態では、入口側開口21aが閉鎖部22cにより塞がれずに開放されているため、球タンクユニット10から排出された遊技球GBは、入口側開口21aから揚送ユニット20内に送られる。
【0041】
図10は、揚送ユニット20の出口側開口21bの近傍を示す図である。図10は、図3中のC-C断面を示す。上述したように、揚送ユニット20では、遊技球GBは、入口側開口21aを通過した後、上方に送られる。具体的には、図10に示すように、揚送ユニット20には、搬送スクリュー24が設けられる。搬送スクリュー24は、上下方向の中心軸A24を中心として螺旋形状に形成されており、中心軸A24周りに回転可能である。搬送スクリュー24に遊技球GBが乗った状態で搬送スクリュー24が回転することによって、遊技球GBは上方へ送られる。図10では、揚送ユニット20の出口側開口21bの近傍において、遊技球GBが搬送スクリュー24の最上部に乗っている状態が示されている。
【0042】
図10に示すように、搬送スクリュー24の側方には、流路21を区画するガイド壁部21cが設けられている。搬送スクリュー24によって上方に送られる遊技球GBは、ガイド壁部21cに支持されることによって搬送スクリュー24から落下しないようになっている。ガイド壁部21cは、搬送スクリュー24のうち遊技球GBが乗る部分よりも上側まで延在している。それにより、搬送スクリュー24のうち遊技球GBが乗る部分とガイド壁部21cとの間に段差が生じるので、遊技機1から揚送ユニット20が取り外された場合に、揚送ユニット20内の遊技球GBが出口側開口21bからこぼれ出ることが抑制される。
【0043】
図11は、滞留球通路ユニット30のシャッター部32が閉じている状態を示す図である。図12は、滞留球通路ユニット30のシャッター部32が開いている状態を示す図である。図11および図12は、図4中のD-D断面を示す。滞留球通路ユニット30のシャッター部32は、遊技機1から整流器ユニット40が取り外された場合に、閉じている状態となる。この場合、滞留球通路ユニット30の流路31は、部分的に閉鎖される。一方、滞留球通路ユニット30のシャッター部32は、遊技機1に整流器ユニット40が取り付けられている場合に、開いている状態となる。この場合、滞留球通路ユニット30の流路31は、閉鎖されずに開放される。
【0044】
図11は、遊技機1から整流器ユニット40が取り外された場合における滞留球通路ユニット30を示す。図11に示すように、滞留球通路ユニット30には、シャッター部32が設けられている。シャッター部32は、出口側開口31bの近傍に配置されている。具体的には、シャッター部32は、出口側開口31bに対して後側に配置されている。
【0045】
シャッター部32は、本体部32aと、押圧部32bと、閉鎖部32cとを有している。本体部32aは、略円筒形状を有している。上述したように、滞留球通路ユニット30の後側には、ファール回収通路ユニット60が配置される。ファール回収通路ユニット60のうち出口側開口31bに対して後側には、ガイド突起部61が形成されている。ガイド突起部61は、略円柱形状であり、前後方向に延在している。本体部32aの中心には貫通孔32dが形成されており、貫通孔32dにガイド突起部61が嵌合している。本体部32aは、ガイド突起部61に対して摺動可能となっている。それにより、本体部32aは、前後方向に延在し、前後方向に移動可能となっている。押圧部32bは、本体部32aの前右側から右側に突出している。閉鎖部32cは、略平板形状を有しており、本体部32aの前右側から前側に突出している。閉鎖部32cは、出口側開口31bと略平行な平面上に延在している。
【0046】
ここで、シャッター部32は、図示しないバネ等の付勢部材によって前側に付勢されている。それにより、図11では、本体部32aがガイド突起部61の前部の周囲に位置している状態となっている。なお、本体部32aが、図11の状態からさらに前側に移動して、ガイド突起部61から外れることはないようになっている。
【0047】
図11の状態では、閉鎖部32cの前側の部分が、出口側開口31bのうち後側の部分と左右方向に対向している。ゆえに、出口側開口31bが部分的に閉鎖されているため、流路31内の遊技球GBは、出口側開口31bから滞留球通路ユニット30の外部に排出されない。それにより、遊技機1から整流器ユニット40が取り外された場合に、滞留球通路ユニット30内の遊技球GBが出口側開口31bからこぼれ出ることが抑制される。
【0048】
図12は、遊技機1に整流器ユニット40が取り付けられている場合における滞留球通路ユニット30を示す。図12に示すように、遊技機1に整流器ユニット40が取り付けられると、シャッター部32の押圧部32bが、整流器ユニット40の外壁部W40によって後側に押し付けられる。それにより、本体部32aがガイド突起部61の後部の周囲に位置している状態となる。この状態では、閉鎖部32cは、出口側開口31bと左右方向に対向していない。ゆえに、出口側開口31bが閉鎖されずに開放されているため、流路31内の遊技球GBは、出口側開口31bから滞留球通路ユニット30の外部に排出され、整流器ユニット40に送られる。
【0049】
図13は、整流器ユニット40のシャッター部42が閉じている状態を示す図である。図14は、整流器ユニット40のシャッター部42が開いている状態を示す図である。図13および図14は、図5中のE-E断面を示す。整流器ユニット40のシャッター部42は、遊技機1から整流器ユニット40が取り外された場合に、閉じている状態となる。この場合、整流器ユニット40の流路41は、部分的に閉鎖される。一方、整流器ユニット40のシャッター部42は、遊技機1に整流器ユニット40が取り付けられている場合に、開いている状態となる。この場合、整流器ユニット40の流路41は、少なくともシャッター部42によって閉鎖されることはない。
【0050】
図13は、遊技機1から整流器ユニット40が取り外された場合における整流器ユニット40を示す。図13に示すように、整流器ユニット40には、シャッター部42が設けられている。シャッター部42は、入口側開口41aの近傍に配置されている。具体的には、シャッター部42は、入口側開口41aに対して上側に配置されている。
【0051】
シャッター部42は、本体部42aと、押圧部42bと、閉鎖部42cとを有している。本体部42aは、略円筒形状を有している。整流器ユニット40のうち入口側開口41aに対して上側には、ガイド穴部43が形成されている。ガイド穴部43は、略円柱形状の空間であり、前後方向に延在している。本体部42aは、ガイド穴部43に摺動可能に嵌合されている。それにより、本体部42aは、前後方向に延在し、前後方向に移動可能となっている。押圧部42bは、本体部42aの後側から後側に突出している。閉鎖部42cは、略平板形状を有しており、本体部42aの下前側から下側に突出している。閉鎖部42cは、入口側開口41aと略平行な平面上に延在している。
【0052】
ここで、シャッター部42は、図示しないバネ等の付勢部材によって後側に付勢されている。それにより、図13では、本体部42aがガイド穴部43のうち後側に位置し、押圧部42bがガイド穴部43から後側に突出し、閉鎖部42cの一部が流路41内に位置している状態となっている。なお、本体部42aが、図13の状態からさらに後側に移動して、ガイド穴部43から外れることはないようになっている。
【0053】
図13の状態では、閉鎖部42cの後側の部分が、入口側開口41aのうち上前側の部分を塞いでいる。ゆえに、入口側開口41aが部分的に閉鎖されているため、流路41内の遊技球GBは、入口側開口41aから整流器ユニット40の外部に排出されない。それにより、遊技機1から整流器ユニット40が取り外された場合に、整流器ユニット40内の遊技球GBが入口側開口41aからこぼれ出ることが抑制される。
【0054】
図14は、遊技機1に整流器ユニット40が取り付けられている場合における整流器ユニット40を示す。図14に示すように、遊技機1に整流器ユニット40が取り付けられると、シャッター部42の押圧部42bが、発射機ユニット50の外壁部W50によって前側に押し付けられる。それにより、押圧部42bがガイド穴部43内に収容され、本体部42aがガイド穴部43のうち前側に位置し、閉鎖部42cが流路41外に位置している状態となる。この状態では、入口側開口41aが閉鎖部42cにより塞がれずに開放されているため、滞留球通路ユニット30から排出された遊技球GBは、入口側開口41aから整流器ユニット40内に送られる。
【0055】
図15は、整流器ユニット40の出口側開口41bの近傍を示す図である。図15は、図5中のF-F断面を示す。上述したように、整流器ユニット40は、遊技者による発射操作に応じて発射機ユニット50に1球ずつ遊技球を送る。具体的には、図15に示すように、整流器ユニット40には、球送りアーム44が設けられる。球送りアーム44は、前後方向の中心軸A44まわりに回動可能である。中心軸A44は、流路41に対して上側に位置する。球送りアーム44は、径方向(つまり、中心軸A44に直交する方向)に延在する係止部44aを有する。
【0056】
球送りアーム44が通電されていない非通電状態である場合、図15に示すように、係止部44aは、中心軸A44から下側に延在した姿勢を取る。この場合、整流器ユニット40の出口側開口41bの近傍において、流路41の上側が係止部44aによって塞がれ、整流器ユニット40内の遊技球GBが出口側開口41bから排出されない状態となる。一方、球送りアーム44の通電が行われると、係止部44aが図15の状態から回動し、流路41の上側が係止部44aによって塞がれていない状態となる。それにより、整流器ユニット40内の遊技球GBが、出口側開口41bから排出され、発射機ユニット50に送られる。遊技者による発射操作が行われると球送りアーム44の通電が行われるようになっている。遊技機1から整流器ユニット40が取り外された場合には、球送りアーム44が非通電状態となるので、図15を参照して説明したように、整流器ユニット40内の遊技球GBが出口側開口41bからこぼれ出ることが抑制される。
【0057】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明はかかる実施例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0058】
例えば、上記では、遊技球GBの連続する流路を形成する流路形成部材として、球タンクユニット10、揚送ユニット20、滞留球通路ユニット30および整流器ユニット40が設けられ、これらの各ユニットに開閉部(上記の例ではシャッター部)が設けられる例を説明した。ただし、複数の流路形成部材は、上記の例に限定されない。例えば、球タンクユニット10、揚送ユニット20、滞留球通路ユニット30および整流器ユニット40に対して、一部のユニットが削除、追加または変更された部品群が複数の流路形成部材に相当してもよい。また、例えば、球タンクユニット10、揚送ユニット20、滞留球通路ユニット30および整流器ユニット40のいずれのユニットも含まない部品群が複数の流路形成部材に相当してもよい。
【0059】
また、例えば、上記では、各ユニットに設けられる開閉部(上記の例ではシャッター部)が、流路の開口を部分的に閉鎖可能である例を説明した。ただし、各ユニットに設けられる開閉部は、流路の開口の全体を閉鎖可能であってもよい。また、各ユニットに設けられる開閉部は、流路のうち開口以外の部分を少なくとも部分的に閉鎖可能であってもよい。また、各ユニットにおいて、出口側開口(つまり、下流側の開口)のみに開閉部が設けられてもよく、入口側開口(つまり、上流側の開口)のみに開閉部が設けられてもよく、出口側開口および入口側開口の両方に開閉部が設けられてもよい。
【0060】
また、例えば、上記では、各開閉部(上記の例ではシャッター部)が平行移動することによって流路が閉鎖される例を説明した。ただし、各開閉部が回動することによって流路が閉鎖されてもよい。このように、各開閉部の動作は、上記の例に限定されない。また、各開閉部の形状も、上記の例に限定されない。
【0061】
また、例えば、上記では、遊技機1が遊技球を封入循環式にした封入式の遊技機である例を説明した。ただし、遊技機1は、遊技球が封入循環式でないパチンコ機であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 遊技機
10 球タンクユニット(流路形成部材)
11 流路
12 シャッター部(開閉部)
20 揚送ユニット(流路形成部材)
21 流路
22 シャッター部(開閉部)
30 滞留球通路ユニット(流路形成部材)
31 流路
32 シャッター部(開閉部)
40 整流器ユニット(流路形成部材)
41 流路
42 シャッター部(開閉部)
GB 遊技球
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13
図14
図15