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▶ ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】置換カルバゾール化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20240828BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20240828BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20240828BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20240828BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20240828BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20240828BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240828BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240828BHJP
【FI】
C07D401/04
C07D413/14 CSP
C07D401/14
C07D471/04 101
A61K31/454
A61P37/06
A61P29/00
A61P29/00 101
A61P43/00 111
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022520601
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(86)【国際出願番号】 US2020053886
(87)【国際公開番号】W WO2021067657
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-09-29
(31)【優先権主張番号】62/910,671
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162695
【弁理士】
【氏名又は名称】釜平 双美
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【弁理士】
【氏名又は名称】水原 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】ドッド,ダームパル エス
(72)【発明者】
【氏名】シャーウッド,トレバー シー
(72)【発明者】
【氏名】ポージー,ショシャナ エル
(72)【発明者】
【氏名】ディックマン,アラリック ジェイ
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/049089(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/126113(WO,A1)
【文献】特表2019-523241(JP,A)
【文献】特表2012-512886(JP,A)
【文献】特表2017-535536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
[式中、
R1は、H、R、または-ORであり;
R2は、-NHC(O)CH3、または
【化2】
から選択される環状基であり;
Xは、O、-NH、または-NRであり;
R3およびR4は、独立してH、R、または-ORであり;
各Rは、独立してC1-3アルキルであり;
R5は、
【化3】
であり;
R6は、HまたはC1-3アルキルであり;
各R7は、独立してC1-3アルキルまたはC1-3アルコキシであり;
R8は、H、-CH2CN、-CH2C(CH3)2OH、-C(O)CH2N(CH3)2、-CH2CH2S(O)2CH3、オキセタニル、またはテトラヒドロピラニルであり;および
pは、0、1または2である]
の化合物、またはその塩。
【請求項2】
式中、R2が、
【化4】
から選択される環状基である、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項3】
式中、
R1が、Hであり;
R2が、-NHC(O)CH3、または
【化5】
から選択される環状基であり;
R3が、Hまたは-CH3であり;
R4が、Hまたは-CH3であり;
R5が、
【化6】
であり;
R8が、水素、-CH2CN、-CH2C(CH3)2OH、-C(O)CH2N(CH3)2、-CH2CH2S(O)2CH3、オキセタニル、またはテトラヒドロピラニルである、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項4】
式中、XがOである、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項5】
式中、Xが-NRである、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項6】
式中、R4がHである、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項7】
式中、R4がC1-3アルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項8】
式中、Rが-CH3である、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項9】
式中、R5
【化7】
である、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項10】
式中、R5
【化8】
である、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項11】
前記化合物が、
【化9】
【化10】
【化11】
である、請求項1に記載の化合物、またはその塩
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項13】
自己免疫性疾患または慢性炎症性疾患の治療に用いるための、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容されるを含む、医薬組成物
【請求項14】
前記自己免疫疾患または慢性炎症性疾患が、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、多発性硬化症(MS)、およびシェーグレン症候群から選択される、請求項13に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2019年10月4日出願の米国仮出願番号第62/910,671号に対する優先権を主張するものであって、その全てを参照により本明細書に組み込むものである。
【0002】
(技術分野)
本発明は一般に、置換カルバゾール化合物、その化合物の製造方法、および炎症性疾患および自己免疫疾患の治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
Toll/IL-1受容体ファミリーメンバーは、炎症および宿主抵抗における重要なレギュレーターである。Toll様受容体ファミリーは、感染性生物(例えば細菌、真菌、寄生生物、およびウイルス)に由来する分子パターンを認識する(Kawai, T. et al., Nature Immunol., 11:373-384 (2010)のレビュー)。受容体に結合するリガンドは、Toll/IL-1受容体(TIR)ドメインと呼ばれる受容体中に保存されている細胞質モチーフに対してアダプター分子の二量体化および動員を誘導する。TLR3を例外として、全てのTLRはアダプター分子、MyD88を動員する。IL-1受容体ファミリーもまた細胞質TIRモチーフを含み、リガンド結合の際にMyD88を動員する(Sims, J.E. et al., Nature Rev. Immunol., 10:89-102 (2010)のレビュー)。
【0004】
Toll様受容体(TLR)とは、進化の過程で保存された、防御の最前線で関与する膜貫通自然免疫受容体のファミリーである。パターン認識受容体として、TLRは病原体関連分子パターン(PAMPs)により活性化して外来分子に対して身を守るか、またはダメージ関連分子パターン(DAMPs)により活性化して損傷組織から身を守る。計13のTLRファミリーメンバーが同定されており、ヒトでは10のTLRが同定され、細胞表面またはエンドソーム区画に存在する。TLR7/8/9は、エンドソームに位置するグループの中に存在し、一本鎖RNA(TLR7およびTLR8)、またはシトシン-ホスフェート-グアニン(CpG)モチーフを有する非メチル化一本鎖DNA(TLR9)を認識する。
【0005】
TLR7/8/9の活性化は様々な炎症性応答(サイトカイン産生、B細胞活性化およびIgG産生、I型インターフェロン応答)を開始し得る。自己免疫性障害の場合、TLR7/8/9の活性化が持続する異常により病状の悪化をもたらす。TLR7過剰発現マウスでは自己免疫性疾患の悪化を示したのに対し、ループスモデルマウス(MRL/lpr)におけるTLR7ノックアウトマウスは疾患から保護されることが分かった。TLR7および9のデュアルノックアウトでは、保護をさらに高めることが示された。
【0006】
数多くの症状がサイトカインの調節、IFN産生、およびB細胞の活性を含む処置により改善され得ることから、TLR7および/またはTLR8および/またはTLR9を調節可能な新規化合物、およびそれらの化合物を使用する方法は幅広い患者に対して実質的な治療効果を提供し得ることが明らかである。
【発明の概要】
【0007】
本発明はTLR7/8/9を介したシグナル伝達の効果的な阻害剤であることが分かった、新規置換カルバゾール化合物類に関連するものである。これらの化合物は、望ましい安定性、バイオアベイラビリティ、治療指数、およびそれらのドラッグアビリティに重要な毒性値を有する有効な医薬品を提供する。
【0008】
本発明は、Toll様受容体7、8、または9を介したシグナル伝達の阻害剤として有効であり、増殖性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫性疾患および炎症性疾患の治療に有効である式(I)の化合物、またはその立体異性体、N-オキシド、互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグを提供する。
【0009】
本発明はまた、医薬的に許容される担体、および本発明の化合物、またはその立体異性体、N-オキシド、互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグの少なくとも1つを含む医薬組成物も提供する。
【0010】
本発明はまた、Toll様受容体7、8、または9の阻害方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療上の有効量の本発明の化合物、または立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグの少なくとも1つを投与することを特徴とする方法も提供する。
【0011】
本発明はまた、増殖性疾患、代謝性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫性疾患および炎症性疾患の治療方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療上の有効量の本発明の化合物、または立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグの少なくとも1つを投与することを特徴とする方法も提供する。
【0012】
本発明はまた、Toll様受容体7、8、または9の活性に関連する疾患または障害の治療方法であって、それを必要とする哺乳類に、式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、およびプロドラッグの少なくとも1つを投与することを特徴とする方法も提供する。
【0013】
本発明はまた、式(I)の化合物(その塩、溶媒和物、およびプロドラッグを含む)を合成する方法および中間体も提供する。
【0014】
本発明はまた、治療に使用するための、式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、およびプロドラッグの少なくとも1つも提供する。
【0015】
本発明はまた、Toll様受容体7、8、または9に関連する症状(例えばアレルギー性疾患、自己免疫性疾患、炎症性疾患、および増殖性疾患)の治療または予防のための薬剤の製造のための、式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、およびプロドラッグの少なくとも1つの使用も提供する。
【0016】
式(I)の化合物および式(I)の化合物を含む組成物は、Toll様受容体7、8、または9に関連する様々な症状の治療、予防、または回復に使用され得る。これらの化合物を含む医薬組成物は、様々な治療分野における疾患または障害(例えばアレルギー性疾患、自己免疫性疾患、炎症性疾患、および増殖性疾患)の治療、予防、または進行の遅延に有効である。
【0017】
本発明の上記およびその他の特徴は、開示に伴い範囲を広げて記載される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1態様は、少なくとも1つの式(I)
【化1】
[式中、
R1は、H、R、または-ORであり;
R2は、-NHC(O)CH3または
【化2】
から選択される環状基であり;
Xは、O、-NH、または-NRであり;
R3およびR4は、独立してH、R、または-ORであり;
各Rは、独立してC1-3アルキルであり;
R5は、
【化3】
であり;
R6は、HまたはC1-3アルキルであり;
各R7は、独立してC1-3アルキルまたはC1-3アルコキシであり;
R8は、H、-CH2CN、-CH2C(CH3)2OH、-C(O)CH2N(CH3)2、-CH2CH2S(O)2CH3、オキセタニル、またはテトラヒドロピラニルであり;および
pは、0、1または2である]
の化合物、またはその塩を提供する。
【0019】
ある実施態様は、式中、R1がHである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0020】
別の実施態様は、式中、R2が-NHC(O)CH3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0021】
別の実施態様は、式中、R2
【化4】
から選択される環状基である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0022】
別の実施態様は、式中、XがOである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0023】
さらに別の実施態様は、式中、Xが-NRである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。この実施態様には、Xが-NCH3である化合物が含まれる。
【0024】
別の実施態様は、式中、Xが-NHである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0025】
別の実施態様は、式中、R6がHである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0026】
別の実施態様は、式中、R6がC1-3アルキルである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。また、この実施態様には、R6が-CH3である化合物も含まれる。
【0027】
別の実施態様は、式中、各R7が、独立してC1-3アルキルまたはC1-3アルコキシである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0028】
別の実施態様は、式中、少なくとも1つのR7がC1-3アルキルである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。この実施態様には、少なくとも1つのR7が-CH3である化合物が含まれる。
【0029】
別の実施態様は、式中、少なくとも1つのR7がC1-3アルコキシである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。この実施態様には、少なくとも1つのR7が-OCH3である化合物が含まれる。
【0030】
ある実施態様は、式中、pが0である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0031】
ある実施態様は、式中、pが1である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0032】
ある実施態様は、式中、pが2である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0033】
別の実施態様は、式中、R3およびR4が独立してH、C1-2アルキル、またはC1-2アルコキシである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0034】
別の実施態様は、式中、R3およびR4が独立してH、-CH3、または-OCH3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する
【0035】
ある実施態様は、式中、R3がHである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0036】
別の実施態様は、式中、R3が-CH3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0037】
別の実施態様は、式中、R3が-OCH3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0038】
別の実施態様は、式中、R4がHである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0039】
別の実施態様は、式中、R4が-CH3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0040】
別の実施態様は、式中、R4が-OCH3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0041】
別の実施態様は、式中、Rが-CH3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0042】
別の実施態様は、式中、R5
【化5】
である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0043】
別の実施態様は、式中、R5
【化6】
である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0044】
ある実施態様は、式中、R8がHである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0045】
別の実施態様は、式中、R8が-CH2C(CH3)2OHである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0046】
別の実施態様は、式中、R8が-C(O)CH2N(CH3)2である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0047】
別の実施態様は、式中、R8が-CH2CNである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0048】
別の実施態様は、式中、R8が-CH2CH2S(O)2CH3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0049】
別の実施態様は、式中、R8がオキセタニルである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0050】
別の実施態様は、式中、R8がテトラヒドロピラニルである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0051】
ある実施態様は、式中、
R1が、Hであり;
R2が、-NHC(O)CH3、または
【化7】
から選択される環状基であり;
R3が、Hまたは-CH3であり;
R4が、Hまたは-CH3であり;
R5が、
【化8】
であり;および
R8が、水素、-CH2CN、-CH2C(CH3)2OH、-C(O)CH2N(CH3)2、-CH2CH2S(O)2CH3、オキセタニル、またはテトラヒドロピラニルである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0052】
さらに別の実施態様は、化合物が、
【化9】
【化10】
【化11】
である、少なくとも1つの式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0053】
別の実施態様は、式(I)の化合物またはその塩、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0054】
別の実施態様は、自己免疫疾患または慢性炎症性疾患の治療に用いるための、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
【0055】
さらに別の実施態様は、式(I)の化合物またはその塩を含む医薬組成物を用いて、自己免疫疾患または慢性炎症性疾患の治療方法を提供する。また、この実施態様には、前記自己免疫疾患または慢性炎症性疾患が、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、多発性硬化症(MS)、およびシェーグレン症候群から選択される方法が含まれる。
【0056】
以下、例示の実施態様について言及する際、特定の用語が実施態様を記載するために本明細書に用いられるが、それらによって本発明の範囲を限定する意図は無いことが理解されるべきである。関係分野の当業者および本発明の権利を有する者が実施し得る、本明細書に記載の発明の特徴の別法やさらなる修飾は、本発明の範囲内であると考えられる。特許、特許出願、および明細書に引用された文献などの全ての引用文献は、本明細書にその内容を記載したものとして、その全体を参照により本明細書に明確に組み込む。
【0057】
本発明の特徴および利点は、以下の詳細な記載を読むことで、当業者によってさらに容易に理解され得る。明瞭にするために、別の実施態様の文脈の前後に記載される本発明のある特徴を、組み合わせて1つの実施態様を形成してもよいと理解される。逆にまた、簡潔にするために単一の実施態様の文脈に記載される本発明の種々の特徴を、組み合わせてそのサブコンビネーションを形成してもよい。
【0058】
本発明を記載するのに使用される種々の用語の定義が以下に列挙される。ここに記載の定義は、引用により本願明細書に組み込まれた、あらゆる特許、特許出願および/または特許出願公報に記載の定義にも優先する。これらの定義は、(特定の場合で限定されない限り)個々に、またはより大きな基の一部として、明細書を通して使用される用語に適用される。
【0059】
本明細書において特に断りが無い限り、単数形で表される参照は複数も含む。例えば、「a」および「an」は「1」、または「1以上」のどちらを参照してもよい。
【0060】
特に断りが無い限り、原子価が満たされていないいずれのヘテロ原子にも、原子価を満たすために十分な水素原子が含まれると見なされる。
【0061】
本願明細書を通して、その基および置換基は、安定した部分および化合物を提供するように当業者により選択され得る。
【0062】
当該分野にて使用される慣習に従って、
【化12】
は、部分または置換基のコアまたは骨格構造への結合点である結合を表すために、本願明細書の構造式にて使用される。
【0063】
本明細書で使用される用語「アルキル」とは、例えば、1~3個の炭素原子を含有する、分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基をいう。アルキル基の例には、以下に限定されないが、メチル(Me)、エチル(Et)およびプロピル(例えば、n-プロピルおよびi-プロピル)が含まれる。記号「C」の後に数字が下付きで示される場合、その下付き文字は特定の基が含有しうる炭素原子の数をより具体的に限定する。例えば、「C1-3アルキル」は、1~3個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖のアルキル基を意味する。
【0064】
本明細書で使用される用語「アルコキシ」とは、酸素原子を介して親分子の一部に接続するアルキル基であり、例えば、メトキシ基(-OCH3)をいう。例えば、「C1-3アルコキシ」は、1~3個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味する。
【0065】
本明細書で使用されるフレーズ「医薬的に許容される」とは、通常の医学的判断の範囲内において、過度な毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題、もしくは厄介な問題がなく、合理的な利益/リスク比に見合っており、ヒトおよび動物の組織と接触する使用に適した、化合物、物質、組成物、および/または投与剤形のことを示す。
【0066】
式(I)の化合物は非晶質固体または結晶固体として提供され得る。凍結乾燥を利用して式(I)の化合物を非晶質固体として提供することができる。さらに、式(I)の化合物の溶媒和物(例、水和物)も本発明の範囲であると考えられるべきである。用語「溶媒和物」とは、式(I)の化合物と1つまたはそれ以上の有機または無機溶媒分子との物理的結合を意味する。この物理的結合は水素結合を含む。場合によっては、例えば1つ以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれる場合に、溶媒和物を単離することが可能である。「溶媒和物」は溶液相および分離可能な溶媒和物の両方を含む。典型的な溶媒和物として、水和物、エタノレート、メタノレート、イソプロパノレート、アセトニトリル溶媒和物、および酢酸エチル溶媒和物が挙げられる。溶媒和物の方法は当該分野にて公知である。
【0067】
プロドラッグの様々な形態は当該分野にて知られており、Rautio, J. et al., Nature Review Drug Discovery, 17, 559-587 (2018)に記載されている。
【0068】
加えて、式(I)の化合物は、その調製の後で、単離かつ精製され、式(I)の化合物を99重量%以上の量で含有する(「実質的に純粋な」)組成物を得、次にそれをここに記載されるように使用または処方する。かかる「実質的に純粋な」式(I)の化合物はまた、ここで本発明の一部であると考えられる。
【0069】
「安定な化合物」および「安定な構造」は、混合物から有用な純度にまで単離しても、効果的な治療剤に製剤化しても分解しない、十分に強固な化合物であることを意図とする。本発明は安定な化合物を具現化するものとする。
【0070】
「治療上の有効量」とは、TLR7/8/9に対する阻害剤として作用するのに効果的な、または自己免疫性疾患および/または炎症性疾患(例えばSLE、IBD、多発性硬化症(MS)、およびシェーグレン症候群、および関節リウマチ)の治療または予防に効果的な、本発明の化合物単体の量、または特許請求の範囲の化合物を組み合わせた量、あるいは本発明の化合物を他の活性成分と組み合わせた量が含まれることを意図する。
【0071】
本明細書で用いる用語「治療する」または「治療」とは、哺乳類、特にヒトにおける病態の治療に及び、(a)特に、哺乳類が病態に罹りやすいが、まだ罹患していると診断されていない場合に、該哺乳類が病態に罹患することを妨げること;(b)病態を阻害すること、すなわち、病態の進行を阻むこと;および/または(c)病態を緩和すること、すなわち、病態の退行を生じさせることを包含する。
【0072】
本発明の化合物は、本発明の化合物にある原子のあらゆる同位体を含有することを意図する。同位体には、原子番号が同一であるが質量数が異なる原子が含まれる。一般的な例として、以下に限らないが、水素の同位体にはジュウテリウム(D)およびトリチウム(T)が含まれる。炭素の同位体には13Cおよび14Cが含まれる。同位体で標識された本発明の化合物は、一般に当業者に公知の従来の技法、またはそれらに記載の類似の方法により、他で用いられる非標識試薬の代わりに適切な同位体-標識試薬を用いて製造することが出来る。例えば、メチル(-CH3)は-CD3のような重水素化メチル基も含む。
【0073】
本発明はまた、医薬的に許容される担体、および少なくとも1つの本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、あるいはプロドラッグを含む、医薬組成物も提供する。
【0074】
本発明はまた、Toll様受容体7、8、または9の阻害方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療上の有効量の少なくとも1つの本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、あるいはプロドラッグも提供する。
【0075】
本発明はまた、増殖性疾患、代謝性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫性疾患および炎症性疾患の治療方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療上の有効量の少なくとも1つの本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、あるいはプロドラッグも提供する。
【0076】
本発明はまた、Toll様受容体7、8、または9の活性に関連する疾患または障害の治療方法であって、それを必要とする哺乳類に、少なくとも1つの式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、およびプロドラッグも提供する。
【0077】
本発明はまた、式(I)の化合物(その塩、溶媒和物、およびプロドラッグを含む)を合成する方法および中間体も提供する。
【0078】
本発明はまた、治療に使用するための、少なくとも1つの式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、およびプロドラッグも提供する。
【0079】
本発明はまた、Toll様受容体7、8、または9に関連する症状(例えばアレルギー性疾患、自己免疫性疾患、炎症性疾患、および増殖性疾患)の治療または予防のための薬剤の製造のための、式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、およびプロドラッグの少なくとも1つの使用も提供する。
【0080】
式(I)の化合物および式(I)の化合物を含む組成物は、Toll様受容体7、8、または9に関連する様々な症状の治療、予防、または回復に使用され得る。これらの化合物を含む医薬組成物は、様々な治療分野における疾患または障害(例えばアレルギー性疾患、自己免疫性疾患、炎症性疾患、および増殖性疾患)の治療、予防、または進行の遅延に有効である。
【0081】
本発明の上記およびその他の特徴は、開示に伴い範囲を広げて記載される。
【0082】
本発明は、その本質、または不可欠な特性から離れることなく、その他の特定の形態で実施されてもよい。本発明は、本明細書に記載の本発明の態様および/または実施態様のあらゆる組み合わせを包含する。本発明のありとあらゆる実施態様は、更なる実施態様を説明するために、いずれの他の実施態様と組み合わせてもよいことが理解される。また、実施形態の個々の要素は、更なる実施態様を説明するために、あらゆる実施態様からのありとあらゆる他の要素と組み合わされることを意味することが理解される。
【0083】
(有用性)
ヒト免疫系は、感染、疾患または死亡の原因となり得る微生物、ウイルスおよび寄生生物から体を守るために進化してきた。複雑な制御機構は、免疫系の種々の細胞成分が、個体に永続的または顕著な損傷をもたらすことなく、外来物質または生物を標的とすることを確実にする。開始事象は現時点では十分に理解されていないが、自己免疫性疾患状態において、免疫系はその炎症性応答を罹患個体のターゲット臓器に向けさせる。種々の自己免疫性疾患は、罹患した主なまたは最初の標的臓器または組織により一般に特徴付けられ、例えば、関節リウマチにおける場合の関節、橋本甲状腺炎の場合の甲状腺、多発性硬化症の場合の中枢神経系、I型糖尿病の場合の膵臓および炎症性腸疾患の場合の腸などである。
【0084】
本発明の化合物は、Toll様受容体7または8または9(TLR7、TLR8、TLR9)またはそれらの組み合わせを介するシグナル伝達を阻害する。したがって、式(I)の化合物は、TLR7、TLR8、またはTLR9の1つ以上を介するシグナル伝達の阻害と関連する病状の治療に有用である。そのような病状には、サイトカインレベルが細胞内のシグナル伝達の結果として調節される、TLR7、TLR8、またはTLR9受容体に関連する疾患を包含する。
【0085】
本明細書で用いる用語「治療する」または「治療」とは、哺乳類、特にヒトにおける病態の治療を包含し、(a)特に、哺乳類が病態に罹りやすいが、まだ罹患していると診断されていない場合に、該哺乳類が病態に罹患することを妨げること、または遅延させること;(b)病態を阻害すること、すなわち、病態の進行を阻むこと;および/または(c)症状または病態の完全または部分的軽減を達成すること、および/または疾患または障害および/またはその症状を緩和、改善、軽減、または治癒することを含む。
【0086】
TLR7、TLR8、またはTLR9の選択的阻害剤としての本発明の化合物の活性を考慮に入れると、式(I)の化合物はTLR7、TLR8、またはTLR9ファミリー受容体に関連する疾患の治療に有効である。その疾患とは以下に限らないが、炎症性疾患(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、喘息、移植片対宿主病、同種移植片拒絶反応、慢性閉塞性肺疾患)、自己免疫性疾患(例えばバセドウ病、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚ループス、乾癬)、自己炎症性疾患(例えば、クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)、TNF関連周期性症候群(TRAPS)、家族性地中海熱(FMF)、成人スティル病、全身型若年性特発性関節炎、痛風、痛風性関節炎)、代謝性疾患(例えば、2型糖尿病、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞)、骨破壊性疾患(例えば、骨吸収性疾患、変形性関節症、骨粗鬆症、多発性骨髄腫関連骨疾患)、増殖性疾患(例えば、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病)、血管新生病(例えば、固形腫瘍、眼内血管新生病、および小児血管腫を含む血管新生病)、感染症(例えば、敗血症、敗血症性ショック、および細菌性赤痢)、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、外傷性脳虚血または外傷性神経変性疾患)、腫瘍性疾患およびウイルス疾患(例えば、転移性黒色腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、およびHIV感染およびCMV網膜炎、AIDS)がそれぞれ挙げられる。
【0087】
特に、本発明の化合物で治療されてもよい具体的な病状または疾患には、以下に限らないが、膵炎(急性または慢性)、喘息、アレルギー、成人呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、糸球体腎炎、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、慢性甲状腺炎、バセドウ病、自己免疫性胃炎、糖尿病、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、アトピー性皮膚炎、慢性活動性肺炎、重症筋無力症、多発性硬化症、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、乾癬、移植片対宿主病、エンドトキシン誘発炎症反応、結核、アテローム性動脈硬化症、筋変性、カヘキシー、乾癬性関節炎、ライター症候群、痛風、外傷性関節炎、風疹性関節炎、急性滑膜炎、膵臓β細胞疾患;大量の好中球浸潤に特徴づけられる疾患;リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎およびその他の関節炎症状、脳マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺サルコイドーシス、骨吸収性疾患、同種移植片拒絶反応、感染による発熱および筋肉痛、感染に続くカヘキシー、ケロイド形成、瘢痕組織形成、潰瘍性大腸炎、発熱、インフルエンザ、骨粗鬆症、変形性関節症、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、転移性黒色腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、敗血症、敗血症性ショック、および細菌性赤痢;アルツハイマー病、パーキンソン病、外傷性脳虚血または外傷性神経変性疾患;血管新生病(例えば、固形腫瘍、眼内血管新生病、および小児血管腫);ウイルス疾患(例えば、急性肝炎(肝炎A、肝炎Bおよび肝炎Cを含む)感染、HIV感染およびCMV網膜炎、AIDS(ARCまたは悪性腫瘍)、およびヘルペス);脳卒中、心筋虚血、脳卒中心臓発作における虚血、臓器低酸素症、血管過形成、心臓および腎臓再灌流傷害、血栓症、心肥大、トロンビン誘発血小板凝集、内毒血症および/または毒素ショック症候群、プロスタグランジンエンドペルオキシダーゼシンダーゼ2に関連する症状、および尋常性天疱瘡が挙げられる。この実施態様は、ループス(例えば、ループス腎炎および全身性エリテマトーデス(SLE)、クローン病、潰瘍性大腸炎、同種移植片拒絶反応、関節リウマチ、乾癬、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、および尋常性天疱瘡)から選択される症状の治療方法含まれる。また、虚血再灌流障害(例えば、脳卒中による脳虚血再灌流障害および心筋梗塞による心臓虚血再灌流障害)から選択される症状の治療方法も含まれる。さらに、症状が多発性骨髄腫である治療方法も含まれる。
【0088】
ある実施態様において、式(I)の化合物は、癌(例えば、ヴァルデンストレーム・マクログロブリン血症(WM)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、皮膚びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、および原発性CNSリンパ腫)の治療に有効である。
【0089】
さらに、本発明のTLR7、TLR8、またはTLR9阻害剤は、誘導型炎症性タンパク質(例えば、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素-2(PGHS-2、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)、IL-1、IL-6、IL-18、ケモカインとも称される))の発現を阻害する。したがって、さらなるTLR7/8/9関連の症状には、浮腫、無痛覚症、発熱および疼痛(例えば、神経筋痛、頭痛、がんによる疼痛、歯痛および関節炎痛)が含まれる。また、本発明の化合物はまた、動物ウイルス感染、例えばレンチウイルス感染(例えば、以下に限らないがウマ伝染性貧血ウイルス)であるか、またはレトロウイルス感染(例えば、ネコ免疫不全ウイルス、ウシ免疫不全ウイルス、およびイヌ免疫不全ウイルス)の治療に用いられてもよい。
【0090】
本発明は、そのような症状の治療方法であり、少なくとも1つの式(I)の化合物またはその塩の治療上の有効量を、その治療を必要とする患者に投与することを特徴とする治療方法を提供する。「治療上の有効量」とは、単体で、または組み合わせて投与するときに自己免疫性疾患または慢性炎症性疾患を阻害するのに効果的な、本発明の化合物の量を包含することを意図する。
【0091】
TLR7、TLR8、またはTLR9関連の症状の治療方法は、式(I)の化合物を単体で、または互いに、および/またはそのような症状の治療に有効な他の適当な治療剤と組み合わせて投与することを包含してもよい。したがって、「治療上の有効量」とは、TLR7、TLR8、またはTLR9の阻害および/またはTLR7、TLR8、またはTLR9に関連する疾患の治療に効果的な、特許請求された化合物の組み合わせの量を包含することも意図する。
【0092】
その他の治療剤の典型例として、コルチコステロイド、ロリプラム、カルフォスチン、サイトカイン抑制性抗炎症薬(CSAIDs)、インターロイキン-10、グルココルチコイド、サリチレート、一酸化窒素、およびその他免疫抑制剤; 核移行阻害剤(例えばデオキシスペルグアリン(DSG))、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)(例えば、イブプロフェン、セレコキシブおよびロフェコキシブ)、ステロイド(例えば、プレドニゾンまたはデキサメサゾン)、抗ウイルス剤(例えばアバカビル)、抗増殖剤(例えば、メトトレキサート、レフルノミド、FK506 (タクロリムス、PROGRAF(登録商標)))、抗マラリア薬(例えばヒドロキシクロロキン)、細胞毒性薬(例えば、アザチオプリンおよびシクロホスファミド)、TNF-α阻害剤(例えば、テニダップ、抗TNF抗体または可溶性TNF受容体、およびラパマイシン(シロリムスまたはRAPAMUNE(登録商標)))、またはその誘導体が挙げられる。
【0093】
上記のその他の治療剤は、本発明の化合物と組み合わせて使用する場合、例えば、米医薬品便覧(PDR)に記載の量、またはそうでなければ当業者によって特に定められた量で使用されてもよい。本発明の方法において、その他の治療剤は、本発明の化合物の投与の前、同時、または後に投与されてもよい。また、本発明はTLR7/8/9受容体関連の症状(例えば、上記に記載のIL-1ファミリー受容体介在疾患)を治療可能な医薬組成物も提供する。
【0094】
本発明の組成物は、例えば、従来の固体または液体ビークルまたは希釈剤、ならびに所望の投与方法に適切なタイプの医薬品添加物(例えば、添加物、結合剤、防腐剤、安定化剤、香味剤など)を用いて、医薬製剤の分野の当業者に公知の技術に従って上記に記載のその他の治療剤を包含し、製剤化してもよい。
【0095】
したがって、本発明はさらに、1つ以上の式(I)の化合物および医薬的に許容される担体を含む組成物を包含する。
【0096】
「医薬的に許容される担体」とは、生物学的活性剤を動物、特に哺乳類に運搬する分野において一般に許容される媒体をいう。医薬的に許容される担体は、十分当業者の専門技術内である多くの要因に従って処方される。これらの要因には、以下に限らないが、処方される活性剤のタイプおよび性質、その活性剤を含有する組成物が投与される患者、その組成物の意図された投与経路、および目標とされる治療指標が挙げられる。医薬的に許容される担体には、水性および非水性の両方の液体媒体、ならびに様々な固体および半固体の投与剤形を包含する。そのような担体は、活性剤に加え、多くの異なる成分および添加剤を包含することができ、かかる付加的な成分は様々な理由で、例えば、当業者に公知の活性剤、結合剤などの安定化の理由で製剤中に含まれる。適当な医薬的に許容される担体、およびそれを選択する際の要因の説明は、入手が容易な様々な文献、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th Edition (1985)に記載され、その内容は全て参照により本明細書に援用される。
【0097】
式(I)に記載の化合物は、治療する症状に対して適切ないずれかの手段により投与され得て、それは部位特異的治療の必要性または運搬されるべき式(I)の化合物の量に依存し得る。
【0098】
また、本発明には、式(I)の化合物と、毒性がなく、医薬的に許容される1つ以上の担体および/または希釈剤および/またはアジュバント(本明細書で「担体」と総称される物質)および、所望により他の活性成分とを含む、医薬組成物の類が含まれる。式(I)の化合物は、いずれかの適切な経路により、好ましくはそのような経路に適応する医薬組成物の形態、および予定される治療に効果的な投薬量で投与されてもよい。本発明の化合物および組成物は、例えば、経口的、経粘膜的、または血管内的、静脈内的、腹腔内的、皮下的、筋肉内的、および胸骨内的を含む非経口的に、医薬的に許容される従来の担体、アジュバント、およびビークルを含有する投与単位製剤にて投与されてもよい。例えば、医薬担体には、マンニトールまたはラクトースおよび微結晶セルロースの混合物を包含してもよい。該混合物は、例えば滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム)および崩壊剤(例えばクロスポビドン)などの添加成分を包含してもよい。担体混合物はゼラチンカプセルに充填されてもよいか、または錠剤として圧縮されてもよい。医薬組成物は、例えば経口剤形または点滴として投与されてもよい。
【0099】
経口投与用として、医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、液体カプセル、懸濁液、または液体の形態であってもよい。医薬組成物は、好ましくは特定の活性成分量を有する投与単位剤形で製剤化される。例えば、医薬組成物は、約0.1から1000mg、好ましくは約0.25から250mg、より好ましくは約0.5から100mgの範囲の活性成分量を含む錠剤またはカプセルとして提供されてもよい。ヒトまたはその他の哺乳類に投与する適切な1日用量は、患者の病状およびその他の要因によって大幅に変更されてもよいが、慣用的方法を用いて決定され得る。
【0100】
本明細書で検討される医薬組成物はいずれも、例えば、許容され、かつ適切ないずれかの経口製剤を介して経口的に運搬され得る。経口製剤の典型例として、以下に限らないが、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性および油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、ハードおよびソフトカプセル、液体カプセル、シロップ、およびエリキシルが挙げられる。経口投与用の医薬組成物は、経口投与用の医薬組成物を製造する分野で公知のいずれかの方法に従って製造され得る。医薬的に飲みやすい製剤を提供するために、本発明に記載の医薬組成物は、甘味剤、風味剤、着色剤、粘滑剤、抗酸化剤、および防腐剤から選択される少なくとも1つの物質を包含し得る。
【0101】
錠剤は、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物と、少なくとも1つの毒性がなく医薬的に許容される、錠剤の製造に適切な添加剤を混合することで製造され得る。典型的な添加剤には、以下に限らないが、例えば、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、およびリン酸ナトリウム)、造粒剤および崩壊剤(例えば、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コーンスターチ、およびアルギン酸)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、およびアラビアガム)、および滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、およびタルク)が挙げられる。さらに、錠剤は被膜されていないか、または不快な薬物の嫌な味をマスキングするため、またはその消化管での活性成分の崩壊および吸収を遅延させ、より長期間にわたって活性成分の効果を持続させるために、公知の技術で被膜され得る。水可溶性味マスキング材料の典型例として、以下に限らないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。時間遅延材料典型例として、以下に限らないが、エチルセルロースおよび酢酸酪酸セルロースが挙げられる。
【0102】
ハードゼラチンカプセルは、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物を、少なくとも1つの不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、およびカオリン)と混合することにより製造され得る。
【0103】
ソフトゼラチンカプセルは、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物を、少なくとも1つの水可溶性担体(例えば、ポリエチレングリコール)、および少なくとも1つの油性媒体(例えば、ピーナツ油、液体パラフィン、およびオリーブ油)と混合することにより製造され得る。
【0104】
水性懸濁液は、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物を、少なくとも1つの水性懸濁液の製造に適切な添加剤を混合することにより製造され得る。水性懸濁液の製造に適切な添加剤の典型例としては、以下に限らないが、例えば、懸濁化剤(例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、およびアラビアガム)、分散剤または湿潤剤(例えば、天然に存在するフォスファチド(例えばレシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物(例えばポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、およびエチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えばポリエチレンソルビタンモノオレエート)が挙げられる。また、水性懸濁液は、少なくとも1つの防腐剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸エチルおよびn-プロピルp-ヒドロキシ安息香酸)、少なくとも1つの着色剤、少なくとも1つの風味剤、および/または少なくとも1つの甘味剤(以下に限らないが、例えば、スクロース、サッカリン、およびアスパルテーム)を包含し得る。
【0105】
油性懸濁液は、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物を、植物油(例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油、およびココナッツ油)、または鉱油(例えば液体パラフィン))のいずれかに懸濁することにより製造され得る。また、油性懸濁液は、少なくとも1つの濃化剤(例えば、蜜蝋、固形パラフィン、およびセチルアルコール)を包含し得る。飲みやすい油性懸濁液を提供するために、少なくとも1つの既に上記に記載の甘味剤、および/または少なくとも1つの風味剤が油性懸濁液に添加され得る。油性懸濁液は、さらに少なくとも1つの防腐剤(以下に限らないが、例えば、抗酸化剤(例えば、ブチルヒドロキシアニソール、およびα-トコフェロール))を包含し得る。
【0106】
分散性粉末および顆粒は、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物を、少なくとも1つの分散剤および/または湿潤剤、少なくとも1つの懸濁化剤、および/または少なくとも1つの防腐剤を混合することにより製造され得る。適切な分散剤、湿潤剤、および懸濁化剤は既に上記に記載されている。防腐剤の典型例として以下に限らないが、例えば、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸)が挙げられる。さらに、分散性粉末および顆粒は、また、少なくとも1つの賦形剤(以下に限らないが、例えば、甘味剤、風味剤、および着色剤)を包含し得る。
【0107】
式(I)のその少なくとも1つの化合物のエマルジョンは、例えば、水中油型エマルジョンとして製造され得る。式(I)の化合物を含むエマルジョンの油相は、既知の方法で既知の成分から構成されてもよい。該油相は以下に限らないが、例えば、植物油(例えば、オリーブ油および落花生油)、鉱油(例えば液体パラフィン)、およびその混合物により提供され得る。油相は乳化剤のみを包含するものであってもよいが、少なくとも1つの乳化剤と脂肪または油、または脂肪および油の両方の混合物を包含してもよい。適切な乳化剤には、以下に限らないが、例えば、天然に存在するフォスファチド(例えば大豆レシチン)、脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導されるエステルまたは部分エステル(例えばソルビタンモノオレエート)、および部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物(例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)が挙げられる。好ましくは、親水性乳化剤が、安定化剤として作用する親油性乳化剤と共に含まれる。また、油および脂肪の両方を包含することも好ましい。併せて、乳化剤は、安定化剤と共に、または無しでいわゆる乳化ワックスを作り上げ、およびそのワックスは、油および脂肪と共にクリーム製剤の油性分散相を形成する、いわゆる乳化軟膏基剤を作り上げる。エマルジョンはまた、甘味剤、風味剤、防腐剤、および/または抗酸化剤を包含し得る。本発明の製剤中での使用に適切な乳化剤およびエマルジョン安定化剤には、単体またはワックスと一緒になったTween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム、ジステアリン酸グリセリル;または当該分野に公知の他の物質が挙げられる。
【0108】
また、式(I)の化合物は、例えば、いずれの医薬的に許容され、かつ適切な注射形態を介して静脈内、皮下内、および/または筋肉内に、運搬され得る。注射形態の典型例として、以下に限らないが、例えば、許容されるビークルおよび溶媒(例えば、水、リンゲル液、および塩化ナトリウム等張液)を含む無菌水溶液、無菌水中油型マイクロエマルジョン、および水性または油性懸濁液が挙げられる。
【0109】
非経口投与用製剤は、水性または非水性等張無菌注射液または懸濁液の形態であってもよい。これらの溶液および懸濁液は、経口投与用の製剤中での使用について記載される1つ以上の担体または希釈剤を用いるか、または他の適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いることにより、無菌粉末または顆粒から調製されてもよい。該化合物は、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、綿実油、ピーナツ油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム溶液、トラガカントガム、および/または様々な緩衝液に溶解させてもよい。その他のアジュバントおよび投与方法は、医薬分野において公知であり、広く知られている。また、その活性成分は適切な担体(例えば、生理食塩水、デキストロース、または水)、またはシクロデキストリン(すなわちCaptisol)、可溶化共溶媒(すなわちプロピレングリコール)、または可溶化ミセル(すなわちTween 80)との組成物として、注射により投与されてもよい。
【0110】
また、無菌注射製剤とは、毒性がなく、非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射溶液または懸濁液(例えば1,3-ブタンジオール中の溶液)であってもよい。許容されるビークルおよび溶媒のうち、使用されてもよいものは、水、リンゲル液、および塩化ナトリウム等張液である。さらに、無菌不揮発油は、溶媒または懸濁媒体として慣例的に用いられている。このために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む、いずれの無菌不揮発油が用いられてもよい。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が注射製剤として使用される。
【0111】
無菌注射水中油型マイクロエマルジョンは、例えば以下によって製造され得る。1)少なくとも1つの式(I)の化合物を油相(例えば、ダイズ油およびレシチンの混合物)に溶解し、2)油相を含有する式(I)を、水およびグリセロールの混合物と組み合わせ、3)その組み合わせを処理してマイクロエマルジョンを形成する。
【0112】
無菌水性懸濁液または無菌油性懸濁液は、当業者に公知の方法に従って製造され得る。例えば、無菌水溶液または無菌水性懸濁液は、毒性がなく、非経口的に許容される希釈剤または溶媒(例えば1,3-ブタンジオール)を用いて調製され得、無菌油性懸濁液は、無菌の毒性のない許容される溶媒または懸濁媒体(例えば、無菌不揮発油(例えば、合成モノグリセリドまたはジグリセリド)、および脂肪酸(例えばオレイン酸))を用いて製造され得る。
【0113】
本発明の医薬組成物に使用され得る医薬的に許容される担体、アジュバント、およびビークルには、以下に限らないが、イオン交換体、アルミナ、アルミニウムステアレート、レシチン、自己乳化ドラッグデリバリーシステム(SEDDS)(例えばd-アルファ-トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート)、医薬剤形に用いられる界面活性剤(例えば、Tween、ポリエトキシ化ヒマシ油(例えばCREMOPHOR界面活性剤(BASF)、またはその他の類似するポリマーデリバリーマトリックス)、血清タンパク質(例えばヒト血清アルブミン)、緩衝液物質(例えば、ホスフェート、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、プロタミン硫酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム)、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂)が挙げられる。また、シクロデキストリン(例えば、α-、β-、およびγ-シクロデキストリン、または化学的に修飾された誘導体(例えば、2-および3-ヒドロキシプロピルシクロデキストリンを含むヒドロキシアルキルシクロデキストリン、またはその他の可溶化誘導体)も、本明細書に記載の式の化合物の運搬を増進するために効果的に使用されてもよい。
【0114】
本発明の医薬的に活性な化合物は、患者(例えば、ヒトおよびその他の哺乳類)に投与する薬剤を調製するために、従来の薬学の方法に従って処理され得る。医薬組成物は、従来の製薬操作(例えば滅菌処理)に供されてもよく、および/または従来のアジュバント(例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝液など)を包含してもよい。錠剤および丸剤は、加えて腸溶性被覆剤を用いて調製され得る。また、そのような組成物は、アジュバント(例えば湿潤剤、甘味剤、風味剤、および芳香剤)も包含し得る。
【0115】
本発明の化合物および/または組成物を用いて病状を治療するために投与される化合物の量、および投与計画は、様々な要因(例えば、年齢、体重、性別、患者の病状、疾患のタイプ、疾患の危篤度、投与経路および投与頻度、および利用される特定の化合物)に依存する。それ故、投与計画は大幅に変更されてもよいが、標準的方法を用いて規定通りに決定され得る。1日用量は、約0.001から100 mg/体重kg、好ましくは約0.0025から約50 mg/体重kgの間、および最も好ましくは約0.005から10 mg/体重kgの間が適切であり得る。1日用量は1日に1から4回投与され得る。その他の投与計画として、週に1回および2日に1回サイクルが挙げられる。
【0116】
治療目的のために、本発明の活性な化合物は、通常意図された投与経路に適切な1つ以上のアジュバントと組み合わせられる。経口的に投与される場合、該化合物は、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、マグネシウムオキシド、リン酸および硫酸のナトリウム塩およびカルシウム塩、ゼラチン、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、および/またはポリビニルアルコールと混合されてもよく、次いで簡便な投与用に錠剤化またはカプセル化されてもよい。そのようなカプセルまたは錠剤は放出制御製剤を包含してもよく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース中に活性な化合物を分散して提供されてもよい。
【0117】
本発明の医薬組成物は、少なくとも1つの式(I)の化合物、およびいずれの医薬的に許容される担体、アジュバント、およびビークルから適宜選択される添加剤を包含する。本発明の別の組成物には、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはそのプロドラッグ、および医薬的に許容される担体、アジュバント、またはビークルを包含する。
【0118】
また、本発明は製造品を包含する。本明細書で使用される製造品とは、以下に限らないが、キットおよびパッケージを含むことを意図する。本発明の製造品は、(a)第1の容器、(b)第1の容器内に入れられる医薬組成物(ここで該組成物は、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩の形態を含む、第1の治療剤を包含する)、および(c)該医薬組成物が、上記で定義される炎症性疾患および/または自己免疫性疾患の治療に利用出来ることを記載する添付文書を包含する。その他の実施態様において、添付文書では、該医薬組成物が炎症性疾患および/または自己免疫性疾患の治療に、第2の治療剤と(上記で定義されるように)組み合わせて利用できることが記載される。該製造品はさらに、(d)第2の容器(ここで構成要素(a)および(b)は、第2の容器内に入れられ、構成要素(c)は、第2の容器の内または外に位置する)を包含し得る。第1および第2の容器に位置するとは、各容器が該アイテムをその領域内に保持することを意味する。
【0119】
第1の容器は、医薬組成物を保持するために用いられる容器である。この容器は、製造、保管、配送、および/または個別/大量販売のためのものであり得る。第1の容器とは、ボトル、ジャー、バイアル、フラスコ、シリンジ、チューブ(例えばクリーム製剤用)、または医薬製剤の製造、保持、保管、または流通に用いられる任意の他の容器を含むことを意図する。
【0120】
第2の容器は、第1の容器、および所望により添付文書を保持するためのものである。第2の容器の実施例には、以下に限らないが、箱(例えば、ボール紙またはプラスチック)、木箱、段ボール箱、袋(例えば、紙またはプラスチックの袋)、ポーチ、および布袋が挙げられる。添付文書は、第1の容器にテープ、接着剤、ホッチキス、またはその他の付着方法により物理的に付着され得るか、または第1の容器に物理的手段で付着させることなく、第2の容器内に存在し得る。あるいは、添付文書は第2の容器の外側に位置する。第2の容器の外側に位置する場合、添付文書は、テープ、接着剤、ホッチキス、またはその他の付着方法により物理的に付着されることが好ましい。あるいは、物理的に付着させることなく第2の容器の外側に近接または接触し得る。
【0121】
添付文書とは、第1の容器内に配置される医薬組成物に関連する情報を記載するラベル、タグ、マーカー等である。記載される情報は、通常、該製造品が販売される地域を管理する規制当局(例えばアメリカ食品医薬品局)により決定される。ある実施態様において、添付文書は、該医薬組成物が認可されていることの表示を具体的に記載する。添付文書は、人がその中またはその上に含まれる情報を読むことが出来る、任意の材料で作成されてもよい。例えば、添付文書は、その上に所望の情報が形成される(例えば、印刷または貼り付け)、印刷可能な材質(例えば、紙、プラスチック、ボール紙、ホイル、接着剤付き紙またはプラスチック等)である。
【0122】
(製造方法)
本発明の化合物は、有機合成の分野の当業者に公知の、多くの方法によって製造することができる。本発明の化合物は下記に記載の方法を、有機合成化学の技術において公知の合成方法を共に用いて、または該当業者に評価されているそれらの類似合成方法を用いて合成出来る。好ましい方法としてはこれらに限定されないが、下記に記載の方法が挙げられる。本明細書で引用する全ての参照はその参照内容により援用される。
【0123】
本発明の化合物は、この項に記載の反応および技術を用いて製造されうる。該反応は、用いる試薬および物質に適した溶媒中で実施され、もたらされる変換に適切である。また、以下に記載の合成方法の説明において、提示した反応条件(溶媒の選択、反応雰囲気、反応温度、実験時間およびワ-クアップ方法を含む)は全て、該反応の標準である条件となるように選択されていると理解され、それは当業者によって容易に認識されるべきである。分子の様々な部分に存在する官能基が、提示された試薬および反応に適合しなければならないことは、有機合成の分野の当業者により理解される。反応条件に適合する置換基がそのように制限されることは当業者にとっては容易に明白であり、代替方法が用いられなくてはならない。該反応は本発明の所望の化合物を得るために、合成ステップの順序の変更またはある特定の反応過程を異なるものに選択する判断が必要なときもある。また、この分野のあらゆる合成経路計画における、もう1つの重要な検討対象は、本発明に記載の所望の化合物に存在する反応性官能基の保護に用いる保護基の賢明な選択であると認識される。熟練した実験者に対し、多くの保護基の代替案を記載している権威ある文献としてGreeneおよびWuts著のProtective Groups In Organic Synthesis(Fourth Edition,Wiley & Sons, 2007)が挙げられる。
【0124】
(実施例)
式(I)の化合物の製造、および式(I)の化合物の製造に用いられる中間体は、下記の実施例に記載の工程、およびそれに関連する工程を用いて製造され得る。これらの実施例に使用される方法および条件、ならびにこれらの実施例で製造される実際の化合物は、限定的であることを意図とするものではなく、式(I)の化合物がどのように製造され得るかを説明するものである。これらの実施例で使用される出発物質および試薬は、本明細書に記載の工程により製造されない場合、一般に商業的に入手可能であるか、または化学文献にて報告されているかのいずれかであり、あるいは化学文献に記載の工程を用いることにより調製されてもよい。
【0125】
記載の実施例において、フレーズ「乾燥および濃縮した」は、一般に、有機溶媒中の溶液を硫酸ナトリウムまたは硫酸マグネシウムのいずれかで乾燥し、続いて濾過し、濾液から溶媒を(一般に減圧下、製造する物質の安定性に適する温度で)除去することをいう。カラムクロマトグラフィーは、Isco中圧クロマトグラフィー装置(Teledyne Corporation)を用いて、予め充填されたシリカゲルカートリッジで記載の溶媒または混合溶媒で溶出して行われた。以下の略語が明細書にて用いられる。
【表1】
【0126】
(製造)
以下に記載の製造は、市販品として入手できない試薬の合成のためであり、本発明の式Iの化合物の製造に用いられる。特に断りがない限り、表およびスキーム中の全てのキラル化合物はラセミ体である。
【0127】
逆相分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、YMC S5 ODSカラム(20x100、20x250、または30x250ミリメートル(mm))を取り付けたShimadzu 8A液体クロマトグラフを用いて行った。グラジエントはメタノール/水混合溶媒(0.1%トリフルオロ酢酸含有)で溶出した。
【0128】
HPLC方法
方法A:(分析)カラム: Waters Acquity BEH(商標登録) C18 2.0x50mm、1.7μm(Waters Corp.); 移動相A: 0.1%TFA水溶液; 移動相B: MeCN(0.1%TFA含有); 温度: 40℃; 流速 1mL/分; グラジエント: 0~100%Bで1.5分かけて溶出後、次いで100%Bで0.5分間溶出
方法B:(分析)カラム: Waters Acquity UPLC(商標登録) BEH C18 2.1x50mm、1.7μm(Waters Corp.); 移動相A: 水(0.05%TFA含有); 移動相B: MeCN(0.05%TFA含有); 温度: 50℃; 流速 0.8mL/分; グラジエント: 0~100%Bで1.8分かけて溶出
方法C:(分析)カラム: Waters Acquity UPLC(商標登録) BEH C18 2.1x50mm、1.7μm(Waters Corp.); 移動相A: 0.1%TFA水溶液; 移動相B: MeCN(0.1%TFA含有); 温度: 50℃; 流速 1mL/分; グラジエント: 0~100%Bで3分かけて溶出後、次いで100%Bで0.5分間溶出
方法D:(QC-ACN-AA-XB)カラム: Waters Acquity UPLC BEH(商標登録) C18、2.1x50mm、粒子径:1.7μm(Waters Corp.); 移動相A: 5:95 アセトニトリル: 10mM酢酸アンモニウム水溶液; 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 温度: 50℃; グラジエント: 0~100%Bで3分かけて溶出後、次いで100%Bで0.75分間溶出; 流速: 1.0mL/分; 検出: UV(220nm)
方法E:(TS1)カラム: Waters Acquity UPLC BEH(商標登録) C18(2.1x50mm)、1.7μm(Waters Corp.); 溶媒A=100%水(0.05%TFA含有); 溶媒B=100%アセトニトリル(0.05%TFA含有); グラジエント=2~98%Bで1分かけて溶出後、次いで98%Bで0.5分間溶出; 流速: 0.8mL/分
方法F: カラム: Waters XBridge C18、2.1mmx50mm、粒子径:1.7μm (Waters Corp.); 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 温度: 50℃; グラジエント: 0%B~100%Bで3分かけて溶出後、次いで100%Bで0.75分間溶出; 流速: 1mL/分; 検出: MSおよびUV(220nm)
【0129】
実施例1
3,5-ジメチル-4-(6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-2-イル)イソオキサゾール
【化13】
【0130】
ステップ1: 4-(9H-カルバゾール-2-イル)-3,5-ジメチルイソオキサゾールの製造
【化14】
スクリューキャップバイアル中、2-ブロモ-9H-カルバゾール(750mg、3.05mmol)、3,5-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソオキサゾール(748mg、3.35mmol)、およびPd(dppf)Cl2(55.7mg、0.076mmol)を含む混合物に、THF(15mL)、続いてリン酸三カリウム水溶液(3.05mL、9.14mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを65℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(15mL)で希釈した。これにより得られた水層をパスツールピペットで吸引し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(24g)にロードし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: グラジエント0%~100%ヘキサン/酢酸エチルで15分)を用いて精製し、4-(9H-カルバゾール-2-イル)-3,5-ジメチルイソオキサゾール(1C)(700mg、2.67mmol、88%収率)を得た。m/z(263、M+H)
【0131】
ステップ2: 4-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-2-イル)-3,5-ジメチルイソオキサゾール
【化15】
4-(9H-カルバゾール-2-イル)-3,5-ジメチルイソオキサゾール(500mg、1.906mmol)/DMF(10mL)を含む溶液に、NBS(700mg、4.0mmol)を少しずつ加え、混合物を20時間撹拌し、主成ジブロモ化化合物(m/z: 421、M+H)を検出した。この反応混合物を濃縮し、得られた固体を水に懸濁し、撹拌した。固体を次いで濾過し、乾燥し、得られた残渣をDCMに再溶解し、シリカゲル(5g)に吸着させ、ISCOシリカゲルクロマトグラフィーシステム(ISCOシリカゲルカラム(24g)、0%~50%のHex/EtOAcで15分かけてグラジエント)で精製し、4-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-2-イル)-3,5-ジメチルイソオキサゾール(1D)(550mg、~90%純度)を得た。m/z(419/421、M+H)
【0132】
ステップ3: tert-ブチル4-(6-ブロモ-7-(3,5-ジメチルイソキサゾール-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート
【化16】
スクリューキャップバイアル中、tert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(122mg、0.393mmol)、4-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-2-イル)-3,5-ジメチルイソオキサゾール(150mg、0.357mmol)、およびXphos-Pd G2(7.02mg、8.93μmol)を含む混合物に、THF(2mL)、続いてリン酸三カリウム水溶液(0.357mL、1.071mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを40℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、水層をパスツールピペットで吸引し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(12g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 0%~50%のヘキサン/酢酸エチルで15分かけてグラジエント)を用いて精製し、相対的に不純物の少ないtert-ブチル4-(6-ブロモ-7-(3,5-ジメチルイソキサゾール-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(1F)を得た(110mg、0.211mmol、59.0%収率、~90%純度)。m/z(524、M+H)
【0133】
ステップ4および5:
Parr社製ボトル中、不純物を含むtert-ブチル4-(6-ブロモ-7-(3,5-ジメチルイソキサゾール-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(75mg、0.144mmol)/MeOH(10mL)溶液を窒素ガスでパージした。次に、Pd-C(76mg、0.072mmol)を加えた。容器を水素発生装置(Parr社)にセットし、水素ガスで50psiに加圧した。この反応混合物を20時間振り混ぜ、tert-ブチル4-(7-(3,5-ジメチルイソキサゾール-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(m/z 446、M+H)を不純物と共に得た。この反応混合物をセライト濾過し、濃縮した。これにより粗製物質を得て、TFA(2mL)/DCM(2mL)で処理し、30分間撹拌した。この反応混合物を乾燥するまで濃縮し、得られた残渣を分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、19x200mm、粒子径:5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); グラジエント: 10~50%Bで19分かけて溶出後、次いで100%Bで5分間溶出; 流速: 20mL/分)で精製した。生成物を含むフラクションを合わせて遠心エバポレーターで乾燥し、3,5-ジメチル-4-(6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-2-イル)イソオキサゾール(40mg、0.116mmol、81%収率)を得た(m/z 346、M+H; HPLC tR 1.2分(分析HPLC 方法F))。1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.27-11.23 (m, 1H), 8.20-8.15 (m, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.48-7.41 (m, 2H), 7.32-7.27 (m, 1H), 7.15-7.10 (m, 1H), 3.79-3.55 (m, 2H), 3.26-3.19 (m, 1H), 2.92-2.78 (m, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.29-2.25 (m, 3H), 1.93-1.86 (m, 2H), 1.86-1.74 (m, 2H)
【0134】
実施例2
2-(2,6-ジメチルピリジン-4-イル)-6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール
【化17】
【0135】
ステップ1: 2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9H-カルバゾール
【化18】
スクリューキャップバイアル中、2-ブロモ-9H-カルバゾール(1g、4.06mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(1.548g、6.10mmol)、酢酸カリウム(1.196g、12.19mmol)およびPd(dppf)Cl2(0.149g、0.203mmol)を含む混合物に、DMF(15mL)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを85℃で4時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(100mL)で希釈し、10%LiCl水溶液(25mLX2)および飽和NaCl水溶液(25mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製残渣を得た。得られた粗製残渣をDCM(20mL)に再溶解し、シリカゲル(15g)にロードし、ISCOシリカゲルクロマトグラフィーシステム(ISCOシリカゲルカラム(40g)、Hex/EtOAc(0%~50%)で15分かけてグラジエント)で精製し、2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9H-カルバゾール(2A)(1.1g、3.75mmol、92%収率)を得た。m/z(294、M+H)
【0136】
ステップ2: 2-(2,6-ジメチルピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール
【化19】
スクリューキャップバイアル中、2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9H-カルバゾール(200mg、0.682mmol)、4-ブロモ-2,6-ジメチルピリジン(133mg、0.716mmol)、およびPd(dppf)Cl2(12.48mg、0.017mmol)を含む混合物に、THF(5mL)、続いてリン酸三カリウム水溶液(0.682mL、2.047mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを55℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(15mL)で希釈し、水層をパスツールピペットで吸引し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(24g)にロードし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 5%~100%ヘキサン/酢酸エチルで15分かけてグラジエント)を用いて精製し、2-(2,6-ジメチルピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール(2C)(130mg、0.477mmol、70.0%収率)を得た。m/z(273、M+H)
【0137】
ステップ3: 6-ブロモ-2-(2,6-ジメチルピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール
【化20】
2-(2,6-ジメチルピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール(100mg、0.367mmol)/DCMの溶液に、NBS(65.4mg、0.367mmol)を少しずつ加え、混合物を20時間撹拌した。LCMS分析にて6-ブロモ-2-(2,6-ジメチルピリジン-4-イル)-9H-カルバゾールおよび副生成物のブロモ異性体の存在が示された。この反応混合物に、シリカゲル(5g)およびDCMをさらに加え、混合物を濃縮乾固させた。シリカに吸着した化合物を、ISCOシリカゲルカラム(12g)およびTeledyne ISCOシステム(溶出条件: CH2Cl2/EtOAc(0%~50%)で15分かけてグラジエント)を用いて精製し、6-ブロモ-2-(2,6-ジメチルピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール(2D)(75mg; m/z(351/353、M+H))および副生成物のブロモ異性体を得た。
【0138】
ステップ4~6:
スクリューキャップバイアル中、粗製6-ブロモ-2-(2,6-ジメチルピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール(75mg、0.214mmol)、tert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(72.6mg、0.235mmol)、およびPd(dppf)Cl2(7.81mg、10.68μmol)を含む混合物に、THF(2.5mL)、続いてリン酸三カリウム水溶液(0.214mL、0.641mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを65℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、下層の水層をピペットで吸引した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(12g)にロードし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 0%~100%のヘキサン/酢酸エチルで10分かけてグラジエント)を用いて精製し、粗製tert-ブチル4-(7-(2,6-ジメチルピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレートを得た。m/z(454、M+H)
tert-ブチル4-(7-(2,6-ジメチルピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレートをメタノール(5mL)に溶解し、Parr社製のボトルに移した。容器を窒素ガスでパージし、10%Pd-C(50mg、0.047mmol)を加えた。容器をシェイカー(Parr)にセットし、水素ガスで50psiに加圧し20時間振り混ぜた。この反応混合物をセライト濾過し、濃縮し、粗製tert-ブチル4-(7-(2,6-ジメチルピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを得た。m/z(456、M+H)
tert-ブチル4-(7-(2,6-ジメチルピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートをDCM(1mL)に溶解し、TFA(1mL)で処理した。この反応混合物を1時間撹拌し、tert-ブチルカルボキシ基の脱保護を促した。この反応混合物を濃縮し、分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、19x200mm、粒子径:5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); グラジエント: 0~30%Bで24分かけて溶出後、次いで100%Bで5分間溶出; 流速: 20mL/分)で精製した。生成物を含むフラクションを合わせて、遠心エバポレーターで乾燥し、2-(2,6-ジメチルピリジン-4-イル)-6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール(3.9mg、10.97μmol、5.14%収率)を得た。m/z(356、M+H)HPLC tR 0.77分(分析HPLC 方法F); 1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.47 (s, 1H), 8.29-8.25 (m, 1H), 8.05-8.02 (m, 1H), 7.99-7.96 (m, 1H), 7.88-7.84 (m, 2H), 7.70-7.65 (m, 1H), 7.54-7.51 (m, 1H), 7.38-7.34 (m, 1H), 3.46-3.40 (m, 1H), 3.12-2.98 (m, 4H), 2.66-2.62 (m, 6H), 2.09-2.02 (m, 2H), 1.97-1.86 (m, 2H)
【0139】
実施例3
2-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール
【化21】
【0140】
ステップ1: 2-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-9H-カルバゾール
【化22】
スクリューキャップバイアル中、2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9H-カルバゾール(200mg、0.682mmol)、6-ブロモ-8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(145mg、0.682mmol)、およびPd(dppf)Cl2(12.48mg、0.017mmol)を含む混合物に、THF(5mL)、続いてリン酸三カリウム水溶液(0.682mL、2.047mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを55℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、水層をパスツールピペットで除去し、有機層を濃縮した。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(12g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 0%~100%のヘキサン/酢酸エチルで15分かけてグラジエント)を用いて精製し、粗製2-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-9H-カルバゾール(3B)(150mg; m/z(299、M+H))および不純物の6-ブロモ-8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジンを得た。
【0141】
ステップ2: 3,6-ジブロモ-2-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-9H-カルバゾール
【化23】
2-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-9H-カルバゾール(100mg、0.335mmol)/DCM(5mL)を含む溶液に、NBS(119mg、0.670mmol)を加え、この混合物を終夜撹拌した。この反応混合物をさらにDCM(5mL)で希釈し、乾燥シリカゲル(5g)を加え、濃縮乾固させた。化合物の吸着したシリカを、ISCOシリカゲルカラム(12g)およびTeledyne ISCOシステム(溶出条件: CH2Cl2/EtOAc(0%~50%)で15分かけてグラジエント)を用いて精製し、粗製3,6-ジブロモ-2-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-9H-カルバゾール(3C)(150mg)を得た。m/z(457、M+H)
【0142】
ステップ3および4: tert-ブチル4-(7-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【化24】
スクリューキャップバイアル中、3,6-ジブロモ-2-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-9H-カルバゾール(150mg、0.329mmol)、tert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(112mg、0.362mmol)、およびPd(dppf)Cl2(12.03mg、0.016mmol)を含む混合物に、THF(2.5mL)、続いてリン酸三カリウム水溶液(0.329mL、0.987mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを55℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、下層の水層をピペットで吸引した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(12g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 0%~100%のヘキサン/酢酸エチルで10分かけてグラジエント)を用いて精製し、不純物を含むtert-ブチル4-(6-ブロモ-7-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレートを得た(m/z 557/559、M+H)。得られた粗製生成物をMeOH(2.5mL)に懸濁し、Pd(OH)2(10mg、0.071mmol)を加え、続いてギ酸アンモニウム(150mg、2.379mmol)を加え、バイアルを密封し、55℃で20時間加熱した。この反応混合物を酢酸エチル(5mL)で希釈し、セライト濾過し、濃縮した。粗製物質を分取HPLC(溶媒A: 95%H20/5%ACN/0.05%TFA、カラム: 2-Phen Luna C18(21 X 100))で精製し、純粋なtert-ブチル4-(7-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(3D)(30mg、0.062mmol、18.94%収率)を得た。m/z(482、M+H)
【0143】
ステップ5:
tert-ブチル4-(7-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(30mg、0.062mmol)/DCM(1mL)を含む溶液に、TFA(1mL、12.98mmol)を加え、混合物を30分間撹拌し、濃縮した。得られた残渣をジエチルエーテル(1mL)に懸濁し、微細懸濁液が得られるまでソニケーションを行った。得られた懸濁液を濾過し、さらにジエチルエーテルで濯ぎ、乾燥し、2-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール・TFA(25mg、0.045mmol、72.9%収率)を固体として得た。m/z(382、M+H); HPLC tR 0.7分(分析HPLC 方法E)。1H NMR(400MHz、CD3OD_SPE) δ 8.73-8.71 (m, 1H), 8.54-8.51 (m, 1H), 8.16-8.11 (m, 2H), 7.61-7.58 (m, 1H), 7.52-7.40 (m, 3H), 7.27-7.20 (m, 1H), 3.50-3.43 (m, 2H), 3.13-2.94 (m, 3H), 2.74-2.71 (m, 3H), 2.20-2.08 (m, 4H)
【0144】
実施例4
6-(ピペリジン-4-イル)-2-(ピリジン-3-イル)-9H-カルバゾール
【化25】
6-(ピペリジン-4-イル)-2-(ピリジン-3-イル)-9H-カルバゾールを、実施例1に記載の一般的な方法に従って、出発物質として2-ブロモ-9H-カルバゾールおよび3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジンを得た6-(ピペリジン-4-イル)-2-(ピリジン-3-イル)-9H-カルバゾール・2TFAを用いて製造した。m/z(328、M+H); HPLC tR 0.7分(分析HPLC 方法F); 1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ 11.43-11.39 (m, 1H), 9.09 (br s, 1H), 8.71-8.65 (m, 1H), 8.39 (br d, J=7.8 Hz, 1H), 8.26 (d, J=8.2 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.73-7.66 (m, 1H), 7.58-7.53 (m, 1H), 7.52-7.48 (m, 1H), 7.33-7.30 (m, 1H), 3.47-3.41 (m, 2H), 3.15-2.96 (m, 3H), 2.10-2.02 (m, 2H), 1.99-1.85 (m, 2H)
【0145】
実施例5
1,3,4-トリメチル-5-(6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-2-イル)ピリジン-2(1H)-オン
【化26】
【0146】
ステップ1: 4'-ブロモ-5-クロロ-2-ニトロ-1,1'-ビフェニル
【化27】
スクリューキャップバイアル中、2-ブロモ-4-クロロ-1-ニトロベンゼン(1500mg、6.34mmol)、(4-ブロモフェニル)ボロン酸(1299mg、6.47mmol)、およびPd(dppf)Cl2(116mg、0.159mmol)を含む混合物に、THF(15mL)、続いてリン酸三カリウム水溶液(6.34mL、19.03mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを55℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、下層の水層を廃棄し、有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(40g)にロードし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 0%~50%のヘキサン/酢酸エチルで20分かけてグラジエント)を用いて精製し、4'-ブロモ-5-クロロ-2-ニトロ-1,1'-ビフェニル(5C)(1850mg、5.92mmol、93%収率)を得た(m/z 検出なし)。1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ 8.11-8.07 (m, 1H), 7.77-7.72 (m, 1H), 7.71-7.65 (m, 3H), 7.38-7.33 (m, 2H)
【0147】
ステップ2: 2-ブロモ-6-クロロ-9H-カルバゾール
【化28】
耐高圧容器中、4'-ブロモ-5-クロロ-2-ニトロ-1,1'-ビフェニル(1900mg、6.08mmol)およびトリフェニルホスフィン(4000mg、15.25mmol)を含む混合物をo-ジクロロベンゼン(20mL)に懸濁し、密封し、窒素ガスでパージし、185℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。得られた残渣をDCMに溶解し、シリカゲル(~20g)にロードし、乾燥し、Teledyne ISCOの空のカートリッジに詰め、ISCO Teledyneシステムにセットし、ISCOシリカゲルカラム(80g、Hex/EtOAc(0%~50%)で20分かけてグラジエント)で精製し、2-ブロモ-6-クロロ-9H-カルバゾール(5D)(1500mg、5.35mmol、88%収率)を得た。m/z(280、M+H)
【0148】
ステップ3: 6-クロロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9H-カルバゾール
【化29】
スクリューキャップバイアル中、2-ブロモ-6-クロロ-9H-カルバゾール(500mg、1.782mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(566mg、2.228mmol)、および酢酸カリウム(525mg、5.35mmol)を含む混合物に、DMF(10mL)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを85℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(100mL)で希釈し、分液漏斗に移した。10%LiCl水溶液(2x30mL)および飽和NaCl水溶液(1x30mL)で洗浄し、有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(24g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 0%~50%のヘキサン/酢酸エチルで15分かけてグラジエント)を用いて精製し、6-クロロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9H-カルバゾール(5E)(510mg、1.557mmol、87%収率)を得た。m/z(328、M+H)
【0149】
ステップ4および5: tert-ブチル4-(7-(1,4,5-トリメチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート
【化30】
スクリューキャップバイアル中、6-クロロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9H-カルバゾール(50mg、0.153mmol)、5-ブロモ-1,3,4-トリメチルピリジン-2(1H)-オン(33.0mg、0.153mmol)、およびXphos Pd G2(3.00mg、3.82μmol)を含む混合物に、THF(1mL)、続いて3Nリン酸三カリウム水溶液(0.305mL、0.916mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを65℃で4時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、tert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(59.0mg、0.191mmol)およびXphos Pd G2(3.00mg、3.82μmol)を1度に加えた。バイアルを再度ライン入りテフロンセプタムキャップで密封し、系を上記と同様に真空/窒素ガス充填を繰り返した(3回)。ニードルを外し、バイアルを75℃でさらに6時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(5mL)および水(1mL)で希釈した。下層の水層をピペットで吸引した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮した。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(4g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 20%~100%のヘキサン/酢酸エチルで10分かけてグラジエント)を用いて精製し、tert-ブチル4-(7-(1,4,5-トリメチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(5H)(60mg、80%)を得た。m/z(484、M+H)
【0150】
ステップ6および7:
tert-ブチル4-(7-(1,4,5-トリメチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(50mg、0.103mmol)/MeOH(5mL)を含む溶液に、10%Pd-C(27.5mg、0.026mmol)、続いてギ酸アンモニウム(130mg、2.068mmol)を加えた。バイアルを密封し、40℃で4時間加熱した。この反応混合物をセライト濾過し、さらにメタノール(~5mL)で濯いだ。濾液を濃縮し、酢酸エチル(20mL)に再溶解し、水(2x5mL)および飽和NaCl水溶液(1x5mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、tert-ブチル4-(7-(1,4,5-トリメチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを得た。得られた残渣をDCM(2mL)に溶解し、TFA(1mL)で処理した。この反応混合物を1時間撹拌し、濃縮し、得られた粗製生成物をHPLCで精製した。粗製物質を分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18(19x200mM)、粒子径:5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); グラジエント: 5~60%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分)で精製した。生成物を含むフラクションを合わせて、遠心エバポレーターで乾燥し、1,3,4-トリメチル-5-(6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-2-イル)ピリジン-2(1H)-オン(38mg、0.098mmol、94%収率)を得た。m/z(386、M+H); HPLC tR 1.0分(分析HPLC 方法F); 1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.21-11.16 (m, 1H), 8.12-8.08 (m, 1H), 7.99-7.95 (m, 1H), 7.53-7.49 (m, 1H), 7.45 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.36-7.32 (m, 1H), 7.31-7.27 (m, 1H), 7.04 (br d, J=7.9 Hz, 1H), 3.49 (4, 3H), 3.36-3.30 (m, 2H), 3.00-2.90 (m, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.00-1.94 (m, 2H), 1.93-1.81 (m, 2H)
【0151】
実施例6
1-メチル-4-(6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-2-イル)ピペリジン-2-オン
【化31】
【0152】
ステップ1および2: tert-ブチル4-(7-(1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート
【化32】
スクリューキャップバイアル中、6-クロロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9H-カルバゾール(35mg、0.107mmol)、4-ブロモ-1-メチルピリジン-2(1H)-オン(20.09mg、0.107mmol)およびXphos Pd G2(2.101mg、2.67μmol)を含む混合物に、THF(1mL)、続いてリン酸三カリウム水溶液(0.215mL、0.650mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを65℃で4時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、tert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(40mg、0.130mmol)およびXphos Pd G2(2.00mg、2.67μmol)を加えた。バイアルをライン入りテフロンセプタムキャップ再度で密封し、系を上記と同様に真空/窒素ガス充填を繰り返した(3回)。ニードルを外し、バイアルを75℃でさらに6時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(5mL)および水(1mL)で希釈し、下層の水層をピペットで吸引した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮した。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(4g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 20%~100%のヘキサン/酢酸エチルで10分かけてグラジエント)を用いて精製し、tert-ブチル4-(7-(1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(6B)(36mg、0.079mmol、74.0%収率)を得た。m/z(456、M+H)
【0153】
ステップ3および4: 1-メチル-4-(6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-2-イル)ピペリジン-2-オン
tert-ブチル4-(7-(1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(50mg、0.110mmol)/MeOH(5mL)を含む溶液に、10%Pd-C(29.2mg、0.027mmol)、続いてギ酸アンモニウム(150mg、2.068mmol)を加えた。バイアルを密封し、40℃で6時間加熱した。この反応混合物をセライト濾過し、さらにメタノールで濯いだ。濾液を濃縮し、酢酸エチル(20mL)に溶解し、水(2x2mL)および飽和NaCl水溶液(1x2mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮した。得られた残渣をDCM(2mL)に溶解し、TFA(1mL)で処理し、この反応混合物を1時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、得られた粗製生成物をHPLCで精製した。粗製物質を分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、19x200mm、粒子径:5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); グラジエント: 10~60%Bで19分かけて溶出後、次いで100%Bで5分間溶出; 流速: 20mL/分)で精製した。生成物を含むフラクションを合わせて、遠心エバポレーターで乾燥し、1-メチル-4-(6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-2-イル)ピペリジン-2-オン(25mg、0.069mmol、63.0%収率)を得た。m/z(362、M+H); HPLC tR 0.90分(分析HPLC 方法F); 1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.06-11.03 (s, 1H), 8.03-7.97 (m, 1H), 7.93-7.88 (m, 1H), 7.40 (br d, J=8.2 Hz, 1H), 7.32 (s, 1H), 7.27-7.23 (m, 1H), 7.06 (br d, J=7.9 Hz, 1H), 3.85-3.74 (m, 2H), 3.46-3.38 (m, 1H), 3.34-3.16 (m, 4H), 2.94-2.83 (m, 5H), 2.48-2.38 (m, 1H), 2.10-1.76 (m, 6H)
【0154】
実施例7
N-(6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-2-イル)アセトアミド
【化33】
【0155】
ステップ1: N-(6-クロロ-9H-カルバゾール-2-イル)アセトアミド
【化34】
スクリューキャップバイアル中、2-ブロモ-6-クロロ-9H-カルバゾール(25mg、0.089mmol)、ジ-tert-ブチル(2',4',6'-トリイソプロピル-3,4,5,6-テトラメチル-[1,1'-ビフェニル]-2-イル)ホスフィン(2.57mg、5.35μmol)、アセトアミド(10.53mg、0.178mmol)、リン酸三カリウム(28.4mg、0.134mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1mg、1.092μmol)を含む混合物に、t-ブタノール(1mL)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを100℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。得られた残渣を水(1mL)に懸濁し、濾過し、乾燥し、N-(6-クロロ-9H-カルバゾール-2-イル)アセトアミド(7A)(13mg、0.050mmol、56%)を得た。m/z(259、M+H)
【0156】
ステップ2: tert-ブチル4-(7-アセトアミド-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【化35】
スクリューキャップバイアル中、N-(6-クロロ-9H-カルバゾール-2-イル)アセトアミド(15mg、0.05mmol)、Xphos Pd G2(1.753mg、2.228μmol)、およびtert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(33.1mg、0.107mmol)を含む混合物に、THF(1mL)、続いて3Nリン酸三カリウム水溶液(0.089mL、0.267mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを65℃で6時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(5mL)および水(1mL)で希釈した。下層の水層をピペットで吸引した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製物を得た。得られた粗製残渣をMeOH(5mL)に溶解し、10%Pd-C(25mg、0.02mmol)、続いてギ酸アンモニウム(150mg、2.068mmol)を加えた。バイアルを密封し、40℃で6時間加熱した。この反応混合物をセライト濾過し、さらにメタノールで濯いだ。濾液を濃縮し、酢酸エチル(10mL)に溶解し、水(2x2mL)および飽和NaCl水溶液(1x2mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製tert-ブチル4-(7-アセトアミド-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(7B)を得た。m/z(408、M+H)
【0157】
ステップ3および4:
得られた粗製残渣をDCM(2mL)に溶解し、TFA(1mL)で処理し、この混合物を1時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、得られた粗製生成物をHPLC(移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); グラジエント: 5~45%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分)で精製した。生成物を含むフラクションを合わせて、遠心エバポレーターで乾燥し、N-(6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-2-イル)アセトアミド(13mg、0.042mmol、4ステップで47.5%収率)を得た。m/z(308、M+H); HPLC tR 0.73分(分析HPLC 方法F)。1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.07 (s, 1H), 10.12 (s, 1H), 7.98-7.93 (m, 2H), 7.89-7.84 (m, 1H), 7.39-7.35 (m, 1H), 7.23-7.19 (m, 1H), 7.17-7.12 (m, 1H), 3.36-3.29 (m, 2H), 3.00-2.86 (m, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.00-1.91 (m, 2H), 1.91-1.79 (m, 3H)
【0158】
実施例8
2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール
【化36】
【0159】
ステップ1~3: tert-ブチル4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート
【化37】
スクリューキャップバイアル中、2-ブロモ-6-クロロ-9H-カルバゾール(50mg、0.178mmol)、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(40.8mg、0.196mmol)、およびXphos Pd G2(3.51mg、4.46μmol)を含む混合物に、THF(2mL)、続いてリン酸三カリウム水溶液(0.356mL、1.069mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを55℃で2時間加熱した。LCMS分析により、中間体6-クロロ-2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-9H-カルバゾールの形成が示された。m/z(282、M+H)
この反応混合物を室温に冷却し、tert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(60.6mg、0.196mmol)、およびXphos Pd G2(3.51mg、4.46μmol)を加えた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルをさらに20時間55℃で加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(5mL)および水(1mL)で希釈した。下層の水層をピペットで吸引した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(4g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 0%~50%のヘキサン/酢酸エチルで10分かけてグラジエント)を用いて精製し、わずかに不純物を含むtert-ブチル4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(8C)(60mg、55%収率)を得た。m/z(429、M+H)
【0160】
ステップ4: tert-ブチル4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【化38】
tert-ブチル4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(50mg、0.117mmol)、10%Pd-C(31.0mg、0.029mmol)およびギ酸アンモニウム(200mg、3.17mmol)を含む混合物/MeOH(3mL)を40℃で4時間加熱した。この反応混合物をセライト濾過し、濃縮し、乾燥させた。得られた残渣を酢酸エチル(10mL)に溶解し、水(2x2mL)および飽和NaCl水溶液(1x2mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製tert-ブチル4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(8D)を得た。
【0161】
ステップ5:
粗製tert-ブチル4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを50%TFA(2mL)で30分間処理し、濃縮し、乾燥し、HPLCで精製した。粗製物質を分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、19x200mm、粒子径:5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); グラジエント: 10~50%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分)で精製した。生成物を含むフラクションを合わせて、遠心エバポレーターで乾燥し、2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール(19mg、0.055mmol、2ステップで46.8%収率)を得た。m/z(331、M+H); HPLC tR 0.73分(分析HPLC 方法F); 1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.07 (s, 1H), 8.15-8.12 (m, 1H), 8.03 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.89 (br s, 2H), 7.59 (s, 1H), 7.42-7.38 (m, 1H), 7.37-7.33 (m, 1H), 7.27-7.21 (m, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.25 (br m, 2H), 2.90-2.82 (m, 3H), 1.95-1.87 (m, 2H), 1.86-1.77 (m, 2H)
【0162】
実施例9
6-(ピペリジン-4-イル)-2-(ピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール
【化39】
【0163】
ステップ1および2: tert-ブチル4-(7-(ピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート
【化40】
スクリューキャップバイアル中、4-ブロモピリジン・HCl(16.32mg、0.084mmol)、6-クロロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9H-カルバゾール(25mg、0.076mmol)、およびXphos Pd G2(1.501mg、1.908μmol)を含む混合物に、THF(1mL)、続いて3Nリン酸三カリウム水溶液(0.153mL、0.458mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを45℃で4時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、tert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(29.5mg、0.095mmol)および再度Xphos Pd G2(1.501mg、1.908μmol)を加えた。バイアルを再び密封し、充填/パージし、窒素雰囲気下に置き、65℃で20時間加熱した。この反応混合物を酢酸エチル(5mL)および水(1mL)で希釈し、下層の水層をピペットで吸い取ってデカンテーションした。有機層をセライトおよびNa2SO4濾過し、反応混合物を濃縮し、乾燥し、tert-ブチル4-(7-(ピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(9A)(35mg、粗製物)を得た。m/z(426、M+H)
【0164】
ステップ3:
tert-ブチル4-(7-(ピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(35mg、0.082mmol)をTFA(2mL)に溶解し、30分間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、得られた残渣をHPLCで精製した。粗製物質を分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、19x200mm、粒子径:5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル: 水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル: 水(10mM酢酸アンモニウム含有); グラジエント: 10~50%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分)で精製した。生成物を含むフラクションを合わせて、遠心エバポレーターで乾燥し、2-(ピリジン-4-イル)-6-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール(13mg、0.040mmol、48.6%収率)を得た。m/z(326.2、M+H); HPLC tR 0.66分(分析HPLC 方法F); 部分的な1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.44-11.40 (m, 1H), 8.67 (br s, 2H), 8.31-8.26 (m, 1H), 8.25-8.20 (m, 1H), 7.88-7.77 (m, 3H), 7.63-7.53 (m, 2H), 7.52-7.45 (m, 1H), 6.24 (br s, 1H)
【0165】
実施例10
1,3,4-トリメチル-5-(4-メチル-6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-2-イル)ピリジン-2(1H)-オン
【化41】
【0166】
ステップ1: 4-ブロモ-5'-クロロ-2-メチル-2'-ニトロ-1,1'-ビフェニル
【化42】
スクリューキャップバイアル中、2-ブロモ-4-クロロ-1-ニトロベンゼン(100mg、0.423mmol)、(4-ブロモ-2-メチルフェニル)ボロン酸(100mg、0.465mmol)、およびPd(dppf)Cl2(15.47mg、0.021mmol)を含む混合物に、THF(3mL)、続いて3Nリン酸三カリウム水溶液(0.423mL、1.269mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを65℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(10mL)および水(2mL)で希釈した。この混合物を降り混ぜ、下層の水層をパスツールピペットで吸引し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製物を得た。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(24g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 0%~10%のヘキサン/酢酸エチルで10分かけてグラジエント)を用いて精製し、4-ブロモ-5'-クロロ-2-メチル-2'-ニトロ-1,1'-ビフェニル(10C)(130mg、85%純度)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ 8.20-8.14 (m, 1H), 7.82-7.75 (m, 1H), 7.59 (dd, J=9.3, 2.0 Hz, 2H), 7.48-7.43 (m, 1H), 7.14-7.07 (m, 1H), 2.05 (s, 3H)
【0167】
ステップ2: 2-ブロモ-6-クロロ-4-メチル-9H-カルバゾール
【化43】
バイアル(20mL)中、4-ブロモ-5'-クロロ-2-メチル-2'-ニトロ-1,1'-ビフェニル(130mg、0.398mmol)およびトリフェニルホスフィン(261mg、0.995mmol)を含む混合物を、1,2-ジクロロベンゼン(2mL)に懸濁した。バイアルをパージし、窒素雰囲気下で密封し、175℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、乾燥シリカゲルISCOプレカラム(5g)にチャージした。ISCOシリカゲルカラム(24g)にセットし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 0%~50%のヘキサン/酢酸エチルで15分かけてグラジエント)を用いて精製し、2-ブロモ-6-クロロ-4-メチル-9H-カルバゾール(10D)(100mg、0.339mmol、85%収率)を得た。m/z(295、M+H)
【0168】
ステップ3: 6-クロロ-4-メチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9H-カルバゾール
【化44】
スクリューキャップバイアル中、2-ブロモ-6-クロロ-4-メチル-9H-カルバゾール(0.5g、1.697mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(0.539g、2.122mmol)、酢酸カリウム(0.500g、5.09mmol)およびPd(dppf)Cl2(0.062g、0.085mmol)を含む混合物に、DMF(5mL)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを85℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(100mL)で希釈し、10%LiCl水溶液(25mLx2)および飽和NaCl水溶液(25mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製物を得た。得られた残渣をDCM(20mL)に再溶解し、少量のシリカゲル(10g)にロードし、ISCOシリカゲルクロマトグラフィーシステム(ISCOシリカゲルカラム(40g)、Hex/EtOAc(0%~50%)で15分かけてグラジエント)で精製し、6-クロロ-4-メチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9H-カルバゾール(10E)(400mg、1.171mmol、69.0%収率)を得た。m/z(342、M+H); 1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ 11.51-11.47 (m, 1H), 8.13-8.10 (m, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.57 (d, J=8.7 Hz, 1H), 7.47-7.43 (m, 1H), 7.29 (s, 1H), 2.79 (s, 3H), 1.36-1.31 (m, 12H)
【0169】
ステップ4および5: tert-ブチル4-(5-メチル-7-(1,4,5-トリメチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート
【化45】
スクリューキャップバイアル中、6-クロロ-4-メチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9H-カルバゾール(50mg、0.146mmol)、5-ブロモ-1,3,4-トリメチルピリジン-2(1H)-オン(33.2mg、0.154mmol)、およびXphos Pd G2(2.88mg、3.66μmol)を含む混合物に、THF(1mL)、続いてリン酸三カリウム水溶液(0.293mL、0.878mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを55℃で4時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、tert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(56.6mg、0.183mmol)を加えた。この混合物を密封し、真空にし、窒素ガスで充満させ、65℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(5mL)および水(1mL)で希釈し、下層の水層をピペットで吸引した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(4g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 5%~100%のヘキサン/酢酸エチルで10分かけてグラジエント)を用いて精製し、tert-ブチル4-(5-メチル-7-(1,4,5-トリメチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(10F)(60mg、0.121mmol、82%収率)を得た。m/z(498、M+H)
【0170】
ステップ6および7:
tert-ブチル4-(5-メチル-7-(1,4,5-トリメチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(50mg、0.100mmol)/MeOH(2mL)を含む溶液に、ギ酸アンモニウム(100mg、1.586mmol)および10%Pd-C(26.7mg、0.025mmol)を加えた。バイアルを密封し、40℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、セライト濾過し、セライトを酢酸エチル(~10mL)で濯いだ。濾液を水(2x2mL)で洗浄し、飽和NaCl水溶液(1mL)、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、tert-ブチル4-(5-メチル-7-(1,4,5-トリメチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを得た。m/z(500、M+H)
tert-ブチル4-(5-メチル-7-(1,4,5-トリメチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートをDCM(1mL)に溶解し、TFA(1mL)を加えた。この反応混合物を30分間撹拌し、濃縮し、乾燥させた。得られた残渣をジエチルエーテル(~2mL)に再懸濁し、ソニケーションを行い、白色固体を得た。固体を濾過し、さらにジエチルエーテルで洗浄し、乾燥し、1,3,4-トリメチル-5-(4-メチル-6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-2-イル)ピリジン-2(1H)-オン・TFA(10)(35mg、0.065mmol、64.4%収率)を得た。m/z(400 M+H)HPLC tR 0.65分(分析HPLC 方法E); 1H NMR(400MHz、メタノール-d4) δ 8.08-8.04 (m, 1H), 7.51-7.45 (m, 2H), 7.38-7.34 (m, 1H), 7.22-7.18 (m, 1H), 6.89-6.86 (m, 1H), 3.65 (s, 3H), 3.61-3.54 (m, 2H), 3.27-3.18 (m, 2H), 3.16-3.07 (m, 1H), 2.92-2.89 (s, 3H), 2.27-2.15 (m, 8H), 2.14-2.00 (m, 2H)
【0171】
表1の実施例は、実施例10を製造するために用いた方法と同様に製造した。
【表2】
【0172】
実施例14
3-メチル-2-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール
【化46】
【0173】
ステップ1: 4'-クロロ-3'-メチル-2-ニトロ-1,1'-ビフェニル
【化47】
スクリューキャップバイアル中、1-ブロモ-2-ニトロベンゼン(889mg、4.40mmol)、(4-クロロ-3-メチルフェニル)ボロン酸(750mg、4.40mmol)、およびPd(dppf)Cl2(81mg、0.110mmol)を含む混合物に、THF(15mL)、続いてリン酸三カリウム水溶液(4.40mL、13.20mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを60℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、下層の水層を廃棄し、有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(40g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 0%~50%のヘキサン/酢酸エチルで20分かけてグラジエント)を用いて精製し、4'-クロロ-3'-メチル-2-ニトロ-1,1'-ビフェニル(14C)(1.04g、4.20mmol、95%収率)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ 8.03-7.99 (m, 1H), 7.81-7.75 (m, 1H), 7.68-7.62 (m, 1H), 7.58-7.54 (m, 1H), 7.50 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.37 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.20-7.15 (m, 1H), 2.37 (s, 3H)
【0174】
ステップ2: 2-クロロ-3-メチル-9H-カルバゾール(14D)および2-クロロ-1-メチル-9H-カルバゾール(14E)
【化48】
4'-クロロ-3'-メチル-2-ニトロ-1,1'-ビフェニル(1g、4.04mmol)およびトリフェニルホスフィン(2.383g、9.08mmol)/1,2-ジクロロベンゼン(15mL)を含む溶液を窒素ガスでパージし、窒素雰囲気下、180℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧除去し、スラリーを得た。得られた残渣をISCO(0%~20、Hex/EtOAc; 80gカラム)で精製した。2-クロロ-3-メチル-9H-カルバゾール(14D)および2-クロロ-1-メチル-9H-カルバゾール(14E)(800mg m/z(215、M+H)の混合物を単離した。1H NMRは、異性体混合物が~1/1であった。
【0175】
ステップ3:
【化49】
2-クロロ-3-メチル-9H-カルバゾール(450mg、2.086mmol)および2-クロロ-1-メチル-9H-カルバゾールの混合物を含むDMF(10mL)溶液に、NBS(390mg、2.191mmol)/DMF(5mL)溶液を30分かけて加えた。この反応混合物をさらに1時間撹拌し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、10%LiCl水溶液(3x30mL)および飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮した。この反応混合物をSFC精製技術で精製(分取条件: 分取カラム: IC(5x25cm、5μm); BPR圧: 100bars; 温度、35℃; 流速: 350mL/分; 移動相: CO2/MeOH(75/25); 検出器波長: 220nm)し、各異性体を得た。生成物:6-ブロモ-2-クロロ-3-メチル-9H-カルバゾール(14F)を第2ピーク(170mg m/z(294、M+H))として得た。構造を1H NMRで同定した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ 11.60-11.56 (m, 1H), 8.37 (d, J=1.7 Hz, 1H), 8.05-8.00 (m, 1H), 7.55-7.51 (m, 1H), 7.50-7.45 (m, 1H), 7.24-7.20 (m, 1H), 2.58 (s, 3H)
【0176】
ステップ4: tert-ブチル4-(7-クロロ-6-メチル-9H-カルバゾール-3-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート
【化50】
スクリューキャップバイアル中、6-ブロモ-2-クロロ-3-メチル-9H-カルバゾール(170mg、0.577mmol)、tert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(187mg、0.606mmol)、およびPd(dppf)Cl2(10.56mg、0.014mmol)を含む混合物に、THF(5mL)、続いて3Nリン酸三カリウム水溶液(0.577mL、1.731mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを55℃で4時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(20mL)および水(2mL)で希釈し、下層の水層をピペットで除去した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(24g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 0%~30%のヘキサン/酢酸エチルで15分かけてグラジエント)を用いて精製し、tert-ブチル4-(7-クロロ-6-メチル-9H-カルバゾール-3-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(14H)(159mg、69.4%収率)を得た。m/z(397、M+H)
【0177】
ステップ5a: 8-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン
【化51】
スクリューキャップバイアル中、6-ブロモ-8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(1g、4.72mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(1.317g、5.19mmol)、酢酸カリウム(1.388g、14.15mmol)およびPd(dppf)Cl2(0.173g、0.236mmol)を含む混合物に、ジオキサン(20mL)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを95℃で6時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(100mL)で希釈し、水(2回)および飽和NaCl水溶液で洗浄した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(24g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 5%~100%ヘキサン/酢酸エチルで15分かけてグラジエント)を用いて精製し、8-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(14L)(0.97g、3.74mmol、79%収率)を得て、ボロン酸モノメチルエステル(m/z 177.8/179)としてイオン化された。1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ 8.81-8.78 (m, 1H), 8.51 (s, 1H), 7.57 (d, J=1.0 Hz, 1H), 2.59-2.54 (m, 3H), 1.37-1.32 (m, 12H)
【0178】
ステップ5b: 1,3,4-トリメチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2(1H)-オン
【化52】
スクリューキャップバイアル中、5-ブロモ-1,3,4-トリメチルピリジン-2(1H)-オン(275mg、1.273mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(372mg、1.464mmol)、酢酸カリウム(375mg、3.82mmol)およびPd(dppf)Cl2(46.6mg、0.064mmol)を含む混合物に、1,4-ジオキサン(5mL)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを90℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(20mL)で希釈し、セライト濾過した。濾液を濃縮し、得られた粗製残渣をDCM(20mL)に再溶解し、少量のシリカゲル(5g)にロードし、ISCOシリカゲルクロマトグラフィーシステム(ISCOシリカゲルカラム(12g)、Hex/EtOAc(5%~100%)で10分かけてグラジエント)で精製し、1,3,4-トリメチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2(1H)-オン(14N)(200mg、0.760mmol、59.7%収率)を得た。m/z(264、M+H); 1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 7.66 (s, 1H), 3.61-3.51 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 2.13 (br s, 3H), 1.35-1.31 (m, 12H)
【0179】
ステップ5c: 8-メトキシ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン
【化53】
スクリューキャップバイアル中、6-ブロモ-8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(1g、4.39mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(1.225g、4.82mmol)、酢酸カリウム(1.291g、13.16mmol)およびPd(dppf)Cl2(0.160g、0.219mmol)を含む混合物に、ジオキサン(20mL)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを95℃で6時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(100mL)で希釈し、水2回および飽和NaCl水溶液で洗浄した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製物を得た。得られた粗製生成物をヘキサン/エーテル(~100mL、9/1)に懸濁し、30分間ソニケーションを行い、セライト濾過した。固体をさらにヘキサン/エーテルで濯ぎ、黄色濾液を濃縮し、8-メトキシ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(14P)(1g、3.63mmol、83%収率)を得た。LCMSではボロン酸エステルとしてイオン化された(m/z 193)。1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ 8.59-8.54 (m, 1H), 8.51-8.47 (m, 1H), 7.02 (s, 1H), 4.02 (s, 3H), 1.35 (s, 12H)
【0180】
ステップ5: tert-ブチル4-(6-メチル-7-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート
【化54】
スクリューキャップバイアル中、8-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(23.50mg、0.091mmol)、tert-ブチル4-(7-クロロ-6-メチル-9H-カルバゾール-3-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(30mg、0.076mmol)、およびXphos Pd G2(1.487mg、1.890μmol)を含む混合物に、THF(1mL)、続いて3Nリン酸三カリウム水溶液(0.076mL、0.227mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを55℃で4時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(5mL)で希釈し、層の水層をピペットで除去した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(4g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 5%~100%のヘキサン/酢酸エチルで10分かけてグラジエント)を用いて精製し、tert-ブチル4-(6-メチル-7-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(14I)(28mg、0.057mmol、75%収率)を得た。m/z(494、M+H)
【0181】
ステップ6: tert-ブチル4-(6-メチル-7-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【化55】
tert-ブチル4-(6-メチル-7-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(28mg、0.057mmol)/MeOH(4mL)溶液に、ギ酸アンモニウム(500mg、7.93mmol)を加え、続いてPd(OH)2(15mg、0.021mmol)を加えた。この反応混合物をバイアル(40mL)に密封し、圧力軽減ライン入りテフロンセプタムキャップをはめ、55℃で加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、セライト濾過した。濾液を水(2x5mL)および飽和NaCl水溶液(1x5mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮した。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(4g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 5%~100%のヘキサン/酢酸エチルで10分かけてグラジエント)を用いて精製し、tert-ブチル4-(6-メチル-7-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(14J)(25mg、0.050mmol、89%収率)を得た。m/z(496、M+H)
【0182】
ステップ7:
tert-ブチル4-(6-メチル-7-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(20mg、0.040mmol)/DCM(1mL)を含む溶液に、TFA(1mL、12.98mmol)を加えた。この反応混合物を30分間撹拌し、濃縮し、乾燥させた。得られた残渣をジエチルエーテル(2mL)に懸濁し、微細粉末が得られるまでソニケーションを行った。固体を濾過し、さらにジエチルエーテルで濯ぎ、乾燥し、3-メチル-2-(8-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール・TFA(20mg、0.037mmol、92%収率)を得た。m/z(396、M+H); HPLC tR 0.67分(分析HPLC 方法E); 1H NMR(400MHz、メタノール-d4) δ 8.69-8.65 (m, 1H), 8.51-8.47 (m, 1H), 8.05-7.99 (m, 2H), 7.63-7.60 (m, 1H), 7.47-7.43 (m, 1H), 7.42-7.38 (m, 1H), 7.36-7.30 (m, 1H), 3.62-3.54 (m, 2H), 3.29-3.18 (m, 2H), 3.17-3.04 (m, 1H), 2.73-2.69 (s, 3H), 2.46 (s, 3H), 2.26-2.17 (m, 2H), 2.13-1.99 (m, 2H)
【0183】
実施例15
2-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3,4-ジメチル-6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール
【化56】
【0184】
ステップ1: 2-(4-ブロモ-2,3-ジメチルフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン
【化57】
1-ブロモ-4-ヨード-2,3-ジメチルベンゼン(975mg、3.14mmol)/THF(20mL)を含む溶液をドライアイス/アセトン浴中で-78℃に冷却し、BuLi(1.380mL、3.45mmol)を滴下して加えた。この反応混合物を30分間撹拌し、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.768mL、3.76mmol)を滴下して加えた。この反応混合物を-78℃でさらに30分間撹拌し、おおよそ-10℃まで加温し、1時間保持した。この反応混合物を飽和塩化アンモニウム(5mL)でクエンチした。この反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(2x20mL)および飽和NaCl水溶液(1x20mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮した。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(24g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 0%~30%のヘキサン/酢酸エチルで15分かけてグラジエント)を用いて精製し、2-(4-ブロモ-2,3-ジメチルフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(15B)(620mg、1.993mmol、63.6%収率)を得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 7.48-7.38 (m, 1H), 7.30-7.27 (m, 1H), 2.56 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 1.37 (s, 12H)
【0185】
ステップ2: 4-ブロモ-5'-クロロ-2,3-ジメチル-2'-ニトロ-1,1'-ビフェニル
【化58】
スクリューキャップバイアル中、2-(4-ブロモ-2,3-ジメチルフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(600mg、1.929mmol)、2-ブロモ-4-クロロ-1-ニトロベンゼン(502mg、2.122mmol)、およびPd(dppf)Cl2(70.6mg、0.096mmol)を含む混合物に、THF(7.5mL)、続いて3Nリン酸三カリウム水溶液(0.643mL、1.929mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを60℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(25mL)および水(2mL)で希釈し、下層の水層をピペットで吸引した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(24g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 0%~30%でヘキサン/酢酸エチルで15分かけてグラジエント)を用いて精製し、4-ブロモ-5'-クロロ-2,3-ジメチル-2'-ニトロ-1,1'-ビフェニル(15D)(620mg、~85%純度)を得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 8.01 (d, J=8.7 Hz, 1H), 7.56-7.50 (m, 1H), 7.49-7.44 (m, 1H), 7.33-7.30 (m, 1H), 6.85-6.79 (m, 1H), 2.47-2.44 (3, 3H), 2.09 (s, 3H)
【0186】
ステップ3: 2-ブロモ-6-クロロ-3,4-ジメチル-9H-カルバゾール
【化59】
4-ブロモ-5'-クロロ-2,3-ジメチル-2'-ニトロ-1,1'-ビフェニル(620mg、1.820mmol)およびトリフェニルホスフィン(1194mg、4.55mmol)/1,2-ジクロロベンゼン(10mL)を含む溶液を、窒素雰囲気下、170℃で16時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。得られた残渣をDCM(50mL)に再溶解し、少量のシリカゲル(10g)にロードし、ISCOシリカゲルクロマトグラフィーシステム(ISCOシリカゲルカラム(40g)、ヘキサン/酢酸エチル(0%~30%)で20分かけてグラジエント)で精製し、2-ブロモ-6-クロロ-3,4-ジメチル-9H-カルバゾール(15E)(150mg、85%純度)を得た。m/z(308、M-H)-
【0187】
ステップ4: 6-クロロ-2-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3,4-ジメチル-9H-カルバゾール
【化60】
スクリューキャップバイアル中、粗製2-ブロモ-6-クロロ-3,4-ジメチル-9H-カルバゾール(40mg、0.130mmol)、8-メトキシ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(37.4mg、0.136mmol)およびPd(dppf)Cl2(4.74mg、6.48μmol)を含む混合物に、THF(1.5mL)、続いてリン酸三カリウム水溶液(0.130mL、0.389mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを60℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(5mL)で希釈し、下層の水層をピペットで吸引した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(4g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 0%~100%のヘキサン/酢酸エチルで10分かけてグラジエント)を用いて精製し、6-クロロ-2-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3,4-ジメチル-9H-カルバゾール(15F)(50mg m/z 377、M+H)を得た。得られた物質は不純物を含むが、次のステップにそのまま用いた。
【0188】
ステップ5: tert-ブチル4-(7-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート
【化61】
スクリューキャップバイアル中、6-クロロ-2-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3,4-ジメチル-9H-カルバゾール(~50mg、粗製物)、Xphos Pd G2(2.55mg、3.24μmol)、およびtert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(44.1mg、0.143mmol)を含む混合物に、THF(1.5mL)、続いて3Nリン酸三カリウム水溶液(0.130mL、0.389mmol)を加えた。バイアルにライン入りテフロンセプタムキャップをはめた。系を窒素/真空マニホールドラインからのニードルを介して真空状態にし、窒素ガスで充満させた。この操作を3回繰り返した。ニードルを外し、バイアルを60℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(5mL)で希釈し、下層の水層をピペットで吸引した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(4g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 0%~100%のヘキサン/酢酸エチルで10分かけてグラジエント)を用いて精製し、tert-ブチル4-(7-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(15G)(31mg、~85%純度)を得た。m/z(524、M+H)
【0189】
ステップ6: tert-ブチル4-(7-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【化62】
tert-ブチル4-(7-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(30mg、0.057mmol)/MeOH(3mL)を含む溶液に、ギ酸アンモニウム(250mg、3.96mmol)を加え、続いてPd(OH)2(15mg、0.021mmol)を加えた。この混合物を撹拌し、55℃で20時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、セライト濾過した。濾液を水(2x5mL)および飽和NaCl水溶液(5mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮した。得られた粗製生成物を少量のDCMに溶解し、ISCOシリカゲルカラム(4g)にチャージし、Teledyne ISCOシステム(溶出条件: 5%~100%のヘキサン/酢酸エチルで10分かけてグラジエント)を用いて精製し、不純物を含むtert-ブチル4-(7-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(15H)(26mg)を得た。m/z(526、M+H)
【0190】
ステップ7:
tert-ブチル4-(7-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(30mg、0.057mmol)/DCM(1mL)を含む溶液をTFA(0.5mL、6.49mmol)で処理し、30分間撹拌した。この反応混合物を乾燥するまで濃縮し、得られた残渣をHPLCで精製した。粗製物質を分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、19x200mm、粒子径:5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); グラジエント: 6~46%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分)で精製した。生成物を含むフラクションを合わせて、遠心エバポレーターで乾燥し、2-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3,4-ジメチル-6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール・TFA(18mg、0.033mmol、58.5%収率)を得た。m/z(426、M+H); HPLC tR 1.1分(分析HPLC 方法F); 1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.27-11.21 (m, 1H), 8.58-8.53 (m, 1H), 8.50-8.47 (m, 1H), 8.12-8.05 (m, 1H), 7.53-7.46 (m, 1H), 7.35-7.25 (m, 2H), 7.12-7.05 (m, 1H), 4.03 (s, 3H), 3.48-3.40 (m, 1H), 3.15-2.99 (m, 4H), 2.87-2.85 (m, 3H), 2.34 (s, 3H), 2.10-1.90 (m, 4H)
【0191】
表2の実施例は、実施例15を製造するために用いた方法と同様に製造した。
【表3】
【0192】
実施例18
5-(6-(1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)ピペリジン-4-イル)-4-メチル-9H-カルバゾール-2-イル)-1,3,4-トリメチルピリジン-2(1H)-オン
【化63】
1,3,4-トリメチル-5-(4-メチル-6-(ピペリジン-4-イル)-9H-カルバゾール-2-イル)ピリジン-2(1H)-オン・TFA(15mg、0.029mmol)およびTEA(20μL、0.143mmol)/MeOH(1mL)を含む溶液に、2,2-ジメチルオキシラン(20mg、0.277mmol)を加えた。この反応混合物を20時間撹拌し、濃縮した。得られた残渣を水(~2mL)に懸濁し、微細粉末が得られるまで20分間ソニケーションを行った。固体を濾過し、さらに水で濯ぎ、乾燥し、5-(6-(1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)ピペリジン-4-イル)-4-メチル-9H-カルバゾール-2-イル)-1,3,4-トリメチルピリジン-2(1H)-オン(10mg、0.020mmol、69.0%収率)を得た。m/z(472、M+H); HPLC tR 0.68分(分析HPLC 方法E); 1H NMR(400MHz、メタノール-d4) δ 8.05(s, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.45-7.40 (m, 1H), 7.36-7.31 (m, 1H), 7.18(s, 1H), 6.85 (s, 1H), 3.65 (s, 3H), 3.27-3.12 (m, 2H), 2.90 (s, 3H), 2.80-2.64 (m, 1H), 2.56-2.38 (m, 4H), 2.24 (s, 3H), 2.18 (s, 3H), 2.10-1.96 (m, 2H), 1.96-1.84 (m, 2H), 1.31-1.25 (s, 6H)
【0193】
表3の実施例は、実施例18を製造するために用いた方法と同様に製造した。
【表4】
【0194】
実施例26
2-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3,4-ジメチル-6-(ピペリジン-3-イル)-9H-カルバゾール
【化64】
【0195】
実施例27
2-(ジメチルアミノ)-1-(3-(7-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エタン-1-オン
【化65】
【0196】
ステップ1: 4-クロロ-2,3-ジメチルフェノール
【化66】
2,3-ジメチルフェノール(204mg、1.67mmol)/アセトニトリル(16.7mL)の溶液に、室温でp-TsOH(635mg、3.34mmol)を加えた。完全に溶解後、続いてN-クロロスクシンイミド(223mg、1.67mmol)を一度に加えた。2時間後、N-クロロスクシンイミド(32mg、0.240mmol)を再度加えた。この反応混合物を1時間以上撹拌し、次いで水で希釈し、過剰な固体Na2SO3を加え、過剰な試薬をクエンチした。この反応混合物をEtOAcで希釈し、水層をEtOAcで3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗製白色固体を得た。この物質をDCMに溶解し、シリカゲルにロードし、カラムクロマトグラフィー(溶出溶媒: 0~70%のHex/DCM、次いで0~100%のHex/EtOAc)で精製し、4-クロロ-2,3-ジメチルフェノール(220mg、1.41mmol、84%収率)を得た。HPLC tR 0.85分(分析HPLC 方法TS1); 1H NMR(499MHz、クロロホルム-d) δ 7.06 (d, J=8.5 Hz, 1H), 6.58 (d, J=8.7 Hz, 1H), 4.70 (br s, 1H), 2.33 (s, 3H), 2.20 (s, 3H)
【0197】
ステップ2: トリフルオロメタンスルホン酸4-クロロ-2,3-ジメチルフェニル
【化67】
4-クロロ-2,3-ジメチルフェノール(1g、6.39mmol)、およびEt3N(2.67mL、19.2mmol)/DCM(42.6mL)の溶液を0℃に冷却し、Tf2O(1.40mL、8.30mmol)を加えた。この混合物をゆっくりと室温に加温した。2時間後、水およびDCMを加えて反応をクエンチした。水層をDCMで抽出し、有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗製物をトルエンに溶解し、シリカゲルにロードし、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒: Hex/EtOAc 0~40%)で精製し、トリフルオロメタンスルホン酸4-クロロ-2,3-ジメチルフェニル(1.27g、68.9%収率)を得た。HPLC tR 1.07分(分析HPLC 方法TS1); 1H NMR(499MHz、クロロホルム-d) δ 7.28 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.06 (d, J=8.8 Hz, 1H), 2.39 (s, 3H), 2.33 (s, 3H)
【0198】
ステップ3: 2-(4-クロロ-2,3-ジメチルフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン
【化68】
トリフルオロメタンスルホン酸4-クロロ-2,3-ジメチルフェニル(1.00g、3.46mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(1.41g、5.54mmol)、酢酸カリウム(1.02g、10.4mmol)、およびPdCl2(dppf)(0.127g、0.173mmol)/1,4-ジオキサン(23.1mL)の溶液を窒素で10分間脱気した。この反応混合物を密封し、100℃で15時間撹拌した。反応完了後、この反応混合物をDCMで希釈し、濾過した。反応混合物を2つの同じスケールに分けて反応を行い、次いで両混合物を合わせた。得られた粗製濾液を濃縮し、DCMに再度溶解し、トリチュレートし、再度濾過し、濾液を濃縮後、褐色油状物を得た。この物質をトルエンに溶解し、シリカゲルにロードし、カラムクロマトグラフィー(溶出溶媒: Hex/DCM 0~50%)で精製し、2-(4-クロロ-2,3-ジメチルフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(1.42g、5.32mmol)を得た。HPLC tR 1.13分(分析HPLC 方法TS1); 1H NMR(499MHz、クロロホルム-d) δ 7.50 (d, J=8.1 Hz, 1H), 7.19 (d, J=8.1 Hz, 1H), 2.51 (s, 3H), 2.34 (s, 3H), 1.34 (s, 12H)
【0199】
ステップ4: 5'-ブロモ-4-クロロ-2,3-ジメチル-2'-ニトロ-1,1'-ビフェニル
【化69】
4-ブロモ-2-ヨード-1-ニトロベンゼン(753mg、2.30mmol)、2-(4-クロロ-2,3-ジメチルフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(612mg、2.30mmol)、およびPd(Ph3P)4(133mg、0.115mmol)/1,4-ジオキサン(15mL)の溶液に、2Mリン酸三カリウム水溶液(3.44mL、6.88mmol)を加え、2相の混合物を窒素で10分間脱気した。バイアルを密封し、100℃で17時間撹拌した。反応完了後、この反応混合物を室温に冷却した。反応混合物を2つの同じスケールに分けて反応を行い、次いで両混合物を合わせた。物質を濃縮し、DCMおよび水で希釈した。有機層を分離し、水層をDCMで2回抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製物質をトルエンに溶解し、シリカゲルにロードし、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒: Hex/DCM 0~30%)で精製し、少量の副生成物を含む5'-ブロモ-4-クロロ-2,3-ジメチル-2'-ニトロ-1,1'-ビフェニル(1.59g)を得た。HPLC tR 1.22分(分析HPLC 方法TS1); 1H NMR(499MHz、クロロホルム-d) δ 7.89 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.66 (dd, J=8.8, 2.2 Hz, 1H), 7.46 (d, J=2.1 Hz, 1H), 7.26 (d, J=8.1 Hz, 1H), 6.87 (d, J=8.2 Hz, 1H), 2.39 (s, 3H), 2.05 (s, 3H)
【0200】
ステップ5: 6-ブロモ-2-クロロ-3,4-ジメチル-9H-カルバゾール
【化70】
5'-ブロモ-4-クロロ-2,3-ジメチル-2'-ニトロ-1,1'-ビフェニル(4.60mmol)/o-ジクロロベンゼン(15mL)の溶液に、トリフェニルホスフィン(3.0g、11.5mmol)を加えた。この混合物を窒素ガスで脱気し、密封し、180℃で14時間加熱した。反応完了後、この反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。得られた粗製物をDCMに溶解し、シリカゲルにロードし、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒: Hex/DCM 0~30%)で精製し、6-ブロモ-2-クロロ-3,4-ジメチル-9H-カルバゾール(537mg、1.74mmol、38.0%収率)を得た。HPLC tR 1.23分(分析HPLC 方法TS1); 1H NMR(499MHz、クロロホルム-d) δ 8.31 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.97 (br s, 1H), 7.50 (dd, J=8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.30 (d, J=8.5 Hz, 1H), 2.82 (s, 3H), 2.51 (s, 3H)
【0201】
ステップ6: tert-ブチル5-(7-クロロ-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)-3,4-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート
【化71】
6-ブロモ-2-クロロ-3,4-ジメチル-9H-カルバゾール(100mg、0.324mmol)、tert-ブチル5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(120mg、0.389mmol)、およびPdCl2(dppf)(11.9mg、0.016mmol)/1,4-ジオキサン(2.2mL)の溶液に、リン酸三カリウム水溶液(2M、0.49mL、0.98mmol)を加え、2相の混合物を窒素で5分間脱気した。この混合物を密封し、100℃で3時間撹拌した。反応完了後、この反応混合物を室温に冷却し、濃縮し、DCM中でシリカゲルにロードし、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒: 0~100%のHex/EtOAc)で精製し、tert-ブチル5-(7-クロロ-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)-3,4-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(111mg、0.270mmol、83%収率)を得た。LCMS m/z 411.5(M+H)+; HPLC tR 1.30分(分析HPLC 方法TS1)
【0202】
ステップ7: tert-ブチル5-(7-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)-3,4-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート
【化72】
tert-ブチル5-(7-クロロ-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)-3,4-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(111mg、0.270mmol)、8-メトキシ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(97mg、0.351mmol)、およびクロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2'4'6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル)[2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II)(10.6mg、0.014mmol)/1,4-ジオキサン(1.8mL)の溶液に、リン酸三カリウム水溶液(2M、0.41mL、0.820mmol)を加え、2相の混合物を窒素で5分間脱気した。この混合物を密封し、70℃で3時間撹拌した。反応完了後、この反応混合物を室温に冷却し、濃縮し、DCMに溶解し、シリカゲルにロードし、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒: 0~100%のHex/EtOAc)で精製し、tert-ブチル5-(7-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)-3,4-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレートを得た。得られた物質量は定量的に0.270mmolとした。LCMS m/z 524.6(M+H)+; HPLC tR 1.16分(分析HPLC 方法TS1); 1H NMR(499MHz、クロロホルム-d) δ 8.34 (s, 1H), 8.27-8.23 (m, 2H), 8.12 (br s, 1H), 7.47 (br d, J=8.1 Hz, 1H), 7.41 (br d, J=9.1 Hz, 1H), 7.29 (br s, 1H), 7.21 (s, 1H), 6.84 (d, J=1.1 Hz, 1H), 4.06 (s, 3H), 3.75-3.61 (m, 2H), 2.92 (br s, 3H), 2.62 (br t, J=5.9 Hz, 2H), 2.36 (s, 3H), 2.04 (s, 2H), 1.55 (s, 9H)
【0203】
ステップ8: 実施例26
tert-ブチル5-(7-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)-3,4-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(0.270mmol)およびトリエチルシラン(0.43mL、2.70mmol)/DCM(2mL)の溶液に、0℃でTFA(2mL)をゆっくりと加え、45分後、この反応混合物を濃縮した。この物質の一部(1/7)をMeOHに溶解し、分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、19x200mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); グラジエント: 9~49%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分)で精製した。生成物を含むフラクションを合わせて、遠心エバポレーターで乾燥し、2-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3,4-ジメチル-6-(ピペリジン-3-イル)-9H-カルバゾール(13.7mg、0.031mmol、81%収率)を得た。LCMS m/z 426.2(M+H)+; HPLC tR 1.27分(分析HPLC 方法D); 選択NMRピーク: 1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.11 (br s, 1H), 8.47 (br s, 1H), 8.43 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.48 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.33 (br d, J=8.1 Hz, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 4.02 (s, 3H), 2.85 (s, 3H), 2.32 (s, 3H)
【0204】
ステップ9: 実施例27
ステップ8で得られた物質の一部(1/7、0.0386mmol)、N,N-ジメチルグリシン(15mg、0.145mmol)、およびEt3N(0.054mL、0.386mmol)/DMF(1mL)に、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスホリナン-2,4,6-トリオキシド(50%DMF溶液、0.068mL、0.116mmol)を室温で加えた。撹拌後14時間、水、K2HPO4水溶液(1.5M)、およびDCMを加えて反応をクエンチした。有機層を分離し、濃縮した。得られた粗製残渣をDMFに溶解し、分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、19x200mm、粒子径:5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); グラジエント: 11~51%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分)で精製した。生成物を含むフラクションを合わせて、遠心エバポレーターで乾燥し、2-(ジメチルアミノ)-1-(3-(7-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エタン-1-オン・TFA(5.8mg、9.08μmol、23.53%収率)を得た。LCMS m/z 511.4(M+H)+; HPLC tR 1.37分(分析HPLC 方法D); 選択NMRピーク: 1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.08 (s, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.43 (s, 1H), 8.12 (br d, J=19.4 Hz, 1H), 7.47 (br d, J=8.2 Hz, 1H), 7.41-7.31 (m, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.05 (s, 1H), 4.02 (s, 3H), 2.32 (s, 3H)
【0205】
実施例28
2-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3,4-ジメチル-6-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペリジン-3-イル)-9H-カルバゾール
【化73】
2-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3,4-ジメチル-6-(ピペリジン-3-イル)-9H-カルバゾール(1/7、0.0386mmol)およびEt3N(0.027mL、0.193mmol)をDMF(1mL)中で混合した。テトラヒドロ-4H-ピラン-4-オン(22mg、0.220mmol)、続いてナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(64mg、0.302mmol)を、上記混合物のバイアルに室温で添加した。14時間撹拌後、この反応混合物に水、K2HPO4水溶液(1.5M)、およびDCMを加えてクエンチした。有機層を分離し、濃縮した。得られた粗製残渣をDMFに溶解し、分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、19x200mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); グラジエント: 5~47%Bで25分かけて溶出後、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分)で精製した。生成物を含むフラクションを合わせて、遠心エバポレーターで乾燥し、2-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3,4-ジメチル-6-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペリジン-3-イル)-9H-カルバゾール(11.1mg、0.021mmol、54.6%収率)を得た。LCMS m/z 510.4(M+H)+; HPLC tR 1.30分(分析HPLC 方法D); 選択NMRピーク: 1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.13 (br s, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 8.08 (br s, 1H), 7.42 (br d, J=7.9 Hz, 1H), 7.30 (br d, J=8.5 Hz, 1H), 7.28 (br s, 1H), 7.06 (br s, 1H), 4.00 (s, 3H), 2.83 (br s, 3H), 2.31 (br s, 3H)
【0206】
実施例29
6-(アゼチジン-3-イル)-2-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3,4-ジメチル-9H-カルバゾール
【化74】
【0207】
実施例30
2-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3,4-ジメチル-6-(1-(2-(メチルスルホニル)エチル)アゼチジン-3-イル)-9H-カルバゾール
【化75】
【0208】
ステップ1: tert-ブチル3-(7-クロロ-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)アゼチジン-1-カルボキシレート
【化76】
バイアル中、6-ブロモ-2-クロロ-3,4-ジメチル-9H-カルバゾール(153mg、0.496mmol)、tert-ブチル3-ヨードアゼチジン-1-カルボキシレート(281mg、0.992mmol)、トリス(トリメチルシリル)シラン(185mg、0.744mmol)、Ir(dF(CF3)ppy)2(dtbbpy)PF6(5.56mg、4.96μmol)、およびNa2CO3(210mg、1.98mmol)、撹拌子を加え、ライン入りセプタムキャップをした。次に、1,4-ジオキサン(8.3mL)を加え、得られた懸濁液を窒素で5分間脱気した。別のバイアルに、塩化ニッケル(II)エチレングリコールジメチルエーテル錯体(5.45mg、0.025mmol)および4,4'-ジ-tert-ブチル-2,2'-ビピリジン(7.98mg、0.030mmol)を加えた。これを真空にし、窒素で充満させ、続いて1,4-ジオキサン(1.7mL)を加えた。この溶液を窒素ガスで10分間脱気し、撹拌した。この混合物に上記懸濁液を加え、次いで内容物を窒素ガスでさらに10分間脱気した。得られた懸濁液を34W KSH 150B Kessil blue grow lights(461nm)で照射し、16時間撹拌した。反応完了後、この反応混合物を濾過し、濃縮し、粗製物質をトルエン中でシリカゲルカラムにロードし、溶出溶媒(0~100% Hex/DCM、次いで0~50%EtOAc)で精製し、tert-ブチル3-(7-クロロ-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)アゼチジン-1-カルボキシレート(124mg、65%収率)を得た。LCMS m/z 329.0(M -(tert-ブチル)+ H)+; HPLC tR 1.18分(分析HPLC 方法TS1)
【0209】
ステップ2: tert-ブチル3-(7-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)アゼチジン-1-カルボキシレート
【化77】
tert-ブチル3-(7-クロロ-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)アゼチジン-1-カルボキシレート(124mg、0.322mmol)、8-メトキシ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(115mg、0.419mmol)、およびクロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2'4'6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル)[2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II)(12.67mg、0.016mmol)/1,4-ジオキサン(2.2mL)の溶液に、リン酸三カリウム水溶液(2M、0.48mL、0.96mmol)を加え、2相の混合物を窒素で5分間脱気した。この混合物を密封し、70℃で3時間撹拌した。反応完了後、この反応混合物を濃縮し、DCMに溶解し、シリカゲルにロードし、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒: 0~100%Hex/EtOAc)で精製し、tert-ブチル3-(7-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)アゼチジン-1-カルボキシレートを得た。LCMS m/z 498.6(M+H)+; HPLC tR 1.06分(分析HPLC 方法TS1); 1H NMR(499MHz、クロロホルム-d) δ 8.46 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.25-8.23 (m, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.47-7.42 (m, 2H), 7.22 (s, 1H), 6.83 (d, J=1.2 Hz, 1H), 4.44 (t, J=8.6 Hz, 2H), 4.15-4.06 (m, 2H), 4.04 (s, 3H), 3.99-3.91 (m, 1H), 2.90 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 1.51 (s, 9H)
【0210】
ステップ3: 実施例29
tert-ブチル3-(7-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)アゼチジン-1-カルボキシレート(0.215mmol)/DCM(2mL)の溶液に、TFA(1mL)を室温で加えた。10分間撹拌後、この反応混合物を濃縮し、tert-ブチル3-(7-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-5,6-ジメチル-9H-カルバゾール-3-イル)アゼチジン-1-カルボキシレート・TFA(0.215mmol)を得た。LCMS m/z 398.6(M+H)+; HPLC tR 0.64分(分析HPLC 方法TS1)
【0211】
ステップ4: 実施例30
ステップ3で得られた物質の一部(1/6)、6-(アゼチジン-3-イル)-2-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3,4-ジメチル-9H-カルバゾール・TFA(0.0358mmol)をDMF(1mL)に溶解した。Et3N(0.025mL、0.179mmol)および1-ブロモ-2-(メチルスルホニル)エタン(8.0mg、0.043mmol)を連続して加えた。この反応混合物を2時間撹拌し、次いで再度Et3N(0.075mL、0.537mmol)および1-ブロモ-2-(メチルスルホニル)エタン(24mg、0.128mmol)を加えた。この反応混合物を1.5時間以上撹拌し、次いで数滴の水およびDMFで希釈し、分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、19x200mm、粒子径:5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); グラジエント: 13~53%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分)で精製した。生成物を含むフラクションを合わせて、遠心エバポレーターで乾燥し、2-(8-メトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3,4-ジメチル-6-(1-(2-(メチルスルホニル)エチル)アゼチジン-3-イル)-9H-カルバゾール(15.7mg、0.031mmol、87%収率)を得た。LCMS m/z 504.2(M + H)+; HPLC tR 1.45分(分析HPLC 方法D); 1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 11.19 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.51-7.42 (m, 2H), 7.29 (s, 1H), 7.08 (s, 1H), 4.01 (s, 3H), 3.84-3.77 (m, 1H), 3.77-3.70 (m, 2H), 3.29-3.21 (m, 2H), 3.18 (br t, J=6.7 Hz, 2H), 3.09 (s, 3H), 2.89 (br t, J=6.6 Hz, 2H), 2.84 (s, 3H), 2.32 (s, 3H)
【0212】
表4の実施例は実施例30を製造するために用いた方法と同様に製造した。
【表5】

【0213】
TLR7/8/9阻害レポーターアッセイ
ヒトTLR7、TLR8またはTLR9受容体を過剰発現させるHEK-BlueTM細胞(Invivogen)を、5つのNF-κBおよびAP-1の結合部位と融合したIFN-β最小プロモーターのコントロール下で、誘導性SEAP(分泌型胎盤アルカリホスファターゼ)レポーター遺伝子を用いて、これらの受容体の阻害剤をスクリーニングするのに使用した。簡潔に説明すると、384ウェルプレート(Greiner)に細胞を播種し(細胞数:15000/ウェル(TLR7)、20,000/ウェル(TLR8)、および25,000/ウェル(TLR9))、次いで被験化合物/DMSO溶液で処理し、0.05nM~50μMの最終用量反応の濃度範囲を得る。化合物で予め30分室温で処理した後、次いで細胞をTLR7リガンド(最終濃度7.5μMのガーディキモド)、TLR8リガンド(最終濃度15.9μMのR848)またはTLR9リガンド(最終濃度5nMのODN2006)で刺激し、SEAP産生を誘発するNF-κBおよびAP-1を活性化する。22時間インキュベート(37℃、5%CO2)後、SEAPレベルは、メーカーの仕様書に従って、HEK-BlueTM検出薬(Invivogen)およびSEAPの検出が可能である細胞培養液を加えて決定する。阻害率は、DMSOのみをプラスしたアゴニストで処理したウェル中に存在するHEK-Blueシグナルの減少率(%)を、公知の阻害剤で処理したウェルと比較して決定する。
【表6】
【表7】