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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】食用製品用ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/04 20060101AFI20240828BHJP
   B65D 75/36 20060101ALI20240828BHJP
【FI】
B65D83/04 D
B65D75/36
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2022521421
(86)(22)【出願日】2020-10-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-09
(86)【国際出願番号】 US2020054207
(87)【国際公開番号】W WO2021086545
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-04-08
(31)【優先権主張番号】62/929,173
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508351303
【氏名又は名称】インターコンチネンタル グレート ブランズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】コリアー, ポール
(72)【発明者】
【氏名】ナイク, サメール
(72)【発明者】
【氏名】スカローラ, レオナルド
(72)【発明者】
【氏名】ゼルファス, ポール
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-516517(JP,A)
【文献】実公昭46-025177(JP,Y1)
【文献】実公昭47-013583(JP,Y1)
【文献】特表平08-501048(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1478126(KR,B1)
【文献】特表平11-511101(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0209558(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/04
B65D 75/36
B65D 85/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収容された複数の製品を排出するためのディスペンサであって、前記ディスペンサは、
カバーであって、
押圧開口部を有する上壁、及び
周壁であって、前記上壁から延在し、前記上壁と、前記周壁の底端部との間でディスペンサ容積を画定する、周壁を含む、カバーと、
排出開口部及び係合部材を有するベースであって、前記係合部材が、上端部及び底端部を有する、ベースと、
ブリスタートレイであって、前記ブリスタートレイの少なくとも一部分が前記ディスペンサ容積内に配設され、前記ブリスタートレイが、周辺縁部と、前記ディスペンサ容積内に保持されながら、前記ブリスタートレイを前記カバー及びベースに対して手動で回転させるための、前記ディスペンサ容積の外側で前記周辺縁部から延在するタブとを有し、前記ベース及び前記カバーが、それらの間の前記ブリスタートレイの前記手動回転を可能にするように取り付けられている、ブリスタートレイと、を含み、
カバー開口部が、前記カバーの前記上壁上に画定されており、
前記ベースの前記係合部材が、前記カバーが前記ベースと係合するときに、前記係合部材の前記上端部が前記カバーの前記カバー開口部内に位置付けられるように構成されており、
前記ディスペンサは、
前記カバー及び前記ベースの前記係合部材に貼付され、前記ベースの前記カバーへの固定を提供するように構成されたラベルを更に含む、ディスペンサ。
【請求項2】
前記カバーの前記上壁の内面が、接着剤、ヒートシール、超音波シール、又は締まり嵌めによって、前記ベースの前記係合部材の前記上端部に接着されている、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項3】
前記ディスペンサが組み立てられたとき、前記押圧開口部及び前記排出開口部は、ブリスターと整列し、それにより、前記排出開口部を通して製品を排出するために前記ブリスターが前記押圧開口部から押圧され得るようになる、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項4】
前記ディスペンサの前記カバーが、前記周壁の内面上に形成されたインデックスデバイスを更に含む、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項5】
前記インデックスデバイスが、前記ブリスタートレイが回転するときに、各ブリスターと係合し、前記ブリスターが前記カバーの前記押圧開口部と整列すると前記ブリスタートレイを停止させる突起部である、請求項4に記載のディスペンサ。
【請求項6】
前記ブリスタートレイが回転するとき、前記突起部が、前記カバーの前記押圧開口部との前記ブリスターの適切な整列の触覚的及び可聴的指示を提供する、請求項5に記載のディスペンサ。
【請求項7】
前記インデックスデバイスは、前記周壁の前記内面の上部に位置する、請求項4に記載のディスペンサ。
【請求項8】
ブリスタートレイ開口部が、前記ブリスタートレイの中心に画定されている、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項9】
前記ベースの前記係合部材が、前記ブリスタートレイ開口部を通して挿入されるように構成され、それにより、前記ブリスタートレイは、前記ベースの上面に着座し、かつ、前記ディスペンサ容積内に配設され得る、請求項8に記載のディスペンサ。
【請求項10】
前記ブリスタートレイが、内部に前記製品を収容するように構成された複数のブリスターを含む、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項11】
前記複数のブリスターが、前記ブリスタートレイ上で円状に配置されている、請求項10に記載のディスペンサ。
【請求項12】
前記ディスペンサが、ディスク形状である、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項13】
前記ブリスタートレイが、環状及びディスク形状である、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項14】
内部に収容された複数の製品を排出するためのディスペンサであって、前記ディスペンサは、
カバーであって、
押圧開口部を有する上壁、及び
周壁であって、前記上壁から延在し、前記上壁と、前記周壁の底端部との間でディスペンサ容積を画定する、周壁を含む、カバーと、
排出開口部及び係合部材を有するベースであって、前記係合部材が、上端部及び底端部を有する、ベースと、
ブリスタートレイであって、前記ブリスタートレイの少なくとも一部分が前記ディスペンサ容積内に配設され、前記ブリスタートレイが、周辺縁部と、前記ディスペンサ容積内に保持されながら、前記ブリスタートレイを前記カバー及びベースに対して手動で回転させるための、前記ディスペンサ容積の外側で前記周辺縁部から延在するタブとを有し、前記ベース及び前記カバーが、それらの間の前記ブリスタートレイの前記手動回転を可能にするように取り付けられている、ブリスタートレイと、を含み、
前記ディスペンサは、
前記カバー及び前記ベースの前記係合部材に貼付され、前記ベースの前記カバーへの固定を提供するように構成されたラベルを更に含み、
前記ラベルが、感圧性であるディスペンサ。
【請求項15】
前記係合部材の周辺側壁が、前記係合部材の前記上端部と前記係合部材の前記底端部との間に延在する、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項16】
タブ開口部が、前記タブ上に画定されている、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項17】
前記カバー、ベース、及びブリスタートレイの各々が、熱成形プラスチックでできている、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項18】
内部に収容された複数の製品を排出するためのディスペンサであって、前記ディスペンサは、
カバーであって、
押圧開口部を有する上壁、及び
周壁であって、前記上壁から延在し、前記上壁と、前記周壁の底端部との間でディスペンサ容積を画定する、周壁を含む、カバーと、
排出開口部及び係合部材を有するベースであって、前記係合部材が、上端部及び底端部を有する、ベースと、
ブリスタートレイであって、前記ブリスタートレイの少なくとも一部分が前記ディスペンサ容積内に配設され、前記ブリスタートレイが、周辺縁部と、前記ディスペンサ容積内に保持されながら、前記ブリスタートレイを前記カバー及びベースに対して手動で回転させるための、前記ディスペンサ容積の外側で前記周辺縁部から延在するタブとを有し、前記ベース及び前記カバーが、それらの間の前記ブリスタートレイの前記手動回転を可能にするように取り付けられている、ブリスタートレイと、を含み、
カバー開口部が、前記カバーの前記上壁上に画定されており、
前記カバー開口部の縁部が、前記係合部材の前記上端部の周縁に隣接して、前記係合部材の上部壁部分に形成されたスロット内にスナップ嵌めされているディスペンサ。
【請求項19】
前記係合部材が、前記上端部において非円形形状を有する、請求項18に記載のディスペンサ。
【請求項20】
前記カバー開口部が、前記係合部材の前記上端部の前記非円形形状と一致する非円形形状を有し、それにより、前記カバー開口部が前記スロット内にスナップ嵌めされたときに、前記カバー及び前記ベースが回転不能な取り付けを形成する、請求項19に記載のディスペンサ。
【請求項21】
ブリスタリートレイが、複数のノッチを含み、前記複数のノッチの各々が、前記複数のブリスターの各々の間に形成され、位置する、請求項10に記載のディスペンサ。
【請求項22】
インデックスデバイスが、前記周壁の内面の底部分に位置し、前記インデックスデバイスが、前記ブリスタートレイが回転すると、前記複数のノッチの各々に嵌合するように寸法決めされた突起部である、請求項21に記載のディスペンサ。
【請求項23】
前記カバーの前記周壁の底部と前記ブリスタートレイの前記タブとの間に間隙が形成されており、それにより、前記ブリスタートレイが前記ブリスタートレイの前記タブと前記カバーの前記周壁との間の摩擦なしに自由に回転させられる、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項24】
前記カバーの前記周壁の底部と、前記ブリスタートレイとが、それらの間に間隙がないように係合しており、それにより、前記ブリスタートレイが回転させられると、前記カバーの前記周壁の前記底部が前記ブリスタートレイと摺動接触する、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項25】
内部に収容された複数の製品を排出するためのディスペンサであって、前記ディスペンサは、
カバーであって、
押圧開口部を有する上壁、及び
周壁であって、前記上壁から延在し、前記上壁と、前記周壁の底端部との間でディスペンサ容積を画定する、周壁を含む、カバーと、
排出開口部及び係合部材を有するベースであって、前記係合部材が、上端部及び底端部を有する、ベースと、
ブリスタートレイであって、前記ブリスタートレイの少なくとも一部分が前記ディスペンサ容積内に配設され、前記ブリスタートレイが、周辺縁部と、前記ディスペンサ容積内に保持されながら、前記ブリスタートレイを前記カバー及びベースに対して手動で回転させるための、前記ディスペンサ容積の外側で前記周辺縁部から延在するタブとを有し、前記ベース及び前記カバーが、それらの間の前記ブリスタートレイの前記手動回転を可能にするように取り付けられている、ブリスタートレイと、を含み、
前記周壁が、前記ブリスタートレイの最外縁部と、前記ブリスタートレイの前記最外縁部と前記周壁との間に開口部を有して延在し、重なっており、前記ブリスタートレイの前記タブが前記ブリスタートレイの前記最外縁部と前記周壁との間の前記開口部を通って下向きに延在し、そこから横方向に延在し、前記タブが、縦段差状のオフセットを有することを可能にしているディスペンサ。
【請求項26】
前記タブが、前記ベースとも前記カバーとも係合しておらず、それによって、前記ブリスタートレイが前記ブリスタートレイの前記タブと前記カバーの前記周壁との間の摩擦なしに、自由に回転することを可能にする、請求項25に記載のディスペンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年11月1日出願の米国仮特許出願第62/929,173号の優先権を主張するものであり、この内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、消耗製品のためのディスペンサ、より具体的には、ディスペンサから1度に1つの食用製品を容易に排出するように構成された食用製品のためのディスペンサに関する。
【背景技術】
【0003】
キャンディ又はガムなどの特定の食用製品は、通常、製品を保護するために、かつ消費者に使い易さを提供するために、包装/排出デバイス内に収められている。現在、食用製品を収めて排出するように設計及び構成された様々な包装/排出デバイスが存在する。これらのデバイスの各々は、通常、開いて、デバイスの内部に収容された製品にアクセスするために破断し得る端部シールを含む。更に、これらのデバイスのほとんどは通常、消費者が製品を排出することができるようなハウジングを用いる。
【0004】
食用製品用の様々な包装/排出デバイスが現在市場で入手可能であるが、更に改善された、キャンディ及びガムなどの食用製品用の包装/排出デバイスを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、内部に収容された複数の製品を排出するためのディスペンサは、押圧開口部(又は示された領域)及びディスペンサ容積を有するカバーと、排出開口部及び係合部材を有するベースと、ブリスタートレイであって、ブリスタートレイの少なくとも一部分がディスペンサ容積内に配設され、ディスペンサ容積内に保持されながら、カバー及びベースに対してブリスタートレイを手動で回転させるための、ブリスタートレイの縁部から延在するタブを有する、ブリスタートレイと、カバー及びベースの係合部材に貼付し、接着されて、ディスペンサを一緒に保持するように構成されたラベルと、を含む。
【0006】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、図面を考慮してよりよく理解され、以下の発明を実施するための形態に従う。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
内部に収容された複数の製品を排出するためのディスペンサであって、前記ディスペンサは、
カバーであって、
押圧開口部を有する上壁、及び
周壁であって、前記上壁から延在し、前記上壁と、前記周壁の底端部との間でディスペンサ容積を画定する、周壁を含む、カバーと、
排出開口部及び係合部材を有するベースであって、前記係合部材が、上端部及び底端部を有する、ベースと、
ブリスタートレイであって、前記ブリスタートレイの少なくとも一部分が前記ディスペンサ容積内に配設され、前記ブリスタートレイが、前記ディスペンサ容積内に保持されながら、前記ブリスタートレイを前記カバー及びベースに対して手動で回転させるための、前記ブリスタートレイの縁部から延在するタブを有し、前記ベース及び前記カバーが、それらの間の前記ブリスタートレイの前記手動回転を可能にするように取り付けられている、ブリスタートレイと、を含む、ディスペンサ。
(項目2)
前記カバーの前記上壁の内面が、接着剤、ヒートシール、超音波シール、又は締まり嵌めによって、前記ベースの前記係合部材の前記上端部に接着されている、項目1に記載のディスペンサ。
(項目3)
前記ディスペンサが組み立てられたとき、前記押圧開口部及び前記排出開口部は、整列された前記開口部に沿って配設されたブリスターと整列し、それにより、前記排出開口部を通して製品を排出するために前記ブリスターが前記押圧開口部から押圧され得るようになる、項目1に記載のディスペンサ。
(項目4)
前記ディスペンサの前記カバーが、前記周壁の内面上に形成されたインデックスデバイスを更に含む、項目1に記載のディスペンサ。
(項目5)
前記インデックスデバイスが、前記ブリスタートレイが回転するときに、各ブリスターと係合し、前記ブリスターが前記カバーの前記押圧開口部と整列すると、前記ブリスタートレイを停止させる突起部である、項目4に記載のディスペンサ。
(項目6)
前記ブリスタートレイが回転するとき、前記突起部が、前記カバーの前記押圧開口部との前記ブリスターの適切な整列の触覚的及び可聴的指示を提供する、項目5に記載のディスペンサ。
(項目7)
前記インデックスデバイスは、前記カバーの前記押圧開口部付近の前記周壁の前記内面の上部に位置する、項目4に記載のディスペンサ。
(項目8)
ブリスタートレイ開口部が、前記ブリスタートレイの中心に画定されている、項目1に記載のディスペンサ。
(項目9)
前記ベースの前記係合部材が、前記ブリスタートレイ開口部を通して挿入されるように構成され、それにより、前記ブリスタートレイは、前記ベースの上面に着座し、かつ、前記ディスペンサ容積内に配設され得る、項目8に記載のディスペンサ。
(項目10)
カバー開口部が、前記カバーの前記上壁上に画定されている、項目1に記載のディスペンサ。
(項目11)
前記ベースの前記係合部材が、前記カバーが前記ベースと係合するときに、前記係合部材の前記上端部が前記カバーの前記カバー開口部内に位置付けられるように構成されている、項目10に記載のディスペンサ。
(項目12)
前記ブリスタートレイが、内部に前記製品を収容するように構成された複数のブリスターを含む、項目1に記載のディスペンサ。
(項目13)
前記複数のブリスターの各々が、前記押圧開口部及び前記排出開口部の各々内に密接に嵌合されるように寸法決めされている、項目12に記載のディスペンサ。
(項目14)
前記複数のブリスターが、前記ブリスタートレイの周囲の周りに配置されている、項目12に記載のディスペンサ。
(項目15)
前記ディスペンサが、ディスク形状である、項目1に記載のディスペンサ。
(項目16)
前記ブリスタートレイが、環状及びディスク形状である、項目1に記載のディスペンサ。
(項目17)
前記カバー及び前記ベースの前記係合部材に貼付され、前記ベースの前記カバーへの固定を提供するように構成されたラベルを更に含む、項目11に記載のディスペンサ。
(項目18)
前記ラベルが、感圧性である、項目1に記載のディスペンサ。
(項目19)
前記係合部材の周辺側壁が、前記上端と前記下端との間に延在する、項目1に記載のディスペンサ。
(項目20)
タブ開口部が、前記タブ上に画定されている、項目1に記載のディスペンサ。
(項目21)
前記カバー、ベース、及びブリスタートレイの各々が、熱成形プラスチックでできている、項目1に記載のディスペンサ。
(項目22)
前記複数の製品が、キャンディ及びガムなどの菓子である、項目1に記載のディスペンサ。
(項目23)
前記カバー開口部の縁部が、前記係合部材の前記上端部の周縁に隣接して、前記係合部材の上部壁部分に形成されたスロット内にスナップ嵌めされている、項目10に記載のディスペンサ。
(項目24)
前記係合部材が、前記上端部において非円形形状を有する、項目23に記載のディスペンサ。
(項目25)
前記カバー開口部が、前記係合部材の前記上端部の前記非円形形状と一致する非円形形状を有し、それにより、前記カバー開口部が前記スロット内にスナップ嵌めされたときに、前記カバー及び前記ベースが回転不能な取り付けを形成する、項目24に記載のディスペンサ。
(項目26)
ブリスタリートレイが、複数のノッチを含み、前記複数のノッチの各々が、前記複数の前記ブリスターの各々の間に形成され、位置する、項目12に記載のディスペンサ。
(項目27)
前記インデックスデバイスが、前記カバーの前記押圧開口部付近の前記周壁の前記内面の底部分に位置し、前記インデックスデバイスが、前記ブリスタートレイが回転すると、前記複数のノッチの各々に嵌合するように寸法決めされた突起部である、項目26に記載のディスペンサ。
(項目28)
前記カバーの前記周壁の底部と前記ブリスタートレイの前記タブとの間に間隙が形成されており、それにより、前記ブリスタートレイが前記ブリスタートレイの前記タブと前記カバーの前記周壁との間の摩擦なしに自由に回転させられる、項目1に記載のディスペンサ。
(項目29)
前記カバーの前記周壁の底部と、前記ブリスタートレイとが、それらの間に間隙がないように係合しており、それにより、前記ブリスタートレイが回転させられると、前記カバーの前記周壁の前記底部が前記ブリスタートレイと摺動接触する、項目1に記載のディスペンサ。
(項目30)
前記周壁が、前記ブリスタートレイの最外縁部と、それらの間に開口部を有して延在し、重なっており、前記ブリスタートレイの前記タブが前記開口部を通って下向きに延在し、そこから横方向に延在し、前記タブが、縦段差状のオフセットを有することを可能にしている、項目1に記載のディスペンサ。
(項目31)
前記タブが、前記ベースとも前記カバーとも係合しておらず、それによって、前記ブリスタートレイが前記ブリスタートレイの前記タブと前記カバーの前記周壁との間の摩擦なしに、自由に回転することを可能にする、項目30に記載のディスペンサ。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態による食用製品ディスペンサの斜視図である。
図2】閉鎖位置にある、図1の食用製品ディスペンサの斜視図である。
図3図1の食用製品ディスペンサのカバーの部分内面図である。
図4A】代替実施形態の食用製品ディスペンサのカバー及びブリスタートレイの部分内面図である。
図4B】代替実施形態の食用製品ディスペンサのブリスタートレイ及びベースの部分図である。
図5A】締まり嵌めを介したカバー及びベースの取り付けの部分断面図である。
図5B図5Aの食用製品ディスペンサの上面図である。
図5C図5Bのベースの斜視図である。
図5D図5Cのベースの底面図である。
図5E】接着剤を介したカバー及びベースの取り付けの部分断面図である。
図5F】ヒートシール又は超音波シールを介したカバー及びベースの取り付けの部分断面図である。
図5G図5E及び5Fの代替実施形態の食用製品ディスペンサの上面図である。
図6図1に示される食用製品ディスペンサの上面図である。
図7図1の食用製品ディスペンサの底面図である。
図8A】各種実施形態における食用製品ディスペンサの部分図である。
図8B】各種実施形態における食用製品ディスペンサの部分図である。
図8C】各種実施形態における食用製品ディスペンサの部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、図1図6、及び図7を参照すると、キャンディ、ガムなどの複数の食用製品12又は菓子を内部に収容し、排出するように構成された食用製品用のディスペンサ10が示されている。ディスペンサ10は、以下でより詳細に説明されるように、複数の食用製品12が、1度に1つのブリスターずつ、容易にかつ便利にディスペンサ10から排出されることを可能にするように設計及び構成されている。
【0009】
図1及び図2を参照すると、好ましい実施形態では、ディスペンサ10は、略ディスク形状であり、カバー14と、カバー14と係合するように構成されたベース16と、カバー14とベース16との間に配設されるように構成されたブリスタートレイ18と、ディスペンサ10(カバー14、ブリスタートレイ18、及びベース16)を一緒に保持するためのラベル20と、を含む。ディスペンサ10が組み立てられると、ブリスタートレイ18は、以下でより詳細に説明するように、カバー14とベース16との間に保持されながら、ディスペンサ10の中心を通って延在する回転軸Yを中心に手動で回転させることができる。
【0010】
上部及び底部などの方向を示す用語は、ディスペンサ10が、ディスペンサ10のカバー14の上面を上向きにして、平坦な表面上に配置される配向を基準とする。しかしながら、本発明は、それによって、任意の特定の配向での使用に限定されない。
【0011】
図2を参照すると、好ましい実施形態では、カバー14は、平面状の上壁22と、円形移行部26によって上壁22に接続された垂下周壁24と、を含む。周壁24は、円形移行部26と上壁22とは反対側の開放端部28との間に延在し、上壁22と周壁24の底端部30との間にディスペンサ容積を画定する。
【0012】
図2に示すように、押圧開口部32は、上壁22の縁部の近くに画定されて、ブリスター34を手動で直接接触させて押し下げて、食用製品12をディスペンサ10から排出する手段を提供する。ディスペンサ10が組み立てられると、カバー14の押圧開口部32は、ユーザが押圧開口部32内に位置するブリスター34を押したときに、食用製品12を通過させて排出するための、ベース16に画定された排出開口部36と整列する。
【0013】
押圧開口部32及び排出開口部36は、ブリスター34内に配設された食用製品12を排出するために、食用製品12よりも大きくなるように寸法決めされている。更に、以下でより詳細に説明するように、カバー開口部38は、ベース16と係合するように、かつ、ラベル20がカバー開口部38の上に貼付されるように、上壁22の中心に画定される。
【0014】
図2及び図3を参照すると、カバー14は、ブリスタートレイ18が手動で回転するときに戻り止め機構を提供するためのインデックスデバイス40を更に含む。インデックスデバイス40は、好ましくは、周壁24の内面42上に一体的に形成されている。好ましい実施形態では、インデックスデバイス40は、図3に示されるように、カバー14の押圧開口部32の近くの周壁24の内面42の上部に位置する。インデックスデバイス40は、ブリスタートレイ18が回転するときに、各ブリスター34と係合し、1つのブリスター34が押圧開口部32と整列するとブリスタートレイ18を停止させる突起部である。ブリスタートレイ18が回転すると、突起部は、カバー14の押圧開口部32とブリスター34との適切な整列の触覚的及び可聴的指示を提供する。ブリスター34が押圧開口部32と整列し、ブリスタートレイ18が回転を停止すると、突起部は、ブリスターと次のブリスターとの間の間隙44内に位置付けられる。したがって、ブリスター34が排出された後は、ブリスタートレイ18を回転させて、次のブリスターを押圧開口部32と整列させることができる。
【0015】
代替実施形態では、図4Aを参照すると、インデックスデバイス40’は、周壁24’の内面42’の底部分に一体的に形成される。ブリスタリートレイ18’は、複数のノッチ41’を含み、複数のノッチ41’の各々は、複数のブリスター34’の各々の間に形成され、位置する。インデックスデバイス40’は、ブリスタートレイ18’が回転するときに複数のノッチ41’の各々に嵌合するように寸法決めされた突起部である。食用製品が排出された後、ブリスタートレイ18’を回転させることができ、それにより、次のブリスターが押圧開口部と整列して、インデックスデバイス40’が次のノッチ41’に嵌合される。ブリスタートレイ18’が回転すると、突起部は、カバー14’の押圧開口部とのブリスター34’の適切な整列の触覚的及び可聴的指示を提供する。
【0016】
別の代替実施形態では、図4Bを参照すると、インデックスデバイス40’’のうちの1つ以上は、ベース16’’の周縁上に一体的に形成される。1つ以上のインデックスデバイス40’’の各々は、ブリスタートレイ18’’が回転するときに複数のノッチ41’’の各々に嵌合するように寸法決めされた突起部である。ブリスタートレイ18’’が回転するとき、突起部は、カバーの押圧開口部とのブリスター34’’の適切な整列の触覚的及び可聴的指示を提供する。
【0017】
再び図2を参照すると、ベース16は、ベース16の縁部の近くに画定された排出開口部36を含む。好ましくは、排出開口部36は、カバー14の押圧開口部32と同様に寸法決めされ得る。したがって、上述のように、ディスペンサ10が組み立てられると、押圧開口部32及び排出開口部36は整列しており、それにより、ブリスター34が、ベース16の排出開口部36を通して食用製品を排出するためにカバー14の押圧開口部32から押圧され得るようになる。
【0018】
ベース16は、好ましい実施形態では、ベース16の中心に上向きに延在する係合部材46を更に含み、そこから突出する。係合部材46は、上端部50と底端部52との間に延在する周辺側壁48を有する。ベース16の係合部材46は、カバー14がベース16と係合するときに、係合部材46の上端部50がカバー14のカバー開口部38内に位置付けられるように設計及び寸法決めされる。この構成により、ラベル20をカバー14及びベース16の両方に貼付及び接着して、ディスペンサ10の全ての部分を一緒に保持することを可能にする。
【0019】
ベースの代替実施形態では、図5A図5Dを参照すると、係合部材46’の上端部50’は正方形の形状である。しかしながら、係合部材46’の上端部は、例えば、円形、三角形などのような、任意の形状を有し得る。カバー開口部は、係合部材46’の上端部50’の形状と本質的に一致する形状を有する。加えて、上端部50’の周縁は、その中に形成された溝又はアンダーカットスロット51’を有し、溝又はアンダーカットスロット51’は、締まり嵌め、又はスナップ嵌めによってカバー開口部に取り付け可能にスナップ嵌めする。言い換えれば、カバー開口部の縁部は、係合部材46’の上端部50’の周縁部に隣接して、係合部材46’の上部壁部分に形成された溝又はアンダーカットスロット51’内にスナップ嵌めされ、回転不能な取り付けを形成する。有利には、カバー開口部の形状を有し、上端部50’は、角があり、又は非円形であり、カバー14’に対してベースの摺動回転が防止され、このような実施形態において、粘着性ラベルを機能的に不要にする。
【0020】
ラベル20及びスナップ嵌め技術を使用したベース16へのカバー14の取り付けが開示されているが、他の取り付け技術は、本発明の意図の範囲内である。代替技術を図5E図5Gに示す。図5E図5Gを参照すると、カバー14’’は、上壁22’’上にカバー開口部を有さずに構成されている。カバー14’’のこの構成は、カバー14’’の上壁22’’の内面を、接着剤51’’(図5E)、ヒートシール(図5F)、又は超音波シールによってベース16’’の係合部材46’’の上端部50’’に接着することを可能にする(図5F)。
【0021】
再び図2を参照すると、ブリスタートレイ18は、略環状及びディスク形状である。しかしながら、ブリスタートレイ18は、ディスペンサ10内で回転可能である限り、任意の好適な形状で設計され得る。ブリスタートレイ18は、内部に食用製品を収容するように構成された複数のブリスター34を含む。複数のブリスター34は、望ましくは、ブリスタートレイ18の周囲の周りに配置される。業界で知られているように、ブリスタートレイ18の底面は、各ブリスター34の開口部を覆うフィルム又は箔などの破裂可能な封止材料で覆われている。封止材料は、破裂を容易にするために、各ブリスター34の開口部を覆う領域の周りの脆弱線を含み得る。ブリスタートレイ18上の複数のブリスター34の各々は、押圧開口部32及び排出開口部36の各々内に密接に嵌合されるように寸法決めされている。ブリスター34は、製品12に合わせてサイズ決定されている。押圧開口部32及び排出開口部36は、ブリスター34に合わせてサイズ決定されている。
【0022】
ブリスタートレイ18は、その中心に画定されたブリスタートレイ開口部54を有する。ブリスタートレイ開口部54は、ブリスタートレイ18をディスペンサ10のディスペンサ容積内に安定的に配設されることを可能にする。具体的には、組み立て中、ベース16の係合部材46は、ブリスタートレイ開口部54を通して挿入され、それにより、ブリスタートレイ18がベース16の上面に着座し、かつ、ディスペンサ容積内に配設され得るようになる。
【0023】
ブリスタートレイ18は、図2に示すように、ブリスタートレイ18の縁部に一体的に取り付けられたタブ56を更に含む。ディスペンサ10が組み立てられると、タブ56は、カバー14及びベース16から横方向外向きに延在し、ブリスタートレイ18を手動で回転させるための、及び整列された開口部(押圧開口部及び排出開口部)32、36内にブリスターを位置決めするための手段を提供する。上述のように、ブリスターが整列した開口部32、36に沿って位置決めされると、ユーザは、ブリスターが破断し、ベース16の排出開口部36を通して排出されるまで、カバー14の押圧開口部32を通してブリスターを押し込むことができる。タブ開口部58は、タブ56上に画定することができ、それにより、ディスペンサ10が小売ディスプレイ用のペグボードフックなどのディスプレイフックなどに吊り下げられる。タブ開口部58はまた、ディスペンサ10は、購入後は、例えば、キーチェーンに引っ掛ることを可能にする。
【0024】
図8A図8Cを参照すると、ブリスタートレイのタブの構成に対して、食用製品12のためのディスペンサの各種設計が示されている。図8Aでは、一実施形態において、底部上に破裂可能な封止材料19’’’を有するブリスタートレイ18’’’は、カバー14’’’とベース16’’’との間に配設される。カバー14’’’の周辺壁24’’’の底部とブリスタートレイ18’’’のタブ56’’’との間に間隙43’’’が形成され、ブリスタートレイ18’’’のタブ56’’’とカバー14’’’の周壁24’’’との間の摩擦なしに、ブリスタートレイ18’’’を自由に回転させることを可能にする。
【0025】
図8Bに示される代替実施形態では、カバー14’’’’の外周壁24’’’’の底部は、破裂可能な封止材料19’’’’を有するブリスタートレイ18’’’’のタブ56’’’’と係合し、それらの間に間隙は存在しない。したがって、ブリスタートレイ18’’’’が回転すると、ブリスタートレイ18’’のタブ56’’’’とカバー14’’’’の周壁24’’’’との間で摩擦であるスライド接触が存在する。摩擦は、手動回転によって克服され得る。
【0026】
更に別の実施形態では、図8Cに示されるように、ディスペンサは、周壁24’’’’’が、破裂可能な封止材料19’’’’’を有するブリスタートレイ18’’’’’の最外縁部と、それらの間に開口43’’’’’を有して延在し、重なるように設計されている。ブリスタートレイ18’’’’’の構成は、タブ56’’’’’が、縦段差状のオフセットを含むように変更されている。開口43’’’’’は、ブリスタートレイ18’’’’’のタブ56’’’’’が開口43’’’’’を通って下方に延在し、次いでそこから横方向に延在し、タブ56’’’’’が階段状の構造を有することを可能にする。この実施形態では、タブ56’’’’’が、ベース16’’’’’又はカバー14’’’’’のいずれとも係合しないことにより、ブリスタートレイ18’’’’’のタブ56’’’’’とカバー14’’’’’の周壁24’’’’’との間の摩擦なしに、ブリスタートレイ18’’’’’を自由に回転させることができる。
【0027】
カバー14の上面及び側面、ベース16の底面、及びラベル20は、図6及び図7に示すように、写真、ロゴ、テキスト(製品の説明を含む)、及び価格設定情報を印刷、エンボス加工、又は別の方法で取り付けるための各種指示に利用することができる。
【0028】
ディスペンサ10は、強度、重量、剛性などを含む所望の用途に好適な特性を有する1つ以上の材料で作製されている。カバー14、ブリスタートレイ18、及びベース16には、一般に、熱成形プラスチックが好ましい。ラベル20の場合、感圧性ラベルが一般に好ましい。加えて、ディスペンサ10は一般に、一方の手で容易に把持され、ポケットに取り付けられるようにサイズ決定されることが好ましい。
【0029】
前述から、本発明による食用製品のためのディスペンサは、ディスペンサの周りでブリスタートレイを手動で回転させることによって、食用製品をディスペンサから1度に1つずつ容易にかつ便利に排出することを可能にすることが理解されよう。
【0030】
一般に、上記説明は、例示的かつ説明的な目的のために提供される。本発明は、必ずしもこれに限定されるものではない。むしろ、当業者は、追加の修正、並びに特定の状況に対する適応が、本明細書に示され説明される発明の範囲内及び本明細書に添付される特許請求の範囲内に含まれることを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6
図7
図8A
図8B
図8C