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特許7545522少なくとも1つのサブプリフォームによって構成されたフランジ部を有する車両リム、およびリム本体の製造方法
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  • 特許-少なくとも1つのサブプリフォームによって構成されたフランジ部を有する車両リム、およびリム本体の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】少なくとも1つのサブプリフォームによって構成されたフランジ部を有する車両リム、およびリム本体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B60B 21/02 20060101AFI20240828BHJP
   B60B 3/04 20060101ALI20240828BHJP
   B60B 21/00 20060101ALI20240828BHJP
【FI】
B60B21/02 P
B60B3/04 A
B60B3/04 B
B60B21/00 H
B60B21/02 G
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023067406
(22)【出願日】2023-04-17
(65)【公開番号】P2023165400
(43)【公開日】2023-11-15
【審査請求日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】10 2022 110 699.3
(32)【優先日】2022-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501106263
【氏名又は名称】明安國際企業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED INTERNATIONAL MULTITECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 26, Chung-Lin Rd., Hsiao-Kang Dist., Kaohsiung City, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】リューガー, オラフ
(72)【発明者】
【氏名】シュランツ, クリストフ
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2022/0097449(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0333122(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0375112(US,A1)
【文献】特開2019-055689(JP,A)
【文献】実開昭58-157701(JP,U)
【文献】実開昭55-027112(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第103796875(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 21/02
B60B 3/04
B60B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維複合材料からなるリム本体(2)を備えた車両リム(1)であって、
前記リム本体(2)は、それ自体第1の軸方向端部(3a)を形成する第1のサブプリフォーム(4)と、前記第1のサブプリフォーム(4)の接続空洞(5)内に収容され、前記第1のサブプリフォーム(4)から第2の軸方向端部(3b)へ延びる第2のサブプリフォーム(6)とを有し、前記第2の軸方向端部(3b)は、前記第1の軸方向端部(3a)に対向し、
さらに、軸方向に前記第1の軸方向端部(3a)及び前記第2の軸方向端部(3b)の間に構成され、径方向内側に向かって突出するフランジ部(7)が、前記第1のサブプリフォーム(4)および/または前記第2のサブプリフォーム(6)と接続された第3のサブプリフォーム(8)から少なくとも部分的に形成されている、車両リム(1)。
【請求項2】
前記フランジ部(7)が、さらなる第4のサブプリフォーム(9)から共に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両リム(1)。
【請求項3】
前記第3のサブプリフォーム(8)および前記第4のサブプリフォーム(9)が、径方向内側に向かって張り出して前記フランジ部(7)を直接的に共に構成する鍔部(10、11)をそれぞれ有することを特徴とする、請求項2に記載の車両リム(1)。
【請求項4】
前記第3のサブプリフォーム(8)および/または前記第4のサブプリフォーム(9)が、本質的に軸方向に張り出したリング部(12、13)を有し、前記リング部(12、13)が、前記第1のサブプリフォーム(4)および/または前記第2のサブプリフォーム(6)と接続されていることを特徴とする、請求項に記載の車両リム(1)。
【請求項5】
前記第3のサブプリフォーム(8)および前記第4のサブプリフォーム(9)の前記リング部(12、13)が、互いに反対の軸方向において前記フランジ部(7)から離れるように延びることを特徴とする、請求項4に記載の車両リム(1)。
【請求項6】
前記第3のサブプリフォーム(8)が、前記第1のサブプリフォーム(4)の前記接続空洞(5)内に共に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両リム(1)。
【請求項7】
前記第1のサブプリフォーム(4)が、前記フランジ部(7)を共に構成する径方向内側に向かって突出する鍔部(14)を有することを特徴とする、請求項1に記載の車両リム(1)。
【請求項8】
金属からなるリムディスク(15)が、ねじ接続部(16)によって前記フランジ部(7)に装着されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両リム(1)。
【請求項9】
前記フランジ部(7)の部位にねじ受け孔(17)が空けられており、前記部位において、前記第3のサブプリフォーム(8)および前記第4のサブプリフォーム(9)の前記鍔部(10、11)が径方向に重なり合うことを特徴とする、請求項に記載の車両リム(1)。
【請求項10】
一方では前記第2のサブプリフォーム(6)と、他方では前記第3のサブプリフォーム(8)および/または前記第4のサブプリフォーム(9)との間の環状空間(18)内に充填コア(19)が挿入されていることを特徴とする、請求項に記載の車両リム(1)。
【請求項11】
繊維複合材料からなる車両リム(1)用のリム本体(2)を製造するための方法であって、
補強繊維を有する第1のサブプリフォーム(4)が前記リム本体(2)の第1の軸方向端部(3a)を構成しながら配置され、第2のサブプリフォーム(6)が前記第1のサブプリフォーム(4)の接続空洞(5)内に挿入され、
前記第2のサブプリフォーム(6)が、前記第1のサブプリフォーム(4)から軸方向に離れるように前記リム本体(2)の第2の軸方向端部(3b)へ向かって延在し、
第3のサブプリフォーム(8)が前記第1のサブプリフォーム(4)および/または前記第2のサブプリフォーム(6)に取り付けられることによって、前記第3のサブプリフォーム(8)と、前記第1のサブプリフォーム(4)および/または前記第2のサブプリフォーム(6)とが、リムディスク(15)を結合するために備えられる径方向内側に向かって突出するフランジ部(7)を共に構成する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常は中空であり、好適には(回転)対称である、繊維複合材料からなるリム本体を備えた車両リムに関する。
【背景技術】
【0002】
繊維複合材料からなるリム本体を備えた車両リムは、基本的に従来技術から公知である。これらのリム本体は通常、樹脂が含浸された、または後ほど樹脂が注入される炭素繊維、ガラス繊維、またはアラミド繊維を有する織物、不織布、または編物を有する。硬化後、このリム本体を有する車両リムが提供される。
【0003】
繊維複合材料から製造されたリム本体は、乗用車、トラック、またはその他の有用車両のような車両の車輪ハブ、および例えば原動機付き二輪車の車輪ハブへの装着のために設けられているさらなる部品とされ得ることも公知である。多くの場合、この部品はディスクとして構成されており、通常は金属または合金、例えばアルミ合金から成形されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述の(CFRP製)リム本体の製造には従来多くの手間と高いコストを要している。また、このようなリム本体は従来、望まれるほどには耐久性が高くない。特に、熱負荷、圧力、および求心力にも、もっとよく耐えなければならない。また、このようなリム本体は非常に硬質で軽量でなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1の特徴を備えた車両リムにおいて、すなわち、通常は中空であり、好適には(回転)対称である、繊維複合材料からなるリム本体を備えた車両リムであって、リム本体は、それ自体第1の軸方向端部を形成する第1のサブプリフォームと、第1のサブプリフォームの接続空洞内に収容され、第1のサブプリフォームから第1の軸方向端部に対向する第2の軸方向端部まで延びる第2のサブプリフォームとを有し、さらに、軸方向に軸方向端部の間に構成され、径方向内側に向かって突出するフランジ部が、第1のサブプリフォームおよび/または第2のサブプリフォームと接続された第3のサブプリフォームから少なくとも部分的に形成されている、車両リムによって解決される。
【0006】
複数の異なるサブプリフォームを利用可能であることから、作業工程を並行して行うことができ、それによって時間が節約される。フランジ部を形成するさらなる(第3の)サブプリフォームによって、リムディスク用の重要な結合領域が可能な限り硬質で丈夫に構成される。
【0007】
本発明は、繊維複合材料からなる車両リム用のリム本体を製造するための、特に迅速で確実な、つまり不良品が生じないようにされた方法を提供することも課題としている。
【0008】
この課題は、本発明によれば請求項11の特徴を備えた方法によって解決される。
【0009】
繊維複合材料からなる車両リム用のリム本体を製造するためのこのような方法は、補強繊維(好適には、炭素繊維、ガラス繊維、および/またはアラミド繊維を含むNCF(ノンクリンプファブリック/不織布))を有する第1のサブプリフォームがリム本体の第1の軸方向端部を構成しながら配置され、(第1のサブプリフォームと同一または同様の補強繊維を含む)第2のサブプリフォームが第1のサブプリフォームの接続空洞内に挿入され、第2のサブプリフォームが、第1のサブプリフォームから軸方向に離れるようにリム本体の第2の軸方向端部へ向かって延在し、(第1のサブプリフォームと同一または同様の補強繊維を含む)第3のサブプリフォームが第1のサブプリフォームおよび/または第2のサブプリフォームに取り付けられることによって、リムディスクを結合するために備えられる径方向内側に向かって突出するフランジ部を共に構成する、ことを特徴とする。
【0010】
車両リムの有利な発展形態は、下位請求項に請求されている。方法の有利な発展形態は、同様に下位請求項において特許請求されている。これらの有利な発展形態について、以下により詳しく解説する。
【0011】
これによれば、フランジ部がさらなる第4のサブプリフォームから共に構成されている場合も有利である。これにより、フランジ部の強度がさらに高められる。
【0012】
加えて、第3のサブプリフォームおよび第4のサブプリフォームが、径方向内側に向かって張り出してフランジ部を直接的に共に構成する鍔部をそれぞれ有すれば有利である。これにより、第3および第4のサブプリフォームを可能な限り容易に構成することができ、ひいては組み立ての手間が可能な限り少なく抑えられる。
【0013】
また、第3のサブプリフォームおよび/または第4のサブプリフォームが(本質的に軸方向に張り出した)リング部を有し、それぞれのリング部が、第1のサブプリフォームおよび/または第2のサブプリフォームと(好適には直接的に)接続されている場合も、製造を容易にするために役立つ。
【0014】
第3のサブプリフォームおよび第4のサブプリフォームのリング部が、互いに反対の軸方向においてフランジ部から/互いから離れるように延びれば、フランジ部の強度がさらに高められる。
【0015】
さらに、第3のサブプリフォームが第1のサブプリフォームの接続空洞内に共に配置されていれば有利である。これによっても、追加的な装着手段を使用する必要なく、リム本体の強度が巧妙に高められる。
【0016】
第1のサブプリフォームが、フランジ部を共に構成する径方向内側に向かって突出する鍔部を有すれば、フランジ部の強度が同様に向上する。
【0017】
さらに、金属、好適にはアルミ合金のような軽合金からなるリムディスクがねじ接続部によって(直接的に)フランジ部に装着されていれば、可能な限り耐久性のあるハイブリッドリムを実現するのに有利である。
【0018】
強度が最適化されるようにリムディスクを取り付けるためには、フランジ部の部位にねじ受け孔が空けられており、この部位において第3のサブプリフォームおよび第4のサブプリフォームの鍔部(ならびに、さらに好ましくはまた第1のサブプリフォームの鍔部も)が径方向に重なり合う場合も有利である。
【0019】
加えて、一方では第2のサブプリフォームと、また他方では第3のサブプリフォームおよび/または第4のサブプリフォームとの間の環状空間内に、(好適には繊維束の形で)充填コアが挿入されていれば有利である。
【0020】
十分な安定性のためには、第2の軸方向端部に関して、この第2の軸方向端部を直接的に共に構成する第5のサブプリフォームが第2のサブプリフォームと接続されている場合も有利である。この場合、第2のサブプリフォームは、さらに好ましくは第5のサブプリフォームの接続空洞内に挿入/収容されており、そこで第5のサブプリフォームと接続されている。
【0021】
したがって、第2のサブプリフォームが両方の接続空洞内で、第1のサブプリフォームおよび第5のサブプリフォームに対して特に1つの部品として/一体的に装着されている/取り付けられている場合も有利である。これにより、良好な耐久性が保証されている。
【0022】
全てのサブプリフォームに同一の樹脂/樹脂混合物が混入されていれば、互いに関連する、硬質でありながら特に軽量な部品を実現することができる。
【0023】
それにもかかわらず最終製品の耐荷重性を高めながらコストを低く抑えるために、第1のサブプリフォームおよび/または第2のサブプリフォームおよび/または第3のサブプリフォームおよび/または第4のサブプリフォームおよび/または第5のサブプリフォームがNCFを有する、または完全にNCFから形成されている場合が実証されている。
【0024】
NCFは、「ノンクリンプファブリック」と理解される。これは、平行に延びる延伸糸からなる1つまたは複数の層からなる平面構造体である。交点ではこれらの糸が通常は固定される。この固定は、材料接続によって行われるか、または機械的に摩擦および/または形状接続によって行われるかのいずれかである。
【0025】
以下の種類の不織布が存在している。
・1束の平行な糸を固定することによって生じる一軸または一方向不織布、
・2束の平行な糸が2つの軸の方向に固定される二軸不織布、
・平行な糸からなる複数の束が様々な軸の方向に固定される多軸不織布。
【0026】
多層不織布の場合の糸の方向性は、全てが異なる方向性を有する場合があり、異なる糸密度および異なる糸繊度からなる場合もある。公知のように、不織布は織物と比較して、本発明が属する基礎的な技術分野である繊維・プラスチック複合体において、補強構造としてより良好な機械的特性を有し、これは、糸が延伸された形で存在しており、このためさらなる構造の膨張が生じず、また、糸の方向性をそれぞれの用途の場合に合わせて特別に規定することができるからである。
【0027】
相応のリム本体を備えた特に耐久性の高い車両リムの製造を可能にするには、NCFが、好適には炭素繊維、ガラス繊維、またはアラミド繊維からなる一軸/一方向、または(例えば、+/-45°の繊維を含む)二軸、または多軸の不織布である場合が実証されている。
【0028】
第1のサブプリフォームおよび/または第2のサブプリフォームおよび/または第3のサブプリフォームおよび/または第4のサブプリフォームおよび/または第5のサブプリフォームが、複数の、例えば3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、またはより多くのNCFからなる層を有すれば、重量を低減しながら特に大きい力をリム本体によって吸収することが可能になる。
【0029】
挿入される充填コアがロービング束であれば目的に適っている。「ロービング」は、繊維フィラメント、特に化学繊維フィラメントとして理解される。「ロービング」として、ここでは平行に配置されたフィラメント/連続繊維からなる束、撚り糸、または多繊維糸であると理解される。「ロービング」の断面は楕円形または矩形であることが多い。このような、例えば1メートル当たり5または10回転の軽い保護撚りを有するロービングがここでは共に含まれており、それによって断面がより円形になる。特にこの場合、ガラス、アラミド、または炭素からなるこのようなフィラメントがロービングを形成する。
【0030】
第1のサブプリフォームおよび/または第5のサブプリフォームが少なくとも4、5、もしくは6層状に巻かれている/構成されている、かつ/または第2のサブプリフォームが少なくとも5、6、もしくは7層状に巻かれている/構成されている場合、剛性/重量の関係が特に有利になる。
【0031】
互いに直接的に隣接する/装着される/接続されるサブプリフォームが、完全に、または部分的に、好適には熱活性化結合剤によって滑らないように互いに装着されていれば、製造が著しく容易になる。結合剤(好適には熱結合剤)の活性化による接続の代わりに、またはこれに加えて、サブプリフォームが(3D)シームの挿入によって互いに接続されている場合も有利である。
【0032】
さらに、リム本体の製造方法に関して、第1のサブプリフォーム、第2のサブプリフォーム、第3のサブプリフォーム、第4のサブプリフォーム、および第5のサブプリフォームに、同時に樹脂が流し込まれ、これらの5つの構成要素が一緒に硬化される場合が有利である。5つのサブプリフォームに対してRTM注入によって樹脂を送り込むことが考えられる。
【0033】
以下では、本発明について図面も用いて解説する。図面では、一方では装置、すなわち車両リムについて記載し、他方では製造方法について記載する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】好ましい一実施例に従って構成された、本発明による車両リムのリム本体の概略縦断面図であって、リム本体を構成するのに使用される様々なサブプリフォームが描かれている図である。
図2】縦断面で描かれた図1からのリム本体の、リムディスクを結合するために備えられたフランジ部の領域内の詳細図である。
図3】縦断面で描かれた図1からのリム本体のさらなる詳細図であって、ここではフランジ部の領域内で様々なサブプリフォームの繊維層が延びる様子が認められる図である。
図4】リム本体全体の正面図であって、フランジ部が延在する様子が良く認められる、図である。
図5図1から図4のリム本体とリム本体のフランジ部に装着されたリムディスクとを有する車両リムの正面図である。
図6】リムディスクをフランジ部にしっかり固定するねじ接続部を説明するための、図5の車両リムの背面図である。
図7図1から図4の車両リム用の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図面は単に概略的なものであり、本発明を理解するためのものに過ぎない。同様の要素には同一の参照符号が付されている。
【0036】
図5および図6には、本発明による車両リム1が描かれている。車両リム1は、図1から図4にその構造についてより詳しく描かれているリム本体2を有する。リム本体2は、樹脂マトリックスに埋め込まれた補強糸の形の補強繊維、例えば炭素繊維糸、ガラス繊維糸、および/またはアラミド繊維糸を有する、最終状態において硬化された繊維複合材料から形成されている。異なる糸の混合体も可能である。リム本体2は、第1のサブプリフォーム4、第2のサブプリフォーム6,第3のサブプリフォーム8,第4のサブプリフォーム9、および第5のサブプリフォーム20を含む多数の個々の部品から組み立てられている。
【0037】
第1のサブプリフォーム4および第5のサブプリフォーム20は、その内部に、(第1のサブプリフォーム4の)(前方の)第1の接続空洞5、または(第5のサブプリフォーム20の)(後方の)第2の接続空洞21を形成するように、裏返され/折り返され/めくり上げられている。これらの両方の接続空洞5および21は、対応する第1のサブプリフォーム4または第5のサブプリフォーム20の材料を貫通して形成されている空洞である。両方の接続空洞5および21には、第2のサブプリフォーム6の端部が配置/挿入されており、これらの端部には参照符号22および23が付されている。
【0038】
第2のサブプリフォーム6の第1の端部22と第1のサブプリフォーム4の材料との間、または第2のサブプリフォーム6の第2の端部23と第3のサブプリフォーム8の材料との間には、樹脂/樹脂混合物が存在する。この樹脂は、全ての5つのサブプリフォーム4、6、8、9、および20に含浸されており、硬化された状態で接続するものと同じ樹脂である。
【0039】
サブプリフォーム4、6、8、9、および20の製造ならびにサブプリフォーム4、6、8、9、および20の互いに対する事前の装着のために、粉末結合剤が使用される。樹脂はRTM注入の際に、既に組み立てられた形のリム本体2全体への注入時になって初めて追加される。次いで粉末結合剤は、注入の間に樹脂混合物中で溶解する。
【0040】
第1の端部22および/または第2の端部23は、第1のサブプリフォーム4または第5のサブプリフォーム20のそれぞれに対して、接続空洞5または21に含まれている樹脂に加えて、またはその代わりに、(3D)シームによって結合されていてもよい。
【0041】
後ほどリム本体2に装着するタイヤは、通常の方法でリム本体2のリム突縁部24によって支持される。リム本体2の第1の軸方向端部3aは、第1のサブプリフォーム4によって直接的に共に構成される。この第1の軸方向端部3aの領域では、リム本体2のリム突縁部24が第1のサブプリフォーム4によって直接的に成形されている。リム本体2の第2の軸方向端部3bは、第5のサブプリフォーム20によって直接的に共に構成される。この第2の軸方向端部3bの領域では、リム本体2のさらなるリム突縁部24が第5のサブプリフォーム20によって直接的に成形されている。それぞれのリム突縁部24を補強するために、通常の方法で、好ましくはロービング束が共に第1のサブプリフォーム4または第5のサブプリフォーム20に組み込まれている。
【0042】
加えて、(唯一の)NCF材25からなる複数の層が使用されていることに留意されたい。好ましくは、+/-45°の糸を有する二軸不織布が用いられている。
【0043】
しかし、NCF材25の端部/縁部は、特別な一実施形態では折り返されておらず、単に同じ箇所で互いに重なり合って、またはずれて位置している。第1のサブプリフォーム4および第5のサブプリフォーム20の第2のサブプリフォーム6との連結は、好ましくは裏返しと同時に行われる。
【0044】
さらに、本発明によれば、2つのさらなるサブプリフォーム、すなわち第3のサブプリフォーム8および第4のサブプリフォーム9が存在しており、これらのサブプリフォームは、第2のサブプリフォーム6から径方向内側に向かって突出するリム本体2のフランジ部7を直接的に共に成形するためのものである。より詳しく見ると、第3のサブプリフォーム8および第4のサブプリフォーム9は、軸方向に延在する第2のサブプリフォーム6から径方向内側に向かって張り出してフランジ部7を直接的に共に構成する鍔部10、11をそれぞれ有する。鍔部10、11は、直接的に互いに隣接し、製造が完成した状態において直接的に互いに接着されている。鍔部10、11は同じ内径を有する。
【0045】
第3のサブプリフォーム8および第4のサブプリフォーム9は、(そのそれぞれの鍔部10、11から)軸方向に張り出したリング部12、13(装着部とも呼ばれる)をそれぞれ有し、これらのリング部12、13が第2のサブプリフォーム6と直接的に接続されている。特に、第3のサブプリフォーム8および第4のサブプリフォーム9のリング部12、13は、互いに反対の軸方向においてフランジ部7から離れるように延びる。
【0046】
さらに認められるように、第3のサブプリフォーム8はそのリング部12が同様に第1の接続空洞5内に差し込まれ、そこで装着/係止されている。このように、第3のサブプリフォーム8は、そのリング部12側において径方向内側から第1のサブプリフォーム4によって覆われている。言い換えれば、第3のサブプリフォーム8には少なくとも部分的に第1のサブプリフォーム4が被せられる/重ねられる。
【0047】
第1のサブプリフォーム4が第3のサブプリフォーム8の鍔部10上にも被さる/重なることに留意されたい。このように、第1のサブプリフォーム4はそれ自体の鍔部14を有し、この鍔部14が第2のサブプリフォーム6を超えて径方向内側に向かって突出する。第1のサブプリフォーム4の鍔部14は同様にフランジ部7を共に構成するためのものである。第1のサブプリフォーム4の鍔部14は、第3のサブプリフォーム8および第4のサブプリフォーム9の鍔部10、11と共にフランジ部7を構成する。第1のサブプリフォーム4の鍔部14は、第3のサブプリフォーム8および第4のサブプリフォーム9の鍔部10、11と同じ内径を有する程度まで径方向内側に向かって延びる。
【0048】
したがって、言い換えれば、第3のサブプリフォーム8は第1のサブプリフォーム4に対しても第2のサブプリフォーム6に対しても装着/接着されている。
【0049】
それに対して、第4のサブプリフォーム9のリング部13は、第1の接続空洞5の(軸方向)外側に配置されており、そこで第2のサブプリフォーム6と接着されている。
【0050】
図3において認められるように、第3のサブプリフォーム8および第4のサブプリフォーム9の構造は、他のサブプリフォーム4、6、20の構造と極めて類似している/同様である。第3のサブプリフォーム8および第4のサブプリフォーム9もそれぞれ(唯一の)NCF材25からなる複数の層を有し、その断面が、第3のサブプリフォーム8または第4のサブプリフォーム9のL形状に従って延在する。
【0051】
さらに図2において良く認められるように、一方では第2のサブプリフォーム6と、他方では第3のサブプリフォーム8および第4のサブプリフォーム9との間の環状空間18には、充填コア19が、ここでは繊維束/ロービング束の形で挿入されている。充填コア19は、径方向において、第3および第4のサブプリフォーム8、9の(径方向にのみ延びる)それぞれの鍔部10、11とこれらの鍔部10、11に接続する、軸方向に延びるリング部12、13との間の移行部の高さに存在する。
【0052】
最後に、図4から図6を用いて全体的な車両リム1(自動車リム)について説明する。金属、ここではアルミ合金からなるリムディスク15が、ねじ接続部16によってフランジ部7に装着されている。このために、図6によれば、リムディスク15は、そのスポーク27の径方向外側の各端部領域において対応するねじ要素26によってフランジ部7に装着される。このために、フランジ部7には、スポーク27ごとに1つのねじ受け孔17を(軸方向の貫通孔として)備えており、ねじ要素26がこのねじ受け孔17を通り抜けて突出する。
【0053】
フランジ部7はさらに、あの部位にねじ受け孔17が空けられており、この部位において第3のサブプリフォーム8および第4のサブプリフォーム9の鍔部12、13、さらにまた第1のサブプリフォーム4の鍔部14が径方向に重なり合う。
【0054】
図7に関連して、本発明によるリム本体2の製造方法についても述べておく。
【0055】
この方法では、第2のサブプリフォーム6が第5のサブプリフォーム20と接続され、その際、特に第2のサブプリフォーム6が第5のサブプリフォーム20の第2の接続空洞21内に挿入される(工程a))。
【0056】
その後、第4のサブプリフォーム9が第2のサブプリフォーム6上において互いに接続される(工程b))。工程a)およびb)は、原則的に、逆の順序で時間的に連続して行うこともでき、またはまた同時に/並行して実施され得る。
【0057】
これに続いて、任意選択による工程c)において、充填コア19が第2のサブプリフォーム6に、例えば縫合または接着されて、取り付けられる/装着される。
【0058】
それから、第1のサブプリフォーム4が配置され、その際、第2のサブプリフォーム6が第1のサブプリフォーム4上でしっかり固定される(工程d))。その際、第2のサブプリフォーム6は、第1のサブプリフォーム4から軸方向にリム本体2の第2の軸方向端部3bまで離れるように延在する。加えて、同時に、またはこれに続いて、第3のサブプリフォーム8が配置され、第2のサブプリフォーム6上で配置および事前固定される。それに応じて、第1のサブプリフォーム4は、次いで、第2のサブプリフォーム6および第3のサブプリフォーム8が第1のサブプリフォーム4の第1の接続空洞5内に挿入されているように折り返される(工程e))。工程d)およびe)は、原則的に、時間的に連続して行うことができ、またはまた同時に/並行して実施され得る。
【0059】
サブプリフォーム4、6、8、9、20が完成して固定されて覆われた状態において、最後に第3のサブプリフォーム8および第4のサブプリフォーム9も、リムディスク15を結合するために備えられる径方向内側に向かって突出するフランジ部7を共に構成するように配置されている。最後に、RTM注入が実施され、リム本体2が硬化される。原則的に、まださらなる層または膜を前述のサブプリフォーム4、6、8、9、20上に重ねることが可能である。ここでは具体的に、視覚的な理由から大抵の場合は炭素織物が最も外側の層として重ねられ得ると言える。
【0060】
その後、完成品の車両リム1を製造するために、さらにリムディスク15/車輪ディスクのリム本体2への連結が行われる。
【符号の説明】
【0061】
1 車両リム
2 リム本体
3a リム本体の第1の軸方向端部
3b リム本体の第2の軸方向端部
4 第1のサブプリフォーム
5 第1の接続空洞
6 第2のサブプリフォーム
7 フランジ部
8 第3のサブプリフォーム
9 第4のサブプリフォーム
10 第3のサブプリフォームの鍔部
11 第4のサブプリフォームの鍔部
12 第3のサブプリフォームのリング部
13 第4のサブプリフォームのリング部
14 第1のサブプリフォームの鍔部
15 リムディスク
16 ねじ接続部
17 ねじ受け孔
18 環状空間
19 充填コア
20 第5のサブプリフォーム
21 第2の接続空洞
22 第2のサブプリフォームの第1の端部
23 第2のサブプリフォームの第2の端部
24 リム突縁部
25 NCF材
26 ねじ要素
27 スポーク

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7