(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】データ伝送方法、端末、ネットワーク機器、及びコンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 28/04 20090101AFI20240828BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20240828BHJP
H04W 80/02 20090101ALI20240828BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W72/0453
H04W80/02
(21)【出願番号】P 2023106982
(22)【出願日】2023-06-29
(62)【分割の表示】P 2021515631の分割
【原出願日】2019-09-12
【審査請求日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】201811110032.1
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ユイミン
(72)【発明者】
【氏名】パン、シュエミン
(72)【発明者】
【氏名】スン、ポン
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】Ericsson,Multi-TRP and multi-panel transmission [online],3GPP TSG-RAN WG1 NR Ad Hoc #3, R1-1716345,3GPP,2017年09月12日,pages 1-7,[検索日2024.07.30], Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1709/Docs/R1-1716345.zip>
【文献】3GPP TS 38.214 V15.2.0 (2018-06) [online],3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; NR; Physical layer procedures for data (Release 15),3GPP,2018年06月29日,pages 1, 8-9, 71-72,[検索日2024.07.30], Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp//Specs/archive/38_series/38.214/38214-f20.zip>
【文献】CATT,NR HARQ model [online],3GPP TSG-RAN WG2 NR Ad Hoc, R2-1700197,3GPP,2017年01月07日,pages 1-3,[検索日2024.07.30], Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG2_RL2/TSGR2_AHs/2017_01_NR/Docs/R2-1700197.zip>
【文献】Samsung,Mobility in NR CONNECTED-ACTIVE [online],3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #96, R2-167521,3GPP,2016年11月03日,pages 1-3,[検索日2024.07.30], Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_96/Docs/R2-167521.zip>
【文献】3GPP TS 38.331 V15.2.1 (2018-06) [online],3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; NR; Radio Resource Control (RRC) protocol specification (Release 15),3GPP,2018年06月21日,pages 1, 66-72,[検索日2024.07.30], Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp//Specs/archive/38_series/38.331/38331-f21.zip>
【文献】Huawei, HiSilicon,Enabling Multiple NR-PDCCH for Multiple TRP Transmission [online],3GPP TSG RAN WG 1 Meeting #91, R1-1719816,3GPP,2017年11月17日,pages 1-3,[検索日2024.07.30], Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_91/Docs/R1-1719816.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4、6
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に適用されるデータ伝送方法であって、
ビームである複数の伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求(HARQ)エンティティーおよびメディアアクセス制御(MAC)エンティティーを取得するステップと、
前記伝送キャリアと、前記伝送キャリアに対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーとの間にデータ伝送を行うステップとを含み、
前記複数の伝送キャリアに対応するHARQエンティティーとMACエンティティーとがHARQと伝送キャリアとの対応関係情報に基づいて得られたものであり、
前記HARQと伝送キャリアとの対応関係情報は、伝送キャリアの関連情報と前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報、を含み、
前記伝送キャリアの関連情報は、前記伝送キャリアに対応するセルID、前記伝送キャリアに対応する周波数ビンID、前記伝送キャリアに対応する帯域幅部分(Bandwidth Part、BWP)ID、前記伝送キャリアに対応する制御チャネルID、および、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティーIDのうちの少なくとも1つを含み、
前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報は、前記伝送キャリアが利用可能なHARQプロセス番号と、前記伝送キャリアに対応するHARQエンティティーの利用可能なHARQプロセスの合計数と、前記伝送キャリアが利用可能なHARQプロセスの数と、のうちの少なくとも1つを含む、
データ伝送方法。
【請求項2】
前記複数の伝送キャリアに対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーを取得するステップは、
ネットワーク機器が複数の前記伝送キャリアに対して設定したHARQエンティティーおよびMACエンティティーを取得することを含む、請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項3】
前記伝送キャリアの関連情報は、伝送キャリア識別子をさらに含む、請求項2に記載のデータ伝送方法。
【請求項4】
前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ設定情報は、前記伝送キャリアに対応するHARQエンティティー識別子をさらに含む、請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項5】
前記伝送キャリア識別子は、同期信号ブロックSSB識別子、チャネル状態情報基準信号(CSI-RS)識別子、および、基準信号に対応するポート番号識別子のうちの少なくとも1つを含み、前記基準信号がSSB及び/又はCSI-RSを含む、請求項3に記載のデータ伝送方法。
【請求項6】
前記伝送キャリアに対応する制御チャネル識別子は、制御チャネルタイプ識別子、制御チャネルのリソース位置識別子、制御チャネルの基準信号識別子、および、制御チャネルの基準信号に対応するポート番号識別子のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載のデータ伝送方法。
【請求項7】
前記伝送キャリアと、前記伝送キャリアに対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーとの間にデータ伝送を行うステップは、
下りリンクデータの受信を行う場合、各前記伝送キャリアが受信したデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理する段階、及び/又は、
上りリンクデータの送信を行う場合、各前記伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理する段階、を含む、
請求項3に記載のデータ伝送方法。
【請求項8】
下りリンクデータの受信を行う場合、各前記伝送キャリアが受信したデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理する段階は、
下りリンクデータの受信を行う場合、第1のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得することと、
前記第1のターゲット伝送キャリアの関連情報に基づいて、第1のターゲット伝送キャリアを特定するとともに、第1の伝送キャリアが受信したデータを、前記第1の伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理することとを含み、
上りリンクデータの送信を行う場合、各前記伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理する段階は、
上りリンクデータの送信を行う場合、第2のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得することと、
前記第2のターゲット伝送キャリアの関連情報に基づいて、第2のターゲット伝送キャリアを特定するとともに、第2の伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記第2の伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理することとを含む、請求項7に記載のデータ伝送方法。
【請求項9】
ネットワーク機器に適用されるデータ伝送方法であって、
ビームである複数の伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーを取得するステップと、
前記伝送キャリアと、前記伝送キャリアに対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーとの間にデータ伝送を行うステップとを含み、
前記複数の伝送キャリアに対応するHARQエンティティーとMACエンティティーとがHARQと伝送キャリアとの対応関係情報に基づいて得られたものであり、
前記HARQと伝送キャリアとの対応関係情報は、伝送キャリアの関連情報と前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報、を含み、
前記伝送キャリアの関連情報は、前記伝送キャリアに対応するセルID、前記伝送キャリアに対応する周波数ビンID、前記伝送キャリアに対応する帯域幅部分(Bandwidth Part、BWP)ID、前記伝送キャリアに対応する制御チャネルID、および、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティーIDのうちの少なくとも1つを含み、
前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報は、前記伝送キャリアが利用可能なHARQプロセス番号と、前記伝送キャリアに対応するHARQエンティティーの利用可能なHARQプロセスの合計数と、前記伝送キャリアが利用可能なHARQプロセスの数と、のうちの少なくとも1つを含む、
データ伝送方法。
【請求項10】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されているとともに、前記プロセッサにて運行できるコンピュータプログラムと、を含み、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載のデータ伝送方法のステップを実現させる、端末。
【請求項11】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されているとともに、前記プロセッサにて運行できるコンピュータプログラムと、を含み、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、請求項9に記載のデータ伝送方法のステップを実現させる、ネットワーク機器。
【請求項12】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載のデータ伝送方法又は請求項9に記載のデータ伝送方法のステップを実現させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信応用の技術分野に関し、特に、データ伝送方法、端末、及び、ネットワーク機器に関する。
【背景技術】
【0002】
長期進化(Long Term Evolution、LTE)又は5G新無線アクセス技術(New Radio、NR)システムにおいて、上りリンクデータと下りリンクデータの伝送は、ハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat Request、HARQ)によって実現される。
図1に示されるように、ユーザ機器又は端末(User Equipment、UE)は、複数のメディアアクセス制御(Medium Access Control、MAC)エンティティー(例えば、マスタセル(Master Cell Group、MCG)MAC及びセカンドセル(Secondary Cell Group、SCG)MAC)を有してもよく、各MACエンティティーが自体の独立したHARQエンティティー(Entity)を有する。各HARQエンティティーは、1つのセル又は周波数ビン(例えば、
図1におけるユニットキャリアCC1)のデータの送受信を制御するために用いられ、すなわち1つのCCのデータの送信及び再送は、何れもHARQエンティティーによって実現される。各HARQエンティティーは、複数のHARQプロセス(process)を有し、異なるデータが異なるHARQプロセスによって送受信される。ここで、各CCにおけるHARQ processの数は、HARQラウンドトリップタイム(Round Trip Time、RTT)によって決められる(すなわち、データの送信から当該データに対するフィードバックの受信までの時間である。例えば、ラウンドトリップタイムが8ミリ秒で、各データの送信時間が1ミリ秒であれば、各時点でのデータ送信を可能にするために、HARQ processの数を8にする)。ここで、MACエンティティーと上位レイヤエンティティーとの間のデータインタフェースは、論理チャネル(Logical Channel、LCH)であり、例えば、
図1におけるLCH1が考えられる。また、複数の論理チャネルのデータは、多重化(すなわち、multiplexing)機能により、同一のMACプロトコルデータユニット(Protocol Data Unit、PDU)として、HARQ processにて送信されることができる。
【0003】
5G(5 Generation、第5世代)移動通信システムにおいて、下りリンク伝送速度を20Gbpsに、上りリンク伝送速度を10Gbpsにする目標を達成させるために、高周波通信や大規模アンテナ技術が導入される。高周波通信は、より広いシステム帯域幅を提供することができ、アンテナのサイズもより小さくすることができ、基地局やUEにおける大規模アンテナの配置により有利なである。基地局側は、Multi-beam(マルチビーム)又はMulti-TRP Transmission Point(マルチ送受信ポイント)を用いてデータの送受信を行い、UE側におけるMulti-beam又はMulti-TRP Transmission Pointの送受信は、幅広く適用されつつある。
【0004】
しかしながら、複数の異なるビーム又は伝送ノードを用いてUEに対するデータの送受信を行う場合、どのようなHARQによる伝送方式が用いられるかについては、明確な方法がまだない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、複数の異なるビーム又は伝送ノードを用いてUEに対するデータの送受信を行う場合、どのようなHARQによる伝送方式が用いられるかについての明確な手段がまだないという問題を解決する、データ伝送方法、端末、及びネットワーク機器を提供することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、本開示の実施例は、端末に用いられるデータ伝送方法であって、
複数の、ビーム又は伝送ノードを含む伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーを取得することと、
前記伝送キャリアと、前記伝送キャリアに対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーとの間にデータ伝送を行うこととを含むデータ伝送方法を提供する。
【0007】
第2の態様では、本開示の実施例は、さらに、ネットワーク機器に用いられるデータ伝送方法であって、
複数の、ビーム又は伝送ノードを含む伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーを取得することと、
前記伝送キャリアと、前記伝送キャリアに対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーとの間にデータ伝送を行うこととを含むデータ伝送方法を提供する。
【0008】
第3の態様では、本開示の実施例は、さらに、
複数の、ビーム又は伝送ノードを含む伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーを取得するための第1の取得モジュールと、
前記伝送キャリアと、前記伝送キャリアに対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーとの間にデータ伝送を行うための第1の伝送モジュールと、を備える端末を提供する。
【0009】
第4の態様では、本開示の実施例は、さらに、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されているとともに、プロセッサにて運行できるコンピュータプログラムと、を含み、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、上述したようなデータ伝送方法のステップを実現させる、端末を提供する。
【0010】
第5の態様では、本開示の実施例は、さらに、
複数の、ビーム又は伝送ノードを含む伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーを取得するための第2の取得モジュールと、
前記伝送キャリアと、前記伝送キャリアに対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーとの間にデータ伝送を行うための第2の伝送モジュールと、を備えるネットワーク機器を提供する。
【0011】
第6の態様では、本開示の実施例は、さらに、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されているとともに、プロセッサにて運行できるコンピュータプログラムと、を含み、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、上述したようなデータ伝送方法のステップを実現させる、ネットワーク機器を提供する。
【0012】
第7の態様では、本発明の実施例は、さらに、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上述したようなデータ伝送方法のステップを実現させる、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本開示の実施例は、以下のような有益な効果を有する。
【0014】
本開示の実施例における上記技術案では、複数の、ビーム又は伝送ノードを含む伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーを取得し、前記伝送キャリアと、前記伝送キャリアに対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーとの間にデータ伝送を行うことにより、端末が複数の異なる伝送キャリアによって異なるHARQプロセスを用いてデータの送受信を行うことを可能にし、HARQプロセスの数が足りないことに起因した呼び出し遅延を回避するとともに、異なる伝送キャリアをサポートできるHARQ伝送によれば、データ伝送の確実性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】MACエンティティー及びHARQエンティティーの構造ブロック図である。
【
図2】本開示の実施例が応用できるネットワークシステムの構造図である。
【
図3】本開示の実施例におけるデータ伝送方法のフローチャートである。
【
図4】本開示の実施例における伝送キャリアと、対応するMACエンティティーおよびHARQエンティティーとの第1の概略図である。
【
図5】本開示の実施例における伝送キャリアと、対応するMACエンティティーおよびHARQエンティティーとの第2の概略図である。
【
図6】本開示の実施例における伝送キャリアと、対応するMACエンティティーおよびHARQエンティティーとの第3の概略図である。
【
図7】本開示の実施例における端末のブロック概略図である。
【
図8】本発明の実施例における端末の構造ブロック図のその1である。
【
図9】本発明の実施例における端末の構造ブロック図のその2である。
【
図10】本開示の実施例におけるネットワーク機器のブロック概略図である。
【
図11】本発明の実施例におけるネットワーク機器の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の実施例における技術案をさらに明確に説明するために、以下は、本開示における実施例の記述に使用すべき添付図面を簡単に紹介する。自明なことに、後述する添付図面はただ本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、それらの添付図面に基づいて、他の添付図面を取得することができる。
【0017】
以下は、添付図面を参照しながら、本開示の例示的な実施例をより詳しく説明する。添付図面には、本開示の例示的な実施例が示されたが、本開示は、種々な形式で実現することができ、ここに記載の実施例により限られたものではないと、理解すべきである。逆に、それらの実施例を提供する目的は、本開示をさらに明確に理解できるようにすることであって、本開示の範囲を当業者に伝えることができることである。
【0018】
本願の明細書及び特許請求の範囲における用語である「第1の」、「第2の」などは、類似した対象を区別させるためのものであり、必ずしも特定の順序又は前後順序を記述するために用いられるものではない。理解すべきなのは、そのように用いられるデータは、適宜な場合に交換されることが可能であり、それにより、ここに記載の本願の実施例が、例えば、ここに図示又は記述されたもの以外の順序に従って実施されることもできる。また、用語である「含む」、「備える」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」をカバーするためのものであり、例えば、一連のステップまたはユニットのプロセス、方法、システム、製品又は装置を含むことは、これらのステップまたはユニットを明確にリストすることに限らず、明確にリストされていない、または、これらのプロセス、方法、製品または装置の固有の他のステップまたはユニットを含んでもよいことを意味している。明細書及び特許請求の範囲における「及び/又は」は、接続される対象の少なくとも1つを表す。
【0019】
以下に記載や提供された例示は、特許請求の範囲、適用性、または、配置を限定するためのものではない。本開示の範囲から逸脱することなく、検討される要素の機能や配置を変化させることができる。各例示では、種々のルールやプロセス又はアセンブリを適切に省略、置き換え、又は、添加することができる。例えば、記述される順序とは異なる順序に従って記述される方法を実行するとともに、種々のステップを添加、省略、組み合わせすることができる。また、いくつかの例示を参照して記述される特徴は、他の例示に組み合わせられることも可能である。
【0020】
図2を参照して、
図2は、本開示の実施例が応用できるネットワークシステムの構造図である。
図2に示されるように、ユーザ端末11と基地局12を含み、そのうち、ユーザ端末11は、ユーザ機器(User Equipment、UE)であってもよく、例えば、携帯電話、タブレットパソコン(Tablet Personal Computer)、ラップトップコンピュータ(Laptop Computer)、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDAと略称)、モバイルインターネット装置(Mobile Internet Device、MID)、又は、ウェアラブル装置(Wearable Device)などの端末側機器であってもよい。ここに説明すべきなのは、本開示の実施例では、ユーザ端末11の具体的なタイプについて限定されていない。上記基地局12は、5G及びその後続のバージョンの基地局(例えば、gNB、5G NR NB)であってもよく、又は、他の通信システムにおける基地局であってもよく、又は、ノードB、進化型ノードB、送受信ノード(transmitting receiving point、TRP)又は当分野における他の言葉として呼ばれてもよい。同様な技術的効果を実現できれば、上記基地局は必ずしも特定の技術用語で表されたものではない。ここに説明すべきなのは、本開示の実施例では、5G基地局のみを例として説明しているが、しかし、基地局12の具体的なタイプについて限定されていない。
【0021】
図3は、本開示の実施例におけるデータ伝送方法のフローチャートである。
図3に示されるように、本開示の実施例は、端末に用いられるデータ伝送方法を提供し、以下のステップを含む。
【0022】
ステップ301:複数の、ビーム又は伝送ノードを含む伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーを取得すること。
【0023】
本開示の実施例では、異なる伝送キャリアは同一のMACエンティティーに対応するとともに、異なるHARQエンティティーに対応することができる。その場合、HARQエンティティーによって、異なる伝送キャリアを区別させることができる。また、異なる伝送キャリアは同一のMACエンティティーに対応するとともに、同一のHARQエンティティーに対応することもできる。その場合、HARQプロセス番号によって、異なる伝送キャリアのデータを区別させることができる。さらに、異なる伝送キャリアは異なるMACエンティティーに対応するとともに、異なるHARQエンティティーに対応することができる。その場合、MACエンティティーのID情報によって、異なる伝送キャリアのデータを区別させることができる。
【0024】
しかも、本開示の実施例では、複数の伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーは、端末またはネットワーク機器がハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報に基づいて得られたものである。
【0025】
そのうち、ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報は、伝送キャリアの関連情報、および伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報を含む。
【0026】
上記伝送キャリアの関連情報は、伝送キャリアID、伝送キャリアに対応するセルID、伝送キヤリアに対応する周波数ビンID、伝送キャリアに対応する帯域幅部分(Bandwidth Part、BWP)ID、伝送キャリアに対応する制御チャネルID、および、伝送キャリアに対応するMACエンティティーIDのうちの少なくとも1つを含む。
【0027】
ステップ302:前記伝送キャリアと、前記伝送キャリアに対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーとの間にデータ伝送を行うこと。
【0028】
具体的には、当該ステップ302では、下りリンクデータの受信を行う場合、各前記伝送キャリアが受信したデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理すること、及び/又は、
上りリンクデータの送信を行う場合、各前記伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理すること、を含む。
【0029】
そのうち、下りリンクデータの受信を行う場合、各前記伝送キャリアが受信したデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理することは、
下りリンクデータの受信を行う場合、第1のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得することと、前記第1のターゲット伝送キャリアの関連情報に基づいて、第1のターゲット伝送キャリアを特定するとともに、前記第1の伝送キャリアが受信したデータを、前記第1の伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理することとを含む。
【0030】
ここでは、第1のターゲット伝送キャリアは、複数の伝送キャリアのうち、下りリンクデータの受信を行う任意の1つの伝送キャリアである。第1のターゲット伝送キャリアが受信したデータは、第1のターゲット伝送キャリアの関連情報によってIDを付けられ、さらに、当該第1のターゲット伝送キャリアの関連情報に基づいて、当該第1のターゲット伝送キャリアを識別するとともに、上記対応関係情報に基づいて、データを対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに送信して処理する。
【0031】
例えば、UEは物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel、PDCCH)の下りリンク制御情報(Downlink Control Information、DCI)の下りリンクリソース割当情報における下りリンクデータに基づき、第1のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得するとともに、データを当該第1のターゲット伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに送信して処理する。又は、UEは、物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel、PDSCH)の基準信号(例えば、同期信号ブロック(Synchronization Signal Block、SSB)及び/又はチャネル状態情報基準信号(Channel State Information Reference Signal、CSI-RS)情報における下りリンクデータに基づき、第1のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得するとともに、データを当該第1のターゲット伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに送信して処理する。
【0032】
そのうち、上りリンクデータの送信を行う場合、各前記伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理することは、
上りリンクデータの送信を行う場合、第2のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得することと、前記第2のターゲット伝送キャリアの関連情報に基づいて、第2のターゲット伝送キャリアを特定するとともに、前記第2の伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記第2の伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理することとを含む。
【0033】
端末は、上りリンクデータの送信を行うとき、伝送キャリアの関連情報を所持することができ、それにより、ネットワーク機器は当該伝送キャリアの関連情報に基づいて相応な伝送キャリアを識別することができる。
【0034】
ここでは、第2のターゲット伝送キャリアは、複数の伝送キャリアのうち、上りリンクデータの受信を行う任意の1つの伝送キャリアである。第2のターゲット伝送キャリアによって送信されたデータは、第2のターゲット伝送キャリアの関連情報によってIDを付けられる。
【0035】
例えば、UEは、物理下りリンク制御チャネルPDCCHの下りリンク制御情報DCIの上りリンクリソース割当情報における上りリンクデータに基づき、第2のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得するとともに、データを当該第2のターゲット伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに送信して処理する。又は、UEは、物理下りリンク共有チャネルPDSCHの基準信号情報における上りリンクデータに基づき、第2のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得するとともに、データを当該第2のターゲット伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに送信して処理する。
【0036】
本開示の実施例におけるデータ伝送方法では、複数の、ビーム又は伝送ノードを含む伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーを取得し、下りリンクデータの受信を行う場合、各前記伝送キャリアが受信したデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理するが、上りリンクデータの送信を行う場合、各前記伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理することにより、端末が複数の異なる伝送キャリアによって異なるHARQプロセスを用いてデータの送受信を行うことを可能にし、HARQプロセスの数が足りないことに起因した呼び出し遅延を回避するとともに、異なる伝送キャリアをサポートできるHARQ伝送によれば、データ伝送の確実性が向上した。
【0037】
さらに、上記ステップ301における複数の伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーを取得することは、
ネットワーク機器によって配置され、又は、プロトコルによって約束された、ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報に基づいて、複数の前記伝送キャリアに対して対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーを配置すること、
又は、ネットワーク機器によって複数の前記伝送キャリアに対して配置されたHARQエンティティーおよびMACエンティティーを取得することを含む。
【0038】
具体的には、ネットワーク機器は、ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報に基づいて、複数の伝送キャリアに対してHARQエンティティーおよびMACエンティティーを配置する。
【0039】
上記HARQと伝送キャリアとの対応関係情報は、
伝送キャリアの関連情報と、
伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報とを含み、
そのうち、伝送キャリアの関連情報は、伝送キャリアID、伝送キャリアに対応するセルID、伝送キヤリアに対応する周波数ビンID、伝送キャリアに対応する帯域幅部分BWP ID、伝送キャリアに対応する制御チャネルID、および、伝送キャリアに対応するMACエンティティーIDのうちの少なくとも1つを含む。
【0040】
例えば、上記伝送キャリアに対応するセルIDは、セル1として具体化され、上記伝送キャリアに対応する周波数ビンIDは、周波数ビン1として具体化され、上記伝送キャリアに対応する帯域幅部分BWP IDは、BWP_1として具体化され、上記伝送キャリアに対応するMACエンティティーIDは、MAC_1として具体化されてもよい。
【0041】
上記伝送キャリアIDは、同期信号ブロックSSB ID、チャネル状態情報基準信号CSI-RS ID、および、基準信号に対応するポート番号IDのうちの少なくとも1つを含み、前記基準信号がSSB及び/又はCSI-RSを含む。
【0042】
上記伝送キャリアIDは、SSB ID及び/又はCSI-RS ID以外、他の信号IDであってもよいが、ここでは具体的に限定されていない。
【0043】
上記基準信号に対応するポート番号IDは、port_1として具体化されてもよく、また、当該基準信号がSSBとCSI-RS以外、他の基準信号であってもよいが、ここでは具体的に限定されていない。
【0044】
上記伝送キャリアに対応する制御チャネルIDは、制御チャネルタイプID、制御チャネルのリソース位置ID、制御チャネルの基準信号ID、および、制御チャネルの基準信号に対応するポート番号IDのうちの少なくとも1つを含む。
【0045】
そのうち、制御チャネルタイプIDは、マスタセルセルPCellのPDCCH_1として具体化されてもよく、制御チャネルのリソース位置IDは、制御リソースグループ(CORESET)及び/又は検索空間ID(search space)であってもよく、制御チャネルの基準信号IDはSSB ID及び/又はCSI-RS IDであってもよい。
【0046】
第1の選択肢である実現方式として、上記複数の伝送キャリアに対して対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーを配置することは、
異なる伝送キャリアに対して異なるHARQエンティティーを配置することを含む。
【0047】
選択的に、上記配置された異なるHARQエンティティーは同一のMACエンティティーに該当する。
【0048】
当該実現方式では、上記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報は、HARQプロセスの数を含み、例えば、上りリンクデータの送信及び/又は下りリンクデータの受信に対応するHARQプロセスの数を含む。
【0049】
図4に示されるように、ユニットキャリア1の伝送キャリア1(TRP1 of CC1)とユニットキャリア1の伝送キャリア2(TRP2 of CC1)は同一のMACエンティティー(MCG MAC)に対応するとともに、異なるHARQエンティティーに対応する。
【0050】
第2の選択肢である実現方式として、
複数の伝送キャリアに対して対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーを配置することは、
前記複数の伝送キャリアに対して同一のHARQエンティティーを配置し、かつ、異なる前記伝送キャリアに対して異なるHARQプロセス番号を配置することを含む。
【0051】
当該実現方式では、上記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報は、伝送キャリアに対応するHARQエンティティーID、伝送キャリアが利用可能なHARQプロセス番号、伝送キャリアに対応するHARQエンティティーの利用可能なHARQプロセスの合計数、および、前記伝送キャリアが利用可能なHARQプロセスの数のうちの少なくとも1つを含む。
【0052】
選択的に、上記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報は、第1情報と第2情報のうちの少なくとも1つを含み、前記第1情報は伝送キャリアが利用可能なHARQプロセス番号を含み、前記第2情報は伝送キャリアに対応するHARQエンティティーの利用可能なHARQプロセスの合計数、および、前記伝送キャリアが利用可能なHARQプロセスの数を含む。
【0053】
例えば、上記伝送キャリアが利用可能なHARQプロセス番号はビーム1が利用可能なHARQプロセス番号[0、3]であり、ビーム2が利用可能なHARQプロセス番号[1、7]である。又は、ビットマップによって当該ビーム又は伝送ノードが利用可能なHARQプロセス番号に対してIDを付け、上記伝送キャリアが利用可能なHARQプロセスの数は上りリンクデータの送信及び/又は下りリンクデータの受信に対応するHARQプロセスの数である。
【0054】
図5に示されるように、ユニットキャリア1の伝送キャリア1と伝送キャリア2(TRP1+TRP2 of CC1)は同一のMACエンティティー(MCG MAC)に対応するとともに、同一のHARQエンティティーに対応し、ユニットキャリア2の伝送キャリア3と伝送キャリア4(TRP3+TRP4 of CC2)は同一のMACエンティティー(MCG MAC)に対応するとともに、同一のHARQエンティティーに対応する。
【0055】
第3の選択肢である実現方式として、
複数の伝送キャリアに対して対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーを配置することは、
異なる前記伝送キャリアに対して異なるHARQエンティティーを配置し、かつ、異なる前記伝送キャリアに対して異なるMACエンティティーを配置することを含む。
【0056】
当該実現方式では、上記ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報は、さらに、伝送キャリアに対応するMAC配置情報を含み、かつ、前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報はHARQプロセスの数を含む。
【0057】
図6に示されるように、ユニットキャリア1の伝送キャリア1(TRP1 of CC1)は1つのMACエンティティーに対応し、ユニットキャリア1の伝送キャリア2(TRP2 of CC1)はもう1つのMACエンティティーに対応し、かつ、両者が異なるHARQエンティティーに対応する。
【0058】
上記伝送キャリアに対応するMAC配置情報は、
MACエンティティーのID情報、
前記MACエンティティーに対応する1つまたは複数の論理チャネルID(例えば、LCH_1)、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のデータ無線ベアラ(Data Radio Bearer、DRB)ID(例えば、DRB_1)、
前記MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のデータストリームID、および、
前記MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のセッションID(例えば、Session_1)、のうちの少なくとも1つを含む。
【0059】
選択的に、上記伝送キャリアに対応するMAC配置情報は、MACエンティティーのID情報を含む。
【0060】
本開示の実施例におけるデータ伝送方法によれば、端末が複数の異なる伝送キャリアによって異なるHARQプロセスを用いてデータの送受信を行うことを可能にし、HARQプロセスの数が足りないことに起因した呼び出し遅延を回避するとともに、異なる伝送キャリアをサポートできるHARQ伝送によれば、データ伝送の確実性が向上した。
【0061】
図3に示されるように、本開示の実施例は、さらに、ネットワーク機器に用いられるデータ伝送方法を提供し、以下のステップが含まれる。
【0062】
ステップ301:複数の、ビーム又は伝送ノードを含む伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーを取得すること。
【0063】
本開示の実施例では、異なる伝送キャリアは同一のMACエンティティーに対応するとともに、異なるHARQエンティティーに対応することができる。その場合、HARQエンティティーによって、異なる伝送キャリアを区別させることができる。また、異なる伝送キャリアは同一のMACエンティティーに対応するとともに、同一のHARQエンティティーに対応することもできる。その場合、HARQプロセス番号によって、異なる伝送キャリアのデータを区別させることができる。さらに、異なる伝送キャリアは異なるMACエンティティーに対応するとともに、異なるHARQエンティティーに対応することができる。その場合、MACエンティティーのID情報によって、異なる伝送キャリアのデータを区別させることができる。
【0064】
しかも、本開示の実施例では、複数の伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーは、端末またはネットワーク機器がハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報に基づいて得られたものである。
【0065】
そのうち、ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報は、伝送キャリアの関連情報、および伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報を含む。
【0066】
上記伝送キャリアの関連情報は、伝送キャリアID、伝送キャリアに対応するセルID、伝送キヤリアに対応する周波数ビンID、伝送キャリアに対応する帯域幅部分(Bandwidth Part、BWP)ID、伝送キャリアに対応する制御チャネルID、および、伝送キャリアに対応するMACエンティティーIDのうちの少なくとも1つを含む。
【0067】
ステップ302:前記伝送キャリアと、前記伝送キャリアに対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーとの間にデータ伝送を行うこと。
【0068】
当該ステップ302では、具体的には、下りリンクデータの送信を行う場合、各前記伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理すること、及び/又は、
上りリンクデータの受信を行う場合、各前記伝送キャリアが受信したデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理すること、を含む。
【0069】
そのうち、下りリンクデータの送信を行う場合、各前記伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理することは、具体的に、
下りリンクデータの送信を行う場合、第3のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得することと、前記第3のターゲット伝送キャリアの関連情報に基づいて、第3のターゲット伝送キャリアを特定するとともに、前記第3の伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記第3の伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理することとを含む。
【0070】
ここでは、第3のターゲット伝送キャリアは、複数の伝送キャリアのうち、下りリンクデータの受信を行う任意の1つの伝送キャリアである。第3のターゲット伝送キャリアによって送信されたデータは、第3のターゲット伝送キャリアの関連情報によってIDを付けられる。
【0071】
ネットワーク機器は、下りリンクデータの送信を行うとき、伝送キャリアの関連情報を所持することができ、それにより、端末は当該伝送キャリアの関連情報に基づいて相応な伝送キャリアを識別することができる。
【0072】
そのうち、上りリンクデータの受信を行う場合、各前記伝送キャリアが受信したデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理することは、
上りリンクデータの受信を行う場合、第4のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得し、前記第4のターゲット伝送キャリアの関連情報に基づいて、第4のターゲット伝送キャリアを特定するとともに、前記第4の伝送キャリアが受信したデータを、前記第4の伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理するために用いられる。
【0073】
ここでは、第4のターゲット伝送キャリアは、複数の伝送キャリアのうち、上りリンクデータの受信を行う任意の1つの伝送キャリアである。第4のターゲット伝送キャリアが受信したデータは、第4のターゲット伝送キャリアの関連情報によってIDを付けられ、当該第4のターゲット伝送キャリアの関連情報に基づいて、当該第4のターゲット伝送キャリアを識別するとともに、上記対応関係情報に基づいて、データを対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに送信して処理する。
【0074】
本開示の実施例におけるデータ伝送方法では、複数の、ビーム又は伝送ノードを含む伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーを取得し、下りリンクデータの送信を行う場合、各前記伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理するが、上りリンクデータの受信を行う場合、各前記伝送キャリアが受信したデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理することにより、複数の異なる伝送キャリアによって異なるHARQプロセスを用いてデータの送受信を行うことを可能にし、HARQプロセスの数が足りないことに起因した呼び出し遅延を回避するとともに、異なる伝送キャリアをサポートできるHARQ伝送によれば、データ伝送の確実性が向上した。
【0075】
さらに、上記ステップ301における複数の伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーを取得することは、
ネットワーク機器によって配置され、又は、プロトコルによって約束された、ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報に基づいて、複数の前記伝送キャリアに対して対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーを配置すること、
又は、端末によって複数の前記伝送キャリアに対して配置されたHARQエンティティーおよびMACエンティティーを取得することを含む。
【0076】
具体的には、端末は、ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報に基づいて、複数の伝送キャリアに対してHARQエンティティーおよびMACエンティティーを配置する。
【0077】
上記HARQと伝送キャリアとの対応関係情報は、
伝送キャリアの関連情報と、
伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報とを含み、
そのうち、伝送キャリアの関連情報は、伝送キャリアID、伝送キャリアに対応するセルID、伝送キヤリアに対応する周波数ビンID、伝送キャリアに対応する帯域幅部分BWP ID、伝送キャリアに対応する制御チャネルID、および、伝送キャリアに対応するMACエンティティーIDのうちの少なくとも1つを含む。
【0078】
例えば、上記伝送キャリアに対応するセルIDは、セル1として具体化され、上記伝送キャリアに対応する周波数ビンIDは、周波数ビン1として具体化され、上記伝送キャリアに対応する帯域幅部分BWP IDは、BWP_1として具体化され、上記伝送キャリアに対応するMACエンティティーIDは、MAC_1として具体化されてもよい。
【0079】
上記伝送キャリアIDは、同期信号ブロックSSB ID、チャネル状態情報基準信号CSI-RS ID、および、基準信号に対応するポート番号IDのうちの少なくとも1つを含み、前記基準信号がSSB及び/又はCSI-RSを含む。
【0080】
上記伝送キャリアIDは、SSB ID及び/又はCSI-RS ID以外、他の信号IDであってもよいが、ここでは具体的に限定されていない。
【0081】
上記基準信号に対応するポート番号IDは、port_1として具体化されてもよく、また、当該基準信号がSSBとCSI-RS以外、他の基準信号であってもよいが、ここでは具体的に限定されていない。
【0082】
上記伝送キャリアに対応する制御チャネルIDは、制御チャネルタイプID、制御チャネルのリソース位置ID、制御チャネルの基準信号ID、および、制御チャネルの基準信号に対応するポート番号IDのうちの少なくとも1つを含む。
【0083】
そのうち、制御チャネルタイプIDは、一次セルPCellのPDCCH_1として具体化されてもよく、制御チャネルのリソース位置IDは、制御リソースグループ(CORESET)及び/又は検索空間ID(search space)であってもよく、制御チャネルの基準信号IDはSSB ID及び/又はCSI-RS IDであってもよい。
【0084】
第1の選択肢である実現方式として、複数の伝送キャリアに対して対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーを配置することは、
異なる伝送キャリアに対して異なるHARQエンティティーを配置することを含む。
【0085】
選択的に、上記配置された異なるHARQエンティティーは同一のMACエンティティーに該当する。
【0086】
当該実現方式では、上記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報は、HARQプロセスの数を含み、例えば、上りリンクデータの受信及び/又は下りリンクデータの送信に対応するHARQプロセスの数を含む。
【0087】
第2の選択肢である実現方式として、
複数の伝送キャリアに対して対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーを配置することは、
前記複数の伝送キャリアに対して同一のHARQエンティティーを配置し、かつ、異なる前記伝送キャリアに対して異なるHARQプロセス番号を配置することを含む。
【0088】
当該実現方式では、上記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報は、伝送キャリアに対応するHARQエンティティーID、伝送キャリアが利用可能なHARQプロセス番号、伝送キャリアに対応するHARQエンティティーの利用可能なHARQプロセスの合計数、および、前記伝送キャリアが利用可能なHARQプロセスの数のうちの少なくとも1つを含む。
【0089】
選択的に、上記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報は、第1情報と第2情報のうちの少なくとも1つを含み、前記第1情報は伝送キャリアが利用可能なHARQプロセス番号を含み、前記第2情報は伝送キャリアに対応するHARQエンティティーの利用可能なHARQプロセスの合計数、および、前記伝送キャリアが利用可能なHARQプロセスの数を含む。
【0090】
例えば、上記伝送キャリアが利用可能なHARQプロセス番号はビーム1が利用可能なHARQプロセス番号[0, 3]であり、ビーム2が利用可能なHARQプロセス番号[1, 7]である。又は、ビットマップによって当該ビーム又は伝送ノードがHARQ利用可能なプロセス番号に対してIDを付け、上記伝送キャリアが利用可能なHARQプロセスの数は上りリンクデータの送信及び/又は下りリンクデータの受信に対応するHARQプロセスの数である。
【0091】
第3の選択肢である実現方式として、上記複数の伝送キャリアに対して対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーを配置することは、
異なる前記伝送キャリアに対して異なるHARQエンティティーを配置し、かつ、異なる前記伝送キャリアに対して異なるMACエンティティーを配置することを含む。
【0092】
当該実現方式では、上記ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報は、さらに、伝送キャリアに対応するMAC配置情報を含み、かつ、前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報はHARQプロセスの数を含む。
【0093】
上記伝送キャリアに対応するMAC配置情報は、
MACエンティティーのID情報、
前記MACエンティティーに対応する1つまたは複数のロジックチャネルID(例えば、LCH_1)、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のDRB ID(例えば、DRB_1)、
前記MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のデータストリームID、および、
前記MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のセッションID(例えば、Session_1)、のうちの少なくとも1つを含む。
【0094】
選択的に、上記伝送キャリアに対応するMAC配置情報は、MACエンティティーのID情報を含む。
【0095】
本開示の実施例におけるデータ伝送方法によれば、端末が複数の異なる伝送キャリアによって異なるHARQプロセスを用いてデータの送受信を行うことを可能にし、HARQプロセスの数が足りないことに起因した呼び出し遅延を回避するとともに、異なる伝送キャリアをサポートできるHARQ伝送によれば、データ伝送の確実性が向上した。
【0096】
図7は、本開示の実施例における端末のブロック概略図である。
図7に示されるように、本開示の実施例は、端末800をさらに提供し、
複数の、ビーム又は伝送ノードを含む伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーを取得するための第1の取得モジュール801と、
前記伝送キャリアと、前記伝送キャリアに対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーとの間にデータ伝送を行うための第1の伝送モジュール802と、を備える。
【0097】
本開示の実施例における端末では、前記第1の伝送モジュールは、下りリンクデータの受信を行う場合、各前記伝送キャリアが受信したデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理するために用いられ、及び/又は、
上りリンクデータの送信を行う場合、各前記伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理するために用いられる。
【0098】
本開示の実施例における端末では、前記第1の取得モジュールは、ネットワーク機器によって配置され、又は、プロトコルによって約束された、ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報に基づいて、複数の前記伝送キャリアに対して対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーを配置するために用いられ、
又は、ネットワーク機器によって複数の前記伝送キャリアに対して配置されたHARQエンティティーおよびMACエンティティーを取得するために用いられる。
【0099】
本開示の実施例における端末では、前記ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報は、
伝送キャリアの関連情報と、
伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報とを含み、
そのうち、伝送キャリアの関連情報は、伝送キャリアID、伝送キャリアに対応するセルID、伝送キャリアに対応する周波数ビンID、伝送キャリアに対応する帯域幅部分BWP ID、伝送キャリアに対応する制御チャネル情報ID、および、伝送キャリアに対応するMACエンティティーIDのうちの少なくとも1つを含む。
本開示の実施例における端末では、
前記第1の取得モジュールは、異なる伝送キャリアに対して異なるHARQエンティティーを配置するために用いられる。
本開示の実施例における端末では、前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報は、HARQプロセスの数を含む。
本開示の実施例における端末では、前記第1の取得モジュールは、前記複数の伝送キャリアに対して同一のHARQエンティティーを配置し、かつ、異なる前記伝送キャリアに対して異なるHARQプロセス番号を配置するために用いられる。
本開示の実施例における端末では、前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報は、伝送キャリアに対応するHARQエンティティーID、伝送キャリアが利用可能なHARQプロセス番号、伝送キャリアに対応するHARQエンティティーの利用可能なHARQプロセスの合計数、および、前記伝送キャリアが利用可能なHARQプロセスの数のうちの少なくとも1つを含む。
本開示の実施例における端末では、
前記第1の取得モジュールは、異なる前記伝送キャリアに対して異なるHARQエンティティーを配置し、かつ、異なる前記伝送キャリアに対して異なるMACエンティティーを配置するために用いられる。
本開示の実施例における端末では、前記ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報は、さらに、伝送キャリアに対応するMAC配置情報を含み、かつ、前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報はHARQプロセスの数を含む。
本開示の実施例における端末では、前記伝送キャリアに対応するMAC配置情報は、
MACエンティティーのID情報、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数の論理チャネルID、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のDRB ID、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のデータストリームID、および、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のセッションID、のうちの少なくとも1つを含む。
本開示の実施例における端末では、前記伝送キャリアIDは、同期信号ブロックSSB ID、チャネル状態情報基準信号CSI-RS ID、および、基準信号に対応するポート番号IDのうちの少なくとも1つを含み、前記基準信号がSSB及び/又はCSI-RSを含む。
【0100】
本開示の実施例における端末では、前記伝送キャリアに対応する制御チャネルIDは、制御チャネルタイプID、制御チャネルのリソース位置ID、制御チャネルの基準信号ID、および、制御チャネルの基準信号に対応するポート番号IDのうちの少なくとも1つを含む。
【0101】
本開示の実施例における端末では、前記第1の伝送モジュールは、下りリンクデータの受信を行う場合、第1のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得し、前記第1のターゲット伝送キャリアの関連情報に基づいて、第1のターゲット伝送キャリアを特定するとともに、前記第1の伝送キャリアが受信したデータを、前記第1の伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理するために用いられ、及び/又は、
上りリンクデータの送信を行う場合、第2のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得し、前記第2のターゲット伝送キャリアの関連情報に基づいて、第2のターゲット伝送キャリアを特定するとともに、前記第2の伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記第2の伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理するために用いられる。
【0102】
本開示の実施例は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されているとともに、プロセッサにて運行できるコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、上記端末に用いられるデータ伝送方法についての実施例における各プロセスが実現され、かつ、同様な技術的効果が実現される、端末をさらに提供する。説明の重複を回避するために、ここでは説明を省略する。
【0103】
本開示の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記端末に用いられるデータ伝送方法についての実施例における各プロセスが実現され、かつ、同様な技術的効果が実現される、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。説明の重複を回避するために、ここでは説明を省略する。ただし、上記コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROMと略称)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAMと略称)、磁気ディスクまたは光ディスクなどであってもよい。
【0104】
上記目的をよりよく達成させるために、
図8に示されるように、本開示の実施例は、メモリ920、プロセッサ900、送受信機910、ユーザインタフェース930、バスインターフェース及びメモリ920に記憶されているとともに、プロセッサ900にて運行できるコンピュータプログラムを含み、前記プロセッサ900がメモリ920におけるプログラムを読み取るために用いられる端末であって、
複数の、ビーム又は伝送ノードを含む伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーを取得することと、
前記伝送キャリアと、前記伝送キャリアに対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーとの間にデータ伝送を行うこととを実行する端末をさらに提供する。
【0105】
なお、
図8では、バスアーキテクチャには、任意の数の相互接続されたバスとブリッジが含まれてもよい。具体的には、プロセッサ900をはじめとする1つまたは複数のプロセッサは、メモリ920をはじめとするメモリの種々の回路と接続されている。バスアーキテクチャは、さらに、周辺デバイス、電圧調整器、および電力管理回路等のような種々の他の回路を接続することができる。それは、当分野で公知されたものであるため、本明細書では、更なる説明を省略する。バスインターフェースは、インターフェースを提供する。送受信機910は、複数の素子であってもよく、すなわち、送信機と送受信機を含み、伝送媒体において種々の他の装置と通信するためのユニットを提供する。異なるユーザ機器に対し、ユーザインタフェース930は、さらに、必要な機器との外部接続も内部接続も可能なインターフェースであってもよい。接続される機器は、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイクロホン、ジョイスティックなどを含んでもよいが、それらに限らない。
【0106】
プロセッサ900は、バスアーキテクチャの管理や一般的な処理を行う役割を果たし、メモリ920は、プロセッサ900の操作時に用いられるデータを記憶することができる。
【0107】
選択的に、前記プロセッサ900は、メモリ920におけるプログラムを読み取ることによって、さらに、
ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報に基づいて、複数の前記伝送キャリアに対して対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーを配置すること、
又は、ネットワーク機器によって複数の前記伝送キャリアに対して配置されたHARQエンティティーおよびMACエンティティーを取得することを実行するために用いられる。
【0108】
選択的に、前記ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報は、
伝送キャリアの関連情報と、
伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報とを含み、
そのうち、伝送キャリアの関連情報は、伝送キャリアID、伝送キャリアに対応するセルID、伝送キヤリアに対応する周波数ビンID、伝送キャリアに対応する帯域幅部分BWP ID、伝送キャリアに対応する制御チャネルID、および、伝送キャリアに対応するMACエンティティーIDのうちの少なくとも1つを含む。
【0109】
選択的に、前記プロセッサ900は、メモリ920におけるプログラムを読み取ることによって、さらに、
異なる伝送キャリアに対して異なるHARQエンティティーを配置することを実行するために用いられる。
【0110】
選択的に、前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報は、HARQプロセスの数を含む。
【0111】
選択的に、前記プロセッサ900は、メモリ920におけるプログラムを読み取ることによって、さらに、
前記複数の伝送キャリアに対して同一のHARQエンティティーを配置し、かつ、異なる前記伝送キャリアに対して異なるHARQプロセス番号を配置することを実行するために用いられる。
【0112】
選択的に、前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報は、伝送キャリアに対応するHARQエンティティーID、伝送キャリアが利用可能なHARQプロセス番号、伝送キャリアに対応するHARQエンティティーの利用可能なHARQプロセスの合計数、および、前記伝送キャリアが利用可能なHARQプロセスの数のうちの少なくとも1つを含む。
【0113】
選択的に、前記プロセッサ900は、メモリ920におけるプログラムを読み取ることによって、さらに、
異なる前記伝送キャリアに対して異なるHARQエンティティーを配置し、かつ、異なる前記伝送キャリアに対して異なるMACエンティティーを配置することを実行するために用いられる。
【0114】
選択的に、前記ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報は、さらに、伝送キャリアに対応するMAC配置情報を含み、かつ、前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報はHARQプロセスの数を含む。
【0115】
選択的に、前記伝送キャリアに対応するMAC配置情報は、
MACエンティティーのID情報、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数の論理チャネルID、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のDRB ID、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のデータストリームID、および、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のセッションID、のうちの少なくとも1つを含む。
【0116】
選択的に、前記伝送キャリアIDは、同期信号ブロックSSB ID、チャネル状態情報基準信号CSI-RS ID、および、基準信号に対応するポート番号IDのうちの少なくとも1つを含み、前記基準信号がSSB及び/又はCSI-RSを含む。
【0117】
選択的に、前記伝送キャリアに対応する制御チャネルIDは、制御チャネルタイプID、制御チャネルのリソース位置ID、制御チャネルの基準信号ID、および、制御チャネルの基準信号に対応するポート番号IDのうちの少なくとも1つを含む。
【0118】
選択的に、前記プロセッサ900は、メモリ920におけるプログラムを読み取ることによって、さらに、
下りリンクデータの受信を行う場合、各前記伝送キャリアが受信したデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理すること、及び/又は、
上りリンクデータの送信を行う場合、各前記伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理することを実行するために用いられる。
【0119】
選択的に、前記プロセッサ900は、メモリ920におけるプログラムを読み取ることによって、さらに、
下りリンクデータの受信を行う場合、第1のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得することと、
前記第1のターゲット伝送キャリアの関連情報に基づいて、第1のターゲット伝送キャリアを特定するとともに、前記第1の伝送キャリアが受信したデータを、前記第1の伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理することとを実行するために用いられる。
【0120】
選択的に、前記プロセッサ900は、メモリ920におけるプログラムを読み取ることによって、さらに、
上りリンクデータの送信を行う場合、第2のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得することと、
端末1000によって実行される特定の機能に関する音声(例えば、呼び信号受信音、メッセージ着信音など)の出力を提供することができる。音声出力ユニット1003は、スピーカー、ブザー、および、受話器などを含む。
【0121】
入力ユニット1004は、音声または映像信号を受信するために用いられる。入力ユニット1004は、グラフィックスプロセッサ(Graphics Processing Unit、GPU)10041とマイクロホン10042を含んでもよく、グラフィックスプロセッサ10041は、映像取得モードまたは画像取得モードにおいて、画像取得装置(例えば、カメラ)によって得られた静止画像又は映像の画像データを処理する。処理後の画像フレームは、表示ユニット1006に表示されてもよい。グラフィックスプロセッサ10041によって処理された画像フレームは、メモリ1009(又は他の記憶媒体)に記憶されてもよく、又は、無線周波数ユニット1001又はネットワークモジュール1002によって送信されてもよい。マイクロホン10042は、音響を受信するとともに、そのような音響を音声データとして処理することができる。処理後の音声データは、電話の通話モードにおいて、無線周波数ユニット1001によって移動通信ネットワーク機器へ送信されることが可能な形式の出力として変換されてもよい。
【0122】
端末1000は、さらに、少なくとも1つのセンサ1005、例えば、光センサ、運動センサ、又は、他のセンサを含んでもよい。具体的には、光センサは、環境光センサと接近センサを含み、ただし、環境光センサは環境光の明暗に応じて表示パネル10061の輝度を調整することができ、接近センサは端末1000が耳元に移動したとき、表示パネル10061及び/又はバックライトをオフにすることができる。運動センサの1種として、加速度計センサは、各方向(通常、3軸)での加速度の大きさを検出することができ、静止の場合、重力の大きさ及び方向を検出することができ、端末の姿勢(例えば、縦横画面切り替え、関連ゲーム、磁力計姿勢校正)への識別、関連機能への振動識別(例えば、歩数計、タップ)などのために用いられてもよい。センサ1005は、さらに、指紋センサ、圧力センサ、虹彩センサ、分子センサ、ジャイロ、気圧計、湿度計、温度計、赤外線センサなどを含んでもよいが、ここではその説明を省略する。
【0123】
表示ユニット1006は、ユーザによって入力された情報またはユーザのために提供される情報を表示するために用いられる。表示ユニット1006は、表示パネル10061を含んでもよく、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)などの形式で、表示パネル10061を配置してもよい。
【0124】
ユーザ入力ユニット1007は、入力された数字または文字情報を受信し、端末でのユーザの設置や機能制御に関するキー信号入力を発生するために用いられてもよい。具体的には、ユーザ入力ユニット1007は、タッチパネル10071及び他の入力機器10072を含む。タッチパネル10071は、タッチスクリーンとも呼ばれ、その上又はその近傍でのユーザによるタッチ操作(例えば、ユーザが指、タッチペンなどの任意の適切な物体又はアタッチメントを用いて、タッチパネル10071の上またはタッチパネル10071の近傍で行う操作)を収集することができる。タッチパネル10071は、タッチ検出装置とタッチコントローラの2部分を含んでもよい。そのうち、タッチ検出装置は、ユーザによるタッチの方向を検出するとともに、タッチ操作による信号を検出し、信号をタッチコントローラに伝送する。タッチコントローラは、タッチ検出装置からタッチ情報を受信して、タッチポイント座標に変換してから、プロセッサ1010に送信し、また、プロセッサ1010から送信されたコマンドを受信して実行する。また、タッチパネル10071は、抵抗式、静電容量式、赤外線及び表面音声波などの種々のタイプのものとして実現されてもよい。タッチパネル10071以外、ユーザ入力ユニット1007は、他の入力機器10072をさらに含んでもよい。具体的には、他の入力機器10072は、物理的キーボード、機能キー(例えば、音量制御キー、スイッチキーなど)、トラックボール、マウス、操作レバーを含んでもよいが、それらに限らない。ここではその説明を省略する。
【0125】
さらに、タッチパネル10071は、表示パネル10061に覆われてもよい。タッチパネル10071は、その上または近傍でのタッチ操作を検出した場合、プロセッサ1010に送信してタッチイベントのタイプを特定し、その後、プロセッサ1010は、タッチイベントのタイプに応じて相応な視覚出力を表示パネル10061に提供する。
図9では、タッチパネル10071と表示パネル10061は2つの独立した部材として、端末の入力と出力機能を実現するために用いられることが示されるが、しかし、いくつかの実施例では、タッチパネル10071と表示パネル10061を集積して端末の入力・出力機能を実現させてもよい。具体的には、ここでは限定しない。
【0126】
インターフェースユニット1008は、外部装置と端末1000との接続のためのインタフェースである。例えば、外部装置は、有線または無線頭部装着型ヘッドフォンポート、外部電源(またはバッテリ充電器)ポート、有線または無線データポート、メモリカードポート、識別モジュールを有する装置への接続用のポート、音声入力/出力(Input/Output、I/O)ポート、映像I/Oポート、ヘッドフォンポートなどを含んでもよい。インタフェースユニット1008は、外部装置からの入力(例えば、データ情報、電力など)を受信するとともに、受信した入力を端末1000内の1つまたは複数の素子に伝送し、または、端末1000と外部装置の間にデータを伝送するために用いられてもよい。
【0127】
メモリ1009は、ソフトウェアプログラム及び種々のデータを記憶するために用いられてもよい。メモリ1009は、主に、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラム(例えば、音響放送機能、画像放送機能など)などを記憶することができるプログラム記憶エリアと、携帯電話の利用によって作成したデータ(例えば、音声データ、電話帳など)などを記憶することができるデータ記憶エリアを含んでもよい。また、メモリ1009は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、例えば、少なくとも1つのディスクメモリ、フラッシュメモリのような不揮発性メモリ、又は、他の揮発性固体記憶デバイスをさらに含んでもよい。
【0128】
プロセッサ1010は、端末の制御センターであり、種々のインターフェースや回線によって端末全体の各部分に接続され、メモリ1009内に記憶されたソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを運行または実行させること、および、メモリ1009内に記憶されたデータを呼び出すことにより、端末の種々の機能を実行し、データを処理することで、端末全体をモニタする。プロセッサ1010は、1つまたは複数の処理ユニットを含んでもよい。選択的に、プロセッサ1010は、アプリケーションプロセッサと変復調プロセッサとを集積したものであってもよい。アプリケーションプロセッサは主にオペレーティングシステム、ユーザインタフェース、および、アプリケーションプログラムなどを処理するためのものであり、変復調プロセッサは主に無線通信を処理するためのものである。理解すべきなのは、上記変復調プロセッサは、プロセッサ1010に集積されなくてもよい。
【0129】
端末1000は、各部材に対して電力を供給する電源1011(たとえば、バッテリー)をさらに含んでもよい。選択的に、電源1011は、電源管理システムによってプロセッサ1010に論理的に接続されてもよい。それにより、電源管理システムによって、充放電の管理や電力消耗管理などの機能を実現させることができる。
【0130】
また、端末1000は、図示されない幾つかの機能モジュールを含んでもよいが、ここではその説明を省略する。
【0131】
図10に示されるように、本開示の実施例は、さらに、
複数の、ビーム又は伝送ノードを含む伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーを取得するための第2の取得モジュール1101と、
前記伝送キャリアと、前記伝送キャリアに対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーとの間にデータ伝送を行うための第2の伝送モジュール1102と、を備えるネットワーク機器1100を提供する。
【0132】
本開示の実施例におけるネットワーク機器では、前記第2の取得モジュールは、ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報に基づいて、複数の前記伝送キャリアに対して対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーを配置するために用いられ、
又は、前記第2の取得モジュールは、端末によって複数の前記伝送キャリアに対して配置されたHARQエンティティーおよびMACエンティティーを取得するために用いられる。
【0133】
本開示の実施例におけるネットワーク機器では、前記ハイブリット自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報は、
伝送キャリアの関連情報と、
伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報とを含み、
そのうち、伝送キャリアの関連情報は、伝送キャリアID、伝送キャリアに対応するセルID、伝送キヤリアに対応する周波数ビンID、伝送キャリアに対応する帯域幅部分BWP ID、伝送キャリアに対応する制御チャネルID、および、伝送キャリアに対応するMACエンティティーIDのうちの少なくとも1つを含む。
【0134】
本開示の実施例におけるネットワーク機器では、前記第2の取得モジュールは、異なる伝送キャリアに対して異なるHARQエンティティーを配置するために用いられる。
【0135】
本開示の実施例におけるネットワーク機器では、前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報は、HARQプロセスの数を含む。
【0136】
本開示の実施例におけるネットワーク機器では、前記第2の取得モジュールは、前記複数の伝送キャリアに対して同一のHARQエンティティーを配置し、かつ、異なる前記伝送キャリアに対して異なるHARQプロセス番号を配置するために用いられる。
【0137】
本開示の実施例におけるネットワーク機器では、前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報は、伝送キャリアに対応するHARQエンティティーID、伝送キャリアが利用可能なHARQプロセス番号、伝送キャリアに対応するHARQエンティティーの利用可能なHARQプロセスの合計数、および、前記伝送キャリアが利用可能なHARQプロセスの数のうちの少なくとも1つを含む。
【0138】
本開示の実施例におけるネットワーク機器では、前記第2の取得モジュールは、異なる前記伝送キャリアに対して異なるHARQエンティティーを配置し、かつ、異なる前記伝送キャリアに対して異なるMACエンティティーを配置するために用いられる。
【0139】
前記ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報は、さらに、伝送キャリアに対応するMAC配置情報を含み、かつ、前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報はHARQプロセスの数を含む。
【0140】
本開示の実施例におけるネットワーク機器では、前記伝送キャリアに対応するMAC配置情報は、
MACエンティティーのID情報、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数の論理チャネルID、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のDRB ID、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のデータストリームID、および、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のセッションID、のうちの少なくとも1つを含む。
【0141】
本開示の実施例におけるネットワーク機器では、前記伝送キャリアIDは、同期信号ブロックSSB ID、チャネル状態情報基準信号CSI-RS ID、および、基準信号に対応するポート番号IDのうちの少なくとも1つを含み、前記基準信号がSSB及び/又はCSI-RSを含む。
【0142】
本開示の実施例におけるネットワーク機器では、前記伝送キャリアに対応する制御チャネルIDは、制御チャネルタイプID、制御チャネルのリソース位置ID、制御チャネルの基準信号ID、および、制御チャネルの基準信号に対応するポート番号IDのうちの少なくとも1つを含む。
【0143】
本開示の実施例におけるネットワーク機器では、前記第2の伝送モジュールは、下りリンクデータの送信を行う場合、各前記伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理するために用いられ、及び/又は、
上りリンクデータの受信を行う場合、各前記伝送キャリアが受信したデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理するために用いられる。
【0144】
本開示の実施例におけるネットワーク機器では、前記第2の伝送モジュールは、下りリンクデータの送信を行う場合、第3のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得し、前記第3のターゲット伝送キャリアの関連情報に基づいて、第3のターゲット伝送キャリアを特定するとともに、前記第3の伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記第3の伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理するために用いられ、及び/又は、
上りリンクデータの受信を行う場合、第4のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得し、前記第4のターゲット伝送キャリアの関連情報に基づいて、第4のターゲット伝送キャリアを特定するとともに、前記第4の伝送キャリアが受信したデータを、前記第4の伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理するために用いられる。
【0145】
本開示の実施例は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されているとともに、プロセッサにて運行できるコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、上記ネットワーク機器に用いられるデータ伝送方法についての方法実施例における各プロセスが実現され、かつ、同様な技術的効果が実現される、ネットワーク機器をさらに提供する。説明の重複を回避するために、ここでは説明を省略する。
【0146】
本開示の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記ネットワーク機器に用いられるデータ伝送方法についての実施例における各プロセスが実現され、かつ、同様な技術的効果が実現される、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。説明の重複を回避するために、ここでは説明を省略する。そのうち、前記コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、ROM、RAM、磁気ディスク、又は光ディスクなどである。
【0147】
図11に示されるように、本開示の実施例は、プロセッサ1201、送受信機1202、メモリ2603、および、バスインターフェースを含むネットワーク機器1200をさらに提供し、
プロセッサ1201は、メモリ1203におけるプログラムを読み取るために用いられ、
複数の、ビーム又は伝送ノードを含む伝送キャリアに対応するハイブリッド自動再送要求HARQエンティティーおよびメディアアクセス制御MACエンティティーを取得することと、
前記伝送キャリアと、前記伝送キャリアに対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーとの間にデータ伝送を行うこととを実行するために用いられる。
【0148】
図11では、バスアーキテクチャには、任意の数の相互接続されたバスとブリッジが含まれてもよい。具体的には、プロセッサ1201をはじめとする1つまたは複数のプロセッサは、メモリ1203をはじめとするメモリの種々の回路と接続されている。バスアーキテクチャは、さらに、周辺デバイス、電圧調整器、および電力管理回路等のような種々の他の回路を接続することができる。それは、当分野で公知されたものである。そのため、本明細書では、更なる説明を省略する。バスインターフェースは、インターフェースを提供する。送受信機1202は、複数の素子であってもよく、すなわち、送信機と受信機を含み、伝送媒体において種々の他の装置と通信するためのユニットを提供する。
【0149】
プロセッサ1201は、バスアーキテクチャの管理や一般的な処理を行う役割を果たし、メモリ1203は、プロセッサ1201の操作時に用いられるデータを記憶することができる。
【0150】
選択的に、前記プロセッサ1201は、メモリ1203におけるプログラムを読み取ることによって、さらに、
ネットワーク機器によって配置され、又は、プロトコルによって約束された、ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報に基づいて、複数の前記伝送キャリアに対して対応するHARQエンティティーおよびMACエンティティーを配置すること、
又は、端末によって複数の前記伝送キャリアに対して配置されたHARQエンティティーおよびMACエンティティーを取得することを実行するために用いられる。
【0151】
選択的に、前記ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報は、
伝送キャリアの関連情報と、
伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報とを含み、
そのうち、伝送キャリアの関連情報は、伝送キャリアID、伝送キャリアに対応するセルID、伝送キヤリアに対応する周波数ビンID、伝送キャリアに対応する帯域幅部分BWP ID、伝送キャリアに対応する制御チャネルID、および、伝送キャリアに対応するMACエンティティーIDのうちの少なくとも1つを含む。
【0152】
選択的に、前記プロセッサ1201は、メモリ1203におけるプログラムを読み取ることによって、さらに、
異なる伝送キャリアに対して異なるHARQエンティティーを配置することを含む。
【0153】
選択的に、前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報は、HARQプロセスの数を含む。
【0154】
選択的に、前記プロセッサ1201は、メモリ1203におけるプログラムを読み取ることによって、さらに、
前記複数の伝送キャリアに対して同一のHARQエンティティーを配置し、かつ、異なる前記伝送キャリアに対して異なるHARQプロセス番号を配置することを実行するために用いられる。
【0155】
前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報は、伝送キャリアに対応するHARQエンティティーID、伝送キャリアが利用可能なHARQプロセス番号、伝送キャリアに対応するHARQエンティティーの利用可能なHARQプロセスの合計数、および、前記伝送キャリアが利用可能なHARQプロセスの数のうちの少なくとも1つを含む。
【0156】
選択的に、前記プロセッサ1201は、メモリ1203におけるプログラムを読み取ることによって、さらに、
異なる前記伝送キャリアに対して異なるHARQエンティティーを配置し、かつ、異なる前記伝送キャリアに対して異なるMACエンティティーを配置するために用いられる。
【0157】
選択的に、前記ハイブリッド自動再送要求HARQと伝送キャリアとの対応関係情報は、さらに、伝送キャリアに対応するMAC配置情報を含み、かつ、前記伝送キャリアの関連情報に対応するHARQ配置情報はHARQプロセスの数を含む。
【0158】
選択的に、前記伝送キャリアに対応するMAC配置情報は、
MACエンティティーのID情報、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数の論理チャネルID、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のDRB ID、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のデータストリームID、および、
MACエンティティーのID情報に対応する1つまたは複数のセッションID、のうちの少なくとも1つを含む。
【0159】
選択的に、前記伝送キャリアIDは、同期信号ブロックSSB ID、チャネル状態情報基準信号CSI-RS ID、および、基準信号に対応するポート番号IDのうちの少なくとも1つを含み、前記基準信号がSSB及び/又はCSI-RSを含む。
【0160】
選択的に、前記伝送キャリアに対応する制御チャネルIDは、制御チャネルタイプID、制御チャネルのリソース位置ID、制御チャネルの基準信号ID、および、制御チャネルの基準信号に対応するポート番号IDのうちの少なくとも1つを含む。
【0161】
選択的に、前記プロセッサ1201は、メモリ1203におけるプログラムを読み取ることによって、さらに、
下りリンクデータの送信を行う場合、各前記伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理すること、及び/又は、
上りリンクデータの受信を行う場合、各前記伝送キャリアが受信したデータを、前記伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理することを実行するために用いられる。
【0162】
選択的に、前記プロセッサ1201は、メモリ1203におけるプログラムを読み取ることによって、さらに、
下りリンクデータの送信を行う場合、第3のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得し、前記第3のターゲット伝送キャリアの関連情報に基づいて、第3のターゲット伝送キャリアを特定するとともに、前記第3の伝送キャリアに対して送信されるデータを、前記第3の伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理すること、および、
上りリンクデータの受信を行う場合、第4のターゲット伝送キャリアの関連情報を取得し、前記第4のターゲット伝送キャリアの関連情報に基づいて、第4のターゲット伝送キャリアを特定するとともに、前記第4の伝送キャリアが受信したデータを、前記第4の伝送キャリアに対応するMACエンティティー及びHARQエンティティーに伝送して処理することを実行するために用いられる。
【0163】
ここに説明すべきなのは、本明細書では、「含む」、「包含」という用語又は他の変形は、非排除性の「含む」を意図的にカバーするものであり、それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品または装置はそれらの要素を含むだけではなく、明確に挙げられていない他の要素、又は、そのようなプロセス、方法、物品または装置の固有の要素も含む。あまり多くの制限がない場合、「1つの・・・を含む」という文章で限定された要素について、当該要素を含むプロセス、方法、物品または装置には、他の同様の要素がさらに存在することが排除できない。
【0164】
上記実施の形態の記載により、当業者は、上記実施例の方法がソフトウェアと必要な汎用ハードウェアのプラットフォームの方式によって実現されてもよいことを明確に知っているはずである。勿論、ハードウェアによっても実現されるが、しかし、多くの場合、前者が好適な実施の形態である。そのような理解を踏まえて、本開示の技術案は、実質上、又は、関連技術に対して貢献した部分が、ソフトウェア製品の形式によって表されてもよい。当該コンピュータソフトウェア製品は一記憶媒体(例えば、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、若干のコマンドを含み、また、本開示の各実施例に記載の方法を一端末機器(携帯電話、コンピュータ、サーバ、空気調和器、又は、ネットワーク側機器などであってもよい)に実行させる。
【0165】
当業者であれば、本明細書に開示の実施例に記述の各例示を組み合わせたユニットやアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又は、コンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよいことを意識しているはずである。それらの機能がハードウェアかソフトウェアかによって実行されることは、技術案の特定の応用や設計拘束条件によって決められる。専門技術者は、各特定の応用に対して異なる方法を用いて記述される機能を実現させることができるが、しかし、そのような実現が本開示の範囲を超えたものとして認定されてはならない。
【0166】
当業界の技術者は、記述の便宜上や簡潔上、上記記述されるシステム、装置、および、ユニットの具体的な作動プロセスについて、前に記載の方法実施例における対応プロセスを参照されてもよいことを明確に把握できる。ここでは説明を省略する。
【0167】
本開示が提供する実施例では、開示された装置や方法は、他の方式によって実現されてもよいことが理解すべきである。例えば、以上に記述されている装置実施例は、例示的なものに過ぎない。上記ユニットのグループ化を例にすると、論理的機能に基づくグループ化に過ぎず、実際な実現方式として、別のグループ化する方式が用いられてもよい。例えば、複数のユニット又は部品は組み合わせられ、又は、別の1つのシステムに集積されてもよい。あるいは、いくつかの特徴を見逃し、又は、実行しなくてもよい。ところで、表示または検討されている相互に結合され、又は、直接に結合され、又は、通信接続されたことは、いくつかのインターフェースによって実現されてもよいが、装置またはユニットの間接的結合又は通信接続は、電気的、機械的、又は、他の形式のものであってもよい。
【0168】
離間している部材として説明されていたユニットは、物理的に離間しているものであってもよいが、そのようなものでなくてもよい。ユニットとして表示される部材は、物理的ユニットであってもよいが、そのようなものでなくてもよい。すなわち、一箇所に位置するものであってもよく、又は、複数のネットワークユニットに分布しているものであってもよい。実際な必要に応じて、その中の一部又は全部のユニットを選択して本実施例の方案の目的を実現させることができる。
【0169】
また、本開示の各実施例における各機能ユニットは1つの処理ユニットに集積されてもよく、各ユニットが物理的に個別に存在してもよく、2つ以上のユニットが1つのユニットに集積されてもよい。
【0170】
上記機能は、ソフトウェア機能ユニットの形式で実現されて、独立した製品として販売や使用される場合、1つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。そのような理解を踏まえて、本開示の技術案は、実質上、又は、従来技術に対して貢献した部分が、ソフトウェア製品の形式によって表されてもよい。当該コンピュータソフトウェア製品は一記憶媒体に記憶され、若干のコマンドを含み、それにより、本開示の各実施例に記載の方法における全部または一部のステップを一コンピュータ機器(パソコン、サーバ、又は、ネットワーク側機器などであってもよい)に実行させる。上述した記憶媒体は、Uディスク、リムーバブルディスク、ROM、RAM、磁気ディスク、又は、光ディスクなどの種々のプログラムコードを記憶することができる媒体を含む。
【0171】
理解すべきなのは、本開示の実施例に記載のそれらの実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはそれらの組み合わせによって実現されてもよい。ハードウェアの実現について、処理ユニットは、1つ又は複数の専用集積回路(Application Specific Integrated Circuits、ASIC)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processing、DSP)、デジタル信号処理装置(DSP Device、DSPD)、プログラマブル論理デバイス(Programmable Logic Device 、PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)、汎用プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本開示に記載の機能を実行するための他の電子素子またはそれらの組み合わせに実現されてもよい。
【0172】
ソフトウェアの実現について、本開示の実施例に記載の機能を実行するモジュール(例えば、プロセス、関数など)によって、本開示の実施例に記載の技術が実現されてもよい。ソフトウェアコードは、メモリに記憶されているとともに、プロセッサによって実行される。メモリは、プロセッサ内またはプロセッサの外部に実現されてもよい。
【0173】
当業者であれば、上記実施例における方法の全部または一部を実現するプロセスが、コンピュータプログラムによって関連したハードウェアを制御することで完成してもよく、上記プログラムが一コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、当該プログラムが実行されるとき、上記各方法の実施例のプロセスが含まれてもよいことを理解できるはずである。そのうち、前記記憶媒体は磁気ディスク、光ディスク、ROM、又は、RAMなどであってもよい。
【0174】
以上は、添付図面を組み合わせながら、本開示の実施例を記述していたが、しかし、本開示は、上記具体的な実施の形態に限らず、上記具体的な実施の形態は例示的なものに過ぎず、制限性のあるものではない。当業者は、本開示による示唆を基にして、本開示の趣旨や特許請求の範囲から逸脱しない限り、多くの形式上の変更を行うことができ、それらのいずれも本開示の保護範囲に入っている。