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特許7545562情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240828BHJP
【FI】
G06Q10/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023220721
(22)【出願日】2023-12-27
【審査請求日】2024-01-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)ウェブサイトによる公開、公開日:令和5年10月4日、ウェブサイトのアドレス:https://plari-town.my.salesforce.com/sfc/p/#2w000004txOs/a/2w000000hey8/Lq2oJCU5AUL7uCg1lsSQY8T9JQ_tMw10nWqFzkrAVfo (2)案内チラシによる公開、公開日:令和5年10月5日、刊行物:「デジタル診断のご案内」と題する案内チラシ
(73)【特許権者】
【識別番号】520299278
【氏名又は名称】株式会社プラリタウン
(73)【特許権者】
【識別番号】397077955
【氏名又は名称】株式会社三井住友銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】西本 拓視
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-010246(JP,A)
【文献】特許第7278011(JP,B1)
【文献】特開2021-163403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の対象に関する複数の設問に対する回答をユーザから取得する取得部と、
前記取得した回答に基づいて、所定の項目ごとの評価値を集計する集計部と、
前記集計された前記評価値に基づいて、前記所定の項目ごとの前記評価値の集計結果と、前記評価値が所定の閾値以下である項目に関する前記ユーザの課題及び解決方法と、を含む第1情報を、前記ユーザの第1端末に表示させる表示処理部と、を備え、
前記表示処理部は、前記第1情報に加え、前記課題及び解決方法に応じたソリューションに関する情報を含む第2情報を、前記第1端末とは異なる第2端末に表示させる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部はさらに、前記集計された評価値が所定の範囲にある前記項目について、前記ユーザの課題認識の度合いを示す情報を取得し、
前記集計結果は、前記度合いを反映させた図表を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2情報は、前記ソリューションの内容を表示するためのリンクオブジェクト、前記ソリューションを提供する事業者に関する情報、及び前記ソリューションに関する資料の照会先を示す情報の少なくともいずれかを含む、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2情報は、前記ソリューションが前記ユーザに提案されたか否かを記録するためのオブジェクトと、前記ユーザに前記ソリューションを紹介したか否かを記録するためのオブジェクトと、を少なくとも含む、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示処理部はさらに、印刷装置に前記第2情報の印刷を要求するためのオブジェクトを前記第2端末に表示させる、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが、
所定の対象に関する複数の設問に対する回答をユーザから取得することと、
前記取得した回答に基づいて、所定の項目ごとの評価値を集計することと、
前記集計された前記評価値に基づいて、前記所定の項目ごとの前記評価値の集計結果と、前記評価値が所定の閾値以下である項目に関する前記ユーザの課題及び解決方法と、を含む第1情報を、前記ユーザの第1端末に表示させることと、
前記第1情報に加え、前記課題及び解決方法に応じたソリューションに関する情報を含む第2情報を、前記第1端末とは異なる第2端末に表示させることと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
所定の対象に関する複数の設問に対する回答をユーザから取得することと、
前記取得した回答に基づいて、所定の項目ごとの評価値を集計することと、
前記集計された前記評価値に基づいて、前記所定の項目ごとの前記評価値の集計結果と、前記評価値が所定の閾値以下である項目に関する前記ユーザの課題及び解決方法と、を含む第1情報を、前記ユーザの第1端末に表示させることと、
前記第1情報に加え、前記課題及び解決方法に応じたソリューションに関する情報を含む第2情報を、前記第1端末とは異なる第2端末に表示させることと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、会社におけるデジタルトランスフォーメーション(以下、「DX」という。)がどれくらい進んでいるか診断できるシステムが公開されている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社、“DX到達度チェック”、[online]、令和5年2月8日、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社、[令和5年10月10日検索]、インターネット<URL:https://ai.nuro.jp/tool/dx-check/#shindan>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1に記載のシステムでは、複数の設問に回答することで、ユーザのDXの推進に関して所定の項目別に分析した結果を得ることができるため、DXの推進について、ユーザの現状を把握することができる。また、非特許文献1に記載のシステムでは、診断が完了すると、診断の結果に応じたテーマに関する情報が表示される。
【0005】
しかしながら、非特許文献1に記載のシステムにおいては、診断を受けることでユーザの現状を把握し、当該診断結果に応じて必要と思われる情報を取得できるようになっているものの、次に何をすればよいのかという具体的な事項については、診断結果に基づいて、ユーザが自ら検討する必要がある。ところが、DXを推進するためのソリューションは多種多様なものがあり、ユーザが、自らの現状に応じたソリューションを採用することは困難である。また、当該ユーザが所属する企業の営業担当者においても、ユーザの課題に基づいてどのようにアプローチするか検討する必要があり、対応にコストがかかる場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、所定の対象についてユーザを診断し、診断結果に応じて、ソリューション及びサービス(以下、「ソリューション」という。)を提案することを支援する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、所定の対象に関する複数の設問に対する回答をユーザから取得する取得部と、前記取得した回答に基づいて、所定の項目ごとの評価値を集計する集計部と、前記集計された前記評価値に基づいて、前記所定の項目ごとの前記評価値の集計結果と、前記評価値が所定の閾値以下である項目に関する前記ユーザの課題及び解決方法と、を含む第1情報を、前記ユーザの第1端末に表示させる表示処理部と、を備え、前記表示処理部は、前記第1情報に加え、前記課題及び解決方法に応じたソリューションに関する情報を含む第2情報を、前記第1端末とは異なる第2端末に表示させる。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、所定の対象に関する複数の設問に対する回答をユーザから取得することと、前記取得した回答に基づいて、所定の項目ごとの評価値を集計することと、前記集計された前記評価値に基づいて、前記所定の項目ごとの前記評価値の集計結果と、前記評価値が所定の閾値以下である項目に関する前記ユーザの課題及び解決方法と、を含む第1情報を、前記ユーザの第1端末に表示させることと、前記第1情報に加え、前記課題及び解決方法に応じたソリューションに関する情報を含む第2情報を、前記第1端末とは異なる第2端末に表示させることと、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、所定の対象に関する複数の設問に対する回答をユーザから取得することと、前記取得した回答に基づいて、所定の項目ごとの評価値を集計することと、前記集計された前記評価値に基づいて、前記所定の項目ごとの前記評価値の集計結果と、前記評価値が所定の閾値以下である項目に関する前記ユーザの課題及び解決方法と、を含む第1情報を、前記ユーザの第1端末に表示させることと、前記第1情報に加え、前記課題及び解決方法に応じたソリューションに関する情報を含む第2情報を、前記第1端末とは異なる第2端末に表示させることと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、所定の対象についてユーザを診断し、診断結果に応じて、ソリューションを提案することを支援する仕組みを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る診断システム1のシステム構成の一例を示す図である。
図2】診断装置10の機能ブロック構成の一例を示す図である。
図3】設問関連データベースD121の一例を示す図である。
図4】ユーザ用画面の一例を示す図である。
図5】担当者用画面の一例を示す図である。
図6】ユーザ端末20(第1端末)の機能ブロック構成の一例を示す図である。
図7】担当者端末30(第2端末)の機能ブロック構成の一例を示す図である。
図8】診断システム1の処理手順の一例を示すフローチャートである
図9】コンピュータ1000のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【0013】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係るシステムである診断システム1のシステム構成の一例を示す図である。図1に示す診断システム1は、診断装置10と、ユーザ端末20と、担当者端末30とを備える。診断装置10、ユーザ端末20、担当者端末30は、インターネット、イントラネット、無線LAN又は移動通信等の通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。なお、図示の都合により、ユーザ端末20及び担当者端末30はそれぞれ1つしか示されていないが、診断システム1は、ユーザ端末20及び担当者端末30をそれぞれ複数含んで構成されていてもよい。ユーザ端末20及び担当者端末30は、それぞれ第1端末及び第2端末の一例である。
【0014】
診断装置10は、例えば、複数の設問をユーザ端末20に提供し、所定の対象についてユーザの所属する企業を診断するための装置である。所定の対象とは、当該診断の対象であり、例えば、DXの推進等、ユーザの所属する企業における経営上の課題であってよい。
【0015】
診断は、例えば、診断の対象に関する複数の設問に対するユーザの回答に基づき、診断の対象に関連する所定の項目ごとの評価値を集計することを含む。これにより、診断の対象に関するユーザの現状を分析することができる。
【0016】
診断装置10は、複数の設問に対するユーザの回答を示す情報(以下、「回答情報」という。)を取得し、回答情報に基づき、「人・組織」、「業務プロセス」等の所定の項目ごとに評価値を集計する処理を行う。そして、診断装置10は、当該評価値に基づき、診断の結果を示す画面(以下、「結果画面」という。)を生成する。診断装置10は、診断を受診したユーザのユーザ端末20に結果画面を表示させる。
【0017】
また、診断装置10は、ユーザの所属する企業に対して営業等を行う担当者(以下、単に「担当者」という。)のリクエストに応じて、当該担当者の端末である担当者端末30に結果画面を表示させる。
【0018】
診断装置10は、1又は複数の情報処理装置から構成されていてもよいし、仮想的なサーバ(クラウドサーバ等)を用いて構成されていてもよい。
【0019】
ユーザ端末20は、例えば、診断システム1において、診断装置10による所定の診断を受けるユーザが使用する端末である。ユーザは、例えば企業において所定の対象に関する部署に所属する者であり、ユーザ端末20を操作することで診断システム1を利用する。ユーザ端末20は、携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレット、パーソナルコンピュータ等であってよい。
【0020】
担当者端末30は、例えば、担当者が使用する端末である。担当者は、担当者端末30を操作することで本実施形態に係る診断システム1を利用する。担当者端末30は、携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレット、パーソナルコンピュータ等であってよい。
【0021】
<機能ブロック構成>
(診断装置)
図2は、診断装置10の機能ブロック構成の一例を示す図である。診断装置10は、取得部101と、集計部102と、表示処理部103と、設問関連データベースD121を含む。これらの各機能は、例えば、図9に示すメモリ1002等の記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサ1001が実行したりすることにより実現される。
【0022】
図3は、設問関連データベースD121に記録される情報の一例を示す図である。同図に示すように、設問関連データベースD121は、例えば、識別情報Da、分類情報Db、設問情報Dc、選択肢情報Dd、課題情報De、解決策情報Df、及びソリューション情報Dgを含む。識別情報Daは、診断に用いる各設問を識別するための情報であり、例えば識別符号であってよい。分類情報Dbは、各設問が属する分類項目に関する情報である。ここでは分類情報Dbとして、各設問を「人・組織」及び「業務プロセス」等の大項目に分類する「分類(甲)」と、「DX戦略の立案・計画」及び「DXに対する組織の受容性」等のより細かな小項目に分類する「分類(乙)」が設けられている。ただし、分類は2段階で設定されるものに限られず、診断の対象及び内容等に応じて様々な粒度で設定してよい。設問情報Dcは、診断においてユーザに提示される設問を示す情報である。選択肢情報Ddは、診断における設問に対する回答の選択肢を示す情報である。課題情報Deは、各設問に対する回答によって明確にされる課題を示す情報である。解決策情報Dfは、各設問に対する回答によって明確にされる課題に応じた、解決策を示す情報である。ソリューション情報Dgは、解決策に応じた具体的なソリューションに関する情報である。ソリューションは、業務等における所定の課題に対して、様々な事業者が提供する業務支援サービスを含む。ソリューション情報Dgは、サービスの名称を示すソリューション名、サービスを提供する事業者、及びサービスの内容を含むものとしてよい。また、各サービスに関して、担当者がユーザに対して当該サービスを提案又は紹介したか否かを記録するための実績情報を含むものとしてよい。
【0023】
取得部101は、診断に必要な各種情報を取得する。取得部101は、ユーザ端末20から、回答情報を取得する。また、取得部101は、例えば、診断システム1を利用するユーザの会社名を含むユーザ情報をユーザ端末20又は担当者端末30から取得する。ユーザ情報は、会社名、所在地、業種、従業員数、部署名、役職名、ユーザ氏名、及び連絡先等の情報を含む。さらに、取得部101は、集計された評価値が所定の条件を満たす項目について、設問に回答したユーザ自身による課題認識を示す情報(以下、「課題認識情報」という。)を、ユーザ端末20から取得してもよい。
【0024】
ユーザの回答は、例えば、設問に対してユーザが当てはまると考えられる程度に応じて選択肢を選択するものであってよい。回答は、例えば、「とても当てはまる」、「まあまあ当てはまる」、「あまり当てはまらない」、「まったく当てはまらない」という4つの選択肢の中から最も当てはまる選択肢を回答として選択するものであってよい。なお、回答の手法は、これに限られず、例えば、当てはまる程度を0~100の範囲でユーザが指定する手法など、任意の手法を採用してよい。
【0025】
集計部102は、例えば、ユーザ端末20から取得する回答情報に基づいて、所定の項目ごとの評価値を集計する。
【0026】
所定の項目は、各設問が属する分類項目であってよい。所定の項目は、例えば、「テレワーク」、「モバイル活用」、「DX戦略の立案・計画」、「DXに対する組織の受容性」等であり、設問関連データベースD121における分類情報Dbに対応する。所定の項目は、様々な観点によって各設問を分類することができる。
【0027】
評価値は、例えば、回答として用意されている選択肢のそれぞれに対応付けられている。具体的には、選択肢が「とてもあてはまる」、「まあまあ当てはまる」、「あまり当てはまらない」、「まったく当てはまらない」である場合、選択肢「とても当てはまる」は「4点」、「まあまあ当てはまる」は「3点」、「あまり当てはまらない」は「2点」、「まったく当てはまらない」は「1点」と対応付けてよい。例えば、「テレワーク」に関する質問aに対してユーザが「とても当てはまる」と回答し、「モバイル活用」に関する質問bに対して「あてはまる」と回答した場合は、「テレワーク」の項目で「4点」、「モバイル活用」の項目で「3点」がそれぞれ加算される。診断システム1は、所定の項目ごとに評価値を集計することで、項目ごとに定量的な評価をすることができる。
【0028】
表示処理部103は、集計された評価値に基づき、診断の結果を示す画面である結果画面を生成し、ユーザ端末20及び担当者端末30の表示部に表示させる。
【0029】
図4は、ユーザ端末20の表示部に表示される結果画面T1(以下、「ユーザ用画面T1ともいう。)の一例である。ユーザ用画面T1は、例えば、所定の項目ごとの評価値を集計したレーダーチャートと診断結果の総評とを含む領域T2と、所定の項目ごとの考察をまとめた領域T3と、所定の対象に関する課題及び解決策と業務に関する課題及び解決策とを含む領域T4と、を含む。
【0030】
表示処理部103は、領域T2において、取得部101が取得した課題認識情報に基づき、ユーザ自身の課題認識を示す表示T2aを含めるように、結果画面T1を生成してよい。例えば、集計した評価値が所定のスコア以下である項目について、診断装置10は、「会社全体として課題あり」、「役割上課題あり」、「課題なし」といった選択肢をユーザ端末20に提示し、取得部101は、ユーザの操作入力によって選択された項目ごとの選択肢を、課題認識情報として取得する。表示処理部103は、取得部101が取得した課題認識情報に基づき、例えば、「会社全体として課題あり」もしくは「役割上課題あり」とユーザが回答(選択)した項目がレーダーチャート上で強調されるように表示する。これにより、診断システム1は、集計した結果に対し、ユーザ自身の意向を反映させ、それを踏まえた診断結果を表示させることができる。
【0031】
また、領域T2及び領域T3において、ユーザの所属する企業と、従業員数及び業種と似通った他社とを比較できるようにしてよい。例えば、診断装置10は、予め取得しておいた、ユーザの所属する企業の従業員数及び業種に基づき、従業員数が同規模で、業種が同じカテゴリに含まれる他社を複数抽出し、項目ごとの評価値の平均値を算出する。表示処理部103は、ユーザの診断結果に加えて、他社の項目ごとの評価値の平均値を含めるように、結果画面T1を生成する。
【0032】
また、表示処理部103は、領域T4において、集計部102において集計された評価値が所定の閾値以下である項目について、設問関連データベースD121を参照し、当該項目と対応する課題及び解決策に関する情報を含めるように、結果画面T1を生成してよい。課題及び解決策は、設問関連データベースD121における課題情報De、解決策情報Dfに対応する。領域T4において、課題及び解決策は、DX等の所定の対象に関するものと、業務領域に関するものとで出し分けを行い、全体的な観点から見た診断結果と業務領域ごとの観点から見た診断結果とを分けて表示してもよい。
【0033】
図5は、担当者端末30の表示部に表示される結果画面T5(以下、「担当者用画面T5」ともいう。)の一例である。表示処理部103は、担当者からのリクエストに応じて、ユーザ用画面T1とは異なる結果画面T5を生成し、担当者端末30の表示部に表示させる。
【0034】
担当者端末30に表示される結果画面T5は、ユーザ端末20に表示される結果画面T1の領域T2乃至領域T4に相当する内容を含む領域T5aに加え、さらに、診断された課題及び解決策に対応する一又は複数のソリューションに関する情報を示す領域T6を含む。表示処理部103は、設問関連データベースD121のソリューション情報Dgに基づいて、領域T6を生成する。図5に示すように、領域T6は、ソリューションごとに、ソリューションの詳細情報T7と、担当者の操作入力によって選択可能な選択オブジェクトT8と、印刷ボタンT9とを含む。担当者用画面T5に、ユーザの診断結果に応じた個々のソリューションに関する情報が表示されるため、担当者はユーザに対して適切なソリューションを提案することができる。
【0035】
ソリューションの詳細情報T7は、ユーザの課題及び解決策に応じた個々のソリューションの詳細情報であり、ソリューション名、当該ソリューションを提供する事業者、及び具体的なサービス内容を含む。加えて、詳細情報T7は、ソリューションの内容を確認するためのリンクT7aと、当該ソリューションの関連資料及び照会先T7bとを含む。
【0036】
選択オブジェクトT8は、例えば、担当者がユーザに対して当該ソリューションを提案した実績を記録するための選択オブジェクトT8aと、当該ソリューションを提供する事業者を紹介した実績(いわゆる「トスアップ」の実績)を記録するための選択オブジェクトT8bとを含む。
【0037】
印刷ボタンT9は、担当者用画面T5の印刷を印刷装置に要求するためのオブジェクトである。当該オブジェクトに対する担当者の操作入力に基づき、診断装置10は、印刷装置に当該担当者用画面T5を印刷する要求を送信する。これにより、診断装置10は、担当者が必要に応じて担当者画面を印刷することをより簡便に行うことができる仕組みを提供できる。
【0038】
(ユーザ端末)
次に、ユーザ端末20について説明する。図6は、ユーザ端末20の機能ブロック構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、記憶部200と、通信部201と、UI(User Interface)部202と、制御部203とを含む。これらの各機能は、例えば、図9に示すメモリ1002等の記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサ1001が実行したりすることにより実現される。
【0039】
記憶部200は、例えば、制御部203が診断システム1を利用して設問に回答する処理等を実行するために必要なデータを記憶する。データには、例えば、ユーザの会社名、所在地等を含むユーザ情報が格納される。
【0040】
通信部201は、通信I/F部1006を用いて診断装置10、担当者端末30との間で各種の通信を行う機能を有する。
【0041】
UI部202は、ユーザから各種の入力を受け付ける処理と、ディスプレイに診断に関する各種の画面を表示部1007に表示させる機能とを有する。またUI部202は、診断装置10の指示に従い、ユーザ端末20の表示部1007に診断システム1の画面を表示する。
【0042】
制御部203は、診断装置10と連携することで、診断システム1を利用するために必要な各種の機能を提供する。例えば、制御部203は、例えば、ユーザ用画面T1を表示するための各種の情報(アイコン画像データ、図表データ、テキストデータ等)を診断装置10から取得する機能等を提供する。
【0043】
(担当者端末)
次に、担当者端末30について説明する。図7は、担当者端末30の機能ブロック構成の一例を示す図である。担当者端末30は、記憶部300と、通信部301と、UI(User Interface)部302と、制御部303とを含む。これらの各機能は、例えば、図9に示すメモリ1002等の記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサ1001が実行したりすることにより実現される。
【0044】
記憶部300は、例えば、制御部303が診断システム1を利用して設問に回答する処理等を実行するために必要なデータを記憶する。データには、例えば、ユーザの会社名、所在地等を含むユーザ情報が格納される。
【0045】
通信部301は、通信I/F部1006を用いて診断装置10、ユーザ端末20との間で各種の通信を行う機能を有する。
【0046】
UI部302は、ユーザから各種の入力を受け付ける処理と、ディスプレイに診断に関する各種の画面を表示部1007に表示させる機能とを有する。またUI部302は、診断装置10の指示に従い、担当者端末30の表示部1007に診断システム1の画面を表示する。
【0047】
制御部303は、診断装置10と連携することで、診断システム1を利用するために必要な各種の機能を提供する。例えば、制御部303は、例えば、担当者用画面T5に描画するための各種の情報(アイコン画像データ、図表データ、テキストデータ等)を診断装置10から取得する機能等を提供する。
【0048】
<処理手順>
続いて、診断システム1が行う具体的な処理手順を説明する。
【0049】
図8は、診断システム1が診断結果を示す結果画面であるユーザ用画面T1及び担当者用画面T5を表示する処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下では、診断システム1によってユーザの所属する企業においてDXがどれくらい推進されているかを診断するもの(以下、「DX診断」という。)として説明する。
【0050】
まず、診断装置10は、ユーザ端末20からユーザ情報を取得する。ユーザ情報は、例えば、ユーザ端末20が、診断装置10にユーザ情報を送信する(ステップS110)。なお、ユーザ情報は、ユーザ端末20を操作するユーザの操作入力によって提供されることを想定しているが、これに限られない。例えば、担当者が事前に特定のユーザのユーザ情報を診断装置10に入力しておき、当該ユーザ情報へのリンク情報を担当者が当該特定のユーザに通知してもよい。このとき、ユーザは担当者から通知されたリンクを用いて診断装置10にアクセスすることで、担当者が入力したユーザ情報を用いてDX診断を開始することができる。これにより、ユーザが自身のユーザ情報を入力する手間を省くことができる。
【0051】
次に、ユーザがDX診断を受診する。診断装置10は、DX診断をするための複数の設問をユーザ端末20に提示する(ステップS111)。
【0052】
次に、ユーザ端末20は、設問に回答するユーザの操作入力に基づき、複数の設問に対する回答を示す回答情報を診断装置10に送信する(ステップS112)。
【0053】
次に、診断装置10は、取得した回答情報に基づき、所定の項目ごとの評価値を集計する。そして、診断装置10は、設問関連データベースD121を参照し、集計した評価値に基づき、所定の項目ごとの評価値の集計結果と、評価の低い項目に関するユーザの課題及び解決策と、を含むユーザ用画面T1を生成する(ステップS113)。
【0054】
続いて、ユーザ端末20は、ユーザ用画面T1を表示部に表示する(ステップS114)。なお、診断結果として表示される項目は、集計された評価値の昇順に並べて表示してもよい。これにより、スコアが低い項目をユーザが判別しやすくなり、優先度の高い課題を認識しやすくなる。
【0055】
ユーザによるDX診断が終了した後、担当者は担当者端末30から診断装置10にアクセスして、ユーザの診断結果の閲覧をリクエストすることができる(ステップS115)。
【0056】
診断装置10は、設問関連データベースD121を参照して、評価値の集計結果と、ユーザの課題及び解決策とに加えて、課題及び解決策に対応するソリューションを示す情報を含む担当者用画面T5を生成する(ステップS116)。
【0057】
続いて、担当者端末30は、担当者用画面T5を表示部に表示する(ステップS117)。なお、診断装置10は、ステップS113の後に、ユーザのDX診断が完了した旨を担当者端末30に通知してもよい。また、通知の際に、担当者が担当者用画面T5にアクセスするためのURLを送付してもよい。
【0058】
これにより、診断システム1は、診断によって所定の対象に関するユーザの現状を分析し、当該診断結果に応じた適切なソリューションに関する情報を担当者に提供することができる。
【0059】
<ハードウェア構成>
図9を参照して、診断装置10、ユーザ端末20、担当者端末30をコンピュータ1000により実現する場合のハードウェア構成の一例について説明する。
【0060】
図9は、コンピュータ1000のハードウェア構成の一例を示す図である。図9に示すように、コンピュータ1000は、例えば、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、入力I/F部1004と、データI/F部1005と、通信I/F部1006及び表示部1007を含む。
【0061】
プロセッサ1001は、メモリ1002に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ1000における各種の処理を制御する。
【0062】
メモリ1002は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ1002は、プロセッサ1001によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0063】
記憶装置1003は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置1003は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0064】
入力I/F部1004は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部1004の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等である。入力I/F部1004は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ1000に接続されてもよい。
【0065】
データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部1005の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部1005は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ1000へと接続される。
【0066】
通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部の装置と有線又は無線により、通信ネットワークNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部1006は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ1000に接続される。
【0067】
表示部1007は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示部1007の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示部1007は、コンピュータ1000の外部に設けられてもよい。その場合、表示部1007は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ1000に接続される。また、入力I/F部1004としてタッチパネルが採用される場合には、表示部1007は、入力I/F部1004と一体化して構成することが可能である。
【0068】
<まとめ>
本実施形態における診断装置10は、所定の対象に関する複数の設問に対する回答をユーザから取得する取得部101と、取得した回答に基づいて、所定の項目ごとの評価値を集計する集計部102と、集計された評価値に基づいて、所定の項目ごとの評価値の集計結果と、評価値が所定の閾値以下である項目に関するユーザの課題及び解決方法と、を含むユーザ用画面T1を、ユーザのユーザ端末20に表示させる表示処理部103と、を備える。表示処理部103は、ユーザ用画面T1に表示される内容に加え、課題及び解決策に対応するソリューションに関する情報を示す領域T6を含む担当者用画面T5を担当者端末30に表示させる。これにより、診断システム1は、診断結果に応じた適切なソリューションに関する情報を担当者に提供することができるため、所定の対象についてユーザを診断し、診断結果に応じて、ソリューションを提案することを支援する仕組みを提供することができる。
【0069】
診断装置10の取得部101はさらに、集計された評価値が所定の範囲にある項目について、ユーザの課題認識の度合いを示す課題認識情報を取得し、集計結果は、課題認識の度合いを図表に反映させた領域T2を含む。これにより、診断システム1は、集計した結果に対し、ユーザ自身の意向を反映させ、それを踏まえた診断結果を表示させることができる。
【0070】
担当者用画面T5におけるソリューションの詳細情報T7は、ソリューションの内容を表示するためのリンクT7a、当該ソリューションを提供する事業者に関する情報、及び当該ソリューションに関する資料の照会先を示すT7bの少なくともいずれかを含む。これにより、担当者用画面T5の領域T6に、ユーザの診断結果に応じた個々のソリューションに関する情報が表示されるため、担当者はユーザに対して適切なソリューションを提案することができる。
【0071】
また、担当者用画面T5における選択オブジェクトT8は、ソリューションがユーザに提案されたか否かを記録するためのオブジェクトT8aと、ユーザに当該ソリューションを紹介したか否かを記録するためのオブジェクトT8bと、を少なくとも含む。これにより、担当者用画面T5の領域T6における選択オブジェクトを操作入力することにより、個々のソリューションに関する実績の情報を記録することができる。
【0072】
診断装置10の表示処理部103はさらに、印刷装置に担当者用画面T5の印刷を要求するためのオブジェクトである印刷ボタンT9を担当者端末30に表示させる。これにより、診断装置10は、担当者が必要に応じて担当者用画面T5を印刷することをより簡便に行うことができる仕組みを提供できる。
【0073】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、シーケンス、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0074】
1…診断システム、10…診断装置、20…ユーザ端末(第1端末)、30…担当者端末(第2端末)、100…記憶部、101…取得部、102…集計部、103…表示処理部、200…記憶部、201…通信部、202…UI部、203…制御部、300…記憶部、301…通信部、302…UI部、303…制御部、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…記憶装置、1004…入力I/F部、1005…データI/F部、1006…通信I/F部、1007…表示部
【要約】
【課題】所定の対象についてユーザを診断し、診断結果に応じて、ソリューションを提案することを支援する仕組みを提供すること。
【解決手段】所定の対象に関する複数の設問に対する回答をユーザから取得する取得部と、前記取得した回答に基づいて、所定の項目ごとの評価値を集計する集計部と、前記集計された前記評価値に基づいて、前記所定の項目ごとの前記評価値の集計結果と、前記評価値が所定の閾値以下である項目に関する前記ユーザの課題及び解決方法と、を含む第1情報を、前記ユーザの第1端末に表示させる表示処理部と、を備え、前記表示処理部は、前記第1情報に加え、前記課題及び解決方法に応じたソリューションに関する情報を含む第2情報を、前記第1端末とは異なる第2端末に表示させる。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9