(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-27
(45)【発行日】2024-09-04
(54)【発明の名称】色情報提供装置、商品提供装置、色情報提供方法、商品提供方法、及び商品生産方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/90 20170101AFI20240828BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20240828BHJP
【FI】
G06T7/90 Z
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2024534588
(86)(22)【出願日】2023-12-28
(86)【国際出願番号】 JP2023047325
【審査請求日】2024-07-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】397060072
【氏名又は名称】スカパーJSAT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】清野 正一郎
(72)【発明者】
【氏名】花田 行弥
【審査官】伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-274320(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0063516(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00 - 16/958
G06Q 50/00 - 50/20
G06T 1/00 - 1/40
G06T 3/00 - 5/94
G06T 7/00 - 7/90
G06V 10/00 - 20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
CSDB(日本国特許庁)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
提供される色情報に含まれる色を用いて商品を製造する製造手段と、
前記商品に、前記色と対応付けられた関連情報を表示する表示手段と、
前記商品を、前記色と対応付けられた画像と関連付けて提供する商品提供手段と、
を含み、
前記色情報は、
所定の題材を含む
前記画像を取得する取得手段と、
前記画像に含まれる色を抽出する抽出手段と、
前記画像と、前記抽出された色と、当該色に紐付けられる地点に関連する関連情報とを、対応付けた色情報を記録する記録手段と、
前記色情報を提供する提供手段と、
を含む色情報提供装置
によって提供される、
商品提供装置。
【請求項2】
前記画像は、人工衛星によって撮影された衛星画像を含み、
前記関連情報は、前記色を抽出した地点に対応する地球上の位置を示す座標情報を含む、
請求項1に記載の
商品提供装置。
【請求項3】
前記関連情報は、前記地点に代えて、又は、前記地点に加えて、前記画像が取得又は撮影された時間を示す情報である時間情報を含む、
請求項1又は請求項2に記載の
商品提供装置。
【請求項4】
前記画像は、地上又は大気圏内から撮影された画像を含み、
前記関連情報は、前記画像を撮影した地点の地球上の位置を示す位置情報を含む、
請求項1に記載の
商品提供装置。
【請求項5】
前記抽出手段は、前記画像に含まれる色を参照して、色見本の中から色を抽出する、
請求項1に記載の
商品提供装置。
【請求項6】
前記取得手段は、前記所定の題材を含む画像を複数取得し、
前記記録手段は、前記複数の画像に基づいて抽出された複数の色情報を記録する、
請求項1に記載の
商品提供装置。
【請求項7】
提供される色情報に含まれる色を用いて商品を製造するステップと、
前記商品に、前記色と対応付けられた関連情報を表示するステップと、
前記商品を、前記色と対応付けられた画像と関連付けて提供するステップと、
を含み、
前記色情報は、
所定の題材を含む
前記画像を取得するステップと、
前記画像に含まれる色を抽出するステップと、
前記画像と、前記抽出された色と、当該色に紐付けられる地点に関連する関連情報とを、対応付けた色情報を記録するステップと、
前記色情報を提供するステップと、
を含む色情報提供方法
によって提供される、
商品提供方法。
【請求項8】
所定の題材を含む画像を取得する工程と、
前記画像に含まれる色を抽出する工程と、
前記画像と、前記抽出された色と、当該色に紐付けられる地点に関連する関連情報とを、対応付けた色情報に基づいて、当該色情報に含まれる色を用いた商品であって、前記色と対応付けられた関連情報を表示し、かつ、前記色と対応付けられた前記画像と関連付けられた商品を製造する工程と、
を含む商品生産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、色情報提供装置、商品提供装置、色情報提供方法、商品提供方法、及び商品生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なクレヨンや絵具等の美術用品の色は、例えば、日本工業規格(JIS)で定められた色名や色度基準値に基づいて採用される(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】“日本工業規格(JIS)におけるクレヨン・パスの色名と色見本”,[online],http://www.natubunko.net/color/toola04.html,[検索日 2023年8月21日]
【発明の概要】
【0004】
実際には、定められた色名の色だけではなく、名前が付けられていない色がいくつも存在する。そして、名前が付けられていない色を収集し、当該色を用いた商品を製造することができれば、色のバリエーションが豊かな商品を提供することが可能になる。
【0005】
そこで、本開示は、様々な色を収集し、当該色を用いた商品を効果的に提供することを目的とする。
【0006】
本開示の一態様に係る色情報提供装置は、所定の題材を含む画像を取得する取得手段と、前記画像に含まれる色を抽出する抽出手段と、前記画像と、前記抽出された色と、当該色に紐付けられる地点に関連する関連情報とを、対応付けた色情報を記録する記録手段と、前記色情報を提供する提供手段と、を含む。
【0007】
また、本開示の一態様に係る商品提供装置は、上述した色情報提供装置によって提供された色情報に含まれる色を用いて商品を製造する製造手段と、前記商品に、前記色と対応付けられた関連情報を表示する表示手段と、前記商品を、前記色と対応付けられた前記画像と関連付けて提供する商品提供手段と、
を含む。
【0008】
また、本開示の一態様に係る商品生産方法は、所定の題材を含む画像を取得する工程と、前記画像に含まれる色を抽出する工程と、前記画像と、前記抽出された色と、当該色に紐付けられる地点に関連する関連情報とを、対応付けた色情報に基づいて、当該色情報に含まれる色を用いた商品であって、前記色と対応付けられた関連情報を表示し、かつ、前記色と対応付けられた前記画像と関連付けられた商品を製造する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、様々な色を収集し、当該色を用いた商品を効果的に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る商品提供システム1のシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】色情報提供装置10の機能構成の一例を示す図である。
【
図3】商品提供装置20の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】色データベースD110の一例を示す図である。
【
図5】色情報提供装置10及び商品提供装置20における処理手順を示すシーケンス図である。
【
図6】コンピュータ1000のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0012】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係るシステムである商品提供システム1のシステム構成の一例を示す図である。
図1に示す商品提供システム1は、色情報提供装置10と、商品提供装置20とを備える。色情報提供装置10及び商品提供装置20は、インターネット、イントラネット、無線LAN又は移動通信等の通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。図示の都合により、色情報提供装置10、商品提供装置20は1つしか示されていないが、商品提供システム1は、色情報提供装置10と、商品提供装置20とのそれぞれを複数含んで構成されていてもよい。なお、本発明において、「手段」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「手段」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「手段」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「手段」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【0013】
色情報提供装置10は、例えば、所定の題材を含む画像に基づき、当該画像に含まれる色の中から所定の色を抽出して、当該色を含む情報を提供する情報処理装置である。色情報提供装置10は、1又は複数のコンピュータから構成されていてもよいし、仮想的なサーバ(クラウドサーバ等)を用いて構成されていてもよい。
【0014】
商品提供装置20は、例えば、色情報提供装置10から提供される色情報に含まれる色を用いた商品を製造し、消費者等に提供する情報処理装置である。商品提供装置20は、1又は複数のコンピュータから構成されていてもよいし、仮想的なサーバ(クラウドサーバ等)を用いて構成されていてもよい。
【0015】
<機能構成>
(色情報提供装置)
色情報提供装置10について説明する。
図2は、色情報提供装置10の機能構成の一例を示す図である。色情報提供装置10は、取得手段101と、抽出手段102と、記録手段103と、提供手段104と、を含む。これらの各手段は、例えば、
図6に示すメモリ1002等の記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサ1001が実行したりすることにより実現される。また、色情報提供装置10に含まれる各手段の一部又は全部を、人手を介した作業に代替してもよい。
【0016】
取得手段101は、所定の題材を含む画像を取得する機能を備える。
【0017】
「所定の題材」とは、抽出する色を定めるためのテーマであって、例えば、地球上に存在するものを題材としてよい。具体的には、題材は、「海」や「山」といった自然の地域や地形であってよい。また、題材は、「水族館」や「街」等の施設や区域であってもよい。
【0018】
例えば、海を題材にする場合、取得手段101は、地球上のいくつかの海域を人工衛星によって写した衛星画像を取得してよい。
【0019】
衛星画像は、人工衛星によって得られた観測データを画像化したものである。衛星画像は、地球上の海や山等の自然が表す色を、宇宙の視点から捉えることができる。
【0020】
また、取得手段101が取得する画像は、地上又は大気圏内から撮影されたものであってもよい。すなわち、取得手段101が取得する画像は、カメラやスマートフォンによって撮影された景色の画像や、写真から読み取られた画像を含んでもよい。このような画像は、上述した衛星画像と異なり、地上の人の視点から、自然や建造物、街等の景色が表す色を捉えることができる。
【0021】
以下では、所定の題材を含む画像を、「題材画像」ということとする。
【0022】
取得手段101は、例えば、情報処理装置で取り扱い可能なデータ形式(JPEG、GeoTIFF等)の題材画像を、有線通信や無線通信によって取得してもよい。題材画像は、例えば、衛星画像を取り扱う事業者のサーバから取得してもよいし、題材画像を保有する者の端末から取得してもよい。
【0023】
また、取得手段101は、複数の題材画像を取得してもよい。
【0024】
抽出手段102は、取得した題材画像に含まれる色を抽出する。例えば、題材画像に含まれる特定のピクセルの色が何色であるかを、当該ピクセルのRGB値に基づいて色を抽出することを含む。抽出手段102は、所定の基準に基づく処理を実行することで当該ピクセルを選択してもよい。また、抽出手段102は、題材画像を見る人の判断によって選択されたピクセルに基づいて、色の抽出が行われることとしてもよい。
【0025】
また、抽出手段102は、題材画像に含まれる一部又は全部の領域を参照して、色見本の中から当該領域を象徴する色を抽出してもよい。例えば、当該領域を全体として見たときに、色見本の中のいずれの色のイメージに近いかを判定することを含む。
【0026】
「色見本」とは、例えば、色相順に色を配置し、明度,彩度の順番に変化させた色を順番に並べ表したものであり、サンプルを本状に束ねたものやデータ形式のものを含む。
【0027】
また、抽出手段102は、所定の基準に基づく処理を実行することで、適切な色見本を判定してもよい。さらに、抽出手段102は、人が目視で選択した色見本に基づいて、色見本の判定をすることとしてもよい。
【0028】
記録手段103は、取得手段101によって取得された題材画像と、抽出手段102によって抽出された色と、当該色に関連する情報である関連情報と、を対応付けて、「色情報」としてデータベース(以下、「色データベース」という。)に記録する。
【0029】
また、記録手段103は、複数の題材画像に基づいて、複数の色情報を当該色データベースに記録してもよい。
【0030】
「関連情報」は、色に紐づけられる地点に関連する情報であって、例えば、色を抽出した地点に対応する地球上の位置を示す座標情報を含む。座標情報は、緯度情報及び経度情報であってよい。
【0031】
また、関連情報は、題材画像を撮影した撮影者や撮影機器の地点と対応する位置情報を含んでもよい。位置情報は、例えば、GPS(Global Positioning System)によって得られる情報、当該場所を郵便番号の単位で示す情報、住所の単位で示す情報等であってもよい。
【0032】
また、関連情報は、題材画像が取得された時刻ないし時間を示す情報(以下、「時間情報」という。)を含んでもよい。また、時間情報は、年の単位、月の単位、日の単位、その他の粒度で示される情報であってよい。
【0033】
ここで、色データベースについて説明する。
図4は、色データベースD110の一例を示す図である。
【0034】
色データベースD110は、例えば、題材画像と、題材画像から抽出した色と、当該色の関連情報とを対応づけて格納するデータベースである。
図4に示すように、色データベースD110は、例えば、[題材]、[場所]、[画像]、[色]、[座標情報]、[時間情報]、[位置情報]、[説明文]の項目を含む。題材D11には、例えば、抽出する色を定めるためのテーマを示す情報が格納される。場所D12には、例えば、撮影された題材画像の場所を示す名称が格納される。画像D13には、題材画像のデータを示す情報が格納される。色D14には、例えば、題材画像から抽出された色を示す情報が格納される。色を示す情報とは、例えば、色見本におけるカラーチップの識別符号や、RGB値である。座標情報D15には、例えば、題材画像から抽出された色が表れている地点に対応する座標を示す情報が格納される。位置情報D16には、例えば、題材画像が撮影された地点の位置に関する情報が格納される。時間情報D17には、例えば、題材画像が取得された日時を示す情報が格納される。説明文D18には、例えば、当該色の題材となった場所の情報や、当該場所に当該色が表れた背景についての説明が格納される。
【0035】
このように、記録手段103は、題材画像から抽出された色が、どのような色であるかを色データベースD110に記録する。これにより、例えば、情報処理装置を用いて、題材に基づく色情報を読み出すことが可能になる。
【0036】
提供手段104は、色情報を提供する機能を備える。提供手段104は、例えば、色データベースD110に格納されている色情報を、商品提供装置20に送信する。また、提供手段104は、色データベースD110に色情報を格納することを介さず、商品提供装置20に色情報を送信してもよい。
【0037】
(商品提供装置)
商品提供装置20について説明する。
図3は、商品提供装置20の機能構成の一例を示す図である。商品提供装置20は、製造手段201と、表示手段202と、商品提供手段203と、を含む。これらの各手段は、例えば、
図6に示すメモリ1002等の記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサ1001が実行することにより実現される。また、商品提供装置20に含まれる各手段の一部又は全部を、人手を介した作業に代替してもよい。
【0038】
製造手段201は、色情報提供装置10から提供された色情報に含まれる色を用いて商品を製造する手段である。製造手段201は、例えば、商品を製造するシステムや設備を含むが、これに限られず、人手によって商品を製造するものを含む。
【0039】
例えば、製造手段201は、
図4に示す色データベースD110から、「海」を題材とした色情報に含まれる「バハマのエルーセラ島西部」に関する色である「DIC-d」を、製造する商品に用いる色として採用し、当該商品を製造する。
【0040】
「商品」は、例えば、クレヨン、絵具等の美術用品である。また、商品は、水筒、衣服、雑貨等であってもよいが、これらに限られない。
【0041】
表示手段202は、製造手段201によって製造された商品に、当該商品に用いられている色と対応付けられた関連情報を表示する。表示手段202は、例えば、製造された商品に、緯度情報及び経度情報を印字することによって、関連情報を表示することとしてよい。また、例えば、表示手段202は、商品の形状によって当該関連情報を表現するものを含んでいてもよい。表示手段202は、例えば、関連情報を表示するためのシステムや設備を含むが、これに限られず、人手によって情報を表示するものを含む。なお、製造手段201が、表示手段202の機能を備えるものとし、製造中の任意のタイミングで関連情報を商品に表示してもよい。
【0042】
例えば、表示手段202は、
図4に示す色情報に含まれる「DIC-d」の色に対応する関連情報である座標情報(24.98503,-76.36213)を、当該色を用いて製造された商品に表示する。これにより、当該商品に用いられている色の由来となった場所に関連する情報を当該商品に表示することが可能になる。
【0043】
商品提供手段203は、製造された商品を、当該商品に用いられる色と対応付けられた題材画像と関連付けて提供する。商品提供手段203は、例えば、商品を提供するためのシステムや設備を含むが、これに限られず、人手によって商品を提供するものを含む。
【0044】
例えば、商品提供手段203は、「海」を題材に製造した商品を提供する場合、当該商品に用いられた色の題材画像(衛星画像、写真、映像等)を、当該商品と関連付けて提供する。具体的には、当該商品の包装や、当該商品を紹介するWebページに、当該商品に用いられている色の抽出元となった海域の衛星画像やそのリンクを表示して消費者に提供する。これにより、当該消費者は、当該商品に用いられている色と、当該色が抽出された場所の画像を対比することができる。
【0045】
以上説明した機能構成について、色情報提供装置10は、商品提供装置20に含まれる製造手段201と、表示手段202と、商品提供手段203と、のうち一部又は全部を備える構成としてもよい。商品提供装置20は、色情報提供装置10に含まれる取得手段101と、抽出手段102と、記録手段103と、提供手段104と、色データベースD110とのうち一部又は全部を備える構成としてもよい。すなわち、本実施形態に係る各種処理及び各手段は、色情報提供装置10で実行してもよいし、商品提供装置20で実行してもよいし、色情報提供装置10及び商品提供装置20が連携して実行してもよい。また、色データベースD110は、色情報提供装置10及び商品提供装置20の外部に位置する構成としてもよい。さらに、色情報提供装置10、商品提供装置20の各手段は、複数台の装置に分けて実現してもよい。
【0046】
<処理手順>
図5を参照し、商品提供システム1において色情報提供装置10及び商品提供装置20が行う具体的な商品生産の処理手順を説明する。
図5は、色情報提供装置10及び商品提供装置20における処理手順を示すシーケンス図である。
【0047】
まず、色情報提供装置10において、取得手段101が、題材画像を取得する(ステップS01)。例えば、「海」を題材にする場合、地球上の海域を人工衛星によって写した衛星画像を取得する。
【0048】
次に、抽出手段102が、取得した題材画像に含まれる色を抽出する(ステップS02)。例えば、取得した海の衛星画像に含まれる特定のピクセルを選択して、当該ピクセルの色を抽出する。当該抽出は、例えば、色見本に基づき、選択されたピクセルの色がいずれの色であるかを判定してもよい。
【0049】
次に、記録手段103が、題材画像と、抽出した色と、当該色の関連情報と、を対応づけた色情報を色データベースD110に記録する(ステップS03)。例えば、
図4に示すように、「バハマのエルーセラ島西部」の海の衛星画像と、当該衛星画像から抽出した色(DIC-d)と、当該色を抽出した地点に対応する座標情報(24.98503,-76.36213)と、を対応付けて色データベースD110に記録する。
【0050】
そして、提供手段104が、上述した色情報を提供する(ステップS04)。例えば、色データベースD110に格納されている色情報を、商品提供装置20に送信する。
【0051】
続いて、商品提供装置20において、色情報提供装置10によって提供された色情報に含まれる色を用いて商品を製造する(ステップS05)。例えば、
図4に示すように、当該色情報に含まれる色が「DIC-d」である場合、製造手段201によって、当該色を用いてクレヨンを製造する。
【0052】
次に、商品提供装置20は、製造された商品に、当該商品に用いられた色と対応付けられた関連情報を表示する(ステップS06)。例えば、製造したクレヨンに用いられる色が
図4に示す「DIC-d」であれば、表示手段202によって、当該色と対応付けられた関連情報である座標情報(24.98503,-76.36213)を表示する。当該表示は、製造される商品に応じた態様で表示する。例えば、クレヨンを製造する場合、クレヨン本体に座標情報を印字してもよい。
【0053】
最後に、商品提供装置20は、商品提供手段203によって、関連情報を表示した商品を、当該商品に用いられた色と対応付けられた画像である題材画像とを関連付けて提供する(ステップS07)。例えば、「海」を題材にして複数のクレヨンをまとめた商品を提供する場合、当該商品の包装や、当該商品を紹介するWebページに、それぞれのクレヨンに用いられている色の抽出元となった海域の衛星画像を表示して、当該商品と一緒に提供する。このようにして、例えば、消費者が当該商品のうち、「座標「24.98503,-76.36213の色」」のクレヨンを手に取る場合、当該座標を含む「バハマのエルーセラ島西部」の海の衛星画像を併せて見ることができ、その色の抽出元である地球上の場所を具体的に意識することができる。
【0054】
<ハードウェア構成>
図6を参照して、色情報提供装置10、商品提供装置20をコンピュータ1000により実現する場合のハードウェア構成の一例について説明する。
【0055】
図6は、コンピュータ1000のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6に示すように、コンピュータ1000は、例えば、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、入力I/F部1004と、データI/F部1005と、通信I/F部1006及び表示部1007を含む。
【0056】
プロセッサ1001は、メモリ1002に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ1000における各種の処理を制御する制御部である。
【0057】
メモリ1002は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ1002は、プロセッサ1001によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0058】
記憶装置1003は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置1003は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0059】
入力I/F部1004は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部1004の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等である。入力I/F部1004は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ1000に接続されてもよい。
【0060】
データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部1005の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部1005は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ1000へと接続される。
【0061】
通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部1006は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ1000に接続される。
【0062】
表示部1007は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示部1007の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示部1007は、コンピュータ1000の外部に設けられてもよい。その場合、表示部1007は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ1000に接続される。また、入力I/F部1004としてタッチパネルが採用される場合には、表示部1007は、入力I/F部1004と一体化して構成することが可能である。
【0063】
<まとめ>
以上説明した実施形態によれば、色情報提供装置10は、題材画像に含まれる色を抽出し、題材画像と、抽出された色と、当該色の関連情報と、を対応付けた色情報を記録し、提供する。これにより、名前が付けられていない色を収集し、提供することが可能になる。また、商品提供装置20は、収集した色を用いた商品を製造し、当該色の関連情報を表示した当該商品と、当該色の題材画像と、を関連付けて提供する。これにより、収集された色を用いた商品を、効果的に提供することが可能になる。
【0064】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、シーケンス、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0065】
1…商品提供システム、10…色情報提供装置、20…商品提供装置、101…取得手段、102…抽出手段、103…記録手段、104…提供手段、201…製造手段、202…表示手段、203…商品提供手段、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…記憶装置、1004…入力I/F部、1005…データI/F部、1006…通信I/F部、1007…表示部。
【要約】
様々な色を収集し、当該色を用いた商品を効果的に提供する。所定の題材を含む画像を取得する取得手段と、前記画像に含まれる色を抽出する抽出手段と、前記画像と、前記抽出された色と、当該色に紐付けられる地点に関連する関連情報とを、対応付けた色情報を記録する記録手段と、前記色情報を提供する提供手段と、を含む色情報提供装置を提供する。