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特許7545633印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240829BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
G06F3/12 370
G06F3/12 305
G06F3/12 331
G06F3/12 353
H04N1/00 127B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020132467
(22)【出願日】2020-08-04
(65)【公開番号】P2022029230
(43)【公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】同前 和樹
(72)【発明者】
【氏名】宮本 京勲
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-293554(JP,A)
【文献】特開2008-250689(JP,A)
【文献】特開2014-102621(JP,A)
【文献】特開2016-051327(JP,A)
【文献】特開2009-146317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00- 29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホットフォルダーの配下に存在する特定のファイル形式のファイルとしての特定形式ファイルに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成部と、
前記印刷ジョブ生成部によって生成された前記印刷ジョブを送信する印刷ジョブ送信部と
前記ホットフォルダーを生成するホットフォルダー生成部と
を備え、
前記印刷ジョブ送信部は、前記特定形式ファイルに基づいた前記印刷ジョブの送信先のIPアドレスおよびポート番号を、前記特定形式ファイルの上位の階層の前記ホットフォルダーのフォルダー名から、特定の規則に基づいて取得し、
前記ホットフォルダー生成部は、前記送信先との通信において使用する前記IPアドレスおよび前記ポート番号に基づいて前記ホットフォルダーの前記フォルダー名を前記特定の規則に応じて生成することを特徴とする印刷ジョブ送信装置。
【請求項2】
前記印刷ジョブに適用する、前記印刷ジョブの設定としてのジョブ設定を決定するジョブ設定決定部を備え、
前記印刷ジョブ生成部は、前記ジョブ設定決定部によって決定された前記ジョブ設定を付与した前記印刷ジョブを生成し、
前記ジョブ設定決定部は、ディレクトリーの階層構造において、前記特定形式ファイルの上位の階層の前記ホットフォルダーの直下から、この特定形式ファイルの直上のディレクトリーの直下までに存在する、前記ジョブ設定のファイルとしてのジョブ設定ファイルに示される前記ジョブ設定を、上位の階層のディレクトリーのものから順に上書きすることによって、この特定形式ファイルに基づいた前記印刷ジョブに適用する前記ジョブ設定を決定することを特徴する請求項1に記載の印刷ジョブ送信装置。
【請求項3】
前記印刷ジョブに適用する、前記印刷ジョブの設定としてのジョブ設定を決定するジョブ設定決定部を備え、
前記印刷ジョブ生成部は、前記ジョブ設定決定部によって決定された前記ジョブ設定を付与した前記印刷ジョブを生成し、
前記ジョブ設定決定部は、特定の前記ジョブ設定用のディレクトリーであって、名称がこのジョブ設定に対応付けられている特定ジョブ設定用ディレクトリーの配下に前記特定形式ファイルが存在する場合、前記特定ジョブ設定用ディレクトリーの名称に対応付けられている前記ジョブ設定を、この特定形式ファイルに基づいた前記印刷ジョブに適用する前記ジョブ設定として決定することを特徴する請求項1に記載の印刷ジョブ送信装置。
【請求項4】
ホットフォルダーの配下に存在する特定のファイル形式のファイルとしての特定形式ファイルに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成部と、
前記印刷ジョブ生成部によって生成された前記印刷ジョブを送信する印刷ジョブ送信部と、
前記印刷ジョブに適用する、前記印刷ジョブの設定としてのジョブ設定を決定するジョブ設定決定部と
を備え、
前記印刷ジョブ送信部は、前記特定形式ファイルに基づいた前記印刷ジョブの送信先のIPアドレスおよびポート番号を、前記特定形式ファイルの上位の階層の前記ホットフォルダーのフォルダー名から、特定の規則に基づいて取得し、
前記印刷ジョブ生成部は、前記ジョブ設定決定部によって決定された前記ジョブ設定を付与した前記印刷ジョブを生成し、
前記ジョブ設定決定部は、ディレクトリーの階層構造において、前記特定形式ファイルの上位の階層の前記ホットフォルダーの直下から、この特定形式ファイルの直上のディレクトリーの直下までに存在する、前記ジョブ設定のファイルとしてのジョブ設定ファイルに示される前記ジョブ設定を、上位の階層のディレクトリーのものから順に上書きすることによって、この特定形式ファイルに基づいた前記印刷ジョブに適用する前記ジョブ設定を決定することを特徴とする印刷ジョブ送信装置。
【請求項5】
ホットフォルダーの配下に存在する特定のファイル形式のファイルとしての特定形式ファイルに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成部と、
前記印刷ジョブ生成部によって生成された前記印刷ジョブを送信する印刷ジョブ送信部と、
前記印刷ジョブに適用する、前記印刷ジョブの設定としてのジョブ設定を決定するジョブ設定決定部と
を備え、
前記印刷ジョブ送信部は、前記特定形式ファイルに基づいた前記印刷ジョブの送信先のIPアドレスおよびポート番号を、前記特定形式ファイルの上位の階層の前記ホットフォルダーのフォルダー名から、特定の規則に基づいて取得し、
前記印刷ジョブ生成部は、前記ジョブ設定決定部によって決定された前記ジョブ設定を付与した前記印刷ジョブを生成し、
前記ジョブ設定決定部は、特定の前記ジョブ設定用のディレクトリーであって、名称がこのジョブ設定に対応付けられている特定ジョブ設定用ディレクトリーの配下に前記特定形式ファイルが存在する場合、前記特定ジョブ設定用ディレクトリーの名称に対応付けられている前記ジョブ設定を、この特定形式ファイルに基づいた前記印刷ジョブに適用する前記ジョブ設定として決定することを特徴とする印刷ジョブ送信装置。
【請求項6】
ホットフォルダーの配下に存在する特定のファイル形式のファイルとしての特定形式ファイルに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成部と、
前記印刷ジョブ生成部によって生成された前記印刷ジョブを送信する印刷ジョブ送信部と、
前記ホットフォルダーを生成するホットフォルダー生成部と
をコンピューターに実現させ、
前記印刷ジョブ送信部は、前記特定形式ファイルに基づいた前記印刷ジョブの送信先のIPアドレスおよびポート番号を、前記特定形式ファイルの上位の階層の前記ホットフォルダーのフォルダー名から、特定の規則に基づいて取得し、
前記ホットフォルダー生成部は、前記送信先との通信において使用する前記IPアドレスおよび前記ポート番号に基づいて前記ホットフォルダーの前記フォルダー名を前記特定の規則に応じて生成することを特徴とする印刷ジョブ送信プログラム。
【請求項7】
ホットフォルダーの配下に存在する特定のファイル形式のファイルとしての特定形式ファイルに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成部と、
前記印刷ジョブ生成部によって生成された前記印刷ジョブを送信する印刷ジョブ送信部と、
前記印刷ジョブに適用する、前記印刷ジョブの設定としてのジョブ設定を決定するジョブ設定決定部と
をコンピューターに実現させ、
前記印刷ジョブ送信部は、前記特定形式ファイルに基づいた前記印刷ジョブの送信先のIPアドレスおよびポート番号を、前記特定形式ファイルの上位の階層の前記ホットフォルダーのフォルダー名から、特定の規則に基づいて取得し、
前記印刷ジョブ生成部は、前記ジョブ設定決定部によって決定された前記ジョブ設定を付与した前記印刷ジョブを生成し、
前記ジョブ設定決定部は、ディレクトリーの階層構造において、前記特定形式ファイルの上位の階層の前記ホットフォルダーの直下から、この特定形式ファイルの直上のディレクトリーの直下までに存在する、前記ジョブ設定のファイルとしてのジョブ設定ファイルに示される前記ジョブ設定を、上位の階層のディレクトリーのものから順に上書きすることによって、この特定形式ファイルに基づいた前記印刷ジョブに適用する前記ジョブ設定を決定することを特徴とする印刷ジョブ送信プログラム。
【請求項8】
ホットフォルダーの配下に存在する特定のファイル形式のファイルとしての特定形式ファイルに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成部と、
前記印刷ジョブ生成部によって生成された前記印刷ジョブを送信する印刷ジョブ送信部と、
前記印刷ジョブに適用する、前記印刷ジョブの設定としてのジョブ設定を決定するジョブ設定決定部と
をコンピューターに実現させ、
前記印刷ジョブ送信部は、前記特定形式ファイルに基づいた前記印刷ジョブの送信先のIPアドレスおよびポート番号を、前記特定形式ファイルの上位の階層の前記ホットフォルダーのフォルダー名から、特定の規則に基づいて取得し、
前記印刷ジョブ生成部は、前記ジョブ設定決定部によって決定された前記ジョブ設定を付与した前記印刷ジョブを生成し、
前記ジョブ設定決定部は、特定の前記ジョブ設定用のディレクトリーであって、名称がこのジョブ設定に対応付けられている特定ジョブ設定用ディレクトリーの配下に前記特定形式ファイルが存在する場合、前記特定ジョブ設定用ディレクトリーの名称に対応付けられている前記ジョブ設定を、この特定形式ファイルに基づいた前記印刷ジョブに適用する前記ジョブ設定として決定することを特徴とする印刷ジョブ送信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ジョブを送信する印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷を実行する画像形成装置と、画像形成装置に印刷ジョブを送信する印刷ジョブ送信装置とを備えている画像形成システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この印刷ジョブ送信装置は、ホットフォルダーを備えており、ホットフォルダーに特定のファイル形式のファイルが置かれた場合に、このファイルに基づいた印刷ジョブを、このホットフォルダーに関連付けられた画像形成装置に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-293554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の印刷ジョブ送信装置においては、ホットフォルダーに画像形成装置を関連付ける作業が煩雑であるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、印刷ジョブの送信先をホットフォルダーに関連付ける作業を容易化することができる印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印刷ジョブ送信装置は、ホットフォルダーの配下に存在する特定のファイル形式のファイルとしての特定形式ファイルに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成部と、前記印刷ジョブ生成部によって生成された前記印刷ジョブを送信する印刷ジョブ送信部とを備え、前記印刷ジョブ送信部は、前記特定形式ファイルに基づいた前記印刷ジョブの送信先のIPアドレスおよびポート番号を、前記特定形式ファイルの上位の階層の前記ホットフォルダーのフォルダー名から、特定の規則に基づいて取得することを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の印刷ジョブ送信装置は、特定形式ファイルに基づいた印刷ジョブの送信先のIPアドレスおよびポート番号を、特定形式ファイルの上位の階層のホットフォルダーのフォルダー名から、特定の規則に基づいて取得するので、特定形式ファイルの上位の階層のホットフォルダーのフォルダー名によって印刷ジョブの送信先をホットフォルダーに関連付けることができ、その結果、印刷ジョブの送信先をホットフォルダーに関連付ける作業を容易化することができる。
【0008】
本発明の印刷ジョブ送信装置は、前記ホットフォルダーを生成するホットフォルダー生成部を備え、前記ホットフォルダー生成部は、前記送信先との通信において使用する前記IPアドレスおよび前記ポート番号に基づいて前記ホットフォルダーの前記フォルダー名を前記特定の規則に応じて生成しても良い。
【0009】
この構成により、本発明の印刷ジョブ送信装置は、送信先との通信において使用するIPアドレスおよびポート番号に基づいてホットフォルダーのフォルダー名を特定の規則に応じて生成するので、ホットフォルダーの生成を容易化することができる。
【0010】
本発明の印刷ジョブ送信装置は、前記印刷ジョブに適用する、前記印刷ジョブの設定としてのジョブ設定を決定するジョブ設定決定部を備え、前記印刷ジョブ生成部は、前記ジョブ設定決定部によって決定された前記ジョブ設定を付与した前記印刷ジョブを生成し、前記ジョブ設定決定部は、ディレクトリーの階層構造において、前記特定形式ファイルの上位の階層の前記ホットフォルダーの直下から、この特定形式ファイルの直上のディレクトリーの直下までに存在する、前記ジョブ設定のファイルとしてのジョブ設定ファイルに示される前記ジョブ設定を、上位の階層のディレクトリーのものから順に上書きすることによって、この特定形式ファイルに基づいた前記印刷ジョブに適用する前記ジョブ設定を決定しても良い。
【0011】
この構成により、本発明の印刷ジョブ送信装置は、ディレクトリーの階層構造において、特定形式ファイルの上位の階層のホットフォルダーの直下から、この特定形式ファイルの直上のディレクトリーの直下までに存在するジョブ設定ファイルに示されるジョブ設定を、上位の階層のディレクトリーのものから順に上書きすることによって、この特定形式ファイルに基づいた印刷ジョブに適用するジョブ設定を決定するので、ディレクトリーの階層構造において、特定形式ファイルの上位の階層のホットフォルダーから、この特定形式ファイルの直上のディレクトリーまでのいずれかのディレクトリーの直下にジョブ設定ファイルを配置することによって、この特定形式ファイルに基づいた印刷ジョブにジョブ設定を適用することができ、その結果、印刷ジョブへのジョブ設定の適用を容易化することができる。
【0012】
本発明の印刷ジョブ送信装置は、前記印刷ジョブに適用する、前記印刷ジョブの設定としてのジョブ設定を決定するジョブ設定決定部を備え、前記印刷ジョブ生成部は、前記ジョブ設定決定部によって決定された前記ジョブ設定を付与した前記印刷ジョブを生成し、前記ジョブ設定決定部は、特定の前記ジョブ設定用のディレクトリーであって、名称がこのジョブ設定に対応付けられている特定ジョブ設定用ディレクトリーの配下に前記特定形式ファイルが存在する場合、前記特定ジョブ設定用ディレクトリーの名称に対応付けられている前記ジョブ設定を、この特定形式ファイルに基づいた前記印刷ジョブに適用する前記ジョブ設定として決定しても良い。
【0013】
この構成により、本発明の印刷ジョブ送信装置は、特定ジョブ設定用ディレクトリーの配下に特定形式ファイルが存在する場合、この特定ジョブ設定用ディレクトリーの名称に対応付けられているジョブ設定を、この特定形式ファイルに基づいた印刷ジョブに適用するジョブ設定として決定するので、特定ジョブ設定用ディレクトリーの配下に特定形式ファイルを配置することによって、この特定形式ファイルに基づいた印刷ジョブにジョブ設定を適用することができ、その結果、印刷ジョブへのジョブ設定の適用を容易化することができる。
【0014】
本発明の印刷ジョブ送信プログラムは、ホットフォルダーの配下に存在する特定のファイル形式のファイルとしての特定形式ファイルに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成部と、前記印刷ジョブ生成部によって生成された前記印刷ジョブを送信する印刷ジョブ送信部とをコンピューターに実現させ、前記印刷ジョブ送信部は、前記特定形式ファイルに基づいた前記印刷ジョブの送信先のIPアドレスおよびポート番号を、前記特定形式ファイルの上位の階層の前記ホットフォルダーのフォルダー名から、特定の規則に基づいて取得することを特徴とする。
【0015】
この構成により、本発明の印刷ジョブ送信プログラムを実行するコンピューターは、特定形式ファイルに基づいた印刷ジョブの送信先のIPアドレスおよびポート番号を、特定形式ファイルの上位の階層のホットフォルダーのフォルダー名から、特定の規則に基づいて取得するので、特定形式ファイルの上位の階層のホットフォルダーのフォルダー名によって印刷ジョブの送信先をホットフォルダーに関連付けることができ、その結果、印刷ジョブの送信先をホットフォルダーに関連付ける作業を容易化することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラムは、印刷ジョブの送信先をホットフォルダーに関連付ける作業を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成システムのブロック図である。
図2図1に示す画像形成装置のブロック図である。
図3図1に示す印刷ジョブ送信装置のブロック図である。
図4】ホットフォルダーを生成する場合の図3に示す印刷ジョブ送信装置の動作のフローチャートである。
図5図4に示す動作によって生成されたホットフォルダーの一例を示す図である。
図6図5に示すホットフォルダーの直下に生成された特定ジョブ設定用ディレクトリーの一例を示す図である。
図7図6に示すホットフォルダーの直下に生成された通常ディレクトリーの一例を示す図である。
図8図7に示すホットフォルダーの配下に生成されたジョブ設定ファイルの一例を示す図である。
図9】ホットフォルダーの配下にPDFファイルが置かれた場合の図3に示す印刷ジョブ送信装置の動作のフローチャートである。
図10図9に示す印刷ジョブ生成処理の一部のフローチャートである。
図11図10に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
図12】(a)図3に示すジョブ設定初期値情報に示されるジョブ設定の初期値の一例を示す図である。 (b)図8に示す「11.111.11.111_80」というフォルダー名のホットフォルダーの直下の「jt.xjdf」というファイル名のジョブ設定ファイルに示されるジョブ設定の一例を示す図である。 (c)図8に示す「ポスター印刷用」という名称のディレクトリーの直下の「jt.xjdf」というファイル名のジョブ設定ファイルに示されるジョブ設定の一例を示す図である。 (d)図8に示すHoldディレクトリーの直下の「jt.xjdf」というファイル名のジョブ設定ファイルに示されるジョブ設定の一例を示す図である。
図13】(a)図10に示すS144において決定されるジョブ設定の一例を示す図である。 (b)図11に示すS147において決定されるジョブ設定の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0019】
まず、本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの構成について説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム10のブロック図である。
【0021】
図1に示すように、画像形成システム10は、印刷を実行する画像形成装置20を備えている。画像形成システム10は、画像形成装置20と同様の構成の画像形成装置を、画像形成装置20以外に少なくとも1つ備えることが可能である。画像形成装置は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral)、プロダクションプリンターなどによって構成されている。
【0022】
画像形成システム10は、画像形成装置に印刷ジョブを送信するコンピューターとしての印刷ジョブ送信装置30を備えている。画像形成システム10は、印刷ジョブ送信装置30と同様の構成の印刷ジョブ送信装置を、印刷ジョブ送信装置30以外に少なくとも1つ備えることが可能である。印刷ジョブ送信装置30は、例えば、PC(Personal Computer)によって構成されている。
【0023】
画像形成システム10における画像形成装置と、画像形成システム10における印刷ジョブ送信装置とは、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク11経由で互いに通信可能である。
【0024】
図2は、画像形成装置20のブロック図である。
【0025】
図2に示すように、画像形成装置20は、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作デバイスである操作部21と、種々の情報を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、用紙などの記録媒体に画像を印刷する印刷デバイスであるプリンター23と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部24と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部25と、画像形成装置20全体を制御する制御部26とを備えている。
【0026】
制御部26は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、制御部26のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAM(Random Access Memory)とを備えている。制御部26のCPUは、記憶部25または制御部26のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0027】
図3は、印刷ジョブ送信装置30のブロック図である。
【0028】
図3に示すように、印刷ジョブ送信装置30は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部31と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部32と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部33と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部34と、印刷ジョブ送信装置30全体を制御する制御部35とを備えている。
【0029】
記憶部34は、印刷ジョブを送信するための印刷ジョブ送信プログラム34aを記憶している。印刷ジョブ送信プログラム34aは、例えば、印刷ジョブ送信装置30の製造段階で印刷ジョブ送信装置30にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの外部の記憶媒体から印刷ジョブ送信装置30に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から印刷ジョブ送信装置30に追加でインストールされても良い。印刷ジョブ送信プログラム34aは、印刷ジョブ送信装置30にインストールされている図示していない文書管理サーバーを操作するためのユーティリティーツールである。
【0030】
記憶部34は、画像形成装置との通信に使用されるデフォルトのポート番号を示すデフォルトポート情報34bを記憶している。例えば、制御部35は、印刷ジョブ送信プログラム34aを実行することによって、操作部31から入力された指示に応じて、デフォルトポート情報34bの内容を更新することが可能である。
【0031】
記憶部34は、印刷ジョブの設定としてのジョブ設定の初期値を示すジョブ設定初期値情報34cを記憶している。例えば、制御部35は、印刷ジョブ送信プログラム34aを実行することによって、操作部31から入力された指示に応じて、ジョブ設定初期値情報34cの内容を更新することが可能である。
【0032】
記憶部34は、特定のジョブ設定と、このジョブ設定用のディレクトリー(以下「特定ジョブ設定用ディレクトリー」という。)の名称との対応関係を示す特定ジョブ設定用ディレクトリー名称情報34dを記憶している。例えば、制御部35は、印刷ジョブ送信プログラム34aを実行することによって、操作部31から入力された指示に応じて、特定ジョブ設定用ディレクトリー名称情報34dの内容を更新することが可能である。
【0033】
なお、特定ジョブ設定用ディレクトリーには、例えば、印刷ジョブが画像形成装置に受信された場合に、この印刷ジョブに応じた印刷の実行を画像形成装置に待機させるジョブ設定であるHold設定用のHoldディレクトリーが存在する。例えば、印刷ジョブ送信装置30の利用者は、Hold設定が付与された複数の印刷ジョブが画像形成装置に溜まっている場合、これらの印刷ジョブの実行を、この画像形成装置に印刷ジョブ送信プログラム34a経由で指示することによって、これらの印刷ジョブを、この画像形成装置に一斉に実行させることができる。
【0034】
また、特定ジョブ設定用ディレクトリーには、Holdディレクトリー以外のディレクトリーも存在する。例えば、特定ジョブ設定用ディレクトリーには、画像形成装置にカラー印刷を実行させるジョブ設定用のディレクトリーや、画像形成装置にモノクロ印刷を実行させるジョブ設定用のディレクトリーが存在する。
【0035】
制御部35は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部35のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部35のCPUは、記憶部34または制御部35のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0036】
制御部35は、印刷ジョブ送信プログラム34aを実行することによって、ホットフォルダーを生成するホットフォルダー生成部35aと、ホットフォルダーのサブディレクトリーを生成するサブディレクトリー生成部35bと、印刷ジョブに適用するジョブ設定を決定するジョブ設定決定部35cと、ホットフォルダーの配下に存在する特定形式ファイルとしてのPDF(Portable Document Format)ファイルに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成部35dと、印刷ジョブ生成部35dによって生成された印刷ジョブを送信する印刷ジョブ送信部35eとを実現する。
【0037】
次に、画像形成システム10の動作について説明する。
【0038】
まず、印刷ジョブ送信プログラム34aが起動される場合の印刷ジョブ送信装置30の動作について説明する。
【0039】
印刷ジョブ送信装置30の利用者は、印刷ジョブ送信プログラム34aの起動を操作部31から印刷ジョブ送信装置30に指示することができる。印刷ジョブ送信装置30の制御部35は、印刷ジョブ送信プログラム34aの起動が指示されると、印刷ジョブ送信プログラム34aを起動する。印刷ジョブ送信プログラム34aが起動されると、印刷ジョブ生成部35dは、ホットフォルダーのルートディレクトリーの直下のホットフォルダーの監視を開始する。
【0040】
なお、以下の説明において、ホットフォルダーのルートディレクトリーのパスの例を「C:\ProgramData\AAA\Print Job Manager\HotFolder」とする。
【0041】
次に、ホットフォルダーを生成する場合の印刷ジョブ送信装置30の動作について説明する。
【0042】
図4は、ホットフォルダーを生成する場合の印刷ジョブ送信装置30の動作のフローチャートである。
【0043】
印刷ジョブ送信装置30の利用者は、印刷ジョブ送信プログラム34aが起動されている状態で、画像形成装置のIP(Internet Protocol)アドレスを指定することによって、この画像形成装置との通信の開始を操作部31から印刷ジョブ送信装置30に指示することができる。この指示においては、通信相手になる画像形成装置のIPアドレスだけでなく、ポート番号も指定されても良い。印刷ジョブ送信装置30の制御部35は、画像形成装置との通信の開始が指示されると、図4に示す動作を実行する。
【0044】
図4に示すように、印刷ジョブ送信部35eは、通信の開始が指示された画像形成装置と通信を開始する(S101)。ここで、印刷ジョブ送信部35eは、画像形成装置との通信の開始の指示においてIPアドレスおよびポート番号の両方が指定されていた場合には、指定されていたIPアドレスおよびポート番号の両方を使用して画像形成装置との通信を開始し、画像形成装置との通信の開始の指示においてIPアドレスおよびポート番号のうちIPアドレスのみが指定されていた場合には、指定されていたIPアドレスと、デフォルトポート情報34bに示されるデフォルトのポート番号とを使用して画像形成装置との通信を開始する。
【0045】
ホットフォルダー生成部35aは、S101の処理の後、S101における画像形成装置との通信において使用されたIPアドレスおよびポート番号に基づいたフォルダー名を特定の規則に応じて生成する(S102)。ここで、特定の規則は、上述の文書管理サーバー内のフォルダーの作成規則であり、例えば、「IPアドレス_ポート番号」という規則である。例えば、ホットフォルダー生成部35aは、S101における画像形成装置との通信において使用されたIPアドレス、ポート番号がそれぞれ「11.111.11.111」、「80」である場合、「11.111.11.111_80」というフォルダー名をS102において生成する。また、ホットフォルダー生成部35aは、S101における画像形成装置との通信において使用されたIPアドレス、ポート番号がそれぞれ「22.222.22.222」、「443」である場合、「22.222.22.222_443」というフォルダー名をS102において生成する。
【0046】
次いで、ホットフォルダー生成部35aは、ホットフォルダーのルートディレクトリーの直下にS102において生成したフォルダー名のホットフォルダーが存在するか否かを判断する(S103)。
【0047】
ホットフォルダー生成部35aは、ホットフォルダーのルートディレクトリーの直下にS102において生成したフォルダー名のホットフォルダーが存在しないとS103において判断すると、ホットフォルダーのルートディレクトリーの直下にS102において生成したフォルダー名のホットフォルダーを生成する(S104)。なお、ホットフォルダー生成部35aは、S104において生成したホットフォルダーの直下に、印刷が成功したファイルを格納するためのSuccessフォルダーと、印刷が失敗したファイルを格納するためのFalseフォルダーとをS104において生成しても良い。
【0048】
ホットフォルダー生成部35aは、ホットフォルダーのルートディレクトリーの直下にS102において生成したフォルダー名のホットフォルダーが存在するとS103において判断するか、S104の処理が終了すると、図4に示す動作を終了する。
【0049】
図5は、図4に示す動作によって生成されたホットフォルダーの一例を示す図である。
【0050】
図5において、「Print Job Manager」は、「C:\ProgramData\AAA\Print Job Manager」というパスのディレクトリーを示している。ホットフォルダー生成部35aは、S102において生成したフォルダー名が「11.111.11.111_80」である場合に、ホットフォルダーのルートディレクトリーの直下にS102において生成したフォルダー名のホットフォルダーが存在しないとS103において判断すると、図5に示すように、「C:\ProgramData\AAA\Print Job Manager\HotFolder\11.111.11.111_80」というパスのホットフォルダーをS104において生成する。
【0051】
次に、特定ジョブ設定用ディレクトリーを生成する場合の印刷ジョブ送信装置30の動作について説明する。
【0052】
印刷ジョブ送信装置30の利用者は、印刷ジョブ送信プログラム34aが起動されている状態で、特定のホットフォルダーの配下への特定ジョブ設定用ディレクトリーの生成を操作部31から印刷ジョブ送信装置30に指示することができる。印刷ジョブ送信装置30のサブディレクトリー生成部35bは、特定のホットフォルダーの配下への特定ジョブ設定用ディレクトリーの生成が指示されると、指示された箇所に、この特定ジョブ設定用ディレクトリーを生成する。ここで、特定ジョブ設定用ディレクトリーの名称としては、特定ジョブ設定用ディレクトリー名称情報34dに示されているいずれかの名称が指定される。
【0053】
図6は、図5に示すホットフォルダーの直下に生成された特定ジョブ設定用ディレクトリーの一例を示す図である。
【0054】
図6においては、「11.111.11.111_80」というフォルダー名のホットフォルダーの直下に特定ジョブ設定用ディレクトリーとしてHoldディレクトリーが生成されている。
【0055】
次に、特定ジョブ設定用ディレクトリー以外のディレクトリー(以下「通常ディレクトリー」という。)を生成する場合の印刷ジョブ送信装置30の動作について説明する。
【0056】
印刷ジョブ送信装置30の利用者は、印刷ジョブ送信プログラム34aが起動されている状態で、特定のホットフォルダーの配下への通常ディレクトリーの生成を操作部31から印刷ジョブ送信装置30に指示することができる。印刷ジョブ送信装置30のサブディレクトリー生成部35bは、特定のホットフォルダーの配下への通常ディレクトリーの生成が指示されると、指示された箇所に、この通常ディレクトリーを生成する。
【0057】
なお、印刷ジョブ送信装置30のサブディレクトリー生成部35bは、特定のホットフォルダーの直下への通常ディレクトリーの生成が指示されることもできるし、特定のホットフォルダーの配下の特定ジョブ設定用ディレクトリーの直下への通常ディレクトリーの生成が指示されることもできるし、特定のホットフォルダーの配下の通常ディレクトリーの直下への通常ディレクトリーの生成が指示されることもできる。
【0058】
図7は、図6に示すホットフォルダーの直下に生成された通常ディレクトリーの一例を示す図である。
【0059】
図7においては、「11.111.11.111_80」というフォルダー名のホットフォルダーの直下に通常ディレクトリーとして「ポスター印刷用」という名称のディレクトリーが生成されている。
【0060】
次に、ジョブ設定のファイル(以下「ジョブ設定ファイル」という。)を生成する場合の印刷ジョブ送信装置30の動作について説明する。
【0061】
印刷ジョブ送信装置30の利用者は、印刷ジョブ送信プログラム34aが起動されている状態で、特定のホットフォルダーの配下へのジョブ設定ファイルの生成を操作部31から印刷ジョブ送信装置30に指示することができる。印刷ジョブ送信装置30のジョブ設定決定部35cは、特定のホットフォルダーの配下へのジョブ設定ファイルの生成が指示されると、指示された箇所に、このジョブ設定ファイルを生成する。
【0062】
なお、印刷ジョブ送信装置30のジョブ設定決定部35cは、特定のホットフォルダーの直下へのジョブ設定ファイルの生成が指示されることもできるし、特定のホットフォルダーの配下の特定ジョブ設定用ディレクトリーの直下へのジョブ設定ファイルの生成が指示されることもできるし、特定のホットフォルダーの配下の通常ディレクトリーの直下へのジョブ設定ファイルの生成が指示されることもできる。
【0063】
図8は、図7に示すホットフォルダーの配下に生成されたジョブ設定ファイルの一例を示す図である。
【0064】
図8においては、「11.111.11.111_80」というフォルダー名のホットフォルダーの直下と、「11.111.11.111_80」というフォルダー名のホットフォルダーの直下の「ポスター印刷用」という名称のディレクトリーの直下と、「11.111.11.111_80」というフォルダー名のホットフォルダーの直下のHoldディレクトリーの直下とのそれぞれにジョブ設定ファイルとして「jt.xjdf」というファイル名のジョブ設定ファイルが生成されている。
【0065】
次に、ホットフォルダーの配下にPDFファイルが置かれた場合の印刷ジョブ送信装置30の動作について説明する。
【0066】
図9は、ホットフォルダーの配下にPDFファイルが置かれた場合の印刷ジョブ送信装置30の動作のフローチャートである。
【0067】
印刷ジョブ送信装置30の利用者は、印刷ジョブ送信プログラム34aが起動されている状態で、いずれかのディレクトリーの直下のPDFファイルをホットフォルダーの配下に例えばドラッグ&ドロップすることによって、ホットフォルダーの配下にPDFファイルを置くことができる。ここで、印刷ジョブ送信装置30の利用者は、ホットフォルダーの直下にPDFファイルを置くこともできるし、ホットフォルダーの配下のディレクトリーの直下にPDFファイルを置くこともできる。印刷ジョブ送信装置30の制御部35は、上述したように印刷ジョブ生成部35dがホットフォルダーを監視しているので、ホットフォルダーの配下であって、SuccessフォルダーおよびFalseフォルダーのいずれの配下でもない箇所にPDFファイルが置かれると、図9に示す動作を実行する。
【0068】
図9に示すように、印刷ジョブ送信部35eは、置かれたことを検出したPDFファイル(以下「対象ファイル」という。)の上位の階層のホットフォルダーを特定する(S121)。
【0069】
印刷ジョブ送信部35eは、S121の処理の後、対象ファイルに基づいた印刷ジョブの送信先となる画像形成装置のIPアドレスおよびポート番号を、S121において特定したホットフォルダーのフォルダー名から、特定の規則に基づいて取得する(S122)。S122における「特定の規則」は、S102における「特定の規則」と同一のものである。ここで、特定の規則は、例えば、「IPアドレス_ポート番号」という規則である。例えば、印刷ジョブ送信部35eは、S121において特定したホットフォルダーのフォルダー名が「11.111.11.111_80」である場合、送信先となる画像形成装置のIPアドレス、ポート番号としてそれぞれ「11.111.11.111」、「80」をS122において取得する。
【0070】
制御部35は、S122の処理の後、対象ファイルに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成処理を実行する(S123)。
【0071】
図10は、図9に示す印刷ジョブ生成処理の一部のフローチャートである。図11は、図10に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【0072】
図10および図11に示すように、ジョブ設定決定部35cは、対象ファイルが特定ジョブ設定用ディレクトリーの配下に存在するか否かを判断する(S141)。ここで、ジョブ設定決定部35cは、特定ジョブ設定用ディレクトリー名称情報34dに示されている名称のディレクトリーを特定ジョブ設定用ディレクトリーとして識別することが可能である。
【0073】
ジョブ設定決定部35cは、対象ファイルが特定ジョブ設定用ディレクトリーの配下に存在するとS141において判断すると、ディレクトリーの階層構造において、S121において特定したホットフォルダーから、対象ファイルの直上のディレクトリーまでのいずれかのディレクトリーの直下にジョブ設定ファイルが存在するか否かを判断する(S142)。ジョブ設定決定部35cは、対象ファイルの直上のディレクトリーと、このディレクトリーの上位の階層の、S121において特定したホットフォルダーまでのいずれかのディレクトリーとのいずれかのディレクトリーの直下にジョブ設定ファイルが存在する場合、S121において特定したホットフォルダーから対象ファイルの直上のディレクトリーまでのいずれかのディレクトリーの直下にジョブ設定ファイルが存在すると判断する。一方、ジョブ設定決定部35cは、対象ファイルの直上のディレクトリーと、このディレクトリーの上位の階層の、S121において特定したホットフォルダーまでのいずれかのディレクトリーとのいずれのディレクトリーの直下にもジョブ設定ファイルが存在しない場合、S121において特定したホットフォルダーから対象ファイルの直上のディレクトリーまでのいずれのディレクトリーの直下にもジョブ設定ファイルが存在しないと判断する。
【0074】
ジョブ設定決定部35cは、ディレクトリーの階層構造において、S121において特定したホットフォルダーから、対象ファイルの直上のディレクトリーまでのいずれかのディレクトリーの直下にジョブ設定ファイルが存在するとS142において判断すると、ジョブ設定初期値情報34cに示されるジョブ設定の初期値に対して、S142において存在すると判断した全てのジョブ設定ファイルのそれぞれに示されるジョブ設定を、上位の階層のディレクトリーのものから順に上書きする(S143)。
【0075】
ジョブ設定決定部35cは、S143の処理の後、S143において生成したジョブ設定に対して、対象ファイルの上位の階層の特定ジョブ設定用ディレクトリーに応じたジョブ設定を上書きすることによって、対象ファイルに基づいた印刷ジョブに適用するジョブ設定を決定する(S144)。ここで、ジョブ設定決定部35cは、特定ジョブ設定用ディレクトリーの名称に特定ジョブ設定用ディレクトリー名称情報34dにおいて対応付けられているジョブ設定を、この特定ジョブ設定用ディレクトリーに応じたジョブ設定として特定する。
【0076】
ジョブ設定決定部35cは、ディレクトリーの階層構造において、S121において特定したホットフォルダーから、対象ファイルの直上のディレクトリーまでのいずれのディレクトリーの直下にもジョブ設定ファイルが存在しないとS142において判断すると、ジョブ設定初期値情報34cに示されるジョブ設定の初期値に対して、対象ファイルの上位の階層の特定ジョブ設定用ディレクトリーに応じたジョブ設定を上書きすることによって、対象ファイルに基づいた印刷ジョブに適用するジョブ設定を決定する(S145)。ここで、ジョブ設定決定部35cは、特定ジョブ設定用ディレクトリーの名称に特定ジョブ設定用ディレクトリー名称情報34dにおいて対応付けられているジョブ設定を、この特定ジョブ設定用ディレクトリーに応じたジョブ設定として特定する。
【0077】
ジョブ設定決定部35cは、対象ファイルが特定ジョブ設定用ディレクトリーの配下に存在しないとS141において判断すると、S142の処理と同様に、ディレクトリーの階層構造において、S121において特定したホットフォルダーから、対象ファイルの直上のディレクトリーまでのいずれかのディレクトリーの直下にジョブ設定ファイルが存在するか否かを判断する(S146)。
【0078】
ジョブ設定決定部35cは、ディレクトリーの階層構造において、S121において特定したホットフォルダーから、対象ファイルの直上のディレクトリーまでのいずれかのディレクトリーの直下にジョブ設定ファイルが存在するとS146において判断すると、ジョブ設定初期値情報34cに示されるジョブ設定の初期値に対して、S146において存在すると判断した全てのジョブ設定ファイルのそれぞれに示されるジョブ設定を、上位の階層のディレクトリーのものから順に上書きすることによって、対象ファイルに基づいた印刷ジョブに適用するジョブ設定を決定する(S147)。
【0079】
ジョブ設定決定部35cは、ディレクトリーの階層構造において、S121において特定したホットフォルダーから、対象ファイルの直上のディレクトリーまでのいずれのディレクトリーの直下にもジョブ設定ファイルが存在しないとS146において判断すると、ジョブ設定初期値情報34cに示されるジョブ設定の初期値を、対象ファイルに基づいた印刷ジョブに適用するジョブ設定として決定する(S148)。
【0080】
印刷ジョブ生成部35dは、S144、S145、S147またはS148の処理の後、S144、S145、S147またはS148において決定したジョブ設定を付与した印刷ジョブを対象ファイルに基づいて生成して(S149)、図10および図11に示す印刷ジョブ生成処理を終了する。
【0081】
図12(a)は、ジョブ設定初期値情報34cに示されるジョブ設定の初期値の一例を示す図である。図12(b)は、図8に示す「11.111.11.111_80」というフォルダー名のホットフォルダーの直下の「jt.xjdf」というファイル名のジョブ設定ファイルに示されるジョブ設定の一例を示す図である。図12(c)は、図8に示す「ポスター印刷用」という名称のディレクトリーの直下の「jt.xjdf」というファイル名のジョブ設定ファイルに示されるジョブ設定の一例を示す図である。図12(d)は、図8に示すHoldディレクトリーの直下の「jt.xjdf」というファイル名のジョブ設定ファイルに示されるジョブ設定の一例を示す図である。
【0082】
図13(a)は、S144において決定されるジョブ設定の一例を示す図である。図13(b)は、S147において決定されるジョブ設定の一例を示す図である。
【0083】
ジョブ設定初期値情報34cに示されるジョブ設定の初期値が図12(a)に示すものであって、図8に示すジョブ設定ファイルに示されるジョブ設定がそれぞれ図12(b)~図12(d)に示すものである場合、印刷ジョブ生成部35dは、図8に示すHoldディレクトリーの直下に置かれたPDFファイルに基づいた印刷ジョブに適用するジョブ設定として、図12(a)に示す初期値に対して、図12(b)に示すジョブ設定、図12(d)に示すジョブ設定を順に上書きし(S143)、更にHold設定をONに上書きすることによって、図13(a)に示すものを決定する(S144)。
【0084】
ジョブ設定初期値情報34cに示されるジョブ設定の初期値が図12(a)に示すものであって、図8に示すジョブ設定ファイルに示されるジョブ設定がそれぞれ図12(b)~図12(d)に示すものである場合、印刷ジョブ生成部35dは、図8に示す「ポスター印刷用」という名称のディレクトリーの直下に置かれたPDFファイルに基づいた印刷ジョブに適用するジョブ設定として、図12(a)に示す初期値に対して、図12(b)に示すジョブ設定、図12(c)に示すジョブ設定を順に上書きすることによって、図13(b)に示すものを決定する(S147)。
【0085】
図9に示すように、印刷ジョブ送信部35eは、S123の印刷ジョブ生成処理の後、S122において取得したIPアドレスによって特定される画像形成装置の、S122において取得したポート番号によって特定されるポートに、S123において生成した印刷ジョブを送信する(S124)。したがって、印刷ジョブ送信装置30から印刷ジョブが送信された画像形成装置の制御部26は、印刷ジョブ送信装置30から送信された印刷ジョブに応じた印刷を、この印刷ジョブに付与されたジョブ設定に応じてプリンター23によって実行し、印刷結果を通信部24経由で印刷ジョブ送信装置30に返信する。
【0086】
印刷ジョブ送信部35eは、S124の処理の後、S124において送信した印刷ジョブの印刷結果を判断する(S125)。例えば、印刷ジョブ送信部35eは、S124において印刷ジョブを送信した画像形成装置から印刷の成功を示す印刷結果を受信した場合、S124において送信した印刷ジョブの印刷結果が印刷の成功であると判断する。また、印刷ジョブ送信部35eは、S124において印刷ジョブを送信した画像形成装置から印刷の失敗を示す印刷結果を受信した場合、S124において送信した印刷ジョブの印刷結果が印刷の失敗であると判断する。
【0087】
印刷ジョブ送信部35eは、S124において送信した印刷ジョブの印刷結果が印刷の成功であるとS125において判断すると、S121において特定したホットフォルダーの直下のSuccessフォルダーに対象ファイルを移動させて(S126)、図9に示す動作を終了する。
【0088】
印刷ジョブ送信部35eは、S124において送信した印刷ジョブの印刷結果が印刷の失敗であるとS125において判断すると、S121において特定したホットフォルダーの直下のFalseフォルダーに対象ファイルを移動させて(S127)、図9に示す動作を終了する。
【0089】
以上においては、ホットフォルダーを利用して印刷ジョブを生成する方法について説明している。しかしながら、印刷ジョブ生成部35dは、ホットフォルダーを利用して印刷ジョブを生成する方法以外の方法によっても、印刷ジョブ送信プログラム34a経由で印刷ジョブを生成することができる。また、制御部35は、印刷ジョブ送信プログラム34aを実行することによって、印刷ジョブの生成以外の機能を実行することもできる。例えば、制御部35は、印刷ジョブ送信プログラム34aを実行することによって、画像形成装置の状態を確認することができる。
【0090】
以上に説明したように、印刷ジョブ送信装置30は、PDFファイルに基づいた印刷ジョブの送信先のIPアドレスおよびポート番号を、PDFファイルの上位の階層のホットフォルダーのフォルダー名から、特定の規則に基づいて取得する(S121~S122)ので、PDFファイルの上位の階層のホットフォルダーのフォルダー名によって印刷ジョブの送信先をホットフォルダーに関連付けることができ、その結果、印刷ジョブの送信先をホットフォルダーに関連付ける作業を容易化することができる。
【0091】
印刷ジョブ送信装置30は、送信先との通信において使用するIPアドレスおよびポート番号に基づいてホットフォルダーのフォルダー名を特定の規則に応じて生成する(S102)ので、ホットフォルダーの生成を容易化することができる。
【0092】
印刷ジョブ送信装置30は、ディレクトリーの階層構造において、PDFファイルの上位の階層のホットフォルダーの直下から、このPDFファイルの直上のディレクトリーの直下までに存在するジョブ設定ファイルに示されるジョブ設定を、上位の階層のディレクトリーのものから順に上書きすることによって、このPDFファイルに基づいた印刷ジョブに適用するジョブ設定を決定する(S143~S144またはS147)ので、印刷ジョブに適用するジョブ設定を利用者に都度入力させなくても、ディレクトリーの階層構造において、PDFファイルの上位の階層のホットフォルダーから、このPDFファイルの直上のディレクトリーまでのいずれかのディレクトリーの直下にジョブ設定ファイルを配置することによって、このPDFファイルに基づいた印刷ジョブにジョブ設定を適用することができ、その結果、印刷ジョブへのジョブ設定の適用を容易化することができる。
【0093】
印刷ジョブ送信装置30は、特定ジョブ設定用ディレクトリーの配下にPDFファイルが存在する場合、この特定ジョブ設定用ディレクトリーの名称に対応付けられているジョブ設定を、このPDFファイルに基づいた印刷ジョブに適用するジョブ設定として決定する(S144またはS145)ので、印刷ジョブに適用するジョブ設定を利用者に都度入力させなくても、特定ジョブ設定用ディレクトリーの配下にPDFファイルを配置することによって、このPDFファイルに基づいた印刷ジョブにジョブ設定を適用することができ、その結果、印刷ジョブへのジョブ設定の適用を容易化することができる。
【0094】
本発明の特定形式ファイルは、本実施の形態においてPDFファイルである。しかしながら、本発明の特定形式ファイルには、PDFファイルに加えて、または、PDFファイルに代えて、PDFファイル以外の特定のファイル形式のファイルが含まれても良い。
【符号の説明】
【0095】
20 画像形成装置(送信先)
30 印刷ジョブ送信装置(コンピューター)
34a 印刷ジョブ送信プログラム
35a ホットフォルダー生成部
35c ジョブ設定決定部
35d 印刷ジョブ生成部
35e 印刷ジョブ送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13