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特許7545646医療装置において波形データを処理するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】医療装置において波形データを処理するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 47/38 20220101AFI20240829BHJP
【FI】
H04L47/38
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021523192
(86)(22)【出願日】2019-11-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 EP2019080910
(87)【国際公開番号】W WO2020099345
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-09-28
(31)【優先権主張番号】62/758,839
(32)【優先日】2018-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】シャリフィ マームードレザ
(72)【発明者】
【氏名】ダ シルヴァ イカロ ガルシア アラウヨ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ゾン コルネルス コンラドゥス アドリアヌス マリア
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-536637(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106777930(CN,A)
【文献】特開2007-330430(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0240124(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-69/40
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置を主プラットフォームに接続するよう構成されたプログラム可能なインタフェースであって、
医療装置に接続し、前記医療装置から波形データを受信し、医療装置コマンドを前記医療装置に送信するよう構成された、医療装置インタフェースと、
主プラットフォームに接続し、前記主プラットフォームからプラットフォームインタフェースコマンドを受信し、前記プラットフォームインタフェースコマンドに基づいて前記医療装置からの波形データを、前記主プラットフォームに送信するよう構成された、主プラットフォームインタフェースと、
前記医療装置により生成された波形データを保存するよう構成された、バッファメモリと、
前記プラットフォームインタフェースコマンドに基づいて、前記バッファメモリに保存された前記医療装置により生成された波形データを再サンプリングするよう構成された、波形処理制御ユニットと、
を有する、プログラム可能なインタフェース。
【請求項2】
前記主プラットフォームから受信された前記プラットフォームインタフェースコマンドは、所定のロジックに基づいて、波形データを受信するよう前記プログラム可能なインタフェースをリモートでプログラムするよう構成された、請求項1に記載のプログラム可能なインタフェース。
【請求項3】
前記医療装置は、プラグアンドプレイにより前記主プラットフォームに接続する、請求項1に記載のプログラム可能なインタフェース。
【請求項4】
前記プログラム可能なインタフェースは、前記主プラットフォームが前記医療装置と通信することを可能とするための、前記医療装置のシリアル番号及び識別子を保存するよう構成された、請求項1に記載のプログラム可能なインタフェース。
【請求項5】
前記プログラム可能なインタフェースは、前記医療装置から波形データを連続的に受信し、生の形式でバッファメモリに波形データの最後のセットを保存するよう構成された、請求項1に記載のプログラム可能なインタフェース。
【請求項6】
前記プログラム可能なインタフェースは、前記医療装置が実行することができるサービスの情報を前記主プラットフォームに送信するよう構成された、請求項1に記載のプログラム可能なインタフェース。
【請求項7】
前記プログラム可能なインタフェースは、前記主プラットフォームからのプログラム可能なインタフェースコマンドに基づいて前記医療装置における設定を変更するよう構成された、請求項1に記載のプログラム可能なインタフェース。
【請求項8】
前記波形処理制御ユニットは、前記波形データに対して正当性チェックを実行するよう構成された、請求項1に記載のプログラム可能なインタフェース。
【請求項9】
前記波形処理制御ユニットは、前記医療装置の波形データから変動特徴を抽出し、要求された頻度で前記主プラットフォームに前記波形データを送信するよう構成された、請求項1に記載のプログラム可能なインタフェース。
【請求項10】
前記プログラム可能なインタフェースは、前記医療装置と時間を同期させるよう構成された、請求項1に記載のプログラム可能なインタフェース。
【請求項11】
プログラム可能なインタフェースにより医療装置を主プラットフォームに接続する方法であって、
前記主プラットフォームからプラットフォームインタフェースコマンドを受信するステップと、
前記医療装置から波形データを受信するステップと、
医療装置コマンドを前記医療装置に送信するステップと、
前記医療装置により生成された波形データをバッファメモリに保存するステップと、
前記プラットフォームインタフェースコマンドに基づいて、前記バッファメモリに保存された前記医療装置により生成された波形データを再サンプリングするステップと、
前記プラットフォームインタフェースコマンドに基づいて、前記医療装置からの波形データを、前記主プラットフォームに送信するステップと、
を有する方法。
【請求項12】
前記主プラットフォームから受信された前記プラットフォームインタフェースコマンドは、所定のロジックに基づいて、波形データを受信するよう前記プログラム可能なインタフェースをリモートでプログラムするよう構成された、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記医療装置は、プラグアンドプレイにより前記主プラットフォームに接続する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記主プラットフォームが前記医療装置と通信することを可能とするための、前記医療装置のシリアル番号及び識別子を保存するステップを更に有する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記医療装置から波形データを連続的に受信し、生の形式でバッファメモリに波形データの最後のセットを保存するステップを更に有する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記医療装置が実行することができるサービスの情報を前記主プラットフォームに送信するステップを更に有する、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記主プラットフォームからのプログラム可能なインタフェースコマンドに基づいて前記医療装置における設定を変更するステップを更に有する、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記波形データに対して正当性チェックを実行するステップを更に有する、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記医療装置の波形データから変動特徴を抽出するステップと、要求された頻度で前記主プラットフォームに前記波形データを送信するステップと、を更に有する、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記医療装置と時間を同期させるステップを更に有する、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、医療装置のネットワークのための分析プラットフォームを制御するためのアーキテクチャ上の解決策を提供することに関する。該プラットフォームは、サードパーティのソフトウェア開発者が、幾つかの医療装置からの設定、アラーム、数値、及びリアルタイム波形に同期して容易にアクセスすることを可能にする。また、サービス指向アーキテクチャにおける斯かる装置の設定の変更へのアクセスも提供する。
【背景技術】
【0002】
医療装置及び機器は、医療従事者が使用した場合、患者から測定データを生成する。医療従事者は、センシング技術を有する医療装置、装着可能な医療装置などの医療装置をますます多く使用するようになっており、従って、これらの医療装置によって生成される測定データの量が増加している。
【0003】
この測定データは、患者の健康状態情報の貴重な情報源であり、測定データを処理することができれば、診断、予後及び患者への医療提供の品質に影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、この測定データの使用は、測定データをリアルタイムで管理することが困難であるため、十分に利用されていない。医療従事者によって無視され、医療記録に捕捉されない測定データの1つのタイプは、波形データである。例えば、人工呼吸器は、患者の肺力学及び呼吸筋活動の指標であり得る圧力及び流量波形データを生成し得る。この種の波形での測定データは、呼吸療法士などの患者モニタや医療従事者にリアルタイムで表示され、モニタを見て情報の一部を捉えることがある。しかしながら、医療従事者がいない場合、この測定データの多くは気付かれない。
【0005】
波形データは、通常は記録されないが、記録されたとしても、過去数時間以内に潜在的な問題又は指標を検出するために患者データの過去の履歴を越えることは時間がかかることがある。例えば、測定データを使用することによって、改善された結果は、死亡率の予測、降圧エピソード、及び誤警報の低減を含む、集中治療室(「ICU」)における波形データの詳細な分析によって得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
種々の実施例の概要を以下に示す。実施例は、医療装置において波形データを処理するためのシステム及び方法に対処する。
【0007】
種々の例示的な実施例の簡単な概要が提示される。以下の概要では、幾つかの簡略化及び省略を行うことができ、それらは種々の例示的実施例の幾つかの態様を強調及び導入することを意図しているが、本発明の範囲を限定するものではない。
【0008】
当業者が本発明の概念を作成し、使用することを可能にするのに十分な例示的な実施例の詳細な説明は、後の節で続く。
【0009】
種々の実施例は、医療装置を主プラットフォームに接続するように構成されたプログラム可能なインタフェースに関し、該プログラム可能なインタフェースは、医療装置に接続し、医療装置から波形データを受信し、医療装置に医療装置コマンドを送信するように構成された医療装置インタフェースと、主プラットフォームに接続するように構成された主プラットフォームインタフェースと、主プラットフォームからプラットフォームインタフェースコマンドを受信し、プラットフォームインタフェースコマンドに基づいて医療装置から主プラットフォームに波形データを送信するように構成された主プラットフォームインタフェースと、医療装置によって生成された波形データを格納するように構成されたバッファメモリと、プラットフォームインタフェースコマンドに従って、バッファメモリに格納された医療装置によって生成された波形データを処理するように構成された波形処理制御ユニットとを含む。
【0010】
種々の実施例が説明され、ここで主プラットフォームから受信されたプラットフォームインタフェースコマンドは、定義された論理に基づいて波形データを受信するようにプログラム可能なインタフェースを遠隔プログラムするように構成される。
【0011】
医療装置がプラグアンドプレイを介して主プラットフォームに接続する、種々の実施例が記載される。
【0012】
種々の実施例が記載されており、ここでプログラム可能なインタフェースは、主プラットフォームが医療装置と通信することを可能にするために、シリアル番号及び医療装置の識別子を格納するように構成されている。
【0013】
種々の実施例が記載され、ここでプログラム可能なインタフェースは、医療装置から波形データを連続的に受信し、波形データの最後のセットを生の形態でバッファメモリに記憶するように構成される。
【0014】
種々の実施例が記載されており、ここでプログラム可能なインタフェースは、医療装置が実行することができるサービスの情報を主プラットフォームに送信するように構成されている。
【0015】
種々の実施例が記載され、ここでプログラム可能なインタフェースは、主プラットフォームからのプログラム可能なインタフェースコマンドに基づいて医療装置内の設定を変更するように構成される。
【0016】
波形処理制御ユニットが、波形データの再サンプリングを実行するように構成される、種々の実施例が記載される。
【0017】
波形処理制御ユニットが、波形データに対して正当性チェックを実行するように構成される、種々の実施例が記載される。
【0018】
波形処理制御ユニットが、医療装置の波形データから単一の可変特徴を抽出し、要求された周波数で波形データを主プラットフォームに送信するように構成される、種々の実施例が記載されている。
【0019】
種々の実施例が記載され、ここでプログラム可能なインタフェースは、医療装置と時間を同期させるように構成される。
【0020】
更なる種々の実施例は、主プラットフォームからプラットフォームインタフェースコマンドを受信することと、医療装置から波形データを受信することと、医療装置コマンドを医療装置に送信することと、医療装置によって生成された波形データをバッファメモリに格納することと、プラットフォームインタフェースコマンドに従って、バッファメモリに格納された医療装置によって生成された波形データを処理することと、プラットフォームインタフェースコマンドに基づいて、医療装置から主プラットフォームに波形データを送信することと、を含む、プログラム可能なインタフェースによって医療装置を主プラットフォームに接続する方法に関する。
【0021】
種々の実施例が記載され、ここで主プラットフォームから受信されるプラットフォームインタフェースコマンドは、定義された論理に基づいて波形を受信するようにプログラム可能なインタフェースをリモートでプログラムするように構成される。
【0022】
医療装置がプラグアンドプレイを介して主プラットフォームに接続する、種々の実施例が記載される。
【0023】
主プラットフォームが医療装置と通信することを可能にするために、シリアル番号及び医療装置の識別子を格納することを更に含む、種々の実施例が説明される。
【0024】
医療装置から波形データを連続的に受信することと、波形データの最後のセットを生の形態でバッファメモリに記憶することと、を更に含む、種々の実施例が説明される。
【0025】
医療装置が実行することができるサービスの情報を主プラットフォームに送信することを更に含む、種々の実施例が説明される。
【0026】
主プラットフォームからのプログラム可能なインタフェースコマンドに基づいて医療装置内の設定を変更することを更に含む、種々の実施例が説明される。
【0027】
波形データの再サンプリングを実行することを更に含む、種々の実施例が説明される。
【0028】
波形データに対して正当性チェックを実行することを更に含む、種々の実施例が説明される。
【0029】
種々の実施例が記載され、ここでは更に、医療装置の波形データから単一の可変特徴を抽出し、要求された周波数で波形データを主プラットフォームに送るステップが含まれる。
【0030】
医療装置と時間を同期させることを更に含む、種々の実施例が記載される。
【0031】
添付の図面は、同様の参照番号が、以下の詳細な説明と共に、異なる図を通して同一又は機能的に同様の要素を指し、本明細書に組み込まれ、その一部を形成し、特許請求の範囲に見られる概念の例示的な実施例を更に例示し、それらの実施例の種々の原理及び利点を説明する役割を果たす。
【0032】
これら及び他のより詳細かつ特定の特徴は、添付の図面を参照しながら、以下の説明においてより完全に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】実施例の医療装置において波形データを処理するシステムのブロック図を示す。
図2】実施例のプログラム可能なインタフェースの構成要素のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図面は単に概略的なものであり、一定の縮尺で描かれていないことを理解されたい。また、同じ参照番号が、同じ又は類似の部分を示すために、図面全体にわたって使用されることを理解されたい。
【0035】
説明及び図面は、種々の例示的な実施例の原理を示す。従って、当業者は、本明細書では明示的に説明又は図示されていないが、本発明の原理を実施化し、その範囲内に含まれる種々の構成を考案することができることが理解されよう。更に、本明細書に列挙された全ての例は、主に、読者が本発明の原理、及び当技術分野を促進するために本発明者によって寄与された概念を理解するのを助けるための教示目的のためのものであることを意図しており、そのような具体的に列挙された例及び条件に限定されないものとして解釈されるべきである。更に、本明細書で使用される「又は(or)」という用語は、非排他的又は(即ち及び/又は)を指し、特に指示がない限り(例えば「又はそうでなければ」又は「又は代替として」)、ここで説明される種々の実施例は、必ずしも相互に排他的ではなく、幾つかの実施例は、1つ又は複数の他の実施例と組み合わせて新しい実施例を形成することができる。「第1の」、「第2の」、「第3の」などの記述子は、説明される要素の順序を限定することを意味せず、1つの要素を次の要素から区別するために使用され、一般に交換可能である。
【0036】
本実施例では、例えば波形データのような測定データに対してオンラインアルゴリズムを実行するために、生信号は、継続的に、かつ最小の待ち時間で分析プラットフォームに送信される必要があり得る。このことは、選択された測定データの問題ではないが、測定の数が増加するにつれて、生の信号がネットワーク接続を介して変換され、これらの生の信号の全てを一緒に受信するためのネットワーク帯域幅制限があり、システムメモリ要件が幾つかの高周波入力信号を同時に許可しないことがあり、最終的に、この測定データの全てを処理することは、分析プラットフォームの処理電力を消費することがあるので、生の信号が連続的に最小の待ち時間で受信されることを保証することが困難になることがある。
【0037】
しかしながら、波形データを含む測定データの解析は、常に時間解析される必要があるわけではない。例えば、患者の状態に変化がない期間があり得、従って、波形データを処理することは、新しい情報を追加しなくても良い。従って、本実施例は、分析プラットフォームの性能を改善し、ネットワークのトラフィックを低減することができる、必要なときにのみ測定データをサンプリングし分析プラットフォームに送信するスマートアルゴリズムに向けられる。
【0038】
本実施例は、サードパーティ開発者が、事前に設計された期間トリガアルゴリズムのリストから選択するか、又はデータのスマートサンプリングのための自身のロジックを開発することを可能にすることを対象とする。アプリケーションの役割及びサンプリング論理に応じて、3つの異なるレベルのスマートサンプリングが存在し得る。
【0039】
第1のレベルは、サードパーティ開発者が、既存のサンプリングロジックのセットからのみ選択することを可能にする。このレベルでは、プラットフォームに事前にプログラムされた異なるサンプリングロジックのライブラリが存在する場合がある。例えば、1つのロジックは、点滴速度に変化があるときに5秒の心電図(「ECG」)信号を送るか、又は5分毎に10秒のカプノグラフィ波形を送ることである。
【0040】
第2のレベルでは、サードパーティ開発者が選択基準のパラメータを定義できる。このレベルでは、サードパーティ開発者がロジックのパラメータを自由に使用できる場合がある。例えば、n分ごとにm秒のデータを送信し、mとnはサードパーティ開発者によって定義される。もう1つの例は、心拍数がxより大きいときにt秒のデータを送信することであり、t及びxがユーザによって定義される。
【0041】
第3のレベルでは、アプリケーションプログラムがロジックを選択できる。このレベルでは、該ロジックはアプリケーションによって定義される。このことは、サードパーティ開発者が事前に定義されたロジックのリストの中から目的のロジックを見つけられない場合である。
【0042】
本実施例は、3つのレベルのサンプリングのロジックに向けられているが、これら3つのレベルのサンプリングのロジックを実装するためには、実装アーキテクチャが必要である。
【0043】
当該アーキテクチャは、装置インタフェースにおいてメモリ及び処理能力を必要とし、各医療装置は、その医療装置から収集されたリアルタイムデータを管理し、分析プラットフォームと通信する専用コンピュータに接続される。
【0044】
図1は、本実施例の医療装置において波形データを処理するためのシステムプラットフォーム100のブロック図を示す。
【0045】
医療装置プラットフォームの高レベルアーキテクチャのシステムプラットフォーム100は、各医療装置101、102及び103が専用のプログラム可能なインタフェース(「PI」)104、105及び106に接続されていることを示している。
【0046】
PI104、105及び106の機能は、医療装置101、102及び103のネットワーク108への統合を容易にすることである。PI104、105、106は、医療装置101、102及び103とインタフェースを介して通信し、医療装置101、102及び103から生成された全てのデータを連続的に読み出し、バッファメモリ107に格納する。
【0047】
医療装置101、102及び103がそのPI104、105及び106を介してネットワーク108に接続されると、医療装置101、102及び103は、医療装置の全ての特性及び能力を有する新しい医療装置として新しいサービスとしてシステムに自動的に登録される。従って、PI104、105及び106は、医療装置101、102及び103のサービスを主プラットフォーム110に宣言し、登録する。
【0048】
ネットワーク108は、システムメモリ109と、インタフェースプログラム111及び主プログラム112を含むアプリケーション110と、を含む。
【0049】
代替実施例では、プラグアンドプレイ規格をサポートする医療装置101、102、及び103が、中央局によって直接管理されても良い。
【0050】
主プラットフォーム110は、それらのPI104、105及び103を介して複数の医療装置101、102及び103に接続することができ、これらの医療装置101、102及び103の動作を遠隔的に監視することができる。主プラットフォーム110は、外部開発者が医療装置101、102及び103のネットワーク108にアクセスし、リアルタイム分析タスクを実行するためのアプリケーションプログラミングインタフェース(「API」)111を提供することができる。また、特定のロジックに基づいて特定の波形を受信するように各API111をリモートでプログラミングすることもできる。
【0051】
API111は、プログラム可能なユニット113及び信号ポート114に接続された主ポート112に接続されている。主ポート112は、API111から、収集されるデータ及びそれがどのように収集されるかを定義する命令を受信する。信号ポート114は、主プラットフォーム110のシステムメモリ109に接続され、収集された波形データをシステムメモリ109に送る。プロトコル変換ブロック115は、バッファメモリ107とプログラム可能なユニット113に接続されている。また、プロトコル変換ブロックは、機器固有通信プロトコルを用いて装置データをアンパックする。プログラム可能なユニット113は、プロトコル変換ブロック115、バッファメモリ107、主ポート112及び信号ポート114に接続している。プログラム可能なユニット113は、プログラム可能なインタフェース104、105及び106の全体的な動作を制御する。
【0052】
PI104、105、及び106は、以下のタスクを実行する。(1)医療装置101、102及び103の独自の通信プロトコルを用いて医療装置101、102、及び103に接続すること;(2)医療装置101、102及び103をアドレス指定するためにプラットフォーム100によって使用される医療装置101、102及び103の固有のシリアル番号及びIDを記憶すること;(3)医療装置101、102及び103によって生成されるデータ及び波形を連続的に受信し、医療装置101、102及び103のデータの最後のT秒を生の形態でバッファメモリ107に保持すること;(4)プラグアンドプレイシステムとして主プラットフォーム110に接続すること;(5)医療装置101、102及び103が提供することができる全てのサービスをシステムプラットフォーム100のサービスレジストリに登録すること;(6)主プラットフォーム113からコマンドを受信すること;(7)主プラットフォーム110からのコマンドに基づいて医療装置101、102及び103の設定を変更すること;(8)特定のロジックの起動時にバッファメモリ107からシステムプラットフォーム100に波形データを送信すること;(9)波形データの再サンプリングを実行すること;(10)波形データの正当性検査を実行すること;(11)医療装置101、102及び103から単一の可変特徴を抽出し、それを要求された周波数でシステムプラットフォーム100に送ること;(12)他のPI104、105及び106へのネットワーク接続によって複数の波形から特徴を抽出すること;及び(13)全てのPI104、105及び106が単一のタイムサーバを使用するため、異なる医療装置間で時間を同期させること。
【0053】
図2は、本実施例のプログラム可能なインタフェース200の構成要素のブロック図を示す。
【0054】
装置インタフェースポート201は、医療装置とインタフェースとの間の全ての通信専用の通信ポートであり、装置のタイプに応じて、装置インタフェースポート201は、Ethernet(登録商標)ポート又はRS232ポートのいずれかであっても良く、装置インタフェースポート201は、コマンドとデータ通信の両方をサポートしても良い。
【0055】
ネットワークインタフェースポート202は、主プラットフォーム110からコマンド及びプログラムを送受信するためのTCP/IPポートである。ネットワークインタフェースポート202とストリーミングポート203は、同じ物理的Ethernet(登録商標)ポートを共有しても良い。
【0056】
ストリーミングポート203は、医療装置から収集された波形をネットワークにストリーミングするために使用され得るポートである。ストリーミングポート203は、ネットワークインタフェースポート202と同じEthernet(登録商標)接続を使用しても良い。
【0057】
装置プロトコルモデム204は、データ及びコマンドを医療装置固有の通信プロトコルに変換し、逆もまた同様である。装置ID205は、各単一の医療装置専用の一意の識別子であり、ネットワーク内の医療装置の位置を突き止め、発見し、それをアドレス指定するために使用される。該装置IDは、一般的な装置メモリ又は特定の専用メモリに記憶されても良い。
【0058】
波形バッファメモリ206は、最新の波形データを保持するためのメモリである。最後のT秒の波形データは、いずれのアプリケーションによっても使用されていなくても、波形バッファメモリ206に記憶される。波形バッファメモリ206は、継続的に更新され、T秒後の未使用データは破棄される。
【0059】
装置サービスライブラリ207は、医療装置が提供可能な全てのサービスのライブラリである。該ライブラリは、各装置に対して予めプログラムされ、一定のままである。装置サービスライブラリ207は、装置サービスをシステムプラットフォームのサービスリポジトリに追加することができる。例えば、機械的な人工呼吸器インタフェースの場合、幾つかのサービスは、圧力サポートレベルを変更し、アラームをサイレントにし、患者の呼吸数を提供する。
【0060】
プログラム可能な環境208は、インタフェースをプログラムし、アプリケーションの必要性に応じてそれをカスタマイズする能力を提供する環境である。例えば、プログラム可能な環境208は、特定のイベントに応じて波形データを送信するようにインタフェースを構成することができる。プログラム可能な環境208は、プログラム可能なインタフェースの全体的な制御を可能にするプログラム命令を実行するプロセッサ又はマイクロコントローラを含むことができる。
【0061】
イベントマネージャ209は、装置内のイベントを受信し、該イベントを信号I/O制御に送信することができる。
【0062】
波形処理ユニット210は、データに対して一次信号処理を行う。例えば、波形処理ユニット210は、データをフィルタリングしたり、波形処理ユニット210内の波形データからアーチファクトを除去したりすることができる。
【0063】
プラットフォームモデム211は、中央プラットフォームと通信しても良い。プラットフォームと装置間の通信は、JASON又はTCP/IPの形をとっても良いが、他のプロトコルを使用しても良い。更に、プラットフォームモデム211は、データ及びプログラム可能なインタフェース200を攻撃から保護するために、ネットワークセキュリティ機能を実行しても良い。
【0064】
I/O制御212は、プログラムにおいて使用されるロジックに従って、波形データを主プラットフォームに発行又は記憶することができる。
【0065】
以上の説明から、本発明の種々の例示的な実施例をハードウェアで実施できることは明らかであろう。更に、種々の例示的な実施例は、ここで詳細に説明される動作を実行するために少なくとも1つのプロセッサによって読み出され、実行され得る、揮発性又は不揮発性メモリなどの、非一時的な機械可読記憶媒体上に格納された命令として実装され得る。一時的でない機械読み取り可能な記憶媒体は、パーソナルコンピュータ又はラップトップコンピュータ、サーバ又はその他のコンピューティング装置のような、機械読み取り可能な形式で情報を記憶する任意の機構を含むことができる。従って、一時的でない機械読み取り可能な記憶媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、及び同様の記憶媒体を含み、一時的な信号を除外することができる。
【0066】
ここでの任意のブロック及びブロック図は、本発明の原理を実施する例示的な回路の概念図を表すことを、当業者は理解されたい。特定のブロックの実施は、本発明の範囲を限定することなく、ハードウェア又はソフトウェア領域で実施することができるが、変更することもできる。同様に、フローチャート、フロー図、状態遷移図、擬似コードなどは、コンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているか否かにかかわらず、機械読み取り可能な媒体で実質的に表現され、そのようにコンピュータ又はプロセッサによって実行され得る種々のプロセスを表すことが理解されるであろう。
【0067】
従って、上記の説明は、例示を意図したものであり、限定を意図したものではないことを理解されたい。提供された例以外の多くの実施例及び用途は、上記の説明を読むことによって明らかになるであろう。本発明の範囲は、上述の説明又は以下の要約を参照して決定されるべきではなく、代わりに、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権原を有する等価物の全範囲と共に決定されるべきである。ここで説明される技術において将来の開発が行われること、及び開示されるシステム及び方法がそのような将来の実施例に組み込まれることが予想され、意図される。要約すると、本出願は、修正及び変形が可能であることを理解されたい。
【0068】
利益、利点、問題に対する解決策、及び何らかの利益、利点又は解決策を生じさせ、又はより顕著にし得る何らかの要素は、いずれかの又は全ての請求項の重要な、必要な又は本質的な特徴又は要素として解釈されるべきではない。本発明は専ら、本出願の係属中になされた補正及び発行された請求項の全ての同等物を含む、添付された請求項によってのみ定義される。
【0069】
請求項で使用される全ての用語は、反対の明示的な指示がなされない限り、ここに記載される技術の当業者によって理解されるように、それらの最も広い合理的な構成及びそれらの通常の意味を与えられることが意図される。特に、「1つの(a)」、「その(the)」、「前記(said)」等のような単一の項の使用は、請求項が別の明示的限定を記載していない限り、表示された要素の1つ以上を列挙するものとして読まれるべきである。
【0070】
本発明の要約は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にするために提供される。要約は、特許請求の範囲を解釈又は限定するために使用されないことを理解されたい。更に、前述の詳細な説明では、開示を合理化する目的で、種々の特徴が種々の実施例において一緒にグループ化されることが分かる。この開示方法は、特許請求される実施例が、各請求項に明示的に列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、請求項に示すように、新規の主題は、単一の開示実施例の全ての特徴より少ない特徴にある。従って、以下の請求項は、ここで詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、それ自体が別個に特許請求される主題として独立している。
図1
図2