(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240829BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240829BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240829BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B41J29/38 204
G03G21/00 510
G03G21/00 396
B41J29/00 Z
H04N1/00 127A
H04N1/00 002Z
(21)【出願番号】P 2020197573
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 佑香
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-163594(JP,A)
【文献】特開2016-130767(JP,A)
【文献】特開2019-174937(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0254050(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00 - 29/70
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
締結された契約に基づいて、印刷材が収容された契約消耗品の使用を許可された第1画像形成装置から、新たに契約を締結する第2画像形成装置に変更するための要求を情報処理装置により受け付ける受付工程と、
前記情報処理装置により前記要求が受け付けられた場合、前記情報処理装置が、前記第2画像形成装置において、前記契約消耗品を使用可能とする、使用可移行工程と、
前記情報処理装置により前記要求が受け付けられた場合、前記情報処理装置が、前記第1画像形成装置で使用されている前記契約消耗品を前記第1画像形成装置において継続して所定期間使用可能とする使用可維持工程と、を含む方法。
【請求項2】
前記第2画像形成装置は、第2本体メモリを備え、
前記第2本体メモリは、前記第2画像形成装置が、契約が締結された契約モードであるか否かを示すモード情報を記憶し、
前記情報処理装置は、前記使用可移行工程において、前記モード情報を前記契約モードであることを示すように更新することにより、前記契約消耗品を使用可能とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記情報処理装置が、前記第2画像形成装置が前記契約モードに移行したことを示す移行完了通知を、前記第2画像形成装置から受信する受信工程と、
前記情報処理装置が、前記移行完了通知を受信した場合に、前記第2画像形成装置において使用可能な前記契約消耗品を発注する発注工程とをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記受付工程において前記要求が受け付けられた場合、前記情報処理装置が、前記第1画像形成装置で使用されている前記契約消耗品の、前記所定期間における継続使用を提案する提案工程を含み、
前記情報処理装置は、前記継続使用に対する同意を受け付けた場合に、前記使用可維持工程を実行する、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1画像形成装置は、第1本体メモリを備え、
前記第1本体メモリは、前記第1画像形成装置が、契約が締結された契約モードであるか否かを示すモード情報を記憶し、
前記第1画像形成装置で使用されている前記契約消耗品の印刷材が所定量以下になった場合に、前記情報処理装置が、前記モード情報を前記契約モードでないことを示すように更新することにより、前記第1画像形成装置において前記契約消耗品の使用を停止させる、使用不可移行工程をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記情報処理装置が、前記第1画像形成装置において使用されている前記契約消耗品の印刷材の残量が所定量以下であるか否かを判定する残量判定工程と、
前記情報処理装置が、前記契約消耗品が前記第2画像形成装置において装着されたことを検知する検知工程と、
前記情報処理装置が、判定した前記残量が所定量を超えている場合に前記契約消耗品の装着を検知したとき、前記第2画像形成装置に対して、前記契約消耗品を使用して実行される契約印刷を禁止する禁止工程とを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記情報処理装置が、判定した前記残量が所定量を超えている場合に前記契約消耗品の装着を検知したとき、前記継続使用を再度提案する再提案工程をさらに含み、
前記情報処理装置は、前記継続使用に対する同意を受け付けた場合に、前記禁止工程を実行する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記情報処理装置は、再度提案した前記継続使用に対する却下を受け付けた場合に、前記使用不可移行工程を実行し、
前記情報処理装置が、前記第2画像形成装置に対して前記契約印刷を許可する許可工程をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記情報処理装置は、
前記第1画像形成装置、
前記第2画像形成装置、
前記第1画像形成装置および前記第2画像形成装置と通信ネットワークを介して通信するサーバ、ならびに、
前記通信ネットワークを介して前記サーバと通信する、前記第1画像形成装置および前記第2画像形成装置のユーザのユーザ端末、
のうちの、少なくともいずれか1つによって構成される、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
締結された契約に基づいて、印刷材が収容された契約消耗品の使用を許可された第1画像形成装置と、
新たに契約を締結する第2画像形成装置と、
前記第1画像形成装置および前記第2画像形成装置と通信ネットワークを介して通信するサーバと、
前記通信ネットワークを介して前記サーバと通信する、前記第1画像形成装置および前記第2画像形成装置のユーザのユーザ端末と、
前記第1画像形成装置、前記第2画像形成装置、前記サーバおよび前記ユーザ端末のうちの、少なくともいずれか1つによって構成される情報処理装置とを含み、
前記情報処理装置は、
前記第1画像形成装置から前記第2画像形成装置に変更するための要求を前記ユーザ端末から受け付ける受付工程と、
前記情報処理装置により前記要求が受け付けられた場合、前記第2画像形成装置において、前記契約消耗品を使用可能とする、使用可移行工程と、
前記情報処理装置により前記要求が受け付けられた場合、前記第1画像形成装置で使用されている前記契約消耗品を前記第1画像形成装置において継続して所定期間使用可能とする使用可維持工程とを実行する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、契約が締結された画像形成装置を変更する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置を利用するユーザに対して定額印刷サービスが広く提供されている。定額印刷サービスは、サブスクリプションサービスとも呼ばれ、画像形成装置ごとに加入できるサービスである。例えば、定額印刷サービスの利用に関する契約が締結された契約機である画像形成装置において、予め定められた期間中、予め設定された枚数までなら、一定の利用料金で印刷が許可されるというものである。
【0003】
一般に、定額印刷サービスの利用にあたっては、契約が締結された画像形成装置において、定額印刷サービス専用の契約消耗品を使用するように、サービス提供事業者が指定することが多い。この場合、契約機における契約消耗品の使用が適正であることを保証する仕組みが必要である。
【0004】
契約消耗品の適正な使用を保証するために、例えば、特許文献1には、契約消耗品か、サービスの加入に関係なく使用できる通常の消耗品かを区別する技術が開示されている。また、契約消耗品が特定の契約機において使用されるように、契約消耗品と契約機とを対応付けて管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開2018/0131831号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ユーザは、様々な事情により契約機を変更することができる。従来、契約機の変更は、以下の手順で完了していた。例えば、第1に、変更前の古い画像形成装置(以下、旧装置)について契約解除の手続が実行される。第2に、新しい画像形成装置(以下、新装置)がユーザの元に納入される。第3に、新装置について契約手続が締結される。第4に、契約締結に基づいてサービス提供事業者が新装置のための契約消耗品をユーザに供給する。つまり、ユーザは、旧装置の契約を解除してから新装置のための契約消耗品が手元に届くまでの期間、定額印刷サービスを実施できず、不便であるという問題があった。
【0007】
本開示は、サービスが利用できない期間を短縮または無くすことにより、利便性にすぐれた、契約機を変更する方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本開示の第1態様に係る方法は、締結された契約に基づいて、印刷材が収容された契約消耗品の使用を許可された第1画像形成装置から、新たに契約を締結する第2画像形成装置に変更するための要求を情報処理装置により受け付ける受付工程と、前記情報処理装置により前記要求が受け付けられた場合、前記情報処理装置が、前記第2画像形成装置において、前記契約消耗品を使用可能とする、使用可移行工程と、前記情報処理装置により前記要求が受け付けられた場合、前記情報処理装置が、前記第1画像形成装置で使用されている前記契約消耗品を前記第1画像形成装置において継続して所定期間使用可能とする使用可維持工程と、を含む。
【0009】
第2態様は、第1態様の方法であって、前記第2画像形成装置は、第2本体メモリを備え、前記第2本体メモリは、前記第2画像形成装置が、契約が締結された契約モードであるか否かを示すモード情報を記憶し、前記情報処理装置は、前記使用可移行工程において、前記モード情報を前記契約モードであることを示すように更新することにより、前記契約消耗品を使用可能とする。
【0010】
第3態様は、第2態様の方法であって、前記情報処理装置が、前記第2画像形成装置が前記契約モードに移行したことを示す移行完了通知を、前記第2画像形成装置から受信する受信工程と、前記情報処理装置が、前記移行完了通知を受信した場合に、前記第2画像形成装置において使用可能な前記契約消耗品を発注する発注工程とをさらに含む。
【0011】
第4態様は、第1態様から第3態様のいずれか1つの方法であって、前記受付工程において前記要求が受け付けられた場合、前記情報処理装置が、前記第1画像形成装置で使用されている前記契約消耗品の、前記所定期間における継続使用を提案する提案工程を含み、前記情報処理装置は、前記継続使用に対する同意を受け付けた場合に、前記使用可維持工程を実行する。
【0012】
第5態様は、第4態様の方法であって、前記第1画像形成装置は、第1本体メモリを備え、前記第1本体メモリは、前記第1画像形成装置が、契約が締結された契約モードであるか否かを示すモード情報を記憶し、前記第1画像形成装置で使用されている前記契約消耗品の印刷材が所定量以下になった場合に、前記情報処理装置が、前記モード情報を前記契約モードでないことを示すように更新することにより、前記第1画像形成装置において前記契約消耗品の使用を停止させる、使用不可移行工程をさらに含む。
【0013】
第6態様は、第5態様の方法であって、前記情報処理装置が、前記第1画像形成装置において使用されている前記契約消耗品の印刷材の残量が所定量以下であるか否かを判定する残量判定工程と、前記情報処理装置が、前記契約消耗品が前記第2画像形成装置において装着されたことを検知する検知工程と、前記情報処理装置が、判定した前記残量が所定量を超えている場合に前記契約消耗品の装着を検知したとき、前記第2画像形成装置に対して、前記契約消耗品を使用して実行される契約印刷を禁止する禁止工程とを含む。
【0014】
第7態様は、第6態様の方法であって、前記情報処理装置が、判定した前記残量が所定量を超えている場合に前記契約消耗品の装着を検知したとき、前記継続使用を再度提案する再提案工程をさらに含み、前記情報処理装置は、前記継続使用に対する同意を受け付けた場合に、前記禁止工程を実行する。
【0015】
第8態様は、第7態様の方法であって、前記情報処理装置は、再度提案した前記継続使用に対する却下を受け付けた場合に、前記使用不可移行工程を実行し、前記情報処理装置が、前記第2画像形成装置に対して前記契約印刷を許可する許可工程をさらに含む。
【0016】
第9態様は、第1態様から第8態様のいずれか1つの方法であって、前記情報処理装置は、前記第1画像形成装置、前記第2画像形成装置、前記第1画像形成装置および前記第2画像形成装置と通信ネットワークを介して通信するサーバ、ならびに、前記通信ネットワークを介して前記サーバと通信する、前記第1画像形成装置および前記第2画像形成装置のユーザのユーザ端末、のうちの、少なくともいずれか1つによって構成される。
【0017】
上記の課題を解決するために、本開示の第10態様のシステムは、締結された契約に基づいて、印刷材が収容された契約消耗品の使用を許可された第1画像形成装置と、新たに契約を締結する第2画像形成装置と、前記第1画像形成装置および前記第2画像形成装置と通信ネットワークを介して通信するサーバと、前記通信ネットワークを介して前記サーバと通信する、前記第1画像形成装置および前記第2画像形成装置のユーザのユーザ端末と、前記第1画像形成装置、前記第2画像形成装置、前記サーバおよび前記ユーザ端末のうちの、少なくともいずれか1つによって構成される情報処理装置とを含み、前記情報処理装置は、前記第1画像形成装置から前記第2画像形成装置に変更するための要求を前記ユーザ端末から受け付ける受付工程と、前記情報処理装置により前記要求が受け付けられた場合、前記第2画像形成装置において、前記契約消耗品を使用可能とする、使用可移行工程と、前記情報処理装置により前記要求が受け付けられた場合、前記第1画像形成装置で使用されている前記契約消耗品を前記第1画像形成装置において継続して所定期間使用可能とする使用可維持工程とを実行する。
【0018】
本開示の各態様に係る画像形成装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記画像形成装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記画像形成装置をコンピュータにて実現させる画像形成装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本開示の範疇に入る。
【発明の効果】
【0019】
第1態様の方法によれば、第1画像形成装置から第2画像形成装置への変更の要求を受けたときに、第1画像形成装置における印刷材の継続使用を認めるため、印刷材の使い切りが促進される。つまり、第1画像形成装置では、継続して、契約に基づく印刷が許可されたまま、第2画像形成装置にて契約に基づく印刷が可能となるように手続きが進められる。
【0020】
そのため、第1画像形成装置における上述の所定期間が満了するまでに第2画像形成装置での契約に基づく印刷の準備が調った場合には、印刷ができない期間を無くすことができ、また、所定期間を先に満了した場合であっても印刷ができない期間を短縮することができる。結果として、第1画像形成装置から第2画像形成装置に変更する際に、サービスが利用できない期間を短縮または無くすことによりユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0021】
第2態様の方法によれば、第2画像形成装置にて契約に基づく印刷を可能とするために、第2画像形成装置の第2本体メモリに記憶されているモード情報を、契約モードに更新する。モード情報が契約モードに更新されると、第2画像形成装置は、契約に基づく印刷が実行できる。したがって、第1画像形成装置において契約に基づく印刷が許可されたまま、第2画像形成装置にて契約に基づく印刷を可能とするための手続きが進行する。結果として、サービスが利用できない期間を短縮または無くすことによりユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0022】
第3態様の方法によれば、第1画像形成装置での契約消耗品の使用が許可されている所定期間のうちに、第2画像形成装置で使用される契約消耗品をユーザに供給する処理を進めることができる。そのため、第1画像形成装置から第2画像形成装置に変更する際に、サービスが利用できない期間を短縮または無くすことができ、結果として、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0023】
第4態様の方法によれば、第1画像形成装置を継続して使用することを希望するか、すぐに、第1画像形成装置の契約を解除して第2画像形成装置に変更することを希望するかをユーザが選択することができる。このように、ユーザは、第1画像形成装置の継続使用を強制されないので、契約機の変更を急ぎたいユーザにとって利便性が一層高まる。
【0024】
第5態様の方法によれば、継続して使用される第1画像形成装置において、契約消耗品の印刷材が所定量以下になった場合には、第1画像形成装置において契約に基づく印刷が実行できないようにする。これにより、印刷材が所定量以下になって継続使用に適さなくなった第1画像形成装置については速やかに契約解除の手続に移ることができる。結果として、契約機の変更を円滑に進めることが可能となる。
【0025】
第6態様の方法によれば、第2画像形成装置での契約に基づく印刷の準備が調った後でも、第1画像形成装置の契約消耗品に印刷材が残っている場合には、第1画像形成装置での契約消耗品の継続使用が認められる。その一方で、第2画像形成装置での契約消耗品の使用が一時的に禁止される。これにより、第1画像形成装置および第2画像形成装置の両方で契約印刷が実行できるような不適正な状態に陥ることを回避しつつ、契約消耗品の使い切りが促進され、資源の無駄を抑制することができる。
【0026】
第7態様の方法によれば、第2画像形成装置での契約に基づく印刷の準備が調った後、第1画像形成装置の契約消耗品に印刷材が残っている場合には、再度ユーザに第1画像形成装置の継続使用が提案される。ユーザが同意した場合には、契約消耗品の使い切りが一層促進され、資源の無駄が抑制される。
【0027】
第8態様の方法によれば、第1画像形成装置および第2画像形成装置の両方で契約印刷ができるような不適正な状態に陥ることを回避し、画像形成装置の変更を適正に完了させることができる。
【0028】
第9態様の方法によれば、第1態様の方法と同様の効果を奏する。
【0029】
第10態様のシステムによれば、第1態様の方法と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本開示の実施形態における画像形成システムの概要を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態における画像形成装置の構造の概要を示す図である。
【
図3】本開示の実施形態における画像形成装置、インクカートリッジおよびサーバの要部構成を示すブロック図である。
【
図4】カートリッジメモリのデータ構造を示す図である。
【
図5】実施形態1の画像形成システムで実行される契約機の変更処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】実施形態1の画像形成システムで実行される変更プラン成立後の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】実施形態2の画像形成システムで実行される契約機の変更処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
〔実施形態1〕
以下、本開示の実施形態について
図1~
図7を参照しつつ説明する。本実施形態では、一例として、画像形成装置がインクジェットプリンタである場合について説明する。しかしながら、画像形成装置1は、インクジェットプリンタ以外のプリンタであってもよい。例えば、画像形成装置1は、レーザープリンタであってもよい。
【0032】
<画像形成システムの概要>
図1は、本開示の実施形態における画像形成システム100の概要を示す図である。画像形成システム100では、事業者とユーザとの間で締結された契約に基づいて、事業者からユーザの画像形成装置1に対し、印刷サービスが提供される。以下では、契約に基づいて提供される定額印刷サービスを契約サービスと称する。そして、提供された契約サービスを利用して画像形成装置1が実行する印刷を、契約と無関係に実行される通常の印刷と区別して、契約印刷と称する。契約と無関係に実行される通常の印刷は、以下では、通常印刷と称する。
【0033】
図1に示すように、画像形成システム100は、複数の画像形成装置1と、サーバ8と、ユーザ端末9とを含んで構成される。ユーザが利用する画像形成装置1は、契約サービスを利用して印刷を実行する装置である。事業者が利用するサーバ8は、契約が締結されて、契約サービスの利用が許可された画像形成装置1を管理するための装置である。以下では、契約が締結されて、契約サービスの利用が許可された画像形成装置1を契約機と称する。ユーザが利用するユーザ端末9は、サーバ8と通信して、契約の締結、解除、および、その他の手続を実行するための装置である。ユーザ端末9としては、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン等、標準的な通信機能を備えた情報処理端末が採用され得る。画像形成システム100を構成する各装置は、インターネットなどの通信ネットワークを介して、互いに通信することができる。
【0034】
図1に示す複数の画像形成装置は、同一のユーザによって購入された画像形成装置1を表している。しかし、画像形成システム100は、図示されていないが、他のユーザによって購入されたさらに他の画像形成装置を含んで構成されていてもよい。
【0035】
複数の画像形成装置1のそれぞれは、ユーザが事業者と契約することによって、契約専用の消耗品または交換品を使用することができる画像形成装置である。契約は、一例として、契約サービスを提供する事業者と、ユーザとの間で、契約サービスの利用期間、利用料金、上限枚数などが取り決められた上で、事業者がユーザに契約サービスを提供することを双方が了承することである。すなわち、本実施形態の画像形成装置1は、契約サービスの契約が締結された後、該契約の内容に基づく印刷である契約印刷を実行することが可能になる画像形成装置である。
【0036】
画像形成システム100では、事業者からユーザに提供される契約サービスにおいて、下記(1)および(2)のタイミングは異なっていてもよい。
【0037】
(1)サーバ8が、画像形成装置1を契約が締結された契約機として認識するタイミング
(2)サーバ8が、画像形成装置1において契約サービスの利用が開始されたとみなすタイミング
すなわち、契約サービスにおいて、サーバ8が画像形成装置1を「契約機ではあるが、まだ契約サービスの利用は開始されていない」と認識することがあってもよい。
【0038】
なお、(1)の「サーバ8が画像形成装置1を契約機として認識する」ことは、画像形成装置1が、契約が締結されていないことを意味する非契約モードから、契約が締結されたことを意味する契約モードへと状態を移行させたことをトリガに実行されてもよい。
【0039】
また、(2)において「契約サービスの利用が開始されたとみなす」ことは、あくまで、「契約サービスの利用が某日時より開始された」ということをサーバ8が認識したことを意味する。したがって、サーバ8が契約サービスの利用が開始されたとみなすタイミングは、画像形成装置1が実際に契約印刷を実行したタイミングと一致しなくてもよい。
【0040】
以下では、特段の記載が無い限り、契約サービスは有料のサービスであることとする。そして、(1)のタイミングは、サーバ8が画像形成装置1を契約機として認識したタイミングであって、課金開始のトリガとはならず、(2)のタイミングが、課金開始のタイミングであるとする。
【0041】
他の例では、上述の(1)のタイミングと(2)のタイミングとはほぼ同時であってもよい。一例として、契約サービス専用であって、契約印刷に使用されるインクカートリッジが装着されたことをトリガとして、上述の(1)および(2)が起こってもよい。以下では、契約印刷に使用される契約サービス専用のインクカートリッジを契約カートリッジ(契約消耗品)と称する。例えば、画像形成装置1は、装着された契約カートリッジのカートリッジメモリから所定の情報を読み出し、所定の情報をサーバ8に送信する。所定の情報を画像形成装置1から受信したサーバ8は、画像形成装置1を契約機として認識するとともに、画像形成装置1において契約サービスの利用が開始されたとみなす。
【0042】
本実施形態では一例として、画像形成装置1が、インク(印刷材)を吐出することによって、データを印刷用紙に印刷するインクジェットプリンタである場合について説明する。画像形成装置1の本体筐体には、1つ以上のインクカートリッジが装着される。本実施形態では、一例として、画像形成装置1には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(BK)の4色のインクカートリッジがそれぞれ装着されるものとする。なお、画像形成装置1には、図示されていないが、液晶ディスプレイやランプなどの表示部と、ボタンなどの入力部とが設けられていてもよい。また、液晶ディスプレイは、タッチパネルと一体に構成されることにより、入力部として機能するように構成されてもよい。
【0043】
図1に示す例では、一方の画像形成装置1は、契約が締結された現行の契約機を示し、他方の画像形成装置1は、現行の契約機である画像形成装置1に代えて、新たに契約が締結される予定の他の画像形成装置1を示す。以下では、契約が締結された契約機を、現行の画像形成装置1から他の画像形成装置1に変更することを「契約機の変更」と称する。そして、現行の契約機である画像形成装置1を「変更前の画像形成装置1」または「旧装置」(第1画像形成装置)と称する。また、新たに契約が締結される予定の他の画像形成装置1または上述の変更前の画像形成装置1に代えて新たに契約が締結された他の画像形成装置1を「変更後の画像形成装置1」または「新装置」(第2画像形成装置)と称する。変更前の画像形成装置1か、変更後の画像形成装置1かを特に区別する必要がなく、両方の画像形成装置1に共通して当てはまる事項を説明する場合には、単に、画像形成装置1と記載する。
【0044】
<画像形成装置1の全体構成>
図2は、本実施形態の画像形成装置1の構造の概要を示す図である。便宜上、以降の説明では、
図2の上側を画像形成装置1の上側、
図2の下側を画像形成装置1の下側とし、
図2の左側を画像形成装置1の後側、
図2の右側を画像形成装置1の前側とする。
【0045】
画像形成装置1は、インクを吐出することによって、データを印刷用紙Pに印刷するインクジェットプリンタである。画像形成装置1の本体筐体には、1つ以上のインクカートリッジが装着される。なお、
図2に示す部材の他にも、画像形成装置1には、液晶ディスプレイやランプなどの表示部と、ボタンなどの入力部とが設けられていてもよい。また、液晶ディスプレイは、タッチパネルと一体に構成されることにより、入力部として機能するように構成されてもよい。
【0046】
図2の例では、画像形成装置1は、給紙トレイ20、給紙部2、搬送ローラ70、記録部3、排出ローラ72、及び排出トレイ30を備えている。画像形成装置1の前面には、開口が形成されている。開口には、給紙トレイ20が、前後方向に移動可能に配置されている。給紙トレイ20には、積層された複数の印刷用紙Pが収容される。印刷用紙Pは、例えば所定の大きさの用紙である。印刷用紙Pは、紙媒体に限られない。例えば、印刷用紙PはOHPシートのような樹脂素材であってもよい。
【0047】
給紙部2は、給紙ローラ21と、給紙アーム22と、軸23とを有する。給紙部2は、給紙ローラ21の正回転によって、給紙トレイ20に収容された印刷用紙Pを搬送路Rへ給送する。給紙ローラ21は、給紙アーム22の先端部に回転可能に設けられている。給紙アーム22は、画像形成装置1のフレームに支持された軸23に回動可能に設けられている。給紙アーム22は、自重又はバネ等による弾性力によって、給紙トレイ20へ向けて回動付勢されている。画像形成装置1に設けられたモータ(図示せず)の逆回転による駆動力が給紙ローラ21に伝達されることで、給紙ローラ21が正回転する。
【0048】
搬送路Rは、ガイド部材51、ガイド部材52、記録部3、ガイド部材53、及びガイド部材54等によって形成される空間である。
【0049】
搬送方向における記録部3よりも上流側には、搬送ローラ70が配置されている。搬送ローラ70の下部と向かい合うように、ピンチローラ71が配置されている。搬送ローラ70は、画像形成装置1が有するモータの動力で回転する。ピンチローラ71は、搬送ローラ70の回転に伴って回転する。搬送ローラ70及びピンチローラ71が正回転することにより、印刷用紙Pは、搬送ローラ70及びピンチローラ71に挟持された状態で、搬送路Rの画像記録位置Xまで搬送される。画像記録位置Xは、記録ヘッド32により印刷用紙Pへの画像の記録が行われる位置である。画像形成装置1のモータの正回転による駆動力が搬送ローラ70に伝達されると、搬送ローラ70は正回転する。また、モータの逆回転による駆動力が搬送ローラ70に伝達されると、搬送ローラ70は逆回転する。なお、画像形成装置1に設けられたモータの正回転は第1方向への回転に相当し、モータの逆回転は第2方向への回転に相当する。
【0050】
記録部3は、搬送路Rの搬送ローラ70と排出ローラ72との間に配置される。記録部3は、キャリッジ31と、記録ヘッド32と、複数のノズル33と、プラテン34とを有する。また、ノズル33は、それぞれインクカートリッジ4と接続されている。なお、ノズル33およびインクカートリッジ4の個数は特に限定されない。
【0051】
インクカートリッジ4は、カートリッジ筐体を有する。カートリッジ筐体は、画像形成装置1の本体筐体に装着可能である。インクカートリッジ4は、画像形成を行うために使用される材料として、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)のインクを収容する。インクは、印刷の度に消費される消耗品である。
【0052】
キャリッジ31は、搬送方向に対して直交する方向、即ち、印刷用紙Pの幅方向に往復移動する。印刷用紙Pへの画像記録において、画像形成装置1は、記録処理として、印刷用紙Pの搬送が停止している状態でキャリッジ31を印刷用紙Pの幅方向に移動させながら、記録ヘッド32のノズル33からインクを吐出させることで、1行分の画像を印刷用紙Pに記録させる。また、画像形成装置1は、改行処理として、搬送ローラ70及び排出ローラ72を駆動させて印刷用紙Pを所定の改行量だけ搬送する。画像形成装置1は、この記録処理と改行処理とを繰り返す。
【0053】
図2に示すように、キャリッジ31には、記録ヘッド32が搭載されている。記録ヘッド32の下面には、複数のノズル33が設けられている。記録ヘッド32はノズル33からインク滴を吐出する。プラテン34は、印刷用紙Pが載置される矩形板状の部材である。プラテン34に支持された印刷用紙Pに対して、キャリッジ31が移動する過程において、記録ヘッド32がインク滴を選択的に吐出することによって、印刷用紙Pに画像が記録される。
【0054】
搬送方向における記録部3よりも下流側には、排出ローラ72が配置されている。排出ローラ72の上部と対向する位置には、拍車73が配置されている。排出ローラ72は、画像形成装置1に設けられたモータによって駆動される。拍車73は、排出ローラ72の回転に伴って回転する。排出ローラ72及び拍車73が正回転することにより、印刷用紙Pは、排出ローラ72及び拍車73に挟まれて、排出トレイ30へ排出される。
【0055】
給紙トレイ20の上方には、排出トレイ30が配置されている。排出トレイ30は、排出ローラ72によって排出された印刷用紙Pを支持する。
【0056】
<画像形成装置1、インクカートリッジ4、およびサーバ8の内部構成>
図3は、本実施形態における画像形成装置1、インクカートリッジ4、およびサーバ8の要部構成を示すブロック図である。
【0057】
(インクカートリッジ4)
インクカートリッジ4は、カートリッジメモリ42(消耗品メモリ)を有する。カートリッジメモリ42は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリである。カートリッジメモリ42は例えば、フラッシュROM(Read Only Memory)またはEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable ROM)である。
【0058】
カートリッジメモリ42は、インクカートリッジ4に関する情報を記憶するために、1つ以上の記憶領域、例えば、第1領域~第5領域を有している。カートリッジメモリ42のデータ構造については、
図4を参照して詳細に説明する。
【0059】
画像形成装置1の本体筐体は、コネクタ101を有する。インクカートリッジ4が画像形成装置1の本体筐体に装着されると、コネクタ101がカートリッジメモリ42と電気的に接続される。これにより、画像形成装置1のコントローラ61は、インクカートリッジ4のカートリッジメモリ42と通信可能になる。
【0060】
(画像形成装置1)
画像形成装置1はコントローラ61と、本体メモリ62と、通信部63とを有する。コントローラ61は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)を有する。コントローラ61は、画像形成装置1の本体筐体に設けられた、本体メモリ62および通信部63と電気的に接続されている。コントローラ61は、種々の動作を実行することによって、画像形成装置1に印刷に関連する各種処理を行わせる。
【0061】
なお、コントローラ61は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備えてもよい。この場合、本体メモリ62に、画像形成装置の制御方法を実現する制御プログラムが保存され、プロセッサが制御プログラムにしたがって動作することによって、コントローラ61が画像形成装置1に各種処理を行わせてもよい。
【0062】
また、コントローラ61は、制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な、本体メモリ62などの記録媒体を備えていてもよい。当該記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、制御プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを利用してもよい。また、制御プログラムは、当該制御プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本開示の一態様は、制御プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0063】
画像形成装置1にインクカートリッジ4が装着されると、
図3に示すように、インクカートリッジ4は、コントローラ61と電気的に接続される。これにより、コントローラ61は、カートリッジメモリ42からの情報の読出処理と、カートリッジメモリ42への情報の書込処理(書き換え処理を含む)とを実行することが可能となる。
【0064】
本体メモリ62は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリである。本体メモリ62は、例えばフラッシュROMまたはEEPROM(登録商標)である。本体メモリ62は、1つ以上の記憶領域を有し、各領域には、一例として、以下の各種情報が記憶されている。
【0065】
カートリッジ情報621は、画像形成装置1に装着される各色のインクカートリッジ4に関する情報である。具体的には、カートリッジ情報621は、それぞれのカートリッジメモリ42から読み出されるインクカートリッジ4に関連する情報を、インクカートリッジ4ごとに対応付けた情報を含む。インクカートリッジ4に関連する情報は、一例として、図示のように、カートリッジID、カートリッジ種別およびインク残量情報などである。本実施形態では、さらに、インクカートリッジ4に関連する情報として、インクカートリッジ4の状態を表す、状態情報が含まれる。カートリッジ情報621のデータ構造の詳細については、
図4を参照して後述する。
【0066】
本実施形態では、カートリッジメモリ42から読み出されたカートリッジ情報621は、コントローラ61が、インクカートリッジ4の状態を正確に判定するために参照される。コントローラ61は、インクカートリッジ4の状態を正確に把握することにより、契約機の変更のタイミングで、インクカートリッジ4に対して適切な処理を行うことが可能となる。さらに、本実施形態では、カートリッジ情報621は、画像形成装置1におけるインクカートリッジ4の装着状況に応じて、コントローラ61が契約モードへの移行の適否を判定するために参照されてもよい。契約モードとは、画像形成装置1の動作モードの1つであり、画像形成装置1が画像形成システム100上で、契約に基づく契約印刷を実行する資格を有する契約機であると認識される動作モードである。
【0067】
装置ID622は、画像形成装置1を識別するための識別情報である。装置ID622とは、例えば画像形成装置のシリアルナンバーである。
【0068】
モード情報623は、画像形成装置1の動作モードを示す情報である。本実施形態では、一例として、「契約モード」と、「非契約モード」との2種類のモードが定義される。「契約モード」は、画像形成装置1が画像形成システム100上で、契約が締結された契約機として動作することを意味する。「非契約モード」は、画像形成装置1が契約機ではなく、契約が締結されていない通常の画像形成装置として動作することを意味する。
【0069】
画像形成装置1の出荷時において、本体メモリ62には、デフォルトで非契約モードに対応する値を示すモード情報623が記憶されている。サーバ8は、契約を結んだユーザの画像形成装置1に、契約モードに移行することを指示する契約移行指示を含んだリクエストを送信する。コントローラ61は、サーバ8からのリクエストにしたがって、モード情報623を、非契約モードから契約モードへと変更する。本実施形態では、一例として、このようにコントローラ61が、モード情報623の値を、非契約モードから契約モードへと変更することを、「契約モードへの移行」と呼ぶ。
【0070】
他の実施形態では、モード情報623は、画像形成装置1が契約モードであるか非契約モードであるかを表すとともに、画像形成装置1が契約モードである場合には、さらに、画像形成装置1が契約モード下の非課金状態であるか、課金状態であるかを示してもよい。すなわち、モード情報623は、画像形成装置1が、(1)非契約モード、(2)契約モードの非課金状態、および、(3)契約モードの課金状態の3つの状態のうちいずれの状態にあるのかを示す情報として本体メモリ62に記憶されていてもよい。
【0071】
「契約モードの非課金状態」とは、画像形成装置1が契約モードではあるが、契約サービスの利用は開始されていない状態を示す。例えば、前述のように、サーバ8が、画像形成装置1を契約機として認識するタイミングと、サーバ8が、画像形成装置1で契約サービスが利用開始されたとみなすタイミングとが異なっている場合、この「契約モードの非課金状態」という状態が生じ得る。
【0072】
一方、「契約モードの課金状態」とは、画像形成装置1が契約モードであり、かつ、契約サービスの利用が開始されている状態を示す。
【0073】
ステータス情報624は、画像形成装置1の状態を表す情報である。本実施形態では、一例として、ステータス情報624は、画像形成装置1が、正常であるか、異常であるかを示す異常フラグとともに、異常である場合には、その異常の内容を示すエラー情報を含んでいてもよい。コントローラ61は、ステータス情報624を参照することにより、画像形成装置1に故障が発生しているか否かを判定することができる。
【0074】
第1枚数カウンタ625は、画像形成装置1における印刷枚数の累計である。第2枚数カウンタ626は、画像形成装置1において契約サービスを利用して印刷した印刷物の枚数を示す。第2枚数カウンタ626は、画像形成装置1が非契約モードから契約モードに移行する度に0にカウントリセットされてもよいし、今まで画像形成装置1において契約サービスを利用して印刷した印刷物の枚数の累計であってもよい。以降、特段の記載がない限り、第2枚数カウンタ626の値は、今まで契約印刷として印刷した枚数の累計であることとする。
【0075】
交換回数カウンタ627は、契約カートリッジが新品に交換された回数を示す。コントローラ61は、新品のインクカートリッジ4が画像形成装置1の本体筐体に装着されたとき、交換回数カウンタ627の交換回数を1つインクリメントする。
【0076】
本体メモリ62は、上述した情報の他に、例えば、画像形成装置1における累計印刷枚数を記憶するための領域を有していてもよい。
【0077】
通信部63は、例えばインターネットなどの通信ネットワークを介して、画像形成装置1とサーバ8との通信を行う。通信部63は、サーバ8から受信したリクエストをコントローラ61に出力する。ここで、「リクエスト」とは、契約関連処理において、サーバ8から送信される各種の要求、指示、問合せなどを指す。通信部63は、コントローラ61が、上述のリクエストに応答して演算し、出力した結果を、「レスポンス」としてサーバ8に返信する。本実施形態では、通信部63によるレスポンスの返信は省略されてもよい。例えば、リクエストが、画像形成装置1内の各種の設定を変更する指示である場合、コントローラ61は指示にしたがって画像形成装置1内の各種の設定を変更する。しかし、設定が変更された旨の通知を通信部63を介してサーバ8に返信することは省略されてもよい。
【0078】
(サーバ8)
サーバ8は、サーバ通信部83と、サーバメモリ82と、サーバ制御部81(制御部)を備えている。サーバ通信部83は、サーバ8と画像形成装置1との通信を行う通信インタフェースである。サーバ通信部83は、サーバ制御部81から入力されたリクエストを画像形成装置1に送信する。サーバ通信部83は、送信したリクエストに応じて画像形成装置1から送られてきたレスポンスを受信し、サーバ制御部81に出力する。
【0079】
また、サーバ通信部83は、画像形成装置1のユーザが操作するユーザ端末9と通信ネットワークを介して通信し、ユーザ端末9との間で情報を送受信する。本実施形態では、サーバ通信部83は、ユーザ端末との間で、契約締結のために必要な各種情報を送受信する。具体的には、サーバ通信部83は、ユーザ端末9から契約締結を要求する契約要求メッセージを受信してもよい。この契約要求メッセージには、画像形成装置1を識別する装置ID622が含まれ得る。この契約要求メッセージに応答して、サーバ制御部81が契約関連処理を実行した後、サーバ通信部83は、画像形成装置1を契約機として認識した旨の通知を、ユーザ端末9に送信してもよい。
【0080】
サーバメモリ82は、サーバ8の動作に必要なデータを記憶する記憶装置である。サーバメモリ82は、画像形成システム100において提供される契約サービスに加入する画像形成装置1ごとに装置情報を記憶する。装置情報は、例えば、装置ID、契約フラグ、契約上限枚数、画像形成装置1の型番、製造年月日等を含んでいてもよい。
【0081】
装置ID622は、サーバ8が画像形成装置1を一意に識別するための識別情報である。契約フラグは、画像形成装置1が契約モードに移行したか否か、すなわち、契約機として認識済みであるか否かを示す情報である。契約上限枚数は、画像形成装置1が、契約で定められた所定の期間において契約印刷可能な上限の枚数を示す。
【0082】
サーバ制御部81は、サーバ8を統括的に制御するCPUである。サーバ制御部81は所定のタイミングで、画像形成装置1にリクエストを作成し、作成したリクエストをサーバ通信部83に出力する。本実施形態では、リクエストは、例えば、契約モードへの移行を画像形成装置1に対して指示する契約移行指示を含む。サーバ制御部81は、ユーザ端末9から送信された契約要求メッセージが受信されたことをトリガとして、サーバ通信部83を制御し、ユーザが希望する画像形成装置1に対して、上述の契約移行指示を送信する。
【0083】
また、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して画像形成装置1から受信したレスポンスに基づいて、サーバメモリ82に装置情報を新規に記憶させたり、既に記憶されている装置情報を更新したりする。より詳細には例えば、サーバ通信部83がユーザ端末9から、新規に契約締結を希望する画像形成装置1に関して契約要求メッセージを受信すると、サーバ制御部81は、その画像形成装置1の装置情報をサーバメモリ82に新規に登録する。このとき、サーバ制御部81は、契約フラグの初期値として「未確認」を意味する値に設定する。契約フラグ「未確認」とは、ユーザと事象者との間で契約は締結されたが、契約印刷を実行する予定の画像形成装置1が契約モードに移行したことを、サーバ8自身がまだ確認していない状態を意味する。そして、サーバ制御部81は、画像形成装置1との通信を介して、画像形成装置1が契約モードに移行した旨を確認した場合に、該画像形成装置1の契約フラグを「確認済」を意味する値に更新する。この処理に基づいて、画像形成装置1は、サーバ8を含む画像形成システム100上で、契約機として認識される。
【0084】
<データ構造>
図4は、インクカートリッジ4のカートリッジメモリ42のデータ構造を示す図である。カートリッジメモリ42は、一例として、少なくとも第1領域から第5領域までの5つの記憶領域を有する。
【0085】
第1領域は、状態情報を記憶するための記憶領域である。状態情報は、インクカートリッジ4が新品であるか旧品であるかを示す情報であり、一例として、状態情報は、新品フラグ431である。例えば、新品フラグ431の「1」の値は、インクカートリッジ4が新品であることを意味し、新品フラグ431の「0」の値は、インクカートリッジ4が旧品であることを意味してもよい。
【0086】
第2領域は、インクカートリッジ4が旧品である場合に、関連付けされた画像形成装置1の装置ID432を記憶するための記憶領域である。
【0087】
第3領域には、カートリッジID421が記憶されていてもよい。カートリッジID421は、例えば、個々のインクカートリッジ4を識別するための固有のシリアルナンバーである。カートリッジID421は、インクカートリッジ4のインクの色、型番、製造メーカおよび製造ロットなどを示す情報を含んでいてもよい。
【0088】
第4領域には、カートリッジ種別422が記憶されていてもよい。カートリッジ種別422は、インクカートリッジ4の種別を示す情報である。本実施形態では、インクカートリッジ4の種別として、少なくとも、「契約」および「市販」の2種類が設定され得る。
【0089】
種別「契約」が第4領域に設定されているインクカートリッジ4は、契約サービス専用のインクカートリッジである。以下では、この種別のインクカートリッジを、契約カートリッジと称する。画像形成装置1は、契約カートリッジを装着している間、契約印刷を実行することができる。契約カートリッジは、事業者から、画像形成装置1について契約を結んだユーザに対して供給される。
【0090】
種別「市販」が第4領域に設定されているインクカートリッジ4は、家電量販店または通販サイトなどから購入可能な市販のインクカートリッジである。以下では、この種別のインクカートリッジを、市販カートリッジと称する。市販カートリッジは、画像形成装置1のメーカによって製造された、いわゆる純正品であってもよいし、メーカ以外の第3者パーティによって製造された、いわゆるサード品であってもよい。
【0091】
第5領域には、インク残量情報423が記憶されていてもよい。インク残量情報423は、インクカートリッジ4のインクの残量を示す情報である。インク残量は、一例として、満杯から空までの複数の段階に対応する値で構成され、該値が第5領域に記憶されている。インク残量の各段階は、上述の値に基づいて、「FULL」~「EMPTY」などのように言葉でユーザに通知されてもよいし、「100%」~「0%」などの数値でユーザに通知されてもよいし、これらを組み合わせた表現によってユーザに通知されてもよい。
【0092】
<処理フロー>
図5~
図7は、画像形成システム100の各装置によって実行される、契約機を変更するための処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、一例として、契約機の変更時に、画像形成システム100からユーザに対して、変更プランが提供される。変更プランとは、ユーザが契約機の変更を要求してから、実際に変更後の画像形成装置1を使って契約印刷を実施できるようになるまでの所定期間に、変更前の画像形成装置1の継続使用を認めるサービスである。変更プランは、一例として、以下のように提供される。変更プランは、ユーザが希望したときだけ提供されてもよいし、ユーザの希望にかかわらず、変更時に自動的に提供されてもよい。
【0093】
以下では、本開示内容への理解を容易にするために、
図5~
図7に示す各工程の実行主体を、画像形成システム100を構成するいずれかの装置に特定して例示的に説明する。しかし、
図5~
図7に示す各工程は、例示された特定の装置によってのみ実行されると限定的に解釈されるべきではない。
図5~
図7に示す各工程は、以下で例示される装置とは別の装置によって実行されてもよいし、複数の装置が協働して実行するものであってもよい。すなわち、
図5~
図7に示す各工程の実行主体とされる情報処理装置は、変更前の画像形成装置1、変更後の画像形成装置1、サーバ8およびユーザ端末9のうちのいずれか1つの装置または複数の装置の組み合わせによって構成され得る。
【0094】
(変更プラン成立前から変更プラン成立直後の処理)
図5は、変更プランが成立する前から変更プランが成立した直後にかけて、画像形成システム100の各装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0095】
ステップS101では、サーバ8のサーバ制御部81は、ユーザ端末9の不図示の表示部に、会員サイトを表示させる。会員サイトは、契約に関する諸手続をユーザが実行するためのユーザインタフェース(以下、UI)を含む。会員サイトは、例えば、新規に契約を締結するための契約手続、画像形成装置を購入するための購入手続、契約を解除するための退会手続、契約が締結される予定の画像形成装置を新規に登録する登録手続などを実行するためのUIを含む。
【0096】
一例として、会員サイトの表示は、以下の手順で実行される。ユーザ端末9がユーザの操作にしたがって、会員サイトのURL(Uniform Resource Locator)にアクセスする。ユーザ端末9からのアクセス要求に応答して、サーバ制御部81は、ユーザ端末9に会員サイトのアクセスを許可する。許可されたユーザ端末9は、会員サイトを不図示の表示部に表示する。
【0097】
ステップS102(受付工程)では、サーバ制御部81は、締結された契約に基づいて契約カートリッジの使用を許可された画像形成装置1を、別の画像形成装置1に変更するための要求を受け付ける。上述の受付工程は、例えば、以下の手順で実行される。ユーザ端末9が、表示中の会員サイトを通じて、契約機を変更することを指示するユーザの操作を受け付ける。ユーザ端末9は、契約機の変更を要求するための変更要求をサーバ8に送信する。サーバ制御部81は、変更要求を受信したことにより、ユーザが契約機の変更を要求していると判定することができる。サーバ制御部81は、変更要求を受信した場合に、S102のYESからS103へ処理を進める。
【0098】
ステップS103では、サーバ制御部81は、変更後の画像形成装置1に関する購入手続が完了して、変更後の画像形成装置1がユーザに納入されているか否かを判定する。一例として、サーバ制御部81は、サーバメモリ82を参照して、変更後の画像形成装置1に関する購入履歴および発送履歴がサーバメモリ82に記憶されているか否かを判定する。サーバ制御部81は、購入履歴および発送履歴に基づいて、変更後の画像形成装置1がユーザによって入手されていると判定した場合には、S103のYESからS104へ処理を進める。サーバ制御部81は、変更後の画像形成装置1がユーザによって入手されていないと判定した場合には、S103のNOからS111へ処理を進める。
【0099】
ステップS104では、サーバ制御部81は、変更後の画像形成装置1に関する登録手続を実行する。具体的には、サーバ制御部81は、ユーザに納入された変更後の画像形成装置1の装置情報を、契約フラグ「未確認」の情報とともに、サーバメモリ82に記憶されている不図示のデータベースに登録する。一例として、変更後の画像形成装置1の装置情報は、ユーザ端末9から送信されてもよい。
【0100】
ステップS105(提案工程)では、サーバ制御部81は、変更プランをユーザに提案してもよい。一例として、サーバ制御部81は、変更前の画像形成装置1に装着されている契約カートリッジのインクを使い切るまでの所定期間、変更前の画像形成装置1を継続使用することを提案するメッセージを、ユーザ端末9の表示部に表示させてもよい。一例として、ユーザ端末9に表示部には、上述の提案するメッセージとともに、提案に同意することを意味する「はい」ボタンと、提案を却下することを意味する「いいえ」ボタンとを含むUIが表示されてもよい。いずれかのボタンが操作されると、ユーザ端末9は、変更プランの提案について「同意」および「却下」のいずれかを示す回答情報をサーバ8に送信する。
【0101】
他の例では、サーバ制御部81は、変更前の画像形成装置1に装着されている契約カートリッジのインク残量情報423を画像形成装置1から取得し、契約カートリッジのインク残量が所定量以下か否かを判定してもよい。サーバ制御部81は、インク残量情報423が示すインク残量が所定量以下である場合には、S105を実行せずに、S108へ処理を進めてもよい。
【0102】
ステップS106では、サーバ制御部81は、上述の回答情報に基づいて、ユーザが変更プランの提案に同意したか、提案を却下したかを判定する。サーバ制御部81は、ユーザ端末9から受信した回答情報が「同意」を示す場合に、S106のYESからS107に処理を進める。サーバ制御部81は、回答情報が「却下」を示す場合に、S106のNOからS108に処理を進める。
【0103】
ステップS107(使用可維持工程)では、サーバ制御部81は、変更プランを成立させる。一例として、サーバ制御部81は、変更前の画像形成装置1に対して、契約モードを維持するように指示する。変更前の画像形成装置1のコントローラ61は、本体メモリ62に記憶されているモード情報623を契約モードのまま維持する。これにより、変更前の画像形成装置1は、従前使用されている契約カートリッジを継続して所定期間使用して契約印刷を実行することができる。
【0104】
ステップS108(使用不可移行工程)では、サーバ制御部81は、変更プランが却下されたことに基づいて、あるいは、契約カートリッジのインク残量が所定量以下であることに基づいて、変更前の画像形成装置1について退会手続を実行する。退会手続は、一例として、以下の手順で実行される。サーバ制御部81は、変更前の画像形成装置1に対して、契約解除指示を送信する。画像形成装置1のコントローラ61は、本体メモリ62のモード情報623を、契約モードから非契約モードを示すように更新し、非契約モードへの移行が完了したことをサーバ8に報告する。サーバ制御部81は、報告に基づいて、サーバメモリ82に登録されている変更前の画像形成装置1の契約フラグを「確認済」から「未確認」に更新する。これにより、変更前の画像形成装置1において、契約カートリッジを使用した契約印刷は実行されなくなる。
【0105】
ステップS109(使用可移行工程)では、サーバ制御部81は、変更後の画像形成装置1の契約手続を実行する。契約手続は、例えば、以下の手順で実行される。サーバ制御部81は、変更後の画像形成装置1に対して契約移行指示を送信する。変更後の画像形成装置1のコントローラ61は、契約移行指示にしたがって、本体メモリ62のモード情報623を、非契約モードから契約モードを示すように更新する。そして、コントローラ61は、契約モードへの移行が完了したことを通知する移行完了通知をサーバ8に送信する。サーバ制御部81は、移行完了通知を受信する(受信工程)。サーバ制御部81は、移行完了通知を受信したことに基づいて、サーバメモリ82に登録されている変更後の画像形成装置1の契約フラグを「未確認」から「確認済」に更新する。これにより、変更後の画像形成装置1において、契約カートリッジを使用することが可能となる。他の例では、S109の使用可移行工程は、S104の後、S107の使用可維持工程より前に実行されてもよい。
【0106】
ステップS110(発注工程)では、サーバ制御部81は、移行完了通知が受信されて契約手続が完了したことに応じて、変更後の画像形成装置1において使用可能な契約カートリッジを発注する。発注先は、例えば、契約カートリッジの発送を担当する配送センターなどによって管理される受注サーバであってもよい。サーバ制御部81が実行した発注がトリガとなって、契約カートリッジが、変更後の画像形成装置1のユーザに供給される。
【0107】
ステップS111では、サーバ制御部81は、ユーザに対して、変更後の画像形成装置1を手配してから、変更前の画像形成装置1の契約解除手続を行うか否かを問合せてもよい。例えば、サーバ制御部81は、変更後の画像形成装置1の購入手続を実行した後、変更前の画像形成装置1の契約解除手続を実行するかを問い合わせるメッセージをユーザ端末9に送信して、ユーザ端末9の表示部に表示させてもよい。さらに、変更後の画像形成装置1の入手後に契約を解除することを意味する「はい」ボタンと、変更後の画像形成装置1を入手せずに契約を解除することを意味する「いいえ」ボタンとを含むUIが上述のメッセージとともに表示部に表示されてもよい。ユーザ端末9は、ユーザがいずれのボタンを選択したのかを示す回答情報をサーバ8に送信する。サーバ制御部81は、「はい」を示す回答情報を受信した場合に、S111のYESからS103に処理を戻す。例えば、ユーザ端末9は、S103に戻ったときに、会員サイトのホームページまたは変更後の画像形成装置1の購入画面を表示部に表示させてもよい。サーバ制御部81は、「いいえ」を示す回答情報を受信した場合に、S111のNOからS112に処理を進める。
【0108】
ステップS112(使用不可移行工程)では、サーバ制御部81は、変更後の画像形成装置1を入手せずに契約を解除することが指示されたことに基づいて、変更前の画像形成装置1について退会手続を実行する。退会手続は、ステップS108と同様の手順で実行され得る。
【0109】
(変更プラン成立後の処理)
図6は、変更プランが成立した後に、画像形成システム100の各装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示す一連の処理は、一例として、変更前の画像形成装置1に装着されている契約カートリッジのインク残量が所定量以下になったとき、または、変更後の画像形成装置1に契約カートリッジが装着されたときに開始される。他の例では、
図6に示す一連の処理は、上述のインク残量が所定量未満になったときに開始されてもよい。
【0110】
ステップS201(残量判定工程)では、サーバ制御部81は、変更前の画像形成装置1に装着されている契約カートリッジのインク残量が所定量以下か否かを判定する。例えば、サーバ制御部81は、変更前の画像形成装置1から契約カートリッジのインク残量情報423を受信することにより、インク残量の判定を行うことができる。一例として、サーバ制御部81は、契約カートリッジのインク残量が空(Empty)である場合に、「所定量以下である」と判定してもよい。この場合、サーバ制御部81は、契約カートリッジのインクが少しでも残っている場合には、「インク残量が所定量以下である」と判定せずに、「インク残量が所定量より多い」と判定する。サーバ制御部81は、インク残量が所定量以下であると判定した場合に、S201のYESからS206へ処理を進める。サーバ制御部81は、インク残量が所定量以下であると判定しなかった場合に、S201のNOからS202へ処理を進める。
【0111】
なお、インク残量の判定は、変更前の画像形成装置1のコントローラ61が実行してもよいし、変更後の画像形成装置1のコントローラ61が実行してもよい。変更後の画像形成装置1のコントローラ61は、サーバ制御部81から、変更前の画像形成装置1のインク残量情報423を受信することにより、変更前の画像形成装置1に関してインク残量の判定を行うことができる。
【0112】
ステップS202(検知工程)では、サーバ制御部81は、変更後の画像形成装置1において契約カートリッジが装着されたことを検知する。例えば、サーバ制御部81は、変更後の画像形成装置1から、契約カートリッジが装着された旨の通知を受信することにより、契約カートリッジの装着を検知することができる。装着の検知は、変更後の画像形成装置1のコントローラ61が実行してもよい。サーバ制御部81は、変更後の画像形成装置1において契約カートリッジの装着が検知されないうちは、S202のNOからS201に戻り、変更前の画像形成装置1のインク残量を監視する。サーバ制御部81は、契約カートリッジの装着を検知した場合に、S202のYESからS203へ処理を進める。
【0113】
ステップS203(再提案工程)では、サーバ制御部81は、変更プランをユーザに再提案してもよい。すなわち、サーバ制御部81は、変更前の画像形成装置1にインクが残っているため、それを継続して使用することを再度ユーザに勧めてもよい。例えば、サーバ制御部81は、再提案のためのメッセージを、変更後の画像形成装置1またはユーザ端末9に送信して、それぞれの表示部の上述のメッセージを表示させてもよい。表示部には、上述のメッセージとともに、再提案に同意することを意味する「はい」ボタンと、再提案を却下することを意味する「いいえ」ボタンとを含むUIが表示されてもよい。いずれかのボタンが操作されると、変更後の画像形成装置1またはユーザ端末9は、変更プランの再提案について「同意」および「却下」のいずれかを示す回答情報をサーバ8に送信する。
【0114】
ステップS204では、サーバ制御部81は、上述の回答情報に基づいて、ユーザが変更プランの再提案に同意したか、再提案を却下したかを判定する。サーバ制御部81は、受信した回答情報が「同意」を示す場合に、S204のYESからS205に処理を進める。サーバ制御部81は、回答情報が「却下」を示す場合に、S204のNOからS206に処理を進める。
【0115】
ステップS205(禁止工程)では、サーバ制御部81は、変更後の画像形成装置1に対して、契約印刷を一時的に禁止する。例えば、サーバ制御部81は、契約カートリッジが装着されていても、契約カートリッジを使用した印刷を実行しないように、変更後の画像形成装置1に指示する。
【0116】
したがって、S205の時点では、変更前の画像形成装置1において、市販カートリッジを使用した通常印刷と、契約カートリッジを使用した契約印刷とが実行可能である。そして、変更後の画像形成装置1においては、市販カートリッジを使用した通常印刷が実行可能であるが、契約カートリッジを使用した契約印刷が禁止される。
【0117】
他の例では、さらに、サーバ制御部81は、契約カートリッジを変更後の画像形成装置1から抜き取るようにユーザに促すメッセージを、変更後の画像形成装置1に送信してもよい。変更後の画像形成装置1のコントローラ61は、サーバ8から受信した上述のメッセージを表示部に表示させて、ユーザに、契約カートリッジの抜き取りを促すことができる。
【0118】
ステップS206(使用不可移行工程)では、サーバ制御部81は、変更プランの再提案が却下されたことに基づいて、あるいは、契約カートリッジのインク残量が所定量以下であることに基づいて、変更前の画像形成装置1について退会手続を実行する。退会手続は、例えば、S108について説明した手順と同一の手順で実行されてもよい。
【0119】
ステップS207では、サーバ制御部81は、変更後の画像形成装置1に契約カートリッジが装着されているか否かを判定する。例えば、サーバ制御部81は、変更後の画像形成装置1から、カートリッジの装着状況に関する通知を受信することにより、契約カートリッジが装着されているか否かを判定することができる。契約カートリッジが装着されているか否かは、変更後の画像形成装置1のコントローラ61によって判定されてもよい。サーバ制御部81は、契約カートリッジが装着されていないと判定した場合には、S207のNOからS208へ処理を進める。サーバ制御部81は、契約カートリッジが装着されていると判定した場合には、S207のYESからS209へ処理を進める。
【0120】
ステップS208では、サーバ制御部81は、契約カートリッジを変更後の画像形成装置1に装着するようにユーザに促すメッセージを、変更後の画像形成装置1に送信してもよい。変更後の画像形成装置1のコントローラ61は、サーバ8から受信した上述のメッセージを表示部に表示させて、ユーザに、契約カートリッジの装着を促すことができる。
【0121】
ステップS209(許可工程)では、サーバ制御部81は、変更後の画像形成装置1に対して、契約印刷を許可する。契約印刷の許可は、一例として、以下の手順で実行されてもよい。例えば、サーバ制御部81は、上述の非課金状態から課金状態へと移行するように、変更後の画像形成装置1に指示する。変更後の画像形成装置1のコントローラ61は、指示にしたがって、本体メモリ62に記憶されているモード情報623を、非課金状態から課金状態を示すように更新する。コントローラ61は、課金状態への移行が完了した旨の通知をサーバ8に返信する。
【0122】
ステップS210では、サーバ制御部81は、変更プランを終了させる。一例として、サーバ制御部81は、サーバメモリ82に記憶されているデータベースにおいて、変更後の画像形成装置1が課金状態へ移行したことを登録する。また、サーバ制御部81は、変更前の画像形成装置1の装置情報をデータベースから削除してもよい。
【0123】
したがって、S210の時点では、変更後の画像形成装置1において、市販カートリッジを使用した通常印刷と、契約カートリッジを使用した契約印刷とが実行可能である。そして、変更前の画像形成装置1においては、市販カートリッジを使用した通常印刷が実行可能であるが、契約カートリッジを使用した契約印刷が実行できなくなる。
【0124】
<作用効果>
上述の方法によれば、旧装置から新装置へ契約機を変更する要求をユーザから受けたときに、旧装置に装着されている契約カートリッジの印刷材の使い切りが促進される。具体的には、旧装置において、契約カートリッジの継続使用が認められたまま、新装置を契約機として登録する手続を進めることが可能となる。
【0125】
具体的には、ユーザは、契約カートリッジの印刷材が所定量以下になるまでの所定期間、旧装置を継続して使用することができる。そして、その間に、新装置にて契約印刷を実行可能とするための準備が進行する。例えば、新装置で使用される契約カートリッジの配送などが進められる。
【0126】
そのため、旧装置の契約カートリッジの印刷材が所定量以下になるまでに、新装置での契約印刷の準備が調った場合には、印刷ができない期間を無くすことができ、また、印刷材が先に所定量以下になった場合であっても印刷ができない期間を短縮することができる。結果として、旧装置から新装置に変更する際に、サービスが利用できない期間を短縮または無くすことによりユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0127】
<実施形態1の変形例>
上述の方法において、他の例によれば、S201のYESにて、契約カートリッジのインク残量が所定量以下であると判定されたときに、サーバ制御部81は、変更後の画像形成装置1における契約カートリッジが装着されているか否かを確認してもよい。サーバ制御部81は、契約カートリッジが装着されていないことが確認された場合に、S201のYESの時点で、契約カートリッジの装着を促すメッセージを、早速、変更後の画像形成装置1に送信してもよい。
【0128】
上述の方法において、さらに他の例によれば、S206の使用不可移行工程が実行される前に、サーバ制御部81は、変更プランの終了予告を、変更前の画像形成装置1に対して送信してもよい。変更プランの終了予告は、契約カートリッジが変更前の画像形成装置1で使用できなくなること、つまり、契約印刷が実行できなくなることについて、実際の退会手続の前にユーザに対して通知するためのメッセージを含む。
【0129】
〔実施形態2〕
実施形態1で説明された、本開示における契約機を変更する方法は、異なる機種間の変更、同一機種で異なるシリーズ間の変更、および、同一機種同一シリーズ間の変更、のいずれの変更パターンにも適用することができる。
【0130】
「異なる機種間の変更」とは、インクジェットプリンタからレーザープリンタに変更するなどのように、印刷の仕組みが異なる別の種類の画像形成装置に変更することを指す。
【0131】
「同一機種で異なるシリーズ間の変更」とは、同一機種間の変更であるが、形状または性能などに違いがあって、カートリッジに互換性がない異なるシリーズの画像形成装置に変更することを指す。
【0132】
「同一機種同一シリーズ間の変更」とは、同一機種であって、形状または性能が類似しており、カートリッジに互換性がある同一シリーズの画像形成装置に変更することを指す。
【0133】
また、本開示の契約機を変更する方法において、
図5に示す一連の変更処理、特に、ステップS104~S110の各工程を含む変更処理は、変更パターンごとに実行されてもよい。
【0134】
図7は、変更プランが成立する前から変更プランが成立した直後にかけて、画像形成システム100の各装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0135】
実施形態2では、実施形態1と同様に、S101~S103、S111およびS112の各工程が実行される。実施形態2において、実施形態1と異なる点は、サーバ制御部81が、S103のYESからS120に処理を進めて、S121~S123の工程のいずれかを実行する点である。
【0136】
ステップS120では、サーバ制御部81は、変更パターンを判定する。変更パターンとは、上述したとおり、変更前の画像形成装置1と変更後の画像形成装置1との機種の異同のパターンを意味する。以下では、一例として、サーバ制御部81は、インクジェットプリンタからレーザープリンタに変更するなどのように、異なる機種に変更するパターンを、「Aパターン」と判定する。サーバ制御部81は、同一機種であるが、型または性能などに違いがある異なるシリーズ製品に変更するパターンを「Bパターン」と判定する。サーバ制御部81は、同一機種であって、かつ、カートリッジなどに互換性がある同一シリーズ製品に変更するパターンを「Cパターン」と判定する。
【0137】
サーバ制御部81は、変更前の画像形成装置1と変更後の画像形成装置1とで機種が異なる場合は、変更パターンをAパターンと判定し、S120のAからS121へ処理を進める。サーバ制御部81は、変更前の画像形成装置1と変更後の画像形成装置1とで機種は同一であるがシリーズが異なる場合は、変更パターンをBパターンと判定し、S120のBからS122へ処理を進める。サーバ制御部81は、変更前の画像形成装置1と変更後の画像形成装置1とで機種が同一かつシリーズも同一である場合は、変更パターンをCパターンと判定し、S120のCからS123へ処理を進める。
【0138】
なお、サーバ制御部81は、S120において、変更後の画像形成装置1の機種に関する情報を、ユーザ端末9から取得してもよい。ユーザは、ユーザ端末9に表示される会員サイトを通じて、変更後の画像形成装置1の購入手続を行うことができる。ユーザ端末9は、変更後の画像形成装置1として、どの機種がユーザによって選択されたかを示す情報をサーバ8に送信する。サーバ制御部81は、受信した情報に基づいて、変更後の画像形成装置1の機種を特定することができる。
【0139】
ステップS121では、画像形成システム100の各装置は、契約機を異なる機種製品へ変更するための変更処理を実行する。S121の変更処理は、
図5に示すS104~S110の各工程と同一であってもよい。あるいは、S121の変更処理は、S104~S110の一部が変更されたり、省略されたり、S104~S110に加えて別の工程が追加されたりした変更処理であってもよい。
【0140】
ステップS122では、画像形成システム100の各装置は、契約機を同一機種で異なるシリーズ製品へ変更するための変更処理を実行する。S122の変更処理は、
図5に示すS104~S110の各工程と同一であってもよい。あるいは、S122の変更処理は、S104~S110の一部が変更されたり、省略されたり、S104~S110に加えて別の工程が追加されたりした変更処理であってもよい。
【0141】
ステップS123では、画像形成システム100の各装置は、契約機を同一機種かつ同一シリーズ製品へ変更するための変更処理を実行する。S123の変更処理は、
図5に示すS104~S110の各工程と同一であってもよい。あるいは、S123の変更処理は、S104~S110の一部が変更されたり、省略されたり、S104~S110に加えて別の工程が追加されたりした変更処理であってもよい。
【0142】
S121、S122およびS123のそれぞれの変更処理は、同一であってもよいし、S120で判定された変更パターンごとに異なっていてもよい。
【0143】
例えば、変更パターンがCパターンの場合、画像形成装置1の機種およびシリーズの変更が希望されていないということである。このことから、サーバ制御部81は、ユーザは旧装置の仕様に満足しており、変更の動機は、旧装置の故障など、緊急性の高いものであると予測し、変更プランを提案するS105の提案工程を省略してもよい。
【0144】
あるいは、変更パターンがBパターンの場合、サーバ制御部81は、変更の動機は、ユーザが同じ機種で性能がよりよいものを所望しているなどであって、緊急性は比較的低いと予測し、消耗品の使い切りを強く推奨する工程をS105の前後で実行してもよい。
【0145】
あるいは、変更パターンがAパターンの場合、サーバ制御部81は、変更を急ぐか否かをユーザに問い合わせる工程をS105の前に実行してもよい。サーバ制御部81は、ユーザが変更を急いでいると回答した場合、S105の提案工程を省略し、ユーザが急いでいないと回答した場合、S105の提案工程を実行してもよい。
【0146】
〔変形例〕
画像形成装置1は、インクカートリッジまたはトナーカートリッジなどの消耗品を用いて印刷を実行する機能と通信機能とを備えている装置であればいずれでもよい。例えば、画像形成装置1は、インクジェットプリンタ、レーザープリンタであってもよい。あるいは、画像形成装置1は、スキャナまたはファクシミリなどの他の機能を併せて備えるMFP(Multi Function Printer)であってもよい。
【0147】
画像形成装置1がレーザープリンタである場合、画像形成装置1には、インクカートリッジ4ではなく、ドラムカートリッジおよびトナーカートリッジが装着される。なお、画像形成装置1に装着されるドラムカートリッジおよびトナーカートリッジの個数は、特に限定されない。ドラムカートリッジとトナーカートリッジの構成は特に限定されない。
【0148】
例えば、ドラムカートリッジおよびトナーカートリッジは、それぞれ独立したカートリッジであってもよい。そして、ドラムカートリッジにトナーカートリッジを装着することにより、ドラムカートリッジおよびトナーカートリッジが一体となる構成であってもよい。トナーカートリッジは、トナーカートリッジがドラムカートリッジに装着された状態で、ドラムカートリッジと共に、画像形成装置1の本体筐体へと装着される。
【0149】
ドラムカートリッジおよびトナーカートリッジがそれぞれ独立したカートリッジである場合、ドラムカートリッジおよびトナーカートリッジの構成は、以下の3種類のいずれかであり得る。
【0150】
第1の構成例としては、ドラムカートリッジはカートリッジ筐体を備え、カートリッジ筐体には、感光体ドラム、ドラムメモリ、および現像ローラが設けられてよい。トナーカートリッジは、カートリッジ筐体を備え、カートリッジ筐体にはトナーメモリが設けられていてもよい。トナーカートリッジのカートリッジ筐体はトナーを収容する。現像ローラの外周面は、ドラムカートリッジの内部で感光体ドラムの外周面と接触する。これにより、感光体ドラムの表面に現像剤(すなわち、トナー)が塗布される。塗布されたトナーが転写ベルトによって用紙に転写されることで、印刷ジョブが示すデータが印刷される。
【0151】
第2の構成例として、ドラムカートリッジのカートリッジ筐体は、感光体ドラムおよびドラムメモリを備えていてもよい。そして、トナーカートリッジのカートリッジ筐体には、現像ローラが設けられていてもよい。現像ローラの外周面は、ドラムカートリッジの内部で感光体ドラムの外周面と接触する。
【0152】
第3の構成例としては、画像形成装置1に、ドラムカートリッジおよびトナーカートリッジとは別に、現像ローラを有する現像カートリッジを装着してもよい。この場合、ドラムカートリッジは、カートリッジ筐体と、感光体ドラムと、ドラムメモリと、を有する。トナーカートリッジは、カートリッジ筐体およびトナーメモリを有する。トナーカートリッジのカートリッジ筐体はトナーを収容する。第3の構成例では、ドラムカートリッジ、トナーカートリッジ、および現像カートリッジの3つの部品が本体筐体に装着される。
【0153】
ドラムメモリには、例えば、ドラムIDと、ドラム種別情報と、ドラム寿命情報とが記憶されている。なお、ドラムIDおよびドラム寿命情報は、本開示において必須の情報ではない。ドラム種別情報は、ドラムカートリッジが契約専用のドラムカートリッジであるか、通常のドラムカートリッジであるかを示す情報である。
【0154】
トナーメモリには、例えば、トナーIDと、トナー種別情報と、トナー寿命情報とが記憶されている。なお、トナーIDおよびトナー寿命情報は、本開示において必須の情報ではない。トナー種別情報は、トナーカートリッジが契約専用のトナーカートリッジであるか、通常のトナーカートリッジであるかを示す情報である。
【0155】
画像形成装置1がレーザープリンタである場合、本体メモリ62は、インク情報ではなく、ドラム情報およびトナー情報を記憶している。ドラム情報は、ドラムカートリッジそれぞれのドラムメモリから読み出されるドラムIDと、ドラム種別情報と、ドラム寿命情報とをそれぞれ対応付けた情報である。トナー情報は、トナーカートリッジそれぞれのトナーメモリから読み出されるトナーIDと、トナー種別情報と、トナー寿命情報とをそれぞれ対応付けた情報である。
【0156】
すなわち、ドラムカートリッジおよびトナーカートリッジは一体に構成された一体型カートリッジであってもよい。一体型カートリッジは、カートリッジ筐体と、感光体ドラムと、メモリと、現像ローラと、を有する。現像ローラの外周面は、一体型カートリッジの内部で感光体ドラムの外周面と接触する。一体型カートリッジのカートリッジ筐体は、トナーを収容する。一体型カートリッジのメモリには、前述したドラムメモリおよびトナーメモリに記憶されている各種情報が記憶されている。
【0157】
画像形成装置1がレーザープリンタである場合においても、上述の実施形態で参照したフローチャートに示されている処理の流れが適用され得る。具体的には、画像形成装置1がレーザープリンタである場合、上述の実施形態で説明された契約カートリッジを、インクカートリッジ4からドラムカートリッジおよびトナーカートリッジ(または、一体型カートリッジ)に読みかえればよい。
【0158】
なお、画像形成装置1がレーザープリンタである場合、一体型カートリッジのカートリッジメモリ42の第5領域には、インク残量情報423に代えて、ドラム寿命情報およびトナー寿命情報が記憶される。一体型でない場合には、ドラムカートリッジのカートリッジメモリ42の第5領域には、ドラム寿命情報が、トナーカートリッジのカートリッジメモリ42の第5領域には、トナー寿命情報が、それぞれ記憶される。
【0159】
本変形例に係る画像形成装置1も、上述の実施形態1に係る画像形成装置1と同様の効果を奏する。
【0160】
〔ソフトウェアによる実現例〕
画像形成装置1およびサーバ8の制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0161】
後者の場合、画像形成装置1およびサーバ8は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本開示の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本開示の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0162】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0163】
1 画像形成装置(情報処理装置、第1画像形成装置、第2画像形成装置)、4 インクカートリッジ(消耗品、契約消耗品)、8 サーバ(情報処理装置)、9 ユーザ端末(情報処理装置)、42 カートリッジメモリ(消耗品メモリ)、61 コントローラ、62 本体メモリ(第1本体メモリ、第2本体メモリ)、63 通信部、100 画像形成システム(システム)、421 カートリッジID、422 カートリッジ種別、423 インク残量情報、431 新品フラグ(状態情報)、432 装置ID、621 カートリッジ情報、623 モード情報、624 ステータス情報、627 交換回数カウンタ