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特許7545698作品提供装置、作品提供システム、作品提供プログラム、及び作品提供方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】作品提供装置、作品提供システム、作品提供プログラム、及び作品提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240829BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2024097090
(22)【出願日】2024-06-16
【審査請求日】2024-06-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524228524
【氏名又は名称】日本リベラルアーツ協会合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190274
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 滋之
(72)【発明者】
【氏名】船岡 佳生
【審査官】佐藤 光起
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-195400(JP,A)
【文献】特開2023-30931(JP,A)
【文献】特開2014-115818(JP,A)
【文献】特開2002-224452(JP,A)
【文献】ゲームブック投稿サイト GameBook.xyz をリニューアルしました。,[online],2023年06月05日,[検索日 2024.07.05], インターネット:<URL:https://web.archive.org/web/20230605155527/https://blog.gamebook.xyz/archives/334>
【文献】十日町P,あなたの倫理観は多数派?それとも少数派?トロッコ問題 of アルマゲドンv1.1,[online],2019年12月15日,[検索日 2024.07.05], インターネット:<URL:https://web.archive.org/web/20191215133658/https://around40-dt-tokamachip.info/2019/07/18/post-3793/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンテンスを含んで構成され、ひとまとまりの小区分ごとに区切られた作品と、前記作品における少なくとも1つの前記小区分に対応づけられ、当該小区分の内容に関連する質問を含む質問データと、が記憶された記憶部と、
読者としてログインした一般ユーザに提供中の前記小区分に対応づけられた前記質問の回答を前記一般ユーザに要求し、前記一般ユーザからの回答に応じて次に前記一般ユーザへ提供する前記小区分を決定する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記質問データを管理する権限を、前記作品の作者としてログインした管理ユーザに付与するものである、作品提供装置。
【請求項2】
前記質問データは、
前記質問と、当該質問に紐づく複数の選択肢と、を含み、
前記制御部は、
1又は複数の前記選択肢を修正する権限を前記管理ユーザに付与するものである、請求項1に記載の作品提供装置。
【請求項3】
前記質問データは、
前記質問と、当該質問に紐づく複数の選択肢と、を含み、
前記制御部は、
前記質問を修正する権限を前記管理ユーザに付与するものである、請求項1に記載の作品提供装置。
【請求項4】
前記質問データは、
前記質問と、当該質問に紐づく複数の選択肢と、を含み、
前記制御部は、
前記質問及び複数の前記選択肢を修正する権限を前記管理ユーザに付与するものである、請求項1に記載の作品提供装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記質問及び当該質問に紐づく複数の前記選択肢を追加する権限を前記管理ユーザに付与するものである、請求項2~4の何れか一項に記載の作品提供装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記質問に紐づく1又は複数の前記選択肢を追加する権限を前記管理ユーザに付与するものである、請求項2~4の何れか一項に記載の作品提供装置。
【請求項7】
前記制御部は、
全ての前記一般ユーザの、複数の前記選択肢に対する選択内容を集計した統計データを前記管理ユーザに提供するものであり、
前記統計データは、
前記質問に対する回答数及び離脱率を含む、請求項2~4の何れか一項に記載の作品提供装置。
【請求項8】
前記質問データは、
前記質問と、当該質問の回答欄と、を含み、
前記制御部は、
前記回答欄に入力された回答の正誤を判別し、判別の結果に応じて次に前記一般ユーザへ提供する前記小区分を決定するものである、請求項1に記載の作品提供装置。
【請求項9】
前記記憶部には、前記質問に紐づく複数の選択肢と、各選択肢それぞれの選択時に提供される前記小区分の情報とを含む選択提供データが記憶されており、
前記制御部は、
前記選択提供データを修正する権限を前記管理ユーザに付与するものである、請求項1に記載の作品提供装置。
【請求項10】
複数のセンテンスを含んで構成され、ひとまとまりの小区分ごとに区切られた作品と、前記作品における少なくとも1つの前記小区分に対応づけられ、当該小区分の内容に関連する質問を含む質問データと、が記憶された記憶部と、
読者としてログインした一般ユーザに提供中の前記小区分に対応づけられた前記質問の回答を前記一般ユーザに要求し、前記一般ユーザからの回答に応じて次に前記一般ユーザへ提供する前記小区分を決定する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記作品の提供を受けた全ての前記一般ユーザの前記作品に対する反応を表す反応データを、前記作品の作者としてログインした管理ユーザに提供すると共に、前記一般ユーザには、他の前記一般ユーザに係る前記反応データのうちで前記管理ユーザによる承認を受けたものを提供するものである、作品提供装置。
【請求項11】
複数のセンテンスを含んで構成され、ひとまとまりの小区分ごとに区切られた作品と、前記作品における少なくとも1つの前記小区分に対応づけられ、当該小区分の内容に関連する質問を含む質問データと、が記憶された記憶部と、
読者としてログインした一般ユーザに提供中の前記小区分に対応づけられた前記質問の回答を前記一般ユーザに要求し、前記一般ユーザからの回答に応じて次に前記一般ユーザへ提供する前記小区分を決定する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記一般ユーザによる前記小区分の新規創作を受け付けたとき、前記新規創作を含む創作データを前記作品の作者としてログインした管理ユーザに提供し、前記管理ユーザにより採用となった前記新規創作を新たな前記小区分として登録するものである、作品提供装置。
【請求項12】
複数のセンテンスを含んで構成され、ひとまとまりの小区分ごとに区切られた作品と、前記作品における少なくとも1つの前記小区分に対応づけられ、当該小区分の内容に関連する質問を含む質問データと、が記憶された記憶部と、
読者としてログインした一般ユーザに提供中の前記小区分に対応づけられた前記質問の回答を前記一般ユーザに要求し、前記一般ユーザからの回答に応じて次に前記一般ユーザへ提供する前記小区分を決定する制御部と、を有し、
前記作品は、
結末に係る前記小区分として、真の結末と偽の結末とを含み、
前記制御部は、
前記一般ユーザによる前記偽の結末の新規創作を受け付けたとき、前記新規創作を含む創作データを前記作品の作者としてログインした管理ユーザに提供し、前記管理ユーザにより採用となった前記新規創作を新たな前記偽の結末として登録するものである、作品提供装置。
【請求項13】
複数のセンテンスを含んで構成され、ひとまとまりの小区分ごとに区切られた作品と、前記作品における少なくとも1つの前記小区分に対応づけられ、当該小区分の内容に関連する質問を含む質問データと、が記憶された記憶部と、
読者としてログインした一般ユーザに提供中の前記小区分に対応づけられた前記質問の回答を前記一般ユーザに要求し、前記一般ユーザからの回答に応じて次に前記一般ユーザへ提供する前記小区分を決定する制御部と、を有し、
前記作品は、
本編を構成する複数の前記小区分と、
別編に係る1又は複数の前記小区分と、により構成されており、
前記制御部は、
前記本編を構成する全ての前記小区分の提供を受けた前記一般ユーザだけを構成員とするチャットルームである完読チャットを生成すると共に、前記完読チャットに前記作品の作者としてログインした管理ユーザを招待するものである、作品提供装置。
【請求項14】
請求項1~4、8~13の何れか一項に記載の作品提供装置と、
前記作品提供装置から送信される編集用データをもとに、前記管理ユーザからの前記質問データの修正を受け付ける編集画面を表示する表示部を備えた管理端末と、を有する、作品提供システム。
【請求項15】
複数のセンテンスを含んで構成され、ひとまとまりの小区分ごとに区切られた作品を、読者としてログインした一般ユーザに対し前記小区分ごとに提供し、提供中の前記小区分の内容に関連する質問の回答を前記一般ユーザに要求し、前記一般ユーザからの回答に応じて次に前記一般ユーザへ提供する前記小区分を決定する提供処理手段、
及び、前記質問を含む質問データを管理する権限を、前記作品の作者としてログインした管理ユーザに付与する管理制御手段、としてコンピュータを機能させるための作品提供プログラム。
【請求項16】
複数のセンテンスを含んで構成され、ひとまとまりの小区分ごとに区切られた作品を、読者としてログインした一般ユーザに対し前記小区分ごとに提供し、提供中の前記小区分の内容に関連する質問の回答を前記一般ユーザに要求し、前記一般ユーザからの回答に応じて次に前記一般ユーザへ提供する前記小区分を決定する提供処理工程と、
前記質問を含む質問データを管理する権限を、前記作品の作者としてログインした管理ユーザに付与する管理制御工程とを、1又は複数のプロセッサが実行する、作品提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のセンテンスにより構成された作品を提供する作品提供装置、作品提供システム、作品提供プログラム、及び作品提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、読者としてログインしたユーザに対し予め登録された文章を提供するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、コンテンツにおける章の終わり等の分岐ポイントで分岐先の選択肢を提供し、ユーザによって選択された分岐先を当該ユーザに提供する技術が開示されている。つまり、特許文献1のコンテンツは、分岐における読者の選択処理次第で進むルートが変化するよう、複数のストーリー展開が準備されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-21469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような従来のシステムは、分岐での読者の選択だけで、つまり、読書中のユーザの感覚だけで、後のストーリー展開が決まるため、分岐先の偏りなどを事後的に調整することは困難である。そのため、作品のストーリー展開を作者側で容易にコントロールできるシステムが望まれている。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、作品のストーリー展開を作者側で容易に調整可能な作品提供装置、作品提供システム、作品提供プログラム、及び作品提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る作品提供装置は、複数のセンテンスを含んで構成され、ひとまとまりの小区分ごとに区切られた作品と、作品における少なくとも1つの小区分に対応づけられ、当該小区分の内容に関連する質問を含む質問データと、が記憶された記憶部と、読者としてログインした一般ユーザに提供中の小区分に対応づけられた質問の回答を一般ユーザに要求し、一般ユーザからの回答に応じて次に一般ユーザへ提供する小区分を決定する制御部と、を有し、制御部は、質問データを管理する権限を、作品の作者としてログインした管理ユーザに付与するものである。
【0007】
本発明の一態様に係る作品提供システムは、上記の作品提供装置と、作品提供装置から送信される編集用データをもとに、管理ユーザからの質問データの修正を受け付ける編集画面を表示する表示部を備えた管理端末と、を有するものである。
本発明の一態様に係る作品提供システムは、複数のセンテンスを含んで構成され、ひとまとまりの小区分ごとに区切られた作品、及び、作品における少なくとも1つの小区分に対応づけられ、当該小区分の内容に関連する質問を含む質問データが記憶された記憶部と、読者としてログインした一般ユーザに提供中の小区分に対応づけられた質問の回答を一般ユーザに要求し、一般ユーザからの回答に応じて次に一般ユーザへ提供する小区分を決定する制御部と、を備えた作品提供装置と、作品提供装置から送信される編集用データをもとに、作品の作者としてログインした管理ユーザからの質問データの修正を受け付ける編集画面を表示部に表示させる管理処理部を備えた管理端末と、を有し、制御部は、編集画面を介して質問データを修正する権限を管理ユーザに付与するものである。
【0008】
本発明の一態様に係る作品提供プログラムは、複数のセンテンスを含んで構成され、ひとまとまりの小区分ごとに区切られた作品を、読者としてログインした一般ユーザに小区分ごとに提供し、提供中の小区分の内容に関連する質問の回答を一般ユーザに要求し、一般ユーザからの回答に応じて次に一般ユーザへ提供する小区分を決定する提供処理手段、及び、質問を含む質問データを管理する権限を、作品の作者としてログインした管理ユーザに付与する管理制御手段、としてコンピュータを機能させるためのものである。
【0009】
本発明の一態様に係る作品提供方法は、複数のセンテンスを含んで構成され、ひとまとまりの小区分ごとに区切られた作品を、読者としてログインした一般ユーザに対し小区分ごとに提供し、提供中の小区分の内容に関連する質問の回答を一般ユーザに要求し、一般ユーザからの回答に応じて次に一般ユーザへ提供する小区分を決定する提供処理工程と、質問を含む質問データを管理する権限を、作品の作者としてログインした管理ユーザに付与する管理制御工程とを、1又は複数のプロセッサが実行するようになっている。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、作品に関連する質問の回答に応じて次に提供される小区分が決まることを前提に、当該作品の作者である管理ユーザには、読者である一般ユーザの回答に影響する質問データの管理権限が付与される。したがって、作品のストーリー展開を作者側で容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係る作品提供システムを例示した構成図である。
図2図1の作品提供装置の記憶部内の、質問及び複数の選択肢に対応する選択提供データの概要を例示した説明図である。
図3図1の作品提供装置の記憶部内の、質問及び回答欄に対応する選択提供データの概要を例示した説明図である。
図4図1の作品提供装置の記憶部内の、質問と複数の選択肢及び回答欄に対応する選択提供データの概要を例示した説明図である。
図5図1の管理端末が管理ユーザに向けて表示する初期画面を例示した説明図である。
図6図1の管理端末がスマートフォン等からログインした管理ユーザに向けて表示する初期画面を例示した説明図である。
図7図5又は図6のような初期画面において作品を指定する操作を受け付けた際、図1の管理端末が表示する基本設定画面を例示した説明図である。
図8図7のような基本設定画面において小区分を指定する操作を受け付けた際、図1の管理端末が表示する編集画面のうち、上部を含む領域を例示した説明図である。
図9図7のような基本設定画面において小区分を指定する操作を受け付けた際、図1の管理端末が表示する編集画面のうち、下部を含む領域を例示した説明図である。
図10図8又は図9のような編集画面において統計データの表示を指示する操作を受け付けた際、図1の管理端末が表示する統計確認画面を例示した説明図である。
図11図1の情報端末が一般ユーザに向けて表示する初期画面を例示した説明図である。
図12図1の情報端末が一般ユーザに向けて表示する、最初の小区分に係る読書画面を例示した説明図である。
図13図1の情報端末が一般ユーザに向けて表示する、没入モードに係る読書画面を例示した説明図である。
図14図1の情報端末が一般ユーザに向けて表示する、チャット形式の読書画面を例示した説明図である。
図15図1の情報端末が一般ユーザに向けて表示する、2番目以降の小区分に係る読書画面を例示した説明図である。
図16図1の情報端末が一般ユーザに向けて表示する、結末の小区分に係る読書画面を例示した説明図である。
図17図1の情報端末が本編を完読した一般ユーザに向けて表示する経路確認画面の一例を示す説明図である。
図18図1の情報端末が偽の結末に至った一般ユーザに向けて表示する経路確認画面の他の例を示す説明図である。
図19図1の情報端末が本編を構成する小区分のうちの一部が省略されて真の結末に至った一般ユーザに向けて表示する経路確認画面の他の例を示す説明図である。
図20図1の情報端末が別編に係る複数の小区分が提供された一般ユーザに向けて表示する経路確認画面の他の例を示す説明図である。
図21図1の情報端末が一般ユーザに向けて表示する、招待ボタンを含む読書画面を例示した説明図である。
図22図1の情報端末が一般ユーザに向けて表示する、チャット欄を含む読書画面を例示した説明図である。
図23図1の情報端末が一般ユーザに向けて表示する、完読チャットを含む読書画面を例示した説明図である。
図24】本発明の実施の形態に係る作品提供方法のうち、作品提供装置と管理端末とのやり取りの概要を例示したシーケンスチャートである。
図25】本発明の実施の形態に係る作品提供方法のうち、作品提供装置から管理端末への情報提供処理の流れを例示したフローチャートである。
図26】本発明の実施の形態に係る作品提供方法のうち、作品提供装置と情報端末及び管理端末とのやり取りの概要を例示したシーケンスチャートである。
図27】本発明の実施の形態に係る作品提供方法のうち、反応データの管理及び提供に係る処理の流れを例示したシーケンスチャートである。
図28】本発明の実施の形態に係る作品提供方法のうち、反応データの選別を管理ユーザが行う場合の処理の流れを例示したフローチャートである。
図29】本発明の実施の形態に係る作品提供方法のうち、チャットルームの管理及び提供に係る処理の流れを例示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態.
図1図23に基づき、実施の形態における作品提供システム100の概略的な構成例及び機能的な構成例について説明する。各図に共通する構成については同一の符号を用い、説明は適宜省略又は簡略化する。各図では、図面や説明の煩雑化を避ける等の意図で、一部の符号を省略することがある。
【0013】
図1に示すように、作品提供システム100は、作品提供装置10と、運営端末20と、管理端末30と、複数の情報端末50と、を有している。作品提供装置10と、運営端末20と、管理端末30と、複数の情報端末50とは、インターネットなどのネットワークNを介して、有線又は無線による通信が可能となっている。
【0014】
作品提供装置10は、複数のセンテンスを含んで構成され、ひとまとまりの小区分ごとに区切られた作品、及び当該作品に関連づけられた種々の情報を管理するものである。作品は、文章だけで構成された小説等であってもよく、絵と文章などが組み合わされた漫画等であってもよい。文章だけで構成された作品の場合、作品を構成する複数の小区分は、それぞれ、ひとまとまりの文章により構成される。なお、作品が漫画の場合、当該作品は台詞や擬音語などを含むことがある。作品提供装置10は、クラウドコンピューティングに基づくクラウドサーバ、もしくはオンプレミス型の物理サーバ、又はこれらを組み合わせたサーバシステムなどにより構成される。
【0015】
運営端末20は、作品提供装置10によって管理される作品の提供処理に関するシステム(以下、運営システムという。)の運営側が使用するPC(Personal Computer)等である。PCには、デスクトップ型PC、ノートPC、タブレットPC、スマートフォンなどが含まれる。運営側のオペレータは、運営端末20を介して、作品提供装置10が管理するソフトウェア及びデータベースの情報などを追加・編集し、運営システムの保守などを行うことができる。
【0016】
情報端末50は、一般ユーザによって使用されるPC等である。一般ユーザは、運営システムが提供する作品の読者としてログインしたユーザであり、以下「読者」ともいう。一般ユーザは、情報端末50を介して、ユーザ名(氏名やニックネームなど)、固有の識別情報(IDやメールアドレスなど)、固有のパスワードなどのユーザ情報を運営システムに登録する。一般ユーザは、例えば、作品提供装置10から提供されるログイン画面に識別情報及びパスワードを入力することにより、運営システムから提供されるサービスを使用することができる。
【0017】
管理端末30は、管理ユーザによって使用されるPC等である。管理ユーザは、運営システムが提供する作品の作者(著者)としてログインしたユーザであり、以下「作者」ともいう。管理ユーザは、管理端末30を介して、ユーザ名、固有の識別情報、固有のパスワードなどのユーザ情報を運営システムに登録する。管理ユーザは、例えば、作品提供装置10から提供されるログイン画面に識別情報及びパスワードを入力することにより、運営システムから提供されるサービスを使用することができる。
【0018】
一般ユーザと管理ユーザとの間では、運営システムに登録する情報のレベルや数などが異なっていてもよい。特に管理ユーザには、後述の質問データや作品そのもの等を修正する権限が付与される(修正可能な範囲は設定による)。そのため、作品提供装置10は、管理ユーザに対し、相対的にレベルの高い情報や多くの情報の登録を課してもよい。レベルの高い情報としては、写真付きの身分証明書の画像や生体認証情報などが考えられる。
【0019】
より具体的に、作品提供装置10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、を有している。通信部11は、運営端末20、管理端末30、及び情報端末50などの外部機器との間で制御部12が有線又は無線により通信を行うためのインタフェースである。記憶部13は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、eMMC(embedded Multi Media Card)、SSD(Solid State Drive)、又はHDD(Hard Disk Drive)などにより構成される。記憶部13には、作品提供プログラム13pを含む制御部12の動作プログラムの他、種々の情報が記憶される。作品提供プログラム13pは、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又はGPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置と協働して各種機能を実現させるソフトウェアである。
【0020】
記憶部13には、例えば、複数のセンテンスを含んで構成され、ひとまとまりの小区分ごとに区切られた作品(作品の情報)と、当該作品における少なくとも1つの小区分に対応づけられ、当該小区分の内容に関連する質問を含む質問データと、が記憶される。文章だけで構成された作品において、小区分は、例えば章立てされた小説等における各章を指す場合もあるが、これに限らず、任意に設定されたひとまとまりの文章を指す場合もある。作品が漫画の場合、一話ごとに小区分としてもよく、複数の話をまとめて小区分としてもよく、これらを組み合わせて小区分を設定してもよい。もっとも、話の途中に小区分の区切りが設定されてもよく、一つの話を細分化して複数の小区分を設定してもよい。
【0021】
質問データは、例えば、小区分の内容に関連する質問と、当該質問に紐づく複数の選択肢と、を含むよう構成される。質問データは、小区分の内容に関連する質問と、当該質問の回答欄と、を含むものであってよい。質問データは、小区分の内容に関連する質問と、当該質問に紐づく複数の選択肢と、選択の理由を記入するための理由欄と、により構成されてもよい。ここでは3種類の質問データの構成を例示したが、これに限定されない。また、1つの作品に対し、構成の異なる質問データを組み合わせて採用してもよい。質問データは、全ての小区分に対応づけられていてもよく、一部の小区分に対応づけられていてもよい。以下、小区分の内容に関連する質問のことを単に「質問」ともという。
【0022】
記憶部13は、管理ユーザによる設定内容を記録する設定データベースを含む。設定データベースは複数設けられてもよい。記憶部13には、例えば、質問に紐づく複数の選択肢と、各選択肢それぞれの選択時に提供される小区分の情報(選択時における遷移先の画面の情報)とを含む選択提供データが記憶される。選択提供データは、管理ユーザによる事後的な設定が可能となっている。
【0023】
ここで、図2図4を参照し、選択提供データについて補足する。図2には、質問と当該質問に紐づく複数の選択肢とにより構成された複数の質問データ(第1質問データ)をもつ作品に対応する選択提供データの概要を例示している。図3には、質問と当該質問の回答欄とにより構成された複数の質問データ(第2質問データ)をもつ作品に対応する選択提供データの概要を例示している。図4には、1又は複数の第1質問データと1又は複数の第2質問データとが設定された作品に対応する選択提供データの概要を例示している。
【0024】
運営システムが取り扱う作品は、例えば、本編を構成する複数の小区分と、別編に係る1又は複数の小区分と、により構成される。別編は、本編以外の小区分を含み、偽の結末の他に、偽の結末に繋がる小区分などを含んでいてもよい。図2に例示する作品は、本編を構成する4つの小区分と、別編に係る5つの小区分と、を有する。図3に例示する作品は、本編を構成する4つの小区分と、別編に係る4つの小区分と、を有する。図4に例示する作品は、本編を構成する5つの小区分と、別編に係る4つの小区分と、を有する。
【0025】
1つの小区分に対し設定できる質問の数は、3以上であってもよく、適宜増減することができ、質問の選択肢の数は、4以上であってもよく、適宜増減することができる。図2の作品の第3章及び図3の作品の第2章には、2つの質問が設定されており、これらの正誤の組み合わせで遷移先が決まるよう構成されている。図4の作品の第3章は、2つの質問の正誤の組み合わせ、あるいは、1つの質問に対する2つの選択肢(A、B)と理由欄の入力内容の妥当性(○、×)との組み合わせで遷移先が決まる想定例である。図2及び図3における別1とBAD2との間のような、別編に係る小区分間に質問を設け、これに正解すれば本編に戻れるような設定にしてもよい。図2図4では、選択提供データを単独で示すテーブル情報を例示しているが、これに限らず、選択提供データは、他の設定を含むテーブル情報の一部を構成するものであってよい。
【0026】
記憶部13は、一般ユーザの反応を表す反応データに、当該一般ユーザの固有の識別情報が紐づけられて格納される反応データベース(以下、反応DBと称する。)を含んでいてもよい。一般ユーザの固有の識別情報は、ユーザID等であり、以下「ユーザ識別子」と称する。反応DBは、反応データに、反応の日時の情報(コメント発信の日時の情報など)が紐づけられていてもよい。反応DBは、反応データに対し、当該反応データの発信時に当該一般ユーザが読書中の小区分の識別情報が紐づけられていてもよい。本明細書において、読書とは、文章だけで構成された小説等の作品を読むことの他、絵と文章などが組み合わされた漫画等の作品を読むことも指す。小区分の識別情報は、小区分ごとに割り当てられた固有の情報であり、以下、小区分データともいう。反応DBは、制御部12によって管理され、更新される。記憶部13は、後述する交流チャットでのユーザ間のやり取りの情報を逐次記録するためのチャットデータベースを含んでいてもよい。チャットデータベースは複数設けられてもよい。
【0027】
記憶部13は、一般ユーザそれぞれにつき、作品ごとの読書の進行状況が記憶されたユーザデータベース(以下、ユーザDBと称する。)を含んでいてもよい。ユーザDBでは、各作品について、一般ユーザごとの読書の進行状況を示す状況データがユーザ識別子に紐づけられて整理されており、随時更新される。状況データは、形式は問わないが、例えば、作品を構成する複数の小区分それぞれを提供済みか否かについて一般ユーザごとに整理されたデータであってもよく、当該一般ユーザに小区分が提供される度に立てられるフラグの情報等であってもよい。状況データは、当該一般ユーザに提供済みの小区分を示す情報であれば、形式は問わない。ユーザDBは複数に分けて設けられてもよい。ユーザDBは、制御部12によって管理され、一般ユーザ又は管理ユーザに反応データ(コメント等)を提供する際に活用される。
【0028】
制御部12は、一般ユーザに提供中の小区分に対応づけられた質問の回答を当該一般ユーザに要求し、当該一般ユーザからの回答に応じて次に当該一般ユーザへ提供する小区分を決定するものである。また、制御部12は、質問データを管理する権限を管理ユーザに付与するものである。より具体的に、制御部12は、管理端末30に提供する情報を管理する管理制御手段12aと、情報端末50に提供する情報を管理する提供処理手段12bと、を有している。
【0029】
管理制御手段12aは、管理端末30を介して管理ユーザに、初期画面5A、基本設定画面5B、編集画面5C、及び統計確認画面5Dを提供する。例えば、管理制御手段12aは、基本設定画面5Bの提供により、作品の基本設定を変更する権限を管理ユーザに付与する。管理制御手段12aは、編集画面5Cの提供により、質問データを管理する権限を管理ユーザに付与してもよい。質問データを管理する権限には、質問データを調整する権限、すなわち質問データの少なくとも一部を修正する権限、及び質問データを追加する権限が含まれる。管理制御手段12aは、1又は複数の選択肢を修正する権限を管理ユーザに付与してもよい。すなわち、複数の選択肢は、一部が修正可能に設定され、残りが修正不可に設定されてもよい。
【0030】
管理制御手段12aは、質問及び複数の選択肢を修正する権限を管理ユーザに付与してもよい。管理制御手段12aは、質問及び当該質問に紐づく複数の選択肢を追加する権限を管理ユーザに付与してもよい。管理制御手段12aは、既に設定された小区分を細分化して新たな複数の小区分を作成すると共に、新たな小区分に関連する質問データを作成する権限を管理ユーザに付与してもよい。管理制御手段12aは、編集画面5Cの提供により、選択提供データを修正する権限を管理ユーザに付与してもよい。本実施の形態において、管理ユーザは、例えば後述の正解設定部3f及び誤答設定部3gなどを通じて、選択肢ごとの針路(遷移先)を設定することができる。管理制御手段12aは、統計確認画面5Dを通じて、管理ユーザに、一般ユーザの複数の選択肢に対する選択内容を集計した統計データを提供してもよい。管理制御手段12aは、設定データベースを管理し、管理ユーザによる設定内容を設定データベースに反映させる。
【0031】
管理制御手段12aは、初期画面5A、基本設定画面5B、編集画面5C、及び統計確認画面5Dのうちの少なくとも1つを通じて、管理ユーザに、一般ユーザの作品に対する反応を表す反応データを提供してもよい。反応とは、作品の読書中における一般ユーザの感情表現であり、各小区分それぞれに対する反応もあれば、作品全体に対する反応もある。反応データには、読者のコメントや質問への回答(選択肢の選択を含む)の他、単純なリアクション(「いいね」等)も含まれる。管理制御手段12aは、反応データの提供に際し、ユーザDBを参照するとよい。
【0032】
反応データは、理由欄に入力された選択の理由であってもよい。例えば、一般ユーザが選択肢を選んだ際、次に提供される小区分の情報(遷移先の画面の情報)を管理ユーザが手動で選ぶ設定の場合、管理ユーザは、理由欄への入力内容をもとに、次に提供する小区分を決めてもよい。つまり、かかる構成により、『理由如何によっては誤答であっても本編に係る小区分を提供する』など、管理ユーザの心証を作品のストーリー展開に柔軟に反映させることができる。もっとも、管理制御手段12aは、自然言語解析と機械学習とを組み合わせた処理等により、理由欄に入力された選択の理由を解析し、解析の結果を用いて次に提供する小区分を決めてもよい。
【0033】
提供処理手段12bは、情報端末50を介して一般ユーザに、初期画面6A、読書画面6B~6E、経路確認画面6F~6H、6J、及び創作画面を提供する。提供処理手段12bは、一般ユーザに対し、他の一般ユーザに係る反応データを提供してもよい。提供処理手段12bは、一般ユーザに対し、他の一般ユーザに係る反応データのうちで管理ユーザによる承認を受けたものを提供してもよい。このようにすれば、例えばネタバレに繋がるようなコメントの公開を未然に防ぐことができるため、管理ユーザの意向を反映しつつ、読者の読書意欲の低減を抑制することができる。因みに、ネタバレとは、作品の内容のうちの、詳細な設定や物語の核心といった重要な部分を暴露してしまうことである。
【0034】
提供処理手段12bは、反応データを逐次収集し、それぞれにユーザ識別子及び小区分データなどを紐づけて反応DBに格納する。提供処理手段12bは、各画面を介して、ある小区分を読書中の一般ユーザに、当該小区分に対する他の一般ユーザに係る反応データを提供するようにしてもよい。なお、小区分に対する他の一般ユーザに係る反応データは、リアルタイムで当該小区分を読書中の他の一般ユーザに係る反応データだけでなく、過去において当該小区分を読書した他の一般ユーザに係る反応データを含んでいてもよい。提供処理手段12bは、読書中の一般ユーザに対し、これまでの質問の回答の正誤が共通する他の一般ユーザのコメントだけを提供してもよい。提供処理手段12bは、一般ユーザに対し、当該一般ユーザが読書中の小区分及び読書済みの小区分の各々に紐づけられた他の一般ユーザの反応データを提供するようにしてもよい。提供処理手段12bは、反応データとして、一般ユーザが発信したコメントだけを逐次収集し、それぞれにユーザ識別子及び小区分データなどを紐づけて反応DBに格納するよう構成してもよい。
【0035】
〔コメントによるネタバレを抑制する第1の手法〕
提供処理手段12bは、ある一般ユーザが発信したコメントを受け取った場合、当該一般ユーザが読書中の小区分を既に提供済みの他の一般ユーザに当該コメントを提供してもよい。提供処理手段12bは、一般ユーザ自身が発信したコメントを当該一般ユーザにも提供するとよい。小区分を既に提供済みの一般ユーザとは、情報端末50を介して当該小区分の内容を視認可能な文章表示欄7a(図12等参照)等を含む画面の提供を受けた一般ユーザのことである。ただし、小区分の提供を受けたばかりの一般ユーザは、当該小区分の内容を把握できていないと推察される。よって、提供処理手段12bは、小区分を提供してから設定時間が経過したときに当該小区分を提供済みとし、上記の処理を行ってもよい。設定時間は適宜変更するとよい。例えば、提供処理手段12bは、一般ユーザが発信したコメントを含む反応欄6g(図12等参照)を、情報端末50を介して、当該一般ユーザ及び所定の条件を満たす他の一般ユーザに提供する。
【0036】
〔コメントによるネタバレを抑制する第2の手法〕
提供処理手段12bは、ある一般ユーザが発信したコメントを受け取った場合、当該一般ユーザに提供した小区分全てを既に提供済みの他の一般ユーザに当該コメントを提供してもよい。すなわち、提供処理手段12bは、ある一般ユーザが発信したコメントを受け取った場合、当該一般ユーザが読書中の小区分及び読書済みの全ての小区分を提供済みの他の一般ユーザに当該コメントを提供してもよい。例えば、提供処理手段12bは、一般ユーザが発信したコメントを含む反応欄6g(図12等参照)を、情報端末50を介して、当該一般ユーザ及び所定の条件を満たす他の一般ユーザに提供する。
【0037】
提供処理手段12bによるコメントの提供処理は、上記2つの手法に限らず、提供条件を変更した種々の手法を採用してもよい。例えば、提供処理手段12bは、読書中の一般ユーザに対し、同じ選択肢を選んだ他の一般ユーザのコメントだけを提供してもよい。提供処理手段12bは、ある一般ユーザが発信したコメントを受け取った場合、当該コメントに小区分データを紐づけて管理し、当該小区分データに係る小区分を読書中の他の一般ユーザに当該コメントを提供してもよい。
【0038】
提供処理手段12bは、創作画面を介して、一般ユーザによる小区分の新規創作を受け付けたとき、当該新規創作を含む創作データを管理ユーザに提供し、管理ユーザにより採用となった新規創作を新たな小区分として登録するようにしてもよい。作品が結末に係る小区分として真の結末と偽の結末とを含んでいる場合、提供処理手段12bは、創作画面を介して一般ユーザによる偽の結末の新規創作を受け付けたとき、当該新規創作を含む創作データを管理ユーザに提供し、管理ユーザにより採用となった新規創作を新たな偽の結末として登録するようにしてもよい。
【0039】
提供処理手段12bは、交流チャットを生成すると共に、所定の条件を満たした一般ユーザ又は管理ユーザを交流チャットに招待し、交流チャットにおけるユーザ間のやり取りを管理する機能を有していてもよい。すなわち、提供処理手段12bは、交流チャットにおけるユーザ間のやり取りの情報をチャットデータベースに逐次記録すると共に、参加中のメンバーに最新の交流チャットにおける情報を提供してもよい。
【0040】
交流チャットは、作品を構成する全ての小区分それぞれに紐づけて設けられたチャットルームであってよい。この場合、提供処理手段12bは、複数の小区分それぞれに紐づけられ、当該小区分を読書中の一般ユーザを構成員とする交流チャットを生成すると共に、ある一般ユーザに新たな小区分を提供する際、当該小区分に紐づく交流チャットに当該一般ユーザを招待する。提供処理手段12bは、ある一般ユーザに新たな小区分を提供する際、当該ユーザが1つ前に提供された小区分に紐づく交流チャットに参加中であれば、当該ユーザを当該交流チャットから退出させるとよい。
【0041】
交流チャットは、作品を構成する小区分のうちの少なくとも1つに1対1で紐づけられたチャットルームであってよい。この場合、提供処理手段12bは、少なくとも1つの小区分に1対1で紐づけられ、当該小区分を読書中の一般ユーザを構成員とする交流チャットを生成すると共に、ある一般ユーザに交流チャットが紐づけられた新たな小区分を提供する際、当該小区分に紐づく交流チャットに当該一般ユーザを招待する。提供処理手段12bは、ある一般ユーザを交流チャットに招待する際、当該一般ユーザが1つ前に招待された交流チャットに参加中であれば、当該一般ユーザを当該交流チャットから退出させるとよい。
【0042】
すなわち、交流チャットは、全ての小区分それぞれに紐づけて生成されてもよく、1つの小区分又は複数の小区分それぞれに紐づけて生成されてもよい。交流チャットを紐づける小区分については、管理ユーザが設定できるようにしてもよく、自動設定されるようにしてもよい。ここで、各作品における交流チャットのうち、本編を構成する全ての小区分の提供を受けた一般ユーザだけを構成員とするチャットルームのことを完読チャットという。提供処理手段12bは、完読チャットを生成したとき、生成した完読チャットに管理ユーザを招待するよう構成してもよい。
【0043】
交流チャットは、小区分の組み合わせ(小区分が1つの場合を含む)ごとに設けられたチャットルームであってもよい。この場合、提供処理手段12bは、予め設定された小区分の組み合わせに紐づく交流チャットを生成し、当該組み合わせに含まれる全ての小区分の提供を受けた一般ユーザを、当該組み合わせに紐づく交流チャットに招待する。提供処理手段12bは、ある一般ユーザを交流チャットに招待する際、当該一般ユーザが1つ前に招待された交流チャットに参加中であれば、当該ユーザを当該交流チャットから退出させるようにするとよい。提供処理手段12bは、ある一般ユーザに新たな小区分を提供する際、当該一般ユーザが交流チャットに参加中であれば、当該一般ユーザを当該交流チャットから退出させるようにすると、より好ましい。すなわち、提供処理手段12bは、読書経路(途上も含む)ごとに交流チャットを生成すると共に、逐次ユーザDBを参照しつつ、複数の一般ユーザそれぞれが参加する交流チャットを適時に変更してもよい。
【0044】
もっとも、提供処理手段12bは、全ての組み合わせに紐づけて交流チャットを生成する必要はなく、幾つかの組み合わせに紐づく交流チャットを生成するよう構成してもよい。すなわち、提供処理手段12bは、予め設定された小区分の組み合わせに紐づけて交流チャットを生成し、当該組み合わせに含まれる全ての小区分の提供を受けた一般ユーザを、当該組み合わせに紐づく交流チャットに招待してもよい。小区分の組み合わせは、1つだけ設定されてもよく、複数設定されてもよい。つまり、提供処理手段12bは、設定に応じて1又は複数の交流チャットを生成することになる。交流チャットを紐づける組み合わせについては、管理ユーザが設定できるようにしてもよく、自動設定されるよう構成してもよい。
【0045】
提供処理手段12bは、ある質問に一般ユーザが回答したとき、当該一般ユーザが交流チャットに参加中であれば、当該一般ユーザを、当該交流チャットから退出させると共に、次に提供される小区分に対応する交流チャットに招待してもよい。つまり、交流チャットは、質問の正解及び誤答それぞれに対応づけられ、当該質問の回答の正誤が共通するユーザだけを構成員とするチャットルームであってもよい。提供処理手段12bは、ある質問に紐づく複数の選択肢のうちの1つを一般ユーザが選択したとき、当該一般ユーザが交流チャットに参加中であれば、当該一般ユーザを、当該交流チャットから退出させると共に、次に提供される小区分に対応する交流チャットに招待してもよい。つまり、交流チャットは、質問に紐づく複数の選択肢それぞれに対応づけられ、同じ選択肢を選んだユーザだけを構成員とするチャットルームであってもよい。
【0046】
何れにせよ、作品提供システム100において、読書中の一般ユーザは、後続の小区分に移行した直後に招待される交流チャットにだけ参加することができ、その交流チャットに参加していても、さらに後続の小区分に移行すれば、そのタイミングで強制退出となるよう構成するとよい。仮に一般ユーザが、複数の小区分それぞれに紐づく交流チャットに参加できてしまうと、後の小区分の情報を、前の小区分に紐づく交流チャットでコメントしてしまうおそれがあるためである。交流チャットにおいて、一般ユーザの招待と強制退出を同時かつ連続的に行うことにより、いわゆるネタバレを防ぐことができる。交流チャットは、退出したユーザが発信したコメントが表示されてもよく、ユーザが退出したときに当該ユーザが発信したコメントが削除されるよう構成してもよい。交流チャットは、ユーザが退出して一定時間が経過したときに当該ユーザのコメントが消去されるよう構成してもよく、設定時間が経過したコメントから順次消去されるよう構成してもよい。
【0047】
制御部12は、1又は複数のプロセッサにより構成される。具体的に、制御部12は、CPU、MPU、又はGPUなどの演算処理装置により構成され、制御部12の各種機能は、該演算処理装置と作品提供プログラム13pとにより実現される。制御部12の各種機能のうちの一部はハードウェアだけで実現されてもよい。作品提供プログラム13pは、管理制御手段12a及び提供処理手段12bとしてコンピュータ(1又は複数のプロセッサ)を機能させるものである。
【0048】
運営端末20は、何れも図示しないが、例えば、通信部と、運営処理部と、記憶部と、入力部と、表示部と、を含む。通信部は、作品提供装置10などの外部機器との間で運営処理部が有線又は無線により通信を行うためのインタフェースである。記憶部には、運営処理部の動作プログラムの他、種々の情報が記憶される。記憶部は、RAM及びROM、フラッシュメモリ、eMMC、SSD、又はHDDなどにより構成される。入力部は、ユーザによる入力操作を受け付け、受け付けた操作の内容に応じた操作信号を運営処理部へ出力する。表示部は、運営処理部からの指示により種々の情報を表示する。
【0049】
運営処理部は、例えば、表示部に種々の情報を表示させ、ユーザの入力部に対する操作等に応じて、作品提供装置10における制御部12の動作プログラムの更新処理や、記憶部13内外の種々のデータベースの更新処理などを実行する。運営処理部は、CPU又はGPUなどの演算装置と、こうした演算装置と協働して上記の各種機能を実現させるソフトウェアとにより構成することができる。
【0050】
情報端末50は、例えば、通信部51と、情報処理部52と、記憶部53と、入力部54と、表示部55と、を含む。通信部51は、作品提供装置10などの外部機器との間で情報処理部52が有線又は無線により通信を行うためのインタフェースである。記憶部53には、情報処理部52の動作プログラムの他、種々の情報が記憶される。情報処理部52の動作プログラムには、作品提供装置10から適時に送信される分割プログラムも含まれる。分割プログラムは、作品提供プログラム13pを構成するものである。情報処理部52は、分割プログラムに基づく動作により、画面上の各要素の表示切替など、簡易的な処理については、作品提供装置10との通信を行うことなく実行することができる。情報処理部52の動作プログラムは、CPU、MPU、又はGPUなどの演算処理装置と協働して各種機能を実現させるソフトウェアである。記憶部53は、RAM及びROM、フラッシュメモリ、eMMC、SSD、又はHDDなどにより構成される。
【0051】
入力部54は、ユーザによる入力操作を受け付け、受け付けた操作の内容に応じた操作信号を情報処理部52へ出力する。入力部54は、例えば、キーボードと、マウス又はトラックボールなどのポインティングデバイスと、により構成される。表示部55は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等で構成され、情報処理部52からの指示により種々の情報を表示する。情報端末50は、入力部54及び表示部55の代わりに、又はこれらのうちの少なくとも一方と共に、タッチパネルを有していてもよい。なお、タッチパネルは、文字又は画像等の表示を行う表示パネルと、該表示パネルに積層されてタッチ操作を検出する検出手段と、を含む。
【0052】
情報処理部52は、入力部54からの操作信号に応じて、作品提供装置10との連携により、初期画面6A、読書画面6B~6E、経路確認画面6F~6H、6Jを表示部55に表示させる。情報処理部52は、各画面を介して管理ユーザの操作を受け付け、操作内容に応じた処理を実行する。情報処理部52は、1又は複数のプロセッサにより構成される。具体的に、情報処理部52は、CPU、MPU、又はGPUなどの演算処理装置により構成され、情報処理部52の各種機能は、該演算処理装置と動作プログラムとにより実現される。情報処理部52の各種機能のうちの一部はハードウェアだけで実現されてもよい。
【0053】
管理端末30は、例えば、通信部31と、管理処理部32と、記憶部33と、入力部34と、表示部35と、を含む。通信部31は、作品提供装置10などの外部機器との間で管理処理部32が有線又は無線により通信を行うためのインタフェースである。記憶部33には、管理処理部32の動作プログラムの他、種々の情報が記憶される。管理処理部32の動作プログラムには、作品提供装置10から適時に送信される分割プログラムも含まれる。分割プログラムは、作品提供プログラム13pを構成するものである。管理処理部32は、分割プログラムに基づく動作により、画面上の各要素の表示切替など、簡易的な処理については、作品提供装置10との通信を行うことなく実行することができる。管理処理部32の動作プログラムは、CPU、MPU、又はGPUなどの演算処理装置と協働して各種機能を実現させるソフトウェアである。記憶部33は、RAM及びROM、フラッシュメモリ、eMMC、SSD、又はHDDなどにより構成される。
【0054】
入力部34は、ユーザによる入力操作を受け付け、受け付けた操作の内容に応じた操作信号を管理処理部32へ出力する。入力部34は、例えば、キーボードと、マウス又はトラックボールなどのポインティングデバイスと、により構成される。表示部35は、液晶ディスプレイ等で構成され、管理処理部32からの指示により種々の情報を表示する。管理端末30は、入力部34及び表示部35の代わりに、又はこれらのうちの少なくとも一方と共に、タッチパネルを有していてもよい。
【0055】
管理処理部32は、入力部34からの操作信号に応じて、作品提供装置10との連携により、初期画面5A(5X、5Y)、基本設定画面5B、編集画面5C、又は統計確認画面5Dを表示部35に表示させる。管理処理部32は、各画面を介して一般ユーザの操作を受け付け、操作内容に応じた処理を実行する。管理処理部32は、1又は複数のプロセッサにより構成される。具体的に、管理処理部32は、CPU、MPU、又はGPUなどの演算処理装置により構成され、管理処理部32の各種機能は、該演算処理装置と動作プログラムとにより実現される。管理処理部32の各種機能のうちの一部はハードウェアだけで実現されてもよい。
【0056】
次に、図5図10に例示する各画面を参照し、作品提供装置10から管理ユーザに提供される種々の情報及び権限について具体的に説明する。各表示画面及び表示画像等は、作品提供装置10から提供される種々のデータをもとに、管理処理部32が表示部35に表示させるものである。各図において同様の構成については同一の符号を用いて説明は省略又は簡略化する。各図では、図面の煩雑化を避ける等の意図で一部の符号を省略することがある。
【0057】
図5には、運営システムにログインした管理ユーザに提供される初期画面(管理初期画面)の一例を示す。管理処理部32は、作品提供装置10から送信される管理初期データに基づき、例えば図5のような初期画面5Aを表示部35に表示させる。管理初期データは、初期画面に係るデータであり、具体的には、初期画面5Aを表示するための種々の情報及びプログラム等を含む。図5に例示する初期画面5Aは、公開作品部5aと編集作品部5bとを含む作品部5を有している。公開作品部5aには、公開中の状態にある1又は複数の作品に係る情報が表示される。編集作品部5bには、ログイン中の管理ユーザが編集中の状態の1又は複数の作品に係る情報が表示される。
【0058】
図5の公開作品部5aは、「公開中の作品」との見出しのもと、1又は複数の作品に係る情報が表示される構成となっている。作品に係る情報は、例えば、作品に関連する画像と作品名との組み合わせからなる。作品に関連する画像及び作品名のうちの少なくとも一方は、当該作品を管理するための基本設定画面5Bへの遷移を受け付ける仮想ボタンとして機能する。
【0059】
図5の編集作品部5bは、「編集中の作品」との見出しのもと、1又は複数の作品に係る情報が表示される構成となっている。編集作品部5bにおける作品に係る情報は、例えば、作品に関連する画像の候補と、作品名の候補との組み合わせからなる。もっとも、作品に関連する画像の候補が登録されていなければ、非表示又は未定の旨が表示され、作品名の候補が未登録であれば、未定の旨が表示される。作品に関連する画像候補、及び作品名の候補のうちの少なくとも一方は、当該作品を編集するための作品編集画面への遷移を受け付ける仮想ボタンとして機能する。作品編集画面は、図7の基本設定画面5Bと同様の構成であり、作品編集画面から遷移可能な小区分ごとの編集画面は、図8及び図9に例示する編集画面5Cと同様の構成であるため、これらの図示は省略する。
【0060】
図5に例示する初期画面5Aは、読者の反応が表示される反応表示欄5cを含む。例えば、反応表示欄5cには、読者のコメントや質問に対する回答が作品ごとに表示される。図5に例示する反応表示欄5cは、作品Bに関するコメント等が表示される反応表示部A1と、作品Cに関するコメント等が表示される反応表示部A2と、を有している。反応表示部A1と反応表示部A2とを区別せずに指す場合は反応表示部Aoと称する。反応表示欄5cでは、作品ごとに反応表示部Aoが設けられる。反応表示部Aoは、読者のコメントを示すコメント表示Amと、質問に対する読者の回答を示す回答表示Asとが、新着順で表示されるよう構成するとよく、各々にコメントや回答の時間を添えてもよい。反応表示部Aoは、作品に対する感想が届いていることを示す通知部Mが表示されるよう構成してもよい。作品部5と反応表示欄5cとは、個々にスクロール可能な構成にするとよい。反応表示欄5cは、後述する図6(b)の第2初期画面5Yと同様、理由欄に対応する理由表示Arが表示されてもよい。
【0061】
管理処理部32は、一般ユーザに提供される後述の読書画面の個別ボタンD等を介して、読者から作者にメッセージが届いている場合、その旨の情報を示す通知部Mを編集画面5Cに表示させてもよい。なお、図5の通知部Mは「感想が届いています」と表記されており、メッセージを表示させる操作を受け付ける仮想ボタンとして機能する。管理処理部32は、通知部Mが押下等されると、届いているメッセージをサブウィンドウなどに表示させるとよい。通知部Mは、反応表示欄5cの外に表示されてもよい。
【0062】
図6には、運営システムにスマートフォン等でログインした管理ユーザに提供される初期画面(管理初期画面)の一例を示す。本実施の形態における作品提供装置10は、ユーザによる指定で、もしくは自動的に、スマートフォン用のアプリケーションである作品提供プログラム13pに基づく情報提供及び情報処理を実行する。当該アプリケーションによれば、例えば、ユーザがスワイプ(タッチパネルを指で押した状態のまま上下左右にスライドさせる操作)することにより、図6(a)のような第1初期画面5Xと、図6(b)のような第2初期画面5Yとが切り替わる。これにより、画面上の各オブジェクトの配置の乱れや視認性の低下等を防ぐことができる。後述する他の画面(図7図13図15図23)についても同様、PCモニター等では1つの画面に表示される内容が、スマートフォン等でログインしたユーザに対しては、複数の画面に振り分けられるよう構成するとよい。
【0063】
図7には、管理ユーザに提供される基本設定画面の一例を示す。管理処理部32は、図5又は図6のような初期画面において作品を指定する操作を受け付けた際、例えば図7のような基本設定画面5Bを表示部35に表示させる。図7に例示する基本設定画面5Bは、図5又は図6の初期画面において、管理ユーザにより作品Cが指定された場合に対応するため、作品名表示5dには、作品名として「作品C」が表記されている。
【0064】
基本設定画面5Bは、基本設定を行うための設定部Bxと、小区分ごとの編集画面に遷移させるための遷移部Byと、読者に関する情報が対応づけられた読者情報管理部Bzと、を有している。図7の例において、設定部Bxは、二次創作可否部5eと、課金設定部5fと、チャット要否部5gと、参加要否部5hと、公開指示部5jと、を含む。
【0065】
二次創作可否部5eは、当該作品の二次創作を許可するか否かの設定を受け付ける箇所であり、説明表示B1と切替部Sとにより構成されている。課金設定部5fは、例えば、読書中のユーザに対し、小区分ごとに、あるいは質問への回答ごとに要求する費用の設定を受け付ける箇所であり、説明表示B2と金額設定部Pとにより構成されている。課金設定部5fは、第1章から第2章への移行時には課金せず、第2章から第3章への移行時には課金するといったように、小区分ごと、あるいは質問ごとに要求額の設定が可能となるよう、金額設定部Pが細分化された構成を採ってもよい。
【0066】
チャット要否部5gは、交流チャットを作成するか否かの設定を受け付ける箇所であり、説明表示B3と切替部Sとにより構成されている。参加要否部5hは、当該作品の管理ユーザが一般ユーザの交流チャットに参加するか否かの設定を受け付ける箇所であり、説明表示B4と切替部Sとにより構成されている。本実施の形態において、参加要否部5hは、当該作品の作者が完読チャットに参加するか否かの設定用となっている。
【0067】
公開指示部5jは、当該作品の作者の氏名等について公開しないか、あるいは公開する場合のタイミングの設定を受け付ける箇所であり、説明表示B5と公開設定部Tとにより構成されている。図7では、プルダウン形式の公開設定部Tを例示している。説明表示B1~B5の表示内容は、図7の例に限らず、適宜表現を変更してもよい。設定部Bxにおいて設定可能な内容は、図7の例に限らず、適宜変更・増減してもよい。
【0068】
切替部Sは、クリック又はタップ等の操作(以下、押下等という。)により表示態様が変化するよう構成されている。切替部Sの形式は、各図の例に限らず、ラジオボタンやチェックボックスなど、種々の形式を採ることができる。管理処理部32は、切替部Sに対する操作を受け付けると、切替部Sの表示態様を変化させると共に、ユーザの操作に応じて又は自動的に、変化後の表示態様に対応する切替データを作品提供装置10へ送信する。管理処理部32は、基本設定に係る設定事項が更新される度に、更新後の情報を作品提供装置10へ送信してもよいが、例えば図7のように更新ボタンKを表示させ、更新ボタンKの押下等に応じて更新後の情報を作品提供装置10へ送信してもよい。
【0069】
図7では、作品Cが、本編を構成する4つの章(小区分)と、別編に係る2つの偽の結末(小区分)と、を有する想定となっている。したがって、遷移部Byは、第1章の編集画面への移行指示を受け付ける区分ボタン1zと、第2章の編集画面への移行指示を受け付ける区分ボタン2zと、第3章の編集画面への移行指示を受け付ける区分ボタン3zと、第4章の編集画面への移行指示を受け付ける区分ボタン4zと、を有している。以下、これらを総称する場合は「区分ボタン」と称する。さらに遷移部Byは、偽の結末1の編集画面への移行指示を受け付ける偽区分ボタン5vと、偽の結末2の編集画面への移行指示を受け付ける偽区分ボタン5wと、を有している。以下、これらを総称する場合は「偽区分ボタン」と称する。
【0070】
作品Cでは、小区分ごと(章ごと)に質問が設定されており、一般ユーザは、質問に回答することを契機として、後続の小区分へ進めるよう構成されている。図7に例示する読者情報管理部Bzは、第1章に関連する質問に対する一般ユーザの反応を表示させる第1反応部r1と、第2章に関連する質問に対する一般ユーザの反応を表示させる第2反応部r2と、第3章に関連する質問に対する一般ユーザの反応を表示させる第3反応部r3と、を有している。さらに、読者情報管理部Bzは、作品に対する感想を表示させる感想部dと、完読チャットを表示させるチャット表示部eと、読者により投稿された別編に係る小区分の創作を表示させる創作表示部fと、読者による二次創作を表示させる二次創作部gと、を有している。読者情報管理部Bzにおける各表示(r1~r3、d~g)は、具体的な内容をサブウィンドウなどで表示させるための仮想ボタンとして機能する。読者情報管理部Bzにおける各表示の種類及び数は、適宜変更することができる。もっとも、読者情報管理部Bzは、各表示のうちの少なくとも1つに係る具体的な内容が表示されるよう構成してもよい。
【0071】
基本設定画面5Bは、メッセージを入力するための入力欄W1と送信ボタンW2とを含む発信部Wを有していてもよい。発信部Wは、管理ユーザが一般ユーザに向け、読解のヒントなどのメッセージを発信したいときに活用する。発信部Wは、1又は複数の小区分を指定してメッセージを送信できるよう、小区分の選択が可能に構成してもよい。かかる構成により、管理ユーザは、ネタバレに配慮しつつ、一般ユーザが既読の小区分や回答後の質問などについて言及することができる。
【0072】
図8には、管理ユーザに提供される編集画面のうちの上部を含む領域を例示している。図9には、管理ユーザに提供される編集画面のうちの下部を含む領域を例示している。管理処理部32は、図7のような基本設定画面5Bにおいて小区分を指定する操作を受け付けた際、例えば図8及び図9のような編集画面5Cを表示部35に表示させる。すなわち、管理処理部32は、図7のような各区分ボタンの押下等に応じ、作品提供装置10と連携して、図8及び図9に示すような編集画面5Cを表示部35に表示させる。なお、結末に係る小区分の編集画面5Cは、基本的に質問に関連する要素を含まない。もっとも、結末に係る小区分には、アンケートのような質問を含む質問データが対応づけられていてもよい。
【0073】
図8及び図9に例示する編集画面5Cは、図7の基本設定画面において、管理ユーザにより第1章が指定された場合に対応する。図8には、ステータス表示5kの一例として「第1章編集中」の文字を示している。編集画面5Cは、文章表示欄3aと、質問欄3bと、選択部3cと、必須選択部3dと、時間制限設定部3eと、正解設定部3fと、1又は複数の誤答設定部3gと、回答受付指示部3hと、他読者表示設定部3jと、作者コメント設定部3kと、を有している。
【0074】
文章表示欄3aは、編集画面5Cに紐づく小区分の文章がスクロール可能に表示されている。本実施の形態の編集画面5Cでは、文章表示欄3aの文章の修正が可能となっている。質問欄3bは、編集画面5Cに紐づく小区分に対応づけられた質問を管理するための欄である。質問欄3bは、事前に登録された質問文が表示されている場合、管理ユーザによって当該質問文の修正又は変更が行えるよう構成されている。質問欄3bが空白の場合、管理ユーザは、質問欄3bに質問文を入力し、登録することができる。選択部3cは、各々が選択肢となる複数の選択肢欄Coを有している。選択肢欄Coは、事前に登録された文章が表示されている場合、管理ユーザによって当該文章の修正又は変更が行えるよう構成されている。空白の選択肢欄Coには、管理ユーザが文章を入力し、登録することができる。
【0075】
追加ボタン3tは、質問欄3b及び選択部3cを追加するための仮想ボタンである。すなわち、追加ボタン3tが押下等されると、質問欄3bと選択部3cとの組み合わせが追加され、管理ユーザは、新たな質問文とその選択肢を追加することができる。追加ボタン3uは、新たな選択肢に対応する選択肢欄Coを追加するための仮想ボタンである。すなわち、追加ボタン3uが押下等されると選択肢欄Coが追加され、管理ユーザは、選択肢を増やすことができる。
【0076】
必須選択部3dは、質問に対する回答を必須にするか否かの設定を受け付ける箇所である。図9の必須選択部3dは、「回答必須」という説明文に切替部Sが対応づけられている。時間制限設定部3eは、質問の回答に時間制限を設けるか否かと、設ける場合の制限時間の設定を受け付ける箇所である。図9の時間制限設定部3eは、「時間制限の設定」という説明文に、切替部Sと時間設定部Eとが対応づけられている。時間設定部Eは、切替部Sがオンの状態のときに入力可能となる。
【0077】
正解設定部3fは、質問に対する正解及び正解時の針路の設定を受け付ける箇所であり、誤答設定部3gは、質問に対する誤答及び誤答時の針路の設定を受け付ける箇所である。質問に対する選択肢が3つ以上ある場合、表示部35には複数の正解設定部3f又は複数の誤答設定部3gが表示されることになる。より具体的に、正解設定部3fは、正解選定部S1と、針路選定部T1と、を有しており、誤答設定部3gは、誤答選定部S2と、針路選定部T2と、を有している。図9の正解選定部S1及び誤答選定部S2は、プルダウン形式で「選択肢A」又は「選択肢B」を選べるようになっている。図9の針路選定部T1及び針路選定部T2は、プルダウン形式で、当該作品における小区分のうちの何れか1つを選択できるよう構成されている。もっとも、質問に対する正解と誤答が決まっており、調整が不要な場合は、正解選定部S1及び誤答選定部S2を設けずに構成してもよい。正解時の針路が決まっており、調整が不要な場合は、針路選定部T1を設けずに構成してもよい。誤答時の針路が決まっており、調整が不要な場合は、針路選定部T2を設けずに構成してもよい。
【0078】
回答受付指示部3hは、2周目以降の回答を受け付けるか否かの設定を受け付ける箇所である。図9の回答受付指示部3hは、「2周目以降の回答 受付」という説明文に切替部Sが対応づけられている。他読者表示設定部3jは、任意の一般ユーザ(読者)に対し、他の一般ユーザ(読者)の反応を提供するか否かの設定を受け付ける箇所である。図9の他読者表示設定部3jは、「他の読者の反応 表示」という説明文に切替部Sが対応づけられている。作者コメント設定部3kは、一般ユーザに対して作者のコメントを提供するか否かの設定を受け付ける箇所である。図9の作者コメント設定部3kは、「作者コメント 表示」という説明文に切替部Sが対応づけられている。
【0079】
また、編集画面5Cは、当該小区分に係る読者に関する情報が対応づけられた読者情報管理部Czを有している。読者情報管理部Czには、例えば、読者情報管理部Bzに表示される各要素のうちで、当該小区分に関連するもの等が表示される。読者情報管理部Czに表示させる内容は、管理ユーザが事後的に調整することができる。コメント部d1は、例えば、作品全体に対する一般ユーザのコメントを表示させる仮想ボタンとして機能する。
【0080】
さらに、編集画面5Cは、統計確認ボタン3mと、読者表示確認ボタン3nと、設定確認ボタン3oと、を有している。統計確認ボタン3mは、質問に関連する情報が整理された統計確認画面5D(図10参照)を表示させるための仮想ボタンである。読者表示確認ボタン3nは、当該小区分を読書中の一般ユーザに提供される読書画面を参照するための仮想ボタンである。読者表示確認ボタン3nが押下等されると、表示部35には、例えば図12図16図21図23の読書画面(6B~6E)のような画面が表示される。設定確認ボタン3oは、管理ユーザが当該小区分に係る全体的な設定内容を確認するための設定確認画面(図示せず)を表示させるための仮想ボタンである。
【0081】
図10には、管理ユーザに提供される統計確認画面を例示している。管理処理部32は、図8及び図9のような編集画面5Cにおいて、統計確認ボタン3mの押下等により統計データの表示を指示する操作を受け付けた際、例えば図10のような統計確認画面5Dを表示部35に表示させる。図10に例示する統計確認画面5Dは、画面タイトル5pと、選択肢に関する説明文5qと、複数の選択肢それぞれの内容を示す選択肢表示Dpと、複数の選択肢それぞれの選択率Rと、を有している。図10のように、統計確認画面5Dは、回答数表示部5rと、離脱率表示部5sと、を有していてもよい。
【0082】
統計確認画面5Dは、当該小区分に係る読者に関する情報が対応づけられた読者情報管理部Dxを有していてもよい。読者情報管理部Dxに表示される要素は、図10の例に限らず、適宜変更可能となっている。統計確認画面5Dは、当該小区分に関連するコメントが表示されるコメント部5tを有していてもよい。制御部12は、自然言語解析と機械学習とを組み合わせた処理等により、質問文や選択肢の内容調整に役立つ1又は複数のコメントを抽出し、抽出したコメントをコメント部5tに表示するよう構成してもよい。なお、初期画面5A(5X、5Y)、基本設定画面5B、編集画面5C、統計確認画面5Dは、各図のように、作者としてログイン中であることを示す作者ログイン表示5Lを含んでいてもよい。
【0083】
次に、図11図23を参照し、作品提供装置10から一般ユーザに提供される種々の情報及び権限について説明する。各表示画面及び表示画像等は、作品提供装置10から提供される種々のデータに基づいて情報処理部52が表示部55に表示させるものである。各図において同様の構成については同一の符号を用いて説明は省略又は簡略化する。各図では、図面の煩雑化を避ける等の意図で一部の符号を省略することがある。
【0084】
図11には、運営システムにログインした一般ユーザに提供される初期画面(一般初期画面)の一例を示す。情報処理部52は、作品提供装置10から送信される一般初期データに基づき、例えば図11のような初期画面6Aを表示部55に表示させる。一般初期データは、初期画面6Aに係るデータであり、具体的には、初期画面6Aを表示するための種々の情報及びプログラム等を含む。図11に例示する初期画面6Aは、推奨作品部6aと継続作品部6bとを含む作品部6を有している。推奨作品部6aには、一般ユーザに読んで欲しい1又は複数の作品に係る情報が表示される。継続作品部6bには、ログイン中の一般ユーザが読書中の状態にある1又は複数の作品に係る情報が表示される。作品部6の構成及び機能は、図5の作品部5と同様である。図11に例示する初期画面6Aは、新着情報などの情報が表示される情報表示欄6cを有している。
【0085】
図12には、一般ユーザに提供される読書画面の一例を示す。情報処理部52は、図11のような初期画面6Aにおいて作品を指定する操作を受け付けた際、例えば図12のような読書画面6Bを表示部55に表示させる。図12に例示する読書画面6Bは、図11の初期画面6Aにおいて、一般ユーザにより作品Cが指定された場合に対応するため、作品名表示6dには、作品名として「作品C」が表記されている。
【0086】
加えて、読書画面6Bは、関連データ表示6xと、小区分表示6eと、説明表示6f、反応欄6gと、発信部Wと、文章表示欄7aと、質問部7xと、選択ボタンSaと、選択ボタンSbと、を有している。関連データ表示6xは、読書画面6Bに係る作品に関連する情報が表示される箇所であり、例えば、作者、公開された年、バージョン情報、評価などが表示される。小区分表示6eには、読書画面6Bに係る小区分の情報が表示され、文章表示欄7aには、当該小区分の文章が表示される。
【0087】
質問部7xには質問データが表示される。図12に例示する質問部7xは、質問文7bと、選択部7cと、により構成されている。選択部7cは、選択肢Aに対応する選択文7mと、選択肢Bに対応する選択文7nと、を含む。選択ボタンSaは選択肢Aの選択を受け付ける仮想ボタンであり、選択ボタンSbは選択肢Bの選択を受け付ける仮想ボタンである。もっとも、選択肢Aの選択用の仮想ボタンとして、選択ボタンSaの代わりに選択文7mを機能させてもよく、選択肢Bの選択用の仮想ボタンとして、選択ボタンSbの代わりに選択文7nを機能させてもよい。文章表示欄7aはスクロール可能に構成されており、本実施の形態では、小区分に係る文章の末尾が読書画面6Bに表示されたタイミング、又は当該タイミングから設定時間が経過したときに、文章表示欄7aの一部に重なって質問部7xが表示されるよう構成されている。
【0088】
説明表示6fは、反応欄6gに表示される内容についての説明文であり、反応欄6gには、ユーザによるコメントの発信を受け付ける発信部Wが対応づけられている。発信部Wは、入力欄W1と送信ボタンW2とを含む。反応欄6gは、作品を読書中及び読書済みの一般ユーザの反応(コメント等)が表示されるよう構成されている。本実施の形態の反応欄6gは、一般ユーザの読書の進行具合に応じてコメントの表示制限が変化するよう構成されている。
【0089】
また、本実施の形態における作品提供装置10は、文章の提供に係る動作モードとして、通常の設定である一般モードと、小区分に係る文章の一部を引用する形でコメントを記入でき、記入箇所に紐づくコメントを容易に確認できる没入モードと、を有している。したがって、読書画面6Bは、一般モードと没入モードとを切り替えるためのモード切替部Msを有している。各図に例示するモード切替部Msは、「没入モード」という文字に切替部Sが対応づけられた構成を採っており、ラジオボタン形式の切替部Sを例示している。なお、図12では、切替部Sがオフの状態、つまりラジオボタンが選択されていない状態を例示している。
【0090】
図13には、一般ユーザの選択により提供される、没入モードに係る読書画面の一例を示す。情報処理部52は、図12のような読書画面6Bにおいて、没入モードへの切替を指示する操作を受け付けると、没入モードの読書画面6Bを表示部55に表示させる。もっとも、初期設定が没入モードの場合は、上記とは反対の動作となる。没入モードにおいて一般ユーザは、図13のように任意に指定した抽出部7pに紐づけてコメントを入力し、登録することができる。コメントが登録された箇所である挿入部7qは、他の箇所とは態様が変化するよう構成されている(図13には下線が施された例を示す)。挿入部7qにカーソルを合わせると、例えば図13のように、登録されたコメントを含むコメント表示部7rが現れる。
【0091】
図14には、チャット形式で提供される小区分ごとの文章が提供される読書画面を例示している。図14に例示する読書画面6Cは、小区分に係る文章7vと、質問部7xと、を有する文章表示欄7aを含む。図14の質問部7xは、質問文7b及び選択部7cと共に、補助表示7sを有している。チャット形式の場合、一般ユーザが回答7zを送信すると、その内容に応じた小区分に係る文章表示欄8aが提供される。かかる形式の読書画面では、図6の例と同様、スワイプなどの切替操作に応じて図12等のような反応欄6gを表示させ、入力欄D1及び送信ボタンD2を発信部Wと同様に機能させてもよい。
【0092】
図15には、一般ユーザに提供される読書画面のうち、2番目以降の小区分に係る読書画面の一例を示す。情報処理部52は、図11のような初期画面6Aにおいて継続作品部6bの作品を指定する操作を受け付けた場合や、図12又は図13のような読書画面6Bにおいて、質問に対する回答を受け付けた場合等において、図15のような読書画面6Dを表示部55に表示させる。なお、図15では、画面の遷移直後等で、質問部7xが表示されていない状態を例示している。反応欄6gは、文章表示欄7aに表示中の小区分に対応するコメント等(当該小区分の読書中に発信されたコメント等)が優先的に表示されるよう構成するとよい。
【0093】
図15の読書画面6Dは、例えば基本設定画面5Bのチャット要否部5g(図7参照)において、交流チャットを作成しない設定となっている場合を想定したものである。個別ボタンDは、作者に感想を送るための仮想ボタンである。一般ユーザが個別ボタンDを押下すると、作者に対する個別メッセージを入力し、送信するための感想ページ(図示せず)等が表示部55に表示される。振り返りボタン6zは、1つ前の小区分を表示させるための仮想ボタンである。図15では、第3章以降まで進んだ一般ユーザが第2章に戻っている状況を想定しているため、進行ボタン6sが表示されている。一般ユーザが進行ボタン6sを押下等すれば、質問が設定されている小区分であっても、質問に回答することなく後続の小区分に移動することができる。
【0094】
図16には、一般ユーザに提供される読書画面のうち、結末の小区分に係る読書画面を例示している。結末には、真の結末と偽の結末とがあるが、図16では、真の結末の小区分に係る読書画面6Eを例示している。読書画面6Eは、図16のように、読書の経路を確認し、必要に応じて小区分や分岐に戻るための経路確認ボタンBmを有していてもよい。図12図13図15図16では、振り返りボタン6z及び進行ボタン6sを用いて小区分間を行き来する例を示したが、これに限らず、読書画面は、単純なスクロール操作により小区分間を行き来することができるよう構成してもよい。
【0095】
図17図20は、一般ユーザが自身の読書経路を確認するための経路確認画面を例示した説明図である。図17には、本編を完読した一般ユーザに提供される経路確認画面を例示している。情報処理部52は、真の結末に係る読書画面6E(図16参照)において、経路確認ボタンBmの押下等により経路確認の指示を受け付けた場合、図17のような経路確認画面6Fを表示部55に表示させる。図17の経路確認画面6Fは、各小区分を確認するための仮想ボタンとして、第1章ボタンH1、第2章ボタンH2、第3章ボタンH3、及び第4章ボタンH4(以下、小区分ボタンHと総称する。)を有しており、通過した分岐(質問等)を確認するための仮想ボタンとして、第1分岐ボタンK1、第2分岐ボタンK2、及び第3分岐ボタンK3(以下、分岐ボタンKoと総称する。)を有している。一般ユーザは、これらの仮想ボタンを押下等することにより、通過した小区分及び分岐(質問等)を再確認することができる。一般ユーザは、分岐ボタンKoの押下等により質問を再確認し、回答を変更することにより、偽の結末等の本編とは異なる小区分を読むことができる。
【0096】
経路確認画面6Fは、一般ユーザが本編とは異なる小区分を作成するための創作画面(図示せず)を表示させるチャレンジボタンEcを有していてもよい。図17の経路確認画面6Fは、分岐ごとにチャレンジボタンEcが設けられているが、経路確認画面6Fが1つのチャレンジボタンEcを有するよう構成し、創作画面において、対象とする分岐を選択できるよう構成してもよい。あるいは、チャレンジボタンEcは、各分岐につき、当該分岐に紐づく全ての小区分が一般ユーザに提供されたタイミングで表示されるよう構成してもよい。もしくは、創作画面は、分岐ボタンKoの押下後の画面に含まれていてもよく、分岐ボタンKoの押下後の画面から創作画面へ遷移できるよう構成してもよい。
【0097】
図18には、偽の結末に至った一般ユーザに提供される経路確認画面を例示している。情報処理部52は、偽の結末に係る読書画面6Eにおいて、経路確認ボタンBmが押下される等により経路確認の指示を受け付けた場合、図18のような経路確認画面6Gを表示部55に表示させる。図18の経路確認画面6Gは、各小区分を確認するための仮想ボタンとして、第1章ボタンH1、第2章ボタンH2、及びBAD2ボタンUを有しており、通過した分岐(質問)を確認するための仮想ボタンとして、第1分岐ボタンK1及び第2分岐ボタンK2を有している。なお、偽の結末に係る経路確認画面6Gには、チャレンジボタンEcは表示されない。
【0098】
図19には、本編を構成する小区分のうちの一部が省略されて真の結末に至った一般ユーザに提供される経路確認画面を例示している。図19の経路確認画面6Hは、例えば、第2章の質問の回答が誤答と判断された一般ユーザに提供される。図19の経路確認画面6Hは、各小区分を確認するための仮想ボタンとして、第1章ボタンH1、第2章ボタンH2、及び第4章ボタンH4を有しており、通過した分岐(質問)を確認するための仮想ボタンとして、第1分岐ボタンK1及び第2分岐ボタンK2を有している。もっとも、第2章から第3章を省略して第4章に繋げた際の違和感を和らげる等の理由で、第2章と第4章との間に別編に係る1又は複数の小区分を挿入してもよい。
【0099】
このように、本編を構成する小区分の一部を省略する設定を用いる場合、作品は、必ずしも別編に係る小区分を有しなくてもよい。つまり、運営システムは、本編を構成する複数の小区分だけで構成された作品を取り扱ってもよい。すなわち、本編を構成する小区分だけで構成された作品であっても、質問での分岐を活かし、一般ユーザにおける作品のストーリー展開を調整することができる。
【0100】
図20には、別編に係る複数の小区分が提供された一般ユーザに向けて表示する経路確認画面の他の例を示す。図20の経路確認画面6Jは、例えば、第2章の質問の回答が誤答と判断された一般ユーザに提供される。図20の経路確認画面6Jは、各小区分を確認するための仮想ボタンとして、第1章ボタンH1、第2章ボタンH2、別1ボタンV、及びBAD2ボタンUを有している。
【0101】
図17図20に例示する経路確認画面6F~6H、6Jは、一般ユーザが通過していないルートを示す他ルート表示Rzが相対的に淡く表現されている(各図では破線又は灰色等を例示)。これにより、読んでいない小区分に対する読者の興味を駆り立てることができる。経路確認画面は、読書を終了するための終了ボタン6uを有していてもよい。初期画面6A、読書画面6B~6E、経路確認画面6F~6H、6Jは、各図のように、読者としてログイン中であることを示す読者ログイン表示6Lを含んでいてもよい。
【0102】
図21図23の読書画面は、例えば基本設定画面5Bのチャット要否部5g(図7参照)において、交流チャットが作成される設定となっている場合を想定したものである。まず、図21及び図22を参照し、切替操作に応じてチャット欄Dyが表示される場合の画面遷移について説明する。図21及び図22では、一例として、図15に対応する読書画面6Dを例示する。
【0103】
情報処理部52は、図11のような初期画面6Aにおいて継続作品部6bの作品を指定する操作を受け付けた場合や、図12又は図13のような読書画面6Bにおいて、質問に対する回答を受け付けた場合等において、図21のような読書画面6Dを表示部55に表示させる。図21の読書画面6Dは、交流チャットへの参加要求を受け付ける招待ボタンChを有している。一般ユーザが招待ボタンChを押下等すると、表示部55には、図22のようにチャット欄Dyが表示される。すなわち、情報処理部52は、図21のような読書画面6Dにおいて、交流チャットへの参加要求を受け付けると、図22のように、チャット欄Dyを含む読書画面6Dを表示部55に表示させる。図22に例示するチャット欄Dyは、交流チャットの参加者間でのメッセージのやり取りが表示されるチャット部Doと、メッセージを入力するための入力欄D1と、送信ボタンD2と、により構成されている。図22のチャット欄Dyには、チャット名Dtとして「第2章交流チャット」の文字が添えられている。
【0104】
図23には、一般ユーザに提供される読書画面のうち、結末の小区分に係る読書画面を例示している。結末には、真の結末と偽の結末とがあるが、図23では、真の結末の小区分に係る読書画面6Eを例示している。図23の読書画面6Eは、交流チャットへの参加要求を情報処理部52が受け付けた後の状態例である。図23に例示するチャット欄Eyは、交流チャットの参加者間でのメッセージのやり取りが表示されるチャット部Eoを含む。図23では、作品Cの作者が完読チャットに参加している前提となっており、チャット部Eoには、作者コメントScが表示されている。図23のチャット欄Eyには、チャット名Etとして「完読チャット」の文字が添えられている。読書画面6Eは、図23のように、読書の経路を確認し、必要に応じて小区分や分岐に戻るための経路確認ボタンBmを有していてもよい。
【0105】
続いて、図24図28を参照し、本実施の形態に係る作品提供方法について説明する。まず、図24のシーケンスチャートを参照し、作品提供装置10と管理端末30との間の連携処理の概要について、管理端末30の処理内容を中心に説明する。
【0106】
管理ユーザが、管理端末30においてログイン認証情報を入力し、ログインを要求する操作を行うと(ステップS101)、管理端末30は、入力されたログイン認証情報を含むログイン要求を作品提供装置10へ送信する(ステップS102)。ログイン要求を受信した作品提供装置10は、ログイン認証情報の照合処理を経て、管理ユーザの初期画面に係るデータ(管理初期データ)を管理端末30へ送信し(ステップS103)、管理端末30は、例えば図5のような初期画面5Aを表示部35に表示させる(ステップS104)。
【0107】
管理端末30は、初期画面5Aにおいて、作品を指定する操作を受け付けると(ステップS105)、指定された作品の管理権限を要求する作品管理要求を作品提供装置10へ送信する(ステップS106)。作品提供装置10は、指定された作品の基本設定画面に係るデータ(作品基本データ)を管理端末30へ送信し(ステップS107)、管理端末30は、例えば図7のような基本設定画面5Bを表示部35に表示させる(ステップS108)。基本設定画面に係るデータは、基本設定画面5Bを表示するための種々の情報及びプログラム等を含み、以下「作品基本データ」ともいう。
【0108】
管理端末30は、基本設定画面5Bにおいて、設定部Bxの設定を変更する操作、つまり、切替部Sの状態切替、金額設定部Pの入力値の変更、公開設定部Tの指定変更などの操作を受け付けると、操作の内容に合わせて基本設定画面5B上の表示を変更する(ステップS109)。そして、管理端末30は、更新ボタンKが押下される等により、設定部Bxの更新指示を受け付けると(ステップS110)、設定部Bxにおいて変更された内容を含む基本更新データを作品提供装置10へ送信する(ステップS111)。作品提供装置10は、基本更新データをもとに設定データベースの情報を更新する(ステップS112)。なお、管理端末30は、基本設定画面5Bにおいて、読者情報管理部Bzの各要素を指定する操作を受け付けた場合、それぞれの要素に応じた情報を作品提供装置10から取得して表示部35に表示させる。
【0109】
管理端末30は、基本設定画面5Bにおいて、区分ボタン又は偽区分ボタンが押下される等により、小区分の指定を受け付けると(ステップS113)、指定された小区分を示す小区分要求を作品提供装置10へ送信する(ステップS114)。作品提供装置10は、指定された小区分の編集画面に係るデータを管理端末30へ送信し(ステップS115)、管理端末30は、例えば図8及び図9のような編集画面5Cを表示部35に表示させる(ステップS116)。編集画面に係るデータは、編集画面5Cを表示するための種々の情報及びプログラム等を含み、以下「編集用データ」ともいう。
【0110】
管理端末30は、編集画面5Cにおいて、切替部Sの状態切替、時間設定部Eの入力値の変更、各設定部(S1、S2、T1、T2)の設定変更などの操作を受け付けると、操作内容に合わせて編集画面5C上の表示を変更する。また、管理端末30は、編集画面5Cにおいて、文章表示欄3a、質問欄3b、又は選択肢欄Coの表示内容の変更操作を受け付けると、操作内容に合わせて各欄の表示内容を変更する(ステップS117)。管理端末30は、変更された内容での更新指示を受け付けると(ステップS118)、変更された内容を含む小区分更新データを作品提供装置10へ送信する(ステップS119)。作品提供装置10は、小区分更新データをもとに設定データベースの情報を更新する(ステップS120)。
【0111】
管理端末30は、例えば、設定確認ボタン3oの押下後の設定確認画面に表示された更新ボタンの押下等により更新指示を受け付ける。もっとも、編集画面5Cが更新ボタンを含むよう構成し、管理端末30は、編集画面5C上の更新ボタンの押下等により更新指示を受け付けてもよい。なお、管理端末30は、編集画面5Cにおいて、読者情報管理部Czの各要素を指定する操作を受け付けた場合、それぞれの要素に応じた情報を作品提供装置10から取得して表示部35に表示させる。管理端末30は、編集画面5Cにおいて、読者表示確認ボタン3nが押下された場合、当該編集画面5Cに応じた読者表示確認画面に係るデータを作品提供装置10から取得し、例えば図12図16図21図23の読書画面のような態様の読者表示確認画面を表示部35に表示させる。
【0112】
管理端末30は、統計確認ボタン3mが押下される等により、統計データの表示指示を受け付けると(ステップS121)、作品提供装置10へ統計確認要求を送信する(ステップS122)。作品提供装置10は、統計確認要求に応じて統計確認画面に係るデータを管理端末30へ送信し(ステップS123)、管理端末30は、図10のような統計確認画面5Dを表示部35に表示させる(ステップS124)。統計確認画面に係るデータは、統計確認画面5Dを表示するための種々の情報及びプログラム等を含み、以下「統計確認データ」ともいう。
【0113】
管理端末30は、統計確認画面5Dにおいて、リターンボタン5uが押下される等によりリターン指示(画面を戻す指示)を受け付けると(ステップS125)、例えば、1つ前の画面を表示すべく、ステップS114と同様に小区分要求を作品提供装置10へ送信し(ステップS126)、作品提供装置10からの編集用データをもとに編集画面5Cを表示部35に表示させる(ステップS127及びS128)。もっとも、管理端末30は、リターン指示を受け付けた場合(ステップS125)、キャッシュメモリに保持されているデータをもとに編集画面5Cを表示部35に表示させてもよい(ステップS128)。
【0114】
上記では便宜上、作品提供装置10と管理端末30とのやり取りについて、図24に付されたステップ番号の順に説明したが、各処理の順序は、管理ユーザの操作によって変動する。例えば、ステップS107の処理後にステップS113の処理へ移行することもあるし、管理ユーザの操作が続く限り、各処理は変則的に繰り返される。
【0115】
次に、図25のフローチャートを参照して、管理端末30へのデータ提供処理を中心に、作品提供装置10による作品提供方法に係る動作例を説明する。図25と重複する処理内容については適宜簡略化する。
【0116】
作品提供装置10は、管理ユーザからのログイン要求を取得すると(ステップS201)、管理端末30を介して管理ユーザに初期画面5Aを提供する(ステップS202)。作品提供装置10は、管理端末30上での作品指定操作を介して、管理ユーザからの作品管理要求を取得すると(ステップS203)、管理ユーザに対し、管理端末30を介して基本設定画面5Bを提供することで、指定された作品の基本設定を変更する権限を付与する(ステップS204)。本実施の形態において、作品提供装置10は、作品に対する一般ユーザの反応を表す反応データを管理ユーザに提供するよう構成されている。例えば、作品提供装置10は、管理ユーザに対し、管理端末30に表示される読者情報管理部(Bz、Cz、Dx)を介して反応データを提供する。読者情報管理部(Bz、Cz、Dx)には、コメントが直接表示されてもよい。
【0117】
作品提供装置10は、管理端末30を介して基本設定画面5Bでの一般操作を受け付けると(ステップS205/Yes)、操作内容に応じた処理を実行する(ステップS206)。基本設定画面5Bでの一般操作とは、設定部Bx及び読者情報管理部Bzに対する操作のことである。作品提供装置10は、管理端末30を介して小区分の指定を受け付けると(ステップS207/Yes)、管理ユーザに対し、管理端末30を介して編集画面5Cを提供することで、当該小区分に係る情報を管理する権限(修正・変更等を行う権限)を付与する(ステップS209)。
【0118】
作品提供装置10は、何ら操作を受け付けていなければ、待機中の状態にあり(ステップS205/No、ステップS207/No、ステップS208/No)、リターン指示を受け付けた場合、管理端末30の表示画面を初期画面5Aに遷移させる(ステップS208/Yes)。
【0119】
作品提供装置10は、管理端末30を介して編集画面5Cでの操作を受け付けると(ステップS210/Yes)、操作内容に応じた処理を実行する(ステップS211)。例えば、作品提供装置10は、管理端末30を介して読者情報管理部Cz、読者表示確認ボタン3n、設定確認ボタン3oに対する操作を受け付けると、操作の内容に応じた情報を管理ユーザに提供する。
【0120】
作品提供装置10は、何ら操作を受け付けていなければ、待機中の状態にあり(ステップS210/No、ステップS212/No、ステップS213/No)、リターン指示を受け付けた場合、管理端末30の表示画面を基本設定画面5Bに遷移させる(ステップS213/Yes)。作品提供装置10は、管理端末30を介して統計確認要求を取得すると(ステップS212/Yes)、管理端末30を介して管理ユーザに統計確認画面5Dを提供する(ステップS214)。
【0121】
作品提供装置10は、管理端末30を介して統計確認画面5Dでの操作を受け付けると(ステップS215/Yes)、操作内容に応じた処理を実行する(ステップS216)。作品提供装置10は、リターン指示を受け付けるまで、管理端末30に統計確認画面5Dの表示を継続させ(ステップS217/No)、リターン指示を受け付けると(ステップS217/Yes)、管理端末30の表示画面を編集画面5Cに遷移させる。もっとも、統計確認画面5Dがサブウィンドウで表示される設定の場合、作品提供装置10は、消去する指示を受け付けたとき、管理端末30が編集画面5Cに重なっている統計確認画面5Dを消去すればよい。上記の説明は、図25に付されたステップ番号の順に説明したが、各処理の順序はこれに限定されない。
【0122】
次に、図26のシーケンスチャートを参照し、作品提供装置10と管理端末30と情報端末50との間の連携処理の概要について、情報端末50の処理内容を中心に説明する。
【0123】
一般ユーザが、情報端末50においてログイン認証情報を入力し、ログインを要求する操作を行うと(ステップS301)、情報端末50は、入力されたログイン認証情報を含むログイン要求を作品提供装置10へ送信する(ステップS302)。ログイン要求を受信した作品提供装置10は、ログイン認証情報の照合処理を経て、一般ユーザの初期画面に係るデータ(一般初期データ)を情報端末50へ送信し(ステップS303)、情報端末50は、例えば図11のような初期画面6Aを表示部55に表示させる(ステップS304)。
【0124】
情報端末50は、初期画面6Aにおいて、作品を指定する操作を受け付けると(ステップS305)、指定された作品の提供を求める作品要求を作品提供装置10へ送信する(ステップS306)。作品提供装置10は、指定された作品の読書画面に係るデータ(読書用データ)を管理端末30へ送信し(ステップS307)、情報端末50は、例えば図12図17のような読書画面(6B~6E)を表示部55に表示させる(ステップS308)。より具体的に、情報端末50は、一般ユーザにより未読の作品が指定された場合、図12図14のような読書画面(6B、6C)を表示部55に表示させ、読書中の作品が指定された場合、図15図17のような読書画面(6D、6E)を表示部55に表示させる。
【0125】
情報端末50は、一般ユーザの操作に応じて文章表示欄7aをスクロールさせ、質問表示条件を満たしたとき(ステップS309)、例えば図12又は図13のように、表示部55に質問部7xを表示させる(ステップS310)。質問表示条件は、文章表示欄7aに表示される小区分の末尾の文章が表示部55に表示されること、又は当該小区分の末尾の文章が表示部55に表示されてから設定時間が経過することなど、任意に設定することができる。図13では、質問部7xが文章表示欄7aの下部に重なって表示される例を示しているが、これに限らず、質問部7xは、文章表示欄7aの外側に表示されてもよい。もっとも、作品提供システム100は、ステップS308において、最初から質問部7xを表示させ、ステップS309及びS310を省略するよう構成してもよい。
【0126】
情報端末50は、読書画面において、質問の回答を受け付けると(ステップS311)、受け付けた回答を示す回答データを作品提供装置10へ送信する(ステップS312)。作品提供装置10は、回答データに基づき、次に提供する小区分を含む読書用データを記憶部13等から抽出する。作品提供装置10は、質問の回答が選択肢を示す情報であれば、選択肢に紐づけられた小区分を含む読書用データを抽出する。作品提供装置10は、質問の回答が文章であれば、例えば、自然言語解析と機械学習とを組み合わせた処理等により回答の正誤を判別し、判別の結果に応じた小区分を含む読書用データを抽出する。その際、作品提供装置10は、ユーザDBにおける当該一般ユーザに紐づく小区分データを更新する(ステップS313)。そして、作品提供装置10は、抽出した読書用データを情報端末50へ送信する(ステップS314)。情報端末50は、読書用データをもとに、例えば図15又は図16のような読書画面(6D、6E)を表示部55に表示させる(ステップS315)。
【0127】
本実施の形態において、作品提供装置10は、抽出した読書用データが真の結末に係るものであった場合、当該作品の作者が使用する管理端末30に向けて、完読チャットへ招待するためのチャット招待データを送信する(ステップS316)。管理端末30は、チャット招待データに基づき、完読チャットへの招待を示す招待情報を表示部35に表示させる(ステップS317)。管理端末30は、招待情報を視認した管理ユーザの所定の操作により、完読チャットへの参加を受け付けると(ステップS318)、作品提供装置10へ参加申請を送信する(ステップS319)。作品提供装置10は、参加申請に応じて管理端末30に、完読チャットを含むチャットデータを送信する(ステップS320)。これにより、当該作品の作者である管理ユーザは、完読チャットにおいて読者とのメッセージのやり取りを行うことができる。
【0128】
情報端末50は、結末の小区分に係る読書画面において、経路確認を指示する操作を受け付けた場合(ステップS321)、作品提供装置10へ経路要求を送信する(ステップS322)。作品提供装置10は、経路要求に応じて経路確認画面に係るデータ(経路確認データ)を情報端末50に送信し(ステップS323)、情報端末50は、例えば図17図20のような経路確認画面(6F~6H、6J)を表示部55に表示させる(ステップS324)。
【0129】
情報端末50は、真の結末に紐づく経路確認画面6Fにおいて、創作画面の表示が要求されると(ステップS325)、作品提供装置10へ創作要求を送信する(ステップS326)。作品提供装置10は、創作要求に応じて情報端末50へ、創作画面に係るデータ(創作用データ)を送信し(ステップS327)、情報端末50は、創作用データをもとに、表示部55に創作画面を表示させる(ステップS328)。
【0130】
情報端末50は、一般ユーザの入力操作に応じて創作画面の入力欄に文章を表示させ、一般ユーザによる登録操作を受け付けると(ステップS329)、入力された文章(新規創作)を含む創作データを作品提供装置10へ送信する(ステップS330)。作品提供装置10は、情報端末50から送信された創作データを管理端末30へ転送する(ステップS331)。管理端末30は、管理ユーザによる所定の操作に応じて、小区分の候補としての文章(新規創作)を表示部35に表示させ(ステップS332)、管理ユーザによる採否に係る回答を受け付けると(ステップS333)、当該回答を含む採否データを作品提供装置10へ送信する(ステップS334)。
【0131】
作品提供装置10は、採否データが採用を示すものであれば、採否データに紐づく文章(新規創作)を、当該作品に紐づく新たな小区分として登録し(ステップS335)、採用を示す採用データを情報端末50へ送信する(ステップS336)。一方、作品提供装置10は、採否データが不採用を示すものであれば、採否データに不採用を示す情報を紐づけ(ステップS335)、不採用を示す不採用データを情報端末50へ送信する(ステップS336)。情報端末50は、採否に係る情報を予め設定された手法で一般ユーザに通知する(ステップS337)。上記の説明は、図26に付されたステップ番号の順に説明したが、各処理の順序はこれに限定されない。
【0132】
次いで、図27のシーケンスチャートを参照し、作品提供システム100による反応データの提供先の選定処理に係る動作例について説明する。ここでは、情報端末50に表示された読書画面又は経路確認画面等の発信部Wに一般ユーザがコメントを入力した場合の処理の流れを説明する。
【0133】
一般ユーザが読書画面等の入力欄W1にコメントを入力し、送信ボタンW2を押下等すると(ステップS401)、情報端末50は、入力されたコメントを表す反応データを反応欄6gに追加表示させると共に(ステップS402)、コメントの内容に当該一般ユーザのユーザ識別子を紐づけた反応処理データを作品提供装置10へ送信する。反応処理データには、コメントが発信された日時の情報を含めるとよい(ステップS403)。
【0134】
作品提供装置10は、反応処理データを受信すると、反応DBを更新すると共に(ステップS404)、反応処理データに紐づくユーザ識別子をユーザDBに照らし、当該一般ユーザの状況データを抽出する(ステップS405)。そして、作品提供装置10は、抽出した状況データをもとに、コメントの提供先となる情報端末50(コメントを提供する一般ユーザ)を選定する。例えば、作品提供装置10は、コメントを発信した一般ユーザ(以下「発信ユーザ」ともいう。)に提供済みの小区分が全て提供されている一般ユーザをユーザDBから選定する。あるいは、作品提供装置10は、発信ユーザが読書中の小区分を既に提供済みの他の一般ユーザに当該コメントを提供する(ステップS406)。
【0135】
そして、作品提供装置10は、選定した1又は複数の一般ユーザがログイン中の情報端末50へ反応処理データを送信する。ここで送信される反応処理データは、コメントを発信した一般ユーザの識別情報を含まなくてもよい。このとき、作品提供装置10は、コメントの発信元の情報端末50に完了通知を送信してもよい(ステップS407)。反応処理データを受信した情報端末50は、例えば、表示画面上の反応欄6gに、反応処理データに含まれる反応データを追加表示させる(ステップS408)。
【0136】
作品提供システム100においては、システムを構成する情報端末50からコメント等が発信される度に、上記同様の一連の処理が実行される。ただし、上記の説明は便宜上、図27に付されたステップ番号の順に説明したが、各処理の順序はこれに限定されない。
【0137】
続いて、図28のシーケンスチャートを参照し、管理ユーザによる反応データの表示承認に係る動作例を概略的に説明する。図27と同様の処理については同一の符号を用いて説明は省略又は簡略化する。
【0138】
ある一般ユーザが情報端末50において、コメント等の反応を入力すると(ステップS401)、情報端末50は、反応欄6g等に反応データの追加表示を行うと共に(ステップS402)、当該反応を表す反応データを作品提供装置10へ送信する(ステップS403)。作品提供装置10は、受信した反応処理データをもとに反応DBを更新する(ステップS404)。このとき、作品提供装置10は、ステップS405及びS406の処理を実行してもよい。
【0139】
作品提供装置10は、情報端末50から受信した反応処理データを管理端末30へ送信する(ステップS501)。管理端末30は、承認対象の反応データが届いた旨の通知を行う(ステップS502)。当該通知を確認した管理ユーザが、反応データを確認するための操作を行うと(ステップS503)、管理端末30は、受信した反応処理データに含まれる反応データを表示する(ステップS504)。
【0140】
管理端末30において管理ユーザが、反応データの表示を承認する操作を行うと(ステップS505)、管理端末30は、反応データが承認を受けた旨の承認データを作品提供装置10へ送信する(ステップS506)。作品提供装置10は、承認データに基づき、例えば、反応処理データに承認フラグを立てて承認の旨を登録し(ステップS507)、反応処理データを他の一般ユーザがログイン中の1又は複数の情報端末50へ送信する(ステップS407)。反応データを受信した情報端末50は、読書画面の反応欄6g等にコメント等の反応データを表示させる(ステップS408)。上記の説明は、図27に付されたステップ番号の順に説明したが、各処理の順序はこれに限定されない。
【0141】
続いて、図29のフローチャートを参照して、情報端末50へのデータ提供処理を中心に、作品提供装置10による作品提供方法に係る動作例を説明する。図26と重複する処理内容については適宜簡略化する。
【0142】
作品提供装置10は、一般ユーザからのログイン要求を取得すると(ステップS601)、情報端末50を介して一般ユーザに初期画面6Aを提供する(ステップS602)。作品提供装置10は、情報端末50上での作品指定操作を介して、一般ユーザからの作品要求を取得すると(ステップS603)、一般ユーザに対し、情報端末50を介して読書画面を提供する(ステップS604)。
【0143】
作品提供装置10は、回答データを取得するまで待機し(ステップS605/No)、回答データを取得すると(ステップS605/Yes)、一般ユーザが交流チャットに参加中であるか否かを判定する(ステップS606)。作品提供装置10は、一般ユーザが交流チャットに参加中であれば(ステップS606/Yes)、当該交流チャットから退出させる(ステップS607)。そして、作品提供装置10は、一般ユーザの回答内容に応じた小区分に係る読書画面を、情報端末50を介して当該一般ユーザに提供する。その際、作品提供装置10は、ユーザDBにおける当該一般ユーザの状況データを更新する(ステップS608)。本動作例では、ステップS608において作品提供装置10が提供する読書画面に交流チャットを含まれない。なお、作品提供装置10は、ステップS607において、一般ユーザが交流チャットに参加していなければ、ステップS608の処理へ移行する。
【0144】
作品提供装置10は、一般ユーザの参加承認に基づく参加申請を受け付けると(ステップS609/Yes)、図16又は図17のような交流チャットを含む読書画面を、情報端末50を介して一般ユーザに提供する。作品提供装置10は、参加申請を受け付けなければ(ステップS609/No)、交流チャットを含まない読書画面の提供を継続する。
【0145】
作品提供装置10は、ステップS608又はS610で提供した読書画面が、結末に係る小区分(最終小区分)に紐づくものではない場合(ステップS611/No)、回答データを取得するまで待機する(ステップS612/No)。作品提供装置10は、回答データを取得すると(ステップS612/Yes)、一般ユーザが交流チャットに参加中であれば、一般ユーザを当該交流チャットから退出させる(ステップS613)。すなわち、ステップS613の処理は、実質的にステップS606及びS607と同様の処理である。そして、作品提供装置10は、ステップS614~S616の処理を、ステップS608~S611の処理と同様に実行する。
【0146】
作品提供装置10は、ステップS608又はS610で提供した読書画面が、結末に係る小区分(最終小区分)に紐づくものであれば、一般ユーザからの経路要求を取得したとき(ステップS617/Yes)、一般ユーザに経路確認画面(6F~6H、6J)を提供する(ステップS618)。作品提供装置10は、経路確認画面(6F~6H、6J)における一般ユーザの操作があれば、操作内容に応じた処理を情報端末50と連携して実行する(ステップS619/Yes、ステップS620)。
【0147】
作品提供装置10は、一般ユーザからの経路要求を取得していない状態、つまり、図17のような最終小区分に係る読書画面6Eを一般ユーザに提供している状態において(ステップS617/No)、一般ユーザの操作があれば、操作内容に応じた処理を情報端末50と連携して実行する(ステップS619/Yes、ステップS620)。作品提供装置10は、一般ユーザの操作に基づく終了要求を取得すると、一般ユーザに対し情報端末50を介して初期画面6Aを提供する(ステップS621/Yes)。上記の説明は、図25に付されたステップ番号の順に説明したが、各処理の順序はこれに限定されない。
【0148】
以上のように、本実施の形態における作品提供装置10は、作品に関連する質問の回答に応じて次に提供される小区分が決まることを前提に、当該作品の作者である管理ユーザには、読者である一般ユーザの回答に影響する質問データの管理権限が付与されるよう構成されている。したがって、作品のストーリー展開を作者側で容易に調整することができる。すなわち、読者の針路に大きく影響する質問データの管理権限を作者に持たせることで、システムの管理者に改変等を依頼することなく、質問に係る文章の表現変更などを作者が自由に行うことができ、作者によるカスタマイズ性を高めることができる。
【0149】
制御部12は、質問データを修正する権限を管理ユーザに付与するものであってよい。具体的には、例えば、制御部12は、1又は複数の選択肢を修正する権限を管理ユーザに付与するものであってよい。選択肢は、読者の選択処理に及ぼす影響が大きいと推察されるところ、作者が自由に選択肢を修正することができるため、作品のストーリー展開を作者側で容易にコントロールすることができる。例えば、複数の読者による選択が、全体として作者の意図に反するような場合、選択肢の内容を修正することで、作者は、当該作品の読者全体におけるストーリー展開のバランス調整などを行うことができ、このことは、離脱率の低減にも繋がり得る。1又は複数の選択肢を修正する権限は、例えば、複数の選択肢の違いが極端で1つの選択肢に回答が集中する場合や、あえて本編とは異なる小区分(偽の結末等)に誘導したい場合など、選択肢ごとの回答率のバランス調整を行いたいケースにおいて特に有用である。
【0150】
制御部12は、質問を修正する権限を管理ユーザに付与するものであってよい。かかる構成により、質問の意図が明確となるよう質問の表現を変更したり、あえて熟慮が必要となるように質問文を調整したりと、作者の意図に沿った質問文の修正が可能となる。なお、質問データには、質問と当該質問に紐づく複数の選択肢とを含むものや、質問と当該質問の回答欄とを含むもの等がある。制御部12は、質問及び1又は複数の選択肢を修正する権限を管理ユーザに付与するものであってよい。管理ユーザは、質問の表現と共に選択肢の表現を変更することで、読者のストーリー展開のより細かな調整を行うことができる。加えて、管理ユーザは、質問及び1又は複数の選択肢を全体的に差し替えることにより、読者のストーリー展開の傾向を抜本的に調整することができる。
【0151】
制御部12は、質問及び当該質問に紐づく複数の選択肢を追加する権限を管理ユーザに付与するものであってよい。本実施の形態において当該機能は、編集画面5Cを通じて質問欄3b、選択部3c、及び追加ボタン3tを管理ユーザに提供することにより実現されている(図9参照)。この場合、制御部12は、複数の質問それぞれについての回答の正誤を求め、全体としての正解数や、質問ごとに設定された重み付けに基づく演算などにより、回答後の針路を決定するよう構成してもよい。かかる構成において、作品提供装置10は、管理ユーザに対し、正解数と比較するための閾値や、質問ごとの重み付けを設定する権限などを付与するようにしてもよい。制御部12は、質問に紐づく1又は複数の選択肢を追加する権限を管理ユーザに付与するものであってよい。本実施の形態において当該機能は、編集画面5Cを通じて選択部3c及び追加ボタン3uを管理ユーザに提供することにより実現されている(図9参照)。かかる構成により、例えば、両極端な2つの選択肢の中間的な選択肢を追加したり、表現を変えた別の正解又は誤答に係る選択肢を追加したりと、より細かな調整が可能となる。
【0152】
制御部12は、全ての一般ユーザの、複数の選択肢に対する選択内容を集計した統計データを管理ユーザに提供するものであってよい。管理ユーザは、統計確認画面5Dを視認することで、質問に対する回答状況や、質問に対する反応などを確認することができ、これらを質問データの調整に活用することができる。制御部12は、選択提供データを修正する権限を管理ユーザに付与するものであってよい。本実施の形態において当該機能は、編集画面5Cを通じて針路選定部T1及び針路選定部T2等を管理ユーザに提供することにより実現されている(図9参照)。
【0153】
制御部12は、一般ユーザの作品に対する反応を表す反応データを管理ユーザに提供するものであってよい。これにより、管理ユーザは、読者の率直な感想や見解等を確認することができるため、小区分に係る文章の調整や質問データの調整等を行うことができる。制御部12は、作品の提供を受けた全ての一般ユーザの各小区分それぞれに対する反応を表す反応データを管理ユーザに提供すると共に、一般ユーザには、他の一般ユーザに係る反応データのうちで管理ユーザによる承認を受けたものを提供してもよい。かかる構成により、例えばネタバレに繋がるようなコメントの公開を未然に防ぐことができるため、管理ユーザの意向を反映しつつ、読者の安心感を向上させ、読書意欲の低減を抑制することができる。
【0154】
制御部12は、一般ユーザによる小区分の新規創作を受け付けたとき、当該新規創作を含む創作データを管理ユーザに提供し、管理ユーザにより採用となった新規創作を新たな小区分として登録するようにしてもよい。制御部12は、一般ユーザによる偽の結末の新規創作を受け付けたとき、当該新規創作を含む創作データを管理ユーザに提供し、管理ユーザにより採用となった新規創作を新たな偽の結末として登録するようにしてもよい。作品の一部を読者に創作させることは、読者のモチベーション向上にも繋がり得る。しかしながら、一般ユーザが自由に小区分を追加できるようにすると、作品の趣が損なわれ、離脱率を高めることにもなりかねない。よって、作者に採択の権限を付与し、筋違いな小区分の追加等を防ぐとよい。
【0155】
制御部12は、完読チャットに管理ユーザを招待するようにしてもよい。チャットルームに作者が参加することで、作者への質問等を含む活発なやり取りが期待できる。また、作者は、読者への質問等を交えながら、より率直な意見を聞き取り得るため、作品のブラッシュアップを図りつつ、今後の創作活動に活かすことができる。制御部12は、質問の正解及び誤答それぞれに対応づけられ、質問の回答の正誤が共通する一般ユーザだけを構成員とするチャットルームを生成するようにしてもよい。制御部12は、質問に紐づく複数の選択肢それぞれに対応づけられ、同じ選択肢を選んだ一般ユーザだけを構成員とするチャットルームを生成するようにしてもよい。従来からある口コミのような手法では、閲覧制限等が設けられないため、ネタバレが生じるおそれがある。この点、チャットグループのメンバーを質問の回答の正誤が共通する一般ユーザに限定すれば、作品に関するコメントの発信時、及び他のユーザ発信のコメントを確認する際の安心感を高めることができるため、チャットへの参加と活発なやり取りを促進することができる。
【0156】
制御部12は、ある小区分に対応づけられた質問に一般ユーザが回答したとき、当該一般ユーザが交流チャットに参加中であれば、当該一般ユーザを、当該交流チャットから退出させると共に、当該一般ユーザの回答に対応する交流チャットに招待するようにしてもよい。制御部12は、ある小区分に対応づけられた質問に紐づく複数の選択肢のうちの1つを一般ユーザが選択したとき、当該一般ユーザが交流チャットに参加中であれば、当該一般ユーザを、当該交流チャットから退出させると共に、当該一般ユーザが選んだ選択肢に対応する交流チャットに招待するようにしてもよい。このようにすれば、一般ユーザが複数の交流チャットに参加している状態を回避できるため、ある交流チャットで得た情報が他の交流チャットに流れるような状況をなくし、ネタバレの抑制を図ることができる。
【0157】
なお、作品提供プログラム13pは、少なくとも管理制御手段12a及び提供処理手段12bとしてコンピュータを機能させるためのプログラムである。例えば、提供処理手段12bは、複数のセンテンスにより構成され、ひとまとまりの文章である小区分ごとに区切られた作品を、読者としてログインした一般ユーザに小区分ごとに提供し、提供中の小区分の内容に関連する質問の回答を一般ユーザに要求し、一般ユーザからの回答に応じて次に一般ユーザへ提供する小区分を決定する機能を有する。管理制御手段12aは、質問データを管理する権限を管理ユーザに付与する機能を有する。
【0158】
また、本実施の形態における作品提供方法は、少なくとも、複数のセンテンスにより構成され、ひとまとまりの文章である小区分ごとに区切られた作品を、読者としてログインした一般ユーザに対し小区分ごとに提供する提供処理工程と、質問データを管理する権限を管理ユーザに付与する管理制御工程とを、1又は複数のプロセッサが実行するようになっている。例えば、提供処理工程において1又は複数のプロセッサは、提供中の小区分の内容に関連する質問の回答を一般ユーザに要求し、一般ユーザからの回答に応じて次に一般ユーザへ提供する小区分を決定する。提供処理工程と管理制御工程の順序は問わず、並行処理的に実行されてもよい。
【0159】
上述した実施の形態は、作品提供装置、作品提供システム、作品提供プログラム、及び作品提供方法における一例であり、本発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではない。例えば、各図に示す各画面は、表示部の全画面に表示にされてもよく、表示部の一部に表示されてもよく、サブウィンドウとして表示されてもよい。作品提供システム100は、招待ボタンChを含む読書画面(図21参照)の表示を省略し、最初からチャット欄(Dy、Ey)を含む読書画面(図22図23参照)を表示部55に表示させてもよい。制御部12は、経路確認画面(図17図20参照)の反応欄6gには、結末に係る小区分に紐づくコメントを優先的に表示させるとよい。経路確認画面は、反応欄6gではなく、図22又は図23のようなチャット欄を有するよう構成してもよく、反応欄6gとチャット欄との切替が可能となるよう構成してもよい。
【0160】
各図に例示する各画面(5A、5X、5Y、5B~5D、6A~6H、6J)は一例に過ぎず、各画面に表示される各要素の配置の他、形状・フォント・表現などの態様は、適宜変更することができ、各要素の取捨選択も自由に行うことができる。各図はグレースケールで例示しているが、実際の各画面では、文字や図形等に適宜色彩が用いられる。例えば、基本設定画面5Bは、読者情報管理部Bzを有しなくてもよい。編集画面5Cは、統計確認ボタン3m、読者表示確認ボタン3n、及び設定確認ボタン3oを有しなくてもよく、統計確認ボタン3m、読者表示確認ボタン3n、及び設定確認ボタン3oのうちの少なくとも1つを有する構成を採ってもよい。統計確認画面5Dは、コメント部5tを有しなくてもよい。各画面においてスクロール可能な箇所には、PCモニタに表示されることも想定し、スクロールバー等を設けてもよい。制御部12は、上述した管理制御手段12aの一部の機能を有しなくてもよく、上述した提供処理手段12bの一部の機能を有しなくてもよい。
【符号の説明】
【0161】
1z~4z 区分ボタン、3a 文章表示欄、3b 質問欄、3c 選択部、3d 必須選択部、3e 時間制限設定部、3f 正解設定部、3g 誤答設定部、3h 回答受付指示部、3j 他読者表示設定部、3k 作者コメント設定部、3m 統計確認ボタン、3n 読者表示確認ボタン、3o 設定確認ボタン、3t、3u 追加ボタン、5 作品部、5A 初期画面、5B 基本設定画面、5C 編集画面、5D 統計確認画面、5L 作者ログイン表示、5X 第1初期画面、5Y 第2初期画面、5a 公開作品部、5b 編集作品部、5c 反応表示欄、5d 作品名表示、5e 二次創作可否部、5f 課金設定部、5g チャット要否部、5h 参加要否部、5j 公開指示部、5k ステータス表示、5p 画面タイトル、5q 説明文、5r 回答数表示部、5s 離脱率表示部、5t コメント部、5u リターンボタン、5v、5w 偽区分ボタン、6 作品部、6A 初期画面、6B~6E 読書画面、6F~6H、6J 経路確認画面、6L 読者ログイン表示、6a 推奨作品部、6b 継続作品部、6c 情報表示欄、6d 作品名表示、6e 小区分表示、6f、B1~B5 説明表示、6g 反応欄、6s 進行ボタン、6u 終了ボタン、6x 関連データ表示、6z 振り返りボタン、7a 文章表示欄、7b 質問文、7c 選択部、7m、7n 選択文、7p 抽出部、7q 挿入部、7r コメント表示部、7s 補助表示、7v 文章、7x 質問部、7z 回答、8a 文章表示欄、10 作品提供装置、11、31、51 通信部、12 制御部、12a 管理制御手段、12b 提供処理手段、12c チャット処理手段、13、33、53 記憶部、13p 作品提供プログラム、20 運営端末、30 管理端末、32 管理処理部、34、54 入力部、35、55 表示部、50 情報端末、52 情報処理部、100 作品提供システム、Ao、A1、A2 反応表示部、Am コメント表示、Ar 理由表示、As 回答表示、Bm 経路確認ボタン、Bx 設定部、By 遷移部、Bz、Cz、Dx 読者情報管理部、Ch 招待ボタン、Co 選択肢欄、D 個別ボタン、D1、W1 入力欄、D2、W2 送信ボタン、Do、Eo、Go、Ho、Jo チャット部、Dp 選択肢表示、Dt、Et、Gt、Ht、Jt チャット名、Dy、Ey、Hy チャット欄、E 時間設定部、Ec チャレンジボタン、H 小区分ボタン、H1 第1章ボタン、H2 第2章ボタン、H3 第3章ボタン、H4 第4章ボタン、K 更新ボタン、K1 第1分岐ボタン、K2 第2分岐ボタン、K3 第3分岐ボタン、Ko 分岐ボタン、M 通知部、Ms モード切替部、N ネットワーク、P 金額設定部、R 選択率、Rz 他ルート表示、S 切替部、S1 正解選定部、Sa 選択ボタン、Sb 選択ボタン、Sc 作者コメント、T 公開設定部、T1、T2 針路選定部、U BAD2ボタン、V 別1ボタン、d 感想部、d1 コメント部、e チャット表示部、f 創作表示部、g 二次創作部、r1 第1反応部、r2 第2反応部、r3 第3反応部、W 発信部。

【要約】
【課題】作品のストーリー展開を作者側で容易に調整可能な作品提供装置、作品提供システム、作品提供プログラム、及び作品提供方法を提供すること。
【解決手段】記憶部と制御部とを有する作品提供装置。記憶部には、複数のセンテンスを含んで構成され、ひとまとまりの小区分ごとに区切られた作品と、作品における少なくとも1つの小区分に対応づけられ、当該小区分の内容に関連する質問を含む質問データと、が記憶されている。制御部は、読者としてログインした一般ユーザに提供中の小区分に対応づけられた質問の回答を一般ユーザに要求し、一般ユーザからの回答に応じて次に一般ユーザへ提供する小区分を決定する。さらに、制御部は、質問データを管理する権限を、作品の作者としてログインした管理ユーザに付与する。
【選択図】図1
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