(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具、及び歯科用パラフィンワックスの切断方法
(51)【国際特許分類】
A61C 13/00 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
A61C13/00 H
(21)【出願番号】P 2020152682
(22)【出願日】2020-09-11
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】520353662
【氏名又は名称】高橋 光子
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】高橋 光子
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3152994(JP,U)
【文献】実開平02-063823(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形板状の
定型サイズの歯科用パラフィンワックスを所定サイズ
の複数のワックス片に切断するために用いる、歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具であって、
前記歯科用パラフィンワックスを覆うように載置される略矩形板状の本体部と、
前記本体部の表面から裏面に貫通し前記本体部の長手方向に延びる少なくとも1つ以上の第1スリットと、
前記本体部の表面から裏面に貫通し前記本体部の短手方向に延び
、前記第1スリットと互いに直交する少なくとも1つ以上の第2スリットと、
を備えることを特徴とする歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具。
【請求項2】
前記第1スリット及び前記第2スリットの幅が0.5~1.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具。
【請求項3】
前記第1スリット及び前記第2スリットの長さが、前記歯科用パラフィンワックスの外形よりも長いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具。
【請求項4】
前記本体部は、前記歯科用パラフィンワックス上に載置されたときに、前記歯科用パラフィンワックスの四隅と略一致するように形成された4つのL字状の段差部を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具。
【請求項5】
前記本体部が、厚さ0.5~1.0mmの金属からなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具を前記歯科用パラフィンワックス上に載置するステップと、
前記歯科用パラフィンワックスと前記歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具との位置関係を調整するステップと、
前記第1スリット及び前記第2スリットに罫書針を挿入して、移動させ、前記歯科用パラフィンワックスの表面に罫書線を形成するステップと、
前記歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具を前記歯科用パラフィンワックスから取り外すステップと、
前記罫書線が形成された前記歯科用パラフィンワックスを前記罫書線に沿って切断するステップと、
を含むことを特徴とする歯科用パラフィンワックスの切断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用パラフィンワックスを所定のサイズに切断するために用いる、歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具、及びそれを用いた歯科用パラフィンワックスの切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歯科医師が義歯床部のワックス形成を行ったり咬合採得する際に、歯科用パラフィンワックスが使用されている。歯科用パラフィンワックスの市販品は、矩形板状の所定のサイズ(例えば、縦70~80mm、横140~150mm、厚さ1.0~2.0mm)に成形されて販売されているため、使用に際しては、適当なサイズに切断される。
【0003】
例えば、歯科医師が患者の歯の治療に際し、その片顎又は全顎の噛み合わせを型取りする場合には、市販の歯科用パラフィンワックスをハサミやカッター等によって片顎バイト用又は全顎バイト用に合わせた所定の形状及び大きさに切断し、切断したパラフィンワックス片を加熱軟化させた状態で患者に噛ませて上顎と下顎の歯形を同時に採取している。このような歯科用パラフィンワックスの使用方法については、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、市販の歯科用パラフィンワックスを使用する際に、一々所定のサイズに切断するという作業は非常に面倒であると同時に、切断したサイズが不揃いとなって、後の作業に不具合を生じやすいという問題があった。また、かかる問題を解消するために、事前に所定のサイズに切断しておくことも考えられるが、この場合であっても、サイズを揃えるために定規を当てながらカッター等で切断する、といった面倒な作業が発生する。このため、歯科用パラフィンワックスを正確かつ容易に切断する方法が求められていた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、市販の歯科用パラフィンワックスを所定のサイズに正確かつ容易に切断するための、歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具を提供すること、及びそれを用いた歯科用パラフィンワックスの切断方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具は、矩形板状の歯科用パラフィンワックスを所定サイズに切断するために用いる、歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具であって、歯科用パラフィンワックスを覆うように載置される略矩形板状の本体部と、本体部の表面から裏面に貫通し本体部の長手方向に延びる少なくとも1つ以上の第1スリットと、本体部の表面から裏面に貫通し本体部の短手方向に延びる少なくとも1つ以上の第2スリットと、を備えることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、罫書用補助具によって歯科用パラフィンワックス上に罫書線を形成できるため(つまり、歯科用パラフィンワックスの表面に所定の深さの直線状の溝を形成できるため)、歯科用パラフィンワックスを簡単に手で割る(切断する)ことができ、所定サイズのワックス片を正確かつ容易に得ることができる。
【0009】
また、第1スリット及び第2スリットの幅が0.5~1.0mmであることが好ましい。
【0010】
また、第1スリット及び第2スリットの長さが、歯科用パラフィンワックスの外形よりも長いことが好ましい。
【0011】
また、本体部は、歯科用パラフィンワックス上に載置されたときに、歯科用パラフィンワックスの四隅と略一致するように形成された4つのL字状の段差部を備えることができる。
【0012】
また、本体部が、厚さ0.5~1.0mmの金属からなることが好ましい。
【0013】
また、別の観点からは、本発明に係る歯科用パラフィンワックスの切断方法は、上記のいずれかの歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具を歯科用パラフィンワックス上に載置するステップと、歯科用パラフィンワックスと歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具との位置関係を調整するステップと、第1スリット及び第2スリットに罫書針を挿入して、移動させ、歯科用パラフィンワックスの表面に罫書線を形成するステップと、歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具を歯科用パラフィンワックスから取り外すステップと、罫書線が形成された歯科用パラフィンワックスを罫書線に沿って切断するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明の歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具によれば、市販の歯科用パラフィンワックス上に罫書線を形成することができるため、歯科用パラフィンワックスを所定のサイズに正確かつ容易に切断する(分割する)ことができる。また、このような歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具を用いた歯科用パラフィンワックスの切断方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具の構成を説明する外観図である。
【
図2】
図2は、
図1の歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具を用いた歯科用パラフィンワックスの切断方法を説明する図である。
【
図3】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具の構成を説明する外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具1(以下、省略して単に「罫書用補助具1」という。)の構成を説明する外観図である。本実施形態の罫書用補助具1は、矩形板状(例えば、縦72mm、横148mm、厚さ1.4mm)の市販の歯科用パラフィンワックスP(
図2)を所定サイズに切断するために用いる工具である。なお、
図1(a)~
図1(e)は、それぞれ、罫書用補助具1の平面図、正面図、背面図、左側面図、右側面図である。
【0018】
(罫書用補助具1の構成)
図1に示すように、罫書用補助具1は、歯科用パラフィンワックスPを覆うように載置される金属(例えば、ステンレス)の板状の本体部10から構成される。本体部10は、平面視において略矩形(例えば、縦100mm、横180mm、厚さ0.8mm)の形状を呈し、長辺部は、短手方向(
図1の上下方向)に楕円状に膨らみ、膨大部13が形成されている。また、本体部10の長手方向(
図1の左右方向)両端には舌片部14が形成され、膨大部13と舌片部14との間には、L字状の段差部15(4箇所)が形成されている。
【0019】
段差部15は、罫書用補助具1と歯科用パラフィンワックスPの相対的な位置調整を行うための一種の指標であり、罫書用補助具1を歯科用パラフィンワックスP上に載置し、段差部15が歯科用パラフィンワックスPの四隅と略一致するように位置調整することにより、罫書用補助具1が歯科用パラフィンワックスP上に正確に配置されるようになっている。
【0020】
膨大部13は、罫書用補助具1を歯科用パラフィンワックスP上に載置したときに、短手方向(
図1の上下方向)にはみ出す部分である。また、舌片部14は、罫書用補助具1を歯科用パラフィンワックスP上に載置したときに、長手方向(
図1の左右方向)にはみ出す部分である。
【0021】
また、本実施形態の本体部10には、長手方向(
図1の左右方向)に延びる3本の第1スリット11a~11cと、短手方向(
図1の上下方向)に延びる1本の第2スリット12が形成されている。第1スリット11a~11c及び第2スリット12は、罫書針(不図示)の先端が挿入される所定の幅(例えば、0.8mm)の貫通孔であり、本体部10の表面から裏面に貫通するように形成されている。歯科用パラフィンワックスPを所定サイズに切断する場合、罫書用補助具1を歯科用パラフィンワックスP上に載置した状態で、第1スリット11a~11c及び第2スリット12に沿って罫書針を移動させて、歯科用パラフィンワックスP上に罫書線Lを形成する(詳細は後述)。なお、本実施形態においては、歯科用パラフィンワックスPを短手方向(
図1の上下方向)に4分割するため、4つの段差部15で囲まれる領域(つまり、歯科用パラフィンワックスPが配置される領域)に3本の第1スリット11a~11cが等間隔で形成されている。また、歯科用パラフィンワックスPを長手方向(
図1の左右方向)に2分割するため、4つの段差部15で囲まれる領域(つまり、歯科用パラフィンワックスPが配置される領域)の長手方向中央部に1本の第2スリット12が形成されている。なお、本明細書においては、第1スリット11a~11cを総称して「第1スリット11」ということがある。また、罫書針としては、例えば、歯科用の探針等、先端が尖った工具を使用することができる。
【0022】
なお、罫書用補助具1を歯科用パラフィンワックスP上に位置決めしたとき、各第1スリット11a~11cは、歯科用パラフィンワックスPの長手方向(
図1の左右方向)の長さよりも僅かに長く、各第1スリット11a~11cの両端は、歯科用パラフィンワックスPの長手方向(
図1の左右方向)の両端(つまり、外形)よりも外側に位置している。また、罫書用補助具1を歯科用パラフィンワックスP上に位置決めしたとき、第2スリット12は、歯科用パラフィンワックスPの短手方向(
図1の上下方向)の長さよりも僅かに長く、第2スリット12の両端は、歯科用パラフィンワックスPの短手方向(
図1の上下方向)の両端(つまり、外形)よりも外側に位置している。このため、各第1スリット11a~11c及び第2スリット12に沿って罫書針を移動させると、歯科用パラフィンワックスPの一方端から他方端まで罫書線Lが形成される。
【0023】
(罫書用補助具1の製造方法)
このような構成の罫書用補助具1は、厚さ0.8mmの金属(例えば、ステンレス)の板材を型抜きし、レーザ加工によって第1スリット11a~11c及び第2スリット12を形成することによって得られる。
【0024】
(罫書用補助具1を用いた歯科用パラフィンワックスの切断方法)
図2は、本実施形態の罫書用補助具1を用いた歯科用パラフィンワックスPの切断方法を説明する図である。
図2(a)~
図2(d)は、本実施形態の歯科用パラフィンワックスPの切断方法の各ステップを示している。
【0025】
[1.歯科用パラフィンワックスPの準備]
図2(a)に示すように、先ず、罫書用補助具1に対応したサイズ(例えば、縦72mm、横148mm、厚さ1.4mm)の歯科用パラフィンワックスPを準備する。
【0026】
[2.罫書用補助具1の配置]
次いで、
図2(b)に示すように、歯科用パラフィンワックスPを覆うように罫書用補助具1を載置し、段差部15が歯科用パラフィンワックスPの四隅と略一致するように位置調整を行う。
[3.罫書線の形成]
次いで、
図2(b)の状態で、各第1スリット11a~11c及び第2スリット12に罫書針(例えば、歯科用の探針等)を挿入して、移動させ、歯科用パラフィンワックスP上に罫書線Lを形成する(つまり、歯科用パラフィンワックスPの表面に所定の深さの直線状の溝を形成する)。
[4.罫書用補助具1の取外し]
次いで、
図2(c)に示すように、歯科用パラフィンワックスP上から罫書用補助具1を取外し、罫書線Lが形成された歯科用パラフィンワックスPを得る。
[5.歯科用パラフィンワックスPの切断]
次いで、
図2(d)に示すように、罫書線Lに沿って歯科用パラフィンワックスPを手で割り(切断し)、所定サイズ(例えば、縦18mm、横74mm、厚さ1.4mm)の8個のワックス片Ppを得る。
【0027】
このように、本実施形態の構成によれば、罫書用補助具1によって歯科用パラフィンワックスP上に罫書線Lが形成されるため(つまり、歯科用パラフィンワックスPの表面に所定の深さの直線状の溝が形成されるため)、歯科用パラフィンワックスPを簡単に手で割る(切断する)ことができ、所定サイズのワックス片Ppを正確かつ容易に得ることができる。
【0028】
以上が本実施形態の説明であるが、本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において様々な変形が可能である。
【0029】
例えば、本実施形態の罫書用補助具1の本体部10は、金属の板状のものであるとしたが、必ずしもこのような構成に限定されるものではなく、例えば、プラスチック樹脂によって形成することもできる。この場合、本体部10は一般的な樹脂成型によって製造することができる。
【0030】
また、本実施形態においては、縦72mm、横148mm、厚さ1.4mmの市販の歯科用パラフィンワックスPを切断する方法について説明したが、このような構成に限定されるものではなく、使用する歯科用パラフィンワックスPに応じて、罫書用補助具1のサイズや第1スリット11a~11c及び第2スリット12の長さを適宜変更すればよい。
【0031】
また、本実施形態においては、第1スリット11a~11c及び第2スリット12のスリット幅を0.8mmとしたが、このような構成に限定されるものではなく、本体部10の板厚や使用する罫書針の太さに応じて、0.5~1.0mmの範囲で適宜設定することができる。なお、スリット幅が0.5mmよりも狭いと、作業性が悪くなり、スリット幅が1.0mmよりも広いと罫書線Lが蛇行する可能性が高くなる。
【0032】
また、本実施形態においては、本体部10が3本の第1スリット11a~11cと1本の第2スリット12を有し、8個のワックス片Ppを得る構成としたが、このような構成に限定されるものではなく、第1スリット11及び第2スリット12の数は、使用する歯科用パラフィンワックスPのサイズ、求められるワックス片Ppの大きさに応じて適宜設定される。
【0033】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具2(以下、省略して単に「罫書用補助具2」という。)の構成を説明する外観図である。本実施形態の罫書用補助具2は、矩形板状(例えば、縦75mm、横145mm、厚さ1.4mm)の市販の歯科用パラフィンワックスPを所定サイズに切断するために用いる工具である。なお、
図3(a)~
図3(e)は、それぞれ、罫書用補助具2の平面図、正面図、背面図、左側面図、右側面図である。
【0034】
図3に示すように、罫書用補助具2は、歯科用パラフィンワックスPを覆うように載置される金属(例えば、ステンレス)の板状の本体部20から構成される。本体部20は、平面視において略矩形(例えば、縦100mm、横180mm、厚さ0.8mm)の形状を呈し、本体部20の短手方向(
図3の上下方向)両端には矩形状の第1舌片部23が形成され、本体部20の長手方向(
図3の左右方向)両端には矩形状の第2舌片部24が形成され、第1舌片部23と第2舌片部24との間には、L字状の段差部25(4箇所)が形成されている。このように、本実施形態の本体部20は、第1の実施形態の本体部10と形状が異なっている。
【0035】
また、本実施形態の本体部20には、長手方向(
図3の左右方向)に延びる1本の第1スリット21と、短手方向(
図3の上下方向)に延びる5本の第2スリット22a~22eが形成されている点で、第1の実施形態の本体部10と異なっている。
【0036】
このように、本実施形態の構成によれば、歯科用パラフィンワックスPを短手方向(
図3の上下方向)に2分割し、長手方向(
図3の左右方向)に6分割し、所定サイズ(例えば、縦37.5mm、横24.2mm、厚さ1.4mm)の12個のワックス片Ppが得られるようになっている。
【0037】
第1の実施形態と同様、本実施形態の構成によっても、罫書用補助具2によって歯科用パラフィンワックスP上に罫書線Lが形成されるため(つまり、歯科用パラフィンワックスPの表面に所定の深さの直線状の溝が形成されるため)、歯科用パラフィンワックスPを簡単に手で割る(切断する)ことができ、所定サイズのワックス片Ppを正確かつ容易に得ることができる。
【0038】
なお、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0039】
1 :罫書用補助具
2 :罫書用補助具
10 :本体部
11 :第1スリット
11a :第1スリット
11b :第1スリット
11c :第1スリット
12 :第2スリット
13 :膨大部
14 :舌片部
15 :段差部
20 :本体部
21 :第1スリット
22a :第2スリット
22b :第2スリット
22c :第2スリット
22d :第2スリット
22e :第2スリット
23 :第1舌片部
24 :第2舌片部
25 :段差部
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
矩形板状の歯科用パラフィンワックスを所定サイズに切断するために用いる、歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具であって、
前記歯科用パラフィンワックスを覆うように載置される略矩形板状の本体部と、
前記本体部の表面から裏面に貫通し前記本体部の長手方向に延びる少なくとも1つ以上の第1スリットと、
前記本体部の表面から裏面に貫通し前記本体部の短手方向に延びる少なくとも1つ以上の第2スリットと、
を備えることを特徴とする歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具。
(態様2)
前記第1スリット及び前記第2スリットの幅が0.5~1.0mmであることを特徴とする態様1に記載の歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具。
(態様3)
前記第1スリット及び前記第2スリットの長さが、前記歯科用パラフィンワックスの外形よりも長いことを特徴とする態様1又は態様2に記載の歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具。
(態様4)
前記本体部は、前記歯科用パラフィンワックス上に載置されたときに、前記歯科用パラフィンワックスの四隅と略一致するように形成された4つのL字状の段差部を備えることを特徴とする態様1から態様3のいずれか一項に記載の歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具。
(態様5)
前記本体部が、厚さ0.5~1.0mmの金属からなることを特徴とする態様1から態様4のいずれか一項に記載の歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具。
(態様6)
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具を前記歯科用パラフィンワックス上に載置するステップと、
前記歯科用パラフィンワックスと前記歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具との位置関係を調整するステップと、
前記第1スリット及び前記第2スリットに罫書針を挿入して、移動させ、前記歯科用パラフィンワックスの表面に罫書線を形成するステップと、
前記歯科用パラフィンワックスの罫書用補助具を前記歯科用パラフィンワックスから取り外すステップと、
前記罫書線が形成された前記歯科用パラフィンワックスを前記罫書線に沿って切断するステップと、
を含むことを特徴とする歯科用パラフィンワックスの切断方法。