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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】パンツ
(51)【国際特許分類】
   A41B 9/02 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
A41B9/02 F
A41B9/02 L
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023059652
(22)【出願日】2023-03-31
【審査請求日】2023-04-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521527200
【氏名又は名称】神山 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神山 貴史
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3037997(JP,U)
【文献】特開2004-270063(JP,A)
【文献】特開2015-14072(JP,A)
【文献】登録実用新案第3195287(JP,U)
【文献】特開平9-119001(JP,A)
【文献】実開昭57-96901(JP,U)
【文献】韓国登録特許第10-1674869(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0174328(US,A1)
【文献】特表2016-514217(JP,A)
【文献】実開平7-1001(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンツの骨格を形成するためのフレームと、
少なくとも装着者の臀部を覆い隠す布地と、
を備えるパンツにおいて、
フレームは、ループ状のウエストフレーム要素と、ウエストフレーム要素の後部中央から股下にかけて延びる臀裂部フレーム要素と、
臀裂部フレーム要素の股下側とウエストフレーム要素の前部とを接続する前覆部フレーム要素とを備え、
臀裂部フレーム要素と、臀部を覆い隠す布地とが接続されており、
臀裂部フレーム要素が、臀部を覆い隠す布地と比べて伸縮性が低い又は剛性が高い、パンツ。
【請求項2】
臀裂部フレーム要素と、臀部を覆い隠す布地とが接続されており、且つ、臀裂部フレーム要素が、臀部を覆い隠す布地と比べて伸縮性が低い又は剛性が高いことにより、
臀裂部フレーム要素が、臀裂部の間隔の変化に応じて臀裂部内に進入することで、臀裂部での皮膚同士の接触を防止することのできる、又は、
臀裂部フレーム要素が、臀裂部の間隔に変化があっても臀裂部内に進入した状態を維持することで、臀裂部での皮膚同士の接触を防止することのできる、請求項1に記載のパンツ。
【請求項3】
ウエストフレーム要素が伸縮性を有する、請求項1又は2に記載のパンツ。
【請求項4】
少なくとも装着者の陰部を覆い隠す布地を備え、
前記装着者の陰部を覆い隠す布地が、内覆部と外覆部の2層構造を有しており、
内覆部に、陰茎を通すためのスリットが高さ位置を異ならせて複数形成されており、
スリットに通した陰茎が、内覆部と外覆部の間に形成されている空間内に収容されるように構成されている、請求項1又は2に記載のパンツ。
【請求項5】
前覆部フレーム要素が、左右の2本のフレーム要素によって構成されており、
2本のフレーム要素のそれぞれが、ウエストフレーム要素の前部の離間した2点に接続しており、
ウエストフレーム要素と左右の2本のフレーム要素により区画される開口を覆う前覆部により、布地が陰部を覆い隠す、請求項1又は2に記載のパンツ。
【請求項6】
前覆部の左の側辺及び/又は右の側辺の少なくとも一部が、前覆部フレーム要素に接続されていない、請求項5に記載のパンツ。
【請求項7】
パンツの骨格を形成するためのフレームと、
少なくとも装着者の陰部を覆い隠す布地と、
を備えるパンツにおいて、
フレームは、ループ状のウエストフレーム要素と、ウエストフレーム要素の後部中央から股下にかけて延びる臀裂部フレーム要素と、
臀裂部フレーム要素の股下側とウエストフレーム要素の前部とを接続する前覆部フレーム要素とを備え、
前覆部フレーム要素が、左右の2本のフレーム要素によって構成されており、
2本のフレーム要素のそれぞれが、ウエストフレーム要素の前部の離間した2点に接続しており、
ウエストフレーム要素と左右の2本のフレーム要素により区画される開口を覆う前覆部により、布地が陰部を覆い隠し、
前覆部の左の側辺及び/又は右の側辺の少なくとも一部が、前覆部フレーム要素に接続されておらず、前覆部の左の側辺及び/又は右の側辺と、前覆部フレーム要素とにより形成される開口から陰茎を外に出すことが可能である、パンツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンツに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高温多湿の環境下で発汗作用を促して優れた装用感が得られるパンツ(特許文献1参照)や、製造工程が簡単で、履き心地が良く、陰嚢をサポートする機能が加えられ、陰嚢と陰茎とを分離してそれぞれ保護することのできる男性下穿き(特許文献2参照)が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開WO2021/210101号公報
【文献】実用新案登録第3213603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、例えば、下記のいずれかを目的とする。本発明の第1の目的は、臀裂部での皮膚同士の接触を防止できるパンツを提供することである。本発明の第2の目的は、陰嚢裏での皮膚同士の接触を防止できるパンツを提供することである。本発明の第3の目的は、装着者に適した位置のスリットを選択して使用できるパンツを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題は、例えば、
[1]パンツの骨格を形成するためのフレームと、少なくとも装着者の臀部を覆い隠す布地と、を備えるパンツにおいて、フレームは、ループ状のウエストフレーム要素と、ウエストフレーム要素の後部中央から股下にかけて延びる臀裂部フレーム要素と、臀裂部フレーム要素の股下側とウエストフレーム要素の前部とを接続する前覆部フレーム要素とを備え、臀裂部フレーム要素が、臀裂部の間隔の変化に応じて臀裂部内に進入することで、臀裂部での皮膚同士の接触を防止する、又は、臀裂部フレーム要素が、臀裂部の間隔に変化があっても臀裂部内に進入した状態を維持することで、臀裂部での皮膚同士の接触を防止する、パンツ;
[2]パンツの骨格を形成するためのフレームと、少なくとも装着者の臀部を覆い隠す布地と、を備えるパンツにおいて、フレームは、ループ状のウエストフレーム要素と、ウエストフレーム要素の後部中央から股下にかけて延びる臀裂部フレーム要素と、臀裂部フレーム要素の股下側とウエストフレーム要素の前部とを接続する前覆部フレーム要素とを備え、臀裂部フレーム要素が、臀部を覆い隠す布地と比べて伸縮性が低い又は剛性が高い、パンツ;
[3]ウエストフレーム要素が伸縮性を有する、前記[1]又は[2]に記載のパンツ;
[4]少なくとも装着者の陰部を覆い隠す布地を備え、前記装着者の陰部を覆い隠す布地が、内覆部と外覆部の2層構造を有しており、内覆部に、陰茎を通すためのスリットが高さ位置を異ならせて複数形成されており、スリットに通した陰茎が、内覆部と外覆部の間に形成されている空間内に収容されるように構成されている、前記[1]~[3]のいずれかに記載のパンツ;
[5]前覆部フレーム要素が、左右の2本のフレーム要素によって構成されており、2本のフレーム要素のそれぞれが、ウエストフレーム要素の前部の離間した2点に接続しており、ウエストフレーム要素と左右の2本のフレーム要素により区画される開口を覆う前覆部により、布地が陰部を覆い隠す、前記[1]~[4]のいずれかに記載のパンツ;
[6]前覆部の左の側辺及び/又は右の側辺の少なくとも一部が、前覆部フレーム要素に接続されていない、前記[5]に記載のパンツ;
[7]パンツの骨格を形成するためのフレームと、少なくとも装着者の陰部を覆い隠す布地と、を備えるパンツにおいて、フレームは、ループ状のウエストフレーム要素と、ウエストフレーム要素の後部中央から股下にかけて延びる臀裂部フレーム要素と、臀裂部フレーム要素の股下側とウエストフレーム要素の前部とを接続する前覆部フレーム要素とを備え、前覆部フレーム要素が、左右の2本のフレーム要素によって構成されており、2本のフレーム要素のそれぞれが、ウエストフレーム要素の前部の離間した2点に接続しており、ウエストフレーム要素と左右の2本のフレーム要素により区画される開口を覆う前覆部により、布地が陰部を覆い隠す、パンツ;
[8]前覆部の左の側辺及び/又は右の側辺の少なくとも一部が、前覆部フレーム要素に接続されていない、前記[7]に記載のパンツ;
[9]少なくとも装着者の陰部を覆い隠す布地を備えるパンツにおいて、前記装着者の陰部を覆い隠す布地に、陰茎を通すためのスリットが高さ位置を異ならせて複数形成されている、パンツ;
[10]前記装着者の陰部を覆い隠す布地が、内覆部と外覆部の2層構造を有しており、
内覆部に、陰茎を通すためのスリットが形成されており、スリットに通した陰茎が、内覆部と外覆部の間に形成されている空間内に収容されるように構成されている、前記[9]に記載のパンツ;
により達成することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、例えば、下記のいずれかの効果を奏する。本発明の第1の効果は、臀裂部での皮膚同士の接触を防止できるパンツを提供できることである。本発明の第2の効果は、陰嚢裏での皮膚同士の接触を防止できるパンツを提供できることである。本発明の第3の効果は、装着者に適した位置のスリットを選択して使用できるパンツを提供できることである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、パンツを示す正面図である。
図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、パンツを示す背面図である。
図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、パンツを示す右側面図である。
図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、パンツを示す底面図である。
図5】本発明の第1の実施の形態を示す図で、パンツを示す分解斜視図である。
図6】本発明の第1の実施の形態を示す図で、パンツの側断面図である。
図7】本発明の第2の実施の形態を示す図で、パンツを示す分解斜視図である。
図8】本発明の第3の実施の形態を示す図で、前覆部を主体として示すパンツの正面図である。
図9】本発明の第3の実施の形態を示す図で、前覆部の2種類の収容形態(a)(b)を示すパンツの側断面図である。
図10】本発明の第3の実施の形態を示す図で、内覆部の2種類の態様(a)(b)を示す正面図である。
図11】本発明の実施の形態にかかる臀裂部フレーム要素と臀部を覆い隠す布地を縫い合わせた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のパンツは、ブリーフ、トランクス、ボクサーブリーフ等に代表される男性用パンツと、ショーツ、レングス等と呼ばれている女性用パンツのいずれにも適用することができる。
【0009】
以下、図1図6に示す第1の実施の形態と、図7に示す第2の実施の形態と、図8図10に示す第3の実施の形態との3つの実施の形態を例にとって、本発明のパンツについて具体的に説明する。また、これら3つの実施の形態の説明の後、これら3つの実施の形態の部分的構成を包含した本発明の他の実施の形態に係るパンツについて言及する。
【0010】
[第1の実施の形態](図1図6参照)
図1図6には、トランクス又はボクサーブリーフとして使用できる男性用パンツ仕様のパンツ1Aが図示されている。パンツ1は、パンツの骨格を形成し、型崩れを防止するためのフレーム3を備えている。フレーム3は、ループ状の伸縮性のあるウエストフレーム要素9と、ウエストフレーム要素9の後部中央Cから股下Dにかけて延びる臀裂部フレーム要素11と、臀裂部フレーム要素11の股下D側と、ウエストフレーム要素9の前部中央寄りの離間した2点E、Fとを接続する前覆部フレーム要素13と、を備える。
【0011】
パンツ1は、布地7を備えている。布地7は、フレーム3に取り付けられ、少なくとも装着者Aの陰部Bを覆い隠す前覆部5を構成している。また、布地7は、フレーム3に取り付けられ、前覆部5に加えて装着者Aの臀部I、腿Jの上部、及び、股下Dにかけての範囲Sの一部又は全部を覆い隠すことできる本体覆部15を構成している。
【0012】
本体覆部15には、右脚を通す右覆部17と左脚を通す左覆部19が一対設けられている。また、右覆部17の上部の開口部18と、左覆部19の上部の開口部20が、ウエストフレーム要素9と、臀裂部フレーム要素11と、前覆部フレーム要素13とに接続されることにより、一体のパンツが形成される。
【0013】
前覆部5は、パンツ1の内部に陰茎B1と陰嚢B2を収容できる空間ができるように袋状に形成されている。
【0014】
フレーム3は、例えば、幅寸法Wが5mm~50mmの帯状の部材によって構成されている。また、ウエストフレーム要素9、臀裂部フレーム要素11及び前覆部フレーム要素13の幅寸法Wは、それぞれ異なっていてもよい。
【0015】
ウエストフレーム要素9は、腰から下腹部にかけての胴回りにフィットし、下方にずれ落ちないようにする保持力と、パンツ1をはき易く、脱ぎ易くするための伸縮性とを有することが好ましい。ウエストフレーム要素9に伸縮性を付与するためには、伸縮性のある材料を使用する、又は、ウエストフレーム要素9の長手方向に沿って空間を設け、この長手方向に沿って伸縮するゴム等の材料を空間内に備える等の方法をとることができる。
【0016】
臀裂部フレーム要素11は、ウエストフレーム要素9の後部中央Cから股下Dにかけて延びる臀裂部Hに沿って延びるフレーム要素である。装着者Aがパンツ1を装着することで、臀裂部フレーム要素11が肛門Gを覆うことができる。臀裂部フレーム要素11は、肛門Gを覆うことが可能な幅寸法Wを有している。本実施の形態では、臀裂部フレーム要素11の幅寸法Wは、20mm程度である。臀裂部フレーム要素11の幅寸法Wは、0.3cm以上であることが好ましく、0.5cm以上であることがより好ましく、1cm以上であることがさらに好ましく、1.5cm以上であることが特に好ましい。臀裂部フレーム要素11の幅寸法Wは、5cm以下であることが好ましく、4cm以下であることがより好ましく、3cm以下であることがさらに好ましく、2.5cm以下であることが特に好ましい。臀裂部フレーム要素11の幅寸法Wが小さすぎると、臀裂部Hでの左右の皮膚同士の接触を防止する効果が小さくなる傾向にある。
【0017】
パンツ1の臀裂部フレーム要素11は、臀裂部Hでの皮膚同士の接触を防止することができる。通常のパンツの場合、装着者の姿勢の変化があると、例えば、装着者の状態が立っている状態から座っている状態に変化すると、左右の臀部が押されて、臀裂部Hの左右の皮膚が接触することになる。一方、本発明のパンツ1では、臀裂部フレーム要素11を、臀部を覆い隠す布地7と比べて伸縮性が低いものとすることで、又は、臀裂部フレーム要素11を、臀部を覆い隠す布地7と比べて剛性が高いものとすることで、臀裂部Hの左側の臀部の皮膚と右側の臀部の皮膚との間隔に変化があっても、臀裂部フレーム要素11が臀裂部H内に進入する(つまり、臀裂部フレーム要素11が、臀裂部Hの外側から臀裂部Hの左右の臀部の間へ進入する)、臀裂部Hの奥へ進入する(つまり、臀裂部H内にすでにある臀裂部フレーム要素11が、さらに肛門G側へ進入する)、又は、臀裂部Hに進入した状態を維持する(つまり、臀裂部H内にすでにある臀裂部フレーム要素11が、そのまま臀裂部H内の位置を維持する)ことで、臀裂部Hでの皮膚同士の接触を防止することができる。例えば、装着者Aの状態が立っている状態から座っている状態に変化した場合に、臀部を覆い隠す布地7の一部が左右の臀部と座部とにより固定され、臀裂部フレーム要素11が、固定された布地7よりも中央側にある左右の布地7から、臀裂部Hの中央へ押し込まれる。その結果、臀裂部フレーム要素11が臀裂部H内に進入することができ、臀裂部Hの奥へ進入することができ、又は、臀裂部Hに進入した状態を維持することができ、臀裂部Hでの左右の皮膚同士の接触を防止することができる。
【0018】
ここで、「伸縮性が低い」とは、臀裂部フレーム要素11又は布地7を引っ張るように力を加えたときの伸びが小さいこと、又は、伸ばすためにより大きな力で引っ張ることが必要になることをいう。また、「剛性が高い」とは、臀裂部フレーム要素11又は布地7に力を加えたときに変形しづらいこと、又は、変形させるためにより大きな力が必要になることをいう。
【0019】
「臀裂部フレーム要素11が、臀部を覆い隠す布地7と比べて伸縮性が低い」を満たすには、臀裂部フレーム要素11を構成する布地そのものが、臀部を覆い隠す布地7と比べて伸縮性が低い必要はなく、また、臀裂部フレーム要素11のすべてが、臀部を覆い隠す布地7と比べて伸縮性が低い必要はなく、臀裂部フレーム要素11の一部が、臀部を覆い隠す布地7と比べて伸縮性が低いことにより、臀裂部フレーム要素11が全体として、臀部を覆い隠す布地7と比べて伸縮性が低ければよい。
【0020】
「臀裂部フレーム要素11が、臀部を覆い隠す布地7と比べて剛性が高い」を満たすには、臀裂部フレーム要素11を構成する布地そのものが、臀部を覆い隠す布地7と比べて剛性が高い必要はなく、また、臀裂部フレーム要素11のすべてが、臀部を覆い隠す布地7と比べて剛性が高い必要はなく、臀裂部フレーム要素11の一部が、臀部を覆い隠す布地7と比べて剛性が高いことにより、臀裂部フレーム要素11が全体として、臀部を覆い隠す布地7と比べて剛性が高ければよい。
【0021】
臀裂部フレーム要素11を、臀部を覆い隠す布地7と比べて伸縮性が低いものとする方法、又は、臀裂部フレーム要素11を、臀部を覆い隠す布地7と比べて剛性が高いものとする方法としては、臀裂部フレーム要素11の素材として、布地7よりも伸縮性が低い素材又は剛性が高い素材を用いる方法、臀裂部フレーム要素11の布地として布地7よりも厚手の布地を用いる方法、臀裂部フレーム要素11の布地として、布地7と同じ布地(又は、布地7と同じ程度の伸縮性又は剛性を有する布地)を用いつつ、布地7よりも多い枚数の布地を重ね合わせて1の布地とする方法、臀裂部フレーム要素11の布地として、布地7と同じ素材の布地(又は、布地7と異なる素材であるが、同じ程度の伸縮性又は剛性を有する布地)を用いつつ、臀裂部フレーム要素11の布地に糸を縫い付ける(例えば、ステッチを施す)方法などがあげられる。
【0022】
装着者Aの姿勢の変化(例えば、立位から座位への変化、座位から立位への変化、歩行中から静止中への変化、静止中から歩行中への変化)に応じて臀裂部Hの間隔が変化する。従って、臀裂部Hを挟んで対峙する左右の皮膚が接触しないように、臀裂部Hの間隔の変化に応じて臀裂部フレーム要素11が臀裂部H側に折れて臀裂部H内に進入する必要がある。
【0023】
前覆部フレーム要素13は、陰部Bの収まり位置と姿勢とを安定させる作用を有している。本実施の形態では、前覆部フレーム要素13は、左右の2本のフレーム要素によって構成されている。2本のフレーム要素と、ウエストフレーム要素9の前部の離間した2点E、F間のウエストフレーム要素9とによって区画される正面視3角形状の開口21に陰部Bは位置するように構成されている。2本のフレーム要素は、例えば、正面視V字形状又は正面視U字形状に配置されていることが好ましい。また、2点E、Fは、ウエストフレーム要素9の前部中央寄りの離間した2点であることが好ましい。前覆部5は、正面視3角形状の開口21を覆うように宛がわれる。前覆部5は袋上であり、陰部Bは、前覆部5に覆われて保持される。
【0024】
このような前覆部フレーム要素13と前覆部5とによって、図6のように、陰嚢B2裏での皮膚同士の接触が防止される。また、ウエストフレーム要素9と臀裂部フレーム要素11は、両者を一体構造(シームレス)にすることによって接続してもよいし、両者を別体構造にしたうえで事後的に縫製加工等によって接続してもよい。
【0025】
本実施の形態では、前覆部5は、上辺が幅広で下辺が幅狭のホームベース形状又は逆台形状の布地によって構成されている。前覆部5の上辺が前述した2点E、F間のウエストフレーム要素9に接続され、前覆部5の下辺が正面視V字形状の前覆部フレーム要素13の基部(臀裂部フレーム要素11との接続部)付近に接続されている。また、前覆部5の左の側辺及び/又は右の側辺の少なくとも一部は、前覆部フレーム要素13に接続されていないことが好ましい。前覆部5の左の側辺及び/又は右の側辺の全部が、前覆部フレーム要素13に接続されていなくてもよい。前覆部5の側辺と、前覆部フレーム要素13により形成される開口は、開放された状態になっている。この開放された左及び/又は右の開口を利用して、小便時に陰茎B1を外に出して用を足せるように構成されている。よって、前覆部5の左の側辺及び/又は右の側辺は、陰茎B1を外に出すことが可能な程度に一部が、前覆部フレーム要素13に接続されていないことが好ましい。
【0026】
また、前覆部5の上下方向の長さは、前述した3角形状の開口21の上下方向の長さよりも長めに形成されており、これにより、前覆部5の下辺を前覆部フレーム要素13の基部に接続した状態で下方に弛み部23が形成されるように構成されている。そして、この弛み部23の内方空間が袋状の前覆部5の底に相当するようになっている。
【0027】
本体覆部15は、前述したように一対の右覆部17と左覆部19とによって構成されている。本実施の形態では、一例としてトランクス又はボクサーブリーフ仕様の男性用パンツを想定している。このため、図5に示すような筒状の部材を右覆部17と左覆部19として使用している。
【0028】
また、右覆部17と左覆部19をトランクス仕様のパンツ1Aとして適用する場合には、装着者Aの腿Jの上部の周長よりも大きな周長の、緩めのサイズの右覆部17又は左覆部19とする。一方、右覆部17と左覆部19をボクサーブリーフ仕様のパンツ1Aとして適用する場合には、装着者Aの腿Jの上部の周長と同じか幾分小さな周長の、ぴったり嵌まるサイズの右覆部17又は左覆部19とする。また、右覆部17と左覆部19の上部の開口部18、20は、接続するフレーム3の形状に合わせて3次元的な曲線で一例としてカットされている。
【0029】
フレーム3の素材は特に限定されないが、布地7と同じ素材からなる布地であってもよく、異なる素材からなる布地であってもよい。フレーム3と布地7の素材としては、吸汗性と伸縮性に優れた材料が好ましく、例えば、天然繊維、天然繊維と化学繊維の混紡繊維をあげることができる。より具体的には、綿100%の天然繊維、綿とスパンデックスなどの天然繊維と化学繊維の混紡繊維(例えば、綿95%とスパンデックス5%の混紡繊維)等が適用可能である。
【0030】
なお、後述する第3の実施の形態では、内覆部にスリットを設ける、さらには、内覆部に、高さ位置を異ならせた複数のスリットを設けることを記載したが、第1の実施の形態においても、内覆部に代えて、前覆部5にスリットを設ける、さらには、前覆部5に、高さ位置を異ならせた複数のスリットを設けることも可能である。前覆部5にスリットを設けることで、小便時に陰茎B1を外に出して、用を足すことができる。特に、高さ位置の違う複数のスリットを設けた場合には、装着者Aの体型や体格等の個人差によって最適な位置のスリットを選択して使用することが可能になる。なお、前覆部5に、高さ位置を異ならせて複数のスリットを設ける場合のスリットの数は、特に限定されず、2つであってもよく、3つであってもよく、4つ以上であってもよい。前覆部5にスリットを設ける場合、前覆部5の左の側辺及び右の側辺の全部が、前覆部フレーム要素13と接続され、前覆部5の左の側辺及び右の側辺と、前覆部フレーム要素13との間に、開口が形成されないようにすることができる。
【0031】
[第2の実施の形態](図7参照)
第2の実施の形態に係るパンツ1Bは、本発明のパンツ1を女性用のショーツに適用した実施の形態である。フレーム3の構成としては、前述した第1の実施の形態に係るパンツ1Aと同様、ウエストフレーム要素9と、臀裂部フレーム要素11と、前覆部フレーム要素13と、の3つのフレーム要素によって構成されている。
【0032】
布地7の構成も前述した第1の実施の形態に係るパンツ1Aと同様、前覆部5と、一対の右覆部17及び左覆部19からなる本体覆部15の2つの構成部材によって構成されるが、これらの形状と接続形態が前述した第1の実施の形態とは異なっている。
【0033】
前覆部5Bは、正面視3角形状の平面的な布地によって構成されている。前覆部5Bは上辺と下辺に加えて左右の側辺もフレーム3(具体的には前覆部フレーム要素13)に接続されていて、フレーム3との間に開放された空間が発生しない状態で接続されている。また、右覆部17Bと左覆部19Bは、装着者Aの臀部Iの一部と、腿Jの付け根部分及び股下Dにかけての範囲のみを覆い隠す構成になっている。そして、前述した第1の実施の形態よりも布地7の面積が小さくなっていて、正面から見て左右の腰部から股下Dとの間を直線的に結んだシャープなデザインになっている。
【0034】
そして、このようにして構成される本実施の形態のパンツ1Bによっても、前述した第1の実施の形態と同様、臀裂部フレーム要素11を、臀部を覆い隠す布地7と比べて伸縮性が低い又は剛性が高いものとすることで、装着者Aの姿勢が変化しても、臀裂部フレーム要素11が臀裂部H内に進入する、臀裂部Hの奥へ進入する、又は、臀裂部Hに進入した状態を維持し、臀裂部Hでの皮膚同士の接触を防止することができる。よって、装着者Aの姿勢が変化しても、臀裂部Hにおける皮膚同士の接触を防止して所望の吸汗性が発揮できる。また、上記臀裂部フレーム要素11の臀裂部Hへの進入作用によって常時、パンツ1と皮膚の間の隙間を小さくすることができるから、特に冬場に必要となる所望の保温性も発揮されるようになる。
【0035】
[第3の実施の形態](図8図10参照)
第3の実施の形態に係るパンツ1Cは、前述した第1の実施の形態のパンツ1Aにおける前覆部5の構成を変更した実施の形態である。従って、ここでは第1の実施の形態と異なる前覆部5の構成に絞って説明する。
【0036】
即ち、本実施の形態における前覆部5Cは、内覆部25と外覆部27を重ね合わせた2層構造の前覆部5になっている。このうち内覆部25には、陰茎B1を通すためのスリット29が形成されていて、スリット29に通した陰茎B1は、内覆部25と外覆部27との間に形成される空間内に収容されるように構成されている。
【0037】
具体的には、内覆部25は、図8に示すように前述した第1の実施の形態の前覆部5と同様に一例として逆台形状に形成されており、その左右方向の中心の適宜の高さ位置には、左右方向に延びるボタンホール状のスリット29が形成されている。一方、外覆部27は、図8に示すように、内覆部25よりも幅狭の一例として長方形形状の布片によって形成されている。また、外覆部27は、内覆部25よりも幅広の布片によって形成されていてもよく、さらに、この場合に、外覆部27を内覆部25よりも幅広の長方形形状の布片としてもよい。スリット29は、一体の布地に直線状又は曲線状の切れ目を入れ、この切れ目に沿って、ステッチ等の糸の縫いつけを行う(例えば、クロスステッチ等のステッチを施す)ことで、形成することが可能である。
【0038】
外覆部27の上辺と下辺は、フレーム3又は内覆部25へ接続されている。外覆部27の左の側辺及び/又は右の側辺の少なくとも一部は、フレーム3及び内覆部25に接続されておらず、開放状態になっている。従って、内覆部25と外覆部27のそれぞれの左右の側辺には左右2ヶ所ずつ計4ヶ所の開口が形成されている。
【0039】
また、内覆部25は、前述した第1の実施の形態の前覆部5と同様、下方に弛み部23を有する、ゆったりとした作りになっている。一方、外覆部27は、陰茎B1の姿勢を、図9(a)に示すように下向きに保持し、あるいは図9(b)に示すように上向きに保持できるように隙間の小さなぴったりとした作りになっている。
【0040】
また、内覆部25に設けるスリット29は、図10(a)に示すように高さ方向の適宜の位置に1つのみ設ける他、図10(b)に示すように高さ位置を異ならせて3つのスリット29A、29B、29Cを設ける等、複数設けることが可能である。図10(b)に示すように、高さ位置の違う複数のスリット29A、29B、29Cを設けた場合には、装着者Aの体型や体格等の個人差によって最適な位置のスリット29A、29B、29Cを選択して使用することが可能になる。なお、内覆部25に、高さ位置を異ならせて複数のスリットを設ける場合のスリットの数は、特に限定されず、2つであってもよく、3つであってもよく、4つ以上であってもよい。
【0041】
本実施の形態のパンツ1Cによっても、前述した第1の実施の形態と同様、臀裂部Hと陰部Bでの皮膚同士の接触が防止されるから、所望の吸汗性が発揮されるようになる。また、本実施の形態では内覆部25と外覆部27によって前覆部5Cに収容される陰茎B1の空間と陰嚢B2の空間が区画されて別々の空間になるから陰茎B1と陰嚢B2による接触によって生ずる汗の発生が抑制されて、これらの部位での吸汗性の向上が期待できる。
【0042】
本実施の形態では、内覆部25にスリット29を設ける、さらには、内覆部25に、高さ位置を異ならせた複数のスリットを設けることを記載したが、外覆部27にスリットを設ける、さらには、外覆部27に、高さ位置を異ならせた複数のスリットを設けることも可能である。外覆部27にスリットを設けることで、小便時に陰茎B1を外に出して、用を足すことができる。特に、高さ位置の違う複数のスリットを設けた場合には、装着者Aの体型や体格等の個人差によって最適な位置のスリットを選択して使用することが可能になる。なお、外覆部27に、高さ位置を異ならせて複数のスリットを設ける場合のスリットの数は、特に限定されず、2つであってもよく、3つであってもよく、4つ以上であってもよい。
【0043】
[他の実施の形態]
本発明のパンツ1は、前述した3つの実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。例えば、前覆部フレーム要素13の形状は、前述した実施の形態で述べたV字の形状に限らず、U字形状、矩形状、台形状、楕円形状、長円形状、逆V字形状、逆U字形状、逆台形状等、種々の形状が採用可能である。
【0044】
また、パンツ1におけるフレーム3と布地7の材料も前述した第1の実施の形態の説明の中で述べた材料に限らず、所望の吸汗性と保温性を発揮する種々の材料を採用することが可能である。この場合、夏用のパンツ1には吸汗性が優れる材料を、冬用のパンツ1には保温性が優れる材料を、というように選択して使用することも可能である。この他、パンツ1の部位に応じて違う材料を選択して使用することも可能である。また、男性用と女性用等、目的や用途の違いに応じて材料を使い分けることも可能である。
【0045】
さらに、フレーム3は、各フレーム要素間の結合箇所は柔軟であり、一枚の生地(シームレスの生地)で構成してもよいし、縫合(縫製)によって形成してもよい。つまり、フレーム3は、複数枚の生地を幅方向の中央部分含めた周辺に縦方向・横方向などの、どの向きでも縫合することで構成してよい。例えば、臀裂部Hの一番底に縫合部がくるようにフレーム3を形成してもよい。すなわち、肛門Gの中心に縫合部が位置する態様となる。なお、縫合部の幅寸法は1mm程度であっても肛門を覆う幅が5mmほどあればよい。この態様では、陰部B方向の張力を強く、臀部I方向の張力を弱くすることで、効率的に肛門Gを覆うことが可能となる。
【0046】
褌は、陰嚢の裏については立位では皮膚同士の接触はないが、座位では臀裂部において皮膚同士の接触が生じる場合がある。また、ブリーフの場合、肛門と陰部の間から臀裂にかけての範囲を、幅広の布地で覆っているため、座位では臀裂部において皮膚同士の接触が生じ、所望の吸汗性は得られない。また、トランクスでも陰茎と陰嚢からなる陰部、肛門と陰部の間及び肛門周辺を含めた臀裂部において、皮膚同士の接触があり、所望の吸汗性は得られない。ボクサーブリーフについても、トランクスと同様に皮膚同士の接触が生じ、所望の吸汗性は発揮されない。通常の男性用パンツでは、陰茎と陰嚢の間や陰部と腿の間での皮膚同士の接触については、ある程度の防止が図られるが、肛門と陰部の間から肛門周辺を含めた臀裂部については、座位において皮膚同士の接触が生じ、所望の吸汗性や保温性を得ることが難しい。
【0047】
また、女性用パンツについても臀裂部において皮膚同士の接触が生じる場合がある。吸汗性は欠かすことができない条件となる。さらに、皮膚同士が接触する部位が生じる女性用パンツや皮膚と布地の間隔が広い女性用パンツは保温性が悪いため、特に寒い時期にはく女性用パンツとしては保温性の点で難がある。
【0048】
[臀裂部フレーム要素11について]
以下、臀裂部フレーム要素11を、臀部を覆い隠す布地7と比べて伸縮性を低くする方法、又は、臀裂部フレーム要素11を、臀部を覆い隠す布地7と比べて剛性を高くする方法の一例について説明するが、ここで説明する方法は、上述した第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態、他の実施の形態のいずれにおいても適用することができる。図11は、本発明の実施の形態にかかる臀裂部フレーム要素と臀部を覆い隠す布地を縫い合わせた状態を示す図である。
【0049】
臀裂部フレーム要素11を製作するにあたり、まず、臀裂部フレーム要素11となり得る一方向に長い縦長状の布地11aと、臀部を覆い隠す布地7となり得る布地7a、布地7bを、布地11aの左右から、布地11aの長手方向に沿って重ねあわせる。布地7aを構成する、布地11aと重ねあわせられ、且つ、長手方向に沿って伸びる辺は、布地11aの長手方向と略平行であることが好ましい。同様に、布地7bを構成する、布地11aと重ねあわせられ、且つ、長手方向に沿って伸びる辺は、布地11aの長手方向と略平行であることが好ましい。そして、布地11aと布地7aの重なった部分を糸で縫い合わせ、布地11aと布地7bの重なった部分を糸で縫い合わせる。縫い合わせが行われた縫い合わせ部11b、11cは、布地11aの長手方向に沿ってのびる。このように、布地11aと布地7a、7bの重なった部分が縫い合わせされていることにより、この縫い合わせ部11b、11cが布地7と比べて伸縮性が低くなり、又は、布地7と比べて剛性が高くなり、臀裂部フレーム要素11の全体としても、布地7と比べて伸縮性を低くし、又は、布地7と比べて剛性を高くすることができる。
【0050】
なお、布地11aは、その全面が布地7a、7bと重ね合わされていて、布地7a、布地7bと重なっていない部分がなくてもよい。つまり、図11(b)のように、布地7aを構成する辺と、布地7bを構成する辺とが略平行に接している状態、又は、図11(c)のように、布地7aと布地7bを重ね合わせている状態で、縫い合わされていてもよい。また、図11(d)のように、布地11aと布地7a、布地7bが、実質的に重ね合わされることなく、布地11aの長手方向の辺と、布地7a、布地7bの辺が接している状態で、布地11aと布地7a、布地7bを縫い合わせることも可能である。このように縫い合わせをすることで、縫い合わせ部が存在することにより、臀裂部フレーム要素11の全体が、臀部を覆い隠す布地7と比べて伸縮性が低いものとして機能し、又は、臀裂部フレーム要素11を、臀部を覆い隠す布地7と比べて剛性が高いものとして機能する。
【0051】
布地11aと布地7a、7bは、同じ素材の布地又は、布地7とは異なる素材であるが同じ程度の伸縮性又は剛性を有する布地を用いてよいし、布地11aとして、布地7a、7bと比べて伸縮性が低いもの、又は、布地7a、7bと比べて剛性が高いものを用いてもよい。
【0052】
本発明のパンツは、装着者Aの姿勢が変化しても、臀裂部における皮膚同士の接触を防止することができる。その結果、本発明のパンツは、夏場でも所望の吸汗性を発揮することができ、冬場には所望の保温性を発揮することができ、1年中快適にはくことができる。さらに、本発明のパンツは、体型の違いに対応しやすく、また、種々のデザインを採用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1A・1B・1C・1D パンツ、
3 フレーム、 5 前覆部、 7 布地、 9 ウエストフレーム要素、
11 臀裂部フレーム要素、 13 前覆部フレーム要素、 15 本体覆部、
17 右覆部、 18 開口部、 19 左覆部、 20 開口部、
21 開口、 23 弛み部、 25 内覆部、 27 外覆部、
29 スリット、 31 接続部、
A 装着者、 B 陰部、 B1 陰茎、 B2 陰嚢、 C 後部中央、
D 股下、 E 点、 F 点、 G 肛門、 W 幅寸法、 H 臀裂部、
I 臀部、 J 腿、 S 範囲
【要約】
【課題】
臀裂部での皮膚同士の接触を防止できるパンツを提供する。
【解決手段】
パンツの骨格を形成するためのフレームと、少なくとも装着者の臀部を覆い隠す布地と、を備えるパンツにおいて、フレームは、ループ状のウエストフレーム要素と、ウエストフレーム要素の後部中央から股下にかけて延びる臀裂部フレーム要素と、臀裂部フレーム要素の股下側とウエストフレーム要素の前部を接続する前覆部フレーム要素とを備え、臀裂部フレーム要素が、臀裂部の間隔の変化に応じて臀裂部内に進入することで、臀裂部での皮膚同士の接触を防止する、又は、臀裂部フレーム要素が、臀裂部の間隔に変化があっても臀裂部内に進入した状態を維持することで、臀裂部での皮膚同士の接触を防止する、パンツ。
【選択図】 図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11