(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】麺線の製造装置及び麺線の製造方法
(51)【国際特許分類】
A21C 11/00 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
A21C11/00 A
(21)【出願番号】P 2023110017
(22)【出願日】2023-07-04
【審査請求日】2024-05-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516049755
【氏名又は名称】タマムラデリカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤倉 聖俊
(72)【発明者】
【氏名】岡住 昌則
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-229457(JP,A)
【文献】中国実用新案第210929397(CN,U)
【文献】特開2010-011820(JP,A)
【文献】国際公開第2011/158944(WO,A1)
【文献】特開2005-027603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21C 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹凸が形成された麺線の製造装置であって、
凹凸形成部を備え、
前記凹凸形成部は、互いに隙間を空けるように並列された一対の揉みローラーと、前記一対の揉みローラーの支持部材と、前記隙間の調節機構と、有し、
前記調節機構は、少なくとも一方の前記揉みローラーを移動可能に構成され
、
前記調節機構は、可動部材と、前記支持部材に形成されたスリット構造と、を含み、
前記可動部材は、前記スリット構造の内側に配置され、
一方の前記揉みローラーは、前記可動部材に回転自在に取り付けられ、
前記スリット構造は、他方の前記揉みローラーの円周方向に沿って形成されている、装置。
【請求項2】
凹凸が形成された麺線の製造装置であって、
凹凸形成部を備え、
前記凹凸形成部は、互いに隙間を空けるように並列された一対の揉みローラーと、前記一対の揉みローラーの支持部材と、前記隙間の調節機構と、有し、
前記調節機構は、少なくとも一方の前記揉みローラーを移動可能に構成され
、
前記調節機構は、可動部材と、前記支持部材に形成されたスリット構造と、を含み、
前記可動部材は、前記スリット構造の内側に配置され、
一方の前記揉みローラーは、前記可動部材に回転自在に取り付けられ、
前記支持部材は、他方の前記揉みローラーを軸に回転可能である、装置。
【請求項3】
前記スリット構造は、前記一対の揉みローラーの並列方向に沿って形成されている、請求項
1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記調節機構は、前記支持部材に形成されたボルト穴構造をさらに含み、
前記ボルト穴構造は、前記一対の揉みローラーの並列方向に沿って形成され、前記スリット構造に連結されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記調節機構は、弾性体をさらに含み、
前記弾性体は、前記スリット構造の内側かつ前記可動部材に対して前記ボルト穴構造と反対側に配置されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
裁断部をさらに備え、
前記裁断部は、前記凹凸形成部の下流側に配置されている、請求項1
又は2に記載の装置。
【請求項7】
制御部をさらに備え、
前記裁断部は、一対の切刃ローラーを有し、
前記制御部は、制御回路を有し、
前記制御回路は、前記揉みローラーと前記切刃ローラーの少なくとも一方に与えるトルクを増減可能に構成されている、請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記制御回路は、前記揉みローラーと前記切刃ローラーの両方に与えるトルクを独立に増減可能に構成されている、請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
前記制御部は、トルク測定回路をさらに有し、
前記トルク測定回路は、前記揉みローラーと前記切刃ローラーの少なくとも一方にかかるトルクの測定値を取得可能に構成されている、請求項
7に記載の装置。
【請求項10】
前記制御回路は、前記測定値に基づき、前記揉みローラー及び前記切刃ローラーに与えるトルクを増減可能に構成されている、請求項
9に記載の装置。
【請求項11】
麺帯から凹凸が形成された麺線を製造する、麺線の製造方法であって、
凹凸形成工程と、裁断工程と、を備え、
前記凹凸形成工程は、互いに隙間を空けるように並列されて回転する一対の揉みローラーに前記麺帯を送り込む工程と、前記隙間の調節工程と、を有し、
前記裁断工程では、前記凹凸形成工程を経た前記麺帯を裁断
し、
前記調節工程は、前記隙間の位置を変更する工程を含み、
前記隙間の位置を変更する工程は、一方の前記揉みローラーを他方の前記揉みローラーの円周方向に沿って移動させる工程を含む、麺線の製造方法。
【請求項12】
前記調節工程は、前記隙間の幅を拡縮する工程を含む、請求項
11に記載の麺線の製造方法。
【請求項13】
制御工程をさらに備え、
前記裁断工程は、回転する一対の切刃ローラーに前記麺帯を送り込む工程を有し、
前記制御工程は、前記揉みローラーと前記切刃ローラーの少なくとも一方の回転速度を加減する回転速度加減工程を有する、請求項
11又は12に記載の麺線の製造方法。
【請求項14】
前記回転速度加減工程では、前記揉みローラーと前記切刃ローラーの両方の前記回転速度を独立に加減する、請求項
13に記載の麺線の製造方法。
【請求項15】
前記回転速度加減工程は、前記揉みローラーが前記切刃ローラーよりも速く前記麺帯を送り出すように、前記回転速度を加減する工程を含む、請求項
13に記載の麺線の製造方法。
【請求項16】
前記回転速度加減工程は、前記揉みローラーが前記切刃ローラーよりも遅く前記麺帯を送り出すように、前記回転速度を加減する工程を含む、請求項
13に記載の麺線の製造方法。
【請求項17】
前記制御工程は、トルク測定工程をさらに有し、
前記トルク測定工程では、前記揉みローラーと前記切刃ローラーのうち少なくとも一方にかかるトルクの測定値を取得し、
前記回転速度加減工程では、前記測定値に基づき、前記回転速度を加減する、請求項
13に記載の麺線の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凹凸が形成された麺線の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
手もみ麺は、屈曲や凹凸などが形成された複雑な構造となっている。これにより、調味料や具材がよく絡むため、消費者に好まれやすい。
【0003】
手もみ麺の製造には、製造者の労力と技能を要する。そのため、工場などで手もみ麺に近い麺(手もみ風の麺)の製造が行われてきた。
【0004】
例えば、特許文献1には、手もみ麺の製造装置が記載されている。この装置によれば、略歯車形状の揉みロールを並行して配置して回転させ、揉みロールの隙間に麺を通過させることで、麺に多様な変形を施すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、麺線に変形を施す場合、麺帯を切り出して麺線を得るための装置と、麺線を加工するための装置との間に、麺線に変形を施すための装置を設け、これらを繋ぐ搬送機構をさらに用意する必要があり、簡便でない。これに対し、麺帯の段階で変形を施すことが試みられているが、麺帯の搬送中に変形が戻るなど、問題は多く残存している。
【0007】
このような事情に鑑み、本発明は、変形が施された麺線を得るにあたり、麺帯の段階で変形を十分に施すことを課題とし、これを達成しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するための本発明の実施形態の一つは、凹凸が形成された麺線の製造装置であって、次の装置[1]~[12]である。
【0009】
[1]:凹凸形成部を備え、凹凸形成部は、互いに隙間を空けるように並列された一対の揉みローラーと、一対の揉みローラーの支持部材と、隙間の調節機構と、有し、調節機構は、少なくとも一方の揉みローラーを移動可能に構成されている、装置。
【0010】
装置[1]では、隙間の調節機構によって、麺帯の厚さなどに合わせ、揉みローラーを麺帯に十分に押圧し、麺帯に凹凸を形成することができる。これにより、麺帯の段階で変形を十分に施すことができる。
【0011】
[2]:装置[1]であって、調節機構は、可動部材と、支持部材に形成されたスリット構造と、を含み、可動部材は、スリット構造の内側に配置され、少なくとも一方の揉みローラーは、可動部材に回転自在に取り付けられている、装置。
【0012】
装置[2]では、可動部材をスリット構造に沿って移動させることによって、揉みローラーを移動させることができる。これにより、隙間を調節することができる。
【0013】
[3]:装置[2]であって、スリット構造は、一対の揉みローラーの並列方向に沿って形成されている、装置。
【0014】
装置[3]では、可動部材をスリット構造に沿って移動させるとき、隙間が拡縮することを保証することができる。
【0015】
[4]:装置[2]又は[3]であって、調節機構は、支持部材に形成されたボルト穴構造をさらに含み、ボルト穴構造は、一対の揉みローラーの並列方向に沿って形成され、スリット構造に連結されている、装置。
【0016】
装置[4]では、ボルト穴構造にボルトを螺入し、可動部材を押し出すことで、可動部材を移動させることができる。このとき、可動部材をスリット構造の壁面の押し付けることで、可動部材を固定することもできる。
【0017】
[5]:装置[4]であって、調節機構は、弾性体をさらに含み、弾性体は、スリット構造の内側かつ可動部材に対してボルト穴構造と反対側に配置されている、装置。
【0018】
装置[5]では、ボルト穴構造にボルトを螺入し、可動部材を弾性体に押し付けることで、可動部材を移動可能のまま強く固定することができる。
【0019】
[6]:装置[2]であって、一方の揉みローラーは、可動部材に回転自在に取り付けられ、スリット構造は、他方の揉みローラーの円周方向に沿って形成されている、装置。
【0020】
装置[6]では、隙間の調節機構によって、隙間の位置を変更することができる。これにより、麺帯を揉みローラーに沿って変形した状態にすることができ、麺帯にさらなる変形を施すことができる。
【0021】
[7]:装置[2]であって、一方の揉みローラーは、可動部材に回転自在に取り付けられ、支持部材は、他方の揉みローラーを軸に回転可能である、装置。
【0022】
装置[7]では、装置[6]と同様に、隙間の調節機構によって、隙間の位置を変更することができる。これにより、麺帯を揉みローラーに沿って変形した状態にすることができ、麺帯にさらなる変形を施すことができる。
【0023】
[8]:装置[1]~[7]の何れかであって、裁断部をさらに備え、裁断部は、凹凸形成部の下流側に配置されている、装置。
【0024】
装置[8]では、変形が十分に施された麺帯を裁断し、変形が施された麺線を得ることができる。
【0025】
[9]:装置[8]であって、制御部をさらに備え、裁断部は、一対の切刃ローラーを有し、制御部は、制御回路を有し、制御回路は、揉みローラーと切刃ローラーの少なくとも一方に与えるトルクを増減可能に構成されている、装置。
【0026】
装置[9]では、揉みローラーの位置と切刃ローラーの位置で、麺帯にかかる抗力が異なり、麺帯が送りされる流れが一定でなくなる場合がある。これに対し、麺帯が送り出される流れを部分的に速くしたり遅くしたりすることで、麺帯にかかる抗力を調節することができる。
【0027】
[10]:装置[9]であって、制御回路は、揉みローラーと切刃ローラーの両方に与えるトルクを独立に増減可能に構成されている、装置。
【0028】
装置[10]では、麺帯にかかる抗力をさらに調節することができる。
【0029】
[11]:装置[9]又は[10]であって、制御部は、トルク測定回路をさらに有し、トルク測定回路は、揉みローラーと切刃ローラーの少なくとも一方にかかるトルクの測定値を取得可能に構成されている、装置。
【0030】
装置[11]では、揉みローラーと切刃ローラーの少なくとも一方にかかるトルクを取得することで、麺帯にかかる抗力を予測しつつ調節することができる。
【0031】
[12]:装置[11]であって、制御回路は、測定値に基づき、揉みローラー及び切刃ローラーに与えるトルクを増減可能に構成されている、装置。
【0032】
装置[12]では、自動的に、麺帯にかかる抗力を予測しつつ調節することができる。
【0033】
上記課題を達成するための本発明の実施形態の一つは、麺帯から凹凸が形成された麺線を製造する、麺線の製造方法であって、次の製造方法[13]~[21]である。
【0034】
[13]:凹凸形成工程と、裁断工程と、を備え、凹凸形成工程は、互いに隙間を空けるように並列されて回転する一対の揉みローラーに麺帯を送り込む工程と、隙間の調節工程と、を有し、裁断工程では、凹凸形成工程を経た麺帯を裁断する、製造方法。
【0035】
製造方法[13]では、隙間の調節工程によって、麺帯の厚さなどに合わせ、揉みローラーを麺帯に十分に押圧し、麺帯に凹凸を形成することができる。これにより、麺帯の段階で変形を十分に施すことができる。
【0036】
[14]:製造方法[13]であって、調節工程は、隙間の幅を拡縮する工程を含む、製造方法。
【0037】
製造方法[14]では、揉みローラーを麺帯に押圧する強さを調節することができる。
【0038】
[15]:製造方法[13]又は[14]であって、調節工程は、隙間の位置を変更する工程を含む、製造方法。
【0039】
製造方法[15]では、麺帯を揉みローラーに沿って変形した状態にすることができ、麺帯にさらなる変形を施すことができる。
【0040】
[16]:製造方法[15]であって、隙間の位置を変更する工程は、一方の揉みローラーを他方の揉みローラーの円周方向に沿って移動させる工程を含む、製造方法。
【0041】
製造方法[16]では、隙間の幅を維持しながら、隙間の位置を変更することができる。
【0042】
[17]:製造方法[13]~[16]の何れかであって、制御工程をさらに備え、裁断工程は、回転する一対の切刃ローラーに麺帯を送り込む工程を有し、制御工程は、揉みローラーと切刃ローラーの少なくとも一方の回転速度を加減する回転速度加減工程を有する、製造方法。
【0043】
製造方法[17]では、揉みローラーの位置と切刃ローラーの位置で、麺帯にかかる抗力が異なり、麺帯が送りされる流れが一定でなくなる場合がある。これに対し、麺帯が送り出される流れを部分的に速くしたり遅くしたりすることで、麺帯にかかる抗力を調節することができる。
【0044】
[18]:製造方法[17]であって、回転速度加減工程では、揉みローラーと切刃ローラーの両方の回転速度を独立に加減する、製造方法。
【0045】
製造方法[18]では、麺帯にかかる抗力をさらに調節することができる。
【0046】
[19]:製造方法[17]又は[18]であって、回転速度加減工程は、揉みローラーが切刃ローラーよりも速く麺帯を送り出すように、回転速度を加減する工程を含む、製造方法。
【0047】
製造方法[19]では、敢えて麺帯を切刃ローラーの手前で渋滞させることで、麺帯が折り畳まれるため、麺帯にさらなる変形を施すことができる。
【0048】
[20]:製造方法[17]~[19]の何れかであって、回転速度加減工程は、揉みローラーが切刃ローラーよりも遅く麺帯を送り出すように、回転速度を加減する工程を含む、製造方法。
【0049】
製造方法[20]では、敢えて麺帯を強く引っ張ることで、麺帯を薄くしたり、麺帯にコシを与えたりすることができる。
【0050】
[21]:製造方法[17]~[20]の何れかであって、制御工程は、トルク測定工程をさらに有し、トルク測定工程では、揉みローラーと切刃ローラーのうち少なくとも一方にかかるトルクの測定値を取得し、回転速度加減工程では、測定値に基づき、回転速度を加減する、製造方法。
【0051】
製造方法[21]は、揉みローラーと切刃ローラーの少なくとも一方にかかるトルクを取得することで、麺帯にかかる抗力を予測しつつ調節することができる。
【発明の効果】
【0052】
本発明によれば、変形された麺線を得るにあたり、麺帯の段階で変形を十分に施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】本発明の第一の実施形態に係る製造装置の凹凸形成部の斜視図である。
【
図3】
図2に記載の支持部材及び調節機構のIII-III断面図である。
【
図7】
図6に記載の揉みローラーの側面展開図である。
【
図8】本発明の第一の実施形態の変更例に係る揉みローラーの側面展開図である。
【
図9】本発明の第一の実施形態に係る製造装置の制御部の機能図である。
【
図10】本発明の第一の実施形態に係る製造装置の使用方法を説明する立面図である。
【
図12】本発明の第二の実施形態に係る製造装置の支持部材及び調節機構の断面図である。
【
図13】本発明の第二の実施形態に係る製造装置の使用方法を説明する断面図である。
【
図14】本発明の第二の実施形態の変更例に係る製造装置の使用方法を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明を実施するためには、例えば、以下に開示される形態が採用される。なお、以下に開示されない他の形態が採用されてもよい。
【0055】
[第一の実施形態]
本発明の第一の実施形態は、麺帯から凹凸が形成された麺線を製造するための製造装置及び製造方法に関する。
【0056】
本実施形態に係る麺線の製造装置(麺線製造装置A)は、麺帯に凹凸を形成するための凹凸形成部1と、麺帯を裁断して麺線を形成するための裁断部2と、麺線製造装置Aの運転を制御するための制御部3と、を備える。
【0057】
麺線製造装置Aは、麺生地から麺帯を製造するための製造装置(麺帯製造装置)と、麺帯製造装置から凹凸形成部1へ麺帯を搬送する機構と、を備えてもよい。麺線製造装置Aはさらに、小麦粉などの原材料から麺生地を製造するための製造装置(麺生地製造装置)と、麺生地製造装置から麺帯製造装置へ麺生地を搬送する機構と、を備えてもよい。
【0058】
麺線製造装置Aは、麺線を用途に応じて加工するための加工装置と、裁断部2から加工装置へ麺線を搬送する機構と、を備えてもよい。
【0059】
例えば、麺線を蒸煮麺に加工するための加工装置は、麺線を蒸煮するための蒸煮部と、麺線を成型するための成型部と、麺線を乾燥させるための乾燥部と、麺線を冷却するための冷却部と、麺線を包装するための包装部と、を有する。乾燥部は、麺線を油で揚げる機構と、麺線に熱風を吹き付ける機構と、の少なくとも一方を含む。
【0060】
例えば、麺線を調理麺に加工するための加工装置は、麺線を茹でるための茹で部と、麺線を冷却するための冷却部と、麺線を包装するための包装部と、を有する。包装部は、麺線に調味料小袋や具材などを盛り付ける機構を含んでもよい。
【0061】
図1~6は、凹凸形成部1の構造の一例を示している。
【0062】
凹凸形成部1は、麺帯に凹凸を形成するための一対の揉みローラー11と、揉みローラー11を回転自在に支持するための支持部材12と、を有する。凹凸形成部1は、一対の揉みローラー11を複数対有してもよい。この場合、麺帯に複数のパターンの凹凸を形成することができる。
【0063】
揉みローラー11は、本体111と、本体111を貫通する回転軸112と、回転軸112の一端に固定された従動用ギア113と、を含む。
【0064】
本体111の側面には、麺帯に凹凸を形成するための凹条b(
図7~8では、薄黒色で記載)が形成されている。凹条bは、どのような方向に沿って形成されていてもよい。例えば、本体111の側面の周方向に対して斜めの方向に形成されている場合(
図7参照)、麺線の長さ方向に対して斜めの方向に凹凸が形成されることとなるため、それぞれの麺線に偏りなく十分な量の凹凸を形成することができる。
【0065】
本体111の側面にはさらに、窪みc(薄黒色で記載)が形成されていてもよい(
図8参照)。この場合、凹条bのパターンの凹凸と、窪みcのパターンの凹凸と、が同時に形成されることとなるため、麺帯に複雑なパターンの凹凸を形成することができる。窪みcは、凹条bに沿って形成されていてもよい。窪みcは、どのような間隔で形成されていてもよい。
【0066】
一対の揉みローラー11は、駆動側の揉みローラー11と、従動側の揉みローラー11と、で構成されている。一対の揉みローラー11は、それぞれの従動用ギア113が噛合するように配置されている。これにより、一対の揉みローラー11は連動可能となっている。
【0067】
駆動側の揉みローラー11はさらに、回転軸112の他端に固定された駆動用ギア114を含む。
【0068】
一対の揉みローラー11は、互いに隙間aを空けるように並列されている。一対の揉みローラー11は、どのような方向に沿って並列されていてもよい。例えば、一対の揉みローラー11が水平方向に沿って並列されている場合、麺帯の自重によって、麺帯の凹凸形成部1への送り込み及び凹凸形成部1からの送り出しが容易となる。
【0069】
凹凸形成部1はさらに、隙間aの調節機構13を有する。調節機構13は、少なくとも一方の揉みローラー11を移動可能に構成されている。本実施形態では、調節機構13は、隙間aの幅を拡縮可能に構成されている。
【0070】
例えば、調節機構13は、揉みローラー11を回転自在に支持しながら移動させるための可動部材131と、可動部材131の移動方向をガイドするためのスリット構造132と、可動部材131を移動させて固定するボルトを螺入するためのボルト穴構造133と、可動部材131を強く固定しつつ位置を調節するための弾性体134と、を含む。
【0071】
調節機構13は、一対の揉みローラー11の片方のみに対して設けられてもよく、両方のそれぞれに対して設けられてもよい。調節機構13が一方の揉みローラー11のみに対して設けられている場合、支持部材12には、揉みローラー11の回転軸112を丁度挿通可能な貫通穴dが形成されている。これにより、他方の揉みローラー11は支持部材12に回転自在に取付可能である。
【0072】
可動部材131は、スリット構造132の内側に配置され、スリット構造132に嵌合する形状に形成されている。例えば、可動部材131は、長方形板である。可動部材131には、揉みローラー11の回転軸112を丁度挿通可能な貫通穴eが形成されている。これにより、可動部材131は揉みローラー11を回転自在に取付可能である。
【0073】
スリット構造132は、一対の揉みローラー11の並列方向に沿って形成されている。揉みローラー11が取り付けられた可動部材131をスリット構造132に沿って移動させることで、隙間aの幅を拡縮することができる。
【0074】
ボルト穴構造133は、一対の揉みローラー11の並列方向に沿って形成されている。ボルト穴構造133は、スリット構造132に連結されている。ボルト穴構造133にボルトを螺入し、可動部材131を押し出すことで、可動部材131を移動させることができる。このとき、可動部材131をスリット構造132の壁面の押し付けることで、可動部材131を固定することができる。
【0075】
弾性体134は、スリット構造132の内側に配置されている。弾性体134は、可動部材131に対してボルト穴構造133と反対側に配置されている。ボルト穴構造133にボルトを螺入し、可動部材131を弾性体134に押し付けることで、可動部材131を移動可能のまま強く固定することができる。
【0076】
弾性体134としては、隙間aの幅が拡縮される範囲に適する弾性をもつものが選択される。弾性体134の一例として、ゴムやバネが挙げられる。
【0077】
裁断部2は、麺帯が送られる流れを基準として、凹凸形成部1より下流側に配置されている。例えば、一対の揉みローラー11の並列方向が水平方向である場合、裁断部2は、凹凸形成部1より下方に配置されている。
【0078】
裁断部2は、麺帯を裁断して麺線を形成するための一対の切刃ローラー21と、切刃ローラー21を支持するための支持部材22と、を有する。裁断部2は、一対の切刃ローラー21を複数対有してもよい。
【0079】
裁断部2は、麺線を所定の長さにカットするためのカッターを有してもよい。
【0080】
切刃ローラー21は、本体211と、本体211を貫通する回転軸212と、回転軸212の一端に固定された従動用ギア213と、を含む。
【0081】
裁断部2は、凹凸形成部1の調節機構13と同様に、一対の切刃ローラー21の隙間の調節機構を備えてもよい。
【0082】
一対の切刃ローラー21は、駆動側の切刃ローラー21と、従動側の切刃ローラー21と、で構成されている。
【0083】
駆動側の切刃ローラー21はさらに、回転軸212の他端に固定された駆動用ギア214を含む。
【0084】
図9は、制御部3の機能の一例を示している。
図9では、実線矢印は動力の伝達を、破線矢印はデータ又は制御信号の伝達を、それぞれ表している。
【0085】
制御部3は、揉みローラー11にトルクを与えるための動力伝達用ギア31と、切刃ローラー21にトルクを与えるための動力伝達用ギア32と、を有する。
【0086】
動力伝達用ギア31は、従動用ギア113に噛合するように配置されている。動力伝達用ギア32は、従動用ギア213に噛合するように配置されている。
【0087】
制御部3は、動力伝達用ギア31及び動力伝達用ギア32に与えるトルクの大きさを制御するための制御回路33を有してもよい。
【0088】
制御回路33は、動力伝達用ギア31と動力伝達用ギア32の少なくとも一方に与えるトルクの大きさを増減可能に構成されている。例えば、制御回路33は、動力伝達用ギア31と動力伝達用ギア32の少なくとも一方の回転速度を加減可能である。制御回路33は、動力伝達用ギア31と動力伝達用ギア32の両方に与えるトルクの大きさを独立に増減可能に構成されていてもよい。例えば、制御回路33は、動力伝達用ギア31と動力伝達用ギア32の両方の回転速度を独立に加減可能であってもよい。これにより、揉みローラー11や切刃ローラー21の回転速度を加減可能である。
【0089】
制御部3はさらに、回転体にかかるトルクを測定可能に構成されているトルク測定回路34を有してもよい。トルク測定回路34は、トルク測定器の回路を含むことが好ましい。
【0090】
トルク測定回路34は、動力伝達用ギア31と動力伝達用ギア32の少なくとも一方にかかるトルクの測定値を取得可能に構成されている。トルク測定回路34は、動力伝達用ギア31と動力伝達用ギア32の両方にかかるトルクの測定値を取得可能に構成されていてもよい。これにより、揉みローラー11や切刃ローラー21にかかるトルクを測定可能である。
【0091】
制御部3は、トルク測定回路34の代わりに、動力伝達用ギア31と動力伝達用ギア32の少なくとも一方の回転速度の測定値を取得可能に構成されている回転速度測定回路を有してもよい。回転速度測定回路は、回転速度測定器の回路を含むことが好ましい。制御部3は、トルク測定回路34と、回転速度測定回路と、の両方を有してもよい。
【0092】
トルク測定回路34や回転速度測定回路は、測定値を制御回路33へ送信可能に構成されている。この場合、制御回路33は、トルク測定回路34や回転速度測定回路から受信した測定値に基づき、動力伝達用ギア31及び動力伝達用ギア32に与えるトルクの大きさを独立に増減可能に構成されている。
【0093】
本実施形態に係る麺線の製造方法(麺線製造方法S)は、麺帯に凹凸を形成する凹凸形成工程S1と、麺帯を裁断して麺線を形成する裁断工程S2と、を備える。
【0094】
麺線製造方法Sは、麺生地から麺帯を製造する工程を備えてもよい。麺線製造方法Sはさらに、小麦粉などの原材料から麺生地を製造する工程を備えてもよい。
【0095】
麺線製造方法Sは、麺線を用途に応じて加工する工程を備えてもよい。
【0096】
例えば、麺線を蒸煮麺に加工する工程は、麺線を蒸煮する工程と、麺線を成型する工程と、麺線を乾燥させる工程と、麺線を冷却する工程と、麺線を包装する工程と、を有する。麺線を乾燥させる工程は、麺線を油で揚げる工程と、麺線に熱風を吹き付ける工程と、の少なくとも一方を含む。
【0097】
例えば、麺線を調理麺に加工する工程は、麺線を茹でる工程と、麺線を冷却する工程と、麺線を包装する工程と、を有する。麺線を包装する工程は、麺線に調味料小袋や具材などを盛り付ける工程を含んでもよい。
【0098】
麺線製造方法Sでは、どのような装置を使用してもよい。例えば、麺線製造方法Sでは、麺線製造装置Aを使用する。説明の便宜のため、麺線製造方法Sで使用する構成のうち、麺線製造装置Aの構成又はその代替構成に対応するものは、同一の符号を付す。
【0099】
図10~11は、麺線製造装置Aの使用方法を示している。
【0100】
凹凸形成工程S1は、互いに隙間aを空けるように並列されて回転する一対の揉みローラー11に麺帯X1を送り込む工程(送り込み工程S11)と、隙間の調節工程S12と、を有する。
【0101】
送り込み工程S11では、麺帯X1を揉みローラー11で押圧することで、凹凸が形成された麺帯(凹凸麺帯X2)を送り出す。
【0102】
送り込み工程S11は、揉みローラー11にトルクを与えて回転させる工程を含む。この工程(S11)では、駆動用ギア114にトルクを与えてもよい。この工程(S11)ではさらに、動力伝達用ギア31で駆動用ギア114にトルクを与えてもよい。
【0103】
調節工程S12は、隙間aの幅を拡縮する工程(隙間幅拡縮工程S121)を含む。隙間幅拡縮工程S121では、ボルト穴構造133にボルトBを螺入し、可動部材131を押し出すことで、可動部材131をスリット構造132の内側で移動させる。このとき、可動部材131を弾性体134に押し付けながら、ボルトBの螺入量を調節することで、可動部材131の移動量を調節し、隙間aの幅を調節することができる。
【0104】
裁断工程S2は、回転する一対の揉みローラー11に凹凸麺帯X2を送り込む工程(送り込み工程S21)を有する。
【0105】
送り込み工程S21では、凹凸麺帯X2を切刃ローラー21で押圧して裁断することで、凹凸が形成された麺線(凹凸麺線X3)を送り出す。
【0106】
裁断工程S2は、凹凸麺線X3を所定の長さにカットする工程を有してもよい。
【0107】
麺線製造方法Sは、揉みローラー11や切刃ローラー21を制御する制御工程S3を備えてもよい。
【0108】
制御工程S3は、揉みローラー11と切刃ローラー21のうち少なくとも一方の回転速度を加減する工程(回転速度加減工程S31)を有する。
【0109】
回転速度加減工程S31では、動力伝達用ギア31と動力伝達用ギア32の少なくとも一方に与えるトルクの大きさを増減することで、動力伝達用ギア31と動力伝達用ギア32の少なくとも一方の回転速度を加減する。例えば、この工程(S31)では、動力伝達用ギア31と動力伝達用ギア32の少なくとも一方の回転速度を加減する。この工程(S31)では、動力伝達用ギア31と動力伝達用ギア32の両方に与えるトルクの大きさを独立に増減してもよい。例えば、この工程(S31)では、動力伝達用ギア31と動力伝達用ギア32の両方の回転速度を独立に加減してもよい。この工程(S31)では、制御回路33により、トルクの大きさを増減してもよい。
【0110】
揉みローラー11と切刃ローラー21の初期回転速度が同じであっても、揉みローラー11と切刃ローラー21が一連の麺帯(麺帯X1、凹凸麺帯X2、凹凸麺線X3)から受ける抗力の違いによって、揉みローラー11と切刃ローラー21が一連の麺帯を送り出す速さが異なることがある。
【0111】
一連の麺帯の送り出しについて、揉みローラー11が切刃ローラー21よりも速い場合、凹凸麺帯X2は、切刃ローラー21の手前で渋滞する。これを回避したい場合、回転速度加減工程S31では、揉みローラー11に与えるトルクを減らしたり、切刃ローラー21に与えるトルクを増やしたりする。これにより、一連の麺帯の送り出しの速度差を小さくすることができる。
【0112】
一連の麺帯の送り出しについて、揉みローラー11が切刃ローラー21よりも遅い場合、凹凸麺帯X2は、強く引っ張られる。これを回避したい場合、回転速度加減工程S31では、揉みローラー11に与えるトルクを増やしたり、切刃ローラー21に与えるトルクを減らしたりする。これにより、一連の麺帯の送り出しの速度差を小さくすることができる。
【0113】
回転速度加減工程S31は、少なくとも短時間、揉みローラー11が切刃ローラー21よりも速く麺帯を送り出すように、回転速度を加減する工程を含んでもよい。敢えて凹凸麺帯X2を切刃ローラー21の手前で渋滞させることで、凹凸麺帯X2が折り畳まれるため、凹凸麺帯X2にさらなる凹凸を形成することができる。
【0114】
回転速度加減工程S31は、少なくとも短時間、揉みローラー11が切刃ローラー21よりも遅く麺帯を送り出すように、回転速度を加減する工程を含んでもよい。敢えて凹凸麺帯X2を強く引っ張ることで、凹凸麺帯X2を薄くしたり、凹凸麺帯X2にコシを与えたりすることができる。
【0115】
制御工程S3はさらに、トルク測定工程S32を有してもよい。
【0116】
トルク測定工程S32では、揉みローラー11と切刃ローラー21の少なくとも一方にかかるトルクの測定値を取得する。この工程(S32)では、揉みローラー11と切刃ローラー21の両方にかかるトルクの測定値を取得してもよい。この工程(S32)では、トルク測定回路34により、トルクの測定値を取得してもよい。
【0117】
制御工程S3は、トルク測定工程S32の代わりに、揉みローラー11と切刃ローラー21のうち少なくとも一方の回転速度の測定値を取得する工程(回転速度測定工程)を有してもよい。制御工程S3は、トルク測定工程S32と、回転速度測定工程と、の両方を有してもよい。
【0118】
この場合、回転速度加減工程S31では、トルク測定工程S32や回転速度測定工程で取得した測定値に基づき、回転速度を加減する。この工程(S31)は、制御回路33がトルク測定回路34や回転速度測定回路から測定値を受信する工程を含んでもよい。
【0119】
[第二の実施形態]
本発明の第二の実施形態は、第一の実施形態と同様に、麺帯から凹凸が形成された麺線を製造するための製造装置及び製造方法に関する。説明の便宜のため、第二の実施形態の構成のうち、第一の実施形態の構成に対応するものは、同一の符号を付す。
【0120】
第二の実施形態の麺線製造装置は、第一の実施形態の麺線製造装置に対して、調節機構13の要素が少なくとも相違している。その他の構成は、第一の実施形態の麺線製造装置の構成と同一の構成又はその代替構成とすることができる。
【0121】
第二の実施形態の麺線製造方法は、第一の実施形態の麺線製造方法に対して、調節工程S12の要素が少なくとも相違している。その他の構成は、第一の実施形態の麺線製造方法の構成と同一の構成又はその代替構成とすることができる。
【0122】
麺線製造装置Aにおいて、調節機構13は、一対の揉みローラー11のうち第一の揉みローラー11を移動可能に構成されている。本実施形態では、調節機構13は、隙間aの位置を変更可能に構成されている。調節機構13は、隙間aの位置を円周方向に沿って変更可能に構成されていることが好ましい。これにより、隙間aの幅を維持しながら、隙間aの位置を変更することができる。
【0123】
例えば、調節機構13は、第一の揉みローラー11を回転自在に支持しながら移動させるための可動部材131と、可動部材131の移動方向をガイドするためのスリット構造132と、可動部材131を移動させて固定するボルトを螺入するためのボルト穴構造133と、を含む。調節機構13は、可動部材131を強く固定しつつ位置を調節するための弾性体134を含んでもよい。
【0124】
麺線製造方法Sにおいて、調節工程S12は、隙間幅拡縮工程S121の代わりに、隙間aの位置を変更する工程(隙間位置変更工程S122)を含む。この工程(S12)は、隙間幅拡縮工程S121と、隙間位置変更工程S122と、の両方を含んでもよい。
【0125】
【0126】
この一例の麺線製造装置Aにおいて、可動部材131は、スリット構造132の内側に配置され、スリット構造132に嵌合する形状に形成されている。例えば、可動部材131は、円弧形板である。
【0127】
スリット構造132は、一対の揉みローラー11のうち第二の揉みローラー11の円周方向に沿って形成されている。揉みローラー11が取り付けられた可動部材131をスリット構造132に沿って移動させることで、隙間aの位置を変更することができる。
【0128】
ボルト穴構造133は、第二の揉みローラー11の円周方向に沿って複数並列されている。ボルト穴構造133は、スリット構造132に連結されている。ボルト穴構造133にボルトを螺入し、可動部材131をスリット構造132の壁面に押し付けることで、可動部材131を固定することができる。
【0129】
弾性体134は、第二の揉みローラー11の円周方向に沿って、スリット構造132の内側に配置されている。ボルト穴構造133にボルトを螺入し、可動部材131を弾性体134に押し付けることで、可動部材131を強く固定することができる。
【0130】
図13は、この一例における麺線製造装置Aの使用方法を示している。
【0131】
隙間位置変更工程S122では、可動部材131をスリット構造132に沿って移動させ、ボルト穴構造133にボルトBを螺入し、可動部材131をスリット構造132の壁面に押し付けることで、可動部材131の位置を変更して固定することができる。調節機構13が弾性体134を含む場合、可動部材131を弾性体134に押し付けることで、可動部材131を強く固定することができる。
【0132】
図14は、この変更例における麺線製造装置Aの使用方法を示している。
【0133】
この変更例において、可動部材131は、第二の揉みローラー11を軸に回転可能である。これにより、第一の揉みローラー11を、第二の揉みローラー11の円周方向に沿って移動させることができる。
【0134】
隙間位置変更工程S122では、可動部材131を第二の揉みローラー11を軸に回転し、ボルト穴構造133にボルトBを螺入し、可動部材131をスリット構造132の壁面に押し付けることで、可動部材131の位置を変更して固定することができる。調節機構13が弾性体134を含む場合、可動部材131を弾性体134に押し付けることで、可動部材131を強く固定することができる。
【0135】
以上の記載において、本発明の実施形態の構成及びその要素(寸法、形状、配置などを含む。)はあくまで一例である。これらが設計要求などに基づいて変更された場合であっても、その変更された形態が本発明の技術的範囲に属する実施形態であることは自明である。
【符号の説明】
【0136】
A :麺線製造装置
1 :凹凸形成部
11 :揉みローラー
a :隙間
12 :支持部材
13 :調節機構
131 :可動部材
132 :スリット構造
133 :ボルト穴構造
134 :弾性体
2 :裁断部
21 :切刃ローラー
22 :支持部材
3 :制御部
33 :制御回路
34 :トルク測定回路
S :麺線製造方法
S1 :凹凸形成工程
S12 :調節工程
S2 :裁断工程
S3 :制御工程
S31 :回転速度加減工程
S32 :トルク測定工程
X1 :麺帯
【要約】
【課題】変形が施された麺線を得るにあたり、麺帯の段階で変形を十分に施す。
【解決手段】凹凸が形成された麺線の製造装置であって、凹凸形成部1を備え、凹凸形成部1は、互いに隙間aを空けるように並列された一対の揉みローラー11と、一対の揉みローラー11の支持部材12と、隙間aの調節機構13と、有し、調節機構13は、少なくとも一方の揉みローラー11を移動可能に構成されている、装置を提供する。
【選択図】
図1