(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】プレート式熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28F 3/08 20060101AFI20240829BHJP
F28D 9/00 20060101ALI20240829BHJP
F28F 9/02 20060101ALI20240829BHJP
F24H 9/00 20220101ALI20240829BHJP
【FI】
F28F3/08 311
F28D9/00
F28F9/02 Z
F24H9/00 A
(21)【出願番号】P 2020149526
(22)【出願日】2020-09-07
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】小野 貴大
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-026900(JP,A)
【文献】特開2000-130983(JP,A)
【文献】特開平10-253288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 9/00-9/04
F28F 3/00-3/14,9/00-9/26
F24H 1/00-15/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの熱交換体を有する複数のブロックが積層されて構成されるプレート式熱交換器であって、
前記熱交換体は、前記熱交換体の内部空間を流通する熱媒と前記熱交換体の外部を流通する燃焼排気との間で熱交換を行うように構成され、
前記複数のブロックにおける各ブロックには、前記熱媒を前記各ブロックへ導入する導入口と、前記熱媒を前記各ブロックから導出する導出口とが設けられ、
前記複数のブロックにおける隣接するブロックは、前記熱媒が一方のブロックの前記導出口から他方のブロックの前記導入口に流通するように接続され、
前記隣接するブロックは、前記一方のブロックの前記熱交換体の内部空間を流通する前記熱媒の流路方向が、前記他方のブロックの前記熱交換体の内部を流通する前記熱媒のそれと異なるように構成され、
前記プレート式熱交換器の一部を貫通するように、前記熱交換体の積層方向の一端側から他端側に向かって配管が挿通され、
前記配管の他端側端部は、前記配管が最も他端側に位置する他端ブロックを構成する前記熱交換体の前記内部空間と連通するように、前記他端ブロックの前記導入口または前記導出口のいずれか一方の開口に挿通され、
前記配管の前記他端側端部が挿通される前記他端ブロックの前記開口には、その開口縁から
前記他端ブロックの前記一端側に隣接するブロックの前記熱交換体の前記内部空間内に向かって突出する立設壁が設けられているプレート式熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載のプレート式熱交換器において、
前記配管に設けられた配管側位置決め部と最も一端側に位置する一端ブロックに設けられたブロック側位置決め部とが当接することによって、前記一端ブロックからの前記配管の挿通長が規制され、
前記配管は、前記配管側位置決め部から他端側開口部までの第1長さL1が、前記ブロック側位置決め部から前記立設壁の基端部までの第2長さL2よりも長くなるように設定されているプレート式熱交換器。
【請求項3】
請求項2に記載のプレート式熱交換器において、
前記他端ブロックは、前記配管が挿通される前記開口の周縁部に、前記一端側に向かって凹となる凹部を有し、
前記配管は、前記第1長さL1が、前記第2長さL2と前記凹部の深さL3との合計長さ(L2+L3)よりも短くなるように設定されているプレート式熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換体を有する複数のブロックを積層して構成されるプレート式熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
上熱交換プレートと下熱交換プレートとが接合された複数の熱交換体を備えるプレート式熱交換器が提案されている(例えば、特許文献1)。各熱交換体は、上熱交換プレートと下熱交換プレートとの間に熱媒が流通する内部空間と、内部空間を非連通状態で貫通し、燃焼排気が上下方向に流通する複数の貫通孔とを有する。
【0003】
特許文献1におけるプレート式熱交換器は、少なくとも1つの熱交換体を有する複数のブロックを上下方向に積層することにより構成されている。また、上下方向で隣接するブロックは、熱媒が流通するように互いに連通されている。さらに、隣接するブロックは、一方のブロックを流通する熱媒の流路方向が、他方のブロックを流通する熱媒のそれと異なるように構成されている。これにより、熱交換器内を流通する熱媒の流路がブロックの段数に応じて長くなり、熱効率を高めることができる。
【0004】
また、上記プレート式熱交換器では、燃焼排気のガス流路の最下流に位置する最下流ブロックの導入口を構成する最下流熱交換体の1つの開口に熱媒を供給する流入管が挿通されている。さらに、最下流熱交換体よりも燃焼排気のガス流路の上流側の熱交換体には、最下流熱交換体の他の1つの開口に対応する位置に開口が設けられている。そして、最下流熱交換体の他の1つの開口から最上流ブロックの導出口を構成する熱交換体の1つの開口まで流出管を挿通させて、導出口を有する熱交換体の内部空間と流出管とを連通させている。従って、このプレート式熱交換器では、流入管から最下流ブロックへ流入する熱媒は、最下流ブロックから最上流ブロックに向かって流れ、最上流ブロックの導出口から流出管に流出する。そして、流出管に流出する熱媒は、流出管を流下し、プレート式熱交換器の外部に流出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1のプレート式熱交換器を製造する場合、多数の上下熱交換プレートを積層させて、上下熱交換プレートの所定箇所をロウ材等の接合手段により接合する必要がある。そのため、組付け誤差が生じやすく、製品ごとに流出管が挿通される熱交換器側の長さが変化して、流出管の上端部が最上流ブロックの導出口に挿通されない場合がある。このような流出管の上端部が最上流ブロックの導出口に届いていない状態で熱媒が熱交換器内を流通すると、流出管が最上流ブロックの導出口が設けられた熱交換体よりも燃焼排気のガス流路の下流側の熱交換体の内部空間と連通して、最上流ブロックよりも下流側の熱交換体から流出管に熱媒が短絡して流出する。その結果、最上流ブロックへの熱媒の流入量が低下して、熱効率が低下するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、高熱効率のプレート式熱交換器を提供することにある。
【0008】
本発明によれば、
少なくとも1つの熱交換体を有する複数のブロックが積層されて構成されるプレート式熱交換器であって、
前記熱交換体は、前記熱交換体の内部空間を流通する熱媒と前記熱交換体の外部を流通する燃焼排気との間で熱交換を行うように構成され、
前記複数のブロックにおける各ブロックには、前記熱媒を前記各ブロックへ導入する導入口と、前記熱媒を前記各ブロックから導出する導出口とが設けられ、
前記複数のブロックにおける隣接するブロックは、前記熱媒が一方のブロックの前記導出口から他方のブロックの前記導入口に流通するように接続され、
前記隣接するブロックは、前記一方のブロックの前記熱交換体の内部空間を流通する前記熱媒の流路方向が、前記他方のブロックの前記熱交換体の内部を流通する前記熱媒のそれと異なるように構成され、
前記プレート式熱交換器の一部を貫通するように、前記熱交換体の積層方向の一端側から他端側に向かって配管が挿通され、
前記配管の他端側端部は、前記配管が最も他端側に位置する他端ブロックを構成する前記熱交換体の前記内部空間と連通するように、前記他端ブロックの前記導入口または前記導出口のいずれか一方の開口に挿通され、
前記配管の前記他端側端部が挿通される前記他端ブロックの前記開口には、その開口縁から前記他端ブロックの前記一端側に隣接するブロックの前記熱交換体の前記内部空間内に向かって突出する立設壁が設けられているプレート式熱交換器が提供される。
【0009】
上記プレート式熱交換器によれば、他端ブロックは配管の他端側端部が挿通される開口の開口縁に一端側に向かって突出する立設壁を有するから、組付け誤差により配管の他端側端部が開口の開口縁まで届かない場合でも、他端側端部を立設壁に挿通させることができる。これにより、他端ブロック以外の他のブロックの熱交換体の内部空間と配管との連通を抑制することができる。従って、他端ブロックへの熱媒の流入量の低下を防止して、高い熱効率を得ることができる。
【0010】
好ましくは、上記プレート式熱交換器において、
前記配管に設けられた配管側位置決め部と最も一端側に位置する一端ブロックに設けられたブロック側位置決め部とが当接することによって、前記一端ブロックからの前記配管の挿通長が規制され、
前記配管は、前記配管側位置決め部から他端側開口部までの第1長さL1が、前記ブロック側位置決め部から前記立設壁の基端部までの第2長さL2よりも長くなるように設定される。
【0011】
上記プレート式熱交換器によれば、配管側位置決め部から他端側開口部までの第1長さL1がブロック側位置決め部から立設壁の基端部までの第2長さL2よりも長くなるように配管が設定されているから、配管側位置決め部がブロック側位置決め部に当接したとき、立設壁の基端部よりも他端側に配管の他端側開口部を配置させることができる。これにより、確実に他端ブロックの熱交換体以外の他の熱交換体の内部空間と配管との連通を抑制することができる。
【0012】
好ましくは、上記プレート式熱交換器において、
前記他端ブロックは、前記配管が挿通される前記開口の周縁部に、前記一端側に向かって凹となる凹部を有し、
前記配管は、前記第1長さL1が、前記第2長さL2と前記凹部の深さL3との合計長さ(L2+L3)よりも短くなるように設定される。
【0013】
上記プレート式熱交換器によれば、第1長さL1が第2長さL2と開口の周縁部の凹部の深さL3との合計長さ(L2+L3)よりも短くなるように配管が設定されているから、配管側位置決め部がブロック側位置決め部に当接したとき、配管の他端側開口部が凹部よりも他端側に突出するのを防止することができる。これにより、開口が設けられている熱交換体の内部空間への配管の突出量が規制されるから、他端ブロックの開口へ配管の他端側端部を確実に挿通させることができるとともに、開口近傍の内部空間を流れる熱媒の流路抵抗の増加を抑えることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、プレート式熱交換器の製造において組付け誤差が生じても、他端ブロックの開口に確実に配管の他端側端部を挿通させることができる。これにより、他端ブロックの熱交換体以外の熱交換体の内部空間と配管との連通を抑制できるから、高熱効率のプレート式熱交換器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る熱交換器を有する熱源機を示す概略部分切欠斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態に係る熱交換器を示す概略部分分解斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態に係る熱交換器における燃焼排気と熱媒の流れを説明する概略模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態に係る熱交換器における燃焼排気のガス流路の上流域における2つの熱交換体を示す概略分解斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態に係る熱交換器における熱交換体を構成する一方の熱交換プレートの上面の一例を示す概略平面図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態に係る熱交換器における熱交換体を構成する他方の熱交換プレートの上面の一例を示す概略平面図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態に係る熱交換器の一部を示す流出管側の概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施の形態に係るプレート式熱交換器及びそれを備える熱源機について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態に係る熱源機は、流入管20から熱交換器1内に流入する水(熱媒)を、バーナ31で生成される燃焼排気により加熱し、流出管21を通じてカランやシャワーなどの温水利用先(図示せず)に供給する給湯器である。図示しないが、給湯器は、ケーシング内に組み込まれる。なお、熱媒として、他の熱媒(例えば、不凍液)が用いられてもよい。
【0018】
この給湯器では、上方から順に、バーナ31の外郭を構成するバーナボディ3、燃焼室2、熱交換器1、及びドレン受け40が配設される。また、バーナボディ3の一方側方(
図1では、右側)には、バーナボディ3内に燃料ガスと空気との混合ガスを送り込む燃焼ファンを備えるファンケース4が配設される。また、バーナボディ3の他方側方(
図1では、左側)には、ドレン受け40と連通する排気ダクト41が配設される。排気ダクト41は、ドレン受け40に排出される燃焼排気を給湯器の外部に排出する。
【0019】
なお、本明細書では、ファンケース4及び排気ダクト41がバーナボディ3の側方にそれぞれ配置された状態で給湯器を見たとき、奥行方向が前後方向に対応し、幅方向が左右方向に対応し、高さ方向が上下方向に対応する。
【0020】
バーナボディ3は、平面視略小判形状を有し、例えば、ステンレス系金属で形成される。図示しないが、バーナボディ3は、下方に開放している。
【0021】
ファンケース4と連通するガス導入部は、バーナボディ3の中央部から上方に突出している。バーナボディ3は、下向きの燃焼面30を有する平面状のバーナ31を備える。燃焼ファンを作動させることにより、混合ガスがバーナボディ3内に供給される。
【0022】
バーナ31は、全一次空気燃焼式であり、例えば、下向きに開口する多数の炎孔(図示せず)を有するセラミックス製の燃焼プレート、または金属繊維をネット状に編み込んだ燃焼マットからなる。バーナボディ3内に供給された混合ガスが、燃焼ファンの給気圧によって、下向きの燃焼面30から下方へ向けて噴出される。この混合ガスを着火させることにより、バーナ31の燃焼面30に火炎が形成され、燃焼排気が生成される。従って、バーナ31から噴出される燃焼排気は、燃焼室2を介して熱交換器1に送り込まれる。次いで、熱交換器1を通過した燃焼排気は、ドレン受け40及び排気ダクト41を通って給湯器の外部に排出される。
【0023】
すなわち、この熱交換器1では、バーナ31が設けられている上方側が燃焼排気のガス流路の上流側に対応し、バーナ31が設けられている側と反対側の下方側が燃焼排気のガス流路の下流側に対応する。
【0024】
燃焼室2は、平面視略小判形状を有する。燃焼室2は、例えば、ステンレス系金属で形成される。燃焼室2は、上下に開放するように、一枚の略長方形状の金属板を湾曲させて両端部を接合することにより形成される。
【0025】
図2に示すように、熱交換器1は、平面視略小判形状を有する。熱交換器1は、複数(ここでは、13層)の薄板状の熱交換体10が積層されたプレート式熱交換器である。なお、熱交換器1は、その周囲を覆う筐体を有してもよい。
【0026】
図2及び
図3に示すように、熱交換器1は、1または複数の熱交換体10を有する複数(ここでは、4段)のブロック5を上下方向に積み重ねて構成されている(以下、これらのブロック5を総称する場合、単に「ブロック5」という。また、燃焼排気のガス流路に従って、最上段のブロック5を、「最上流ブロック5a」、中段のブロック5を、上流側から順に「第1下流側ブロック5b」、「第2下流側ブロック5c」、最下段のブロック5を、「最下流ブロック5d」という)。最上流ブロック5a及び第1下流側ブロック5bはそれぞれ、1つの熱交換体10から構成されている。また、第2下流側ブロック5cは、5つの熱交換体10が積層されて構成されており、最下流ブロック5dは、6つの熱交換体10が積層されて構成されている。なお、熱交換器1は、3つ以下または5つ以上のブロック5から構成されてもよい。後述するように、1つのブロック5が複数の熱交換体10から構成される場合、水は、その1つのブロック5を構成する各熱交換体10の内部を同一方向に並列に流れる。また、各ブロック5における隣接する熱交換体10は、水が下方から上方に向かって流れるように相互に連通されている。また、隣接するブロック5は、水が下方から上方に向かって流れるように相互に連通されている。また、隣接するブロック5は、一方のブロック5における各熱交換体10の内部を流れる水の流路方向が、他方のブロック5における各熱交換体10の内部を流れる水の流路方向と逆方向となるように構成されている。従って、この熱交換器1は、ブロック5の段数に応じて4つの流路(4パス)を有するように、各ブロック5の水の流路は隣接するブロック5間で折り返されている。これにより、熱交換器1内に長い水の流路が形成され、熱効率を向上させることができる。
【0027】
次に、熱交換体10の構成について説明する。各熱交換体10は、上下貫通孔の位置やコーナ部の通水孔の有無などの一部の構成が相違する以外は、共通の構成を有する一組の上熱交換プレート11と下熱交換プレート12とを上下方向に重ね合わせて、後述する所定箇所をロウ材等の接合手段で接合することにより形成される。このため、以下では、1つの熱交換体10の構成を主に説明する。なお、各図面は、必ずしも実際の寸法を示したものでなく、実施形態を限定するものではない。
【0028】
図2及び
図4~
図6に示すように、上下熱交換プレート11,12は、平面視略小判形状を有する。上下熱交換プレート11,12は、例えば、所定の厚さを有するステンレス製の金属板から形成される。上下熱交換プレート11,12はそれぞれ、コーナ部を除くプレートの略全面に形成された多数の上貫通孔11a,下貫通孔12aと、上下貫通孔11a,12aの周縁部に形成された上貫通孔フランジ部11c,下貫通孔フランジ部12cとを有する。
【0029】
上下熱交換プレート11,12の周縁にはそれぞれ、上方に向かって突出する上周縁接合部W1,下周縁接合部W2が形成されている。上下周縁接合部W1,W2はそれぞれ、上端部が基端部よりも斜め上外方に位置するように上方に向かって所定角度で広がる傾斜壁で形成されている。このため、上下熱交換プレート11,12を積層させると、1つの熱交換体10において、上熱交換プレート11が下熱交換プレート12に内嵌する。また、上方の熱交換体10の下熱交換プレート12が下方に隣接する熱交換体10の上熱交換プレート11に内嵌する。従って、複数の上下熱交換プレート11,12を積層させると、上下熱交換プレート11,12は、燃焼排気のガス流路方向において、これらの周縁接合部W1,W2が所定の高さ重なり合うように配置される(
図7参照)。
【0030】
上下熱交換プレート11,12は、1つの熱交換体10において、下周縁接合部W2と上熱交換プレート11の下面周縁とを接合させたときに、上下熱交換プレート11,12が所定高さの間隙を存して離間するように設定されている。また、上下熱交換プレート11,12は、上周縁接合部W1と上方に隣接する熱交換体10の下熱交換プレート12の下面周縁とを接合させたときに、下方の熱交換体10の上熱交換プレート11と、上方に隣接する熱交換体10の下熱交換プレート12とが所定高さの間隙を存して離間するように設定されている。
【0031】
従って、上下熱交換プレート11,12を接合させることにより、所定の高さの内部空間14が形成される(
図3参照)。また、複数の熱交換体10を接合させることにより、上下に隣接する熱交換体10の間には、所定の高さの排気空間15が形成される(
図3参照)。
【0032】
上下熱交換プレート11,12の周縁領域を除いた領域には、平面視略正方形状の上下貫通孔11a,12aが前後及び左右方向に所定の間隔で千鳥状に開設されている。平面視略正方形状の上下貫通孔11a,12aの周縁部に形成された上下貫通孔フランジ部11c,12cは、上下貫通孔11a,12aの開口縁から周方向外方に略水平に広がり、平面視略正方形状の外形を有する。また、上下熱交換プレート11,12の周縁領域には、平面視略五角形状の上下貫通孔11a,12aが前後または左右方向に所定の間隔で開設されている。平面視略五角形状の上下貫通孔11a,12aの周縁部に形成された上下貫通孔フランジ部11c,12cは、上下貫通孔11a,12aの開口縁から周方向外方に略水平に広がり、平面視略五角形状の外形を有する。上下貫通孔11a,12aは、略円形状や略楕円形状などの他の形状を有してもよい。なお、全ての上下貫通孔11a,12aは同一の大きさ及び形状を有してもよいし、全ての上下貫通孔フランジ部11c,12cは同一の大きさ及び形状を有してもよい。
【0033】
上下貫通孔11a,12a及び上下貫通孔フランジ部11c,12cはそれぞれ、上下熱交換プレート11,12が重ね合わされたときに相互に対応する位置に形成されている。また、上下貫通孔11a,12a及び上下貫通孔フランジ部11c,12cは、絞り加工により、上下熱交換プレート11,12が重ね合わされたときに対向する上下貫通孔フランジ部11c,12cが面接触するように、内方に突出する段差部の底面に形成されている。
【0034】
従って、上下熱交換プレート11,12が重ね合わされた状態で、上下貫通孔フランジ部11c,12cがロウ材等の接合手段により接合されると、上下貫通孔フランジ部11c,12cによって内部空間14を閉塞するフランジ部16が形成される(
図7参照)。また、上下貫通孔11a,12aによって内部空間14を非連通状態で貫通する貫通孔13が形成される。
【0035】
最上層の熱交換体10(以下、「最上流熱交換体10a」という)の上熱交換プレート11を除いて、上下熱交換プレート11,12はそれぞれ、少なくとも1つのコーナ部に、上通水孔11e,下通水孔12eを有する。1つの熱交換体10を形成する上下熱交換プレート11,12の少なくとも1つのコーナ部に設けられた上下通水孔11e,12eは、上下熱交換プレート11,12が重ね合わされたとき、上下熱交換プレート11,12の間に形成される内部空間14と連通するように開口している。
【0036】
上下通水孔11e,12eの周縁部にはそれぞれ、上下通水孔11e,12eの開口縁11h,12hから周方向外方に略水平に広がる上通水孔フランジ部11f,下通水孔フランジ部12fが形成されている。上通水孔11e及び上通水孔フランジ部11fはそれぞれ、隣接する熱交換体10が重ね合わされたときに隣接する熱交換体10の下通水孔12e及び下通水孔フランジ部12fと相互に対応する位置に形成されている。また、上通水孔11e及び上通水孔フランジ部11fは、絞り加工により、上熱交換プレート11と上方に隣接する熱交換体10の下熱交換プレート12とが重ね合わされたときに対向する上下通水孔フランジ部11f,12fが面接触するように、外方に向かって突出する段差部の上面に形成されている。同様に、下通水孔12e及び下通水孔フランジ部12fは、絞り加工により、下熱交換プレート12と下方に隣接する熱交換体10の上熱交換プレート11とが重ね合わされたときに対向する上下通水孔フランジ部11f,12fが面接触するように、外方に向かって突出する段差部の底面に形成されている。
【0037】
従って、隣接する熱交換体10の上下熱交換プレート11,12が重ね合わされた状態で、上下通水孔フランジ部11f,12fがロウ材等の接合手段により接合されると、上下通水孔フランジ部11f,12fによって隣接する熱交換体10の間の排気空間15を閉塞する通水孔フランジ部64が形成される。また、隣接する熱交換体10における上下に対向する上下通水孔11e,12eによって、内部空間14と連通する通水孔63が形成される。また、上下通水孔11e,12eの周縁部における内部空間14は、他の内部空間14よりも上下方向で広くなっている。このため、上通水孔11eの周縁部には、上方に凹の上凹部65が形成され、下通水孔12eの周縁部には、下方に凹の下凹部66が形成される。
【0038】
図7に示すように、下通水孔12eはバーリング加工によって開設されている。このため、下熱交換プレート12は、下通水孔12eの開口縁12hから下方(燃焼排気のガス流路の下流側)に突出するバーリング部(立設壁)12gを有する。従って、下通水孔12eの開口縁12hが、バーリング部12gの基端部を構成する。また、上下熱交換プレート11,12が重ね合わされたとき、バーリング部12gは下方に隣接する熱交換体10の上熱交換プレート11の上通水孔フランジ部11fよりも下方に突出する。なお、下方に突出するバーリング部は、上熱交換プレート11の上通水孔11eに形成してもよいし、上下通水孔11e,12eの両方に形成してもよい。
【0039】
図3に示すように、熱交換体10の貫通孔13はいずれも、隣接する熱交換体10における一方の熱交換体10の貫通孔13が他方の熱交換体10の貫通孔13と、燃焼排気のガス流路方向に対して垂直に交差する左右方向にずれるように配置されている。すなわち、上下で隣接する熱交換体10は、一方の熱交換体10の貫通孔13の投影面が他方の熱交換体10の貫通孔13と重ならないように配置されている。従って、上流側から流れてきた燃焼排気は、1つの熱交換体10の貫通孔13を通過した後、その熱交換体10と下流側に隣接する熱交換体10との間の排気空間15に流れ出る。そして、排気空間15に流れ出た燃焼排気は、下流側に隣接する熱交換体10の上熱交換プレート11に衝突し、下流側に隣接する熱交換体10の貫通孔13からさらに下流側に流れる。すなわち、燃焼排気が熱交換器1内を上流側から下流側に向かって流れるとき、熱交換器1内にはジグザグ状のガス流路が形成される。これにより、熱交換器1内における燃焼排気と上下熱交換プレート11,12との接触時間が増加する。
【0040】
次に、
図3を参照して、熱交換器1における燃焼排気及び水の流れを説明する。各ブロック5は、水をブロック5内部に導入する導入口71と、水をブロック5外部に導出する導出口72とを有する。導入口71はそれぞれ、各ブロック5の燃焼排気のガス流路の最下流に位置する熱交換体10の所定の下通水孔12eによって構成される。また、導出口72は、最上流ブロック5a以外の各ブロック5b,5c,5dにおける燃焼排気のガス流路の最上流に位置する熱交換体10の所定の上通水孔11e、及び最上流ブロック5aにおける熱交換体10の所定の下通水孔12eによって構成される。なお、煩雑化を避けるため、
図3中、フランジ部16やバーリング部12gなどの一部の構成は省略されている。
【0041】
燃焼排気のガス流路の最下流に位置する熱交換体10(以下、「最下流熱交換体10s」という)を形成する下熱交換プレート12の右側前方のコーナ部の下通水孔12eには、流入管20が接続されている。また、最下流熱交換体10sを形成する下熱交換プレート12の右側後方のコーナ部の下通水孔12eには、熱交換器1の一部を貫通するように最下流熱交換体10sから最上流熱交換体10aまで上方に向かって延びる流出管21が挿通されている。流出管21の上端部は、最上流熱交換体10aを形成する下熱交換プレート12の右側後方のコーナ部の下通水孔12eに挿通されている。従って、本実施の形態では、最下流熱交換体10s側が熱交換体10の積層方向の一端側に、最上流熱交換体10a側が熱交換体10の積層方向の他端側に対応し、最上流ブロック5aが最も他端側の他端ブロックに、最下流ブロック5dが最も一端側の一端ブロックに対応する。また、最上流ブロック5aの導出口72が、配管の他端側端部が挿通される開口に対応する。
【0042】
流出管21の上端開口部は、最上流熱交換体10aの内部空間14と連通している。また、流出管21が最下流熱交換体10sから最上流熱交換体10aまで挿通されると、流出管21は最上流熱交換体10a以外の熱交換体10の内部空間14及び隣接する熱交換体10間の全ての排気空間15を非連通状態で貫通する。
【0043】
従って、右側前方のコーナ部の下通水孔12e(導入口71)から最下流ブロック5dの各熱交換体10の内部空間14内に流入する水は、内部空間14内を左右方向の一方向(
図3中、右側から左側)に流れる。また、左側前後両方のコーナ部の上下通水孔11e,12e(導出口72及び導入口71)を介して第2下流側ブロック5cの各熱交換体10の内部空間14に流入する水は、内部空間14内を左右方向の一方向(
図3中、左側から右側)に流れる。この第2下流側ブロック5cの熱交換体10の内部空間14を流通する水の流路方向は、最下流ブロック5dのそれと反対になる。また、右側前方のコーナ部の上下通水孔11e,12e(導出口72及び導入口71)を介して第1下流側ブロック5bの熱交換体10(以下、「第2熱交換体10b」という)の内部空間14内に流入する水は、内部空間14内を左右方向の一方向(
図3中、右側から左側)に流れる。この第2熱交換体10bの内部空間14を流通する水の流路方向は、第2下流側ブロック5cのそれと反対になる。また、左側前後両方のコーナ部の上下通水孔11e,12e(導出口72及び導入口71)を介して最上流熱交換体10aの内部空間14内に流入する水は、内部空間14内を左右方向の一方向(
図3中、左側から右側)に流れる。この最上流熱交換体10aの内部空間14を流通する水の流路方向は、第2熱交換体10bのそれと反対になる。そして、最上流熱交換体10aの内部空間14内を流通する水は、最上流熱交換体10aの右側後方のコーナ部の下通水孔12e(導出口72)に挿通された流出管21に流出する。流出管21に流出する水は、流出管21を流下し、熱交換器1の外部に流出する。このように、燃焼排気のガス流路の上流域における最上流熱交換体10a及び第2熱交換体10bは、第2熱交換体10bの内部に流入する全ての水が最上流熱交換体10aに流入するように、直列に接続されている。また、最下流ブロック5dの複数の熱交換体10は、複数の平行流路が形成されるように並列に接続されている。第2下流側ブロック5cも最下流ブロック5dと同様の構成を有する。
【0044】
次に、本実施の形態の熱交換器1の製造方法について説明する。1枚の下枠プレート101、所定枚数の上下熱交換プレート11,12、及び1枚の上枠プレート102の所定箇所にロウ材等の接合手段を供給しながらこれらのプレートを積層させる。図示しないが、下通水孔12eのバーリング部12gの外径は、対応する下枠プレート101の開口の内径よりも若干小さく設定されている。
【0045】
次いで、下枠プレート101の開口を介して最下流熱交換体10sの右側前方の下通水孔12eに第1配管である流入管20の上端部を挿通させる。また、下枠プレート101の他の開口を介して最下流熱交換体10sの右側後方の下通水孔12eから第2配管である流出管21を上方に向かって挿通させる。そして、最下流熱交換体10sの右側前方の下通水孔12eに挿通されている流入管20の外周面と、最下流熱交換体10sの右側後方の下通水孔12eに挿通されている流出管21の外周面とにロウ材等の接合手段を供給してサブアセンブリを調製する。このサブアセンブリを炉中に投入してロウ付け処理を行うことにより、熱交換器1を製造することができる。
【0046】
図7は、本実施の形態の熱交換器1の一部を示す流出管21側の概略部分断面図である。なお、
図7では、燃焼排気のガス流路の上下流域の構成のみが示されているが、中流域の構成も同様である。
図7に示すように、流出管21は、上端部から下端部近傍まで一定の外径を有する小径部21aと、下端部近傍に小径部21aの外径よりも大きな外径を有する大径部21bとを有する。流出管21の小径部21aは、上下通水孔11e,12eの内径と略同一の外径を有する。また、流出管21の大径部21bは、バーリング部12gの外径よりも大きな外径を有する。このため、流出管21を下方から上方に向かって挿通させていくと、大径部21bの上端が最下流熱交換体10sの下熱交換プレート12の下通水孔12eに設けられたバーリング部12gの下端に当接する。これにより、流出管21の熱交換器1への挿通長が規制される。従って、流出管21の大径部21bの上端が配管側位置決め部を構成し、上記バーリング部12gの下端がブロック側位置決め部を構成する。
【0047】
また、本実施の形態において、大径部21bの上端から流出管21の上端部までの小径部21aの第1長さL1は、最下流熱交換体10sの下熱交換プレート12の下通水孔12eに設けられたバーリング部12gの下端から最上流ブロック5aの導出口72を形成する最上流熱交換体10aの下熱交換プレート12の下通水孔12eの開口縁12hまでの第2長さL2よりも長く、第2長さL2と下通水孔12eの周縁部の下凹部66の深さL3との合計長さ(L2+L3)よりも短くなるように設定されている。
【0048】
既述したように、多数の上下熱交換プレート11,12を積層させて構成されるプレート式熱交換器1では、組付け誤差により製品によって最下流熱交換体10sの下熱交換プレート12の下通水孔12eから最上流熱交換体10aの下熱交換プレート12の下通水孔12e(すなわち、最上流ブロック5aの導出口72)までの長さが変化しやすい。このため、単一径の流出管21を用いた場合、流出管21を所定長さ熱交換器1内に挿通させても、製品によっては流出管21の上端部が最上流熱交換体10aの下熱交換プレート12の下通水孔12eに届かない場合がある。そのため、最上流ブロック5aよりも下流側の熱交換体10の内部空間14と流出管21とが連通して、下流側の熱交換体10の内部空間14から水が流出管21に短絡して流出する。その結果、最上流ブロック5aに流入する水の流入量が減少して、熱効率が低下する。
【0049】
しかしながら、本実施の形態によれば、最上流ブロック5aの導出口72を形成する最上流熱交換体10aの下熱交換プレート12は、下通水孔12eの開口縁12hから下流側に向かって突出するバーリング部12gを有するから、組付け誤差により流出管21の上端部が上記下通水孔12eの開口縁12hよりも下方の位置までしか挿通されない場合でも、流出管21の上端部をバーリング部12gに挿通させることができる。これにより、最上流ブロック5aよりも下流側の熱交換体10から流出管21に水が短絡して流出するのを抑制することができる。従って、最上流ブロック5aへの水の流入量の低減が防止され、高い熱効率を得ることができる。
【0050】
また、熱交換器1への流出管21の挿通長を長くすることも考えられるが、組付け誤差により最下流熱交換体10sの下熱交換プレート12の下通水孔12eから最上流熱交換体10aの下熱交換プレート12の下通水孔12eまでの長さが短くなる場合がある。そのため、流出管21の挿通長を長くすると、最上流熱交換体10aの内部空間14内に流出管21が大きく突出して内部空間14を閉塞する。その結果、水の流路抵抗が増加して熱効率が低下する虞がある。
【0051】
しかしながら、本実施の形態によれば、流出管21の下端部近傍に設けられた大径部21bの上端が最下流熱交換体10sの下熱交換プレート12の下通水孔12eに設けられたバーリング部12gの下端と当接することにより、熱交換器1内への流出管21の挿通が規制される。そして、上記流出管21の小径部21aの第1長さL1は、大径部21bの上端が当接する最下流熱交換体10sの下熱交換プレート12の下通水孔12eに設けられたバーリング部12gの下端から最上流熱交換体10aの下熱交換プレート12の下通水孔12eの開口縁12hまでの第2長さL2よりも長い。従って、大径部21bの上端が最下流熱交換体10sの下熱交換プレート12の下通水孔12eに設けられたバーリング部12gの下端に当接するまで流出管21の小径部21aを熱交換器1内に挿通させると、少なくとも上記下通水孔12eの開口縁12hよりも上方に流出管21の上端開口部が配置される。これにより、組付け誤差が生じても、確実に最上流ブロック5aよりも下流側の熱交換体10から流出管21に水が短絡して流出するのを抑制することができる。
【0052】
また、本実施の形態によれば、流出管21の小径部21aの第1長さL1は、第2長さL2と上記下通水孔12eの周縁部の下凹部66の深さL3との合計長さ(L2+L3)よりも短くなるように設定されている。従って、大径部21bの上端が最下流熱交換体10sの下熱交換プレート12の下通水孔12eに設けられたバーリング部12gの下端に当接すると、流出管21の上端開口部は最上流熱交換体10aの下熱交換プレート12の下通水孔12eの開口縁12hよりも上方で、且つ下凹部66の上端よりも下方に配置される。これにより、流出管21が最上流熱交換体10aの内部空間14内に突出しても、内部空間14を流れる水の流路抵抗の増加を防止して、円滑に最上流ブロック5aの熱交換体10から流出管21に水を流出させることができる。これにより、さらに熱効率を向上させることができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、最も一端側の一端ブロックである最下流ブロック5dの導入口71に接続された流入管20から最下流ブロック5dに水が流入し、最も他端側の他端ブロックである最上流ブロック5aの導出口72に接続された流出管21から水が流出する。しかしながら、熱媒の流れは逆方向としてもよい。すなわち、最上流ブロック5aに熱媒を流入させ、最下流ブロック5dから熱媒を流出させてもよい。この場合、流入管20が流出管を構成し、流出管21が流入管を構成する。また、最上流熱交換体10aの下熱交換プレート12の下通水孔12eが導入口を構成する。
【0054】
(その他の実施の形態)
(1)上記実施の形態では、最上流ブロックは1つの熱交換体から形成される。しかしながら、最上流ブロックは複数の熱交換体から形成されてもよい。この場合、最上流ブロックを構成する複数の熱交換体のうち最下流に位置する熱交換体の所定の下通水孔が導出口を形成する。この熱交換器においても、好ましくは、配管の第1長さL1は、第2長さL2よりも長く、第2長さL2と凹部の深さL3との合計長さ(L2+L3)よりも短く設定される。これにより、熱媒の流路抵抗の増加を防止して、最上流ブロックの最下流に位置する熱交換体の内部空間から熱媒を円滑に配管に流出させることができる。
【0055】
(2)上記実施の形態では、下向きの燃焼面を有するバーナが熱交換器の上方に配設されている。しかしながら、上向きの燃焼面を有するバーナが熱交換器の下方に配設されてもよい。この場合、燃焼排気の流路は上下逆転するため、最上層熱交換体が最下流熱交換体に、最下層熱交換体が最上流熱交換体に対応する。また、燃焼排気はプレート式熱交換器を左右方向に流通してもよい。
【0056】
(3)上記実施の形態では、複数の熱交換体が上下に積層されている。しかしながら、複数の熱交換体は左右に積層させてもよい。
【0057】
(4)上記実施の形態では、給湯器が用いられているが、ボイラなどの熱源機が用いられてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 プレート式熱交換器
5 ブロック
10 熱交換体
12h 開口縁
14 内部空間
21 流出管
71 導入口
72 導出口