(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】駐車場管制装置、駐車場管制システム、駐車場管制プログラム及び駐車場管制方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20240829BHJP
B60W 30/06 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
G08G1/14 A
B60W30/06
(21)【出願番号】P 2020201425
(22)【出願日】2020-12-04
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(73)【特許権者】
【識別番号】000101617
【氏名又は名称】アマノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】上山 浩行
(72)【発明者】
【氏名】仲野 綾華
(72)【発明者】
【氏名】阿部 朋子
(72)【発明者】
【氏名】田中 優
(72)【発明者】
【氏名】山本 陽香
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 幸紀子
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-038510(JP,A)
【文献】国際公開第2017/099037(WO,A1)
【文献】特開2020-134965(JP,A)
【文献】特開2012-226587(JP,A)
【文献】特開2019-066932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の外部環境を撮影可能な1以上の場外カメラが撮影した画像である場外画像を受信可能な通信インターフェースと、
前記駐車場に駐車された自動運転車両
の車載カメラにより降車前の乗員の画像である乗員画像を取得する駐車受付部と、
前記場外画像を取得し、前記場外画像から前記乗員を示すオブジェクトである乗員オブジェクトを抽出し、前記乗員オブジェクトに基づき乗員の位置である乗員位置を判断し、前記乗員位置から前記駐車場の乗車場までの距離
と、前記乗員画像から顔認証により推定した年代を含む乗員の属性とに基づき、前記乗員が前記乗車場に到着すると予測される時刻である乗員到着予測時刻を判断する乗員到着予測時刻判断部と、
前記乗員到着予測時刻に、前記乗車場に前記自動運転車両を迎車する迎車制御部
として動作するよう構成された制御回路と、
を具備する駐車場管制装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駐車場管制装置であって、
前記乗員到着予測時刻判断部は、前記
乗員の属性及び前記駐車場が存在する施設の混雑度に基づき、前記乗員到着予測時刻を判断する
駐車場管制装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の駐車場管制装置であって、
前記乗員到着予測時刻判断部は、前記乗員が複数である場合、複数の前記乗員の全てが前記乗車場に到着する時刻を、前記乗員到着予測時刻として判断する
駐車場管制装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の駐車場管制装置であって、
前記通信インターフェースは、さらに、前記乗員が所持する端末装置と通信可能であり、
前記制御回路は、さらに、
前記乗車場に前記自動運転車両を迎車することが可能な迎車可能時刻を判断し、前記迎車可能時刻を前記端末装置に通知する迎車可能時刻判断部として動作する
駐車場管制装置。
【請求項5】
請求項4に記載の駐車場管制装置であって、
前記迎車可能時刻判断部は、前記乗車場の混雑度、迎車待ち車両の数、前記迎車待ち車両の属性、前記迎車待ち車両の乗員の属性、及び/又は前記駐車場が存在する施設の混雑度に基づき、前記迎車可能時刻を判断する
駐車場管制装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の駐車場管制装置であって、
前記制御回路は、さらに、
前記乗員到着予測時刻から前記迎車可能時刻までの待ち時間を算出し、前記待ち時間を前記端末装置に通知する待ち時間判断部として動作する
駐車場管制装置。
【請求項7】
請求項6に記載の駐車場管制装置であって、
前記待ち時間判断部は、前記待ち時間が閾値を超える場合、前記待ち時間を利用したイベントの提案を前記端末装置に通知する
駐車場管制装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の駐車場管制装置であって、
前記制御回路は、さらに、
前記乗車場に前記自動運転車両を迎車する指定時刻である迎車指定時刻を取得する迎車受付部として動作し、
前記迎車制御部は、前記迎車指定時刻と前記乗員到着予測時刻とが異なる場合、前記乗員到着予測時刻に、前記乗車場に前記自動運転車両を迎車する
駐車場管制装置。
【請求項9】
駐車場の外部環境を撮影可能な1以上の場外カメラと、
前記1以上の場外カメラが撮影した画像である場外画像を受信可能な通信インターフェースと、
前記駐車場に駐車された自動運転車両
の車載カメラにより降車前の乗員の画像である乗員画像を取得する駐車受付部と、
前記場外画像を取得し、前記場外画像から前記乗員を示すオブジェクトである乗員オブジェクトを抽出し、前記乗員オブジェクトに基づき乗員の位置である乗員位置を判断し、前記乗員位置から前記駐車場の乗車場までの距離
と、前記乗員画像から顔認証により推定した年代を含む乗員の属性とに基づき、前記乗員が前記乗車場に到着すると予測される時刻である乗員到着予測時刻を判断する乗員到着予測時刻判断部と、
前記乗員到着予測時刻に、前記乗車場に前記自動運転車両を迎車する迎車制御部
として動作するよう構成された制御回路と、
を有する駐車場管制装置と、
を具備する駐車場管制システム。
【請求項10】
駐車場に駐車された自動運転車両
の車載カメラにより降車前の乗員の画像である乗員画像を取得する処理と、
前記駐車場の外部環境を撮影可能な1以上の場外カメラが撮影した画像である場外画像を取得し、前記場外画像から前記乗員を示すオブジェクトである乗員オブジェクトを抽出し、前記乗員オブジェクトに基づき乗員の位置である乗員位置を判断し、前記乗員位置から前記駐車場の乗車場までの距離
と、前記乗員画像から顔認証により推定した年代を含む乗員の属性とに基づき、前記乗員が前記乗車場に到着すると予測される時刻である乗員到着予測時刻を判断する処理と、
前記乗員到着予測時刻に、前記乗車場に前記自動運転車両を迎車する処理と
を駐車場管制システムのコンピュータに実行させる
駐車場管制プログラム。
【請求項11】
駐車場に駐車された自動運転車両
の車載カメラにより降車前の乗員の画像である乗員画像を取得する工程と、
前記駐車場の外部環境を撮影可能な1以上の場外カメラが撮影した画像である場外画像を取得する工程と、
前記場外画像から前記乗員を示すオブジェクトである乗員オブジェクトを抽出し、前記乗員オブジェクトに基づき乗員の位置である乗員位置を判断し、前記乗員位置から前記駐車場の乗車場までの距離
と、前記乗員画像から顔認証により推定した年代を含む乗員の属性とに基づき、前記乗員が前記乗車場に到着すると予測される時刻である乗員到着予測時刻を判断する工程と、
前記乗員到着予測時刻に、前記乗車場に前記自動運転車両を迎車する工程と
を備える
駐車場管制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動バレー駐車サービス対応駐車場における、車両の管制装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ショッピングモール等屋内型の大規模立体駐車場に併設される複合施設においては、駐車場利用者が施設内を回遊した後に帰宅する際、買い物が終わって大きな荷物を抱えてきた時にでも、自分のいる現在位置付近の駐車スペースに自動運転車両が駐車され、あまり待たずに乗車できる自動バレーパーキングサービスの実現が望まれている。
【0003】
特許文献1では、施設に付帯する駐車場において車両を運行するための自動バレーパーキング装置において、駐車場内部の各駐車スペースまでの経路情報を管理する駐車場内地図データベースと、各駐車スペース毎の満空情報を管理する空きスペース情報データベースと、施設内における駐車場利用者の行動を示す施設回遊情報を蓄積する施設回遊情報データベースと、各駐車スペース毎の満空情報を検出し、駐車スペースまでの経路探索を行い、探索された駐車位置までの経路情報をもとにして駐車スペースに車両を自動駐車する第1の手段と、駐車場利用者に対して駐車位置に関する情報を、携帯端末を通してお知らせする第2の手段を備える自動バレーパーキング装置及び方法が開示されている。
【0004】
特許文献2では、駐車場からの車両の適切な出庫を行うため、管理装置は、車両の駐車場からの出庫を、車両を自走させることによって実施し、当該管理装置は、車両のユーザにより指定された出庫時刻より所定時間前に、又は、ユーザにより出庫指示があった時に、ユーザの現在位置を取得する取得手段と、取得された現在位置に基づいて、ユーザの車両への乗車予定位置への到着時刻を推定する推定手段と、推定された到着時刻を考慮して車両の出庫時刻を調整する調整手段と、を備える管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-182263号公報
【文献】特開2019-066932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の自動バレーパーキング装置及び方法では、駐車場利用者が予め設定した情報や携帯端末を介して得られた施設内の駐車場利用者の状態に関する情報を活用して、施設内の回遊状態の情報を得ているが、駐車場利用者が予め設定した通りの行動を常に繰り返すとは限らない。
【0007】
また、駐車場利用者の携帯端末に駐車位置の情報を通知して、駐車場利用者に自動駐車した位置を通知する必要があるが、駐車場利用者が回遊行動を変更したり、予定外の場所に移動した場合など、自動駐車の再調整が繰り返されることになり、駐車場内の無駄な自動走行が増加してしまい、他の自動運転車両や非自動運転車両の走行を阻害しかねない。
【0008】
また、駐車場利用者が駐車場に戻る際には、駐車位置の確認が必要であり、確認を失念した場合には、駐車時と異なる駐車位置の乗車スペースに自車両が移動してしまったりする可能性もあり、利便性が良いとは言えない。
【0009】
特許文献2の管理装置においても、ユーザの出庫指示か、若しくはユーザの現在位置をユーザ端末から把握してユーザの乗車予定位置への到着を推定しているが、予めユーザ端末を登録しなければならず、ユーザに指示入力や登録の手間を取らせるため、やはり利便性が良いとはいえない。
【0010】
以上のような事情に鑑み、本発明は、自動運転モードの車両(自動運転車両)が自動走行により駐車することができる自動バレーパーキング対応駐車場において、駐車車両の駐車位置の確認等を必要とせず、特に自動運転車両の利用者にとって利便性が向上する駐車場管制装置を実現するのが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一形態に係る駐車場管制装置は、
駐車場の外部環境を撮影可能な1以上の場外カメラが撮影した画像である場外画像を受信可能な通信インターフェースと、
前記駐車場に駐車された自動運転車両の乗員の画像である乗員画像を取得する駐車受付部と、
前記場外画像を取得し、前記場外画像から前記乗員を示すオブジェクトである乗員オブジェクトを抽出し、前記乗員オブジェクトに基づき乗員の位置である乗員位置を判断し、前記乗員位置から前記駐車場の乗車場までの距離に基づき、前記乗員が前記乗車場に到着すると予測される時刻である乗員到着予測時刻を判断する乗員到着予測時刻判断部と、
前記乗員到着予測時刻に、前記乗車場に前記自動運転車両を迎車する迎車制御部
として動作するよう構成された制御回路と、
を具備する。
【0012】
前記乗員到着予測時刻判断部は、前記乗員オブジェクトに含まれる前記乗員の属性、及び/又は前記駐車場が存在する施設の混雑度に基づき、前記乗員到着予測時刻を判断してもよい。
【0013】
前記乗員到着予測時刻判断部は、前記乗員が複数である場合、複数の前記乗員の全てが前記乗車場に到着する時刻を、前記乗員到着予測時刻として判断してもよい。
【0014】
前記通信インターフェースは、さらに、前記乗員が所持する端末装置と通信可能であり、
前記制御回路は、さらに、
前記乗車場に前記自動運転車両を迎車することが可能な迎車可能時刻を判断し、前記迎車可能時刻を前記端末装置に通知する迎車可能時刻判断部として動作してもよい。
【0015】
前記迎車可能時刻判断部は、前記乗車場の混雑度、迎車待ち車両の数、前記迎車待ち車両の属性、前記迎車待ち車両の乗員の属性、及び/又は前記駐車場が存在する施設の混雑度に基づき、前記迎車可能時刻を判断してもよい。
【0016】
前記制御回路は、さらに、
前記乗員到着予測時刻から前記迎車可能時刻までの待ち時間を算出し、前記待ち時間を前記端末装置に通知する待ち時間判断部として動作してもよい。
【0017】
前記待ち時間判断部は、前記待ち時間が閾値を超える場合、前記待ち時間を利用したイベントの提案を前記端末装置に通知してもよい。
【0018】
前記制御回路は、さらに、
前記乗車場に前記自動運転車両を迎車する指定時刻である迎車指定時刻を取得する迎車受付部として動作し、
前記迎車制御部は、前記迎車指定時刻と前記乗員到着予測時刻とが異なる場合、前記乗員到着予測時刻に、前記乗車場に前記自動運転車両を迎車してもよい。
【0019】
本開示の一形態に係る駐車場管制システムは、
駐車場の外部環境を撮影可能な1以上の場外カメラと、
前記1以上の場外カメラが撮影した画像である場外画像を受信可能な通信インターフェースと、
前記駐車場に駐車された自動運転車両の乗員の画像である乗員画像を取得する駐車受付部と、
前記場外画像を取得し、前記場外画像から前記乗員を示すオブジェクトである乗員オブジェクトを抽出し、前記乗員オブジェクトに基づき乗員の位置である乗員位置を判断し、前記乗員位置から前記駐車場の乗車場までの距離に基づき、前記乗員が前記乗車場に到着すると予測される時刻である乗員到着予測時刻を判断する乗員到着予測時刻判断部と、
前記乗員到着予測時刻に、前記乗車場に前記自動運転車両を迎車する迎車制御部
として動作するよう構成された制御回路と、
を有する駐車場管制装置と、
を具備する。
【0020】
本開示の一形態に係る駐車場管制プログラムは、
駐車場に駐車された自動運転車両の乗員の画像である乗員画像を取得する処理と、
前記駐車場の外部環境を撮影可能な1以上の場外カメラが撮影した画像である場外画像を取得し、前記場外画像から前記乗員を示すオブジェクトである乗員オブジェクトを抽出し、前記乗員オブジェクトに基づき乗員の位置である乗員位置を判断し、前記乗員位置から前記駐車場の乗車場までの距離に基づき、前記乗員が前記乗車場に到着すると予測される時刻である乗員到着予測時刻を判断する処理と、
前記乗員到着予測時刻に、前記乗車場に前記自動運転車両を迎車する処理を、
駐車場管制システムのコンピュータに実行させる。
【0021】
本開示の一形態に係る駐車場管制方法は、
駐車場に駐車された自動運転車両の乗員の画像である乗員画像を取得する工程と、
前記駐車場の外部環境を撮影可能な1以上の場外カメラが撮影した画像である場外画像を取得する工程と、
前記場外画像から前記乗員を示すオブジェクトである乗員オブジェクトを抽出し、前記乗員オブジェクトに基づき乗員の位置である乗員位置を判断し、前記乗員位置から前記駐車場の乗車場までの距離に基づき、前記乗員が前記乗車場に到着すると予測される時刻である乗員到着予測時刻を判断する工程と、
前記乗員到着予測時刻に、前記乗車場に前記自動運転車両を迎車する工程とを備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、自動運転モードの車両(自動運転車両)が自動走行により駐車することができる自動バレー駐車サービス対応駐車場において、駐車車両の駐車位置の確認等を必要とせず、特に自動運転車両の利用者にとって、利便性が向上する。
【0023】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態に係る駐車場管制システムの構成例を示す概略図である。
【
図2】自動バレー駐車サービス対応の駐車場の構成例を示す模式図である。
【
図3】自動運転機能を有する車両の構成例を示す模式図である。
【
図4】駐車場管制装置の機能の概要を示すブロック図である。
【
図6】駐車場管制装置の動作フロー(駐車時)を示す。
【
図7】場外カメラにより撮影された乗員画像の一例を示す。
【
図8】利用者端末により撮影された乗員画像の別の一例を示す。
【
図9】車載カメラにより撮影された乗員画像の別の一例を示す。
【
図10】駐車場管制装置の動作フロー(迎車時)を示す。
【
図11】利用者端末装置の迎車要求画面の一例を示す。
【
図12】利用者端末装置の迎車要求画面の別の一例を示す。
【
図13】乗員到着予測時刻判断部の動作フローを示す。
【
図15】到着予測時刻重み付けテーブルの一例を示す。
【
図16】場外カメラが撮影した場外画像の一例である。
【
図18】利用者端末装置の迎車可能時刻通知画面の一例を示す。
【
図19】利用者端末装置の迎車可能時刻通知画面の別の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
【0026】
1.駐車場管理システムの構成
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る駐車場管制システムの構成例を示す概略図である。
【0028】
駐車場管理システム500は、駐車場を利用する利用者から申請される予約の管理、駐車状況の監視、及び駐車場の利用に関する種々の料金の算出等、駐車場に関する種々の処理を実行可能である。
【0029】
駐車場管理システム500は、駐車場管制装置5と、利用者端末装置6と、駐車場管理装置7と、決済機関9が有する決済サーバ装置(図示せず)と、ETC(Electronic Toll Collection System)管理機関10が有するETC管理サーバ装置(図示せず)とを有する
これらの端末及び装置は、ネットワーク1を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク1は、例えばインターネットや広域通信回線網等により構築される。
その他、任意のWAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)等が用いられてよく、ネットワーク1を構築するためのプロトコルは限定されない。
【0030】
駐車場管制装置5は、各駐車場11に設置される。後に説明するように、本実施形態では、駐車場管制装置5を中心として、本発明に係る駐車場管制システムが構築される。
駐車場管制装置5は、駐車場11内に設置される各装置の動作を包括的に制御することが可能である。
また、駐車場管制装置5は、駐車場11内に設置される各装置から種々の情報を集約し、駐車場管理装置7等に送信することが可能である。駐車場管制装置5は、駐車場管理装置7等から種々の情報を受信し、種々の動作を実行することが可能である。
【0031】
駐車場管制装置5は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。
また駐車場管制装置5は、ネットワーク1を介して他の装置と通信するための通信部を有する。通信部としては、例えばWiFi(登録商標)等の無線LANモジュールや、モデムやルータ等の通信機器が用いられる。
駐車場管制装置5として、例えばPC(Personal Computer)等の任意のコンピュータが用いられる。
【0032】
図1に示す例では、各駐車場11にゲート装置28が設置されている。ゲート装置28は、車両の入場/出場を規制することが可能である。ゲート装置28に代えて、未精算での駐車スペースからの出庫を規制するフラップ装置(ロック装置)等が設置されてもよい。
なお、ゲート装置やフラップ装置が設置されない所謂ゲートレス・フラップレス式駐車場に対しても、本発明を適用することが可能である。
【0033】
利用者端末装置6は、駐車場11を利用する利用者により使用される端末である。利用者端末装置6として、スマートフォン、タブレット端末、種々のPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末や、ノートPC(Personal Computer)等の、任意のコンピュータが用いられてよい。
【0034】
駐車場管理装置7は、本実施形態に係る駐車場管理サービスをWebサービスとして提供可能である。本実施形態では、複数のサーバ装置と、データベース(DB)とにより駐車場管理装置7が構成される。
【0035】
駐車場管理装置7の各サーバ装置は、CPU、ROM、RAM、HDD等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。また各サーバ装置は、ネットワーク1を介して他の装置と通信するための通信部を有する。通信部としては、例えばWiFi(登録商標)等の無線LANモジュールや、モデムやルータ等の通信機器が用いられる。サーバ装置として、例えばPC等の任意のコンピュータが用いられる。
【0036】
駐車場管理装置7のDBは記憶部として機能し、本駐車場管理サービスに関する種々の情報を記憶する。例えば駐車場管理装置7のDB内には、会員登録DB、予約情報DB、在車DB、及び、超過情報DBが構築される。その他、例えば駐車場DB、提携店舗DB、割引DB、出庫情報DB、オーナー情報DB、種々の履歴DB、管理情報DB等の、種々のDBが構築されてもよい。各種のDBは、駐車場管理装置7内のDBサーバにより包括的に管理され、例えば駐車場管理サービスを利用する利用者の会員登録及び退会、各利用者から受付けた予約情報の登録、変更及び削除、各駐車場11のオーナー情報の登録及び保管、運営収支情報の記録及び保管等が実行される。
【0037】
また駐車場管理装置7内のWebサーバにより、例えばWWW(World Wide Web)システムを用いて、本実施形態に係る駐車場管理サービスが提供される。例えばWebサーバは、HTML文書でなる種々のWebページを作成する。Webページには、他のWebページへのハイパーリンクや、種々の処理を実行するためのリンク情報(例えば実行ファイル名、URL等)が埋め込まれる。
また駐車場管理装置7内のWeb/APIサーバにより、種々のリクエストに応じた種々の処理が実行される。例えばWeb/APIサーバにより、各駐車場11の満空車情報の収集及び出力等が実行される。
駐車場管理装置7内により生成されたWebページは、
図1に示す各装置に備えられるWebブラウザにより画面上に表示される。例えば駐車場11を利用する利用者は、利用者端末装置6を操作することで、種々のWebページを閲覧したり、種々のWebアプリケーションを利用したりすることが可能である。
【0038】
決済機関9は、例えば銀行や信販会社等であり、銀行振り込みやクレジットカード決済等により駐車料金の決済(精算)を実行する。駐車場管理装置7は、決済機関9の決済サーバ装置に対して、駐車料金の精算の指示や、精算が済んでいるか否か等の精算情報の問い合わせ等を実行する。
【0039】
ETC管理機関10は、ETCシステムを実現するための機関であり、ETCシステムを利用する利用者の情報、ETCカード情報、決済情報、及び車両情報等を管理する。例えば、車両に搭載されたETC車載器にETCカードを挿入する。これにより、ETCアンテナが設置されたETC対応の駐車場11に対して、ETC決済による駐車場11の利用が可能となる。
【0040】
2.自動バレー駐車システム
【0041】
本発明は、自動バレー駐車システムが構築された駐車場11に対して適用可能である。自動バレー駐車システムは、自動運転機能(自律運転機能)を有する車両による自動バレー運転(自動バレー駐車すなわち自動バレー入庫運転と、自動バレー出庫運転)が実行可能なシステムである。自動バレー駐車システムが構築された駐車場11は、自動バレー駐車サービス対応の駐車場11とも言える。
【0042】
例えば利用者は、利用者端末装置6を操作して、自動バレー駐車サービスを提供するアプリケーションにアクセスする。そして必要な情報を入力して会員登録等を行うことで、自動バレー駐車サービスを利用することが可能となる。
本実施形態では、
図1に示す駐車場管理システム500に含まれるシステムとして、自動バレー駐車システムが構築される。すなわち駐車場管理装置7により提供される駐車場管理サービスに含まれるサービスとして、自動バレー駐車サービスが提供される。駐車場管理装置7のDBには、自動バレー駐車システムに関する種々のDBが構築される。
これに限定されず、駐車場管理システム500とは別のシステムとして、自動バレー駐車システムが構築されてもよい。例えば、
図1には図示していない別の管理装置等により自動バレー駐車システムが構築され、駐車場11と個別に契約等が行われてもよい。
その他、自動バレー駐車システムを構築するための構成や方法等は限定されない。
【0043】
例えば利用者は、利用者端末装置6を操作して、自動バレー駐車の予約を行う。そして予約時間に合わせて、自動運転機能を有する車両を手動で運転(手動運転モード)して、駐車場11内に入場する。もちろん自動運転でも構わない。
利用者は、駐車場11内の所定の位置に設けられた自動バレー駐車サービス対応の駐車スペース(以下、自動バレー乗降スペースと記載する)に車両を駐車する。そして、車両から降りた利用者により、自動バレー駐車の実行が指示される。自動バレー駐車の実行の指示は、例えば利用者端末装置6を介して実行される。あるいは、駐車場11内に設定された専用の端末等が操作されてもよい。
当該指示に応じて、車両は無人による自動運転(自動運転モード)により、駐車場11内の所定の駐車スペースに移動し、車両を駐車させる(自動バレー入庫運転)。なお予約をすることなく、好きな時間に駐車場11内に入場して、自動バレー駐車を実行させることも可能である。
利用者が駐車場に戻ってくる際には、例えば何分後に駐車場内の自動バレー乗降スペースに、自動運転機能を有する車両を移動させる旨等の指示が入力される。当該指示に応じて、車両は無人による自動運転(自動運転モード)により、駐車スペースから自動バレー乗降スペースに車両を移動させ駐車させる(自動バレー出庫運転)。
以下、自動バレー駐車サービス対応の駐車場11を例に挙げて、本実施形態を説明する。
【0044】
3.駐車場の構成例
【0045】
図2は、自動バレー駐車サービス対応の駐車場の構成例を示す模式図である。
【0046】
駐車場11は、入場口15、出場口16、構内通路17、複数の駐車スペース18、自動バレー乗降スペース19(乗車場)、階段20、エレベータ21(エレベータホール)、事前精算機22、案内装置23及び駐車場内監視システム24を有する。
【0047】
入場口15から駐車場11の内部に向かって入場レーンが構成される。入場レーンには、入口ループコイル27a、入口ゲート装置28a、及び入口カメラ29aが設けられる。
入口ループコイル27aから出力される信号に基づいて、入場レーンへの車両3の進入が検出される。
入口ゲート装置28aにより、入場レーンから駐車場11内部への車両3の入場が適宜規制される。
入口カメラ29aにより、入場レーンに進入した車両3を撮影することが可能である。
各デバイスの具体的な構成は限定されず、任意の構成が採用されてよい。
【0048】
駐車場11の入場口15と公道13とを接続する駐車場接続路12(私道)には、駐車待ちの複数の車両3が並ぶ。
【0049】
駐車場11内部から出場口16に向かって出場レーンが構成される。出場レーンには、出口ループコイル27b、出口ゲート装置28b、及び出口カメラ29bが設けられる。
出口ループコイル27bから出力される信号に基づいて、出場レーンへの車両3の進入が検出される。
出口ゲート装置28bにより、出場レーンから駐車場11外部への車両3の出場が適宜規制される。
出口カメラ29bにより、出場レーンに進入した車両3を撮影することが可能である。
各デバイスの具体的な構成は限定されず、任意の構成が採用されてよい。
【0050】
また
図2の図示は省略しているが、入場レーン及び出場レーンには、ETC車載器を搭載した車両3を検出する、入口ETCアンテナ30a及び出口ETCアンテナ30b(
図1)がそれぞれ設置されている。入口ETCアンテナ30a及び出口ETCアンテナ30bは路側器34(
図1)に接続される。
【0051】
構内通路17は、駐車場11に入場した車両3が走行する通路である。また構内通路17は、駐車車両から降りた運転手等が歩行する通路である。以下、構内通路17を歩行する人物や、走る人物、立ち止まる人物等を、総称して歩行者4と記載する。すなわち歩行者4は、駐車場11内において車両3に乗っていない人物を意味する。
また本開示において、自動運転モードで走行している自動運転機能を有する車両3を、自動運転車両3aとする。一方、運転手が手動で運転している車両3を、非自動運転車両3bとする。例えば、手動運転モードで走行している自動運転機能を有する車両3も、非自動運転車両3bとなる。なお非自動運転車両3bは、手動運転車両とも言える。
図2では、頭部と肩の部分を表現する図により、歩行者4が図示されている。二重の略長方形状により、自動運転車両3aが図示されている。一重の略長方形状により、非自動運転車両3bが図示されている。
図2に示すように、構内通路17に対して、車両3の走行方向を規定する標識(矢印等)が設けられてもよい。また、歩行者4が歩くための通路が規定されてもよい。
【0052】
複数の駐車スペース18は、駐車場11内に設けられる。
図2に示す例では、スペースナンバーがA1~A6、B1~B6、C1~C6、D1~D6、E1~E6、F1~F6、G1~G6、J1~J9、K1~K18となる、複数の駐車スペース18が配置される。
駐車スペース18は、自動バレー駐車を実行する自動運転車両3a、及び非自動運転車両3bの両方が駐車可能なスペースである。すなわち本実施形態では、構内通路17を、自動運転車両3a、及び非自動運転車両3bの両方が、混在して走行することになる。
【0053】
自動バレー乗降スペース19は、自動バレー駐車サービス対応の駐車スペースである。すなわち自動バレー乗降スペース19は、運転手や同乗者が自動バレー駐車場を実行する車両3から降りたり、乗ったりするためのスペースである。
図2に示す例では、入場口15及び出場口16に近い位置に、スペースナンバーがV1及びV2となる2つの自動バレー乗降スペース19が設けられる。例えば、自動バレー駐車サービスを利用する利用者は、入場口15から駐車場11に入場した後、右折して自動バレー乗降スペース19に車両3を駐車させる。そして自動バレー乗降スペース19にて、車両3から降り、自動バレー駐車の実行を指示する。当該指示に応じて、自動運転車両3aが、自動バレー乗降スペース19から、いずれかの駐車スペース18に移動する。
自動運転車両3aが駐車される駐車スペース18は、予め決められていていてもよいし、その都度選択されてもよい。例えば、駐車場11内の最も隅にあり、あまり便がよくない駐車スペース18が優先的に自動バレー駐車のために割り当てられてもよい。
自動バレー駐車サービスを利用する利用者が駐車場11に戻ってきた場合には、そのタイミングに合わせて、駐車スペース18から自動バレー乗降スペース19に、自動運転車両3aが移動する。ユーザは、車両3に乗り込み、手動運転にて、出場口16から外部に車両3を出場させる。
【0054】
階段20、及びエレベータ21は、例えば駐車場11の利用者により利用される。階段20、及びエレベータ21の近辺のエリアは、歩行者4が通行する可能性が高いエリアとなる。階段20、及びエレベータ21の近辺には、駐車場11に出入りする歩行者の歩行者出入り口39がある。
【0055】
事前精算機22は、駐車場11の利用者が駐車場11から車両3を出場させる前に事前精算を実行することが可能な装置である。例えば、タッチパネル等を有する装置が、事前精算機22として設置される。
案内装置23は、駐車場11及び本駐車場管理システム500(自動バレー駐車システムを含む)に関する種々の情報を案内するための装置である。例えばディスプレイ装置等を有し案内情報を表示可能な装置等が、案内装置23として用いられる。
【0056】
駐車場内監視システム24は、駐車場11を監視可能なシステムである。
図2に示す例では、以下のデバイスが、駐車場内監視システム24として設置される。
入口カメラ29a
出口カメラ29b
主に構内通路17を撮影する場内カメラ32(図中の白丸)
主に駐車スペース18を撮影する駐車スペースカメラ33(図中の黒丸)
【0057】
入口カメラ29a、出口カメラ29b、場内カメラ32及び駐車スペースカメラ33はそれぞれ、駐車場管制システムにおける複数の管制カメラ(以下、個別に説明する場合を除き、これらを総称してカメラともいう)として機能する。本開示にて説明する上述の各種カメラとして、例えばCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサやCCD(Charge Coupled Device)センサ等のイメージセンサを備える単眼デジタルカメラが用いられる。その他、赤外線カメラ等が用いられてもよい。
【0058】
駐車場内監視システム24は、駐車場11の監視結果として、監視情報を出力することが可能である。本実施形態では、各種カメラにより撮影された撮影画像や、各種マイクにより取得された音声が監視情報として出力される。
なお本開示において、画像は、静止画像及び動画像(映像)の両方を含む。
場内カメラ32や駐車スペースカメラ33は、駐車場11の全体を極力カバーできるように配置される。すなわち可能な限り死角が存在しないように、複数の場内カメラ32及び複数の駐車スペースカメラ33が適宜配置される。
【0059】
駐車場11の内外には、1以上(本例では複数)の場外カメラCO1~CO6等が設置される。場外カメラCO1~CO6等の位置は、駐車場11の自動バレー乗降スペース19からの距離が段階的に異なる。場外カメラCO1~CO6等は、駐車場11の外部環境を撮影した画像である場外画像を生成する。場外カメラCO1~CO6等は、歩行者出入り口39に向かって歩く歩行者の顔を撮影可能な位置及び方向に配置される。つまり、場外カメラCO1~CO6等は、歩行者の少なくとも顔を撮影する。
図2の例では円形の場外カメラ内の白色の半円が向く方向が、撮影方向である。
【0060】
4.駐車場管制システム
【0061】
図1を参照して、駐車場管制システム100の構成例を説明する。
駐車場管制システム100は、駐車場11に対して構築されるシステムである。
図1に例示する駐車場管制システム100は、駐車場管制装置5、駐車場内監視システム24、事前精算機22、自動バレー管理装置37、入口ゲート装置28a、出口ゲート装置28b、路側器34、入口ETCアンテナ30a、出口ETCアンテナ30b、及び駐車場外監視装置35を有する。
図1に示す各ブロックは、例えば駐車場11の構内に設置された図示しない構内LANを介して、互いに通信可能に接続されている。その他、無線/有線を介した任意の通信技術が用いられてもよい。
【0062】
駐車場内監視システム24は、
図2で例示した、入口カメラ29a、出口カメラ29b、場内カメラ32、及び駐車スペースカメラ33を含む。
【0063】
自動バレー管理装置37は、自動バレー駐車システムを構築するための装置である。本実施形態では、自動バレー管理装置37が、駐車場管理装置7や駐車場管制装置5と協働することで、自動運転車両3aによる自動バレー運転が管理される。
例えば、自動バレー管理装置37により、自動運転車両3aによる自動運転動作が制御される。例えば、自動バレー乗降スペース19から所定の駐車スペース18への自動運転が指示される。あるいは、所定の駐車スペース18からの自動バレー乗降スペース19への自動運転が指示される。
その他、自動バレー駐車場の予約管理等、種々の処理が実行される。
自動バレー管理装置37は、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。また自動バレー管理装置37に、ネットワーク1を介して他の装置と通信するための通信部が備えられる。通信部としては、例えばWiFi(登録商標)等の無線LANモジュールや、モデムやルータ等の通信機器が用いられる。
自動バレー管理装置37として、例えばPC等の任意のコンピュータが用いられる。
【0064】
駐車場管制装置5のDBには、駐車場11に関する種々のデータが格納され、例えば在車DBや履歴DB等の任意のDBが構築される。もちろん駐車場管理装置7のDBに格納されたデータが共有される場合もあり得る。
また自動バレー駐車に関する種々の情報が駐車場管制装置5のDBに記憶される。なお、上述の車両情報等は、駐車場管制装置5のDBではなく、駐車場管理装置7のDBに格納されてもよい。
【0065】
駐車場外監視装置35は、場外カメラCO1~CO6等が駐車場11の外部環境を撮影した画像(場外画像)を駐車場管制装置5に転送する。
【0066】
5.自動運転車両
【0067】
図3は、自動運転機能を有する車両の構成例を示す模式図である。
【0068】
ここでは、自動運転モードが選択された状態である自動運転車両3aとして説明を行う。
自動運転車両3aは、通信部41と、車載カメラ類42と、画像処理装置43と、ETCアンテナ44と、ETC車載器45と、制御部46と、車内及び車外センサ類59と、カーナビゲーション装置60と、GPS受信機/ビーコン受信機61とを有する。
通信部41は、他の装置と通信するためのデバイスである。本実施形態では、通信部41を介して、自動バレー管理装置37からの指示等を含む種々の情報が取得される。
通信部41としては、例えばWiFi(登録商標)等の無線LANモジュールや、モデムやルータ等の通信機器が用いられる。その他任意の通信デバイスが用いられてよい。
【0069】
車載カメラ類42は、自動運転車両3aの周囲、及び自動運転車両3aの車内の乗員を撮影可能である。
車載カメラ類42としては、CCDカメラ等のデジタルカメラが用いられる。その他、ToFカメラやステレオカメラ等の測距デバイスが用いられてもよい。また赤外線カメラ等が用いられてもよい。
画像処理装置43は、車載カメラ類42により撮影された画像に基づいて、自動運転車両3aの周囲の状況を認識する。状況認識のためのアルゴリズムは限定されない。
ETCアンテナ44、及びETC車載器45により、ETC決済による駐車場11の利用が可能である。
【0070】
制御部46は、CPU、ROM、RAM、HDD等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。
図3に示す例では、制御部46により、ソフトウェアブロックとして、走行ルート決定部47、走行制御部48、顔認識部57、及び電装制御部58が実現される。
走行ルート決定部47は、自動バレー管理装置37からの指示、画像処理装置43による認識結果、駐車場11の地図情報等に基づいて、自動運転を行う走行ルートを決定する。
走行制御部48は、決定された走行ルートに沿った自動運転を実現するために、自動運転車両3aが備える駆動系(図示は省略)等を適宜制御する。
例えば
図3に例示するように、走行制御部48により、エンジン・モータ制御装置49、ブレーキ制御装置50、ヘッドライト制御装置51、ハザードランプ(ウィンカー)制御装置52、及びクラクション制御装置53等に制御信号が出力される。これにより走行ルートに沿った自動運転や、危機回避運動等が実現される。
その他、自動運転を実現するための周知の技術が適宜されてよい。
【0071】
本駐車場管制システム100では、後述するように、駐車場11内を通行する個々の車両を識別、捕捉、追尾することで、各車両の走行位置や駐車位置などを監視することが可能に構成される。
【0072】
顔認識部57は、車載カメラ類42が撮影した、自動運転車両3aの車内の乗員の画像から、乗員の顔を認識する。
【0073】
電装制御部58は、ドアロック制御装置54、窓動作制御装置55、及び空調制御装置56に制御信号を出力する。
【0074】
6.駐車場管制装置の機能の概要
【0075】
図4は、駐車場管制装置の機能の概要を示すブロック図である。
【0076】
駐車場管制装置5は、顔認識機能71、携帯物認識機能72、行動認識機能73、降車提案機能74、迎車時間延長提案機能75、迎車時間予測機能76、駐車スペース管理機能77、駐車場管制機能78、駐車料金管理機能79、駐車場管理装置通信機能80、自動バレー駐車受付機能81、及び混雑度予測機能82を有する。
を有する。
これらのブロックは、駐車場管制装置5のCPUが所定のプログラムを実行し、装置内のハードウェア資源と協働することで構成され、本実施形態に係る駐車場管制方法が実現される。
駐車場管制装置5にプログラムをインストールする方法は限定されない。
【0077】
駐車場管制機能78は、駐車場11の管制に関する種々の処理を実行する。
例えば、車両3の検知、ゲート装置28の制御、監視システム24に含まれる各デバイスの制御、事前精算機22の制御、案内装置23の制御、事前精算の確認、
図1に示すネットワーク1上の他の装置との通信、駐車場DB38への情報の書き込みや読出し、その他、駐車場11の管制に関する種々の処理を実行する。
【0078】
なお、
図3に例示する駐車場管制システム100において、監視システム24や自動バレー管理装置37を除いた構成で、本発明に係る駐車場管制システムが実現されてもよい。例えば、駐車場管制装置5のみにより、本発明に係る駐車場管制システムが実現されてもよい。
【0079】
7.駐車場管制装置の機能
【0080】
【0081】
駐車場管制装置5の制御回路において、CPUは、ROMに記録された駐車場管制プログラムをRAMにロードして実行することにより、駐車受付部101、迎車受付部102、乗員到着予測時刻判断部103、迎車可能時刻判断部104、迎車制御部105、及び待ち時間判断部106として動作する。
【0082】
図4との関連において、駐車受付部101は、駐車スペース管理機能77、駐車場管制機能78、駐車場管理装置通信機能80、及び自動バレー駐車受付機能81を含む。迎車受付部102は、顔認識機能71、携帯物認識機能72、及び駐車料金管理機能79を含む。乗員到着予測時刻判断部103は、顔認識機能71、携帯物認識機能72、行動認識機能73、及び混雑度予測機能82を含む。迎車可能時刻判断部104は、迎車時間予測機能76、及び混雑度予測機能82を含む。迎車制御部105は、駐車場管制機能78、及び駐車場管理装置通信機能80を含む。待ち時間判断部106は、迎車時間延長提案機能75を含む。
【0083】
8.駐車場管制装置の動作フロー(駐車時)
【0084】
図6は、駐車場管制装置の動作フロー(駐車時)を示す。
【0085】
自動運転車両3aが駐車場11に入場すると、自動バレー管理装置37は、自動運転車両3aによる自動運転動作を制御して、自動運転車両3aを自動バレー乗降スペース19に駐車させる。
【0086】
駐車場管制装置5の駐車受付部101は、自動運転車両3aが自動バレー乗降スペース19に停車したと判断する(ステップS11)。例えば、駐車受付部101は、自動バレー管理装置37からの通知を受信して自動運転車両3aが自動バレー乗降スペース19に停車したと判断してもよい。あるいは、駐車受付部101は、自動バレー乗降スペース19を撮影可能な位置に設置された場内カメラ32が撮影した場内画像に基づき、自動運転車両3aが自動バレー乗降スペース19に停車したと判断してもよい。
【0087】
図7は、場外カメラにより撮影された乗員画像の一例を示す。
【0088】
自動運転車両3aの乗員は降車し、歩行者出入り口39へと歩く(ステップS12)。場外カメラCO1は、歩行者出入り口39を常時撮影している。駐車受付部101は、場外カメラCO1が撮影した自動運転車両3aの乗員の画像(乗員画像110)を、ネットワークを介して受信する。
【0089】
図8は、利用者端末により撮影された乗員画像の別の一例を示す。
【0090】
あるいは、駐車受付部101は、乗員が所持する利用者端末装置6(典型的にはスマートフォン)が撮影した乗員の画像(乗員画像110)を、ネットワークを介して受信する。利用者端末装置6から乗員画像110を取得する場合、駐車受付部101は、駐車後に撮影した乗員画像110を受信してもよい。あるいは、駐車受付部101は、利用者端末装置6やアプリケーションサーバに予め記録されている乗員画像110を受信してもよい。後者の場合、乗員画像110に含まれる乗員のオブジェクトと、自動運転車両3aの実際の乗員とが完全に一致している必要がある。
【0091】
図9は、車載カメラにより撮影された乗員画像の別の一例を示す。
【0092】
あるいは、駐車受付部101は、自動運転車両3aから乗員が降車する前に、車載カメラ42が撮影した乗員画像110を受信してもよい。
【0093】
駐車受付部101は、乗員画像110から乗員の顔を示すオブジェクト111、112、113、114を抽出する(顔認識)。駐車受付部101は、抽出したオブジェクト111、112、113、114から、乗員の人数と、全ての乗員の属性とを判断する。属性は、例えば、年代(乳幼児、子ども、大人、高齢者等の凡その区分、あるいは、20代等の数値的区分)、所持品(ベビーカー、車椅子、等)含む。駐車受付部101は、乗員の顔画像801、人数802、全員の属性803、自動運転車両3aの識別情報804(ナンバープレート情報、車種等を含む)を互いに関連付けてDB800に記憶する(ステップS13)。
【0094】
駐車受付部101は、自動バレー管理装置37との通信を介して、自動バレー乗降スペース19に駐車された自動運転車両3aを自動運転させ、空車の駐車スペース18に駐車させる(ステップS14)。
【0095】
9.駐車場管制装置の動作フロー(迎車時)
【0096】
図10は、駐車場管制装置の動作フロー(迎車時)を示す。
【0097】
迎車受付部102は、自動バレー乗降スペース19に自動運転車両3aを迎車する指定時刻(迎車指定時刻)を取得する(ステップS41)。例えば、迎車受付部102は、乗員が所持する利用者端末装置6からアプリケーションを介して即時の迎車、又は迎車の予約の要求を取得する。
【0098】
図11及び
図12は、利用者端末装置の迎車要求画面の一例を示す。
【0099】
利用者端末装置6は、即時迎車ボタン601を表示する(
図11)。即時迎車ボタン601を乗員が操作すると、精算画面602が表示される(
図12)。精算画面602に含まれる精算ボタン603を乗員が操作すると、駐車料金の精算が実行される。駐車料金の精算が実行されると、利用者端末装置6は、迎車受付部102に即時の迎車を要求する。
図11又は
図12の画面に迎車時刻を指定するボタンを設けることで、利用者端末装置6は、即時の迎車だけでなく、迎車の予約を要求可能でもよい。
【0100】
あるいは、迎車受付部102は、明示的な迎車要求及び迎車指定時刻を取得しなくてもよい。その場合、駐車場管制装置5は、場外カメラCO1~CO6等が撮影した場外画像に基づき、乗員が駐車場11の歩行者出入り口39に向かって歩いていることを判断し、迎車すべき時刻を判断する(ステップS42と同様の方法)。あるいは、駐車場管制装置5は、駐車場11の歩行者出入り口39等で顔認証したり、事前精算機22で精算することにより、迎車すべき時刻を判断してもよい。
【0101】
乗員到着予測時刻判断部103は、自動運転車両3aの乗員が自動バレー乗降スペース19に到着すると予測される時刻(乗員到着予測時刻)を判断する(ステップS42)。
【0102】
乗員到着予測時刻を判断する理由を説明する。指定された迎車時刻(即時又は予約)に自動運転車両3aを迎車する場合、指定された迎車時刻に乗員が自動バレー乗降スペース19に到着しない可能性がある。指定された迎車時刻に自動運転車両3aを迎車したにも拘らず乗員が到着していない場合、その自動運転車両3aが長時間自動バレー乗降スペース19に留まる可能性がある。そうすると、自動バレー乗降スペース19に別の車両を迎車することができず、迎車待ちの車両が多数になる可能性がある。このようなケースを防ぐため、実際に乗員が自動バレー乗降スペース19に到着するタイミングで自動運転車両3aを迎車する。要するに、本実施形態の迎車制御部105は、迎車指定時刻と乗員到着予測時刻とが異なる場合、乗員到着予測時刻に、自動バレー乗降スペース19に自動運転車両3aを迎車する。
【0103】
図13は、乗員到着予測時刻判断部の動作フローを示す。
【0104】
乗員到着予測時刻判断部103は、ステップS42で以下の動作(ステップS21乃至ステップS23)を実行する。乗員到着予測時刻判断部103は、場外カメラCO1~CO6等が常時撮影している場外画像を取得する。乗員到着予測時刻判断部103は、何れか1個の場外カメラ(以下、場外カメラCOnと称する)が撮影した場外画像から、乗員を示すオブジェクト(乗員オブジェクト)を抽出する(ステップS21)。
【0105】
【0106】
場外カメラテーブル700は、場外カメラID701、距離702、及び標準到達時間703を互いに関連付けて記憶する。場外カメラテーブル700は、さらに変動到達時間704を記憶してもよい。場外カメラID701は個々の場外カメラCOnの識別子である。距離702は、場外カメラCOn付近から自動バレー乗降スペース19までの概略距離である。標準到達時間703は、通常の混雑度のときに大人が一般的な歩行速度で、場外カメラCOn付近から自動バレー乗降スペース19まで歩いて到着するまでに掛かる時間(分)である。変動到達時間704は、何らかの理由により歩行に時間が掛かる場合の、場外カメラCOn付近から自動バレー乗降スペース19まで歩いて到着するまでに掛かる時間(分)である。変動到達時間704は、例えば、標準到達時間703に5分加算した値等の一定値でよい。ただし、本実施形態では、変動到達時間を一定値とせず重み付けにより個別に算出する(以下に説明)ため、変動到達時間704は記憶されない。
【0107】
乗員到着予測時刻判断部103は、乗員オブジェクトを含む場外画像を撮影した場外カメラCOnを判断する。乗員到着予測時刻判断部103は、判断した場外カメラCOnの位置を、乗員の現在位置(乗員位置)と判断する。より具体的には、乗員到着予測時刻判断部103は、場外カメラテーブル700を参照し、この場外カメラCOnを示す場外カメラID701に関連付けられた距離702を、乗員位置として判断する(ステップS22)。乗員到着予測時刻判断部103は、場外カメラCOnが撮影した場外画像に加えて、GPS送受信機/BLEビーコン送受信機61が取得した位置情報にさらに基づき乗員位置を判断してもよい。
【0108】
乗員到着予測時刻判断部103は、判断した乗員位置から、駐車場11の自動バレー乗降スペース19までの距離702に基づき、乗員が乗車場に到着すると予測される時刻(乗員到着予測時刻)を判断する。具体的には、乗員到着予測時刻判断部103は、DB800に記憶した人数802及び属性803(年代、所持品等)に基づき、標準到達時間703に重み付けを行い、到着予測時刻を判断する(ステップS23)。
【0109】
図15は、到着予測時刻重み付けテーブルの一例を示す。
【0110】
到着予測時刻重み付けテーブル900は、属性901と、重み902(小、中、大)とを互いに関連付けて記憶する。属性901は、到達時間が変動する要因となり得る要因である。重み902としては、到達時間に与える影響が比較的小さい属性には重み「小」が関連付けられ、到達時間に与える影響が比較的大きい属性には重み「大」が関連付けられ、その中間の属性には重み「中」が関連付けられる。例えば、乗員数(利用者数)の数人の違いは、到達時間に与える影響が比較的小さいので、重み「小」が関連付けられる。一方、ショッピングカートを使用している場合はショッピングカートの返却に時間が掛かり、また、未精算の場合は精算に時間が掛かることから、到達時間が大きく遅れる可能性があるので、重み「大」が関連付けられる。荷物構成に例えばベビーカーが含まれる場合、到達時間が多少遅れる可能性があるので、重み「中」が関連付けられる。属性901と重み902との関連は、機械学習によりブラッシュアップされる。
【0111】
乗員到着予測時刻判断部103は、到着予測時刻重み付けテーブル900を参照し、DB800に記憶した乗員の人数802及び属性803に対応する重み902に応じて、標準到達時間703に重み付けを行い、到着予測時刻を判断する(ステップS23)。乗員到着予測時刻判断部103は、乗員が複数である場合、複数の乗員の全てが自動バレー乗降スペース19に到着する時刻を、乗員到着予測時刻として判断する。乗員到着予測時刻判断部103は、さらに、駐車場が存在する施設の混雑度に基づき到着予測時刻を判断してもよい。施設の混雑度は、例えば、映画館、プラネタリウム、劇場等であれば終演時刻後、ショッピングモール等であれば夕方等の混雑する時間帯、集合住宅等であれば朝の通勤時間帯等に混雑度大となる。
【0112】
図16は、場外カメラが撮影した場外画像の一例である。
【0113】
乗員到着予測時刻判断部103は、場外カメラCOnが撮影した場外画像210から、乗員オブジェクト211,212,213を抽出する(ステップS21)。乗員到着予測時刻判断部103は、さらに、荷物214、カート215、及び周囲の歩行者216のオブジェクトを抽出する。乗員到着予測時刻判断部103は、到着予測時刻重み付けテーブル900を参照し、乗員の利用者数、年代構成、荷物大きさ、カート有無等等の属性901に応じた重みづけを行い、到着予測時刻を判断する(ステップS23)。
【0114】
乗員が駐車場11の歩行者出入り口39に近づくに従って、異なる場外カメラCOnが乗員を撮影することになる。乗員到着予測時刻判断部103は、異なる場外カメラCOnが乗員を撮影する度に一連の動作(ステップS42)を実行し、到着予測時刻を更新し続ける(ステップS23)。
【0115】
乗員到着予測時刻判断部103が判断する乗員位置(ステップS22)が閾値内となると(ステップS43、YES)、迎車可能時刻判断部104は、自動バレー乗降スペース19に自動運転車両3aを迎車することが可能な時刻(迎車可能時刻)を判断する(ステップS44)。乗員位置が閾値内とは、例えば、乗員位置が自動バレー乗降スペース19から100m以内等でよい。閾値は、自動バレー乗降スペース19の混雑度により可変でもよい。自動バレー乗降スペース19が複数ある場合、乗員位置から最も近い自動バレー乗降スペース19に迎車することとし、乗員位置から最も近い自動バレー乗降スペース19からの距離を判断すればよい。
【0116】
【0117】
迎車可能時刻判断部104は、ステップS44で以下の動作(ステップS31乃至ステップS35)を実行する。迎車可能時刻判断部104は、乗員位置が閾値内となると(ステップS31)、自動バレー乗降スペース19の混雑度を判断する。迎車可能時刻判断部104は、典型的には、迎車要求を受けての迎車待ちの車両の数や、乗員が歩行者出入り口39に向かって歩いていることを判断した上での迎車待ちの車両の数に基づき、迎車自動バレー乗降スペース19の混雑度を判断する。迎車可能時刻判断部104は、さらに、駐車場が存在する施設の混雑度(上述)にさらに基づき、迎車自動バレー乗降スペース19の混雑度を判断してもよい。
【0118】
迎車可能時刻判断部104は、迎車可能時刻を判断する。迎車可能時刻判断部104は、例えば、乗車場の混雑度(ステップS32)、迎車待ち車両の数、迎車待ち車両の属性、迎車待ち車両の乗員の属性、及び/又は駐車場が存在する施設の混雑度に基づき、迎車可能時刻を判断する(ステップS33)。迎車制御部105は、乗員到着予測時刻(ステップS42)に迎車可能時刻が間に合えば(乗員の待ち時間が無ければ)(ステップS33)、乗員到着予測時刻に、迎車自動バレー乗降スペース19に自動運転車両3aを迎車する(ステップS34)。迎車可能時刻判断部104は、迎車可能時刻を利用者端末装置6にネットワークを介して送信する(ステップS35)。
【0119】
図18は、利用者端末装置の迎車可能時刻通知画面の一例を示す。
【0120】
利用者端末装置6は、迎車可能時刻判断部104から送信された迎車可能時刻604を、迎車可能時刻通知画面に表示する。
【0121】
一方、乗員到着予測時刻に迎車可能時刻が間に合わなければ(乗員の待ち時間があれば)(ステップS45、YES)、待ち時間判断部106は、乗員到着予測時刻から迎車可能時刻までの待ち時間を算出し、待ち時間を利用者端末装置6にネットワークを介して通知する。待ち時間判断部106は、待ち時間が閾値(例えば、数十分)を超える場合、待ち時間を利用したイベントの提案を利用者端末装置6にネットワークを介して通知する(ステップS46)。例えば、待ち時間判断部106は、「~分後に乗車場に到着すれば、すぐ乗車できます。カフェや本屋に寄ってみては?」等のメッセージを表示し、迎車可能時刻の表示や、待ち時間を利用したイベントの提案(地図やルートの提示、時限的なサービスクーポンの発行を含む)をすればよい。提案内容は、予め施設側で準備したメッセージを出力するだけでなく、AIが提案内容を生成してもよい。
【0122】
図19は、利用者端末装置の迎車可能時刻通知画面の別の一例を示す。
【0123】
利用者端末装置6は、迎車可能時刻判断部104から送信された迎車可能時刻605、メッセージ606「ただいま迎車場が混雑しています。1時間以内の、無料の出場延長できます」、出場延長ボタン607を、迎車可能時刻通知画面に表示する。出場延長ボタン607が操作されると、メッセージ606に記載の時間(本例では1時間後)が、新たな迎車指定時刻となる。出場延長ボタン607が操作されると、利用者端末装置6は、新たな迎車指定時刻を、駐車場管制装置5に送信する。
【0124】
駐車場管制装置5の駐車受付部101は、利用者端末装置6から、新たな迎車指定時刻を受信する。迎車制御部105は、新たな迎車指定時刻に、迎車自動バレー乗降スペース19に自動運転車両3aを迎車する(ステップS47)。
【0125】
10.結語
【0126】
本発明によれば、駐車時に、駐車場管制装置5は、乗員画像110から乗員の顔認識をする。迎車時に、駐車場管制装置5は、駐車場11と駐車場11周辺施設との間に設置した複数の場外カメラCO1~CO6等で乗員を撮影した画像である場外画像に含まれる乗員を顔で認識する。駐車場管制装置5は、場外カメラCO1~CO6等の撮像位置(設置位置)により乗員に位置情報を紐付け、場外画像から乗員の位置情報の変化を追跡する。駐車場管制装置5は、紐付けたの位置情報の変化状況に応じて、乗員が駐車場11に向かって移動中の場合に、乗員の現在位置からバレー駐車の迎車動作のタイミングを制御する。
【0127】
本発明は、自動運転モードの車両(自動運転車両)が自動走行により駐車することができる自動バレー駐車サービス対応駐車場11において、駐車車両3の駐車位置の確認等を必要とせず、特に自動運転車両3aの利用者にとって、利便性が向上する、駐車場管制装置を実現可能である。
【0128】
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明は、自動バレー駐車サービス対応駐車場における、車両の管制装置およびシステムに関するもので、自動運転車両と非自動運転車両の両方が混在して利用する駐車場において、特に自動運転車両の利用者にとって利便性が向上する様に配慮したものである。
【符号の説明】
【0130】
3…車両
3a…自動運転車両
3b…非自動運転車両
4…歩行者
5…駐車場管制装置
7…駐車場管理装置
11…駐車場
37…自動バレー管理装置
500…駐車場管理システム