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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】管理システム、及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20240829BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20240829BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q10/20
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020207196
(22)【出願日】2020-12-15
(65)【公開番号】P2022094370
(43)【公開日】2022-06-27
【審査請求日】2023-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】森保 伸也
(72)【発明者】
【氏名】吉田 真悟
(72)【発明者】
【氏名】寺島 芳洋
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-053806(JP,A)
【文献】特開2002-373014(JP,A)
【文献】特開2009-265766(JP,A)
【文献】特開2019-061628(JP,A)
【文献】特開2017-228034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象領域各々で行われる複数のタスクについての作業の状態を示す作業状態情報と、前記複数のタスクの作業に関する検査の状態を示す検査状態情報とを格納する格納手段と、
前記格納手段が格納している前記作業状態情報及び前記検査状態情報に基づいて、前記作業の状態を表示する作業状態表示情報、又は、前記検査の状態を表示する検査状態表示情報を表示する表示制御手段と、
を備え
前記表示制御手段は、
前記検査状態表示情報を表示しない第1モードが設定されている場合において、前記検査が行われる前に次の順番の作業を行うことを許容しない種類の第2検査が行われる前に次の順番の作業が行われた場合、注意を促すための警報情報を表示する、
管理システム。
【請求項2】
複数の対象領域各々で行われる複数のタスクについての作業の状態を示す作業状態情報と、前記複数のタスクの作業に関する検査の状態を示す検査状態情報とを格納する格納手段と、
前記格納手段が格納している前記作業状態情報及び前記検査状態情報に基づいて、前記作業の状態を表示する作業状態表示情報、又は、前記検査の状態を表示する検査状態表示情報を表示する表示制御手段と、
を備え
前記表示制御手段は、
前記検査状態表示情報を表示しない第1モードが設定されている場合において、前記検査が行われる前に次の順番の作業を行うことを許容する種類の第1検査が行われる前に次の順番の作業が行われた場合、注意を促すための警報情報を表示しない、
管理システム。
【請求項3】
コンピュータを、
複数の対象領域各々で行われる複数のタスクについての作業の状態を示す作業状態情報と、前記複数のタスクの作業に関する検査の状態を示す検査状態情報とを格納する格納している前記作業状態情報及び前記検査状態情報に基づいて、前記作業の状態を表示する作業状態表示情報、又は、前記検査の状態を表示する検査状態表示情報を表示する表示制御手段、
として機能させ
前記表示制御手段は、
前記検査状態表示情報を表示しない第1モードが設定されている場合において、前記検査が行われる前に次の順番の作業を行うことを許容しない種類の第2検査が行われる前に次の順番の作業が行われた場合、注意を促すための警報情報を表示する、
管理プログラム。
【請求項4】
コンピュータを、
複数の対象領域各々で行われる複数のタスクについての作業の状態を示す作業状態情報と、前記複数のタスクの作業に関する検査の状態を示す検査状態情報とを格納する格納している前記作業状態情報及び前記検査状態情報に基づいて、前記作業の状態を表示する作業状態表示情報、又は、前記検査の状態を表示する検査状態表示情報を表示する表示制御手段、
として機能させ
前記表示制御手段は、
前記検査状態表示情報を表示しない第1モードが設定されている場合において、前記検査が行われる前に次の順番の作業を行うことを許容する種類の第1検査が行われる前に次の順番の作業が行われた場合、注意を促すための警報情報を表示しない、
管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、及び管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業の状態を管理する技術が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-184427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1においては、作業に密接に関連する検査の状態を管理することが困難となっており、改善の余地があった。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みなされたもので、作業の状態及び検査の状態を管理することが可能となる管理システム及び管理プログラムを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の管理システムは、複数の対象領域各々で行われる複数のタスクについての作業の状態を示す作業状態情報と、前記複数のタスクの作業に関する検査の状態を示す検査状態情報とを格納する格納手段と、前記格納手段が格納している前記作業状態情報及び前記検査状態情報に基づいて、前記作業の状態を表示する作業状態表示情報、又は、前記検査の状態を表示する検査状態表示情報を表示する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記検査状態表示情報を表示しない第1モードが設定されている場合において、前記検査が行われる前に次の順番の作業を行うことを許容しない種類の第2検査が行われる前に次の順番の作業が行われた場合、注意を促すための警報情報を表示する。
【0007】
請求項2に記載の管理システムは、複数の対象領域各々で行われる複数のタスクについての作業の状態を示す作業状態情報と、前記複数のタスクの作業に関する検査の状態を示す検査状態情報とを格納する格納手段と、前記格納手段が格納している前記作業状態情報及び前記検査状態情報に基づいて、前記作業の状態を表示する作業状態表示情報、又は、前記検査の状態を表示する検査状態表示情報を表示する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記検査状態表示情報を表示しない第1モードが設定されている場合において、前記検査が行われる前に次の順番の作業を行うことを許容する種類の第1検査が行われる前に次の順番の作業が行われた場合、注意を促すための警報情報を表示しない。
【0008】
請求項3に記載の管理プログラムは、コンピュータを、複数の対象領域各々で行われる複数のタスクについての作業の状態を示す作業状態情報と、前記複数のタスクの作業に関する検査の状態を示す検査状態情報とを格納する格納している前記作業状態情報及び前記検査状態情報に基づいて、前記作業の状態を表示する作業状態表示情報、又は、前記検査の状態を表示する検査状態表示情報を表示する表示制御手段、として機能させ、前記表示制御手段は、前記検査状態表示情報を表示しない第1モードが設定されている場合において、前記検査が行われる前に次の順番の作業を行うことを許容しない種類の第2検査が行われる前に次の順番の作業が行われた場合、注意を促すための警報情報を表示する。
【0009】
請求項4に記載の管理プログラムは、コンピュータを、複数の対象領域各々で行われる複数のタスクについての作業の状態を示す作業状態情報と、前記複数のタスクの作業に関する検査の状態を示す検査状態情報とを格納する格納している前記作業状態情報及び前記検査状態情報に基づいて、前記作業の状態を表示する作業状態表示情報、又は、前記検査の状態を表示する検査状態表示情報を表示する表示制御手段、として機能させ、前記表示制御手段は、前記検査状態表示情報を表示しない第1モードが設定されている場合において、前記検査が行われる前に次の順番の作業を行うことを許容する種類の第1検査が行われる前に次の順番の作業が行われた場合、注意を促すための警報情報を表示しない。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の管理システム、及び請求項に記載の管理プログラムによれば、作業の状態を表示する作業状態表示情報、又は、検査の状態を表示する検査状態表示情報を表示することにより、例えば、作業の状態及び検査の状態を管理することが可能となる。
また、第2検査が行われる前に次の順番の作業が行われた場合、注意を促すための警報情報を表示することにより、例えば、第2検査が飛ばされたことを知らせることが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の管理システム、及び請求項4に記載の管理プログラムによれば、作業の状態を表示する作業状態表示情報、又は、検査の状態を表示する検査状態表示情報を表示することにより、例えば、作業の状態及び検査の状態を管理することが可能となる。
また、第1検査が行われる前に次の順番の作業が行われた場合、注意を促すための警報情報を表示しないことにより、例えば、覚知させる必要性が比較的低い情報(第1検査が飛ばされたことを示す情報)を知らせずに、覚知させる必要性が低い情報が通知される煩わしさを回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施の形態に係る管理システムを機能概念的に示すブロック図である。
図2】管理情報を例示した図である。
図3】作業状態情報を説明するための図である。
図4】検査状態情報を説明するための図である。
図5】各状態情報の格納例を示す図である。
図6】作業状態入力画面の表示例である。
図7】検査状態入力画面の表示例である。
図8】2元表全体状態画面の表示例である。
図9】2元表個別状態画面の表示例である。
図10】各設定と各設定が選択された場合に実行する処理との関係を示す図である。
図11】各設定で表示される情報を例示した図である。
図12】第1表示処理のフローチャートである。
図13】第1表示処理の処理結果を例示した図である。
図14】第2表示処理のフローチャートである。
図15】第2表示処理の処理結果を例示した図である。
図16】第3表示処理のフローチャートである。
図17】第3表示処理の処理結果を例示した図である。
図18】第4表示処理のフローチャートである。
図19】第4表示処理の処理結果を例示した図である。
図20】作業関連警報処理のフローチャートである。
図21】作業飛ばし判定処理のフローチャートである。
図22】各状態情報の格納例を示す図である。
図23】各警報情報を例示した図である。
図24】検査関連警報処理のフローチャートである。
図25】検査飛ばし判定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る管理システム及び管理プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、管理システム及び管理プログラムに関する。本発明に係る管理システムは、対象領域で行われるタスクに関する状態を管理するシステムであり、例えば、格納手段、及び表示制御手段を備える。
【0020】
「対象領域」とは、タスクが関連付けられている領域であり、具体的には、屋内又は屋外の領域等を含む概念であり、例えば、建設中の建物の内外の領域、あるいは、建設済の建物の内外の領域等を含む概念であり、また、工事現場内の領域等を含む概念である。
【0021】
「タスク」とは、実行すること又は実行するべきことであり、具体的には、作業、及び解決するべき課題等を含む概念であり、例えば、建設中の建物の内装工事の作業、扉工事の作業、及び外装工事の作業等を含む概念である。
【0022】
「格納手段」とは、作業状態情報と検査状態情報とを格納する手段である。「作業状態情報」とは、タスクについての作業の状態を示す情報であり、また、「検査状態情報」とは、作業に関する検査の状態を示す情報である。
【0023】
「検査」とは、作業が所定に基準通りに行われたことを確認することであり、異常の有無又は適不適を調べること等を示す概念である。
【0024】
「表示制御手段」とは、格納手段が格納している作業状態情報及び検査状態情報に基づいて、作業の状態を表示する作業状態表示情報、又は、検査の状態を表示する検査状態表示情報を表示する手段である。
【0025】
そして、以下に示す実施の形態においては、例えば、「対象領域」が建設中の4階建て建物内の各部屋である場合において、当該部屋の内の1個の部屋である105号室の状態を表示する場合について主に説明する。
【0026】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0027】
(構成)
まず、図1は、本実施の形態に係る管理システムを機能概念的に示すブロック図である。
【0028】
(構成‐管理システム)
図1の管理システム100は、例えば、端末装置1、及びサーバ装置2を備え、これらの各装置が相互に通信可能となっている。なお、管理システム100においては、各種ユーザ(作業を行う作業員、検査を行う検査員)に携帯される複数の端末装置が含まれているが、本実施の形態では、代表して図1において1個の端末装置1として図示して説明する。
【0029】
(構成‐管理システム‐端末装置)
図1の端末装置1は、ユーザによって携帯される装置であり、例えば、スマートフォン又はタブレット端末等であり、一例としては、通信部11、タッチパッド12、ディスプレイ13、記録部14、及び制御部15を備える。
【0030】
通信部11は、外部機器(例えば、サーバ装置2)との間で通信を行う通信手段である。タッチパッド12は、ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。ディスプレイ13は、各種の画像を表示する画像表示手段であり、例えば、上記のタッチパッド12と当該ディスプレイ13とがタッチパネルとして一体形成されている。記録部14は、プログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。制御部15は、端末装置1を制御する制御手段であり、例えば、CPU、RAM、及びROM等の内部メモリ等を用いて構成されている。
【0031】
(構成‐管理システム‐サーバ装置)
図1のサーバ装置2は、例えば、通信部21、記録部22、及び制御部23を備える。
【0032】
(構成‐情報処理システム‐サーバ装置‐通信部)
図1の通信部21は、外部機器(例えば、端末装置1)との間で通信を行う通信手段である。
【0033】
(構成‐管理システム-サーバ装置-記録部)
図1の記録部22は、サーバ装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。この記録部22は、例えば、管理情報データベース221(以下、データベースを「DB」と称する)を備える。
【0034】
(構成‐管理システム-サーバ装置-記録部-管理情報DB)
図1の管理情報DB221は、作業状態情報及び検査状態情報を格納する格納手段であり、具体的には、管理情報を格納する管理情報格納手段である。
【0035】
図2は、管理情報を例示した図である。「管理情報」とは、建設中の建物の各部屋(対象領域)の状態を管理するための情報であり、例えば、図2に例示した各情報が相互に関連付けられて格納されている。なお、図2では、105号室に関する情報のみが具体的に例示されているが、実際には、101号室、102号室等の他の部屋に関する情報も格納されている。
【0036】
===部屋名情報、作業順序情報===
図2の「部屋名情報」とは、建物の部屋の名称を示す情報である(105号室を示す「105」等)。「工事名情報」とは、工事の名称を示す情報である(「内装工事」等)。図2の「作業順序情報」とは、各部屋で実行される各作業の実行順番を示す情報である(数値で示されており1番目に実行されることを示す「1」等)。
【0037】
===作業名情報===
図2の「作業名情報」とは、各部屋で行われる作業(つまり、タスク)の名称を示す情報である。なお、この作業名情報としては、例えば、墨出し作業、LGS建て込み作業、ボード張り作業等の各種作業の名称が格納されるが、本実施の形態では、便宜上の記載として、「A」、「B」等を用いて説明する。
【0038】
===検査種別情報===
図2の「検査種別情報」とは、各作業に対して行われる検査に関する情報であり、例えば、検査が行われないことを示す「0」、第1検査が行われることを示す「1」、及び第2検査が行われることを示す「2」を含む概念である。「第1検査」とは、検査が行われる前に次の順番の作業を行うことを許容する種類の検査であり、抜取検査とも称する。また、「第2検査」とは、検査が行われる前に次の順番の作業を行うことを許容しない種類の検査であり、全数検査とも称する。
【0039】
===作業状態情報===
図2の「作業状態情報」とは、作業の状態を示す情報である。図3は、作業状態情報を説明するための図である。図2の作業状態情報としては、例えば、図3の「名称」の欄に例示されている通り、「未登録0」、「未登録」、「作業開始」、「作業完了」、又は「ダメ残し」の各状態の内の何れかを示す情報が格納される。なお、各図では、当該各名称の情報を、図3の「各図での表示」の欄に記載の通り図示して説明する(図4の検査状態情報も同様)。
【0040】
「未登録0」とは、対象の作業の実施順番がまわってきていない状態を示している。「未登録」とは、対象の作業の実施順番がまわってきているが、未だ作業開始されていない状態を示している。「作業開始」とは、対象の作業が開始された状態を示している。「作業完了」とは、対象の作業が完了した状態を示している。「ダメ残し」とは、いわゆる駄目を残しが状態を示しており、例えば、対象の作業について作業残しがあるものの、当該作業を一旦停止した状態を示している。
===検査状態情報===
図2の「検査状態情報」とは、検査の状態を示す情報である。図4は、検査状態情報を説明するための図である。図2の検査状態情報としては、例えば、図4の「名称」の欄に例示されている通り、「未登録0」、「未登録」、「検査開始」、「検査完了」、又は「検査無し」の各状態の内の何れかを示す情報が格納される。
【0041】
「未登録0」とは、対象の作業の検査の実施順番がまわってきていない状態を示している。「未登録」とは、対象の作業の検査の実施順番がまわってきているが、未だ検査開始されていない状態を示している。「検査開始」とは、対象の作業の検査が開始された状態を示している。「検査完了」とは、対象の作業の検査が完了した状態を示している。「検査無し」とは、対象の作業についての検査が行われない状態を示している。
【0042】
そして、このような図2の管理情報においては、105号室に対して、「A」~「E」の順次行われる作業が設定されており、また、この「A」~「E」に関する検査の種類、作業及び検査の状態が示されている。
【0043】
なお、この図2の管理情報においては、作業状態情報及び検査状態情報以外の各情報は、管理者が、計画に沿ってサーバ装置2に対して情報を入力することにより格納され、また、業状態情報及び検査状態情報は、後述する状態格納処理を実行することにより、格納される。
【0044】
(構成‐管理システム-サーバ装置-制御部)
図1の制御部23は、サーバ装置2を制御する制御手段であり、機能概念的には、例えば、表示制御部231を備える。表示制御部231とは、前述の表示制御手段である。なお、この制御部23の各部によって行われる処理については、後述する。
【0045】
(処理)
続いて、本実施の形態に係る管理システム100によって実行される状態格納処理、及び表示処理について説明する。
【0046】
(処理-状態格納処理)
まず、状態格納処理について説明する。状態格納処理とは、概略的には、サーバ装置2によって実行される処理であり(表示処理も同様)、例えば、図2の作業状態情報及び検査状態情報を格納するための処理である。図5は、各状態情報の格納例を示す図であり、図6は、作業状態入力画面の表示例であり、図7は、検査状態入力画面の表示例である。
【0047】
===作業状態入力画面===
「作業状態入力画面」とは、作業の状態を入力するための画面であり、例えば、作業員の端末装置1に表示されて、当該作業員によって操作される画面である。この作業状態入力画面においては、図6の作業状態入力欄31の何れかを項目をタップして送信ボタンを押下した場合に、端末装置1が当該タップされた項目を示す情報をサーバ装置2に送信することにより、作業の状態をサーバ装置2側に入力可能となっている。
【0048】
なお、作業状態入力欄31において、作業開始は、作業を開始する場合にタップされる項目であり、また、作業完了は、作業が完了した場合にタップされる項目であり、また、ダメ残しは、駄目を残した場合にタップされる項目である。
【0049】
===検査状態入力画面===
「検査状態入力画面」とは、検査の状態を入力するための画面であり、例えば、検査員の端末装置1に表示されて、当該検査員によって操作される画面である。この検査状態入力画面においても、作業状態入力画面と同様に、図7の検査状態入力欄32の何れかを項目をタップして送信ボタンを押下するにより、検査の状態をサーバ装置2側に入力可能となっている。
【0050】
なお、検査状態入力欄32において、検査開始は、検査を開始する場合にタップされる項目であり、また、検査完了は、検査が完了した場合にタップされる項目である。
【0051】
===処理===
処理については、基本的には、図3及び図4の「格納手法」の欄に記載されている操作等で情報が格納されることになる。
【0052】
制御部23は、最初の状態の情報(初期値)として、図5の番号「1」に示すように、基本的には「未0」(なお、「未0」等の意味は図3及び図4で説明の通り)を格納する。特に、最初の順序の作業状態情報としては「未」を格納する。また、検査種別情報が「0」の検査状態情報としては「検査無し」を格納し、また、(検査種別情報が「0」以外の)最初の順序の検査状態情報としては「未」を格納する。
【0053】
次に、作業員又は検査員が、自己の端末装置1を介して、部屋名情報、工事名情報、及び作業名情報を選択した上で、図6の作業状態入力欄31又は図7の検査状態入力欄32の何れかを項目をタップして送信ボタン(各図の右上に図示)を押下する操作を行った場合に、端末装置1とサーバ装置2との間の前述の通信が行われ、制御部23は、タップした項目に対応する情報を格納することになる。
【0054】
例えば、図6の作業状態入力画面において、「A」を選択した上で作業開始をタップした場合、図5の番号「2」に示すように、「A」の作業状態情報として「開始」を格納する。次に、例えば、「A」を選択した上で作業完了をタップした場合、図5の番号「3」に示すように、「A」の作業状態情報として「完了」を格納する。なお、この場合、次の順番の「B」の作業状態情報として「未」を格納する。また、図5では不図示であるが、「ダメ残し」をタップした場合の動作は、作業完了をタップした場合と同様であり、「ダメ残し」を格納し、次の順番の作業状態情報として「未」を格納する。
【0055】
例えば、図7の検査状態入力画面において、「B」を選択した上で検査開始をタップした場合、図5の番号「8」に示すように、「B」の作業状態情報として「開始」を格納する。次に、例えば、「B」を選択した上で検査完了をタップした場合、図5の番号「9」に示すように、「B」の作業状態情報として「完了」を格納する。なお、この場合、次の順番の「C」の作業状態情報として「未」を格納する。
【0056】
これらの処理を行うことにより、例えば、図5の「作業員側の操作」の欄及び「検査員側の操作」の欄に記載されている操作を行った場合、当該操作に対応する情報(図5の各状態情報)が格納されることになる。これにて、状態格納処理の説明を終了する。
【0057】
(処理-表示処理)
次に、表示処理について説明する。表示処理とは、例えば、2元表全体状態画面、及び2元表個別状態画面を表示するための処理であり、第1~第4表示処理、作業関連警報処理、検査関連警報処理を含む。図8は、2元表全体状態画面の表示例であり、図9は、2元表個別状態画面の表示例である。なお、この2種類の画面を総称して、単に「2元表画面」とも称する。
【0058】
===2元表全体状態画面===
「2元表全体状態画面」とは、特定の作業に着目せずに作業又は検査の状態を表示するための画面であり、図8に示す全体用2元表41を含む概念である。全体用2元表41とは、各部屋の状態を表示する情報であり、例えば、各部屋において3段分の表示欄が設けられている。そして、この各表示欄については、1段目に各部屋の名称が表示され(図8では、105号室を示す「105」等)、2段目及び3段目に作業名及び状態が表示される。
【0059】
===2元表個別状態画面===
「2元表個別状態画面」とは、特定の作業に着目して作業又は検査の状態を表示するための画面であり、図9に示す個別用2元表42を含む概念である。個別用2元表42とは、各部屋の状態を表示する情報であり、例えば、各部屋において2段分の表示欄が設けられている。そして、この各表示欄については、1段目に各部屋の名称が表示され(図9では、105号室を示す「105」等)、2段目に状態が表示される。
【0060】
===設定===
図10は、各設定と各設定が選択された場合に実行する処理との関係を示す図であり、図11は、各設定で表示される情報を例示した図である。管理システム100においては、図10に示すように、設定1~設定4の4個の設定が設けられており、ユーザが自己の端末装置1を介して所定操作を行うことにより、何れかの設定が選択され、サーバ装置2が、当該選択された設定に対応する処理を行う。
【0061】
=設定1=
設定1は、図8の2元表全体状態画面において、作業の状態を示す情報を表示するための設定である。また、設定1は、図10の「表示処理」及び「警報処理」の欄に例示されている各処理を実行するための設定である(設定2~4も、図10に例示の通りである)。また、設定1は、例えば、図8の作業名の欄に「全体(デフォルト)」を入力し、不図示の検査選択ボタンにおいて「OFF」を選択した場合に選択される設定である。ここで表示する情報は、例えば、図11の「設定1(全体表示-検査OFF)」の欄に例示されている各情報である。
【0062】
図11の設定1における「着手可」は、作業に着手することが可能である状態を示しており、また、「作業中」は、作業を行っている際中の状態を示しており、また、「検査待ち」は、検査の完了を待っている状態を示しており、また、「作業完了」は、作業が完了した状態を示しており、また、「ダメ残し」は、作業において駄目が残った状態を示している。
【0063】
=設定2=
設定2は、図8の2元表全体状態画面において、検査の状態を示す情報を表示するための設定であり、例えば、図8の作業名の欄に「全体(デフォルト)」を入力し、不図示の検査選択ボタンにおいて「ON」を選択した場合に選択される設定である。ここで表示する情報は、例えば、図11の「設定2(全体表示-検査ON)」の欄に例示されている各情報である。
【0064】
図11の設定2における「未検査」は、未だ検査が行われていない状態を示しており、「検査可」は、検査に着手可能である状態を示しており、また、「検査中」は、検査を行っている際中の状態を示しており、また、「検査完了」は、検査が完了した状態を示しており、また、「ブランク」は、表示欄がブランクにされる(何らの情報も表示しない)ことを示しており、具体的には、検査が計画されていない状態を示している。
【0065】
=設定3=
設定3は、図9の2元表個別状態画面において、作業の状態を示す情報を表示するための設定であり、例えば、図9の作業名の欄に「A」等の特定の作業名情報を選択して入力し、不図示の検査選択ボタンにおいて「OFF」を選択した場合に選択される設定である。ここで表示する情報は、例えば、図11の「設定3(個別表示-検査OFF)」の欄に例示されている各情報である。
【0066】
図11の設定3における「作業〇〇検査待ち」は、作業名情報が〇〇の作業の検査の完了を待っている状態を示している。なお、他の情報は、設定1の情報と同様である。
【0067】
=設定4=
設定4は、図9の2元表個別状態画面において、検査の状態を示す情報を表示するための設定であり、例えば、図9の作業名の欄に「B」等の特定の作業名情報を選択して入力し、不図示の検査選択ボタンにおいて「ON」を選択した場合に選択される設定である。ここで表示する情報は、例えば、図11の「設定4(個別表示-検査ON)」の欄に例示されている各情報である。
【0068】
図11の設定4における「検査なし」は、検査が計画されていない状態を示している。なお、他の情報は、設定2の情報と同様である。
【0069】
なお、設定1及び設定3が、「第1モード」に対応し、設定2及び設定4が「第2モード」に対応するものと解釈してもよい。
【0070】
(処理-表示処理-第1表示処理)
まず、第1表示処理について説明する。図12は、第1表示処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。なお、図12では、図2の管理情報において、基本的には、作業順序情報が示す作業順序に従って、作業状態情報又は検査状態情報に着目して処理するフローが示されている(他の処理も同様)。第1表示処理は、設定1が選択されている場合に実行される処理であり、例えば、図8の2元表全体状態画面において、作業の状態を示す情報を表示するための処理である。
【0071】
この第1表示処理においては、全体としては、サーバ装置2の表示制御部231が、管理情報DB221の管理情報に基づいて、各部屋の作業の状態を示す情報を決定し、決定した情報を含む2元表画面を表示するための画面情報を生成して端末装置1に送信することにより、当該端末装置1のディスプレイ13に、2元表画面を表示する処理である(他の処理も同様)。本実施の形態では、例えば、1個の部屋である105号室に着目して、作業の状態を示す情報を決定する処理について、フローチャートを用いて詳細に説明する(他の処理も同様)。
【0072】
図13は、第1表示処理の処理結果を例示した図である。なお、この図13においては、図5で説明した各情報が格納されている場合の処理結果が、「表示」の欄(図面下側)に例示されている(後述の図15も同様)。また、ここで説明する処理の主体は、特記する場合を除いてサーバ装置2の表示制御部231であることとする(他の処理も同様)。
【0073】
図12のSA1において、図2のn番目(最初はn=1)の作業状態情報(つまり、図2の「作業順序情報」=「n」に関連付けられている作業状態情報)が「未登録」であるか否かを判定する。
【0074】
「未登録」であるものと判定した場合(SA1のYES)、SA2において、図8の全体用2元表41の2段目に表示する情報として、図2のn番目の作業名情報を決定し、また、3段目に表示する情報として、「着手可」を決定する。
【0075】
一方、「未登録」でないものと判定した場合(SA1のNO)、SA3において、図2のn番目の作業状態情報が「作業開始」であるか否かを判定する。
【0076】
「作業開始」であるものと判定した場合(SA3のYES)、SA4において、2段目及び3段目に表示する情報として、n番目の作業名情報、及び「作業中」を決定する。
【0077】
一方、「作業開始」でないものと判定した場合(SA3のNO)、SA5において、図2のn番目の検査種別情報が「2」であるか否かを判定する。
【0078】
「2」であるものと判定した場合(SA5のYES)、SA6において、図2のn番目の検査状態情報が「未登録0」、「未登録」、又は「検査開始」であるか否かを判定する。
【0079】
「未登録0」、「未登録」、又は「検査開始」であるものと判定した場合(SA6のYES)、SA7において、2段目及び3段目に表示する情報として、n番目の作業名情報、及び「検査待ち」を決定する。
【0080】
一方、「2」でないものと判定した場合(SA5のNO)、又は、「未登録0」、「未登録」、又は「検査開始」でないものと判定した場合(SA6のNO)、SA8において、図2のn+1番目の情報が存在しないか否かを判定する。
【0081】
n+1番目の情報が存在しないものと判定した場合(SA8のYES)、SA9において、何れかの作業状態情報が「ダメ残し」であるか否かを判定する。
【0082】
何れかの作業状態情報が「ダメ残し」であるものと判定した場合(SA9のYES)、SA10において、2段目及び3段目に表示する情報として、ダメ残しに関連付けられている作業名情報、及び「ダメ残し」を決定する。
【0083】
一方、何れかの作業状態情報が「ダメ残し」でない(つまり、「ダメ残し」が格納されていない)ものと判定した場合(SA9のNO)、SA11において、2段目及び3段目に表示する情報として、n番目の作業名情報、及び「作業完了」を決定する。
【0084】
n+1番目の情報が存在しないわけではない(n+1番目の情報が存在する)ものと判定した場合(SA8のNO)、nに1を加算して、SA1に移行する。この場合、次の順番の情報を基準にして、上述の各処理を行う。
【0085】
そして、各部屋に関して上述の各処理を行い、決定した情報を含む2元表画面を表示するための画面情報を生成して端末装置1に送信することにより、2元表全体状態画面を表示する。
【0086】
なお、作業の進捗に応じてユーザが操作を行うことにより、例えば、図13に示すように、各状態情報が更新されることになり、この場合、図8の全体用2元表41の2段目及び3段目に表示される情報(作業状態表示情報)は、図13の「表示」の欄に例示されるように遷移することになる。
【0087】
(処理-表示処理-第2表示処理)
次に、第2表示処理について説明する。図14は、第2表示処理のフローチャートである。第2表示処理は、設定2が選択されている場合に実行される処理であり、例えば、図8の2元表全体状態画面において、検査の状態を示す情報を表示するための処理である。図15は、第2表示処理の処理結果を例示した図である。
【0088】
図14のSB1において、図2の全ての検査種別情報が「0」であるか否かを判定する。
【0089】
全ての検査種別情報が「0」であるものと判定した場合(SB1のYES)、SB2において、図8の全体用2元表41の2段目及び3段目に表示する情報として、「グレーアウト」及び「ブランク」を決定する。「グレーアウト」とは、背景色を灰色にて表示することを示しており、また、対応する作業名情報が存在しないことを示している。なお、「ブランク」については、前述の通りである。
【0090】
一方、 全ての検査種別情報が「0」であるわけではない(何れかの検査種別情報が「1」又は「2」である)ものと判定した場合(SB1のNO)、SB3において、図2のn番目(最初はn=1)の検査種別情報(つまり、図2の「作業住所情報」=「n」に関連付けられている検査種別情報)が「0」であるか否かを判定する。
【0091】
「0」であるものと判定した場合(SB3のYES)、nに1を加算して、SB3に再度移行する。この場合、次の順番の情報を基準にして、各処理を行う。
【0092】
一方、「0」でないものと判定した場合(SB3のNO)、SB4において、図2のn番目の検査状態情報が「未登録」であるか否かを判定する。
【0093】
「未登録」であるものと判定した場合(SB4のYES)、SB5において、図2のn番目の作業状態情報が「未登録0」、「未登録」、又は「作業開始」であるか否かを判定する。
【0094】
「未登録0」、「未登録」、又は「作業開始」であるものと判定した場合(SB5のYES)、SB6において、2段目及び3段目に表示する情報として、n番目の作業名情報、及び「未検査」を決定する。
【0095】
一方、「未登録0」、「未登録」、又は「作業開始」でないものと判定した場合(SB5のNO)、SB7において、2段目及び3段目に表示する情報として、n番目の作業名情報、及び「検査可」を決定する。
【0096】
また、図2のn番目の検査状態情報が「未登録」であるものと判定した場合(SB4のNO)、SB8において、図2のn番目の検査状態情報が「検査開始」であるか否かを判定する。
【0097】
「検査開始」であるものと判定した場合(SB8のYES)、SB9において、2段目及び3段目に表示する情報として、n番目の作業名情報、及び「検査中」を決定する。
【0098】
一方、「検査開始」でないものと判定した場合(SB8のNO)、SB10において、図2のn+1番目の情報が存在しないか否かを判定する。
【0099】
n+1番目の情報が存在しないものと判定した場合(SB10のYES)、SB11において、2段目及び3段目に表示する情報として、n番目の作業名情報、及び「検査完了」を決定する。
【0100】
一方、n+1番目の情報が存在しないわけではない(n+1番目の情報が存在する)ものと判定した場合(SB10のNO)、nに1を加算して、SB3に移行する。この場合、次の順番の情報を基準にして、上述の各処理を行う。
【0101】
そして、各部屋に関して上述の各処理を行い、決定した情報を含む2元表画面を表示するための画面情報を生成して端末装置1に送信することにより、2元表全体状態画面を表示する。
【0102】
なお、作業の進捗に応じてユーザが操作を行うことにより、例えば、図15に示すように、各状態情報が更新されることになり、この場合、図8の全体用2元表41の2段目及び3段目に表示される情報(作業状態表示情報)は、図15の「表示」の欄に例示されるように遷移することになる。
【0103】
(処理-表示処理-第3表示処理)
次に、第3表示処理について説明する。図16は、第3表示処理のフローチャートである。なお、図16では、図2の管理情報において、ユーザが選択して入力した特定の作業名情報を基準に、作業状態情報又は検査状態情報に着目して処理するフローが示されている(第4表示処理も同様)。第3表示処理は、設定3が選択されている場合に実行される処理であり、例えば、図9の2元表個別状態画面において、作業の状態を示す情報を表示するための処理である。
【0104】
図17は、第3表示処理の処理結果を例示した図である。なお、この図17においては、図5で説明した各情報が格納されている場合の処理結果が、「表示」の欄(図面下側)に例示されている。特に、「選択した作業」の欄に表示されている作業名情報を選択して入力した場合の処理結果各々が例示されている(後述の図19も同様)。
【0105】
また、以下では、ユーザが選択して入力した特定の作業名情報の作業順序がx番目であることとして、説明する(第4表示処理も同様)。
【0106】
図16のSC1において、図2のx番目の作業状態情報(つまり、ユーザが選択して入力した特定の作業名情報に関連付けられている作業状態情報)が「未登録0」であるか否かを判定する。
【0107】
「未登録0」であるものと判定した場合(SC1のYES)、SC2において、前述の第1表示処理を実行し、当該第1表示処理で決定した2段目に表示する情報を特定する。そして、図9の個別用2元表42の2段目に表示する情報として、当該特定した情報を決定する。
【0108】
一方、「未登録0」でないものと判定した場合(SC1のNO)、SC3において、図2のx番目の作業状態情報が「未登録」であるか否かを判定する。
【0109】
「未登録」であるものと判定した場合(SC3のYES)、SC4において、図2のx-1番目の検査種別情報が「2」であるか否かを判定する。
【0110】
図2のx-1番目の検査種別情報が「2」であるものと判定した場合(SC4のYES)、SC5において、x-1番目の検査状態情報が「未登録0」、「未登録」、又は「検査開始」であるか否かを判定する。
【0111】
「未登録0」、「未登録」、又は「検査開始」であるものと判定した場合(SC5のYES)、SC6において、2段目に表示する情報として、「作業〇〇検査待ち」を決定する。なお、「作業〇〇」は、図2のx-1番目の作業名情報である。
【0112】
一方、「SC4のNO」、又は、「SC5のNO」の場合、SC7において、2段目に表示する情報として、「着手可」を決定する。
【0113】
また、図2のx番目の作業状態情報が「未登録」でないものと判定した場合(SC3のNO)、SC8において、図2のx番目の作業状態情報が「作業開始」であるか否かを判定する。
【0114】
「作業開始」であるものと判定した場合(SC8のYES)、SC9において、2段目に表示する情報として、「作業中」を決定する。
【0115】
一方、「作業開始」でないものと判定した場合(SC8のNO)、SC10において、図2のx番目の検査種別情報が「2」であるか否かを判定する。
【0116】
図2のx番目の検査種別情報が「2」であるものと判定した場合(SC10のYES)、SC11において、図2のx番目の検査状態情報が「未登録0」、「未登録」、又は「検査開始」であるか否かを判定する。
【0117】
「未登録0」、「未登録」、又は「検査開始」であるものと判定した場合(SC11のYES)、SC12において、2段目に表示する情報として、「作業〇〇検査待ち」を決定する。なお、「作業〇〇」は、図2のx番目の作業名情報である。
【0118】
一方、「SC10のNO」、又は、「SC11のNO」の場合、SC13において、図2のx番目の作業状態情報が「ダメ残し」であるか否かを判定し、「ダメ残し」であるものと判定した場合(SC13のYES)、SC14において、2段目に表示する情報として、「ダメ残し」を決定し、一方、「ダメ残し」でないものと判定した場合(SC13のNO)、SC15において、2段目に表示する情報として、「作業完了」を決定する。
【0119】
そして、各部屋に関して上述の各処理を行い、決定した情報を含む2元表画面を表示するための画面情報を生成して端末装置1に送信することにより、2元表個別状態画面を表示する。
【0120】
なお、作業の進捗に応じてユーザが操作を行うことにより、例えば、図17に示すように、各状態情報が更新されることになり、この場合、図9の個別用2元表42の2段目に表示される情報(作業状態表示情報)は、図17の「表示」の欄に例示されるように遷移することになる。また、ユーザが選択して入力した特定の作業名情報に応じて、図17の「選択した作業」の欄に例示されるように表示されることになる(第4表示処理も同様)。
【0121】
(処理-表示処理-第4表示処理)
次に、第4表示処理について説明する。図18は、第4表示処理のフローチャートである。第4表示処理は、設定4が選択されている場合に実行される処理であり、例えば、図9の2元表個別状態画面において、検査の状態を示す情報を表示するための処理である。図19は、第4表示処理の処理結果を例示した図である。
【0122】
図18のSD1において、図2のx番目の検査種別情報(つまり、ユーザが選択して入力した特定の作業名情報に関連付けられている検査種別情報)が「0」であるか否かを判定する。
【0123】
図2のx番目の検査種別情報が「0」であるものと判定した場合(SD1のYES)、SD2において、図9の個別用2元表42の2段目に表示する情報として、「検査なし」を決定する。
【0124】
一方、図2のx番目の検査種別情報が「0」でないものと判定した場合(SD1のNO)、SD3において、図2のx番目の検査状態情報が「未登録0」又は「未登録」であるか否かを判定する。
【0125】
図2のx番目の検査状態情報が「未登録0」又は「未登録」であるものと判定した場合(SD3のYES)、SD4において、図2のx番目の作業状態情報が「ダメ残し」又は「作業完了」であるか否かを判定する。
【0126】
図2のx番目の作業状態情報が「ダメ残し」又は「作業完了」であるものと判定した場合(SD4のYES)、SD5において、2段目に表示する情報として、「検査可」を決定し、一方、図2のx番目の作業状態情報が「ダメ残し」又は「作業完了」でないものと判定した場合(SD4のNO)、SD6において、2段目に表示する情報として、「未検査」を決定する。
【0127】
また、図2のx番目の検査状態情報が「未登録0」又は「未登録」でないものと判定した場合(SD3のNO)、SD7において、図2のx番目の検査状態情報が「検査開始」であるか否かを判定する。
【0128】
図2のx番目の検査状態情報が「検査開始」であるものと判定した場合(SD7のYES)、SD8において、2段目に表示する情報として、「検査中」を決定し、一方、図2のx番目の検査状態情報が「検査開始」でないものと判定した場合(SD7のNO)、SD9において、2段目に表示する情報として、「検査完了」を決定する。
【0129】
そして、各部屋に関して上述の各処理を行い、決定した情報を含む2元表画面を表示するための画面情報を生成して端末装置1に送信することにより、2元表個別状態画面を表示する。
【0130】
なお、作業の進捗に応じてユーザが操作を行うことにより、例えば、図19に示すように、各状態情報が更新されることになり、この場合、図9の個別用2元表42の2段目に表示される情報(作業状態表示情報)は、図19の「表示」の欄に例示されるように遷移することになる。
【0131】
(処理-表示処理-作業関連警報処理)
次に、作業関連警報処理について説明する。図20は、作業関連警報処理のフローチャートである。作業関連警報処理とは、作業が飛ばされている(追い越されている)ことについて注意を促すための処理である。
【0132】
この作業関連警報処理は、図10に示すように、設定1又は設定3が選択されている場合においても、サーバ装置2の表示制御部231によって繰り返し実行される処理である。また、この作業関連警報処理については、図2の管理情報の各部屋名情報において、処理を行うが、本実施の形態では、1個の部屋である105号室に着目して説明する(検査関連処理も同様)。
【0133】
図20のSE1において、作業飛ばし判定処理を実行する。図21は、作業飛ばし判定処理のフローチャートである。「作業飛ばし判定処理」とは、作業が飛ばされているか否かを判定する処理である。
【0134】
図21のSF1において、図2のn番目(最初はn=1)作業状態情報が「未登録」又は「作業開始」であるか否かを判定し、「未登録」又は「作業開始」であるものと判定した場合(SF1のYES)、SF2に移行し、一方、「未登録」又は「作業開始」でないものと判定した場合(SF1のNO)、nに1を加算して、SF1に移行する。この場合、次の順番の情報を基準にして、処理を行うことになる。
【0135】
SF2において、n+1番目の情報が存在するか否かを判定し、存在するものと判定した場合(SF2のYES)、SF3に移行し、一方、存在しないものと判定した場合(SF2のNO)、リターンする。
【0136】
SF3において、i番目(最初は、i=n+1とする)の作業状態情報が「作業開始」、「ダメ残し」、又は「作業完了」であるか否かを判定する。
【0137】
「作業開始」、「ダメ残し」、又は「作業完了」であるものと判定した場合(SF3のYES)、SF4において、n番目の作業がi番目の作業に飛ばされていると判定する。一方、「SF3のNO」の場合、SF5において、n番目の作業がi番目の作業に飛ばされていないと判定する。
【0138】
次に、SF6において、i+1番目の情報が存在するものと判定した場合(SF6のYES)、iに1を加算して、SF3に移行し、一方、i+1番目の情報が存在しないものと判定した場合(SF6のNO)、リターンする。
【0139】
図22は、各状態情報の格納例を示す図である。例えば、番号「21」の情報について上述の処理を行った場合、4番目の作業が5番目の作業に飛ばされているものと判定する。
【0140】
次に、図20のSE2において、作業飛ばし警報情報を2元表画面に表示する。図23は、各警報情報を例示した図である。「作業飛ばし警報情報」とは、注意を促すための情報であり、具体的には、予め定められている順序を基準にして、飛ばされている作業が存在することを示す情報であり、例えば、図23(a)に示す画像情報である。例えば、2元表画面の図8の全体用2元表41又は図9の個別用2元表42の、図21のSF4で飛ばされているものと判定された部屋に対応する位置に、作業飛ばし警報情報を表示するための情報を生成して端末装置1に送信することにより、作業飛ばし警報情報を2元表画面に表示する。
【0141】
(処理-表示処理-検査関連警報処理)
次に、検査関連警報処理について説明する。図24は、検査関連警報処理のフローチャートである。検査関連警報処理とは、検査が飛ばされている(追い越されている)ことについて注意を促すための処理である。
【0142】
この検査関連警報処理は、図10に示すように、何れの設定が選択されている場合においても、サーバ装置2の表示制御部231によって繰り返し実行される処理である。
【0143】
図24のSG1において、検査飛ばし判定処理を実行する。図25は、検査飛ばし判定処理のフローチャートである。「検査飛ばし判定処理」とは、検査が飛ばされているか否かを判定する処理である。
【0144】
図25のSH1において、図2のn番目(最初はn=1)検査種別情報が「2」であるか否かを判定し、「2」であるものと判定した場合(SH1のYES)、SH2に移行し、一方、「2」でないものと判定した場合(SH1のNO)、nに1を加算して、SH1に移行する。この場合、次の順番の情報を基準にして、処理を行うことになる。
【0145】
SH2において、図2のn番目の検査状態情報が「未登録0」、「未登録」、又は「検査開始」であるか否かを判定し、「未登録0」、「未登録」、又は「検査開始」であるものと判定した場合(SH2のYES)、SH3に移行する。一方、「SH2のNO」の場合、nに1を加算して、SH1に移行する。この場合、次の順番の情報を基準にして、処理を行うことになる。
【0146】
SH3において、n+1番目の情報が存在するか否かを判定し、存在するものと判定した場合(SH3のYES)、SH4に移行し、一方、存在しないものと判定した場合(SH3のNO)、リターンする。
【0147】
SH4において、i番目(最初は、i=n+1とする)の作業状態情報が「作業開始」、「ダメ残し」、又は「作業完了」であるか否かを判定する。
【0148】
「作業開始」、「ダメ残し」、又は「作業完了」であるものと判定した場合(SH4のYES)、SH5において、n番目の検査がi番目の作業に飛ばされていると判定する。一方、「SH4のNO」の場合、SH6において、n番目の検査がi番目の作業に飛ばされていないと判定する。
【0149】
SH7において、i番目の検査種別情報が「2」であり、且つ、i番目の検査状態情報が「検査開始」又は「検査完了」であるか否かを判定する。
【0150】
i番目の検査種別情報が「2」であり、且つ、i番目の検査状態情報が「検査開始」又は「検査完了」であるものと判定した場合(SH7のYES)、SH8において、n番目の検査がi番目の検査に飛ばされていると判定する。一方、「SH7のNO」の場合、SH9において、n番目の検査がi番目の検査に飛ばされていないと判定する。
【0151】
次に、SH10において、i+1番目の情報が存在するものと判定した場合(SH10のYES)、iに1を加算して、SH4に移行し、一方、i+1番目の情報が存在しないものと判定した場合(SH10のNO)、リターンする。
【0152】
例えば、図22の番号「22」の情報について上述の処理を行った場合、3番目の検査が4番目の作業に飛ばされているものと判定する。また、図22では不図示であるが、「作業名情報」=「D」の検査種別情報が「2」である場合の番号「23」の情報について、上述の処理を行った場合、3番目の検査が4番目の検査に飛ばされているものと判定する。
【0153】
次に、図24のSG2において、検査飛ばし警報情報を2元表画面に表示する。「検査飛ばし警報情報」とは、注意を促すための情報であり、具体的には、予め定められている順序を基準にして、飛ばされている検査が存在することを示す情報であり、例えば、図23(b)に示す画像情報である。例えば、2元表画面の図8の全体用2元表41又は図9の個別用2元表42の、図25のSH5又はSH8で飛ばされているものと判定された部屋に対応する位置に、検査飛ばし警報情報を表示するための情報を生成して端末装置1に送信することにより、検査飛ばし警報情報を2元表画面に表示する。
【0154】
特に、図25のSH1において検査種別情報が「2」である場合(SH1のYES)に、各処理が行われるので、第2検査が飛ばされた場合に、検査飛ばし警報情報が表示されるものの、第1検査が飛ばされた場合には、検査飛ばし警報情報は表示されないことになる。
【0155】
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、作業の状態を表示する作業状態表示情報、又は、検査の状態を表示する検査状態表示情報を表示することにより、例えば、作業の状態及び検査の状態を管理することが可能となる。
【0156】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0157】
(各警報処理について)
図10に示す各設定で実行する各警報処理を任意に変更してもよい。
【0158】
(各情報について)
また、図3及び図4で説明した各情報の内の一部のみを用いて、作業又は検査の状態を表示するように構成してもよいし、また、図11で説明した状態の内の一部の状態のみを表示するように構成してもよい。
(付記)
付記1の管理システムは、複数の対象領域各々で行われる複数のタスクについての作業の状態を示す作業状態情報と、前記複数のタスクの作業に関する検査の状態を示す検査状態情報とを格納する格納手段と、前記格納手段が格納している前記作業状態情報及び前記検査状態情報に基づいて、前記作業の状態を表示する作業状態表示情報、又は、前記検査の状態を表示する検査状態表示情報を表示する表示制御手段と、を備える。
付記2の管理システムは、付記1に記載の管理システムにおいて、前記表示制御手段は、前記検査状態表示情報を表示しない第1モードが設定されている場合、前記作業状態表示情報を表示し、前記検査状態表示情報を表示する第2モードが設定されている場合、前記検査状態表示情報を表示する。
付記3の管理システムは、付記1又は2に記載の管理システムにおいて、前記複数のタスクは、所定の順序に従って作業及び検査が行われ、前記検査は、当該検査が行われる前に次の順番の作業を行うことを許容する種類の第1検査と、当該検査が行われる前に次の順番の作業を行うことを許容しない種類の第2検査と、を含む。
付記4の管理システムは、付記1から3の何れか一項に記載の管理システムにおいて、前記表示制御手段は、前記検査状態表示情報を表示しない第1モードが設定されている場合において、前記検査が行われる前に次の順番の作業を行うことを許容しない種類の第2検査が行われる前に次の順番の作業が行われた場合、注意を促すための警報情報を表示する。
付記5の管理システムは、付記1から4の何れか一項に記載の管理システムにおいて、前記表示制御手段は、前記検査状態表示情報を表示しない第1モードが設定されている場合において、前記検査が行われる前に次の順番の作業を行うことを許容する種類の第1検査が行われる前に次の順番の作業が行われた場合、注意を促すための警報情報を表示しない。
付記6の管理プログラムは、コンピュータを、複数の対象領域各々で行われる複数のタスクについての作業の状態を示す作業状態情報と、前記複数のタスクの作業に関する検査の状態を示す検査状態情報とを格納する格納している前記作業状態情報及び前記検査状態情報に基づいて、前記作業の状態を表示する作業状態表示情報、又は、前記検査の状態を表示する検査状態表示情報を表示する表示制御手段、として機能させる。
(付記の効果)
付記1に記載の管理システム、及び付記6に記載の管理プログラムによれば、作業の状態を表示する作業状態表示情報、又は、検査の状態を表示する検査状態表示情報を表示することにより、例えば、作業の状態及び検査の状態を管理することが可能となる。
付記2に記載の管理システムによれば、第1モードが設定されている場合に作業状態表示情報を表示し、第2モードが設定されている場合に検査状態表示情報を表示することにより、例えば、モードを切り替えることにより所望の情報を表示することができ、利便性を向上させることが可能となる。
付記3に記載の管理システムによれば、検査査が行われる前に次の順番の作業を行うことを許容する種類の第1検査と、当該検査が行われる前に次の順番の作業を行うことを許容しない種類の第2検査とを含むことにより、例えば、各種類の検査を適切に管理することが可能となる。
付記4に記載の管理システムによれば、第2検査が行われる前に次の順番の作業が行われた場合、注意を促すための警報情報を表示することにより、例えば、第2検査が飛ばされたことを知らせることが可能となる。
付記5に記載の管理システムによれば、第1検査が行われる前に次の順番の作業が行われた場合、注意を促すための警報情報を表示しないことにより、例えば、覚知させる必要性が比較的低い情報(第1検査が飛ばされたことを示す情報)を知らせずに、覚知させる必要性が低い情報が通知される煩わしさを回避することが可能となる。
【符号の説明】
【0159】
1 端末装置
2 サーバ装置
11 通信部
12 タッチパッド
13 ディスプレイ
14 記録部
15 制御部
21 通信部
22 記録部
221 管理情報DB
23 制御部
31 作業状態入力欄
32 検査状態入力欄
41 全体用2元表
42 個別用2元表
100 管理システム
231 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25