(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】内視鏡
(51)【国際特許分類】
A61B 1/005 20060101AFI20240829BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20240829BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
A61B1/005 511
A61B1/005 513
A61B1/00 632
G02B23/24 A
(21)【出願番号】P 2020528789
(86)(22)【出願日】2019-06-20
(86)【国際出願番号】 JP2019024525
(87)【国際公開番号】W WO2020008900
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2020-09-25
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-07
(31)【優先権主張番号】P 2018129478
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(74)【代理人】
【識別番号】100184549
【氏名又は名称】水沼 明子
(72)【発明者】
【氏名】森島 登祥
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 慶時
(72)【発明者】
【氏名】池谷 浩平
【合議体】
【審判長】榎本 吉孝
【審判官】伊藤 幸仙
【審判官】萩田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-149844(JP,A)
【文献】特開2013-123647(JP,A)
【文献】特開2001-299923(JP,A)
【文献】特開2009-148420(JP,A)
【文献】特開平10-192222(JP,A)
【文献】特開平8-543(JP,A)
【文献】実公昭63-14806(JP,Y2)
【文献】米国特許第11759096(US,B2)
【文献】欧州特許出願公開第3818921(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入部と、前記挿入部の一端に接続された操作部とを有する内視鏡であって、
前記挿入部は、
長手方向に貫通する複数の管路が設けられたチューブと、
前記チューブの他端を覆い、複数の前記管路の一部と滑らかに連通する貫通孔を有する先端部と、
前記チューブと前記先端部との接合部を覆うチューブ状であり、破断した場合に前記先端部を破損することなく前記先端部と前記チューブとが分離する破断部と
を備え、
前記操作部は、前記チューブの一端に接続されて
おり、
前記挿入部は、
1回使用された後に廃棄されるシングルユース部と、
前記シングルユース部から取り外されて再使用されるリユース部とを有し、
前記シングルユース部は前記チューブを含み、
前記リユース部は前記先端部を含み、
前記破断部は、前記シングルユース部と前記リユース部とを分離する際に破断される
内視鏡。
【請求項2】
前記先端部は、撮像素子を有し、
前記挿入部は、複数の前記管路の一つに挿通されており、前記撮像素子に電源を供給する電源ケーブルを有する
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記先端部は、撮像素子を有し、
前記挿入部は、複数の前記管路の一つに挿通されており、前記撮像素子との間で信号を伝達する信号ケーブルを有する
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記信号ケーブルは、前記撮像素子に電源を供給する電源ケーブルと同じ管路に挿通されている
請求項3に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記挿入部は、
複数の前記管路の一部に挿通されており、前記操作部に対して固定されたワイヤシースと、
前記ワイヤシースを貫通し、前記先端部の側の端部が前記ワイヤシースから突出して前記チューブの先端に固定されたアングルワイヤとを備え、
前記先端部は、前記ワイヤシースが挿通された管路の端部を覆い、
前記操作部は、
前記アングルワイヤの他端に接続されており、前記アングルワイヤを押し引き可能な湾曲機構を有する
請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の内視鏡。
【請求項6】
前記挿入部は、
前記アングルワイヤが押し引きされることにより湾曲する湾曲部に隣接する第1領域と、
前記第1領域に隣接し、前記第1領域よりも曲げ剛性の大きい第2領域とを有する
請求項5に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記第1領域は、前記湾曲部よりも長い
請求項6に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記第2領域は、前記第1領域よりも長い
請求項6または請求項7に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記第2領域は、長手方向に沿って一様な曲げ剛性を有する
請求項6から請求項8のいずれか一つに記載の内視鏡。
【請求項10】
前記第1領域は、長手方向に沿って一様な曲げ剛性を有する
請求項6から請求項9のいずれか一つに記載の内視鏡。
【請求項11】
前記挿入部は、前記第2領域に隣接して、前記第2領域よりも曲げ剛性の大きい第3領域を有する
請求項6から請求項10のいずれか一つに記載の内視鏡。
【請求項12】
前記第3領域は、前記第2領域よりも長い
請求項11に記載の内視鏡。
【請求項13】
前記第3領域は、長手方向に沿って一様な曲げ剛性を有する
請求項11から請求項12のいずれか一つに記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からオートクレーブ滅菌に対する優れた耐性を有する内視鏡用可撓管に関する発明が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された内視鏡用可撓管は、螺旋管と、この螺旋管上に被せた網状管と、この網状管の外周に被覆した外皮とを備えている。この内視鏡用可撓管において、外皮の少なくとも外表面は、0.5~50重量%のフラーレン化合物を配合した熱可塑性エラストマーを含む(同文献、請求項1等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の内視鏡用可撓管を用いた内視鏡の挿入部は、螺旋管、網状管および外皮を積層した内視鏡用可撓管の内部に、送気チューブ、送水チューブ、アングルワイヤ、ケーブルおよび光ファイバ等の種々の内蔵物を収容した構成を有する。
【0005】
内視鏡用可撓管と、各内蔵物とを組み付ける部品または接着剤も必要であるため、挿入部は複雑な構成を有する。そのため、組み立てに手間が掛かり高価である上、使用後の洗浄等の再処理にも手間が掛かる。
【0006】
一つの側面では、シンプルな構成の挿入部を有する内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
内視鏡は、挿入部と、前記挿入部の一端に接続された操作部とを有する内視鏡であって、前記挿入部は、長手方向に貫通する複数の管路が設けられたチューブと、前記チューブの他端を覆い、複数の前記管路の一部と滑らかに連通する貫通孔を有する先端部と、前記チューブと前記先端部との接合部を覆うチューブ状であり、破断した場合に前記先端部を破損することなく前記先端部と前記チューブとが分離する破断部とを備え、前記操作部は、前記チューブの一端に接続されており、前記挿入部は、1回使用された後に廃棄されるシングルユース部と、前記シングルユース部から取り外されて再使用されるリユース部とを有し、前記シングルユース部は前記チューブを含み、前記リユース部は前記先端部を含み、前記破断部は、前記シングルユース部と前記リユース部とを分離する際に破断される。
【発明の効果】
【0008】
一つの側面では、シンプルな構成の挿入部を有する内視鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施形態に係る内視鏡システムを示す概略構成図。
【
図2】
図1に示す内視鏡の全体構成を示す模式的な斜視図。
【
図3A】
図2に示す挿入部を構成するチューブの曲げ剛性の例を示すグラフ。
【
図3B】
図2に示す挿入部を構成するチューブの曲げ剛性の例を示すグラフ。
【
図3C】
図2に示す挿入部を構成するチューブの曲げ剛性の例を示すグラフ。
【
図3D】
図2に示す挿入部を構成するチューブの曲げ剛性の例を示すグラフ。
【
図3E】
図2に示す挿入部を構成するチューブの曲げ剛性の例を示すグラフ。
【
図3F】
図2に示す挿入部の曲げ剛性の例を示すグラフ。
【
図5】
図1および
図2に示す内視鏡の撮像部の一例を示す拡大図。
【
図6】
図5に示す撮像部の構成の一例を示す模式的な断面図。
【
図12】実施の形態2の内視鏡の挿入部の構成を説明する説明図である。
【
図13】実施の形態2の挿入部先端の外観図である。
【
図14】
図12におけるXIV-XIV線による断面図である。
【
図15】
図13におけるXV-XV線による断面の模式図である。
【
図17】実施の形態2の湾曲部および軟性部の曲げ剛性を説明するグラフである。
【
図18】実施の形態2の挿入部の変形例2-1を説明する模式図である。
【
図19】実施の形態2の挿入部の変形例2-2を説明する模式図である。
【
図20】実施の形態2の挿入部の変形例2-3を説明する模式図である。
【
図21】実施の形態2の挿入部の変形例2-4を説明する模式図である。
【
図22】実施の形態3の内視鏡の挿入部の構成を説明する説明図である。
【
図23】実施の形態3の湾曲部および軟性部の曲げ剛性を説明するグラフである。
【
図24】実施の形態4の内視鏡の挿入部の構成を説明する説明図である。
【
図25】実施の形態4の湾曲部および軟性部の曲げ剛性を説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。添付の図面では、機能的に同じ要素は、同じ番号で表示される場合がある。以下の説明において、「軸方向」は内視鏡の挿入部の軸方向、「前側」は被検体側、「後側」は内視鏡の操作部側をそれぞれ示す。
【0011】
[実施の形態1]
<内視鏡システムの構成>
図1は、本実施形態に係る内視鏡システム1を示す概略構成図である。
図1では、図面を簡潔に示す便宜上、装置同士の接続を矢印で示している。
【0012】
本実施形態の内視鏡システム1は、たとえば、モニタ2と、プロセッサ3と、内視鏡100と、を備えている。
【0013】
内視鏡100は、被検体に挿入される挿入部110と、この挿入部110の一部を湾曲させる操作部130とを備えている。詳細については後述するが、本実施形態の内視鏡100は、挿入部110の少なくとも一部が、樹脂製のチューブ110aによって構成されている。また、チューブ110aは、このチューブ110aを構成する樹脂によって形成された複数の管路110bを有している。
【0014】
より具体的には、挿入部110は、たとえば、撮像部120を含む先端部111と、操作部130によって湾曲される湾曲部112と、この湾曲部112と操作部130との間の軟性部113とを有している。そして、湾曲部112と軟性部113の少なくとも一部が、チューブ110aによって構成されている。チューブ110aを構成する樹脂のショアA硬度は、たとえば、ポリウレタン(ウレタンゴム)であれば、A30以上、A95以下の範囲であり、第1の部分をA30とし、第2の部分をA90とするなど、材料の混合比を変えることで複数の異なる硬度を採用することができる。
【0015】
内視鏡100の挿入部110を構成するチューブ110aの複数の管路110bは、たとえば、撮像用の信号ケーブルを挿通させるケーブル管路36(
図16参照)を含んでいる。また、チューブ110aの複数の管路110bは、たとえば、鉗子などの処置具を挿通させるための処置具管路31(
図16参照)、送気を行うための送気管路32(
図16参照)、送水を行うための送水管路33(
図16参照)および副送水管路34(
図16参照)を含んでいる。また、チューブ110aの複数の管路110bは、たとえば、照明用のライトガイドファイババンドルを挿通させる照明管路を含むこともできる。
【0016】
また、図示を省略するが、内視鏡100は、たとえば、挿入部110を構成するチューブ110aの管路110bに挿通された剛性材と、剛性材に挿通されて湾曲部112の湾曲機構に接続されたアングルワイヤ41(
図15参照)とを備えている。剛性材としては、たとえば、ガイドチューブや、金属製の密巻コイル等により構成されたワイヤシース42(
図15参照)を用いることができる。操作部130は、アングルワイヤ41を操作可能に設けられている。なお、湾曲機構としては、たとえば、公知の内視鏡100の挿入部を湾曲させる公知の湾曲機構を適用することができる。
【0017】
また、内視鏡100は、操作部130から延出するコネクタケーブル140と、このコネクタケーブル140の端部に設けられたコネクタ部150とを備えている。コネクタ部150は、プロセッサ3に接続される。プロセッサ3は、内視鏡100から入力された画像データを処理し、映像信号を生成するための装置である。モニタ2は、プロセッサ3に接続されている。モニタ2は、内視鏡100によって撮像され、プロセッサ3によって生成された被検体の内部画像を表示する。
【0018】
<内視鏡>
図2は、
図1に示す内視鏡100の全体構成を示す模式的な斜視図である。以下、前述の内視鏡100の構成について、
図2を参照してより詳細に説明する。なお、内視鏡100における操作部130の位置や形状は、図示の都合上、実際の位置や形状と異なる場合がある。
【0019】
内視鏡100は、前述のように、挿入部110と、この挿入部110の一部を湾曲させる操作部130と、を備えている。挿入部110は、たとえば、撮像部120を含む先端部111と、操作部130によって湾曲される湾曲部112と、この湾曲部112と操作部130の間の軟性部113と、を備えている。
【0020】
本実施形態の内視鏡100は、前述のように、挿入部110の少なくとも一部が、複数の管路110bを有する樹脂製のチューブ110a、たとえば、柔軟性および可撓性を有するマルチルーメンチューブによって構成されていることを特徴としている。より具体的には、湾曲部112と軟性部113の少なくとも一部は、複数の管路110bを有する樹脂製のチューブ110aによって構成され、チューブ110aを構成する樹脂のショアA硬度は、たとえばA30以上、A95以下である。
【0021】
なお、湾曲部112の樹脂のショアA硬度は、たとえば、軟性部113の樹脂のショアA硬度よりも低くてもよい。また、湾曲部112の長さと、湾曲部112および軟性部113を含む挿入部110の長さは、内視鏡100の用途に応じた長さにすることができる。たとえば、上部消化管用の場合、湾曲部112の長さと、挿入部110の長さは、それぞれ、40mmから60mm程度と、1000mmから1100mm程度である。大腸用の場合、湾曲部112の長さと、挿入部110の長さは、それぞれ、80mmから100mm程度と、1100mmから1700mm程度である。十二指腸用の場合、湾曲部112の長さと、挿入部110の長さは、それぞれ、30mmから40mm程度と、1200mmから1300mm程度である。
【0022】
図1および
図2に示す例において、挿入部110の先端部111は、撮像部120によって構成されている。しかし、挿入部110の先端部111をチューブ110aによって構成し、先端部111のチューブ110a内に撮像部120を配置するようにしてもよい。
【0023】
また、本実施形態の内視鏡100は、たとえば、シングルユース部Sと、リユース部Rとを備えるシングルユース型の内視鏡である。シングルユース部Sは、たとえば挿入部110の少なくとも一部を構成するチューブ110aを含み、内視鏡100の一回の使用毎に交換される。リユース部Rは、たとえば、撮像部120を含み、内視鏡100の一回の使用毎に回収され、洗浄および滅菌消毒されて再使用される。
【0024】
シングルユース部Sは、挿入部110を構成するチューブ110aのみであってもよいが、チューブ110aを含む挿入部110全体であってもよく、チューブ110aを含む挿入部110の一部であってもよい。また、シングルユース部Sは、操作部130、コネクタケーブル140、及びコネクタ部150を含んでもよい。また、湾曲部112は、軟性部113と一体に一本のチューブ110aによって構成されていてもよいが、軟性部113を構成するチューブ110aと別のチューブ110aによって構成されていてもよい。シングルユース部Sの各部は、コストを低減する観点から、可能な限り樹脂製であることが好ましい。
【0025】
リユース部Rは、撮像部120のみであってもよいが、チューブ110aを除く挿入部110の一部を含んでもよい。たとえば、リユース部Rは、湾曲部112を含んでもよい。また、リユース部Rは、操作部130、コネクタケーブル140、およびコネクタ部150の一部または全部を含んでもよい。
【0026】
チューブ110aを構成する樹脂は、全体が非多孔質樹脂、すなわち多孔質樹脂ではないソリッド樹脂であってもよいが、少なくとも一部が多孔質樹脂であってもよい。チューブ110aは、たとえば、樹脂材料の押出成形によって製作することができる。
【0027】
チューブ110aを構成する樹脂としては、たとえば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン:Polytetrafluoroethylene)、ePTFE(expanded PTFE)、PE(ポリエチレン:Polyethylene)、HDPE(高密度ポリエチレン:High Density Polyethylene)、PP(ポリプロピレン:Polypropylene)などを用いることができる。チューブ110aを構成する非多孔質樹脂としては、たとえば、PU(ポリウレタン:Polyurethane)、PP(ポリプロピレン:Polypropylene)、PE(ポリエチレン:Polyethylene)、ポリアミド(Polyamide)などを用いることができる。
【0028】
チューブ110aを構成する樹脂のショアA硬度は、たとえば、A30からA95までの範囲にすることができる。樹脂のショアA硬度は、たとえば材料の混合比を変化させることで、前記した範囲で調節することができる。たとえば、湾曲部112と軟性部113の境界部近傍でチューブ110aを構成する樹脂の材料の混合比を変化させ、湾曲部112のショアA硬度と、軟性部113のショアA硬度を異ならせることができる。
【0029】
より具体的には、湾曲部112における樹脂のショアA硬度は、たとえば、最も柔軟なA30とすることができる。軟性部113における樹脂のショアA硬度は、たとえば、湾曲部112における樹脂のショアA硬度よりも高く、A40以上、A70以下、またはA45以上、A70以下の範囲である。また、軟性部113における樹脂のショアA硬度は、軟性部113を構成するチューブ110aの外径に応じて、たとえば、以下の表1のように設定することができる。ここで、樹脂の材質は、PUであるとする。これにより、湾曲部112の柔軟性および可撓性を向上させ、湾曲部112を湾曲操作に適した曲げ剛性にすることができる。
【0030】
【0031】
挿入部110を構成するチューブ110aは、たとえば、撮像部120と操作部130との間で、常時、軸方向に圧縮された状態であってもよい。これにより、チューブ110aの密度を向上させ、挿入部110の曲げ剛性を向上させることができる。
【0032】
また、挿入部110を構成するチューブ110aは、チューブ110aの軸方向または径方向において、樹脂のショアA硬度が変化していてもよい。たとえば、挿入部110を構成するチューブ110aは、チューブ110aの径方向において、樹脂のショアA硬度が変化していてもよい。より具体的には、チューブ110aの径方向において、チューブ110aの外表面のショアA硬度は、チューブ110aの中心のショアA硬度より高くてもよい。
【0033】
また、チューブ110aの径方向において、中心から外表面へ向けてショアA硬度を連続的または段階的に低下させてもよい。なお、チューブ110aの径方向において、外表面から中心へ向けてショアA硬度を連続的または段階的に低下させてもよい。なお、段階的なショアA硬度の変化は、ショアA硬度の非連続的な変化を含む。ここで、ショアA硬度の非連続的な変化は、ショアA硬度が変化している部分の間にショアA硬度が変化していない部分を有することや、ショアA硬度がステップ状に変化することを含む。
【0034】
また、チューブ110aは、径方向外側の外表面およびその近傍の部分に、空孔率が0%の非多孔質樹脂層を有してもよい。これにより、挿入部110の外表面から液体が浸透するのを防止することができる。また、チューブ110aは、管路110bの内壁面およびその近傍の部分に、空孔率が0%の非多孔質樹脂層を有してもよい。これにより、挿入部110の管路110bの内壁面から液体が浸透するのを防止することができる。
【0035】
また、挿入部110の基端部である操作部130側の端部から挿入部110の先端部111へ向けたチューブ110aの軸方向において、チューブ110aを構成する樹脂のショアA硬度を、連続的または段階的に変化させてもよい。たとえば、前述のように、チューブ110aの軸方向において、湾曲部112の樹脂のショアA硬度を、軟性部113の樹脂のショアA硬度よりも低くしてもよい。
【0036】
なお、軸方向における段階的なショアA硬度の変化は、径方向における場合と同様に、ショアA硬度の非連続的な変化を含む。ここで、ショアA硬度の非連続的な変化は、ショアA硬度が変化している部分の間にショアA硬度が変化していない部分を有することや、ショアA硬度がステップ状に変化することを含む。また、挿入部110の操作部130に接続される部分のチューブ110aの材質は、たとえば、空孔率が0%の非多孔質樹脂にしてもよい。
【0037】
図3Aから
図3Eは、
図2に示す挿入部110を構成するチューブ110aの曲げ剛性の例を示すグラフである。
図3Fは、
図2に示す挿入部110の曲げ剛性の例を示すグラフである。
図3Aから
図3Fに示すグラフにおいて、縦軸は、チューブ110aまたは挿入部110の曲げ剛性であり、横軸は、挿入部110の先端からの距離である。
【0038】
図3Aに示す例では、チューブ110aの樹脂のショアA硬度を、湾曲部112が設けられた先端から操作部130に接続された基端まで、ほぼ一定の割合で連続的に増加させている。これにより、挿入部110を構成するチューブ110a単体の曲げ剛性が、先端から基端まで、ほぼ一定の割合で増加している。
【0039】
また、前述のように、挿入部110を構成するチューブ110aの管路110bにアングルワイヤ41を挿通させるガイドチューブが挿入されている場合、ガイドチューブは、チューブ110aよりも高い曲げ剛性を有してもよい。この場合、ガイドチューブは、挿入部110の湾曲部112よりも基端側、すなわち湾曲部112よりも操作部130側で、チューブ110aの管路110bに挿入されていてもよい。
【0040】
図3Bに示す例では、チューブ110aは、
図3Aに示す例と同様に、樹脂のショアA硬度が先端から基端までほぼ一定の割合で連続的に増加しているが、挿入部110の湾曲部112よりも基端側の軟性部113で、管路110bに4本のガイドチューブが挿入されている。ガイドチューブの曲げ剛性は、チューブ110aの曲げ剛性よりも高い。そのため、
図3Bに示す例では、挿入部110の湾曲部112よりも基端側の部分において、
図3Aに示す例よりもチューブ110aの曲げ剛性が高くなっている。
【0041】
ガイドチューブとしては、たとえば、フッ素樹脂(PTFE、FPA、FEPなど)やポリイミドを素材とする硬質チューブを用いることができる。なお、チューブ110aの曲げ剛性を向上させることを目的として、ガイドチューブ以外に、チューブ110aよりも曲げ剛性が高い剛性材を、チューブ110aの管路110bに挿入してもよい。剛性材としては、たとえば、ばね用ステンレス材(SUS304-WPB)などの金属を素材とする密着コイル(ステーコイル)を用いることができる。このような硬質チューブや金属製密着コイルは、軟性部113の全長にわたって、チューブ110aのアングルワイヤ41挿通用の管路110bに挿通させることができる。
【0042】
図3Cに示す例では、チューブ110aは、樹脂のショアA硬度を、湾曲部112が設けられる先端部111側において相対的に低い一定の値とし、湾曲部112よりも基端側の軟性部113で、先端側から基端側まで連続的に増加させている。これにより、チューブ110a単体の曲げ剛性が、湾曲部112において相対的に低い一定の値となり、湾曲部112よりも基端側の軟性部113で先端側から基端側まで、連続的に増加している。
【0043】
図3Dに示す例では、チューブ110aは、樹脂のショアA硬度が先端から基端まで、二段階にわたって段階的に増加している。これにより、挿入部110を構成するチューブ110a単体の曲げ剛性が、先端から基端まで、二段階にわたって段階的に増加している。なお、チューブ110aを構成する樹脂のショアA硬度は、先端から基端まで、三段階以上にわたって段階的に増加させてもよいし、湾曲部112と軟性部113との間の一段階の増加に留めてもよい。
【0044】
図3Dに示す例において、湾曲部112を含む最も曲げ剛性が低い部分を柔軟部、挿入部110の最も曲げ剛性が高い操作部130側の部分を硬質部、その硬質部と柔軟部との間の曲げ剛性が一定の部分を中間部とする。この場合、チューブ110aを構成する樹脂のショアA硬度は、軟性部113を構成するチューブ110aの外径に応じて、たとえば、以下の表2のように設定することができる。なお、柔軟部のショアA硬度は、たとえばチューブ110aの外径によらず、A30である。柔軟部の長さは、たとえば、400mm程度である。
【0045】
【0046】
内視鏡100の軟性部113は、手元の操作が挿入部110の先端まで伝わることが求められる。具体的には、大腸内で軟性部113がループした状態で、ねじりや押し引きなどの手元の操作が直接的に挿入部110の先端に伝わることが重要である。また、挿入部110を被検体に挿入するときに、穿孔などを防止する観点から、挿入部110の先端における粘膜などからの反発力が軟性部113を把持した術者の手指に伝わることも重要である。
【0047】
また、大腸用の内視鏡100の場合、S状結腸、脾湾曲および肝湾曲への挿入部110の挿入が困難である。そのため、たとえば、柔軟部の長さを400mm程度とし、上記のように外径に応じてチューブ110aを構成する樹脂のショアA硬度を段階的に変化させることで、S状結腸、脾湾曲および肝湾曲への挿入が容易になる。また、手元の操作が先端に伝わりやすくなり、被検体からの反発力が術者の手指に伝わりやすくなる。なお、硬質部のショアA硬度は、操作部130側へ向けて連続的に増加させるようにしてもよい。
【0048】
図3Eに示す例では、チューブ110aは、先端から基端まで樹脂のショアA硬度が一定である。そのため、挿入部110を構成するチューブ110a単体の曲げ剛性は、先端から基端まで一定である。
【0049】
図3Fに示す例では、チューブ110aは、
図3Eに示す例と同様に、先端から基端まで樹脂のショアA硬度が一定であり、
図3Bに示す例と同様に、管路110bにアングルワイヤ41のガイドチューブが挿入されている。また、
図3Fに示す例では、ガイドチューブ以外にも、挿入部110を構成するその他の部材が管路110bに挿通および配置され、挿入部110が構成されている。そのため、
図3Fに示す例では、挿入部110の湾曲部112よりも基端側の部分において、
図3Eに示す例よりも、チューブ110aの曲げ剛性が高くなっている。
【0050】
図4は、曲げ剛性の測定方法の一例を示す図である。挿入部110を構成するチューブ110a単体、チューブ110aおよびその管路110bに挿入された剛性材、またはチューブ110aおよびその他の部材によって構成された挿入部110の曲げ剛性は、たとえば、以下の手順で測定することができる。まず、チューブ110aを、真っ直ぐに伸ばした状態で2対のローラW1、W2の間に配置する。これにより、チューブ110aは、軸方向に離隔する2対のローラW1、W2によって、径方向両側から支持された状態になる。
【0051】
次に、チューブ110aの軸方向における2対のローラW1、W2の中間で、チューブ110aの径方向片側に配置されたローラW3を、測定器Mの測定ロッドLによって、チューブ110aの径方向に所定の押し込み量D1で押し込み、2対のローラW1、W2の間に支持されたチューブ110aを曲げる。この状態で、測定器Mによって測定ロッドLに作用する反力を測定し、この反力をチューブ110a単体または挿入部110の曲げ剛性とする。たとえば、チューブ110aの外径がφ8mmである場合、チューブ110aの軸方向に離隔するローラW1の間隔D2を200mm、押し込み量D1を20mmにすることができる。
【0052】
図2に示すように、内視鏡100の操作部130は、把持部を構成する操作部本体131と、操作部本体131の挿入部110側に設けられた処置具挿通口132と、を有する。処置具挿通口132は、操作部130に設けられた開口であり、前述の処置具管路31に連通する。また、操作部本体131には、湾曲部112の湾曲を操作するための湾曲操作ノブ133、および内視鏡100の各操作に関するスイッチ類134などが設けられている。挿入部110を構成するチューブ110aの基端部は、たとえば、操作部本体131に接続されている。
【0053】
図5は、
図1および
図2に示す内視鏡100の撮像部120の一例を示す拡大図である。
図5に示す例において、挿入部110は、チューブ110aによって構成された湾曲部112の先端に、処置具管路31の開口112a、送気管路32の開口112b、送水管路33の開口112c、および副送水管路34の開口112dを有している。
【0054】
また、挿入部110は、チューブ110aの先端に、有接点方式の電源コネクタ110cと信号コネクタ110dを有している。電源コネクタ110cは、たとえば、チューブ110aのケーブル管路36に通された電源ケーブルを介してコネクタ部150の電源端子に接続されている。信号コネクタ110dは、たとえば、挿入部110を構成するチューブ110aのケーブル管路36に通された信号ケーブルを介してコネクタ部150の信号端子に接続されている。
【0055】
撮像部120は、たとえば、円柱形の本体部121と、本体部121に設けられた鉗子口121a、送気口121b、送水口121c、副送水口121dを備えている。鉗子口121a、送気口121b、送水口121c、副送水口121dは、それぞれ、本体部121に設けられた処置具管路、送気管路、送水管路、および副送水管路の開口であり、チューブ110aの開口112a、112b、112c、112dを介してチューブ110aに設けられた処置具管路31、送気管路32、送水管路33、および副送水管路34に連通している。また、撮像部120は、チューブ110aの先端に接続される本体部121の後端部に、電源ピン122と信号ピン123を有している。
【0056】
撮像部120と挿入部110との接合部は、チューブ状の破断部114によって覆われている。破断部114の素材としては、たとえば、挿入部110を構成するチューブ110aと同様に、柔軟性および可撓性を有する樹脂を用いることができる。破断部114は、撮像部120と挿入部110との接合部だけでなく、たとえば、接合部に隣接する撮像部120の後端部と湾曲部112の先端部を覆っている。破断部114は、たとえば、撮像部120の後端部と湾曲部112の先端部に接着または接合され、挿入部110の先端部111を構成する撮像部120を挿入部110から取り外すときに破断される。
【0057】
図6は、
図5に示す撮像部120の構成の一例を示す模式的な断面図である。撮像部120は、少なくともCMOSやCCDなどの撮像素子124を含んでいる。本実施形態において、撮像部120は、たとえば、撮像素子124と、対物レンズ125と、レンズ126を含む小型LED(Light Emitting Diode)照明127とを備えている。本体部121は、たとえば、撮像素子124を含む撮像部120の各部を密閉および封止している。撮像部120は、本体部121の後端部に、電源ピン122と信号ピン123とを備えている。なお、撮像部120は、
図6に示す各構成をすべて含む必要はなく、たとえば撮像素子124の再利用を可能にする最小限の構成要素を含むものでもよい。
【0058】
電源ピン122は、たとえば、撮像素子124および小型LED照明127に接続されている。電源ピン122をチューブ110aの先端部の電源コネクタ110cに挿入して接続することで、撮像素子124および小型LED照明127に対して電力の供給が可能になる。また、信号ピン123は、たとえば、撮像素子124および小型LED照明127に接続されている。信号ピン123をチューブ110aの先端部の信号コネクタ110dに挿入して接続することで、撮像素子124の画像信号をコネクタ部150の信号端子へ信号ケーブルを介して出力することが可能になる。なお、撮像素子124の画像信号を出力するための接続は、ピンとコネクタによる有接点方式に限定されず、たとえば、Bluetooth(登録商標)などの無線方式の接続に変更することも可能である。
【0059】
本体部121は、例えば、チューブ110aを構成する柔軟性を有する樹脂とは異なる硬質の樹脂によって構成されている。本体部121は、たとえば、一部または全部が透明であってもよい。この場合、対物レンズ125および照明用のレンズ126などのレンズを本体部121と一体に成形してもよい。なお、撮像部120を撮像素子124単体で構成する場合には、撮像部120は、本体部121を有しなくてもよい。この場合、撮像部120は、樹脂等によって封止された撮像素子124によって構成され、挿入部110の先端部111を構成するチューブ110aの先端部に埋め込むように配置することができる。
【0060】
以下、本実施形態の内視鏡100の作用について説明する。
【0061】
本実施形態の内視鏡100は、前述のように、撮像部120を含む挿入部110と、この挿入部110の一部を湾曲させる操作部130とを備えている。そして、挿入部110の少なくとも一部は、樹脂製のチューブ110aによって構成されている。また、チューブ110aは、このチューブ110aを構成する樹脂によって形成された複数の管路110bを有している。
【0062】
このように、内視鏡100の挿入部110の少なくとも一部を樹脂製のチューブ110aによって構成することにより、チューブ110aの可撓性、柔軟性、外表面の平滑性などの特性によって、挿入部110を患者の体内に挿入するときの操作性や挿入性の低下を防止できる。また、チューブ110aが、チューブ110a自身を構成する樹脂によって形成された複数の管路110bを有すること、すなわち、複数の管路110bを有する樹脂製のチューブ110aであること、たとえば、マルチルーメンチューブであることによって、挿入部110を比較的に安価な材料で容易に製造することが可能になり、内視鏡100のコストを低減することができる。
【0063】
また、本実施形態の内視鏡100は、前述のように、挿入部110と、この挿入部110の一部を湾曲させる操作部130と、を備える。そして、挿入部110は、撮像部120を含む先端部111と、操作部130によって湾曲される湾曲部112と、この湾曲部112と操作部130との間の軟性部113とを有している。さらに、湾曲部112および軟性部113の少なくとも一部は、複数の管路110bを有する樹脂製のチューブ110aによって構成されている。また、チューブ110aを構成する樹脂のショアA硬度は、A30以上、A95以下である。
【0064】
このように、湾曲部112および軟性部113の少なくとも一部を樹脂製のチューブ110aによって構成することにより、チューブ110aの可撓性、柔軟性、外表面の平滑性などの特性によって、湾曲部112および軟性部113を患者の体内に挿入するときの操作性や挿入性の低下を防止できる。また、チューブ110aを構成する樹脂のショアA硬度がA30以上、A95以下であることで、チューブ110aのショアA硬度に応じた曲げ剛性を、湾曲部112および軟性部113に付与することができる。
【0065】
たとえば、湾曲部112の樹脂のショアA硬度が、軟性部113の樹脂のショアA硬度よりも低い場合には、湾曲部112におけるチューブ110aの曲げ剛性を軟性部113におけるチューブ110aの曲げ剛性よりも低下させることができる。これにより、湾曲部112を湾曲させる操作が容易になり、内視鏡100の操作性をより向上させることができる。
【0066】
また、本実施形態の内視鏡100は、使用毎に交換されるチューブ110aを含むシングルユース部Sと、使用毎に回収されて再使用される撮像部120を含むリユース部Rと、を備えている。これにより、比較的に安価なチューブ110aを含むシングルユース部Sを使い捨てにして、常に高いレベルの清浄度を維持した内視鏡検査を行うことができる。
【0067】
また、チューブ110aを含むシングルユース部Sを、使用毎に新品に交換して使い捨てにすることで、挿入部110の洗浄、滅菌、消毒などの手間を省くことができ、挿入部110の経時的な損傷や故障のリスクを低下させることができる。また、比較的に高価な撮像部120を含むリユース部Rを、使用毎に回収して、洗浄、滅菌、消毒を行って再使用することで、リユース部R以外を使い捨てにするシングルユース型の内視鏡100の維持管理コストを低減することができる。
【0068】
また、本実施形態の内視鏡100において、挿入部110は、撮像部120を取り外すときに破断される破断部114を有している。これにより、たとえば、内視鏡100の使用後に、シングルユース部Sの交換を行う権限を有しない第三者が撮像部120を取り外すと、破断部114が破断して内視鏡100の再構成が不可能になる。そのため、チューブ110aを含むシングルユース部Sの再使用や、撮像部120の不正な取り外しを防止することができる。したがって、内視鏡100のトレーサビリティーを向上させ、より安全性および信頼性を向上させることができる。
【0069】
なお、前述のように、撮像部120が挿入部110の先端部111を構成するチューブ110aの先端部に埋設されている場合には、チューブ110aが破断部114としての役割を果たす。すなわち、撮像部120を含むリユース部Rを回収するには、チューブ110aを破断して、チューブ110a内の撮像部120を取り出す必要がある。
【0070】
これにより、内視鏡100の使用後に、シングルユース部Sの交換を行う権限を有しない第三者が撮像部120を取り外すと、チューブ110aが破断して内視鏡100の再構成が不可能になる。そのため、チューブ110aを含むシングルユース部Sの再使用や、撮像部120の不正な取り外しを防止することができる。したがって、内視鏡100のトレーサビリティーを向上させ、より安全性および信頼性を向上させることができる。
【0071】
したがって、本実施形態の内視鏡100によれば、権限を有しない第三者による撮像部120の取り外しを、破断部114またはチューブ110aによって防止することができる。仮に、撮像部120が取り外された場合にも、破断部114またはチューブ110aが破断することで、撮像部120が取り外されたことを容易に判別することができる。
【0072】
一方、内視鏡100を管理する正当な管理者が、撮像部120を含むリユース部Rを回収するときには、破断部114またはチューブ110aを破断させ、撮像部120や小型LED照明127を容易に取り出すことができる。そして、取り出した撮像部120を含むリユース部Rを洗浄・滅菌し、これらを再度の利用に供することができる。
【0073】
なお、撮像部120の撮像素子124や小型LED照明127は、通常のリユース式の内視鏡の撮像部に用いられる撮像素子や小型LED照明と同等の性能を有している。このような高性能の撮像素子124や小型LED照明127を含む撮像部120は高価であるため、ユーザから使用済みの内視鏡100を回収した後、内視鏡100の管理者によって取り外され、洗浄され、滅菌消毒されて、再利用に供される。
【0074】
また、チューブ110aを含む安価なシングルユース部Sは、たとえば、廃棄されて焼却される。なお、シングルユース部Sを構成する樹脂は、たとえば、溶解させるなどして原料として再利用してもよい。つまり、洗浄され、滅菌消毒された撮像部120を含むリユース部Rと、全く新規のチューブ110aを含むシングルユース部Sとによって、新たな内視鏡100が製造され、再度、ユーザに提供される。
【0075】
また、チューブ110aの少なくとも一部が、多孔質樹脂によって構成されている場合、多孔質樹脂部の可撓性および柔軟性を、多孔質樹脂によって構成されていない非多孔質部の可撓性および柔軟性よりも向上させることができる。したがって、挿入部110の操作性や挿入性を向上させることができる。
【0076】
また、前述のように、チューブ110aの軸方向または径方向において、樹脂のショアA硬度が変化していてもよい。樹脂は、ショアA硬度が低下すると、可撓性および柔軟性が向上する。一方、樹脂は、ショアA硬度が増加すると、可撓性および柔軟性は低下する。
【0077】
そのため、たとえば、挿入部110の軸方向すなわち長手方向において、チューブ110aを構成する樹脂のショアA硬度を変化させることで、可撓性および柔軟性を変化させることができる。また、挿入部110の径方向において、チューブ110aを構成する樹脂のショアA硬度を変化させることで、挿入部110の可撓性および柔軟性を向上させることが可能になる。
【0078】
具体的には、たとえば、挿入部110の径方向内側から外側へ向けて、チューブ110aを構成する樹脂のショアA硬度を増加させたり、挿入部110の径方向外側から内側へ向けて、チューブ110aを構成する樹脂のショアA硬度を増加させたりすることができる。
【0079】
また、本実施形態の内視鏡100は、前述のように、チューブ110aの管路110bに挿通された剛性材と、この剛性材に挿通されて湾曲部112の湾曲機構に接続されたアングルワイヤ41とを備えている。そして、操作部130は、アングルワイヤ41を操作可能に設けられている。これにより、操作部130によってアングルワイヤ41を操作して、アングルワイヤ41によって湾曲機構を湾曲させることができる。したがって、操作部130の操作によって湾曲部112を自在に湾曲させることができる。
【0080】
また、チューブ110aの管路110bに挿通された剛性材は、前述のように、たとえば、チューブ110aよりも高い曲げ剛性を有し、湾曲部112よりも基端側の軟性部113において管路110bに挿通されている。この剛性材により、湾曲部112よりも基端側の軟性部113で管路110bを保護し、ガイドワイヤによる管路110bの損傷を防止することができる。また、軟性部113の曲げ剛性を、チューブ110aの管路110bに挿入された剛性材によって向上させ、挿入部110を患者の体内に挿入するときの操作性や挿入性を向上させることができる。
【0081】
以上説明したように、本実施形態によれば、操作性や挿入性を低下させることなく、コストを抑制することができる内視鏡100および内視鏡システム1を提供することができる。
【0082】
<内視鏡の変形例1>
図7Aは、
図1および
図2に示す内視鏡100の変形例1を示す拡大断面図である。
図7Bは、
図1および
図2に示す内視鏡100の変形例1を示す拡大斜視図である。変形例1の内視鏡100は、撮像部120に電力を電界結合方式で伝送する場合の一例である。
【0083】
<内視鏡の変形例2>
図8Aは、
図1および
図2に示す内視鏡100の変形例2を示す拡大断面図である。
図8Bは、
図1および
図2に示す内視鏡100の変形例2を示す拡大斜視図である。変形例2の内視鏡100は、撮像部120に電力を二次元通信方式(エバネッセント波方式)で伝送する場合の一例である。
【0084】
<内視鏡の変形例3>
図9Aから
図9Dは、
図1および
図2に示す内視鏡100の変形例3を示す断面図である。変形例3の内視鏡100は、撮像部120に電力を電磁誘導方式で伝送する場合の例である。本変形例の内視鏡100によれば、湾曲部112の送電コイルから撮像部120の受電コイルへ電力を電磁誘導方式で伝送することができる。
【0085】
<内視鏡の変形例4>
図10Aおよび
図10Bは、
図1および
図2に示す内視鏡100の変形例4を示す拡大断面図である。変形例4の内視鏡100は、光伝送方式で電力または信号を伝送する場合の例である。
【0086】
<内視鏡の変形例5>
図11は、
図1および
図2に示す内視鏡100の変形例5を示す拡大断面図である。変形例5の内視鏡100は、無線伝送方式で電力または信号を伝送してもよい。
【0087】
[実施の形態2]
本実施の形態は、軟性部113の途中の一箇所に設けられた剛性変化位置P1で曲げ剛性が変化する内視鏡100に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0088】
図12は、実施の形態2の内視鏡100の挿入部110の構成を説明する説明図である。
図12においては、コネクタケーブル140およびコネクタ部150は図示を省略する。
【0089】
前述のとおり、挿入部110は、樹脂製のチューブ110aを含む。チューブ110aは、長手方向に貫通する複数の貫通孔が設けられた、マルチルーメンチューブである。チューブ110aの一方の端は、先端部111で覆われている。チューブ110aの他方の端は、折止部135を介して操作部本体131の内部に取り付けられている。
【0090】
以後の説明において、挿入部110の先端から、先端部111と湾曲部112との境界までの距離を距離L0と記載する。同様に、挿入部110の先端から、湾曲部112と軟性部113との境界までの距離を距離L1と記載する。挿入部110の先端から、挿入部110の曲げ剛性が変化する剛性変化位置P1までの距離をL2と記載する。挿入部110の先端から折止部135の先端までの距離、すなわち内視鏡100の有効長をLeffと記載する。
【0091】
図13は、実施の形態2の挿入部110先端の外観図である。先端部111は、チューブ110aとほぼ同一の外径を有する円柱形である。先端部111は、チューブ110aの端面を覆っている。
【0092】
先端部111には、鉗子口121a、送気口121b、送水口121c、副送水口121d、観察窓24および2個の照明窓27が配置されている。観察窓24は、2個の照明窓27の間に配置されている。観察窓24の奥側には、撮像素子124を含む撮像部120が配置されている。照明窓27の奥側には、小型LED照明127が配置されている。
【0093】
鉗子口121a、送気口121b、送水口121cおよび副送水口121dは、先端部111に設けられた貫通孔である。送気口121b、送水口121c、副送水口121dは、鉗子口121aの周囲に配置されている。送気口121bおよび送水口121cには、噴出する水および空気を観察窓24側に向けるノズルが設けられていても良い。
【0094】
図14は、
図12におけるXIV-XIV線による断面図である。
図14は、湾曲部112の前側の端面を示す。湾曲部112を構成するチューブ110aの外周に近い位置に、4本のアングルワイヤ41の先端にそれぞれ設けられた抜止部411がほぼ等分に埋設されている。
【0095】
図14における上側の抜止部411よりもチューブ110aの中心軸側に、2個の電源コネクタ110cおよび2個の信号コネクタ110dを保持する保持ブロック110eが埋設されている。電源コネクタ110cは、
図5を使用して説明した電源ピン122に対応する位置に配置されている。信号コネクタ110d、
図5を使用して説明した信号ピン123対応する位置に配置されている。
【0096】
湾曲部112の端面に、開口112aから開口112dまでの4個の開口が配置されている。開口112aは、鉗子口121aに対応する位置に設けられており、鉗子口121aとほぼ等しい内径を有する。開口112bは、送気口121bに対応する位置に設けられており、送気口121bとほぼ等しい内径を有する。
【0097】
開口112cは、送水口121cに対応する位置に設けられており、送水口121cとほぼ等しい内径を有する。開口112dは、副送水口121dに対応する位置に設けられており、副送水口121dとほぼ等しい内径を有する。
【0098】
図15は、
図13におけるXV-XV線による断面の模式図である。
図15においては、挿入部110の長手方向を縮小して、構造を模式的に示す。また、撮像部120の断面および撮像部120の表面を覆う観察窓24の図示を省略する。
【0099】
チューブ110aの端面に、先端部111が配置されている。先端部111から突出する信号ピン123が、保持ブロック110eに保持された信号コネクタ110dに挿入されている。同様に、電源ピン122が、電源コネクタ110cに挿入されている。電源ピン122と電源コネクタ110c、および、信号ピン123と信号コネクタ110dは、それぞれ図示を省略する接触子により、導通すると同時に容易に抜けないように保持されている。
【0100】
チューブ110aと先端部111との接合部は、破断部114によって覆われている。破断部114は、たとえば熱収縮チューブ、粘着材付きテープ、または所定の範囲に塗布した後に硬化させた接着剤等により形成されている。チューブ110aの端面と先端部111とが接着固定されていても良い。このようにする場合、チューブ110aと先端部111との間に介在する接着層も破断部114を構成する。
【0101】
チューブ110aと先端部111とが十分な強度で接着可能である場合には、チューブ110aと先端部111との接合部を覆う破断部114を設けなくても良い。このようにする場合には、チューブ110aと先端部111との間に介在する接着層のみが破断部114を構成する。
【0102】
破断部114を破断することにより、先端部111を破損せずに内視鏡100から分離できる。分離された先端部111は、新たな内視鏡100を組み立てる際に再使用できる。すなわち、先端部111が再使用されるリユース部Rの機能を、他の部分が1回使用された後に破棄されるシングルユース部Sの機能をそれぞれ果たす。
【0103】
なお、チューブ110aの端面と先端部111とが接着固定される場合、所定の温度にするか、または所定の溶剤等を使用することにより、容易に剥がせる接着剤を使用することが望ましい。所定の温度または所定の溶剤等は、内視鏡検査時に医療機関で使用しない温度または溶剤である。このようにすることにより、先端部111を破損せずに取り外せる内視鏡100を提供できる。
【0104】
図16は、チューブ110aの断面図である。チューブ110aは、樹脂の押出成形により製造されたマルチルーメンチューブであり、全長にわたって同じ断面形状を有する。チューブ110aは、処置具管路31、送気管路32、送水管路33、副送水管路34、4本のワイヤ管路35およびケーブル管路36を有する。それぞれの管路は、実施の形態1で説明した管路110bの例示である。
【0105】
処置具管路31、送気管路32、送水管路33、副送水管路34およびワイヤ管路35は、円形断面を有する。処置具管路31の端部は、鉗子口121aを形成する。送気管路32の端部は、送気口121bを形成する。送水管路33の端部は、送水口121cを形成する。副送水管路34の端部は、副送水口121dを形成する。
【0106】
図15および
図16を使用して説明を続ける。ワイヤ管路35に、ワイヤシース42が挿通されている。ワイヤシース42に、アングルワイヤ41が挿通されている。アングルワイヤ41の先端は、ワイヤシース42から突出している。アングルワイヤ41がワイヤシース42に覆われていない部分が湾曲部112を構成し、アングルワイヤ41がワイヤシース42に覆われている部分が軟性部113を構成する。
【0107】
ワイヤシース42は、たとえば密着コイルまたは軟性のチューブである。ワイヤシース42は、実施の形態1で説明した剛性材の一例である。ワイヤシース42の一端は、操作部本体131に固定されている。ワイヤシース42は、軟性部113の全長にわたってワイヤ管路35の内壁に固定されていても良い。
【0108】
アングルワイヤ41の一端には、太径の抜止部411が設けられている。抜止部411は、ワイヤ管路35の端部に嵌め込まれている。アングルワイヤ41の他端は、操作部本体131の内部で図示を省略する湾曲機構に接続されている。
【0109】
ユーザが湾曲機構を操作することにより、アングルワイヤ41はワイヤシース42の内部を長手方向に進退する。アングルワイヤ41が操作部側に引き込まれることにより、アングルワイヤ41がワイヤシース42から突出している部分が短くなる。これにより、湾曲部112が引き込まれたアングルワイヤ41の側に向けて湾曲する。
【0110】
鉗子口121aの内面と、処置具管路31の内面とは、滑らかに連通して処置具の通路であるチャンネルを形成している。ユーザが処置具挿通口132から挿入した処置具は、処置具管路31および鉗子口121aを介して、挿入部110の先端から突出する。
【0111】
図示を省略するが、送気口121bの内面と、送気管路32の内面とは、滑らかに連通している。送水口121cの内面と、送水管路33の内面とは、滑らかに連通している。副送水口121dの内面と、副送水管路34の内面とは、滑らかに連通している。
【0112】
ケーブル管路36は、略長円形状断面を有する。ケーブル管路36に、ケーブル44が挿通されている。ケーブル44の端部は、電源コネクタ110cおよび信号コネクタ110dに接続されている。ケーブル管路36の端部に、電源コネクタ110cおよび信号コネクタ110dを保持ブロック110eが埋め込まれている。
【0113】
電源コネクタ110cには、撮像素子124に電源を供給する電源ケーブルが接続されている。信号コネクタ110dには、撮像素子124とプロセッサ3との間で信号を伝達する信号ケーブルが接続されている。以下の説明においては、電源ケーブルと信号ケーブルとをまとめてケーブル44と記載する場合がある。
【0114】
なお、ケーブル44と電源コネクタ110cおよび信号コネクタ110dとの間に、ドライバICおよびマルチプレクサ等が配置されていても良い。ケーブル44、電源コネクタ110cおよび信号コネクタ110dの数は任意である。1本のケーブル44に対して、円形断面のケーブル管路36が1本設けられていても良い。電源用のケーブル44用のケーブル管路36と、信号用のケーブル44用のケーブル管路36とが分けて設けられていても良い。
【0115】
先端部111は、ワイヤ管路35およびケーブル管路36に対応する場所に開口を有さない。先端部111は、ワイヤ管路35およびケーブル管路36の端部を覆っている。
【0116】
挿入部110の操作部側は、外皮51により覆われている。外皮51は、たとえば熱収縮チューブまたは弾性のある樹脂製チューブである。外皮51は、粘着テープをチューブ110aの外側に螺旋状に巻き付けて形成した層であっても良い。外皮51は、樹脂製テープをチューブ110aの外側に螺旋状に巻き付けた後に、加熱して、融着させた層であっても良い。外皮51は、チューブ110aの外周面に液状の樹脂材料を塗布して、硬化させた層であっても良い。
【0117】
軟性部113のうち外皮51で覆われている部分の曲げ剛性は、外皮51で覆われていない部分の曲げ剛性よりも高い。したがって、外皮51で覆われている部分と外皮51で覆われていない部分との境界が、
図12を使用して説明した剛性変化位置P1を形成する。軟性部113のうち外皮51で覆われていない部分が第1領域1131を、覆われている部分が第2領域1132を構成する。
【0118】
なお、
図12から
図16を使用して説明した内視鏡100の構成は例示である。内視鏡100は、鉗子口121a、送気口121b、送水口121cおよび副送水口121dの一部または全部を有さなくても良い。内視鏡100は、複数の鉗子口121aを有しても良い。アングルワイヤ41は、2本または1本であっても良い。小型LED照明127は、1個または3個以上であっても良い。
【0119】
図17は、実施の形態2の湾曲部112および軟性部113の曲げ剛性を説明するグラフである。横軸は、挿入部110の先端からの長さを示す。縦軸は、湾曲部112および軟性部113の曲げ剛性を示す。先端部111は剛性であるため、曲げ剛性は定義されない。
【0120】
L0、L1、L2およびLeffは、それぞれ
図12を使用して説明した挿入部110の先端からの長さを示す。N1は、湾曲部112の曲げ剛性を示す。N2は、第1領域1131の曲げ剛性を示す。N3は、第2領域1132の曲げ剛性を示す。N1、N2、およびN3は、(1)式の関係を満たす。
N1<N2<N3 ‥‥‥ (1)
【0121】
湾曲部112および軟性部113の曲げ剛性を測定する方法を説明する。測定に使用する測定器は、
図4を使用して説明した測定器と同一である。ローラW1およびローラW2は、測定器Mの測定ロッドLの押し込み方向を対称軸として線対称に配置される。ローラW3の中心軸は、この対称軸上に配置される。
【0122】
図4中の、押し込み量D1およびローラW1同士の間隔D2は、表3に示す値に定める。
【0123】
【0124】
ローラW2は、測定ロッドLを押し込んだ際に、ローラW1の外側の被測定物が押し込み方向と反対向きに動くことを防止するように配置される。この機能を果たす限り、ローラW2同士の距離は任意である。ローラW2同士の間隔は、被測定物の直径外径をdで示す場合に、D2+2dからd2+4d程度に設定することにより前記機能を実現できる。
【0125】
なお、1本の内視鏡100の挿入部110に外径が7.0mm以下である部分と7.0mmを越える部分とが混在する場合、いずれの部分も外径が7.0mm以下である場合の条件を用いて測定する。
【0126】
湾曲部112の曲げ剛性N1を測定する場合について説明する。ローラW2同士の距離よりも十分に長いチューブ110aを用意する。チューブ110aに、チューブ110aよりも長いアングルワイヤ41およびケーブル44を挿通する。以上により、測定用サンプルが完成する。
【0127】
測定用サンプルを、
図4を使用して説明したとおり真っ直ぐに伸ばした状態で、ローラW1とローラW2との間に配置する。ローラW3を所定の押し込み量D1押し込んだ際の反力が、湾曲部112の曲げ剛性である。
【0128】
第1領域1131の曲げ剛性N2を測定する場合について説明する。第1領域1131を真っ直ぐに伸ばす。第1領域1131が十分に長い場合には、ローラW2同士の間に第1領域1131が位置するように配置する。第1領域1131がローラW2同士の間隔よりも短く、ローラW1同士の間隔よりも長い場合、第1領域1131の中央部が、ローラW1同士の中央部に位置するように配置する。ローラW3を所定の押し込み量D1押し込んだ際の反力が、第1領域1131の曲げ剛性である。
【0129】
第1領域1131がローラW1同士の間隔よりも短い場合、ローラW2同士の距離よりも十分に長いチューブ110aを用意する。チューブ110aに、チューブ110aよりも長いワイヤシース42、アングルワイヤ41およびケーブル44を挿通する。以上により、測定用サンプルが完成する。
【0130】
測定用サンプルを、
図4を使用して説明したとおり真っ直ぐに伸ばした状態で、ローラW1とローラW2との間に配置する。ローラW3を所定の押し込み量D1押し込んだ際の反力が、第1領域1131の曲げ剛性である。
【0131】
第2領域1132の曲げ剛性N3を測定する場合について説明する。一般的に、第2領域1132は、ローラW2同士の距離よりも長い。第2領域1132を真っ直ぐに伸ばす。ローラW2同士の間に第2領域1132が位置するように配置する。ローラW3を所定の押し込み量D1押し込んだ際の反力が、第2領域1132の曲げ剛性である。
【0132】
測定のために内視鏡100を分解できる場合には、以下の手順で測定を行う。最初に、第2領域1132の曲げ剛性を測定する。第1領域1131がローラW1同士の間隔よりも長い場合、前述に手順で第1領域1131の曲げ剛性を測定する。
【0133】
第1領域1131がローラW1同士の間隔よりも短い場合、第1領域1131に近い側から外皮51を除去し、第1領域1131と同じ構成の部分を増やす。第1領域1131と同じ構成の部分を十分な長さ確保した後に、第1領域1131の曲げ剛性を測定する。
【0134】
その後、挿入部110を操作部130から取り外すか、または操作部130に近い位置で挿入部110を切断する。ワイヤシース42を抜去して、湾曲部112と同じ構成の部分を十分な長さ確保する。その後、前述の第1領域1131と同様の手順で湾曲部112の曲げ剛性を測定する。
【0135】
表4および表5は、好適な内視鏡100の例を示す。チューブ外径、L1、L2およびLeffの単位はmmである。N1、N2およびN3の単位はニュートンである。なお、L0は10mmから20mm程度である。
【0136】
【0137】
表4は、上部消化管用の内視鏡100を示す。No.1は、経鼻挿入および小児用に適した上部消化管用の内視鏡100を示す。No2は、一般的な上部内視鏡検査に好適な内視鏡100を示す。No3は、内視鏡下治療等に適した内視鏡100を示す。
【0138】
【0139】
表5は、呼吸器用の内視鏡100および泌尿器用の内視鏡100を示す。No.4は、呼吸器用の内視鏡100を示す。No.1からNo.3に示した上部消化管用の内視鏡100に比べて細径で有効長Leffが短く、曲げ剛性が小さい。曲げ剛性が小さいため、肺の上葉に向かう気管支に挿入される場合であっても、気管支に沿ってスムーズに屈曲する内視鏡100を提供できる。
【0140】
No.5は、泌尿器用の内視鏡100を示す。No.4に示した呼吸器用の内視鏡100に比べてさらに有効長Leffが短い。No.6は、いわゆるベビースコープ用の内視鏡100を示す。十二指腸用の内視鏡100のチャンネルを経由して膵胆管に挿入するために、外径が細く、有効長Leffが長い。
【0141】
なお、No.1からNo.6は、いずれも例示であり、内視鏡100の仕様および用途はこれらに限定されない。
【0142】
<内視鏡の変形例2-1>
実施の形態2の変形例2-1は、外皮51が破断部114の機能を有する内視鏡100に関する。実施の形態2と共通する部分については、説明を省略する。
【0143】
図18は、実施の形態2の挿入部110の変形例2-1を説明する模式図である。
図18は
図15と同様の断面を示す。
【0144】
本変形例の外皮51は、第1外皮511と第2外皮512とを含む。第1外皮511は、先端部111の外周面のうち、操作部側の約半分と、チューブ110aの外周面とを連続して覆う。第2外皮512は、挿入部110の操作部側の第1外皮511を覆う。
【0145】
第1外皮511および第2外皮512は、実施の形態2の外皮51と同様の材料および製法により作成される。第1外皮511と第2外皮512との材質および製法は、同一であっても異なっていても良い。
【0146】
第1外皮511のうち、チューブ110aと先端部111との接合部を覆う部分が、本変形例の破断部114の機能を果たす。軟性部113のうち第1外皮511と第2外皮512の2層で覆われている部分の曲げ剛性は、第1外皮511のみで覆われている部分の曲げ剛性よりも高い。したがって、第2外皮512で覆われている部分と第2外皮512で覆われていない部分との境界が、
図12を使用して説明した剛性変化位置P1を形成する。
【0147】
同様に、軟性部113のうち第1外皮511のみで覆われている部分が第1領域1131を、第1外皮511と第2外皮512の2層で覆われている部分が第2領域1132を構成する。
【0148】
本変形例によると、第1外皮511により、湾曲部112および第1領域1131の曲げ剛性を高めた内視鏡100を提供できる。
【0149】
<内視鏡の変形例2-2>
実施の形態2の変形例2-2は、外皮51が破断部114の機能を有する内視鏡100に関する。実施の形態2と共通する部分については、説明を省略する。
【0150】
図19は、実施の形態2の挿入部の変形例2-2を説明する模式図である。
図19は
図15と同様の断面を示す。
【0151】
本変形例の外皮51は、薄肉領域516と厚肉領域517とを含む。薄肉領域516は、チューブ110aの外周面のうち、先端側の部分を覆う。薄肉領域516よりも厚い厚肉領域517は、チューブ110aの外周面のうち、薄肉領域516で覆われていない部分を覆う。薄肉領域516と、厚肉領域517とは、一体に形成されている。
【0152】
軟性部113のうち厚肉領域517で覆われている部分の曲げ剛性は薄肉領域516で覆われている部分の曲げ剛性よりも高い。したがって、薄肉領域516と厚肉領域517との境界が、
図12を使用して説明した剛性変化位置P1を形成する。同様に、軟性部113のうち薄肉領域516で覆われている部分が第1領域1131を、厚肉領域517で覆われている部分が第2領域1132を構成する。
【0153】
本変形例によると、剛性変化位置P1の前後で挿入部110表面の材質が変化しない。ユーザである医師が患者に挿入部110を挿入する際に、表面の滑り性の変化等の違和感を覚えにくい内視鏡100を提供できる。
【0154】
<内視鏡の変形例2-3>
実施の形態2の変形例2-3は、外皮51が破断部114の機能を有する内視鏡100に関する。実施の形態2と共通する部分については、説明を省略する。
【0155】
図20は、実施の形態2の挿入部110の変形例2-3を説明する模式図である。
図20は
図15と同様の断面を示す。
【0156】
本変形例の外皮51は、第1外皮511と第2外皮512とを含む。第1外皮511は、チューブ110aの外周面のうち、先端側の部分を覆う。第2外皮512は、チューブ110aの外周面のうち、第1外皮511で覆われていない部分を覆う。第2外皮512は、第1外皮511よりも硬い材質により形成されている。第1外皮511と第2外皮512とは、ほぼ同じ厚さである。
【0157】
軟性部113のうち第2外皮512で覆われている部分の曲げ剛性は、第1外皮511で覆われている部分の曲げ剛性よりも高い。したがって、第1外皮511で覆われている部分と第2外皮512で覆われている部分との境界が、
図12を使用して説明した剛性変化位置P1を形成する。軟性部113のうち第1外皮511で覆われている部分が第1領域1131を、第2外皮512で覆われている部分が第2領域1132を構成する。
【0158】
本変形例によると、剛性変化位置P1の前後で挿入部110の太さがほとんど変化しない。ユーザである医師が患者に挿入部110を挿入する際に、挿入部110の太さ変化による違和感を覚えにくい内視鏡100を提供できる。
【0159】
<内視鏡の変形例2-4>
実施の形態2の変形例2-4は、先端部111が固定突起54を備える内視鏡100に関する。実施の形態2と共通する部分については、説明を省略する。
【0160】
図21は、実施の形態2の挿入部の変形例2-4を説明する模式図である。
図21は、
図13におけるXX1-XXI線による断面に相当する断面を示す。
【0161】
先端部111は、チューブ110a側の面から突出する固定突起54を備える。固定突起54は、先端が鋭利であり、抜け止めを有する。固定突起54は、チューブ110aの端面に突き刺さり、先端部111をチューブ110aに固定している。
【0162】
なお、
図21では固定突起54が1個である場合を例示するが、先端部111は複数の固定突起54を備えても良い。本実施の形態によると、先端部111とチューブ110aとが強固に接合された内視鏡100を提供できる。
【0163】
[実施の形態3]
本実施の形態は、軟性部113の途中に設けられた剛性変化位置P1および剛性変化位置P2の二箇所で曲げ剛性が変化する内視鏡100に関する。実施の形態2と共通する部分については、説明を省略する。
【0164】
図22は、実施の形態3の内視鏡100の挿入部110の構成を説明する説明図である。
図22においては、コネクタケーブル140およびコネクタ部150は図示を省略する。
【0165】
挿入部110は、剛性変化位置P1および剛性変化位置P2の周辺において、実施の形態2またはその変形例の剛性変化位置P1の周辺と同様の構造を有する。剛性変化位置P1周辺の構造と、剛性変化位置P2周辺の構造とは、同一であっても、異なっていてもよい。
【0166】
軟性部113のうち、先端側から剛性変化位置P1までの部分が第1領域1131を構成する。同様に、剛性変化位置P1から剛性変化位置P2までの部分が第2領域1132を構成する。剛性変化位置P2から折止部135の先端までの部分が第3領域1133を構成する。
【0167】
距離L0から距離L1まで、および有効長Leffは実施の形態2と同様であるため説明を省略する。挿入部110の先端から、剛性変化位置P1までの距離をL2と記載する。挿入部110の先端から、剛性変化位置P2までの距離をL3と記載する。L3はL2よりも長い。
【0168】
図23は、実施の形態3の湾曲部112および軟性部113の曲げ剛性を説明するグラフである。横軸は、挿入部110の先端からの長さを示す。縦軸は、湾曲部112および軟性部113の曲げ剛性を示す。先端部111は剛性であるため、曲げ剛性は定義されない。
【0169】
L0、L1、L2、L3およびLeffは、それぞれ
図22を使用して説明した挿入部110の先端からの長さを示す。N1は、湾曲部112の曲げ剛性を示す。N2は、第1領域1131の曲げ剛性を示す。N3は、第2領域1132の曲げ剛性を示す。N4は、第3領域1133の曲げ剛性を示す。N1、N2、N3、およびN4は、(2)式の関係を満たす。
N1<N2<N3<N4 ‥‥‥ (2)
【0170】
第3領域1133の曲げ剛性N4の測定方法は、実施の形態2で説明した第2領域1132の曲げ剛性N3の測定方法と同様であるため、説明を省略する。
【0171】
表6は、好適な内視鏡100の例を示す。チューブ外径、L1、L2、L3およびLeffの単位はmmである。N1、N2、N3およびN4の単位はニュートンである。
【0172】
【0173】
No.7は、十二指腸用の内視鏡100の例を示す。十二指腸用の内視鏡100には、先端部111の側面に観察窓24、照明窓27、鉗子口121a等を有する、いわゆる側視型の構成が採用される場合が多い。側視型の内視鏡100は従来から使用されているため、先端部111の構成の図示を省略する。No.7の、L0は約31mmである。
【0174】
No.8およびNo.9は、大腸用の内視鏡100の例を示す。表6の下に示すように、No.8とNo.9のそれぞれについて、有効長Leffが1300mm、1500mmおよび1700mmの3通りのバリエーションが存在する。No.8およびNo.9のL0は10mmから20mm程度である。
【0175】
本実施の形態によると、2箇所で曲げ剛性が変化することにより、たとえばS状結腸、脾湾曲および肝湾曲等の、挿入が難しい部位であってもユーザが患者に挿入しやすい内視鏡100を提供できる。なお、曲げ剛性は3箇所以上で変化しても良い。
【0176】
なお、No.7からNo.9は、いずれも例示であり、内視鏡100の仕様および用途はこれらに限定されない。
【0177】
[実施の形態4]
本実施の形態は、軟性部113の曲げ剛性が一様である内視鏡100に関する。実施の形態2と共通する部分については、説明を省略する。
【0178】
図24は、実施の形態4の内視鏡100の挿入部110の構成を説明する説明図である。
図24においては、コネクタケーブル140およびコネクタ部150は図示を省略する。本実施の形態の内視鏡100は、剛性変化位置P1を有さない。距離L0から距離L1まで、および有効長Leffは実施の形態2と同様であるため説明を省略する。
【0179】
図25は、実施の形態4の湾曲部112および軟性部113の曲げ剛性を説明するグラフである。横軸は、挿入部110の先端からの長さを示す。縦軸は、湾曲部112および軟性部113の曲げ剛性を示す。先端部111は剛性であるため、曲げ剛性は定義されない。
【0180】
L0、L1およびLeffは、それぞれ
図22を使用して説明した挿入部110の先端からの長さを示す。N1は、湾曲部112の曲げ剛性を示す。N2は、軟性部113の曲げ剛性を示す。N1とN2とは、(3)式の関係を満たす。
N1<N2 ‥‥‥ (3)
【0181】
表7は、好適な内視鏡100の例を示す。チューブ外径、L1およびLeffの単位はmmである。N1およびN2の単位はニュートンである。なお、L0は10mmから20mm程度である。
【0182】
【0183】
No.10は、呼吸器用の内視鏡100を示す。No.4に示した呼吸器用の内視鏡100に比べてさらに細径で有効長Leffが短く、曲げ剛性が小さい。小児等の気管が細い患者に対しても挿入しやすい内視鏡100を提供できる。
【0184】
No.11は、いわゆるベビースコープ用の内視鏡100を示す。No.6に示したベビースコープ用の内視鏡100に比べてさらに細径で、曲げ剛性が小さい。No.6に比べてチャンネル径の小さい十二指腸用の内視鏡100と組合せ可能なベビースコープ用の内視鏡100を提供できる。
【0185】
No.12は、全身麻酔を行う際の気管チューブ挿入に用いられる気管挿管用の内視鏡100を示す。気管挿管には、たとえばNo.4で説明した呼吸器用の内視鏡100が流用される場合がある。しかしながら、気管挿管においては、気管支まで内視鏡100を挿入する必要はない。したがって、気管挿管ではNo.12に示すように、挿入部110全体の曲げ剛性が一様な内視鏡100を使用できる。
【0186】
なお、No.10からNo.12は、いずれも例示であり、内視鏡100の仕様および用途はこれらに限定されない。
【0187】
各実施例で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0188】
(付記1)
撮像部を含む挿入部と、該挿入部の一部を湾曲させる操作部と、を備える内視鏡であって、
前記挿入部の少なくとも一部は、樹脂製のチューブによって構成され、
前記チューブは、該チューブを構成する樹脂によって形成された複数の管路を有し、
前記挿入部は、前記撮像部を含む先端部と、前記操作部によって湾曲される湾曲部と、該湾曲部と前記操作部との間の軟性部とを有し、
前記湾曲部および前記軟性部の少なくとも一部は、前記チューブによって構成され、
前記樹脂のショアA硬度は、A30以上、A95以下であり、
前記管路に挿通された剛性材と、該剛性材に挿通されて前記湾曲部の湾曲機構に接続されたアングルワイヤとを備え、
前記操作部は、前記アングルワイヤを操作可能に設けられている、内視鏡。
【0189】
(付記2)
前記湾曲部の前記樹脂のショアA硬度は、前記軟性部の前記樹脂のショアA硬度よりも低い、付記1に記載の内視鏡。
【0190】
(付記3)
前記チューブの軸方向または径方向において、前記樹脂のショアA硬度が変化している、付記1または付記2に記載の内視鏡。
【0191】
(付記4)
前記剛性材は、前記チューブよりも高い曲げ剛性を有し、前記軟性部において前記管路に挿入されている、付記1に記載の内視鏡。
【0192】
(付記5)
前記挿入部は、前記撮像部を取り外すときに破断される破断部を有する、付記1から付記4のいずれか一項に記載の内視鏡。
【0193】
(付記6)
撮像部を含む挿入部と、該挿入部の一部を湾曲させる操作部と、を備える内視鏡であって、
前記挿入部の少なくとも一部は、樹脂製のチューブによって構成され、
前記チューブは、該チューブを構成する樹脂によって形成された複数の管路を有し、
前記挿入部は、前記撮像部を含む先端部と、前記操作部によって湾曲される湾曲部と、該湾曲部と前記操作部との間の軟性部とを有し、
前記湾曲部および前記軟性部の少なくとも一部は、前記チューブによって構成され、
前記樹脂のショアA硬度は、A30以上、A95以下であり、
使用毎に交換される前記チューブを含むシングルユース部と、
使用毎に回収されて再使用される前記撮像部を含むリユース部と、を備える、内視鏡。
【0194】
(付記7)
前記チューブの軸方向または径方向において、前記樹脂のショアA硬度が変化している、付記6に記載の内視鏡。
【0195】
(付記8)
前記湾曲部の前記樹脂のショアA硬度は、前記軟性部の前記樹脂のショアA硬度よりも低い、付記6または付記7に記載の内視鏡。
【0196】
(付記9)
前記管路に挿通された剛性材と、該剛性材に挿通されて前記湾曲部の湾曲機構に接続されたアングルワイヤとを備え、
前記操作部は、前記アングルワイヤを操作可能に設けられている、付記6から付記8のいずれか一項に記載の内視鏡。
【0197】
(付記10)
前記剛性材は、前記チューブよりも高い曲げ剛性を有し、前記軟性部において前記管路に挿入されている、付記9に記載の内視鏡。
【0198】
(付記11)
前記挿入部は、前記撮像部を取り外すときに破断される破断部を有する、付記6から付記10のいずれか一項に記載の内視鏡。
【符号の説明】
【0199】
1 内視鏡システム
2 モニタ
3 プロセッサ
24 観察窓
27 照明窓
31 処置具管路
32 送気管路
33 送水管路
34 副送水管路
35 ワイヤ管路
36 ケーブル管路
41 アングルワイヤ
411 抜止部
42 ワイヤシース(剛性材)
44 ケーブル
51 外皮
511 第1外皮
512 第2外皮
516 薄肉領域
517 厚肉領域
54 固定突起
100 内視鏡
110 挿入部
110a チューブ
110b 管路
110c 電源コネクタ
110d 信号コネクタ
110e 保持ブロック
111 先端部
112 湾曲部
112a 開口
112b 開口
112c 開口
112d 開口
113 軟性部
1131 第1領域
1132 第2領域
1133 第3領域
114 破断部
120 撮像部
121 本体部
121a 鉗子口
121b 送気口
121c 送水口
121d 副送水口
122 電源ピン
123 信号ピン
124 撮像素子
125 対物レンズ
126 レンズ
127 小型LED照明
130 操作部
131 操作部本体
132 処置具挿通口
133 湾曲操作ノブ
134 スイッチ類
135 折止部
140 コネクタケーブル
150 コネクタ部
R リユース部
S シングルユース部
P1 剛性変化位置
P2 剛性変化位置