(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】ミリ波レーダー撮像デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
G01S 13/89 20060101AFI20240829BHJP
H01L 31/0232 20140101ALI20240829BHJP
H01L 27/144 20060101ALI20240829BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
G01S13/89
H01L31/02 D
H01L27/144 K
H01L27/146 A
(21)【出願番号】P 2021014905
(22)【出願日】2021-02-02
【審査請求日】2024-02-02
(32)【優先日】2020-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504407000
【氏名又は名称】パロ アルト リサーチ センター,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】フェルザット・マイケルデイビット・イナンロウ
【審査官】梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-526812(JP,A)
【文献】国際公開第2007/102142(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0356625(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - 7/42
G01S 13/00 - 13/95
H01L 31/0232
H01L 27/144
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミリ波(mmW)撮像システムであって、
mmW放射線を標的に送信するように構成されたmmW源と、
mmW撮像デバイスであって、
前記標的から受信した後方散乱放射線を可視光に直接変換するように構成されたアップコンバータ素子のアレイであって
、第1の表面及び第2の表面を有する、アップコンバータ素子のアレイと、
前記アップコンバータ
素子のアレイの前記第1の表面に光学的に結合され、前記標的から受信した後方散乱放射線を前記アップコンバータ素子に方向付けるように構成されている、第1の集束レンズと、
光検出器のアレイであって、前記光検出器
のアレイは第1の表面及び第2の表面を有し、前記光検出器
のアレイの前記第1の表面は、前記アップコンバータ素子によって放出された可視光を受信するように構成され、前記光検出器
のアレイは、前記標的の光学画像を示す電気信号を生成するように構成されている、光検出器のアレイと、を含む、mmW撮像デバイスと、
前記アップコンバータ
素子のアレイの前記第2の表面と前記光検出器
のアレイの前記第1の表面との間に配設された光学レンズであって、前記光学レンズは、前記アップコンバータ
素子のアレイよって放出された光を前記光検出器のアレイに方向付けるように構成されている、光学レンズと、
前記光検出器のアレイに結合された表示画素のアレイを含むディスプレイであって、前記ディスプレイは、前記光検出器のアレイによって生成された電気信号を前記標的の光学画像に変換するように構成されている前記ディスプレイと、
前記光検出器のアレイに結合された復号器であって、前記復号器は
、RFIDタグとして構成されている前記標的に符号化されているデータを復号するように構成されている前記復号器と、
ユーザによる携帯及び手持ち操作用に構成されているハウジングであって、前記ハウジングは少なくとも前記mmW撮像デバイスを収容するような寸法を有しており、前記アップコンバータ
素子のアレイ、前記第1の集束レンズ、前記光検出器
のアレイ、前記光学レンズ、及び前記ディスプレイは、前記ハウジング内の共通の軸に沿ってお互いに軸方向に整列している、前記ハウジングと、を備える、mmW撮像システム。
【請求項2】
前記第1の集束レンズが、誘電体レンズ又はメタマテリアルレンズを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記mmW源に又は前記mmW源に近接して配設され、前記標的において前記mmW放射線を方向付けるように構成されている第2の集束レンズを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2の集束レンズが、誘電体レンズ又はメタマテリアルレンズを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
少なくとも前記アップコンバータ素子のアレイ及び前記光検出器
のアレイが、統合光電変換器を画定するようにパッケージ化されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
少なくとも前記アップコンバータ素子のアレイ、前記光学レンズ、及び前記光検出器
のアレイが、統合光電変換器を画定するようにパッケージ化されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記mmW源が第1のハウジング内に配設されており、
前記第1のハウジングは、少なくとも前記mmW撮像デバイスを収容する寸法を有する前記ハウジングから物理的に分離可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記mmW源が、少なくとも前記mmW撮像デバイスを収容する寸法を有する前記ハウジング内に配設されているか又は前記ハウジングによって支持されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ディスプレイが、動画を生成するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記標的はチップレスRFIDタグを含み、
前記復号器は、前記チップレスRFIDタグに符号化されているデータを復号するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記mmW撮像システムは、可視光に対して実質的に非透過性であるバリアを通して前記標的を撮像するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
ミリ波(mmW)撮像システムであって、
mmW放射線を標的に送信するように構成されたmmW源と、
mmW撮像デバイスであって、
グロー放電デバイス(GDD)画素のアレイを含むGDDであって、前記グロー放電デバイスは第1の表面及び第2の表面を有する、GDDと、
前記グロー放電デバイスの前記第1の表面に又は前記第1の表面に近接して配設され、前記標的から受信した後方散乱放射線を前記GDD画素に方向付けるように構成されている、第1の集束レンズと、
光検出器のアレイであって、前記光検出器
のアレイは第1の表面及び第2の表面を有する、光検出器のアレイと、
前記GDDの前記第2の表面と前記光検出器
のアレイの前記第1の表面との間に配設された光学レンズであって、前記光学レンズは、前記GDD画素によって放出された光を前記光検出器のアレイに方向付けるように構成されている、光学レンズと、
前記光検出器のアレイに結合された表示画素のアレイを含むディスプレイであって、前記ディスプレイは、前記光検出器のアレイによって生成された電気信号を前記標的の光学画像に変換するように構成されている、ディスプレイと、
前記光検出器のアレイに結合された復号器であって、前記復号器は、RFIDタグとして構成された前記標的内に符号化されているデータを復号するように構成されている、復号器と、
ユーザによる携帯及び手持ち操作用に構成されているハウジングであって、前記ハウジングは前記mmW撮像デバイス及び前記mmW源を収容するような寸法を有しており、前記グロー放電デバイス、前記第1の集束レンズ、前記光検出器
のアレイ、前記光学レンズ、及び前記ディスプレイは、前記ハウジング内の共通の軸に沿ってお互いに軸方向に整列している、前記ハウジングと、を含む、mmW撮像デバイスと、を備える、mmW撮像システム。
【請求項13】
少なくとも前記グロー放電デバイス、前記光学レンズ、前記光検出器
のアレイ、及び前記ディスプレイは、統合光電変換器を画定するようにパッケージ化されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ディスプレイは動画を生成するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記mmW撮像システムは、可視光に対して実質的に非透過性であるバリアを通して前記標的を撮像するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に、ミリ波レーダーセンサ及び標的画像再生技術を用いるものを含む、撮像デバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術(例えば、合成開口レーダー、つまりSAR、多重入出力、つまりMIMO)を使用した標的のミリ波(mmW)撮像は、典型的には、標的を走査し、デジタル信号プロセッサ(DSP)を使用してスキャンデータを処理することを伴う。mmWスキャンデータを処理する従来の手法は、計算集約的であり、強力なDSPを必要とする。したがって、標的のmmW撮像を提供する従来のシステムは、複雑で高価であり、多くの場合、携帯性及び手持ち操作の点で制限される。
【発明の概要】
【0003】
実施形態は、ミリ波(mmW)放射線を標的及びmmW撮像デバイスに送信するように構成されたmmW源を含むmmW撮像システムに関する。mmW撮像デバイスは、標的から受信した後方散乱放射線を可視光に直接変換するように構成されたアップコンバータ素子のアレイを含む。アップコンバータアレイは、第1の表面及び第2の表面を有する。mmW撮像デバイスはまた、アップコンバータアレイの第1の表面に光学的に結合され、標的から受信した後方散乱放射線をアップコンバータ素子に方向付けるように構成された第1の集束レンズを含む。mmW撮像デバイスは、光検出器のアレイを更に含む。光検出器アレイは、第1の表面及び第2の表面を有する。光検出器アレイの第1の表面は、アップコンバータ素子によって放出された可視光を受信するように構成されている。光検出器アレイは、標的の光学画像を示す電気信号を生成するように構成されている。
【0004】
実施形態は、mmW放射線を標的及びmmW撮像デバイスに送信するように構成されたmmW源を備えるmmW撮像システムに関する。mmW撮像デバイスは、グロー放電デバイス(GDD)画素のアレイを含むGDDを含む。グロー放電デバイスは、第1の表面及び第2の表面を有する。mmW撮像デバイスはまた、グロー放電デバイスの第1の表面に又は第1の表面に近接して配設され、標的から受信した後方散乱放射線をGDD画素に方向付けるように構成された第1の集束レンズを含む。mmW撮像デバイスは、光検出器のアレイを更に含み、光検出器アレイは、第1の表面及び第2の表面を有する。mmW撮像デバイスは、GDDの第2の表面と光検出器アレイの第1の表面との間に配設された光学レンズを含み、光学レンズは、GDD画素によって放出された光を光検出器のアレイに方向付けるように構成されている。mmW撮像デバイスは、ディスプレイ、復号器、又はディスプレイと復号器との両方を含み得る。ディスプレイは、光検出器のアレイに結合された表示画素のアレイを含み、ディスプレイは、光検出器のアレイによって生成された電気信号を標的の光学画像に変換するように構成されている。復号器は、光検出器のアレイに結合され、RFIDタグとして構成された標的に符号化されているデータを復号するように構成されている。
【0005】
実施形態は、ミリ波(mmW)撮像システムによって実施される方法に関する。この方法は、mmW源から、mmW放射線を標的に送信することと、mmW撮像デバイスによって、標的からの後方散乱放射線を受信することと、を含む。この方法はまた、受信した後方散乱放射線を可視光に直接アップコンバートすることを含む。この方法は、光電変換器のアレイによって可視光を受信することを更に含む。この方法はまた、標的を表示するためのディスプレイと、チップレスRFIDタグとして構成された標的に符号化されているデータを復号するための復号器と、のうちの一方又は両方に、光電変換器からの出力を結合することを含む。
【0006】
上記の概要は、開示される各実施形態又は本開示の全ての実施を説明することを意図したものではない。図面及び以下の詳細な説明は、例示的な実施形態をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書全体を通して、添付の図面を参照する。
【
図1】本明細書に開示される実施形態のいずれかによる、mmW撮像システムのブロック図である。
【
図2A】本明細書に開示される実施形態のいずれかによる、mmW撮像システムのブロック図である。
【
図2B】本明細書に開示される実施形態のいずれかによる、mmW源及びミラー装置のブロック図である。
【
図3】本明細書に開示される実施形態のいずれかによる、mmW撮像システムによって検出され得るチップレスRFIDタグを示し、mmW撮像システムは、RFIDタグに符号化されている情報を復号するように更に構成されている。
【
図4A】本明細書に開示される実施形態のいずれかによる、それぞれ別個のハウジング内に配置されたmmW源及びmmW撮像デバイスを含むmmW撮像システムを示す。
【
図4B】本明細書に開示される実施形態のいずれかによる、共通ハウジング内に統合されたmmW源とmmW撮像デバイスとを含むmmW撮像システムを示す。
【
図5】本明細書に開示される実施形態のいずれかによるmmW撮像システムによって実装される方法である。
【0008】
図面は、必ずしも縮尺どおりではない。図面に使用される同様の数字は、同様の構成要素を指す。しかしながら、所与の図の構成要素を指す数字の使用は、同じ数字でラベル付けされた別の図における構成要素を制限することを意図していないことが理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態は、標的から後方散乱mmW信号を受信するように構成されたmmW撮像デバイスと、後方散乱mmW信号を可視光に直接アップコンバートするように構成された受信機の分散型アレイとを使用する撮像システム及び方法に関する。後方散乱mmW信号を可視光に直接アップコンバートする受信機のアレイは、標的の画像を示す電気出力を生成するように構成された光電変換器に光学的に結合される。後方散乱mmW放射線を可視光に直接アップコンバートするために受信機のアレイを使用することは、標的を撮像するために走査/移動を必要としないmmWアップコンバート受信機アレイにより、強力なDSP及び高度な画像処理の必要性を有利に回避する。
【0010】
いくつかの実施形態では、標的画像を示す電気出力は、大領域ディスプレイなど、標的の再生画像を表示するように構成されたディスプレイに伝達される。他の実施形態では、標的画像を示す電気出力は、標的に符号化されているデータを復号するように構成された復号器に伝達される。更なる実施形態では、標的画像を示す電気出力は、ディスプレイ及び復号器に伝達され得る。
【0011】
様々な物体、構造、及び材料を含む様々な種類の標的が想到される。本開示の撮像システムによって検出される標的は、可視光に対して実質的に非透過性であるバリア(例えば、壁、荷物、衣料)によって撮像システムから分離されているものを含む。RFIDタグ(例えば、チップレスRFIDタグ)など、情報を含有する様々な種類の標的が想到されており、この場合、撮像システムは、情報含有標的内に符号化されたデータを復号するための復号器を含む。
【0012】
図1は、本明細書に開示される実施形態のいずれかによる、mmW撮像システム100のブロック図である。mmW撮像システム100は、mmW源110及びmmW撮像デバイス120を含む。いくつかの実施形態では、mmW源110及びmmW撮像デバイス120は、共通ハウジング101内に収容されるか又はそれによって支持される構成要素である。いくつかの実施形態によれば、ハウジング101は、例えば、従来の電子スタッドファインダのものと同様に、ユーザによる携帯及び手持ち操作用に構成されている。他の実施形態では、mmW源110及びmmW撮像デバイス120は、別個のハウジングによって収容又は支持されている構成要素である。mmW源110及びmmW撮像デバイス120の別個のハウジングのうちの一方又は両方は、ユーザによる携帯及び手持ち操作用に構成され得る。
【0013】
図1に示すmmW撮像システム100は、標的102を撮像するように構成されている。標的102は、ミリ波撮像を使用して検出され得る任意の物体、構造、又は材料であり得る。例えば、標的102は、可視光に対して実質的に非透過性である(例えば、肉眼では見えない)バリア104によってmmW撮像システム100から分離されている物体、構造体、又は材料であり得る。mmW撮像システム100は、例えば、壁、衣類、荷物、バックパック、財布、箱、又は容器によって、mmW撮像システム100から分離されている標的102を撮像するために用いられ得る。いくつかの実施形態では、標的102は、チップレスRFIDタグなどのRFIDタグを含む。mmW撮像システム100は、RFIDタグを撮像し、RFIDタグに符号化されているデータを復号するために用いられ得る。
【0014】
様々な実施形態によれば、mmW撮像システム100は、約30GHz~約300GHzの範囲(例えば、EHF又は極超短波の範囲)のRF信号を送受信するように構成されている。このスペクトルの電波は、約10~1ミリメートルの波長を有する。ゆえに、この周波数帯域内の放射線はミリ波と称される。mmW撮像システム100は、物体の検出、並びに例えばこれらの物体の範囲、速度、及び角度を求めるためのミリ波撮像を実行し得る。短波長のRF信号を使用することにより、mmW撮像システム100は、サブミリ範囲の精度及び高解像度を提供し得る。mmW撮像システム100によって生成されるRF信号は、プラスチック、乾式壁、及び衣料などの様々な材料を貫通することができ、雨、霧、埃、及び雪などの環境条件に影響されない。mmW撮像システム100は、高角度精度を有するコンパクトなビームを形成することなどによって、高指向性であるように構成され得る。いくつかの実施形態では、mmW撮像システム100によって生成されたビームは、標準的な光学技術を使用して集束され、操縦され得る。本開示における実施形態はmmW撮像を対象としているが、本明細書に開示される撮像デバイス及び方法は、EHF(例えば、マイクロ波帯又はテラヘルツ帯)の範囲外にあるRF信号を使用して実行され得ることが理解される。
【0015】
mmW源110は、アンテナ113に動作可能に結合された高周波(RF)送信機111を含む。mmW源110は、mmW放射線112を標的102に送信するように構成されている。前述したように、標的102は、可視光に対するバリア104によってmmW撮像システム100から分離されていてもよい。mmW撮像デバイス120は、標的102から後方散乱放射線114を受信し、処理するように構成されている。mmW撮像デバイス120は、mmWアップコンバート受信機122及び光電変換器124を含む。いくつかの実施形態では、mmW撮像デバイス120は、標的ID検出器130及び/又はディスプレイ140を含み得る。標的ID復号器130は、RFIDタグ(例えば、チップレスRFIDタグ)など、標的102に符号化されているデータを復号するように構成されている。ディスプレイ140は、mmW撮像デバイス120によって再生された標的102の画像を表示するように構成されている。標的ID復号器130とディスプレイ140との両方を含む実施形態では、RFIDタグに符号化され、標的ID復号器130によって復号されたデータは、ディスプレイ140上に提示され得る。
【0016】
mmW撮像システム100は、システム100の動作を調整するように構成されたプロセッサ145を含み得る。プロセッサ145は、mmW撮像デバイス120の構成要素であり得る。前述したように、mmW撮像デバイス120は、mmWアップコンバート受信機122が、標的102から受信した後方散乱放射線を可視光に直接変換するため、強力なDSP及び高度な画像処理ソフトウェアを含む必要はない。標的ID復号器130を含む実施形態によれば、プロセッサ145は、標的ID復号器130を組み込むか又はそれに結合され得る。
【0017】
プロセッサ145は、マルチコアプロセッサ、マイクロプロセッサ、プログラマブルコントローラ、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、ハードウェアコントローラ、ソフトウェアコントローラ、プログラマブル論理コントローラなどの組み合わされたハードウェア及びソフトウェアデバイス、並びにプログラマブル論理デバイス(例えば、FPGA、ASIC)のうちの1つ以上として実装され得るか又はそれを含み得る。プロセッサ145は、RAM、SRAM、ROM、又はフラッシュメモリなどのメモリを含むか又はそれに動作可能に結合され得る。プロセッサ145はまた、ソリッドステートドライブ(SSD)などの大量記憶デバイスに動作可能に結合され得る。
【0018】
図1に更に示すように、mmW撮像システム100は、プロセッサ145に動作可能に結合されたユーザインターフェース152を含み得る。ユーザインターフェース152は、手動で作動可能なスイッチ(例えば、プッシュボタン、トグルスイッチ、容量性スイッチ)及び/又は音声起動制御部を含み得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイ140は、ユーザインターフェース152の構成要素であり得、タッチディスプレイとして構成され得る。mmW撮像システム100はまた、従来の又は再充電可能な電池(例えば、リチウムイオン電池)などの電源154、及び/又は電力線接続から電力を受け取るための電力変換器を含む。mmW撮像システム100は、mmW撮像システム100と外部システムとの間の有線又は無線通信を容易にするように構成された通信デバイス150を含み得る。例えば、通信デバイス150は、IEEE 802.11(例えば、WiFi(登録商標))又はBluetooth(登録商標)(例えばBLE、Bluetooth(登録商標)4.2、5.0、5.1、5.2又はそれ以上)の仕様に従って無線通信を提供するように構成されたトランシーバ及びアンテナを組み込み得る。通信デバイス150は、USBインターフェースなどの有線通信インターフェースを組み込み得る。
【0019】
前述したように、mmW撮像システム100の様々な実施形態は、mmW源110及びmmW撮像デバイス120を収容及び/又は支持する共通ハウジング101を含み得る。共通ハウジング101は、支持構造(例えば、三脚、構造固定具、機械固定具)上へのmmW撮像システム100の取り付けを容易にするように構成された取り付けカプラ103を含み得る。他の実施形態では、mmW源110及びmmW撮像デバイス120は、別個のハウジングによって収容及び/又は支持され得、そのうちの一方又は両方は、取り付けカプラ115、117を含み得る。
【0020】
図2Aは、本明細書に開示される実施形態のいずれかによる、mmW撮像システム200を示す。mmW撮像システム200は、mmW源210及びmmW撮像デバイス220を含む。mmW源210は、mmW放射線212を標的202に送信するように構成されている。いくつかの実施形態では、
図2Bに示すように、mmW源210を含む装置はミラー装置211(例えば、球面ミラー)も含んでもよい。ミラー装置211は、mmW放射線212を標的202に方向付けるように構成及び配置され得る。標的202は、可視光に対して実質的に非透過性であるバリア204によって、mmW撮像システム200から分離されていてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、集束レンズ213は、mmW源210に又はmmW源210に近接して配置され、標的202においてmmW放射を方向付けるように構成され得る。集束レンズ213は、誘電体レンズ(例えば、誘電体レンズアンテナ又は金属板レンズアンテナ)又はメタマテリアルレンズであり得る。集束レンズ213は、mmW源210によって生成されたmmW放射線をコリメートし、コリメートされたmmW放射線を標的202に方向付けるように構成され得る。例えば、mmW源210によって生成されたmmW放射線の球面波面は、集束レンズ213によって平面波面に変換され得る。
【0022】
mmW撮像デバイス220は、標的202から後方散乱放射線214を受信し、処理するように構成されている。いくつかの実施形態によれば、mmW撮像デバイス220は、アップコンバータ素子224aのアレイ224と、光検出器素子228aのアレイを含む光検出器アレイ228と、表示画素のアレイを含むディスプレイ230と、を含む。他の実施形態では、mmW撮像デバイス220は、アップコンバータアレイ224及び光検出器アレイ228を含むが、ディスプレイ230を除外する(例えば、
図3に示されるチップレスRFIDタグなどの、RFIDタグの形態の標的202を検出し、復号することを目的とする実施形態)。
【0023】
アップコンバータアレイ224のアップコンバータ素子224a(例えば、アップコンバータ画素)は、標的202から受信した後方散乱放射線214を可視光に直接変換するように構成されている。アップコンバータアレイ224は、第1の表面225a及び第2の表面225bを有する。mmW撮像デバイス220は、アップコンバータアレイ224の第1の表面に光学的に結合された集束レンズ222を含む。集束レンズ222は、標的202から受信した後方散乱放射線214をアップコンバータアレイ224のアップコンバータ素子224aに方向付けるように構成されている。例えば、集束レンズ222は、標的220から受信した後方散乱放射線214をコリメートし、コリメートされた後方散乱放射をアップコンバータアレイ224に方向付けるように構成され得る。集束レンズ222は、集束レンズ213と同様であり得る誘電体レンズ又はメタマテリアルレンズであり得る。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、アップコンバータアレイ224は、グロー放電デバイス(GDD)画素224aのアレイを含むGDDとして実装される。GDD画素224aのそれぞれは、それぞれのGDD画素224aによって受信された入射mmW放射線214に直線的に比例する強度を有する可視光を放出する。
【0025】
光検出器アレイ228は、アップコンバータアレイ224によって放出された可視光の画像をキャプチャするように構成されている。より具体的には、光検出器アレイ228は、アップコンバータアレイ224から放出された可視光を測定するように構成されている。光検出器アレイ228は、光検出器素子228aのアレイを含む。様々な実施形態では、光検出器アレイ228は、光電変換器素子のアレイを含む。
【0026】
光検出器アレイ228は、アクティブ画素センサ(APS)であり得、それぞれの画素センサユニットセル228aは、光検出器(例えば、pin型フォトダイオード)及び1つ以上のアクティブトランジスタを含む。例えば、光検出器アレイ228は、GDDデバイス224からの発光の画像をキャプチャするように構成された電荷結合素子(CCD)又は相補型金属酸化半導体(CMOS)デバイス(例えば、CMOSカメラ)を含み得る。光検出器アレイ228は焦点面アレイ(FPA)であり得、FPAは、光検出器アレイ228がGDD画素224aを検出し、同時に撮像することを可能にし得る。標的202の画像は、アップコンバータアレイ224によって放出される発光の、光検出器アレイの測定に従って構築され得る。画像は、アップコンバータアレイ224に入射するmmW放射線214を示す、アップコンバータアレイ224のグローの指標を提供する。
【0027】
いくつかの実施形態では、光検出器アレイ228は、それぞれのフォトサイトにおける電荷量を測定し、この測定値をバイナリ形式に変換することによって、それぞれの光検出器素子の値をデジタル値に変換するように構成されたアナログデジタル変換器(ADC)を含むか又はそれに結合され得る。例えば、それぞれの光検出器素子228aに関連付けられた可変電子信号は、対応する画像位置の強度値として非常に迅速に読み出され得る。強度値のデジタル化に続いて、標的202の画像が再生され得る。ディスプレイ230を含む実施形態によれば、標的202の再生画像は、ディスプレイ230上に表示され得る。ディスプレイ230は、例えば、LED/LCDディスプレイ、OLEDディスプレイ、又はmicroLEDディスプレイとして実装され得る。ディスプレイ230は、タッチディスプレイであってもよい。ディスプレイ230は、例えば、スマートフォンディスプレイ又はIpad(登録商標)ディスプレイと同様のサイズであってもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイ230は、アップコンバータアレイ224及び光検出器アレイ228による標的画像データのリアルタイム又はほぼリアルタイムの処理を表す動画を生成するように構成されている。例えば、ディスプレイ230は、H.26X(例えば、H.264/AVC)ビデオ符号化規格に従って画像データを処理するように構成されたデジタルビデオ処理回路を組み込むか又はそれに結合され得る。
【0028】
光検出器アレイ228は、第1の表面229a及び第2の表面229bを有する。いくつかの実施形態によれば、光学レンズ226は、アップコンバータアレイ224の第2の表面225bと、光検出器アレイ228の第1の表面229aとの間に配設される。光学レンズ226は、アップコンバータアレイ224の要素224aによって放射された可視光を光検出器素子228aのアレイに方向付けるように構成されている。
【0029】
いくつかの実施形態では、光検出器アレイ228及び光学レンズ226の代わりに、赤外線焦点面アレイ(infrared focal plan array)(IRFPA)などの焦点面アレイ(FPA)が使用されてもよい。一般的には、FPAは、撮像システムの焦点面に位置付けられた光検出器のアレイを含む。典型的には、焦点面アレイは、数千個、又は更には数百万個の検出器を含む矩形の二次元アレイを含む。検出器は、典型的には、フォトダイオード又は光導電検出器などの光検出器であり、これらのそれぞれは、数マイクロメートルから数十マイクロメートルの寸法を有し得る。ガイガーモードのアバランシェフォトダイオード(SPAD)のアレイでは、極めて感度が高く、高速な検出が達成可能である。有用なFPA技術としては、とりわけ、ポリシリコン(例えば、LTPS-TFTなどの低温多結晶シリコン(LTPS))、非晶質シリコン、及び有機フォトセンサが挙げられる。様々な実施形態による焦点面アレイには、大領域エレクトロニクスが使用され得、その例は、共通所有の米国特許第9,259,961号、同第8,077,235、及び同第7,125,495号に開示されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、mmW撮像システム200は、
図3に示されるチップレスRFIDタグ302などのチップレスRFIDタグの形態の標的202と共に使用するように構成され得る。チップレスRFIDは、タグに符号化されたデータを抽出するために電磁波を適用する無線データキャプチャ技術である。
図3に示されるチップレスRFIDタグ302は、素子又はグリフ306の配置を含む。グリフ306は、典型的には、基材305(例えば、誘電体基材)上に配設されているパターン化された導電性材料を含む。グリフ306は、多種多様な基材305、例えば、紙、厚紙、パッケージ、紙カップ、パレット、衣料品上に形成されてもよい。グリフ306は、導電性材料を含む印刷インクで製造されてもよい。いくつかの実施態様では、印刷されたアッシュ(aches)は、ニッケル、炭素、カーボンナノチューブ、及び銀ナノワイヤのうちの1つ以上を含み得る。グリフ306は、誘電体基材305上の金属をエッチングすることによって製造され得る。例えば、グリフ306は、銅又はアルミニウムをエッチングすることによって製造され得る。グリフ306は、例えばインジウムスズ酸化物などの透明導体をエッチングすることによって製造され得る。いくつかの実施態様では、グリフ306は、例えば、銅、アルミニウム、金、及び/又は銀のうちの1つ以上の導電性リボンを使用する熱伝達プロセスによって製造され得る。
【0031】
図3に示す実施形態では、グリフ306は、チップレスRFIDタグ302の基材305上に空間的に情報を符号化するように配置される。
図3に示される代表的なチップレスRFIDタグ302は、n=8列、306a~306h、及びm=4行を含む。列内のグリフ306の存在は、バイナリ「1」値を符号化するために使用され得る。列内のグリフ306の非存在は、バイナリ「0」値を符号化するために使用され得る。この例示的な実施例では、チップレスRFIDタグ302は、8ビットのバイナリ値「11001101」を符号化する。
【0032】
様々な実施形態によれば、mmW撮像システム200は、復号器242に結合されるか又はそれを組み込む標的検出器240を含む。標的検出器240及び/又は復号器242は、前述したタイプのプロセッサ(単数又は複数)によって実行され得る。前述したように、チップレスRFIDタグ302などのRFIDタグを検出し、復号するように構成されたmmW撮像システム200の実施形態は、ディスプレイ230を含むことも又は除外することもできる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ230は、mmW撮像システム200の構成要素である必要はなく、外部ディスプレイ(例えば、ディスプレイ230と同じ又は同様である)は、mmW撮像システム200に動作可能に結合され得る。
【0033】
mmW源210は、チップレスRFIDタグ302でmmW放射線を送信するように構成されており、チップレスRFIDタグ302は、可視光に対して実質的に非透過性のバリア204から分離されていてもいなくても、又はそれに囲い込まれていてもいなくてもよい。mmW撮像デバイス220は、チップレスRFIDタグ302から後方散乱放射線を受信するように構成されている。標的検出器240は、通信リンク235を介して光検出器アレイ228によって生成されたデータを受信するように構成されている。標的検出器240はまた、アップコンバータアレイ224及び光検出器アレイ228によって再生された標的202の画像を検出するように構成されている。標的検出器240に動作可能に結合された復号器242は、チップレスRFIDタグ302に符号化されたデータを復号するように構成されている。この代表的な例では、復号器242は、チップレスRFIDタグ302に符号化された8ビットのバイナリ値「11001101」を復号する。
【0034】
図4Aは、様々な実施形態による、mmW源410及びmmW撮像デバイス420を含むmmW撮像システム400aを示す。
図4Aに示す実施形態では、mmW源410は、mmW撮像デバイス420から物理的に分離されているmmW撮像システム400aの構成要素である。mmW源410は、ハウジング412内に収容されるか又はそれによって支持され、mmW撮像デバイス420は、ハウジング421内に収容されるか又はそれによって支持される。いくつかの実施形態では、ハウジング410、421のうちの一方又は両方は、ユーザによる携帯可能な手持ち操作用に構成され得る。他の実施形態では、ハウジング410、421のうちの一方又は両方は、結合機構を介して構造又は機械に取り付けるように構成され得る(例えば、
図1に示される取り付けカプラ115、103を参照されたい)。
【0035】
様々な実施形態によれば、mmW源410は、mmW源410のハウジング412内に収容されるか又はそれによって支持される一体型集束レンズ413を含み得る。他の実施形態では、集束レンズ413は、ハウジング412に機械的に結合され(又はハウジング412に近接して位置付けられ)、mmW源410に光学的に結合され得る、別個のハウジング415内に収容されるか又はそれによって支持され得る。前述のように、集束レンズ413は、mmW源410の任意の構成要素であり得る。
【0036】
様々な実施形態によれば、mmW撮像デバイス420は、mmW撮像デバイス420のハウジング421内に収容されるか又はそれによって支持される一体型集束レンズ422を含み得る。他の実施形態では、集束レンズ422は、ハウジング421に機械的に結合され(又はハウジング421に近接して位置付けられ)、mmW撮像デバイス420に光学的に結合され得る、別個のハウジング423内に収容されるか又はそれによって支持される。
【0037】
第1の実施形態によれば、mmW撮像デバイス420は、ハウジング421内にパッケージ化された少なくともアップコンバートアレイ424と光検出器アレイ428とを含み、統合光電変換器を集合的に画定する。第2の実施形態では、mmW撮像デバイス420は、ハウジング421内にパッケージ化された少なくとも集束レンズ422、アップコンバートアレイ424、及び光検出器アレイ428を含み、統合光電変換器を集合的に画定する。第3の実施形態では、mmW撮像デバイス420は、ハウジング421内にパッケージ化された少なくとも集束レンズ422、アップコンバートアレイ424、光学レンズ426、及び光検出器アレイ428を含み、統合光電変換器を集合的に画定する。他の実施形態によれば、第1の実施形態、第2の実施形態、及び第3の実施形態のいずれかは、ハウジング421内にディスプレイ430を更に含み、統合光電変換器及び表示デバイスを集合的に画定し得る。これらの実施形態のいずれかは、チップレスRFIDタグを検出し、チップレスREIDタグに符号化された情報を復号するように構成された標的検出器及び/又は復号器を更に含み得る(例えば、
図2Aに示す標的検出器240及び復号器242を参照されたい)。
【0038】
図4Bは、様々な実施形態による、mmW源410及びmmW撮像デバイス420を含むmmW撮像システム400bを示す。
図4Bに示す実施形態では、mmW源410及びmmW撮像デバイス420は、共通ハウジング425内に収容されるか又はそれによって支持されるmmW撮像システム400bの一体型構成要素である。いくつかの実施形態では、ハウジング425は、ユーザによる携帯可能な手持ち操作用に構成され得る。他の実施形態では、ハウジング425は、結合機構を介して構造又は機械に取り付けるように構成され得る(例えば、
図1に示す取り付けカプラ103を参照されたい)。
【0039】
様々な実施形態によれば、mmW源410は、mmW撮像システム400bのハウジング425内に収容されるか又はそれによって支持される一体型集束レンズ413を含み得る。他の実施形態では、集束レンズ413は、ハウジング425に機械的に結合され(又はハウジング412に近接して位置付けられ)、mmW源410に光学的に結合され得る、別個のハウジング415内に収容されるか又はそれによって支持され得る。前述のように、集束レンズ413は、mmW撮像システム400bの任意の構成要素であり得る。
【0040】
様々な実施形態によれば、mmW撮像デバイス420は、mmW撮像システム400bのハウジング425内に収容されるか又はそれによって支持される一体型集束レンズ422を含み得る。他の実施形態では、集束レンズ422は、ハウジング425に機械的に結合され(又はハウジング425に近接して位置付けられ)、mmW撮像デバイス420に光学的に結合され得る、別個のハウジング423内に収容されるか又はそれによって支持される。いくつかの実施形態によれば、
図4Bに示すmmW撮像デバイス420は、チップレスRFIDタグを検出し、チップレスREIDタグに符号化された情報を復号するように構成された標的検出器及び/又は復号器を含み得る(例えば、
図2Aに示す標的検出器240及び復号器242を参照されたい)。標的検出器及び/又は復号器は、ハウジング425(又は別個のハウジング)内に収容されるか又はそれによって支持され得る。
【0041】
図5は、本明細書に開示される実施形態のいずれかによるmmW撮像システムによって実行される方法である。
図5に示す方法は、mmW放射線を標的に送信すること(502)を伴う。mmW放射線を標的に送信すること(502)は、送信されたmmW放射線を(例えば、集束レンズを介して)コリメートすることを伴い得る。いくつかの実施形態では、この方法は、標的に衝突する前に、可視光に対して実質的に非透過性であるバリアを介してmmW放射線を送信することを伴う。この方法は、標的から後方散乱放射線を受信すること(504)を伴う。いくつかの実施形態では、この方法は、可視光に対して実質的に透過性でないバリアを通過した後に、標的から後方散乱放射線を受信することを伴う。標的から後方散乱放射を受信すること(504)は、受信した後方散乱放射線を(例えば、集束レンズを介して)コリメートすることを伴い得る。
【0042】
この方法はまた、受信した後方散乱放射(コリメートされ得る)を可視光に直接アップコンバートすること(506)を伴う。この方法は、可視光を(例えば、任意選択の光学レンズを通して)光電変換器のアレイに方向付けること(508)を伴う。いくつかの実施形態では、この方法は、標的を表示するためのディスプレイに光電変換器からの出力を結合すること(510)を伴う。他の実施形態では、この方法は、RFIDタグ(例えば、チップレスRFIDタグ)として構成された標的に符号化されたデータを復号するための復号器に光電変換器からの出力を結合すること(520)を伴う。更なる実施形態では、本方法は、ブロック510及び520の結合工程を伴う。
【0043】
本明細書において、本開示の一部をなす添付の図面のセットを参照するが、少なくとも当業者は、本明細書に記載される実施形態の様々な適応及び修正が、本開示の範囲内であるか、又はその範囲から逸脱しないことを理解するであろう。例えば、本明細書に記載される実施形態の態様は、様々な方法で互いに組み合わせることができる。したがって、添付の特許請求の範囲内で、特許請求される発明は、本明細書に明示的に記載されるもの以外に実施されてもよいことを理解されたい。
【0044】
本明細書に引用される全ての参考文献及び刊行物は、本開示と直接矛盾し得る範囲を除いて、その全体が参照により本開示に明示的に組み込まれる。別途記載のない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される特徴サイズ、量、及び物理的特性を表す全ての数字は、用語「厳密に」又は「約」のいずれかによって修飾されるものとして理解され得る。したがって、反対の指示がない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本明細書に開示される教示を活用して、又は例えば、実験誤差の典型的な範囲内で、当業者が得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。
【0045】
端点による数値範囲の記載は、その範囲内に包含される全ての数(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)及びその範囲内の任意の範囲を含む。本明細書において、数を修飾する用語「最大で」又は「以下」(例えば、「最大で50」)は、その数(例えば、50)を含み、数を修飾する用語「以上」(例えば、「5以上」)は、その数(例えば、5)を含む。
【0046】
用語「動作可能に結合された」又は「接続された」は、直接的(互いに直接接触している)又は間接的(2つの要素の間に1つ以上の要素を有し、2つの要素を取り付ける)のいずれかで互いに取り付けられている要素を指す。いずれの用語も、結合又は接続は、構成要素が少なくともいくつかの機能を実行するために相互作用することを可能にするように構成されていることを記載するために互換的に使用され得る「機能的に」及び「動作可能に」によって修正されてもよい(例えば、無線チップは、無線通信のための無線周波数電磁信号を提供するために、アンテナ素子に動作可能に機能的に結合されてもよい)。
【0047】
「頂部」、「底部」、「側部」、及び「端部」などの配向に関する用語は、構成要素の相対的位置を記載するために使用されるものであり、企図される実施形態の配向を制限することを意味するものではない。例えば、「頂部」及び「底部」を有するものとして記載される実施形態はまた、内容がそうでない旨を明確に述べていない限り、様々な方向に回転される実施形態も包含する。
【0048】
「一実施形態」、「実施形態」、「特定の実施形態」、又は「いくつかの実施形態」などの言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構成、組成、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、全体にわたる様々な場所でのこのような語句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指すものではない。更に、特定の特徴、構成、組成、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わされてもよい。
【0049】
「好ましい」及び「好ましくは」という語は、特定の状況下で特定の利益をもたらし得る本開示の実施形態を指す。しかしながら、同じ又は他の状況下で、他の実施形態が好ましい場合もある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用ではないことを示唆するものではなく、本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図するものではない。
【0050】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容がそうでない旨を明確に述べていない限り、複数の指示物を有する実施形態を包含する。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、用語「又は」は、内容がそうでない旨を明確に述べていない限り、一般に「及び/又は」を含む意味で用いられる。
【0051】
本明細書で使用するとき、「有する(have)」、「有する(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「備える、含む(comprise)」、「備える、含む(comprising)」などは、制限のない意味で使用され、一般に「含むが、限定するものではない」を意味する。「から本質的になる(consisting essentially of)」、「からなる(consisting of)」などは、「含む(comprising)」などに包含されることが理解されるであろう。用語「及び/又は」は、列挙された要素のうちの1つ若しくは全て、又は列挙された要素のうちの少なくとも2つの組み合わせを意味する。
【0052】
「のうちの少なくとも1つ」、「のうちの少なくとも1つを含む」、及び「のうちの1つ以上」は、リスト内の項目のうちのいずれか1つ、及びリスト内の2つ以上の項目の任意の組み合わせを指す。