(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】ネットワークシステムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G08B 25/08 20060101AFI20240829BHJP
G08B 21/10 20060101ALI20240829BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240829BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20240829BHJP
G08B 27/00 20060101ALI20240829BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240829BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240829BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240829BHJP
【FI】
G08B25/08 E
G08B21/10
G08B25/04 K
G08B25/10 A
G08B27/00 C
H04Q9/00 301D
H04Q9/00 311K
H04M11/00 301
G16Y20/20
(21)【出願番号】P 2021016402
(22)【出願日】2021-02-04
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩司
(72)【発明者】
【氏名】森内 大輔
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-224918(JP,A)
【文献】特開2008-106966(JP,A)
【文献】特開2008-176512(JP,A)
【文献】特開2003-018673(JP,A)
【文献】特開2013-142953(JP,A)
【文献】国際公開第2019/181405(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/031924(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 25/08
G08B 21/10
G08B 25/04
G08B 25/10
G08B 27/00
H04Q 9/00
H04M 11/00
G06F 13/00
G16Y 20/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種の情報を送信する複数の電気機器と、
第1の電気機器からの情報に基づいて前記第1の電気機器が緊急停止したと判断した場合に、前記第1の電気機器の近くの第2の電気機器を緊急停止させるサーバとを備えるネットワークシステム。
【請求項2】
前記サーバは、前記第1の電気機器が配置されている住所と前記第2の電気機器が配置されている住所とに基づいて、前記第1の電気機器の近くの第2の電気機器を特定する、請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記サーバは、
災害情報を取得して、
前記第1の電気機器が配置されているエリアに災害が発生しているときに、前記第1の電気機器が緊急停止した場合に、前記第1の電気機器の近くの第2の電気機器を緊急停止させ、
前記第1の電気機器が配置されているエリアに災害が発生していないときは、前記第1の電気機器が緊急停止しても、前記第1の電気機器の近くの第2の電気機器を緊急停止させない、請求項1または2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記サーバは、災害の規模が大きいほど、前記第1の電気機器の近くのエリアを広く設定する、請求項3に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
情報処理方法であって、
プロセッサが、通信インターフェイスを介して、第1の電気機器から情報を取得するステップと、
前記プロセッサが、前記情報に基づいて前記第1の電気機器が緊急停止したか否かを判断するステップと、
前記プロセッサが、前記第1の電気機器が緊急停止した場合に、前記第1の電気機器の近くの第2の電気機器を緊急停止させるステップと、を備える情報処理方法。
【請求項6】
各種の情報を送信する複数の電気機器と、
第1の電気機器からの情報に基づいて前記第1の電気機器が緊急停止したと判断した場合に、前記第1の電気機器の近くの第2の電気機器から警報を出力させるサーバとを備えるネットワークシステム。
【請求項7】
情報処理方法であって、
プロセッサが、通信インターフェイスを介して、第1の電気機器から情報を取得するステップと、
前記プロセッサが、前記情報に基づいて前記第1の電気機器が緊急停止したか否かを判断するステップと、
前記プロセッサが、前記第1の電気機器が緊急停止した場合に、前記第1の電気機器の近くの第2の電気機器から警報を出力させるステップと、を備える情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して家電などを制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネットワークを介して家電などを制御するための技術が知られている。たとえば、特開2016-143253号公報(特許文献1)には、家電機器が開示されている。特許文献1によると、家電機器は、災害についての異常を検知して異常検知情報を生成する異常検知部と、異常検知情報を受信する制御部と、画像表示部と、音声出力部と、記憶部と、を備え、記憶部には、避難を促す避難用画像データおよび避難を促す避難用音声データが予め記憶されており、制御部は、異常検知情報を受信すると、異常検知情報に基づく画像データおよび音声データを画像表示部、音声出力部のそれぞれに出力させ、避難用画像データおよび避難用音声データを画像表示部、音声出力部のそれぞれに出力させる。
【0003】
また、特開2008-117166号公報(特許文献2)には、報知装置および空気調和機が開示されている。特許文献2によると、報知装置は、受信部、報知内容決定部および報知部を備えている。受信部は、災害に関する緊急情報を受信する。また報知内容決定部は、受信部で受信した緊急情報に含まれる情報に基づき、災害発生前に実施すべき事項を表す報知内容を決定する。また報知部は、前記報知内容決定部で決定された前記報知内容を報知する。
【0004】
また、特開2004-228884号公報(特許文献3)には、防災無線送信装置、防災無線受信装置及びそのシステムが開示されている。特許文献3によると、予想される災害に関する防災情報に、前記災害のレベルに応じた識別情報を付加されて送信されたレベル付防災情報を無線により受信する防災情報受信手段と、前記レベル付防災情報に含まれる前記識別情報の災害のレベルを判定するレベル判定手段と、前記レベルが所定以上であるとき前記レベル付災害情報に含まれる前記防災情報を移動端末に転送する防災情報転送手段とから成る防災無線受信装置が提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-143253号公報
【文献】特開2008-117166号公報
【文献】特開2004-228884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、災害時などにネットワークを介して電気機器を安全に制御するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のある態様に従うと、各種の情報を送信する複数の電気機器と、第1の電気機器からの情報に基づいて第1の電気機器が緊急停止したと判断した場合に、第1の電気機器の近くの第2の電気機器を緊急停止させるサーバとを備えるネットワークシステムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明によれば、災害時などにネットワークを介して電気機器を安全に制御するための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成を示すイメージ図である。
【
図2】第1の実施の形態にかかる電気機器200の構成を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施の形態にかかるサーバ100の構成を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施の形態にかかるユーザ情報データ121を示す図である。
【
図5】第1の実施の形態にかかる機器情報データ122を示す図である。
【
図6】第1の実施の形態にかかる履歴データ123を示す図である。
【
図7】第1の実施の形態にかかる災害情報データ124を示す図である。
【
図8】第1の実施の形態にかかるサーバ100の処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】第2の実施の形態にかかるサーバ100の処理手順を示すフローチャートである。
【
図10】第4の実施の形態にかかる通信端末300の構成を示すブロック図である。
【
図11】第4の実施の形態にかかるサーバ100の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<ネットワークシステムの全体構成>
【0011】
まず、本実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成について説明する。
図1を参照して、ネットワークシステム1は、主に、本実施の形態にかかる家電遠隔制御サービスを提供するためのサーバ100と、災害情報や避難情報などを提供する気象庁や市町村などによって運営される災害サーバ100Bと、サーバ100と接続可能であって、ユーザ宅に配置されるエアコンや冷蔵庫や空気清浄機や洗濯機などの複数種類の電気機器200と、ユーザに利用されるスマートフォンなどの通信端末300などを含むものである。
【0012】
電気機器に関しては、エアコンや冷蔵庫や空気清浄機や洗濯機には限られず、掃除機、加湿器、除湿器、自動調理鍋、電子レンジ、炊飯器、照明などの家電、パーソナルコンピュータ、ハードディスクレコーダ、プロジェクタ、音楽プレーヤー、ゲーム機、テレビ、スピーカなどのAV(オーディオ・ビジュアル)機器、太陽光発電システム、蓄電池システム、給湯システムや、温水洗浄便座などのHEMS設備、組み込み照明、インターホン、電気錠、給湯器、温水洗浄便座コントローラなどの住宅設備、などであってもよい。以下では、これらの機器を総称して電気機器200という。
【0013】
ユーザ端末に関してもスマートフォンには限られず、タブレットや、パーソナルコンピュータや、スピーカなどであってもよく、以下では、これらの機器を総称して、通信端末300という。
<ネットワークシステムの動作概要>
【0014】
そして、本実施の形態にかかるネットワークシステム1では、いずれかの電気機器200が、何らかの異常によって停止した場合に、その近所の電気機器200も緊急停止させるというものである。
【0015】
以下では、このような機能を実現するための、本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成する各装置の構成や機能について説明する。
<電気機器200の構成>
【0016】
次に、
図2を参照して、ネットワークシステム1を構成する電気機器200の構成の一態様について説明する。本実施の形態にかかる電気機器200は、主たる構成要素として、CPU210と、メモリ220と、ディスプレイ230、操作部240と、通信インターフェイス260と、スピーカ270と、マイク280と、機器駆動部290と、各種のセンサ295と、カメラ299などを含む。
【0017】
CPU210は、メモリ220あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、電気機器200の各部を制御する。
【0018】
メモリ220は、各種のRAM(Random Access Memory)、各種のROM(Read‐Only Memory)などによって実現されて、CPU210によって実行されるプログラムや、CPU210によるプログラムの実行により生成されたデータ、操作部240を介して入力されたデータ、リモコンから受信したデータ、ルータ400やインターネットを介してサーバ100から受信したデータ、電気機器200に対応するサーバのアドレスなどのように、各種サービスを利用するために必要な情報などを記憶する。
【0019】
ディスプレイ230は、CPU210からの信号に基づいて、文字や画像などを出力する。なお、ディスプレイ230は、単にLEDライトなどであってもよい。
【0020】
操作部240は、ボタン、タッチパネルなどによって実現され、ユーザからの命令を受け付けて、当該命令をCPU210に入力する。なお、ディスプレイ230と操作部240とは、タッチパネル250を構成してもよい。
【0021】
通信インターフェイス260は、無線通信を行うためのアンテナや、有線通信を行うためのコネクタなどによって実現される。CPU210は、通信インターフェイス260を利用することによって、ルータ400やインターネットなどを介して、サーバ100や他の電気機器200や通信端末300と各種のデータをやり取りする。
【0022】
スピーカ270は、CPU210からの音声データに基づいて音声メッセージなどを出力する。
【0023】
マイク280は、外部の音声を受け付けて、音声データをCPU210に入力したり、メモリ220に蓄積したりする。
【0024】
機器駆動部290は、CPU210からの信号に基づいて、電気機器200の各部(モータやヒータやセンサやアンテナなど)を制御する。機器駆動部290は、たとえば、テレビに関しては受信アンテナやチューナであったり、冷蔵庫に関しては圧縮機やファンやダンパであったり、電子レンジに関しては加熱調理のためのアンテナや回転テーブルであったり、調理器具や暖房器具などに関してはヒータや燃焼機構であったり、エアコンに関しては圧縮機やファンや風向き変更機構やイオン発生装置であったりする。
【0025】
各種のセンサ295は、振動センサであったり、温度センサであったり、音感センサであったり、扉開閉センサであったり、人感センサであったりする。CPU110は、定期的に、あるいは何らかの操作を受け付けた際に、あるいは人感センサが人を検知した際などに、センサ295に、各種のパラメータを測定させて、当該測定結果をメモリ220に蓄積したり、通信インターフェイス260を介してサーバ100にアップロードしたりする。
【0026】
カメラ299は、静止画像や動画像を撮影して、そのデータをCPU210に入力したり、メモリ220に蓄積したりする。
【0027】
そして、たとえば、CPU210は、通信インターフェイス260を介して、機器駆動部290の動作状態や、ユーザからの操作命令や、センサ295による測定データや、マイク280からの音声データなどをサーバ100に送信したり、音声データや遠隔制御命令などをサーバ100から受信したりする。CPU210は、サーバ100からの音声データに基づいてスピーカ270から音声を出力したり、遠隔制御命令に基づいて機器駆動部290を制御したりする。
<サーバ100の構成>
【0028】
次に、本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成するサーバ100の構成の一態様について説明する。
図3を参照して、サーバ100は、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ120と、操作部140と、通信インターフェイス160とを含む。
【0029】
CPU110は、メモリ120に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ100の各部を制御する。たとえば、CPU110は、メモリ120に格納されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、後述する各種の処理を実行する。
【0030】
メモリ120は、各種のRAM、各種のROMなどによって実現され、サーバ100に内包されているものであってもよいし、サーバ100の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ100からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ120は、CPU110によって実行されるプログラムや、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、その他の本実施の形態にかかる遠隔制御サービスに利用されるデータベースなどを記憶する。
【0031】
メモリ120は、
図4に示すような、ユーザ情報データ121を記憶する。ユーザ情報データ121は、ユーザ毎に、ユーザIDと、ユーザ名と、家族IDと、メールアドレスと、住所と、郵便番号と、ユーザが加入している各種のサービスの情報などの対応関係を格納する。
【0032】
また、メモリ120は、
図5に示すような、機器情報データ122を記憶する。機器情報データ122は、電気機器毎に、機器IDと、機器の種類と、所有者のユーザIDと、配置されている部屋や、緊急停止可能フラグなどの対応関係を格納する。
【0033】
また、メモリ120は、
図6に示すような、履歴データ123を記憶する。履歴データ123は、電気機器200毎に準備される。履歴データ123は、取得日時と、測定したセンサの種類と、測定データと、動作状態と、操作命令と、エラーの有無などの対応関係を蓄積する。
【0034】
また、メモリ120は、
図7に示すような、災害情報データ124を記憶する。災害情報データ124は、発生した災害毎に、災害IDと、発生日時と、終了日時と、災害の種類と、規模と、エリア毎の被災レベルなどの対応関係を蓄積する。
【0035】
図4に戻って、操作部140は、サービスの管理者などの命令を受け付けて、当該命令をCPU110に入力する。
【0036】
通信インターフェイス160は、CPU110からのデータを、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して、電気機器200や通信端末300などの他の装置に送信する。逆に、通信インターフェイス160は、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して他の装置からのデータを受信して、CPU110に受け渡す。
<サーバ100の情報処理>
【0037】
次に、
図8を参照して、サーバ100における情報処理について説明する。本実施の形態にかかるサーバ100のCPU110は、通信インターフェイス160を介して電気機器200からデータを受信すると、メモリ120のプログラムに従って、以下の処理を実行する。
【0038】
CPU110は、受信データに基づいて電気機器200を特定する(ステップS102)。
【0039】
CPU110は、受信データから対象となる電気機器200の動作状態や操作命令や測定データなどを読み出して履歴データ123に蓄積する(ステップS104)。
【0040】
CPU110は、対象となる電気機器200が運転を停止したか否かを判断する(ステップS106)。
【0041】
CPU110は、対象となる電気機器200が運転を停止した場合(ステップS106にてYESである場合)、動作状態や操作命令や測定データなどに応じて、何らかの異常が原因で運転を停止したか否かを判断する(ステップS108)。
【0042】
CPU110は、何らかの異常が原因で運転を停止した場合(ステップS108にてYESである場合)、対象となる電気機器200の近隣にある電気機器200を抽出する(ステップS112)。なお、CPU110が、対象となる電気機器200の近隣にある電気機器200として、対象となる電気機器200と同じ部屋の電気機器200を抽出したり、対象となる電気機器200のユーザと同じユーザに紐づけられている電気機器200を抽出したり、対象となる電気機器200のユーザと同じ住所のユーザの電気機器200を抽出したり、対象となる電気機器200のユーザの住所から所定の距離以内の住所のユーザの電気機器200を抽出したり、対象となる電気機器200のユーザと同じ郵便番号や市町村のユーザの電気機器200を抽出したりする。
【0043】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して、抽出した電気機器200に、運転を停止するための指示を送信する(ステップS114)。これによって、対象となる電気機器200の近隣の電気機器200のCPU210は、サーバ100からの指示に応じて、機器駆動部290による運転を停止する。
<第2の実施の形態>
【0044】
本実施の形態においては、サーバ100は、異常が原因で、対象となる電気機器200が運転を停止した場合であって、かつ災害が生じている場合に、近隣にある電気機器200を停止させるものである。
【0045】
より詳細には、本実施の形態においては、
図9に示すように、CPU110は、対象となる電気機器200が何らかの異常が原因で運転を停止した場合(ステップS108にてYESである場合)、災害情報データ124を参照して、あるいは災害サーバ100Bに問い合わせることによって、対象となる電気機器200のエリアで災害が発生したか否かを判断する(ステップS210)。そして、対象となる電気機器200のエリアで災害が発生している場合に(ステップS210にてYESである場合)、CPU110は、ステップS112移行の処理を実行する。
<第3の実施の形態>
【0046】
より好適には、本実施の形態においては、ステップS112において、CPU110は、災害の大きさや、エリアの被災レベルに応じて、対象となる電気機器200の近隣にあると判断するエリアを変化させる。たとえば、CPU110は、災害の種類が地震の場合、深度が5以上のエリアにおいては、対象となる電気機器200の1km以内の電気機器200を抽出し、深度が3以上5未満のエリアにおいては、対象となる電気機器200の100以内の電気機器200を抽出したりしてもよい。また、CPU110は、災害の種類が台風である場合、風速が50m/秒以上のエリアにおいては、対象となる電気機器200の500m以内の電気機器200を抽出し、風速が30m/秒以上50m/秒未満のエリアにおいては、対象となる電気機器200の200m以内の電気機器200を抽出したりしてもよい。
<第4の実施の形態>
【0047】
上記の実施の形態においては、異常が原因で、対象となる電気機器200が運転を停止した場合に、近隣にある電気機器200を停止させるものであった。本実施の形態においては、当該構成の代わりに、あるいは当該構成に加えて、近隣の電気機器200または近隣のユーザの通信端末300に警報を出力させるものである。
【0048】
なお、通信端末300の構成は、
図10に示すように、一般のスマートフォンなどと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0049】
本実施の形態においては、サーバ100のCPU110は、通信インターフェイス160を介して電気機器200からデータを受信すると、メモリ120のプログラムに従って、以下の処理を実行する。
【0050】
図11を参照して、CPU110は、受信データに基づいて電気機器200を特定する(ステップS102)。
【0051】
CPU110は、受信データから対象となる電気機器200の動作状態や操作命令や測定データを読み出して履歴データ123に蓄積する(ステップS104)。
【0052】
CPU110は、対象となる電気機器200が運転を停止したか否かを判断する(ステップS106)。
【0053】
CPU110は、対象となる電気機器200が運転を停止した場合(ステップS106にてYESである場合)、動作状態や操作命令や測定データなどに応じて、何らかの異常が原因で運転を停止したか否かを判断する(ステップS108)。
【0054】
CPU110は、対象となる電気機器200が何らかの異常が原因で運転を停止した場合(ステップS108にてYESである場合)、災害情報データ124を参照して、あるいは災害サーバ100Bに問い合わせることによって、対象となる電気機器200のエリアで災害が発生したか否かを判断する(ステップS210)。
【0055】
そして、対象となる電気機器200のエリアで災害が発生している場合に(ステップS210にてYESである場合)、CPU110は、対象となる電気機器200の近隣にある電気機器200および当該電気機器200のユーザの通信端末300を抽出する(ステップS112)。
【0056】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して、抽出した電気機器200および当該電気機器200のユーザの通信端末300に、警報を音声出力させるための指示を送信する(ステップS314)。これによって、対象となる電気機器200の近隣の電気機器200のCPU210は、サーバ100からの指示に応じて、スピーカ270から「ビーッ!!ビーッ!!災害発生!!近隣の電気機器200が緊急停止しました。」というような警報を出力させる。また、電気機器200のユーザの近隣に住むユーザの通信端末300のCPU310も、サーバ100からの指示に応じて、スピーカ370から「ビーッ!!ビーッ!!災害発生!!近隣の電気機器200が緊急停止しました。」というような警報を出力させる。
【0057】
なお、ステップS314において、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、抽出した電気機器200および当該電気機器200のユーザの通信端末300に、警報を音声出力させるための指示および運転を停止するための指示を送信してもよい。これによって、対象となる電気機器200の近隣の電気機器200のCPU210は、サーバ100からの指示に応じて、スピーカ270から「ビーッ!!ビーッ!!災害発生!!近隣の電気機器200が緊急停止しました。」というような警報を出力させるとともに、機器駆動部290による運転を停止する。また、電気機器200のユーザの近隣に住むユーザの通信端末300のCPU310も、サーバ100からの指示に応じて、スピーカ370から「ビーッ!!ビーッ!!災害発生!!近隣の電気機器200が緊急停止しました。」というような警報を出力させる。
<第4の実施の形態>
【0058】
上記の実施の形態のネットワークシステム1の各装置の役割の一部または全部を他の装置が実行してもよい。たとえば、サーバ100や電気機器200や通信端末300の各々の役割の一部または全部を別の装置が担ったり、それらの装置の1つ1つの役割の一部または全部を複数の装置で分担したりしてもよい。
【0059】
より詳細には、サーバ100が、1つの装置で実現されてもよいし、クラウド上の複数の装置によって実現されてもよい。あるいは、電気機器200や通信端末300が、サーバ100や電気機器200の処理の一部の役割を担ったりしてもよい。
<まとめ>
【0060】
上記の実施の形態においては、各種の情報を送信する複数の電気機器と、第1の電気機器からの情報に基づいて第1の電気機器が緊急停止したと判断した場合に、第1の電気機器の近くの第2の電気機器を緊急停止させるサーバとを備えるネットワークシステムが提供される。
【0061】
好ましくは、サーバは、第1の電気機器が配置されている住所と第2の電気機器が配置されている住所とに基づいて、第1の電気機器の近くの第2の電気機器を特定する。
【0062】
好ましくは、サーバは、災害情報を取得して、第1の電気機器が配置されているエリアに災害が発生しているときに、第1の電気機器が緊急停止した場合に、第1の電気機器の近くの第2の電気機器を緊急停止させ、第1の電気機器が配置されているエリアに災害が発生していないときは、第1の電気機器が緊急停止しても、第1の電気機器の近くの第2の電気機器を緊急停止させない。
【0063】
好ましくは、サーバは、災害の規模が大きいほど、第1の電気機器の近くのエリアを広く設定する。
【0064】
上記の実施の形態においては、プロセッサが、通信インターフェイスを介して、第1の電気機器から情報を取得するステップと、プロセッサが、情報に基づいて第1の電気機器が緊急停止したか否かを判断するステップと、プロセッサが、第1の電気機器が緊急停止した場合に、第1の電気機器の近くの第2の電気機器を緊急停止させるステップと、を備える情報処理方法が提供される。
【0065】
上記の実施の形態においては、各種の情報を送信する複数の電気機器と、第1の電気機器からの情報に基づいて第1の電気機器が緊急停止したと判断した場合に、第1の電気機器の近くの第2の電気機器から警報を出力させるサーバとを備えるネットワークシステムが提供される。
【0066】
上記の実施の形態においては、プロセッサが、通信インターフェイスを介して、第1の電気機器から情報を取得するステップと、プロセッサが、情報に基づいて第1の電気機器が緊急停止したか否かを判断するステップと、プロセッサが、第1の電気機器が緊急停止した場合に、第1の電気機器の近くの第2の電気機器から警報を出力させるステップと、を備える情報処理方法が提供される。
【0067】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0068】
1 :ネットワークシステム
100 :家電制御サーバ
100B :災害サーバ
110 :CPU
120 :メモリ
121 :ユーザ情報データ
122 :機器情報データ
123 :履歴データ
124 :災害情報データ
140 :操作部
160 :通信インターフェイス
200 :電気機器
210 :CPU
220 :メモリ
230 :ディスプレイ
240 :操作部
250 :タッチパネル
260 :通信インターフェイス
270 :スピーカ
280 :マイク
290 :機器駆動部
295 :センサ
299 :カメラ
300 :通信端末
310 :CPU
370 :スピーカ
400 :ルータ