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特許7545952クルクミンと、更なる活性剤としての少なくともカンナビノイドTHCとを含む可溶化物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】クルクミンと、更なる活性剤としての少なくともカンナビノイドTHCとを含む可溶化物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/353 20060101AFI20240829BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20240829BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20240829BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240829BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20240829BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240829BHJP
   A61K 31/05 20060101ALI20240829BHJP
   A61K 31/121 20060101ALI20240829BHJP
   A61K 36/185 20060101ALI20240829BHJP
   A61K 36/484 20060101ALI20240829BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240829BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240829BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20240829BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20240829BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240829BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20240829BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240829BHJP
   A61P 17/18 20060101ALI20240829BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20240829BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20240829BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240829BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240829BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240829BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20240829BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
A61K31/353
A23L2/00 F
A23L2/52
A23L33/105
A61K9/08
A61K9/107
A61K9/48
A61K31/05
A61K31/121
A61K36/185
A61K36/484
A61K47/10
A61K47/26
A61P3/04
A61P3/06
A61P3/10
A61P9/10 101
A61P17/00
A61P17/18
A61P19/02
A61P25/18
A61P25/28
A61P29/00
A61P35/00
A61P37/02
A61P43/00 121
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021500617
(86)(22)【出願日】2019-07-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 EP2019068538
(87)【国際公開番号】W WO2020011855
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-03-08
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2018/068731
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515168927
【氏名又は名称】アクアノヴァ アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100136799
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 亜希
(74)【代理人】
【識別番号】100128668
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 正巳
(74)【代理人】
【識別番号】100189474
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 修
(72)【発明者】
【氏名】ベナム,ダリウシュ
【合議体】
【審判長】前田 佳与子
【審判官】池上 京子
【審判官】吉田 佳代子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/061007(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/093524(WO,A1)
【文献】特表2009-514890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/00-31/80
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
10重量%以下の有効量のTHCと、
ポリソルベート80、若しくはポリソルベート80とポリソルベート20との混合物、若しくはポリソルベート80と食用脂肪酸のショ糖エステルとの混合物、を含む乳化剤と、
0重量%から10重量%の間のクルクミンと、
0重量%から20重量%の間のエタノールと、
0重量%から10重量%の間の水と、
0重量%以上の二次性植物化学物質としてのフラボノイドと、
0重量%以上の、レスベラトロール、甘草由来のポリフェノール、及びカルコンからなる群から選ばれる少なくとも1種の天然フェノールと、
0重量%以上の酵素と、
クルクミン、フラボノイド、天然フェノール、及び酵素を除く、0重量%以上の植物抽出物と、
からなる可溶化物であって、
前記可溶化物中の前記ポリソルベート80、若しくは前記ポリソルベート80とポリソルベート20との混合物の含有量は、79重量%から88重量%の間の範囲であ
生理学的条件(pH1.1及び37℃)下で1:50又は1:500の比の前記可溶化物の水希釈液で、ISO7027規格の仕様に従って赤外光を使用した散乱光測定によって測定される、前記可溶化物の濁度は、25FNU未満である、可溶化物。
【請求項2】
クルクミンが1重量%から10重量%の間の有効量で存在する、請求項1に記載の可溶化物。
【請求項3】
前記フラボノイド、前記少なくとも1種の天然フェノール、前記植物抽出物、及び前記酵素からなる群から選択される少なくとも1つの物質が、0重量%より多い量で存在する、請求項1または2に記載の可溶化物。
【請求項4】
前記THCの有効量が0.3重量%から3重量%の間である、請求項1~3のいずれか1項に記載の可溶化物。
【請求項5】
生理学的条件(pH1.1及び37℃)下で1:500の比の蒸留水を用いた前記可溶化物の希釈液中のミセルの直径分布が、d10=6nmからd90=20nmに亘る、請求項1~4のいずれか一項に記載の可溶化物。
【請求項6】
請求項1~のいずれか一項に記載の可溶化物を充填したカプセルであって、
軟質ゼラチンカプセル、又は硬質ゼラチンカプセル、又は軟質ゼラチンフリーカプセル、又は硬質ゼラチンフリーカプセルの形態である、カプセル。
【請求項7】
請求項1~のいずれか一項に記載の可溶化物を含有する流動物であって、
食品、栄養補助食品、飲料、化粧品、及び医薬品からなる群から選択される、流動物。
【請求項8】
前記流動物は、前記可溶化物の水性希釈物を含む、請求項に記載の流動物。
【請求項9】
炎症、癌、アルツハイマー病、パーキンソン病、肥満、高コレステロール、高血糖、糖尿病、メタボリックシンドローム、及び/又は自己免疫疾患、多発性硬化症(MS)の1つ以上を含む疾患の治療及び/又は予防するための、
内臓脂肪を低減させるための、
熱産生のための、
コレステロール、及び/又は血中のグルコース、及び/又は血中のトリグリセリドを低減させるための、
黄斑色素密度を改善するための、
酸化的ストレスを低減させるための、
肝細胞中の脂肪の蓄積を低減させるための、及び/又は
脂肪肝疾患、フリードライヒ運動失調症、ライソゾーム病、テイ・サックス病、動脈硬化症、心疾患、関節炎を治療及び/又は予防するための、調合薬であって、栄養補助食品の消費者又は患者に投与される前記調合薬を調製するための、請求項1~のいずれか一項に記載の可溶化物の使用。
【請求項10】
請求項2に記載の可溶化物を生産する方法であって、
(a)ポリソルベート80、又はポリソルベート80とポリソルベート20との混合物、を準備する工程と、
(b)THCを添加する工程と、
(c)クルクミン粉末を添加する工程と、
を含み、
工程(a)では、40℃~62℃の範囲の温度への加熱が実施され、かつ、
工程(b)では、82℃~97℃の範囲の温度への加熱が実施され、
工程(c)は、この温度を維持することを含む、方法。
【請求項11】
工程(b)の前に、40℃~62℃の範囲の温度で水を添加することを含む工程(b1)が行われる、及び/又は工程(b1)において、40℃~62℃の範囲の温度でのエタノールの添加が実施される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
工程(b)は、ボスウェリア・セラータ抽出物及び/又はキサントフモールを添加することをさらに含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
工程(c)は、セラペプターゼを添加することをさらに含む、請求項1012のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
THCを含み、クルクミンを含まない可溶化物を、請求項2に記載の前記可溶化物と混合することを含む、方法。
【請求項15】
請求項1に記載のTHC可溶化物を生産する方法であって、
(a)ポリソルベート80、又はポリソルベート80とポリソルベート20との混合物、を準備する工程と、
(b)THCを添加する工程と、
を含み、
工程(a)では、40℃~62℃の範囲又は82℃~97℃の範囲の温度への加熱が実施され、かつ、
工程(b)では、82℃~97℃の範囲の温度への加熱が実施される、方法。
【請求項16】
工程(a)の前に、
グリセロールとTHCとを混合して溶液を生成する工程(a1)を実施し、ここで、工程(a1)では、82℃~97℃の範囲の温度への加熱が実施される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
工程(a)の前に、
水と少なくとも1つの食用脂肪酸のショ糖エステルとを混合する工程(a11)を実施し、ここで、工程(a11)では、40℃~62℃の範囲の温度への加熱が実施され、かつ、
工程(a11)で生成された混合物にポリソルベート20及び/又はポリソルベート80を添加する工程(a12)を実施し、ここで、工程(a12)では、82℃~97℃の範囲の温度への加熱が実施される、請求項15又は16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クルクミンと、少なくともカンナビノイドTHCとを含む可溶化物に関する。さらに、本発明は、かかる可溶化物を含有する流動物、かかる可溶化物又は流動物を充填したカプセル、及びかかる可溶化物を含有する栄養補助食品及び/又は調合薬に関する。
【背景技術】
【0002】
クルクミンは、様々な潜在的な薬理学的特性に基づいて、活性剤として議論されている。例えば、クルクミンの抗酸化作用に関して、またクルクミンの抗炎症作用に関して、更にウイルス及び細菌並びに癌に対する有効性に関して指摘されている。したがって、適応症は、例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病、糖尿病、結腸直腸腫瘍、膵臓癌、及び肝機能障害であり得る。
【0003】
カンナビノイドは、主に麻植物(大麻)に見られる幾つかのテルペンフェノールの変換生成物及び合成類似体である。
【0004】
「麻植物」又は「大麻植物」という用語は、野生型のカンナビス・サティバ(Cannabis sativa)と、また種々の量の様々なカンナビノイドを天然に含む大麻化学変種、カンナビス・サティバの亜種インディカ(indica)、そしてまた遺伝的交雑、自己交雑又はそれらの複合の結果である植物を含むその変異体とを包含する。
【0005】
大麻植物は、テルペンフェノールの群からの少なくとも113種のカンナビノイドを含んでいる。これらのカンナビノイドの1つは、Δ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)である。
【0006】
向精神薬としてのテトラヒドロカンナビノール(THC)は、主に大麻製品の幻覚作用を引き起こすと考えられている。上記植物は天然に2種のTHC酸の形でTHCを含み、これらは、植物材料を加熱することによってTHCへと変換される。
【0007】
幻覚作用に加えて、THCは、痛みを和らげ、リラックスさせ、食欲を増進させ、抗酸化作用及び神経保護作用だけでなく、緑内障の緩和等のかなりの医学的特性があるとされている。
【0008】
さらに、大麻は、多様な薬理学的特性を有する様々な非カンナビノイドを含んでいる。カンナビノール(CBN)、カンナビジオール(CBD)等のようなカンナビノイドがΔ9-THCの作用を変化させるという指摘が幾つかある。
【0009】
合成カンナビノイドは、半合成的に、すなわち天然カンナビノイドから生産され得る、又は単純な原材料から完全に合成的に生産され得る。麻植物のカンナビノイドと同じ機構により人体に有効である活性剤を産生し得る他の植物も存在する。
【0010】
経口摂取後に血流に入ることが可能となるには、活性剤は、小腸血液関門を通過しなくてはならず、続いて、肝臓で代謝されて、生体利用可能な画分として肝静脈に入る。体内に摂取及び放出される総活性剤の残りは、腸で微生物により分解されるか、又は糞便若しくは胆汁とともに排除される。
【0011】
本発明者は、天然クルクミンと比較して、大幅に増加されたバイオアベイラビリティを有するクルクミン可溶化物を既に創出している。この可溶化物は、特許文献1に記載されている。驚くことに、このクルクミン可溶化物はまた、その高いバイオアベイラビリティにより、その特定の配合で、特に炎症又は癌と関連付けられる疾患症状の低減に対して、予期せぬほど大きな効果を有することが、幾つかの研究で見出されている。
【0012】
天然形態と比較した、本発明による活性剤のミセル化に起因した毒性は、細胞生存率に関するMTTアッセイを用いた研究に基づいて除外され得る。MTTアッセイによる細胞生命力の検証は、水溶性の黄色色素である臭化3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウム(MTT)の、水不溶性の青紫色ホルマザンへの還元に基づいている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】国際公開第2014094921号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明者は、更なる活性剤としての1つのカンナビノイドとしての少なくともTHCとの組み合わせを考慮して、クルクミンの健康促進特性又は治癒特性をヒト生物又は動物生物に利用可能にする配合物を提供するという課題を自らに設定した。特に、本発明の目的は、少なくとも1つのカンナビノイドと組み合わせて、クルクミンの可能な限り最も高いバイオアベイラビリティを提供することである。
【0015】
本発明の更なる目的は、栄養的及び/又は薬理学的に許容可能なTHCを提供することである。より具体的には、本発明の目的は、水と混合したときにヒトの目に濁りのない混合物を与える形でTHCを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
これらの目的は、請求項1に記載の可溶化物を用いて、驚くほど簡素な方法で達成される。
【0017】
この可溶化物は、10重量%以下、好ましくは8重量%以下、より好ましくは3重量%~7重量%、最も好ましくは1重量%~3重量%の含有量のクルクミンと、
少なくとも1つの更なる活性剤としての、少なくともTHCと、
18未満、好ましくは13から18の間の範囲のHLB値を有する少なくとも1つの乳化剤、特にポリソルベート80若しくはポリソルベート20若しくは少なくとも1つの食用脂肪酸のショ糖エステル(食品添加物E473としてEUで承認されている)、又はポリソルベート20、ポリソルベート80及び食用脂肪酸のショ糖エステルを含む群から選択される少なくとも2つの乳化剤の混合物と、
からなる、又はそれらを含む。
【0018】
本発明はまた、10重量%以下、好ましくは5重量%以下、最も好ましくは0.3重量%~3重量%の含有量のTHCと、
18未満、好ましくは13から18の間の範囲のHLB値を有する少なくとも1つの乳化剤、特にポリソルベート80若しくはポリソルベート20若しくは少なくとも1つの食用脂肪酸のショ糖エステル、又はポリソルベート20、ポリソルベート80及び食用脂肪酸のショ糖エステルを含む群から選択される少なくとも2つの乳化剤の混合物と、
を含む、特にそれらからなる可溶化物を提供する。
【0019】
そのような可溶化物は、クルクミン可溶化物との混合物で使用することができる。これらはまた、更なる活性剤を含み得る。さらに、THC可溶化物自体は、経口投与することができる形で、例えば飲料で又はカプセルの充填物としてTHCを提供するという利点をもたらす。本発明によるTHCの可溶化は、この活性剤の酸化に対する効果的な保護をもたらす。THCの酸化的保護の改善により、本発明は、より長い保管寿命を有する製品を提供することを可能にする。
【0020】
有利な実施の形態において、可溶化物は、特に0.5mg/kg(体重)~1mg/kg(体重)の範囲のクルクミン用量で、好ましくは0.81mg/kg(体重)の用量で、特に1日1回経口投与され得る形態で提供される。
【0021】
本出願の目的で、「活性剤」という用語は、薬学的に有効な濃度で提供され、好ましくは薬学的効果を得る目的で添加される物質を指す。ここで、各々の活性剤の名称は、身体中で、活性剤に及び/又はその生物学的に活性な形態に変換される物質もまた包含すると理解される。
【0022】
本出願の文脈における1つの活性剤は、THCである。本出願の意味での「活性剤」には、エネルギー代謝でも同化代謝又は異化代謝でもなく、植物によって化合物として産生される二次性植物化学物質が含まれる。二次性植物化学物質の1つの群、したがって本出願の意味での活性剤はフラボノイドである。本出願の意味での活性剤には、レスベラトロール又は甘草由来のポリフェノール等の天然ポリフェノール、及び天然フェノール、特にキサントフモール等のカルコンも含まれる。また、植物抽出物、すなわち、抽出剤を使用して植物又は植物の一部から抽出された物質も含まれる。これらには、ホップからの抽出物も含まれる。活性剤は、それがまだ抽出剤中に溶解しているとしても「抽出物」と称される。また、「エッセンス」という用語も抽出物に使用することができる。
【0023】
本出願の趣旨での活性剤はまた、酵素を含む。本出願における「活性剤」としての酵素の一例は、セラペプターゼである。しかしながら、本出願は、この酵素に限定されない。
【0024】
フランキンセンスの木の樹脂からの抽出物、すなわちボスウェリア・セラータ(Boswellia serrata)抽出物は、まとめて総ボスウェル酸(「総BA」)と称される場合が多い幾つかの五員環トリテルペンを含有する。「ボスウェル酸」という用語は、上述のフランキンセンスの木の樹脂中に天然に存在する化学化合物群を指す。2つの基本構造は、α-ボスウェル酸及びβ-ボスウェル酸である。また、ボスウェル酸の幾つかの誘導体、特に11位にケト基を保有し、及び/又は3位でアセチル化される化合物が知られている。特に、薬理学的効果の観点で重要であると現在みなされているボスウェル酸は、α-ボスウェル酸(αBA)及びβ-ボスウェル酸(βBA)並びにそれらの誘導体である11-ケト-β-ボスウェル酸(KBA)(CAS 17019-92-0)及び3-O-アセチル-11-ケト-β-ボスウェル酸(AKBA)(CAS 67416-16-9)、及び3-O-アセチル-α-ボスウェル酸(AαBA)、及び3-O-アセチル-β-ボスウェル酸(AβBA)を含む。特に、誘導体AKBAは、抗炎症作用を有するとみなされている。
【0025】
本出願の文脈において、特に「ボスウェリア可溶化物」という用語中の「ボスウェリア」という用語は、「ボスウェリア」という用語がフランキンセンスの木の樹脂由来の活性剤を指す、すなわち、少なくとも1つのボスウェル酸及び/又はボスウェル酸の少なくとも1つの誘導体を指すという趣旨で使用される。「ボスウェル酸可溶化物」という用語は、少なくとも1つのボスウェル酸誘導体も含有し得る少なくとも1つのボスウェル酸のミセル配合物を指す。
【0026】
キサントフモールは、ホップ中に天然に存在するフラボノイドである。キサントフモールは、カルコンに帰属され、これまでホップ中で唯一同定されたプレニル化植物ポリフェノールである。より苦いホップ変種は、アロマ変種よりも非常に高い含有量のキサントフモールを有する。試験において、キサントフモールは、癌細胞の出現及び発達に対して有効であることがわかった。研究室実験において、キサントフモールは、脳の神経細胞を保護することが可能であり、したがって、場合によっては、アルツハイマー病又はパーキンソン病のような疾患の経過を遅らせるのを助長することができることが更に見出された。
【0027】
セラチア属(Serratia)ペプチダーゼ又はセラペプターゼは、カイコの腸に生息するセラチア属の細菌によって生産されるタンパク質分解酵素である。セラペプターゼは、疼痛、炎症、外傷性腫脹、及び生物による過剰な粘液分泌を緩和するのに有益な効果を有するとされている。セラペプターゼは、アセチルサリチル酸、イブプロフェン又は他の非ステロイド系鎮痛薬と同様に、抗炎症及び鎮痛のような効果があるとされている。セラペプターゼはまた、組織において線維素溶解性抗炎症活性及び抗浮腫活性を誘導するとされている。全ての酵素と同様に、セラペプターゼは、胃によって生産される酸に対して感受性が高い。したがって、胃の通過を可能する配合物中で提供することが、本発明の目的である。
【0028】
本発明による可溶化物は、10重量%以下、好ましくは5重量%以下、最も好ましくは2重量%~4重量%の含有量で、1つ以上のボスウェル酸及び/又は1つ以上のボスウェル酸誘導体を含有し得る。
【0029】
高い比率のボスウェリアに起因して、本発明は、それらの有利な実施の形態において、可溶化物が、1つ以上のボスウェル酸及び/又は1つ以上のボスウェル酸誘導体の供給源として、酢酸エチルを使用した抽出によってボスウェリア・セラータの植物の樹脂から得られる抽出物を含有し、ボスウェル酸は、この抽出物中に少なくとも85重量%の濃度で含有されることを意図する。
【0030】
本発明による可溶化物は、10重量%以下、好ましくは5重量%以下、最も好ましくは1重量%~3重量%の量で、キサントフモールを含有し得る。
【0031】
高い比率のキサントフモールに起因して、本発明は、それらの有利な実施の形態において、可溶化物が、キサントフモールの供給源として、ホップ由来の硬質樹脂のエタノール抽出物を含有し、この抽出物中のキサントフモール濃度は、65重量%から95重量%の間の範囲であり、好ましくは80重量%~92重量%の範囲の濃度であることを意図する。特に、以下でより詳述される「Xantho-Flav Pure」又は「Xantho-Flav」という製品は、本発明の文脈におけるキサントフモール供給源として使用され得る。本発明による可溶化物は、最大3重量%の範囲、好ましくは0.1重量%から2重量%の間の範囲、最も好ましくは0.18重量%から0.35重量%の間の範囲で、セラペプターゼを含有し得る。
【0032】
クルクミンと、少なくとも更なる活性剤としてのTHCとからなるか、又はそれらを含有する可溶化物はまた、抗生物質として、及び/又は炎症、癌、アルツハイマー病、パーキンソン病、肥満、高コレステロール、高血糖、糖尿病、メタボリックシンドローム、及び/又は自己免疫疾患、多発性硬化症(MS)を含む疾患の治療及び/又は予防における調合薬として、内臓脂肪を低減させるため、熱産生のため、コレステロール、特にLDLコレステロール、及び/又は血中のグルコース及び/又は血中のトリグリセリドを低減させるため、黄斑色素密度を改善するため、酸化的ストレスを低減させるため、及び/又は肝細胞中の脂肪の蓄積を低減させるため、特に脂肪肝疾患、フリードライヒ運動失調症、ライソゾーム病、特にテイ・サックス病、動脈硬化症、心疾患、関節炎を治療及び/又は予防するための調合薬として使用するために、本発明の文脈内で有利に提供され得るか、又は用いられ得る。
【0033】
特に、本発明は、抗炎症薬としての、及び/又は抗生物質としての、及び/又は癌、アルツハイマー病、パーキンソン病、肥満、高コレステロール、高血糖、糖尿病、メタボリックシンドローム、及び/又は自己免疫疾患、多発性硬化症(MS)に対して効果を有する調合薬としての、内臓脂肪を低減させるための、熱産生のための、コレステロール低減用調合薬、特にLDLコレステロールに関するコレステロール低減用調合薬としての、及び/又は血中のグルコース及び/又は血中のトリグリセリドを低減させる効果を有する調合薬としての、黄斑色素密度を改善するための、酸化的ストレスを低減させるための、及び/又は肝細胞中の脂肪の蓄積を低減するための、特に脂肪肝、フリードライヒ運動失調症、ライソゾーム病、特にテイ・サックス病、動脈硬化症、心疾患、関節炎に対する効果を有する調合薬としての使用のための、上述の可溶化物を提供する。
【0034】
可溶化物中に含有される更なる構成成分に応じて、活性剤の安定なミセルを提供するために、乳化剤含有量、特にポリソルベート含有量は、本発明の文脈内で、少なくとも70重量%、好ましくは75重量%から95重量%の間の範囲、最も好ましくは79重量%から88重量%の間の範囲であり得る。
【0035】
特定の用途に応じて、本発明の可溶化物は、例えば、最大20重量%、好ましくは最大15重量%のエタノール、及び/又は最大25重量%、好ましくは12重量%から20重量%の間、最も好ましくは最大10重量%のグリセロール、及び/又は更に最大10重量%、好ましくは最大7重量%の水を含有し得る。エタノールの添加により、乳化剤の含有量、特にポリソルベートの含有量を減らすことができる。これは、WHOによって推奨されるポリソルベートについてのADI値(25mg/kg(体重))の観点から有利である。乳化剤の含有量、特にポリソルベートの含有量は、グリセロールを添加することによっても減らすことができる。
【0036】
本発明の可溶化物は、胃の通過の生理学的条件下でさえ、小さな平均粒径を有する狭い粒径分布を示し、pH1.1及び37℃で、1:500の比の希釈水を用いた可溶化物の希釈液中のミセルの直径の分布は、約d10=6nm~約d90=20nmの範囲である。これらの値は、体積分布から決定された。可溶化物のミセルの粒径分析の詳細は、以下で説明される。
【0037】
本発明によりミセル化されていない、少なくともTHC、又はクルクミンと更なる活性剤としてのTHCとの組成物と比較したバイオアベイラビリティの改善は、可溶化物の濁度の測定によって示され、濁度は、測定技法にはるかに利用しやすい。本発明による配合物の結果として、生理学的条件(pH1.1及び37℃)下で1:50の比の可溶化物の水中希釈で、ISO7027規格の仕様に従って赤外光を使用した散乱光測定によって測定される可溶化物の濁度は、好ましくは25FNU未満、より好ましくは3FNU未満である。
【0038】
消費者又は患者にとってより簡素で利便性の高い方法で、本発明の可溶化物の口腔適用を容易にするために、本発明はまた、上述するような可溶化物を充填したカプセルを提供し、ここで、カプセルは、軟質ゼラチンカプセル又は硬質ゼラチンカプセル又は軟質ゼラチンフリーカプセル又は硬質ゼラチンフリーカプセル、例えばセルロースカプセルの形態である。
【0039】
さらに、本発明の文脈において、本発明による可溶化物は、他の流動物、特に液体に取り込まれてもよい。活性剤を充填した小さなミセルは、取り込まれることで保持される。したがって、本発明はまた、上述するような可溶化物を含有する流動物を提供し、ここで、流動物は、食品、栄養補助食品、飲料、化粧品、及び医薬品を含む群から選択される。本発明の文脈において、流動物は特に、可溶化物の水性希釈液を含み得る。
【0040】
本発明は、炎症、癌、アルツハイマー病、パーキンソン病、肥満、高コレステロール、高血糖、糖尿病、メタボリックシンドローム、及び/又は自己免疫疾患、多発性硬化症(MS)を含む疾患を治療及び/又は予防するための、内臓脂肪を低減させるための、熱産生のための、コレステロール、特にLDLコレステロール、及び/又は血中のグルコース及び/又は血中のトリグリセリドを低減させるための、黄斑色素密度を改善するための、酸化的ストレスを低減させるための、及び/又は肝細胞中の脂肪の蓄積を低減させるための、特に脂肪肝疾患、フリードライヒ運動失調症、ライソゾーム病、特にテイ・サックス病、動脈硬化症、心疾患、関節炎を治療及び/又は予防するための調合薬としての、黄斑色素密度を改善するための方法を更に提供し、ここで、栄養補助食品の消費者又は患者に、本発明による可溶化物を、特にカプセル中の、又は流動物としての本発明による可溶化物を、特に1日1回投与、特に経口投与する。
【0041】
クルクミンと更なる活性剤としての少なくとも1つのTHCとを含む本発明による可溶化物を生産するために、個々に調製した可溶化物を一緒に混合すること、又は、クルクミンと更なる活性剤としての少なくとも1つのカンナビノイドとを含有する可溶化物を直接調製することのいずれかが可能である。
【0042】
さらに、本発明は、上記の可溶化物を生産する方法を提供する。クルクミンと、更なる活性剤としての少なくとも1つのカンナビノイドとの共ミセル化が望まれる場合に、本発明は、
(a)ポリソルベート80及び/又はポリソルベート20及び/又は少なくとも1つの食用脂肪酸のショ糖エステル、及び/又はポリソルベート20、ポリソルベート80及び食用脂肪酸のショ糖エステルを含む群から選択される乳化剤の混合物を準備する工程と、
(b)THCを、特にTHCオイルの形で添加する工程と、
(c)クルクミン粉末を添加する工程と、
を含み、
工程(a)は、40℃~62℃の範囲の温度、好ましくは45℃~57℃の範囲の温度、最も好ましくは48℃から52℃の間の範囲の温度に加熱することを含み、かつ、
工程(b)は、82℃~97℃の範囲の温度、好ましくは83℃~92℃の範囲の温度、最も好ましくは85℃~89℃の範囲の温度に加熱することを含み、この温度は工程(c)で維持される、作製方法の第1の変形を提供する。
【0043】
この作製方法は、水性希釈液中で、クルクミン及び少なくとも更なる活性剤としてのTHCを負荷したミセルを形成することが可能な可溶化物を生産することを可能にする。また、この目的で、適切に対応される温度制御下で、準備工程において、少なくとも2つの活性剤を互いに混合して、続いて、それらを組み合わせた形態で、混合物として添加することが可能である。
【0044】
本発明の文脈では、THCは、特にTHCオイルの形で使用される。原則として、本発明の範囲内では、THCの供給源として任意の配合物を使用することができる。例えば、THCオイル、特に「フルスペクトラム」THCオイルとして知られているTHCオイル、ペースト、粉末、結晶形、及び/又は分離物を、THCを含む上述の全ての配合物と共に使用することが可能である。原則として、本発明による可溶化物を得るために、THCの抽出物を使用することも可能である。上述の配合物は、THC、例えば「THCオイル」として知られているTHCを本質的に含む配合物であり得る。しかしながら、本発明の文脈で「THC」として使用されるTHC配合物において、実質的にTHCと、少なくとも1つの更なるカンナビノイドの部分との混合物を提供することも可能である。
【0045】
工程(b)の間に、例えばボスウェリア・セラータ抽出物及び/又はキサントフモール等の更なる活性剤を組み込むこともできる。
【0046】
追加的に又は代替的に、例えばセラペプターゼ等の更なる活性剤を、工程(c)で組み込むことができる。更なる活性剤に加えて又はその代替として、MCTオイルを、工程(c)で添加することができる。
【0047】
特にこの場合、工程(b)の後に、40℃~62℃の範囲の温度、好ましくは45℃~57℃の範囲の温度、最も好ましくは48℃~52℃の範囲の温度で水を添加することを含む工程(b1)が行われる。
【0048】
追加的に又は代替的に、工程(b1)において、40℃~62℃の範囲の温度、好ましくは45℃~57℃の範囲の温度、最も好ましくは48℃~52℃の範囲の温度でのエタノールの添加も実施され得る。
【0049】
本発明はまた、クルクミン単独又は別の活性剤単独を負荷した両方のミセルを少なくともそれらの調製の直後に水性希釈で示す可溶化物に関する。したがって、本発明はまた、クルクミン可溶化物と、少なくとも1つのTHC可溶化物とを、特に1:1の量比の個々の可溶化物で混合することによって、上記の可溶化物を生産する方法を提供する。
【0050】
これゆえ、本発明は、THC可溶化物を生産する方法であって、
(a)ポリソルベート80及び/又はポリソルベート20及び/又は少なくとも1つの食用脂肪酸のショ糖エステル、及び/又はポリソルベート20、ポリソルベート80及び食用脂肪酸のショ糖エステルを含む群から選択される乳化剤の混合物を準備する工程と、
(b)THCを、例えばTHCオイルの形で添加する工程と、
を含み、
工程(a)では、少なくとも40℃~62℃の範囲の温度、好ましくは45℃~57℃の範囲の温度、最も好ましくは48℃~52℃の範囲の温度への加熱が実施され、かつ、
工程(b)では、82℃~97℃の範囲の温度、好ましくは83℃~92℃の範囲の温度、最も好ましくは85℃~89℃の範囲の温度への加熱が実施される、方法を提供する。
【0051】
工程(a)において、温度を82℃~97℃の範囲の値、好ましくは83℃~92℃の範囲の温度、最も好ましくは85℃~89℃の範囲の温度に上げることも可能である。これを準備するためには、グリセロールと例えばTHCオイルの形のTHCとを混合して溶液を生成する工程(a1)を実施することが可能であり、ここで、工程(a1)では、82℃~97℃の範囲の温度、好ましくは83℃~92℃の範囲の温度、最も好ましくは85℃~89℃の範囲の温度への加熱が実施される。
【0052】
これを準備する際に、本発明の範囲内において、水と少なくとも1つの食用脂肪酸のショ糖エステルとを混合する工程(a11)を実施することも可能であり、ここで、工程(a11)では、少なくとも40℃~62℃の範囲の温度、好ましくは45℃~57℃の範囲の温度、最も好ましくは48℃~52℃の範囲の温度への加熱が実施され、かつ、
工程(a11)で生成された混合物にポリソルベート20及び/又はポリソルベート80を添加する工程(a12)を実施することも可能であり、ここで、工程(a12)では、82℃~97℃の範囲の温度、好ましくは83℃~92℃の範囲の温度、最も好ましくは85℃~89℃の範囲の温度への加熱が実施される。
【0053】
工程(a1)後に又は工程(a11)後に又は工程(a12)後に、工程(b)でカンナビノイドが添加される。
【0054】
ここで、本発明は、例示的な実施形態を用いて、より詳細に説明される。下記の構成成分を使用した。
【発明を実施するための形態】
【0055】
クルクミン
Green Leaf Extraction Pvt Ltd.(インド、ケーララ)からの製品コードEP-5001の「Turmeric Oleoresin Curcumin Powder 95%」と称される製品を、クルクミンとして使用した。クルクミン粉末は、CAS番号458-37-7を有する。クルクミン粉末は、ウコン(Curcuma Longa)の根茎の溶媒抽出によって得られる天然産物である。粉末のクルクミン含有量は、製造業者の規格によると、少なくとも95%である。このクルクミン含有量は、ASTA方法18.0によって決定される。
【0056】
また、上述のGreen Leafからの「oleoresin turmeric 95%」クルクミン粉末に対する代替物として、以下に記載する例示的な実施形態は、クルクミンとして、例えば、Neelam Phyto-Extracts(インド、ムンバイ)による95%クルクミン抽出物、又はeurochem GmbH(ドイツ、グレーベンツェル)からのクルクミンBCM-95-SG若しくはクルクミンBCM-95-CG、又はHenry Lamotte OILS GmbH(ドイツ、ブレーメン)からのCurcuma Oleoresin 95%を使用することも可能である。
【0057】
THC
THCの供給源としてTHCオイルを使用した。
【0058】
ボスウェリア
本出願の文脈において、「ボスウェリア」という用語は、特に、フランキンセンス植物の樹脂からの抽出物を指す。具体的には、ボスウェリア・セラータ種の抽出物が使用され、それは、Frutarom Belgium N.V.(ベルギー、ロンデルゼール)によって製造される製品コード「HC22519」の、ボスウェリア・セラータという植物学名を持つ植物の樹脂からの酢酸エチルによる抽出によって得られる抽出物であった。この抽出物を含有する可溶化物はまた、ボスウェル酸のその含有量の理由から、「ボスウェル酸可溶化物」と称される。
【0059】
フランキンセンス植物の樹脂からの抽出物の他に、本発明による可溶化物の目的で、ボスウェル酸及び/又はボスウェル酸の誘導体を使用することも可能である。特に、下記が認められ得る:アルファ-ボスウェル酸(CAS番号471-66-9)、ベータ-ボスウェル酸(CAS番号631-69-6)並びにそれらの誘導体である3-O-アセチル-アルファ-ボスウェル酸(CAS番号89913-60-0)、3-O-アセチル-ベータ-ボスウェル酸(CAS番号5968-70-7)、11-ケト-ベータ-ボスウェル酸(KBA、CAS番号17019-92-0)、及び3-O-アセチル-11-ケト-ベータ-ボスウェル酸(AKBA、CAS番号67416-61-9)。
【0060】
キサントフモール
Simon H. Steiner, Hopfen, GmbH(ドイツ、マインブルク)による「Hopsteiner」というブランドの製品「Xantho-Flav」又は「Xantho-Flav Pure」を、キサントフモール供給源として使用した。上記製品はともに、ホップから生産される天然産物である。活性剤は、ホップポリフェノールキサントフモールである。これは、製造業者の規格によれば、「Xantho-Flav」中では65%から85%の間及び「Xantho-Flav Pure」中では少なくとも85%のキサントフモール含有量を有する黄色粉末である。
【0061】
「Xantho-Flav Pure」中のキサントフモール及びイソキサントフモールの濃度は、外部の較正標準である純粋なXN(370nm)又はIX(290nm)を使用して、UV分光光度分析又はHPLC EBC 7.8に従って製造業者によって定量化される。「Xantho-Flav Pure」は、非常に高濃度で、プレニル化されたフラボノイドであるキサントフモールを含有する。本出願の文脈における例示的な実施形態に関して、バッチ番号9432の「Xantho-Flav Pure」が使用された。
【0062】
セラペプターゼ
Shaanxi Pioneer Biotech Co. Ltd.からのバッチ番号PBD 20170708のセラチオペプチダーゼ20000U/mgと称される製品が、セラペプターゼとして使用された。これは、灰白色~薄褐色の粉末である。酵素単位(U)は、後にカタールに置き換えられた酵素活性を示すための単位である。カタールが使用される場合には、数値が変化するため、酵素単位(U)は、医学及び臨床化学で使用され続けている。1酵素単位Uは、1分当たりの1マイクロモルの基質変換に相当する。
【0063】
ポリソルベート80
ポリソルベート80の供給源は、Evonik Nutrition & Care GmbH(ドイツ、エッセン)からの規格コード「K04 EU-FOOD」の材料「TEGO SMO 80 V FOOD」であった。この製品は、食品添加物E433に関してEU要件に適合するものである。上述のEvonikからのTEGO SMO 80 Vの代替物として、以下で記載する例示的な実施形態におけるポリソルベート80として、InCoPA Gmbh(ドイツ、イラーティッセン)からのTEGO SMO 80 V、又はCRODA GmbH(ドイツ、ネッテタール)からのCrillet 4/Tween 80-LQ-(SG)、又はUnivar若しくはKolb Distributions AG(スイス、ヘディンゲン)からのLamesorb SMO 20及びKotilen-O/1 VLもまた、使用することが可能である。
【0064】
ポリソルベート20
ポリソルベート20の供給源は、Evonik Nutrition & Care GmbH(ドイツ、エッセン)からの規格コード「K09 EU-FOOD」の材料「TEGO SML 20 V FOOD」であった。この製品は、食品添加物E432に関してEU要件に適合するものである。上述のEvonikからのTEGO SML 20の代替物として、本発明の文脈内のポリソルベート20として、CRODA GmbH(ドイツ、ネッテタール)からのCrillet 1/Tween 20-LQ-(SG)もまた、使用することが可能である。
【0065】
食用脂肪酸のショ糖エステル
食用脂肪酸のショ糖エステルとして、製造業者Stearine Dubois製の製品名「DUB SE 15P」を有するショ糖エステルを使用した。このエステルは、食品添加物E473としてEUで承認されている。
【0066】
エタノール
本出願の文脈において、エタノールは、Berkel Pfaelzische Spritfabrik GmbH & Co. KGから購入された。「undenatured neutral alcohol 1411U taxed」に関する規格によれば、この製品のエタノールの含有量は、約92.6重量%~95.2重量%である。
【0067】
グリセロール
本出願の文脈においてグリセロールとして使用される製品は、Glaconchemie GmbH(ドイツ、メルゼブルク)からの「Glycamed 99.7%」であった。この製品のグリセロール含有量は、製造業者の規格によれば、少なくとも99.5%である。
【0068】
中鎖トリグリセリド
中鎖トリグリセリド(MCT)は、中鎖脂肪酸を含有するトリグリセリドである。中鎖脂肪酸として、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸及びラウリン酸が挙げられる。これらは、ココナッツ油及びパーム核油等のトロピカル植物の脂肪中に天然に存在する飽和脂肪酸である。程度は劣るが、それらは、乳脂肪中にも含有される。自然界には、純粋なMCTオイルは存在しないが、純粋なMCTオイルを合成的に得ることができる。個々のMCT又は異なるMCTの混合物は、本発明の範囲内の中鎖トリグリセリドとして使用され得る。中鎖トリグリセリドは、Cognis GmbH(ドイツ、モンハイム)によって製造されるMCTオイルDelios VK Kosherの形態で、又はDHW Deutsche Hydrierwerke Rodleben GmbH(ドイツ、デッサウ=ロスラウ)によって製造されるCAS番号73-398-61-5のMCTオイル(70/30) Rofetan GTCC 70/30の形態で使用された。
【0069】
さらに、中鎖トリグリセリドは、ROFETAN DTCC 70/30(欧州薬局方)という製品の形態で使用され得る。これは、CAS番号73398-61-5を有するカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドである。この製品は、出願日に有効な欧州薬局方のモノグラフ「中鎖トリグリセリド」に対応している。製造業者は、Ecogreen Oleochemicals DHW, Deutsche Hydrierwerke GmbH(ドイツ、ロードレーベン)である。
【0070】
水が可溶化物の調製において添加される場合、蒸留水が使用される。
【0071】
本発明による可溶化物の水性希釈液中のミセルの粒径分析は、別記しない限り、波長780nmのレーザー光を使用した動的光散乱の原理に従って測定された。粒径測定は、ParticleMetrix NANO-flex後方散乱粒子分析器を使用して実施された。測定原理は、180°のヘテロダイン後方散乱設定での動的光散乱(DLS)に基づいている。
【0072】
本発明による可溶化物の濁度の実験的測定に関して、濁度計は、標準物質懸濁液を用いて較正される。したがって、測定される光強度に代わって、較正懸濁液の濃度が表示される。そのため、任意の懸濁液が測定される場合、その表示は、各々の液体が、表示された濃度で標準物質懸濁液と同じ光散乱を引き起こすことを意味する。国際的に定義される濁度標準物質は、ホルマジンである。最も一般的な単位として、FNU、すなわちホルマジン比濁法単位という表示が挙げられる。これは、例えば、ISO7072規格の要件に応じて90°で測定するために、水処理で使用される単位である。
【0073】
活性剤クルクミンと、更なる活性剤としてTHCとを含む本発明による可溶化物を調製するために、個々に調製された可溶化物を互いに混合すること、又はクルクミンと、THC又は幾つかの更なる活性剤とを含有する可溶化物を直接調製することのいずれかが可能である。
【0074】
クルクミン可溶化物
例として、7%クルクミン可溶化物が調製される。この目的で、
925gのポリソルベート80と、
75gのクルクミン粉末95%(=71.2gのクルクミン)と、
が使用される。
【0075】
ポリソルベート80を48℃から52℃の間に加熱する。95℃~97℃の範囲の温度に更に加熱しながら、クルクミン粉末を、攪拌下でポリソルベートに添加する。攪拌中に乳化剤へ均一に引き込まれるように、粉末を適切な速度で添加する。最大60℃未満の温度に冷却した後、クルクミン可溶化物を瓶に入れる。この可溶化物を、クルクミン及びボスウェリア可溶化物の調製に使用した。
【0076】
pH1.1及び温度37℃での1:500の水中希釈比で、7%クルクミン可溶化物は、0.9FNUの平均濁度を示す。
【0077】
しかしながら、クルクミン含有量は、例えば、ミセルの安定性の観点で、悪影響を容認する必要なく、更に増加させることができることに留意すべきである。
【0078】
また、ポリソルベート80は、ポリソルベート20又は食用脂肪酸のショ糖エステルで完全に又は部分的に置き換えられてもよい。例えば、ポリソルベート20だけを用いてクルクミン可溶化物を調製するためには、ポリソルベート20 894g及び95%クルクミン粉末106gが使用され得る。ポリソルベート20を、約63℃から約67℃の間に加熱する。攪拌しながら、クルクミン粉末を、ポリソルベート20に徐々に添加する。クルクミン粉末を添加しながら、約83℃から約87℃の間へ加熱を続ける。得られた可溶化物を約45℃未満に徐々に冷却することで、瓶に入れる準備が整う。



【0079】
他の場合では、これらの変形の調製は、上述に対応する。最大約11%の可溶化物が、このようにして生産され得る。
【0080】
10%のTHCオイル可溶化物(水不含)の調製のために、以下、
900gのポリソルベート80と、
100gのTHCオイルと、
が使用される。
【0081】
ポリソルベート80を48℃から52℃の間に加熱する。温度を更に85℃から89℃の間の範囲に高めながら、THCオイルを、攪拌下でポリソルベートに添加する。最大60℃未満の温度に冷却した後、THCオイル可溶化物を瓶に入れる。
【0082】
pH1.1及び温度37℃での1:50の水中希釈比で、10%無水THCオイル可溶化物は、2.9FNUの濁度を示す。
【0083】
本発明による無水THC可溶化物、特に上記の例による無水THC可溶化物は、カプセル用の充填物として特に適している。
【0084】
本発明によるカンナビノイド可溶化物の更なる例は、10%のTHCオイル可溶化物であり、そのために、以下、
100gのTHCオイルと、
27gの食用脂肪酸のショ糖エステルと、
54gの水と、
22.5gのグリセロールと、
796.5gのポリソルベート80と、
が使用される。
【0085】
水とグリセロールとを混合し、48℃~52℃の範囲の温度に加熱する。ショ糖エステルを、激しく攪拌しながら組み込む。攪拌は、ショ糖エステルが水及びグリセリン中に溶解するように十分に激しく実施される。ポリソルベート80を攪拌しながら添加し、85℃~89℃の温度に加熱しながら均質化する。攪拌は、ポリソルベート80が均一に分布するように十分に激しく実施される。攪拌しながら60℃未満の温度に冷却した後、激しく攪拌しながらTHCオイルを組み込み、85℃~89℃の温度に再加熱しながら、完全に均質化する。攪拌は、THCオイルが均一に分布するように十分に激しく実施される。次に、生成物を60℃未満の温度に冷却し、瓶に入れる。続いて、それを25℃以下での暗所で保管する。
【0086】
12%のボスウェル酸可溶化物
以下、
76gの80%のボスウェリア・セラータ抽出物(=60.8gのボスウェル酸)、
24gの水、
400gのポリソルベート20、
が使用される。
【0087】
87℃~93℃の範囲の温度に加熱しながら、水をボスウェリア粉末と混合する。温度を維持しながら、ポリソルベート20を組み込む。攪拌しながら、流動物が安定的に均質化して可溶化物を形成するような速度で乳化剤を添加する。調製の間に激しい泡立ちが発生する場合がある。瓶に入れる間に収集容器の底に澄明な可溶化物が見られる場合、これは無視することができる。
【0088】
1.5%のセラペプターゼ可溶化物
以下、
15gのセラペプターゼ:セラチオペプチダーゼ20000U/mg=300000000U、
15gの水、
16.5gのMCTオイル、
953.5gのポリソルベート80、
が使用される。
【0089】
18℃から22℃の間の範囲の温度で、水をセラペプターゼと混合し、混合物を均質化する。これは、セラペプターゼが水中で可能な限り均一に分布していることを意味する。これにより、セラペプターゼが水中でほぼ完全に溶解される状況が作り出される。83℃~87℃の範囲の温度に加熱しながら、絶えず攪拌しながらMCTオイルを水-セラペプターゼ混合物中に組み込む。攪拌は、セラペプターゼが水中に均一に溶解するのに十分に激しく実施される。不変の温度で、ポリソルベート80を攪拌下で添加し、均質化する。攪拌は、ポリソルベート80が均一に分布するのに十分に激しく実施される。生成物を60℃未満の温度に冷却し、瓶に入れる。続いて、それを25℃以下での暗所で保管する。
【0090】
300000U/gは、酵素単位において15mg/gの1.5%のセラペプターゼに相当する。1:50の水中希釈で、この可溶化物の濁度を、pH1.1及び37℃での生理学的条件下で決定した。得られた値は、1.8FNUであった。
【0091】
エタノールを有する10%Xantho-Flav可溶化物(7.5%キサントフモールに相当)
本発明によるキサントフモール可溶化物のこの変形に関して、以下、
100gのXantho-Flav(=75gのキサントフモール)と、
150gの中性アルコールグレード1411Uのエタノール(96%)と、
750gのポリソルベート80と、
を使用した。
【0092】
まず、Xantho-Flav粉末を、48℃から52℃の間の範囲の温度に加熱しながら、エタノール中に溶解させる。均質な溶液が作り出される。次に、ポリソルベート80を、83℃から87℃の間に加熱しながら、エタノール中のXantho-Flavの溶液に添加する。2つの流動物が攪拌下で十分に均質になるような速度で、添加を行う。得られた可溶化物を60℃未満に冷却して、瓶に入れて、冷暗所で、すなわち、25℃未満の温度で保管する。
【0093】
上述の可溶化物を使用して、混合することによって、クルクミンと、更なる活性剤として少なくとも1つのTHCとを含む本発明による可溶化物を調製することができる。これは、例示的な実施形態1を参照して、以下で記載される。
【0094】
本出願の文脈において、本発明による可溶化物を形成するための構成成分の均質化が、任意の可溶化物の調製物中で十分に完了したかどうかに関する検証は、レーザービームを使用して、完全なミセル化を示す生成物の透明性の測定によって得られる。かかるレーザービーム測定は、例えば、特に650nmから1700nmの間の範囲の波長(スペクトル色赤)を有する市販のレーザーポインターを使用して、試料を照射することと、続いて、照射された(illuminated or irradiated)可溶化物の目視検査することとによって実施され得る。検証は、反応容器をサンプリングすること、したがって、反応容器の外側ではなく、反応容器中で達成される。レーザービームは、反応容器の前面に位置するのぞき窓(sight glass)に通して、反応容器と垂直に誘導される。散乱が完全に見られずに、光の点が、単に反応容器の後方の内側表面上に出現する場合、反応容器中の得られた粒子構造は、可視光の波長よりも小さく、したがって、これは、ミセル化のプロセスが完了されたことの目視確認となる。
【実施例
【0095】
実施例1
1.4%クルクミン/2.4%ボスウェル酸/1.5%キサントフモール/0.2%THCオイル/0.3%セラペプターゼの可溶化物
上記のそれぞれの配合物に従って、以下、
200gの7%クルクミン可溶化物と、
200gの12%ボスウェリア可溶化物と、
200gの7.5%キサントフモール可溶化物と、
200gの10%無水THCオイル可溶化物と、
200gの1.5%セラペプターゼ可溶化物と、
を使用する。
【0096】
5つの全ての可溶化物を、50℃~60℃の範囲の温度に加熱して、粘度を下げ、したがって、流動度を高めることができる。続いて、それらを攪拌することによって一緒に混合する。均質な完全生成物が得られたら、任意選択で60℃未満の温度に冷却して、瓶に入れる。
【0097】
カプセルへの充填等の更なる加工に先立って、生成物を再び攪拌して、生成物を均質化させること、またこの目的を達成するのに必要であれば、生成物を適度に、すなわち約40℃~50℃の温度に加熱することは有益である。
【0098】
実施例2
直接調製での1.4%クルクミン/2.4%ボスウェル酸/1.5%キサントフモール/0.2%THCオイル/3%セラペプターゼの可溶化物
以下、
15gの95%クルクミン粉末と、
30.4gのボスウェリア・セラータ抽出物(24.3gのボスウェル酸)と、
20gのXantho-Flav粉末(少なくとも70%のキサントフモール=15gのキサントフモール)と、
20gのTHCオイルと、
3gのセラペプターゼ(60000000U)と、
12.6gの水と、
20gのエタノールと、
3.3gのMCTオイルと、
160gのポリソルベート20と、
715.7gのポリソルベート80と、
を使用する。
【0099】
均質な混合物が得られるように十分に激しく攪拌しながら、ポリソルベート80とポリソルベート20とを、48℃から52℃の間の範囲の温度で混合する。均質な混合物が得られるように十分に激しく攪拌しながら、水とエタノールとを48℃~52℃の範囲の温度で添加する。キサントフモールとボスウェリアとを、絶え間なく攪拌しながらゆっくりと混合する。次に、激しく攪拌しながら温度を63℃~67℃に上げる。続いて、混合物にクルクミン、セラペプターゼ、THCオイル、及びMCTオイルを組み込む。生成物の良好な混合及び均質性を保証するために注意を払う。適切な場合、物質の添加と、次の物質の添加との間に、休止を取る。添加は、添加される特定の成分が調製物へ均一に組み込まれるように攪拌しながら十分ゆっくりと実施する。
【0100】
温度を更に85℃から89℃の間の範囲の値に上げる。加熱は、絶え間なく攪拌しながら、加熱される混合物が均質に保たれ、澄明な生成物が得られるように十分ゆっくりと実施される。60℃未満の温度に冷却した後、生成物を瓶に入れる。生成物は、濃くて粘性があり、25℃以下の温度の暗所で保管する。カプセルへの充填等の更なる加工に先立って、生成物を再び攪拌して、生成物を均質化させること、またこの目的を達成するのに必要であれば、生成物を適度に、すなわち約40℃~50℃の温度に加熱することは有益である。
【0101】
実施例3
3%クルクミン/3.2%ボスウェル酸/1.6%キサントフモール/1%THCオイルの可溶化物
以下、
40.5gの80%ボスウェリア・セラータ抽出物(32.4%ボスウェル酸)、
31.5gの95%クルクミン粉末(29.925gのクルクミン)、
20.7gの少なくとも80%のキサントフモールを含むXantho-Flav粉末(16.5gのキサントフモール)、
54gの水、
45gのエタノール、
315gのポリソルベート20、
483gのポリソルベート80、
10gのTHCオイル、
が使用される。
【0102】
48℃~52℃の範囲の温度に加熱しながら、ポリソルベート20及びポリソルベート80を、攪拌下で互いの中に溶解しながら、互いに均質化させる。その温度を維持しながら、乳化剤混合物を、水及びエタノールと混合する。水及びエタノールが乳化剤溶液中に均一に溶解されるように十分に激しく攪拌を実施する。温度を変化させずに、ボスウェリア・セラータ抽出物及びキサントフモールを、攪拌しながら、水で希釈した乳化剤混合物へ組み込む。ボスウェリア・セラータ抽出物及びキサントフモールが、攪拌下で希釈乳化剤溶液へ均一に引き込まれるように十分ゆっくりとした速度で、添加を行う。続いて、強攪拌下で、温度を63℃から67℃の間の範囲の値に上げる。攪拌しながら、クルクミン粉末を組み込む。クルクミンが調製物中で均一に分布して、均質化されるように十分に激しく攪拌しながら、温度を85℃から89℃の間の範囲の値に更に上げる。続いて、THCオイルが調製物中で均一に分布して、均質化されるように十分に激しく攪拌しながら、CBDオイルを混合物へ組み込む。
【0103】
この後、45℃以下の温度に冷却する。次に、クルクミン及びボスウェル酸及びキサントフモール及びTHCオイルの可溶化物を含む濃黄色の粘性のある調製物を瓶に入れて、冷暗所で、すなわち25℃未満で保管する。可溶化物及びその水溶液は、安定して均質であり、透明な結晶形態で可溶性である。
【0104】
本発明は、上述の実施例に限定されず、それどころか、多様な方法で変化させることがきることが、当業者に明らかである。特に、個々に説明した実施例の特徴を、組み合わせること、又は交換することが可能である。これは、特に、本発明による可溶化物の乳化剤組成物及び活性剤の組成物に適用される。