(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】通知システムの制御方法及び通知システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0835 20230101AFI20240829BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20240829BHJP
H04M 9/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
G06Q10/0835
B65G61/00 550
H04M9/00 F
(21)【出願番号】P 2021502058
(86)(22)【出願日】2020-02-19
(86)【国際出願番号】 JP2020006391
(87)【国際公開番号】W WO2020171097
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2022-12-06
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】P 2019117175
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】宮部 義幸
(72)【発明者】
【氏名】大森 基司
(72)【発明者】
【氏名】竹内 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】本田 孝二
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特許第5443110(JP,B2)
【文献】特開2004-013871(JP,A)
【文献】特開2003-078628(JP,A)
【文献】特開2007-310814(JP,A)
【文献】特開2004-297570(JP,A)
【文献】特許第6246403(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
B65G 61/00
H04M 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の内部に位置する
複数の通知装置を含む通知システムの制御方法であって、
(a)外部サーバから、物品の情報及び前記物品の配達員の顔情報を取得し、
(b)前記施設の外部に配置されたカメラで撮影された前記施設への訪問者の顔のカメラ画像を取得し、
(c)前記顔情報及び前記カメラ画像を比較して、前記訪問者が前記配達員であるか否かを確認し、
(d)前記訪問者が前記配達員であると確認された場合、前記通知装置により、前記施設に前記物品及び前記配達員が到着したことを示す配達情報を通知
し、
前記施設の内部に、複数のユーザの各々を検知するセンサが位置しており、
前記制御方法は、さらに、
(e)前記センサの出力信号に基づいて、前記複数のユーザの各々が所定の動作をしているか否かの判定を行い、
(f)前記判定の結果に基づいて、前記複数のユーザの中から、前記所定の動作をしていない少なくとも1人のユーザを選択し、
前記(d)の工程において、前記複数の通知装置のうちの少なくとも1つの通知装置により、前記配達情報を通知し、前記少なくとも1つの通知装置は、選択された前記少なくとも1人のユーザから所定範囲に位置する、
制御方法。
【請求項2】
前記制御方法は、さらに、(g)前記訪問者が前記配達員であると確認されなかった場合、前記通知装置により、前記施設への訪問者の来訪を示す訪問情報を第2の通知方法で通知し、
前記(d)の工程では、前記第2の通知方法とは異なる第1の通知方法で前記配達情報を通知する、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記(d)の工程において、前記配達情報を第1の通知方法で通知し、
前記制御方法は、さらに、
(h)所定期間における前記施設への訪問者の訪問予定の情報を取得し、前記訪問予定の情報には、前記物品の配達予定日時を示す第1の訪問予定情報と、前記物品の配達員とは異なる訪問者の訪問予定日時を示す第2の訪問予定情報とが含まれており、
(i)前記訪問者が前記配達員であると確認されず、かつ、前記訪問者の訪問日時が前記訪問予定日時から所定時間範囲に含まれる場合、前記通知装置により、前記施設への訪問者の来訪を示す訪問情報を第2の通知方法で通知し、
(j)前記訪問者が前記配達員であると確認されず、かつ、前記訪問者の訪問日時が前記訪問予定日時から所定時間範囲に含まれない場合、前記通知装置により、前記施設への訪問者の来訪を示す訪問情報を第3の通知方法で通知する、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項4】
前記制御方法は、さらに、前記(c)の工程の前に、(j)前記カメラで撮影された前記訪問者のカメラ画像から前記訪問者に関連する配達業者を認識し、
前記(c)の工程において、複数のアプリケーションプログラムのうち、認識された前記配達業者に対応するアプリケーションプログラムを用いて、前記顔情報及び前記カメラ画像を比較する、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項5】
外部サーバから、物品の情報及び前記物品の配達員の顔情報を取得し、施設の外部に配置されたカメラで撮影された前記施設への訪問者の顔のカメラ画像を取得する通信部と、
前記顔情報及び前記カメラ画像を比較して、前記訪問者が前記配達員であるか否かを確認する顔画像照合部と、
前記訪問者が前記配達員であると確認された場合、前記施設に前記物品及び前記配達員が到着したことを示す配達情報を通知する通知部と、を備え
、
前記通知部は、
前記施設の内部に位置するセンサであって複数のユーザの各々を検知するセンサの出力信号に基づいて、前記複数のユーザの各々が所定の動作をしているか否かの判定を行い、
前記判定の結果に基づいて、前記複数のユーザの中から、前記所定の動作をしていない少なくとも1人のユーザを選択し、
前記施設の内部に位置する複数の通知装置のうちの少なくとも1つの通知装置により、前記配達情報を通知し、前記少なくとも1つの通知装置は、選択された前記少なくとも1人のユーザから所定範囲に位置する、
通知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、施設に物品を配達する配達員が施設に到着したことを示す配達情報を通知する通知システムの制御方法及び通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施設の出入口に設置されたカメラで撮影された画像を施設内の表示端末に表示する技術がある。例えば、特許文献1のインターホンシステムでは、宅配業者の配達員へのなりすましに対する防犯性を向上させるために、宅配業者サーバで配達員の照会が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、宅配業者サーバに訪問者の顔写真が送信されるため、訪問者のプライバシー保護が十分ではない。
【0005】
そこで、本開示は、配達員に偽装された訪問者に対するセキュリティを向上させるとともに、訪問者のプライバシー保護を図ることができる通知システムの制御方法等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る通知システムの制御方法は、施設の内部に位置する複数の通知装置を含む通知システムの制御方法であって、(a)外部サーバから、物品の情報及び前記物品の配達員の顔情報を取得し、(b)前記施設の外部に配置されたカメラで撮影された前記施設への訪問者の顔のカメラ画像を取得し、(c)前記顔情報及び前記カメラ画像を比較して、前記訪問者が前記配達員であるか否かを確認し、(d)前記訪問者が前記配達員であると確認された場合、前記通知装置により、前記施設に前記物品及び前記配達員が到着したことを示す配達情報を通知し、前記施設の内部に、複数のユーザの各々を検知するセンサが位置しており、前記制御方法は、さらに、(e)前記センサの出力信号に基づいて、前記複数のユーザの各々が所定の動作をしているか否かの判定を行い、(f)前記判定の結果に基づいて、前記複数のユーザの中から、前記所定の動作をしていない少なくとも1人のユーザを選択し、前記(d)の工程において、前記複数の通知装置のうちの少なくとも1つの通知装置により、前記配達情報を通知し、前記少なくとも1つの通知装置は、選択された前記少なくとも1人のユーザから所定範囲に位置する。
【0007】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る通知システムの制御方法は、配達員に偽装された訪問者に対するセキュリティを向上させるとともに、訪問者のプライバシー保護を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る通知システムの使用事例を示す。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る通知システムを含むシステム全体の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る通知システムの機能配置を示すブロック図である。
【
図4A】
図4Aは、実施の形態1における発注情報の一例を示す。
【
図4B】
図4Bは、実施の形態1における配達依頼情報の一例を示す。
【
図4C】
図4Cは、実施の形態1における受付情報の一例を示す。
【
図4D】
図4Dは、実施の形態1における配達連絡情報の一例を示す。
【
図4E】
図4Eは、実施の形態1における配達状態情報の一例を示す。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る通知システムを含むシステム全体のシーケンス図である。
【
図6】
図6は、実施の形態1に係る発注装置の処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施の形態1に係る通販業者サーバの処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施の形態1に係る配達業者サーバの処理を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施の形態1に係る通知システムの処理を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施の形態1に係る通知システムの処理を示すフローチャートである。
【
図11B】
図11Bは、実施の形態1における配達情報を含まない画面の一例を示す。
【
図12】
図12は、実施の形態1の変形例に係る通知システムの機能配置を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、実施の形態2に係る通知システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図14】
図14は、実施の形態2における第2の配達情報を含む画面の一例を示す。
【
図15】
図15は、実施の形態2における表示画面の一例を示す。
【
図16】
図16は、実施の形態2の変形例における配達情報を含む画面の一例を示す。
【
図17】
図17は、実施の形態2の変形例における配達情報を含まない画面の一例を示す。
【
図18】
図18は、実施の形態3に係る通知システムの処理を示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、実施の形態4に係る通知システムの処理を示すフローチャートである。
【
図20A】
図20Aは、実施の形態5におけるサービス提供システムの全体像を示す。
【
図21】
図21は、実施の形態5におけるサービスの類型1(自社データセンタ型)を示す。
【
図22】
図22は、実施の形態5におけるサービスの類型2(IaaS利用型)を示す。
【
図23】
図23は、実施の形態5におけるサービスの類型3(PaaS利用型)を示す。
【
図24】
図24は、実施の形態5におけるサービスの類型4(SaaS利用型)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0011】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0012】
(実施の形態1)
[通知システムの使用事例]
まず、実施の形態1に係る通知システム400の使用事例について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態1に係る通知システム400の使用事例を示す。
【0013】
本実施の形態に係る通知システム400は、ユーザ20の住居である施設10で用いられる。なお、施設10は、住居に限定される必要はなく、配達員が物品の配達のために訪問する建造物であればよい。例えば、施設10は、マンション、店舗、オフィス等であってもよい。
【0014】
図1では、通知システム400は、通知装置410と、インターホン装置420と、を備える。通知装置410とインターホン装置420とは、互いに通信可能に接続されている。
【0015】
通知装置410は、訪問者50が配達員であるか否かを確認し、確認結果に応じてユーザ20に配達情報を通知する。言い換えると、通知装置410は、撮影された訪問者50の画像が所定の条件を満たすか否かを判定し、判定結果に応じて配達情報を通知する。通知装置410は、施設10の内部に位置し、例えば施設10の壁、床又は天井に固定される。なお、通知装置410は、持ち運び可能であってもよい。
【0016】
インターホン装置420は、施設10の外部に配置され、例えば施設10の出入口30近傍に配置される。インターホン装置420は、訪問者50の施設10への訪問を受け付けるとともに、訪問者50の顔画像を撮影する。インターホン装置420は、施設10内の通知装置410との間で通話に使用することができる。
【0017】
一般的には、インターホンとは、建物構内で専用に使用される電話である。したがって、インターホン装置は、建物外の設備及び建物内の設備を含む装置を意味する場合がある。しかしながら、本開示では、主に建物外の設備を意味する用語としてインターホン装置を用いる。
【0018】
発注装置300は、電子商取引により通販業者に商品を発注する。発注装置300は、ユーザ20に使用され、例えばスマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、又は、それらの任意の組み合わせである。
【0019】
[通知システムを含むシステム全体の機能構成]
ここで、通知システム400及び外部サーバ等を含むシステム全体の機能構成について
図2~
図4Eを参照しながら説明する。
図2は、実施の形態1に係る通知システム400を含むシステム全体の機能構成を示すブロック図である。
図3は、実施の形態1に係る通知システム400の機能構成を示すブロック図である。
図4A~
図4Eは、それぞれ、実施の形態1における発注情報501、配達依頼情報502、受付情報503、配達連絡情報504及び配達状態情報505の一例を示す。
【0020】
図2に示すように、通知システム400には、通販業者サーバ100、配達業者サーバ200及び発注装置300が通信可能に接続されている。
【0021】
[通販業者サーバ100の機能構成]
まず、通販業者サーバ100の機能構成について、
図2及び
図4A~
図4Cを参照しながら説明する。通販業者サーバ100は、外部サーバの一例である。
図2に示すように、通販業者サーバ100は、通信部101と、注文受付部102と、荷物配達指示部103と、表示部104と、を備える。
【0022】
通信部101は、例えば有線及び/又は無線通信回路で実現される。通信部101は、通信ネットワークを介して、発注装置300から発注情報501を受信する。通信ネットワークとしては、例えばインターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、又は、これらの任意の組合せを用いることができる。
【0023】
発注情報501は、
図4Aに示すように、発注を識別する発注IDと、発注者を識別するユーザIDと、発注された商品を識別する商品IDと、発注された商品の数量と、発注された商品の配達先の住所と、を含む。なお、
図4Aに示す発注情報501は、一例であり、これに限定されない。例えば、発注情報501は、さらに、発注された商品の名称を含んでもよい。
【0024】
さらに、通信部101は、通信ネットワークを介して、配達業者サーバ200に配達依頼情報502を送信する。配達依頼情報502は、
図4Bに示すように、発注の受付(つまり受注)を識別する受付IDと、発注者を識別するユーザIDと、受注された商品を識別する商品IDと、受注された商品の数量と、受注された商品の配達先の住所と、を含む。なお、
図4Bに示す配達依頼情報502は、一例であり、これに限定されない。例えば、数量は、配達のために商品が詰められた箱の数量であってもよい。
【0025】
また、通信部101は、通信ネットワークを介して、通知システム400に受付情報503を送信する。受付情報503は、
図4Cに示すように、発注の受付を識別する受付IDと、発注を識別する発注IDと、発注者を識別するユーザIDと、受注された商品を識別する商品IDと、受注された商品の数量と、を含む。なお、
図4Cに示す受付情報503は、一例であり、これに限定されない。例えば、受付情報503は、さらに、受注された商品の名称を含んでもよい。
【0026】
注文受付部102は、例えばプロセッサと命令が格納されたメモリとで実現される。なお、注文受付部102は、専用の電子回路で実現されてもよい。注文受付部102は、発注装置300から受信した発注情報501に基づいて、受注処理を行い、配達依頼情報502、受付情報503及び受付商品情報を生成する。
【0027】
受付商品情報は、受注された商品に関する情報であり、荷物配達指示部103に送信される。受付商品情報は、例えば発注情報501内の商品ID及び数量等を含む。
【0028】
荷物配達指示部103は、例えばプロセッサと命令が格納されたメモリとで実現される。なお、荷物配達指示部103は、専用の電子回路で実現されてもよい。荷物配達指示部103は、注文受付部102から受信した受付商品情報に基づいて、荷造り指示情報を生成する。荷造り指示情報は、商品倉庫内の作業者が商品の発送を準備するための情報であり、表示部104に送信される。荷造り指示情報は、例えば商品ID、数量及び受付ID等を含む。
【0029】
表示部104は、例えば液晶ディスプレイ及び/又は有機ELディスプレイで実現される。表示部104は、商品倉庫内に配置され、荷造り指示情報を表示する。倉庫内では、作業者は、表示部104に表示された荷造り指示情報に基づいて、商品を箱詰めし、受付IDを認識可能な状態で配達業者に箱詰めされた商品を引き渡す。
【0030】
[配達業者サーバ200の機能構成]
次に、配達業者サーバ200の機能構成について、
図2及び
図4Dを参照しながら説明する。配達業者サーバ200は、外部サーバの一例である。
図2に示すように、配達業者サーバ200は、通信部201と、配達員顔情報保管部202と、配達受付部203と、配達業務決定部204と、を備える。
【0031】
通信部201は、例えば有線及び/又は無線通信回路で実現される。通信部201は、通信ネットワークを介して、通販業者サーバ100から配達依頼情報502を受信する。さらに、通信部201は、通信ネットワークを介して、配達連絡情報504を通知システム400に送信する。
【0032】
配達連絡情報504は、
図4Dに示すように、発注の受付を識別する受付IDと、配達業者を識別する配達業者IDと、配達予定日時と、商品を配達する配達員の顔を示す配達員顔情報と、を含む。なお、
図4Dに示す配達連絡情報504は、一例であり、これに限定されない。配達員顔情報は、複数の配達員の顔を示してもよい。
【0033】
配達員顔情報保管部202は、例えばハードディスクドライブ及び/又は半導体メモリで実現される。配達員顔情報保管部202は、複数の配達員の顔情報を保管している。配達員顔情報は、配達員の顔画像であってもよいし、顔画像から抽出された特徴量であってもよい。
【0034】
配達受付部203は、例えばプロセッサと命令が格納されたメモリとで実現される。なお、配達受付部203は、専用の電子回路で実現されてもよい。配達受付部203は、通販業者サーバ100から受信した配達依頼情報502に基づいて、配達指示情報を生成する。配達指示情報は、商品の配達依頼に対し配達員を割り当てるための情報が含まれ、配達業務決定部204に送信される。
【0035】
さらに、配達受付部203は、配達業務決定部204から受信した受付ID及び配達員顔情報に基づいて、配達連絡情報504を生成する。
【0036】
配達業務決定部204は、例えばプロセッサと命令が格納されたメモリとで実現される。なお、配達業務決定部204は、専用の電子回路で実現されてもよい。配達業務決定部204は、配達受付部203から受信した配達指示情報に基づいて、配達依頼に対する配達員の割り当てを行い、割り当てられた配達員の顔情報を配達員顔情報保管部202から取得する。配達業務決定部204は、取得された配達員顔情報を受付IDとともに配達受付部203に送信する。なお、オペレータが、配達員の割り当てを行ってもよい。この場合、配達業務決定部204は、配達員の割り当てを行うための情報をオペレータに提示してもよい。
【0037】
[発注装置300の機能構成]
次に、発注装置300の機能構成について、
図2を参照しながら説明する。
図2に示すように、発注装置300は、通信部301と、入力受付部302と、表示部303と、制御部304と、を備える。
【0038】
通信部301は、例えば有線及び/又は無線通信回路で実現される。通信部301は、通信ネットワークを介して、通販業者サーバ100に発注情報501を送信する。また、通信部301は、通知システム400に発注情報501を送信してもよい。
【0039】
入力受付部302は、ユーザ20から入力を受け付けるための入力デバイスである。入力受付部302は、例えばディスプレイと一体に設けられたタッチパネル(つまり、タッチスクリーン)で実現される。また入力受付部302は、例えばキーボード及び/又はマウス等で実現されてもよい。入力受付部302は、ユーザ20から商品の発注に関する情報の入力を受け付ける。
【0040】
表示部303は、例えば液晶ディスプレイ及び/又は有機ELディスプレイで実現される。表示部303は、入力受付部302で受け付けられた情報に基づいて、発注に必要な情報等を含む画面を表示する。
【0041】
制御部304は、例えばプロセッサと命令が格納されたメモリとで実現される。なお、制御部304は、専用の電子回路で実現されてもよい。制御部304は、通信部301、入力受付部302及び表示部303の動作を制御して発注処理を行う。
【0042】
[通知システム400の構成]
次に、通知システム400の構成について、
図2、
図3及び
図4Eを参照しながら説明する。通知システム400は、
図3に示すように、通知装置410と、インターホン装置420と、を備える。また、通知システム400は、
図2に示すように、機能的に、通信部401と、訪問受付部402と、カメラ部403と、配達連絡情報受付部404と、顔画像照合部405と、通知部406と、を備える。通知システム400の機能的な構成要素の各々は、通知装置410及び/又はインターホン装置420に実装される。
【0043】
通信部401は、通知装置410及びインターホン装置420の各々に実装され、例えば有線及び/又は無線通信回路で実現される。通信部401は、通信ネットワークを介して、通販業者サーバ100から受付情報503を受信する。さらに、通信部401は、通信ネットワークを介して、配達業者サーバ200から配達連絡情報504を受信する。
【0044】
また、通信部401は、通知装置410及びインターホン装置420の間でデータ通信を行う。例えば、通信部401は、インターホン装置420から通知装置410にカメラ画像を送信する。データ通信としては、有線通信及び/又は無線通信を用いることができる。無線通信としては、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、又は、これらの任意の組合せを用いることができる。
【0045】
訪問受付部402は、インターホン装置420に実装され、例えば呼び出しボタン等で実現される。訪問受付部402は、施設10への訪問者50の訪問を受け付ける。訪問受付部402は、カメラ部403と連動してもよい。
【0046】
カメラ部403は、インターホン装置420に実装され、例えばイメージセンサ及び光学レンズ等で実現される。カメラ部403は、施設10の外部を撮影することにより、訪問受付部402によって受け付けられた訪問者50の顔画像を撮影する。カメラ部403によって撮影された画像をカメラ画像と呼ぶ。カメラ部403は、訪問受付部402と連動してもよい。
【0047】
配達連絡情報受付部404は、通知装置410に実装され、例えばプロセッサと命令が格納されたメモリとで実現される。なお、配達連絡情報受付部404は、専用の電子回路で実現されてもよい。配達連絡情報受付部404は、配達業者サーバ200から受信した配達連絡情報504と、通販業者サーバ100から受信した受付情報503とを対応付けて、配達状態情報505として記録する。
【0048】
配達状態情報505は、
図4Eに示すように、発注の受付を識別する受付IDと、発注を識別する発注IDと、発注者を識別するユーザIDと、受注された商品を識別する商品IDと、受注された商品の数量と、配達業者を識別する配達業者IDと、配達予定日時と、商品を配達する配達員の顔を示す配達員顔情報と、配達員が未来訪か来訪済かを示す状態と、を含む。なお、
図4Eに示す配達状態情報505は、一例であり、これに限定されない。
【0049】
配達連絡情報受付部404は、さらに、訪問受付部402で訪問が受け付けられた際にカメラ部403で顔画像が撮影されたときに、配達状態情報505において未来訪状態である配達員顔情報を顔画像照合部405に送信する。そして、配達連絡情報受付部404は、顔画像照合部405における照合結果に基づいて、対応する受付IDを通知装置410に送信し、対応する受付IDの状態を来訪済に更新する。
【0050】
顔画像照合部405は、通知装置410に実装され、例えばプロセッサと命令が格納されたメモリとで実現される。なお、顔画像照合部405は、専用の電子回路で実現されてもよい。顔画像照合部405は、カメラ部403で撮影された顔画像(つまり、カメラ画像)と、配達連絡情報受付部404から受信した配達員顔情報とを照合する。言い換えると、顔画像照合部405は、顔情報とカメラ画像とを比較して、訪問者50が配達員であるか否かを確認する。顔画像照合部405は、照合結果を配達連絡情報受付部404に送信する。
【0051】
通知部406は、例えばディスプレイ、スピーカ、マイクロホン、ユーザインタフェース(例えばタッチパネル)又はそれらの任意の組み合わせで実現される。通知部406は、訪問者50が配達員であることが確認されたときに、施設10に物品の配達員が到着したことを示す配達情報を通知する。本実施の形態では、通知部406は、ディスプレイ(例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ)に配達情報を表示する。なお、通知部406における通知手段は表示に限定されない。通知部406は、例えば音及び/又は振動により配達情報を通知してもよい。また、通知部406は、音及び/又は振動と、表示との組み合わせにより配達情報を通知してもよい。
【0052】
[通知システム400を含むシステム全体の動作]
以上のように構成された通知システムを含むシステム全体の動作について説明する。
【0053】
[装置間のインタラクション]
まず、通販業者サーバ100、配達業者サーバ200、発注装置300及び通知システム400の間のインタラクションについて
図5を参照しながら説明する。
図5は、実施の形態1に係る通知システム400を含むシステム全体のシーケンス図である。
図5において、括弧内の数字は、時系列の順序を表す。
【0054】
まず、発注装置300は、発注処理を行う(01)。これにより、発注情報501が、発注装置300から通販業者サーバ100に送信される(02)。
【0055】
続いて、通販業者サーバ100は、発注情報501に基づいて、配達依頼情報502を配達業者サーバ200に送信し(03-1)、受付情報503を通知システム400に送信する(03-2)。さらに、通販業者サーバ100は、荷造り指示情報を表示する(04)。
【0056】
配達業者サーバ200は、配達依頼情報502に基づいて、配達依頼に対して配達員を割り当てる(05)。さらに、配達業者サーバ200は、割り当てられた配達員の顔情報を取得し(06)、取得された顔情報を含む配達連絡情報504を通知システム400に送信する(07)。
【0057】
ここで、通知システム400が訪問者50を受け付けると(08)、通知システム400は、訪問者50の顔画像を撮影する(09)。それから、通知システム400は、配達状態情報505から未来訪状態である配達員顔情報を抽出する(10)。通知システム400は、撮影された訪問者50の顔画像と、抽出された配達員顔情報とを照合する(11)。通知システム400は、照合結果に基づいて、表示内容を切り替える(12)。
【0058】
[発注装置300の処理]
次に、発注装置300の処理について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、実施の形態1に係る発注装置300の処理を示すフローチャートである。
【0059】
まず、制御部304は、発注処理を行う(S101)。具体的には、制御部304は、入力受付部302によって受け付けられたユーザ20の入力に基づいて発注情報501を生成する。通信部301は、発注情報501を通販業者サーバ100に送信する(S102)。
【0060】
[通販業者サーバ100の処理]
次に、通販業者サーバ100の処理について、
図7を参照しながら説明する。
図7は、実施の形態1に係る通販業者サーバ100の処理を示すフローチャートである。
【0061】
通信部101は、発注装置300から発注情報501を受信する(S111)。注文受付部102は、発注情報501に基づいて、受付商品情報を荷物配達指示部103に送信する(S112)。
【0062】
注文受付部102は、発注情報501に基づいて、通信部101を介して配達依頼情報502を配達業者サーバ200に送信する(S113)。注文受付部102は、発注情報501に基づいて、通信部101を介して受付情報503を通知システム400に送信する(S114)。
【0063】
荷物配達指示部103は、受付商品情報に基づいて、表示部104に荷造り指示情報を送信する(S115)。表示部104は、荷造り指示情報を表示する(S116)。
【0064】
[配達業者サーバ200の処理]
次に、配達業者サーバ200の処理について、
図8を参照しながら説明する。
図8は、実施の形態1に係る配達業者サーバ200の処理を示すフローチャートである。
【0065】
通信部201は、通販業者サーバ100から配達依頼情報502を受信する(S121)。配達受付部203は、配達依頼情報502に基づいて、配達指示情報を配達業務決定部204に送信する(S122)。配達業務決定部204は、配達依頼に対して配達員を割り当てる(S123)。配達業務決定部204は、割り当てられた配達員の顔情報を配達受付部203に送信する(S124)。配達受付部203は、配達依頼情報502に基づいて、配達連絡情報504を通知システム400に送信する(S125)。
【0066】
[通知システム400の処理]
次に、通知システム400の処理について、
図9及び
図10を参照しながら説明する。
図9及び
図10は、実施の形態1に係る通知システム400の処理を示すフローチャートである。
【0067】
まず、通信部401は、通販業者サーバ100から受付情報503を受信する(S131)。さらに、通信部401は、配達業者サーバ200から配達連絡情報504を受信する(S132)。配達連絡情報受付部404は、受付情報503と配達連絡情報504とを紐づけて配達状態情報505として記録する(S133)。
【0068】
訪問受付部402は、訪問者50の訪問を受け付ける(S134)。このとき、カメラ部403は、訪問者50の顔画像を撮影し、顔画像照合部405に送信する(S135)。配達連絡情報受付部404は、配達員顔情報を顔画像照合部405に送信する(S136)。顔画像照合部405は、カメラ部403で撮影された訪問者50の顔画像と配達員顔情報とを照合し、照合結果を配達連絡情報受付部404へ通知する(S137)。この照合により、訪問者50が配達員であるか否かが確認される。
【0069】
ここで、訪問者50の顔画像が配達員顔情報のいずれかと一致した場合(S141で一致)、配達連絡情報受付部404は、照合結果と配達状態情報505とに基づいて、どの発注に関する配達員が到着したかを示す配達情報を通知装置410に送信する(S142)。
【0070】
通知部406は、配達連絡情報受付部404から受信した配達情報を表示する(S143)。このとき、通知部406は、第1の通知方法で配達情報を表示してもよい。例えば、通知部406は、第1の通知音を出力してから配達情報を表示してもよいし、第1の色で配達情報を表示してもよい。
【0071】
配達連絡情報受付部404は、照合結果に基づいて、配達状態情報505を更新する(S144)。具体的には、配達連絡情報受付部404は、照合が成功した配達員顔情報に対応する状態を来訪済に変更する。
【0072】
一方、訪問者50の顔画像が配達員顔情報のいずれとも一致しない場合(S141で不一致)、通知部406は、カメラ部403で撮影された画像を表示する(S145)。つまり、通知部406は、施設10への訪問者50の来訪を示す訪問情報を通知する。このとき、通知部406は、第2の通知方法で訪問情報を通知してもよい。第2の通知方法は、ステップS143における第1の通知方法と異なる。例えば、通知部406は、第1の通知音と異なる第2の通知音を出力してから訪問情報を表示してもよいし、第1の色と異なる第2の色で訪問情報を表示してもよい。
【0073】
[配達情報の表示例]
ここで、
図10のステップS143及びステップS145の各々における表示画面の一例について
図11A及び
図11Bを参照しながら説明する。
図11Aは、実施の形態1における配達情報を含む画面の一例を示す。
図11Bは、実施の形態1における配達情報を含まない画面の一例を示す。
【0074】
図11Aでは、通知装置410のディスプレイに、カメラ部403で撮影された訪問者(配達員)の画像4101と、配達された物品の画像4102と、配達情報4103とが表示されている。ここでは、配達情報4103は、配達員が到着したことを示す情報に加えて、発注及び発注された商品をユーザ20が認識可能な情報を含む。なお、配達情報4103は、一例であり、これに限定されない。例えば、配達情報4103は、さらに、通販業者の情報、発注日時、物品に対応する商品名、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0075】
配達された物品の画像4102は、発注IDに基づいて発注装置300から取得されてもよいし、受注IDに基づいて通販業者サーバ100から取得されてもよい。
【0076】
図11Bでは、通知装置410のディスプレイに、カメラ部403で撮影された訪問者の画像4101と、配達員顔情報と顔画像が一致しない訪問者であることを示す訪問情報4104とが表示されている。
【0077】
[効果等]
以上のように、本実施の形態に係る通知システム400の制御方法は、(a)配達業者サーバ200から、物品の配達員の顔情報を取得し、(b)施設10の外部に配置されたカメラで撮影された施設10への訪問者50の顔のカメラ画像を取得し、(c)顔情報及びカメラ画像を比較して、訪問者50が配達員であるか否かを確認し、(d)訪問者50が配達員であると確認された場合、通知装置410により、施設10に物品の配達員が到着したことを示す配達情報を通知することができる。
【0078】
これによれば、配達員の顔情報と訪問者50の顔画像とを比較することで、訪問者50が配達員であるか否かを確認することができる。そして、訪問者50が配達員であると確認された場合に、配達情報を通知することができる。したがって、訪問者50が配達員に偽装している場合に、訪問者50が配達員でないことを確認でき、セキュリティを向上させることができる。さらに、通知システム400で比較が行われるので、カメラ画像を配達業者に送る必要がなく、訪問者50のプライバシー保護を図ることもできる。
【0079】
また、本実施の形態に係る通知システム400の制御方法において、(g)訪問者50が配達員であると確認されなかった場合、通知装置410により、施設10への訪問者50の来訪を示す訪問情報を第2の通知方法で通知し、上記(d)の工程では、第2の通知方法とは異なる第1の通知方法で配達情報を通知してもよい。
【0080】
これによれば、訪問者50が配達員である場合とそうでない場合とで異なる通知方法を用いることができるので、ユーザ20に容易に訪問者50が配達員であるか否かを認識させることができ、セキュリティを向上させることができる。
【0081】
(実施の形態1の変形例)
次に、実施の形態1の変形例について説明する。本変形例では、通知システムの機能配置が上記実施の形態1と主として異なる。具体的には、本変形例では、通知装置の機能の一部がクラウドサーバで実現される点が上記実施の形態1と主として異なる。以下に、上記実施の形態1と異なる点を中心に本変形例について図面を参照しながら説明する。
【0082】
[通知システム400Aの機能配置]
図12は、実施の形態1の変形例に係る通知システム400Aの機能配置を示すブロック図である。通知システム400Aは、クラウドサーバ410aと、通知装置410bと、インターホン装置420と、を備える。
【0083】
クラウドサーバ410aは、施設10の外部に位置し、通知装置410b及びインターホン装置420と通信可能に接続される。クラウドサーバ410aでは、クラウドコンピューティングで処理が行われる。なお、クラウドサーバ410aの代わりに、エッジコンピューティングで処理が行われるエッジサーバが用いられてもよい。
【0084】
クラウドサーバ410aは、
図12に示すように、通信部401と、配達連絡情報受付部404と、顔画像照合部405と、を備える。
【0085】
通知装置410bは、施設10の内部に位置し、クラウドサーバ410a及びインターホン装置420と通信可能に接続される。例えば、通知装置410bは、施設10の壁、床又は天井に固定される。なお、通知装置410bは、持ち運び可能であってもよい。
図12に示すように、通知装置410bは、通信部401と通知部406とを備える。
【0086】
[効果等]
以上のように、本変形例に係る通知システム400Aでは、顔情報とカメラ画像とを照合する顔画像照合部405をクラウドサーバ410aに備えることができる。
【0087】
これによれば、顔情報とカメラ画像との照合をクラウドサーバ410aで実現することができ、通知装置410bの処理負荷を軽減することができる。したがって、通知装置410bの処理能力が低い場合でも通知システム400Aを導入することができ、通知システム400Aの汎用性を向上させることができる。
【0088】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、ユーザの動作に応じて通知方法が切り替えられる点が上記実施の形態1と主として異なる。以下に、上記実施の形態1と異なる点を中心に、本実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0089】
[通知システム400Bの機能構成]
本実施の形態に係る通知システム400Bは、通信部401と、訪問受付部402と、カメラ部403と、配達連絡情報受付部404と、顔画像照合部405と、通知部406Bと、ユーザ状態確認部407と、を備える。ユーザ状態確認部407は、検知部4071と、認識部4072と、出力部4073と、を備える。
【0090】
検知部4071は、例えば施設10の内部に配置された複数のセンサにより実現される。センサとしては、例えばイメージセンサ、赤外線センサ、可視光センサ又はマイクロホン等を用いることができる。検知部4071は、ユーザ20を検知する。
【0091】
認識部4072は、例えばプロセッサと命令が格納されたメモリとで実現される。なお、認識部4072は、専用の電子回路で実現されてもよい。認識部4072は、検知部4071の出力信号に基づいてユーザ20の動作を認識する。検知部4071の出力信号は、例えばセンサ値の時系列信号又はそれを加工して得られるデータである。
【0092】
例えば、認識部4072は、メモリに格納された参照情報を参照して、検知部4071の出力信号に対応するユーザ20の動作を判定する。ここで、参照情報は、複数のユーザの動作と複数の出力信号のパターンとが対応付けられた情報である。なお、参照情報は、複数のユーザと、複数の動作と、複数の出力信号のパターンとが対応付けられた情報であってもよい。この場合、認識部4072は、検知部4071の出力信号からユーザを認識することもできる。なお、認識部4072によるユーザの動作の認識方法は、従来技術が用いられてもよく、特に限定されない。
【0093】
出力部4073は、認識部4072によって認識されたユーザ20の動作情報を通知部406Bに出力する。
【0094】
通知部406Bは、ユーザ状態確認部407から取得したユーザ20の動作情報に基づいて、ユーザ20が所定の動作をしているか否かを判定する。通知部406Bは、判定結果に応じて、配達情報の通知方法を切り替える。具体的には、通知部406Bは、ユーザ20が所定の動作をしていると判定された場合に第1の通知方法で配達情報を通知し、ユーザ20が所定の動作をしていると判定されなかった場合に第1の通知方法と異なる第2の通知方法で配達情報を通知する。
【0095】
例えば、第1の通知方法では、第1の通知音が用いられ、第2の通知方法では、第1の通知音と異なる第2の通知音が用いられてもよい。また例えば、第1の通知方法と第2の通知方法とでは、画面遷移が異なってもよい。
【0096】
所定の動作としては、例えば、ユーザ20が配達員から物品を受け取ることを難しくする動作の採用が考えられる。具体的には、所定の動作としては、例えば、料理をしている、掃除をしている、テレビを見ている、風呂に入っている、トイレに入っている、又は就寝している等を用いることができる。
【0097】
所定の動作はより詳細に規定されても良い。料理の内容に応じて、所定動作か否かの判断を変更してもよい。予め定められた料理は所定動作とするが、予め定められていない料理は所定動作としない。例えば、コンロ又はIHクッキングヒーターを用いた加工の料理の動作は所定の動作とするが、まな板で食材を加工している動作は所定動作としない。または、テレビ番組の内容に応じて、所定動作か否かの判断を変更してもよい。例えば、スポーツ番組の視聴動作は所定の動作とするが、情報番組の視聴動作は所定の動作としない。
【0098】
これにより、料理をしている又はテレビを見ているなどの場合には、料理動作又はテレビの視聴動作の中でも所定の動作を詳細に規定し、風呂に入っている、トイレに入っている、又は就寝している場合には、所定の動作を詳細に規定しないことも可能である。
【0099】
[通知システム400Bの処理]
次に、通知システム400Bの処理について、
図14を参照しながら説明する。
図14は、実施の形態2に係る通知システム400Bの処理を示すフローチャートである。
【0100】
実施の形態1と同様にステップS131~ステップS142の処理が行われた後、通知部406Bは、ユーザ状態確認部407から取得したユーザ20の動作情報に基づいて、ユーザ20が所定の動作をしているか否かを判定する(S151)。ここで、ユーザ20が所定の動作をしていると判定された場合(S151でYes)、通知部406Bは、第1の通知方法で配達情報を表示する(S152)。一方、ユーザ20が所定の動作をしていると判定されなかった場合(S151でNo)、通知部406Bは、第2の通知方法で配達情報を表示する(S153)。
【0101】
[配達情報の表示例]
ここで、
図14のステップS152及びステップS153で用いられる第1の通知方法及び第2の通知方法について
図11A及び
図15を参照しながら説明する。
図15は、実施の形態2における表示画面の一例を示す。
【0102】
まず、第1の通知方法について説明する。
図15に示すように、第1の通知方法では、通知部406Bは、ディスプレイに、カメラ部403で撮影された訪問者(配達員)の画像4101と、配達された物品の画像4102と、受け取り選択ボタン4105とを表示する。受け取り選択ボタン4105は、配達員から物品を後で受け取るか、今受け取るかを選択可能なグラフィカルユーザインタフェースである。ここで、「今受け取る」が選択された場合、例えば
図11Aの配達情報4103が表示される。一方、「後で受け取る」が選択された場合、例えば再配達の日時を指定するための画面が表示される。
【0103】
受け取り選択ボタン4105の他の例として、「1分後に受け取る」が用いられてもよい。つまり、この例は、所定時間後に受け取ることを配達員に通知するための選択に対応し、配達員に、所定時間、施設10の前で待つことを依頼する内容に対応する。例えば、「1分後に受け取る」が選択された場合、所定時間後に受け取ることが入力受付部302のディスプレイ画面に表示される。なお、画面には、所定時間までのカウントが表示されても良い。また、受け取り選択ボタン4105の他の例として、「後ほど受け取るので玄関前に置いていってください」が採用されてもよい。
【0104】
次に、第2の通知方法について説明する。第2の通知方法では、
図15の受け取り選択ボタン4105が表示されず、いきなり
図11Aの配達情報4103が表示される。
【0105】
なお、
図11A及び
図15の第1の通知方法及び第2の通知方法における画面遷移は、一例であり、これに限定されない。
【0106】
通知部406Bは、ユーザ20が所定の動作をしているか否かの判定結果に応じて、配達情報の通知方法を切り替えている。このとき、配達員から物品を受け取るのが難しい所定の動作と判定された場合、通知部406Bは、インターホン装置420を用いて、配達員に、所定時間後の配達を自動的に依頼し、かつ、その依頼がされた場合、ユーザ20に第2の通知方法により通知する。例えば、インターホン装置420は、入力受付部302のディスプレイ又はスピーカにより、所定時間後の配達を伝える。ユーザ20の動作のみに基づいて訪問者50への依頼を変更した場合、ユーザ20の情報が依頼内容に応じて把握されることになる。したがって、配達員顔情報と一致した訪問者50にのみ、ユーザ20の状況に応じて、配達依頼することで、セキュリティを考慮した配達依頼が可能になる。
【0107】
[効果等]
以上のように、本実施の形態に係る通知システム400Bの制御方法では、施設10の内部に、ユーザ20を検知する検知部4071が位置しており、制御方法は、さらに、(e)検知部4071の出力信号に基づいて、ユーザ20が所定の動作をしているか否かの判定を行い、上記(d)の工程において、判定の結果に応じて、配達情報の通知方法を切り替えることができる。
【0108】
これによれば、ユーザ20の動作に応じて配達情報の通知方法を切り替えることができる。例えば、ユーザ20が配達員から物品を受け取ることが難しい動作が行われている状況において、その状況に適した通知方法を用いて配達情報を通知することが可能となる。
【0109】
(実施の形態2の変形例)
次に、実施の形態2の変形例について説明する。本変形例では、複数のユーザの動作に応じて複数の通知装置の中から配達情報を通知する通知装置が切り替えられる点が上記実施の形態2と主として異なる。以下に、上記実施の形態2と異なる点を中心に、本変形例について図面を参照しながら説明する。
【0110】
本変形例では、施設10の内部に複数の通知装置410bが位置する。また、検知部4071は、例えば施設10の異なる位置に配置された複数のセンサで実現され、施設10の内部に位置する複数のユーザ20の各々を検知する。
【0111】
クラウドサーバ410aは、検知部4071の出力信号に基づいて、複数のユーザ20の中から、所定の動作をしていない少なくとも1人のユーザ20を選択する。クラウドサーバ410aは、複数の通知装置410bのうち、選択されたユーザ20から所定範囲に位置する少なくとも1つの通知装置410bに配達情報を送信する。少なくとも1つの通知装置410bは、クラウドサーバ410aから受信した配達情報を通知する。
【0112】
所定範囲は、例えば、予め定められた距離によって定義される。この場合、予め定められた距離は、メモリに予め保持されてもよい。また、所定範囲は、施設10内の予め区画された領域(例えば台所、子供部屋等)によって定義されてもよい。
【0113】
[配達情報の表示例]
本変形例における表示画面の一例について
図16及び
図17を参照しながら説明する。
図16は、実施の形態2の変形例における配達情報を含む画面の一例を示す。
図17は、実施の形態2の変形例における配達情報を含まない画面の一例を示す。
【0114】
ここでは、施設10内で、母親が台所で料理をしており、子供が子供部屋で本を読んでいる。この場合に、訪問者50の顔画像と配達員顔情報とが一致する場合に、施設10の内部に位置する母親及び子供の中から、所定の動作である料理をしていない子どもが選択される。そして、子供部屋に位置する通知装置410bは、「お母さんが料理中で忙しいので、代わりに配達物(商品C0001)を受け取ってください。」という文字情報を配達情報4106として表示する。一方、台所に位置する通知装置410bは、「子供に配達物を配達員から受け取ってもらうよう通知しました。」という文字情報4107を表示する。
【0115】
これにより、料理で忙しくて配達物を受け取れない母親に代わって、子供が配達物を確実に受け取ることができる。
【0116】
[効果等]
以上のように、本変形例に係る通知システムの制御方法では、通知システム400Bは、複数の通知装置410bを含み、検知部4071は、複数のユーザ20の各々を検知し、制御方法は、さらに、(f)検知部4071の出力信号に基づいて、複数のユーザ20の中から、所定の動作をしていない少なくとも1人のユーザ20を選択し、上記(d)の工程において、複数の通知装置410bのうちの少なくとも1つの通知装置410bにより、配達情報を通知することができる。ここで、少なくとも1つの通知装置410bは、選択された少なくとも1人のユーザ20から所定範囲に位置する。
【0117】
これによれば、配達員から物品を受け取ることが難しい動作中のユーザ20を避けて、そのような動作を行っていないユーザ20に配達情報を通知することができる。したがって、ユーザ20が配達員から物品を確実に受け取ることが可能となる。
【0118】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3では、物品の配達員とは異なる訪問者の施設への訪問予定情報に基づいて、訪問情報の通知方法を切り替える点が、上記実施の形態1と主として異なる。以下に、上記実施の形態1と異なる点を中心に、本実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0119】
なお、本実施の形態に係る通知システム400の構成については、上記実施の形態1と同様であるので、図示及び説明を省略する。
【0120】
[通知システム400の処理]
本実施の形態に係る通知システム400の処理について
図18を参照しながら説明する。
図18は、実施の形態3に係る通知システム400の処理を示すフローチャートである。
【0121】
訪問者50の顔画像が配達員顔情報のいずれとも一致しない場合(S141で不一致)、通知装置410は、所定期間における施設10への訪問者の訪問予定情報を取得し、訪問者50の訪問日時が訪問予定日時から所定時間範囲に含まれるか否かを判定する(S241)。訪問予定情報は、物品の配達予定日時を示す第1の訪問予定情報と、物品の配達員とは異なる訪問者の訪問予定日時を示す第2の訪問予定情報と、を含む。第1の訪問予定情報は、例えば、
図4Eに示す配達状態情報である。所定時間範囲は、経験的又は実験的に予め定められればよく、例えばメモリに予め格納される。
【0122】
ここで、訪問日時が訪問予定日時から所定時間範囲に含まれる場合(S241でYes)、通知部406は、予定されている訪問者の来訪を示す訪問情報を表示する(S242)。例えば、通知部406は、「予定している訪問者の訪問がありました」又は「Aさんの訪問がありました」等の文字情報を表示する。一方、訪問日時が訪問予定日時から所定時間範囲に含まれていない場合(S241でNo)、通知部406は、予定されていない訪問者の来訪を示す訪問情報を表示し(S243)、処理を終了する。例えば、通知部406は、「予定していない訪問者がありました」又は「訪問がありました」の文字情報を表示する。
【0123】
ステップS144又はステップS242の後に、通知装置410は、ユーザ20が施設10に不在か否かを判定する(S244)。例えば、通知装置410は、ユーザ20のスケジュール情報に基づいて、ユーザ20の不在を判定する。また、通知装置410は、配達情報又は訪問情報の通知後、所定時間にわたってユーザ20の反応が検出されなかった場合に、ユーザ20が不在であると判定してもよい。ユーザの反応は、施設10内に位置するセンサから得られるデータ又は通知装置410に対するユーザの操作があるか否かで検出することができる。
【0124】
ここで、ユーザ20が不在である場合(S244のYes)、訪問受付部402は、訪問者50にユーザ20の不在を通知し(S245)、処理を終了する。
【0125】
なお、ステップS143、ステップS242及びステップS243における配達情報又は訪問情報の通知では、配達情報又は訪問情報の表示の代わりに、配達情報又は訪問情報の音声(voice)が出力されてもよい。また、配達情報又は訪問情報の表示に加えて、音(sound)又は音楽(music)が出力されてもよい。
【0126】
また、ステップS143、ステップS242及びステップS243における配達情報又は訪問情報の通知では、互いに異なる第1~第3の通知方法が用いられてもよい。例えば、第1~第3の通知方法で異なる通知音が出力されてもよい。また例えば、第1~第3の通知方法で異なる色で情報が表示されてもよい。
【0127】
[効果等]
以上のように、本実施の形態に係る通知システム400の制御方法では、上記(d)の工程において、配達情報を第1の通知方法で通知し、制御方法は、さらに、(h)所定期間における施設10への訪問者50の訪問予定の情報を取得し、訪問予定の情報には、物品の配達予定日時を示す第1の訪問予定情報と、物品の配達員とは異なる訪問者の訪問予定日時を示す第2の訪問予定情報とが含まれており、(i)訪問者50が配達員であると確認されず、かつ、訪問者50の訪問日時が訪問予定日時から所定時間範囲に含まれる場合、通知装置410により、施設10への訪問者50の来訪を示す訪問情報を第2の通知方法で通知し、(j)訪問者50が配達員であると確認されず、かつ、訪問者50の訪問日時が訪問予定日時から所定時間範囲に含まれない場合、通知装置410により、施設10への訪問者50の来訪を示す訪問情報を第3の通知方法で通知することができる。
【0128】
これによれば、配達員、予定されている訪問者、及び、予定されていない訪問者とで異なる通知方法を用いることができる。したがって、ユーザ20が予定されていない訪問者を認識することを容易にすることができ、セキュリティを向上させることができる。
【0129】
また、第3の方法による通知の場合には、訪問者50が予定されている訪問者ではないので、ユーザ20の不在を伝えることにより防犯上のリスクが増大する可能性がある。よって、例えば、第1の方法及び第2の方法の通知後から所定時間においてユーザの反応を検出できなかった場合、訪問受付部により訪問者50にユーザが不在であることを示す情報を伝え、第3の方法の通知後はユーザの反応に依存せずユーザが不在であることを伝えないことで、防犯上のリスクの増大を抑えつつ、訪問者50の利便性を向上させることができる。
【0130】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態4では、配達業毎に顔照合のためのアプリケーションプログラムが切り替えられる点が、上記各実施の形態と異なる。以下に、上記各実施の形態と異なる点を中心に、本実施の形態について説明する。
【0131】
なお、本実施の形態に係る通知システム400の構成については、上記実施の形態1と同様であるので、図示及び説明を省略する。
【0132】
[通知システム400の処理]
本実施の形態に係る通知システム400の処理について
図19を参照しながら説明する。
図19は、実施の形態4に係る通知システム400の処理を示すフローチャートである。
【0133】
ステップS131~ステップS135の処理が行われた後、顔画像照合部405は、配達業者を認識する(S331)。例えば、顔画像照合部405は、カメラ部403によって撮影された訪問者の画像から配達員の制服等から配達業者を認識する。
【0134】
続いて、顔画像照合部405は、複数の配達業者に対応する複数のアプリケーションプログラムのうち、認識された配達業者に対応するアプリケーションプログラムを起動する(S332)。配達業者に対応するアプリケーションプログラムは、当該配達業者の配達員顔情報へのアクセスが許可されているプログラムである。つまり、アプリケーションプログラムは、複数の配達業者のうち、少なくとも1つの配達業者の配達員顔情報にアクセスすることができ、他の配達業者の配達員顔情報にアクセスすることができない。
【0135】
その後、ステップS136及び/又はステップS137の処理は、起動されたアプリケーションプログラムを用いて行われる。
【0136】
なお、
図19では、カメラ部403で撮影された画像から配達業者が認識された後にアプリケーションプログラムが起動される例を示したが、これに限られない。例えば、顔画像照合部405は、例えば
図4Eに示す配達状態情報505参照して、未来訪状態の配達予定日時に基づいて、業者IDに対応するアプリケーションプログラムを起動してもよい。また、顔画像照合部405は、配達業者サーバ200から配達員の位置情報を取得して、施設10に配達員が近づいたときに、アプリケーションプログラムを起動してもよい。また、施設10の前で配達員が端末を用いて物品をチェックしたときに、配達業者サーバ200から通知システム400にメッセージが送信され、そのメッセージに基づいてアプリケーションプログラムが起動されてもよい。
【0137】
[効果等]
以上のように、本実施の形態に係る通知システム400の制御方法では、さらに、上記(c)の工程の前に、(j)カメラ部403で撮影された訪問者50のカメラ画像から訪問者に関連する配達業者を認識し、上記(c)の工程において、認識された配達業者に対応するアプリケーションプログラムを用いて、顔情報及びカメラ画像を比較する。
【0138】
これによれば、配達業者によってアプリケーションプログラムの切り替えが必要な場合に、自動的に切り替えることが可能となる。
【0139】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について説明する。本実施の形態では、配達情報の通知を含むサービスを提供するサービス提供システムについて説明する。
【0140】
[提供するサービスの全体像]
図20Aには、実施の形態5におけるサービス提供システムの全体像が示されている。
【0141】
グループ1000は、例えば企業、団体、家庭等であり、その規模を問わない。グループ1000には、複数の機器1010に含まれる機器A、機器B及びホームゲートウェイ1020が存在する。例えば、機器Aは、上記実施の形態1における通知装置410b又はインターホン装置420である。複数の機器1010には、インターネットと接続可能な機器(例えば、スマートフォン、PC、TV等)もあれば、それ自身ではインターネットと接続不可能な機器(例えば、照明、洗濯機等)も存在する。それ自身ではインターネットと接続不可能な機器であっても、ホームゲートウェイ1020を介してインターネットと接続可能となる機器が存在してもよい。またグループ1000には複数の機器1010を使用するユーザ990Aが存在する。
【0142】
データセンタ運営会社1100には、クラウドサーバ1110が存在する。クラウドサーバ1110とはインターネットを介して様々な機器と連携する仮想化サーバである。例えば、クラウドサーバ1110は、上記実施の形態1におけるクラウドサーバ410aである。クラウドサーバ1110は、主に通常のデータベース管理ツール等で扱うことが困難な巨大なデータ(ビッグデータ)等を管理する。データセンタ運営会社1100は、データ管理やクラウドサーバ1110の管理、それらを行うデータセンタの運営等を行っている。データセンタ運営会社1100が行っている役務については詳細を後述する。ここで、データセンタ運営会社1100は、データ管理やクラウドサーバ1110の運営等のみを行っている会社に限らない。例えば複数の機器1010のうちの1つの機器を開発・製造している機器メーカが、併せてデータ管理やクラウドサーバ1110の管理等を行っている場合は、機器メーカがデータセンタ運営会社1100に該当する(
図20B)。また、データセンタ運営会社1100は1つの会社に限らない。例えば機器メーカ及び他の管理会社が共同もしくは分担してデータ管理やクラウドサーバ1110の運営を行っている場合は、両者もしくはいずれか一方がデータセンタ運営会社1100に該当するものとする(
図20C)。
【0143】
サービスプロバイダ1200は、サーバ1210を保有している。ここで言うサーバ1210とは、その規模は問わず例えば、個人用PC内のメモリ等も含む。また、サービスプロバイダがサーバ1210を保有していない場合もある。
【0144】
なお、上記サービスにおいてホームゲートウェイ1020は必須ではない。例えば、クラウドサーバ1110が全てのデータ管理を行っている場合等は、ホームゲートウェイ1020は不要となる。また、家庭内のあらゆる機器がインターネットに接続されている場合のように、それ自身ではインターネットと接続不可能な機器は存在しない場合もある。
【0145】
次に、上記サービスにおける情報の流れを説明する。
【0146】
まず、グループ1000の機器A又は機器Bは、各機器で得られた情報をデータセンタ運営会社1100のクラウドサーバ1110に送信する。クラウドサーバ1110は機器A又は機器Bの情報を集積する(
図20Aの(a))。ここで集積される情報は、複数の機器1010の、例えば運転状況や動作日時、動作モード、位置等を示す情報である。例えば、テレビの視聴履歴やレコーダの録画予約情報、洗濯機の運転日時・洗濯物の量、冷蔵庫の開閉日時・開閉回数、冷蔵庫内の食品の量などであるが、これらのものに限らずあらゆる機器から取得が可能なすべての情報をいう。情報は、インターネットを介して複数の機器1010自体から直接クラウドサーバ1110に提供される場合もある。また複数の機器1010から一旦ホームゲートウェイ1020に情報が集積され、ホームゲートウェイ1020からクラウドサーバ1110に提供されてもよい。
【0147】
次に、データセンタ運営会社1100のクラウドサーバ1110は、集積した情報を一定の単位でサービスプロバイダ1200に提供する。ここで、一定の単位は、データセンタ運営会社が集積した情報を整理してサービスプロバイダ1200に提供することのできる単位でもいいし、サービスプロバイダ1200が要求した単位でもいい。一定の単位と記載したが一定でなくてもよく、状況に応じて提供する情報量が変化する場合もある。情報は、必要に応じてサービスプロバイダ1200が保有するサーバ1210に保存される(
図20Aの(b))。そして、サービスプロバイダ1200は、情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、ユーザに提供する。提供するユーザは、複数の機器1010を使用するユーザ990Aでもよいし、外部のユーザ990Bでもよい。ユーザへのサービス提供方法は、例えば、サービスプロバイダから直接ユーザへ提供されてもよい(
図20Aの(e)、(f))。また、ユーザへのサービス提供方法は、例えば、データセンタ運営会社1100のクラウドサーバ1110を再度経由して、ユーザに提供されてもよい(
図20Aの(c)、(d))。また、データセンタ運営会社1100のクラウドサーバ1110が情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、サービスプロバイダ1200に提供してもよい。
【0148】
なお、ユーザ990Aとユーザ990Bとは、別でも同一でもよい。
【0149】
上記態様において説明された技術は、例えば、以下のクラウドサービスの類型において実現されうる。しかし、上記態様において説明された技術が実現される類型はこれに限られるものでない。
【0150】
[サービスの類型1:自社データセンタ型]
図21は、サービスの類型1(自社データセンタ型)を示す。本類型は、サービスプロバイダ1200がグループ1000から情報を取得し、ユーザに対してサービスを提供する類型である。本類型では、サービスプロバイダ1200が、データセンタ運営会社の機能を有している。即ち、サービスプロバイダが、ビッグデータの管理をするクラウドサーバ1110を保有している。したがって、データセンタ運営会社は存在しない。
【0151】
本類型では、サービスプロバイダ1200は、データセンタ903(クラウドサーバ1110)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ1200は、OS902及びアプリケーション901を管理する。サービスプロバイダ1200は、サービスプロバイダ1200が管理するOS902及びアプリケーション901を用いてサービス904の提供を行う。
【0152】
[サービスの類型2:IaaS利用型]
図22は、サービスの類型2(IaaS利用型)を示す。ここでIaaSとはインフラストラクチャー・アズ・ア・サービスの略であり、コンピュータシステムを構築及び稼動させるための基盤そのものを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
【0153】
本類型では、データセンタ運営会社1100がデータセンタ903(クラウドサーバ1110)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ1200は、OS902及びアプリケーション901を管理する。サービスプロバイダ1200は、サービスプロバイダ1200が管理するOS902及びアプリケーション901を用いてサービス904の提供を行う。
【0154】
[サービスの類型3:PaaS利用型]
図23は、サービスの類型3(PaaS利用型)を示す。ここでPaaSとはプラットフォーム・アズ・ア・サービスの略であり、ソフトウエアを構築及び稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
【0155】
本類型では、データセンタ運営会社1100は、OS902を管理し、データセンタ903(クラウドサーバ1110)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ1200は、アプリケーション901を管理する。サービスプロバイダ1200は、データセンタ運営会社が管理するOS902及びサービスプロバイダ1200が管理するアプリケーション901を用いてサービス904の提供を行う。
【0156】
[サービスの類型4:SaaS利用型]
図24は、サービスの類型4(SaaS利用型)を示す。ここでSaaSとはソフトウエア・アズ・ア・サービスの略である。例えばデータセンタ(クラウドサーバ)を保有しているプラットフォーム提供者が提供するアプリケーションを、データセンタ(クラウドサーバ)を保有していない会社・個人(利用者)がインターネットなどのネットワーク経由で使用できる機能を有するクラウドサービス提供モデルである。
【0157】
本類型では、データセンタ運営会社1100は、アプリケーション901を管理し、OS902を管理し、データセンタ903(クラウドサーバ1110)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ1200は、データセンタ運営会社1100が管理するOS902及びアプリケーション901を用いてサービス904の提供を行う。
【0158】
以上いずれの類型においても、サービスプロバイダ1200がサービス提供行為を行ったものとする。また例えば、サービスプロバイダもしくはデータセンタ運営会社は、OS、アプリケーションもしくはビッグデータのデータベース等を自ら開発してもよいし、また、第三者に外注させてもよい。
【0159】
(他の実施の形態)
以上、本開示の1つまたは複数の態様に係る情報処理システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0160】
例えば、本開示の一態様は、このような情報処理システムだけではなく、情報処理システムに含まれるプロセッサが行う処理をステップとする表示制御方法であってもよい。また、本開示の一態様は、表示制御方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであってもよい。また、本開示の一態様は、そのようなコンピュータプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体であってもよい。
【0161】
このようなプログラムは、コンピュータに、(a)対象物をユーザの建物に配達する配達員の画像が前記建物の出入口に設置されたカメラで撮影されたとき、前記ユーザが調理機器を用いて調理中であるか否かを示すユーザ状態をセンサを用いて取得し、(b)前記対象物の内容情報を取得し、(c)前記ユーザ状態及び前記対象物の内容情報に対応する少なくとも1つの提案内容を取得し、(d)前記建物内に配置された表示端末に、前記配達員の画像と、前記対象物の内容情報と、前記少なくとも1つの提案内容とを表示させる。
【0162】
本開示において、ユニット、デバイスの全部又は一部、又は
図2に示されるブロック図の機能ブロックの全部又は一部は、半導体装置、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む1つ又は1つ以上の電子回路によって実行されてもよい。LSI又はICは、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、1つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIやICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるかもしれない。LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができるreconfigurable logic deviceも同じ目的で使うことができる。
【0163】
さらに、ユニット、装置、又は装置の一部の、全部又は一部の機能又は操作は、ソフトウエア処理によって実行することが可能である。この場合、ソフトウエアは1つ又は1つ以上のROM、光学ディスク、ハードディスクドライブ、などの非一時的記録媒体に記録され、ソフトウエアが、処理装置(processor)によって実行された場合に、ソフトウエアは、ソフトウエア内の特定の機能を、処理装置(processor)と周辺のデバイスに実行させる。システム又は装置は、ソフトウエアが記録されている1つ又は1つ以上の非一時的記録媒体、処理装置(processor)、及び必要とされるハードウエアデバイス、例えばインタフェース、を備えていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0164】
物品を配達する配達員が施設に到着したときにユーザに配達情報を通知する通知システムに利用できる。
【符号の説明】
【0165】
10 施設
20 ユーザ
30 出入口
50 訪問者
100 通販業者サーバ
101、201、301、401 通信部
102 注文受付部
103 荷物配達指示部
104、303 表示部
200 配達業者サーバ
202 配達員顔情報保管部
203 配達受付部
204 配達業務決定部
300 発注装置
302 入力受付部
304 制御部
400、400A、400B 通知システム
402 訪問受付部
403 カメラ部
404 配達連絡情報受付部
405 顔画像照合部
406、406B 通知部
410、410b 通知装置
410a クラウドサーバ
420 インターホン装置
501 発注情報
502 配達依頼情報
503 受付情報
504 配達連絡情報
505 配達状態情報