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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】粘着組成物及び物品
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/00 20060101AFI20240829BHJP
   C08L 21/00 20060101ALI20240829BHJP
   C08L 7/00 20060101ALI20240829BHJP
   C08L 9/00 20060101ALI20240829BHJP
   C08L 9/06 20060101ALI20240829BHJP
   C08L 11/00 20060101ALI20240829BHJP
   C08L 9/02 20060101ALI20240829BHJP
   C08L 53/02 20060101ALI20240829BHJP
   C08K 7/00 20060101ALI20240829BHJP
   C08K 3/00 20180101ALI20240829BHJP
   C09J 119/00 20060101ALI20240829BHJP
   C09J 107/00 20060101ALI20240829BHJP
   C09J 109/00 20060101ALI20240829BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20240829BHJP
   C09J 11/02 20060101ALI20240829BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20240829BHJP
   B65D 81/03 20060101ALI20240829BHJP
   B65D 75/26 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B32B27/00 M
C08L21/00
C08L7/00
C08L9/00
C08L9/06
C08L11/00
C08L9/02
C08L53/02
C08K7/00
C08K3/00
C09J119/00
C09J107/00
C09J109/00
C09J11/08
C09J11/02
C09J7/38
B65D81/03 100A
B65D75/26
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021507690
(86)(22)【出願日】2019-08-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 US2019045521
(87)【国際公開番号】W WO2020036787
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2022-08-05
(31)【優先権主張番号】62/717,942
(32)【優先日】2018-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/775,811
(32)【優先日】2018-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/809,945
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ル,イン-ユー
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ミッチェル エー.エフ.
(72)【発明者】
【氏名】パトノード,グレッグ エー.
(72)【発明者】
【氏名】ウェスト,シャウン エム.
(72)【発明者】
【氏名】エムスランダー,ジェフリー オー.
(72)【発明者】
【氏名】ハーンデン,シャノン アール.エー.
(72)【発明者】
【氏名】レニチェック,カーツリン エム.
(72)【発明者】
【氏名】マクミュラン,レイシー イー.
(72)【発明者】
【氏名】グリム,アリーソン ブイ.
【審査官】中落 臣諭
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-503567(JP,A)
【文献】特開2010-143090(JP,A)
【文献】特開2014-034171(JP,A)
【文献】特開平01-093342(JP,A)
【文献】特公昭48-033260(JP,B1)
【文献】特開平07-268298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L1/00-101/14
C08K3/00-13/08
B32B1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
30~70重量%のゴムと、
10~50重量%の熱可塑性エラストマーと、
10~45重量%の充填剤と、
を含み、前記重量%は、ゴム、熱可塑性エラストマー、及び充填剤の総重量に基づくものである粘着組成物を含む、粘着物品と、
緩衝材層と、
外側層と、
を備える、多層包装材料であって、
前記粘着組成物は、それ自体に接着するが、他の材料に接着せず、且つASTM D-2979に従って30グラム未満の粘着力を有し、ここで前記粘着力は、前記粘着組成物に100グラム重の力が作用するまで前記粘着組成物と接触させた7mmのステンレス鋼プローブを、1秒の接触時間の後、毎秒0.5mmの速度で引き離した際のピーク除去力である、多層包装材料。
【請求項2】
前記粘着組成物が、押出可能であり、かつ/又はフィルムとしてブローされることが可能である、請求項1に記載の多層包装材料。
【請求項3】
前記ゴムが合成ゴムであり、さらに前記合成ゴムが、1,4シスポリイソプレンである、請求項1又は2に記載の多層包装材料。
【請求項4】
前記粘着組成物が15重量%~45重量%の熱可塑性エラストマーを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の多層包装材料。
【請求項5】
前記熱可塑性エラストマーが、スチレン-イソプレン-スチレン、スチレン-イソプレン/ブタジエン-スチレン、スチレン-ブタジエン-スチレン、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の多層包装材料。
【請求項6】
前記熱可塑性エラストマーが、前記熱可塑性エラストマーの総重量に基づいて10重量%~50重量%の全体的なスチレン単位の総含有量を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の多層包装材料。
【請求項7】
前記熱可塑性エラストマーが、スチレン-イソプレン、スチレンブタジエンイソプレン、スチレンイソプレンブタジエン、スチレン-ブタジエン、スチレン-エチレン/ブタジエン、スチレン-エチレン-プロピレン、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の多層包装材料。
【請求項8】
前記熱可塑性エラストマー中のジブロックコポリマーの重量パーセントが、前記熱可塑性エラストマーの総重量に基づいて40重量%未満である、請求項7に記載の多層包装材料。
【請求項9】
前記熱可塑性エラストマーが、25℃の周囲温度で非粘着性であり、動的機械式レオメーターによって1Hzの周波数で測定したときに、25℃で3×10Paを超える貯蔵弾性率を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の多層包装材料。
【請求項10】
前記充填剤が、膨張パーライト、微小球、膨張性微小球、セラミック球、ゼオライト、粘土充填剤、ガラスビーズ、シリカ型充填剤、ヒュームドシリカ、繊維、ナノ粒子、タルク、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン及び二酸化ケイ素、珪藻土、ワックス、並びにこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の多層包装材料。
【請求項11】
前記粘着組成物が、前記粘着組成物中のゴム及び熱可塑性エラストマーの総重量に基づいて20重量%未満の粘着付与剤及び/又は可塑剤含有量を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の多層包装材料。
【請求項12】
ゴム及び熱可塑性エラストマー総量100部当たり0.1~10部のUV及び/又は熱安定剤を更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の多層包装材料。
【請求項13】
前記UV及び/又は熱安定剤が、アミン、フェノール、ジチオカルバメート、Tinuvin安定剤、及びUV吸収剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の多層包装材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、粘着組成物、粘着組成物を含む物品、並びにそのような組成物及び物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コールドシール接着剤とも呼ばれる粘着剤コーティングは、圧力が加えられると、それ自体に強力な結合を形成するが、実質的に他の表面には形成しない能力を有する、感圧接着剤の一種である。したがって、いくつかの実施形態では、粘着剤コーティングは、圧力応答性であり、すなわち、シール形成を開始させるのに必要なのは機械的エネルギーの導入だけである。これらの有利な特性のために、粘着剤コーティングは、様々な異なる用途で使用される。
【発明の概要】
【0003】
本開示の発明者らは、粘着剤コーティングが、高価かつ/又は環境に優しくない製造プロセスである溶剤コーティングによって作製されることを認識した。本開示の発明者らは、押出成形され得る粘着組成物を作製することを求めた。そのため、本開示の発明者らは、押出成形することができる新規な粘着剤調合物を発見した。
【0004】
本開示の発明者らはまた、粘着剤コーティングがそれ以外の材料に接着しないため、フィルム又は物品上に粘着剤コーティングを積層又はコーティングすることが困難かつ高価であることも認識した。本開示の発明者らはまた、バッキング又はコアなどの別の押出可能な材料と共押出され得る押出可能な粘着剤が、コーティングされた材料の表面改質などの困難又は高価な手順を必要とせずに、粘着剤コーティングされた材料を作製して、粘着剤コーティングを他のバッキング又はコアに積層することができるかどうかを認識した。
【0005】
いくつかの実施形態では、粘着組成物は、バッキング又はコアの少なくとも一部分の上にコーティングされ得るか、又はそれに適用され得る。他の実施形態では、粘着組成物は、包装材料に使用することができる。更に他の実施形態では、粘着組成物は、吸収性物品のための止着システムに使用することができる。
【0006】
いくつかの実施形態は、約30~約70重量%のゴムと、約10~約50重量%の熱可塑性エラストマーと、約10~約45重量%の充填剤と、を含む粘着組成物に関し、重量%はゴム+熱可塑性エラストマー+充填剤の総重量に基づく。
【0007】
いくつかの実施形態では、粘着組成物は、押出可能であり、かつ/又はフィルムとしてブローされることが可能である。いくつかの実施形態では、粘着組成物は、約35重量%~約65重量%のゴムを含む。いくつかの実施形態では、ゴムは、天然ゴム、合成ゴム、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、合成ゴムは、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリクロロプレンゴム、ニトリルゴム、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つである。いくつかの実施形態では、合成ゴムは、1,4シスポリイソプレンである。いくつかの実施形態では、粘着組成物は、約15重量%~約45重量%の熱可塑性エラストマーを含む。いくつかの実施形態では、熱可塑性エラストマーは、スチレン-イソプレン-スチレン、スチレン-イソプレン/ブタジエン-スチレン、スチレン-ブタジエン-スチレン、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、熱可塑性エラストマーは、熱可塑性エラストマーの総重量に基づいて約10重量%~約50重量%の全体的なスチレン単位の総含有量を有する。いくつかの実施形態では、熱可塑性エラストマーは、スチレン-イソプレン、スチレンブタジエンイソプレン、スチレンイソプレンブタジエン、スチレン-ブタジエン、スチレン-エチレン/ブタジエン、スチレン-エチレン-プロピレン、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、熱可塑性エラストマー中のジブロックコポリマーの重量パーセントは、熱可塑性エラストマーの総重量に基づいて40重量%未満である。いくつかの実施形態では、熱可塑性エラストマーは、約25℃の周囲温度で非粘着性であり、動的機械式レオメーターによって約1Hzの周波数で測定したときに、25℃で3×10Paを超える貯蔵弾性率を有する。いくつかの実施形態では、充填剤は、膨張パーライト、微小球、膨張性微小球、セラミック球、ゼオライト、粘土充填剤、ガラスビーズ、シリカ型充填剤、ヒュームドシリカ、繊維、ナノ粒子、タルク、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン及び二酸化ケイ素、珪藻土、ポリエチレンワックスなどのワックス、並びにこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、粘着組成物は、粘着組成物中のゴム及び熱可塑性エラストマーの総重量に基づいて20重量%未満の粘着付与剤及び/又は可塑剤含有量を有する。いくつかの実施形態は、ゴム及び熱可塑性エラストマー総量100部当たり約0.1~約10部のUV及び/又は熱安定剤を更に含む。いくつかの実施形態では、UV及び/又は熱安定剤は、アミン、フェノール、ジチオカルバメート、Tinuvian安定剤、及びUV吸収剤のうちの少なくとも1つを含む。
【0008】
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の粘着組成物を含む粘着部分と、粘着部分に隣接するバッキング部分と、を備える粘着物品に関する。
【0009】
いくつかの実施形態は、粘着部分とバッキング部分との間に結合層を更に含む。いくつかの実施形態は、封止層を更に含む。いくつかの実施形態では、バッキング部分は、プラスチック、不織布、紙、金属箔、発泡体、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、プラスチックは、ポリプロピレン、一軸又は二軸配向ポリプロピレン、ビニル、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、結合層は、熱可塑性エラストマーを含む。いくつかの実施形態では、熱可塑性エラストマーは、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-イソプレン/ブタジエン-スチレン(SIBS)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)、及びスチレン-エチレン/プロピレン-スチレン(SEPS)からなるトリブロックコポリマー、並びにスチレン-イソプレン、スチレンブタジエンイソプレン、スチレンイソプレンブタジエン、スチレン-ブタジエン、スチレン-エチレン/ブタジエン、及びスチレン-エチレン-プロピレンからなるジブロックコポリマー、並びにこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、封止層は、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー、熱可塑性エラストマー、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、複数の層が、共押出されている。いくつかの実施形態では、層の少なくとも一部は、多層である。いくつかの実施形態では、被着体表面への接着性は、PSTC-101;方法Aに従って測定したとき、200グラム/インチ未満である。いくつかの実施形態では、ASTM D1876に従って測定したとき、T型剥離は、400グラム/インチ超である。
【0010】
いくつかの実施形態は、本明細書の教示と一致する粘着物品と、緩衝材層と、外側層と、を備える、多層包装材料に関する。
【0011】
いくつかの実施形態では、緩衝材層は、気泡ラップ又は発泡体のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、外側層は、紙、プラスチック、及び/又は不織布のうちの少なくとも1つである。いくつかの実施形態では、外側層は、一重、二重、又は三重のうちの少なくとも1つである。いくつかの実施形態では、包装材料は、本明細書に記載された発送試験/ポップオープンに合格する。
【0012】
いくつかの実施形態は、本開示と一致する粘着フィルムを備える、吸収性物品のための止着システムに関する。いくつかの実施形態では、止着システムは、基材及び第1の粘着フィルムを備える第1の止着要素と、基材及び第2の粘着フィルムを備える第2の止着要素と、を備える。止着システムが接着された物品を閉じると、第1の粘着フィルム及び第2の粘着フィルムは自己嵌合する、すなわち、共接着し、剥離可能に係合する。
【0013】
いくつかの実施形態は、本明細書の教示と一致する粘着組成物を得ることと、粘着組成物をバッキングに隣接して配置することと、を含む、粘着物品の製造方法に関する。いくつかの実施形態では、粘着組成物をバッキングに隣接して配置することは、粘着組成物及びバッキングを押出又は共押出することを含む。いくつかの実施形態は、粘着組成物とバッキングとの間に結合層又は結合部分を配置することを更に伴う。いくつかの実施形態では、粘着組成物とバッキングとの間に結合層又は結合部分を配置することは、結合層を粘着組成物及びバッキングと共押出することを含む。いくつかの実施形態は、バッキングに隣接する封止層を配置することを更に伴う。いくつかの実施形態では、バッキングに隣接して封止層を配置することは、封止層を粘着組成物及びバッキングと共押出することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本明細書の教示による例示的な粘着物品の側断面図である。
【0015】
図2】本明細書の教示による例示的な粘着物品の側断面図である。
【0016】
図3】本明細書の教示による例示的な粘着物品の側断面図である。
【0017】
図4】本明細書の教示による例示的な粘着物品の側断面図である。
【0018】
図5】例示的な包装材料に備えられている例示的な粘着物品の概略側断面図である。
【0019】
図6】使用中の図5の例示的な包装材料の概略斜視図である。
【0020】
図7】その最終状態にあり、図6に示される使用プロセス後に被発送品に巻かれている、図5の例示的な包装材料の概略斜視図である。
【0021】
図8】使用中の図5の例示的な包装材料の概略斜視図である。
【0022】
図9】その最終状態にあり、図8に示される使用プロセス後に被発送品に巻かれている、図5の例示的な包装材料の概略斜視図である。
【0023】
図10】本出願による止着システムを備える例示的な吸収性物品の等角図である。
【0024】
図11】閉鎖構成にある、図10の吸収性物品の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示は概して、粘着組成物、粘着組成物を含む物品、並びにそのような組成物及び物品の製造方法に関する。本明細書で使用するとき、用語「粘着剤」は、それ自体に接着し、実質的に他の材料に接着しない接着剤を意味する。いくつかの実施形態では、粘着組成物は、周囲温度での接触に対して非粘着性である。いくつかの実施形態では、粘着組成物及び/又は物品は、ASTM D-2979に従ってTA-XT2iテクスチャアナライザによって測定したときに30グラム未満の粘着力を有する。いくつかの実施形態では、(上述のように測定したときに)粘着力は、20グラム未満又は10グラム未満である。
【0026】
いくつかの実施形態では、粘着組成物は、粘着組成物の総重量に基づいて約20重量%未満の粘着付与剤、可塑剤、及び/又はこれらの混合物を有する。いくつかの実施形態では、粘着組成物は、粘着組成物の総重量に基づいて約15重量%未満、又は約10重量%未満、又は約5重量%未満の粘着付与剤、可塑剤、及び/又はこれらの混合物を有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、粘着組成物、層、又は材料は、それ自体に共接着性である一方で、他の表面に対して、粘着することなく、損傷させることなく、又は、表面を台無しにするか若しくはそうでなければ他の表面を損傷させる残留物を残すことなく、接触することができる。いくつかの実施形態では、粘着剤は、隣接する物品からきれいに(すなわち、物品を損傷させることなく)剥離する一方で、使用中に所望の構成又は向きで接着又は結合したままであるのに十分である強力な結合を作り出すように、それ自体に及び/又は別の粘着剤表面に十分に強力に接着する。いくつかの実施形態では、粘着剤は、それが露出する物品からきれいに剥離することができ、これは、物品から剥離されたときに物品を損傷させないこと及び/又は有意な残留物を物品に残さないことを意味する。
【0028】
粘着組成物
【0029】
本開示のいくつかの実施形態は、粘着組成物に関する。いくつかの実施形態では、粘着組成物は、ゴム、熱可塑性エラストマー、充填剤、並びにUV及び/又は熱安定剤を含む。いくつかの実施形態では、粘着組成物は、ゴム+熱可塑性エラストマー総量100部当たり、約30~90重量%のゴムと、10~70重量%の熱可塑性エラストマーと、10~100部の充填剤と、を含む。いくつかの実施形態はまた、ゴム+熱可塑性エラストマー総量100部当たり0.1~10部のUV及び/又は熱安定剤を含む。
【0030】
ゴム:本粘着組成物に使用することができるゴムとしては、合成ゴム、天然ゴム、及び/又はこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、合成ゴムは、ラテックスアレルギー(天然ゴムラテックス中に存在するタンパク質に対するアレルギー反応)が増加しているため、天然ゴムよりも好ましい。例示的な合成ゴムとしては、例えば、ポリイソプレンゴム(例えば、1,4シスポリイソプレンを含む)、ポリブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリクロロプレンゴム、ニトリルゴム、及びこれらの混合物が挙げられる。いくつかの市販のポリイソプレンゴムとしては、例えば、Zeon Corporationにより両方とも販売されているNipol(登録商標)IR2200及び2200L、Kraton Corporationにより両方とも販売されているCariflex(登録商標)IR307及びCariflex(登録商標)IR310が挙げられる。
【0031】
いくつかの実施形態では、粘着組成物は、約30~70重量%のゴムを含む。いくつかの実施形態では、粘着組成物は、約35~65重量%のゴムを含む。いくつかの実施形態では、粘着組成物は、少なくとも約30重量%、又は約35重量%、又は約40重量%、又は約45重量%、又は約50重量%のゴムを含む。いくつかの実施形態では、粘着組成物は、約70重量%未満、又は約65重量%未満、又は約60重量%未満、又は約55重量%未満のゴムを含む。
【0032】
熱可塑性エラストマー:
【0033】
概して、熱可塑性エラストマー(TPE)は、室温で加硫エラストマー(ゴム)の特性を示すプラスチックであるが、加熱時に熱可塑性プラスチックのように加工することができる。本開示のTPEは、ブロックコポリマーである。いくつかの実施形態では、TPEは、溶融され、繰り返し変形され、再利用され得る。熱可塑性エラストマーは、ゴム材料及びプラスチック材料の両方に典型的な利点を示す。熱可塑性エラストマーの1つの例示的な利点は、適度な伸びまで延伸し、そのほぼ元の形状に戻る能力である。いくつかの実施形態では、これにより、組成物及び/又は物品は、熱可塑性エラストマーを含まない材料よりも長い耐用期間及び/又はより良好な物理的範囲を有することを可能にする。
【0034】
いくつかの実施形態では、粘着組成物は、約10~50重量%の熱可塑性エラストマーを含む。いくつかの実施形態では、粘着組成物は、約15~45重量%の熱可塑性エラストマーを含む。いくつかの実施形態では、粘着組成物は、約20~40重量%の熱可塑性エラストマーを含む。いくつかの実施形態では、粘着組成物は、少なくとも約10重量%、又は少なくとも約15重量%、又は少なくとも約20重量%、又は少なくとも約25重量%の熱可塑性エラストマーを含む。いくつかの実施形態では、粘着組成物は、約50重量%未満、又は約45重量%未満、又は約40重量%未満、又は約35重量%未満の熱可塑性エラストマーを含む。
【0035】
本開示の粘着組成物に含まれ得る例示的な熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系トリブロックコポリマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性コポリエステル、熱可塑性ポリアミド、及びこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、熱可塑性エラストマーは、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-イソプレン/ブタジエン-スチレン(SIBS)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)、及びスチレン-エチレン/プロピレン-スチレン(SEPS)からなる少なくとも1つのトリブロックコポリマーを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、熱可塑性エラストマー中の全体的なスチレン単位の総含有量は、熱可塑性エラストマーの総重量に基づいて約5%~約50%、又は約10%~約50%、又は約20%~約45%である。いくつかの実施形態では、熱可塑性エラストマー中の全体的なスチレン単位の総含有量は、熱可塑性エラストマーの総重量に基づいて約5%超、又は約10%超、又は約15%超、又は約20%超である。いくつかの実施形態では、熱可塑性エラストマー中の全体的なスチレン単位の総含有量は、熱可塑性エラストマーの総重量に基づいて約50%未満又は約45%未満である。
【0037】
いくつかの実施形態では、TPEは、イソプレンブロックを含む。いくつかの実施形態では、イソプレンブロックは、水素化イソプレンである。いくつかの実施形態では、イソプレンブロックは、多峰性非対称マルチアームブロックである。
【0038】
いくつかの実施形態では、熱可塑性エラストマーは、ジブロックコポリマーを含む。本開示の粘着組成物に含めるためのいくつかの例示的なジブロックコポリマーとしては、例えば、スチレン-イソプレン、スチレンブタジエンイソプレン(SBI)、スチレンイソプレンブタジエン(SIB)、スチレン-ブタジエン、スチレン-エチレン/ブタジエン(SEB)、及び/又はスチレン-エチレン-プロピレン(SEP)が挙げられる。熱可塑性エラストマーがジブロックコポリマーを含有するいくつかの実施形態では、熱可塑性エラストマー中のジブロックコポリマーの重量パーセントは、トリブロック及びジブロックコポリマー混合物の総重量に基づいて40%未満、又は20%未満、又は10%未満である。この量は、粘着組成物が低い粘着力及び/又は良好な結合強度を維持することを可能にする。
【0039】
例示的な好ましい熱可塑性エラストマーの1つは、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)コポリマーのトリブロックコポリマーである。いくつかの実施形態では、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)コポリマーのトリブロックコポリマーは、約20%~約45%の総スチレン含有量を有する。本明細書に記載の粘着組成物に使用可能ないくつかの例示的な市販のトリブロックSISは、TSRC Corporationにより両方とも販売されているVector 4411A又は4215Aである。本明細書に記載の粘着組成物に使用可能な他の市販のトリブロックSISとしては、Kuraray Corporationにより販売されているHybrar(商標)5125及び7125、Kraton Corporationにより販売されているKraton 1340、1114、及び1164P、並びにZeon Corporationにより販売されているQuintac 3460が挙げられる。
【0040】
いくつかの実施形態では、熱可塑性エラストマーは、約25℃の周囲温度で非粘着性であり、動的機械式レオメーターによって約1Hzの周波数で測定したときに、25℃で3×10Pを超えるG’(貯蔵弾性率)を有する。(すなわち、Alphonsus V.Pocius,page 231によるAdhesion and Adhesives Technology An Introductionに定義された粘着力のダルキスト基準を超える)。
【0041】
充填剤:
【0042】
いくつかの実施形態では、充填剤は、粘着組成物の粘着力及び接着性を低減するために使用される。当業者に一般的に公知の任意の充填材料を、本開示の粘着組成物において使用してもよい。本開示の粘着組成物に使用可能ないくつかの例示的な充填材料としては、例えば、膨張パーライト、微小球、膨張性微小球、セラミック球、ゼオライト、粘土充填剤、ガラスビーズ、シリカ型充填剤(疎水性シリカ型充填剤、及び親水性シリカ型充填剤、及び/又はヒュームドシリカを含む)、繊維(ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、シリカ繊維、及び/又はセラミック繊維を含む)、ナノ粒子、タルク、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、珪藻土、ワックス(ポリエチレンワックスなど)、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0043】
いくつかの実施形態では、粘着組成物中の総充填剤含有量は、約10重量%~約45重量%である。いくつかの実施形態では、粘着組成物中の総充填剤含有量は、約12重量%~約40重量%である。いくつかの実施形態では、粘着組成物中の総充填剤含有量は、約17重量%~約35重量%である。いくつかの実施形態では、粘着組成物中の総充填剤含有量は、約10重量%超、又は約11重量%超、又は約12重量%超、又は約13重量%超、又は約14重量%超、又は約15重量%超、又は約15重量%超、又は約17重量%超、又は約18重量%超、又は約19重量%超、又は約20重量%超である。いくつかの実施形態では、総充填剤含有量は、約45重量%未満、又は約42重量%未満、又は約40重量%未満、又は約37重量%未満、又は約35重量%未満である。
【0044】
いくつかの実施形態では、粘着組成物中の総充填剤含有量は、約10~約100PHR(ゴム及び熱可塑性エラストマーの総重量の100部当たりの部)である。いくつかの実施形態では、粘着組成物中の総充填剤含有量は、約15~約75PHRである。いくつかの実施形態では、粘着組成物中の総充填剤含有量は、約15~60PHRである。いくつかの実施形態では、粘着組成物中の総充填剤含有量は、約10PHR超、又は約15PHR超、又は約20PHR超である。充填剤充填量が約10PHR未満である場合、粘着組成物の粘着力及び接着性が高すぎる場合がある。充填剤充填が約100PHRを超える場合、粘着組成物の自己接着強度が低下する場合がある。
【0045】
いくつかの実施形態では、充填剤は、およそサブマイクロメートル~100μmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、充填剤は、約1μm~50μmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、充填剤は、約3μm~25μmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、充填剤粒径は粘着剤コーティング厚よりも大きく、これにより表面粗さを付与することができ、並びに/又は粘着剤コーティングの接触面積及び/若しくは粘着力を低減することができる。
【0046】
UV及び熱安定剤:
【0047】
任意のUV及び/又は熱安定剤を、本開示の粘着組成物に使用してもよい。酸化防止剤は、ゴム系粘着剤の粘着強度の損失をもたらす恐れがある、天然ゴム及び合成ゴムに対する酸化攻撃を抑制させることができる。有用な酸化防止剤としては、限定するものではないが、アミン、例えば、AgeRite Dとして入手可能なN-N’ジ-&bgr;-ナフチル-1,4-フェニレンジアミン、フェノール、例えば、Monsanto Chemical Co.から入手可能なSantovar A(商標)として入手可能な2,5-ジ-(t-アミル)ヒドロキノン、Ciba-Geigy Corp.からIRGANOX(商標)1010として入手可能なテトラキス[メチレン3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピアネート]メタン、及びAntioxidant 2246として入手可能な2-2’-メチレンビス(4-メチル-6-tertブチルフェノール)、及びジチオカルバメート、例えば、ジチオジブチルカルバミン酸亜鉛、Ciba-Geigy Corp.からIRGANOX(商標)1076として入手可能なオクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、Arenox DLとして入手可能なジドデシル3,3’-チオジプロピオネート、Mayzo,Inc.からBNX(登録商標)DLTDPとして入手可能なジラウリルチオジプロピオネート、Tinuvin安定剤及びUV吸収剤、例えば、Tinuvin 900、1130、400、405、144、783、及び292が挙げられる。
【0048】
他の添加剤:
【0049】
粘着付与樹脂及び可塑剤は、得られる粘着組成物の粘着力が30グラム未満、より好ましくは20グラム未満、最も好ましくは10グラム未満である限り、粘着組成物中で使用することができる。例示的な粘着付与樹脂としては、脂肪族及び芳香族炭化水素樹脂、ポリテルペン、及び水素化樹脂が挙げられる。例示的な市販の粘着付与樹脂としては、Cray Valleyから入手可能なWingtack Plus及びWingtack 95、Hercules,Inc.から入手可能なPiccolyte HM-85、HM-105及びS-115、Exxon Chemical Co.から入手可能Escorez 5380、Escorez 5300、Hercules Inc.から入手可能なRegalrez 1094及びRegalrez 1126、並びに荒川化学工業から入手可能なArkon P-90、Arkon P-100が挙げられる。
【0050】
可塑剤を、本開示の粘着組成物に使用してもよい。例示的な可塑剤としては、Shell Chemical Co.から入手可能な「Shellflex」371などのナフテン系油、パラフィン系油、芳香族油、及びWitco Chemical Corp.から入手可能な「Kaydol」油などの鉱油が挙げられる。
【0051】
粘着組成物の特性/利点:
【0052】
本明細書に記載の粘着組成物は、既存の粘着組成物に対して様々な利点を有する。いくつかの実施形態では、粘着組成物は押出可能及び/又は共押出可能である。本明細書に記載されるように、これは、製造コストの低減、持続性の向上、及び環境への優しさを含む様々な利点を示す。更に、粘着組成物のいくつかの実施形態は、天然ゴムを含まず、使用者に望ましくないアレルギー反応を引き起こすリスクを限定する。いくつかの実施形態では、粘着組成物(一度バッキング又はコア上に配置された)は、パッケージポップオープン試験に対して強い耐性を示す。
【0053】
粘着フィルム:
【0054】
本開示はまた、上記の粘着組成物のいずれかを含む粘着フィルムにも関する。いくつかの実施形態では、このような粘着フィルムは、バッキング又はコア層に隣接して本明細書に記載される粘着組成物のいずれかを含む。いくつかの実施形態では、結合層は、バッキングと粘着組成物との間にある。いくつかの実施形態では、追加の封止層は、粘着組成物の反対側のバッキングの側に隣接している。いくつかの実施形態では、フィルムは、巻くことができ、及び/又はロール品の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、キャリア層又はコア層は、別の場所に適用され得るように、粘着層を保持することを意味する層である。このような実施形態では、キャリア層又はコア層は剥離層として作用し、その目的は、粘着組成物の転写を促進することである。いくつかの例示的な粘着物品を、以下の図に示す。
【0055】
図1は、バッキング又はコア部分又は層120(第1主面122及び第2主面124を有する)に隣接する粘着部分又は層110(第1主面112及び第2主面114を有する)を含む粘着物品100の側断面図である。いくつかの実施形態では、バッキング又はコア部分又は層120は、粘着組成物の支持を提供する。いくつかの実施形態では、バッキング又はコア部分又は層120は、製造、発送、並びに、例えば、巻き出し及びウェブ輸送プロセス中の使用を容易にするための強度及び構造を提供する。いくつかの実施形態では、層120のバッキング又はコア部分は、熱積層中の変形に抵抗する粘着組成物の能力を強化する。いくつかの実施形態では、層又は部分(粘着層110及びバッキング層120を含む)のうちの1つ以上は、単層又は多層構造を有することができる。層又は部分のそれぞれについての更なる情報は、以下のとおりである。
【0056】
図2は、バッキング又はコア部分又は層220(第1の主面222及び第2の主面224を有する)に隣接している、結合部分又は層240(第1の主面242及び第2の主面244を有する)に隣接する粘着部分又は層210(第1の主面212及び第2の主面214を有する)を含む粘着物品200の側断面図である。結合層又は結合部分240は、粘着物品のT型剥離性能を向上させ、かつ/又は粘着層210とバッキング220との間の結合の強度を改善する。いくつかの実施形態では、層又は部分のうちの1つ以上(粘着層210、バッキング層220、及び/又は結合層240を含む)は、単層又は多層構造を有することができる。層又は部分のそれぞれについての更なる情報は、以下のとおりである。
【0057】
図3は、以下の層又は部分:(4)封止層360(第1の主面362及び第2の主面364を有する)に隣接する(3)バッキング又はコア部分又は層320(第1の主面322及び第2の主面324を有する)に隣接する(2)結合部分又は層340(第1の主面342及び第2の主面344を有する)に隣接する(1)粘着部分又は層310(第1の主面312及び第2の主面314を有する)、を含む粘着物品300の側断面図である。いくつかの実施形態では、封止層360は、加熱又は熱(heat or thermal)封止層である。典型的には、加熱又は熱封止層は、2つの封止面が加熱され、これを所与の圧力下で所定の時間、すぐに密接に接触させ、放冷することによって得られ、2つの層の間に結合を形成する。いくつかの実施形態では、熱封止層は、粘着物品を別の物品に迅速に熱融着することを可能にする。いくつかの実施形態では、封止層360は、粘着物品のロール又はジャンボの巻き出し中に、アンチブロッキング機能を提供する。いくつかの実施形態では、封止層360はスキンと呼ばれる。いくつかの実施形態では、封止層360は、当該技術分野において既知の技術を用いて印刷可能である。いくつかの実施形態では、層又は部分のうちの1つ以上(粘着層210、バッキング層220、及び/又は結合層240を含む)は、単層又は多層構造を有することができる。層又は部分のそれぞれについての更なる情報は、以下のとおりである。
【0058】
図4は、これらの層の少なくとも一部が多層であることを除いて、図3に示される粘着物品300の層又は部分の全てを含む粘着物品400の側断面図である。具体的には、粘着部分又は層410は、この例示的な実施形態では単層である(ただし、多層であってもよい)。結合層又は結合部分440は、この例示的な実施形態では単層として示されている(ただし、多層であってもよい)。バッキング又はコア層420は、この例示的な実施形態において5層の多層であるものとして示されている。当業者であれば、バッキング又はコア層420は、例えば、1、2、3、4、5、6、7などを含む任意の所望の数の層であり得ることを理解するであろう。封止層460は、この例示的な実施形態において2層の多層であるものとして示されている。当業者であれば、封止層460が、例えば1、2、3、4、5、6、7などを含む任意の所望の数の層であり得ることを理解するであろう。この例示的な実施形態では、粘着物品全体は9層の多層構造である。しかしながら、当業者であれば、構造全体(粘着フィルム及び/又は粘着物品を意味する)は、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12などを含む任意の所望の数の層であり得ることを理解するであろう。
【0059】
上述した部分又は層についての更なる情報は、以下のとおりである。明確にするために、多層フィルムの厚さ、及び1つ以上の追加層の層厚さの比は、多層構造の目的とする最終用途によって異なる。
【0060】
粘着組成物層又は部分
【0061】
本明細書に記載される任意の粘着組成物は、本明細書に記載の粘着物品のいずれかに使用することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、粘着組成物層又は部分は、約5ミクロン~約100ミクロン、又は約10ミクロン~約50ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、粘着組成物層又は部分は、約5ミクロン超、又は約10ミクロン超、又は約25ミクロン超の厚さを有する。いくつかの実施形態では、粘着組成物層又は部分は、約100ミクロン未満、又は約75ミクロン未満、又は約50ミクロン未満、又は約25ミクロン未満の厚さを有する。いくつかの実施形態では、粘着層の厚さは、充填剤の粒径よりも小さい。
【0063】
結合層又は結合部分
【0064】
結合層は、粘着物品のT型剥離性能を向上させ、かつ/又はバッキングと粘着組成物との間の結合強度を改善する。粘着物品のT型剥離性能を向上させ、かつ/又は粘着組成物とバッキング若しくはコア層との間の結合を向上させる任意の所望の結合層を使用することができる。いくつかの実施形態では、結合層又は結合部分は、動的機械式レオメーターによって約1Hzの周波数で測定したときに、25℃の周囲温度で粘着組成物の貯蔵弾性率(G’)未満の貯蔵弾性率を有する熱可塑性エラストマーである。いくつかの実施形態では、結合層はプライマーを含む。いくつかの実施形態では、結合層は、粘弾性変形を改善し、かつ/又はシステムからエネルギーを吸収する。
【0065】
使用可能ないくつかの例示的な熱可塑性エラストマーとしては、例えば、トリブロックコポリマー(例えば、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-イソプレン/ブタジエン-スチレン(SIBS)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)、及びスチレン-エチレン/プロピレン-スチレン(SEPS))及びジブロックコポリマー(例えば、スチレン-イソプレン、スチレンブタジエンイソプレン、スチレンイソプレンブタジエン、スチレン-ブタジエン、スチレン-エチレン/ブタジエン、及びスチレン-エチレン-プロピレン)のブレンドが挙げられる。
【0066】
いくつかの実施形態では、結合層又は結合部分中のジブロックコポリマーの重量パーセントは、結合層又は結合部分中のトリブロック及びジブロックコポリマーの総重量に基づいて約20重量%~約85重量%である。いくつかの実施形態では、結合層又は結合部分中のジブロックコポリマーの重量パーセントは、結合層又は結合部分中のトリブロック及びジブロックコポリマーの総重量に基づいて約30重量%~約80重量%である。いくつかの実施形態では、結合層又は結合部分中のジブロックコポリマーの重量パーセントは、結合層又は結合部分中のトリブロック及びジブロックコポリマーの総重量に基づいて約40重量%~約80重量%である。いくつかの実施形態では、結合層又は結合部分中のジブロックコポリマーの重量パーセントは、結合層又は結合部分中のトリブロック及びジブロックコポリマーの総重量に基づいて約20重量%超、又は約30重量%超、又は約40重量%超である。いくつかの実施形態では、結合層又は結合部分中のジブロックコポリマーの重量パーセントは、結合層又は結合部分中のトリブロック及びジブロックコポリマーの総重量に基づいて約85重量%未満、又は約80重量%未満、又は約70重量%未満である。
【0067】
いくつかの実施形態では、結合層又は結合部分のスチレン単位の総含有量は、結合層又は結合部分中のトリブロック及びジブロックコポリマーの総重量に基づいて約5重量%~約30重量%である。いくつかの実施形態では、結合層又は結合部分のスチレン単位の総含有量は、結合層又は結合部分中のトリブロック及びジブロックコポリマーの総重量に基づいて約5重量%~約25%重量%である。いくつかの実施形態では、結合層又は結合部分のスチレン単位の総含有量は、結合層又は結合部分中のトリブロック及びジブロックコポリマーの総重量に基づいて約5重量%~約20重量%である。いくつかの実施形態では、結合層又は結合部分のスチレン単位の総含有量は、結合層又は結合部分中のトリブロック及びジブロックコポリマーの総重量に基づいて約5重量%超、又は約6重量%超、又は約7重量%超、又は約8重量%超、又は約9重量%超、又は約10重量%超である。いくつかの実施形態では、結合層又は結合部分のスチレン単位の総含有量は、結合層又は結合部分中のトリブロック及びジブロックコポリマーの総重量に基づいて約30重量%未満、又は約25重量%未満、又は約20重量%、又は約15重量%未満である。いくつかの実施形態では、熱可塑性エラストマーは、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)コポリマーのトリブロックコポリマー及びスチレン-イソプレンコポリマーのジブロックのブレンドであり、総スチレン含有量は約5重量%~約25重量%である。いくつかの実施形態では、熱可塑性エラストマーは、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)コポリマーのトリブロックコポリマーであり、総スチレン含有量は約5重量%~約25重量%である。
【0068】
いくつかの例示的な市販の結合層としては、Kraton Corporationにより両方とも販売されているKraton(商標)D 1119及びD1161、並びにDexco Corporationにより両方とも販売されているVector 4186及び4187が挙げられる。
【0069】
いくつかの実施形態では、結合層又は結合部分は、約5ミクロン~約50ミクロン、又は約15ミクロン~約25ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、結合層又は結合部分は、約5ミクロン超、又は10ミクロン超、又は15ミクロン超、又は20ミクロン超、又は25ミクロン超の厚さを有する。いくつかの実施形態では、結合層又は結合部分は、約50ミクロン未満、又は約40ミクロン未満、又は約30ミクロン未満、又は約25ミクロン未満の厚さを有する。
【0070】
結合層又は結合部分は必須ではなく、したがって、いくつかの実施形態では、結合層又は結合部分は使用されないことに留意されたい。驚くべきことに、粘着組成物層又は結合部分をコア又はバッキング層又は部分に積層するために結合層又は結合部分を使用する必要はないが、これは、例えば、それらが共押出されるときに、粘着層又は粘着部分がバッキング又はコア層又は部分に積層されるためである。これは、バッキング又はコア層又は部分がポリエチレンである場合、特に驚くべきことである。
【0071】
2つの粘着層又は粘着部分間の結合がより容易に剥離されることが望ましい場合などのいくつかの用途では、より低いT型剥離性能が望まれ得る。このような用途では、結合層又は結合部分を省略することが有益であり得る。結合層又は結合部分を他の用途でも省略することが有益であり得る。他の用途では、T型剥離性能の向上が望ましく、そのような用途では、結合層又は結合部分が望ましくは含まれ得る。結合層が使用されるとき、結合層の選択は、最終製品の必要なT型剥離性能、及びコア又はバッキング層又は部分の同一性に依存する。
【0072】
例えば、結合層又は結合部分は、粘着組成物層又は粘着組成物部分をバッキング又はコア層又は部分に積層する必要はないため、いくつかの実施形態では、結合層又は結合部分は粘着付与剤を含有しない。いくつかの実施形態では、結合層又は結合部分は、感圧接着剤(PSA)ではない。
【0073】
コア又はバッキング層又は部分
【0074】
任意の既知のバッキング又はコア層、部分、又は材料を使用してもよい。いくつかの例示的な好適なバッキング又はコア層は、プラスチック(例えば、ポリプロピレン(二軸配向ポリプロピレンを含む)、ビニル、ポリオレフィン(ポリエチレンなど)、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレート、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートなど)、不織材(例えば、紙、布、不織スクリム)、金属箔、発泡体(例えば、ポリアクリル、ポリエチレン、ポリウレタン、ネオプレン)などが挙げられる。
【0075】
いくつかの実施形態では、コア又はバッキング層又は部分は、約0.5ミル~約10ミル、又は約0.75ミル~約5ミルの厚さを有する。いくつかの実施形態では、コア又はバッキング層又は部分は、約0.5ミル超、又は約0.75ミル超、又は約1.0ミル超の厚さを有する。いくつかの実施形態では、コア又はバッキング層又は部分は、約10ミル未満、又は約5ミル未満、又は約1ミル未満の厚さを有する。
【0076】
封止又はスキン層又は部分
【0077】
いくつかの実施形態は、封止又はスキン層又は部分を含む。いくつかの実施形態では、封止又はスキン層又は部分は、熱封止層である。熱封止層は、例えば、加熱封止層及び/又は超音波封止層を含む。封止又はスキン層は、単層又は多層であることができる。封止層は、転写接着剤であってもよく、及び/又はそれを含むことができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、封止又はスキン層は、ポリエチレン(HDPE、LDPE、LLDPE、mLLDPE)、ポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー、熱可塑性エラストマーを含む。いくつかの実施形態では、封止又はスキン層は、以下の市販の構成成分:Dow Chemicalにより販売されているDowlex 2045 LLDPE、Chevron Phillips Chemicalにより販売されているMarlex mLLDPE、Dow Chemicalにより販売されているDow Elite AT 6410 mLLDPE、Down Chemicalにより販売されているAffinity 1850G、及び/又はこれらの混合物、のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、封止又はスキン層は、上記LLDPE、mLLDPE、又はポリエチレンコポリマーと、アンチブロッキング剤又は剥離材、例えば、Polyfil ABC 5000及び/又はエチレンビスステアラミド(EBS)とのブレンドを更に含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、封止又はスキン層又は部分は、約0.2ミル~約3ミル、又は約0.4ミル~約1ミルの厚さを有する。いくつかの実施形態では、封止又はスキン層又は部分は、約0.2ミル超、又は約0.3ミル超、又は約0.4ミル超、又は約0.5ミル超、又は約0.75ミル超、又は約1.0ミル超の厚さを有する。いくつかの実施形態では、封止又はスキン層又は部分は、約3ミル未満、又は約2ミル未満、又は約1ミル未満の厚さを有する。
【0080】
粘着フィルム及び/又は物品の製造方法:
【0081】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される粘着組成物は、フィルム内又はフィルム上に押出成形、溶剤コーティング、及び/又はブローされることができる。押出、共押出、及びブローフィルムプロセスは、少なくとも、費用のかかる又は環境に優しくない溶剤廃棄を必要としないために、溶剤コーティングプロセスと比較して、より環境に優しいという利点を提供する。これらのプロセスのそれぞれについての更なる情報は、以下のとおりである。
【0082】
押出プロセス:
【0083】
押出プロセスは、概して、フィードブロック及び/又はダイを通して、材料を、配合(例えば、カレンダー加工、ロールミリング、又は二軸スクリューによって)及び押出(例えば、単軸スクリュー、二軸スクリュー、ディスクスクリュー、往復単軸スクリュー、ピンバレル単軸スクリューなどによって)することを伴う。いくつかの実施形態では、押出加工は、実質的に溶剤及び水を含まないプロセスである。フィードブロック及び/又はダイは、材料の供給原料が流れるための1つ以上のチャネルを含むことができる。
【0084】
第1の工程、配合は、粘着組成物をバッチ混合する、例えば、BRABENDER又はBANBURY密閉式ミキサーなどの市販の設備によって行われ得る。配合後、粘着剤は、他の供給原料と共に、ダイを通して押出又は共押出して、単一の工程で所望の粘着フィルム構造にすることができる。
【0085】
共押出は、押出コーティングの一種である。共押出は、典型的には、複数の溶融流を同時に溶融加工し、そのような溶融流を組み合わせて、単一の一体化された構造体又は共押出フィルムにすることを伴う。
【0086】
ブローフィルム及びキャスト押出プロセスは、単一の押出ダイを介して実施される共押出の種類である。ブローフィルムプロセスは、概して、後に壊れるチューブをもたらす。次いで、チューブは、2つのフィルムに分離されてもよく(例えば、スリット加工することによって)、又は単一のフィルムをもたらしてもよい(例えば、最も内側の層が自己結合する場合)。
【0087】
押出プロセスは全て、ダイを通して溶融温度以上で1種以上の供給原料を加工し、共押出フィルムの押出をもたらすことを伴う。共押出又はブローフィルムは、概して、共押出プロセス内に配置された全ての溶融した供給原料の複合体である。いくつかの実施形態では、共押出フィルム又はブローフィルムは、多層である。いくつかの実施形態では、層の少なくとも一部は、溶融状態で互いに接触している。いくつかの実施形態では、1つ以上の層は、押出中にわたって接触している(例えば、1つ以上の層は溶融するとすぐに接触する)。
【0088】
共押出フィルムは、例えば、配向によって更に加工されてもよい。フィルムの配向の一例は、二軸配向である。二軸配向は、概してダウンウェブ方向及びクロスウェブ方向に、フィルムを互いに垂直な2方向に延伸することを伴う。典型的な動作では、新たに押出された溶融フィルムをチルロール上に供給して、ダウンウェブ方向に短時間加熱及び延伸された急冷非晶質フィルムを製造し、次いで、中等度の加熱で横方向に延伸されるテンターフレームを通して実施される。ダウンウェブ方向の延伸は、2セットのニップロール間を通過することによって達成され得、第2のセットは、第1のものより高速で回転する。
【0089】
接着剤物品は、例えば、米国特許第5,660,922号(両面接着テープの共押出)及び米国特許第6,777,053号に示されるような押出技術で製造されており、これらの両方は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態は、剥離材ブレンドを含み、剥離フィルムを形成する。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2004-0127121号を参照されたい。
【0090】
共押出プロセス、及び共押出可能な組成物の使用は、多くの利点を有する。例えば、共押出は、追加のコーティング工程をなくし、全体的なコスト及び/又は時間を低減するより費用効率の高い効率的な製造プロセスをもたらす。また、共押出プロセスは、製造ラインのカーボンフットプリントを低減し、より持続可能かつ環境に優しいものにすることができる。更に、いくつかの実施形態では、共押出は、溶剤及び/又は水を必要としないため、このプロセスは、コスト面及び環境面で不利な溶剤破棄の必要がなくなる。
【0091】
いくつかの実施形態では、粘着及び/又は結合層又は結合部分を、バッキング/コア層又は部分の表面全体よりも小さく適用することが望ましい場合がある。このような構造を作製する1つの例示的な方法は、バッキング又はコア層又は部分の特定の領域のみに粘着剤コーティングを選択的に適用するスクリーンタイプのローラー又は回転式スクリーン印刷装置の使用を含む。あるいは、スプレーヘッド又は一連のスプレーヘッドを使用して、バッキング又はコア層又は部分上に、特定の又はランダムな粘着組成物のパターンを選択的に付着させてもよい。パターンは、所望の粘着性接着を達成するように配置することができる。いくつかの実施形態では、粘着材料又は層は、バッキング又はコア層又は部分の一方の主面の実質的(例えば、総面積の少なくとも75%)に適用される。いくつかの実施形態では、粘着材料又は層は、バッキング又はコア層又は部分の一方の主面の総面積の少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも97%、又は少なくとも99%に適用される。
【0092】
いくつかの実施形態では、バッキング又はコア材料又は層の両側に粘着組成物の少なくとも一部を置くことが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、このような構造はまた、バッキング主面と粘着層又は材料との間のコア又はバッキング層の各側上に結合層を含む。いくつかの実施形態では、これらの構造における粘着層のうちの少なくとも1つは、剥離ライナーに隣接している。
【0093】
いくつかの実施形態では、粘着物品は、例えば、ロール又は平坦なシートで作製されるか、又は作製されてもよい。構造がロール又はロール品として作製され、かつ/又は保管される実施形態では、粘着層又は材料は、実質的にそれ自体のみに粘着するため、粘着フィルム又は物品が巻かれるときに粘着剤コーティング表面が接触せず、ロールで保管されている間にシート材がそれ自体に粘着するのを防止するバリアが必要とされない。
【0094】
いくつかの実施形態では、粘着層又は材料は、印刷されるか、又は視覚的にマークされ得る。いくつかの実施形態では、粘着フィルムは、封止層の主面のうちの一方に印刷されるか、又は視覚的にマークされ得る。いくつかの実施形態では、粘着材料又は層の露出した主面は、印刷されるか、又は視覚的にマークされ得る。例えば、(例えば、フレキソ、グラビア、及び/又はスクリーン印刷)を含む、任意の既知の印刷技術を使用することができる。任意の既知のインク又は印刷材料を使用することができる。いくつかの実施形態では、コア又はバッキングは、視覚的にマーク又は印刷され得る。いくつかの実施形態では、例えばアンチブロッキング効果を含む固有の視覚効果を達成することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、粘着材料又は層上の直接印刷は、粘着フィルム及び/又は物品の性能を低下させることがある。例えば、印刷が層間にバリアを形成するので、印刷により層間の結合強度が低下することがある。このような場合、印刷又は可視マーキングは、粘着材料又は層に波長特定吸収粒子(例えば、二酸化チタン)を組み込むことによって達成され得る。次いで、レーザーを使用して、粘着材料に変化を起こすことなく印刷及び/又は可視マークを作製することができる。これは、不十分な封止結合及び粘着結合不良の発生を防止又は低減する。
【0096】
粘着材料を印刷又は可視マーキングする上記方法を記載する特許は、例えば、米国特許第9,132,506号及び同第8,771,919号に記載されており、これらの特許の両方は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0097】
粘着組成物及び粘着物品の例示的な使用
【0098】
本明細書に記載の粘着組成物及び物品は、粘着組成物及び/又は粘着物品又はフィルムが必要とされる任意の所望の状況で使用することができる。粘着組成物のいくつかの実施形態は天然ゴムを含まず、したがってラテックスアレルギーを引き起こさないので、使用中に使用者が粘着剤と物理的に接触する状況において、特に適用可能性を有し得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、粘着物品はフィルムであり、例えば、発送用途に使用可能な包装材料又は構造に使用される。この全般的なタイプの構造は、例えば、その全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第60/620031号に記載されている。このような製品の1つの例示的な実施形態が図5に示されており、パッケージ500は、外側層590に隣接する緩衝材層580に隣接する粘着フィルム570(すなわち、本明細書に記載の粘着物品又はフィルムのいずれか)を備える。
【0100】
他の実施形態では、粘着組成物及びフィルムは、止着システムに使用される。これらの実施形態では、止着システムは、基材及び第1の粘着フィルムを備える第1の止着要素と、基材及び第2の粘着フィルムを備える第2の止着要素と、を備える。いくつかの実施形態では、第1の粘着フィルム及び第2の粘着フィルムは、組成において同一である。他の実施形態では、第1の粘着フィルムの組成物は、第2の粘着フィルムの組成物とは異なる。これらの止着システムでは、第1の粘着組成物は、接触させたときに第2の粘着組成物に剥離可能に接着する。
【0101】
1つの例示的な実施形態では、止着システムは、例えばおむつなどの吸収性物品に使用される。概して、このようなおむつ止着システムは、接着剤式閉鎖システム、機械式閉鎖システム、又はその両方の組み合わせを含む。機械式閉鎖システムは、典型的には、フック様止着要素を備える。接着剤式閉鎖システムは、典型的には、おむつ上のランディングゾーンに接着される感圧接着剤(PSA)に依存する。感圧接着剤式閉鎖システムを使用する1つの欠点は、室温で粘着性であるこれらのPSAが、吸収性物品の他の部分に接着して、不適切な閉鎖をもたらすか、又は物品に損傷を与えるおそれがあることである。対照的に、本開示と一致する粘着組成物及びフィルムを備える止着システムは、それ自体にのみ接着し、したがって、前述の望ましくない影響は解消される。
【0102】
一態様では、本出願は、吸収性層及び止着システムを含む、吸収性物品に関する。一実施形態では、吸収性層は、バックシート、トップシート、及びそれらの間の吸収性コアを備え、止着システムは、第1の粘着フィルムを備える第1の止着要素及び第2の粘着フィルムを備える第2止着要素を備える。一実施形態では、第1の止着要素は、吸収性層の第1の部分上に、又はこれに隣接して配置され、第2の止着要素は、吸収性層の第2の部分上に配置される。いくつかの実施形態では、第1の粘着フィルム、第2の粘着フィルム、又は第1及び第2の粘着フィルムの両方が、吸収性層上に配置される。他の実施形態では、第1、第2の止着要素、又は両方の止着要素のいずれかは、粘着フィルムが配置される基材を備える。
【0103】
緩衝材層
【0104】
いくつかの実施形態では、緩衝材層580は、被発送物品又は被発送品の損傷を防止するために耐衝撃性及び/又は耐衝突性をもたらす。緩衝材層は、本明細書に記載される包装材料又は構造に梱包された品物に対する緩衝性をもたらす任意の所望の層とすることができる。いくつかの実施形態では、緩衝材層は、構造的一体性、衝撃吸収能力、可撓性、及び/又は発送箱などの他の構成要素との界面作用のうちの1つ以上をもたらすこともできる。いくつかの実施形態では、緩衝材層は、余分な発送費を避けるために、かつ/又は包装をより複雑にする及び/若しくは保管をより困難にする望ましくない嵩を避けるために、比較的薄い輪郭を有することが望ましい。
【0105】
いくつかの実施形態では、緩衝材層は単層である。いくつかの実施形態では、緩衝材層は、複数の層を含む。いくつかの実施形態では、緩衝材層は、物品が密封されているときに生じる衝撃及び振動のレベルを、好ましくは、物品の損傷にとっての臨界閾値未満に、抑えるように変形又は圧潰する材料から選択される。本明細書の緩衝部材に使用するのに好適な材料の例示的な例としては、発泡体層(foams layers)(発泡した発泡体(expanded foams)を含む)、気泡フィルム又は気泡ラップ、及び構造化ポリマー(例えば、ハニカム構造)のような材料が挙げられる。
【0106】
いくつかの実施形態では、緩衝材層は、気泡ラップ又は気泡フィルムを含む。本明細書で使用するとき、用語「気泡フィルム」は、緩衝性をもたらすことができる離間して突出した空気充填気泡を含む全てのしなやかなプラスチック材料を含むことを意味する。用語は、気泡ラップ、気泡パック、気泡紙、空気気泡パッキング、気泡ラッピング、及びエアロプラストと呼ばれる品物を含むことを意味する。気泡フィルムのいくつかの実施形態は、一方の表面に離間した複数の凹部を有するプラスチック材料の第1の薄い可撓性層と、第1の層の一方の表面に結合されて空気を凹部に封止するプラスチック材料の少なくとも第2の薄い可撓性層と、を含む。気泡フィルムとしては、例えば、プラスチック材料としてポリエチレン、例えば、線形低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び/又は高密度ポリエチレンを挙げることができる。しかし、例えばポリプロピレンなどの他の好適なプラスチックを使用してもよい。いくつかの市販の気泡フィルムとしては、例えば、Scotch(商標)Cushion Wrapが挙げられる。本譲受人に譲渡された米国特許出願第80523US002号に記載されている気泡フィルムも使用することができ、この出願は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0107】
いくつかの実施形態では、緩衝材層は発泡体を含む。例示的な発泡体としては、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、ポリプロピレン、及び/又はスチレンを挙げることができる。いくつかの実施形態では、発泡体は構造化されている。
【0108】
外側層
【0109】
外側層は、本明細書に記載される特徴の少なくともいくつかをもたらす任意の所望の外側層とすることができる。いくつかの実施形態では、外側層は単層である。いくつかの実施形態では、外側層は、複数の層を含む。以下により詳細に記載されるように、いくつかの実施形態では、外側層は、一重、二重、及び/又は三重のうちの少なくとも1つである。
【0110】
外側層が一重である実施形態では、外側層材料は、重量紙(例えば、クラフト紙など)、プラスチックフィルム(例えば、MYLAR(商標)など)、不織布材料(例えば、TYVEK(商標)など)、又は表面加工紙(例えば、アルミニウム被覆紙など)であってもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、外側層は、コーテッド紙、クラフト紙、又はボンド紙若しくは白色紙などのより高品質の紙とすることができる、紙層を含む。いくつかの実施形態では、紙は、装飾的な包装材料を得るために印刷可能であってもよく、及び/又は金属被覆されてもよい。いくつかの実施形態では、金属被覆された紙層は、その上に図柄を備えてもよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、外側層はプラスチックを含む。いくつかの実施形態では、プラスチックは、エンボス加工され、構造化され、又は補強される。いくつかの実施形態では、プラスチックは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステル、及び/又はこれらのいずれかのコポリマーのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、ポリエチレンは、線形低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び/又は高密度ポリエチレンのうちの少なくとも1つである。いくつかの実施形態では、プラスチックは、熱可塑性及び/又はオレフィン系材料である。プラスチックは、高い強度を付与するために一軸又は二軸配向されてもよい。最大強度のためには、二軸配向が好ましい場合がある。プラスチック層の1つ以上の表面が、それらの1つ以上にインク及び印字を受容しやすくするために、コロナ放電処理されてもよい。更に、装飾的なパッケージが望まれる場合、プラスチックは、真空蒸着によって金属被覆されてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、外側層は二重積層体である。いくつかの実施形態では、二重積層体は、紙/プラスチック積層体である。このようないくつかの実施形態では、紙層は、プラスチックフィルム層に積層される。例示的な別の二重外側層は、第1の紙層に接着剤で冷間積層される第1のコロナ放電処理面を有する不透水性プラスチックフィルムを含む積層体である。
【0114】
このようないくつかの実施形態では、紙層は、プラスチック層に冷間積層される。冷間積層プロセスは、ホットメルト接着剤などの他の接着剤を利用する場合よりもはるかに高速で本包装材料を製造することを可能にし、これは、例えば、確実な結合が達成される前にホットメルト接着剤を冷却するための追加の時間を要するためである。プラスチックフィルムを紙に接合するために冷間積層の代わりにホットメルト接着剤を使用した場合、接着剤の熱がフィルムを収縮させ、したがって強度を喪失させる可能性がある。また、ホットメルト接着剤は、接着剤が冷却するまでは最終的な結合強度を達成せず、その前にプラスチックフィルムが収縮することがある。更に、プラスチックフィルムの高強度領域と低強度領域との差により、しわがよった又はカールした製品が生じることが多い。冷間積層の使用は、一軸配向プラスチックフィルム又は二軸配向プラスチックフィルムを利用する場合に有利でもある。このようなフィルムが、高温で弛緩し、分子配向及び強度を喪失することが知られている。例えば、超音波駆動型密封バーを使用して、2枚の二軸配向ポリエステルフィルムを互いに継ぎ合わせて、フィルム内に内部摩擦及び熱を生じさせると、フィルムが軟化して融合し、弱い封止線がもたらされ、その結果、この線に沿ってシートが後で引き裂ける傾向がある。ホットメルト接着剤を使用してフィルムを紙に接合する場合など、配向フィルムが高熱にさらされる場合に、同様の問題が生じる。ホットメルト、溶剤系の水性、又は転写接着剤を利用した冷間積層により、高強度の積層体を製造することができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、二重構造(又はその一部分)がコロナ放電処理される。この処理は、第1のコロナ放電処理面が紙層に接着剤で積層される直前に、プラスチックに施されてもよい。これにより、プラスチックと紙との間の強力な結合が達成されて、第1及び第2の外側面が互いに反対側にある紙-プラスチックフィルム積層体を形成することができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、外側層は三重である。いくつかの実施形態では、上記の二重材料は、紙-プラスチック-紙の三重積層シート材を形成するための追加の紙層を更に含んでもよい。追加の紙層は、尖ったエッジを有する物体を包装するために、又は単純に、より高強度の包装材料が望まれるときに、望ましい場合がある。紙層が包装材料の内側及び外側を形成するので、それらには、緩衝材及び/又は粘着材料を適用する前に、図柄又は他のしるし(indicia)を容易に印刷することができる。これにより、包装材料は、パッケージの外側に1つの外観を有し、被発送品に面する材料の側に別の異なる外観を有することが可能になる。三重の紙/プラスチック/紙積層体を使用する場合、外側層の最も外側の部分に、シルクスクリーニングなどを含む様々な周知の技術のいずれか1つを使用して容易に印刷することができる。外側層の最も内側の部分(例えば、プラスチックフィルム)は、包装材料によって梱包される物品又は品物に耐湿性をもたらす。例示的な別の外側層は、第1及び第2の紙層に接着剤で冷間積層される第1及び第2のコロナ放電処理面を有する不透水性プラスチックフィルムを含む三重の積層体である。いくつかの実施形態では、外側層は3層よりも多くの層である。
【0117】
包装材料は、形成されたパッケージの外面又は内面にロゴ、メッセージ、広告、エンブレム、商標、又は単純に受取人情報などを印刷し得るように、印刷可能面を有することが望ましい場合がある。この点に関して、外側層は、印刷可能面を含むことができる。いくつかの三重の実施形態では、外側層は、図柄を示し得るようにインクを受容しやすくする第2のコロナ放電処理面を含んでもよい。
【0118】
材料の外側面には、しるし又は他の印刷情報を設けることができるようにする必要がある。材料自体がそのような印刷情報を受容しにくい場合、受容しやすくなるように材料を処理することができる。例えば、コロナ放電によって処理された外側面を有するポリエチレンのプラスチックフィルムに、次いで印刷することができ、又は印刷されたしるしを設けることができる。あまり好ましくないが、接着剤付きステッカー、ラベルなどによって、包装材料にしるしを付けることも可能である。
【0119】
いくつかの実施形態では、外側層は、約0.5ミル超の厚さを有する。外側層が紙であるいくつかの実施形態では、外側層は、約3ミル超の厚さを有する。
【0120】
いくつかの実施形態では、少なくとも一部分で、場合によっては、実質的に全体で、外側層が書き込み可能である(例えば、ペン、鉛筆、及び/又はマーカーなどの従来の筆記具で書き込みすることができる)。いくつかの実施形態では、これは、その特性を本質的にもたらす外側層の材料を選択することによって達成することができる。いくつかの実施形態では、これは、所望の筆記性及び/又は接着性を付与するように、選択された外側層の表面の少なくとも一部分を処理する(例えば、接着剤付き紙シート又はラベルを適用する)ことによって達成することができる。いくつかの実施形態では、接着性を付与することは、外側層の内側を処理することを伴い、これは、多層構造における接着剤及び/又は緩衝材層の結合も助ける。いくつかの実施形態では、これは、シェルの少なくとも選択された部分に好適なスキンを組み込むことによって達成される。
【0121】
加えて、所望の場合、包装材料の外面が金属被覆又はアルミニウム被覆される実施形態では、装飾的なパッケージが提供される。銀仕上げが望まれる場合、アルミニウム被覆面が好ましい。他の色が望まれる場合、例えば、銅、鉄、又は合金による、他の金属被覆処理を使用してもよい。
【0122】
いくつかの実施形態では、外側層は不透水性である。
【0123】
いくつかの実施形態では、外側層は、梱包された物品が発送中及び取り扱い中に安全かつ保護されたままであるように十分に耐引裂性及び耐スカッフ性である。
【0124】
いくつかの実施形態では、外側層は、断熱性、耐音響衝撃性、及び/又は放射線保護性のうちの少なくとも1つをもたらす1つ以上の材料を含む。
【0125】
使用方法:
【0126】
包装材料又は構造の使用は、単純で直感的に使える。包装材料がロール又はロール品の形態である場合、使用者は、ロールから材料の一部分を巻き出し、所望の部分を切断してロールから分離するか又は取り外す。包装材料が平坦な位置に準備される場合、材料は、単純に所望の長さに切断される。次いで、包装材料を、外側面を下側にして/平坦面に置き、粘着層を上側にして/使用者に露出した状態で、平坦面に置くことができる。図6に概略的に示すように、被発送品又は被発送物品610が、包装材料600の露出した粘着剤表面620に置かれる。粘着剤表面/材料620は、粘着材料がそれ自体のみに粘着するため、商品に粘着しない。いくつかの実施形態では、品物又は物品610を包装材料600の中心又は中央に置くのが好ましい場合がある。いくつかの実施形態では(図示するように)、品物又は物品610を、切断された包装材料600の第1又は第2の半分に配置するのが好ましい場合がある。
【0127】
図7に示すように、包装材料600は次いで、被発送物品又は被発送品610の上及び周りに折り畳まれる。この工程では、包装材料600の対向する粘着層又は材料でコーティングされた表面620が互いに接触し、それによって、被発送物品又は被発送品610を密封する。次に、使用者は、包装材料600を押し合わせて、互いに密着した又は直接隣接する粘着層620の間に緊密な結合又は封止をもたらす。この工程は、隣接する2つの粘着層620の間に粘着-粘着結合を形成し、自己閉鎖型及び/又はカスタムフィット型発送箱として機能するように、包装材料又は構造600を所望の構成に保持するための結合を生じさせる。このようにして、保護を有するが余分な材料を含まない封止されたパッケージが作り出される。
【0128】
あるいは、包装材料の1枚の一体シートで物品又は品物を包装する代わりに、包装材料の2枚の別個のシートを使用するのが望ましい場合があり、各シートの少なくとも一部分は、粘着材料の層を有する。包装材料の2枚のシートはそれぞれ、所望の長さに切断される。図8に示すように、第1の包装材料片802が、表面に平坦に配置され、郵送される物品又は品物810は、第1の包装材料片802の上に配置される。粘着材料又は層820は、粘着材料又は層820がそれ自体のみに粘着するため、被発送品810に粘着しない。第2の包装材料片804が、各包装材料片802及び804の粘着剤コーティングされた表面がそれぞれ互いに隣接するように、品物810及び第1の包装材料片802の上に配置される。次いで、使用者は、2つの層802及び804を押し合わせる。これにより、粘着材料又は層820を含む包装材料の直接隣接する部分が、粘着-粘着結合を形成し、物品又は品物が包装材料内に密封され、それによって自己閉鎖型及び/又はカスタムフィット型パッケージが形成されることを確実にする。
【0129】
包装材料は、手作業での梱包に使用することができる。この包装材料は、比較的頻繁には商品を郵送及び発送しない人々(例えば、ケアパッケージ又は誕生日ギフトを年に数回送る家事従事者)、及びEtsy又はeBayのようなオンラインサイト又はサービスを通じて品物を頻繁に発送する個人にとって非常に有益であり得る。この包装材料は、そのような使用者が、自身のニーズの全てに対して機能する単一の包装材料のみを保管する一方で、それらの品物の安全で保護された運送及び配送を確実にすることを可能にする。
【0130】
包装材料は、自動梱包装置でも使用することができ、得られたパッケージは、当該技術分野で概ね知られている機械によって自動的に梱包される。このような使用は、例えば、大量の商品を製造又は発送する企業又は会社に好まれる場合がある。この材料の使用は、商品の保護を確実にするが、発送コストを下げる。これは、品物の同一の又はより良好な保護をもたらしながら、より小さなパッケージが発送されるためである。更に、包装材料は、環境廃棄物を抑制するので、持続可能性目標を強化する。これは、(1)発送中により少ない空気が輸送され、(2)品物を安全に発送するのに使用される包装がより少なく、無駄がより少ないためである。
【0131】
一態様では、本明細書に記載される粘着フィルム及び組成物は、止着システムに使用される。一実施形態では、止着システムは、例えば、女性用衛生吸収性物品、おむつ又は失禁用ブリーフなどの吸収性物品に使用される。本出願による吸収性物品は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20170196739号に記載されている。例示的な吸収性物品は、図10及び図11に示される。具体的には、図10は、バックシート1100、トップシート1200、及びそれらの間の吸収性コア(図示せず)を備える、おむつ又は失禁用ブリーフ1000の等角図を示す。第1の止着要素1120は、吸収性物品の後側ウエスト部分、具体的には、後側ウエスト部分の内側に固定される。第2の止着要素1130は、吸収性物品の前側ウエスト部分、具体的には、前側ウエスト部分の外側に固定される。第1の止着要素1120は、基材1127及び第1の粘着フィルム1125を備える。第2の止着要素1130は、基材1140及び第2の粘着フィルム1135を備える。他の実施形態では、第1及び第2の止着要素は、基材1127、1140を含まず、第1及び第2の粘着フィルム1125、1135は、バックシート1100上に配置される。これらの実施形態では、任意選択の結合層が使用されてもよい(図示せず)。
【0132】
いくつかの実施形態では、おむつ又は失禁用ブリーフ1000は、第1の耳部1150a及び第2の耳部1150bを備える。耳部1150a及び1150bの両方は、おむつ1000の後側ウエスト部分から外側に延びる。これらの実施形態では、第1の止着要素は第1の耳部1150aの遠位端部分上に配置され、第2の止着要素1130はトップシート1200の遠位端部分上に配置され、その結果、第1の粘着フィルム1125が第2の粘着フィルム1135と接触して、おむつ1000を剥離可能に閉じる。
【0133】
図11は、閉鎖構成にある、図10に示されるおむつ1000の等角図を示す。特に、おむつ1000を閉じ、第1の止着要素1120を第2の止着要素1130に止着するために、おむつ1000の耳部1150a及び1150bが前側ウエスト部分に向かってシフトされることを確認することができる。
【0134】
利点:
【0135】
本開示の包装材料及び構造は、多くの利点を有する。これらの構造又は材料の利点の少なくとも一部は、以下のとおりである。包装材料は、より少ない空間を占有し、かつ/又はより小さな若しくはより薄い輪郭を有する一方で、より嵩張るか又はより厚い先行技術の実施形態と同じ保護をもたらす。結果として、包装材料は、保管棚及び使用者の住居又はオフィスの両方で、保管中により少ないスペースを占める。更に、それらの輪郭及び/又はサイズが抑えられるため、それらの発送にかかるコストが低くなる。これは、製造業者及び発送代金を支払う者にとっての利点であるのみならず、発送ごとに使用されるガスが少なく、発生する汚染が少ないため、持続可能性の利点でもある。
【0136】
更に、本明細書に記載される包装材料及び構造は、様々なサイズ及び形状の物品を包装することができる。使用者は、使用される材料及び作り出されるパッケージのサイズ及び形状を完全に制御することができる。このようにして、作り出される発送箱又はパッケージを真にカスタムメイドすること及び/又はカスタムフィットすることができる。これは、環境廃棄物及び/又は余分な発送コストを生むことなく、被発送品を完全に保護することも確実にする。
【0137】
本開示の止着システムは、自己嵌合、又はそれ自体への共接着の能力を含み、それらが接着される物品の適切な閉鎖を確実にすることを含む、多くの利点を有する。
【0138】
いくつかの実施形態では、粘着層又は材料は、それ自体に共接着性である一方で、全ての表面に対して、実質的に粘着すること、損傷させること、又は、表面を台無しにするか及び/若しくは品物を損傷させるであろう残留物を残すことなく、接触することができる。いくつかの実施形態では、接着剤は、被発送物品からきれいに剥離する(すなわち、物品を損傷することなく)一方で、発送中に物品の周りに発送箱を固定するように、それ自体及び別の粘着剤表面に十分に強く接着する。粘着層又は材料は、パッケージが発送されている間に所望の構成又は向きで接着又は結合されたままであるのに十分な強力な結合を作り出すように、それ自体に対して、及び緩衝材層の他の表面に対して、十分に接着性であることが好ましい。これは、様々な温度(例えば、7月にアリゾナ砂漠を通過するトラックの暑さ、及び1月にアラスカの顧客のドアステップの外にある)での移動を含む場合がある。これは、運送中及び配送中にパッケージを押すこと及び投げることも含む場合がある。
【0139】
いくつかの実施形態では、粘着物品は、30gf未満の粘着力、200g/in未満の粘着性以外の表面への接着性、200g/inを超えるT型剥離を有し、ポップオープン試験に合格し、全ての試験は本明細書に記載されるように行われる。いくつかの実施形態では、粘着物品は、20gf未満の粘着力、150g/in未満の粘着性以外の表面への接着性、400g/inを超えるT型剥離を有し、ポップオープン試験に合格し、全ての試験は本明細書に記載されるように行われる。いくつかの実施形態では、粘着物品は、10gf未満の粘着力、100g/in未満の粘着性以外の表面への接着性、600g/inを超えるT型剥離を有し、ポップオープン試験に合格し、全ての試験は本明細書に記載されるように行われる。
【0140】
いくつかの実施形態では、本開示の粘着組成物及び/又は物品は、粘着力がASTM D2979に従って測定したときに、30gf未満、又は25gf未満、又は20gf未満、又は15gf未満、又は10gf未満の粘着力を有する。
【0141】
いくつかの実施形態では、本開示の粘着組成物及び/又は物品は、180°剥離角及び90インチ/分のクロスヘッド速度でインストロンを使用したPSTC-101試験方法Aに従って測定された200g/in未満、又は175g/in未満、又は150g/in未満、又は125g/in未満、又は100g/in未満、又は75g/in未満、又は50g/in未満の粘着性以外の表面への接着性を有する。
【0142】
いくつかの実施形態では、本開示の粘着組成物及び/又は物品は、12in/分のクロスヘッド速度でインストロンを使用したASTM D-1876に従って測定されたときに、200g/in超、又は300g/in超、又は400g/in超、又は500g/in超、又は600g/in超、又は700g/in超のT型剥離を有する。
【0143】
いくつかの実施形態では、粘着物品は、本明細書に記載される他の性能特性のうちの1つ以上に加えて、ポップオープン試験に合格する。
【0144】
以下の実施例は、本開示の範囲内に含まれる、いくつかの例示的な粘着組成物の構造、粘着物品、並びに粘着組成物及び物品の製造方法について記載する。以下の実施例は、本開示の範囲内の様々な実施形態のいくつかの例示的な構造及び構造化法について説明する。以下の実施例は例示を目的とするが、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例
【0145】
本明細書の実施例及び他の箇所における全ての部、百分率、比などは、別途指示がない限り、重量に基づくものである。以下の略語を使用する:cm=センチメートル、mm=ミリメートル、in=インチ、m=メートル、RPM=回転/分、kg=キログラム、oz=オンス、lb=ポンド、Pa=パスカル、min=分、hr=時間、gsm=グラム/平方メートル(g/m)、DW=ダウンウェブ(あるいはMD=機械方向)、CW=クロスウェブ、lbf=ポンド力、N=ニュートン、PHR=ゴム100部当たりの部。「重量%(weight%)」、「重量%(% by weight)」、及び「重量%(wt%)」という用語は区別なく使用される。
【0146】
実施例1~7及び比較例A~C
【0147】
実施例1~7及び比較例A~Cで使用した材料に関する情報を以下に列挙する。
【0148】
【表1】
【0149】
表1~4に列挙した成分を、250rpm、300°F、及び10lb/時のスループットで二軸スクリュー押出機内にて配合して、予め配合された接着剤のロープを形成することによって、粘着組成物1~7及び比較例A~Cを調製した。表2は、ゴム100部当たりの部で組成を示す。表3は、成分の重量%での組成を示す。表4は、ゴム、TPE、及び充填剤(ゴム、TPE、及び充填剤は、ゴム、TPE、及び充填剤の総重量に基づく)の重量%での組成を示し、熱及びUV安定剤は、ゴム+TPE+充填剤の100部当たりの部(pph)である。表5は、全ての成分が重量%で列挙される組成を示す。
【0150】
【表2】
【0151】
【表3】
【0152】
【表4】
【0153】
【表5】
【0154】
上記に列挙した粘着組成物を使用して、様々な粘着フィルムを作製した。これらの粘着フィルムに使用した材料に関する情報を、以下の表6に提供する。
【0155】
【表6】
【0156】
7層の粘着フィルムを7層のパンケーキ型積層体ダイ(Labtech EngineeringのタイプLF-400 Coex 7-layer)上で製造した。ダイへの気流を手動で調節して、約2:1のブローアップ比を達成した。続いて、気泡をダイの約6フィート(2メートル)上で壊し、ローラーを通過させ、端をスリットして2つの独立したフィルムを製造し、次いで、それぞれを3インチ(7.5cm)のコア上に巻き、巻き取った。供給材料は、7つの独立した(3/4インチ)20mm直径の押出機(それぞれLabtech Scientific Single Screw Extruder Type LE20~30/C HAであった)によって供給された。
【0157】
層1~6は、当該技術分野において既知のように、ポリマーペレット及びマスターバッチ化合物ブレンドを使用して供給された。層7(外側の気泡層)は、加熱されたホースを介して押出機#7に接続された二軸スクリュー押出機に、粘着材料(以下に記載)の「ロープ」を予め配合することによって供給された。加工条件及び調合物は以下のとおりであった:
【0158】
押出機1~7の温度:それぞれ360°F、390°F、390°F、390°F、390°F、330°F、及び360°F。
【0159】
ダイ温度及びアダプター温度:390°F
【0160】
各層1~6の厚さはそれぞれ0.33ミルであった。層7の厚さは0.50ミルであった。
【0161】
各構造の組成は、以下の表7に記載されているとおりであった。
【0162】
【表7】
【0163】
以下の表8~11に列挙される(かつ、上記表1に記載される)成分を、以下の表12に列挙される加工条件で二軸スクリュー押出機に配合して、接着剤のペレットを形成することによって、粘着組成物15~18を調製した。表8は、ゴム100部当たりの部で組成を示す。表9は、成分の重量%での組成を示す。表10は、ゴム、TPE、及び充填剤(ゴム、TPE、及び充填剤は、ゴム、TPE、及び充填剤の総重量に基づく)の重量%での組成を示し、熱及びUV安定剤は、ゴム+TPE+充填剤の100部当たりの部(pph)である。表11は、全ての成分が重量%で列挙される組成物を示す。
【0164】
【表8】
【0165】
全てPPHR(ゴム100部当たりの部)
【0166】
【表9】
【0167】
【表10】
【0168】
【表11】
【0169】
実施例15~18の粘着組成物を作製するために使用した加工条件は、以下の表12に提示される。
【0170】
【表12】
【0171】
上の表8~12に列挙した粘着組成物を使用して、様々な粘着フィルムを作製した。これらの粘着フィルムに使用した材料に関する情報を、以下の表13~16に提示する。
【0172】
【表13】
【0173】
9層の粘着フィルムを9層のパンケーキ型積層体ダイ(Labtech EngineeringのタイプLF-400 Coex 7-layer)上で製造した。ダイへの気流を手動で調節して、約2:1のブローアップ比を達成した。続いて、気泡をダイの約30フィート上で壊し、ローラーを通過させ、端をスリットして2つの独立したフィルムを製造し、次いで、それぞれを6インチのコア上に巻き、巻き取った。供給材料は、9つの独立した(3/4インチ)20mm直径の押出機(それぞれLabtech Scientific Single Screw Extruder Type LE20~30/C HAであった)によって供給された。
【0174】
層1~9は、当該技術分野において既知のように、ペレット及びマスターバッチ化合物ブレンドを使用して供給された。プロセス条件及び調合物は以下のとおりであった:
【0175】
押出機の直径及び温度、並びにスクリーン及びアダプター温度は、以下の表14に示されるとおりであった。
【0176】
【表14】
【0177】
各構造の組成は、以下の表15に記載されているとおりであった。
【0178】
【表15】
【0179】
層の厚さは、以下の表16に示すとおりであった:
【0180】
【表16】
【0181】
実施例8~14、比較例D~F、及び実施例19~22の得られた粘着フィルムを様々な方法で試験した。使用した試験方法を以下に記載した。
【0182】
粘着力試験
【0183】
ASTM D-2979に従ってTexture Technologies,Corpから入手可能なTA-XT2iテクスチャアナライザを使用して、7層の粘着フィルム又は9層の粘着フィルムの粘着層又は粘着部分の粘着力を測定した。多層粘着フィルムは、粘着剤表面が上向きになるように、黄銅固定具(Texture Technologies,Corpから供給されているTack Rig 10の部品番号A)に保持した。7mmのステンレス鋼プローブを、100グラムの力を上向きの粘着層に作用させるまで、多層フィルムの粘着層と接触させた。1秒の接触時間の後、プローブを毎秒0.5mmの速度で上昇させ、接着力をテープからのプローブの距離の関数として測定した。次いで、粘着力をピーク除去力(グラム単位)で記録した。
【0184】
被着体表面への接着試験
【0185】
7層又は9層の粘着フィルムをBOPP(二軸配向ポリプロピレン)感圧接着テープ(3M Coから販売されている、Scotch(登録商標)Heavy Duty Shipping tape#3850を使用した)に積層し、粘着フィルムが試験中に延びるのを防止した。得られた構造を試験される被着体に接着させた。試験した様々な被着体基材は、ポリプロピレン(PP)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PET)、ナイロン6,6、及びガラスであった。得られた積層試料を120°Fオーブン中で24時間エージングした。エージング後、積層試料を一定の温度(72°F)及び湿度(50%RH)の室内で24時間放冷し、180°剥離角及び90インチ/分のクロスヘッド速度でインストロンを使用したPSTC-101試験方法Aに従って試験した。
【0186】
T型剥離試験
【0187】
7層又は9層の粘着フィルムをBOPP(二軸配向ポリプロピレン)感圧接着テープ(3M Coから販売されている、Scotch(登録商標)Heavy Duty Shipping tape#3850)に積層し、粘着フィルムが試験中に延びるのを防止した。得られた試料(粘着フィルム+BOPP)の1インチ×8インチ片を切断した。フィルムは、粘着層が互いに接触するように、フィルム自体の上に折り畳まれた。次いで、2kgの硬質ゴムローラーを、90インチ/分の速度で各方向に(長さ方向及び逆向き長さ方向に)1回通過させた。得られた粘着された多層積層体を、12インチ/分のクロスヘッド速度でインストロンを使用して、ASTM D-1876に従ってT型剥離について試験した。
【0188】
発送(パッケージポップオープン)試験
【0189】
3M Companyから販売されているScotch(登録商標)Bubble Cushion Mailerを、まず、第1の(外側)主面を形成する保護ポリエチレン外側層及び第2の(内側)主面を形成する気泡層を有する平坦な開放シートに切り開くことによって、包装構造を準備した。3M Companyから販売されている3M 9472LE永久転写接着剤を使用することにより、多層粘着フィルムの層1をシート状容器(sheeted mailer)の気泡層に接合した。転写接着剤は、重なり合わない又は最小限の重なりを有する気泡層の表面積の100%に適用した。結果は、ポリエチレン外側層、気泡層、接着剤層、及び粘着性多層構造の層状の構造であった。この構造は、この試験において積層体と呼ばれる。
【0190】
得られた積層体を、6インチ×11インチのシートに切断した。このシートを使用して、3インチ×3インチ×2インチのキューブ(例えば、5パッドの3インチ×3インチの3M Company製のPost-it(登録商標)Super Sticky notes,3M 654-5SSY)を梱包した。これは、ノートパッドが全積層体サイズの等分の中心に置かれるように、ノートパッドを積層体の粘着部分上に配置し、ノートパッドに残りの積層体を梱包することによって行われた。したがって、ノートパッドの全ての側面は、積層体で覆われた。過剰な積層体(約1インチ)は、互いに直接隣接する粘着部分が一緒に粘着するように、一緒に押圧した。梱包後、梱包されたパッケージを室温で24時間静置した。実施例19~22でのみ、梱包されたパッケージを、24時間の「待機」期間中に150°F環境に置いた。「不合格」評価は、24時間待機期間中にパッケージがポップオープンしたことによってなされる。24時間待機期間中にポップオープンしなかった全てのパッケージは、試験に「合格」したとみなされた。
【0191】
異なる実施例及び比較例についての上記試験の結果は、以下のとおりであった。
【0192】
【表17】
【0193】
【表18】
【0194】
本文書と、参照によりかく組み込まれている任意の文書との間に相反する使用法が生じた場合には、本文書における使用法が支配する。
【0195】
本文書において、用語「a」又は「an」は、特許文書において一般的であるように、任意の他の例、あるいは「少なくとも1つの(at least one)」又は「1つ以上の(one or more)」の使用と無関係に、1つ又は1つ以上を含むように用いられる。本文書において、用語「又は」は、非排他的な「又は」を指し、そのため、「A又はB」は、別途指示のない限り、「Aであるが、Bでない」、「Bであるが、Aでない」、及び「A及びB」を含む。本文書において、「含む(including)」及び「そこで(in which)」という用語は、対応する用語「備える/含む(comprising)」及び「そこで(wherein)」の平易な英語の同義語として使用される。また、添付の請求項において、用語「~を含む(including)」及び「~を備える(comprising)」はオープンエンドなものである。すなわち、請求項においてこのような用語の後に列挙された要素に加えて別の要素を含むシステム、装置、物品、組成物、調合物、又はプロセスは、依然として、その請求項の範囲内に含まれるとみなされる。更に、添付の請求項において、「第1の(first)」、「第2の(second)」、及び「第3の(third)」などの用語は、単に標示として使用され、それらの対象に数値的要件を課すことを意図していない。
【0196】
詳細な説明及び特許請求の範囲における、第1、第2、第3などの用語は、類似の要素同士を区別するために使用されるものであり、必ずしも順序又は時系列を説明するものとは限らない。そのように使用される用語は適切な状況下では互換的であること、及び本明細書に記載の本発明の実施形態は本明細書に記載又は例示したもの以外の順序で機能できるということを理解されたい。
【0197】
更に、詳細な説明及び特許請求の範囲における、上部、底部、上、下などの用語は、説明の目的で使用されるものであり、必ずしも相対的な位置を説明するものとは限らない。そのように使用される用語は適切な状況下では互換的であること、及び本明細書に記載の本発明の実施形態は本明細書に記載又は例示したもの以外の向きで機能できるということを理解されたい。
【0198】
端点による値範囲の記載は全て、その範囲内に含まれる全ての数を含むよう意図される(すなわち、1~10の範囲には、例えば、1、1.5、3.33、及び10が含まれる)。
【0199】
上記の説明は例示であることが意図されており、限定的であるとは意図されていない。例えば、上述した実施例(又はそれらの1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて用いることができる。当業者によって、上述の説明を検討するなどすることで、他の実施形態が用いられることも可能である。読者が技術的開示の本質を迅速に把握することを可能にするべく、米国特許法施行規則第1.72条(b)項に従うために要約書が提供されている。要約書は、請求項の範囲又は意味を解釈又は限定するために用いられることはないという了解の下で提示される。また、上述の発明を実施するための形態では、本開示を合理化するために様々な特徴が1つにまとめられている場合がある。これは、クレームされていない開示された特徴がいずれかの請求項に必須であることを意図するものと解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴に存し得る。それゆえ、添付の請求項は本明細書において実施例又は実施形態として発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は別個の実施形態として自立し、係る諸実施形態は様々な組み合わせ又は順列で互いに組み合わせることができることが企図されている。本開示の範囲は、添付の請求項を、係る請求項が主張する権利がある均等物の全範囲と併せて参照して決定することができる。
【0200】
当業者であれば、上述の実施形態及び実施態様の詳細には、それらの基礎をなす原理を逸脱することなく多くの変更が行われ得ることを理解するであろう。更に、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本開示に対する様々な改変及び変形が、当業者にとっては明らかであろう。したがって、本出願の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ決定されるべきである。
本発明は以下の態様を包含する。
(1)約30~約70重量%のゴムと、
約10~約50重量%の熱可塑性エラストマーと、
約10~約45重量%の充填剤と、
を含む、粘着組成物であって、
前記重量%が、ゴム+熱可塑性エラストマー+充填剤の総重量に基づく、
粘着組成物。
(2)前記粘着組成物は、押出可能であり、かつ/又はフィルムとしてブローされることが可能である、項目1に記載の粘着組成物。
(3)約35重量%~約65重量%のゴムを含む、
項目1又は2に記載の粘着組成物。
(4)前記ゴムは、天然ゴム、合成ゴム、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、項目1~3のいずれかに記載の粘着組成物。
(5)前記合成ゴムは、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリクロロプレンゴム、ニトリルゴム、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つである、項目4に記載の粘着組成物。
(6)前記合成ゴムは、1,4シスポリイソプレンである、項目5に記載の粘着組成物。
(7)約15重量%~約45重量%の熱可塑性エラストマーを含む、項目1~6のいずれかに記載の粘着組成物。
(8)前記熱可塑性エラストマーは、スチレン-イソプレン-スチレン、スチレン-イソプレン/ブタジエン-スチレン、スチレン-ブタジエン-スチレン、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、項目1~7のいずれかに記載の粘着組成物。
(9)前記熱可塑性エラストマーは、前記熱可塑性エラストマーの総重量に基づいて約10重量%~約50重量%の全体的なスチレン単位の総含有量を有する、項目1~8のいずれかに記載の粘着組成物。
(10)前記熱可塑性エラストマーは、スチレン-イソプレン、スチレンブタジエンイソプレン、スチレンイソプレンブタジエン、スチレン-ブタジエン、スチレン-エチレン/ブタジエン、スチレン-エチレン-プロピレン、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、項目1~9のいずれかに記載の粘着組成物。
(11)前記熱可塑性エラストマー中のジブロックコポリマーの重量パーセントは、前記熱可塑性エラストマーの総重量に基づいて40重量%未満である、項目10に記載の粘着組成物。
(12)前記熱可塑性エラストマーは、約25℃の周囲温度で非粘着性であり、動的機械式レオメーターによって約1Hzの周波数で測定したときに、25℃で3×10 Paを超える貯蔵弾性率を有する、項目1~11のいずれかに記載の粘着組成物。
(13)前記充填剤は、膨張パーライト、微小球、膨張性微小球、セラミック球、ゼオライト、粘土充填剤、ガラスビーズ、シリカ型充填剤、ヒュームドシリカ、繊維、ナノ粒子、タルク、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン及び二酸化ケイ素、珪藻土、ワックス、並びにこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、項目1~12のいずれかに記載の粘着組成物。
(14)前記粘着組成物は、前記粘着組成物中のゴム及び熱可塑性エラストマーの総重量に基づいて20重量%未満の粘着付与剤及び/又は可塑剤含有量を有する、項目1~13のいずれかに記載の粘着組成物。
(15)ゴム及び熱可塑性エラストマー総量100部当たり約0.1~約10部のUV及び/又は熱安定剤を更に含む、項目1~14のいずれかに記載の粘着組成物。
(16)前記UV及び/又は熱安定剤は、アミン、フェノール、ジチオカルバメート、Tinuvian安定剤、及びUV吸収剤のうちの少なくとも1つを含む、項目15に記載の粘着組成物。
(17)項目1~16のいずれかに記載の粘着組成物を含む粘着部分と、
前記粘着部分に隣接するバッキング部分と、
を備える、粘着物品。
(18)前記粘着部分と前記バッキング部分との間に結合層を更に備える、項目17に記載の粘着物品。
(19)封止層を更に備える、項目17又は18に記載の粘着物品。
(20)前記バッキング部分は、プラスチック、不織布、紙、金属箔、発泡体、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、項目17~19のいずれかに記載の粘着物品。
(21)前記プラスチックは、ポリプロピレン、一軸又は二軸配向ポリプロピレン、ビニル、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、項目19に記載の粘着物品。
(22)前記封止層は、熱可塑性エラストマーを含む、項目19~21のいずれかに記載の粘着物品。
(23)前記熱可塑性エラストマーは、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-イソプレン/ブタジエン-スチレン(SIBS)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)、及びスチレン-エチレン/プロピレン-スチレン(SEPS)からなるトリブロックコポリマー、並びにスチレン-イソプレン、スチレンブタジエンイソプレン、スチレンイソプレンブタジエン、スチレン-ブタジエン、スチレン-エチレン/ブタジエン、及びスチレン-エチレン-プロピレンからなるジブロックコポリマー、並びにこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、項目22に記載の粘着物品。
(24)前記封止層は、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー、熱可塑性エラストマー、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、項目19~23のいずれかに記載の粘着物品。
(25)複数の前記層が、共押出されている、項目17~24のいずれかに記載の粘着物品。
(26)前記層の少なくとも一部は、多層である、項目17~25のいずれかに記載の粘着物品。
(27)被着体表面に対する接着性は、PSTC-101;方法Aに従って測定したとき、200グラム/インチ未満である、項目17~26のいずれかに記載の粘着物品。
(28)ASTM D1876に従って測定したとき、T型剥離が400グラム/インチ超である、項目17~26のいずれかに記載の粘着物品。
(29)項目17~28のいずれかに記載の粘着物品と、
緩衝材層と、
外側層と、
を備える、多層包装材料。
(30)前記緩衝材層は、気泡ラップ又は発泡体のうちの少なくとも1つを含む、項目29に記載の多層包装材料。
(31)前記外側層は、紙、プラスチック、及び/又は不織布のうちの少なくとも1つである、項目29又は30に記載の多層包装材料。
(32)前記外側層は、一重、二重、又は三重のうちの少なくとも1つである、項目29~31のいずれかに記載の多層包装材料。
(33)前記包装材料は、本明細書に記載された発送試験に合格する、項目29~32のいずれかに記載の多層包装材料。
(34)項目1~15のいずれかに記載の粘着組成物を得ることと、
前記粘着組成物をバッキングに隣接して配置することと、
を含む、粘着物品の製造方法。
(35)前記粘着組成物を前記バッキングに隣接して配置することは、前記粘着組成物及び前記バッキングを押出又は共押出することを含む、項目34に記載の方法。
(36)前記粘着組成物と前記バッキングとの間に結合層又は結合部分を配置することを更に含む、項目34又は35に記載の方法。
(37)前記粘着組成物と前記バッキングとの間に前記結合層又は結合部分を配置することは、前記結合層を前記粘着組成物及び前記バッキングと共押出することを含む、項目36に記載の方法。
(38)前記バッキングに隣接して封止層を配置することを更に含む、項目35~37のいずれかに記載の方法。
(39)前記バッキングに隣接して前記封止層を配置することは、前記封止層を前記粘着組成物及び前記バッキングと共押出することを含む、項目38に記載の方法。
(40)第1の粘着フィルムを含む第1の止着要素と、
第2の粘着フィルムを含む第2の止着要素と、
を備える、止着システムであって、
前記第1及び第2の粘着フィルムが、項目1~16のいずれかに記載の粘着組成物を含む、止着システム。
(41)前記第1の止着要素又は前記第2の止着要素のうちの少なくとも一方は、基材を更に備える、項目20に記載の止着システム。
(42)前記第1の粘着フィルム及び前記第2の粘着フィルムは、組成において同一である、項目40に記載の止着システム。
(43)バックシート、トップシート、及びそれらの間に配置された吸収性コアを含む吸収性層と、
項目40~42のいずれかに記載の止着システムと、
を備える、吸収性物品。
(44)前記第1の止着要素が前記バックシート上に配置され、前記第2の止着要素が前記トップシート上に配置される、項目43に記載の吸収性物品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11