IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴィシャイ ジェネラル セミコンダクター,エルエルシーの特許一覧

特許7545957導電性膜を備えた側壁メッキ用パッケージ方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】導電性膜を備えた側壁メッキ用パッケージ方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/50 20060101AFI20240829BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H01L23/50 D
H01L21/56 R
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021507844
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 US2020017131
(87)【国際公開番号】W WO2021133419
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】201911347346.8
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521062505
【氏名又は名称】ヴィシャイ ジェネラル セミコンダクター,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ロンナン
(72)【発明者】
【氏名】カラー,ハインリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】リュー,ジュンフェン
(72)【発明者】
【氏名】ディン,フイイン
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,トーマス
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0181122(US,A1)
【文献】特開2012-074517(JP,A)
【文献】特開2016-219520(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0258273(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/50
H01L 21/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージアセンブリから半導体ダイパッケージを製造する方法であって、
少なくともそれぞれが上面および底面を有する第1リード部および第2リード部と、この第1リード部の前記上面上の第1集積回路ダイと、この第2リード部の前記上面上の第2集積回路とを有するリードフレームを用意し、
前記リードフレームの少なくとも一部および前記第1集積回路ダイの少なくとも一部および前記第2集積回路を、上部主面および底部主面を有する成形封入部に封入し、
前記第1リード部および前記第2リード部の前記底面に第1電気メッキを行い、
前記成形封入部の前記上面に接続膜を成膜し、
前記成形封入部の前記上部主面を介して前記第2リード部の前記底面の第1電気メッキ部を切り進めて、前記第2リード部の第1リード側壁および第2リード側壁が露出したチャネル部を形成し、
導電性膜を成膜して、前記第1リード部の前記底面と前記第2リード部の前記底面とを接続し、
前記接続膜を取り外し、
前記チャネル部を介して、前記第1リード側壁および前記第2リード側壁に第2電気メッキを行い、そして
前記導電性膜を取り外す、
ことを特徴とするパッケージアセンブリから半導体ダイパッケージを製造する方法。
【請求項2】
前記切り進め時に、さらに、前記接続膜に部分的なカット部を形成する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1電気メッキおよび前記第2電気メッキのメッキ材が少なくともスズ材およびスズ合金材のどちらかを有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記チャネル部が前記第2リード部を2つの部分に分離する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1リード部上の前記第1集積回路ダイをボンディングワイヤによって前記第2リード部の前記2つの部分のうちの第1部分に電気的に接続する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2集積回路が前記第2リード部の前記2つの部分のうちの第2部分上にある請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1リード部の前記底面および前記第2リード部の前記底面をメッキする際に、
前記パッケージアセンブリを溶液に浸漬し、
電源を前記リードフレームおよび前記溶液内のメッキ材に電気的に結合し、そして
前記電源によって電流を前記リードフレームに印加する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
パッケージアセンブリから半導体パッケージを製造する方法であって、
少なくともそれぞれが上面および底面を有する第1リード部および第2リード部と、この第1リード部の前記上面上の第1集積回路ダイと、この第2リード部の前記上面上の第2集積回路とを有するリードフレームを用意し、
前記リードフレームの少なくとも一部および前記第1集積回路ダイの少なくとも一部および前記第2集積回路を、上部主面および底部主面を有する成形封入部に封入し、
前記第1リード部の前記底面および第2リード部の前記底面に第1電気メッキを行い、
導電性膜を成膜して、前記第1リード部の前記底面および前記第2リード部の前記底面を接続し、
前記成形封入部、前記第2リード部、および前記第2リード部の前記底面上の前記第1電気メッキを切り進めて、前記第2リード部の第1リード側壁および第2リード側壁が露出したチャネル部を形成し、
前記チャネル部を介して、前記第1リード側壁および前記第2リード側壁に第2電気メッキを行い、そして
前記導電性膜を取り外す、
ことを特徴とするパッケージアセンブリから半導体パッケージを製造する方法。
【請求項9】
前記切り進め時に、さらに、前記導電性膜に部分的なカット部を形成する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記チャネル部が前記第2リード部を2つの部分に分離する請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1リード部上の前記第1集積回路ダイをボンディングワイヤによって前記第2リード部の前記2つの部分のうちの第1部分に電気的に接続する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2集積回路が前記第2リード部の前記2つの部分のうちの第2部分上にある請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1リード部の前記底面および前記第2リード部の前記底面をメッキする際に、
前記パッケージアセンブリを溶液に浸漬し、
電源を前記リードフレームおよび前記溶液内のメッキ材に電気的に結合し、そして
前記電源によって電流を前記リードフレームに印加する請求項8に記載の方法。
【請求項14】
それぞれがダイ表面およびメッキ面を有する複数のリード部と、このダイ表面に設けた集積回路ダイとを有するリードフレームアセンブリからリード側壁濡れ性半導体ダイパッケージを製造する方法であって、
対向する第1主面および第2主面を有する成形封入部内に前記リードフレームアセンブリを部分的に埋設し、
前記複数のリード部それぞれの前記メッキ面に第1電気メッキを行い、
前記成形封入部の前記第1主面に第1接続膜を成膜し、
前記リードフレームアセンブリを個々の半導体パッケージに単体化し、単体化する際に、
前記成形封入部の前記第2主面を介して第1方向にそって前記第1接続膜またはこの第1接続膜の一部までの深さに第1の一連の平行カット部を形成し、
前記第1方向に対して実質的に垂直な第2方向にそって、前記成形封入部の前記第2主面、前記複数のリード部それぞれ、および前記複数のリード部それぞれの電気メッキ部を切り進んで前記第1接続膜または前記第1接続膜の一部までの深さに第2の一連の平行なカット部を形成して、前記複数のリード部それぞれの第1リード側壁および第2リード側壁が露出するチャネル部を形成し、
前記複数のリード部それぞれの前記メッキ面に第2接続膜を成膜し、
前記第1接続膜を取り外して、個々のリード側壁濡れ性半導体パッケージを分離し、
前記チャネル部を介して前記複数のリード部それぞれの前記第1リード側壁および前記第2リード側壁に第2電気メッキを行う
ことを特徴とする前記方法。
【請求項15】
各回路ダイをボンディングワイヤによって隣接リード部に電気的に接続する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のリード部それぞれのメッキ面をメッキする際に、
前記複数のリード部それぞれの前記メッキ面にメッキ材を供給し、
これら複数のリード部に電源を電気的に結合し、そして
この電源によって前記複数のリード部に電流を印加する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1接続膜を取り外す際に、前記第1接続膜を取り外してから、前記複数のリード部それぞれの前記第1リード側壁および前記第2リード側壁に第2電気メッキを行う請求項14に記載の方法であって、
さらに、前記複数のリード部それぞれの前記第1リード側壁および前記第2リード側壁に第2電気メッキを行った後に前記第2接続膜を取り外す方法。
【請求項18】
さらに、前記複数のリード部それぞれの前記メッキ面を成膜してから、前記成形封入部に前記リードフレームアセンブリを埋設し、そして
この膜を取り外してから、前記複数のリード部それぞれの前記メッキ面に前記第1電気メッキを行う請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記第1リード部および前記第2リード部の前記底に前記導電性膜を接続した状態で、前記成形封入部、前記第2リード部、および前記第2リード部の前記底面上の前記第1電気メッキを切り進めて、前記チャネル部を形成する請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
リード部のないリードレス半導体ダイパッケージの場合、集積回路ダイ(またはダイス)をプリント回路基板(PCB)にフラットリードを使用して電気的かつ物理的に結合する。この場合、プリント回路基板(PCB)に延在するスルーホールは使用しない。これら半導体ダイパッケージは“リードなし”または“リードレス”パッケージと呼ばれているが、本発明では用語“リード部”はフラットなリードなしパッケージ上に存在するフラットな導体パッドを指すものとする。これら半導体ダイパッケージは、パッケージの外周を超えて延在するリード部が無いという意味では“リード部”をもたない。フラットなリードなしパッケージは“QFN”パッケージ(quad flat no-leads package)として分類することができ、パッケージの4側面すべてにリード部を有し、また“DFN”パッケージ(dual flat no-leads package)としても分類することができ、これは2つの対向側部にリード部を有する。これら半導体ダイパッケージ内部では、一つかそれ以上の集積回路ダイが非導電性成形材内に封入されている。銅などの金属からなる導電性リードフレームが半導体ダイパッケージの内部素子に結合し、PCBに電気的に結合できるリード部を外部に露出する。フラットなリードなしパッケージに対する改良は常に行われている。
【0002】
リードレス半導体ダイパッケージは、このパッケージの周辺を超えて延在するリード部をもつパッケージと比較した場合いくつかの作用効果を有する。この半導体ダイパッケージは、他の型式の半導体ダイパッケージよりも薄型である。また、このような半導体ダイパッケージはスペースを大きく取ることがなく、従って印刷回路板上の“設置面積(footprint)”は、半導体ダイパッケージの周辺を超えて延在するリード部を有する通常のパッケージよりも小さい。また、このようなリードレス半導体ダイパッケージの熱特性は、パッケージの周辺を超えて延在するリード部をもつパッケージよりもすぐれている。
【0003】
QFNパッケージやDFNパッケージに関する限り、技術上の課題はパッケージのリード部に対するはんだ接続の検査である。QFNパッケージやDFNパッケージに対する適正な接続を確保するためには、接続を検査する必要がある。これら検査については、X線などによって、あるいは自動光学検査(AOI)などによって実施できる。自動光学検査(AOI)システムを使用して、半導体デバイスやプリント回路基板(PCB)の欠陥を検査できる。QFNパッケージやDFNパッケージについては、リード部の側部または“フランク(flank)”の部分が、例えばはんだを露出リード部の側部や側壁に毛管作用によって運ぶなどしてはんだによって湿潤されるようにリード部が配向している場合には、X線検査よりもコストの低いAOIが可能である。
【0004】
従来のリード部湿潤化装置の場合、複数の表面を同じメッキ材で同時にメッキする必要があるステップカットプロセスによって形成することができるが、複数の表面を同時にメッキすることは複雑であり、また特定の表面に対する標的化メッキは不可能である。
【0005】
従って、濡れ性フランクを有する半導体ダイパッケージを効率よく製造する方法が依然として求められている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一つの態様に係るパッケージアセンブリ(package assembly)から半導体ダイパッケージ(semiconductor die package)を製造する方法は、それぞれが上面および底面を有する少なくとも第1リード部および第2リード部を有するリードフレーム、第1リード部の上面に設ける第1集積回路ダイ、第2リード部の上面に設ける第2集積回路ダイ、および少なくともリードフレームの一部および第1集積回路ダイおよび第2集積回路ダイの少なくとも一部を取り囲み、上部主面および底部主面を有する成形封入部(mold encapsulation)を包含する方法である。第1および第2リード部の底面については、第1電気メッキを行うことができる。成形封入部の上面に接続膜を成膜することができる。成形封入部の上部主面を介して第2リード部の底面の第1電気メッキ部にカット部を形成し、第2リード部の第1リード側壁および第2リード側壁が露出するチャネル部を形成することができる。導電性膜を成膜して、第1リード部の底面と第2リード部の底面とを接続することができる。接続膜については、取り外すことができる。このチャネル部を介して、第1リード側壁および第2リード側壁に第2電気メッキを行い、かつ導電性膜を取り外すことができる。
【0007】
本発明の一つの態様に係るパッケージアセンブリから半導体ダイパッケージを製造する方法は、それぞれが上面および底面を有する少なくとも第1リード部および第2リード部を有するリードフレーム、第1リード部の上面に設ける第1集積回路ダイ、第2リード部の上面に設ける第2集積回路ダイ、および少なくともリードフレームの一部および第1集積回路ダイおよび第2集積回路ダイの少なくとも一部を取り囲み、上部主面および底部主面を有する成形封入部を包含する方法である。第1および第2リード部の底面については、第1電気メッキを行うことができる。導電性膜を成膜して、第1リード部の底面と第2リード部の底面とを接続することができる。カット部を形成し、成形封入部、第2リード部、および第2リード部の底面の第1電気メッキ部を介して第2リード部の第1リード側壁および第2リード側壁が露出するチャネル部を形成することができる。このチャネル部を介して、第1リード側壁および第2リード側壁に第2電気メッキを行い、かつ導電性膜を取り外すことができる。
【0008】
本発明の一つの態様に係るリードフレームアセンブリからリード側壁濡れ性半導体ダイパッケージを製造する方法はそれぞれがダイ表面とメッキ面を有する複数のリード部、およびダイ表面に配列した集積回路ダイを包含する方法である。リードフレームアセンブリについては、対向する第1主面および第2主面を有する成形封入部内に部分的に埋設することができる。複数のリード部それぞれのメッキ面に第1電気メッキを行うことができる。成形封入部の第1主面には接続膜を成膜することができる。このリードフレームアセンブリは個々の半導体ダイパッケージに単体化(singulated)することができる。この単体化のさいには、成形封入部の第2主面を介して第1方向切断にそって第1の一連の平行カット部を接続膜かまたはこの接続膜の一部までの深さに形成し、第1方向に対して実質的に垂直な第2方向にそって第2の一連の平行なカット部を形成する。この第2の一連のカット部は成形封入部の第2主面、複数のリード部それぞれ、および複数のリード部それぞれの電気メッキ部を介して接続膜またはこの接続膜までの深さに形成し、複数のリード部それぞれの第1リード側壁および第2リード側壁が露出するチャネル部を形成する。このチャネル部を介して、複数のリード部それぞれの第1リード側壁および第2リード側壁に第2電気メッキを行うことができる。接続膜を取り外し、個々のリード側壁濡れ性半導体ダイパッケージ(lead side-walll wettable die package)を分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付図面を参照して説明する記載から本発明を細部にわたって理解できるはずである。
【0010】
図1図1は、一実施例に従ってパッケージアセンブリから半導体ダイパッケージに濡れ性フランク(wettable flank)を形成する例示的な方法を示すフローダイアグラムである。
図2A図2Aは、一実施例に従ってダイが成形封入部内にあるリードフレームを例示するパッケージアセンブリを示す上面図である。
図2B図2Bは、一実施例における図2Aのパッケージアセンブリを示す横断面図である。
図2C図2Cは、一実施例における図2Aのパッケージアセンブリを示す底面図である。
図3図3は、一実施例における底部メッキを行ったパッケージアセンブリを示す横断面図である。
図4図4は、一実施例に従って上面に成膜したパッケージアセンブリを示す横断面図である。
図5A図5Aは、一実施例に従ってパッケージアセンブリ内でチャネル部を形成するカット部およびカットパターンを例示するパッケージアセンブリを示す上面図である。
図5B図5Bは、一実施例に係る図5Aのパッケージアセンブリを示す横断面図である。
図5C図5Cは、一実施例に係る図5Aのパッケージアセンブリを示す底面図である。
図6図6は、一実施例に従って導電性膜を成膜状態でカットを行った後のパッケージアセンブリを例示する横断面図である。
図7図7は、一実施例に従って導電性膜かつ側壁電気メッキを行ったパッケージアセンブリを例示する横断面図である。
図8図8は、一実施例に従って底部かつ側壁電気メッキを行ったパッケージアセンブリを例示する横断面図である。
図9図9は、一実施例に従って底部電気メッキを行い、かつ導電性膜を成膜した状態にあるパッケージアセンブリの別な実施態様を例示する横断面図である。
図10A図10Aは、一実施例に従ってカットを行ってパッケージアセンブリ内にチャネル部を設けた後のパッケージアセンブリを例示する横断面図である。
図10B図10Bは、一実施例に従ってカットを行ってパッケージアセンブリ内にチャネル部を配設した後のパッケージアセンブリを例示する上面図である。
図11図11は、導電性膜を成膜し、かつ側壁電気メッキを行ったパッケージアセンブリを例示する横断面図である。
図12A図12Aは、一実施例に従って底部メッキかつ側壁メッキを行ったDFNパッケージを例示する斜視図である。
図12B図12Bは、一実施例に従って底部メッキかつ側壁メッキを行った図12AのDFNパッケージの底部側を例示する斜視図である。
図12C図12Cは、一実施例に従って底部メッキかつ側壁メッキを行ったQFNパッケージの底部側を例示する斜視図である。
図12D図12Dは、一実施例に従って底部メッキかつ側壁メッキを行った図12CのQFNパッケージの底部側を例示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明使用するいくつかの専門用語は便宜上のものであり、限定を意図するものではない。“右”、“左”、“上部”および“底部”は参照する図面における方向を指す。なお、このよう方向に基づく用語は参照のみを意図し、本発明実施態様では異なる方向も採用できるため、このような用語はこのようなそれぞれの異なる方向に依拠して解釈すべきである。また、特許請求の範囲および本明細書で使用する単数表現については、文脈上反対の表現を意味しない限り、単数および複数表現の両者を指すものとする。このような表現は、上記の意味、これから派生する意味、類似する意味を含意する。“A、B、またはC”などの複数の部材などのリストの前にある“少なくとも一つの”はA、B、またはCのいずれか一つを意味する場合もあり、またこれらを組み合わせたものを指す場合もある。
【0012】
本明細書の開示を通して、当業者ならば本発明の実施態様を実施できるはずである。また、当業者にとっては、各種修正、等価物、変更や代替物などは自明なはずである。このような修正、等価物、変更や代替物はいずれも特許請求の範囲に記載した趣旨および範囲に含まれるものである。
【0013】
本明細書に開示する技術は、半導体ダイパッケージ、好ましくはDFNおよび/またはQFN半導体ダイパッケージに底部および側壁濡れ性フランクを形成する技術である。本技術は、複数の未単体化パッケージを備えるパッケージアセンブリを包含する技術である。このパッケージアセンブリは、これに結合したダイおよび他の内部パッケージ素子(ワイヤボンディング素子など)を有するリードフレームを備える。ダイおよび他の素子が、以下に詳しく説明するように、未単体化パッケージの異なる領域を形成する。これらダイおよび素子を(“成形(mold、molding)”、“封入(encapsulation)”、“封入材(encapsulation material)”、“成形封入材(mold encapsulation material)”などと呼ぶこともある)成形封入する。成形封入部は非電導性で、パッケージ素子のすべてかあるいは大半を被覆することができるが、一部の電気接触パッド(第1リード部および第2リード部を始めとする“リード部”と呼ぶこともある)、場合によっては(ダイパドルと呼ぶこともある)熱接触パッドおよび以下に開示する他の素子を露出したままにしておくことができる。この成形封入部は複数のリード部の底面に対向する上部主面、および複数のリード部の底面に隣接し、かつ実質的に平行な底部主面を備えることができる。リードフレームがパッケージアセンブリの一端と他端とを、そして半導体ダイパッケージの各種の露出リード部とダイパドルとを連続的に電気接続する。この電気接続を形成するためにはワイヤボンドやタイバーなどの素子が役に立つ。この電気接続を利用して、(第1電気メッキなどの)電気メッキ時に電流を発生することができ、これがDFNおよび/またはQFNパッケージに底部/側壁濡れ性フランクを形成するプロセスにおける一つの工程である。
【0014】
図1は、本発明の第1態様に従ってパッケージアセンブリから半導体ダイパッケージを形成するプロセス、即ち方法100を例示するフローダイアグラムである。プロセス100が進む間のパッケージアセンブリ200のステージを例示する図2図11を参照して図1のプロセス100を説明する。本発明では、リードフレーム25を銅シートなどのリードフレーム素材から切断することができる。本明細書で言及するリードフレームアセンブリとして、複数のリード部23を備えたリードフレーム25を使用することができる。図2A図2Cに示すように、リード部23をリードフレーム25の部分にエッチングすることができる。
【0015】
図2のパッケージアセンブリ200は、図2A図2Cに示すように、上面201および底面202を備える。プロセス100の工程10で、複数のダイ20を、リードフレームアセンブリの一部であるリードフレーム25の対応する複数のリード部23に付着し、接着する。リードフレームアセンブリは単一部分またはユニットに集積化した複数のリード部23を備えることができる。リードフレームアセンブリは任意の金属合金とすることができる。複数の半導体ダイパッケージをパッケージアセンブリ200内のダイパッケージのアレイの形で形成することができ、次にこれらを個々の半導体ダイパッケージに切断(例えば単体化)する。各半導体ダイパッケージはダイ20に取り付けられるリード部23(23aなど)の第2部分(例えば図5Bに示す24bなど)、ダイ20に(ワイヤ21またはタイバー(図示省略)等によって)電気的に接続されるリード部23(例えば23bなど)の第1部分(例えば図5Bに示す25aなど)、および成形封入部22を備えることができる。この単体化半導体ダイパッケージは、以下に説明するように、パッケージアセンブリ内の一つかそれ以上の他の半導体ダイパッケージから分離される半導体ダイパッケージとすることができる。
【0016】
工程10では、本明細書では単に“ダイ”と呼ぶこともある集積回路ダイの一つかそれ以上をリードフレーム25のリード部23に付着することができる。工程11では、ワイヤ21、導電性クリップ(ダイ(複数の場合もある)を一つかそれ以上のリード部に結合する半導体ダイパッケージ内の要素)、あるいは他の要素を付着させて複数の半導体ダイパッケージを形成する。
【0017】
工程12では、リードフレーム25の一部をテーピングし、半導体ダイパッケージのリードフレーム25および他の素子の周囲に成形封入部22を付着する。特に、工程11で付着したワイヤ21が形成するワイヤボンドから向きがそれているリードフレームの底部をテーピングし、工程12で付着した成形封入部が、リード部フレーム25内の2つかそれ以上のリード部23間のギャップなどを介してリードフレーム25の基底部を超えることを防止する。この成形封入部22がパッケージの素子の物理的かつ電気的なバリヤになる。成形封入部22はシリカ充填樹脂、セラミック、ハロゲン化物を含有しない素材や他の保護封入部材、あるいはこれらを組み合わせたものから構成することができる。成形封入部22については、移転室(transfer chamber)において熱および圧力によってプラスチックを軟化する熱硬化性材を成形し、適切なスプルー、ランナーおよびゲートを介して高圧で密閉モールドに押し込み、最終硬化を行うことができる。成形封入部についても、加熱処理し、UV雰囲気または周囲雰囲気中での硬化によって固体を形成する液体を使用するか、あるいは加熱して液体を形成してから、冷却して固体モールドを形成する固体を使用することによって、形成することができる。工程12後の工程13で、リードフレーム25からテープを外し、一つかそれ以上のマーキングをリードフレームアセンブリに行うことができる。これらマーキングは一つかそれ以上の基準マークを備えることができる。これらマークは、それ自体がカットを行うマシンによって取り外すことができる。工程13終了後は、(ダイ、リードフレーム、およびダイをリードフレームに結合する素子などの)パッケージ素子を成形材料22に封入した状態で、複数の非単体化半導体ダイパッケージを有するパッケージアセンブリ200が得られる。
【0018】
図2Aは、図1に示すプロセス100の工程13後の成形封入部22の上部主面22を備えるパッケージアセンブリ200の上面図である。図2Aに示すように、リードフレーム25の一部として複数のリード部23を設ける。リード部のダイ表面27a(例えば図2Bに示す上面など)上の各リード部23にダイ20を付着する。図2Bに示すように、複数のリード部23のうちの所定の第1リード部23aに所定のダイ20aを付着し、複数のリード部のうちの隣接リード部(例えば第2リード部23bなど)に電気的に接続することができる。これら電気接続については、第1リード部23aのダイ表面27に付着した所定のダイ20aに接着した所定のワイヤ21aなどのワイヤ21を使用して実施することができる。なお、所定のワイヤ21aは第2リード部23bのダイ表面27aに接続する。同様に、複数のダイ20をそれぞれのリード部23に付着し、ワイヤボンドを使用して隣接リード部23に電気的に接続する。図2Aに成形封入部22の一部を示すが、この成形封入部22は、図2Bの横断面図から理解できるように、リード部フレームおよび関連する素子を被覆している。一つの実施態様では、成形封入部22は部分的に、あるいは完全に不透明でもよく、またリード部フレームおよび関連する素子が上から見た場合に見えないように着色(黒色、灰色などに)することも可能である。なお、上から見た場合、図2Aに示すように、リード部フレームおよび関連する素子が目に見えるように成形封入部22は透明であってもよい。本明細書では、リード部23aおよび23b、ダイ20a、およびワイヤ20aは例示であるが、当業者ならば、同じことは複数のリード部23、ダイ20、およびワイヤ21それぞれについても言えることを理解できるはずである。
【0019】
図2Bは、図1に示すプロセス100の工程13後の図2Aのパッケージアセンブリ200を示す横断面図である。図2Bに示すように、複数のリード部23(例えば第1リード部23aおよび第2リード部23bなど)はリードフレーム25の一部を構成するものである。リード部23(例えば23aおよび23bなど)に複数のダイ20を付着し、所定のダイ20aを複数のリード部23のうちの第1リード部(例えば23aなど)に付着し、以下に開示するように、ワイヤ(例えばワイヤ21など)を使用する電気接続を利用して、複数のリード部のうちの第2リード部(例えば23bなど)に電気的に接続してもよい。同様に、複数のダイ20(例えばダイ20aなど)をそれぞれのリード部23(例えば23a)に付着し、ワイヤ21を使用して、隣接リード部(例えば23bなど)に電気的に接続する。図示のように、成形封入部22がダイ20および複数のリード部23を封入し、隣接リード部間(例えばリード部23aとリード部23bとの間)のスペース間に設けてもよい。さらに、成形封入部22はワイヤ21(例えば21aなど)などの他の素子も封入する。
【0020】
図2Cは、図1に示すプロセス100の工程13終了後の状態にある図2Aおよび図2Bのパッケージアセンブリ200を示す底面図である。図2Cに示すように、複数のリード部23(例えばリード部23aおよび23bなど)については、アレイ構成で配列することができる。図2Cに示すように、リード部23aおよび23bのメッキ面27b(例えば底面など)はX方向に相互に隣接することができる。さらに、Y方向(図2Cでは上下方向)に相互に隣接するリード部23については、本明細書に開示するように、半導体パッケージの製造時相互に独立していればよい。
【0021】
図1に示すプロセスの工程14で、リードフレームの複数のリード部23の底面を第1電気メッキ30でメッキすることができる。複数のリード部23のメッキ面27bについては、工程11で付着したワイヤ21に接着した複数のリード部23の表面とは反対側にある複数のリード部23の表面であればよい。特に、複数のリード部23のメッキ面27bは成形材によって被覆されていないリード部の表面である。
【0022】
図3に示すように、図1のプロセス100の工程14で電気メッキ法によって第1の電気メッキ30を行えばよい。第1の電気メッキ30では、スズまたはスズ合金などの金属の一つかそれ以上の層をリード部23のメッキ面27bにメッキし、リード部23のメッキ面27bの酸化を防止し、かつはんだ付けのための濡れ性面を構成することができる。電気メッキプロセスでは、リードフレーム25の複数のリード部23のメッキ面(例えば底面など)を被覆し、かつはんだがリード部23に粘着する導電性メッキ材を付着することができる。第1電気メッキ30材をリード部23の露出したメッキ面27b(例えば露出した底面など)に付着すればよい。工程14の電気メッキプロセスの実施時、リードフレーム25を浴に浸漬し、電解メッキ装置(図示省略)の陰極にこれを電気的に結合することができる。電解メッキ装置の陽極は、メッキ浴内に浸漬されているメッキ材に結合することができる。電流をリードフレームに印加すると、メッキ材が複数のリード部23のメッキ面27b(例えば底面など)に付着するため、例えばリード部23aおよび23bのメッキ面27bがメッキ材によってメッキされることになる。工程14では、リード部23aおよび23bのメッキ面27bのみが露出しているため、これらメッキ面のみが第1電気メッキ30によってメッキを受ける。特に、さらに記載するように露出していないリード部23aおよび23bの側壁55および56は電気メッキを受けない。第1電気メッキ30で使用するメッキ材としてはスズ、金、パラジウムや銀などの各種メッキ材のうちの任意のものであればよい。
【0023】
図1に示すプロセス100の工程14の後、図1に示すように、以下の2つのプロセスのうちの一つを採用することができる。第1プロセスを図1の工程15、16、18および19で説明し、図4図8に図示し、第2プロセスを図1の工程17、18および19で説明し、図9図11に図示する。
【0024】
工程15の第1プロセスに触れると、以下に説明するように、トップテーピングおよびソーイング(saw)による単体化を行う。
【0025】
一実施態様によると、図1に示すプロセス100の工程15におけるトップテーピングおよびソーイングによる単体化については、プロセス100の工程14でのリード部23(例えば図3のリード部23aおよび23bなど)の底部露出面に第1電気メッキ30を行った後に実施することが可能である。工程15では、図4に示すように、成形封入部22の上部主面22に第1接続膜40を成膜することができる。図示のように、接続膜40は複数のリード部23(例えば23aおよび23bなど)上に成膜すればよい。接続膜40としては、成形封入部22の上部主面22aに付着する任意の膜とすることができる。この接続膜40は、任意の接着材を使用して成形封入部22の上部主面に成膜すればよい。
【0026】
図1に示すプロセス100の工程15は単体化プロセスを備える。工程15での単体化プロセスについては、限定するわけではないが、例示すると鋸刃を備えた鋸、あるいはレーザーカッター、プラズマカッター、ウォータージェットカッター、あるいは当業者に公知なその他の適用可能な切断装置および/または技術などの切断装置および/または技術を使用して、実施すればよい。工程15の単体化プロセスでは、成形封入部22の上部主面22aを介して複数のリード部23のメッキ面27b(例えば底面など)の第1電気メッキ30に一つかそれ以上のカット部を形成し、一つかそれ以上のチャネル部50を形成する。これらチャネル部50によって各チャネル部の両側にリード側壁55および56がそれぞれ露出する。図5A図5Cに示すように、リードフレーム25は個々の半導体ダイパッケージ80に単体化することができる。単体化プロセスでは、接続膜40の反対側にある成形封入部22の底部主面22b(例えば反対側主面など)を第1カット方向(例えばX方向)にそって接続膜40または接続膜40の一部に達する深さまで切り進み(cut through)第1の一連のカット部51aを形成する。この第1の一連のカット部51aも、垂直方向にある隣接リード部23間にあるリードフレーム25の部分(例えばリードコネクター28を介して)に切り進む。本発明では、リードコネクター28が2つの隣接リード部を接続するもので、それ自体がリードフレーム(例えばリードフレーム25など)の一部であり、一つかそれ以上の他の素材から形成することができる。特に、この第1の一連の平行カット部51aは隣接リード部23(例えば、パッケージアセンブリ200を上から見た場合に、Y方向に相互に上下に配列するリード部)間にある領域にも切り進み、リード部23には切り進まない。この単体化プロセスでは、さらに、第1方向に対して実質的に垂直な第2方向(例えばY方向など)にそって第2の一連の平行なカット部51bを形成し、これら第2の平行なカット部は、接続膜40あるいは接続膜40の一部まで達する深さまで、複数のリード部23のそれぞれのメッキ面27b(例えば底面など)、複数のリード部23それぞれの電気メッキ部30、および成形封入部22に切り進み、複数のリード部23それぞれの第1リード側壁55および第2リード側壁56を露出するチャネル部50を形成する。
【0027】
半導体ダイパッケージ80間にある第1の、および/または第2の一連の平行ステップカット51aおよび51bによって側壁55および56が形成し、ここに濡れ性フランクが形成することになる。第1および第2の一連の平行カット51aおよび51bの深さは、図4および図5A図5Cに示す接続膜40を完全に突き抜けるほど深くないため、パッケージは単一アセンブリのままであり、以降の工程で取り扱うことができる。
【0028】
図5Aは、図1に示すプロセス100の工程15でのパッケージアセンブリ200を示す上面図である。図5Aに示すように、単体化プロセス時に複数のカット部51(例えば51aおよび51bなど)を形成することができる。図5Aに示す上面図は接続膜40(図5Aには示していない)の下から見た上面図である。これら複数のカット部は、X方向(図5Aに示すパッケージアセンブリ200の左側から右側への方向)に一連の平行カット部51aを備えるだけでなく、図5Aに軸によって示すように、Y方向にも一連の平行カット部51bを備える。X方向における一連の平行カット部51aは、接続膜40または接続膜の一部までの深さまで(対応する図5Bに示す)接続膜40とは反対側にある成形封入部22の底部主面(例えば反対側主面など)に切り進むことができる。特に、図5A図5Cに示す実施例に従って、X方向にある隣接リード部(例えば23aおよび23bなど)がワイヤ21によって接続し、かつY方向にある隣接リード部23がリード部コネクター28によって接続されるか、あるいは本明細書に開示するように、半導体ダイパッケージの製造時にそれぞれ独立するようにパッケージ200内のリード部23を構成することができる。(図5Aには示していない)接続膜40の下から見た図5Aの上面図にはカット部51aおよび51bを示すが、これはカット部51が、図5Aに示す成形封入部22の上にある接続膜40に延入していないからである。Y方向にあるカット部51bによって、複数のリード部23(例えばリード部23aおよび23bなど)のそれぞれに切り進む(図5Bに示すように)チャネル部50が形成する一方で、X方向にあるカット部51aは複数のリード部23には切り進まず、むしろ成形封入部22および/またはリードコネクター28に切り進むことによってY方向にある隣接リード部を相互に分離する。
【0029】
図5Bは、図1に示すプロセス100の工程15状態にある図5Aに示すパッケージアセンブリ200を示す横断面図である。図5Bに示すように、一連の平行カット部51bをY方向に形成し、複数のチャネル部50を形成する。特に、Y方向にある一連の平行カット部51bが複数のリード部(例えばリード部23aおよび23bなど)のメッキ面27b(例えば底面など)上の第1電気メッキ部30に切り進み、複数のリード部23に切り進み、かつ成形封入部22に切り進む。図5Bに示すように、チャネル部50が接続膜40に部分的に延入するが、一実施態様では、チャネル部50は接続膜40の一部まで形成することができるが、貫通することはない。図5Bに示すように、少なくとも接続膜40の一部が複数のリード部23間において成形封入部22の上部主面22a上で連続的である。特に、接続膜40に関しては、この接続膜40がチャネル部50によって分離されるパッケージアセンブリ200の複数の半導体ダイパッケージ80を維持でき、接続膜40によって接続された単一ユニットの一部として存在できる特性(例えば強度、剛性、弾性など)を備えることができる。例えば、接続膜40を使用することにより、パッケージアセンブリ200の複数の半導体ダイパッケージ80プラス複数のチャネル部50の幅が、X方向に、プロセス100の工程15の複数のカット部以前のパッケージアセンブリ200の幅(例えば、図4に示すように、工程15前のパッケージアセンブリ200の幅)に等しい。
【0030】
図5Bに示すように、チャネル部50の場合、複数のリード部(例えばリード部23aおよび23bなど)それぞれの側壁55および56が露出している。リード側壁55および56は、形成するチャネル部50が複数のリード部23(例えばリード部23aおよび23bなど)それぞれに切り進み、複数のリード部23それぞれの2つのリード側壁55および56が露出するようにチャネル部50の形成時にリード側壁55および56が形成する。これらのリード側壁55および56がチャネル部50それぞれに面するリード部の部分に対応する。特に、チャネル部50は複数のリード部23それぞれの第1部分24aおよび24bの間に形成する。第1部分24aについては、複数のリード部23の第1部分24aのダイ表面27aに接着されたワイヤ21(例えばワイヤ21aなど)を備えているのが好ましく、また第2部分24bについては、ダイ21(例えばダイ20aなど)を備えているのが好ましい。図5Bに示すように、例えば、複数のカット部51aおよび51bの後に、パッケージアセンブリ200の各半導体ダイパッケージ80はダイ20aを有する第1リード部23aの第2部分24b、および第2リード部23bの第1部分24aのダイ表面27aに接着されたワイヤ21を有する第2リード部23bの第1部分24aを備える。
【0031】
図5Cは、図1に示すプロセス100の工程15における図5Aおよび図5Bのパッケージアセンブリ200を示す底面図である。図5Cに示すように、複数のカット部51はX方向(図5Cに示すパッケージアセンブリ200の左側から右側への方向)において一連の平行カット部51aだけでなく、Y方向(図5Cに示すパッケージアセンブリ200の上下方向)において一連の平行カット部51bを備える。X方向における一連の平行カット部は、接続膜40または接続膜40の一部に達する深さまで(対応する図5Bに示す)接続膜40とは反対側にある成形封入部22の底部主面22b(例えば反対側主面など)に切り進むことができる。Y方向にあるカット部51bによって、複数のリード部23(例えばリード部23aおよび23bなど)のそれぞれに切り進む(図5Bに示すように)チャネル50が形成する一方で、X方向にあるカット51aは複数のリード部23には切り進まず、むしろ成形封入部22および/またはリードコネクター28に切り進むことによってY方向にある隣接リード部を相互に分離する。本明細書に開示するように、第1の一連の平行カット部51aは、(例えばリードコネクター28がリードフレーム25の一部である場合など)、垂直方向にある隣接リード部23間にあるリードフレーム25の一部に切り進むこともある。
【0032】
図1に示すプロセス100の工程16で、図6に示すように、チャネル部50によって分離されているパッケージアセンブリ200の半導体ダイパッケージ80の底部に導電性膜60を成膜する。導電性膜60については、図4および図5の接続膜40が成形封入部22の上部主面22aに取り付けられている状態で、導電性膜60の成膜時にパッケージアセンブリ200の半導体ダイパッケージ80がその位置および/または構造を維持するように、成膜することができる。図4および図5Bの接続膜40については、パッケージアセンブリ200の半導体ダイパッケージ80が導電性膜60によって相互に接続するように、プロセス100の工程16で取り外すことができる。特に、導電性膜60に関しては、この導電性膜60がチャネル部50によって分離されるパッケージアセンブリ200の複数の半導体ダイパッケージ80を維持でき、導電性膜60によって接続された単一ユニットの一部として存在できる特性(例えば強度、剛性、弾性など)を備えることができる。例えば、導電性膜60を使用することにより、パッケージアセンブリ200の複数の半導体ダイパッケージ80プラス複数のチャネル部50のX方向における幅が、プロセス100の工程16での接続膜40の取り出し前のパッケージアセンブリ200の幅(例えば、図5Bに示すように、工程16以前のパッケージアセンブリ200の幅)に等しい。導電性膜60については、チャネル部50によって分離されたパッケージアセンブリ200のセグメント間に電気経路が維持されるように任意の適用可能な素材から形成することができる。例えば、導電性膜60は金属または金属合金から形成してもよく、あるいはこれらを有するものであってもよい。なお、導電性膜60について説明したが、導電性膜60は接続膜であってもよい。
【0033】
導電性膜60に関しては、図6に示すように、パッケージアセンブリ200の半導体ダイパッケージ80の底部に成膜するのが好ましく、成形封入部22の底部主面22bおよび/または複数のリード部23のメッキ面27b(例えば底面など)上の第1電気メッキ部30の一つかそれ以上に成膜するのがより好ましい。
【0034】
工程16においてパッケージアセンブリ200の半導体ダイパッケージ80に導電性膜60を成膜し、パッケージアセンブリ200の半導体ダイパッケージ80の上部から接続膜40を取り外した後は、図1のプロセス100の工程18で複数のリード部23のリード側壁55および56をメッキすることができる。図7に示すように、図1のプロセス100の工程18で電気メッキ法によって第2電気メッキ部70をメッキすることができる。第2電気メッキ部70については、リード側壁にメッキされ、リード側壁を酸化から保護することができ、また濡れ性表面になるスズまたはスズ合金などの金属の一つかそれ以上の層とすることができる。工程18の電気メッキ法では、導電性メッキ材を付着し、例えばチャネル部50を介してリード側壁55および56の露出面を被覆する。工程18の電気メッキプロセス時、導電性膜60によって接続されたパッケージアセンブリ200の半導体ダイパッケージ80をメッキ浴に浸漬し、電気メッキ装置の陰極に電気的に接続することができる。電解メッキ装置の陽極については、メッキ材に結合し、メッキ浴に浸漬することができる。導電性膜60によって接続されたパッケージアセンブリ200の半導体ダイパッケージ80に電流が印加され、複数のリード部のリード側壁55および56の露出面にメッキ材が付着するため、例えば、リード部23aおよび23bの側壁の露出面がメッキ材でメッキされる(電気メッキ部70)。工程18では、リード部23aおよび23bのリード側壁55および56のみが露出しているため、これら表面のみが第2の電気メッキ部70によってメッキされる。特に、工程18で第2電気メッキ部70をメッキした後、リード部の各部分24aおよび24b(例えばリード部23bの第1部分24aおよび第2部分24b)の少なくとも2つの表面を電気メッキによってメッキする(例えばメッキ面の第1電気メッキ部30および側壁面の第2電気メッキ部など)。
【0035】
図1のプロセス100の工程19で、図8に示すように、導電性膜60を取り外す。工程19での導電性膜60の取り外し後、図7の複数のパッケージアセンブリ200のセグメントそれぞれに対応する複数の半導体ダイパッケージ80が残る。複数の半導体ダイパッケージ80それぞれはリード部23(例えばリード部23b)の第1部分24a、リード部23(例えばリード部23a)の第2部分24b上に付着したダイ20(例えば20aなど)、ダイ20(例えばダイ20aなど)をリード部23の第1部分24a(例えばリード部23bの第1部分24aなど)に電気的に接続するワイヤ21(例えばワイヤ21aなど)を備える。さらに、複数の半導体ダイパッケージ80それぞれに対するリード部23の部分24aおよび24bそれぞれは、リード部のそれぞれの部分のメッキ面(例えば底面など)だけでなく、リード部23それぞれの側壁面55および56上に電気メッキ材を備える。
【0036】
第2プロセスについて説明すると、図1のプロセス100の工程15および16の代替工程として工程17で、底部テーピングおよびソーイング単体化を行う。図9に、図1のプロセスの工程14後に、パッケージアセンブリ200の底面202に導電性膜を成膜する工程17を示す。明確を期すために図1に示すように、リード部23のメッキ面(例えば底面など)に電気メッキ30を行った後に工程17を実施できるように、図1のプロセス100の工程14の後に工程17を実施する。複数のリード部23のメッキ面27b(例えば底面など)の成形封入部22および/または第2電気メッキ部30の底部主面22bのいずれか一方か、あるいは両方に工程17で成膜した導電性膜90を取り付けることができる。
【0037】
図10aおよび図10bに示すように、工程17は単体化プロセス、例えば図1のプロセス100の工程15に関して説明したソーイング単体化プロセスを有する。図10Aはパッケージアセンブリ200の横断面図であり、そして図10Bは工程17におけるパッケージアセンブリ200を示す上面図である。工程17での単体化プロセスについては、鋸刃を備えた鋸、あるいはレーザーカッター、プラズマカッター、ウォータージェットカッター、あるいは当業者にとっては公知なその他の適用可能な切断装置および/または技術などの切断装置および/または技術を使用して実施することができる。さらに説明を続けると、工程17における単体化プロセスでは、複数のリード部23(例えば23aおよび23bなど)を介して成形封入部22の上部主面22aに一つかそれ以上のカット部52(例えば52aおよび/または52bなど)を形成し、一つかそれ以上のチャネル部50を形成する。チャネル50部それぞれについては、チャネル部それぞれの各側部に露出したリード側壁55および56を備えることができる。パッケージアセンブリ200については、導電性膜90によってのみ接続された個々の半導体ダイパッケージ80に単体化すればよい。工程17での単体化プロセスでは、導電性膜90の反対側にある成形封入部22の上部主面22aを介して第1方向(例えばX方向)にそって第1の一連の平行カット部52aが、導電性膜90または導電性膜90の一部に達する深さまで切り進むことができる。特に、この第1の一連の平行カット部52aは、図5Aに示すように、リードコネクター28および隣接する電気的に非接続のリード部(例えば、図10Bに示すように、パッケージアセンブリ200を上から見た場合に相互に上か下に配列するリード部など)にのみ切り進み、そしてリード部23には切り進まない。また、第1の一連の平行カット部52aは、垂直方向において隣接リード部23間にあるリードコネクター28などのリードフレーム25の一部にも切り進むことができる。単体化プロセスでは、さらに、第1方向に対して実質的に垂直な第2方向(例えばY方向など)にそって第2の一連の平行なカット部51bを形成し、これら第2の平行なカット部52bは、成形封入部22の表面のうちの上部主面22a、複数のリード部23、および複数のリード部それぞれの第1電気メッキ部30を介して導電性膜90またはこの導電性膜90の一部に達する深さまで切り進み、複数のリード部23それぞれの第1リード側壁55および第2リード側壁56が露出するチャネル部50を形成する。なお、導電性膜90を使用しているが、この導電性膜90としては接続膜も使用することができる。
【0038】
チャネル部50を形成する半導体ダイパッケージ80間に第1および/または第2の一連の平行なステップカット部52aおよび/または52bがある結果、側壁が露出され、濡れ性フランクが形成する。第1および第2の一連の平行なカット部52aおよび52bについては、導電性膜90に十分に貫通しない程度の深さに形成することができるため、半導体ダイパッケージ80が単一のアセンブリとして存在し、以降の工程で取り扱うことができる。特に、導電性膜90に関しては、この導電性膜90がチャネル部50によって分離されるパッケージアセンブリ200の複数の半導体ダイパッケージ80を維持でき、導電性膜90によって接続された単一ユニットの一部として存在できる特性(例えば強度、剛性、弾性など)を備えることができる。例えば、導電性膜90を使用することにより、パッケージアセンブリ200の複数の半導体ダイパッケージ80プラス複数のチャネル部50のX方向における幅が、工程17での単体化前のパッケージアセンブリ200の幅(例えば、図3に示すように、工程17以前のパッケージアセンブリ200の幅)に等しくなる。導電性膜90については、チャネル部50によって分離されたパッケージアセンブリ200のセグメント間に電気経路が維持されるように任意の適用可能な素材から形成することができる。例えば、導電性膜90は金属または金属合金から形成してもよく、あるいはこれらを有するものであってもよい。
【0039】
上述したように、工程18および19については、導電性膜90の成膜および複数のカット部52aおよび/または52bの形成後に実施し、工程17のチャネル部50を作り出すことができる。特に、複数のリード部23のリード側壁55および56(例えばチャネル部50に面する表面など)は図11のプロセス100の工程18でメッキすることができる。図11に示すように、第2電気メッキ70については、図1に示すプロセスの工程18である電気メッキプロセスで行うことができる。第2の電気メッキ70では、スズまたはスズ合金などの金属の一つかそれ以上の層をリード側壁55および56にメッキし、リード側壁55および56が酸化を受けることを防止し、かつ濡れ性面を構成することができる。工程18の電気メッキプロセスでは、導電性メッキ材(図示省略)を設層し、リード側壁の露出面を(例えばチャネル部50を介して)被覆する。工程18の電気メッキプロセス時、導電性膜90によって接続されたパッケージアセンブリ200の半導体ダイパッケージ80をメッキ浴に浸漬し、電解メッキ装置(図示省略)の陰極に電気的に結合することができる。電解メッキ装置の陽極は、メッキ浴内に浸漬されているメッキ材に結合することができる。導電性膜90によって接続されたパッケージアセンブリ200のリードフレームに電流を印加すると、メッキ材が複数のリード部のリード側壁55および56の露出面に設層されるため、例えばリード23のリード側壁55および56の露出面がメッキ材でメッキされる(この結果電気メッキ部70が生じる)。工程18では、リード側壁の表面のみが露出しているため、これらメッキ面のみが第2電気メッキ70によってメッキを受ける。特に、工程18での第2電気メッキ70後、リード部23の各部分24aおよび24bの少なくとも2つの表面(例えばリード部23bの第1部分24aおよび23bなど)は、電気メッキ((例えば底面などの)メッキ面27bへの第1電気メッキ部30)およびリード側壁55、56への第2電気メッキ部70)によって被覆する。
【0040】
図1のプロセス100の工程19で、図8に示すように、導電性膜90を取り外す。工程19での導電性膜90の取り外し後、図11の複数のパッケージアセンブリ200の複数の半導体ダイパッケージ80のみが残る。複数の半導体ダイパッケージ80それぞれはリード部23(例えば図8の半導体ダイパッケージ80の中央に示すリード部23bの第2部分など)の第1部分24a、リード部23の第2部分24b上に付着したダイ20(例えば20aなど)、ダイ20(例えばダイ20aなど)をリード部23の第1部分24a(例えばリード部23bの第1部分24aなど)に電気的に接続するワイヤ21(例えばワイヤ21aなど)を備える。さらに、複数の半導体ダイパッケージ80それぞれに対するリード部23の部分それぞれは、リード部23の一部のメッキ面27上の電気メッキ材(例えば電気メッキ材30など)、およびリード部23それぞれの側壁面55および56上の電気メッキ材(例えば電気メッキ材70)を備える。これら電気メッキ材(例えば30および/または70)によって所定の半導体ダイパッケージをプリント回路基板(PCB)に取り付けることができる。
【0041】
以上リード部(例えばリード部23aおよび23bなど)の具体的な個数および構成について図示しおよび/または開示してきたが、本発明の技術はリード部および/またはダイの任意の構成のアセンブリパッケージに適用可能である。さらに、当業者ならば、同じかあるいは同様な技術も、濡れ性フランクを備えたDFNパッケージと同様に、QFNパッケージに濡れ性フランクを設けることができる。
【0042】
図12Aおよび図12Bに第1電気メッキ材30を2つの対応するリード部(図示省略)の底部に設け、かつ第2電気メッキ材70をDFNパッケージ250のリード側壁(図示省略)に設けた、濡れ性フランクを備えたDFNパッケージ250を示す。本明細書に開示するように、図1のプロセス100に従って第1メッキ材30および第2メッキ材70をメッキすることができる。さらに、図12Aに示すように、タイバー領域35も(例えば第2電気メッキ材70などで)メッキすることができる。本明細書に記載するように、タイバー領域35があるため、電気メッキ時(例えば、導電性膜90の不在下での第1電気メッキ30および/または第2電気メッキ70時)電流を印加できる電気接続を行うことが容易になる。
【0043】
図12Cおよび図12Dに、第1電気メッキ材30を対応するリード部(図示省略)にメッキし、かつ第2電気メッキ材70をQFNパッケージ260のリード側壁(図示省略)にメッキしたQFNパッケージ260を示す。第1メッキ材30および第2メッキ材70については、本明細書に記載するように、図1のプロセス100に従ってメッキすればよい。
【0044】
本明細書に記載するように、図1のプロセス100は濡れ性フランクを有する半導体ダイパッケージを形成する多工程メッキプロセスである。このプロセス100は、半導体ダイパッケージの異なる表面(たとえば、メッキ面または側壁など)をメッキする個別のメッキ工程を有する。この個別なメッキ工程を利用するため、メッキプロセスが簡単になり、複数の表面を同時にメッキする際の煩雑さを回避することができる。さらに、個別のメッキ工程を利用するため、異なるメッキ材を使用して、あるいは異なる濃度のメッキ材を使用して異なる表面(例えばメッキ面または側壁など)をメッキすることができる。
【0045】
なお、以上の説明は例示のみを目的とし、制限を意図するものではない。以上の実施態様については、発明の趣旨および範囲から逸脱せずに一部変更などを加えることができる。以上本発明を説明してきたが、当業者にとっては、本明細書に開示した技術思想および原理を変更することなく、多くの物理的変更(ごく一部のみを発明の詳細な説明に開示している)を加えることができる。また、好ましい実施態様のごく一部を利用した数多くの実施態様も本明細書に開示した技術思想および原理を変更することなく実施可能である。従って、本発明実施態様および適宜加える構成変更などは、あらゆる点において、例示および/または説明を目的とし、制限を意図するものではなく、本発明の範囲は本明細書の記載ではなく、特許請求の範囲によって規定されるもので、特許請求の範囲と等価な意味および範囲内ある実施態様に対する変更等も本発明に包摂されるものである。
【符号の説明】
【0046】
10 工程
11 工程
12 工程
13 工程
14 工程
15 工程
16 工程
17 工程
18 工程
19 工程
20 ダイ
20a ダイ
21 ワイヤ
21a ワイヤ
22 成形封入部
22a 上部主面
23 リード部
23a 第1リード部
23b 第2リード部
24a 第1部分
24b 第2部分
25 リードフレーム
25a 第1部分
25b 第2部分
27 ダイ表面
27a ダイ表面
27b メッキ面
28 リードコネクター
30 第1電気メッキ部
35 タイバー/領域
40 第1接続膜
51a カット部
51b カット部
55 第1リード側壁
56 第2リード側壁
50 チャネル部
60 導電性膜
70 第2電気メッキ部
80 ダイパッケージ
90 導電性膜
100 プロセス
200 パッケージアセンブリ
201 上面
202 底面
250 DFNパッケージ
260 QFNパッケージ
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図12D