(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】局地的環境に基づいた高高度の長寿命航空機の自動離着陸のためのシステムと方法
(51)【国際特許分類】
G08G 5/02 20060101AFI20240829BHJP
B64F 1/36 20240101ALI20240829BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20240829BHJP
B64C 13/18 20060101ALI20240829BHJP
G01S 15/58 20060101ALI20240829BHJP
G01S 17/95 20060101ALI20240829BHJP
G05D 1/248 20240101ALI20240829BHJP
G05D 1/46 20240101ALI20240829BHJP
G05D 105/28 20240101ALN20240829BHJP
G05D 107/00 20240101ALN20240829BHJP
G05D 109/20 20240101ALN20240829BHJP
【FI】
G08G5/02 A
B64F1/36
B64C39/02
B64C13/18 Z
G01S15/58
G01S17/95
G05D1/248
G05D1/46
G05D105:28
G05D107:00
G05D109:20
(21)【出願番号】P 2021563027
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 US2020029665
(87)【国際公開番号】W WO2021011047
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-04-14
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517211229
【氏名又は名称】エアロバイロメント,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AeroVironment,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】リソスキ,デレク
(72)【発明者】
【氏名】ヒブス,バート,ディーン
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-207705(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0032034(US,A1)
【文献】特開2001-102801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64F 1/36
B64C 13/18
39/02
G01S 15/58
17/95
G05D 1/00- 1/87
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム(100)において、
地上管制局(104)に関連付けられた少なくとも1つのコンピューティングデバイス(108)であって、
1つまたは複数の局地的気象条件に基づいて、無人航空機(UAV)(110)の降下の開始位置を
決定することであって、所望の開始位置が決定されるまで、UAVの公称降下速度、回転速度制限、および気象条件に基づいて、飛行計画のウェイポイントを逆算することを含む降下の開始位置を決定すること、
決定された前記UAVの開始位置に基づいて、前記UAVを着陸させるための飛行パターンを決定
すること、
前記UAVを決定された前記飛行パターンで飛行させること、および
前記1つまたは複数の局地的気象条件の変化と前記UAVの現在の位置に基づいて、決定された前記飛行パターンを変更
することであって、前記UAVの現在の位置および局地的気象条件を継続して再計算することに基づいて、新たな飛行計画を再生成することを含む飛行パターンを変更すること、
を行うように構成された少なくとも1つのコンピューティングデバイスを
含み、
前記1つまたは複数の局地的気象条件は、風速および風速勾配を含み、
決定された前記飛行パターンは、滑空勾配、公称降下速度、旋回速度、および高度を含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、さらに、
前記地上管制局の近くに配置された少なくとも1つのセンサ(116)であって、少なくとも1つの
前記コンピューティングデバイスと通信する少なくとも1つのセンサを含み、
前記1つまたは複数の局地的気象条件が、前記少なくとも1つのセンサからの気象データを含み、
前記少なくとも1つのセンサが、音波検出および測距(SODAR)センサであることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1のシステムにおいて、さらに、
前記地上管制局の近くに配置された少なくとも1つのセンサ(116)であって、少なくとも1つの
前記コンピューティングデバイスと通信する少なくとも1つのセンサを含み、
前記1つまたは複数の局地的気象条件が、前記少なくとも1つのセンサからの気象データを含み、
前記少なくとも1つのセンサが、光検出および測距(LIDAR)センサであることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記UAVの現在位置は、着陸エリア(102)の近くに配置された1つまたは複数の疑似衛星と通信する前記UAVの全地球測位システム(GPS)受信機(126)に基づくことを特徴とするシステム。
【請求項5】
地上管制局(104)に関連付けられた少なくとも1つのコンピューティングデバイス(108)によって、1つまたは複数の局地的気象条件に基づいて、無人航空機(UAV)(110)降下の開始位置を決定するステップ
であって、所望の開始位置が決定されるまで、UAVの公称降下速度、回転速度制限、および気象条件に基づいて、飛行計画のウェイポイントを逆算することを含む降下の開始位置を決定するステップと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記UAVの決定された前記開始位置に基づいて、前記UAVを着陸させるための飛行パターンを決定するステップと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記UAVを決定された前記飛行パターンで飛行させるステップと、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、前記1つまたは複数の局地的気象条件の変化および前記UAVの現在の位置に基づいて、決定された前記飛行パターンを
変更するステップ
であって、前記UAVの現在の位置および局地的気象条件を継続して再計算することに基づいて、新たな飛行計画を再生成することを含む飛行パターンを変更するステップと、を具え、
前記1つまたは複数の局地的気象条件は、風速および風速勾配を含んでおり、
決定された前記飛行パターンは、滑空勾配、公称降下速度、旋回速度、および高度を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項
5に記載の方法において、さらに、
前記地上管制局の近くに配置された少なくとも1つのセンサ(116)によって、前記1つまたは複数の局地的気象条件を、前記少なくとも1つのセンサから前記少なくとも1つの
コンピューティングデバイスに送信するステップを具えており、
前記少なくとも1つのセンサは、音波検出および測距(SODAR)センサであることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項
5に記載の方法において、
前記地上管制局の近くに配置された少なくとも1つのセンサ(116)によって、前記1つまたは複数の局地的気象条件を、前記少なくとも1つのセンサから前記少なくとも1つの
コンピューティングデバイスに送信するステップを具えており、
前記少なくとも1つのセンサは、光検出および測距(LIDAR)センサであることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項
5に記載の方法において、
前記UAVの現在の位置は、着陸エリア(102)の近くに配置された1つまたは複数の疑似衛星と通信する前記UAVの全地球測位システム(GPS)受信機(126)に基づくことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2019年4月25日に出願された米国仮特許出願第62/838,783号、2019年4月25日に出願された米国仮特許出願第62/838,833号及び2019年5月31日に出願された米国仮特許出願第62/855,613号の優先権及び利益を主張し、これらの出願のすべての内容はあらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して無人航空機(UAV)に関し、より具体的にはUAVの離陸および着陸に関する。
【背景技術】
【0003】
無人航空機(UAV)は、制御された持続的な飛行が可能な軽量の飛行機である。UAVは、一般的な飛行パターン管理のための双方向通信用の地上ベースのコントローラに関連付けられる。UAV航空機は大型でありながら軽量であり、これらの航空機が最適ではない気象条件で離着陸するのは難しい。さらに、UAV航空機は、特に局地的な大気条件の影響を受け易い。
【発明の概要】
【0004】
システムの実施形態は、地上管制局に関連付けられた少なくとも1つのコンピューティングデバイスであって、1つまたは複数の局地的気象条件に基づいて、無人航空機(UAV)の降下の開始位置を決定し、決定された前記UAVの開始位置に基づいて、前記UAVを着陸させるための飛行パターンを決定し、前記1つまたは複数の局地的気象条件の変化と前記UAVの現在の位置に基づいて、決定された前記飛行パターンを変更するように構成される。
【0005】
システムのさらなる実施形態は、地上管制局の近くに配置された少なくとも1つの音波検出および測距(SODAR)センサを含み、少なくとも1つのSODARセンサは、少なくとも1つの通信装置と通信し、1つまたは複数の局地的気象条件が、少なくとも1つのSODARセンサからの気象データを含む。さらなるシステムの実施形態では、1つまたは複数の局地的気象条件は、風速および風速勾配を含み、決定された飛行パターンは、滑空勾配、公称降下速度、旋回速度、および高度を含む。さらなるシステムの実施形態では、UAVの現在の位置は、着陸エリアの近くに配置された1つまたは複数の疑似衛星と通信するUAVの全地球測位システム(GPS)受信機に基づく。
【0006】
方法の実施形態は、地上管制局に関連する少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、1つまたは複数の局地的気象条件に基づいて、無人航空機(UAV)降下の開始位置を決定するステップと、少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、UAVの決定された開始位置に基づいてUAVを着陸させるための飛行パターンを決定するステップと、少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって、1つまたは複数の局地的気象条件およびUAVの現在の位置の変化に基づいて決定された飛行パターンを修正するステップとを含む。
【0007】
方法のさらなる実施形態は、地上管制局の近くに配置された少なくとも1つの音波検出および測距(SODAR)センサによって、1つまたは複数の局地的気象条件を少なくとも1つのSODARセンサから少なくとも1つの通信デバイスに送るステップをさらに含む。方法のさらなる実施形態では、1つまたは複数の局地的気象条件は、風速および風速勾配を含み、決定された飛行パターンは、滑空勾配、公称降下速度、旋回速度、および高度を含む。方法のさらなる実施形態では、UAVの現在の位置は、着陸エリアの近くに配置された1つまたは複数の疑似衛星と通信するUAVの全地球測位システム(GPS)受信機に基づく。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図中の構成要素は必ずしも一定の縮尺である必要はなく、代わりに本発明の原理を説明することに重点が置かれている。同じ参照番号は、さまざまな視点全体で対応する部分を示す。実施形態は、例示として示されており、添付の図面の図に限定されるものではない。
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態による、無人航空機の離陸および着陸パターンを変更するためのシステムを示す。
【
図2】
図2は、一実施形態による、地上管制局のオペレータに関連付けられたコンピューティングデバイスのトップレベルの機能ブロック図を示す。
【
図3】
図3は、一実施形態による、
図1の無人航空機のコンピューティングデバイスのトップレベルの機能ブロック図を示している。
【
図4】
図4は、一実施形態による、局地的環境条件に基づく
図1の無人航空機の修正された着陸パターンのためのシステムを示す。
【
図5】
図5は、一実施形態による、局地的環境条件に基づく
図1の無人航空機の修正された離陸パターンのためのシステムを示している。
【
図6】
図6は、一実施形態による、無人航空機の離陸および着陸パターンを修正するための方法の流れ図を示す。
【
図7】
図7は、システムおよびプロセスの実施形態を実施するためのコンピューティングシステムの高レベルのブロック図およびプロセスを示す。
【
図8】
図8は、一実施形態を実施することができる例示的なシステムのブロック図およびプロセスを示す。
【
図9】
図9は、本明細書に開示されるシステムおよびプロセスの実施形態を実施するためのクラウドコンピューティング環境を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明は、本明細書に開示される実施形態の一般的原理を説明する目的で行われ、本明細書に開示される概念を限定することを意味するものではない。さらに、本明細書に記載の特定の特徴は、様々な可能な組み合わせおよび順列のそれぞれにおいて、他の記載された特徴と組み合わせて使用することができる。本明細書で特に定義されていない限り、すべての用語は、記載から暗示される意味、ならびに当業者によって理解される意味、および/または辞書、論文などで定義される意味を含む、可能な限り広い解釈を与えられるべきである。
【0011】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、局地的環境条件に基づいて無人航空機(UAV)の離陸および着陸パターンを修正することを提供する。一実施形態では、UAVは、高高度で長寿命の太陽動力航空機である。このシステムは、局地的な天気やUAVの位置など、さまざまなデータ入力に基づいて着陸パターンを変更するための自動化されたプロセスである。位置データは、GPS衛星と同様に動作するシュードライトまたは「疑似衛星」から取得できるが、地面またはその近くで動作する場合がある。より具体的には、疑似衛星は通常、ローカルの地上ベースの全地球測位システムを作成するために使用される小さなトランシーバとなっている。一実施形態では、複数のシュードライトを滑走路および/または離陸および着陸位置の周囲に配置して、UAVに搭載されたGPS受信機がシュードライトから信号を受信できる。各シュードライトの正確な位置は既知であり、変化しないため、シュードライトは非常に正確な位置探知システムを形成する。別の実施形態では、UAVに搭載された飛行制御コンピュータ(FCC)は、衛星から位置データを受信するように構成された独自のGPSシステムを有するように構成される。
【0012】
地上管制局に関連するコンピューティングデバイスは、気象データを受信するように構成される。データには、地上管制局での音波検出および測距または「SODAR」データおよび/または光検出および測距または「LIDAR」データが含まれる。SODAR技術は、大気の乱気流による音波の散乱を測定する風感知技術となっている。この技術はSONARに似ているが、水ではなく空気中で使用される。光の検出と測距、または「LIDAR」など、他の方法も可能であり、検討されている。一実施形態では、地上管制局コンピューティングデバイスは、SODARデータを処理して、UAVが着陸に近づいているとき、およびUAVが着陸地点に対して相対的である必要がある場所で、UAV方位を決定するように構成される。たとえば、風が特定の高度での飛行速度よりも強い場合、UAVは着陸地点の風上にある必要がある。地上管制局のコンピューティングデバイスは、UAVが目的の場所に着陸するために特定の方向に向けられている場合、UAVを配置する必要がある場所を正確に決定する。別の例では、SODARデータは、FCCに直接送信され、FCCは、飛行パターン修正を実行するためにSODARデータ(および他の入力)を受信するように構成される。例えば、FCCは、風の三角形の方法を実行してUAVの地上軌道ベクトルと対気速度ベクトルを決定するように構成でき、2つの差が風ベクトルを提供する。一実施形態では、この方法は、SODARデータに補正を提供する。
【0013】
SODARは、最大約200メートルの垂直風速プロファイルを提供する。別の実施形態では、SODAR垂直風プロファイルは、著しく高く延びる。地上のSODARセンサは、局地的な気象データや位置データ、たとえば疑似衛星からの位置データと組み合わせて使用して、UAVが目的の着陸地点に対してどこに位置しているか、または、UAVがUAVの飛行パターン内のどこに位置しているかを示す。これは、強風で低速UAVを着陸させるために望ましい。
【0014】
動作中、地上管制局のコンピューティングデバイスは、UAVが地面に接触するための特定の場所および飛行方向を、UAVの公称降下速度および回転速度制限ならびに気象および風の状態に基づいて認識する。地上管制局のコンピューティングデバイスは、地上管制局のコンピューティングデバイスがUAVの目的の開始位置を決定するまで、すべての飛行計画のウェイポイントを逆算する。地上管制局のコンピューティングデバイスは、UAVがそれらのウェイポイントに基づいて着陸パターンを自動的に飛行するように動作する。システムは、UAVが特定の飛行パターンを飛行しているときに、現在の位置と局地的な天気の絶え間ない再計算に基づいて新しい飛行計画を再生成するという意味でインタラクティブである。別の実施形態では、逆算は、UAVでFCCによって実行される。
【0015】
一般に、風速が上がると、UAVを目的の着陸地点に着陸させるために、飛行パターンを変更する必要がある。通常、風下の脚を最初に飛行させてからターンインを開始し、UAVが最終着陸に向かって飛行するまでそのターンインを維持することができる。UAVの場合、速度は必ずしも安定しているとは限らないため、飛行パターンを調整して、例えば、より広い旋回を実行して、風速に調整し、所望の位置に着陸させる。飛行パターンの変更により、UAVは飛行速度の75%までの風に着陸することができる。これは、高高度の長寿命航空機など、非常に動きの遅いUAVに有利でとなっている。したがって、これらの条件でパイロットを必要とせずに、風速に近い速度で移動しつつ、ゆっくりと風に向けて着陸することが可能である。
【0016】
図1を参照すると、局地的環境条件に基づいて無人航空機(UAV)110の離陸および着陸パターンを改良するためのシステム100が示されている。UAVは機内パイロットのいない航空機であり、自律的または遠隔で飛行することができる。一実施形態では、UAV110は、高高度の長寿命航空機である。UAV110は、1~40個のモータと、100フィート~400フィートの翼幅を有する。一実施形態では、UAV110は、約260フィートの翼幅を有し、翼の表面の少なくとも一部を覆うソーラーアレイによって動力を供給される10個の電気モータによって推進され、結果としてゼロエミッションをもたらす。UAV110は、海抜約65,000フィートの高度と雲の上を飛行し、着陸せずに最大数か月の継続的な長期ミッション用に設計されている。別の実施形態では、UAV110は、海抜60,000フィートで飛行することができる。
【0017】
UAV110は、少なくとも部分的にUAVの軽量ペイロードのために高高度で最適に機能し、着陸に頼ることなくかなりの期間の持続飛行が可能である。一実施形態では、UAV110は、約3000ポンドの重量があり、翼パネルセクションの相互のおよび/またはセンターパネルへの取り付けおよび取り外し可能性により、UAV110の効率的な組み立ておよび分解のため、翼パネルセクションおよび中央パネルを含む。
【0018】
システム100は、局地的な気象およびUAVの位置などの様々なデータ入力に基づいて着陸パターンを修正するための自動化された、自律的な、または半自律的なプロセスである。UAV110などのUAVは、強風などの最適ではない気象条件で着陸する必要があることがよくある。一実施形態では、UAV110の着陸パターンは、局地的環境条件に基づいて修正される。別の実施形態では、UAV110の離陸パターンは、局地的環境条件に基づいて修正される。
【0019】
一実施形態では、着陸領域102は、着陸領域102から任意の方向への接近および離陸を可能にする円形である。着陸領域の他の形状も可能であり、検討されている。着陸領域はアスファルトまたはコンクリートで舗装し得る。他の実施形態では、着陸領域は、草または別の有機材料でできている。
【0020】
UAV110は、高高度での風のパターンを利用して、地上管制局104上の大気の成層圏層内で大きく掃引する静止パターンで飛行することができる。地上管制局104は、UAV制御のための中央ハブである。一実施形態では、2つ以上の地上管制局104がある。一実施形態では、UAV110は、地上管制局104に関連する全地球測位システム(GPS)134のビーム幅内にある。
【0021】
UAV110の離着陸パターンを修正するためのシステム100は、UAV110の位置データに少なくとも部分的に基づく。一実施形態では、GPS134は、複数の疑似衛星または「スードライト」である。疑似衛星はGPS衛星と同様に動作するが、スードライトは地面またはその近くで動作する場合がある。より具体的には、スードライト134は、ローカルの地上ベースの全地球測位システムを作成するために使用される小さなトランシーバである。一実施形態では、GPSスードライト134は、滑走路の周りに配置することができるため、UAV110に搭載される
図3のGPS受信機126といったGPS受信機は、スードライト134から信号を受信する。各スードライト134の正確な位置は既知であり、変化しないため、スードライト134は非常に正確な位置探知システムである。
【0022】
地上管制局104のオペレータ106は、GPSスードライト134から推定されたUAV110の位置を使用して、相対的なUAV110の位置を計算することができる。地上RFエミッタ124は、UAV110に信号を放出することができるため、UAV110は、地上管制局104および/または着陸地点の位置を知ることができる。視覚帯域エミッタなど、UAV110との地上通信用に構成された他のエミッタを含めることができる。
【0023】
別の実施形態では、UAV110は、
図3に示すように、UAVの110の位置を計算するため、それ自体のGPS受信機126を含む。UAV110は、地上管制局104と通信する地上RF受信機125を介して、その位置データを地上管制局104に通信する。
【0024】
UAV110の離陸および着陸パターンを修正するためのシステム100はまた、少なくとも部分的に、局地的環境の風速条件に基づく。風速データは、風感知装置116によって感知される。一実施形態では、風感知装置116は、地上管制局104に近接する音波検出および測距または「SODAR」センサおよび/または光検出および測距または「LIDAR」センサを含む。SODAR技術は、大気の乱れによる音波の散乱を測定する風感知技術である。この技術はSONARに似ているが、水ではなく空気中で使用される。光の検出と測距、または「LIDAR」など、他の方法も可能であり、検討されている。
【0025】
SODARは、最大約200メートルの垂直風速プロファイルを提供できる。別の実施形態では、SODAR垂直風プロファイルは、著しく高く伸びることができる。地上のSODARセンサ116は、局地的な気象データおよび位置データ(例えば、GSPまたはスードライト134を使用してUAV110から取得された位置データ)と組み合わせて使用して、着陸(または離陸)パターンがどうあるべきかを示すことができる。それは強風の中、低速のUAVを着陸させるために望ましい。
【0026】
一実施形態では、オペレータ106は、UAV110の離陸および着陸パターンを変更するために地上管制局104に配置される。別の実施形態では、複数のオペレータが、離陸および着陸パターンを変更することが可能である。オペレータ106は、主に風速およびUAV110の位置に基づいて、ある飛行パターンから別の飛行パターンへのUAV110の変更を制御する。例えば、オペレータ116は、SODARデータを使用して、いつUAV110が着陸進入するか、UAV110が着陸地点102に対して相対的にどこに居る必要があるかを、UAVに導くよう決定することができる。例えば、風が特定の高度での飛行速度より強い場合、UAV110は、着陸地点102の風上にある必要がある。オペレータ106は人として描かれているが、オペレータ106は、
図2に示すようなアドレス可能なメモリを有するプロセッサとすることができる。UAV110の制御は、いくつかの実施形態では、オペレータ106を介して行うことができる。他の実施形態では、UAV110の制御は、地上管制104、自律システム、半自律システムなどを介して行うことができる。いくつかの実施形態では、地上管制局104は、RFエミッタ124、SODARおよび/またはLIDARセンサ116、地上RF受信機125、および/または疑似衛星134を含む。他の実施形態では、地上管制局104は、RFエミッタ124、SODARおよび/またはLIDARセンサ116、地上RF受信機125、および/またはスードライト134と通信する。
【0027】
図2は、オペレータ106によって操作されるコンピューティングデバイス108のトップレベルの機能ブロック図の例を示す。コンピューティングデバイス108は、中央処理ユニット(CPU)などのプロセッサ138、アドレス可能なメモリ140、外部デバイスインタフェース142、例えば、オプションのユニバーサルシリアルバスポートおよび関連する処理、および/またはイーサネットポートおよび関連する処理、および、例えば、ステータスライトのアレイおよび1つまたは複数のトグルスイッチ、および/またはディスプレイ、および/またはキーボードおよび/またはポインタ-マウスシステムおよび/またはタッチスクリーンといった、オプションのユーザインタフェース144を備える。オプションとして、アドレス指定可能なメモリは、例えば、フラッシュメモリ、eprom、および/またはディスクドライブまたは他のハードドライブである。これらの要素は、データバス146を介して互いに通信することができる。いくつかの実施形態では、ウェブブラウザ150およびアプリケーション152をサポートするものなどのオペレーティングシステム148を介して、プロセッサ138は、通信チャネルを確立するプロセスのステップを実行するように構成される。例えば、プロセッサ138は、UAV110の受信位置データを処理するためにスードライト134と通信する。プロセッサは、さらに、SODARおよび/またはLIDARセンサ116から受信された風速データを処理するように構成される。
【0028】
UAVには機内パイロットがいないため、UAVに搭載された飛行制御コンピュータ(FCC)112はUAV110の中心的なインテリジェンスである。FCC112は、オペレータ106から受信したコマンドに基づく方向(例えば、飛行パターン)の変更といった、UAV110の機能の多くを部分的または完全に制御できる。
【0029】
図3は、UAV航空機110のFCC112のトップレベル機能ブロック図の例を示す。FCC112は、少なくとも、中央処理装置(CPU)といったプロセッサ153、アドレス可能メモリ154、例えば、オプションのユニバーサルシリアルバスポートおよび関連する処理、および/またはイーサネットポートおよび関連する処理といった外部デバイスインタフェース156、および、例えばステータスライト、センサ、1又はそれ以上のトグルスイッチの配列といったオプションのユーザインタフェース158を備える。オプションとして、アドレス指定可能なメモリは、例えば、フラッシュメモリ、eprom、および/またはディスクドライブまたは他のハードドライブである。これらの要素は、データバス160を介して互いに通信し得る。一実施形態では、FCC110は、UAVの現在の飛行状態および健全状態を測定するための一連のセンサを有する。
【0030】
いくつかの実施形態では、1つのサポートアプリケーション164などのオペレーティングシステム162を介して、プロセッサ153は、通信チャネルを確立するプロセスのステップを実行するように構成される。例えば、プロセッサ153は、コンピューティングデバイス108からコマンド信号を受信するように構成された受信機155と通信する。一実施形態では、着陸パターンを変更するコマンド信号は、受信機155によって受信され、プロセッサは、UAV110を現在の着陸パターンから別の着陸パターンに移行させるためのステップを実行する。別の実施形態では、コマンド信号は、離陸飛行パターンを変更することであり、受信機155によって受信される。プロセッサ153は、UAV110に、その離陸パターンを、風速などの局地的環境条件に基づいて新しい離陸パターンに変更させるためのステップを実行する。
【0031】
FCC112はさらに、衛星群から位置データを受信するように構成された全地球測位システム(GPS)126に接続されるか、またはそれらと通信することができる。 さらに、FCC112は、疑似衛星134と協力して、地上GFP補正情報を地上に送信するため、および/または補助周波数帯域で地上変換されたGPS信号を地上RF受信機125に送信するための送信機157を含む。
【0032】
図4を参照すると、局地的環境条件に基づいてUAV110の修正された着陸パターンが示されている。一般に、風速が増加すると、UAV110を着陸地点102の位置Bなどの目的の着陸地点に着陸させるために、飛行パターンを変更する必要がある。風下のレッグを最初に飛ばしてから、ターンインを開始する。ターンインは、UAV110が最終着陸に向けて飛行するまで維持できまる。UAV110の場合、速度は必ずしも一定に保たれるとは限らない。したがって、飛行パターンを調整して、例えば、より広い旋回を実行して、風速に適応し、所望の位置に着陸させることができる。飛行パターンの変更により、UAV110は飛行速度の75%までの風において着陸することができる。これは、UAV110などの非常に動きの遅い航空機に有利となっている。したがって、風速に近い速度で移動し、これらの条件でパイロットを必要とせずにゆっくりと着陸することが可能である。
【0033】
一実施形態では、地上管制局104のコンピューティングデバイス108は、UAV110が着陸のために接近しているときの望ましいUAVの機首方位、およびUAV110が着陸地点102に対してどこにある必要があるかを決定するために、SODARおよび/またはLIDARデータを処理するように構成される。例えば、風が特定の高度での飛行速度よりも強い場合、UAV110は、位置Aなどで着陸地点102の風上にある必要がある。地上管制局104のコンピューティングデバイス108は、UAV110が所望の位置Bに着陸するために特定の方向に向けられる場合、UAV110がどこにある必要があるかを正確に決定する。一実施形態では、位置Aは、風速および風速勾配、滑空勾配、公称降下速度、およびUAV110の回転速度に基づいて決定することができる。コンピューティングデバイス108は、デバイス108がUAV110の所望の開始位置Aに到達するまで、時間および高度にわたってすべてのデータポイントを統合することができる。オペレータ106はコンピューティングデバイス108を操作して、UAV110がそれらのデータポイントに基づいて着陸パターンを自動的に飛行させるようにする。より具体的には、オペレータは、RFエミッタ124を介してUAV110に搭載されたFCC112にコマンド信号118を送信して、決定された方位を追跡する。システム100は、UAV110が特定の飛行パターンを飛行しているときに、システムが現在の位置および局地的な天候の絶え間ない再計算に基づいて新しい飛行計画を再生成し得るという意味でインタラクティブである。別の実施形態では、逆算が、UAV110でFCC112によって実行される。
【0034】
別の実施形態では、SODARおよび/またはLIDARデータは、FCC112に直接送信され、FCC112は、SODARおよび/またはLIDARデータ、およびRFエミッタ124からの他の入力を受信して、飛行パターンの変更を実行するように構成される。例えば、FCC112は、UAVの地上軌道ベクトルおよび対気速度ベクトルを決定するために風の三角形法を実行するように構成され、そして2つの間の差が風ベクトルを提供する。対気速度ベクトルと風速ベクトルの合計は、地上軌道ベクトルに等しくなる。対気速度ベクトル、風速ベクトル、および地上軌道ベクトルを描画すると、風の三角形の方法で閉じた三角形が形成される。一実施形態では、この方法は、SODARおよび/またはLIDARデータに補正を提供することができる。
【0035】
着陸パターン(LP)とアプローチパターン(AP)を区別することが重要である。APはより遠く離れた一般的な天気に基づいているのに対し、LPの天気はより局地的であるため、APはLP測定ほど微調整する必要がない。APは、その局地的な気象測定値が高精度で知られていない場合でも、UAV110を疑わしい高乱気流地域から遠ざけるために生成される。
【0036】
図5を参照すると、局地的環境条件に基づいてUAV110の修正された離陸パターンが示されている。一実施形態では、風速が増加すると、所望の位置Bに到達するために飛行パターンを修正する必要がある。より具体的には、オペレータは、RFエミッタ124を介してUAV110に搭載されたFCC112にコマンド信号118を送信し、現地の風速に基づいて決定された機首方位に従う。UAV110が離陸するとき、システムは、位置Aなどの現在の位置の絶え間ない再計算、および局地的気象条件に基づいて、新しい飛行計画を再生成する。一実施形態では、位置Bは、風速および風速勾配、公称上昇率、およびUAV110の回転率に基づいて決定する。コンピューティングデバイス108は、デバイス108がUAV110の所望の到達位置Bに到着するまでの時間および高度にわたるすべてのデータポイントを統合する。オペレータ106は、コンピューティングデバイス108を操作して、UAV110がそれらのデータポイントに基づいて離陸パターンを自動的に飛行するようにする。より具体的には、オペレータは、RFエミッタ124を介してコマンド信号118をUAV110に搭載されたFCC112に送信して、決定された機首方位を追跡する。システム100は、UAV110が特定の飛行パターンを飛行しているときに、システムが現在の位置および局地的な天候の絶え間ない再計算に基づいて新しい飛行計画を再生成し得るという意味でインタラクティブである。別の実施形態では、統合は、UAVでFCC112によって実行される。いくつかの実施形態では、FCCは、UAVを地面、つまり高度=0の特定の場所に着陸させようとしているため、高度は、UAVの離陸よりも着陸にとってより重要である。いくつかの実施形態では、UAVの離陸について、UAVが障害物にぶつかる危険を冒すほどUAVが低くない限り、UAVの上昇率が指示する高度は何であってもよい。いくつかの実施形態では、FCCは、出発高度プロファイルがどのように見えるかを知り、障害物を回避するための最適な出発経路を計画するために、風向および風勾配に関するデータを必要とする。
【0037】
一実施形態では、SODARおよび/またはLIDARデータは、FCC112に直接送信され、FCC112は、飛行パターン修正を実行するために、RFエミッタ124からSODARおよび/またはLIDARデータおよび他の入力を受信するように構成される。例えば、FCC112は、UAVの地上軌道ベクトルおよび対気速度ベクトルを決定するために風の三角形法を実行するように構成され、そして2つの間の差は、局地的風ベクトルを提供し、そしてSODAR及び/またはLIDARデータを修正または変更するために使用される。
【0038】
図6を参照すると、局地的環境条件に基づいて無人航空機(UAV)の着陸パターンを修正する方法200のフローチャートが示されている。地上管制局のコンピューティングデバイスは、局地的環境に基づいてUAVの機首方位と方向を決定するように構成できる。一実施形態では、データは、音波検出および測距(SODAR)データである。別の実施形態では、データは、光検出および測距(LIDAR)データである。一実施形態では、風が特定の高度での飛行速度よりも強い場合、UAVは着陸地点の風上にある必要がある。一般に、風速が上がると、UAVを目的の着陸地点に着陸させるために、飛行パターンを変更する必要がある。風下のレッグを最初に飛ばしてから、ターンインを開始することがでる。風下のレッグは、着陸滑走路または着陸位置に平行であるが反対方向にある長いレベルの飛行経路である。ターンインは、UAVが最終地点に向かって飛ぶまで維持される。UAVの場合、速度は必ずしも安定しているとは限らない。したがって、飛行パターンを調整して(たとえば、より広いターンを実行して)、風速に合わせて調整し、目的の場所に着陸させることができる。飛行パターンの変更により、UAVは飛行速度の75%までの風の中で着陸することができる。これは、UAVなどの非常に動きの遅い航空機に有利である。したがって、風速に近い速度で移動し、これらの条件でパイロットを必要とせずにゆっくりと着陸することが可能である。
【0039】
地上管制局のコンピューティングデバイスは、着陸地点に対するUAVの位置および向きを決定する(ステップ202)。コンピューティングデバイスは、UAVが着陸地点に着陸するために特定の方向に向けられる場合、UAVがどこにある必要があるかを正確に決定する。一実施形態では、位置は、風速および風速勾配、滑空勾配、公称降下速度、およびUAVの回転速度などの局地的環境条件に基づいて決定する。局地的環境条件を使用してトラフィックパターンのサイズを調整し、公称降下率でUAVが目的の場所の地面に着陸するようにする。地面に対するグライドスロープ、つまりファイナルアプローチレッグの長さは、向かい風の速度と風の勾配に依存する。パターンの幅は、横風成分と選択した回転速度に依存する。高度は、希望する降下率に依存する。スロットルと再生(ドラッグ)の調整は、風、揚力/沈下空気、UAVの性能の変化を調整するために使用される。コンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスがUAVの降下のための所望の開始位置に到達するまで、時間の経過とともにUAVの位置および方位を決定することに関連するすべてのデータポイントを統合することができる(ステップ204)。一実施形態では、データは、少なくとも風速および風速勾配、滑空勾配、公称降下速度、回転速度、および高度を含む。
【0040】
オペレータは、コンピューティングデバイスを操作して、UAVに、決定された開始位置に基づいて飛行パターンを自動的に飛行させる(ステップ206)。一実施形態では、オペレータは、地上管制局のプロセッサである。一実施形態では、UAVの制御は、自律的、または半自律的なオペレータによるものである。一実施形態では、飛行パターンは着陸パターンである。別の実施形態では、飛行パターンは接近パターンである。一実施形態では、オペレータは、無線周波数(RF)エミッタを介してコマンド信号をUAVに搭載された飛行制御コンピュータ(FCC)に送信して、決定された方位を追跡する。一実施形態では、システムは対話型である。UAVが特定の飛行パターンを飛行しているとき、システムは、局地的環境条件に基づく現在位置の一定の再計算に基づいて、新しい飛行計画を再生成する(ステップ208)。別の実施形態では、逆算が、UAVでFCCによって実行さる。
【0041】
別の実施形態では、SODARおよび/またはLIDARデータが、FCCに直接送信され、FCCは、飛行パターン修正を実行するために、SODARおよび/またはLIDARデータ(およびRFエミッタからの他の入力)を受信するように構成される。例えば、FCCは、風の三角形の方法を実行してUAVの地上軌道ベクトルと対気速度ベクトルを決定するように構成でき、2つの差が風ベクトルを提供する。一実施形態では、この方法は、SODARおよび/またはLIDARデータに補正を提供する。
【0042】
着陸パターン(LP)と接近パターン(AP)とを区別することが重要である。ある実施形態では、APは、より遠くにある一般的な天気に基づいているのに対し、LPの天気はより局地的であるため、APは、LPの測定値ほど微調整する必要がない。APは、その局地的な気象測定値が高精度で知られていない場合でも、UAVが疑わしい高乱気流地域に入らないようにするために生成される。アプローチパターンとは、航空機に遠くからアプローチして、目的の高度、対気速度、および機首方位でローカル着陸パターンの最初のポイントに到達する方法である。アプローチパターンは、航空機の回収作業全体のより粗い解像度要素を提供する。ある実施形態では、アプローチパターンは、滑走路から100マイル離れたところから開始する。着陸パターンは、より正確で注意深く定義されており、通常、滑走路から1マイル程度以内にある。
【0043】
代替的方法は、局地的環境条件に基づいて、修正されたUAVの離陸パターンを含む。一実施形態では、風速が増加するとき、所望の終了位置に到達するために飛行パターンを修正する必要がある。より具体的には、オペレータは、RFエミッタを介してUAVに搭載されたFCCにコマンド信号を送信し、局地的な風速に基づいて決定された方位を追跡する。UAVが離陸すると、システムは現在の位置と局地的気象条件の絶え間ない再計算に基づいて新しい飛行計画を再生成する。一実施形態では、所望の終了位置は、風速(および風速勾配)、公称上昇率、およびUAVの回転率に基づいて決定する。コンピューティングデバイスは、デバイスがUAVの目的の終了位置に到達するまで、時間と高度にわたってすべてのデータポイントを統合することができる。オペレータはコンピューティングデバイスを操作して、UAVがそれらのデータポイントに基づいて離陸パターンを自動的に飛行させるようにする。より具体的には、オペレータは、RFエミッタを介してUAVに搭載されたFCCにコマンド信号を送信し、決定された方位を追跡する。システムは、UAVが特定の飛行パターンを飛行しているときに、現在の位置と局地的な天候の絶え間ない再計算に基づいて新しい飛行計画を再生成できるという意味で、インタラクティブである。別の実施形態では、統合は、UAVでFCCによって実行される。
【0044】
一実施形態では、SODARおよび/またはLIDARデータは、FCCに直接送信され、FCCは、飛行パターン修正を実行するために、SODARおよび/またはLIDARデータ(およびRFエミッタからの他の入力)を受信するように構成される。例えば、FCCは、UAVの地上軌道ベクトルと対気速度ベクトルを決定するために風の三角形法を実行するように構成される。2つの差は、局地的な風ベクトルを提供し、SODAR及び/またはLIDARデータを修正または変更するために使用する。
【0045】
図7は、本明細書に開示される、システム及びプロセスの一実施形態を実施するのに有用なコンピュータシステムを備えるコンピューティングシステムを示すハイレベルブロック
図500である。システムの実施形態は、異なるコンピューティング環境で実施され得る。コンピュータシステムは、1以上のプロセッサ502を含み、かつさらに、(例えば、グラフィックス、テキスト及び他のデータを表示するための)電子ディスプレイデバイス504と、メインメモリ506(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))と、ストレージデバイス508と、リムーバブルストレージデバイス510(例えば、リムーバブルストレージドライブ、リムーバブルメモリモジュール、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、コンピュータソフトウェア及び/又はデータをその中に格納したコンピュータ可読媒体)と、ユーザインタフェースデバイス511(例えば、キーボード、タッチスクリーン、キーパッド、ポインティングデバイス)と、通信インタフェース512(例えば、モデム、ネットワークインタフェース(イーサネットカードなど)、通信ポート、又はPCMCIAスロット及びカード)と、を含むことができる。通信インタフェース512は、ソフトウェア及びデータがコンピュータシステムと外部デバイスとの間で転送されることを可能にする。システムはさらに、前述のデバイス/モジュールが示されるように接続される通信インフラストラクチャ514(例えば、通信バス、クロスオーバーバー又はネットワーク)を含む。
【0046】
通信インタフェース514を介して転送される情報は、信号を伝送し、かつ、ワイヤ又はケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話/携帯電話リンク、無線周波数(RF)リンク及び/又は他の通信チャネルを使用して実装され得る通信リンク516を介して、通信インタフェース514によって受信されることができる電子、電磁、光又は他の信号などの信号の形態であり得る。本明細書のブロック図及び/又はフローチャートを表すコンピュータプログラム命令は、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置又は処理装置にロードされて、そこで一連の操作を実行させて、コンピュータ実装プロセスを生成し得る。
【0047】
実施形態は、実施形態に係る方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明された。そうした例/図の各ブロック又はそれらの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実施されることができる。コンピュータプログラム命令は、プロセッサに提供されると、プロセッサを介して実行する命令がフローチャート及び/又はブロック図で特定された機能/動作を実施するための手段を作成するように、機械を生成する。フローチャート/ブロック図の各ブロックは、実施形態を実施するハードウェア及び/又はソフトウェアモジュール又はロジックを表し得る。代替の実施では、ブロックに示されている機能は、図に示されている順序から外れて、同時に発生し得る。
【0048】
コンピュータプログラム(すなわち、コンピュータ制御ロジック)は、メインメモリ及び/又は補助メモリに格納される。コンピュータプログラムはまた、通信インタフェース512を介して受信され得る。そうしたコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステムが本明細書で論じられるような実施形態の特徴を実行することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサ及び/又はマルチコアプロセッサがコンピュータシステムの特徴を実行することを可能にする。そうしたコンピュータプログラムはコンピュータシステムのコントローラを表す。
【0049】
図8は、一実施形態が実施され得る例示的なシステム600のブロック図を示している。システム600は、1以上のサーバコンピューティングシステム630に接続された、家庭用電子機器などの1以上のクライアントデバイス601を含む。サーバ630は、情報を通信するためのバス602又は他の通信メカニズムと、情報を処理するための、バス602に結合されたプロセッサ(CPU)604と、を含む。サーバ630はまた、プロセッサ604によって実行される情報及び命令を格納するための、バス602に結合された、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的ストレージデバイスなどのメインメモリ606を含む。メインメモリ606はまた、実行中の一時変数又は他の中間情報、若しくは、プロセッサ604によって実行される命令を格納するために使用され得る。サーバコンピュータシステム630は、プロセッサ604のための静的情報及び命令を格納するための、バス602に結合されたリードオンリーメモリ(ROM)608又は他の静的ストレージデバイスをさらに含む。磁気ディスク又は光ディスクなどのストレージデバイス610が、提供され、かつ、情報及び命令を格納するためにバス602に結合される。バス602は、例えば、ビデオメモリ又はメインメモリ606をアドレス指定するための32本のアドレスラインを包含し得る。バス602はまた、例えば、CPU604、メインメモリ606、ビデオメモリ及びストレージ610などのコンポーネント間及びコンポーネントの中でデータを転送するための32ビットデータバスを含み得る。代替として、別個のデータライン及びアドレスラインの代わりに、多重化データ/アドレスラインが使用され得る。
【0050】
サーバ630は、バス602を介して、コンピュータユーザに情報を表示するためのディスプレイ612に結合され得る。情報及びコマンド選択をプロセッサ604に通信するため英数字及び他のキーを含む入力デバイス614がバス602に結合される。別のタイプ又はユーザ入力デバイスは、プロセッサ604への方向情報及びコマンド選択を通信するため、かつ、ディスプレイ612上のカーソル移動を制御するためのマウス、トラックボール又はカーソル方向キーなどのカーソル制御616を備える。
【0051】
一実施形態によれば、メインメモリ606に包含される1以上の命令の1以上のシーケンスを実行するプロセッサ604によって機能が実行される。そうした命令は、ストレージデバイス610などの別のコンピュータ可読媒体からメインメモリ606に読み込まれ得る。メインメモリ606に包含される命令のシーケンスの実行により、プロセッサ604は、本明細書に記載のプロセスステップを実行する。マルチプロセッシング構成の1以上のプロセッサが採用されて、メインメモリ606に包含される命令のシーケンスを実行し得る。代替の実施形態では、ハードワイヤード回路が、ソフトウェア命令に代えて又はソフトウェア命令と組み合わせて使用されて実施形態を実施し得る。したがって、実施形態は、ハードウェア回路及びソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。
【0052】
「コンピュータプログラム媒体」、「コンピュータ使用可能媒体」、「コンピュータ可読媒体」及び「コンピュータプログラム製品」という用語は、一般に、メインメモリ、補助メモリ、リムーバブルストレージドライブ、ハードディスクドライブにインストールされたハードディスク及び信号などの媒体を示すために使用される。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステムにソフトウェアを提供するための手段である。コンピュータ可読媒体は、コンピュータシステムが、コンピュータ可読媒体からデータ、命令、メッセージ又はメッセージパケット及び他のコンピュータ可読情報を読み取ることを可能にする。コンピュータ可読媒体は、例えば、フロッピーディスク、ROM、フラッシュメモリ、ディスクドライブメモリ、CD-ROM及び他のパーマネントストレージなどの不揮発性メモリを含み得る。例えば、データ及びコンピュータ命令などの情報をコンピュータシステム間で転送する場合に役立つ。さらに、コンピュータ可読媒体は、コンピュータがそうしたコンピュータ可読情報を読み取ることを可能にする有線ネットワーク又は無線ネットワークを含むネットワークリンク及び/又はネットワークインタフェースなどの一時的な状態媒体(transitory state medium)におけるコンピュータ可読情報を含み得る。コンピュータプログラム(コンピュータ制御ロジックとも呼ばれる)は、メインメモリ及び/又は補助メモリに格納される。コンピュータプログラムはまた、通信インタフェースを介して受信され得る。そうしたコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステムが本明細書で論じられるような実施形態の特徴を実行することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサマルチコアプロセッサがコンピュータシステムの特徴を実行することができるようにする。したがって、そうしたコンピュータプログラムは、コンピュータシステムのコントローラを表す。
【0053】
一般に、本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ604に命令を提供することに参加した任意の媒体を指す。そうした媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体及び伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、ストレージデバイス610などの光学ディスク又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ606などの動的メモリを含む。伝送媒体は、バス602を構成するワイヤを含む同軸ケーブル、銅線及び光ファイバを含む。伝送媒体は、電波や赤外線データ通信中に生成されるものなど、音響波又は光波の形態をとることもできる。
【0054】
コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ又は他の任意の磁気媒体、CD-ROM、他の任意の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有するその他の任意の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH(登録商標)-EPROM、その他のメモリチップ又はカートリッジ、以下で説明する搬送波又はコンピュータが読み取ることができる任意の他の媒体を含む。
【0055】
様々な形態のコンピュータ可読媒体は、実行のためにプロセッサ604に1以上の命令の1以上のシーケンスを保持することに関与され得る。例えば、命令は、最初に、リモートコンピュータの磁気ディスク上で実行され得る。リモートコンピュータは、命令を動的メモリにロードし、かつ、モデムを使用して電話回線を介して命令を送信することができる。サーバ630にローカルなモデムは、電話回線でデータを受信し、かつ、赤外線送信機を使用してデータを赤外線信号に変換することができる。バス602に結合された赤外線検出器は、赤外線信号で保持されたデータを受信し、かつ、そのデータをバス602に配置することができる。バス602は、データをメインメモリ606に伝送し、そこからプロセッサ604が命令を読み出して実行する。メインメモリ606から受信された命令は、任意選択的に、プロセッサ604による実行の前又は後のいずれかで、ストレージデバイス610に格納され得る。
【0056】
サーバ630はまた、バス602に結合された通信インタフェース618を含む。通信インタフェース618は、現在一般にインターネット628と呼ばれている世界規模のパケットデータ通信ネットワークに接続されているネットワークリンク620に結合する双方向データ通信を提供する。インターネット628は、デジタルデータストリームを保持する電気信号、電磁気信号又は光信号を使用する。様々なネットワークを介した信号及びネットワークリンク620上の信号並びにサーバ630へ及びサーバ630からデジタルデータを保持する通信インタフェース618を通じた信号は、情報を伝送する例示的な形態又は搬送波である。
【0057】
サーバ630の別の実施形態では、インタフェース618は通信リンク620を介してネットワーク622に接続されている。例えば、通信インタフェース618は、ネットワークリンク620の一部を構成することができる対応のタイプの電話回線へのデータ通信接続を提供するための統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)カード又はモデムであり得る。別の例として、通信インタフェース618は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するためのローカルエリアネットワーク(LAN)カードであり得る。無線リンクも実装され得る。そうした任意の実装において、通信インタフェース618は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを保持する電気電磁信号又は光信号を送受信する。
【0058】
ネットワークリンク620は、通常、1以上のネットワークを通じて他のデータデバイスへのデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク620は、ローカルネットワーク622を通じて、ホストコンピュータ624又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)によって操作されるデータ機器への接続を提供し得る。次に、ISPは、インターネット628を通じてデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク622及びインターネット628は両方とも、デジタルデータストリームを保持する電気信号、電磁気信号又は光信号を使用する。様々なネットワークを通じた信号及びネットワークリンク620上の信号並びにサーバ630へ及びサーバ630からデジタルデータを伝送する通信インタフェース618を通じた信号は、情報を伝送する例示的な形態又は搬送波である。
【0059】
サーバ630は、ネットワーク、ネットワークリンク620及び通信インタフェース618を通じて、電子メールを含むメッセージ及びデータ、プログラムコードを送受信することができる。さらに、通信インタフェース618は、USB/チューナを備えることができ、ネットワークリンク620は、サーバ630をケーブルプロバイダ、衛星プロバイダ、又は、別のソースからのメッセージ、データ及びプログラムコードを受信するための他の地上伝送システムに接続するためのアンテナ又はケーブルであり得る。
【0060】
本明細書で説明される実施形態の例示的なバージョンは、サーバ630を含むシステム600などの分散処理システムにおける論理演算として実装され得る。実施形態の論理演算は、サーバ630内で実行される一連のステップとして、及び、システム600内の相互接続された機械モジュールとして実装され得る。実装は、選択の問題であり、実施形態を実施するシステム600の性能に依存することができる。したがって、実施形態の前記例示的なバージョンを構成する論理演算は、例えば、演算、ステップ又はモジュールと呼ばれる。
【0061】
上述したサーバ630と同様に、クライアントデバイス601は、プロセッサ、メモリ、ストレージデバイス、ディスプレイ、入力デバイス、及び、サーバ630との通信用のインターネット628、ISP又はLAN622にクライアントデバイスを接続するための通信インタフェース(例えば、電子メールインタフェース)を含むことができる。
【0062】
システム600は、クライアントデバイス601と同じ方法で動作するコンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ、コンピューティングノード)605をさらに含むことができ、ユーザは、1以上のコンピュータ605を利用して、サーバ630内のデータを管理することができる。
【0063】
ここで、
図9を参照すると、例示的なクラウドコンピューティング環境50が示されている。示されるように、クラウドコンピューティング環境50は、例えば、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、スマートウォッチ、セットトップボックス、ビデオゲームシステム、タブレット、モバイルコンピューティングデバイス又は携帯電話54A、デスクトップコンピュータ54B、ラップトップコンピュータ54C、及び/又は、自動車コンピュータシステム54Nなどのクラウド消費者によって使用されるローカルコンピューティングデバイスが通信し得る1以上のクラウドコンピューティングノード10を備える。ノード10は互いに通信し得る。それらは、物理的又は仮想的に、上述したプライベート、コミュニティ、パブリック又はハイブリッドクラウド、若しくは、それらの組み合わせなどの1以上のネットワークにグループ化され得る(図示せず)。これにより、クラウドコンピューティング環境50は、クラウド消費者がローカルコンピューティングデバイス上でリソースを維持する必要がないサービスとして、インフラストラクチャ、プラットフォーム及び/又はソフトウェアを提供することができる。
図9に示すコンピューティングデバイス54A~Nのタイプが例示のみを意図していること、及び、コンピューティングノード10及びクラウドコンピューティング環境50が、任意のタイプのネットワーク及び/又はネットワークアドレス可能接続を介して(例えば、ウェブブラウザを使用して)任意のタイプのコンピュータ化されたデバイスと通信することができることが理解される。
【0064】
上記の実施形態の特定の特徴及び態様の様々な組み合わせ及び/又は部分的組み合わせが、行われてもよく、かつ、依然として本発明の範囲内にあるものと考えられる。したがって、開示された実施形態の様々な特徴及び態様は、開示された発明の様々なモードを形成するために、互いに組み合わせられるか又は互いに置き換えられ得ることが理解されるべきである。さらに、例として本明細書に開示される本発明の範囲は、上述した特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。