(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】装置
(51)【国際特許分類】
H04R 17/00 20060101AFI20240829BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H04R17/00
H04R1/02 102B
(21)【出願番号】P 2022173459
(22)【出願日】2022-10-28
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194791
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0099961
(32)【優先日】2022-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】李 華 烈
(72)【発明者】
【氏名】李 用 雨
(72)【発明者】
【氏名】咸 龍 洙
(72)【発明者】
【氏名】成 升 鉉
【審査官】山下 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-164165(JP,A)
【文献】特開2016-99137(JP,A)
【文献】特開2021-180486(JP,A)
【文献】特開平7-327297(JP,A)
【文献】特開2021-141584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00-1/02,17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動部と、
前記振動部の第1面を覆う第1保護部材と、
前記振動部の
前記第1面とは異なる第2面を覆う第2保護部材とを含み、
前記第1保護部材および前記第2保護部材の中の少なくとも1つは複数の層で形成され、前記複数の層の中の第1層は金属物質または無機物質からな
り、
前記第1保護部材および前記第2保護部材のそれぞれが、ベース層を含み、
前記第1層が、前記振動部と前記ベース層の間にある、装置。
【請求項2】
前記第1層が、前記振動部と重畳する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記振動部が、
圧電物質を含む振動層と、
前記振動層の第1面にある第1電極層と、
前記第1面とは異なる面にある第2電極層とを含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1層および前記振動部の間にある接着層をさらに含み、
前記接着層が、導電性接着層である、請求項
3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1層が、前記接着層を挟んで前記第1電極層および前記第2電極層の中の少なくとも1つ以上に電気的に連結する、請求項
4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1層と前記振動部の間にある接着層をさらに含み、
前記接着層が、フィラー部材を含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項7】
前記フィラー部材が、酸化物、炭化物、窒化物、および酸窒化物の中の少なくとも1つ以上を含む、請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1層と前記ベース層の間にある接着層をさらに含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1層が、前記ベース層の大きさと同じかまたは小さい、請求項
1に記載の装置。
【請求項10】
前記ベース層が、前記振動部と前記第1層の間にある、請求項
1に記載の装置。
【請求項11】
前記振動部が、
圧電物質を含む振動層と、
前記振動層の第1面にある第1電極層と、
前記第1面とは異なる面にある第2電極層とを含む、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
前記ベース層および前記振動部の間にある接着層をさらに含み、
前記ベース層が、前記接着層を挟んで、前記第1電極層および前記第2電極層の中の少なくとも1つ以上に隣接する、請求項
11に記載の装置。
【請求項13】
前記ベース層および前記第1層の間にある補助層をさらに含む、請求項
10に記載の装置。
【請求項14】
前記第1保護部材および前記第2保護部材のそれぞれが、前記第1層を含み、
前記第1保護部材および前記第2保護部材の各々の前記第1層は、互いに同じ金属物質からなるか、または異なる金属物質からなる、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第1保護部材および前記第2保護部材のそれぞれの前記第1層が、前記振動部のコンタクト部の一部である、請求項
14に記載の装置。
【請求項16】
少なくとも1つ以上の振動発生部を含み、
前記少なくとも1つ以上の振動発生部が、
振動部と、
前記振動部の第1面にあり、2つ以上の層を含む第1保護部材と、
前記振動部の第1面とは異なる第2面にあり、2つ以上の層を含む第2保護部材とを含み、
前記第1保護部材および前記第2保護部材の中の少なくとも1つに含まれる2つ以上の層の中のいずれか1層が有機物質を含む、装置。
【請求項17】
前記振動部が、
振動層と、
前記振動層の第1面にある第1電極層と、
前記第1面とは異なる第2面にある第2電極層とを含む、請求項
16に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つ以上の振動発生部が、
前記第1電極層と前記第1保護部材の間にある第1接着層と、
前記第2電極層と前記第2保護部材の間にある第2接着層とをさらに含む、請求項
17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1保護部材の有機物質が、前記第1接着層に隣接し、
前記第2保護部材の有機物質は、前記第2接着層に隣接する、請求項
18に記載の装置。
【請求項20】
前記第1保護部材および前記第2保護部材のそれぞれの前記2つ以上の層が、前記有機物質に隣接する第1層をさらに含む、請求項
19に記載の装置。
【請求項21】
前記第1層が、無機物質からなる、請求項
20に記載の装置。
【請求項22】
前記少なくとも1つ以上の振動発生部が、前記第1層と前記有機物質の間にある補助層をさらに含む、請求項
20に記載の装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つ以上の振動発生部が、前記第1保護部材の有機物質および前記第1接着層の間と、前記第2保護部材の有機物質および前記第2接着層の間とにある第1層をさらに含む、請求項
18に記載の装置。
【請求項24】
前記第1層が、金属物質からなる、請求項
23に記載の装置。
【請求項25】
前記振動層が、圧電型振動層を含む、請求項
17に記載の装置。
【請求項26】
前記振動層が、
圧電特性を有する複数の無機物質部と、
前記複数の無機物質部の間にある有機物質部とを含む、請求項
17に記載の装置。
【請求項27】
少なくとも2つ以上の振動発生部を含み、
前記少なくとも2つ以上の振動発生部が、互いに同じ方向に振動する、請求項
16に記載の装置。
【請求項28】
少なくとも1つ以上の振動発生部を含み、
前記少なくとも1つ以上の振動発生部が、
振動部と、
前記振動部の第1面にある第1保護部材と、
前記振動部の第1面とは異なる第2面にある第2保護部材とを含み、
前記第1保護部材および前記第2保護部材の中の1つ以上は複数の層で形成され、前記複数の層の中の1つの層は有機物質を含む、装置。
【請求項29】
前記第1保護部材および前記第2保護部材のそれぞれが、前記有機物質に隣接する第1層をさらに含む、請求項
28に記載の装置。
【請求項30】
受動振動部材と、
前記受動振動部材を振動させる振動発生装置とを含み、
前記振動発生装置が、請求項1~
29のいずれか1つの装置を含む、装置。
【請求項31】
前記受動振動部材が、金属、プラスチック、紙、繊維、布、木材、ゴム、皮革、ガラス、カーボン、および鏡の中の1つ以上の材質を含む、請求項
30に記載の装置。
【請求項32】
前記受動振動部材が、映像を表示する画素を有する表示パネル、表示装置から映像が投射されるスクリーンパネル、発光ダイオード照明パネル、有機発光照明パネル、無機発光照明パネル、サイネージパネル、運送手段の内装材、運送手段の外装材、運送手段のガラス窓、運送手段の座席内装材、建物の天井材、建物の内装材、建物のガラス窓、航空機の内装材、航空機のガラス窓、および鏡の中の1つ以上を含む、請求項
30に記載の装置。
【請求項33】
前記受動振動部材が、運送手段の内装材であり、
前記運送手段の内装材は、ダッシュボード、フィラー内装材、ループ内装材、ドア内装材、座席内装材、ハンドル内装材、フロア内装材、リアパッケージ内装材、リアビューミラー、オーバーヘッドコンソール、グローブボックス、およびサンバイザーの中の少なくとも1つ以上を含み、
前記振動発生装置は、前記ダッシュボード、前記フィラー内装材、前記ループ内装材、前記ドア内装材、前記座席内装材、前記ハンドル内装材、前記フロア内装材、前記リアパッケージ内装材、前記リアビューミラー、前記オーバーヘッドコンソール、前記グローブボックス、および前記サンバイザーの中の少なくとも1つ以上を振動させる、請求項
30に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
装置は、音響を提供するために別々のスピーカーまたは音響装置を含み得る。装置にスピーカーを配置する場合、スピーカーが占める空間のために装置の設計および空間配置に制約が伴うという問題が生じる。
【0003】
装置に適用されるスピーカーまたは振動装置はマグネットとコイルを含むコイル方式または圧電素子を用いた圧電方式などの方式によって振動して音響を出力することができる。
【0004】
圧電素子は、脆性特性によって外部衝撃により破損が容易に発生し、これにより音響再生の信頼性が低いという問題点がある。また、圧電方式の振動装置は、圧電素子の低い圧電定数により、コイル方式に比べて低音域帯領域での音響特性および/または音圧特性が低いという欠点がある。
【0005】
そして、圧電素子の圧電物質は、例えば、温度および/又は湿度などによって駆動特性を変化し得、これにより圧電素子の劣化が発生し得、音響再生の信頼性が低い問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本明細書の発明者らは、上記の問題点を認識し、圧電物質を用いた音響再生の環境信頼性が向上した装置を実現するためのいくつかの実験を行い、追加的に環境信頼性を充足し、外部からの湿度および/または水分を防止することができ、音圧特性および/または音響特性を向上させることができる装置を実現するためにいくつかの実験を行った。本明細書の発明者らは、様々な実験を通じて音響再生の環境信頼性を向上させることができる新しい装置を発明し、環境信頼性を充足し、外部からの湿度および/または水分を防止することができ、音圧特性および/または音響特性を向上させることができる新しい装置を発明した。
【0007】
本明細書の実施例による解決課題は、圧電素子を含む振動装置の環境信頼性が向上した装置を提供することである。
【0008】
本明細書の実施例による解決課題は、圧電素子を含む振動発生器の環境信頼性を充足し、音圧特性および/または音響特性が向上した装置を提供することである。
【0009】
本明細書の実施例による解決課題は、外部からの湿度および/または水分を防止することができる振動装置を構成することによって、音質および/または音響特性を向上させることができる装置を提供することである。
【0010】
本明細書の実施例による解決課題は、以上で言及した課題に限定されず、言及されていない他の課題は、以下の記載から当業者にはっきりと理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書の実施例による装置は、振動部と、振動部の第1面を覆う第1保護部材と、振動部の第2面を覆う第2保護部材とを含むことができる。第1保護部材および第2保護部材の中の少なくとも1つ以上は、金属物質または無機物質からなる第1層を含むことができる。
【0012】
本明細書の実施例による装置は、少なくとも1つ以上の振動発生部を含み、少なくとも1つ以上の振動発生部は、振動部、振動部の第1面にあり、2つ以上の層を含む第1保護部材を含むことができる。振動部の第1面とは異なる第2面にあり、2つ以上の層を含む第2保護部材を含むことができる。第1保護部材および第2保護部材の中の1つ以上に含まれる2つ以上の層の中のいずれか1つは、有機物質を含むことができる。
【0013】
本明細書の実施例による装置は、受動振動部材と、受動振動部材を振動させる振動発生装置とを含むことができる。振動発生装置は、振動部と、振動部の第1面を覆う第1保護部材と、振動部の第2面を覆う第2保護部材とを含むことができる。第1保護部材および第2保護部材の中の少なくとも1つ以上は、金属物質または無機物質からなる第1層を含むことができる。
【0014】
本明細書の実施例による装置は、受動振動部材および受動振動部材を振動させる振動発生装置を含むことができる。振動発生装置は、少なくとも1つ以上の振動発生部を含み、少なくとも1つ以上の振動発生部は、振動部と、振動部の第1面にあり、2つ以上の層を含む第1保護部材と、振動部の第1面とは異なる第2面にあり、2つ以上の層を含む第2保護部材とを含むことができる。第1保護部材および第2保護部材の中の1つ以上に含まれる2つ以上の層の中のいずれか1層は、有機物質を含むことができる。
【0015】
他の実施例の具体的な事項は、詳細な説明および図に含まれている。
【発明の効果】
【0016】
本明細書の実施例によれば、表示パネルまたは受動振動部材を振動させる振動装置を構成し、圧電素子を含む振動装置の保護部材を構成するので、環境信頼性を向上させることができる装置を提供することができる。
【0017】
本明細書の実施例によれば、表示パネルまたは受動振動部材を振動させる振動装置を構成し、圧電素子を含む振動装置の保護部材を構成するので、環境信頼性を充足し、音圧特性および/または音響特性を向上させることができる装置を提供することができる。
【0018】
本明細書の効果は、上記の効果に限定されず、言及していない他の効果は以下の説明から当業者には明確に理解されるであろう。
【0019】
以上の解決しようとする課題、課題解決手段、効果に記載した発明の内容は請求項の必須的な特徴を特定するものではないので、請求項の権利範囲は、発明の内容に記載された事項によって制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本明細書の実施例による振動装置を示す図である。
【
図3】
図1に示した線A-A’の他の断面図である。
【
図4】
図1に示した線A-A’の他の断面図である。
【
図5】
図1に示した線A-A’の他の断面図である。
【
図6】
図1に示した線A-A’の他の断面図である。
【
図7】本明細書の実施例による透湿度を示す図である。
【
図8】本明細書の実施例による透湿度を示す図である。
【
図9】本明細書の実施例による振動部の振動層を示す斜視図である。
【
図10】
図5に示した振動層の他の実施例を示す斜視図である。
【
図11】
図5に示した振動層の他の実施例を示す斜視図である。
【
図12】
図5に示した振動層の他の実施例を示す斜視図である。
【
図13】本明細書の他の実施例による振動装置を示す図である。
【
図14】本明細書の他の実施例による振動装置を示す図である。
【
図15】本明細書の他の実施例による振動装置を示す図である。
【
図17】本明細書の他の実施例による振動装置を示す図である。
【
図20】本明細書の実施例による装置を示す図である。
【
図22】本明細書の他の実施例による装置を示す図である。
【
図25】本明細書の他の実施例による装置を示す図である。
【
図27】本明細書の他の実施例による装置を示す図である。
【
図28】本明細書の他の実施例による装置を示す図である。
【
図29】
図2に示した本明細書の実施例による振動装置の音響出力特性を示す図である。
【
図30】
図3に示した本明細書の実施例による振動装置の音響出力特性を示す図である。
【
図31】
図3に示した本明細書の他の実施例による振動装置の音響出力特性を示す図である。
【
図32】
図4に示した本明細書の実施例による振動装置の音響出力特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書の利点および特徴、およびそれらを達成する方法は、添付の図と共に詳細に後述される実施例を参照することによって明らかになるであろう。しかしながら、本明細書は、以下に開示される実施例に限定されず、互いに異なる様々な形態で実施されるものであり、単に、本実施例は本明細書の開示を完全にし、本明細書が属する技術分野における通常の知識有する者に、発明の範疇を完全にするために提供するものであり、本明細書は、特許請求の範囲によって定義されるだけである。
【0022】
本明細書の実施例を説明するための面に開示される形状、大きさ、比率、角度、数などは例示的なものであり、本明細書が示した事項に限定されない。明細書全体にわたって、同じ参照番号は同じ構成要素を指す。なお、本明細書の説明において、関連する公知技術の具体的な説明が本明細書の要旨を不必要に曖昧にし得ると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0023】
本明細書で言及した「含む」、「有する」、「からなる」などを使用する場合、「のみ」を使用しない限り、他の部分を追加することができる。構成要素を単数で表現した場合に、特に明示的な記載事項がない限り複数を含む場合を含む。
【0024】
構成要素を解釈する際には、誤差範囲に対する別途の明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0025】
位置関係の説明である場合、例えば、「上に」、「上部に、」「下部に」、「横に」などで2つの部分の位置関係を説明する場合、例えば、 「すぐ」または「直接」が使用されない限り、2つの部分の間に1つ以上の他の部分を配置することができる。
【0026】
時間関係の説明である場合、「後に」、「続いて」、「次に」、「前に」などで時間的前後関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されない限り連続的でない場合も含むことができる。
【0027】
第1、第2などが様々な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素は、これらの用語によって限定されない。これらの用語は、1つの構成要素のみを他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本明細書の技術的思想内で第2構成要素であり得る。
【0028】
「第1水平軸方向」、「第2水平軸方向」および「垂直軸方向」は、相互の関係が垂直からなる幾何学的関係のみと解釈されてならず、本明細書の構成は、機能的に作用し得る範囲内より広い方向性を有することを意味することができる。
【0029】
本明細書の構成要素を説明する際に、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を用いることができる。この用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によってその構成要素の性質、順番、順序、または数などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」、または「接続」すると記載されている場合、その構成要素は他の構成要素に直接に連結または接続することができ、特に明示的な記載事項がない間接的な連結または接続することができる各構成要素の間に、他の構成要素が「介在」することができることを理解されなければならない。
【0030】
「少なくとも1つ」は、関連する構成要素の1つ以上のすべての組み合わせを含むと理解されなければならない。例えば、「第1、第2、および第3構成要素の少なくとも1つ」の意味は、第1、第2、または第3構成要素だけでなく、第1、第2、および第3構成要素の中の2つ以上のすべての構成要素の組み合わせを含むとすることができる。
【0031】
本明細書における「装置」は、表示パネルと表示パネルを駆動するための駆動部とを含む液晶表示装置(LCD)、有機発光表示装置(OLED)などの表示装置を含むことができる。そして、本明細書における「装置」は、LCDまたはOLEDなどを含む完成品であるノートブックコンピュータ、テレビ、コンピュータモニタ、車両用または自動車用装置または車両の他の形態等を含む電装装置、スマートフォン又は電子パッド等のモバイル電子装置等のセット電子機器又はセット装置も含むことができる。
【0032】
したがって、本明細書における装置は、LCDまたはOLEDなどの表示装置自体、およびLCDまたはOLEDなどを含む応用製品または最終消費者用の装置であるセット装置まで含むことができる。
【0033】
そして、本明細書のいくつかの実施例では、表示パネルと駆動部などからなるLCDまたはOLEDを「表示装置」と表現し、LCDまたはOLEDを含む完成品としての電子機器を「セット装置」と区別して表現することもできる。例えば、表示装置は、液晶表示パネルまたは有機発光表示パネルの表示パネルと、表示パネルを駆動するための制御部であるソースPCBとを含むことができる。セット装置は、ソースPCBに電気的に接続してセット装置全体を駆動するセット制御部であるセットPCBをさらに含むことができる。
【0034】
本明細書の実施例に用いられる表示パネルとしては、液晶表示パネル、有機発光表示パネル、電界発光表示パネルなどのあらゆる形態の表示パネルを用いることができる。本明細書の実施例は、これに限定されない。例えば、表示パネルは、本明細書の実施例による装置1または振動装置によって振動することによって音響を発生させることができる表示パネルであり得る。本明細書の実施例による装置または表示装置に適用される表示パネルは、表示パネルの形態や大きさに限定されない。
【0035】
例えば、表示パネルが液晶表示パネルである場合には、複数のゲートラインとデータライン、およびゲートラインとデータラインの交差領域に形成される画素とを含むことができる。そして、各画素における光透過性を調整するためのスイッチング素子である薄膜トランジスタを含むアレイ基板と、カラーフィルタおよび/又はブラックマトリックス等を具備した上部基板と、アレイ基板および上部基板の間に形成される液晶層を含むことができる。
【0036】
表示パネルが有機発光(OLED)表示パネルである場合には、複数のゲートラインとデータライン、およびゲートラインとデータラインの交差領域に形成される画素を含むことができる。そして、各画素に選択的に電圧を印加するための素子である薄膜トランジスタを含むアレイ基板と、アレイ基板上の有機発光素子(OLED)層、および有機発光素子層を覆うようにアレイ基板上に配置される封止基板またはエンカプシュレーション(Encapsulation)基板などを含んで構成することができる。封止基板は、外部の衝撃から薄膜トランジスタや有機発光素子層などを保護し、有機発光素子層に水分や酸素が浸透することを防止することができる。そして、アレイ基板上に形成される層は、無機発光層、例えばナノサイズの物質層、量子ドット発光層などを含むことができる。本明細書の他の実施例は、マイクロ発光ダイオードを含むことができる。
【0037】
表示パネルは、表示パネルに付着した金属板のような背面をさらに含むことができる。他の構造、例えば他の物質からなる他の構造を含むこともできる。
【0038】
本明細書の様々な実施例のそれぞれの特徴は、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に様々な連動および駆動が可能であり、各実施例は、互いに対して独立して実施可能であり、連関関連で一緒に実施することもできる。
【0039】
以下、添付の図および実施例を通じて本明細書の実施例を詳しく見ると次の通りである。各図の構成要素に参照符号を付加する際に、同一の構成要素については、異なる図に表示されても、可能な限り同一の符号を有することができる。図に示される構成要素のスケールは、説明の便宜上、実際とは異なるスケールを有するので、図に示されるスケールに限定されない。
【0040】
図1は、本明細書の実施例による振動装置を示す図であり、
図2は、
図1に示した線A-A’の断面図である。
【0041】
図1および
図2を参照すると、本明細書の実施例による振動装置1は、フレキシブル振動構造物、フレキシブル振動器、フレキシブル振動発生素子、フレキシブル振動発生器、フレキシブル音響器、フレキシブル音響素子、フレキシブル音響発生素子、フレキシブル音響発生器、フレキシブルアクチュエータ、フレキシブルスピーカー、フレキシブル圧電スピーカー、フィルムアクチュエーター、フィルム型圧電複合体アクチュエーター、フィルムスピーカー、フィルム型圧電スピーカー、またはフィルム型圧電複合体スピーカーなどで表現することができ、本明細書の実施例は、これに限定されない。
【0042】
本明細書の実施例による振動装置1は、振動部10、第1保護部材30、および第2保護部材50を含むことができる。
【0043】
振動部10は、振動層11、第1電極層13、および第2電極層15を含むことができる。
【0044】
振動層11は、圧電効果を含む圧電物質または電気活性物質を含むことができる。例えば、圧電物質は、外力によって結晶構造に圧力やねじれ現象が作用しながら、正(+)イオンと負(-)イオンの相対的な位置変化による誘電分極によって電位差が発生し、逆に印加される電圧電界によって振動が発生する特性を有することができる。振動層11は、相対的に高い振動の実現が可能なセラミック系の物質で構成するか、ペロブスカイト系の結晶構造を有する圧電セラミックで構成することもできる。例えば、振動層11は、圧電層、圧電物質層、電気活性層、圧電物質部、電気活性部、圧電構造物、圧電複合層、圧電複合体、または圧電セラミック複合体などの他の用語で表すことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0045】
振動層11は、相対的に高い振動の実現が可能なセラミック系列の物質で構成することができ、ペロブスカイト系列の結晶構造を有する圧電セラミックで構成することができる。ペロブスカイト結晶構造は、圧電および逆圧電効果を有し、配向性を有する構造であり得る。ペロブスカイト結晶構造は、ABO3の式で表され、Aサイトは2価の金属元素からなり、Bサイトは4価の金属元素からなり得る。本明細書の実施例として、ABO3の式において、AサイトおよびBサイトはカチオンであり、Oはアニオンであり得る。例えば、ABO3の式は、PbTiO3、PbZrO3、PbZrTiO3、BaTiO3、およびSrTiO3の中の少なくとも1つを含むことができ、本明細書の実施例はこれらに限定されない。
【0046】
ペロブスカイト結晶構造は、外部応力または磁場によって中央イオン、例えば、PbTiO3の場合、Tiイオンの位置が変動して分極が変化して圧電効果を発生することができる。例えば、ペロブスカイト結晶構造は、外部応力または磁場によって対称な構造であるキュービック(cubic)形状から、非対称構造である四角形、直方体形状、および菱形などの形状に変化することで、圧電効果を発生させることができる。対称でない構造を有する四角形および菱形の相転移境界領域(Morphotropic Phase Boundary)で分極が高く、分極の再配列が容易であるため、高い圧電特性を有することができる。
【0047】
本明細書の他の実施例による振動層11は、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)の中の1つ以上を含み、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0048】
本明細書の他の実施例による振動層11は、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、およびチタン(Ti)を含むPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系物質、又は鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)を含むPZNN(ニッケルニオブ酸ジルコン酸鉛)系物質を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。本明細書の実施例において、振動層11は、鉛(Pb)を含まないCaTiO3、BaTiO3、およびSrTiO3の中の少なくとも1つ以上を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0049】
第1電極層13は、振動層11の第1面(または下面)に配置することができる。第1電極層13は、振動層11と同じ大きさを有するか、振動層11よりも小さい大きさを有することができる。例えば、第1電極層13は、振動層11の端部分を除いた残りの第1面全体に形成することができる。例えば、第1電極層13は、振動層11と実質的に同じ形状を有することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0050】
第2電極層15は、振動層11の第1面と異なるかまたは反対の第2面(または上面)に配置することができる。第2電極層15は、振動層11と同じ大きさを有するか、振動層11よりも小さい大きさを有することができる。例えば、第2電極層15は、振動層11の端部分を除いた残りの第2面の全体に形成することができる。例えば、第2電極層15は、振動層11と実質的に同じ形状を有することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0051】
本明細書の実施例による第1電極層13と第2電極層15のそれぞれは、カーボンを含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、カーボンは、カーボンブラック、高導電性カーボンブラック(ケッチェンブラック)、カーボンナノチューブ、またはグラファイトを含む炭素材料であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、第1電極層13と第2電極層15の中の少なくとも1つ以上は、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなり得る。例えば、透明または半透明の導電物質は、ITO(酸化インジウムスズ)またはIZO(酸化インジウム鉛)を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。不透明導電性物質は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、モリブデン(Mo)、マグネシウム(Mg)、またはガラスフリットを含む銀(Ag)などを含むかまたはそれらの合金からなり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。本明細書の他の実施例によれば、第1電極層13と第2電極層15のそれぞれは、振動層11の電気特性および/または振動特性を向上させるために、比抵抗の低い銀(Ag)を含むことができる。
【0052】
第1保護部材30は、振動部10の第1面に配置することができる。例えば、第1保護部材30は、第1電極層13にあり得る。例えば、第1保護部材30は、第1電極層13上にあることができる。例えば、第1保護部材30は、振動層11の第1面上に配置された第1電極層13を覆うように構成することができる。したがって、第1保護部材30は、振動部10の第1面または第1電極層13を保護することができる。
【0053】
第2保護部材50は、振動部10の第2面に配置することができる。例えば、第2保護部材50は、第2電極層15にあり得る。例えば、第2保護部材50は、第2電極層15上にあることができる。例えば、第2保護部材50は、振動層11の第2面上に配置された第2電極層15を覆うように構成することができる。したがって、第2保護部材50は、振動部10の第2面または第2電極層15を保護することができる。
【0054】
本明細書の実施例による第1保護部材30と第2保護部材50のそれぞれは、プラスチック、金属、繊維、布、紙、皮革、ゴム、および木材の中の1つ以上の物質を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、第1保護部材30と第2保護部材50のそれぞれは、同じかまたは異なる材質を含むことができる。例えば、第1保護部材30と第2保護部材50のそれぞれは、ポリイミドフィルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルムであり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0055】
本明細書の実施例による第1保護部材30と第2保護部材50の中の1つ以上は、接着部材を含むことができる。例えば、第1保護部材30および第2保護部材50の中の1つ以上は、振動部10に結合又は接着した接着部材、および接着部材を覆うかまたは保護するカバー部材(又は剥離部材)を含むことができる。例えば、接着部材は、接着性を有しながら圧縮と復元が可能な電気絶縁物質を含むことができる。例えば、第1保護部材30は、振動部10に結合または接着した接着部材、および接着部材を覆うかまたは保護する保護部材(または剥離部材)を含むことができる。
【0056】
第1保護部材30は、第1接着層41を介して振動部10の第1面に配置することができる。例えば、第1保護部材30は、第1接着層41を介して、第1電極層13に連結または結合することができる。例えば、第1保護部材30は、第1接着層41を媒介とするフィルムラミネート工程によって、振動部10の第1面または第1電極層13に配置することができる。例えば、第1保護部材30は、第1接着層41を媒介とする熱融着工程によって、振動部10の第1面または第1電極層13に配置することができる。したがって、振動部10は、第1保護部材30に一体化(または配置)して連結または結合することができる。
【0057】
第2保護部材50は、第2接着層42を介して、振動部10の第2面に配置することができる。例えば、第2保護部材50は、第2接着層42を介して第2電極層15に連結または結合することができる。例えば、第2保護部材50は、第2接着層42を媒介とするフィルムラミネート工程によって振動部10の第2面または第2電極層15に配置することができる。例えば、第2保護部材50は、第2接着層42を媒介とする熱融着工程によって、振動部10の第2面または第2電極層15に配置することができる。したがって、振動部10は、第2保護部材50に一体化(または配置)して連結または結合することができる。
【0058】
本明細書の他の実施例によれば、振動層11は、鉛を含まない圧電物質で構成することができる。例えば、振動層11は、KNN(ニオブ酸カリウムナトリウム)((K、Na)NbO3)であり得る。KNNのカリウム(K)およびナトリウム(Na)は、潮解性の大きい材料で構成されているので、鉛を含む圧電物質よりも水分に対して脆弱であり得る。例えば、保護部材30、50はポリエチレンナフタレートで構成することができる。これにより、透湿度(水分透湿率)に優れた保護部材で構成され、外部から流入する水分を遮断することができる。
【0059】
本明細書の実施例による第1接着層41と第2接着層42のそれぞれは、接着性を有しながら圧縮と復元が可能な電気絶縁物質を含むことができる。例えば、第1接着層41は、第1保護部材30と第1電極層13の間に配置され得る。例えば、第2接着層42は、第2保護部材50と第2電極層15の間に配置され得る。第1接着層41および第2接着層42は、振動部10全体を囲むことができる。例えば、第1接着層41および第2接着層42は、振動部10全体を完全に囲むことができる。例えば、第1接着層41および第2接着層42は、振動部10と接触するか、直接に接触することができる。第1接着層41と第2接着層42のそれぞれは、振動層11、第1電極層13、および第2電極層15を包むように第1保護部材30と第2保護部材50の間に配置することができる。例えば、第1接着層41および第2接着層42のそれぞれは、振動層11、第1電極層13、および第2電極層15を完全に包み込むように第1保護部材30と、第2保護部材50の間に配置することができる。例えば、振動層11と第1電極層13および第2電極層15は、第1接着層41と第2接着層42の間に埋め込むか内蔵することができる。第1接着層41と第2接着層42は、説明の便宜上、第1接着層41と第2接着層42として示しているが、1つの接着層に配置され得る。
【0060】
本明細書の実施例による第1接着層41と第2接着層42のそれぞれは、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、またはウレタン樹脂を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0061】
本明細書の他の実施例による第1接着層41および第2接着層42のそれぞれは、熱硬化性接着剤、光硬化性接着剤、および熱融着接着剤の中の1つ以上を含むことができる。例えば、第1接着層41および第2接着層42のそれぞれは、熱融着接着剤を含むことができる。熱融着接着剤は、熱活性タイプまたは熱硬化性タイプであり得る。例えば、熱融着接着剤を含む第1接着層41は、熱と圧力によって第1保護部材30と振動部10の第1面または第1電極層13を互いに連結または結合することができる。例えば、熱融着接着剤を含む第1接着層41は、熱によって第1保護部材30と振動部10の第1面または第1電極層13を互いに連結または結合することができる。例えば、熱融着接着剤を含む第2接着層42は、熱と圧力によって第2保護部材50と振動部10の第2面または第2電極層15を連結または結合することができる。例えば、熱融着接着剤を含む第2接着層42は、熱によって第2保護部材50と振動部10の第2面または第2電極層15とを連結または結合することができる。
【0062】
図3は、
図1に示した線A-A’の他の断面図である。
【0063】
図3を参照すると、本明細書の他の実施例による振動装置1は、振動部10、第1保護部材30、および第2保護部材50を含むことができる。
【0064】
振動部10は、振動層11、第1電極層13、および第2電極層15を含むことができる。振動部10は、
図1および
図2で説明した内容と実質的に同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0065】
本明細書の実施例による第1保護部材30は、振動部10の第1面にあり、2つ以上の層を含むことができる。2つ以上の層の中のいずれか1つの層は有機物質を含むことができる。
【0066】
第1保護部材30は、第1層31、第2層35および第2層33を含むことができる。
【0067】
第1保護部材30の第1層31は、第1接着層41を介して振動部10の第1面に配置することができる。例えば、第1層31は、第1接着層41を介して第1電極層13上にあることができる。例えば、第1層31は、第1接着層41を介して振動層11の第1面上に配置された第1電極層13を覆うように構成することができる。
【0068】
本明細書の他の実施例による第1保護部材30の第1層31は、金属材質であり得る。第1層31は、耐透湿性に優れた金属物質であり得る。例えば、第1層31は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレススチール(SUS)、イリジウム(Ir)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、窒化アルミニウム(AlN)、または酸化タンタル(TaOx)などの金属物質などを含むか、またはそれらの合金からなる材質からなり得、本明細書の実施例は、これに限定されない。例えば、第1層の厚さは10μm以上であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、第1層31の厚さが10μm以上の場合、第1層31の形成工程におけるピンホールおよび/またはクラックを防止することができる。
【0069】
第1層31は、振動部10、第1電極層13、または振動層11に流入する水分を遮断したり、水分透湿量を減少させることができるので、振動装置1の高温高湿環境条件で信頼性を向上させることができる。例えば、振動装置1内に水分が流入すると、第1電極層13で水分(H2O)が分解されて水素(H2)および水素イオン(H+)が生成され、振動層(11)の気孔を通じた内部反応によって振動層11が劣化したり、変質および/または性能が低下し得る。これにより、本明細書の他の実施例では、振動部10を保護する第1保護部材30として、耐透湿性に優れた金属材質からなる第1層31を付加することにより、流入する水分を遮断したり、水分透湿量を減らすことができ、振動装置1の高温高湿環境条件で信頼性を向上させることができる。例えば、第1層31は、バリア層、金属層、メタル層、メタルレイヤ、薄膜金属層、薄膜金属フィルム、または金属箔などの他の用語で表現することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0070】
第1保護部材30の第2層35は、第1保護部材30のベースフィルムまたはベース層であり得る。第2層35は、第3層33を介して、第1層31に結合または接着することができる。第2層35は、プラスチック、金属、繊維、布、紙、皮革、ゴム、カーボン、および木材の中の1つ以上の材料を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、第2層35は、ポリイミドフィルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルムであり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0071】
例えば、第1層31は、振動部10とベース層である第2層35の間にあることができる。例えば、第1層31の大きさは、ベース層である第2層35の大きさと同じでも小さくてもよい。
【0072】
本明細書の実施例によれば、第1層31は、第1保護部材30の有機物質である第2層35と第1接着層41の間にあり得る。
【0073】
例えば、第2層35が、第1層31よりも振動部10に近くに配置される場合、外部からの水分浸透を第1層31によってさらに防止することができる。第1層31に他の層を配置する場合、第1層31の外部衝撃による影響および/または酸化を他の層によって防止することができる。例えば、第1層31が第2層35よりも振動部10または振動層11に近くに配置されるので、第2層35の吸湿による体積変化が第1層31および/または第3層33によって緩和され得、それにより外部衝撃から振動部10を保護することができる。
【0074】
第1保護部材30の第3層33は、第1層31の第1面に配置することができる。例えば、第3層33は、第1層31と第1保護部材30の第2層35の間に配置することができる。第3層33は、第1層31と第2層35の間を連結または結合することができる接着剤であり得る。第3層33は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、またはウレタン樹脂を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0075】
本明細書の他の実施例による第3層33は、熱硬化性接着剤、光硬化性接着剤、および熱融着接着剤の中の1つ以上を含むことができる。例えば、第2層35は熱融着接着剤を含むことができる。熱融着接着剤は、熱活性タイプまたは熱硬化性タイプであり得る。例えば、熱融着接着剤を含む第3層33は、熱と圧力によって第1層31と第2層35を互いに連結または結合することができる。例えば、熱融着接着剤を含む第3層33は、熱によって第1層31と第2層33を互いに連結または結合することができる。
【0076】
第1保護部材30の第1層31および第2層35は、第3層33を介して互いに連結又は結合することができる。例えば、第1層31および第2層35は、第3層33を媒介とするフィルムラミネート工程によって一体化して連結または結合され得る。例えば、第1層31および第3層33は、第2層35を媒介とする熱融着工程によって一体化して連結または結合することができる。
【0077】
本明細書の実施例による第2保護部材50は、振動部10の第1面とは異なる第2面にあり、2つ以上の層を含むことができる。2つ以上の層の中のいずれか1層は、有機物質を含むことができる。
【0078】
第2保護部材50は、第1層51、第2層55および第3層53を含むことができる。
【0079】
第2保護部材50の第1層51は、第2接着層42を介して振動部10の第2面に配置することができる。例えば、第1層51は、第2接着層42を介して第2電極層15上にあることができる。例えば、第1層51は、第2接着層42を介して振動層11の第2面上に配置された第2電極層15を覆うように構成することができる。
【0080】
本明細書の他の実施例による第2保護部材50の第1層51は、金属材質であり得る。第1層51は、耐透湿性に優れた金属材質であり得る。例えば、第1層51は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレススチール(SUS)、イリジウム(Ir)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、窒化アルミニウム(AlN)、または酸化タンタル(TaOx)などの金属物質などを含むか、またはそれらの合金からなる材質からなり得、本明細書の実施例は、これに限定されない。例えば、第1層51の厚さは10μm以上であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば。第1層51の厚さが10μm以上の場合、第1層51の形成工程におけるピンホールおよび/またはクラックを防止することができる。
【0081】
第1層51は、振動部10、第2電極層15、または振動層11に流入する水分を遮断したり、水分透湿量を減少させることができるので、振動装置1の高温高湿環境条件で信頼性を向上させることができる。例えば、振動装置1内に水分が流入すると、第2電極層15で水分(H2O)が分解して水素(H2)および水素イオン(H+)が生成され、振動層11の気孔を通じた内部反応により振動層11が劣化したり、振動層11の変質および/または振動層11の性能が低下することがある。これにより、本明細書の他の実施例によれば、振動部10を保護する第2保護部材50に、耐透湿性に優れた金属材質からなる第1層51が付加されることにより、外部から流入する水分を遮断したり、水分の透湿量を減らすことができ、これによって、振動装置1の高温および高湿環境条件での信頼性を改善することができる。例えば、第1層51は、バリア層、金属層、メタル層、メタルレイヤ、薄膜金属層、薄膜金属フィルム、または金属箔などの他の用語で表現することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0082】
第2保護部材50の第2層55は、第3層53を介して第1層51に結合または接着することができる。第2層55は、プラスチック、金属、繊維、布、紙、ゴム、皮革、カーボン、および木材の中の1つ以上の材質を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、第2層55は、ポリイミドフィルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルムであり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0083】
例えば、第1層51は、振動部10とベース層である第2層55の間にあることができる。例えば、第1層51の大きさは、ベース層である第2層55の大きさと同じでも小さくてもよい。
【0084】
本明細書の実施例によれば、第1層51は、第2保護部材50の有機物質である第2層55と第2接着層42の間にあり得る。
【0085】
例えば、第2層55が、第1層51よりも振動部10に近くに配置される場合、第1層51によって外部からの水分浸透をさらに防止することができる。第1層31に他の層を配置する場合、他の層による第1層31の外部衝撃による影響および/または酸化を防止することができる。例えば、第1層51が、第2層55よりも振動部10または振動層11に近くに配置されるので、第2層55の吸湿による体積変化が、第1層51および/または第3層53によって緩和され得、それによって外部衝撃から振動部10を保護することができる。
【0086】
第2保護部材50の第3層53は、第1層51の第1面に配置することができる。例えば、第3層53は、第1層51と第2保護部材50の第2層55との間に配置することができる。第3層53は、第1層51と第2層55との間を連結または結合することができる接着剤であり得る。第3層53は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、またはウレタン樹脂を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0087】
本明細書の他の実施例による第3層53は、熱硬化性接着剤、光硬化性接着剤、および熱融着接着剤の中の1つ以上を含むことができる。例えば、第3層53は、熱融着接着剤を含むことができる。熱融着接着剤は、熱活性タイプまたは熱硬化性タイプであり得る。例えば、熱融着接着剤を含む第3層53は、熱と圧力によって第1層51と第2層55を互いに連結または結合することができる。例えば、熱融着接着剤を含む第3層53は、熱によって第1層51と第2層55を連結または結合することができる。
【0088】
第2保護部材50の第1層51および第2層55は、第3層53を介して互いに連結又は結合することができる。例えば、第1層51および第2層55は、第3層53を媒介とするフィルムラミネート工程によって一体化して連結または結合され得る。例えば、第1層51および第2層55は、第3層53を媒介とする熱融着工程によって一体化して連結または結合され得る。
【0089】
本明細書の他の実施例によれば、第1保護部材30および第2保護部材50のそれぞれの第1層31、51は、互いに同じ金属物質で構成することができる。本明細書の他の実施例によれば、第1保護部材30および第2保護部材50のそれぞれの第1層31、51は、異なる金属物質で構成することができる。
【0090】
本明細書の他の実施例によれば、第1保護部材30および第2保護部材50のそれぞれに、耐透湿性に優れた金属物質からなる第1層31、51をさらに含むように構成することで、外部から流入する水分を遮断したり、水分透湿量を減少させることができ、これにより振動装置1の高温および高湿の環境条件で信頼性を改善することができる。
【0091】
図4は、
図1に示した線A-A’の他の断面図である。
【0092】
図4を参照すると、本明細書の他の実施例による振動装置1は、振動部10、第1保護部材30、第2保護部材50、第1接着層43、および第2接着層44を含むことができる。
【0093】
振動部10は、振動層11、第1電極層13、および第2電極層15を含むことができる。振動部10は、
図1および
図2で説明した内容と実質的に同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0094】
本明細書の他の実施例による第1保護部材30は、第1層31、第2層35、および第3層33を含むことができる。第2保護部材50は、第1層51、第2層55、および第3層53を含むことができる。第1接着層43および第2接着層44は、第1保護部材30と第2保護部材50のそれぞれと振動部10の間にあることができる。
【0095】
第1保護部材30は、金属材質からなる第1層31、ベースフィルムまたはベース層である第2層35、および接着剤からなる第3層33を含むことができる。
【0096】
第2保護部材50は、金属材質からなる第1層51、ベースフィルム又はベース層である第2層55、および接着剤からなる第3層53を含むことができる。例えば、第1保護部材30および第2保護部材50のそれぞれは、ベース層を含むことができる。第1保護部材30および第2保護部材50のベース層は、第2層35、55であり得る。
【0097】
第1保護部材30および第2保護部材50のそれぞれは、
図3で説明した第1保護部材30および第2保護部材50と実質的に同一であるので、これに対する重複説明は、省略または簡略にすることができる。
【0098】
本明細書の他の実施例による第1接着層43および第2接着層44のそれぞれは、接着性を有しながら圧縮および復元が可能な電気絶縁物質を含むことができる。例えば、第1接着層43は、第1保護部材30と第1電極層13の間に配置され得る。例えば、第2接着層44は、第2保護部材50と第2電極層15の間に配置され得る。第1接着層43および第2接着層44は、振動部10全体を囲むことができる。例えば、第1接着層43および第2接着層44は、振動部10全体を完全に囲むことができる。第1接着層43および第2接着層44のそれぞれは、振動層11、第1電極層13、および第2電極層15を包むように第1保護部材30および第2保護部材50の間に配置することができる。例えば、第1接着層43と第2接着層44のそれぞれは、振動層11、第1電極層13、および第2電極層15を完全に包み込むように第1保護部材30と、第2保護部材50の間に配置され得る。例えば、振動層11と第1電極層13および第2電極層15は、第1接着層43と第2接着層44の間に埋め込むか内蔵することができる。第1接着層43と第2接着層44は、説明の便宜上、第1接着層43と第2接着層44として示していて、1つの接着層に配置することができる。
【0099】
本明細書の他の実施例による第1接着層43および第2接着層44のそれぞれは、フィラー(filler)部材を含むことができる。例えば、第1接着層43および第2接着層44のそれぞれは、PSA(pressure sensitive adhesive)、OCA(optically clear adhesive)またはOCR(optically clear resin)を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されない。第1接着層43および第2接着層44のそれぞれは、上記の物質にフィラー部材を含んで構成することができる。例えば、フィラー部材は、少なくとも1つ以上の酸化物、炭化物、窒化物および酸窒化物を含むフィラー物質であり得る。例えば、フィラー物質は、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化ケイ素、酸化タンタル、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、炭化ホウ素、炭化ケイ素、炭化タングステン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸窒化アルミニウム、酸窒化ホウ素、酸窒化ケイ素、酸ホウ化ジルコニウム、酸ホウ化チタンの中の少なくとも1つ以上、またはそれらの組み合わせを含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されない。例えば、フィラー部材は、球形、棒状または塊状などの形状を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されない。棒状は、横と縦の比が1:1~1:10000の棒形状であり得る。フィラー部材の含有量は、体積比で50%以下で含むことができる。例えば、第1接着層43および第2接着層44のそれぞれは、フィラー部材の含有量比の増量によってモジュラス(modulus)(またはヤング率)増加による音圧向上効果を得ることができるが、一定含有量以上になると接着力低下などの問題を惹起し得るので、体積比の50%以下に設定することができる。
【0100】
本明細書の他の実施例によれば、第1保護部材30および第2保護部材50のそれぞれに含まれる剛性を有する第1層31、51による音圧特性の損失が緩和されるように、第1接着層43および第2接着層44のそれぞれにフィラー部材をさらに含むように構成することで、環境信頼性の改善および音圧特性を向上させることができる。
【0101】
図5は、
図1に示した線A-A’の他の断面図である。
【0102】
図5を参照すると、本明細書の他の実施例による振動装置1は、振動部10、第1保護部材60、および第2保護部材70を含むことができる。
【0103】
振動部10は、振動層11、第1電極層13、および第2電極層15を含むことができる。振動部10は、
図1および
図2で説明した内容と実質的に同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0104】
本明細書の他の実施例による第1保護部材60は、振動部10の第1面にあり、2つ以上の層を含むことができる。2つ以上の層の中のいずれか1つは、有機物質を含むことができる。
【0105】
本明細書の他の実施例による第1保護部材60は、第1層61と第2層65を含むことができる。
【0106】
例えば、第2層65はベース層であり得る。例えば、ベース層である第2層65は、振動部10と第1層61の間にあることができる。
【0107】
例えば、第1保護部材60の第1層61は、2つ以上の層のうち有機物質である第2層65に隣接することができる。第1保護部材60の第1層61は、無機物質で構成することができる。例えば、第1層61は、シリコーン酸化物(SiOx)、酸化シリコーン(SiO2)、亜鉛酸化物(ZnO)、アルミニウム酸化物(Al2O3)、フッ化マグネシウム(MgF)等の単一又はSAO(SiO2、Al2O3)、SMO(SiO2-MgO)、STO(SiO2、SnO2)およびSZO(SiO2、ZnO)などの無機複合物の中の少なくとも1つ以上であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、第1層61の厚さは、400nm以上または1000nm以上であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、第1層61の厚さが、400nm以上または1000nm以上である場合、第2層65の形成工程におけるピンホールおよび/またはクラックを防止することができる。
【0108】
第1保護部材60の第2層65は、有機物質で構成することができる。例えば、第2層65は、ポリイミドフィルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルムであり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0109】
本明細書の他の実施例による第2保護部材70は、振動部10の第2面にあり、2つ以上の層を含むことができる。2つ以上の層の中のいずれか1つは、有機物質を含むことができる。
【0110】
本明細書の他の実施例による第2保護部材70は、第1層71および第2層75を含むことができる。
【0111】
例えば、第2層75はベース層であり得る。例えば、ベース層である第2層75は、振動部10と第1層71の間にあることができる。
【0112】
例えば、第2保護部材70の第1層71は、2つ以上の層のうちの有機物質である第2層75に隣接することができる。第2保護部材70の第1層71は、無機物質で構成することができる。例えば、第1層71は、シリコーン酸化物(SiOx)、酸化シリコーン(SiO2)、亜鉛酸化物(ZnO)、アルミニウム酸化物(Al2O3)、フッ化マグネシウム(MgF)等の単一又はSAO(SiO2、Al2O3)、SMO(SiO2-MgO)、STO(SiO2、SnO2)、およびSZO(SiO2、ZnO)などの無機複合体の中の少なくとも1つ以上であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、第1層71の厚さは、400nm以上または1000nm以上であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、第1層71の厚さが、400nm以上または1000nm以上の場合、第2層75の形成工程におけるピンホールおよび/またはクラックを防止することができる。
【0113】
第2保護部材70の第2層75は、有機物質で構成することができる。例えば、第2層75は、ポリイミドフィルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルムであり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0114】
本明細書の他の実施例によれば、第2層65、75に無機物質からなる第1層61、71を構成するので、外部からの水分浸透を防止することができる。例えば、第1層61、71が、第2層65、75よりも振動部10の近くに配置される場合、第1層61、71の水分吸収による体積膨張などの変化を第2層65、75が耐えられないので、クラックなどが発生し得る。したがって、本明細書の他の実施例によれば、無機物質からなる第1層61、71が、有機物質からなる第2層65、75に配置されるので、第1層61、71は、第2層65、75を保護することができ、水分の浸透を防止することができるので、振動装置1の信頼性を向上させることができる。
【0115】
第1接着層41および第2接着層42は、第1保護部材60と第2保護部材70のそれぞれと振動部10の間にあり得る。第1接着層41は、第1電極層13と第1保護部材60の間にあり得る。第2接着層42は、第2電極層15と第2保護部材70の間にあり得る。例えば、第1保護部材60の有機物質は、第1接着層41に隣接することができる。有機物質は、第2層65であり得る。例えば、第2保護部材70の有機物質は、第2接着層42に隣接することができる。有機物質は、第2層75であり得る。
【0116】
例えば、第1接着層41は、第1保護部材60のベース層である第2層65と振動部10の間にあり得る。例えば、第2保護部材70の第2接着層42は、ベース層である第2層75と振動部10の間にあり得る。ベース層である第2層65、75は、第1、2接着層41、42を挟んで、第1電極層13および第2電極層15の中の少なくとも1つ以上と接することができる。第1接着層41および第2接着層42は、
図1および
図2で説明した内容と実質的に同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0117】
図6は、
図1に示した線A-A’の他の断面図である。
【0118】
図6を参照すると、本明細書の他の実施例による振動装置1は、振動部10、第1保護部材60、および第2保護部材70を含むことができる。
【0119】
振動部10は、振動層11、第1電極層13、および第2電極層15を含むことができる。振動部10は、
図1および
図2で説明した内容と実質的に同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0120】
本明細書の他の実施例による第1保護部材60は、第1層61と第2層65とを含むことができる。第2保護部材70は、第1層71と第2層75を含むことができる。第1保護部材60の第1保護部材60は、第1層61と第2層65、および第2保護部材70の第1層71と第2層75に対する説明は、
図5で説明した内容と実質的に同じであるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0121】
本明細書の他の実施例による第1保護部材60は、第1補助層64をさらに含むことができる。第2層65は、スパッタ法またはCVD法によって第1層61に形成することができる。第2層65の膜を形成する際に、第1層61との接着力を向上させるために、第1補助層64をさらに構成することができる。第1補助層64は、第1層61と第2層65との間にあり得る。例えば、第1補助層64は、窒化シリコーン(SiNx)であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0122】
本明細書の他の実施例による第2保護部材70は、第2補助層74をさらに含むことができる。第2層75は、スパッタ法またはCVD法によって第1層71に形成することができる。第2層75の膜を形成する際に、第1層71との接着力を向上させるために、第2補助層74をさらに構成することができる。第2補助層74は、第1層71と第2層75の間にあり得る。例えば、第2補助層74は、窒化シリコーン(SiNx)であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0123】
本明細書の他の実施例によれば、第1層61、71と第2層65、75の間に補助層64、74をさらに構成することで、第1層61、71と第2層65、75の接着力を向上させることができる。
【0124】
図7は、本明細書の実施例による透湿度(水分透湿率)を示す図である。
【0125】
図7は、
図2の保護部材の水分透湿率を示すものである。
図7において、横軸は時間を示し、縦軸は透湿度(水分透湿率)を示す。振動層11は、KNN系の圧電物質を含み、保護部材30、50は、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate)で構成したものである。接着層41、42は、エポキシ樹脂で構成したものである。保護部材30、50および接着層41、42のそれぞれの厚さは、50μmであり、この厚さが本明細書の内容を限定するものではない。例えば、保護部材の透湿度(水分透湿率)は、1×10
0g/m
2・day以下であり得る。例えば、保護部材であるポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate)の厚さは50μm以上であり、透湿度は1×10
0g/m
2・day以下で構成する場合、保護部材の耐透湿特性を向上させることができる。
【0126】
図8は、本明細書の他の実施例による透湿度を示す図である。
【0127】
図8は、
図5の保護部材の透湿度を示すものである。
図8において、横軸は時間を示し、縦軸は透湿度を示す。振動層11は、KNN系の圧電物質または非鉛系圧電物質を含み、接着層41、42は、エポキシ樹脂で構成したものである。実線は、保護部材の第1層61,71の厚さは0.7μmとし、第2層65,75の厚さは25μmとし、接着層41,42の厚さは25μmとし、この厚さが本明細書の内容を限定するものではない。点線は、保護部材の第1層61,71の厚さは0.7μmとし、第2層65,75の厚さは25μmとし、接着層41,42の厚さは50μmとし、この厚さが本明細書の内容を限定するものではない。例えば、保護部材の第1層61、71の厚さが0.7μmであり、第2層65、75の厚さが25μmの場合、透湿度(WVTR)は、1×10
-1g/m
2・day以下であり得る。本明細書の他の実施例によれば、接着層41、42の厚さが薄い場合、側面での耐透湿性を向上させることができる。
【0128】
図9は、本明細書の実施例による振動部の振動層を示す斜視図である。
【0129】
図9を参照すると、本明細書の他の実施例による振動層11は、複数の第1部分11aおよび複数の第2部分11bを含むことができる。例えば、複数の第1部分11aおよび複数の第2部分11bは、第1方向(X)(または第2方向(Y))に沿って交互に繰り返し配置され得る。例えば、第1方向(X)は、振動層11の横方向であり得、第2方向(Y)は、第1方向(X)と交差する振動層11の縦方向であり得、本明細書の実施例は、これに限定されない。例えば、第1方向(X)は、振動層11の縦方向であり得、第2方向(Y)は、振動層11の横方向であり得る。
【0130】
複数の第1部分11aの各々は、無機物質部で構成することができる。無機物質部は、圧電特性を有することができる。例えば、無機物質部は、圧電効果を含む圧電物質、複合圧電物質、または電気活性物質を含むことができる。
【0131】
複数の第1部分11aのそれぞれは、相対的に高い振動の実現が可能なセラミック系列の物質で構成するか、ペロブスカイト(perovskite)系列の結晶構造を有する圧電セラミックで構成することができる。ペロブスカイト結晶構造は、圧電および逆圧電効果を有し、配向性を有する構造であり得る。ペロブスカイト結晶構造は、ABO
3の式で表され、Aサイトは2価の金属元素からなり、Bサイトは4価の金属元素からなり得る。本明細書の実施例によると、ABO
3の化学式において、AサイトおよびBサイトはカチオンであり、Oはアニオンであり得る。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれは、PbTiO
3、PbZrO
3、PbZrTiO
3、BaTiO
3、およびSrTiO
3の中の少なくとも1つ以上を含み得ることができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれは、
図2~
図8を参照して説明した振動層11と実質的に同じ圧電物質からなるので、これに対しては同じ符号を付してこれに対する重複説明は省略する。
【0132】
本明細書の実施例による複数の第1部分11aのそれぞれは、複数の第2部分11bの間に配置され、第1方向(X)(または第2方向(Y))と平行な第1幅(W1)を有しながら、第2方向(Y)(または第1方向(X))と平行な長さを有することができる。例えば、複数の第2部分11bである有機物質部は、複数の第1部分11aである無機物質部の間にあることができる。複数の第2部分11bのそれぞれは、第1方向(X)(又は第2方向(Y))と平行な第2幅(W2)を有しながら、第2方向(Y)(又は第1方向(X))と平行な長さを有することができる。第1幅(W1)は、第2幅(W2)と同じか異なり得る。例えば、第1幅(W1)は、第2幅(W2)より大きくてもよい。例えば、第1部分11aと第2部分11bは、互いに同じかまたは異なる大きさを有するライン形状またはストライプ形状を含むことができる。したがって、振動層11は、2-2振動モードの圧電特性を有する2-2複合体構造を有することにより、20kHz以下の共振周波数を有することができ、本明細書の実施例は、これに限定されない。例えば、振動層11の共振周波数は、形状、長さ、および厚さなどの少なくとも1つ以上によって変更され得る。
【0133】
振動層11において、複数の第1部分11aと複数の第2部分11bのそれぞれは、同一平面(又は同一層)に互いに平行に配置(又は配列)され得る。複数の第2部分11bのそれぞれは、隣接する2つの第1部分11a間のギャップを埋めるように構成することによって、隣接する第1部分11aと連結または接着することができる。したがって、振動層11は、第1部分11aと第2部分11bの側面結合(または連結)によって所望の大きさまたは長さに拡張することができる。
【0134】
振動層11において、複数の第2部分11bのそれぞれの幅(W2)は、振動層11または振動装置1の中間部分から両端部分(または両先端)側に行くほど段々減少し得る。
【0135】
本明細書の実施例によれば、複数の第2部分11bの中で最も大きい幅(W2)を有する第2部分11bは、振動層11または振動装置1が上下方向(Z)(または厚さ方向)に振動するとき、最大の応力が集中する部分に配置することができる。複数の第2部分11bの中で、最も小さい幅(W2)を有する第2部分11bは、振動層11または振動装置1が上下方向(Z)に振動するとき、相対的に最も小さい応力が発生する部分に配置することができる。例えば、複数の第2部分11bの中の最も大きい幅(W2)を有する第2部分11bは、振動層11の中間部分に配置され、複数の第2部分11bの中の最も小さい幅(W2)を有する第2部分11bは、振動層11の両端部分に配置され得る。これにより、振動層11または振動装置1が上下方向(Z)に振動するとき、最も大きい応力が集中する部分で発生する音波の干渉または共振周波数の重畳を最小限に抑えることができ、これによって、低音域帯で発生する音圧低下(dip)現象を改善することができ、低音域帯での音響特性の平坦度を改善することができる。音響特性の平坦度は、最高音圧と最低音圧の間の偏差の大きさであり得る。
【0136】
振動層11において、複数の第1部分11aのそれぞれは、互いに異なる大きさ(または幅)を有することができる。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれの大きさ(または広さ)は、振動層11または振動装置1の中間部分から両端部分(または両先端)に行くほど段々に減少または増加し得る。この場合、振動層11は、互いに異なる大きさを有する複数の第1部分11aのそれぞれの振動による多様な固有振動周波数によって音響の音圧特性を向上させることができ、音響の再生帯域を拡大することができる。
【0137】
複数の第2部分11bのそれぞれは、複数の第1部分11aの間に配置することができる。これにより、振動層11または振動装置1は、第2部分11bによって第1部分11aの単位格子内のリンクによる振動エネルギーを増加させることができ、振動特性を増加させることができ、圧電特性と柔軟性を確保することができる。例えば、第2部分11bは、エポキシ系ポリマー、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマーの中の1つ以上であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0138】
本明細書の実施例による複数の第2部分11bのそれぞれは、有機物質部で構成することができる。例えば、有機物質部は、無機物質部の間に配置されることにより、無機物質部(または第1部分)に加えられる衝撃を吸収することができ、無機物質部に集中するストレスを解放して、振動層11または振動装置1の耐久性を向上させることができ、振動層11または振動装置1に柔軟性を提供することができる。これにより、振動装置1は、柔軟性を有することで支持部材または振動部材の曲面部の形状とマッチングする形状に反ることができる。例えば、振動装置1は、柔軟性を有することで支持部材または振動部材の曲面部の形状に沿って配置され得る。
【0139】
本明細書の実施例による第2部分11bは、第1部分11aと比較して低い弾性率(modulus)と粘弾性を有することができ、それによって第1部分11aの脆性特性によって衝撃に弱い第1部分11aの信頼性を向上させることができる。例えば、第2部分11bは、0.01~1の損失係数および0.1~10Gpa(ギガパスカル)の弾性率を有する物質で構成することができる。
【0140】
第2部分11bに構成される有機物質部は、第1部分11aである無機物質部と比較して柔軟な特性を有する有機物質、有機ポリマー、有機圧電物質、又は有機非圧電物質を含むことができる。例えば、第2部分11bは、柔軟性を有する接着部、伸縮部、曲げ部、ダンピング部、または軟性部などで表現することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0141】
本明細書の実施例による振動層11は、複数の第1部分11aと第2部分11bが同一平面上に配置(または連結)されることによって、単一の薄いフィルム形態を有することができる。例えば、振動層11の複数の第1部分11aが一側に連結した構造を有することができる。例えば、複数の第1部分11aは、振動層11の全体で連結した構造を有することができる。例えば、振動層11は、振動特性を有する第1部分11aによって上下方向に振動することができ、柔軟性を有する第2部分11bによって曲面形状に曲がることができる。
【0142】
本明細書の実施例による振動層11において、第1部分11aの大きさおよび第2部分11bの大きさは、振動層11又は振動装置1に求められる圧電特性および柔軟性によって設定することができる。本明細書の一実施例としては、柔軟性よりも圧電特性を要求する振動層11の場合、第1部分11aの大きさは、第2部分11bの大きさより大きく構成することができる。本明細書の他の実施例では、圧電特性よりも柔軟性を要求する振動層11の場合、第2部分11bの大きさを第1部分11aの大きさより大きく構成することができる。したがって、振動層11の大きさを求められる特性に応じて調整することができ、振動層11の設計が容易であるという利点がある。
【0143】
第1電極層13は、振動層11の第1面(又は上面)に配置され得る。第1電極層13は、複数の第1部分11aそれぞれの第1面と複数の第2部分11bそれぞれの第1面に共通に配置または結合され得、複数の第1部分11aのそれぞれの第1面と電気的に連結することができる。例えば、第1電極層13は、振動層11の第1面全体に配置された単一電極(または1つの電極)形状を有することができる。例えば、第1電極層13は、振動層11と実質的に同じ形状を有することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0144】
第2電極層15は、振動層11の第1面とは異なる(または反対側の)第2面(または背面)上に配置され得る。第2電極層15は、複数の第1部分11aのそれぞれの第2面と複数の第2部分11bのそれぞれの第2面に共通に配置または結合され得、複数の第1部分11aそれぞれの第2面と電気的に連結することができる。例えば、第2電極層15は、振動層11の第2面全体に配置された単一電極(または1つの電極)形状を有することができる。例えば、第2電極層15は、振動層11と同じ形状を有することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0145】
本明細書の実施例による第1電極層13と第2電極層15の中の少なくとも1つ以上は、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなり得る。例えば、透明または半透明の導電物質は、ITO(酸化インジウムスズ)またはIZO(酸化インジウム鉛)を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、不透明導電物質は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、またはマグネシウム(Mg)などを含むか、またはそれらの合金からなり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0146】
振動層11は、一定の温度雰囲気または高温から常温に変化する温度雰囲気で第1電極層13と第2電極層15に印加される一定の電圧によって分極化することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、振動層11は、外部から第1電極層13と第2電極層15に印加される振動駆動信号(または音響信号またはボイス信号)による逆圧電効果によって、収縮と膨張を交互に繰り返すことによって振動することができる。例えば、振動層11は、第1電極層13と第2電極層15に印加される振動駆動信号によって垂直方向の振動および平面方向の振動によって振動することができる。振動層11の平面方向の収縮および/または膨張により受動振動部材または表示パネルの変位を増加させることができ、これにより振動をさらに向上させることができる。
【0147】
図10は、本明細書の他の実施例による振動部の振動層を示す斜視図である。
【0148】
図10を参照すると、本明細書の他の実施例による振動層11は、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って互いに離隔した複数の第1部分11a、および複数の第1部分11aの間に配置された第2部分11bを含むことができる。
【0149】
複数の第1部分11aのそれぞれは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って、互いに離隔するように配置され得る。例えば、複数の第1部分11aの各々は、互いに等しい大きさを有する六面体形態を有しつつ格子形態に配置することができる。複数の第1部分11aのそれぞれは、
図9を参照して説明した第1部分11aと実質的に同じ圧電物質からなるため、これに対して同じ符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0150】
第2部分11bは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って、複数の第1部分11aの間に配置され得る。第2部分11bは、隣接する2つの第1部分11a間のギャップを埋めるか、または複数の第1部分11aのそれぞれを囲むように構成されることによって、隣接する第1部分11aと連結または接着することができる。本明細書の一実施例によれば、第1方向(X)に沿って隣接する2つの第1部分11aの間に配置された第2部分11bの幅は、第1部分11aの幅と同じかまたは異なり得、第2方向(Y)に沿って隣接する2つの第1部分11aの間に配置された第2部分11bの幅は、第1部分11aの幅と同じかまたは異なり得る。第2部分11bは、
図9を参照して説明した第2部分11bと実質的に同じ有機物質からなるため、これに対しては同じ符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0151】
本明細書の他の実施例による振動層11は、1-3振動モードの圧電特性を有する1-3複合体構造を含むことにより、30MHz以下の共振周波数を有することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、振動層11の共振周波数は、形状、長さ、および厚さなどの少なくとも1つ以上によって変化し得る。
【0152】
図11は、本明細書の他の実施例による振動部の振動層を示す斜視図である。
【0153】
図11を参照すると、本明細書の他の実施例による振動層11は、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って、互いに離隔した複数の第1部分11a、および複数第1部分11aの間に配置された第2部分11bを含むことができる。
【0154】
複数の第1部分11aのそれぞれは、円形態の平面構造を有することができる。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれは、円板形態を有することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれは、楕円形態、多角形態、またはドーナツ形態などを含む点形態を有することができる。複数の第1部分11aのそれぞれは、
図9を参照して説明した第1部分11aと実質的に同じ圧電物質からなるため、これに対しては同じ符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0155】
第2部分11bは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って、複数の第1部分11aの間に配置することができる。第2部分11bは、複数の第1部分11aそれぞれを囲むように構成されることによって、複数の第1部分11aそれぞれの側面と連結または接着することができる。複数の第1部分11aと第2部分11bのそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに平行に配置(または配列)され得る。第2部分11bは、
図9を参照して説明した第2部分11bと実質的に同一の有機物質からなるため、これに対しては同じ符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0156】
図12は、本明細書の他の実施例による振動部の振動層を示す斜視図である。
【0157】
図12を参照すると、本明細書の他の実施例による振動層11は、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って、互いに離隔した複数の第1部分11a、および複数第1部分11aの間に配置された第2部分11bを含むことができる。
【0158】
複数の第1部分11aのそれぞれは、三角形態の平面構造を有することができる。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれは、三角板形態を有することができる。複数の第1部分11aのそれぞれは、
図9~
図11を参照して説明した第1部分11aと実質的に同じ圧電物質からなるため、これに対しては同じ符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0159】
本明細書の他の実施例によれば、複数の第1部分11aの中の隣接する4つの第1部分11aは、四角形態(または正方形形態)をなすように隣接して配置することができる。四角形態をなす隣接する4つの第1部分11aのそれぞれの頂点は、四角形態の中央部(または正中央部)に隣接して配置され得る。
【0160】
第2部分11bは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って複数の第1部分11aの間に配置され得る。第2部分11bは、複数の第1部分11aのそれぞれを囲むように構成することによって、複数の第1部分11aそれぞれの側面と連結または接着することができる。複数の第1部分11aと第2部分11bのそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに平行に配置(または配列)され得る。第2部分11bは、
図9~
図11を参照して説明した第2部分11bと実質的に同じ有機物質からなるため、これに対しては同じ符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0161】
本明細書の他の実施例によれば、三角形態を有する複数の第1部分11aの中の隣接する2N(Nは2以上の自然数)個の第1部分11aは、2N角形態をなすように隣接して配置することができる。例えば、複数の第1部分11aの中の隣接する6つの第1部分11aは、六角形態(または正六角形)をなすように隣接して配置され得る。六角形態をなす隣接する6つの第1部分11aのそれぞれの頂点は、六角形態の中央部(または正中央部)に隣接して配置され得る。第2部分は、複数の第1部分11aのそれぞれを囲むように構成することによって、複数の第1部分11aのそれぞれの側面に連結または接着することができる。
【0162】
図13は、本明細書の他の実施例による振動装置を示す図である。
図14は、本明細書の他の実施例による振動装置を示す図である。
【0163】
図13を参照すると、本明細書の他の実施例による振動装置1は、第1保護部材30と第2保護部材50とを含むことができる。
【0164】
第1保護部材30は、第1層31、第2層35、および第3層33を含むことができる。第2保護部材50は、第1層51、第2層55、および第3層53を含むことができる。
【0165】
本明細書の他の実施例による第1保護部材30および第2保護部材50のそれぞれに含まれる第1層31、51は、互いに異なる金属材質からなり得る。例えば、第1保護部材30および第2保護部材50のそれぞれに含まれる第1層31、51は、金属材質の音響インピーダンス成分に基づいて構成することができる。例えば、音響インピーダンス理論によれば、音響インピーダンス成分が低い材質の場合、音波の伝達が弱いため音圧損失を減らすことができ、振動板と当接しない面に位置する第2保護部材50に含まれる第1層51を音響インピーダンス成分が低い材質で構成する場合、音圧損失をさらに低減することができる。例えば、振動部材(または表示パネル)に結合した第1保護部材30に含まれる第1層31の音響インピーダンス成分よりも第2保護部材50に含まれる第1層51の音響インピーダンス成分がさらに低い場合、音圧損失を減らすことができ、音圧特性を向上させることができる。例えば、アルミニウム材質と銅金属材質を比較すると、アルミニウム材質の音響インピーダンスは17×106であり、銅材質の音響インピーダンスは42×106であるので、第1保護部材30の第1層31を銅材質で構成し、第2保護部材50の第1層51をアルミニウム材質で構成することにより、振動装置1の音圧特性を向上させることができる。
【0166】
図14を参照すると、本明細書の他の実施例による振動装置1は、単一層である第1保護部材30と第1層51、第2層55および第3層53を含む第2保護部材50を含むことができる。
【0167】
本明細書の他の実施例によれば、振動部材(または表示パネル)に結合する第1保護部材30に剛性を有する第1層31を含む場合、振動部10による振動が、振動部材に伝達される過程で一部抑制され得る。したがって、第1保護部材30は、単一の層で構成され、第2保護部材50は、第1層51、第2層55、および第3層53を含むように構成することにより、振動装置1の音圧特性を向上させることができる。
【0168】
図15は、本明細書の他の実施例による振動装置を示す図である。
図16は、
図15に示した線B-B’の断面図である。これは、
図1~
図4、
図13、および
図14の中の1つ以上で説明した振動装置を変更したものである。したがって、以下の説明では、振動装置およびそれに関連する構成を除く残りの構成についての重複説明は省略または簡略にする。
【0169】
図15および
図16を参照すると、本明細書の他の実施例による振動装置2は、振動部10、第1保護部材30、第2保護部材50、およびパッド領域17を含むことができる。
【0170】
本明細書の他の実施例による振動装置2は、圧電物質を含むことができる。例えば、振動装置2は、圧電特性(または圧電効果)を有する圧電物質(または圧電素子)を含むことができる。例えば、振動装置2は、第1領域(MA)と第1領域(MA)に囲まれた第2領域(EA)を含むことができる。例えば、第1領域(MA)は、内側領域、内部領域、中間領域、または中央領域などで表現され得、本明細書の実施例は、これに限定されない。例えば、第2領域(EA)は、外側領域、周辺領域、枠領域、端領域、または外郭領域などで表現され得、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、振動装置2の第2領域(EA)は、パッド領域17を含むことができる。
【0171】
振動部10は、振動装置2の第1領域(MA)に構成することができ、本明細書の実施例は、これに限定されない。振動部10は、振動層11、第1電極層13、および第2電極層15を含むことができる。
【0172】
振動層11は、圧電型振動層を含むことができる。例えば、振動層11は、圧電効果を含む圧電物質、複合圧電物質、または電気活性物質を含むことができる。振動層11は、圧電物質に印加される駆動信号による圧電物質の振動(または変位)によって自体的に振動(または変位)したり、振動部材などを振動(または変位)させることができる。例えば、振動層11は、圧電効果(または圧電特性)によって、収縮および/または膨張を交互に繰り返すことによって振動(または変位)することができる。例えば、振動層11は、逆圧電効果により収縮および/又は膨張を交互に繰り返すことによって、垂直方向(又は厚み方向)(Z)に振動(又は変位)することができる。
【0173】
本明細書の他の実施例による振動層11は、無機物質と有機物質を含むことができる。例えば、振動層11は、圧電物質からなる複数の無機物質部と軟性物質からなる少なくとも1つの有機物質部とを含むことができる。例えば、振動層11は、圧電層、圧電物質層、圧電物質部、圧電振動層、圧電振動部、電気活性層、電気活性部、変位部、圧電変位層、圧電変位部、音波発生層、音波発生部、有機無機物質層、有機無機物質部、圧電複合層、圧電複合体、または圧電セラミック複合体などで表すことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。振動層11は、透明、半透明、または不透明な圧電物質からなり得るので、振動層11は、透明、半透明、または不透明であり得る。
【0174】
本明細書の他の実施例による振動層11は、複数の第1部分11aと複数の第2部分11bを含むことができる。例えば、複数の第1部分11aおよび複数の第2部分11bは、第1方向(X)(または第2方向(Y))に沿って交互に繰り返し配置され得る。例えば、第1方向(X)は、振動層11の横方向であり得、第2方向(Y)は、第1方向(X)と交差する振動層11の縦方向であり得、本明細書の実施例は、これに限定されない。例えば、第1方向(X)は、振動層11の縦方向であり得、第2方向(Y)は、振動層11の横方向であり得る。
【0175】
複数の第1部分11aの各々は、無機物質部で構成することができる。無機物質部は、圧電効果を含む圧電物質、複合圧電物質、または電気活性物質を含むことができる。例えば、複数の第1部分11aの各々は、
図1および
図2で説明した振動層11と実質的に同じ圧電物質からなり得るので、これに対して同じ符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0176】
第1電極層13は、振動層11の第1面(または上面)に配置され得る。第1電極層13は、複数の第1部分11aのそれぞれの第1面と複数の第2部分11bのそれぞれの第1面に共通に配置または結合され得、複数の第1部分11aそれぞれの第1面と電気的に結合することができる。例えば、第1電極層13は、振動層11の第1面全体に配置された単一電極(または共通電極)形状を有することができる。例えば、第1電極層13は、振動層11と実質的に同じ形状を有することができ、本明細書の実施例は、これに限定されない。
【0177】
第2電極層15は、振動層11の第1面とは異なる(または反対の)第2面(または背面)に配置され得る。第2電極層15は、複数の第1部分11aそれぞれの第2面と複数の第2部分11bそれぞれの第2面に共通に配置または結合することができ、複数の第1部分11aそれぞれの第2面と電気的に結合することができる。例えば、第2電極層15は、振動層11の第2面全体に配置された単一電極(または共通電極)形状を有することができる。例えば、第2電極層15は、振動層11と同じ形状を有することができ、本明細書の実施例は、これに限定されない。
【0178】
本明細書の他の実施例による第1電極層13および第2電極層15のそれぞれは、
図1および
図2で説明した第1電極層13および第2電極層15のそれぞれと同じ材質で構成され得るため、これに対する重複説明は省略する。
【0179】
第1電極層13は、上述した第1保護部材30で覆うことができる。第2電極層15は、上述した第2保護部材50で覆うことができる。第1保護部材30および第2保護部材50の各々は、
図1および
図2で説明した第1保護部材30および第2保護部材50のそれぞれと実質的に同じであるので、これに対して同一符号を付し、それに対する重複説明は省略する。
【0180】
振動層11は、一定の温度雰囲気または高温から常温に変化する温度雰囲気で第1電極層13と第2電極層15に印加される一定の電圧によって分極化され得、本明細書の実施例は、これに限定されない。例えば、振動層11は、外部から第1電極層13と第2電極層15に印加される振動駆動信号(または音響信号またはボイス信号)による逆圧電効果によって収縮と膨張を交互に反復することによって変位または振動することができる。例えば、振動層11は、第1電極層13と第2電極層15に印加される振動駆動信号よって垂直方向の振動および平面方向の振動によって振動することができる。振動層11は、平面方向の収縮および/または膨張によって変位を増加させることができ、これにより振動特性をさらに向上させることができる。
【0181】
本明細書の他の実施例による振動装置2は、第1電源ライン(PL1)および第2電源ライン(PL2)を含むことができる。
【0182】
第1電源ライン(PL1)は、第2保護部材50に配置され、第2電極層15と電気的に結合することができる。例えば、第1電源ライン(PL1)は、第2電極層15と対向する第2保護部材50の内側面に配置され、第2電極層15と電気的に結合するか、電気的に直接に連結され得る。第2電源ライン(PL2)は、第1保護部材30に配置され、第1電極層13と電気的に結合され得る。例えば、第2電源ライン(PL2)は、第1電極層13に向かい合う第1保護部材30の内面に配置され、第1電極層13と電気的に結合するか、電気的に直接に連結され得る。
【0183】
本明細書の他の実施例による振動装置2は、パッド領域17をさらに含むことができる。
【0184】
パッド領域17は、振動装置2の第2領域(EA)に配置することができる。パッド領域17は、第1電源ライン(PL1)および第2電源ライン(PL2)それぞれの一側(又は一端)と電気的に結合されるように、第1保護部材30および第2保護部材50中のいずれか1つの一側端部分に構成することができる。
【0185】
本明細書の他の実施例によるパッド領域17は、第1電源ライン(PL1)の一端と電気的に結合した第1パッド電極、および第2電源ライン(PL2)の一端と電気的に結合した第2パッド電極を含むことができる。
【0186】
第1パッド電極は、第1保護部材30および第2保護部材50の中のいずれか1つの一側端部分に配置され、第1電源ライン(PL1)の一端(または一側)に連結し得る。例えば、第1パッド電極は、第1保護部材30および第2保護部材50の中のいずれか1つを貫通して第1電源ライン(PL1)の一端(または一側)と電気的に結合することができる。
【0187】
第2パッド電極は、第1パッド電極と平行に配置され、第2電源ライン(PL2)の一端(または一側)と結合し得る。例えば、第2パッド電極は、第1保護部材30および第2保護部材50の中のいずれか1つを貫通して、第2電源ライン(PL2)の一端と電気的に結合することができる。
【0188】
本明細書の他の実施例によれば、第1電源ライン(PL1)、第2電源ライン(PL2)、およびパッド領域17のそれぞれは、透明、半透明、または不透明になるように構成され得る。
【0189】
本明細書の他の実施例によるパッド領域17は、信号ケーブルと電気的に連結するか結合することができる。
【0190】
【0191】
図17および
図18を参照すると、本明細書の他の実施例による振動装置3は、複数の振動発生部(1A、1B)、および中間部材(1M)を含むことができる。例えば、本明細書の他の実施例に係る振動装置3は、第1振動発生部(1A)、第2振動発生部(1B)、および第1振動発生部(1A)と第2振動発生部分(1B)の間にある中間部材(1M)を含むことができる。
【0192】
【0193】
複数の振動発生部(または第1および第2振動発生部)(1A、1B)は、振動装置3の振幅変位および/または振動部材の振幅変位を最大化するために、互いに同じ方向に変位(または駆動または振動)するように、互いに重なり合うか積層することができる。複数の振動発生部(または第1および第2振動発生部)(1A、1B)のそれぞれの一側(または端部分または先端または外側面または各角部分)は、第3方向(Z)に沿って延長した仮想の延長線(VL)に整列するか、仮想の延長線(VL)に位置することができる。例えば、第1振動発生部(1A)は、第2振動発生部(1B)の正面または後面に配置することができる。
【0194】
複数の振動発生部(または第1および第2振動発生部(1A、1B)のそれぞれは、
図9~
図12を参照して説明した振動装置の中のいずれか1つであるので、重複する説明は省略する。
【0195】
複数の振動発生部(1A、1B)は、振動層11の分極方向に基づいて、互いに同じ方向に変位(または駆動または振動)するように重なり合うか積層することができる。例えば、第1および第2振動発生部(1A、1B)のそれぞれの振動層11が、同じ分極方向を有する場合、第2振動発生部(1B)は、第1振動発生部(1A)の正面または背面に配置することができる。例えば、第1および第2振動発生部(1A、1B)のそれぞれの振動層11が互いに反対の分極方向を有する場合、第2振動発生部(1B)は、上下反転した形態で第1振動発生部(1A)の正面または背面に配置することができる。
【0196】
中間部材(1M)は、複数の振動発生部(1A、1B)の間に配置または介在することができる。例えば、中間部材(1M)は、第1振動発生部(1A)の第1保護部材30と第2振動発生部(1B)の第2保護部材50との間に配置することができる。例えば、中間部材(1M)は、上下に重なった第1振動発生部(1A)および第2振動発生部(1B)のそれぞれに対して、密着力または接着力に優れた接着層を含む接着材で構成することができる。
【0197】
本明細書の実施例による中間部材(1M)は、フォームパッド、片面テープ、両面テープ、片面フォームパッド、両面フォームパッド、片面フォームテープ、両面フォームテープ、または接着剤などを含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、中間部材(1M)の接着層は、エポキシ、アクリル、シリコーン、またはウレタン系を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。中間部材(1M)の接着層は、アクリルおよびウレタンの中でアクリルよりも相対的に軟性特性を有するウレタン系の物質(または材質)を含むことができる。これにより、本明細書の他の実施例に係る振動装置3内で、複数の振動発生部(1A、1B)間の変位干渉による振動損失が最小化されたり、複数の振動発生部(1A、1B)のそれぞれが自由に変位したりすることができる。
【0198】
本明細書の他の実施例による中間部材(1M)は、熱硬化性接着剤、光硬化性接着剤、および熱融着接着剤の中の1つ以上を含むことができる。例えば、中間部材(1M)は、熱融着接着剤を含むことができる。熱融着接着剤は、熱活性タイプまたは熱硬化性タイプであり得る。例えば、熱融着接着剤を含む中間部材(1M)は、熱と圧力によって隣接する2つの振動発生部1A、1Bを互いに接着または結合させることができる。例えば、熱融着接着剤を含む中間部材(1M)は、振動装置3の振動の損失を最小化または低減することができる。
【0199】
複数の振動発生部(1A、1B)は、中間部材(1M)を用いたラミネート工程により1つの構造物(または部品)に一体化することができる。例えば、複数の振動発生部(1A、1B)は、ローラーを用いたラミネート工程によって1つの構造物に一体化することができる。
【0200】
【0201】
図17および
図19Aを参照すると、複数の振動発生部(1A、1B)の各振動層11は、複数の第1部分11a1、および複数の第1部分11a1の間に配置された複数の第2部分11a2を含むことができる。振動層11は、
図15および
図16を参照して説明した振動層11と実質的に同じであるので、これに対する重複説明は省略する。本明細書の実施例によれば、
図19A~
図19Dの説明は、
図15および
図16にも同様に適用することができる。
【0202】
複数の振動発生部(1A、1B)の中の下層に配置された振動発生部(1B)の第1部分11a1と上層に配置された振動発生部(1A)の第1部分11a1は、互いずれることなしに実質的に互いに重なり合うか重畳することができる。複数の振動発生部(1A、1B)のうち、下層に配置された振動発生部(1B)の第2部分11a2と上層に配置された振動発生部(1A)の第2部分11a2は、互いにずれることなしに実質的に互いに重なり合うか重畳することができる。これにより、複数の振動発生部(1A、1B)のそれぞれの第1部分11a1が、互いにずれることなく実質的に互いに重なり合うかまたは重畳して、互いに同じ方向に変位(または駆動または振動)することによって、複数の振動発生部(1A、1B)それぞれの合成振動によって、振動装置3の振幅変位および/または振動部材の振幅変位を増加または最大化することができ、これにより振動部材の振動によって発生する低音域帯での音響特性および/または音圧特性を向上させることができる。
【0203】
図17および
図19B~
図19Dを参照すると、複数の振動発生部(1A、1B)のそれぞれの振動層11は、複数の第1部分11a1、および複数の第1部分11a1それぞれを囲むように配置された第2部分11a2を含むことができる。振動層11は、
図15および
図16を参照して説明した振動層11と実質的に同じであるので、これに対する重複説明は省略する。
【0204】
複数の振動発生部(1A、1B)のうち、下層に配置された振動発生部(1B)の第1部分11a1と、上層に配置された振動発生部(1A)の第1部分11a1は、互いずれることなしに実質的に互いに重なり合うか重畳することができる。複数の振動発生部(1A、1B)のうち、下層に配置された振動発生部(1B)の第2部分11a2と上層に配置された振動発生部(1A)の第2部分11a2は、互いにずれることなしに実質的に互いに重なり合うか重畳することができる。これにより、複数の振動発生部(1A、1B)それぞれの第1部分11a1が、互いにずれることなしに実質的に互いに重なり合うか重畳して、互いに同じ方向に変位(または駆動または振動)することによって、複数の振動発生部(1A、1B)それぞれの合成振動によって、振動装置3の振幅変位および/または振動部材の振幅変位を増加または最大化することができ、これにより振動部材の振動によって発生する低音域帯での音響特性および/または音圧特性を向上させることができる。
【0205】
図20は、本明細書の他の実施例による振動装置を示す図である。
図21は、
図20に示した線D-D’の断面図である。
【0206】
図20および
図21を参照すると、本明細書の他の実施例による振動装置4は、振動部10、第1保護部材30、および第2保護部材50を含むことができる。
【0207】
第1保護部材30は、第1層31、第2層35、および第3層33を含むことができる。 第2保護部材50は、第1層51、第2層55、および第3層53を含むことができる。
【0208】
本明細書の他の実施例による振動装置4は、第1領域(MA)と第1領域(MA)に囲まれた第2領域(EA)を含むことができる。第1領域(MA)は、内側領域(MA)であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。第2領域(EA)は、外側領域(EA)であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0209】
振動部10は、振動装置4の第1領域(MA)に構成することができ、本明細書の実施例は、これに限定されない。振動部10は、振動層11、第1電極層13、および第2電極層15を含むことができる。振動部10は、
図15および
図16で説明した振動部10と実質的に同じであるので、これに対する重複説明は省略する。
【0210】
第1保護部材30および第2保護部材50のそれぞれの第1層31、51は、振動部10の第1面と第2面に配置することができる。第1層31、51は、ベースフィルムまたはベース層である第2層35、55と同じ大きさまたは面積を有することができる。例えば、第1層31、51は、振動装置4の第1領域(MA)と第2領域(EA)を含む全面に配置することができる。
【0211】
第1保護部材30の第1層31は、振動装置4の第1領域(MA)に配置された第3接着層47と、振動装置4の第2領域(EA)に配置された第1接着層43を介して、振動部10の第1面に配置することができる。第1接着層43は、絶縁性接着層であり得る。第3接着層47は、導電性接着層であり得る。例えば、第3接着層47は、第1層31と振動部10の間にあり得る。例えば、第3接着層47は、第1層31と第1電極層13の間にあり得る。第1層31は、第3接着層47を介して、振動層11の第1面上に配置された第1電極層13と電気的に連結することができる。例えば、第1層31は、振動部10のコンタクト部の一部であり得る。第1層31は、第1保護部材30の第2領域(EA)に配置された第1接着層43を介して、第1電極層13との電気的接点部分を除いた残りの領域を電気的に絶縁することができる。
【0212】
第2保護部材50の第1層51は、振動装置4の第1領域(MA)に配置された第4接着層48と、振動装置4の第2領域(EA)に配置された第2接着層44を介して、振動部10の第2面に配置することができる。第2接着層44は、絶縁性接着層であり得る。第4接着層48は、導電性接着層であり得る。例えば、第4接着層48は、第1層51と振動部10の間にあり得る。例えば、第4接着層48は、第1層51と第2電極層15の間にあり得る。例えば、第1層51は、振動部10のコンタクト部の一部であり得る。例えば、第1層51は、第4接着層48を介して、振動層11の第2面上に配置された第2電極層15と電気的に連結することができる。第1層51は、第2保護部材50の第2領域(EA)に配置された第2接着層44を介して、第2電極層15との電気的接点部分を除いた残りの領域を電気的に絶縁することができる。
【0213】
本明細書の他の実施例による振動装置4は、パッド領域17をさらに含むことができる。
【0214】
パッド領域17は、振動装置4の第2領域(EA)に配置することができる。パッド領域17は、第1電極層13と電気的に連結した第1保護部材30の第1層31と、第2電極層15と電気的に連結した第2保護部材50の第1層51のそれぞれの一側(または一端)と電気的に結合するように、第1保護部材30および第2保護部材50の中のいずれか1つの一側または両側の端部分に構成することができる。
【0215】
本明細書の他の実施例によるパッド領域17は、別途のパッド電極を設けず、第1保護部材30の第1層31および第2保護部材50の第1層51を、第1および第2パッド電極として構成することができる。
【0216】
本明細書の他の実施例によるパッド領域17は、信号ケーブルと電気的に結合することができる。
【0217】
図22は、本明細書の他の実施例による振動装置を示す図である。
図23は、
図22に示した線E-E’の断面図である。
図24は、
図22に示した線F-F’の断面図である。
【0218】
図22~
図24を参照すると、本明細書の他の実施例による振動装置5は、振動部10、第1保護部材30、および第2保護部材50を含むことができる。
【0219】
本明細書の他の実施例による振動装置5は、第1領域(MA)と第1領域(MA)を囲む第2領域(EA)を含むことができる。
【0220】
振動部10は、振動装置5の第1領域(MA)に構成することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。振動部10は、振動層11、第1電極層13、および第2電極層15を含むことができる。振動部10は、
図15および
図16で説明した振動部10と実質的に同じであるので、これに対する重複する説明は省略する。
【0221】
第1保護部材30は、第1層36、第2層35、および第3層34を含むことができる。第2保護部材50は、第1層56、第2層55、および第3層53を含むことができる。
【0222】
第1保護部材30と第2保護部材50のそれぞれの第1層36、56は、振動部10の第1面および第2面に配置され得る。第1層36、56は、ベースフィルムまたはベース層である第2層35、55とは異なる大きさまたは面積を有することができる。例えば、第1層36、56は、振動装置5の第1領域(MA)に部分的に配置することができる。例えば、第1層36、56は、振動部10と重畳する部分に部分的に配置することができる。
【0223】
第1保護部材30の第1層36は、振動層11の第1面上に配置された第1電極層13と重畳する部分に部分的に配置することができる。例えば、第1層36は、振動装置5の第1領域(MA)に配置された第3接着層47を介して、振動部10の第1面に配置することができる。例えば、第1層36は、第3接着層47を介して、振動層11の第1面上に配置された第1電極層13と電気的に連結することができる。第1層36は、第1保護部材30の第2領域(EA)に少なくとも一部配置することができる。例えば、第1層36は、第1保護部材30の第2領域(EA)において、パッド領域17が配置される部分を除く残りの部分に配置しなくてもよい。例えば、第1保護部材30の第2領域(EA)に配置された第1接着層43は、第2層35と連結または結合することができる。第1層36は、第1接着層43を介して第1電極層13との電気的接点部分を除いた残りの領域を電気的に絶縁することができる。
【0224】
第2保護部材50の第1層56は、振動層11の第2面上に配置された第2電極層15と重畳する部分に部分的に配置することができる。例えば、第1層56は、振動装置5の第1領域(MA)に配置された第4接着層48を介して、振動部10の第2面に配置することができる。例えば、第1層56は、第4接着層48を介して振動層11の第2面上に配置された第2電極層15と電気的に連結することができる。第1層56は、第2保護部材50の第2領域(EA)に少なくとも一部配置することができる。例えば、第1層56は、第2保護部材50の第2領域(EA)において、パッド領域17が配置される部分を除いた残りの部分に配置しなくてもよい。例えば、第2保護部材50の第2領域(EA)に配置された第2接着層44は、第2層55と連結または結合することができる。第1層56は、第2接着層44を介して第2電極層15との電気的接点部分を除いた残りの領域を電気的に絶縁することができる。
【0225】
本明細書の他の実施例による振動装置5は、パッド領域17をさらに含むことができる。
【0226】
パッド領域17は、振動装置5の第2領域(EA)に配置することができる。パッド領域17は、第1電極層13と電気的に連結した第1保護部材30の第1層36と、第2電極層15と電気的に連結した第2保護部材50の第1層56のそれぞれの一側(または一端)と電気的に結合するように、第1保護部材30および第2保護部材50の中のいずれか1つの一側または両側の端部分に構成することができる。
【0227】
本明細書の他の実施例によるパッド領域17は、別個のパッド電極を設けず、第1保護部材30の第1層36および第2保護部材50の第1層56を、第1および第2パッド電極として構成することができる。
【0228】
本明細書の他の実施例によるパッド領域17は、信号ケーブルと電気的に結合することができる。
【0229】
図25は、本明細書の実施例による装置を示す図である。
図26は、
図25に示した線G-G’の断面図である。
【0230】
図25および
図26を参照すると、本明細書の実施例による装置1000は、受動振動部材100および1つ以上の振動発生装置200を含むことができる。
【0231】
本明細書の実施例による「装置」は、表示装置、音響装置、音響発生装置、サウンドバー、アナログサイネージ、またはデジタルサイネージなどであり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0232】
表示装置は、白黒またはカラー映像を実現する複数の画素を含む表示パネルと、表示パネルを駆動するための駆動部を含むことができる。例えば、表示パネルは、液晶表示パネル、有機発光表示パネル、発光ダイオード表示パネル、電気泳動表示パネル、電子湿潤表示パネル、マイクロ発光ダイオード表示パネル、または量子ドット発光表示パネルなどのあらゆる形態の表示パネル、曲面型表示パネル、または可変型表示パネルなどであり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、表示パネルは、フレキシブル発光表示パネル、フレキシブル電気泳動表示パネル、フレキシブル電子湿潤表示パネル、フレキシブルマイクロ発光ダイオード表示パネル、またはフレキシブル量子ドット発光表示パネルであり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、有機発光表示パネルにおいて、画素は有機発光層などの有機発光素子を含むことができ、画素はカラー映像を構成する複数の色の中のいずれか1つを実現する副画素であり得る。これにより、本明細書の実施例による「装置」は、液晶表示パネルまたは有機発光表示パネルなどの表示パネルを含む完成品であるノートブックコンピュータ、テレビ、コンピュータモニタ、車両用または自動車用装置または車両の異なる形態を含む電装装置、スマートフォンまたは電子パッドなどのモバイル電子装置などのセット電子装置またはセット装置も含み得る。
【0233】
アナログサイネージは、広告用看板、ポスター、または案内板などを挙げることができる。アナログサイネージは、文章、絵、記号などのコンテンツを含むことができる。コンテンツは、装置の受動振動部材100側から視認可能に配置することができる。コンテンツは、受動振動部材100に直接に付着すことができ、コンテンツが印刷などによって貼り付けられた紙などの媒体を受動振動部材100に付着させることもできる。
【0234】
受動振動部材100は、1つ以上の振動発生装置200の駆動(または振動)によって振動することができる。例えば、受動振動部材100は、1つ以上の振動発生装置200の駆動によって振動と音響の中の1つ以上を発生することができる。
【0235】
本明細書の実施例による受動振動部材100は、白黒またはカラー映像を実現する複数の画素を有する表示部(または画面)を含む表示パネルであり得る。例えば、映像は、電子映像、デジタル映像、静止映像、またはビデオ映像などであり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。これにより、受動振動部材100は、1つ以上の振動発生装置200の駆動によって振動と音響の中の1つ以上を発生することができる。例えば、受動振動部材100は、表示部に映像を表示しながら振動発生装置200の駆動によって振動することにより、表示部に表示される映像と同期した音響を発生または出力することができる。例えば、受動振動部材100は、振動対象物、振動板、表示部材、表示パネル、フレキシブル表示パネル、サイネージパネル、受動振動プレート、前面カバー、前面部材、振動パネル、サウンドパネル、受動振動パネル、音響出力プレート、音響振動プレート、または映像スクリーンなどであり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0236】
本明細書の実施例による受動振動部材100は、1つ以上の振動発生装置200によって振動して音響を出力するのに適した物質特性を有する金属材質を含むか、または非金属材質(または複合非金属材質)を含む振動プレートであり得る。例えば、受動振動部材100は、金属、プラスチック、紙、繊維、布、皮革、木材、ゴム、ガラス、カーボンおよび鏡の中の1つ以上の材質を含む振動プレートであり得る。例えば、紙はスピーカー用のコーン紙であり得る。例えば、コーン紙はパルプまたは発泡プラスチックなどであり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0237】
本明細書の実施例による受動振動部材100は、映像を表示する画素を有する表示パネルを含むか、非表示パネルを含むことができる。例えば、受動振動部材100は、映像を表示する画素を有する表示パネル、表示装置から映像が投射されるスクリーンパネル、照明パネル、サイネージパネル、運送手段の内装材、運送手段の外装材、運送手段のガラス窓、運送手段の座席内装材、建物の天井材、建物の内装材、建物のガラス窓、航空機の内装材、航空機のガラス窓、および鏡の中の1つ以上を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、非表示パネルは、発光ダイオード照明パネル(または装置)、有機発光照明パネル(または装置)、または無機発光照明パネル(または装置)の中の1つ以上を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、受動振動部材100は、運送手段(または自動車または車両)のガーニッシュ、Aピラー、ドアフレーム、およびループパネルの中の1つ以上を含むことができる。
【0238】
本明細書の実施例による表示パネルは、複数の画素の駆動によって映像を表示する表示領域を含むことができる。そして、表示パネルは、表示領域を囲む非表示領域を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0239】
本明細書の実施例による表示パネルは、アノード電極、カソード電極、および発光素子を含む画素アレイ層の構造によって、トップエミッション方式、ボトムエミッション方式、あるいは、デュアルエミッション方式などの形態で画像を表示することができる。トップエミッション方式は、画素アレイ層で発生した可視光をベース基板の前方に放出して映像を表示することができ、ボトムエミッション方式は、画素アレイ層で発生した可視光をベース基板の後方に放出して映像を表示することができる。
【0240】
本明細書の実施例による表示パネルは、複数のゲートラインおよび/または複数のデータラインによって構成される画素領域に配置された画素アレイ部を含むことができる。画素アレイ部は、信号ラインに供給される信号によって映像を表示する複数の画素を含むことができる。信号ラインは、ゲートライン、データライン、画素駆動電源ラインなどを含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0241】
複数の画素のそれぞれは、画素領域に設けられた駆動薄膜トランジスタを含む画素回路層、駆動薄膜トランジスタと電気的に連結したアノード電極、アノード電極上に形成された発光素子、および発光素子に電気的に連結したカソード電極を含むことができる。
【0242】
駆動薄膜トランジスタは、基板上に配置された各画素領域のトランジスタ領域に構成することができる。駆動薄膜トランジスタは、ゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体層、ソース電極、およびドレイン電極を含むことができる。薄膜トランジスタの半導体層は、a-Si、poly-Si、または低温poly-Siなどのシリコーンを含むか、またはIGZO(インジウム-ガリウム-亜鉛-酸素)などの酸化物を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されない。
【0243】
アノード電極は、各画素領域に配置された開口領域に設けられ、駆動薄膜トランジスタと電気的に連結することができる。
【0244】
本明細書の実施例による発光素子は、アノード電極上に形成された発光素子層を含むことができる。発光素子層は、画素ごとに同じ色、例えば白色の光を発光するように実現、または画素ごとに異なる色、例えば赤色、緑色、または青色の光を発光するように実現することができる。カソード電極(または共通電極)は、各画素領域に設けられた発光素子層に共通に連結することができる。例えば、発光素子層は、画素ごとに同じ色を含む単一の構造、または2つ以上の構造を含むスタック構造であり得る。本明細書の他の実施例では、発光素子層は、画素ごとに1つ以上の異なる色を含む2つ以上の構造を含むスタック構造であり得る。1つ以上の他の色を含む2つ以上の構造は、青色、赤色、イエローグリーン、および緑色の中の1つ以上であるか、またはそれらの組み合わせから構成することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。組み合わせの例は、青色および赤色、赤色およびイエローグリーン、赤色および緑色、および赤色/イエローグリーン/緑色などであり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。そして、これらの積層順に関係なく適用することができる。同じ色または1つ以上の異なる色を有する2つ以上の構造を含むスタック構造は、2つ以上の構造の間に電荷生成層をさらに含むことができる。電荷生成層は、pn接合構造であり得、N型電荷生成層およびP型電荷生成層を含むことができる。
【0245】
本明細書の他の実施例による発光素子は、アノード電極とカソード電極のそれぞれに電気的に連結したマイクロ発光ダイオード素子を含むことができる。マイクロ発光ダイオード素子は、集積回路(IC)またはチップの形態で実現された発光ダイオードであり得る。マイクロ発光ダイオード素子は、アノード電極と電気的に連結しれた第1端子、およびカソード電極と電気的に連結した第2端子を含むことができる。カソード電極は、各画素領域に設けられた発光ダイオード素子の第2端子に共通に連結することができる。
【0246】
封止部は、画素アレイ部を囲むように基板上に形成され、酸素または水分が画素アレイ部の発光素子に浸透することを防止することができる。本明細書の実施例による封止部は、有機物質層と無機物質層が交互に積層した2つ以上の層を有する構造で形成することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。無機物質層は、酸素または水分が画素アレイ部の発光素子に浸透することを遮断することができる。有機物質層は、製造工程中に発生し得る異物を覆うことができるように、無機物質層よりも相対的厚い厚さで形成することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、封止部は、第1無機膜、第1無機膜上の有機膜、および有機膜上の第2無機膜を含むことができる。有機膜は、異物カバー層であり得、用語に限定されない。タッチパネルは、封止部上に配置、または画素アレイ部の背面に配置することができる。
【0247】
本明細書の実施例による表示パネルは、第1基板、第2基板、および液晶層を含むことができる。第1基板は、上部基板または薄膜トランジスタアレイ基板であり得る。例えば、第1基板は、複数のゲートラインおよび/または複数のデータラインによって交差する画素領域に形成された複数の画素を有する画素アレイ部(または表示部または表示領域)を含むことができる。複数の画素のそれぞれは、ゲートラインおよび/またはデータラインに接続した薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタに接続した画素電極、および画素電極に隣接するように形成され、共通電圧が供給される共通電極を含むことができる。
【0248】
第1基板は、第1端(または非表示部)に設けられたパッド部、および第2端(または第2非表示部)に設けられたゲート駆動回路とをさらに含むことができる。
【0249】
パッド部は、外部から供給される信号を画素アレイ部および/又はゲート駆動回路に供給することができる。例えば、パッド部は、複数のデータリンクラインを介して複数のデータラインに連結した複数のデータパッドおよび/またはゲート制御信号ラインを介してゲート駆動回路に連結した複数のゲート入力パッドを含むことができる。例えば、第1基板の大きさは、第2基板よりも大きい大きさを有することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0250】
ゲート駆動回路は、複数のゲートラインと連結するように、第1基板の第2端に内蔵(または集積)することができる。例えば、ゲート駆動回路は、画素領域に設けられた薄膜トランジスタと同じ工程によって形成されるトランジスタを含むシフトレジスタで実現することができる。本明細書の他の実施例によるゲート駆動回路は、第1基板に内蔵せずに、集積回路の形態でパネル駆動回路に含むこともできる。
【0251】
第2基板は、下部基板またはカラーフィルタアレイ基板であり得る。例えば、第2基板は、第1基板に形成された画素領域に重畳する開口領域を含む画素開口パターン、および開口領域に形成されたカラーフィルタ層とを含むことができる。第2基板は、第1基板よりも小さい大きさを有することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、第2基板は、第1基板の第1端を除く残りの部分と重畳することができる。第2基板は、シーラントによって、液晶層を挟んで第1基板の第1端を除いた残りの部分と合着することができる。
【0252】
液晶層は、第1基板と第2基板の間に配置することができる。液晶層は、画素ごとに画素電極に印加されるデータ電圧と共通電圧とによって形成される電界によって、液晶分子の配列方向が変化する液晶からなり得る。
【0253】
第2偏光部材は、第2基板の下面に配置され、バックライトから入射して液晶層に進行する光を偏光させることができる。第1偏光部材は、第1基板の上面に配置され、第1基板を透過して外部に出射される光を偏光させることができる。
【0254】
本明細書の実施例による表示パネルは、各画素ごとに印加されるデータ電圧と共通電圧によって、各画素ごとに形成される電界によって液晶層を駆動することにより、液晶層を透過する光によって映像を表示することができる。
【0255】
本明細書の他の実施例による表示パネルは、第1基板がカラーフィルタアレイ基板からなり、第2基板が薄膜トランジスタアレイ基板からなり得る。例えば、本明細書の他の実施例による表示パネルは、本明細書の実施例による表示パネルが、上下反転した形態を有することができる。この場合、本明細書の他の実施例による表示パネルのパッド部は、別途の機構物によって覆われ得る。
【0256】
本明細書の他の実施例による表示パネルは、曲面形態または一定の曲率半径を有するように曲げられたまたは撓んだ曲げ部を含むことができる。
【0257】
表示パネルの屈曲部は、表示パネルにおいて互いに平行な一側端部分と他側端の中の少なくとも1つ以上に実現することができる。曲げ部を実現する表示パネルの一側端および/又は他側端は、非表示領域のみを含むか、または表示領域の端と非表示領域を含婿とができる。非表示領域の曲げによって実現された曲げ部を含む表示パネルは、片側ベゼル曲げ構造または両側ベゼル曲げ構造を有することができる。そして、表示領域の端と非表示領域の曲げによって実現された曲げ部とを含む表示パネルは、片側アクティブ曲げ構造または両側アクティブ曲げ構造を有することができる。
【0258】
本明細書の実施例によれば、振動発生装置200は、受動振動部材100である表示パネルに表示される映像と同期する振動駆動信号によって振動して、表示パネルを振動させることができる。本明細書の他の実施例によれば、振動発生装置200は、表示パネル上に配置、または表示パネルに内蔵されたタッチパネル(またはタッチセンサ層)に対する使用者のタッチに同期するハプティックフィードバック信号(または触覚フィードバック信号)に従って振動して、表示パネルを振動させることができる。これにより、表示パネルは、振動発生装置200の振動によって振動し、音響およびハプティックフィードバックの中の少なくとも1つ以上を使用者(または視聴者)に提供することができる。
【0259】
本明細書の実施例による装置1000または振動発生装置200は、受動振動部材100または表示パネルの表示領域に対応する大きさで実現することができる。振動発生装置200の大きさは、受動振動部材100または表示領域の大きさに対して、0.9倍~1.1倍であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、振動発生装置200の大きさは、受動振動部材100または表示領域の大きさと同じでも小さくてもよい。例えば、振動発生装置200の大きさは、受動振動部材100または表示パネルの表示領域の大きさと同じか、またはほぼ同じ大きさを有することができるので、受動振動部材100または表示パネルの大部分の領域を覆うことができ、振動発生装置200で発生する振動が受動振動部材100または表示パネルの全体領域を振動させることができるので、音響の定位感が高く、使用者の満足度を向上させることができる。また、受動振動部材100または表示パネルと振動発生装置200の間の接触面積(またはパネルカバレッジ)が増加し、受動振動部材100または表示パネルの振動領域が増加することができるので、受動振動部材100または表示パネルの振動によって発生する重低音域帯の音響を向上させることができる。そして、大型装置に適用される振動発生装置200は、大型(または大面積)の受動振動部材100または表示パネル全体を振動させることができるので、受動振動部材100または表示パネルの振動による音響の定位感がさらに向上し、向上した音響効果を実現することができる。したがって、本明細書の実施例による装置1000は、受動振動部材100または表示パネルの背面に配置され、受動振動部材100または表示パネルを上下(または前後)方向に十分に振動させることができるので、装置1000の前方に所望の音響を出力することができる。
【0260】
振動発生装置200は、フィルム形態に実現されるため、受動振動部材100または表示パネルより薄い厚さを有することができ、振動発生装置200の配置による装置の厚さ増加を最小化することができる。例えば、振動発生装置200は、受動振動部材100または表示パネルを音響振動板として用いることができる。例えば、振動発生装置200は、振動装置、変位装置、音響装置、音響発生モジュール、音響発生装置、フィルムアクチュエータ、フィルム型圧電複合体アクチュエータ、フィルムスピーカー、フィルム型圧電スピーカー、またはフィルム型圧電複合体スピーカーなどで表すことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0261】
本明細書の他の実施例では、振動発生装置200は、表示パネルの背面に配置されず、表示パネルではない非表示パネルに適用することができる。例えば、振動発生装置200は、木材、プラスチック、ガラス、金属、布、繊維、ゴム、紙、鏡、カーボン、皮革、自動車の内装材、天井、航空機などの非表示パネルに適用することができる。本明細書の実施例はこれに限定されない。この場合には、非表示パネルを振動板として適用することができ、振動発生装置200は、非表示パネルを振動させて音響を出力することができる。
【0262】
本明細書の実施例による装置1000または振動発生装置200は、受動振動部材100または表示パネルの表示領域と重畳するように受動振動部材100または表示パネルの背面に配置することができる。例えば、装置1000または振動発生装置200は、受動振動部材100の半分以上または表示パネルの表示領域のうち、半分以上の表示領域と重畳することができる。本明細書の他の実施例では、装置1000または振動発生装置200は、受動振動部材100の全体または表示パネルの表示領域全体と重畳することができる。
【0263】
本明細書の他の実施例によれば、振動発生装置200にプレートをさらに配置することができる。例えば、プレートは、振動発生装置200の前面および/または背面に配置することができる。プレートは、金属材質を含むか、または木材、ゴム、プラスチック、ガラス、繊維、布、紙、鏡、カーボン、および皮革の中の1つ以上の単一の非金属または複合非金属材質を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、振動発生装置200とプレートのそれぞれは、同じ大きさを有することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0264】
本明細書の実施例によるプレートは、振動発生装置200の重量を増加させることによって、振動発生装置200の最低共振周波数(または最低固有周波数)を減少させることができる。これにより、振動発生装置200は、プレートによる重量増加に伴う最低共振周波数(または最低固有周波数)の減少によって、相対的に低い周波数で振動することができる。これにより、振動発生装置200の振動によって発生する低音域帯の音響特性および/または音圧特性を向上させることができる。例えば、プレートは、共振パッド、質量部材、重り、重量部材、支持プレート、剛性プレート、伝達プレート、中間プレート、または振動伝達プレートであり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、低音域帯は、300Hzまたは500Hz以下であり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0265】
本明細書の実施例による振動発生装置200は、交流電圧が印加されると、逆圧電効果によって収縮および/又は膨張を交互に繰り返すことにより振動することができ、振動を介して受動振動部材100または表示パネルを振動させることができる。例えば、振動発生装置200は、表示パネルに表示される映像と同期いた振動駆動信号によって振動して、表示パネルを振動させることができる。本明細書の他の実施例では、振動発生装置200は、表示パネル上に配置または表示パネルに内蔵されたタッチパネル(またはタッチセンサ層)に対する使用者タッチに同期するハプティックフィードバック信号(または触覚フィードバック信号)によって振動して表示パネルを振動させることができる。これにより、表示パネルは、振動発生装置200の振動によって振動し、音響およびハプティックフィードバックの中の少なくとも1つ以上を使用者(または視聴者)に提供することができる。
【0266】
したがって、本明細書の実施例による装置1000は、振動発生装置200の振動による受動振動部材100または表示パネルの振動によって発生する音響を、受動振動部材100または表示パネルの前方に出力することができる。そして、本明細書の実施例による装置1000は、フィルム形態の振動発生装置200によって、受動振動部材100(または表示パネル)の大部分の領域が振動することができるので、受動振動部材100(または表示パネル)の振動による音響の音圧特性および音定位感をさらに向上させることができる。
【0267】
1つ以上の振動発生装置200は、受動振動部材100を振動させるように構成され得る。1つ以上の振動発生装置200は、連結部材150を介して受動振動部材100の背面100aに連結するように構成することができ、これにより、1つ以上の振動発生装置200は、受動振動部材100を振動させることにより、受動振動部材100の振動によって振動と音響の中の1つ以上を発生または出力することができる。
【0268】
1つ以上の振動発生装置200は、
図1~
図24を参照して説明した振動装置1、2、3、4、5の中の1つ以上を含むことができる。したがって、
図1~
図24に示す振動装置1、2、3、4、5に対する説明は、
図25および
図26に示す振動発生装置200に対する説明に含めることができるので、これに対しては同じ符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0269】
連結部材150は、振動発生装置200の少なくとも一部と受動振動部材100の間に配置することができる。連結部材150は、振動発生装置200の少なくとも一部と受動振動部材100の間に連結することができる。本明細書の実施例による連結部材150は、振動発生装置200の端部分を除く振動発生装置200の中心部と受動振動部材100の間に連結することができる。例えば、連結部材150は、部分付着方式によって振動発生装置200の中心部と受動振動部材100の間に連結することができる。振動発生装置200の中心部(または正中央部)は、振動の中心となる部分であるため、振動発生装置200の振動を連結部材150を介して、効率的に受動振動部材100に伝達することができる。連結部材150は、全面接着方式によって、1つ以上の振動発生装置200の前面全体と受動振動部材100の背面100aを連結または接着することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0270】
本明細書の実施例による連結部材150は、表示パネルまたは受動振動部材100の背面と、1つ以上の振動発生装置200のそれぞれに対して密着力または接着力に優れた接着層を含む材質で構成することができる。例えば、連結部材150は、フォームパッド、両面テープ、または接着剤などを含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されない。例えば、連結部材150の接着層は、エポキシ、アクリル、シリコーン、またはウレタンを含むことができ、これらに限定されるものではない。本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、連結部材150の接着層は、アクリルとウレタンの中で相対的に接着力に優れ、硬度の高い特性を有するアクリル系の物質(または材質)を含むことができる。これにより、1つ以上の振動発生装置200の振動を受動振動部材100に良好に伝達することができる。
【0271】
本明細書の実施例による装置は、支持部材300および結合部材350をさらに含むことができる。
【0272】
支持部材300は、受動振動部材100の背面100aに配置することができる。支持部材300は、振動発生装置200を覆うように受動振動部材100の背面100aに配置することができる。支持部材300は、受動振動部材100の背面100aと振動発生装置200の両方を覆うように受動振動部材100の背面100aに配置することができる。例えば、支持部材300は、受動振動部材100と同じ大きさを有することができる。例えば、支持部材300は、振動発生装置200とギャップ空間(GS)を挟んで受動振動部材100の背面全体を覆うことができる。ギャップ空間(GS)は、互いに対向する受動振動部材100と支持部材300の間に配置された結合部材350によって設けられ得る。ギャップ空間(GS)は、エアギャップ、収納空間、振動空間、または音響響筒などで表現することができ、用語に限定されるものではない。
【0273】
支持部材300は、ガラス材質、金属材質、およびプラスチック材質の中のいずれか1つの材質を含むことができる。支持部材300は、ガラス材質、金属材質、プラスチック材質の中の少なくとも1つ以上の材質を積層した積層構造を含むことができる。
【0274】
受動振動部材100と支持部材300のそれぞれは、正方形形状を有するか長方形形状を有することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、受動振動部材100と支持部材300のそれぞれは、多角形状、非多角形状、円形形状、または楕円形状を有することができる。例えば、本明細書の実施例による装置が音響装置または音響バーに適用されるとき、受動振動部材100および支持部材300のそれぞれは、長辺長さが短辺長さよりも2倍以上長い長方形形状を有することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0275】
結合部材350は、受動振動部材100の後面端部分と支持部材300の前面端部分との間に連結するように構成することにより、互いに対向する受動振動部材100と支持部材300の間にギャップ空間(GS)を設けることができる。
【0276】
本明細書の実施例による結合部材350は、接着性を有しながら圧縮および復元が可能な弾性材料を含むことができる。例えば、結合部材350は、両面テープ、片面テープ、または両面接着フォームパッドを含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、結合部材350は、接着性を有しながら圧縮および復元が可能なゴムパッドまたはシリコーンパッドなどの弾性パッドを含むことができる。他の例としては、結合部材350は、エラストマーによって形成することができる。
【0277】
本明細書の実施例によると、支持部材300は、受動振動部材100の後面端部分を支持する側壁部をさらに含むことができる。支持部材300の側壁部は、支持部材300の前面端部分から受動振動部材100の後面端部分の方に突出又は曲げることにより、受動振動部材100と支持部材300の間にギャップ空間(GS)を設けることができる。この場合、結合部材350は、支持部材300の側壁部と受動振動部材100の後面端部分の間に連結されるように構成することができる。これにより、支持部材300は、1つ以上の振動発生装置200を覆い、受動振動部材100の背面を支持することができる。例えば、支持部材300は、1つ以上の振動発生装置200を覆い、受動振動部材100の後面端部分を支持することができる。
【0278】
本明細書の実施例によると、受動振動部材100は、支持部材300の前面端部分と連結した側壁部をさらに含むことができる。受動振動部材100の側壁部は、受動振動部材100の後面端部分から支持部材300の前面端部分の方に突出または曲げることにより、受動振動部材100と支持部材300の間のギャップ空間(GS)を設けることができる。受動振動部材100は、側壁部によって剛性を高めることができる。この場合、結合部材350は、受動振動部材100の側壁部と支持部材300の後面端部分の間に連結するように構成することができる。これにより、支持部材300は、1つ以上の振動発生装置200を覆って受動振動部材100の背面100aを支持することができる。例えば、支持部材300は、1つ以上の振動発生装置200を覆い、受動振動部材100の後面端部分を支持することができる。
【0279】
本明細書の実施例による装置は、1つ以上のエンクロージャ250をさらに含むことができる。
【0280】
エンクロージャ250は、1つ以上の振動発生装置200を個別に覆うことができる。たとえば、エンクロージャ250は、受動振動部材100の後面端部分に連結または結合することができる。例えば、エンクロージャ250は、結合部材251を介して受動振動部材100の背面100aに連結または結合することができる。エンクロージャ250は、受動振動部材100の背面100aに1つ以上の振動発生装置200を覆うかまたは囲む密閉空間を構成することができる。例えば、密閉空間は、エアギャップ、振動空間、音響空間、または響胴などであり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、エンクロージャ250は、密閉部材、密閉キャップ、密閉ボックス、またはサウンドボックスであり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0281】
エンクロージャ250は、金属材質または非金属材質(または複合非金属材質)の中の1つまたは複数の材質を含むことができる。例えば、エンクロージャ250は、金属材質、プラスチック、および木材の中の1つまたは複数の材質を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0282】
本明細書の実施例によるエンクロージャ250は、受動振動部材100または振動発生装置200の振動時に、受動振動部材100に作用する空気によるインピーダンス成分を一定に維持することができる。例えば、受動振動部材100の周囲の空気は、受動振動部材100の振動に対して抵抗を有し、周波数によって異なる抵抗とリアクタンス成分を有するインピーダンス成分として作用するようになる。したがって、エンクロージャ250は、受動振動部材100の背面100aに1つ以上の振動発生装置200を囲む密閉空間を構成することによって、空気によって受動振動部材100に作用するインピーダンス成分(またはエアインピーダンスまたは弾性インピーダンス)を一定に保ち、これにより低音域帯の音響特性および/または音圧特性を向上させ、高音域帯の音響の音質を向上させることができる。
【0283】
図27は、本明細書の他の実施例による装置を示す図である。
【0284】
図27を参照すると、本明細書の他の実施例による装置2000は、運送装置用振動装置、運送装置用振動発生装置、運送装置用音響装置、運送装置用音響発生装置、運送装置スピーカー、車両用音響装置、車両用音響発生装置、車両用スピーカーなどを実現することができる。
【0285】
本明細書の他の実施例による装置2000は、運送装置20の室内空間(IS)および外部空間(OS)の中の1つ以上に音響を出力するように構成された1つ以上の振動発生装置80を含むことができる。
【0286】
運送装置20は、1つ以上の座席と1つ以上のガラス窓を含むことができる。例えば、運送装置は、車両、列車、船舶、または航空機などを含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0287】
本明細書の実施例による運送装置20は、メイン構造20a、外装材20b、および内装材20cを含むことができる。
【0288】
メイン構造(またはフレーム構造)20aは、メインフレーム、サブフレーム、サイドフレーム、ドアフレーム、アンダーフレーム、および座席フレームなどを含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0289】
外装材20bは、メイン構造20aを覆うように構成することができる。例えば、外装材20bは、メイン構造20aの外部を覆うように構成することができる。本明細書の実施例による外装材20bは、フードパネル、フロントフェンダーパネル、ダッシュパネル、フィラーパネル、トランクパネル、ループパネル、フロアパネル、ドアインナーパネル、およびドアアウターパネルなどを含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。本明細書の実施例による外装材20bは、平面部と曲面部の中の少なくとも1つ以上を含むことができる。例えば、外装材20bは、該当するメイン構造20aの表面構造と対応する表面構造を有するか、該当するメイン構造20aの表面構造と異なる表面構造を有することができる。
【0290】
内装材20cは、運送装置20の内部を構成する全ての部品を含むか、運送装置20の室内空間(IS)に配置された全ての部品を含むことができる。例えば、内装材20cは、運送装置20のインテリア部材または内部仕上げ部材であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0291】
本明細書の実施例に係る内装材20cは、運送装置20の室内空間(IS)において、メイン構造20aと外装材20bの中の1つ以上を覆いながら運送装置20の室内空間(IS)に露出するように構成することができる。例えば、内装材20cは、ダッシュボード、フィラー内装材(またはフィラートリム)、フロア内装材(またはフロアカーペット)、ループ内装材(またはヘッドライナー)、ドア内装材(またはドアトリム)、ハンドル内装材(またはステアリングカバー)、座席内装材、リアパッケージ内装材(または後部座席棚)、オーバーヘッドコンソール(または屋内照明内装材)、リアビューミラー、グローブボックス、およびサンバイザーなどを含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、振動発生装置80は、ダッシュボード、フィラー内装材、ループ内装材、ドア内装材、座席内装材、ハンドル内装材、フロア内装材、リアパッケージ内装材の中の少なくとも1つ以上を振動させることができる。
【0292】
本明細書の実施例による内装材20cは、プラスチック、繊維、皮革、布、木材、カーボン、および金属の中の1つ以上の材質を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0293】
本明細書の他の実施例による内装材20cは、ベース部材と表皮部材を含むことができる。例えば、ベース部材は、射出物、第1内装材、内部内装材、または背面内装材であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。表皮部材は、第2内装材、外部内装材、前面内装材、外皮部材、補強部材、または装飾部材であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0294】
内装材20cまたはベース部材は、プラスチック材質からなることができる。例えば、内装材20cまたはベース部材は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を用いた射出工程によって実現された射出物であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。内装材20cまたはベース部材は、運送装置20の室内空間(IS)において、メイン構造20aと外装材20bの中の1つ以上を覆うように構成することができる。例えば、内装材20cまたはベース部材は、運送装置20の室内空間(IS)に露出したメインフレーム、サイドフレーム、ドアフレーム、ハンドルフレームの中の少なくとも1つ以上の一面(または内装面)を覆うように構成することができる。
【0295】
表皮部材は、ベース部材を覆うように配置することができる。表皮部材は、運送装置20の室内空間(IS)で、ベース部材を覆いながら室内空間(IS)に露出するように構成することができる。例えば、表皮部材は、運送装置20の室内空間(IS)に露出するベース部材の前面に配置または結合することができる。例えば、表皮部材は、プラスチック、繊維、皮革、布、木材、カーボン、および金属の中の1つ以上の材質を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0296】
繊維材質の内装材20cまたは表皮部材は、合成繊維、炭素繊維(またはアラミド繊維)、および天然繊維の中の少なくとも1つ以上を含むことができる。例えば、繊維材料の内装材20cまたは表皮部材は、織物シート、編物シート、または不織布であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、繊維材料の内装材20cまたは表皮部材は、ファブリック部材であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。合成繊維は、熱可塑性樹脂であり、比較的に有害物質の放出のない環境に優しい材料であるポリオレフィン系繊維を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、ポリオレフィン系繊維は、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、またはポリエチレンテレフタレート繊維を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。ポリオレフィン系繊維は、単一樹脂の繊維またはコアシェル構造の繊維であり得る。天然繊維は、ジュート(Jute)繊維、ケナフ(Kenaf)繊維、アバカ(Abaca)繊維、ココナッツ繊維、および木繊維のいずれかまたは2つ以上の混合繊維であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0297】
1つ以上の振動発生装置80は、外装材20bと内装材20cの間で音響を出力するように構成することができる。例えば、1つ以上の振動発生装置80は、外装材20bと内装材20cの間に配置され、外装材20bと内装材20cの中の1つ以上を間接または直接に振動させて音響を出力することができる。これにより、外装材20bと内装材20cの中の1つ以上は、音響を発生または出力する振動部材または受動振動部材であり得る。
【0298】
1つ以上の振動発生装置80は、外装材20bと内装材20cの間の空間で、外装材20bまたは内装材20cに結合または付着することができる。運送装置20の外装材20bと内装材20cの中の1つ以上は、音響出力のための振動板、音響振動板、または音響発生板などであり得る。例えば、音響出力のための外装材20bと内装材20cのそれぞれは、1つ以上の振動発生装置80よりも大きい大きさを有するため、大面積の振動板、音響振動板、または音響発生板の機能をすることによって、1つ以上の振動発生装置80によって発生する低音域帯の音響特性および/または音圧特性を向上させることができる。例えば、低音域帯の音響の周波数は500Hz以下であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0299】
本明細書の実施例による1つ以上の振動発生装置80は、運送装置20の外装材20bと内装材20cの間で音響を出力することができる。例えば、1つ以上の振動発生装置80は、外装材20bと内装材20cの間で外装材20bおよび内装材20cの中の1つ以上に連結又は結合し、外装材20bおよび内装材20cの中の1つ以上を間接または直接い振動させて音響を出力することができる。
【0300】
本明細書の実施例による1つ以上の振動発生装置80は、
図1~
図24を参照して説明した振動装置1、2、3、4、5を含んで構成することができる。したがって、1つ以上の振動発生装置80に対する重複説明は省略する。
【0301】
1つ以上の振動発生装置80は、外装材20bと内装材20cの間の空間において、結合部材90を介して外装材20bまたは内装材20cに結合または付着することができる。本明細書の他の実施例による装置2000は、振動発生装置80の振動によって内装材20cを振動させて、運送装置20の室内空間(IS)と外部空間(OS)の中の1つ以上に音響を出力することができる。
【0302】
本明細書の他の実施例による装置2000は、振動発生装置80の振動によって、運送装置20の外装材20bおよび内装材20cの中の1つ以上を間接又は直接に振動させことにより、運送装置20の室内空間(IS)と外部空間(OS)の中の1つ以上に音響を出力することができる。
【0303】
図28は、本明細書の他の実施例による装置を示す図である。
【0304】
図28を参照すると、本明細書の他の実施例による装置3000は、運送装置20のガラス窓20dに配置され、音響を出力する1つ以上の振動発生装置81を含むことができる。
【0305】
運送装置20のガラス窓20dは、前面ガラス窓および側面ガラス窓の中の少なくとも1つ以上であり得る。そして、運送装置20のガラス窓20dは、背面ガラス窓およびループガラス窓の中の少なくとも1つ以上をさらに含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0306】
本明細書の実施例によるガラス窓20dは、全体的に透明になるように構成することができる。本明細書の他の実施例によるガラス窓20dは、透明部、および透明部を囲む半透明部を含むことができる。本明細書の他の実施例によるガラス窓20dは、透明部、および透明部を囲む不透明部を含むことができる。
【0307】
1つ以上の振動発生装置81は、透明または半透明になるように構成することができる。例えば、ガラス窓20dが全体的に透明である場合、1つ以上の振動発生装置81は透明に構成し、ガラス窓20dの中間領域または周辺領域に配置することができる。ガラス窓20dが半透明部または不透明部を含む場合、1つまたは複数の振動発生装置81は、半透明または不透明に構成し、ガラス窓20dの半透明部または不透明部に配置することができる。例えば、1つ以上の振動発生装置81は、透明振動発生装置または透明音響発生装置などの用語で表すことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0308】
1つ以上の振動発生装置81は、運送装置20の室内空間(IS)に露出したガラス窓20dの一面(または室内表面)に連結または結合することができる。例えば、1つ以上の振動発生装置81は、前面ガラス窓および側面ガラス窓の少なくとも1つ以上に配置することができ、背面ガラス窓およびループガラス窓の中の少なくとも1つ以上にさらに配置することができる。
【0309】
1つ以上の振動発生装置81は、ガラス窓20dを間接または直接に振動させて音響を出力することができる。例えば、1つ以上の振動発生装置81は、自体の振動によって室内空間(IS)に音響を出力するか、ガラス窓20dを振動させて室内空間(IS)に音響を出力するように構成することができる。
【0310】
本明細書の実施例による1つ以上の振動発生装置81は、
図1~
図24を参照して説明した振動装置を含み、透明、半透明、または不透明に構成することができる。例えば、
図1~
図24を参照して説明した振動装置1、2、3、4、5は、透明、半透明、または不透明に構成することができるので、これに対する重複する説明は省略する。
【0311】
本明細書の実施例による1つ以上の振動発生装置81は、結合部材91を介してガラス窓20dの一面(または室内面)に結合または付着することができる。本明細書の他の実施例による装置3000は、振動発生装置81の振動によってガラス窓20dを振動させて、運送装置20の室内空間(IS)と外部空間(OS)の中の1つ以上に音響(S)を出力することができる。
【0312】
本明細書の他の実施例による1つ以上の振動発生装置81は、ガラス窓20dの一面(または室内表面)に付着した光学フィルムで覆うことができる。光学フィルムは、1つ以上の振動発生装置81を覆うようにガラス窓20dの一面(または室内表面)に付着することにより、1つ以上の振動発生装置81を保護するか、または1つ以上の振動発生装置81をガラス窓20dに固定することができる。例えば、光学フィルムは、紫外線を遮断する紫外線遮断フィルム、光を遮断する遮光フィルム、および熱を遮断する熱遮断フィルムの中の1つ以上を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0313】
したがって、本明細書の他の実施例による装置3000は、ガラス窓20dに連結して自体が振動するか、またはガラス窓20dを音響振動板として使用して、音響(S)を運送装置20の室内空間(IS)と外部空間(OS)の中の1つ以上に出力することができる。
【0314】
図29は、
図2に示した本明細書の実施例による振動装置の音響出力特性を示す図である。
【0315】
図29において、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を示す。
【0316】
音響出力特性は、音響分析装置によって測定することができる。音響分析は、Audio Precision社のAPX525オーディオ測定装備で測定したものである。音響分析装備は、制御用PCと音を送受信するサウンドカード、サウンドカードから発生した音を振動装置に増幅伝達するアンプ、および表示パネルから振動装置を通じて発生する音響を収集するマイクで構成することができる。例えば、マイクは、振動装置の中心に配置し、表示パネルとマイクの間の距離は30cmであり得る。振動装置にマイクを垂直にして音響を測定することができる。マイクで収集された音響は、サウンドカードを介して制御用PCに入力され、これを制御用プログラムで確認して振動装置の音響を分析する。例えば、パルスプログラムを用いて20Hz~20kHzの周波数範囲の周波数応答特性を測定することができる。20Hz~20kHzでのサインスイープで1/3オクターブスムージングを適用して測定することができる。
【0317】
図29において、太い実線は、
図2に示す振動装置を高温(85℃)および高湿(85%RH(相対湿度%RH))の環境条件で168時間の間、15Vrmsの電圧で連続して印加する環境信頼性試験を行った場合の音響出力特性である。点線は、振動装置に環境信頼性試験を行わない場合の音響出力特性である。温度、湿度、および駆動時間などは、本明細書の内容に限定されるものではない。
【0318】
図29を参照すると、300Hz以上8000Hz以下での平均音圧は、太い実線の場合には約68.4dBであり、点線の場合には約72.8dBであり、太い実線は点線と比較して約-4.4dBの違いが現れることが分かる。
【0319】
図29を参照すると、振動装置の保護部材を単一のフィルムで構成する場合、環境信頼性試験を行っていないとき300Hz以上8000Hz以下での平均音圧が72.8dBで良好なレベルを示していたが、環境信頼性試験を行った後、300Hz以上8000Hz以下での平均音圧が68.4dBに約-4.4dBが減少することが分かる。
【0320】
例えば、保護部材であるポリエチレンテレフタレートの透湿度は2~3×101g/m2・dayであり、これを保護部材に適用する場合、高温(85℃)および高湿(85%RH)での音圧が約3dB以上に低下し得る。例えば、保護部材であるポリイミドの透湿度は4~5×101g/m2・dayであり、これを保護部材に適用する場合、高温(85℃)および高湿(85%RH)での音圧が約3dB以上低下し得る。
【0321】
本明細書の実施例によれば、保護部材であるポリエチレンナフタレートの透湿度は3×100g/m2・dayであり、保護部材に適用する場合、高温(85℃)および高湿(85%RH)での音圧が約1dB以下に改善することができる。
【0322】
したがって、
図2に示す保護部材を単一のフィルムで構成した振動装置は、一般条件で良好な音圧特性を有するが、環境信頼性条件下で平均音圧が約-4.4dBに低下し得る。
【0323】
図30は、
図3に示した本明細書の実施例による振動装置の音響出力特性を示す図である。
【0324】
図30において、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を示す。
【0325】
音響出力特性は、
図29で説明した内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0326】
図30において、太い実線は、
図3に示す振動装置において、第1および第2保護部材30、50それぞれの第1層31、51を銅(Cu)で構成し、高温(85℃)および高湿(85%RH)(相対湿度%RH)の環境条件で168時間の間、15Vrmsの電圧を連続的に印加する環境信頼性試験を行った場合の音響出力特性である。点線は、振動装置に環境信頼性試験を行っていない場合の音響出力特性である。温度、湿度、および駆動時間などが本明細書の内容を限定するものではない。
【0327】
図30を参照すると、300Hz以上8000Hz以下での平均音圧は太い実線の場合には約69.0dBであり、点線の場合には約69.1dBであり、太い実線は点線と比較して約-0.1dBの違いが現れることが分かる。
【0328】
図30を参照すると、振動装置の保護部材を銅(Cu)薄膜とフィルムの複合構造で構成する場合、環境信頼性試験前後の差が約-0.1dBで同様のレベルを維持することが分かる。
【0329】
保護部材に金属が構成されるので、保護部材である金属複合構造フィルムの透湿度(WVTR)が2×10-2g/m2・dayの場合、高温(85℃)および高湿(85%RH)での音圧を、約1dB以下のレベルに改善することができるので、振動装置の信頼性を向上させることができる。
【0330】
したがって、
図3に示す保護部材を金属薄膜とフィルムで構成した振動装置は、環境信頼性条件下でも音圧特性が維持されるので、環境信頼性を向上させることができる。
【0331】
図31は、
図3に示した本明細書の他の実施例による振動装置の音響出力特性を示す図である。
【0332】
図31において、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を示す。
【0333】
音響出力特性は、
図29で説明した内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0334】
図31において、太い実線は、
図3に示す振動装置において、第1および第2保護部材30、50のそれぞれの第1層31、51をアルミニウム(Al)で構成し、高温(85℃)および高湿(85%RH)(相対湿度%RH)の環境条件で168時間の間、15Vrmsの電圧を連続的に印加する環境信頼性試験を行った場合の音響出力特性である。点線は、振動装置に環境信頼性試験を行っていない場合の音響出力特性である。温度、湿度、および駆動時間などが本明細書の内容を限定するものではない。
【0335】
図31を参照すると、300Hz以上8000Hz以下での平均音圧は、太い実線の場合には約70.7dBであり、点線の場合には約70.6dBであり、太い実線は点線と比較して約0.1dBの差が現れることが分かる。
【0336】
図31を参照すると、振動装置の保護部材をアルミニウム(Al)薄膜とフィルムの複合構造で構成する場合、環境信頼性試験前後の差が約0.1dBで同様のレベルを維持することが分かる。
【0337】
保護部材に金属が構成されるので、保護部材である金属複合構造フィルムの透湿度(WVTR)が2×10-2g/m2・dayの場合、高温(85℃)および高湿(85%RH)での音圧を約1dB以下のレベルに改善することができるので、振動装置の信頼性を向上させることができる。
【0338】
したがって、
図3に示す保護部材を金属薄膜とフィルムで構成した振動装置は、環境信頼性条件下でも音圧特性が維持されるので、環境信頼性を向上させることができる。
【0339】
図32は、
図4に示した本明細書の実施例による振動装置の音響出力特性を示す図である。
【0340】
図32において、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を示す。
【0341】
音響出力特性は、
図29で説明した内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0342】
図32において、太い実線は、
図4に示す振動装置において、第1および第2保護部材30、50のそれぞれの第1層31、51を銅(Cu)で構成し、第1および第2保護部材30、50と振動層11の間に振動伝達フィラーを含む接着層で構成し、高温(85℃)および高湿(85%RH)(相対湿度%RH)の環境条件で168時間の間、15Vrmsの電圧を連続的に印加する環境信頼性試験を行った場合の音響出力特性であり、点線は、振動装置に環境信頼性試験を行っていない場合の音響出力特性である。温度、湿度、および駆動時間などが本明細書の内容を限定するものではない。
【0343】
図32を参照すると、300Hz以上8000Hz以下での平均音圧は、太い実線の場合には約75.5dBであり、点線の場合には約76.7dBであり、太い実線は点線と比較して約-1.2dBの違いが現れることが分かる。
【0344】
図32を参照すると、振動装置の保護部材を銅(Cu)薄膜とフィルムの複合構造で構成し、振動層との間を振動伝達フィラーを含む接着層で付着した構造で構成する場合、環境信頼性試験を実施しなかった場合、300Hz以上8000Hz以下での平均音圧が76.7dBと良好なレベルを示し、環境信頼性試験を行った後も、300Hz以上8000Hz以下での平均音圧が75.5dBと良好なレベルを示し、環境信頼性試験の前後の差は、約-1.2dBで類似のレベルを維持することが分かる。
【0345】
したがって、
図4に示す保護部材を金属薄膜とフィルムで構成し、振動伝達フィラーを適用した接着層を用いた振動装置は、音圧特性を向上させることができ、信頼性環境条件下でも音圧特性を維持するので、環境信頼性および性能を改善することができる。
【0346】
本明細書の実施例によれば、保護部材の透湿度(WVTR)が1×10-1g/m2・day以下の保護部材を構成するので、音圧が向上し、保護部材の耐透湿特性が向上するので、振動装置の信頼性を向上させることができる。
【0347】
本明細書の実施例による振動発生装置は、装置に配置される振動発生装置および/または音響発生装置に適用することができる。本明細書の実施例による装置は、モバイルデバイス、テレビ電話、スマートウォッチ、ウォッチフォン、ウェアラブル機器、フォルダブル機器(foldable apparatus)、ローラブル機器(rollable apparatus)、ベンダブル機器(bendable apparatus)、フレキシブル機器(flexible apparatus)、カーブド機器(curved apparatus)、スライド機器(sliding apparatus)、可変型機器(variable apparatus)、電子手帳、電子書籍、PMP(portable multimedia player)、PDA(personal digital assistant)、MP3プレーヤー、モバイル医療機器、デスクトップPC、ラップトップPC、ネットブックコンピュータ、ワークステーション、ナビゲーション、車両用ナビゲーション、車両用表示装置、車両用装置、劇場用装置、劇場用表示装置、テレビ、ウオールペーパー表示装置、サイネージ機器、ゲーム機器、ノートブック、モニター、カメラ、ビデオカメラ、家電機器などに適用することができる。そして、本明細書の振動発生装置は、有機発光照明装置または無機発光照明装置に適用することができる。振動装置が照明装置に適用される場合、照明およびスピーカーの役割を果たすことができる。そして、本明細書の振動装置がモバイルデバイスなどに適用される場合、振動装置は、スピーカー、受信機、およびハプティックの中の1つ以上であり得、これに限定されるものではない。
【0348】
本明細書の実施例による装置は、以下のように説明することができる。
【0349】
本明細書の実施例による装置は、振動部、振動部の第1面を覆う第1保護部材、および振動部の第2面を覆う第2保護部材を含み、第1保護部材および第2保護部材の少なくとも1つ以上は、金属物質または無機物質からなる第1層を含むことができる。
【0350】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1層は振動部と重畳することができる。
【0351】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1保護部材および第2保護部材のそれぞれはベース層を含むことができる。
【0352】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1層は振動部とベース層の間にあり得る。
【0353】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部は、圧電物質を含む振動層、振動層の第1面にある第1電極層、および第1面とは異なる面にある第2電極層を含むことができる。
【0354】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1層と振動部の間に接着層をさらに含み、接着層は導電性接着層であり得る。
【0355】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1層は接着層を挟んで第1電極層および第2電極層の中の少なくとも1つ以上と電気的に連結することができる。
【0356】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1層と振動部の間に接着層をさらに含み、接着層はフィラー部材を含むことができる。
【0357】
本明細書のいくつかの実施例によれば、フィラー部材は、酸化物、炭化物、窒化物、および酸窒化物の中の少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0358】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1層とベース層の間にある接着剤層をさらに含むことができる。
【0359】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1層はベース層の大きさと同じでも小さくてもよい。
【0360】
本明細書のいくつかの実施例によれば、ベース層は振動部と第1層の間にあり得る。
【0361】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部は、圧電物質を含む振動層、振動層の第1面にある第1電極層、および第1面とは異なる面にある第2電極層を含むことができる。
【0362】
本明細書のいくつかの実施例によれば、ベース層と振動部の間にある接着層をさらに含み、ベース層は接着層を挟んで第1電極層および第2電極層の中の少なくとも1つ以上に隣接することができる。
【0363】
本明細書のいくつかの実施例によれば、ベース層と第1層の間にある補助層をさらに含むことができる。
【0364】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1保護部材および第2保護部材のそれぞれは第1層を含み、第1保護部材および第2保護部材のそれぞれの第1層は、互いに同じ金属物質を含むか、または異なる金属物質からなることができる。
【0365】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1保護部材および第2保護部材のそれぞれの第1層は、振動部のコンタクト部の一部であり得る。
【0366】
本明細書の実施例による装置は、少なくとも1つ以上の振動発生部を含み、少なくとも1つ以上の振動発生部は、振動部、振動部の第1面にあり、2つ以上の層を含む第1保護部材、および振動部の第1面とは異なる第2面にあり、2つ以上の層を含む第2保護部材を含み、第1保護部材および第2保護部材の中の少なくとも1つ以上に含まれる2つ以上の層の中のいずれか1つは、有機物質を含むことができる。
【0367】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部は、圧電物質を含む振動層、振動層の第1面にある第1電極層、および第1面とは異なる面にある第2電極層を含むことができる。
【0368】
本明細書のいくつかの実施例によれば、少なくとも1つ以上の振動発生部は、第1電極層と第1保護部材の間にある第1接着層、および第2電極層と第2保護部材の間にある第2接着層をさらに含むことができる。
【0369】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1保護部材の有機物質は第1接着層に隣接し、第2保護部材の有機物質は第2接着層に隣接することができる。
【0370】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1保護部材および第2保護部材のそれぞれの2つ以上の層は、有機物質に隣接した第1層をさらに含むことができる。
【0371】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1層は無機物質からなり得る。
【0372】
本明細書のいくつかの実施例によれば、少なくとも1つ以上の振動発生部は、第1層と有機物質の間にある補助層をさらに含むことができる。
【0373】
本明細書のいくつかの実施例によれば、少なくとも1つ以上の振動発生部は、第1保護部材の有機物質と第1接着層の間および第2保護部材の有機物質と第2接着層の間にある第1層をさらに含むことができる。
【0374】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1層は金属物質からなり得る。
【0375】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動層は圧電型振動層を含むことができる。
【0376】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動層は、圧電特性を有する複数の無機物質部と複数の無機物質部の間にある有機物質部を含むことができる。
【0377】
本明細書のいくつかの実施例によれば、少なくとも2つ以上の振動発生部を含み、少なくとも2つ以上の振動発生部は、互いに同じ方向に振動することができる。
【0378】
本明細書の実施例による装置は、少なくとも1つ以上の振動発生部を含み、少なくとも1つ以上の振動発生部は、振動部、振動部の第1面にある第1保護部材、および振動部の第1面とは異なる第2面にある第2保護部材とを含み、第1保護部材および前2保護部材の中の少なくとも1つ以上が、有機物質を含む層を含むことができる。
【0379】
本明細書の実施例による装置は、第1保護部材および第2保護部材のそれぞれが、有機物質に隣接する第1層をさらに含むことができる。
【0380】
本明細書の実施例による装置は、受動振動部材および受動振動部材を振動させる振動発生装置を含むことができる。振動発生装置は、振動部、振動部の第1面を覆う第1保護部材、振動部の第2面を覆う第2保護部材を含み、第1保護部材および第2保護部材の中の少なくとも1つ以上は、金属物質または無機物質からなる第1層を含むことができる。
【0381】
本明細書の実施例による装置は、受動振動部材および受動振動部材を振動させる振動発生装置を含むことができる。振動発生装置は、少なくとも1つ以上の振動発生部を含み、少なくとも1つ以上の振動発生部は、振動部、振動部の第1面にあり、2つ以上の層を含む第1保護部材、および振動部の第1面とは異なる2つの面にあり、2つ以上の層を含む第2保護部材を含み、第1保護部材および第2保護部材の中の1つ以上に含まれる2つ以上の層の中のいずれか1つは、有機物質を含むことができる。
【0382】
本明細書の実施例による装置は、受動振動部材および受動振動部材を振動させる振動発生装置を含むことができる。振動発生装置は、少なくとも1つ以上の振動発生部を含み、少なくとも1つ以上の振動発生部は、振動部、振動部の第1面にある第1保護部材、および振動部の第1面とは異なる第2面にある第2保護部材とを含み、第1保護部材および前2保護部材の中の少なくとも1つ以上が、有機物質を含む層を含むことができる。
【0383】
本明細書のいくつかの実施例によれば、受動振動部材は、金属、プラスチック、紙、繊維、布、木材、ゴム、皮革、ガラス、カーボン、および鏡の中の1つ以上の材質を含むことができる。
【0384】
本明細書のいくつかの実施例によれば、受動振動部材は、映像を表示する画素を有する表示パネル、表示装置から映像が投射されるスクリーンパネル、発光ダイオード照明パネル、有機発光照明パネル、無機発光照明パネル、サイネージパネル、運送手段の内装材、運送手段の外装材、運送手段のガラス窓、運送手段の座席内装材、建物の天井材、建物の内装材、建物のガラス窓、航空機の内装材、航空機のガラス窓、および鏡の中のいずれか1つ以上を含むことができる。
【0385】
本明細書のいくつかの実施例によれば、受動振動部材は運送手段の内装材であり、運送手段の内装材は、ダッシュボード、フィラー内装材、ループ内装材、ドア内装材、座席内装材、ハンドル内装材、フロア内装材、リアパッケージ内装材、リアビューミラー、オーバーヘッドコンソール、グローブボックス、およびサンバイザーの中の少なくとも1つ以上を含み、振動発生装置は、ダッシュボード、フィラー内装材、ループ内装材、ドア内装材、座席内装材、ハンドル内装材、床内装材、リアパッケージ内装材、リアビューミラー、オーバーヘッドコンソール、グローブボックス、およびサンバイザーの中の少なくとも1つ以上を振動させることができる。
【0386】
以上、添付の図を参照して本明細書の実施例をさらに詳細に説明したが、本明細書は必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本明細書の技術思想から逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。したがって、本明細書に開示された実施例は、本明細書の技術思想を限定するのではなく説明するためのものであり、そのような実施例によって本明細書の技術思想の範囲を限定するものではない。したがって、上記で説明した実施例はすべての点で例示的なものであり、限定的なものではないと理解されなければならない。本明細書の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本明細書の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0387】
1、2、3、4、5:振動装置
10:振動部
11:振動層
13、15:電極層
30、60:第1保護部材
50、70:第2保護部材
31、51、61、71:第1層
35、55、65、75:第2層
33、53:第3層