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  • 特許-ケースジャケット 図1
  • 特許-ケースジャケット 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】ケースジャケット
(51)【国際特許分類】
   F42B 5/192 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
F42B5/192
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022550000
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(86)【国際出願番号】 EP2021053158
(87)【国際公開番号】W WO2021165109
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】102020001052.0
(32)【優先日】2020-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510054005
【氏名又は名称】ニトロヘミー、アッシヤウ、ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】522329788
【氏名又は名称】レインメタル ヴァッフェ ムニチオン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100124648
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 和夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154450
【弁理士】
【氏名又は名称】吉岡 亜紀子
(72)【発明者】
【氏名】オルトマン,イェンス
(72)【発明者】
【氏名】フォッケン,ウルリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ブラハマン,ディルク
(72)【発明者】
【氏名】ティーゼン,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァゲデス,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】シュナッケンベルク、ルカ リヌス
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-234297(JP,A)
【文献】米国特許第05179250(US,A)
【文献】特開昭56-049900(JP,A)
【文献】特表2013-501204(JP,A)
【文献】米国特許第05133240(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F42B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェルト材料で作られたケースジャケットであって、
円筒状のケースジャケット部分と、
弾薬のさらなる製造中に金属製の底部によって囲まれる、前記円筒状のケースジャケット部分の一端に接続された帽子状のケース底部とを備え、
前記ケースジャケット部分の底側端部は第1の内径および第1の外径を有し、
前記ケース底部は、前記ケースジャケット部分に向かって環状の接続縁部を有し、前記接続縁部は前記第1の内径よりも小さい第2の内径と、前記第1の外径よりも小さい第2の外径とを有し、
一端(14)が前記第1の内径(7)および前記第1の外径(8)を有し、前記ケースジャケット部分(2)の前記底側端部(10)に接続され、他端(15)は前記第2の内径(16)と前記第2の外径(17)を有し、前記ケース底部(3)の前記接続縁部(29)に接続される、弾薬のさらなる製造中に金属製の底部によって囲まれない円錐状の接続部分(4)を備え、
前記円筒状のケースジャケット部分の円筒軸(9)に対する前記円錐状の接続部分(4)の内壁(20)の傾斜角(18)および外壁(21)の傾斜角(19)は、10°以下である、ケースジャケット。
【請求項2】
前記傾斜角(18,19)は7°以下である、請求項1に記載のケースジャケット。
【請求項3】
前記ケース底部(3)は、前記ケースジャケット部分(2)に面する側に円筒状のケース底部分(24)を有し、前記ケース底部(3)の環状の前記接続縁部(29)は、前記ケースジャケット部分(2)に面する円筒状の前記ケース底部(24)の端部(28)を形成している、請求項1または請求項2に記載のケースジャケット。
【請求項4】
前記ケースジャケット部分(2)の前記底側端部(10)における壁厚(6)が、前記ケース底部(3)の前記接続縁部(29)の壁厚(22)と等しい、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のケースジャケット。
【請求項5】
前記ケースジャケット(1)は、前記ケースジャケット部分(2)の底部とは反対側の端部(11)の面取り部(12)を除いて、円周方向と長手方向のいずれにおいても一定の壁厚(6,13,22)を有する、請求項4に記載のケースジャケット。
【請求項6】
前記ケースジャケット(1)の壁(5)内に織物が埋め込まれている、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のケースジャケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェルト化された、特に可燃性の、繊維材料のケースジャケットに関する。ケースジャケットは、円筒状のケースジャケット部分と、円筒状のケースジャケット部分の端部に接続された帽子状のケース底部とを含み、ケースジャケット部分の底側の端部は、第1の内径および第1の外径を有し、ケース底部は、ケースジャケット部分に向かって環状の接続縁部を有し、これは、第1の内径よりも小さい第2の内径と、第1の外径よりも小さい第2の外径を有する。
【背景技術】
【0002】
このようなケースジャケットは、銃器の弾薬の一部として長い間知られており、推進剤の粉末を受容するのに役立つ。これらのケースジャケットでは、ケース底部はケースジャケット部分の端部に隣接し、半径方向外側に突出する円周段部を有する。弾薬のさらなる製造中に、金属製の底部がケース底部の外側に置かれ、ケース底部を囲み、段部まで延在する。
【0003】
特にニトロセルロースおよびパルプからそのようなケースジャケットを製造することが知られている。これらの材料は、それから製造されたケースジャケットが可燃性であるという利点を有する。したがって、発砲後、次の発射の前にケースの残留物を取り除く必要がない。金属の底部だけが排出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ただし、そのような素材で製造されたケース ジャケットは衝撃に敏感である。比較的低い落下高さで、すでにケースジャケットの壁に亀裂が形成されるため、弾薬の製造にそれ以上使用することはできなくなる。また、完成した弾薬が落下すると、この弾薬は使用できなくなる。
【0005】
本発明の目的は、一般的なケースジャケットの衝撃感度を低下させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は上記のようなケースジャケットにおいて、一端が第1の内径および第1の外径を有し、ケースジャケット部分の底側端部に隣接し、他端が第2の内径および第2の外径を有し、ケース底部の接続縁部に接続される円錐状の接続部分であって、円錐状の接続部分の内壁の傾斜角度および外壁の傾斜角度は、円筒軸に対して10°以下である円錐状の接続部分によって達成される。
【0007】
本発明に従った手段によって、空のケースジャケットと推進剤粉末で満たされたケースジャケットの両方で、完成した弾薬に亀裂が形成される危険性が大幅に減少し、これは比較的大きな落下高さでも減少する。本発明は、ケースジャケットまたは弾薬が誤って落下し、ケースジャケットが破裂した場合、このクラックはケースジャケット部分とケース底部との間の移行領域で頻繁に始まるという発見に基づいている。ケースジャケット部分とケース底部との間に円錐状の接続部分を配置することにより、円筒の長手方向の軸に対する円錐状の接続部分の内壁と外壁の傾斜角が10°以下である場合、直径の大きさおよび/またはケースジャケット部分とケース底部の壁の厚さに関係なく、少なくとも2mの落下高さまで、クラックの形成を少なくとも50%減少させることができることが見出された。
【0008】
好ましくは、これらの傾斜角は7°以下であり、好ましくは3°以下である。これにより、クラックが形成される危険性がさらに減少し、および/または、許容可能な落下高さが高くなる一方でクラックの発生確率は同じままである。
【0009】
本発明の有利な実施形態では、ケース底部は、ケースジャケット部分に面する側に円筒状のケース底部分を含み、ケース底部の環状の接続縁部は、ケースジャケット部分に面する円筒状のケース底部分の端部を形成する。このようにして、円筒軸の方向における円筒状のケース底部分の長さをそれぞれの状況に容易に適合させることができるので、ケースジャケットを異なる要件に容易に適合させることができる。
【0010】
好ましくは、ケースジャケット部分の底側端部における壁厚は、ケース底部の接続環の壁厚と等しい。その結果、ケースジャケットを製造するための技術的労力が大幅に簡素化される。
【0011】
同様に、ケースジャケットは、底部とは反対側のケースジャケット部分の端部の面取り部を除いて、円周方向および長手方向に一定の壁厚を有することが好ましい。これにより、本発明によるケースジャケットの製造のための時間とコストの支出がさらに大幅に削減される。
【0012】
本発明の好ましい展開では、織物がケースジャケットの壁に埋め込まれている。これにより、ケースジャケット部分とケース底部との間の移行領域の外側でクラックが発生するリスク、またはクラックがより長い距離にわたってケースジャケット部分および/またはケース底部に伝播するリスクが低減される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
続いて、図面を参照して例として本発明をより詳細に説明する。
【0014】
図1および図2はそれぞれ、本発明によるケースジャケットの第1の実施形態および第2の実施形態の縦断面図を示す。
【0015】
図に示される本発明のケースジャケット1の例示的な実施形態は、ケースジャケット部分2とケース底部3と、それらの間の円錐状の接続部分4とを含む。これらの3つすべては、たとえばニトロセルロースとパルプから形成される、フェルト化された可燃性繊維材料でできている。ケースジャケット1の壁5には織物(図示せず)を埋め込むことができる。
【0016】
ケースジャケット部分2は、円周方向および長手方向に一定の壁厚6を有し、第1の内径7および第1の外径8を有する円筒である。その円筒軸は符号9で示されている。ケースジャケット部分2の第1の端部10(図では下端)に、円錐状の接続部分4が接続されている。もう一方の(第2の)端部11(図面では上端)には、弾薬のさらなる部分が接続され、この目的のために面取り12が形成される。
【0017】
円錐状の接続部分4は、ケースジャケット部分2に対して同軸に配置され、ケースジャケット部分2のものと同一である、円周方向および長手方向に一定の壁厚13を有する。接続部分4の一端14は、ケースジャケット部分2の第1の端部10に接続され、第1の内径7と第1の外径8とを有する。接続部分4の他方の端部15は、ケース底部3に接続され、第1の内径7よりも小さい第2の内径16と、第1の外径8よりも小さい第2の外径17とを有する。
【0018】
円筒軸9に対する円錐状の接続部分4の内壁20および外壁21の傾斜角18,19は、壁厚13が一定であるため同じであり、図1の場合には3°であり、図2の場合は7°である。
【0019】
ケース底部3は、ケースジャケット部分2および円錐状の接続部分4と同軸に配置され、円周方向および長手方向に一定の壁厚22を有し、これはケースジャケット部分2の壁厚6および円錐状の接続部分4の壁厚13と同一である。ケース底部3は、帽子状のケース底部分23と円筒状のケース底部分24とから形成されている。
【0020】
帽子状のケース底部分23には、円筒軸9と同軸の開口部25が形成され、この開口部は点火器(図示せず)を受け入れる。帽子状のケース底部分23の環状の縁部26は、円錐状の接続部分4に面し、第2の内径16および第2の外径17を有する。
【0021】
この縁部26は、端部27を有する円筒状のケース底部分24に隣接している。ケース底部分24も同様に、第2の内径16および第2の外径17を有する。他方の端部28は、円錐状の接続部分4に面し、円錐状の接続部分4に接続され、したがって、円錐状の接続部分4に向かってケース底部3の環状の接続縁部29を形成する。

図1
図2