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特許7546072電池セルアセンブリ、電池、電池パック及び自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】電池セルアセンブリ、電池、電池パック及び自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/50 20210101AFI20240829BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240829BHJP
   H01M 50/105 20210101ALI20240829BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20240829BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20240829BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20240829BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20240829BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240829BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20240829BHJP
   H01M 50/673 20210101ALI20240829BHJP
【FI】
H01M50/50 201A
H01M10/04 Z
H01M50/105
H01M50/211
H01M50/291
H01M50/531
H01M50/548 301
H01M50/588
H01M50/593
H01M50/673
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022570452
(86)(22)【出願日】2021-04-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 CN2021088455
(87)【国際公開番号】W WO2021233043
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】202010422007.8
(32)【優先日】2020-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】胡世超
(72)【発明者】
【氏名】朱燕
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-061881(JP,A)
【文献】特開平08-096841(JP,A)
【文献】特開2018-081774(JP,A)
【文献】特開2011-113970(JP,A)
【文献】特表2015-520932(JP,A)
【文献】特開2019-192646(JP,A)
【文献】特開2007-324118(JP,A)
【文献】特開2009-199825(JP,A)
【文献】国際公開第2019/186850(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50
H01M 10/04
H01M 50/105
H01M 50/211
H01M 50/291
H01M 50/531
H01M 50/548
H01M 50/588
H01M 50/593
H01M 50/673
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
封止膜と、前記封止膜内に封止された電極体アセンブリと、を含む電池セルアセンブリであって、
前記電極体アセンブリは、電極体アセンブリ本体と、前記電極体アセンブリ本体に電気的に接続され、極性が逆の2つの電極引き出し部材とを含み、前記電極体アセンブリ本体は、並列接続された少なくとも2つの電極体を含み、
前記電極体は、長さが第1方向に沿って延在し、厚さが第2方向に沿って延在し、前記少なくとも2つの電極体は、前記第2方向に沿って順に配列され、各電極体は、電極体本体と、前記電極体本体に電気的に接続され、極性が異なる2つのタブとを含み、前記2つのタブはそれぞれ、前記電極体の前記第1方向における両側に位置し、
前記電極体アセンブリ本体は、同一側に位置する隣接する2つのタブの間に位置し、かつ前記隣接する2つのタブにそれぞれ電気的に接続されたタブ支持部材をさらに含み、前記2つの電極引き出し部材はそれぞれ、前記電極体アセンブリ本体の前記第1方向における両側に位置する前記タブ支持部材のうちの1つに電気的に接続される、ことを特徴とする電池セルアセンブリ。
【請求項2】
前記タブ支持部材と、前記電極引き出し部材及び前記タブとの接続部位はそれぞれ、前記タブ支持部材の異なる表面に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の電池セルアセンブリ。
【請求項3】
前記タブ支持部材は、反対側に位置する2つの第1表面を含み、前記2つの第1表面はそれぞれ、極性が同じである隣接する2つのタブに対向し、前記極性が同じである隣接する2つのタブはそれぞれ、前記タブ支持部材の2つの前記第1表面に直接的に密着される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池セルアセンブリ。
【請求項4】
前記電極引き出し部材に接続された少なくとも1つのタブ支持部材は、方形部材であり、前記方形部材は、2つの前記第1表面と、2つの前記第1表面の間に位置し前記電極体本体に面する第3表面と、前記第3表面の反対側に位置する第4表面と、を含み、
前記電極引き出し部材に電気的に接続されたタブ支持部材は、前記第4表面を介して前記電極引き出し部材に接続される、ことを特徴とする請求項3に記載の電池セルアセンブリ。
【請求項5】
少なくとも1つのタブ支持部材は、U字形部材であり、前記U字形部材の開口部の向きは、前記第1方向と平行であり、前記U字形部材は、対向する2つの側壁と、対向する2つの側壁の間に位置する底壁と、を含み、前記対向する2つの側壁の外面はそれぞれ、前記2つの第1表面である、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の電池セルアセンブリ。
【請求項6】
前記U字形部材の開口部は、前記電極体本体に向かい、前記電極引き出し部材に電気的に接続されたタブ支持部材は、前記底壁を介して前記電極引き出し部材に接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の電池セルアセンブリ。
【請求項7】
前記電極体アセンブリは、前記封止膜によって囲まれて形成された収容キャビティ内に位置し、前記収容キャビティ内にスペーサーリングが設置され、前記スペーサーリングは、前記電極体アセンブリの前記電極引き出し部材が設置されている側に位置し、前記スペーサーリングに前記電極引き出し部材を引き出す電極引き出し孔が設置され、前記U字形部材の開口部は、同一側に位置するスペーサーリングに向かい、前記電極引き出し部材に電気的に接続されたタブ支持部材は、前記側壁のうちの1つを介して前記電極引き出し部材に接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の電池セルアセンブリ。
【請求項8】
前記タブ支持部材と前記電極体本体との間に絶縁スペーサーが設置されている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の電池セルアセンブリ。
【請求項9】
前記電極体本体の前記第1方向における反対側に位置する両端は、先端が外向きに突出するV字形端面であり、各電極体の2つのタブはそれぞれ、2つの前記V字形端面の先端に位置し、前記は隣接する2つの電極体本体の、前記第1方向における同一端のV字形端面の間に、V字形空間が形成され、
前記絶縁スペーサーは、前記V字形空間の形状と適合するV字形部材であり、前記V字形部材は、前記V字形空間に適合されている、ことを特徴とする請求項8に記載の電池セルアセンブリ。
【請求項10】
前記V字形空間のV字角の角度は、90~150度である、ことを特徴とする請求項9に記載の電池セルアセンブリ。
【請求項11】
前記絶縁スペーサーと前記タブ支持部材とは、スナップフィットにより固定される、ことを特徴とする請求項8に記載の電池セルアセンブリ。
【請求項12】
前記電極体アセンブリは、前記封止膜によって囲まれて形成された収容キャビティ内に位置し、前記収容キャビティ内にスペーサーリングが設置され、前記スペーサーリングは、前記電極体アセンブリの前記電極引き出し部材が設置されている側に位置し、前記スペーサーリングに前記電極引き出し部材を引き出す電極引き出し孔が設置されている、ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の電池セルアセンブリ。
【請求項13】
少なくとも1つの前記タブ支持部材の内部は、中空キャビティであり、前記中空キャビティの少なくとも1つのキャビティ壁には開口部が設置され、前記開口部は、同一側に位置するスペーサーリングにおける電極引き出し孔と連通し、さらに前記中空キャビティに第1貯液槽を形成されている、ことを特徴とする請求項12に記載の電池セルアセンブリ。
【請求項14】
前記収容キャビティ内に電解液が注入され、前記スペーサーリングに、少なくとも1つの第2貯液槽が設置され、前記第2貯液は、前記スペーサーリングの外面から前記スペーサーリングの内部に窪んでおり、前記第2貯液槽は、前記収容キャビティと連通する、ことを特徴とする請求項12に記載の電池セルアセンブリ。
【請求項15】
前記スペーサーリングは、前記電極体アセンブリ本体に面する側に、収容空間を有し、2つの前記スペーサーリングはそれぞれ、前記電極体アセンブリ本体の第1方向における両側に取付られ、前記電極体アセンブリ本体の第1方向における反対側の両側はそれぞれ、対応するスペーサーリングの収容空間内に適合されている、ことを特徴とする請求項12に記載の電池セルアセンブリ。
【請求項16】
ケースと、前記ケース内に封止され、順に配列された複数の請求項1~15のいずれか一項に記載の電池セルアセンブリと、を含み、前記電池セルアセンブリが直列接続される、ことを特徴とする電池。
【請求項17】
複数の請求項16に記載の電池を含む、ことを特徴とする電池パック。
【請求項18】
請求項16に記載の電池又は請求項17に記載の電池パックを含む、ことを特徴とする自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2020年5月18日に提出された中国特許出願第202010422007.8号に基づくものであり、かつその優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、電池の分野に関し、特に、電池セルアセンブリ、電池、電池パック及び自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
新エネルギー自動車の普及が進むにつれて、新エネルギー自動車の動力電池に対する使用要求は、ますます高まっている。特に、ユーザーの動力電池の耐用年数に対する要求が絶えず高まり、特にタクシー、バスは、一般的に耐用年数が5年、又は走行100万キロメートル以上であることが要求される。現在の電池について、容量を増加させるために、通常、電池内に複数の電極体が設置され、複数の電極体が並列接続され、かつ積層されて設置されるが、電極体は、通常、タブにより直接的に接続されるため、溶接による接続過程においてタブが変形することを引き起こしやすく、或いは、電池の使用過程において電極体のタブが振動又は衝撃を受けて変形しやすくなり、電池の耐用年数に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、少なくとも従来技術における技術的課題の1つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本開示の技術手段は以下のとおりである。
【0006】
本開示の第1態様に係る電池セルアセンブリは、封止膜と、前記封止膜内に封止された電極体アセンブリと、を含み、前記電極体アセンブリは、電極体アセンブリ本体と、前記電極体アセンブリ本体に電気的に接続され、極性が逆の2つの電極引き出し部材とを含み、前記電極体アセンブリ本体は、並列接続された少なくとも2つの電極体を含み、
前記電極体は、長さが第1方向に沿って延在し、厚さが第2方向に沿って延在し、前記少なくとも2つの電極体は、前記第2方向に沿って順に配列され、各前記電極体は、電極体本体と、前記電極体本体に電気的に接続され、極性が異なる2つのタブとを含み、前記2つのタブはそれぞれ、前記電極体の前記第1方向における両側に位置し、
前記電極体アセンブリ本体は、同一側に位置する隣接する2つのタブの間に位置し、かつ前記隣接する2つのタブにそれぞれ電気的に接続されたタブ支持部材をさらに含み、前記2つの電極引き出し部材はそれぞれ、前記電極体アセンブリ本体の前記第1方向における両側に位置する前記タブ支持部材のうちの1つに電気的に接続される。
【0007】
本開示のいくつかの実施例では、前記タブ支持部材は、反対側に位置する2つの第1表面を含み、前記2つの第1表面はそれぞれ、極性が同じである隣接する2つのタブに対向し、前記極性が同じである隣接する2つのタブはそれぞれ、前記タブ支持部材の2つの前記第1表面に直接的に密着される。
【0008】
本開示のいくつかの実施例では、前記タブ支持部材と、前記電極引き出し部材及びタブとの接続部位はそれぞれ、前記タブ支持部材の異なる表面に位置する。
【0009】
本開示のいくつかの実施例では、前記電極引き出し部材に接続された少なくとも1つのタブ支持部材は、方形部材であり、前記方形部材は、2つの前記第1表面と、2つの前記第1表面の間に位置し前記電極体本体に対向する第3表面と、前記第3表面の反対側に位置する第4表面と、を含み、
前記電極引き出し部材に電気的に接続されたタブ支持部材は、前記第4表面を介して前記電極引き出し部材に接続される。
【0010】
本開示のいくつかの実施例では、少なくとも1つのタブ支持部材は、U字形部材であり、前記U字形部材の開口部の向きは、前記第1方向と平行であり、前記U字形部材は、対向する2つの側壁と、対向する2つの側壁の間に位置する底壁と、を含み、前記対向する2つの側壁の外面はそれぞれ、前記2つの第1表面である。
【0011】
本開示のいくつかの実施例では、前記U字形部材の開口部は、前記電極体本体に向かい、前記電極引き出し部材に電気的に接続されたタブ支持部材は、前記底壁を介して前記電極引き出し部材に接続される。
【0012】
本開示のいくつかの実施例では、前記電極体アセンブリは、前記封止膜によって囲まれて形成された収容キャビティ内に位置し、前記収容キャビティ内にスペーサーリングが設置され、前記スペーサーリングは、前記電極体アセンブリの前記電極引き出し部材が設置されている側に位置し、前記スペーサーリングに前記電極引き出し部材を引き出す電極引き出し孔が設置され、前記U字形部材の開口部は、同一側に位置するスペーサーリングに向かい、前記電極引き出し部材に電気的に接続されたタブ支持部材は、前記側壁のうちの1つを介して前記電極引き出し部材に接続される。
【0013】
本開示のいくつかの実施例では、前記タブ支持部材と前記電極体本体との間に絶縁スペーサーが設置されている。
【0014】
本開示のいくつかの実施例では、前記電極体本体の前記第1方向における反対側に位置する両端は、先端が外向きに突出するV字形端面であり、各前記電極体の2つのタブはそれぞれ、2つの前記V字形端面の先端に位置し、前記隣接する2つの電極体本体は、前記第1方向における同一端のV字形端面の間にV字形空間を形成し、
前記絶縁スペーサーは、前記V字形空間の形状と適合するV字形部材であり、前記V字形部材は、前記V字形空間内に適合される。
【0015】
本開示のいくつかの実施例では、前記V字形空間のV字角の角度は、90~150度である。
【0016】
本開示のいくつかの実施例では、前記絶縁スペーサーと前記タブ支持部材とは、スナップフィットにより固定される。
【0017】
本開示のいくつかの実施例では、前記電極体アセンブリは、前記封止膜によって囲まれて形成された収容キャビティ内に位置し、前記収容キャビティ内にスペーサーリングが設置され、前記スペーサーリングは、前記電極体アセンブリの前記電極引き出し部材が設置されている側に位置し、前記スペーサーリングに前記電極引き出し部材を引き出す電極引き出し孔が設置されている。
【0018】
本開示のいくつかの実施例では、前記収容キャビティ内に電解液が注入され、前記スペーサーリングに、前記スペーサーリングの外面から前記スペーサーリングの内部に窪んだ少なくとも1つの第2貯液槽が設置され、前記第2貯液槽は、前記収容キャビティと連通する。
【0019】
本開示のいくつかの実施例では、少なくとも1つの前記タブ支持部材の内部は、中空キャビティであり、前記中空キャビティの少なくとも1つのキャビティ壁には、同一側に位置するスペーサーリングにおける電極引き出し孔と連通し、さらに前記中空キャビティに第1貯液槽を形成するように開口部が設置されている。
【0020】
本開示のいくつかの実施例では、前記スペーサーリングの電極体アセンブリ本体に対向する側は、収容空間を有し、2つの前記スペーサーリングはそれぞれ、前記電極体アセンブリ本体の第1方向における反対側に位置する両側に取り付けられ、前記電極体アセンブリ本体の第1方向における両側はそれぞれ、対応するスペーサーリングの収容空間内に嵌め込まれる。
【0021】
本開示の第2態様に係る電池は、ケースと、前記ケース内に封止され、順に配列された複数の上記電池セルアセンブリと、を含み、前記電池セルアセンブリが直列接続される。
【0022】
本開示の第3態様に係る電池パックは、複数の上記電池を含む。
【0023】
本開示の第4態様に係る自動車は、上記電池モジュール又は上記電池パックを含む。
【発明の効果】
【0024】
従来技術に比べて、本開示の有益な効果は以下のとおりである。
【0025】
本開示に係る電池セルアセンブリにおいて、同一側に位置する隣接する2つのタブは、タブ支持部材により電気的な接続を実現することができるだけでなく、タブ支持部材により両者の間の支持を実現することができ、タブが溶接過程及び使用過程において変形することを効果的に防止し、電池の耐用年数を延長することに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示の第1実施例における電池セルアセンブリの概略構成図である。
図2図1における電池セルアセンブリの正面図である。
図3図2における電池セルアセンブリのIII-IIIにおける断面図である。
図4図1における電池セルアセンブリから封止膜を除去した場合の概略構成図である。
図5図4における電池セルアセンブリからスペーサーリングを除去した場合の概略構成図である。
図6】本開示の第1実施例における電池セルアセンブリの分解図である。
図7】本開示の第1実施例における絶縁スペーサー、タブ支持部材及び電極引き出し部材の組立図である。
図8図7の解体図である。
図9】他の実施例におけるタブ支持部材の概略構成図である。
図10】本開示の第2実施例における電池セルアセンブリの概略構成図である。
図11図10における電池セルアセンブリの正面図である。
図12図11における電池セルアセンブリのXII-XIIにおける断面図である。
図13】本開示の第2実施例におけるスペーサーリングの1つの方向における斜視図である。
図14】本開示の第2実施例におけるスペーサーリングの左側面図である。
図15図14のXV-XVにおける断面図である。
図16】本開示の第2実施例におけるスペーサーリングの他の方向における斜視図である。
図17】本開示の一実施例におけるケースを含まない電池の概略構成図である。
図18】本開示の一実施例におけるケースを含む電池パックの概略構成図である。
図19】本開示の一実施例における電池パックの概略構成図である。
図20】本開示の一実施例における自動車の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、前記実施例の例が図面において示されるが、一貫して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは、同一又は類似の機能を有する部品を表す。以下、図面を参照して説明される実施例は例示的なものに過ぎず、本開示を解釈するためのものであり、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0028】
なお、本開示の説明において、用語「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本開示を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有し、特定の方位において構成されて操作されなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0029】
また、用語「第1」、「第2」は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆し、或いは示された技術的特徴の数を示唆するものとして理解してはならない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。本開示の説明において、「複数」とは、明確で具体的な限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0030】
本開示において、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続、又は電気的な接続であってもよく、直接的な連結、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品内部の連通、又は2つの部品の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本開示における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0031】
本発明に係る電池セルアセンブリ10は、封止膜11と、上記封止膜11内に封止された電極体アセンブリ12と、を含み、上記電極体アセンブリ12は、電極体アセンブリ本体123と、上記電極体アセンブリ本体123に電気的に接続され、極性が逆の2つの電極引き出し部材122とを含み、上記電極体アセンブリ本体123は、並列接続された少なくとも2つの電極体121を含み、上記電極体121は、長さが第1方向Lに沿って延在し、厚さが第2方向Wに沿って延在し、上記少なくとも2つの電極体121は、第2方向Wに沿って順に配列され、各電極体121は、電極体本体1211と、上記電極体本体1211に電気的に接続され、極性が異なる2つのタブ1213とを含み、上記2つのタブ1213はそれぞれ、電極体121の第1方向Lにおける両側に位置し、上記電極体アセンブリ本体123は、同一側に位置する隣接する2つのタブ1213の間に位置し、かつ上記隣接する2つのタブ1213にそれぞれ電気的に接続されたタブ支持部材124をさらに含み、上記2つの電極引き出し部材122はそれぞれ、電極体アセンブリ本体123の第1方向Lにおける両側に位置する上記タブ支持部材124のうちの1つに電気的に接続される。
【0032】
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0033】
本発明に係る電池セルアセンブリ10において、同一側に位置する隣接する2つのタブ1213は、タブ支持部材124により電気的な接続を実現することができるだけでなく、タブ支持部材124により両者の間の支持を実現することができ、タブ1213が溶接過程及び使用過程において変形することを効果的に防止し、電池100の耐用年数を延長することに寄与する。
【0034】
図1図2及び図3を参照すると、図1は、本開示の第1実施例における電池セルアセンブリ10の概略構成図である。図2は、図1における電池セルアセンブリ10の正面図である。図3は、図2における電池セルアセンブリ10のIII-IIIにおける断面図である。上記電池セルアセンブリ10は、封止膜11及び電極体アセンブリ12を含む。理解できるように、上記電極体アセンブリ12は、1つであってもよく、複数であってもよい。上記封止膜11によって収容キャビティ110が囲まれ、上記電極体アセンブリ12は、上記収容キャビティ110内に位置する。図4及び図5を参照すると、図4は、図1における電池セルアセンブリから封止膜を除去した場合の概略構成図であり、即ち、電極体アセンブリ12の概略構成図であり、図5は、図4における電池セルアセンブリ10からスペーサーリング13を除去した場合の概略構成図である。上記電極体アセンブリ12は、電極体アセンブリ本体123と、上記電極体アセンブリ本体123に電気的に接続され、極性が逆の2つの電極引き出し部材122とを含み、2つの電極引き出し部材122のうちの一方は正電極引き出し部材であり、他方は負電極引き出し部材である。上記電極体アセンブリ本体123は、並列接続された少なくとも2つの電極体121を含み、上記電極体121は、長さが第1方向Lに沿って延在し、厚さが第2方向Wに沿って延在し、上記少なくとも2つの電極体121は、第2方向Wに沿って順に配列され、各電極体121は、電極体本体1211と、上記電極体本体1211に電気的に接続され、極性が異なる2つのタブ1213とを含み、上記2つのタブ1213はそれぞれ、電極体121の第1方向Lにおける両側に位置し、電極体121の2つのタブ1213のうちの一方は正極タブであり、他方は負極タブである。上記電極体アセンブリ本体123は、同一側に位置する隣接する2つのタブ1213の間に位置し、かつ上記隣接する2つのタブ1213にそれぞれ電気的に接続されたタブ支持部材124をさらに含み、上記2つの電極引き出し部材122はそれぞれ、電極体アセンブリ本体123の第1方向Lにおける両側に位置する上記タブ支持部材124のうちの1つに電気的に接続され、即ち、同一側に位置する隣接する2つのタブ1213は、タブ支持部材124により電気的に接続され、図3に示すように、電極体アセンブリ12の長さ方向における両側にいずれもタブ支持部材124が設置されている。
【0035】
これにより、本開示において、同一側に位置する隣接する2つのタブ1213は、タブ支持部材124により電気的な接続を実現することができるだけでなく、タブ支持部材124により両者の間の支持を実現することができ、タブ1213が溶接過程及び使用過程において変形することを効果的に防止し、電池100の耐用年数を延長することに寄与する。
【0036】
電極体アセンブリ12の各上記電極引き出し部材122はそれぞれ、電極体アセンブリ本体123の第1方向Lにおける一方側に位置するタブ支持部材124のうちの1つに電気的に接続される。理解できるように、電極体アセンブリ12における電極体121が3つ、4つ又はさらにそれ以上である場合、電極体アセンブリ12の長さ方向における両側に位置するタブ支持部材124の数は複数であってもよい。本開示の実施例では、電極体アセンブリ12の極性が正極の電極引き出し部材122と正極のタブ1213は、電極体アセンブリ12の同一側に位置し、かつ正極のタブ1213に電気的に接続され、負極の電極引き出し部材122と負極のタブ1213は、電極体アセンブリ12の他側に位置し、かつ負極のタブ1213に電気的に接続される。本開示のいくつかの実施例では、電極引き出し部材122は、同一側に位置するタブ支持部材124のうちの1つに電気的に接続されることにより、対応するタブ1213に電気的に接続されることを実現する。
【0037】
図3図6に示すような実施例では、いずれも電極体アセンブリ12が2つの電極体121を含むことを例とし、この時に、電極体アセンブリ12の第1方向Lにおける両側にそれぞれ1つのタブ支持部材124が設置され、各側のタブ支持部材124は、同一側に位置する2つのタブ1213の間に位置し、かつ同一側に位置する2つのタブ1213に電気的に接続される。
【0038】
理解できるように、本開示のいくつかの実施例では、電極体121の同一側に位置するタブ支持部材124の数が2つ以上である場合、同一側に位置する隣接する2つのタブ支持部材124の間は、タブ1213により隔離されるので、隣接する2つのタブ支持部材124を電気的に接続するために、タブ支持部材124には、第1方向Lに沿ってタブ1213の縁を超えるまで延在する凸縁を設置する必要があり、それにより隣接する2つのタブ支持部材124の間は、凸縁が接触するように互いに接続される。
【0039】
本開示のいくつかの実施例では、図5~8に示すように、タブ支持部材124と、電極引き出し部材122及びタブ1213との接続部位はそれぞれ、タブ支持部材124の異なる表面に位置し、即ち、同一のタブ支持部材124に電気的に接続された電極引き出し部材122及びタブ1213のそれぞれと、タブ支持部材124との接続部位は、タブ支持部材124の異なる表面に位置し、それによりタブ支持部材124の同一の表面に電極引き出し部材122及びタブ1213が同時に重ねられることを回避することができ、タブ支持部材124と、電極引き出し部材122又はタブ1213との接続部位の厚さを低減することに寄与する。
【0040】
本開示のいくつかの実施例では、上記電極引き出し部材122は、接触部1221と、引き出し部1223と、を含む。上記接触部1221は、直接的に上記タブ支持部材124に電気的に接続される。上記引き出し部1223は、上記接触部1221から延出し、かつ第1方向Lに沿って延在する。上記接触部1221が上記タブ支持部材124に密着された部分は、板状を呈することにより、上記接触部1221と上記タブ支持部材124との接触面積を増大させることができ、それにより、上記タブ支持部材124と上記接触部1221との溶接面積を増大させ、接続の信頼性を向上させることができる。本実施例では、上記引き出し部1223は、L字形のホルダを形成するように、上記接触部1221の第1方向Lにおける一方側に接続される。理解できるように、他の実施例では、上記引き出し部1223は、T字形のホルダを形成するように、上記接触部1221の第1方向Lにおける中間部に接続される。電極引き出し部材122の接触部1221とタブ支持部材124とは、溶接により電気的に接続されてもよい。
【0041】
本開示のいくつかの実施例では、上記タブ支持部材124は、反対側に位置する2つの第1表面1241を含み、上記2つの第1表面1241はそれぞれ、極性が同じである隣接する2つのタブ1213に対向し、上記極性が同じである隣接する2つのタブ1213はそれぞれ、上記タブ支持部材124の2つの第1表面1241に直接的に密着される。タブ1213とタブ支持部材124とは、溶接により電気的に接続されてもよい。タブ1213をタブ支持部材124の第1表面1241に密着して固定することにより、タブ1213が動くか又は変位することを防止することに寄与する。
【0042】
本開示のいくつかの実施例では、電極引き出し部材122に接続された少なくとも1つのタブ支持部材124は、方形部材であり、即ち、タブ支持部材124の断面形状は、方形であり、全体的にみれば、タブ支持部材124は、立方体構造であり、理解できるように、本開示は、全てのタブ支持部材124がいずれも方形部材であるように設置されてもよい。タブ支持部材124を方形部材に設置することにより、隣接するタブ1213の間に、タブ1213により高い支持能力を提供することができ、特にタブ1213とタブ支持部材124とを溶接する場合、タブ支持部材124が溶接過程において変形することを防止し、タブ支持部材124の耐圧性能を向上させることに寄与する。
【0043】
本開示のいくつかの実施例では、上記方形部材は、2つの上記第1表面1241と、2つの第1表面1241の間に位置し上記電極体本体1211に対向する第3表面1243と、上記第3表面1243の反対側に位置する第4表面1244と、を含み、
上記電極引き出し部材122に電気的に接続されたタブ支持部材124は、第4表面1244を介して上記電極引き出し部材122に接続され、具体的には、上記電極引き出し部材122の接触部1221は、上記タブ支持部材124の第4表面1244に接続され、隣接するタブ1213はそれぞれ、2つの第1表面1241に接続され、即ち、電極引き出し部材122とタブ1213は、いずれもタブ支持部材124に直接的に接触接続され、かつ接続部位がタブ支持部材124の異なる表面に位置するため、タブ支持部材124上の同一の表面に電極引き出し部材122とタブ1213とが同時に重ねられることを回避し、タブ支持部材124と、電極引き出し部材122及びタブ1213との接続部位の厚さを低減し、かつ電極引き出し部材122とタブ支持部材124との接続をより容易に実現することができる。
【0044】
本開示のいくつかの実施例では、少なくとも1つの上記タブ支持部材124の内部は、中空キャビティ1240であり、例えば全てのタブ支持部材124の内部をいずれも中空キャビティ1240を有するように設置することができる。中空のタブ支持部材124を設置することにより、支持強度を確保するとともに重量を減少させることができる。
【0045】
本開示のいくつかの実施例では、中空キャビティ1240の少なくとも1つのキャビティ壁に開口部が設置され、図7及び図8に示すように、中空キャビティ1240の両端面に、いずれも開口部を設置してもよく、該開口部は、タブ支持部材124の同一側に位置するスペーサーリング13における電極引き出し孔131と連通し、さらに中空キャビティ1240に第1貯液槽を形成する。図6に示すように、電極体アセンブリ12の第1方向Lにおける両側にそれぞれ1つのスペーサーリング13が設置され、電極体アセンブリ12の2つの電極引き出し部材122は、電極体アセンブリ12の第1方向Lにおける両側に位置し、かつ同一側に位置するスペーサーリング13における電極引き出し孔131から引き出され、タブ支持部材124を同一側に位置するスペーサーリング13における電極引き出し孔131と連通させることにより、電解液を封止膜11内に注入する場合、電解液は、電極引き出し孔131からそれと連通する中空キャビティ1240内に流入することができ、中空キャビティ1240を利用して電解液を貯蔵し、貯液機能を実現することができる。
【0046】
他のいくつかの実施例では、図9に示すように、タブ支持部材124の第4表面1244が位置するキャビティ壁に開口部1245を設置してもよく、該開口部1245は、同一側に位置するスペーサーリング13における電極引き出し孔131と連通し、さらに上記中空キャビティ1240に第1貯液槽を形成する。第4表面1244が位置するキャビティ壁に電極引き出し孔131と連通する開口部1245を設置することは、電解液が中空キャビティ1240に流入し、そこから流出することに寄与する。それにより、上記第1貯液槽により貯液空間を増大させる。
【0047】
本開示のいくつかの実施例では、上記収容キャビティ110内に電解液が注入されている。理解できるように、電解液は、収容キャビティ110に注入された後に、上記封止膜11の内面と上記電極体アセンブリ12の外面との間の空間に充填される。上記スペーサーリング13に、上記スペーサーリング13の外面から上記スペーサーリング13の内部に窪んだ少なくとも1つの第2貯液槽132が設置されている。上記第2貯液槽132は、上記収容キャビティ110と連通するため、収容キャビティ110内に電解液が注入された後、電解液は、第2貯液槽132を利用して補助的に貯蔵されるために、第2貯液槽132に流入してもよい。
【0048】
電池内の電解液の含有量は、電池の耐用年数に影響する重要な要素であり、しかしながら、電池の使用過程において膨張などの原因により、電解液が徐々に減少し、電池の耐用年数に影響を与えるだけでなく、電池の一部の領域にリチウム析出などの現象も発生し、電池の安全性を低下させる。
【0049】
本開示の実施例では、スペーサーリング13に第2貯液槽132を設置することにより、封止膜11内に電解液を注入する場合、第2貯液槽132は、一定量の電解液を貯蔵することができるため、セル成形過程において封止膜11内を真空引きする場合、真空引き過程で遊離電解液が吸い出される可能性を減少させるとともに、電解液をより多く貯蔵することができ、また、電池が長時間使用される過程で、電池セルアセンブリ10の内部に電解液をタイムリーに補充し、電池のリチウム析出現象の発生を減少させ、電池のサイクル寿命の性能を向上させることができる。
【0050】
本開示のいくつかの実施例では、上記第2貯液槽132と上記収容キャビティ110とを連通させるように、上記スペーサーリング13と上記封止膜11とが封止されず、即ち、スペーサーリング13は、封止膜11内に位置するが、スペーサーリング13の外周面と封止膜11の内面とが共に封止されない。それにより、封止膜11によって囲まれて形成された収容キャビティ110内に電解液を注入する場合、電解液は、上記第2貯液槽132内に流入することができるため、第2貯液槽132は、一定量の電解液を貯蔵することができる。
【0051】
本開示のいくつかの実施例では、第2貯液槽132を複数の貯液ユニット1322に仕切るように、上記第2貯液槽132内に複数の補強リブ1321が設置されている。本実施例では、上記補強リブ1321の数は、3つであり、3つの補強リブ1321は、上記第2貯液槽132を4つの貯液ユニット1322に仕切る。理解できるように、他の実施例では、上記補強リブ1321の数は、3つに限定されず、1つ、2つ又は4つ、5つなどであってもよい。上記貯液ユニット1322は、4つであってもよいが、これに限定されず、4つより少ないか又は4つより多くてもよい。
【0052】
それにより、第2貯液槽132内に補強リブ1321を設置することで、上記スペーサーリング13全体の強度を増加させることができるため、上記スペーサーリング13全体の耐圧強度がより高くなる。
【0053】
選択的に、本開示のいくつかの実施例では、上記4つの貯液ユニット1322の幅は、等しくても等しくなくてもよい。
【0054】
それにより、上記開口部130と上記貯液ユニット1322との間の配置に応じて、各貯液ユニット1322の幅を調整することにより、全体的な配置がより合理的である。
【0055】
選択的に、本開示のいくつかの実施例では、各貯液ユニット1322内の電解液を収容キャビティ110に流入させるために、各貯液ユニット1322に1つの開口部130が設置され、該開口部130の作用により電解液が貯液ユニット1322から流出することに寄与する。
【0056】
選択的に、本開示のいくつかの実施例では、上記開口部130は、上記貯液ユニット1322と上記電極引き出し孔131とを連通させる。
【0057】
それにより、上記貯液ユニット1322内の電解液が上記貯液ユニット1322から流出し、かつ上記収容キャビティ110内に流入することを容易にする。
【0058】
本開示のいくつかの実施例では、上記第2貯液槽132の数は複数であり、複数の上記第2貯液槽132は、上記第2方向Wに沿って配列される。
【0059】
本実施例では、上記第2貯液槽132の数は、2つであり、2つの上記第2貯液槽132は、上記第2方向Wに沿って配列され、かつ上記電極引き出し孔131の両側に対称に設置される。
【0060】
理解できるように、本開示のいくつかの実施例では、上記第2貯液槽132の数は、3つ以上であってもよく、ここで限定されない。
【0061】
それにより、上記スペーサーリング13上の空間を十分に利用することで、上記スペーサーリング13は、その強度を保証することに加えて、より多くの第2貯液槽132が設置されて、電解液を貯蔵することができ、電池のリチウム析出現象の発生を減少させ、電池100のサイクル寿命の性能を向上させる。
【0062】
本開示のいくつかの実施例では、図3図6図7及び図8を再参照すると、上記タブ支持部材124と上記電極体本体1211との間に絶縁スペーサー125が設置されている。上記絶縁スペーサー125は、上記電極体121と上記タブ支持部材124との間を電気的に絶縁する作用を果たす。
【0063】
本開示のいくつかの実施例では、上記電極体本体1211の第1方向Lにおける反対側に位置する両端は、先端が外向きに突出するV字形端面であり、各上記電極体の2つのタブ1213はそれぞれ、2つの上記V字形端面の先端に位置し、隣接する2つの電極体本体1211は、第1方向Lにおける同一端のV字形端面の間にV字形空間を形成し、上記絶縁スペーサー125は、上記V字形空間の形状と適合するV字形部材であり、上記V字形部材は、上記V字形空間内に嵌合され、即ち、絶縁スペーサー125のV字形両側の外面はそれぞれ、V字形空間を形成する2つのV字形端面に密着され、これにより、電極体本体1211とタブ支持部材124とを隔離するだけでなく、電極体本体1211のV字形端面に対して一定の支持作用を果たすことができ、電極体121が衝撃を受けて変形することを防止することに寄与する。
【0064】
本開示のいくつかの実施例では、上記V字形空間のV字角の角度は、90~150度である。本開示のいくつかの実施例において、該V字角の角度の範囲は、例えば、100~120度であってもよく、又は120~145度であってもよく、いくつかの実施例では、95度、110度又は125度などであってもよく、これを限定しない。
【0065】
当然のことながら、他のいくつかの実施例では、上記電極体本体1211の第1方向Lにおける反対側に位置する両端は、平坦で、方形、弧状などであってもよい。それに応じて、電極体本体1211と適合するように、絶縁スペーサー125の形状を適応的に調整する必要もある。ここでは限定されない。
【0066】
本開示のいくつかの実施例では、上記絶縁スペーサー125とタブ支持部材124とは、スナップフィットにより固定される。いくつかの実施例では、図8を参照すると、上記絶縁スペーサー125にスナップフィット1251が設置され、上記タブ支持部材124の第3表面1243に係止孔1246が設置されている。上記スナップフィット1251は、押圧変形して係止孔1246に係止することによりスナップフィット接続を形成する。上記スナップフィット1251の数は、2つであってもよく、上記係止孔1246の数は、2つであり、2つのスナップフィット1251は、2つの係止孔1246にそれぞれ係止することによりスナップフィット接続を形成する。それにより、上記絶縁スペーサー125と上記タブ支持部材124との間に安定した接続を形成する。
【0067】
なお、絶縁スペーサー125とタブ支持部材124との間は、固定部材による固定ではなく、接触のみであってもよく、又は両者は、合理的な空間配置により互いに当接して固定されてもよく、また、絶縁スペーサー125とタブ支持部材124は、接着剤で接着されてもよく、他の方式で一体に固定されてもよく、これを限定しない。
【0068】
図10図11及び図12を参照すると、図10は、本開示の第2実施例における電池セルアセンブリ10の斜視図である。図11は、第2実施例における電池セルアセンブリ10の正面図である。図12は、第2実施例における電池セルアセンブリ10のXII-XII方向における断面図である。第1実施例との相違点について、第2実施例では、タブ支持部材124は、U字形部材であり、上記U字形部材の開口部の向きは、上記第1方向Lと平行であり、上記U字形部材は、対向する2つの側壁1247と、対向する2つの側壁1247の間に位置する底壁1248と、を含み、上記対向する2つの側壁1247の外面はそれぞれ、上記2つの第1表面1241であり、即ち、隣接する2つのタブ1213はそれぞれ、対向する2つの側壁1247の外面に密着される。
【0069】
本開示のいくつかの実施例では、図3及び図6を参照すると、上記電極体アセンブリ12は、封止膜11によって囲まれて形成された収容キャビティ110内に位置し、上記電極体アセンブリ12は、上記収容キャビティ110内に設置されたスペーサーリング13をさらに含み、上記スペーサーリング13は、電極体アセンブリの電極引き出し部材122が設置されている側に位置し、上記スペーサーリング13には、上記スペーサーリング13を貫通し電極引き出し部材122を引き出す電極引き出し孔131が設置されることにより、上記電極引き出し部材122は、上記電極引き出し孔131から引き出され、これにより、スペーサーリング13の作用で上記電極引き出し部材122を固定することに寄与し、電極引き出し部材122の動きをある程度で防止することにより、電極引き出し部材122の堅牢性を向上させることに寄与し、電池セルアセンブリ10の耐用年数を延長することができる。
【0070】
図12に示すように、上記U字形部材の開口部は、同一側に位置するスペーサーリング13に向かい、即ち、U字形部材の開口部は、電極体本体1211から離れて設置され、上記電極引き出し部材122に電気的に接続されたタブ支持部材124は、側壁1247のうちの1つを介して電極引き出し部材122に接続される。いくつかの実施例では、電極引き出し部材122におけるタブ支持部材124に電気的に接続される部分は、タブ1213のうちの1つと対応する側壁1247との間に位置し、即ち、1つの側壁1247の外面に電極引き出し部材122と1つのタブ1213が積層され、三者は、溶接固定される。
【0071】
上記U字形部材の開口部は、同一側に位置するスペーサーリング13における電極引き出し孔131と連通し、上記U字形部材の内部キャビティ133に第1貯液槽を形成する。それにより、電解液の補助貯蔵空間をさらに増加させる。
【0072】
本開示のいくつかの実施例では、上記U字形部材の開口部は、上記電極体本体1211に向かい、上記電極引き出し部材122に電気的に接続されたタブ支持部材124は、上記底壁1248を介して電極引き出し部材122に接続される。
【0073】
本開示のいくつかの実施例では、スペーサーリング13は、電極体アセンブリ本体123に取付られ、即ち、図12に示すように、2つのスペーサーリング13はそれぞれ、電極体アセンブリ本体123の第1方向Lにおける反対側に位置する両側に取り付けられる。図13及び図16を共に参照すると、上記スペーサーリング13の電極体アセンブリ本体123に対向する側は、収容空間134を有し、2つの上記スペーサーリング13はそれぞれ、上記電極体アセンブリ本体123の第1方向Lにおける両側に取り付けられ、上記電極体アセンブリ本体123の第1方向Lにおける両側はそれぞれ、対応するスペーサーリング13の収容空間134内に嵌め込まれる。
【0074】
第1実施例との相違点について、第2実施例では、図13図14図15及び図16を参照すると、上記第2貯液槽132内に補強リブ1321が設置されず、即ち、上記第2貯液槽132は、1つの貯液ユニット1322のみを含む。上記第2貯液槽132の数は2つであり、2つの上記第2貯液槽132は、上記第2方向Wに沿って配列され、かつ上記電極引き出し孔131の両側に対称に設置される。
【0075】
理解できるように、本開示のいくつかの実施例では、上記第2貯液槽132の数は、3つ以上であってもよく、ここで限定されない。
【0076】
それにより、上記スペーサーリング13上の空間を十分に利用することで、上記スペーサーリング13は、より多くの電解液を貯蔵することができ、電池のリチウム析出現象の発生を減少させ、電池100のサイクル寿命の性能を向上させ、かつ構造を簡略化することができる。
【0077】
図17及び図18を参照すると、本開示に係る電池100の実施例では、上記電池100は、ケース20と、ケース20内に封止された少なくとも1つの電池セルアセンブリ10と、を含み、図17に示すように、ケース20内に電池100の長さ方向に沿って順に配列された複数の電池セルアセンブリ10が封止されている。複数の電池セルアセンブリ10が直列接続される場合、2つの電池セルアセンブリ10のうちの一方の電池セルアセンブリ10の正極電極引き出し部材は、他方の電池セルアセンブリ10の負極電極引き出し部材に電気的に接続されることにより、2つの電池セルアセンブリ10の間の直列接続を実現する。上記電池セルアセンブリ10は、上記いずれかの一実施例に記載の電池セルアセンブリ10である。
【0078】
本開示のいくつかの実施例では、ケース20は、例えば、アルミニウムケースのような金属ケースである。 当然のことながら、必要に応じて他の金属で製造されてもよい。
【0079】
本開示のいくつかの実施例では、電池100は、略直方体であり、電池100は、長さL、厚さW及び高さHを有し、長さLが高さHよりも大きく、高さHが厚さWよりも大きい。電池100の長さは400~2500mmである。電池100の長さと幅の比は、4~21である。
【0080】
なお、電池100が略直方体であることは、電池100が直方体形状、立方体形状であってもよく、局所に異形があるが、ほぼ直方体形状又は立方体形状であってもよく、或いは、その一部に切欠き、突起、面取り、弧度、湾曲が存在するが、全体として略直方体形状、立方体形状であることが理解されたい。
【0081】
本開示に係る電池モジュールは、複数の本開示に係る電池100を含む。
【0082】
本開示に係る電池パック200は、複数の本開示に係る電池100又は本開示に係る電池モジュールを含む。
【0083】
図19を参照すると、本開示に係る電池パック200は、トレイ22と、トレイ22に配置された電池100とを含む。
【0084】
本開示に係る自動車300(図20を参照)は、本開示に係る電池モジュール又は電池パック200を含む。
【0085】
通常、直列接続された電極体アセンブリ12の数は、各電極体アセンブリ12の出力電圧、電池パック200の幅及び電池パック200全体の電圧需要に応じて決定される。例えば、ある車種については、電池システムにより出力される電圧が300Vであることが要求されるが、従来の鉄リチウム電池の電圧は3.2Vであるため、従来技術において、要件を満たすために、電池パック内に100個の電池を直列接続する必要がある。本開示に係る電池パック200において、1つの電池セルアセンブリ10の内部に2つの電極体アセンブリ12が直列接続されると仮定すると、50個の電池セルアセンブリ10のみを配置すればよい。電池パック全体の設計及び電池100の配置を大幅に減少させ、空間を効果的に利用し、空間利用率を向上させることができる。
【0086】
以上から分かるように、本開示は、以上に記載の優れた利点を有するため、使用において、従来技術では達成できない効果の向上により実用性を有し、実用的価値の高い製品となる。
【0087】
以上の記載は、本開示の好ましい実施例に過ぎず、本開示を限定するものではなく、本開示の精神及び原則内で行われたすべての修正、等価置換又は改善などは、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0088】
10 電池セルアセンブリ
11 封止膜
110 収容キャビティ
12 電極体アセンブリ
121 電極体
1211 電極体本体
1213 タブ
122 電極引き出し部材
1221 接触部
1223 引き出し部
123 電極体アセンブリ本体
124 タブ支持部材
1240 中空キャビティ
1241 第1表面
1243 第3表面
1244 第4表面
1245 開口部
1247 側壁
1248 底壁
125 絶縁スペーサー
1246 係止孔
1251 スナップフィット
13 スペーサーリング
130 開口部
131 電極引き出し孔
132 第2貯液槽
1321 補強リブ
1322 貯液ユニット
133 内部キャビティ
134 収容空間
100 電池
200 電池パック
22 トレイ
20 ケース
300 自動車。
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