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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】多重入出力アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/036 20060101AFI20240829BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20240829BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H04B1/036
H01Q21/06
H05K7/20 H
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022574117
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 KR2021006789
(87)【国際公開番号】W WO2021251669
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】10-2020-0069237
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥク ヨン キム
(72)【発明者】
【氏名】キョ スン ジ
(72)【発明者】
【氏名】チ バク リュ
(72)【発明者】
【氏名】キュ チュル チェ
(72)【発明者】
【氏名】へー ヨン キム
(72)【発明者】
【氏名】イン ファ チェ
(72)【発明者】
【氏名】ジェ ホ チャン
(72)【発明者】
【氏名】ジェ ヒュン パク
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ジュン チョ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ヒュン チェ
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-536362(JP,A)
【文献】特開2004-246403(JP,A)
【文献】特開平08-031997(JP,A)
【文献】特開2006-303486(JP,A)
【文献】特開2009-098950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/036
H01Q 21/06
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一面に分布された複数の発熱素子を含み、幅及び、前記幅より長い長さを有する基板であって、
前記基板は、前記基板の長手方向に沿って区画される第1の発熱量を有する第1の領域及び、前記第1の発熱量よりも大きい第2の発熱量を有する第2の領域を含む基板と、
前記第1の領域の少なくとも一部と重なるように配置され、前記第1の領域から発生された熱の少なくとも一部を冷却するように構成された第1の送風部であって、少なくとも1つの第1のファンを含む第1の送風部
前記第2の領域の少なくとも一部と重なるように配置され、前記第2の領域から発生された熱の少なくとも一部を冷却するように構成された第2の送風部であって、少なくとも1つの第2のファンを含む第2の送風部と、を含み、
前記第2の送風部から吐出される空気の流量は、前記第1の送風部から吐出される空気の流量よりも大きく、
前記第1の領域は、前記第1の発熱量を前記第1の領域の面積で割った第1の単位発熱量を有し、前記第2の領域は、前記第2の発熱量を前記第2の領域の面積で割った第2の単位発熱量を有し、
前記第2の単位発熱量は、前記第1の単位発熱量よりも大きい、ことを特徴とする多重入出力アンテナ装置。
【請求項2】
前記第2の送風部の第2のファンの個数は、前記第1の送風部の第1のファンの個数よりも多いことを特徴とする、請求項1に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項3】
前記第2の送風部は複数の第2のファンを含み、
前記複数の第2のファンは、前記基板の幅方向に沿って配置されることを特徴とする、請求項2に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項4】
前記第2の送風部の第2のファンの回転速度は、前記第1の送風部の第1のファンの回転速度よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項5】
前記第2の送風部の第2のファンの大きさは、前記第1の送風部の第1のファンの大きさよりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項6】
さらに、前記第1の送風部から吐出される空気の流量及び、前記第2の送風部から吐出される空気の流量を調整するように構成された制御部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第1の領域の温度及び前記第2の領域の温度のうちの少なくとも1つに基づき、前記第1のファンの回転速度及び前記第2のファンの回転速度のうちの少なくとも1つを調整するように構成されることを特徴とする、請求項6に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記第1の領域の温度及び前記第2の領域の温度のうちの少なくとも1つに基づき、前記少なくとも1つの第1のファンのうち、動作する第1のファンの個数及び、前記少なくとも1つの第2のファンのうち、動作する第2のファンの個数のうちの少なくとも1つを調整するように構成されることを特徴とする、請求項6に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第1の領域の温度及び、第2の領域の温度の差は、所定の範囲内に維持されるように前記第1の送風部から吐出される空気の流量及び、前記第2の送風部から吐出される空気の流量を調整するように構成されることを特徴とする、請求項6に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項10】
前記第1の領域の温度及び、前記第2の領域の温度の差は、前記制御部により、15度以内に維持されるように構成されることを特徴とする、請求項9に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項11】
前記第1の領域及び前記第1の送風部の間に配置される複数の第1の放熱フィンと、
前記第2の領域及び前記第2の送風部の間に配置される複数の第2の放熱フィンと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項12】
前記第1の放熱フィン及び前記第2の放熱フィンは、前記基板の幅方向に沿って延びることを特徴とする、請求項11に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項13】
前記第1の領域は、第1の平均発熱量を有する第1の発熱素子群を含み、
前記第2の領域は、前記第1の平均発熱量よりも大きい第2の平均発熱量を有する第2の発熱素子群を含むことを特徴とする、請求項1に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項14】
さらに、少なくとも一部が、前記複数の発熱素子が配置された前記基板の一面と対面するように配置されるレドームパネル(radome panel)を含み、
前記レドームパネルと前記基板の一面との間は収容空間(receiving space)を形成し、
前記第1の送風部及び前記第2の送風部から吐出された空気は、前記収容空間に流入されないように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項15】
少なくとも一面に分布された複数の発熱素子を含み、幅及び、前記幅より長い長さを有する基板であって、
前記基板は、前記基板の長手方向に沿って区画される第1の発熱量を有する第1の領域及び、前記第1の発熱量より大きい第2の発熱量を有する第2の領域を含む基板と、
前記第1の領域の少なくとも一部と重なるように配置され、前記第1の領域から発生された熱の少なくとも一部を冷却するように構成された第1の送風部であって、少なくとも1つの第2のファンを含む第1の送風部と、
前記第2の領域の少なくとも一部と重なるように配置され、前記第2の領域から発生された熱の少なくとも一部を冷却するように構成された第2の送風部であって、少なくとも1つの第2のファンを含む第2の送風部とを含み、
前記第1の送風部から吐出された空気は、前記第1の領域を冷却する間に前記第2の送風部から吐出された空気と混ざらないように構成され、
前記第2の送風部から吐出された空気は、前記第2の領域を冷却する間に前記第1の送風部から吐出された空気と混ざらないように構成され
前記第1の領域は、前記第1の発熱量を前記第1の領域の面積で割った第1の単位発熱量を有し、前記第2の領域は、前記第2の発熱量を前記第2の領域の面積で割った第2の単位発熱量を有し、
前記第2の単位発熱量は、前記第1の単位発熱量よりも大きい、ことを特徴とする多重入出力アンテナ装置。
【請求項16】
前記第1の領域及び前記第1の送風部の間に配置される複数の第1の放熱フィンと、
前記第2の領域及び前記第2の送風部の間に配置される複数の第2の放熱フィンと、を含み、
前記複数の第1の放熱フィン及び前記複数の第2の放熱フィンは、前記基板の幅方向に沿って延びることを特徴とする、請求項15に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項17】
前記複数の第1の放熱フィン及び前記複数の第2の放熱フィンの間に配置される区画壁(partition wall)を含み、
前記区画壁の垂直高さは、前記複数の第1の放熱フィンの垂直高さ及び、前記複数の第2の放熱フィンの垂直高さよりも大きいことを特徴とする、請求項16に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項18】
前記第1の送風部は複数の第1のファンを含み、
前記第2の送風部は、複数の第2のファンを含むことを特徴とする、請求項15に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項19】
さらに、前記複数の第1のファンの回転速度及び、前記複数の第2のファンの回転速度を制御するように構成された制御部を含み、
前記制御部は、
前記複数の第1のファンのうちの少なくとも1つの第1のファンが作動を停止する場合、前記複数の第1のファンのうち、作動中の他の第1のファンの回転速度を増加させるように構成され、
前記複数の第2のファンのうちの少なくとも1つの第2のファンが作動を停止する場合、前記複数の第2のファンのうち、作動中の他の第2のファンの回転速度を増加させるように構成されることを特徴とする、請求項18に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項20】
少なくとも一面に分布された複数の発熱素子を含み、幅及び、前記幅より長い長さを有する基板であって、
前記基板は、前記基板の長手方向に沿って区画される第1の発熱量を有する第1の領域及び、前記第1の発熱量よりも大きい第2の発熱量を有する第2の領域を含む基板と、
前記第1の領域の少なくとも一部と重なるように配置され、前記第1の領域から発生された熱の少なくとも一部を冷却するように構成された第1の送風部であって、複数の第1のファンを含む第1の送風部と、
前記第2の領域の少なくとも一部と重なるように配置され、前記第2の領域から発生された熱の少なくとも一部を冷却するように構成された第2の送風部であって、複数の第2のファンを含む第2の送風部
前記第1の領域及び前記第2の領域に対して冗長制御を行うように構成された制御部とを含み、
前記第1の領域は、前記第1の発熱量を前記第1の領域の面積で割った第1の単位発熱量を有し、前記第2の領域は、前記第2の発熱量を前記第2の領域の面積で割った第2の単位発熱量を有し、
前記第2の単位発熱量は、前記第1の単位発熱量よりも大きい、ことを特徴とする多重入出力アンテナ装置。
【請求項21】
前記制御部は、
前記複数の第1のファンのうちの少なくとも1つの第1のファンが作動を停止する場合、前記複数の第1のファンのうち、作動中の他の第1のファンの回転速度を増加させるように構成され、
前記複数の第2のファンのうちの少なくとも1つの第2のファンが作動を停止する場合、前記複数の第2のファンのうち、作動中の他の第2のファンの回転速度を増加させるように構成されることを特徴とする、請求項20に記載の多重入出力アンテナ装置。
【請求項22】
前記制御部は、
前記複数の第1のファンのうちの少なくとも1つの第1のファンが作動を停止する場合、前記複数の第1のファンのうち、他の第1のファンを追加で作動させるように構成され、
前記複数の第2のファンのうちの少なくとも1つの第2のファンが動作を停止した場合、前記複数の第2のファンのうち、他の第2のファンを追加で作動させるように構成されることを特徴とする、請求項20に記載の多重入出力アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、多重入出力アンテナ装置及びそのための放熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この部分に記載されている内容は、単に本開示の背景情報を提供するだけであり、従来技術を構成するものではない。
【0003】
無線通信技術、例えば、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術は、多数のアンテナを用いてデータ伝送容量を画期的に増やす技術であり、送信機ではそれぞれの送信アンテナを介して互いに異なるデータを伝送し、受信機では、適切な信号処理を介して送信データを区分する空間多重技法 (Spatial Multiplexing)である。
【0004】
したがって、送受信アンテナの個数を同時に増加させるにつれてチャネル容量が増加し、より多くのデータを送信することができる。例えば、アンテナ数を10個に増加させると、現在の単一アンテナシステムに比べて同じ周波数帯域を使用して約10倍のチャネル容量を確保することになる。
【0005】
4G LTEアドバンスト(LTE-advanced)では8個のアンテナまで使用しており、現在のプレ(pre)-5G段階で64又は128個のアンテナを装着した製品が開発されており、5Gでははるかに多くのアンテナを有する基地局装備が使用されると予想され、これをマッシブマイモ(Massive MIMO)技術という。現在のセル(Cell)運営が2次元(2-Dimension)なのに対し、マッシブマイモ技術が導入されると、3D-ビームフォーミング(3D-Beamforming)が可能になるため、FD-MIMO(Full Dimension)とも呼ばれる。
【0006】
マッシブマイモ技術では、アンテナの数が増えるにつれ、これに伴うトランスミッタとフィルタの数も一緒に増加する。それでも設置場所のリースコストや空間的な制約により、RF部品(アンテナ/フィルタ/電力増幅器/トランシーバなど)を小さくて軽く、安く作ることが、マッシブマイモアンテナ装置はカバレッジ(Coverage)拡張のためには高出力が必要なのに、このような高出力による消費電力と発熱量は、重量とサイズを減らすのに否定的な要因として作用する。
【0007】
一方、マッシブマイモアンテナ装置の場合、複数のTX/RX素子で送受信される信号の位相(phase)ないし強度(amplitude)を調整することによりビームフォーミング(beamforming)を行うことになる。 TX/RX素子で送受信される信号の位相及び強度は温度に依存するので、ビームフォーミングを行うためには、各TX/RX素子で送受信される信号の温度に応じた位相及び強度の変化量を校正(calibration)する過程が先行されなければならない。
【0008】
したがって、TX/RX素子間の相対的な温度差が大きくなるほど、校正を行う素子、例えばFPGAでの演算量が増加することになり、この場合、FPGAで多量の熱が放出され、アンテナ装置全体での発熱量が増加するという問題が発生する。
【0009】
一方、通信部品から発生する熱を除去するために、従来のアンテナ装置は放熱フィンとファンを用いた対流冷却方式を用いていた。例えば、従来の対流冷却方式は、放熱フィンが縦方向に延び、ファンが放熱フィンの上部又は放熱フィンの下部に配置されて放熱フィンを冷却する方式である。しかしながら、このような従来の対流冷却方式は、ファンから吐出された空気が放熱フィン間を流動する距離が必然的に長くなるしかなく、これにより、冷却効率が低下するという問題があった。
【0010】
例えば、放熱フィンの下部にファンが配置されていると仮定すると、ファンから吐出された空気は、放熱フィンの下部領域を冷却した後に放熱フィンの上部領域を冷却することになる。この場合、流動する空気のうちの一部は外部に漏出され、それによって放熱フィンの上部領域に伝達される空気の量を放熱フィンの下部領域に比べて少なくなる。また、放熱フィンの上部領域に伝達される空気は、既に放熱フィンの他の領域によって加熱された状態であるため、既に高温の状態である。したがって、従来の対流冷却方式は全体的な冷却効率が低下するだけでなく、放熱フィンの各領域での冷却効率のばらつきが激しいという問題があった。
【0011】
上述したように、マッシブマイモアンテナ装置は、カバレッジ拡張のために高出力で動作される必要があり、これにより、より多くの消費電力と発熱量が発生することになる。また、マッシブマイモアンテナ装置がビームフォーミングを適正に具現するためには、各アンテナないしTX/RX素子間の相対的な温度差を低減させる必要がある。このような側面で、冷却効率が低下し、各領域毎に冷却効率のばらつきが激しい従来の対流冷却方式は、適切な冷却方式になれない。したがって、マッシブマイモアンテナ装置にて、冷却効率を高めつつ、さらに、アンテナ装置の各領域別の相対的な温度差を低減させることができる新たな形態の冷却方式が必要なのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本開示は、多重入出力(Massive MIMO)アンテナ装置において、冷却効率を高めながら、同時に、アンテナ装置の各領域別の相対的な温度差を低減させることができる冷却方式を提供することに主な目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の一実施例によると、少なくとも一面上に分布する複数の発熱素子を含み、幅及び幅より長い長さを有する基板であって、基板は、基板の長手方向に沿って区画される第1の発熱量を有する第1の領域及び第1の発熱量よりも大きい第2の発熱量を有する第2の領域を含む基板と、第1の領域の少なくとも一部と重なるように配置され、第1の領域から発生された熱の少なくとも一部を冷却するように構成された第1の送風部であって、少なくとも1つの第1のファンを含む第1の送風部、及び、第2の送風部の少なくとも一部と重なるように配置され、第2の領域から発生された熱の少なくとも一部を冷却するように構成された第2の送風部であって、少なくとも1つの第2のファンを含む第2の送風部を含み、第2の送風部から吐出される空気の流量は、第1の送風部から吐出される空気の流量よりも大きいことを特徴とする多重入出力アンテナ装置を提供する。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本実施例によると、マッシブマイモアンテナ装置は、発熱素子から発生された熱を効果的に除去し、さらに、各発熱素子毎の相対的な温度差を最小化することにより、アンテナ装置の機能を改善することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置の斜視図である。
図2】本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置の背面斜視図である。
図3】本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置の分解斜視図である。
図4】本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置の背面分解斜視図である。
図5】本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置の側断面図である。
図6】本開示の一実施例に係る第1の送風部及び第2の送風部が流量を調整する方式を示す例示図である。
図7】本開示の一実施例に係る制御部の動作を示すブロック図である。
図8】本開示の一実施例に係るハウジング及び放熱フィンの背面斜視図である。
図9】本開示の一実施例に係る第1の放熱フィン及び第2の放熱フィンの縦断面図である。
図10】本開示の一実施例に係る第1の放熱フィン及び第2の放熱フィンの側断面図である。
図11】本開示の一実施例に係る制御部が冗長制御(redundancy control)を遂行することを示す例示図である。
図12】本開示の一実施例に係る制御部が冗長制御(redundancy control)を遂行することを示す例示図である。
図13図13は、本開示の一実施例に係る放熱装置の斜視図である。
図14図14は、本開示の一実施例に係る放熱装置の背面斜視図である。
図15図15は、図2の多重入出力アンテナ装置にてバックカバーを省略して示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の一部の実施例を例示的な図面を通して詳しく説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素に対しては、たとえ異なる図面に表示されても、できるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。なお、本開示を説明するにあたり、関連される公知の構成又は機能に関する具体的な説明が本開示の要旨を曖昧にすると判断される場合には、その詳しい説明は省く。
【0017】
本開示に係る実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、i)、ii)、a)、b)などの符号を用いる場合がある。このような符号は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その符号によって当該構成要素の本質又は順番や順序等が限定されない。明細書にて、ある部分がある構成要素を「含む」又は「備える」と言うとき、これは、明示的に逆となる記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0018】
図1は、本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10の斜視図である。
【0019】
図2は、本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10の背面斜視図である。
【0020】
図3は、本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10の分解斜視図である。
【0021】
図4は、本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10の背面分解斜視図である。
【0022】
図1ないし図4を参照すると、多重入出力アンテナ装置(Massive MIMO antenna apparatus)10は、レドームパネル(radome panel)110、基板(board)120、ハウジング(housing)130、放熱フィン(cooling fin)140、送風部(blowing unit)150、及びバックカバー(back cover)160を含む。
【0023】
レドームパネル110は、ハウジング130の一面に対面するように配置される。具体的には、レドームパネル110は、ハウジング130内に収容された基板120の一面と対面するように配置される。
【0024】
ハウジング130は、レドームパネル110及び複数の放熱フィン140の間に配置される。
【0025】
ハウジング130は内部に基板120を収容することができる。具体的には、ハウジング130は、基板120の他面と、ハウジング130の一面が対面するように基板120を収容することができる。
【0026】
ハウジング130の一側、例えばハウジング130の下面上には、信号入出力ないし電力供給のための複数のポート(port)132が形成される。
【0027】
基板120は、少なくとも一面上に分布された複数の発熱素子122を含む。さらに、基板120は幅及び幅より長い長さを有する。ここで、基板120の幅は、図3を基準にしてx軸に平行な成分を指し、基板120の長さは、図3を基準にしてy軸に平行な成分を指す。
【0028】
一方、基板120の一面上に配置される複数の発熱素子122は、アンテナ動作のためのRF素子及び、RF素子の駆動のための他の回路素子を含む。
【0029】
本開示の一実施例に係る基板120は、基板120の長手方向に沿って区画された第1の発熱量を有する第1の領域(first section)A1及び第1の発熱量よりも大きい第2の発熱量を有する第2の領域(second section)A2を含む。ここで、第1の発熱量及び第2の発熱量は、各領域で発生する熱の総量を指す。
【0030】
本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、基板120の形状を幅より長さが長い矩形の形状を有するように構成され、複数の発熱素子122を基板120の長手方向に沿って基板120上に配置したことに技術的特徴がある。これに関連された詳しい説明は、図5と関連して詳しく記述される。
【0031】
再び、図1ないし図4を参照すると、複数の放熱フィン140はハウジング130の他面上に配置される。
【0032】
複数の放熱フィン140は、ハウジング130の他面上に基板120の長手方向に沿って配置される。また、複数の放熱フィンの各放熱フィンは、基板120の幅方向に沿って延びる。
【0033】
本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、放熱フィン140が基板120の幅方向に沿って延びるようにすることにより、送風部150のファンから吐出される空気が放熱フィン140を冷却した以後に、放熱フィン140から排出されるまでの経路を相対的に短縮させることができる。これにより、ファンから吐出された空気が長い経路を通過するにつれて、すでに暖められた空気が再び他の領域を冷却することによって全体の冷却効率が低下されるという問題を最小化することができる。
【0034】
しかしながら、本開示はこれに限定されるものではなく、放熱フィン140は対角線の形状又は「V字」形状を有するように構成されてもよい。この場合、高温の空気が上昇しようとする性質を利用することができ、より容易な空気排出が可能となる効果がある。
【0035】
送風部150は、複数の放熱フィン140の背面に配置され、基板120の各領域を冷却するための少なくとも1つのファンを含む。
【0036】
各領域の送風部が複数のファンを含む場合、その複数のファンは基板120の幅方向に沿って配置される。基板120の各領域が長手方向に沿って区別されるように構成されるので、複数のファンを基板120の幅方向に沿って配置する場合、アンテナの大きさないし重量を増加させることなく、効果的にファンの数を増加させることができる効果がある。
【0037】
図3及び図4では、基板120の各領域に対して1つの列からなる複数のファンが配置されるように示されているが、本開示はこれに限定されない。例えば、基板120の各領域に対し、2つ以上の列からなる複数のファンが配置されてもよい。
【0038】
一方、レドームパネル110と基板120の一面との間には、複数の発熱素子122が配置される収容空間134が形成される。具体的には、レドームパネル110と、基板120の他面と対面するハウジング130の一面との間に収容空間134が形成される。したがって、実質的に熱が発生する空間は、レドームパネル110とハウジング130との間に形成された収容空間134である。収容空間134に発生した熱は、ハウジング130の一面からハウジング130の他面に、例えば放熱フィン140に向かって伝達される。
【0039】
第1の送風部152及び第2の送風部154から吐出された空気は、収容空間134から熱を伝達された放熱フィン140を冷却するだけで、収容空間134には流入されないように構成される。したがって、本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、熱が実質的に発生する空間、例えば収容空間134と第1の送風部152、及び第2の送風部154から吐出された空気によって冷却される空間、例えば、ハウジング130の他面ないし放熱フィン140は空間的に分離された状態である。
【0040】
これにより、アンテナ装置の構造が単純になり、基板120に配置される発熱素子122に望ましくない外部の物質が流入され、発熱素子122の耐久性に悪影響を及ぼす問題を遮断することができる効果がある。
【0041】
バックカバー160はハウジング130の他面と対面するように配置され、複数のファン1522、1524はバックカバー160上に配置される。
【0042】
バックカバー160は、ハウジング130の他面の少なくとも一部及び複数の放熱フィン140を覆う。これにより、バックカバー160は、ユーザが加熱された放熱フィン140と接触するのを防止するフィンガーガード(finger guard)の役割、ならびに外部の太陽光からアンテナ装置の部品を保護するサンシェード(sun shade)の役割を果たす。バックカバー160に関連された詳しい説明は、図7図13、及び図14に関連されて記述される。
【0043】
一方、基板120、ハウジング130、及び放熱フィン140は、送風部150及びバックカバー160で構成された放熱装置(heat dissipating device)20を介して冷却される。放熱装置20は、多重入出力アンテナ装置10の様々な構成のうち、基板120、ハウジング130、及び放熱フィン140等が除外された構成であり、図3に示す基板120以外にも、異なる構成、異なる配置、又は異なる形状を有するアンテナ回路基板に適用されて使用される。これに関連された詳しい説明は、図13及び図14に関連して記述される。
【0044】
図5は、本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10の側断面図である。
【0045】
図5を参照すると、本開示の一実施例に係る基板120は、長手方向に沿って複数の領域に区画される。このような基板の各領域は、その領域で発生する発熱量の大きさに基づいて区画される。
【0046】
例えば、基板120は、基板120の長手方向に沿って区画される第1の発熱量を有する第1の領域A1及び、第1の発熱量よりも大きい第2の発熱量を有する第2の領域A2を含む。
【0047】
複数の放熱フィン140は、基板120の第1の領域A1及び第2の領域A2とそれぞれ重なる(overlap)第1の放熱フィン(first cooling fin)142及び第2の放熱フィン(second cooling fin)144を含む。具体的に、複数の第1の放熱フィン142は、第1の領域A1及び第1の送風部152の間に配置され、複数の第2の放熱フィン144は、第2の領域A2及び第2の送風部154の間に配置される。
【0048】
第1の放熱フィン142及び第2の放熱フィン144は、第1の領域A1及び第2の領域A2の発熱量に応じ、放熱フィン140間の間隔と、放熱フィン140間の垂直高さを異なるように構成される。これに関連された詳しい説明は、図8ないし図10に関連して後述される。
【0049】
再び図5を参照すると、送風部150は、第1の領域A1の少なくとも一部と重なるように配置される第1の送風部(first blowing unit)152及び、第2の領域A2の少なくとも一部と重なるように配置される第2の送風部(second blowing unit)154を含む。
【0050】
第1の送風部152は、第1の領域A1から発生された熱の少なくとも一部を冷却するように構成され、少なくとも1つの第1のファン(first fan)1522を含む。また、第2の送風部154は、第2の領域A2から発生された熱の少なくとも一部を冷却するように構成され、少なくとも1つの第2のファン(second fan)1542を含む。
【0051】
本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、発熱量に応じて基板120の領域を基板120の長手方向に沿って区分し、区分された各基板120の領域に対してそれに対応される位置にファンを配置したことに技術的特徴がある。
【0052】
これにより、本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、基板120の各領域に対して温度制御及び温度管理を個別的に行うことができ、これにより基板120の各領域間に相対的な温度差をより効果的に減少させることができる効果がある。
【0053】
一方、ファンから吐出される空気の流量が大きくなるほど、より多くの冷却が行われる。したがって、第2の領域A2は、第1の領域A1の第1の発熱量よりも大きい第2の放熱量を有するので、第2の送風部154から吐出される空気の流量は、第1の送風部152から吐出される空気の流量よりも大きくなるように構成される。これに関連された詳しい説明は、図6に関連して記述される。
【0054】
また、本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、基板120の形状を幅より長さが長い矩形の形状を有するように構成され、複数の発熱素子122を基板120の長手方向に沿って基板120上に配置することにより、基板120の背面に配置される送風部150のファンの個数を最大にできることに技術的特徴がある。
【0055】
また、本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、基板120の各領域に対してそれに対応する位置に複数のファンを配置することにより、基板120の各領域に対して冗長制御を行うことができる効果がある。これに関連された詳しい説明は、図11及び図12と関連して後述される。
【0056】
また、本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、基板120の各領域に対し、それに対応する位置に複数のファンを配置することにより、各ファンの回転速度をそのファンが有する最大(maximum) 回転速度値よりやや低い値に設定できる効果がある。ファンの回転速度を下げることで、ファンから発生する騒音(noise)を減少させることができ、さらにファンの寿命は長くなる。
【0057】
一方、第1の領域A1は、第1の発熱量を第1の領域A1の面積で割った第1の単位発熱量を有し、第2の領域A2は、第2の発熱量を第2の領域A2の面積で割った第2の単位発熱量を有し、第2の単位発熱量は、第1の単位発熱量よりも大きい値を有する。これは、単位面積に対し、第2の領域A2が第1の領域A1よりも多くの熱を放出することを意味する。
【0058】
この場合、第1の領域A1及び第2の領域A2が実質的に同じ面積を有すると仮定した場合、第1の領域A1と比較し、第2の領域A2に配置される発熱素子122の個数が多いか、又は、第1の領域A1と比較し、相対的に大きな熱を発生させる素子が第2の領域A2に多数配置されたことが理解されるだろう。
【0059】
また、第1の領域A1は、第1の平均発熱量を有する第1の発熱素子群を含み、第2の領域A2は、第1の平均発熱量よりも大きい第2の平均発熱量を有する第2の発熱素子群を含む。ここで、各領域の平均発熱量とは、各領域の総発熱量をその領域に配置された発熱素子122の個数で割った値を指す。したがって、ある領域で平均発熱量が高いということは、その領域に配置された素子のそれぞれが概ね高い発熱量を有することを意味する。
【0060】
具体的には、高い平均発熱量を有する第2の領域A2には、比較的多くの熱を発生させるRF素子、例えばTX/RX素子のアンプ(amp)などの素子が配置され、第1の領域A1には、相対的に少ない熱を発生させるRF素子、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの素子が配置される。しかし、本開示がこれに限定されるものではなく、基板120の第1の領域A1及び第2の領域A2には、上述した素子以外のRF素子が配置されてもよい。
【0061】
例えば、図5では、相対的に発熱量の大きいTX/RX素子が配置された基板120の領域を第2の領域A2であり、相対的に発熱量が小さいRF素子が配置された基板120の領域を第1の領域A1であるように示されているが、本開示のいくつかの実施形態では、TX/RX素子が配置された基板120の領域同士が第1の領域A1及び第2の領域A2で区別されてもよい。
【0062】
例えば、図5に示されたように、基板120の8つの領域のうち、1、3、5、7番目の領域にTX/RX素子が配置されると仮定すると、8つの領域のうち、TX/RX素子が配置された領域である第1の領域が基板120の第1の領域A1となり、8つの領域のうち、TX/RX素子が配置された他の領域である3番目の領域が基板120の第2の領域A2となってもよい。
【0063】
多重入出力アンテナ装置10の場合、多数のTX/RX素子で送受信される信号の位相(phase)ないし強度(amplitude)を調整することでビームフォーミング(beamforming)を行うようになる。一方、TX/RX素子で送受信される信号の位相及び強度は温度に依存的である。したがって、ビームフォーミングを行うためには、各TX/RX素子での温度による位相及び強度の変化量を校正(calibration)する過程が先行されなければならない。
【0064】
したがって、TX/RX素子間の相対的な温度差が大きくなるほど、校正を行う素子、例えば、FPGAでの演算量が増加するようになり、この場合、FPGAから多量の熱が放出され、アンテナ装置全体での発熱量が増加するという問題が発生する。この側面で、基板120の各領域に配置されたTX/RX素子間の相対的な温度を低下させることは、アンテナ装置の放熱構造はもちろん、アンテナ装置の機能においても重要な技術的課題とみなすことができる。
【0065】
第1の領域A1及び第2の領域A2のすべてにTX/RX素子が配置されると仮定する場合、本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、第1の領域A1及び第1の領域2領域A2のそれぞれに対してその発熱量に応じて冷却を行うことにより、第1の領域A1及び第2の領域A2間の相対的な温度差を所定の値以内に減少させることができ、これにより、アンテナ装置の放熱効率の改善はもちろん、アンテナ装置の機能も改善できる効果がある。
【0066】
一方、図5では、基板120が長手方向に沿って8つの領域に分かれるものと示されているが、本開示はこれに限定されない。したがって、ファンの個数、RF素子の配置、アンテナ装置のサイズなどの条件に応じ、本開示に係る基板120は8個以外の個数に区画されてもよい。
【0067】
また、図5では、基板120の第1の領域A1が8つの領域のうちの2番目の領域であり、基板120の第2の領域A2が8つの領域のうちの1番目の領域であることが示されているが、本開示はこれに限定されない。
【0068】
すなわち、本明細書にて、第1の領域A1及び第2の領域A2は、発熱量による相対的な基板120の位置を区別するための概念であり、第1の領域A1及び第2の領域A2が図5に示された位置に限定されない。したがって、第2の領域A2が第1の領域A1よりも大きな発熱量を有すると、第1の領域A1及び第2の領域A2は、図5に示された位置と異なる位置を指してもよい。
【0069】
なお、図5では、第1の領域A1と第2の領域A2が隣接して配置されているように示されているが、本開示はこれに限定されない。したがって、第1の領域A1及び第2の領域A2は隣接せずに互いに離間されて配置されてもよい。
【0070】
図6は、本開示の一実施例に係る第1の送風部152及び第2の送風部154が流量を調整する方式を示す例示図である。
【0071】
具体的には、図6(a)はファンの個数を介して流量を調整する方式を示し、図6(b)はファンの回転速度を介して流量を調整する方式を示し、図6(c)は、ファンのサイズを通じて流量を調整する方式を示している。
【0072】
図6(a)を参照すると、第2の送風部154から吐出される空気の流量が第1の送風部152から吐出される空気の流量よりも大きくなるように、第2の送風部154の第2のファン1542の個数は、第1の送風部152の第1のファン1522の個数より多いように構成される。基板120の各領域を効率的に冷却するために、発熱量の大きい第2の領域A2に発熱量の少ない第1の領域A1よりも多くの個数のファンを配置してもよい。
【0073】
例えば、第1の領域A1には2つのファンが配置され、第2の領域A2には3つのファンが配置されてもよい。第1のファン1522及び第2のファン1542の仕様が同じであると仮定する場合、ファンの個数を増やすほど、送風部150からより多くの流量が発生する。
【0074】
図6(b)を参照すると、第2の送風部154から吐出される空気の流量が第1の送風部152から吐出される空気の流量よりも大きくなるように、第2の送風部154の第2のファン1542の回転速度が、第1の送風部152の第1のファン1522の回転速度よりも大きいように構成されてもよい。
【0075】
ファンの回転速度を除くファンの他の仕様及びファンの個数がすべて同じであると仮定する場合、ファンの回転速度を上げるほど、ファンからより多くの流量が発生する。
【0076】
図6(c)を参照すると、第2の送風部154から吐出される空気の流量は第1の送風部152から吐出される空気の流量よりも大きくなるように、第2の送風部154の第2のファン1542の大きさは、第1の送風部152の第1のファン1522の大きさよりも大きくなるように構成されてもよい。
【0077】
ファンのサイズ、例えばファンのブレード(blade)のサイズを除くファンの他の仕様及びファンの個数がすべて同じであると仮定する場合、ファンのサイズが大きくなるほど、ファンからより多くの流量が発生する。
【0078】
本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、発熱量を基準に基板120を複数の領域に区画し、発熱量が多い基板120の領域に対応する送風部150に対してより多くの流量が発生するように構成することによって、基板120の各領域間の相対的な温度差を効果的に減少させることができるという利点がある。
【0079】
図7は、本開示の一実施例に係る制御部180の動作を示すブロック図である。
【0080】
図7を参照すると、本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10又はそのための放熱装置20は、追加で制御部(control unit)180を含む。
【0081】
制御部180はファン回路基板(fan circuit board)170上に配置されるが、本開示はこれに限定されない。例えば、制御部180は、発熱素子122が配置される基板120上に配置されてもよい。
【0082】
制御部180は、複数のファンの、それぞれのファンに対してその動作を制御するように構成される。例えば、制御部180は、基板120の各領域に関する情報に基づき、各ファンのオン/オフ(on/off)、各ファンの回転速度、各ファンの回転方向、及び各ファンの送風方向などを調整する。
【0083】
例えば、制御部180は、第1の領域A1の温度及び、第2の領域A2の温度に基づき、第1の送風部152から吐出される空気の流量及び第2の送風部154から吐出される流量を調整するように構成される。この場合、多重入出力アンテナ装置10又はそのための放熱装置20は、各領域の温度測定のための温度センサ(temperature sensor)710を追加で含む。
【0084】
制御部180は、第1の領域A1の温度及び、第2の領域A2の温度のうち、少なくとも一方に基づき、第1のファン1522の回転速度及び、第2のファン1542の回転速度のうち、少なくとも1つを調整するように構成される。
【0085】
例えば、基板120のある領域が所定の基準温度値を超える温度を有する場合、その領域に対応されるファンの回転速度を高めることができ、逆に、基板120のある領域が他の所定の基準温度値より低い温度を有する場合、その領域に対応されるファンの回転速度を下げることができる。
【0086】
あるいは、制御部180は、第1の領域A1の温度及び、第2の領域A2の温度のうち、少なくとも一方に基づき、少なくとも1つの第1のファン1522のうちの動作する第1のファン1522の個数及び、少なくとも1つの第2のファン1542のうちの動作する第2のファン1542の個数のうち、少なくとも1つを調整するように構成される。
【0087】
例えば、基板120のある領域が所定の基準温度値を超える温度を有する場合、その領域に対応される複数のファンのうち、動作するファンの個数を増加させることができ、逆に、基板120のある領域が他の所定の基準温度値より低い温度を有する場合、その領域に対応される複数のファンのうち、動作するファンの個数を減少させることができる。
【0088】
第1の送風部152から吐出される空気の流量及び、第2の送風部154から吐出される流量を調整することで、制御部180は、第1の領域A1の温度及び、第2の領域A2の温度の差は、所定の範囲内に維持されるように構成される。
【0089】
第1の領域A1及び第2の領域A2のすべてにTX/RX素子が配置されると仮定する場合、好ましくは、第1の領域A1の温度及び、第2の領域A2の温度の差は、制御部180により、15度以内の値を有するように維持される。
【0090】
多重入出力アンテナ装置10又はそのための放熱装置20は、アンテナの複数のファンから発生する騒音の大きさを測定するように構成された騒音センサ(noise sensor)720を追加で含む。
【0091】
この場合、制御部180は、騒音センサ720から測定されたファンの騒音値に基づき、複数のファンの回転速度及び、複数のファンのうちの作動するファンの個数のうち、少なくとも1つを調整するように構成される。
【0092】
例えば、あるファンから発生する騒音の大きさが所定の基準値を超える場合、そのファンの回転速度を下げるか、作動するファンの個数を減少させることができる。
【0093】
一方、制御部180は、第1の送風部152の動作を制御するように構成された第1の制御部及び、第2の送風部154の動作を制御するように構成された第2の制御部を追加で含む。この場合、第1の送風部152及び第2の送風部154は、それに対応する第1の制御部及び第2の制御部によって個別に制御される。これを通じ、第1の制御部及び第2の制御部のうちの一部が故障してもファン全体の動作が停止されるという問題を防止することができる。
【0094】
あるいは、制御部180は、メイン制御部及びサブ制御部を含む。メイン制御部は通常、ファンの動作を制御することができ、サブ制御部はメイン制御部が故障した場合に補助的にファンの動作を制御することができる。これを通じ、制御部が故障してもファン全体の動作が中断するという問題を防止することができる。
【0095】
多重入出力アンテナ装置10又はそのための放熱装置20は、追加で、ファンログ保存部(fan log storage unit)730を含む。
【0096】
ファンログ保存部730は、複数のファンの各ファンの回転数に関する情報を記録するように構成され、制御部180は、ファンログ保存部に保存された各ファンの回転数に関する情報に基づいて各ファンの動作を制御するように構成される。
【0097】
例えば、制御部180は、複数のファンのうちの一部のファンの回転数が所定の値以上を記録した場合、そのファンの動作を停止させるか、又は、ユーザ又は管理者にファンの交換ないしファンのメンテナンスを勧告するように構成される。
【0098】
一方、制御部180は、複数のファンの初期駆動状態で取得した情報に基づいて最適化されたファン駆動を具現することができる。
【0099】
具体的には、制御部180は、複数のファンの初期駆動状態で、複数のファンの回転速度及び、複数のファンのうちの作動するファンの個数のうち、少なくとも1つの条件を変更しながら、各条件に対応される複数のファン駆動データを取得することができる。
【0100】
その後、制御部180は、複数のファンの初期駆動状態以後に、複数のファン駆動データのうちの最適なファン動作データを適用し、複数のファンの回転速度及び複数のファンのうちの動作するファンの個数のうち、少なくとも1つを調整することができる。
【0101】
したがって、本開示の一実施例に係る制御部180は、ファンの運用状態、アンテナ装置の設置場所、アンテナ装置の設置環境などのローカルデータを取得して自ら学習することができ、このような学習結果に基づき、各状況に最適な最適化されたファン作動条件を導出することができる。本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、このような最適化されたファン作動条件を適用してより効率的な放熱を遂行する。
【0102】
また、放熱装置20、例えば、ファン回路基板170内に制御部180、温度センサ710、騒音センサ720、及びファンログ保存部730等が全て備えられていると仮定する場合、放熱装置20は、他の構成の助けなしに、放熱装置20自らが学習を行うことができ、これにより、適応的な(adaptive)ファン制御が可能となる効果がある。
【0103】
図8は、本開示の一実施例に係るハウジング130及び放熱フィン140の背面斜視図である。
【0104】
図9は、本開示の一実施例に係る第1の放熱フィン142及び第2の放熱フィン144の縦断面図である。具体的には、図9(a)は、図8のA-A’方向に沿って切断した第1の放熱フィン142の縦断面図を示し、図9(b)は、図8のB-B’方向に沿って切断した第2の放熱フィン144の縦断面図を示す。
【0105】
図10は、本開示の一実施例に係る第1の放熱フィン142及び第2の放熱フィン144の側断面図である。具体的には、図10は、図8のC-C '方向に沿って切断した第1の放熱フィン142及び第2の放熱フィン144の側断面図である。
【0106】
図8を参照すると、複数の放熱フィン140は、ハウジング130の他面上で基板120の長手方向に沿って配置される。また、複数の放熱フィンの各放熱フィンは、基板120の幅方向に沿って延びる。
【0107】
本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、放熱フィン140が基板120の幅方向に沿って延びるようにすることで、送風部のファンから吐出される空気が放熱フィンを冷却した以後に放熱フィンから排出されるまでの経路を相対的に短縮させることができる。これを通じ、ファンから吐出された空気が長い経路を通過するにつれ、すでに暖められた空気が再び他の領域を冷却することによって全体的な冷却効率が低減される問題を最小化にすることができる。
【0108】
一方、任意選択で、複数の放熱フィン140内には振動細管型ヒートパイプ(pulsating heat pipes)PHPが内設される。これを通じ、放熱フィン140の冷却性能をより向上させることができる。
【0109】
図9(a)及び図9(b)を参照すると、第1の放熱フィン142は、第1の放熱フィン142の断面積を第1の放熱フィン142の幅で割った第1の平均垂直高さを有し、第2の放熱フィン144は、第2の放熱フィン144の断面積を第2の放熱フィン144の幅で割った第2の平均垂直高さを有する。この場合、第2の平均垂直高さは、第1の平均垂直高さよりも大きい値を有する。
【0110】
例えば、第1の放熱フィン142の断面にて、最大垂直高さはh1、幅はw1の値を有する。また、第2の放熱フィン144の断面にて、最大垂直高さはh2、幅はw2の値を有する。このとき、h1の値はh2の値と同じであり、w1の値はw2の値と同じである。
【0111】
ただし、第1の放熱フィン142は陥没部(Recess)Rを含むため、第1の放熱フィン142の面積は第2の放熱フィン144の面積より小さい。したがって、第1の放熱フィン142の面積を第1の放熱フィン142の幅であるw1で割った値である第1の平均垂直高さは、第2の放熱フィン144の面積を第2の放熱フィン144の幅であるw2で割った値である第2の平均垂直高さよりも小さい。この場合、第1の放熱フィン142のうちの少なくとも一部、例えば陥没部は、第1の平均垂直高さよりも小さい垂直高さを有する。
【0112】
本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、第2の放熱フィン144の平均垂直高さを第1の放熱フィン142の平均垂直高さよりも大きくなるように構成することで、第2の放熱フィン144の面積が第1の放熱フィン142の面積と比較して相対的に大きい値を有するようにすることができる。これにより、第2の放熱フィン144上で熱交換が行われる全体の面積を広げることができる効果がある。
【0113】
本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、発熱量の多い第2の領域A2と対応される領域に相対的に断面積の大きい第2の放熱フィン144を配置し、発熱量の少ない第1の領域(A1)と対応される領域に相対的に断面積の小さい第1の放熱フィン142を配置することで、放熱フィン140全体の重量を減少させるとともに放熱フィン140の放熱効果を極大化できる効果がある。
【0114】
一方、図9では、第1の放熱フィン142が陥没部を含み、第2の放熱フィン144は平坦な形状(flat)を有するように示されているが、本開示はこれに限定されない。したがって、第2の平均垂直高さが第1の平均垂直高さよりも大きいとすると、第1の放熱フィン142及び第2の放熱フィン144は、図9に示された断面とは異なる形状の断面を有してもよい。
【0115】
図10を参照すると、複数の第2の放熱フィン144のうち、隣り合う第2の放熱フィン144間の間隔B2は、複数の第1の放熱フィン142のうち、隣り合う第1の放熱フィン142間の間隔B1より狭い。すなわち、複数の第2の放熱フィン144は、複数の第1の放熱フィン142と比較して密に配置される。
【0116】
これを通じ、複数の第2の放熱フィン144の全体の面積は、複数の第1の放熱フィン142の全体の面積と比較して相対的に大きい値を有することができ、これにより、第2の放熱フィン144上で熱交換が行われる全体の面積を広げる効果がある。
【0117】
本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、発熱量の多い第2の領域A2に対応される第2の放熱フィン144を密に配置し、発熱量が少ない第1の領域A1に対応される第1の放熱フィン142を疎らに配置することで、放熱フィン140全体の重量を減少させるとともに放熱フィン140の放熱効果を極大化させる効果がある。
【0118】
また、複数の第1の放熱フィン142は、複数の第2の放熱フィン144とは互いに異なるピン厚さを有する。第1の放熱フィン142のフィン厚さ及び、第2の放熱フィン144のフィン厚さは、第1の領域A1の発熱量及び第2の領域A2の発熱量を考慮し、異なるように設定される。
【0119】
例えば、第2の領域A2にて、熱交換面積を広げるために、より多くの第2の放熱フィン144が配置されるように、第2の放熱フィン144の厚さは第1の放熱フィン142の厚さより薄く構成されてもよい。
【0120】
再度図8及び図10を参照すると、第1の送風部152から吐出された空気は、第1の領域A1を冷却する間に第2の送風部154から吐出された空気と混ざらないように構成され、第2の送風部154から吐出された空気は、第2の領域A2を冷却する間に第1の送風部152から吐出された空気と混ざらないように構成される。
【0121】
ここで、「第1の領域A1/第2の領域A2を冷却する間」の意味は、各送風部から吐出された空気が基板120の各領域に対応される放熱フィン140に到達ないし衝突して実質的に冷却が開始された時点から、その空気が放熱フィン140を冷却した以後に放熱フィン140から排出される時点まで流動する間を指す。
【0122】
本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10にて、各ファンから吐出された空気は、そのファンに対応される放熱フィン140の領域のみに流動するだけで、その他の放熱フィン140の領域に対しては流動しない。
【0123】
このために、多重入出力アンテナ装置10は、複数の第1の放熱フィン142及び、複数の第2の放熱フィン144の間に配置される区画壁146を追加で含む。
【0124】
区画壁(partition wall)146の垂直高さは、複数の第1の放熱フィン142の垂直高さ及び、複数の第2の放熱フィン144の垂直高さよりも大きい。
【0125】
区画壁146は、基板120の各領域に対応される放熱フィン140の領域を区画することができ、さらに、各放熱フィン140の領域に対応されるファンから吐出された空気が異なる放熱フィン140の領域に混ざらないように空気の流動を孤立(isolation)させる役割を果たす。
【0126】
本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、基板120の各領域に対応される各ファンがそれに対応される放熱フィン140の領域のみを冷却させることで、各ファンから吐出された空気の流動経路を比較的正確に予測することができ、これにより、制御部180による各ファンの制御をより容易に行うことができる。
【0127】
しかしながら、本開示はこれに限定されず、各ファンから吐出された空気の少なくとも一部が他の放熱フィン140の領域に流入されるように構成されてもよい。例えば、複数の放熱フィン140の中央領域を除去するか、又は中央領域の高さを他の領域よりも低くすることで、ファンから吐出された空気が中央領域を通じて他の放熱フィン140の領域に流入されるように構成される。
【0128】
この場合、ある放熱フィン140の領域に対応されるファンに故障が発生したとき、その放熱フィン140の領域と隣り合う他の放熱フィン140の領域に対応されるファンから吐出された空気が故障したファンに対応される放熱フィン140の領域に流入することによって冷却が遂行される。
【0129】
一方、多重入出力アンテナ装置10は、ハウジング130の他面上で、複数の放熱フィン140の間、又はファンと対面する領域に配置される複数の突起(protrusion、図示せず)を追加で含む。
【0130】
複数の突起は、熱交換が行われる全体の面積を増加させることができ、放熱フィン140間を流動する空気に乱流を発生させ、対流による熱伝達効率を向上させることができる。
【0131】
図11及び図12は、本開示の一実施例に係る制御部180が冗長制御を遂行することを示す例示図である。
【0132】
具体的には、図11はファンの回転速度を介して冗長制御を遂行することを示し、図12は作動するファンの個数を変更することによって冗長制御を遂行することを示す。
【0133】
図11及び図12を参照すると、制御部180は、第1の領域A1及び第2の領域A2に対して冗長制御を遂行するように構成される。
【0134】
具体的には、図11を参照すると、制御部180は、複数の第1のファン1522のうち、少なくとも1つの第1のファン1522が作動を停止した場合、複数の第1のファン1522のうちの作動中である他の第1のファン1522の回転速度を増加させるように構成される。
【0135】
また、制御部180は、複数の第2のファン1542のうち、少なくとも1つの第2のファン1542が作動を停止した場合、複数の第2のファン1542のうちの作動中である他の第2のファン1542の回転速度を増加させるように構成される。
【0136】
例えば、図11(a)の場合のように3つのファンF1、F2、F3が動作中であるとき、図11(b)のように、3つのファンのうちの1つのファンF1が故障した場合、制御部180は、正常に動作中である残りの2つのファンF2、F3の回転速度を増加させることができる。
【0137】
あるいは、図12を参照すると、制御部180は、複数の第1のファン1522のうちの少なくとも1つの第1のファン1522が作動を停止した場合、複数の第1のファン1522のうちの他の第1のファンファン1522を追加で動作させるように構成される。
【0138】
また、制御部180は、複数の第2のファン1542のうちの少なくとも1つの第2のファン1542が作動を停止した場合、複数の第2のファン1542のうちの他の第2のファン1542を追加で作動させるように構成される。
【0139】
例えば、図12(a)の場合と同様に、基板120の3つのファンF1、F2、F3が備えられ、3つのファンのうちの2つのファンF1、F2のみが作動中で、1つのファンF3は作動を停止(off)していると仮定するとき、図12(b)のように、作動中である2つのファンF1、F2のうちの1つのファンF1に故障が発生した場合、作動を停止していた残りの1つのファンF3が追加で作動することができる。
【0140】
あるいは、制御部180は、複数の第1のファン1522のうちの少なくとも1つの第1のファン1522が作動を停止する場合、作動中である他の第1のファン1522の送風方向が作動を停止した第1のファン1522に向うようにすることができ、複数の第2のファン1542のうちの少なくとも1つの第2のファン1542が作動を停止する場合、作動中である他の第2のファン1542の送風方向が動作を停止した第2のファン1542に向うように構成される。
【0141】
本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、基板120の長手方向に沿って複数の領域に区分し、各領域に対応されるように複数のファンを配置することで、各領域毎に多数のファンが配置されるという利点がある。したがって、本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、複数のファンを含むことで、冗長制御においてはより有利な利点を有する。
【0142】
また、本開示の一実施例に係る制御部180は、基板120の各領域に対して冗長制御を遂行することで、ファンの一部が故障する非正常(abnormal)状態が発生しても、正常(normal)状態と類似な程度の均一な流量を提供できる効果がある。
【0143】
図13は、本開示の一実施例に係る放熱装置20の斜視図である。
【0144】
図14は、本開示の一実施例に係る放熱装置20の背面斜視図である。
【0145】
図13及び図14を参照すると、放熱装置20はバックカバー160及び複数のファンを含む。
【0146】
バックカバー160は、ハウジング130の他面の少なくとも一部及び、複数の放熱フィン140を覆う。これにより、バックカバー160は、ユーザが加熱された放熱フィン140と接触するのを防止するフィンガーガード(finger guard)の役割、ならびに外部の太陽光からアンテナ装置の部品を保護するサンシェード(sun shade)の役割を果たす。
【0147】
複数のファンはバックカバー160上に装着される。したがって、本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、バックカバー160を介し、複数のファンをアンテナ装置上に装着するためのファン全般の構成とフィンガーガードないしサンシェードの構成を一体化されるように構成することで、空間効率的な構造を有する。
【0148】
また、バックカバー160上に複数のファンが配置されるので、本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、複数のファンに対するメンテナンスが容易になる効果がある。
【0149】
バックカバー160は、追加でバックカバー160の一側に配置されるファン回路基板170を含む。この場合、ファン回路基板170は、複数の発熱素子122が配置される基板120から電源の供給を受けるように構成される。例えば、ファン回路基板170は、ハウジング130を貫通するパワーライン(power line、図示せず)を介して基板120につながり、基板120から電源の供給を受けられる。
【0150】
上述したように、ファン回路基板170には、制御部180、温度センサ710、騒音センサ720、及びファンログ保存部730が配置される。この場合、放熱装置20は、他の構成の助けなしに、放熱装置20自らが学習を行うことができ、これを通じ、適応的な(adaptive)ファン制御を行うことができる。
【0151】
ただし、図13及び図14では、ファン回路基板170がバックカバー160上に配置されることと示されているが、本開示はこれに限定されない。例えば、ファン回路基板170は、RF素子が配置される基板120と一体的に形成されてもよく、又は、ハウジング130内の他の領域に配置されてもよい。
【0152】
一方、バックカバー160は、流入開口162、グリル166、及び排出開口164を追加で含む。
【0153】
流入開口162は、バックカバー160上で複数のファンが設置されるそれぞれの領域に対応される位置に形成される。外気は、それぞれの流入開口162を介して複数のファンに導入される。
【0154】
グリル166は、流入開口162上に配置され、外部の望ましくない異物がファンに流入するのを防ぐことができる。
【0155】
排出開口164は、バックカバー160の側面に形成される。具体的に、排出開口164は、ファンから吐出された空気が放熱フィン140を冷却した以後に排出されるバックカバー160上の領域に形成される。
【0156】
図15は、図2の多重入出力アンテナ装置10にてバックカバー160を省略して示したものである。
【0157】
図15を参照すると、多重入出力アンテナ装置10は追加で連結部材(connecting member)190を含む。
【0158】
連結部材190は、多重入出力アンテナ装置10ないし放熱装置を外部の支持ポール(図示せず)に固定する。連結部材190は、アンテナ装置を固定するための通常のブラケット(bracket)、クランプ装置(clamping device)を含むことができるが、本開示はこれに限定されない。
【0159】
連結部材190は、ハウジング130の他面とつながるように構成された複数のアーム(arm)192を含む。連結部材190がバックカバー160ではなくハウジング130に固定されることで、バックカバー160に作用する荷重(load)を最小化できる効果がある。
【0160】
バックカバー160は、バックカバー160を貫通する少なくとも1つの貫通孔(through hole、図4の168)を含み、複数のアーム192は少なくとも1つの貫通孔168を突き通すことができる。複数のファンのうちの少なくとも1つのファンは、複数のアーム192のうちの2つのアーム192の間に配置される。
【0161】
本開示の一実施例に係る多重入出力アンテナ装置10は、連結部材190の2つのアーム192の間に複数のファンのうちの一部を配置することによってアンテナ装置の連結部材190とファンとの間の物理的な干渉を最小にすることができ、これにより、バックカバー160上に配置されるファンの個数を最大にすることができる効果がある。
【0162】
以上の説明は、本実施形態の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本実施形態の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能であろう。したがって、本実施例は、本実施例の技術思想を限定するものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本実施例の技術思想の範囲が限定されるものではない。本実施例の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本実施例の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0163】
10 多重入出力アンテナ装置 110 レドームパネル
120 基板 122 発熱素子
130 ハウジング 140 放熱フィン
142 第1の放熱フィン 144 第2の放熱フィン
146 区画壁 150 送風部
152 第1の送風部 154 第2の送風部
160 バックカバー 162 流入開口
164 排出開口 166 グリル
170 ファン回路基板 180 制御部
710 温度センサ 720 騒音センサ
730 ファンログ保存部 1522 第1のファン
1542 第2のファン A1 第1の領域
A2 第2の領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15