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特許7546094ポリマーの固有粘度及び非ニュートン挙動を同時特定する装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】ポリマーの固有粘度及び非ニュートン挙動を同時特定する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 11/00 20060101AFI20240829BHJP
   G01N 11/08 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
G01N11/00 A
G01N11/08
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023053871
(22)【出願日】2023-03-29
(62)【分割の表示】P 2021036661の分割
【原出願日】2017-03-07
(65)【公開番号】P2023089025
(43)【公開日】2023-06-27
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】62/304,775
(32)【優先日】2016-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516051356
【氏名又は名称】ヨコガワ フルエンス アナリティクス, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Yokogawa Fluence Analytics, Inc.
【住所又は居所原語表記】12875 CAPRICORN STREET, STAFFORD, TEXAS 77477 (US)
(73)【特許権者】
【識別番号】516051367
【氏名又は名称】ジ アドミニストレイターズ オブ ザ トゥレーン エデュケーショナル ファンド
【氏名又は名称原語表記】THE ADMINISTRATORS OF THE TULANE EDUCATIONAL FUND
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】リード, ウェイン, フレデリク
(72)【発明者】
【氏名】リード, アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ドレンスキ, マイケル, フェリックス
【審査官】鴨志田 健太
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-522162(JP,A)
【文献】実開昭63-014141(JP,U)
【文献】特表2013-539047(JP,A)
【文献】特表2011-525967(JP,A)
【文献】米国特許第04578990(US,A)
【文献】特表2010-530545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 11/00 - 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
2つ以上の粘度計であって、
前記2つ以上の粘度計が、第1のせん断速度を反応器から抽出されたポリマーを含む試料溶液に適用するよう適合された第1の粘度計と、前記第1のせん断速度と異なる第2のせん断速度を前記試料溶液に適用するよう適合された第2の粘度計と、を含み、
前記第1の粘度計および前記第2の粘度計が、前記第1の粘度計および前記第2の粘度計の毛細管にわたって、差圧変換器を使用して圧の低下を測定することにより、異なるせん断速度で前記試料溶液の粘度の連続測定を行うよう操作可能である、2つ以上の粘度計と、
時間間隔中に前記2つ以上の粘度計を介して前記試料溶液を導入するように構成された少なくとも2つのポンプであって、前記第1の粘度計と前記第2の粘度計が異なるせん断速度で前記試料溶液の前記粘度を測定する、少なくとも2つのポンプと、
前記反応器から前記ポリマーを連続して抽出して、抽出されたポリマーを含む前記試料溶液を調製して、前記試料溶液を前記少なくとも2つのポンプへ送達するよう構成されたシステムと、
少なくとも、前記第1の粘度計において前記第1のせん断速度、および前記第2の粘度計において前記第2のせん断速度の下、前記時間間隔中に前記試料溶液のレオロジー特性を監視し測定するように構成されたコンピュータシステムと、を備え、
前記コンピュータシステムは、
を決定することによって非ニュートン挙動の度合いを決定するようプログラミングされ、
ηは低下した粘度であり、
は平均せん断速度であり、
前記レオロジー特性は、前記試料溶液の前記低下した粘度を含み、
前記時間間隔は重合反応プロセスの期間であり、前記粘度の測定が、前記時間間隔にわたって、試料の連続的な流れで行われ、
前記2つ以上の粘度計は、互いに対して並列であり、
前記少なくとも2つのポンプの各々は、前記2つ以上の粘度計の各々を通して前記試料溶液を導入するよう構成されている、
前記装置。
【請求項2】
前記少なくとも2つのポンプ及び前記2つ以上の粘度計と連結された注入器をさらに備え、
前記注入器は、前記2つ以上の粘度計を介して、離散的な容積のパルスとして前記試料溶液の流れを導入するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも2つのポンプは、前記時間間隔中に、前記2つ以上の粘度計を介して連続的に前記試料溶液を導入するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記試料溶液はポリマーを含み、前記試料溶液の実験パラメータの変更は、前記2つ以上の粘度計のうち少なくとも2つの間でなされ、前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうち前記少なくとも2つの間のポリマー濃度の増加または減少である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記試料溶液はポリマーを含み、前記装置は、前記少なくとも2つ以上の粘度計を通る前記試料溶液の流量を増加または減少させて、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間で前記試料溶液のせん断速度を増加または減少させるよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の粘度計の第1の毛細管は第1の半径を有し、前記第2の粘度計の第2の毛細管は前記第1の半径と異なる第2の半径を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記試料溶液のポリマー濃度を測定する濃度検出器、および前記少なくとも2つのポンプに前記試料溶液を提供するよう構成されたACOMPユニットをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、さらに、離散的な量の前記連続的な流れの前記試料溶液を、時間的に隔てられた間隔で、前記濃度検出器に注入するように構成され、かつ前記2つ以上の粘度計を通じて、試料溶液を連続的に流すように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記濃度検出器は、示差屈折率検出器、紫外または可視吸光光度計、赤外吸光検出器、ラマン検出器、旋光計、伝導率センサ、蒸発光散乱検出器、およびNMRからなる群から選択される1を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
さらに、前記コンピュータシステムにより得られた測定結果に基づき、重合反応を制御するように構成された反応制御ユニットを含む、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年3月7日出願の米国仮出願第62/304,775号、表題「Device and Methods for Simultaneous Determination of Intrinsic Viscosity and Non-Newtonian Behavior of Polymers」の優先権を主張し、この出願は、本明細書中、あらゆる目的で、そのまま全体が参照として援用される。
【0002】
技術分野
本開示は、ポリマーの製造中にそのレオロジー特性を監視、特性分析、及び制御する手段に関する。本開示は、さらに、ポリマーの製造中にその固有粘度及び非ニュートン挙動を同時特定する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリマー固有粘度及び拡散特性には、外部から加えられるせん断がない条件下で生じる時間依存しない量(拡散)、及び非常に小さい、時間依存しないせん断(固有粘度)が関与する。融液及び溶液中のポリマーは、応力に対する複雑な時間依存性応答及び多様な長さ及び時間規模で分子運動を反映する流れを持つ複雑流体を構成する。レオロジーの両極にあるのは、i)どのようなせん断応力も支持できず、そのような応力に反応して直ちに流れる、純粋な非粘性液体、及びii)せん断応力に反応して流れることがない、または不可逆的に変形することがない固体、である。実在する材料のほとんどは、この両極の間に存在する。ヘリウムでのボーズ・アインシュタイン凝縮は、稀な例外であって、この場合、全ての原子は、超伝導と同様に基底状態に相固定されており、超流動状態にある間まったく粘度を有さない。
【0004】
デボラ数(De)は、実験または観測時間に対する、せん断応力に反応した材料の緩和時間の比を表す無次元パラメータである。例えば、レオロジー状態の一極にある非粘性物体(例えば超流動ヘリウム)のDeは、0に等しいが、純粋固体になるとDeは無限大に近づく。
【0005】
ポリマー運動、例えば、異なる立体配置間での結合回転、空間を通じたレプテーション、及び分子間オーバーラップ相互作用などは、ポリマー溶液に粘弾性応答をもたらす可能性があり、この応答は、時間的に、またはその共役変数である応力が加えられる周波数的に、広く数桁にまたがる可能性がある。応力の周波数で変化しない粘度を有する液体は、「ニュートン」流体と呼ばれる。大部分のポリマー流体は、ある特定条件下でニュートン挙動から逸脱し、「非ニュートン」流体と呼ばれる。
【0006】
せん断流動化(チキソトロピー)は、ポリマー流体における非ニュートン挙動の最も一般的な発現の1つである。せん断の増加は、ポリマーまたはコロイド粒子と流れとの部分的整列をもたらし、その結果粘度を低下させることが可能である。例として、ラテックス塗料、血液、及びシロップがあげられる。せん断粘稠化は、これと反対の現象であり(逆チキソトロピー)、せん断の増加とともに材料がより粘性または剛性になるもので、これはせん断に誘導された組織化、例えば部分的結晶化などによることが多い。クイックサンド及びコーンスターチ水溶液は、せん断粘稠化材料の例である。
【0007】
実用面において、ポリマーレオロジー、及び特にその非ニュートン態様は、ポリマーの加工処理において極めて重要である。作用応力とポリマーの流れとの関係性は、射出、紡績、及び膜ブローなど施工におけるポリマーの加工性を決定する。したがって、異なるせん断速度下でポリマーのレオロジー特性を測定する装置及び方法が望まれる。さらに、ポリマーの製造中にそのレオロジー特性を監視、特性分析、及び制御する装置及び方法が望まれる。さらに、ポリマーの製造中にその固有粘度及び非ニュートン挙動を同時特定する装置及び方法が望まれる。
【0008】
本出願の実施形態は、あくまでも例として、添付の図面を参照して記載されるものであり、図中:
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態例に従って、ポリマー試料のレオロジー特性を迅速に、及び段階的または継続的に測定する装置を示す図である;
図2】本開示の実施形態例に従って、ポリマー試料のレオロジー特性を迅速に、及び段階的または継続的に測定する代替装置を示し、この装置では、ポリマー試料は、所望の時間間隔で注入することができる;
図3】本開示の実施形態例に従って、ポリマー試料のレオロジー特性を迅速に、及び段階的または継続的に測定する代替装置を示し、この装置では、ポリマー試料は、粘度計を通じて継続的に流しながら所望の時間間隔で注入することができる;
図4】本開示の実施形態例に従って、内径が0.01インチ、0.02インチ、0.03インチ、及び0.04インチである毛細管を持つ複数の粘度計を備える装置及び方法を用いた、3mg/mlのキサンタンを含有する10mMのNaCl水溶液についてのデータを示す;
図5】本開示の実施形態例に従って、図4で使用したものと同じ条件でのデータを示すが、ただし各粘度計に関してQ=3ml/分の流量のみを使用したものである;
図6】ポリマー試料のレオロジー特性を迅速に、及び段階的または継続的に測定する代替装置を示し、この装置では、粘度計及び任意選択の濃度検出器に、ACOMPユニットから、ポリマー溶液試料の流れを提供する;ならびに
図7】本開示の実施形態例に従って、ACOMPユニットを表す。
【0010】
当然ながら、様々な態様があり、図面に示される配置及び手段に限定されない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ご理解いただけるだろうが、説明を簡潔及び明瞭にするため、適宜、異なる図面間で参照番号が繰り返されて、相当するまたは同様な要素を示す。また、複数の具体的詳細は、本明細書中記載される実施形態の十分な理解を提供する目的で記載されている。しかしながら、当業者には当然のことながら、本明細書中記載される実施形態は、これらの具体的な詳細がなくても実施可能である。他の例では、方法、手順、及び構成要素は、説明されている関連特徴を曖昧にしないようにするため、詳細に説明されていない。同じく、説明は、本明細書中記載される実施形態の範囲を限定するものとみなされることはない。図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、本開示の詳細及び特徴をよりよく示すために特定部分の比率が拡大されたものである。
【0012】
本開示全体を通じて適用される複数の定義を、これから提示する。「連結された」という用語は、直接であるか、または介在構成要素を通じて間接的であるかに関わらず、接続されていると定義され、必ずしも物理的接続に限定されない。「通信可能に連結され」という用語は、直接であるか、または介在構成要素を通じて間接的であるかに関わらず、連結されていると定義され、その連結は、必ずしも物理的接続に限定されないが、そのように記載される構成要素間でデータの伝達を提供する接続である。接続は、対象物が永久的に接続されていることも、着脱可能に接続されていることも可能である。「comprising(含む)」、「including(含む)」、及び「having(有する)」という用語は、本開示において同義で使用される。「comprising(含む)」、「including(含む)」、及び「having(有する)」という用語は、そのように記載される物事を含むが、それらに限定されないことを意味する。
【0013】
「continuous(連続または継続的)」という用語は、「連続測定」または試料が「連続的に」測定可能であることに関して、逐次測定間で操作サイクルを必要としない測定、及び逐次測定を行うために時間間隔を空ける必要がないものを示す。「連続」という用語は、本明細書中使用される場合、測定の不断の記録を必要とするのではなく、介在操作が必要ではないまたは行われない限りにおいて、望むだけ高頻度または低頻度で測定を行うことができる。例えば、本明細書中開示される方法及び技術の実施中に、「連続システム」は、1秒あたり何千回と測定を行う、1秒あたりほんの数回行う、または測定間に数秒もしくは数分の間隔を空けることが可能である。
【0014】
本開示は、異なるせん断速度(
)下でポリマー試料のレオロジー特性を迅速に、及び段階的または継続的に測定する装置及び方法を提供する。通常、レオロジー特性は、ポリマーの、製造の最終生成物の、または反応から分取した試料で測定される。こうした測定は、研究室で行われる場合が多い。これによりポリマーレオロジーの重要な詳細プロファイルを得ることができるものの、こうした測定は、多大な労力を要し時間を消費するものであることが多い。レオロジー測定の目的が、ポリマー製造中のレオロジー特性を監視及び制御することであるならば、重合の最終生成物、または重合プロセスの個々の分取量を複数測定するにすぎないアプローチでは、あまりにも遅く、不正確で、面倒であり、有効となりえない。
【0015】
本開示の装置及び方法は、ポリマーの製造中にそのレオロジー挙動を迅速に特定する手段を提供する。少なくともいくつかの場合において、本開示の装置及び方法は、「オンライン」製造環境中で使用することができる。装置及び方法は、ポリマー製造と無関係に、例えば研究室で、またはもたらされる可能性がある任意のポリマー試料に関連して、使用することができる。
【0016】
ポリマー融液及び濃厚溶液のレオロジー挙動を評価する重要な手段として、動的機械分析の使用がある。これは、時間依存性応力に対するポリマー材料の機械応答、すなわち変形を試験すること、または反対に、時間依存性変形により生じた応力を測定することからなる。簡単にするため、正弦波駆動関数が、通常使用される。制御されたせん断応力γ(t)の場合、
【0017】
同相部の係数、G’(ω、T)は、動的貯蔵弾性率と呼ばれることが多いが、これは、材料の純粋な弾性応答を測定し、通常は、周波数(ω)及び温度(T)の両方に対して非常に敏感である。異相部、G’’は、動的損失弾性率と呼ばれ、これは、材料のエネルギー消散応答を測定する。入力周波数と応答の間の位相シフトは、通常δで示され、これは弾性率の比である:
【0018】
弾性を持たない純粋な粘性材料は、δ=π/2を有すると考えられ、一方で損失のない弾性材料はδ=0を有すると考えられる。典型的なポリマーは、G’及びG’’がωに対してどのように振舞うかの間で複雑な相互作用を示すことになる。G’及びG’’は、ωが増加するにつれて1回または複数回交差するのが一般的である。
【0019】
ポリマーレオロジーは非常に複雑な分野であるため、濃厚溶液、融液、及びゴム状の状態にあるポリマーの様々な種類の粘弾性及び機械的挙動を評価するために使用可能な方法は他にも多数存在する。例えば、ムーニー粘度は、加熱したダイの間のポリマー材料に埋没した、一定の角速度で回転するスピンドルに生じるトルクの尺度である。これは、ポリマー材料、特にエラストマー及びゴムのバルク粘弾性特性の産業測定で最も広く使用されているものの1種である。しばしば、ムーニー粘度は、G’及びG’’の動的機械的特定よりも実用的意義が大きいものである場合がある。ムーニー粘度の概念は、連続体力学の原理に十分な根拠を持つが、実験的に決定されたムーニー粘度及び関連パラメータが関与する。
【0020】
ポリマーの粘弾性及び機械的挙動を評価する別の試験例は、メルトフローインデックスである。メルトフローインデックスは、本質的に、特定圧下、指定された長さの時間にわたり特定寸法の管を通じて流れたポリマー融液の量を測定することからなる。実験的には、装置は、一般に、小さな押出機である。得られたデータから計算されたインデックスは、どんな温度でも、粘度とある種の反比例関係にあり、間接的にポリマー分子量と関連する。
【0021】
本開示の少なくとも1つの態様に従って、本明細書中開示される装置及び方法は、2本以上の毛細管粘度計を直列に使用して毛細管トレインを形成することができる。各毛細管は、それを通じて流れる液体に、異なる平均せん断速度を与えることができ、それにより、溶液粘度対平均せん断速度、(η)対 の部分マップが得られる。毛細管は、ポリマーの低下した粘度ηを特定するための低せん断毛細管を含むことができ、その粘度から、固有粘度[η]を特定または推定することができる。毛細管トレインは、任意選択で、1つまたは複数の背圧レギュレータまたは他の装置を含んで、少なくとも正確な測定を促進し、及びデータの欠陥を回避することができる。
【0022】
長さL及び半径Rを有する毛細管にわたる圧の低下は、粘度ηを示す流体が、毛細管を通じて流速Qで流れる場合、以下のポアズイユの式により与えられる:
【0023】
放物型毛細管流れにおける平均せん断速度は、以下のとおりである:
【0024】
粘度ηの純粋流体に固有粘度[η]のポリマーを濃度Cで加えた場合の合計流体粘度は、以下により与えられ:
【0025】
L及びRが既知である毛細管にわたって、所定のQで差圧変換器で圧の低下ΔPを測定することにより、直接測定される。[η]は、ポリマー固有粘度(IV)であり、これはポリマー濃度をゼロに近づけていった場合に低下した粘度が近づいてく極限値である。低下した粘度η(すなわちRV)は、測定されたηから、以下により求められ:
【0026】
式中、Vは、圧変換器からの電圧または他のシグナル(例えば圧そのもの)であり、cは、既知のまたは測定されたポリマー濃度である。なお、L、R、ΔP、及びQは、式6に存在せず、このことは、圧変換器を利用した粘度計の応答が線形である限り、粘度計がΔPの絶対値に対する較正を必要としないことを意味する。式5から、粘度の低下が、以下によりIVと関連することがわかる:
【0027】
CGS系でのη及び[η]の単位は、cm/gであり、Cは、g/cmであり、ηはポアズである。
【0028】
少なくともいくつかの場合において、本明細書中開示される装置及び方法は、流体の流路に複数の粘度計を用いてη
を特定することを提供する。これから、特定のレオロジー情報が得られる。せん断流動化などポリマー溶液の非ニュートン挙動の度合いは、ポリマー分子量、溶液中のポリマー濃度、分岐、架橋、流体力学的摩擦、及び他の形態的特徴、例えば星型及び樹状構造など、ならびに凝集などの要因と関連する。このアプローチの興味深い特徴は、RV対
を、単純にIVで徐算することにより無次元量にする、すなわちRV/IV対
にすると、濃度が打ち消されることである。
【0029】
式6に示されるとおり、ポリマー濃度Cは、ηを求めるために必要である。Cは、例えば研究室の実験においてC既知の溶液を調製する、または反応器中でCを監視している場合など、既知の場合もある。Cが不明の場合、Cを測定する必要がある。本開示の少なくとも1つの態様に従って、Cは、本明細書中開示される装置及び方法に備わっている可能性がある濃度検出器を使用して測定することができる。濃度検出器の種類ならびにそれを本明細書中開示される装置及び方法に備えるための手段は、以下で説明される。
【0030】
比RV/IVについて考察すると、濃度が打ち消されることで、ポリマー溶液濃度が十分にわかってはいない場合に、何らかの柔軟性がもたらされることが考えられる。しかしながら、RV/IVは、たとえそれ自身の量が無次元だとしても、Cの強力な関数となることが予想される。なぜなら、非ニュートン効果は、Cに強く依存するからである。しかしながら、任意の濃度周辺の小さな濃度間隔、例えば、任意の濃度の10%内などは、RI/IVにそれほど影響を与えないと思われる。さらなる実験は、濃度の関数としてのRV/IVにおける誤差レベルを明らかにするだろう、すなわち、評価するために求めるべきものは、
であり:
【0031】
任意の不確定ΔCに関して差
が十分に小さいならば、この式は非常に強力となり得る。なぜなら、この式は、RI/IVの正確かつ厳密な値を得つつも、Cにおいて相当量の不確定性が認められ得ることを意味するからである。
【0032】
図1は、本開示の実施形態例に従って、ポリマー試料のレオロジー特性を迅速に、及び段階的または継続的に測定する装置100を表す図である。図1に示すとおり、装置100は、試料105に連結されたポンプ110を備えることができる。ポンプ110は、さらに、直列試料路を介して一連の半径の異なる毛細管を通じて毛細管粘度計115、120、125と連結され、試料路において複数の平均せん断速度で低下粘度η(RV)を測定できるようになっている。毛細管粘度計115、120、125は、図1において、「T字接続」を介して差圧変換器に接続された毛細管として描かれている。装置100は3つの粘度計を備えるように描かれているものの、装置100は、任意の個数の粘度計を直列で備えることができる。したがって、粘度計125は、「粘度計n」とみなすことができ、これは、装置100が、0も含めて任意の「n」個の粘度計を、「粘度計1」である115及び「粘度計2」である120の他に備える任意の設計であることを示す。任意の個数の粘度計の配置が、本開示の精神及び範囲に含まれる。図1は、装置100を、直列に配置された粘度計115、120、125を備えるものとして描いているものの、装置100は、並列に配置されたまたは直列及び並列の組み合わせで配置された粘度計115、120、125を備えることができる。粘度計の配置は、図1に描かれる直列配置に限定されない。少なくともいくつかの場合において、2つ以上の粘度計は、流体的に連結することができる。他の場合では、2つ以上の粘度計は、流体的に連結することができない。
【0033】
ポンプ110は、ポリマー試料105の流れを、ある時間間隔の間、粘度計115、120、125を通じて導入するように構成されている。少なくともいくつかの場合において、ポンプ110は、これが、継続的に試料105を粘度計115、120、125を通じて流すようにして、ポリマー試料105の流れを導入するように構成されている。複数のポンプを備える装置が、本開示の趣旨及び範囲に含まれる。少なくともいくつかの場合において、装置100は、複数のポンプを備えることができる。例えば、装置100は、2つのポンプ、3つのポンプ、または任意の個数のポンプを備えることができる。少なくともいくつかの場合において、装置100は、粘度計ごとに1つのポンプを備えることができる。そのような場合、各ポンプ110は、ポリマー試料105の流れを、1つの粘度計を通じて導入するように構成されている。ポンプ110は、任意の適切な種類のポンプが可能であり、そのようなポンプとして、ピストンポンプまたはイソクラティックポンプ、例えばHPLCシステムで見られるものなど、シリンジポンプ、あるいは蠕動ポンプが挙げられるが、これらに限定されない。少なくともいくつかの場合において、装置100における流れは、全ての検出器を通じて連続していることが可能である。
【0034】
本開示の少なくとも1つの態様に従って、試料105、ならびに図2及び図3に描かれる試料205及び試料305は、溶液のポリマー試料、混合物もしくは組成物のポリマー試料、または溶媒を含まないポリマー試料、または異なるせん断速度下のポリマー試料を含むことができる。少なくともいくつかの場合において、試料105、205、305は、反応しない試料を含有する反応器または容器から引き出すことができる。試料105、205、305は、ポリマー溶液の他に、ポリマー、コロイド、化学反応により生成した生成物、別の試料からの分取分、化学反応の最終生成物、及びこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される1種も含むことができる。
【0035】
図1に描かれるとおり、装置100は、粘度計115、120、125と連結されたコンピューターシステム150を備える。コンピューターシステム150は、粘度計からのシグナルを記録する手段、ならびに測定結果からRVを計算する手段を提供する。図1にさらに描かれるとおり、装置100は、濃度が不明である場合の溶液中のポリマー濃度を特定するための濃度検出器130を任意選択で備えることができる。ポリマー濃度が既知である場合、濃度検出器130は、装置100から省略することができる。濃度検出器130として、示差屈折率検出器、紫外または可視吸光光度計、赤外吸光検出器、ラマン検出器、旋光計、伝導率センサ、蒸発光散乱検出器、NMR、または任意の他の適切な検出器を挙げることができるが、これらに限定されない。任意選択の濃度検出器130を通過した後、ポリマー試料は、廃棄部170に廃棄することができる。
【0036】
本開示の少なくとも1つの態様に従って、粘度計115、120、125により行われる測定、ならびに濃度検出器130による濃度の測定は、継続的であることが可能である。そのような場合、コンピューターシステム150は、粘度計115、120、125により行われた連続測定に基づいてRVを特定するように構成することができる。
【0037】
図2は、本開示の実施形態例に従って、ポリマー試料のレオロジー特性を迅速に、及び段階的または継続的に測定する代替装置200を表し、この装置では、ポリマー試料は、所望の時間間隔で注入することができる。少なくともいくつかの場合において、装置200は、粘度RV及び濃度の断続的または段階的測定が可能である。これは、ポンプから検出器を通じてポリマー試料の連続試料供給を行う代わりに、連続的に流れる溶媒流にポリマー試料をパルス注入することを介して達成することができる。図2に描かれるとおり、装置200は、ポリマー試料205及び自動注入器260と連結されたポンプ210を備える。ポンプ210及び自動注入器260は、注入ループ265で連結される場合があり、これら全体で、粘度計215、220、225、及び任意選択の濃度検出器230を通じて試料をパルス供給することを可能にする。例えば、注入ループ265は、ゲル浸透クロマトグラフィーに使用されるものと同様なものが可能である。注入ループ265は、計量ポンプなどの計量装置、ならびに制御弁または他の種類の流体計量機器を含むことができる。注入ループの容積は、非常に短いパルス用のたった10マイクロリットルから、プラトー値を持つパルスを達成することが望ましい場合の最大数ミリリットルまでの範囲が可能である。試料205の検出器215、220、225、230へのパルス注入は、均等または不均等に時間を空けた所望の間隔で、行うことができる。ポリマー試料の流れは、所望の間隔で、全検出器トレインに注入することができる。試料の注入は、プログラミング可能な注入弁を用いて自動で行うこともでき、任意の所望の空き時間で注入を行うようにプログラミングすることができる。
【0038】
図2に描かれるとおり、ポンプ210、自動注入器260、及び注入ループ265は、図1に関して上記で記載されたもの同様に、毛細管粘度計215、220、225と連結される。装置200は3つの粘度計を備えるように描かれているものの、装置200は、任意の個数の粘度計を直列で備えることができる。したがって、粘度計225は、「粘度計n」とみなすことができ、これは、装置200が、0も含めて任意の「n」個の粘度計を、「粘度計1」である215及び「粘度計2」である220の他に備える任意の設計であることを示す。任意の個数の粘度計の配置が、本開示の趣旨及び範囲に含まれる。図2は、装置200を、直列に配置された粘度計215、220、225を備えるものとして描いているものの、装置200は、並列に配置されたまたは直列及び並列の組み合わせで配置された粘度計215、220、225を備えることができる。粘度計の配置は、図2に描かれる直列配置に限定されない。
【0039】
少なくともいくつかの場合において、装置200は、複数のポンプを含むことができる。例えば、装置200は、2つのポンプ、3つのポンプ、または任意の個数のポンプを備えることができる。少なくともいくつかの場合において、装置200は、粘度計ごとに1つのポンプを備えることができる。
【0040】
図2に描かれるとおり、装置200は、粘度計215、220、225と連結されたコンピューターシステム250を備える。コンピューターシステム250は、粘度計からのシグナルを記録する手段、ならびに測定結果からRVを計算する手段を提供する。図2にさらに描かれるとおり、装置200は、濃度が不明である場合の溶液中のポリマー濃度を特定するための濃度検出器230を任意選択で備えることができる。ポリマー濃度が既知である場合、濃度検出器230は、装置200から省略することができる。濃度検出器230として、示差屈折率検出器、紫外または可視吸光光度計、赤外吸光検出器、ラマン検出器、旋光計、伝導率センサ、蒸発光散乱検出器、NMR、または任意の他の適切な検出器を挙げることができるが、これらに限定されない。任意選択の濃度検出器230を通過した後、ポリマー試料は、廃棄部270に廃棄することができる。
【0041】
図3は、本開示の実施形態例に従って、ポリマー試料のレオロジー特性を迅速に、及び段階的または継続的に測定する代替装置300を表し、この装置では、ポリマー試料は、粘度計を通じて継続的に流しながら所望の時間間隔で注入することができる。少なくともいくつかの場合において、装置300は、粘度計315、320、325に、それらを通じて試料が連続的に流れるようにしたまま、注入弁、二次ポンプ、または、試料305の周期パルスを濃度検出器330に提供するように構成された他の装置を介して、濃度の断続的または段階的測定を行うことができる。これは、粘度計315、320、325を介してポンプ310と連結された自動注入器360により達成することができる。図3に描かれるとおり、ポンプ310は、試料305と連結される。そのような場合、粘度計315、320、325を通じた連続的な流れが生じる。次いで、この周期的濃度値Cを、粘度計315、320、325、及び濃度検出器330と連結されたコンピューターシステム350にフィードバックし、それにより、粘度及びRVの結果を計算する手段を提供する。
【0042】
試料305の濃度検出器330へのパルス注入は、均等または不均等に時間を空けた所望の間隔で、行うことができる。ポリマー試料の流れは、所望の間隔で、全検出器トレインに注入することができる。試料の注入は、プログラミング可能な注入弁を用いて自動で行うこともでき、任意の所望の空き時間で注入を行うようにプログラミングすることができる。
【0043】
装置300は3つの粘度計を備えるように描かれているものの、装置300は、任意の個数の粘度計を直列で備えることができる。したがって、粘度計325は、「粘度計n」とみなすことができ、これは、装置300が、0も含めて任意の「n」個の粘度計を、「粘度計1」である315及び「粘度計2」である320の他に備える任意の設計であることを示す。任意の個数の粘度計の配置が、本開示の精神及び範囲に含まれる。図3は、装置300を、直列に配置された粘度計315、320、325を備えるものとして描いているものの、装置300は、並列に配置されたまたは直列及び並列の組み合わせで配置された粘度計315、320、325を備えることができる。粘度計の配置は、図3に描かれる直列配置に限定されない。
【0044】
少なくともいくつかの場合において、装置300は、複数のポンプを含むことができる。例えば、装置300は、2つのポンプ、3つのポンプ、または任意の個数のポンプを備えることができる。少なくともいくつかの場合において、装置300は、粘度計ごとに1つのポンプを備えることができる。
【0045】
図3に描かれるとおり、装置300は、粘度計315、320、325と連結されたコンピューターシステム350を備える。コンピューターシステム350は、粘度計からのシグナルを記録する手段、ならびに測定結果からRVを計算する手段を提供する。図3にさらに描かれるとおり、装置300は、濃度が不明である場合の溶液中のポリマー濃度を特定するための濃度検出器330を任意選択で備えることができ、濃度検出器330として、示差屈折率検出器、紫外または可視吸光光度計、赤外吸光検出器、ラマン検出器、旋光計、伝導率センサ、蒸発光散乱検出器、NMR、または任意の他の適切な検出器を挙げることができるが、これらに限定されない。任意選択の濃度検出器330を通過した後、ポリマー試料は、廃棄部370に廃棄することができる。
【0046】
図4は、本開示の実施形態例に従って、内径が0.01インチ、0.02インチ、0.03インチ、及び0.04インチである毛細管を持つ複数の粘度計を備える装置及び方法を用いて収集した、3mg/mlのキサンタンを含有する10mMのNaCl水溶液についてのデータを示す。具体的には、図4に示すデータは、図1に示すものと同様な装置を用いて収集したが、この装置には濃度検出器がなく、また2つの粘度計が含まれていた。キサンタン試料溶液は濃度が既知であったため、濃度検出器は必要なかった。図4に示すデータは、0.5ml/分~8ml/分の範囲の流量を用いて収集した。さらに直径の大きい毛細管には、例えば、Validyne P55-28圧変換器を合わせて用いることができ、より直径の小さい毛細管には、例えば、Validyne P55-46変換器を直列で用いることができる。溶液は、生体ポリマーであるキサンタンを3mg/mlで、10mMのNaCl溶液に加えることにより形成させた。非常に強いせん断流動化効果が、図4から明白に見て取れる。データ点は、異なるせん断速度を有する毛細管を通じて、溶液の流量を0.5ml/分~8ml/分で変化させて単一流量によりもたらされると思われるものよりも広い範囲のせん断速度を得ることにより、得た。しかしながら、装置の使用には、複数の流量の使用は必要ない。なぜならどのような流量でも、ηの差は極めて大きく、せん断流動化効果を示すからである。
【0047】
図5は、本開示の実施形態例に従って、図4で使用したものと同じ条件でのデータを示すが、ただし各粘度計に関してQ=3ml/分の流量のみを使用したものである。図5に示すデータは、示される4つの毛細管について得られたもので、1回に2つを取り出して式4により平均せん断速度を計算した。この種のデータは、流量を変化させずに都合よく得られるので、重合反応をオンラインで監視するのに有用となる可能性がある。
【0048】
本開示の少なくとも1つの態様に従って、間にある管類の直径が異なり、これらの管類それぞれにわたる圧の差を測定する一連の常圧変換器を使用することができる。いくつかの場合において、本明細書中の装置は、以下を含むことができる:(i)ポリマー濃度、及び溶媒組成、混合溶媒、またはイオン強度、pHなどの変化などの溶媒条件を変更するための、粘度計間での「T」字コネクタの使用;(ii)粘度計間での温度の変更;(iii)直列路に加えてまたはその代わりに並列路の使用;(iv)追加のせん断速度データを得ることを可能にするための、段階的または連続ランプいずれかのフローランプの使用;(v)ある時間間隔にわたり、ポリマー試料の連続的な流れで測定を行うという仕様、「時間間隔」は、ほんの少しの測定を行って止めるためだけの1分未満、あるいは数分間もしくは数時間または全反応期間またはポリマー製造サイクルの全期間(例えば数ヶ月)で継続することを含む場合がある;及び(vi)連続、バッチ、及びセミバッチプロセスでポリマー製造を制御するために同時レオロジー測定を用いることができるという仕様。
【0049】
本開示の少なくとも1つの態様に従って、本明細書中開示される装置及び方法は、図6に示すとおり、重合反応の自動連続オンライン監視(ACOMP)と併用することができる。図6に示すとおり、装置600の粘度計615、620、625、及び任意選択の濃度検出器630は、ACOMPユニット690からポリマー溶液試料の流れが供給される。そのような場合、ACOMPの「フロントエンド」は、継続的に反応器から試料を抽出して、分析グレードの試料流を生成するように試料を希釈及び調整し、その流れに対して高度に正確で精密な測定を行うことができる。いくつかの場合において、装置600は、ACOMPフロントエンドのアウトプットと連結させることができ、ACOMPフロントエンドは、継続的、断続的、または段階的分析用に、試料を装置に提供することができる。これらの測定は、手動または自動いずれかで、重合反応を能動的に制御するのにも使用できる。
【0050】
ACOMPユニット690は、ACOMPユニット690及びコンピューターシステム650と連結された任意選択の反応制御モジュール695も備えることができる。反応制御モジュール695は、コンピューターシステム650から、RVなどのレオロジー特性を得ることにより、ポリマー試料のレオロジー特性のオンライン監視を行うように構成することができる。コンピューターシステム650から得られたレオロジー特性及び/またはレオロジー特性のオンライン監視に基づき、反応制御モジュール695は、所望のレオロジー特性を持つポリマーまたはポリマーの溶液もしくは混合物を得るための、誘導化または化学もしくは酵素修飾プロセス工程も制御することができる。そのような制御では、誘導化または修飾プロセス工程は、使用する試薬の種類及び量、温度、圧、ならびにプロセス時間を含めて、反応制御モジュール695により制御することができ、反応制御モジュール695は、ACOMPユニット690に1つまたは複数のコマンドを通信し、それによりACOMPユニット690に、誘導化または1つもしくは複数のプロセス工程の修飾を引き起こすことができる制御作用剤を調節させる。所望のレオロジー特性を持つポリマーを得る目的で制御される可能性がある制御作用剤として、酸、塩基、カルボキシル化剤、スルホン化剤、メチル化剤、または任意の他の適切な作用剤を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0051】
反応制御モジュール695は、定常状態反応を使用するEPDM、SBR、または他のゴムの製造も制御することができ、この場合、装置は、反応がいつ必要なレオロジー特性を持つポリマーを生成する所望の定常状態に到達したかを特定するのに使用される。反応制御モジュール695は、いったん到達したら、定常状態中に生成するポリマーのレオロジー特性を継続して監視することにより、定常状態を制御及び維持するのにも使用することができる。同様に、反応制御モジュールの測定結果は、バッチまたはセミバッチプロセスで行われる場合のこの種の重合を制御するのにも使用することができる。本明細書中使用される場合、「バッチプロセス」は、プロセス中に反応器に材料を大幅に加えることなく重合プロセスを行う反応器の使用を示す。「セミバッチ」という用語は、本明細書中使用される場合、反応中に、モノマー、開始剤、触媒、分岐剤及び連鎖移動剤などの試薬を反応器に導入する重合反応を示す。
【0052】
図6に示すとおり、装置600は、ポンプ610と連結されたACOMPユニット690を備え、ポンプ610は、さらに、粘度計615、620、625と連結されている。ポンプ610は、ACOMPユニット690から粘度計615、620、625へ、一連の半径の異なる毛細管を通じた直列試料路を介してポリマー試料を送達することができ、試料路において複数の平均せん断速度で低下粘度η(RV)を測定できるようになっている。装置600は3つの粘度計を備えるように描かれているものの、装置600は、任意の個数の粘度計を直列で備えることができる。したがって、粘度計625は、「粘度計n」とみなすことができ、これは、装置600が、0も含めて任意の「n」個の粘度計を、「粘度計1」である615及び「粘度計2」である620の他に備える任意の設計であることを示す。任意の個数の粘度計の配置が、本開示の趣旨及び範囲に含まれる。図6は、装置600を、直列に配置された粘度計615、620、625を備えるものとして描いているものの、装置600は、並列に配置されたまたは直列及び並列の組み合わせで配置された粘度計615、620、625を備えることができる。粘度計の配置は、図6に描かれる直列配置に限定されない。
【0053】
少なくともいくつかの場合において、装置600は、複数のポンプを含むことができる。例えば、装置600は、2つのポンプ、3つのポンプ、または任意の個数のポンプを備えることができる。少なくともいくつかの場合において、装置600は、粘度計ごとに1つのポンプを備えることができる。
【0054】
図6に描かれるとおり、装置600は、粘度計615、620、625と連結されたコンピューターシステム650を備える。コンピューターシステム650は、粘度計からのシグナルを記録する手段、ならびに測定結果からRVを計算する手段を提供する。図6にさらに描かれるとおり、装置600は、濃度検出器630を備えることができ、濃度検出器630として、示差屈折率検出器、紫外または可視吸光光度計、赤外吸光検出器、ラマン検出器、旋光計、伝導率センサ、蒸発光散乱検出器、または任意の他の適切な検出器を挙げることができるが、これらに限定されない。濃度検出器630を通過した後、ポリマー試料は、廃棄部670に廃棄することができる。
【0055】
図6に描かれており、また以下で図7に関してさらに記載されるACOMPユニット690は、図1、2、及び3の、それぞれ装置100、200、300にポリマー試料を送達できるように、それぞれ、ポンプ110、210、310とも連結することができる。したがって、ACOMPユニット690は、図2に示す完全離散様式の装置200または図3に示す離散濃度/連続粘度計様式の装置300と流体接触させることができる。
【0056】
図7は、本開示の実施形態例に従って、図6に描かれるACOMPユニット690などのACOMPユニット700を示す。ACOMPユニット700は、ACOMP反応器制御インターフェース701及びACOMP分析制御インターフェース702を備える。少なくともいくつかの場合において、ACOMP反応器制御インターフェース701及びACOMP分析制御インターフェース702は、プログラマブル論理制御装置(PLC)制御システム(図示せず)により制御され、このシステムは、計算装置(図示せず)に連結されている。計算装置は、デスクトップ型またはラップトップ型コンピュータ、スマートフォン、タブレット、または任意の他の同様な装置が可能である。計算装置は、ACOMPユニット700のプロセス制御変数及び要素の視覚化及び制御を可能にする。
【0057】
ACOMP反応器制御インターフェース701は、ACOMPユニット700の様々な要素を制御することができる。1つの要素は、反応器710である。反応器710は、上記で図6に関して記載された制御作用剤を制御することができる任意の反応器が可能である。ACOMPユニット700は、さらに、ミキサー740を備えることができ、ミキサー740は、反応器710の外に配置することができ、反応器710に入った試料を混合することができる。ACOMPユニット700は、さらに、フローコントローラ720、722を備えることができ、フローコントローラは、気体を反応器710に送達することができる。図7に描かれるとおり、ACOMPユニット700は、さらに、ポンプ730、732、734を備えることができ、ポンプは、溶液または液体を反応器710に送達することができる。反応器710及びそこに含まれる内容物は、温度コントローラ736により加熱または冷却することもできる。反応710は、リサイクルポンプ750とも連結することができ、リサイクルポンプ750は、排出口(図示せず)及びボール弁(図示せず)を介して反応710の底部と連結されている。反応器710の内容物は、リサイクルポンプ750を通じて連続的に抽出され、反応器710の頂部にリサイクルで戻される。抽出ポンプ760は、リサイクルポンプ750を介して、ACOMPシステムインターフェース702を反応器制御インターフェース701に接続する。
【0058】
図7に描かれるとおり、抽出された反応器内容物は、溶媒源768からのクエンチ溶媒の流れと合流させることができる。いったん反応器内容物がクエンチ溶媒と合流すると、合流物は、不活性プロピレン管類により、動的混合室770に送ることができる。混合室770を使用して、反応器内容物及び溶媒の2つの連続的な流れを積極的に合流攪拌して1つの均質な混合物にすることができる。均質溶液は、混合室を出た後、濾過システム772を通過させることで、反応器内容物を含む反応710から取り出されていた可能性があるどのような粒子もゲル状物も除去することができる。次いで、濾過された均質溶液は、1つまたは複数のインライン分析検出器、例えばUV/可視吸光光度計774などを通じて流すことができる。試料の流れの一部を、ポンプ790により迂回させて、1つまたは複数の粘度計792、例えば上記で図1~3に関して記載された粘度計、及び多角度レーザー光散乱(MALLS)検出器794などに送ることができる。ACOMPユニット700は、オンボード分析パッケージ776を備え、分析パッケージ776は、検出器774、792、794により得られたデータを分析することができる。分析パッケージ776は、いくつかの場合において、自動化及び制御ソフトウェアと連動した手動操作トリガーに応答することができる。これらのトリガーは、分析ソフトウェアに、ポリマー反応プロセスの各工程または段階に適切な重要分析アルゴリズムを行うように指示する。プロセス特性778は、分析パッケージ776により行われた分析に基づいて特定することができる。
【0059】
ACOMPユニット700は、さらに、プロセスコントローラ780を備えることができ、プロセスコントローラ780は、ACOMP反応器制御インターフェース701及びACOMP分析制御インターフェース702と連結されて、利用者がACOMP反応器制御インターフェース701と交信することにより、反応器710中のポリマー反応を制御またはこれに影響を及ぼすことが可能な操作を行うことを可能にする手段を提供する。
【0060】
本明細書中開示される装置及び方法の応用の可能性として、最終生成物を特性分析し、及びポリマー材料の品質及び性能に影響を及ぼすために、レオロジー、粘度、または粘弾性測定を利用する、任意の合成または天然ポリマー材料の測定が挙げられる。従来のレオロジー測定としてメルトフローインデックス、ムーニー粘度、及びバルク粘度が挙げられるものの、これらに限定されないが、本明細書中開示される装置及び方法は、迅速、及び継続的、断続的、または段階的にレオロジー特性を測定することを可能にする。これらの特性は、分子量、分子量の分布及び多分散度、分岐及び架橋、ポリマー構造、加工性、超分子構築、自己組織化特性、粘度制御、及び他の同様な特性と直接関係する。この種の測定が重要である典型的な生成物として、生体ポリマー、例えば、キサンタン、グアー、アルギン酸化合物、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、それらの化学修飾変異体、及びそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。これらの用途のいくつかとして、エネルギー、パーソナルケア、栄養、鉱業、冶金、製紙、及び水処理用途における流体粘度の改変が挙げられるが、これらに限定されない。これらの分野では、多くの合成ポリマーも使用されており、そのようなポリマーとして、ポリアクリルアミド及びそのコポリマー及び誘導体、例えばp(n-イソプロピルアクリルアミド)、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー、ポリエチレングリコール及びそのコポリマー、ならびに他の同様な合成ポリマーなどがあるが、これらに限定されない。
【0061】
そのような測定は、多くの種類の合成ゴム、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)、エチレンプロピレンゴム(EP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアクリレートゴム、エチレンアクリレートゴム、ポリブタジエン、イソブチレンイソプレンブチル、ポリウレタン、シリコーンゴム、または任意の他の適切な合成ゴムなどにとって重要である可能性がある。そのような測定は、多くの種類の合成プラスチック材料、例えば、ポリオレフィン、特殊スチレンまたはアクリルプラスチックなどにとっても重要である可能性がある。本明細書中の装置及び方法を使用して得られたデータを使用して、RVを測定すること、及びリアルタイムのレオロジー的に同様な測定に基づいて製造プロセスを調節することが可能である。
【0062】
本開示の供述は以下を含む:
供述1:装置であって、以下:ある時間間隔の間、試料溶液を受け入れるように構成された少なくとも1つのポンプ;2つ以上の粘度計;前記2つ以上の粘度計を通じて試料溶液の流れを導入するように構成された注入器;及び前記2つ以上の粘度計において、少なくとも2種のせん断速度下で、試料溶液のレオロジー特性を監視及び測定するように構成されたコンピューターシステム、を含み、
前記レオロジー特性には、溶液の粘度が含まれる、
前記装置。
【0063】
供述2:前記2つ以上の粘度計は、互いに連結されている、供述2に記載の装置。
【0064】
供述3:前記注入器は、前記試料溶液の流れを、離散的な容積のパルスとして、前記2つ以上の粘度計を通じて導入するように構成されている、供述2または供述3に記載の装置。
【0065】
供述4:前記2つ以上の粘度計は、単一細管粘度計である、供述1~3のいずれか1つに記載の装置。
【0066】
供述5:前記2つ以上の粘度計は、直列に連結されている、供述1~4のいずれか1つに記載の装置。
【0067】
供述6:前記2つ以上の粘度計は、並列に連結されている、供述1~4のいずれか1つに記載の装置。
【0068】
供述7:前記2つ以上の粘度計は、直列流路及び並列流路の組み合わせで連結されている、供述1~4のいずれか1つに記載の装置。
【0069】
供述8:前記ポリマー溶液の実験パラメータの変更は、前記2つ以上の粘度計のうち少なくとも2つの間でなされる、供述1~7のいずれか1つに記載の装置。
【0070】
供述9:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうち前記少なくとも2つの間の「T」字接続によりなされ、前記「T」字接続は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間に液体をインプットするように構成されている、供述8に記載の装置。
【0071】
供述10:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間での前記ポリマー濃度の上昇または低下である、供述8に記載の装置。
【0072】
供述11:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間でのイオン強度及び/またはpHの上昇または低下である、供述8に記載の装置。
【0073】
供述12:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間での混合溶媒の導入である、供述8に記載の装置。
【0074】
供述13:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間での温度の上昇または低下である、供述8に記載の装置。
【0075】
供述14:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間でのせん断速度の上昇または低下であり、前記せん断速度は、前記少なくとも2つ以上の粘度計を通じた前記流量の増加または減少により変更される、供述8に記載の装置。
【0076】
供述15:前記流量は、断続的または段階的に増加または減少させられる、供述14に記載の装置。
【0077】
供述16:前記流量は、連続的に増加または減少させられる、供述14に記載の装置。
【0078】
供述17:前記時間間隔は、秒の規模である、供述1~16のいずれか1つに記載の装置。
【0079】
供述18:前記時間間隔は、分の規模である、供述1~16のいずれか1つに記載の装置。
【0080】
供述19:前記時間間隔は、1時間またはそれより長い規模である、供述1~16のいずれか1つに記載の装置。
【0081】
供述20:前記時間間隔は、重合反応プロセスの開始から前記重合反応プロセスの終わりまでである、供述1~18のいずれか1つに記載の装置。
【0082】
供述21:離散的な量の前記連続的な流れのポリマー溶液を、時間的に隔てられた間隔で、前記装置に注入する、供述1~20のいずれか1つに記載の装置。
【0083】
供述22:さらに、前記試料溶液のポリマー濃度を測定する検出器を含む、供述1~21のいずれか1つに記載の装置。
【0084】
供述23:前記装置は、さらに、離散的な量の前記連続的な流れのポリマー溶液を、時間的に隔てられた間隔で、前記濃度検出器に注入するように構成され、かつ前記2つ以上の粘度計を通じて、試料溶液を継続的に流すように構成されている、供述1~22のいずれか1つに記載の装置。
【0085】
供述24:前記装置が受け入れる前記連続的な流れの試料溶液中の前記ポリマーは、重合反応中に生成し、重合反応は、請求項1に記載の装置により監視されている、供述1~23のいずれか1つに記載の装置。
【0086】
供述25:前記流れ中の前記ポリマーは、ACOMPシステムにより、前記装置に提供される、供述1~24のいずれか1つに記載の装置。
【0087】
供述26:前記装置により得られる前記測定結果は、前記重合反応の制御に使用される、供述1~25のいずれか1つに記載の装置。
【0088】
供述27:前記試料溶液は、ポリマー、コロイド、化学反応により生成した生成物、別の試料からの分取分、化学反応の最終生成物、及びこれらの任意の組み合わせを含む群から選択される1種を含む、供述1~26のいずれか1つに記載の装置。
【0089】
供述28:方法であって、以下:ある時間間隔の間、試料溶液の流れを生成すること;前記試料溶液の流れを、2つ以上の粘度計を通じて導入すること;少なくとも2種の異なるせん断速度下で、前記試料溶液の粘度を監視及び測定すること;ならびに前記少なくとも2種の異なるせん断速度下で得られた少なくとも2つの粘度測定結果に基づき、前記試料の特性分析を行うこと、を含む、前記方法。
【0090】
供述29:前記試料溶液は、ポリマーを含む、供述28に記載の方法。
【0091】
供述30:さらに、ポリマーの濃度を特定することを含む、供述29に記載の方法。
【0092】
供述31:さらに、前記ポリマーの前記特性分析結果に基づき、前記重合プロセスにより生成した前記ポリマーの品質を評価することを含む、供述29または供述30に記載の方法。
【0093】
供述32:さらに、前記ポリマーの前記特性分析結果に基づき、前記重合プロセス中の制御の決定を行うことを含む、供述29~31のいずれか1つに記載の方法。
【0094】
供述33:さらに、前記ポリマーの前記特性分析結果に基づき、連続ポリマー生成プロセス中の、グレードの切り替えを確立することを含む、供述29~32のいずれか1つに記載の方法。
【0095】
供述34:さらに、前記ポリマーの前記特性分析結果に基づき、連続ポリマー生成プロセス中、操作の定常状態を維持することを含む、供述29~33のいずれか1つに記載の方法。
【0096】
供述35:さらに、前記ポリマーの前記特性分析結果に基づく、バッチまたはセミバッチ反応器中で製造されている前記ポリマーに関する反応条件を含む、供述29~34のいずれか1つに記載の方法。
【0097】
供述36:さらに、1つまたは複数の反応条件を制御することを含み、前記1つまたは複数の反応条件には、前記反応器に入るモノマーの流れ、前記反応器に入る開始剤または触媒の流れ、前記反応器に入る分岐剤または架橋剤の流れ、前記反応器に入る連鎖移動剤の流れ、前記反応器に入る反応抑制剤の流れ、前記反応器の温度、前記反応器の撹拌速度が含まれる、供述29~35のいずれか1つに記載の方法。
【0098】
供述37:前記2つ以上の粘度計は、単一細管粘度計である、供述29~36のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
供述38:前記2つ以上の粘度計は、直列に連結されている、供述29~37のいずれか1つに記載の方法。
【0100】
供述39:前記2つ以上の粘度計は、並列に連結されている、供述29~37のいずれか1つに記載の方法。
【0101】
供述40:前記2つ以上の粘度計は、直列流路及び並列流路の組み合わせで連結されている、供述29~37のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
供述41:さらに、前記ポリマー溶液の実験パラメータを、前記2つ以上の粘度計のうち少なくとも2つの間で変更することを含む、供述29~40のいずれか1つに記載の方法。
【0103】
供述42:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうち前記少なくとも2つの間の「T」字接続によりなされ、前記「T」字接続は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間に液体をインプットするように構成されている、供述29~41のいずれか1つに記載の方法。
【0104】
供述43:前記実験パラメータを変更することは、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間での前記ポリマー濃度の上昇または低下を含む、供述41に記載の方法。
【0105】
供述44:前記実験パラメータを変更することは、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間でのイオン強度及び/またはpHの上昇または低下を含む、供述41に記載の方法。
【0106】
供述45:前記実験パラメータを変更することは、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間での混合溶媒の導入を含む、供述41に記載の方法。
【0107】
供述46:前記実験パラメータを変更することは、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間での温度の上昇または低下を含む、供述41に記載の方法。
【0108】
供述47:前記実験パラメータを変更することは、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間でのせん断速度の上昇または低下を含み、前記せん断速度は、前記少なくとも2つ以上の粘度計を通じた前記流量の増加または減少により変更される、供述41に記載の方法。
【0109】
供述48:前記流量は、断続的または段階的に増加または減少させられる、供述28~47のいずれか1つに記載の方法。
【0110】
供述49:前記流量は、連続的に増加または減少させられる、供述28~47のいずれか1つに記載の方法。
【0111】
供述50:前記時間間隔は、秒の規模である、供述28~49のいずれか1つに記載の方法。
【0112】
供述51:前記時間間隔は、分の規模である、供述28~49のいずれか1つに記載の方法。
【0113】
供述52:前記時間間隔は、1時間またはそれより長い規模である、供述28~49のいずれか1つに記載の方法。
【0114】
供述53:前記時間間隔は、重合反応プロセスの開始から前記重合反応プロセスの終わりまでである、供述29~52のいずれか1つに記載の方法。
【0115】
供述54:離散的な量の前記試料を、時間的に隔てられた間隔で、前記少なくとも2つ以上の粘度計を通じて注入する、供述29~53のいずれか1つに記載の方法。
【0116】
供述55:さらに、検出器を使用してポリマー濃度を測定することを含む、供述29~54のいずれか1つに記載の方法。
【0117】
供述56:さらに、離散的な量の前記連続的な流れの試料溶液を、時間的に隔てられた間隔で、前記濃度検出器に注入すること、及び前記2つ以上の粘度計を通じて、前記試料溶液を継続的に流すことを含む、供述29~54のいずれか1つに記載の方法。
【0118】
供述57:前記ポリマー溶液の流れ中の前記ポリマーは、重合反応中に生成する、供述29~56のいずれか1つに記載の方法。
【0119】
供述58:前記流れ中の前記ポリマーは、ACOMPシステムにより提供される、供述29~57のいずれか1つに記載の方法。
【0120】
供述59:前記測定された粘度は、前記重合反応の制御に使用される、供述29~58のいずれか1つに記載の方法。
【0121】
供述60:装置であって、以下:2つ以上の粘度計;ある時間間隔の間、前記2つ以上の粘度計を通じて試料溶液を導入するように構成された少なくとも1つのポンプ;及び前記2つ以上の粘度計において、少なくとも2種のせん断速度下で、前記試料のレオロジー特性を監視及び測定するように構成されたコンピューターシステム、を含み、前記レオロジー特性には、前記試料の粘度が含まれる、前記装置。
【0122】
供述61:前記試料は、ポリマー溶液を含む、供述60に記載の装置。
【0123】
供述62:前記少なくとも1つのポンプは、ある時間間隔の間、前記2つ以上の粘度計を通じて、試料溶液を連続的に導入するように構成されている、供述60または供述61に記載の装置。
【0124】
供述63:前記2つ以上の粘度計は、互いに連結されている、供述60~62のいずれか1つに記載の装置。
【0125】
供述64:前記2つ以上の粘度計は、単一細管粘度計である、供述60~63のいずれか1つに記載の装置。
【0126】
供述65:前記2つ以上の粘度計は、直列に連結されている、供述60~64のいずれか1つに記載の装置。
【0127】
供述66:前記2つ以上の粘度計は、並列に連結されている、供述60~64のいずれか1つに記載の装置。
【0128】
供述67:前記2つ以上の粘度計は、直列流路及び並列流路の組み合わせで連結されている、供述60~64のいずれか1つに記載の装置。
【0129】
供述68:前記ポリマー溶液の実験パラメータの変更は、前記2つ以上の粘度計のうち少なくとも2つの間でなされる、供述61~67のいずれか1つに記載の装置。
【0130】
供述69:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうち前記少なくとも2つの間の「T」字接続によりなされ、前記「T」字接続は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間に液体をインプットするように構成されている、供述68に記載の装置。
【0131】
供述70:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間での前記ポリマー濃度の上昇または低下である、供述68に記載の装置。
【0132】
供述71:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間でのイオン強度及び/またはpHの上昇または低下である、供述68に記載の装置。
【0133】
供述72:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間での混合溶媒の導入である、供述68に記載の装置。
【0134】
供述73:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間での温度の上昇または低下である、供述68に記載の装置。
【0135】
供述74:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間でのせん断速度の上昇または低下であり、前記せん断速度は、前記少なくとも2つ以上の粘度計を通じた前記流量の増加または減少により変更される、供述68に記載の装置。
【0136】
供述75:前記流量は、断続的または段階的に増加または減少させられる、供述74に記載の装置。
【0137】
供述76:前記流量は、連続的に増加または減少させられる、供述74に記載の装置。
【0138】
供述77:前記時間間隔は、秒の規模である、供述60~76のいずれか1つに記載の装置。
【0139】
供述78:前記時間間隔は、分の規模である、供述60~76のいずれか1つに記載の装置。
【0140】
供述79:前記時間間隔は、1時間またはそれより長い規模である、供述60~76のいずれか1つに記載の装置。
【0141】
供述80:前記時間間隔は、重合反応プロセスの開始から前記重合反応プロセスの終わりまでである、供述61~78のいずれか1つに記載の装置。
【0142】
供述81:離散的な量の前記連続的な流れのポリマー溶液を、時間的に隔てられた間隔で、前記装置に注入する、供述61~80のいずれか1つに記載の装置。
【0143】
供述82:さらに、前記試料溶液のポリマー濃度を測定する検出器を含む、供述61~81のいずれか1つに記載の装置。
【0144】
供述83:前記装置は、さらに、離散的な量の前記連続的な流れのポリマー溶液を、時間的に隔てられた間隔で、前記濃度検出器に注入するように構成され、かつ前記2つ以上の粘度計を通じて、試料溶液を継続的に流すように構成されている、供述82に記載の装置。
【0145】
供述84:前記装置が受け入れる前記連続的な流れの試料溶液中の前記ポリマーは、重合反応中に生成し、重合反応は、請求項1に記載の装置により監視されている、供述61~83のいずれか1つに記載の装置。
【0146】
供述85:さらに、前記試料を前記少なくとも1つのポンプに送達するように構成されたACOMPユニットを含む、供述84に記載の装置。
【0147】
供述86:前記装置により得られる前記測定結果は、前記重合反応の制御に使用される、供述85に記載の装置。
【0148】
供述87:装置であって、以下:2つ以上の粘度計;ある時間間隔の間、前記2つ以上の粘度計を通じて、試料溶液を導入するように構成された少なくとも1つのポンプ;及び前記2つ以上の粘度計において、少なくとも2種のせん断速度下で、前記試料溶液のレオロジー特性を監視及び測定するように構成されたコンピューターシステム、を含み、前記レオロジー特性には、前記試料の粘度が含まれる、前記装置。
【0149】
供述88:前記試料溶液は、ポリマーを含む、供述87に記載の装置。
【0150】
供述89:前記2つ以上の粘度計は、互いに連結されている、供述87または供述88に記載の装置。
【0151】
供述90:さらに、前記少なくとも1つのポンプ及び前記2つ以上の粘度計と連結された注入器を含む、供述87~89のいずれか1つに記載の装置。
【0152】
供述91:前記注入器は、前記試料溶液の流れを、離散的な容積のパルスとして、前記2つ以上の粘度計を通じて導入するように構成されている、供述90に記載の装置。
【0153】
供述92:前記少なくとも1つのポンプは、ある時間間隔の間、前記2つ以上の粘度計を通じて、試料溶液を継続的に導入するように構成されている、供述87~89のいずれか1つに記載の装置。
【0154】
供述93:前記2つ以上の粘度計は、単一細管粘度計である、供述87~92のいずれか1つに記載の装置。
【0155】
供述94:前記2つ以上の粘度計は、直列に連結されている、供述87~93のいずれか1つに記載の装置。
【0156】
供述95:前記2つ以上の粘度計は、並列に連結されている、供述87~93のいずれか1つに記載の装置。
【0157】
供述96:前記2つ以上の粘度計は、直列流路及び並列流路の組み合わせで連結されている、供述87~93のいずれか1つに記載の装置。
【0158】
供述97:前記ポリマー溶液の実験パラメータの変更は、前記2つ以上の粘度計のうち少なくとも2つの間でなされる、供述87~96のいずれか1つに記載の装置。
【0159】
供述98:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうち少なくとも2つの間の「T」字接続によりなされ、前記「T」字接続は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間に液体をインプットするように構成されている、供述97に記載の装置。
【0160】
供述99:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間での前記ポリマー濃度の上昇または低下である、供述97に記載の装置。
【0161】
供述100:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間でのイオン強度及び/またはpHの上昇または低下である、供述97に記載の装置。
【0162】
供述101:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間での混合溶媒の導入である、供述97に記載の装置。
【0163】
供述102:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間での温度の上昇または低下である、供述97に記載の装置。
【0164】
供述103:前記変更は、前記2つ以上の粘度計のうちの前記少なくとも2つの間でのせん断速度の上昇または低下であり、前記せん断速度は、前記少なくとも2つ以上の粘度計を通じた前記流量の増加または減少により変更される、供述97に記載の装置。
【0165】
供述104:前記流量は、断続的または段階的に増加または減少させられる、供述103に記載の装置。
【0166】
供述105:前記流量は、連続的に増加または減少させられる、供述103に記載の装置。
【0167】
供述106:前記時間間隔は、秒の規模である、供述87~105のいずれか1つに記載の装置。
【0168】
供述107:前記時間間隔は、分の規模である、供述87~105のいずれか1つに記載の装置。
【0169】
供述108:前記時間間隔は、1時間またはそれより長い規模である、供述87~105のいずれか1つに記載の装置。
【0170】
供述109:前記時間間隔は、重合反応プロセスの開始から前記重合反応プロセスの終わりまでである、供述87~108のいずれか1つに記載の装置。
【0171】
供述110:離散的な量の前記連続的な流れのポリマー溶液は、前記装置に、時間的に隔てられた間隔で注入される、供述87~109のいずれか1つに記載の装置。
【0172】
供述111:さらに、前記試料溶液のポリマー濃度を測定する検出器を含む、供述87~110のいずれか1つに記載の装置。
【0173】
供述112:前記装置は、さらに、離散的な量の前記連続的な流れのポリマー溶液を、時間的に隔てられた間隔で、前記濃度検出器に注入するように構成され、かつ前記2つ以上の粘度計を通じて、試料溶液を継続的に流すように構成されている、供述111に記載の装置。
【0174】
供述113:前記装置が受け入れる前記連続的な流れの試料溶液中の前記ポリマーは、重合反応中に生成し、重合反応は、請求項1に記載の装置により監視されている、供述87~112のいずれか1つに記載の装置。
【0175】
供述114:さらに、試料を前記ポンプに提供することができるACOMPユニットを含む、供述87~113のいずれか1つに記載の装置。
【0176】
供述115:さらに、前記コンピューターシステムにより得られた測定結果に基づき、前記重合反応を制御するように構成された反応制御ユニットを含む、供述87~114のいずれか1つに記載の装置。
【0177】
供述116:前記試料溶液は、ポリマー、コロイド、化学反応により生成した生成物、別の試料からの分取分、化学反応の最終生成物、及びこれらの任意の組み合わせを含む群から選択される1種を含む、供述87に記載の装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7