(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20240829BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20240829BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L29/78 652Q
(21)【出願番号】P 2023072565
(22)【出願日】2023-04-26
(62)【分割の表示】P 2020558336の分割
【原出願日】2019-11-14
【審査請求日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】P 2018216458
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【氏名又は名称】小淵 景太
(72)【発明者】
【氏名】那須 賢太郎
【審査官】栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-178504(JP,A)
【文献】特開2007-234994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向において互いに反対側を向く素子主面および素子裏面と、前記素子裏面に配置された素子第1電極と、前記素子主面に配置された素子第2電極と、を有する第1半導体素子と、
前記厚さ方向において互いに反対側を向くリード主面およびリード裏面を有する第1リードと、
前記第1リードおよび前記第1半導体素子を覆う絶縁層と、
前記第1半導体素子の前記素子第2電極に導通する第1電極と、
前記第1リードに導通する第2電極と、
配線パターンおよびビアホールと、
を備え、
前記第1半導体素子の前記素子裏面と前記リード主面とが対向する姿勢で前記第1半導体素子と前記第1リードとが接合され、
前記絶縁層は、前記厚さ方向において互いに反対側を向く絶縁層主面および絶縁層裏面を備えており、
前記配線パターンは、前記絶縁層主面および絶縁層裏面の少なくとも一方に形成されており、
前記ビアホールは、前記絶縁層主面または絶縁層裏面に開口しており、
前記第1半導体素子の前記素子第2電極と前記第1電極との導通経路、および、前記第1リードと前記第2電極との導通経路は、前記配線パターンおよび前記ビアホールによって構成されている、半導体装置。
【請求項2】
前記第1電極および前記第2電極は、前記絶縁層裏面に配置されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1半導体素子の前記素子第1電極は、前記第1リードに電気的に接続されている、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
厚さ方向において互いに反対側を向く素子主面および素子裏面と、前記素子裏面に配置された素子第1電極と、前記素子主面に配置された素子第2電極と、を有する第1半導体素子と、
前記厚さ方向において互いに反対側を向くリード主面およびリード裏面を有する第1リードと、
前記第1リードおよび前記第1半導体素子を覆う絶縁層と、
前記第1半導体素子の前記素子第2電極に導通する第1電極と、
前記第1リードに導通する第2電極と、
前記第1半導体素子の前記素子裏面が
絶縁性接合層を介して接合された第2リードと、
を備え、
前記第1半導体素子の前記素子裏面と前記リード主面とが対向する姿勢で前記第1半導体素子と前記第1リードとが接合され、
前記第1半導体素子の前記素子第1電極は、前記第1リードに電気的に接続されている、半導体装置。
【請求項5】
前記第1半導体素子は、導電性の接合層を介して前記第1リードに接合され、かつ、絶縁性の接合層を介して前記第2リードに接合されている、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1半導体素子の前記素子第2電極および前記第1電極に導通し、かつ、前記絶縁層に覆われている第3リードをさらに備える、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項7】
厚さ方向において互いに反対側を向く素子主面および素子裏面と、前記素子裏面に配置された素子第1電極と、前記素子主面に配置された素子第2電極と、を有する第1半導体素子と、
前記厚さ方向において互いに反対側を向くリード主面およびリード裏面を有する第1リードと、
前記第1リードおよび前記第1半導体素子を覆う絶縁層と、
前記第1半導体素子の前記素子第2電極に導通する第1電極と、
前記第1リードに導通する第2電極と、
前記第1半導体素子の前記素子第2電極および前記第1電極に導通し、かつ、前記絶縁層に覆われている第3リードと、
を備え、
前記第1半導体素子の前記素子裏面と前記リード主面とが対向する姿勢で前記第1半導体素子と前記第1リードとが接合され、
前記第1半導体素子の前記素子第1電極は、前記第1リードに電気的に接続されている、半導体装置。
【請求項8】
前記第1半導体素子は、導電性の接合層を介して前記第1リードに接合されている、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
第5電極をさらに備える構成において、
前記第1半導体素子は、前記素子主面に配置された素子第3電極を備えており、
前記第5電極は、前記第1半導体素子の前記素子第3電極に導通している、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1半導体素子は、トランジスタである、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1半導体素子の前記素子第3電極および前記第5電極に導通し、かつ、前記絶縁層に覆われている第4リードをさらに備える、請求項9または10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記リード主面は主面凹部を備え、前記第1半導体素子は、前記主面凹部に配置されている、請求項1ないし11のいずれか1つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)などのパワー半導体素子を複数搭載し、電源装置などに用いられる電力用の半導体装置の需要が増加している。特許文献1には、従来の半導体装置の一例が開示されている。同文献に開示された半導体装置は、絶縁基板の一方の面に導体パターンを設け、各半導体素子の裏面電極を導体パターンに接合させて、複数の半導体素子を絶縁基板に搭載している。
【0003】
半導体装置の表面積(厚さ方向に直交する面の面積)は、より狭い領域に搭載できるように、小さくすることが要求されている。したがって、半導体装置に搭載される半導体素子の表面積も小さくする必要がある。MOSFETの場合、表面積が小さくなるほどオン抵抗が大きくなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した事情に鑑み、本開示は、搭載される半導体素子の表面積が小さくなることを抑制できる半導体装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によって提供される半導体装置は、厚さ方向において互いに反対側を向く素子主面および素子裏面と、前記素子裏面に配置された素子第1電極と、前記素子主面に配置された素子第2電極と、をそれぞれ有する第1半導体素子および第2半導体素子を備える。また、半導体装置は、前記厚さ方向において互いに反対側を向くリード主面およびリード裏面を有する第1リードと、前記第1リード、前記第1半導体素子および前記第2半導体素子を覆う絶縁層と、前記第1半導体素子の前記素子第2電極に導通する第1電極と、前記第1リードに導通する第2電極と、を備える。前記第1半導体素子の前記素子裏面と前記リード主面とが対向する姿勢で、前記第1半導体素子と前記第1リードとが接合される。前記第2半導体素子の前記素子裏面と前記リード裏面とが対向する姿勢で前記第2半導体素子と前記第1リードとが接合される。
【発明の効果】
【0007】
本開示にかかる半導体装置は、第1半導体素子が第1リードのリード主面に搭載され、第2半導体素子が第1リードのリード裏面に搭載されている。したがって、第1半導体素子および第2半導体素子が第1リードの同じ面に並べて搭載されている場合と比較して、各半導体素子の表面積を大きくすることができる。
【0008】
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の第1実施形態にかかる半導体装置を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示す半導体装置の模式的な断面を示す図である。
【
図4】
図1に示す半導体装置の一部を透過させた平面図である。
【
図5】
図1に示す半導体装置の一部を透過させた平面図である。
【
図6】
図1に示す半導体装置の一部を透過させた平面図である。
【
図7】
図1に示す半導体装置の製造工程を説明する平面図である。
【
図8】
図1に示す半導体装置の製造工程を説明する平面図である。
【
図9】
図1に示す半導体装置の製造工程を説明する模式的な断面を示す図である。
【
図10】
図1に示す半導体装置の製造工程を説明する模式的な断面を示す図である。
【
図11】
図1に示す半導体装置の製造工程を説明する模式的な断面を示す図である。
【
図12】
図1に示す半導体装置の製造工程を説明する模式的な断面を示す図である。
【
図13】
図1に示す半導体装置の製造工程を説明する模式的な断面を示す図である。
【
図14】
図1に示す半導体装置の製造工程を説明する模式的な断面を示す図である。
【
図15】本開示の第2実施形態にかかる半導体装置の模式的な断面を示す図である。
【
図16】本開示の第3実施形態にかかる半導体装置の模式的な断面を示す図である。
【
図17】本開示の第4実施形態にかかる半導体装置の模式的な断面を示す図である。
【
図18】本開示の第5実施形態にかかる半導体装置を示す回路図である。
【
図19】
図18に示す半導体装置の模式的な断面を示す図である。
【
図20】
図18に示す半導体装置の一部を透過させた平面図である。
【
図21】
図18に示す半導体装置の一部を透過させた平面図である。
【
図22】本開示の第6実施形態にかかる半導体装置を示す回路図である。
【
図23】
図22に示す半導体装置の模式的な断面を示す図である。
【
図24】本開示の第7実施形態にかかる半導体装置を示す回路図である。
【
図25】本開示の第8実施形態にかかる半導体装置を示す回路図である。
【
図26】本開示の第9実施形態にかかる半導体装置の模式的な断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
図1~
図6に基づき、本開示の第1実施形態にかかる半導体装置A1について説明する。半導体装置A1は、第1リード11、第3リード13、第4リード14、ビアホール211~214、221~225、配線パターン311,312、321~324、第1電極41、第2電極42、第3電極43、第5電極45、導電性接合層51、半導体素子6a,6b、絶縁層7、および絶縁膜8を備える。
【0012】
図1は、半導体装置A1を示す斜視図である。
図2は、半導体装置A1を示す回路図である。
図3は、半導体装置A1の模式的な断面を示す図であり、導通経路が理解しやすいように各部材が表れるように示している。なお、実際には、各ビアホールと各配線パターンとは一体化しているが、
図3においては区別のために、別々の部材として異なるハッチングを付している。
図4~
図6は、半導体装置A1を示す平面図であり、それぞれ一部を透過させている。
図4においては、上側(
図3における上側)の絶縁膜8を透過させている。
図5においては、上側の絶縁膜8、配線パターン311,312、および絶縁層7を透過させている。
図6においては、上側の絶縁膜8、配線パターン311,312、絶縁層7、ビアホール211~214、第1リード11、第3リード13、および第4リード14を透過させている。
【0013】
これらの図に示す半導体装置A1は、様々な機器の回路基板に表面実装される装置である。半導体装置A1の厚さ方向視の形状は矩形状である。説明の便宜上、半導体装置A1の厚さ方向をz方向とし、z方向に直交する半導体装置A1の一方の辺に沿う方向をx方向、z方向およびx方向に直交する方向をy方向とする。以下の図においても同様である。半導体装置A1の各寸法は特に限定されず、本実施形態においては、たとえばx方向寸法が2~6mm程度、y方向寸法が2~6mm程度、z方向寸法が0.5~1mm程度である。
【0014】
第1リード11は、半導体素子6a,6bを支持するとともに、半導体素子6a,6bと導通している。第3リード13は、半導体素子6aと導通している。第4リード14は、半導体素子6a,6bと導通している。第1リード11、第3リード13および第4リード14は、金属板に打ち抜き加工やエッチング処理等を施すことにより形成されている。第1リード11、第3リード13および第4リード14は、金属からなり、好ましくはCuおよびNiのいずれか、またはこれらの合金や42アロイなどからなる。本実施形態においては、第1リード11、第3リード13および第4リード14は、Cuからなる。第1リード11、第3リード13および第4リード14の厚さは、たとえば0.08~0.3mmであり、本実施形態においては0.15mm程度である。なお、第1リード11、第3リード13および第4リード14の材料および厚さは限定されない。
【0015】
図5に示すように、第1リード11は、z方向視において、半導体装置A1の中央に配置されている。第3リード13は、半導体装置A1の
図5における左下の端部に、第1リード11から離間して配置されている。第4リード14は、半導体装置A1の
図5における右上の端部に、第1リード11から離間して配置されている。なお、第1リード11、第3リード13および第4リード14の配置、形状、大きさは一例であって、これに限定されず、適宜設計される。
【0016】
第1リード11は、主面111、裏面112、および端面113を備える。主面111および裏面112は、z方向において互いに反対側を向いている。主面111は、
図3の上方を向く面である。主面111は、半導体素子6aが搭載される面である。裏面112は、
図3の下方を向く面である。裏面112は、半導体素子6bが搭載される面である。端面113は、リードフレームにおいて第1リード11とフレームとを繋いでいたタイバーを切断して形成された切断面である。端面113は、絶縁層7から露出している。
【0017】
第3リード13は、主面131、裏面132、および端面133を備える。主面131および裏面132は、z方向において互いに反対側を向いている。主面131は、
図3の上方を向く面である。裏面132は、
図3の下方を向く面である。端面133は、リードフレームにおいて第3リード13とフレームとを繋いでいたタイバーを切断して形成された切断面である。端面133は、絶縁層7から露出している。
【0018】
第4リード14は、主面141、裏面142、および端面143を備える。主面141および裏面142は、z方向において互いに反対側を向いている。主面141は、
図3の上方を向く面である。裏面142は、
図3の下方を向く面である。端面143は、リードフレームにおいて第4リード14とフレームとを繋いでいたタイバーを切断して形成された切断面である。端面143は、絶縁層7から露出している。
【0019】
図3に示すように、第1リード11の主面111、第3リード13の主面131、および第4リード14の主面141は、面一である。また、第1リード11の裏面112、第3リード13の裏面132、および第4リード14の裏面142は、面一である。
【0020】
半導体素子6a,6bは、半導体装置A1の電気的機能を発揮する要素である。なお、以下では、半導体素子6a,6bを区別しない場合、「半導体素子6」と記載する。
図2に示すように、本実施形態では、半導体素子6は、N型MOSFETである。なお、半導体素子6は、その他のトランジスタであってもよいし、その他の半導体素子であってもよい。半導体素子6は、素子主面61、素子裏面62、素子第1電極63、素子第2電極64、および素子第3電極65を備える。
【0021】
素子主面61および素子裏面62は、z方向において互いに反対側を向いている。素子第1電極63は、素子裏面62に配置されている。素子第2電極64および素子第3電極65は、素子主面61に配置されている。本実施形態においては、素子第1電極63はドレイン電極であり、素子第2電極64はソース電極であり、素子第3電極65はゲート電極である。
【0022】
図5に示すように、半導体素子6aは、第1リード11の主面111の中央に搭載されている。また、
図3に示すように、半導体素子6aは、素子裏面62と主面111とが対向する姿勢で、導電性接合層51を介して、第1リード11に接合されている。これにより、半導体素子6aの素子第1電極63は、導電性接合層51を介して、第1リード11に電気的に接続されている。半導体素子6bは、第1リード11の裏面112の中央に搭載されている。また、
図3に示すように、半導体素子6bは、素子裏面62と裏面112とが対向する姿勢で、導電性接合層51を介して、第1リード11に接合されている。これにより、半導体素子6bの素子第1電極63は、導電性接合層51を介して、第1リード11に電気的に接続されている。半導体素子6aの素子第1電極63、および、半導体素子6bの素子第1電極63は、どちらも第1リード11に電気的に接続されている。つまり、半導体装置A1は、2個の半導体素子6a,6bのドレイン電極同士が接続されたドレイン共通回路(
図2参照)になっている。
【0023】
導電性接合層51は、
図3に示すように、半導体素子6a,6bと第1リード11との間に介在する導電体である。導電性接合層51によって、半導体素子6a,6bは第1リード11に接合され、かつ、半導体素子6a,6bの素子第1電極63と第1リード11との導通が確保される。本実施形態において、導電性接合層51は、導電性接合材を塗布して熱硬化させることで形成される。導電性接合材は、たとえばAgを含むエポキシ樹脂を主剤とした合成樹脂からなる接合材(Agペースト)である。なお、導電性接合材は、シンタリングペーストやはんだなどの他の材料であってもよい。また、導電性接合層51の形成方法は限定されず、導電性接合層51は導電性を有する材料からなればよい。
【0024】
絶縁層7は、第1リード11、第3リード13、第4リード14、および半導体素子6a,6bを覆っている。絶縁層7は、たとえばプリプレグからなる。プリプレグは、炭素繊維などの繊維状補強材に、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を均等に含浸させ、加熱または乾燥して半硬化状態にした強化プラスチック成形材料である。なお、絶縁層7の材料は限定されず、電気絶縁性を有するものであればよい。絶縁層7は、絶縁層主面71、絶縁層裏面72および絶縁層側面73を備える。絶縁層主面71と絶縁層裏面72とは、z方向において互いに反対側を向いている。絶縁層主面71は、
図3の上方を向く面であり、絶縁層裏面72は、
図3の下方を向く面である。絶縁層側面73は、絶縁層主面71および絶縁層裏面72を繋ぐ面であり、x方向またはy方向を向いている。本実施形態においては、第1リード11の端面113、第3リード13の端面133、および、第4リード14の端面143は、絶縁層側面73から露出している。第1リード11の端面113、第3リード13の端面133、および、第4リード14の端面143は、絶縁層側面73と互いに面一である。
【0025】
ビアホール211~214、221~225は、絶縁層7に形成された孔の側面にめっきなどによって導電層が形成されたものであり、導電経路になる。導電層はたとえばCuなどの金属である。本実施形態では、ビアホール211~214、221~225は、たとえばレーザによって絶縁層7に孔が形成され、当該孔の側面に無電解めっきによって薄いCuの層である下地層が形成され、当該下地層を導電経路とした電解めっきによってCuのめっき層が形成されることで形成される。なお、ビアホール211~214、221~225の形成方法は限定されない。ビアホール211~214、221~225の構造は限定されず、内部に導電体が充填されていてもよいし、絶縁膜8が充填されていてもよいし、空洞であってもよい。
【0026】
ビアホール211~214は、絶縁層7の絶縁層主面71に開口しており、z方向に延びている。
図3に示すように、ビアホール211は、半導体素子6aの素子第2電極64に接し導通している。ビアホール212は、半導体素子6aの素子第3電極65に接し導通している。ビアホール213は、第3リード13の主面131に接し、第3リード13に導通している。ビアホール214は、第4リード14の主面141に接し、第4リード14に導通している。本実施形態では、
図5に示すように、ビアホール211が2個配置されている。なお、ビアホール211~214の配置個数および配置位置は一例であって、これに限定されず、適宜設計される。
【0027】
ビアホール221~225は、絶縁層7の絶縁層裏面72に開口しており、z方向に延びている。
図3に示すように、ビアホール221は、半導体素子6bの素子第2電極64に接し導通している。ビアホール222は、半導体素子6bの素子第3電極65に接し導通している。ビアホール223は、第3リード13の裏面132に接し、第3リード13に導通している。ビアホール224は、第4リード14の裏面142に接し、第4リード14に導通している。ビアホール225は、第1リード11の裏面112に接し、第1リード11に導通している。本実施形態では、
図6に示すように、ビアホール221が2個配置されている。なお、ビアホール221~225の配置個数および配置位置は一例であって、これに限定されず、適宜設計される。
【0028】
配線パターン311,312、321~324は、絶縁層7の絶縁層主面71または絶縁層裏面72に形成された配線パターンであり、導電経路になる。本実施形態では、配線パターン311,312、321~324は、例えばCuなどの金属からなる。本実施形態では、配線パターン311,312、321~324は、無電解めっきによってCu薄膜が形成され、当該Cu薄膜を導電経路とした電解めっきにより形成される。なお、配線パターン311,312、321~324の形成方法は限定されない。
【0029】
配線パターン311,312は、絶縁層主面71に形成されており、互いに離間して配置されている。
図3および
図4に示すように、配線パターン311は、ビアホール211,213に接し、ビアホール211とビアホール213とを電気的に接続している。また、配線パターン312は、ビアホール212,214に接し、ビアホール212とビアホール214とを電気的に接続している。なお、配線パターン311,312の形状および配置は一例であって、これに限定されず、適宜設計される。
【0030】
配線パターン321~324は、絶縁層裏面72に形成されており、互いに離間して配置されている。
図3および
図6に示すように、配線パターン321は、ビアホール221に接し導通している。配線パターン322は、ビアホール222,224に接し、ビアホール222とビアホール224とを電気的に接続している。配線パターン323は、ビアホール223に接し導通している。配線パターン324は、ビアホール225に接し導通している。なお、配線パターン321~324の形状および配置は一例であって、これに限定されず、適宜設計される。
【0031】
第1電極41、第2電極42、第3電極43、および第5電極45は、半導体装置A1を図示しない回路基板に面実装するために用いられる電極パッドであり、半導体装置A1における裏面側(絶縁層7の絶縁層裏面72側)に配置されている。本実施形態では、
図6に示すように、第1電極41、第2電極42、第3電極43、および第5電極45は、z方向視円形状の導電体である。第1電極41、第2電極42、第3電極43、および第5電極45は、たとえば互いに積層されたNi層、Pd層およびAu層によって構成され、無電解めっきによって形成される。なお、第1電極41、第2電極42、第3電極43、および第5電極45の材料、形状、厚さ、配置位置、および形成方法は限定されない。たとえばはんだボールであってもよい。
【0032】
第1電極41は、配線パターン323に接し導通している。第2電極42は、配線パターン324に接し導通している。第3電極43は、配線パターン321に接し導通している。第5電極45は、配線パターン322に接し導通している。
【0033】
第1リード11、第3リード13、第4リード14、ビアホール211~214、221~225、配線パターン311,312、321~324は、半導体素子6a,6bの各電極と、第1電極41、第2電極42、第3電極43および第5電極45との導通経路を形成している。
【0034】
第1電極41は、配線パターン323、ビアホール223、第3リード13、ビアホール213、配線パターン311、およびビアホール211を介して、半導体素子6aの素子第2電極64(ソース電極)に導通している。したがって、第1電極41は、半導体素子6aのソース端子として機能する。第2電極42は、配線パターン324、ビアホール225、および第1リード11を介して、半導体素子6aの素子第1電極63(ドレイン電極)、および、半導体素子6bの素子第1電極63(ドレイン電極)に導通している。したがって、第2電極42は、半導体素子6aおよび半導体素子6bのドレイン端子として機能する。半導体装置A1は、2個の半導体素子6a,6bのドレイン電極同士が接続されたドレイン共通回路(
図2参照)になっている。
【0035】
第3電極43は、配線パターン321およびビアホール221を介して、半導体素子6bの素子第2電極64(ソース電極)に導通している。したがって、第3電極43は、半導体素子6bのソース端子として機能する。第5電極45は、配線パターン322、ビアホール224、第4リード14、ビアホール214、配線パターン312、およびビアホール212を介して、半導体素子6aの素子第3電極65(ゲート電極)に導通している。また、第5電極45は、配線パターン322およびビアホール222を介して、半導体素子6bの素子第3電極65(ゲート電極)に導通している。したがって、第5電極45は、半導体素子6aおよび半導体素子6bのゲート端子として機能する。半導体装置A1は、2個の半導体素子6a,6bのゲート電極同士が接続された回路になっている。
【0036】
絶縁膜8は、絶縁層主面71および絶縁層裏面72に形成され、配線パターン311,312,321~324を覆っている。絶縁膜8は、配線パターン311,312、321~324を保護し、かつ、第1電極41、第2電極42、第3電極43、および第5電極45を互いに電気的に絶縁するために設けられている。絶縁膜8は、絶縁層主面71の全面、および、配線パターン311,312の全体を覆っている。また、絶縁膜8は、絶縁層裏面72の全面を覆っており、配線パターン321~324のうち、第1電極41、第2電極42、第3電極43、および第5電極45が形成される部分以外の全体を覆っている。絶縁膜8は、たとえばソルダーレジストなどの絶縁材料によって、たとえばフォトリソグラフィにより形成されている。なお、絶縁膜8の材料、厚さおよび形成方法は限定されない。
【0037】
次に、半導体装置A1の製造方法の一例について、
図7~
図14を参照して以下に説明する。
図7は、平面図であり、
図5に相当する図である。
図8~14は、模式的な断面を示す図であり、
図3に相当する図である。
【0038】
まず、
図7に示すようにリードフレーム900を用意する。リードフレーム900は、第1リード11、第3リード13および第4リード14となる板状の材料である。なお、
図7においては、1個の第1リード11、第3リード13および第4リード14となる領域のみを示している。リードフレーム900は、金属板にエッチング処理を行うことで形成される。なお、リードフレーム900は、金属板に打ち抜き加工処理を行うことで形成されてもよい。
図7においては、理解を容易にするために、リードフレーム900にハッチングを付している。リードフレーム900は、z方向において互いに反対側を向く主面901および裏面902を備える。主面901は、
図8の上方を向く面であり、第1リード11の主面111、第3リード13の主面131、および、第4リード14の主面141になる面である。裏面902は、
図8の下方を向く面であり、第1リード11の裏面112、第3リード13の裏面132、および、第4リード14の裏面142になる面である。
【0039】
次いで、
図8に示すように、リードフレーム900に、半導体素子6a,6bをボンディングする。まず、リードフレーム900の主面901のうち、第1リード11の主面111となる領域の中央にAgペーストを塗布して、素子裏面62をリードフレーム900の主面901に対向させた姿勢で、半導体素子6aをボンディングする。次いで、リフロー処理を行う。リフロー処理によりAgペーストが熱硬化して導電性接合層51になり、半導体素子6aが導電性接合層51を介してリードフレーム900に接合される。また、半導体素子6aの素子第1電極63が、導電性接合層51を介して、リードフレーム900に電気的に接続される。次いで、リードフレーム900の裏面902のうち、第1リード11の裏面112となる領域の中央にAgペーストを塗布して、素子裏面62をリードフレーム900の裏面902に対向させた姿勢で、半導体素子6bをボンディングする。次いで、リフロー処理を行う。リフロー処理によりAgペーストが熱硬化して導電性接合層51になり、半導体素子6bが導電性接合層51を介してリードフレーム900に接合される。また、半導体素子6bの素子第1電極63が、導電性接合層51を介して、リードフレーム900に電気的に接続される。
【0040】
次いで、
図9に示すように、絶縁層903を形成する。本工程では、リードフレーム900の主面901および裏面902に、それぞれシート状のプリプレグを貼り付けて積層させることにより、リードフレーム900、半導体素子6a,6bを覆う絶縁層903を形成する。絶縁層903が絶縁層7になる。絶縁層903は、z方向において互いに反対側を向く主面903aおよび裏面903bを備える。主面903aは、
図9の上方を向く面であり、絶縁層主面71になる面である。裏面903bは、
図9の下方を向く面であり、絶縁層裏面72になる面である。
【0041】
次いで、
図10に示すように、絶縁層903に孔904を形成する。本工程では、まず、たとえばレーザによって、絶縁層903の主面903aから、z方向に向かう孔904を形成する。各孔904は、所定の位置において、リードフレーム900の主面901、または、半導体素子6aの素子主面61に達するように形成される。次に、たとえばレーザによって、絶縁層903の裏面903bから、z方向に向かう孔904を形成する。各孔904は、所定の位置において、リードフレーム900の裏面902、または、半導体素子6bの素子主面61に達するように形成される。
【0042】
次いで、ビアホールおよび配線パターンを形成する。まず、
図11に示すように、無電解メッキにより、孔904の側面、および、絶縁層903の主面903aおよび裏面903bの全面に、薄いCuの層である下地層905を形成する。
【0043】
次いで、下地層905の全面を覆うように感光性ドライフィルムを接合し、露光・現像を行うことによって、パターニングを行う。感光性ドライフィルムのうち露光により除去された部分から下地層905が露出する。次いで、
図12に示すように、露出した下地層905に接するめっき層906を形成する。めっき層906は、Cuにより構成され、下地層905を導電経路とした電解めっきにより形成される。
【0044】
次いで、
図13に示すように、めっき層906に覆われていない不要な下地層905を全て除去する。不要な下地層905は、たとえばウェットエッチングにより除去される。下地層905が除去された部分から、絶縁層903が露出する。互いに積層された下地層905およびめっき層906は一体となっており、以下では、孔904に形成された部分をビアホール907aとし、絶縁層903の主面903aおよび裏面903bに形成された部分を配線パターン907bとする。ビアホール907aがビアホール211~214、221~225になり、配線パターン907bが配線パターン311,312、321~324になる。
【0045】
次いで、
図14に示すように、絶縁層903の主面903aおよび裏面903bと配線パターン907bとを覆う絶縁膜908を形成する。本実施形態にかかる絶縁膜908は、フォトリソグラフィにより形成される。まず、絶縁層903の主面903aおよび裏面903bと配線パターン907bの全体を覆うように、ソルダーレジストを塗布する。次いで、露光・現像を行うことによって、パターニングを行う。これにより、所定の位置に開口部908aが形成された絶縁膜908が形成される。絶縁膜908が絶縁膜8になる。
【0046】
次いで、絶縁膜908の開口部908aに無電解めっきにより各電極を形成する。次いで、リードフレーム900、絶縁層903および絶縁膜908を、x方向およびy方向に平行な図示しない切断線に沿って切断することによって個片に分割する。当該工程において分割された個片が半導体装置A1となる。以上の工程を経ることにより、上述した半導体装置A1が得られる。なお、半導体装置A1の製造方法は、上述したものに限定されない。
【0047】
次に、半導体装置A1の作用効果について説明する。
【0048】
本実施形態によると、半導体装置A1において、半導体素子6aが第1リード11の主面111に搭載され、半導体素子6bが第1リード11の裏面112に搭載されている。したがって、半導体素子6aおよび半導体素子6bが第1リード11の同じ面に並べて搭載されている場合と比較して、半導体素子6a,6bを表面積(z方向に直交する面の面積)の大きいものとすることができる。これにより、MOSFETである半導体素子6a,6bのオン抵抗を小さくすることができる。また、半導体素子6a,6bの表面積が同じであれば、半導体素子6a,6bを同じ面に並べて搭載する場合と比較して、半導体装置A1の表面積を小さくできる。
【0049】
また、本実施形態によると、半導体素子6aの素子第1電極63、および、半導体素子6bの素子第1電極63は、どちらも第1リード11に電気的に接続されている。したがって、2個の半導体素子6a,6bのドレイン電極同士が接続されたドレイン共通回路を構成することができる。
【0050】
また、本実施形態によると、第5電極45は、配線パターン322、ビアホール224、第4リード14、ビアホール214、配線パターン312、およびビアホール212を介して、半導体素子6aの素子第3電極65(ゲート電極)に導通し、また、配線パターン322およびビアホール222を介して、半導体素子6bの素子第3電極65(ゲート電極)に導通している。したがって、制御信号を第5電極45に入力することで、半導体素子6aおよび半導体素子6bの両方を同時に制御することができる。
【0051】
図15に基づき、本開示の第2実施形態にかかる半導体装置A2について説明する。
図15において、先述した半導体装置A1と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図15は、半導体装置A2の模式的な断面を示す図であり、第1実施形態にかかる半導体装置A1の
図3に相当する図である。
【0052】
本実施形態にかかる半導体装置A2は、半導体素子6aの素子第3電極65と半導体素子6bの素子第3電極65とが導通していない点で、第1実施形態にかかる半導体装置A1と異なる。本実施形態にかかる配線パターン322は、ビアホール224に接していない。また、半導体装置A2は、配線パターン325および第6電極46をさらに備えている。
【0053】
配線パターン325は、配線パターン321~324と同様のものであり、絶縁層裏面72において配線パターン321~324から離間して形成されている。配線パターン325は、ビアホール224および第5電極45に接し、ビアホール224と第5電極45とを電気的に接続している。第6電極46は、第5電極45と同様のものであり、配線パターン322に接し導通している。本実施形態において、第5電極45は、配線パターン325、ビアホール224、第4リード14、ビアホール214、配線パターン312、およびビアホール212を介して、半導体素子6aの素子第3電極65(ゲート電極)に導通しているが、半導体素子6bの素子第3電極65(ゲート電極)に導通していない。一方、第6電極46は、配線パターン322およびビアホール222を介して、半導体素子6bの素子第3電極65(ゲート電極)に導通している。したがって、第5電極45は半導体素子6aのゲート端子として機能し、第6電極46は半導体素子6bのゲート端子として機能する。
【0054】
本実施形態においても、半導体素子6aが第1リード11の主面111に搭載され、半導体素子6bが第1リード11の裏面112に搭載されている。したがって、半導体素子6aおよび半導体素子6bが第1リード11の同じ面に並べて搭載されている場合と比較して、半導体素子6a,6bを表面積(z方向に直交する面の面積)の大きいものとすることができる。また、本実施形態においても、半導体素子6aの素子第1電極63、および、半導体素子6bの素子第1電極63は、どちらも第1リード11に電気的に接続されている。したがって、2個の半導体素子6a,6bのドレイン電極同士が接続されたドレイン共通回路を構成することができる。
【0055】
また、本実施形態によると、第5電極45が半導体素子6aの素子第3電極65(ゲート電極)に導通し、第6電極46が半導体素子6bの素子第3電極65(ゲート電極)に導通し、第5電極45と第6電極46とは導通していない。したがって、第5電極45と第6電極46とで異なる制御信号を入力することができるので、半導体素子6aおよび半導体素子6bは個別に制御可能である。
【0056】
なお、半導体装置A2は、配線パターン321~325を備えず、第1電極41がビアホール223に直接接し、第2電極42がビアホール225に直接接し、第3電極43がビアホール221に直接接し、第5電極45がビアホール224に直接接し、第6電極46がビアホール222に直接接してもよい。この場合、絶縁層裏面72に配線パターン321~325を形成する必要がないので、配線パターン形成のための材料の削減が可能である。
【0057】
図16に基づき、本開示の第3実施形態にかかる半導体装置A3について説明する。
図16において、先述した半導体装置A1と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図16は、半導体装置A3の模式的な断面を示す図であり、第1実施形態にかかる半導体装置A1の
図3に相当する図である。
【0058】
本実施形態にかかる半導体装置A3は、第1リード11の裏面112が凹部114を備え、半導体素子6bが凹部114に配置されている点で、第1実施形態にかかる半導体装置A1と異なる。
【0059】
凹部114は、第1リード11の裏面112に形成され、主面111側に凹んだ凹部であり、裏面112に平行な底面114aを備える。凹部114は、例えばハーフエッチング処理によって形成される。半導体素子6bは、凹部114に配置されており、素子裏面62と底面114aとが対向する姿勢で、導電性接合層51を介して第1リード11に接合されている。
【0060】
本実施形態においても、半導体素子6aが第1リード11の主面111に搭載され、半導体素子6bが第1リード11の裏面112に搭載されている。したがって、半導体素子6aおよび半導体素子6bが第1リード11の同じ面に並べて搭載されている場合と比較して、半導体素子6a,6bを表面積(z方向に直交する面の面積)の大きいものとすることができる。
【0061】
また、本実施形態によると、半導体素子6bが第1リード11の裏面112に形成された凹部114の底面114aに配置されている。したがって、底面114aから絶縁層裏面72までの距離t1が、第1実施形態における裏面112から絶縁層裏面72までの距離と同じ距離である場合、半導体装置A3の厚さ(z方向の寸法)は半導体装置A1の厚さより薄い。つまり、半導体装置の薄型化に寄与する。また、裏面112から絶縁層裏面72までの距離t2は第1実施形態の場合より小さいので、ビアホール223~225の高さ(z方向の寸法)は、第1実施形態の場合より低い。したがって、ビアホール223~225の抵抗値が低減される。また、ビアホール223~225を形成するための材料の削減が可能である。さらに、ビアホール223~225を形成するために絶縁層裏面72から穿設される孔の深さが浅くなる。これにより、穿設により生じる欠陥が抑制される。
【0062】
なお、半導体装置A3は、裏面112に凹部114を備える代わりに、主面111に凹部115を備えてもよい。この場合、凹部115は、第1リード11の主面111に形成され、裏面112側に凹んだ凹部であり、主面111に平行な底面115aを備える。半導体素子6aは、凹部115に配置されており、素子裏面62と底面115aとが対向する姿勢で、導電性接合層51を介して第1リード11に接合されている。当該変形例においても、底面115aから絶縁層主面71までの距離が、第1実施形態における主面111から絶縁層主面71までの距離と同じ距離である場合、半導体装置A3の厚さ(z方向の寸法)は半導体装置A1の厚さより薄い。つまり、半導体装置の薄型化に寄与する。また、主面111から絶縁層主面71までの距離は、第1実施形態の場合より小さいので、ビアホール213,214の高さ(z方向の寸法)は、第1実施形態の場合より低い。したがって、ビアホール213,214を形成するために絶縁層主面71から穿設される孔の深さが浅くなる。これにより、穿設のための工程にかかる時間が短縮される。また、ビアホール213,214を形成するための材料の削減が可能である。なお、半導体装置A3は、裏面112が凹部114を備え、半導体素子6bが凹部114に配置され、かつ、主面111が凹部115を備え、半導体素子6aが凹部115に配置されてもよい。
【0063】
図17に基づき、本開示の第4実施形態にかかる半導体装置A4について説明する。
図17において、先述した半導体装置A1と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図17は、半導体装置A4の模式的な断面を示す図であり、第1実施形態にかかる半導体装置A1の
図3に相当する図である。
【0064】
本実施形態にかかる半導体装置A4は、各電極が裏面側だけでなく、主面側(絶縁層7の絶縁層主面71側)にも配置されている点で、第1実施形態にかかる半導体装置A1と異なる。半導体装置A4は、第5リード15と、ビアホール215,216,226と、配線パターン313,314と、第1電極41a、第2電極42a、第3電極43a、および第5電極45aとをさらに備えている。
【0065】
第5リード15は、第4リード14と同様のものであり、第1リード11、第3リード13、および第4リード14から離間して配置されている。第5リード15は、主面151、裏面152、および端面153(図示なし)を備える。主面151および裏面152は、z方向において互いに反対側を向いている。主面151は、
図17の上方を向く面である。裏面152は、
図17の下方を向く面である。端面153は、リードフレームにおいて第5リード15とフレームとを繋いでいたタイバーを切断して形成された切断面である。端面153は、絶縁層7から露出している。
図17に示すように、第5リード15の主面151は、第1リード11の主面111、第3リード13の主面131、および第4リード14の主面141と面一である。また、第5リード15の裏面152は、第1リード11の裏面112、第3リード13の裏面132、および第4リード14の裏面142と面一である。
【0066】
ビアホール215,216は、ビアホール211~214と同様のものであり、絶縁層7の絶縁層主面71に開口してz方向に延びている。
図17に示すように、ビアホール215は、第1リード11の主面111に接し、第1リード11に導通している。ビアホール216は、第5リード15の主面151に接し、第5リード15に導通している。ビアホール226は、ビアホール221~225と同様のものであり、絶縁層7の絶縁層裏面72に開口してz方向に延びている。
図17に示すように、ビアホール226は、第5リード15の裏面152に接し、第5リード15に導通している。
【0067】
配線パターン313,314は、配線パターン311,312と同様のものであり、絶縁層主面71に形成され、配線パターン311,312から離間して配置されている。
図17に示すように、配線パターン313は、ビアホール215に接し導通している。配線パターン314は、ビアホール216に接し導通している。
図17においては表れていないが、配線パターン311は、ビアホール211に接している部分とビアホール213に接している部分とが絶縁層主面71上で繋がっている。同様に、配線パターン312は、ビアホール212に接している部分とビアホール214に接している部分とが絶縁層主面71上で繋がっている。また、
図17においては表れていないが、配線パターン321は、ビアホール221に接している部分とビアホール226に接している部分とが絶縁層裏面72上で繋がっている。同様に、配線パターン322は、ビアホール222に接している部分とビアホール224に接している部分とが絶縁層裏面72上で繋がっている。
【0068】
第1電極41a、第2電極42a、第3電極43a、および第5電極45aは、第1電極41、第2電極42、第3電極43、および第5電極45と同様のものであり、半導体装置A4における主面側に配置されている。第1電極41aは、配線パターン311に接し導通している。第2電極42aは、配線パターン313に接し導通している。第3電極43aは、配線パターン314に接し導通している。第5電極45aは、配線パターン312に接し導通している。第1電極41aは、配線パターン311に導通しているので、第1電極41と導通し、半導体素子6aのソース端子として機能する。第2電極42aは、配線パターン313およびビアホール215を介して、第1リード11に導通している。したがって、第2電極42aは、第2電極42と導通し、半導体素子6aおよび半導体素子6bのドレイン端子として機能する。第3電極43aは、配線パターン314、ビアホール216、第5リード15、およびビアホール226を介して、配線パターン321に導通している。したがって、第3電極43aは、第3電極43と導通し、半導体素子6bのソース端子として機能する。第5電極45aは、配線パターン312に導通しているので、第5電極45に導通し、半導体素子6aおよび半導体素子6bのゲート端子として機能する。
【0069】
本実施形態においても、半導体素子6aが第1リード11の主面111に搭載され、半導体素子6bが第1リード11の裏面112に搭載されている。したがって、半導体素子6aおよび半導体素子6bが第1リード11の同じ面に並べて搭載されている場合と比較して、半導体素子6a,6bを表面積(z方向に直交する面の面積)の大きいものとすることができる。また、本実施形態によると、第1電極41a、第2電極42a、第3電極43a、および第5電極45aが半導体装置A4における主面側に配置されている。各電極が主面側および裏面側に配置されているので、半導体装置A4の主面側にパッシブ素子などを実装するなど、回路基板に実装するときの自由度が増加する。なお、第1電極41a、第2電極42a、第3電極43a、および第5電極45aは全てが配置されていなくてもよく、必要なものだけが配置されていてもよい。また、第1電極41、第2電極42、第3電極43、および第5電極45も全てが配置されている必要はない。
【0070】
図18~
図21に基づき、本開示の第5実施形態にかかる半導体装置A5について説明する。
図18~
図21において、先述した半導体装置A1と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図18は、半導体装置A5を示す回路図であり、第1実施形態にかかる半導体装置A1の
図2に相当する図である。
図19は、半導体装置A5の模式的な断面を示す図であり、第1実施形態にかかる半導体装置A1の
図3に相当する図である。
図20~
図21は、半導体装置A5を示す平面図であり、それぞれ一部を透過させている。
図20は、第1実施形態にかかる半導体装置A1の
図5に相当する図である。
図21は、第1実施形態にかかる半導体装置A1の
図6に相当する図である。なお、第1実施形態にかかる半導体装置A1の
図4に相当する図は、
図4と同様なので省略する。
【0071】
本実施形態にかかる半導体装置A5は、2個の半導体素子6a,6bのドレイン電極同士が接続されたドレイン共通回路ではなく、ソース電極同士が接続されたソース共通回路である(
図18参照)点で、第1実施形態にかかる半導体装置A1と異なる。半導体装置A5は、
図19~
図22に示すように、第2リード12と、絶縁性接合層52と、ビアホール226と、配線パターン325と、第4電極44とをさらに備えている。
【0072】
本実施形態にかかる第1リード11は、
図20に示すように、z方向視において、半導体装置A1のy方向の中央で、x方向の中央より一方側(
図20においては左側)に配置されている。また、第1リード11は、半導体素子6a,6bを支持するとともに、半導体素子6aと導通し、半導体素子6bとは導通していない。
【0073】
第2リード12は、第1リード11と同様のものであり、第1リード11、第3リード13、および第4リード14から離間して配置されている。第2リード12は、
図20に示すように、z方向視において、半導体装置A1のy方向の中央で、x方向の中央より他方側(
図20においては右側)に配置されている。つまり、本実施形態にかかる第1リード11および第2リード12は、第1実施形態にかかる第1リード11を、x方向の中央で2つに分離したものに相当する。また、第2リード12は、半導体素子6a,6bを支持するとともに、半導体素子6bと導通し、半導体素子6aとは導通していない。なお、第1リード11、第2リード12、第3リード13および第4リード14の配置、形状、大きさは一例であって、これに限定されず、適宜設計される。第2リード12は、主面121、裏面122、および端面123を備える。主面121および裏面122は、z方向において互いに反対側を向いている。主面121は、
図19の上方を向く面である。主面121は、半導体素子6aが搭載される面である。裏面122は、
図19の下方を向く面である。裏面122は、半導体素子6bが搭載される面である。端面123は、リードフレームにおいて第2リード12とフレームとを繋いでいたタイバーを切断して形成された切断面である。端面123は、絶縁層7から露出している。
図19に示すように、第2リード12の主面121は、第1リード11の主面111、第3リード13の主面131、および第4リード14の主面141と面一である。また、第2リード12の裏面122は、第1リード11の裏面112、第3リード13の裏面132、および第4リード14の裏面142と面一である。
【0074】
本実施形態にかかる半導体素子6a,6bは、
図19に示すように、第1リード11と第2リード12とに跨って搭載されている。半導体素子6aは、素子裏面62と主面111および主面121とが対向する姿勢で、導電性接合層51を介して第1リード11に接合され、絶縁性接合層52を介して第2リード12に接合されている。これにより、半導体素子6aの素子第1電極63は、導電性接合層51を介して、第1リード11に電気的に接続されている。一方、半導体素子6aの素子第1電極63と第2リード12との間には絶縁性接合層52が介在しているので、半導体素子6aの素子第1電極63と第2リード12とは導通していない。半導体素子6bは、素子裏面62と裏面112および裏面122とが対向する姿勢で、導電性接合層51を介して第2リード12に接合され、絶縁性接合層52を介して第1リード11に接合されている。これにより、半導体素子6bの素子第1電極63は、導電性接合層51を介して、第2リード12に電気的に接続されている。一方、半導体素子6bの素子第1電極63と第1リード11との間には絶縁性接合層52が介在しているので、半導体素子6bの素子第1電極63と第1リード11とは導通していない。
【0075】
絶縁性接合層52は、
図19に示すように、半導体素子6aと第2リード12との間、および、半導体素子6bと第1リード11との間に介在する絶縁体である。導電性接合層51および絶縁性接合層52によって、半導体素子6a,6bは第1リード11および第2リード12に接合される。導電性接合層51によって、半導体素子6aの素子第1電極63と第1リード11との導通が確保され、半導体素子6bの素子第1電極63と第2リード12との導通が確保される。一方、絶縁性接合層52によって、半導体素子6aの素子第1電極63と第2リード12との絶縁が確保され、半導体素子6bの素子第1電極63と第1リード11との絶縁が確保される。絶縁性接合層52は、絶縁性接合材を塗布して熱硬化させることで形成される。絶縁性接合材は、たとえばソルダーレジストである。なお、絶縁性接合材は、その他の合成樹脂などの材料であってもよい。また、絶縁性接合層52の形成方法は限定されず、絶縁性接合層52は絶縁性を有する材料からなればよい。
【0076】
ビアホール226は、ビアホール221~225と同様のものであり、絶縁層7の絶縁層裏面72に開口してz方向に延びている。
図19および
図20に示すように、ビアホール226は、第2リード12の裏面122に接し、第2リード12に導通している。
【0077】
配線パターン325は、配線パターン321,322,324と同様のものであり、絶縁層裏面72に形成され、配線パターン321,322,324から離間して配置されている。
図19および
図21に示すように、配線パターン325は、ビアホール226に接し導通している。
図21に示すように、本実施形態においては、配線パターン323が形成されておらず、配線パターン321が、ビアホール223に接し導通している。
図19において離れて示されている、配線パターン321のビアホール221に接している部分とビアホール223に接している部分とは、
図21に示すように、絶縁層裏面72上で繋がっている。同様に、配線パターン322のビアホール222に接している部分とビアホール224に接している部分とは、絶縁層裏面72上で繋がっている。
【0078】
第4電極44は、第1電極41、第2電極42、第3電極43、および第5電極45と同様のものであり、半導体装置A5における裏面側に配置されている。
図19および
図21に示すように、第4電極44は、配線パターン325に接し導通している。第4電極44は、配線パターン325、ビアホール226、第2リード12を介して、半導体素子6bの素子第1電極63(ドレイン電極)に導通している。したがって、第4電極44は、半導体素子6bのドレイン端子として機能する。
【0079】
第2電極42は、配線パターン324、ビアホール225、および第1リード11を介して、半導体素子6aの素子第1電極63(ドレイン電極)に導通している。したがって、第2電極42は、半導体素子6aのドレイン端子として機能する。つまり、本実施形態においては、第1実施形態と異なり、2個の半導体素子6a,6bのドレイン電極は共通していない。
【0080】
第1電極41は、配線パターン321、ビアホール223、第3リード13、ビアホール213、配線パターン311、およびビアホール211を介して、半導体素子6aの素子第2電極64(ソース電極)に導通している。また、第1電極41は、配線パターン321、ビアホール221を介して、半導体素子6bの素子第2電極64(ソース電極)に導通している。したがって、第1電極41は、半導体素子6aおよび半導体素子6bのソース端子として機能する。半導体装置A1は、2個の半導体素子6a,6bのソース電極同士が接続されたソース共通回路(
図18参照)になっている。
【0081】
本実施形態においても、半導体素子6aが第1リード11の主面111に搭載され、半導体素子6bが第1リード11の裏面112に搭載されている。したがって、半導体素子6aおよび半導体素子6bが第1リード11の同じ面に並べて搭載されている場合と比較して、半導体素子6a,6bを表面積(z方向に直交する面の面積)の大きいものとすることができる。
【0082】
また、本実施形態によると、第1電極41は、配線パターン321、ビアホール223、第3リード13、ビアホール213、配線パターン311、およびビアホール211を介して、半導体素子6aの素子第2電極64(ソース電極)に導通し、また、配線パターン321およびビアホール221を介して、半導体素子6bの素子第2電極64(ソース電極)に導通している。半導体素子6aの素子第1電極63(ドレイン電極)は、導電性接合層51によって第1リード11に導通し、絶縁性接合層52によって第2リード12と絶縁される。また、半導体素子6bの素子第1電極63(ドレイン電極)は、導電性接合層51によって第2リード12に導通し、絶縁性接合層52によって第1リード11と絶縁される。これにより、半導体素子6aの素子第1電極63と半導体素子6bの素子第1電極63とは絶縁されて、2個の半導体素子6a,6bのドレイン電極は共通していない。したがって、2個の半導体素子6a,6bのソース電極同士が接続されたソース共通回路を構成することができる。
図18に示すように、半導体装置A5において、共通となるソース端子(第1電極41)がグランドに接続されることで、各ゲート端子(第5電極45)に入力される制御信号の電圧が低くても、各MOSFET(半導体素子6a,6b)は駆動可能になる。したがって、制御信号の電圧を昇圧するための昇圧回路は必要ない。
【0083】
図22および
図23に基づき、本開示の第6実施形態にかかる半導体装置A6について説明する。
図22および
図23において、先述した半導体装置A1と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図22は、半導体装置A6を示す回路図であり、第1実施形態にかかる半導体装置A1の
図2に相当する図である。
図23は、半導体装置A6の模式的な断面を示す図であり、第1実施形態にかかる半導体装置A1の
図3に相当する図である。
【0084】
本実施形態にかかる半導体装置A6は、2個の半導体素子6a,6bのドレイン電極同士が接続されたドレイン共通回路ではなく、半導体素子6aのソース電極と半導体素子6bのドレイン電極とを接続させた回路である(
図22参照)点で、第1実施形態にかかる半導体装置A1と異なる。半導体装置A6は、たとえばインバータのブリッジ回路などに用いられる(
図22参照)。半導体装置A6は、
図23に示すように、絶縁性接合層52と、配線パターン325と、第6電極46とをさらに備えている。
【0085】
本実施形態にかかる第3リード13は、半導体素子6bを支持するとともに、半導体素子6bと導通している。本実施形態にかかる半導体素子6bは、
図23に示すように、第1リード11と第3リード13とに跨って搭載されている。半導体素子6bは、素子裏面62と裏面112および裏面132とが対向する姿勢で、導電性接合層51を介して第3リード13に接合され、絶縁性接合層52を介して第1リード11に接合されている。これにより、半導体素子6bの素子第1電極63は、導電性接合層51を介して、第3リード13に電気的に接続されている。一方、半導体素子6bの素子第1電極63と第1リード11との間には絶縁性接合層52が介在しているので、半導体素子6bの素子第1電極63と第1リード11とは導通していない。絶縁性接合層52は、第5実施形態にかかる絶縁性接合層52と同様のものであり、
図23に示すように、半導体素子6bと第1リード11との間に介在する絶縁体である。半導体素子6bは導電性接合層51によって第3リード13に接合され、導電性接合層51によって、半導体素子6bの素子第1電極63と第3リード13との導通が確保される。また、半導体素子6bは絶縁性接合層52によって第1リード11に接合され、絶縁性接合層52によって、半導体素子6bの素子第1電極63と第1リード11との絶縁が確保される。
【0086】
配線パターン325は、配線パターン321~324と同様のものであり、絶縁層裏面72において配線パターン321~324から離間して形成されている。配線パターン325は、ビアホール224および第5電極45に接し、ビアホール224と第5電極45とを電気的に接続している。第6電極46は、第1電極41、第2電極42、第3電極43、および第5電極45と同様のものであり、配線パターン322に接し導通している。本実施形態において、第5電極45は、配線パターン325、ビアホール224、第4リード14、ビアホール214、配線パターン312、およびビアホール212を介して、半導体素子6aの素子第3電極65(ゲート電極)に導通しているが、半導体素子6bの素子第3電極65(ゲート電極)に導通していない。一方、第6電極46は、配線パターン322およびビアホール222を介して、半導体素子6bの素子第3電極65(ゲート電極)に導通している。したがって、第5電極45は半導体素子6aのゲート端子として機能し、第6電極46は半導体素子6bのゲート端子として機能する。
【0087】
第1電極41は、配線パターン323、ビアホール223、第3リード13、ビアホール213、配線パターン311、およびビアホール211を介して、半導体素子6aの素子第2電極64(ソース電極)に導通している。また、第1電極41は、配線パターン323、ビアホール223、および第3リード13を介して、半導体素子6bの素子第1電極63(ドレイン電極)に導通している。したがって、第1電極41は、半導体素子6aのソース端子として機能し、かつ、半導体素子6bのドレイン端子として機能する。半導体装置A6は、半導体素子6aのソース電極と半導体素子6bのドレイン電極とを接続させた回路(
図22参照)になっている。
【0088】
本実施形態においても、半導体素子6aが第1リード11の主面111に搭載され、半導体素子6bが第1リード11の裏面112に搭載されている。したがって、半導体素子6aおよび半導体素子6bが第1リード11の同じ面に並べて搭載されている場合と比較して、半導体素子6a,6bを表面積(z方向に直交する面の面積)の大きいものとすることができる。
【0089】
また、本実施形態によると、第1電極41は、配線パターン323、ビアホール223、第3リード13、ビアホール213、配線パターン311、およびビアホール211を介して、半導体素子6aの素子第2電極64(ソース電極)に導通し、また、配線パターン323、ビアホール223、および第3リード13を介して、半導体素子6bの素子第1電極63(ドレイン電極)に導通している。したがって、半導体素子6aのソース電極と半導体素子6bのドレイン電極とを接続させた回路を構成することができる。
【0090】
また、本実施形態によると、第5電極45が半導体素子6aの素子第3電極65(ゲート電極)に導通し、第6電極46が半導体素子6bの素子第3電極65(ゲート電極)に導通し、第5電極45と第6電極46とは導通していない。したがって、第5電極45と第6電極46とで異なる制御信号を入力することができるので、半導体素子6aおよび半導体素子6bは個別に制御可能である。
【0091】
また、本実施形態によると、半導体素子6aの素子第2電極64(ソース電極)と半導体素子6bの素子第1電極63(ドレイン電極)との間の寄生インダクタンスを低減できる。
【0092】
図24に基づき、本開示の第7実施形態にかかる半導体装置A7について説明する。
図24において、先述した半導体装置A1と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図24は、半導体装置A7を示す回路図であり、第1実施形態にかかる半導体装置A1の
図2に相当する図である。
【0093】
本実施形態にかかる半導体装置A7は、2個の半導体素子6a,6bがP型MOSFETである点で、第1実施形態にかかる半導体装置A1と異なる。なお、半導体装置A7の構造は第1実施形態にかかる半導体装置A1と同様である。したがって、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0094】
図25に基づき、本開示の第8実施形態にかかる半導体装置A8について説明する。
図25において、先述した半導体装置A2と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図25は、半導体装置A8を備えるモータ駆動回路を示す回路図である。
【0095】
本実施形態にかかる半導体装置A8は、半導体素子6aがP型MOSFETであり、半導体素子6bがN型MOSFETである点で、第1実施形態にかかる半導体装置A1と異なる。なお、半導体装置A8の構造は第2実施形態にかかる半導体装置A2と同様である。
図25に示すモータ駆動回路は、2個の半導体装置A8を備えている。一方の半導体装置A8の共通ドレイン端子である第2電極42(
図15参照)と、他方の半導体装置A8の第2電極42との間にモータが接続されている。各半導体装置A8の半導体素子6aのソース電極が接続されたソース端子である第1電極41(
図153参照)には電圧Vinが入力され、各半導体装置A8の半導体素子6bのソース電極が接続されたソース端子である第3電極43(
図153参照)は接地されている。一方の半導体装置A8の半導体素子6aのゲート電極が接続されたゲート端子である第5電極45(
図15参照)、一方の半導体装置A8の半導体素子6bのゲート電極が接続されたゲート端子である第6電極46(
図15参照)、他方の半導体装置A8の半導体素子6aのゲート電極が接続されたゲート端子である第5電極45、および、他方の半導体装置A8の半導体素子6bのゲート電極が接続されたゲート端子である第6電極46に、それぞれ駆動信号が入力される。
【0096】
半導体装置A8の構造は第2実施形態にかかる半導体装置A2と同様なので、本実施形態においても、第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0097】
第7実施形態および第8実施形態に示すように、半導体素子6a,6bは、それぞれ、N型MOSFETであってもよいし、P型MOSFETであってもよい。
【0098】
図26に基づき、本開示の第9実施形態にかかる半導体装置A9について説明する。
図26において、先述した半導体装置A1と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図26は、半導体装置A9の模式的な断面を示す図であり、第1実施形態にかかる半導体装置A1の
図3に相当する図である。
【0099】
本実施形態にかかる半導体装置A9は、2個の半導体素子6a,6bがダイオードである点で、第1実施形態にかかる半導体装置A1と異なる。半導体装置A9は、
図26に示すように、第4リード14と、ビアホール212,214,222,224と、配線パターン312,322と、第5電極45とを備えていない。
【0100】
半導体素子6a,6bは、ダイオードであり、カソード電極である素子第1電極63が素子裏面62に配置されており、アノード電極である素子第2電極64が素子主面61に配置されている。素子第3電極65は配置されていない。したがって、半導体装置A9は、第1実施形態にかかる半導体装置A1において素子第3電極65の導電経路として機能したビアホール212,214,222,224、配線パターン312,322、および第5電極45を備えていない。
【0101】
第1電極41は、半導体素子6aの素子第2電極64(アノード電極)に導通しているので、半導体素子6aのアノード端子として機能する。第3電極43は、半導体素子6bの素子第2電極64(アノード電極)に導通しているので、半導体素子6bのアノード端子として機能する。第2電極42は、半導体素子6aの素子第1電極63(カソード電極)、および、半導体素子6bの素子第1電極63(カソード電極)に導通しているので、半導体素子6aおよび半導体素子6bのカソード端子として機能する。半導体装置A9は、2個の半導体素子6a,6bのカソード電極同士が接続されたカソード共通回路になっている。なお、半導体装置A9は、半導体素子6a,6bの素子主面61を第1リード11に対向させて接合したアノード共通回路であってもよい。
【0102】
本実施形態においても、半導体素子6aが第1リード11の主面111に搭載され、半導体素子6bが第1リード11の裏面112に搭載されている。したがって、半導体素子6aおよび半導体素子6bが第1リード11の同じ面に並べて搭載されている場合と比較して、半導体素子6a,6bを表面積(z方向に直交する面の面積)の大きいものとすることができる。
【0103】
本開示にかかる半導体装置は、先述した実施形態に限定されるものではない。本開示にかかる半導体装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。