(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】水中油型乳化化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/06 20060101AFI20240829BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20240829BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20240829BHJP
A61K 8/63 20060101ALI20240829BHJP
A61K 8/67 20060101ALI20240829BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240829BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
A61K8/06
A61K8/37
A61K8/39
A61K8/63
A61K8/67
A61K8/81
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2023107708
(22)【出願日】2023-06-30
【審査請求日】2023-11-01
【審判番号】
【審判請求日】2024-05-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年6月13日、https://www.cosme.com/products/detail.php?product_id=298923 令和5年6月13日、https://www.cosme.com/products/detail.php?product_id=298921 令和5年6月14日、https://www.amazon.co.jp/%E3%81%A1%E3%81%B5%E3%82%8C-%E3%80%90%E5%8C%BB%E8%96%AC%E9%83%A8%E5%A4%96%E5%93%81%E3%80%91%E3%81%A1%E3%81%B5%E3%82%8C-%E8%96%AC%E7%94%A8%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0/dp/B0C84G8Z52/ref=sr_1_2?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=2HG8UQS5DCX8D&keywords=%E3%81%A1%E3%81%B5%E3%82%8C+%E8%96%AC%E7%94%A8%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AB&qid=1687855739&sprefix=%E3%81%A1%E3%81%B5%E3%82%8C%E8%96%AC%E7%94%A8%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AB%2Caps%2C156&sr=8-2
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年6月14日、https://www.amazon.co.jp/%E3%81%A1%E3%81%B5%E3%82%8C-%E3%80%90%E5%8C%BB%E8%96%AC%E9%83%A8%E5%A4%96%E5%93%81%E3%80%91%E3%81%A1%E3%81%B5%E3%82%8C-%E8%96%AC%E7%94%A8%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0%EF%BC%88%E8%A9%B0%E6%9B%BF%E7%94%A8%EF%BC%89/dp/B0C8471G15/ref=sr_1_3?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=2HG8UQS5DCX8D&keywords=%E3%81%A1%E3%81%B5%E3%82%8C+%E8%96%AC%E7%94%A8%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AB&qid=1687855739&sprefix=%E3%81%A1%E3%81%B5%E3%82%8C%E8%96%AC%E7%94%A8%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AB%2Caps%2C156&sr=8-3
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年6月26日、https://www.chifure.co.jp/products/allinone/2553 令和5年6月27日、https://noin.shop/items/1664493646566659919 令和5年6月27日、https://noin.shop/items/1664493646885427024 令和5年6月26日、https://lipscosme.com/products/557390 令和5年6月28日、https://lohaco.yahoo.co.jp/store/h-lohaco/item/ej06898/ 令和5年6月28日、https://lohaco.yahoo.co.jp/store/h-lohaco/item/ej06895 令和5年6月29日、https://item.rakuten.co.jp/kenkocom/4974972255316/ 令和5年6月29日、https://item.rakuten.co.jp/rakuten24-cosmetics/4974972255316/ 令和5年6月29日、https://item.rakuten.co.jp/kenkocom/4974972255415/ 令和5年6月29日、https://item.rakuten.co.jp/rakuten24-cosmetics/4974972255415/ 令和5年6月30日、https://www.magaseek.com/product/detail/id_505410909-mc_000 令和5年6月30日、https://www.magaseek.com/product/detail/id_505410910-mc_000 令和5年5月10日、https://www.chifuregrp.co.jp/news/pdf/230510.pdf 令和5年5月10日、https://www.chifure.co.jp/news/pdf/230510.pdf
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595048544
【氏名又は名称】ちふれホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149032
【氏名又は名称】森本 敏明
(72)【発明者】
【氏名】下田 良平
(72)【発明者】
【氏名】瀬田 みなみ
(72)【発明者】
【氏名】階堂 睦子
【合議体】
【審判長】瀬良 聡機
【審判官】松元 麻紀子
【審判官】阪野 誠司
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-103138号公報
【文献】特開2016-183152号公報
【文献】特開2021-161112号公報
【文献】特開2019-210216号公報
【文献】特開2022-138175号公報
【文献】国際公開第2020/158908号
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00-8/99
A61Q1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ナイアシンアミドと、
(b)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体のみからなる乳化剤と、
(c)ステロール系抱水性油剤及びジペンタエリトリット系抱水性油剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の抱水性油剤と、
(d)
IOBが0.1以上である極性油と
を含み、かつ
前記成分(c)の含有量に対する前記成分(d)の含有量の割合が2.0未満であり、
前記成分(c)の含有量及び前記成分(d)の含有量の合計が10.0質量%~30.0質量%であり、かつ
ワセリン、スクワラン、流動パラフィン及び流動イソパラフィンからなる群から選ばれる炭化水素油の含有量は成分(c)の含有量及び成分(d)の含有量の合計量に対して5質量%以下である、
水中油型乳化化粧料。
【請求項2】
前記ステロール系抱水性油剤はN-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2-オクチルドデシル)及び吸着精製ラノリンからなる群から選ばれる少なくとも1種のステロール系抱水性油剤であり、及び/又は前記ジペンタエリトリット系抱水性油剤はジペンタエリトリット脂肪酸エステル(2)、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(1)及びトリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルからなる群から選ばれる少なくとも1種のジペンタエリトリット系抱水性油剤である、請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項3】
前記極性油はトリ2-エチルヘキサン酸グリセリル及びテトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリットからなる群から選ばれる少なくとも1種の極性油である、請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型乳化化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
水中油型乳化化粧料は、連続相が水相であり、しっとりとした使用感を有しながら、含有する油分により、皮膚に対して適度に水分を保持する水分保持作用及び生体内部の水分が失われないようにする水分バリア作用といった保湿作用を備える。
【0003】
また、水中油型乳化化粧料に機能性成分を加えれば、保湿作用とともに生理活性作用を付与することができる。このような機能性成分の一つに、ナイアシンアミドがある。ナイアシンアミドは、ニコチン酸アミドともよばれ、水溶性ビタミン類の一種であり、これまでスキンケア領域において、血行促進活性、抗炎症活性、セラミド合成促進活性、美白作用、シワ改善作用などを示す機能性成分として幅広く使用されている。
【0004】
近年では、ナイアシンアミドの多様な生理活性作用を効果的に発揮させるべく、高濃度でナイアシンアミドを配合するような処方設計が試みられている。しかし、ナイアシンアミドを高濃度で配合するものは、皮膚刺激を惹起し、べたつくことから、使用感が低下するという問題が生じる。
【0005】
ナイアシンアミドによる使用感の低下を補うために、油性成分を利用することが考えられる。ナイアシンアミドを含有する水中油型乳化化粧料は、ナイアシンアミドによる生理活性機能及び油性成分による使用感を兼ね備えたものとして期待される。
【0006】
ところで、一般的な水中油型乳化化粧料を製造するために、低分子の乳化剤が用いられている。しかし、低分子の乳化剤は、ナイアシンアミドと同様に、皮膚刺激を惹起し、べたつくことから、使用感が低下するという問題を生じる場合がある。このような問題は、低分子の乳化剤と同時に、又はこれに代えて、高分子である会合性増粘剤を用いることにより解消する。会合性増粘剤は、肌への刺激が少なく、低濃度で使用する場合にはべたつきが少ない。
【0007】
会合性増粘剤の一種として、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体がある。アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体は、ノニオン性界面活性剤の機能を有するものであり、乳化できる油剤の種類が多いという点で高度の乳化性及び乳化安定性を示す。
【0008】
機能成分としてナイアシンアミドを含み、かつ会合性増粘剤としてアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を含み、さらに低分子乳化剤を含む化粧料としては、ナイアシンアミド、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体及びアクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体である乳化剤、ポリソルベート80、モノステアリン酸ポリグリセリル及び親油型モノステアリン酸グリセリルなどの低分子乳化剤を含む化粧料が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0009】
また、ナイアシンアミドを含み、かつアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を含みつつ、低分子乳化剤に代えて水素添加大豆リン脂質を乳化剤として含む化粧料としては、ナイアシンアミド、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体及び水素添加大豆リン脂質である乳化剤、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル及びマカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリルである抱水性油、2-エチルヘキサン酸セチル、硬化油、コレステロール、ラウリン酸ヘキシル、ベヘニルアルコール、硬化ナタネ油アルコールなどの極性油、スクワラン、重質流動イソパラフィンなどの非極性油を含む化粧料が知られている(例えば、非特許文献2及び3を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【文献】Cosmetic-Info.jp [URL] https://www.cosmetic-info.jp/prod/detail.php?id=102404
【文献】Cosmetic-Info.jp [URL] https://www.cosmetic-info.jp/prod/detail.php?id=72861
【文献】Cosmetic-Info.jp [URL] https://www.cosmetic-info.jp/prod/detail.php?id=100820
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
一般的に、会合性増粘剤は、低分子乳化剤と比較すると乳化力に劣り、結果として水中油型乳化化粧料の安定性が悪くなる傾向にある。そこで、会合性増粘剤を含む水中油型乳化化粧料を安定化するために、低分子乳化剤又はその他の乳化剤を併用すること、乳化する油性成分の総量を低減すること、会合性増粘剤の含有量を大きくすることが求められている。結果として、会合性増粘剤を含む水中油型乳化化粧料は、複数種類の乳化剤を含むこと、乳化剤の含有量が大きくなること、油性成分の含有量が小さくなることから、実現できる使用感の幅が狭くなるという問題がある。
【0012】
特に、ナイアシンアミドを含む水中油型乳化化粧料に会合性増粘剤を用いる場合は、ナイアシンアミドにより会合性増粘剤の乳化機能が損なわれ、結果として乳化状態が安定な水中油型乳化化粧料が得られないという問題がある。
【0013】
実際に、非特許文献1~3に記載の化粧料で用いられているアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体は、大きな親水性基及び小さな親油基を有するO/W型高分子乳化剤であり、乳化できる油剤の種類が多いといわれる一方で、乳化できる油性成分の量は限られることが知られている。そこで、非特許文献1~3に記載の化粧料では、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体と組み合わせて、ポリソルベート80、モノステアリン酸ポリグリセリル及び親油型モノステアリン酸グリセリル、アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体、水素添加大豆リン脂質といった乳化剤が併用されている。
【0014】
また、ナイアシンアミドを含み、かつ他の乳化剤と併用せずにアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を乳化剤として用いる、乳化状態が安定な水中油型乳化化粧料は、これまでにほとんど知られていない。
【0015】
そこで、本発明は、ナイアシンアミドを含み、かつ他の乳化剤と併用せずにアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を乳化剤として用い得る、乳化状態が安定な水中油型乳化化粧料を提供することを、発明が解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ナイアシンアミド及びアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を用いることに加え、油性成分として特定の抱水性油剤及び極性油を用い、さらに抱水性油剤及び極性油を所定の割合に保つことにより、乳化状態が安定な水中油型乳化化粧料を得ることに成功した。
【0017】
驚くべきことに、このようにして得られた水中油型乳化化粧料は、油性成分の総含有量を比較的多量に設定することができ、それによりエモリエント感に優れ、それでいて経時安定性が良好であるものであった。
【0018】
本発明者らは、このような成功例及び知見を基に、本発明の課題を解決するものとして、ナイアシンアミド及びアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体に加えて、所定の抱水性油剤及び極性油を含み、さらに抱水性油剤及び極性油の割合が所定の範囲内である水中油型乳化化粧料を創作することに成功した。本発明は、本発明者らによって初めて為され、かつ見出された成功例及び知見に基づき完成された発明である。
【0019】
したがって、本発明の一側面として、以下の各態様の水中油型乳化化粧料が提供される。
[1](a)ナイアシンアミドと、
(b)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体である乳化剤と、
(c)ステロール系抱水性油剤及びジペンタエリトリット系抱水性油剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の抱水性油剤と、
(d)極性油と
を含み、かつ
前記成分(c)の含有量に対する前記成分(d)の含有量の割合が2.0未満である、水中油型乳化化粧料。
[2]前記ステロール系抱水性油剤はN-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2-オクチルドデシル)及び吸着精製ラノリンからなる群から選ばれる少なくとも1種のステロール系抱水性油剤であり、及び/又は前記ジペンタエリトリット系抱水性油剤はジペンタエリトリット脂肪酸エステル(2)、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(1)及びトリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルからなる群から選ばれる少なくとも1種のジペンタエリトリット系抱水性油剤である、[1]に記載の水中油型乳化化粧料。
[3]前記極性油はトリ2-エチルヘキサン酸グリセリル及びテトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリットからなる群から選ばれる少なくとも1種の極性油である、[1]に記載の水中油型乳化化粧料。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ナイアシンアミドを含み、かつ他の乳化剤と併用せずにアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を乳化剤として用いたとしても、乳化状態が安定な水中油型乳化化粧料を提供することができる。さらに本発明によれば、油性成分の総含有量を比較的多量に設定することができることから、ナイアシンアミドによる皮膚刺激及びべたつきを低減し、かつエモリエント感に富んだ使用感に優れるとともに、経時安定性が良好である水中油型乳化化粧料を提供することができる。
【0021】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、含有するナイアシンアミドによる生理活性作用及び油性成分の保湿作用の発揮を期待して、日常的に使用することが期待される。また、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、安定性に優れるものであることから、長期間の使用及び保存が可能である。さらに、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、使用する乳化剤の種類を低減するなどして、簡便かつ工業的規模で製造することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一態様である水中油型乳化化粧料及び方法の詳細について説明するが、本発明はその目的を達成する限りにおいて種々の態様をとり得る。
【0023】
本明細書における各用語は、別段の定めがない限り、化粧品分野における当業者により通常用いられている意味で使用され、不当に限定的な意味を有するものとして解釈されるべきではない。また、本明細書においてなされている理論や推測は、本発明者らのこれまでの知見や経験によってなされたものであることから、本発明の技術的範囲はこのような理論や推測のみによって拘泥されるものではない。
【0024】
「含有量」は、濃度及び添加量(使用量)と同義であり、別段の定めがない限り、水中油型乳化化粧料の全体量に対する成分の量の割合を意味する。ただし、各成分の含有量の総量は、100%を越えることはない。本明細書では、別段の定めがない限り、含有量の単位は「質量%(wt%)」を意味する。なお、成分の含有量は、市販品を用いる場合は、市販品に含まれる成分の量であることが好ましいが、市販品自体の量であってもよい。
「及び/又は」は、列記した複数の関連項目のいずれか1つ、又は2つ以上の任意の組み合わせ若しくは全ての組み合わせを意味する。
「含む」は、含まれるものとして明示されている要素以外の要素を付加できることを意味する(「少なくとも含む」と同義である)が、「からなる」及び「から本質的になる」を包含する。すなわち、「含む」は、明示されている要素及び任意の1種若しくは2種以上の要素を含み、明示されている要素からなり、又は明示されている要素から本質的になることを意味し得る。要素としては、成分、工程、条件、パラメーターなどの制限事項などが挙げられる。
数値範囲の「~」は、その前後の数値を含む範囲であり、それらの含まれる限界値の一方を除いた範囲もまた含まれる。例えば、「0質量%~100質量%」は、0質量%以上、100質量%以下、及び0質量%以上100質量%以下のいずれであってもよい。
数値に関しての「約」は、記載された数値の±10%の範囲を含むことを意味する。例えば、約5質量%は、4.5質量%~5.5質量%となる。
整数値の桁数と有効数字の桁数とは一致する。例えば、1の有効数字は1桁であり、10の有効数字は2桁である。また、小数値は小数点以降の桁数と有効数字の桁数は一致する。例えば、0.1の有効数字は1桁であり、0.10の有効数字は2桁である。
【0025】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、ナイアシンアミド(成分(a))と、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体である乳化剤(成分(b))と、ステロール系抱水性油剤及びジペンタエリトリット系抱水性油剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の抱水性油剤(成分(c))と、極性油(成分(d))とを含む。
【0026】
成分(a)のナイアシンアミドは、ナイアシン(ビタミンB3、ニコチン酸ともよばれる)のアミド化合物であり、ニコチンアミド及びニコチン酸アミドともよばれる、ナイアシンの誘導体である。
【0027】
成分(a)のナイアシンアミドは、水溶性ビタミンであって、ビタミンB群の一種である。成分(a)は、水相に含まれる成分として使用され、水中油型乳化化粧料に血行促進作用、抗炎症作用、セラミド合成促進作用などの生理活性作用を付与するように機能する。成分(a)は、天然物(米ぬかなど)から抽出すること、公知の方法によって合成することなどにより得ることができる。成分(a)は、市販されているものであってもよい。
【0028】
成分(a)のナイアシンアミドの含有量は、水中油型乳化化粧料を皮膚に塗布した際にナイアシンアミドが有する所望の生理活性を発揮し得る量であればよく、特に限定されないが、例えば、1質量%以上が好ましく、過剰な刺激感及びべたつきを水中油型乳化化粧料に付与しないためには、1質量%~10質量%がより好ましく、3質量%~7質量%がさらに好ましく、4質量%~6質量%又は約5質量%がなおさらに好ましい。
【0029】
成分(b)は、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体である乳化剤である。「アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体である乳化剤」とは、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料において、乳化剤として機能する成分がアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体であり、その他の乳化剤が実質的に含まれていないことを意味する。したがって、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料において、水素添加大豆リン脂質、アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体、ポリソルベート80、モノステアリン酸ポリグリセリル、親油型モノステアリン酸グリセリルなどのその他の乳化剤を含む場合があったとしても、それらの含有量はアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体の含有量に対して好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以下である。本発明の一態様の水中油型乳化化粧料において、上記のその他の乳化剤の含有量は0.0質量%であることが好ましい。本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、乳化剤がアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体である乳化剤であることにより、他の乳化剤による肌への刺激性及びべたつきが低減されたものであり得る。
【0030】
なお、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体に比して、水素添加大豆リン脂質は特有の臭気を有するため、水素添加大豆リン脂質を乳化剤として使用するものは、非特許文献2及び3に記載の化粧料のように、香料を配合する場合が多く、これらの香料によって皮膚刺激が惹起される場合も多い。さらに水素添加大豆リン脂質などの乳化剤は、パラベンなどの防腐効果を阻害することが知られているが、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体にはこのような阻害効果は知られていない。
【0031】
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体は、アクリル酸又はメタクリル酸を主鎖とするポリマーのカルボキシル基の少なくとも一部がアルキル基によってエステル化されたポリマーである。エステル結合によって結合しているアルキル基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、その炭素数は10~30であることが好ましい。アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体は、アクリル酸アルキル若しくはメタクリル酸アルキルを重合単位に含むポリマー又はコポリマーが相互に架橋されたクロスポリマーであることが好ましい。アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体の具体例としては、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーが挙げられる。
【0032】
成分(b)は、水相と油相とを混合する際に使用され、いわゆる、乳化剤として機能する。本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、成分(b)を含有することにより、乳化目的でその他の乳化剤、特に皮膚刺激を惹起しうる乳化剤を含有しなくともよいという利点を有する。
【0033】
成分(b)は、これまでに知られている方法で抽出又は合成したものでも、市販されているものでも、いずれでもよい。市販されているものとしては、例えば、Pemulen TR-1、Pemulen TR-2、Carbopol(登録商標) Ultrez 20、Carbopol(登録商標) ETD2020、Carbopol(登録商標) Ultrez 21(ともにLubrizol社製)、AQUPEC(登録商標) HV-501ER、AQUPEC(登録商標) HV-801ERK、AQUPEC(登録商標) SW-703ER(ともに住友精化社製)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
成分(b)の含有量は、水中油型乳化化粧料を調製する際に水相と油相とを混合及び均一にし得る量であればよく、油性成分の量などに応じて適宜設定でき特に限定されないが、例えば、0.06質量%以上であることが好ましく、0.08質量%~5質量%であることがより好ましく、0.1質量%~3質量%であることがさらに好ましく、0.15質量%~2質量%であることがなおさらに好ましい。
【0035】
成分(c)の抱水性油剤は、自重と等量以上の水を保持できる、すなわち、抱水力が100%以上である油剤である。成分(c)は、水を包含して均一なペースト状態となることができる。成分(c)は、油相に含まれる成分として使用され、主として成分(a)の刺激感を抑制するように機能し、さらに成分(d)とともに水中油型乳化化粧料の安定性及び使用感(エモリエント感、保湿性)を高めるように機能し得る。
【0036】
なお、「抱水力が100%以上である油剤」とは、英国薬局方(BP)「ラノリン含水価測定法」に準じた方法、具体的には、油剤 10gを500mL容ポリ容器に計量し、次いでスポイトで少しずつ純水(「純水」(イオン交換水);正起薬品工業社製)を加えながら撹拌棒(φ12×300mm;材質:POM(ジュラコン))を用いて練り(約0.5mL/min)、次いで純水を練りこめなくなった時点で試験終了とし(過剰な水分は可能な限り取り除く)、下記の式により算出された抱水力が100%以上である油剤をいう。
抱水力(%)=[増量した水重量(g)]/[開始時の油剤重量(10g)]×100
【0037】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、抱水性油剤の中でも、特定の抱水性油剤を使用することに特徴がある。抱水性油剤は、ステロール系抱水性油剤、ジペンタエリトリット系抱水性油剤又はその両方である。
【0038】
ステロール系抱水性油剤は、ステロールエステルの構造を有する抱水性油剤である。ステロール系抱水性油剤は特に限定されないが、例えば、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、ミリストイルメチル-β-アラニン(フィトステリル/デシルテトラデシル)といったアシルアミノ酸ステロールエステル;ラノリン、吸着精製ラノリンといったステロール/ステロールエステル;マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、イソステアリン酸フィトステリル、ヒドロキシステアリン酸フィトステリルなどが挙げられるが、抱水力及び水中油型乳化化粧料における分散性の観点からN-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2-オクチルドデシル)及び吸着精製ラノリンが好ましい。
【0039】
ジペンタエリトリット系抱水性油剤は、ジペンタエリトリットと脂肪酸との縮合エステルの構造を有する抱水性油剤である。ジペンタエリトリット系抱水性油剤は特に限定されないが、例えば、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(1)、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(2)、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリットなどのジペンタエリトリット脂肪酸エステル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルなどの3価以上のエステルが挙げられるが、水中油型乳化化粧料としてべたつきを抑えながらも適度な油性感を有し塗布後の保湿感を持続するという点に加えて、さらに良好な安定性を付与するという観点から、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(1)、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(2)、及びトリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルが好ましい。また、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料が、成分(c)としてジペンタエリトリット脂肪酸エステル(1)、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(2)及び/又はトリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルを含む場合、他の抱水性油剤、例えば、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリルなどを実質的に含まないことが好ましい。
【0040】
成分(c)は、上記したものの1種の単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。成分(c)は、これまでに知られている方法で抽出又は合成したものでも、市販されているものでも、いずれでもよい。市販されているものとしては、例えば、「エルデュウ(登録商標) PS-203」、「エルデュウ(登録商標) PS-304」、「エルデュウ(登録商標) PS-306」、「エルデュウ(登録商標) CL-301」、「エルデュウ(登録商標) APS-307」(ともに味の素社製)、「クロダランSWL」、「SUPER LANOLIN」(ともにクローダジャパン社製)、「サラコス WO-6」、「サラコス FH」、「コスモール 168EV」、「コスモール 168ARV」(ともに日清オイリオグループ社製)、「精製ラノリン」、「PLANDOOL-MAS」、「PLANDOOL-S」、「PLANDOOL-G」、「PLANDOOL-LG1」、「PLANDOOL-LG2」、「PLANDOOL-ISS」(ともに日本精化社製)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
成分(c)は、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料が優れた安定性を有するためには、ジペンタエリトリット脂肪酸エステルなどのジペンタエリトリット系抱水性油剤であることが好ましい。
【0042】
成分(c)の含有量は、水中油型乳化化粧料の安定性及び使用感を望ましいものにするような量であればよく、他の成分との関係で適宜設定でき特に限定されないが、例えば、1質量%~20質量%であることが好ましく、3質量%~15質量%であることがより好ましく、5質量%~10質量%であることがさらに好ましく、約8質量%であることがなおさらに好ましい。特に、成分(c)の含有量が1質量%未満では水中油型乳化化粧料の安定性が悪くなる傾向にあり、20質量%を超えると水中油型乳化化粧料において抱水性油剤由来のべたつきが強くなり使用感が悪くなる傾向にある。
【0043】
成分(d)の極性油は、極性を有する油性成分であり、具体的には、IOBが0.1以上である多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸エステル、高級アルコール、植物油などが挙げられる。ただし、成分(d)の極性油には、成分(c)の抱水性油剤は含まれない。なお、IOBとは、有機化合物の極性/非極性を表す有機概念図に基づく親疎水性の指標であり、有機概念図及びIOBの詳細は、例えば、Fujitaの文献(A. Fujita, Pharm. Bull., 2, 163-173 (1954))などで説明されている。簡潔に、有機概念図とは、全ての有機化合物の根源をメタン(CH4)とし、他の化合物はすべてメタンの誘導体とみなして、その炭素数、置換基、変態部、環などにそれぞれ一定の数値を設定し、そのスコアを加算して有機性値(OV)及び無機性値(IV)を求め、有機性値をX軸、無機性値をY軸にとった図上にプロットして作成される。有機概念図におけるIOBは、有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、すなわち、「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。IOB値が大きくなるほど、親水性、すなわち、極性が大きくなることを意味する。なお、IOB値は、メーカーが公開している数値を用いてもよく、例えば、ウェブサイト[https://www.nihon-emulsion.co.jp/tech/organic.html]などにより公開されている数値を用いてもよい。
【0044】
極性油としては、例えば、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、イソノナン酸イソノニル、ベヘニルアルコール、セタノール、メドウホーム油、シア脂などが挙げられるが、水中油型乳化化粧料に良好な安定性及び使用感を付与するという観点から、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル及びテトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリットが好ましい。極性油は、これらの1種の単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
【0045】
成分(d)は、これまでに知られている方法で抽出又は合成したものでも、市販されているものでも、いずれでもよい。市販されているものとしては、例えば、「MYRITOL GTEH」、「CETIOL(登録商標) PEEH-4」、「CETIOL(登録商標) MM」、「CETIOL(登録商標) SN-1」(ともにBASF社製)、「NIKKOL トリエスター F-810」(日光ケミカルズ社製)、「M-ファインオイル CCT-1」(ミヨシ油脂社製)、「サラコス 99」「サラコス 334」、「エステモール N-01」、「コスモール525」(ともに日清オイリオグループ社製)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
成分(d)の含有量は、水中油型乳化化粧料に安定性を付与し得る量であれば特に限定されないが、例えば、1質量%~30質量%であることが好ましく、5質量%~25質量%であることがより好ましく、8質量%~20質量%であることがさらに好ましい。
【0047】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料において、油性成分は成分(c)及び成分(d)からなり、その他の油性成分が実質的に含まれていないことが好ましい。そこで、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、成分(c)及び成分(d)とは異なる油性成分、例えば、非極性油としてワセリン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィンなどの炭化水素油を含む場合があったとしても、それらの含有量は成分(c)の含有量及び成分(d)の含有量の合計量に対して好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以下である。本発明の一態様の水中油型乳化化粧料において、成分(c)及び成分(d)とは異なる油性成分の含有量は0.0質量%であることが好ましい。油性成分が成分(c)及び成分(d)からなる場合、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、良好な安定性を有しつつ、べたつきが抑えられ、さらに成分(b)と相俟って刺激が低減されたものであり、結果として使用感が良好なものになり得る。
【0048】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、成分(a)~(d)を含むことに加え、成分(c)の含有量と成分(d)の含有量とが一定の関係にあることにより、調製直後の乳化性及び経時安定性が良好である。
【0049】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料において、成分(c)の含有量に対する成分(d)の含有量の割合(成分(d)/成分(c))は2.0未満であればよく、下限値は特に限定されず、0(ゼロ)より大きければよい。本発明の一態様の水中油型乳化化粧料が良好な乳化安定性を有するためには、成分(d)/成分(c)は0.1~1.9であることが好ましく、0.5~1.8であることがより好ましく、1.0~1.7であることがさらに好ましく、1.1~1.6であることがなおさらに好ましい。
【0050】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料において、油性成分である成分(c)の含有量及び成分(d)の含有量の合計量が一定量以上あることにより、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料はエモリエント感があり、優れた使用感を発揮し得る。そこで、成分(c)及び成分(d)の合計含有量は、10質量%~30質量%であることが好ましく、15質量%~25質量%であることがより好ましく、17質量%~22質量%であることがさらに好ましい。
【0051】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、成分(b)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体である乳化剤を備えた上で、油性成分が成分(c)及び成分(d)であることにより、乳化剤あたりの油性成分量を大きくすることができる。成分(b)の含有量に対する成分(c)及び成分(d)の合計含有量の割合([成分(c)+成分(d)]/成分(b))は特に限定されないが、例えば、100~350であることが好ましく、100~300であることがより好ましく、100~200であることがさらに好ましく、100~180であることがなおさらに好ましい。このように、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、少量の成分(b)を備えながらも、油性成分の量を大量に、かつ幅広く設定できることに利点がある。
【0052】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、成分(a)ナイアシンアミドを含有しつつも、成分(b)、成分(c)及び成分(d)を含むことにより、安定性及び使用感が良好であるために、成分(b)、成分(c)及び成分(d)の合計含有量は10質量%~30質量%であることが好ましく、15質量%~25質量%であることがより好ましく;成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(d)の合計含有量は15質量%~35質量%であることが好ましく、20質量%~30質量%であることがより好ましい。
【0053】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、本発明の課題を解決し得る限り、成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(d)に加えて、その他の成分を含有してもよい。
【0054】
その他の成分は特に限定されず、例えば、通常の水中油型乳化化粧料に用いられる成分などが挙げられ、より具体的には基剤、保湿剤、防腐剤、増粘剤、pH調整剤、酸化防止剤、清涼剤、キレート剤、紫外線防御剤、美白剤、ビタミン類、美容成分、その他各種薬効成分、香料、色材などが挙げられる。その他の成分の含有量は、本発明の課題解決を妨げない限り、当業者により適宜設定し得る。その他の成分の幾つかについて以下に列挙するが、これらはあくまでも例示であり、限定されるものではない。
【0055】
基材としては、水及び低級アルコールが挙げられるが、水であることが好ましい。水は、水相の基剤として用いられる。水は通常化粧料を作製するために用いられる水であればよい。水の含有量は、水中油型乳化化粧料を構成し得る量であれば特に限定されないが、例えば、40質量%~75質量%であることが好ましく、45質量%~70質量%であることがより好ましく、50質量%~65質量%であることがより好ましい。
【0056】
保湿剤としては、例えば、グリセリン、濃グリセリン、ブチレングリコール(BG)、プロピレングリコール(PG)、ジグリセリン、ジプロピレングリコール(DPG)、ペンチレングリコール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、エチルヘキシルグリセリン、メチルグルセス-10、メチルグルセス-20、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン、ポリエチレングリコール、トレハロース、キシリトール、マルチトール、マルトース、ソルビトール、エリスリトール、ラフィノース、ブドウ糖、果糖、加水分解エラスチン、乳酸ナトリウム、シクロデキストリン、ピロリドンカルボン酸などが挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。保湿剤の含有量は、0質量%~20質量%であることが好ましい。
【0057】
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル(パラベン類)、フェノキシエタノール、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素などが挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。防腐剤の含有量は、0質量%~1質量%であることが好ましい。
【0058】
増粘剤としては、例えば、水溶性高分子などが挙げられ、具体的には、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、キサンタンガム、ジェランガム、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、フコイダン、チューベロース多糖体などの水溶性多糖類;カラギーナン、アルギン酸、寒天などの天然高分子;カルボキシメチルセルロースナトリウムなどの半合成高分子;カルボキシビニルポリマー、アクリル酸アルキル共重合体エマルションなどの合成高分子などが挙げられる。増粘剤は、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。増粘剤の含有量は、0質量%~1質量%であることが好ましい。ただし、増粘剤は、一般的に乳化剤として用いられていないものである。なお、増粘剤を用いない場合は、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、比較的低粘度となり、皮膚に塗布した際に、みずみずしさを強く感じ、べたつき(油性感)が感じられ難くなる傾向にある。
【0059】
pH調整剤としては、例えば、乳酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、エチドロン酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルギニン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミンなどが挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。pH調整剤の含有量は、0質量%~1質量%であることが好ましい。pH調整剤は中和剤ともよぶ。
【0060】
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、δトコフェロールなどのビタミンE及びその誘導体;チオタウリン、メマツヨイグサ抽出液、βカロチン、カテキン化合物、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物、ピロ亜硫酸ナトリウムなどが挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。酸化防止剤の含有量は、0質量%~1質量%であることが好ましい。
【0061】
キレート剤としては、例えば、アラニン、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、フィチン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウムなどが挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。キレート剤の含有量は、0質量%~0.1質量%程度が好ましい。
【0062】
美容成分としては、例えば、リンゴタンニン、カンゾウ根エキス、レスベラトロール、異性化糖、ヤエヤマアオキ果汁、チンピエキス、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリルなどが挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。美容成分の含有量は、0質量%~5質量%であることが好ましい。
【0063】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、化粧料として用いられる限りにおいて、その機能及び/又は効果については特に限定されない。本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、安定性が良好なものである。
【0064】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料の乳化性は、後述する実施例に記載の方法により、「◎」又は「○」と評価される程度であることが好ましく、「◎」と評価される程度であることがより好ましい。
【0065】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料の安定性は、後述する実施例に記載の方法により、「○」又は「△」と評価される程度であることが好ましく、「○」と評価される程度であることがより好ましい。
【0066】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、外観その他の性状について特に限定されない。本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、外観は半透明又は非透明な乳白色~白色の乳化物であることが好ましく;粘度は10,000mPa・s~50,000mPa・sであることが好ましい。本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、油性成分を比較的多量に含有することができつつも、乳化状態が良好であるものであることから、各成分の含有量によっては、エモリエント感があり、保湿性がありながら、ナイアシンアミド及び油性成分によるべたつきが感じられず、使用感に優れたものであり得る。
【0067】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、成分(a)~(d)及び任意のその他の成分を混合して、乳化することにより得られる。例えば、成分(a)及び成分(b)を含む水相に、任意にpH調整剤を含む中和相及び増粘剤(皮膜形成剤)を含む皮膜相を加えた後、成分(c)及び成分(d)を含む油相を添加して、乳化し、さらに任意に増粘剤(皮膜形成剤)を含む皮膜相を添加することにより、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料を得ることができる。具体的には、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、後述する実施例に記載の方法により調製できる。
【0068】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、その使用態様や剤形については特に限定されず、例えば、スキンケア化粧品、ボディケア化粧品など、具体的にはジェルクリーム、クリーム、乳液、美容液、マスク、サンスクリーンミルク、サンスクリーンクリーム、パック、洗顔クリーム、ハンドクリーム、メーキャップクレンジング、アイクリーム、ネッククリーム、脱毛・除毛クリーム、オールインワン化粧品などに適用可能である。本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、乳液、クリーム、美容液などの一定の粘性を有する剤形とすることにより、安定性に優れ、さらにしっとりとした良好な使用感触を有し得るものとなることから好ましい。特に、アイクリームなどの部分使用用の剤形とすることにより、一定の固さを有し、優れた使用感触となることからより好ましい。なお、アイクリームのような部分使用の剤形は、塗布時のコクが求められるため、顔全体に塗布するための乳液やクリームよりも固いものである。また、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、粘度を調整することにより、シートなどに含浸すること、噴射することなどが可能である。そこで、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、含浸シート、含浸マスク、ポンプなどのスプレーといった剤形とすることが期待される。
【0069】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、皮膚に塗布することで、ナイアシンアミドによる生理活性により、種々の生理的薬理的効果を発揮することが期待される。本発明の一態様の水中油型乳化化粧料の皮膚への塗布方法は特に限定されないが、例えば、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料を皮膚にとった上で指や塗布具で伸ばす方法、容器に内蔵された専用のアプリケーターを使用して塗布する方法などが挙げられる。さらに、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、油分による保湿作用により、皮膚表面からの水分蒸発を防ぐことが可能である。また、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、水分及び保湿剤を含有することにより、塗布した乾燥皮膚を改善すること又はさらなる乾燥による悪化を抑制することが可能である。
【0070】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、皮膚に塗布した際、接触面積が大きい状態で皮膚に留まり得る。本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、みずみずしさが感じられる剤形であることが好ましく、乳白色~白色のジェル又はジェルクリームであることが好ましい。
【0071】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料がジェルクリームである場合は、洗顔のあと、適量(真珠粒2個大)を手にとり、あご、両頬、鼻及び額の5ヶ所においてから、やさしく顔全体及び首筋にのばしなじませるとよい。目もと、口もとなどのシワが気になる部分には、重ねづけするとよい。また、マスクとしての使用方法としては、洗顔のあと、適量(さくらんぼ大)を手にとり、顔全体に広げた3~5分後に、やさしくなじませるようにぬり込めばよい。
【0072】
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
【実施例】
【0073】
[1.水中油型乳化化粧料の調製(1)]
表1に示した処方に従い、以下の手順により、被験化粧料として各種水中油型乳化化粧料を調製した。なお、表中の数値は、質量%(wt%)を表わす。
【0074】
表中のアルギニンについて、濃度が10質量%となるように、水相中の精製水を一部用いて水溶液を調製し、中和相とした。次いで、残りの精製水を含む水相を、室温にて各成分を溶解混合及び撹拌して均一にすることにより調製した。油相を室温にて各成分を溶解混合及び撹拌して均一にすることにより調製した。次いで、水相に中和相を加えて撹拌して均一にした。得られた中和相含有水相に油相を加えて、ホモジナイザー(「ラボ・リューション」;プライミクス社製)を用いて、室温、3,000rpm、3分間の条件で撹拌混合して乳化処理に供し乳化液を得た。乳化液をパドルで緩やかに攪拌しながら、皮膜相を加え、さらに3分間撹拌することにより、被験化粧料を得た。
【0075】
[2.評価方法]
(2-1)乳化性及び外観色
調製直後の被験化粧料を目視で観察することにより、化粧料中に層分離が生じたこと、及び/又はキメ粗が生じたことという異常を指標にして、以下の基準により乳化性を評価した。なお、キメ粗とは、被験試料を黒色のアクリル板上にパレットナイフで薄く塗り広げた際の、表面が均一に滑らかな状態ではなくところどころに不均一な凹凸が観察される状態をいう。また、同様に観察することにより、外観色を確認した。
【0076】
◎:均一に乳化しており、層分離及びキメ粗が全く確認されない
○:均一に乳化しているが、一部に細かなキメ粗が確認される
△:均一に乳化しているが、全体的に大きなキメ粗が確認される
×:乳化が不良であり、層分離が生じて均一性のある化粧料を製造できない
【0077】
(2-2)安定性
被験化粧料を7Kビン(東京硝子社製)に入れて、50℃の恒温槽にて、1ヵ月静置して保管した。(2-1)と同様に、保管後の化粧料における層分離の有無及び黒色のアクリル板上に伸ばした際のキメ粗の有無について目視で確認することにより、以下の基準で安定性を評価した。
【0078】
○:化粧料全体が均一であり、キメ粗が確認されない
△:化粧料全体が均一であるが、キメ粗が確認される
×:化粧料において層分離が確認される
【0079】
(2-3)粘度
被験化粧料を、7Kビン(東京硝子社製)に入れ、20℃にて一晩静置した。次いで、静置した被験化粧料について、粘度計(「BHII形」;東機産業社製)を使用して、スピンドルNo.7、20rpm、2分間の条件で粘度を測定した。
【0080】
[3.評価結果]
各種測定の結果を表1に示す。
(a)ナイアシンアミドに加えて、(b)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、(c)ステロール系抱水性油剤及び/又はジペンタエリトリット系抱水性油剤及び(d)極性油を含む被験化粧料1~16は、5質量%という高濃度のナイアシンアミドを含みながら、白色、半透明白色又は乳白色の水中油型乳化化粧料として得られ、さらに50℃で1ヶ月間置いても層分離が認められず、安定性に優れるものであった。なお、被験化粧料1~16の粘度は、10,000mPa・s~47,500mPa・sであった。
【0081】
それに対して、(a)ナイアシンアミド及び(b)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を含みつつも、(c)ステロール系抱水性油剤及び/又はジペンタエリトリット系抱水性油剤を含まない被験化粧料17~18は、乳化した状態の水中油型乳化化粧料としては得られなかった。
【0082】
また、(a)ナイアシンアミド及び(b)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を含みつつも、(d)極性油を含まない被験化粧料19は、乳化した状態の水中油型乳化化粧料が得られたものの、50℃保存下で層分離が認められ、安定性に劣るものであった。
【0083】
さらに、(a)ナイアシンアミドに加えて、(b)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、(c)ステロール系抱水性油剤及び/又はジペンタエリトリット系抱水性油剤、及び(d)極性油を含みつつも、(c)ステロール系抱水性油剤及び/又はジペンタエリトリット系抱水性油剤の含有量に対する(d)極性油の含有量の割合が2.0以上である被験化粧料20~23は、乳化した状態の水中油型乳化化粧料としては得られなかった。
【0084】
以上の結果から、(a)ナイアシンアミド、(b)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、(c)ステロール系抱水性油剤及び/又はジペンタエリトリット系抱水性油剤、及び(d)極性油を含みつつも、(c)ステロール系抱水性油剤及び/又はジペンタエリトリット系抱水性油剤の含有量に対する(d)極性油の含有量の割合が2.0未満である水中油型乳化化粧料は、乳化性が良好であり、さらに安定性に優れるものであることがわかった。なお、上記の条件を満たす水中油型乳化化粧料は、成分(b)の含有量に対する成分(c)及び成分(d)の合計含有量の割合([成分(c)+成分(d)]/成分(b))が100以上であっても、安定した乳化状態のものであった。
【0085】
【0086】
表中の成分のうち、使用した製品名を抜粋して以下に示す。
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体:
*1 「Pemulen TR-1」(Lubrizol社製)
*2 「Pemulen TR-2」(Lubrizol社製)
*3 「Carbopol(登録商標) Ultrez 20 Polymer」(Lubrizol社製)
カルボキシビニルポリマー:「Carbopol(登録商標) 980 Polymer」(Lubrizol社製)
N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル):「エルデュウ(登録商標) PS-203」(味の素社製)
ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(2):「コスモール 168EV」(日清オイリオグループ株式会社)
ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(1):「コスモール 168ARV」(日清オイリオグループ株式会社)
トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル:「MYRITOL GTEH」(BASF社製)
テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット:「CETIOL(登録商標) PEEH-4」(BASF社製)
L-アルギニン:「L-アルギニン Cグレード」(味の素社製)
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の一態様の水中油型乳化化粧料は、ナイアシンアミドによる生理活性作用があり、かつ油性成分による保湿作用がありながら、乳化性及び安定性に優れ、使用感が良好であるものであることから、クリーム、乳液、化粧水、美容液、含浸シート、含浸マスク、スプレーなどのスキンケア化粧品などとして利用することができる。使用者は、本発明の一態様の水中油型乳化化粧料を使用することにより、日常的に快適に、皮膚の血行及びセラミド合成を促進しつつ、皮膚の乾燥を低減又は防止することが期待できる。
【要約】
【課題】
本発明の目的は、ナイアシンアミドを含み、かつ他の乳化剤と併用せずにアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を乳化剤として用い得る、乳化状態が安定な水中油型乳化化粧料を提供することにある。
【解決手段】
上記目的は、(a)ナイアシンアミドと、(b)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体である乳化剤と、(c)ステロール系抱水性油剤及びジペンタエリトリット系抱水性油剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の抱水性油剤と、(d)極性油とを含み、かつ前記成分(c)の含有量に対する前記成分(d)の含有量の割合が2.0未満である、水中油型乳化化粧料などにより解決される。
【選択図】なし