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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】表示装置、及びそのフリッカ低減方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/32 20160101AFI20240829BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240829BHJP
   G09G 3/3266 20160101ALI20240829BHJP
   G09G 3/3233 20160101ALI20240829BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
G09G3/32 A
G09G3/20 641A
G09G3/20 641C
G09G3/20 612T
G09G3/20 621A
G09G3/20 622D
G09G3/20 650H
G09G3/20 611E
G09G3/3266
G09G3/3233
G09G3/20 612U
G09G3/20 612L
G09G3/20 622S
H04N5/66 B
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023130639
(22)【出願日】2023-08-10
(65)【公開番号】P2024097741
(43)【公開日】2024-07-19
【審査請求日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】10-2023-0002365
(32)【優先日】2023-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】朱 奎 奐
(72)【発明者】
【氏名】金 兌 穹
(72)【発明者】
【氏名】朴 大 成
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-060199(JP,A)
【文献】特開2010-085874(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0082768(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0151132(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0135146(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0090596(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0058279(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0079794(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0075945(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00-3/38
H04N 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ電圧に応じて発光量が制御され、発光制御信号のオンデューティ比に応じて発光時間が制御される複数のピクセルが設けられた表示パネルと、
1フレーム内においてデータ電圧が前記ピクセルに供給されるアクティブ区間、および前記データ電圧が前記ピクセルで維持されるブランク区間において、前記発光制御信号のデューティ比を互いに異なるように制御するタイミングコントローラと、
前記アクティブ区間において第1デューティ比を有する前記発光制御信号を前記ピクセルに印加し、前記ブランク区間において前記第1デューティ比と異なる第2デューティ比を有する前記発光制御信号を前記ピクセルに印加するゲートドライバと
を含み、
前記発光制御信号の単位パルス期間は、前記発光制御信号がオンレベルである第1期間と前記発光制御信号がオフレベルである第2期間とを含み、
前記ブランク区間において前記ゲートドライバから出力される前記発光制御信号の単位パルス期間は、前記アクティブ区間において前記ゲートドライバから出力される前記発光制御信号の単位パルス期間よりもさらに長く、
前記アクティブ区間において前記発光制御信号の第1単位パルス期間は、第1オン区間と第1オフ区間を含み、
前記ブランク区間において前記発光制御信号の第2単位パルス期間は、第2オン区間と第2オフ区間を含み、
前記第1オン区間と前記第2オン区間とは長さが互いに同一であり、
前記第2オフ区間が前記第1オフ区間よりもさらに長い、
表示装置。
【請求項2】
前記第1デューティ比は、前記アクティブ区間の間にオンレベルを有する前記発光制御信号のオンレベル期間に対応し、
前記第2デューティ比は、前記ブランク区間の間にオンレベルを有する前記発光制御信号のオンレベル期間に対応し、
前記第2デューティ比は、前記第1デューティ比よりもさらに小さい請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1デューティ比は、前記アクティブ区間の間、オフレベルを有する前記発光制御信号のオフレベル期間に対応し、
前記第2デューティ比は、前記ブランク区間の間、オフレベルを有する前記発光制御信号のオフレベル期間に対応し、
前記タイミングコントローラは、前記第2デューティ比前記第1デューティ比より大きくなるように前記発光制御信号を制御する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記アクティブ区間と前記ブランク区間とのそれぞれにおいて、前記発光制御信号は、オンレベルとオフレベルとの間で多重トグルする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記タイミングコントローラは、フレーム周波数の変化に関係なく前記アクティブ区間の長さを固定したまま、前記フレーム周波数の変化に応じて前記ブランク区間の長さを可変する請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
データ電圧に応じて発光量が制御され、発光制御信号のオンデューティ比に応じて発光時間が制御される複数のピクセルが設けられた表示パネルと、
1フレーム内においてデータ電圧が前記ピクセルに供給されるアクティブ区間、および前記データ電圧が前記ピクセルで維持されるブランク区間において、前記発光制御信号のデューティ比を互いに異なるように制御するタイミングコントローラと、
前記アクティブ区間において第1デューティ比を有する前記発光制御信号を前記ピクセルに印加し、前記ブランク区間において前記第1デューティ比と異なる第2デューティ比を有する前記発光制御信号を前記ピクセルに印加するゲートドライバと
を含み、
前記アクティブ区間は、第1アクティブ区間と、前記第1アクティブ区間に続く第2アクティブ区間とを含み、
前記ブランク区間は、前記第2アクティブ区間に続く第1ブランク区間と、前記第1ブランク区間に続く第2ブランク区間とを含み、
前記ゲートドライバから出力される前記発光制御信号は、
前記第1アクティブ区間の間、前記第1デューティ比を有し、前記第2アクティブ区間の間、前記第1デューティ比よりもさらに大きい第3デューティ比を有し、前記第1ブランク区間の間、前記第1および第3デューティ比のそれぞれよりさらに小さい前記第2デューティ比を有し、前記第2ブランク区間の間、前記第2デューティ比よりもさらに大きく前記第1および第3デューティ比のそれぞれよりもさらに小さい第4デューティ比を有する
表示装置。
【請求項7】
前記ブランク区間は、複数のブランク区間の間に他のアクティブ区間を含むことなく連続する複数のブランク区間から構成され、
前記ゲートドライバは、前記複数のブランク区間のうちの少なくとも1つの区間の間の前記発光制御信号のデューティ比が前記アクティブ区間の間の前記発光制御信号の前記第1デューティ比よりも小さくなるように前記発光制御信号を出力し、前記ゲートドライバは、前記複数のブランク区間のうちの少なくとも1つの区間の間の前記発光制御信号のデューティ比が前記アクティブ区間中の前記発光制御信号の前記第1デューティ比よりも大きくなるように前記発光制御信号を出力する請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記複数のブランク区間は、第1ブランク区間、前記第1ブランク区間に続く第2ブランク区間、及び前記第2ブランク区間に続く第3ブランク区間を含み、
前記ゲートドライバから出力される前記発光制御信号は、
前記第1ブランク区間の間、前記第2デューティ比を有し、前記第2ブランク区間の間、前記第2デューティ比よりも大きい第3デューティ比を有し、第3ブランク区間の間、前記第2および第3デューティ比のそれぞれよりも大きい第4デューティ比を有する請求項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記1フレームは、前記ブランク区間に続くリセット区間をさらに含み、
前記リセット区間において前記表示パネルに印加される全ての発光制御信号はオフレベルに初期化される請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記複数のピクセルのそれぞれは、マイクロLED(Light Emitting Diode)チップを発光素子として含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
データ電圧に応じて発光量が制御され、発光制御信号のデューティ比に応じて発光時間が制御される複数のピクセルを備える表示装置のフリッカ低減方法において、
1フレーム内においてデータ電圧がピクセルに供給されるアクティブ区間、および前記データ電圧が前記ピクセルで維持されるブランク区間において、前記発光制御信号のオンデューティ比を互いに異なるように制御するステップと、
前記アクティブ区間において第1デューティ比を有する前記発光制御信号を前記ピクセルに印加し、前記ブランク区間において前記第1デューティ比とは異なる第2デューティ比を有する前記発光制御信号を前記ピクセルに印加するステップと
を含み、
前記発光制御信号の単位パルス期間は、前記発光制御信号がオンレベルである第1期間と前記発光制御信号がオフレベルである第2期間とを含み、
前記ブランク区間で出力される前記発光制御信号の単位パルス期間は、前記アクティブ区間で出力される前記発光制御信号の単位パルス期間よりもさらに長く、
前記アクティブ区間において前記発光制御信号の第1単位パルス期間は、第1オン区間と第1オフ区間を含み、
前記ブランク区間において前記発光制御信号の第2単位パルス期間は、第2オン区間と第2オフ区間を含み、
前記第1オン区間と前記第2オン区間とは長さが互いに同一であり、
前記第2オフ区間が前記第1オフ区間よりもさらに長い、
表示装置のフリッカ低減方法。
【請求項12】
前記第1デューティ比は、前記アクティブ区間の間、オンレベルを有する前記発光制御信号のオンレベル期間に対応し、
前記第2デューティ比は、前記ブランク区間の間、オンレベルを有する前記発光制御信号のオンレベル期間に対応し、
前記第2デューティ比は前記第1デューティ比よりも小さい請求項11に記載の表示装置のフリッカ低減方法。
【請求項13】
データ電圧に応じて発光量が制御され、発光制御信号のデューティ比に応じて発光時間が制御される複数のピクセルを備えた表示パネルと、
第1フレーム周波数と前記第1フレーム周波数とは異なる第2フレーム周波数との間で前記複数のピクセルの駆動をスイッチングするタイミングコントローラと、
前記データ電圧が前記ピクセルに供給される1フレーム中のアクティブ期間の間、第1デューティ比を有する前記発光制御信号を前記ピクセルに印加し、前記データ電圧が前記ピクセルにおいて保持される前記1フレーム中のブランク区間の間、前記第1デューティ比とは異なる第2デューティ比を有する前記発光制御信号を前記ピクセルに印加するゲートドライバとを含み、
前記発光制御信号は、
前記第1フレーム周波数を有する第1フレームのアクティブ区間の間、および前記第2フレーム周波数を有する第2フレームのアクティブ区間の間、前記第1デューティ比を有し、
前記第1フレーム周波数を有する第1フレームのブランク区間の間、及び前記第2フレーム周波数を有する第2フレームのブランク区間の間、前記第2デューティ比を有し、
前記発光制御信号の単位パルス期間は、前記ピクセルを発光させるための第1期間と前記ピクセルを非発光させるための第2期間とを含み、
前記ブランク区間で前記ゲートドライバから出力される前記発光制御信号の単位パルス期間は、前記アクティブ区間で前記ゲートドライバから出力される前記発光制御信号の単位パルス期間よりもさらに長く、
前記アクティブ期間における前記発光制御信号の第1単位パルス期間は、第1オン区間と第1オフ区間とを含み、
前記ブランク区間における前記発光制御信号の第2単位パルス期間は、第2オン区間と第2オフ区間とを含み、
前記第1オン区間と前記第2オン区間とは長さが互いに等しく、
前記第2オフ区間が前記第1オフ区間よりもさらに長い、
表示装置。
【請求項14】
前記第1デューティ比および前記第2デューティ比は、前記ピクセルが発光する期間に対応するオンデューティ比であり、
前記第2デューティ比は、前記第1デューティ比よりもさらに小さい請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記アクティブ区間と前記ブランク区間のそれぞれにおいて前記発光制御信号は、オンレベルとオフレベルとの間で多重トグルする請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第1フレーム周波数に対応するアクティブ区間の長さは、前記第2フレーム周波数に対応する前記アクティブ区間の長さに等しく、前記第1フレーム周波数に対応する前記ブランク区間の長さは、前記第2フレーム周波数に対応する前記ブランク区間の長さとは異なる請求項13に記載の表示装置。
【請求項17】
データ電圧に応じて発光量が制御され、発光制御信号のデューティ比に応じて発光時間が制御される複数のピクセルを備えた表示パネルと、
第1フレーム周波数と前記第1フレーム周波数とは異なる第2フレーム周波数との間で前記複数のピクセルの駆動をスイッチングするタイミングコントローラと、
前記データ電圧が前記ピクセルに供給される1フレーム中のアクティブ期間の間、第1デューティ比を有する前記発光制御信号を前記ピクセルに印加し、前記データ電圧が前記ピクセルにおいて保持される前記1フレーム中のブランク区間の間、前記第1デューティ比とは異なる第2デューティ比を有する前記発光制御信号を前記ピクセルに印加するゲートドライバとを含み、
前記発光制御信号は、
前記第1フレーム周波数を有する第1フレームのアクティブ区間の間、および前記第2フレーム周波数を有する第2フレームのアクティブ区間の間、前記第1デューティ比を有し、
前記第1フレーム周波数を有する第1フレームのブランク区間の間、及び前記第2フレーム周波数を有する第2フレームのブランク区間の間、前記第2デューティ比を有し、
前記アクティブ区間は、第1アクティブ区間と、前記第1アクティブ区間に続く第2アクティブ区間とを含み、
前記ブランク区間は、前記第2アクティブ区間に続く第1ブランク区間と、前記第1ブランク区間に続く第2ブランク区間とを含み、
前記ゲートドライバから出力される前記発光制御信号は、
前記第1アクティブ区間の間、前記第1デューティ比を有し、前記第2アクティブ区間の間、前記第1デューティ比よりもさらに大きい第3デューティ比を有し、前記第1ブランク区間の間、前記第1および第3デューティ比のそれぞれよりもさらに小さい前記第2デューティ比を有し、前記第2ブランク区間の間、前記第2デューティ比よりも大きく前記第1および第3デューティ比のそれぞれよりもさらに小さい第4デューティ比を有する
表示装置。
【請求項18】
前記ブランク区間は、複数のブランク区間の間に他のアクティブ区間を含むことなく連続する複数のブランク区間から構成され、
前記ゲートドライバは、前記複数のブランク区間のうちの少なくとも1つの区間の間の前記発光制御信号のデューティ比が前記アクティブ区間の間の前記発光制御信号の前記第1デューティ比よりも小さくなるように前記発光制御信号を出力し、前記ゲートドライバは、前記複数のブランク区間のうちの少なくとも1つの区間の間の前記発光制御信号のデューティ比が前記アクティブ区間中の前記発光制御信号の前記第1デューティ比よりも大きくなるように前記発光制御信号を出力する請求項13に記載の表示装置。
【請求項19】
前記複数のブランク区間は、第1ブランク区間、前記第1ブランク区間に続く第2ブランク区間、及び前記第2ブランク区間に続く第3ブランク区間を含み、
前記ゲートドライバから出力される前記発光制御信号は、
前記第1ブランク区間の間、前記第2デューティ比を有し、前記第2ブランク区間の間、前記第2デューティ比よりもさらに大きい第3デューティ比を有し、前記第3ブランク区間の間、前記第2および第3デューティ比のそれぞれよりもさらに大きい第4デューティ比を有する請求項18に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、表示装置及びそのフリッカ低減方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、低消費電力を具現するためにマイクロ発光ダイオードmicro LEDに基づいて製造することができる。表示装置に備えられたマイクロLEDチップは、ウエハなしで作製され、サイズが100マイクロメートルμm以下の超小型LEDを含むことができる。
【0003】
マイクロLEDは低い電流では光効率が低いため、駆動電流が高い。しかし、高い電流で連続的に駆動すると消費電力が上昇するため、一定デューティで点灯時間を調節する、いわゆるエミッション(以下、EM)のデューティ駆動を通じて消費電力を改善している。ところで、マイクロLEDの表示装置では、フレーム周波数が可変である場合に輝度偏差によるフリッカなどの問題が生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本実施例は、前記の問題を解決するため、フレーム周波数に応じた輝度偏差を改善してフリッカを低減することができる表示装置およびそのフリッカ低減方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施例の表示装置は、ピクセルデータ電圧に応じて発光量が制御され、発光制御信号のデューティ比に応じて発光時間が制御される複数のピクセルが設けられた表示パネルと、1フレーム内で前記データ電圧が前記ピクセルに供給されるアクティブ区間、および前記データ電圧とが前記ピクセルに保持されるブランク区間において、前記発光制御信号のデューティ比を互いに異なるように制御するタイミングコントローラと、前記アクティブ区間において第1デューティ比を有する前記発光制御信号を前記ピクセルに印加し、前記ブランク区間において前記第1デューティ比と異なる第2デューティ比を有する前記発光制御信号を前記ピクセルに印加するゲートドライバとを含む。
【0006】
本実施例によって、データ電圧に応じて発光量が制御され、発光制御信号のオンデューティ比によって発光時間が制御される複数のピクセルを備えた表示装置のフリッカ低減方法は、1フレーム内において前記データ電圧が前記ピクセルに供給されるアクティブ区間と、前記データ電圧が前記ピクセルに維持されるブランク区間において、前記発光制御信号のデューティ比を互いに異なるように制御するステップと、前記アクティブ区間において前記第1デューティ比を有する前記発光制御信号を前記ピクセルに印加し、前記ブランク区間において前記第1デューティ比とは異なる第2デューティ比を有する前記発光制御信号を前記ピクセルに印加するステップとを含む。
【0007】
本実施例による表示装置は、データ電圧に応じて発光量が制御され、発光制御信号のデューティ比によって発光時間が制御される複数のピクセルを備えた表示パネルと、第1フレーム周波数および前記第1フレーム周波数と異なる第2フレーム周波数との間において、前記複数のピクセルの駆動をスイッチングするタイミングコントローラと、前記データ電圧が前記ピクセルに供給される1フレームの中のアクティブ区間の間、第1デューティ比を有する前記発光制御信号を前記ピクセルに印加し、前記データ電圧が前記ピクセルにおいて維持される前記1フレーム中のブランク区間の間、前記第1デューティ比と異なる第2デューティ比を有する前記発光制御信号を前記ピクセルに印加するゲートドライバとを含み、前記発光制御信号は、前記第1フレーム周波数を有する第1フレームのアクティブ区間の間および、前記第2フレーム周波数を有する第2フレームのアクティブ区間の間、前記第1デューティ比を有し、前記第1フレーム周波数を有する第1フレームのブランク区間の間及び、前記第2フレーム周波数を有する第2フレームのブランク期間の間、前記第2デューティ比を有する。
【発明の効果】
【0008】
本実施例によれば、以下の効果を奏することが可能である。
【0009】
本実施例は、アクティブ区間とブランク区間における発光制御信号のオンデューティ比を互いに異なるように制御する。すなわち、本実施例は、アクティブ区間に比べ、ブランク区間における発光制御信号のオンデューティ比をさらに小さく制御することにより、アクティブ区間とブランク区間との輝度偏差を低減する。
【0010】
これにより、本実施例は、VRRモードでのフレーム周波数の切り替え時に生じる輝度偏差と、これによって生じるフリッカを低減することができる。
【0011】
本明細書による効果は、前記で説明した内容によって限定されず、さらに様々な効果が本明細書に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本明細書の実施形態による表示装置を示すブロック図である。
図2】マイクロLEDベースの表示パネルを示す図である。
図3】マイクロLEDベースの表示パネルを示す図である。
図4】表示パネルに備わる一ピクセルの等価回路図である。
図5図4に示す一ピクセルの駆動波形図である。
図6】一つの比較例による単一トグルベースの発光制御信号の駆動波形図である。
図7A】単一のトグルベースのEMデューティ駆動がVRRVariable Refresh Rate駆動に適用できない理由を説明するための図である。
図7B】単一のトグルベースのEMデューティ駆動がVRRVariable Refresh Rate駆動に適用できない理由を説明するための図である。
図8】一実施形態による多重トグルされる発光制御信号の駆動波形図である。
図9】マルチトグルされる発光制御信号のオンデューティ比がアクティブ区間とブランク区間に関係なく一定に固定された比較例を示す図である。
図10】マルチトグルされる発光制御信号のオンデューティ比がアクティブ区間とブランク区間に関係なく一定に固定された比較例を示す図である。
図11】マルチトグルされる発光制御信号のオンデューティ比がアクティブ区間とブランク区間に関係なく一定に固定された比較例を示す図である。
図12】マルチトグルされる発光制御信号のオンデューティ比がアクティブ区間とブランク区間に関係なく一定に固定された比較例を示す図である。
図13】マルチトグルされる発光制御信号のオンデューティ比がアクティブ区間とブランク区間で互いに異なるように変化した第1実施形態を示す図である。
図14】マルチトグルされる発光制御信号のオンデューティ比がアクティブ区間とブランク区間で互いに異なるように変化した第1実施形態を示す図である。
図15】マルチトグルされる発光制御信号のオンデューティ比がアクティブ区間とブランク区間で互いに異なるように変化した第1実施形態を示す図である。
図16】固定オンデューティ比を有する比較例におけるフレーム周波数別の輝度と、可変オンデューティ比を有する第1実施形態におけるフレーム周波数別の輝度を示す図である。
図17】固定オンデューティ比を有する比較例におけるフレーム周波数別の輝度と、可変オンデューティ比を有する第1実施形態におけるフレーム周波数別の輝度を示す図である。
図18】マルチトグルされる発光制御信号のオンデューティ比が、アクティブ区間とブランク区間で互いに異なるように変化した第2実施形態を示す図である。
図19】マルチトグルされる発光制御信号のオンデューティ比が、アクティブ区間とブランク区間で互いに異なるように変化した第2実施形態を示す図である。
図20】マルチトグルされる発光制御信号のオンデューティ比が、アクティブ区間とブランク区間で互いに異なるように変化した第3実施形態を示す図である。
図21】マルチトグルされる発光制御信号のオンデューティ比が、アクティブ区間とブランク区間で互いに異なるように変化した第3実施形態を示す図である。
図22】フレーム周波数に応じて可変する発光制御信号のオンデューティ比を、フレーム毎にリセットすることを説明するための図である。
図23】フレーム周波数に応じて可変する発光制御信号のオンデューティ比を、フレーム毎にリセットすることを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は添付図面に基づいて詳細に後述する実施例を参照すると明らかになるであろう。しかし、本発明は以下で開示する実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現され得る。ただ、本実施例は本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を知らせるために提供するものである。本発明は特許請求の範囲によって定義される。
【0014】
本発明の実施例を説明するための図面に開示した形状、サイズ、縮尺、角度、個数などは例示的なものであるので、本発明が図面に示した事項に限定されるものではない。明細書全般にわたって同じ構成要素は同じ参照符号で指称する。本発明で言及する「含む」、「有する」、「なる」などを使う場合、「~のみ」という表現を使わない限り、他の部分をさらに含むことができる。構成要素を単数で表現する場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含み得る。
【0015】
構成要素の解釈において、別途の明示的記載がなくても誤差範囲を含むものとして解釈する。
【0016】
位置関係についての説明の場合、例えば、「~の上に」、「~の上部に」、「~の下部に」、「~のそばに」などで二つの部分の位置関係を説明する場合、「すぐ」又は「直接」という表現を使わない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が位置し得る。
【0017】
第1、第2などを多様な構成要素を敍述するために使うが、これらの構成要素はこれらの用語に制限されない。これらの用語はただ一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。したがって、以下で言及する第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であり得る。
【0018】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。以下の説明において、本発明に係わる公知の機能や構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0019】
図1は本発明の一実施形態による表示装置を示すブロック図である。図2および図3は、マイクロLEDベースの表示パネルを示す図である。
【0020】
図1を参照すると、表示パネル100は、入力画像が再現される画面AAを含む。画面AAは、入力画像のピクセルデータ以下、「映像データ」というDATAが表示されるピクセルアレイを含む。ピクセルアレイは、複数のデータラインDL、データラインDLと交差する複数のゲートラインGL、および複数のピクセル101を含む。
【0021】
ピクセル101は、データラインDLおよびゲートラインGLによって定義されたマトリックスの形態で画面AA上に配置することができる。ピクセル101は、マトリクス形態に加えて、同じ色を発光するピクセルを共有する形態、ストライプ形態、ダイヤモンド形態など、画面AA上に様々な方法で配置することができる。
【0022】
ピクセルアレイは、ピクセル列(Column)と、ピクセル列と交差するピクセルラインL1~Lnとを含む。ピクセル列は、y軸方向に沿って配置されたピクセルを含む。ピクセルラインは、x軸方向に沿って配置されたピクセルを含む。1垂直期間は、1フレーム分の映像データDATAを画面の全てのピクセルに書き込む(write)ために必要な1フレーム期間である。1水平期間は、1フレーム期間をピクセルラインL1~Lnの数で割った時間である。1水平期間は、ゲートラインGLを共有する1ピクセルライン分の映像データDATAを1ピクセルラインのピクセルに書き込むのに必要な時間である。
【0023】
1フレーム期間は、映像データDATAに対応するデータ電圧がピクセル101に供給されるアクティブ区間と、アクティブ区間に時間的に重疊しないブランク区間とを含む。ブランク区間では、データ電圧はピクセル101に供給されない。
【0024】
ピクセル101は、カラーを具現するために赤Red、Rピクセル、緑Green、Gピクセル、青Blue、Bピクセル101を含むことができる。
【0025】
ピクセル101のそれぞれは、図2および図3示すように、マイクロLEDチップ(μLEDchip)を発光素子EL、図4参照として含むことができる。マイクロLEDチップ(μLED chip)は、TFT(Thin Film Transistor)バックプレーン(Backplane)の上に位置する赤色チップ(μLED chip_R)、緑色チップ(μLED chip_G)、および青色チップ(μLED chip_B)を含むことができる。Rピクセルは赤色チップ(μLED chip_R)を発光素子ELとして、Gピクセルは緑色チップ(μLED chip_G)を発光素子ELとして、Bピクセルは青色チップ(μLED chip_B)を発光素子ELとして含む。
【0026】
マイクロLEDチップ(μLED chip)は、R/G/Bドナー(donor)から転写することによってTFTバックプレーン上に実装搭載されることができる。赤色チップ(μLED chip_R)はRドナー(R Donor)から転写され、緑色チップ(μLED chip_G)はGドナー(G Donor)から転写され、青色チップ(μLED chip_B)はBドナー(B Door)から転写されることができる。転写技術は、静電気力、レーザー、速度依存的な粘着力、荷重依存的な粘着力などを利用することができる。転写技術はこれに限定されず、電磁力に基づく自己集合を利用することもある。
【0027】
TFTバックプレーンは、効率的な駆動のためにアクティブマトリックス構造で構成することができる。TFTバックプレーン上で、データラインDLとゲートラインGLと電源ラインとの交差によってピクセル101を定義することがある。
【0028】
複数のピクセル101が1つの単位ピクセルを構成することができる。例えば、ゲートラインGLの延長方向またはデータラインDLの延長方向に沿って、隣接して配置されたR赤、G緑、B青ピクセルが1つの単位ピクセルを構成することがある。
【0029】
なお、図1において、円の内に示した"D1~D3"はデータラインであり、"Gn-2~Gn"はゲートラインである。図1のピクセル101のそれぞれは同じピクセル回路を含む。ピクセル回路は、駆動素子、少なくとも1つ以上のスイッチ素子、少なくとも1つ以上のコンデンサなどを実装することができる。
【0030】
表示パネル100の上にタッチセンサを配置することができる。タッチセンサは、オンセル型(On-cell type)またはアドオン型(Add on type)で表示パネル100の画面AA上に配置されるか、またはピクセルアレイに埋め込まれるインセル型(In-cell type)のタッチセンサで構成することができる。タッチ入力は、タッチセンサを介して感知され、またはタッチセンサなしでピクセルのみを介して感知されてもよい。
【0031】
表示パネル駆動部は、ソースドライバ110とゲートドライバ120とを含む。表示パネル駆動部は、タイミングコントローラ130の制御下で映像データDATAを表示パネル100のピクセル101に書き込む。
【0032】
ソースドライバ110は、タイミングコントローラ130から受信した映像データDATAをデジタルアナログコンバータ(Digital t Analog Converter、以下"DAC"という)を用いてガンマ補償電圧に変換してデータ電圧を生成する。ソースドライバ110は、データ電圧をデータラインDLに供給する。データ電圧はデータラインDLに供給され、各ピクセル101のスイッチ素子を介して駆動素子に印加される。ソースドライバ110は、1つ以上のソースドライブ集積回路として実装することができる。ソースドライブ集積回路は、タッチセンサ駆動信号を生成し、タッチセンサの電荷量の変化をタッチローデータ(touch raw data)に変換するタッチドライバをさらに含み得る。
【0033】
ゲートドライバ120は、表示パネル100に映像が表示されない画面AAの外のベゼル領域BZに形成することができる。ゲートドライバ120は、タイミングコントローラ130の制御下でデータ電圧に同期したゲート信号をゲートラインGLに順次供給する。ゲートドライバ120から出力されるゲート信号は、データ電圧が充電されるピクセルラインを同時にアクティブにする。ゲートドライバ120は、1つ以上のシフトレジスタ(Shift register)を用いてゲート信号を出力し、そのゲート信号をシフトする。ゲート信号は、1つ以上のスキャン信号SCANと発光制御信号EMとを含むことができる。
【0034】
タイミングコントローラ130は、図示しないホストシステムから映像データDATAと、この映像データDATAと同期するタイミング信号を受信する。タイミング信号は、垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、クロック信号DCLK、データイネーブル信号DEなどを含む。垂直同期信号Vsyncは、垂直期間すなわち、1フレーム期間を定義する。水平同期信号Hsyncは水平期間を定義する。データイネーブル信号DEは、垂直期間または水平期間で映像データDATAが送信される時間を定義する。データイネーブル信号DEをカウントする方法で垂直期間と水平期間を知ることができるため、垂直同期信号Vsyncと水平同期信号Hsyncは省略することができる。
【0035】
データイネーブル信号DEによって、1垂直期間内のアクティブ区間とブランク区間を、さらに定義することができる。アクティブ区間では、データイネーブル信号DEは、ロジックハイ電圧とロジックロー電圧の間でスイングする。ブランク区間では、データイネーブル信号DEは連続的にロジックロー電圧を維持する。
【0036】
タイミングコントローラ130は、ホストシステムから受信したタイミング信号Vsync、Hsync、DEを用いてデータ駆動部110の動作タイミングを制御するためのソースタイミング制御信号DDC、及びゲートドライバ120の動作タイミングを制御するためのゲートタイミング制御信号GDCを生成する。
【0037】
タイミングコントローラ130は、入力フレーム周波数をiiは自然数倍に逓倍し、入力フレーム周波数×iHzのフレーム周波数で表示パネル駆動部110、120の動作タイミングを制御することができる。入力フレーム周波数は、NTSC(National Television Standards Committee)方式では60Hzであり、PAL(Phase-Alternating Line)方式では50Hzである。
【0038】
タイミングコントローラ130は、様々なリフレッシュレートでピクセル101を駆動することができる。タイミングコントローラ130は、可変リフレッシュレート(VRR:Variable Refresh Rate)モード、言い換えれば、複数のリフレッシュレート間で切り替え可能にピクセル101を駆動することができる。リフレッシュレートはフレーム周波数と呼ぶことができる。
【0039】
タイミングコントローラ130は、VRRモードでアクティブ区間の長さを固定したまま、フレーム周波数に応じてブランク区間の長さを可変することができる。例えば、タイミングコントローラ130は、第1フレーム周波数でブランク区間を第1長さに制御し、第1フレーム周波数よりも低い第2フレーム周波数でブランク区間を第1長さより長い第2長さに制御することができる。
【0040】
ホストシステムは、テレビ(Television)、セットトップボックス、ナビゲーションシステム、パーソナルコンピュータPC、ホームシアター、車両用ディスプレイシステム、モバイル機器、ウェアラブル(wearable)機器のいずれでもよい。モバイル機器およびウェアラブル機器では、ソースドライバ110、タイミングコントローラ130、レベルシフタLevel shifter、140などを1つのドライブICに集積することができる。
【0041】
レベルシフタ140は、タイミングコントローラ130から出力されたゲートタイミング制御信号GDCの電圧をゲートオン電圧とゲートオフ電圧に変換してゲートドライバ120に供給する。ゲートタイミング制御信号GDCのロジックオフ電圧はゲートオフ電圧に変換され、ゲートタイミング制御信号GDCのロジックオン電圧はゲートオン電圧に変換される。
【0042】
タイミングコントローラ130は、内部インタフェース回路を介してソースドライバ110に映像データDATAを送信することができる。内部インタフェース回路は、EPI(Embedded Clock Point to Point Interface)で構成することができるが、これに限定されない。
【0043】
図4は、図1の表示パネル100に設けられた一つのピクセル101の等価回路図である。
【0044】
図4を参照すると、ピクセル101は、発光素子EL、駆動素子DT、及びノード回路を含むことができる。
【0045】
ノード回路は、データラインDL、第1~第3ゲートラインGLa、GLb、GLc、複数の電源ラインに接続された内部補償回路であってもよい。ノード回路は、駆動素子DTの閾値電圧(threshold voltage)をサンプリングして駆動素子DTのゲート-ソース間電圧に反映することにより、駆動素子DTに流れる駆動電流が駆動素子DTの閾値電圧シフト程度に影響を受けないように補償することができる。ノード回路は、第1~第6スイッチ素子T1~T6、第1キャパシタC1、及びストレージキャパシタCstを含むことができる。
【0046】
駆動素子DTと第1~第6スイッチ素子T1~T6は、薄膜トランジスタで具現することができる。トランジスタDT、T1~T6の全部または一部がP型薄膜トランジスタでもよいし、N型薄膜トランジスタでもよい。また、N-TYPE薄膜トランジスタは酸化物薄膜トランジスタであってもよく、P-TYPE薄膜トランジスタは多結晶シリコン薄膜トランジスタであってもよい。
【0047】
駆動素子DTは、ゲート-ソース間電圧に対応して駆動電流を生成する駆動素子である。駆動素子DTのゲート電極はゲートノードNGに接続され、駆動素子DTのソース電極はソースノードNSに接続され、駆動素子DTのドレイン電極はドレインノードNDに接続され得る。
【0048】
発光素子ELは、駆動素子DTから入力される駆動電流に対応する強度で発光する。発光素子ELは、無機発光層を含むマイクロ発光ダイオードで具現することができるが、これに限定されない。発光素子ELは、有機発光層を含む有機発光ダイオードで具現することができる。発光素子ELのアノード電極は、高電位の駆動電圧VDDの入力端に接続され、発光素子ELのカソード電極は、ソースノードNSに接続され得る。
【0049】
第1スイッチ素子T1は、第1スキャン信号Snに従ってデータラインDLと第1ノードN1とを接続する。第1スイッチ素子T1は、第1ゲートラインGLaに接続されたゲート電極、データラインDLに接続されたソース電極、及び第1ノードN1に接続されたドレイン電極を含む。
【0050】
第2スイッチ素子T2は、第1スキャン信号Snに従ってゲートノードNGとドレインノードNDとを接続する。第2スイッチ素子T2は、第1ゲートラインGLaに接続されたゲート電極、ドレインノードNDに接続されたソース電極、及びゲートノードNGに接続されたドレイン電極を含む。
【0051】
第3スイッチ素子T3は、発光制御信号EMに応じて第1ノードN1と基準電圧Vrefの入力端とを接続する。第3スイッチ素子T3は、第3ゲートラインGLcに接続されたゲート電極、第1ノードN1に接続されたソース電極、及び基準電圧Vrefの入力端に接続されたドレイン電極を含む。
【0052】
第4スイッチ素子T4は、発光制御信号EMに応じてドレインノードNDと低電位の駆動電圧VSSの入力端とを接続する。低電位駆動電圧VSSは高電位駆動電圧VDDよりも小さい。第4スイッチ素子T4は、第3ゲートラインGLcに接続されたゲート電極、ドレインノードNDに接続されたソース電極、及び低電位の駆動電圧VSSが入力されるドレイン電極を含む。
【0053】
第5スイッチ素子T5は、第2スキャン信号Sn-1に従ってドレインノードNDと基準電圧Vrefの入力端とを接続する。第5スイッチ素子T5は、第2ゲートラインGLbに接続されたゲート電極、ドレインノードNDに接続されたソース電極、及び基準電圧Vrefが入力されるドレイン電極を含む。
【0054】
第6スイッチ素子T6は、第1スキャン信号Snに従って高電位の駆動電圧VDDの入力端とソースノードNSとを接続する。すなわち、第6スイッチ素子T6は、第1スキャン信号Snに従って発光素子ELのアノード電極とカソード電極をショートさせる。第6スイッチ素子T6は、第1ゲートラインGLaに接続されたゲート電極、アノード電極に接続されたソース電極、及びカソード電極に接続されたドレイン電極を含む。
【0055】
第1キャパシタC1は、発光素子ELのアノード電極とカソード電極に接続される。そして、ストレージキャパシタCstは、第1ノードN1とゲートノードNGに接続される。ストレージキャパシタCst、発光素子EL、及び第6スイッチ素子T6は、互いに並列に接続される。
【0056】
図5は、図4に示すピクセル101の駆動波形図である。図5を参照すると、ピクセル101を駆動するための1フレームはアクティブ区間とブランク区間を含む。アクティブ区間は、初期化期間P1、閾値電圧サンプリング期間P2、データプログラミング期間P3、ホールド期間P4、および発光期間P5を含むことができる。ブランク区間は発光期間P5の残りの区間を含み得る。
【0057】
初期化の期間P1において第5スイッチ素子T5がオンされると、ドレインノードNDが基準電圧Vrefに初期化される。
【0058】
閾値電圧サンプリング期間P2において、駆動素子DTと第5及び第6スイッチ素子T5、T6がオンするにつれて、高電位の駆動電圧VDDの入力端と基準電圧Vrefの入力端が互いに接続することができる。閾値電圧サンプリング期間P2で第2スイッチ素子T2がオンされるとゲートノードNGとドレインノードNDがショートされ、駆動素子DTの閾値電圧が(VDD+Vth)にサンプリングされ、ゲートノードNGに保持され得る。
【0059】
データプログラミング期間P3において、第1スイッチ素子T1がオンされると、第1ノードN1の電圧が基準電圧Vrefからデータ電圧Vdataに変化する。そして、この電圧変化分Vdata-Vrefだけ、ゲートノードNGの電圧も変化する。ゲートノードNGの電圧はVDD+Vth-(Vdata-Vref)となる。データプログラミング期間P3において第6スイッチ素子T6がオンになることにより、ソースノードNSの電圧が高電位の駆動電圧VDDとなる。
【0060】
ホールド期間P4において、全てのスイッチ素子T1~T6がオフになることにより、ゲートノードNGの電圧とソースノードNSの電圧はデータプログラミング期間P3と同じに維持される。
【0061】
発光期間P5において、第4スイッチ素子T4が発光制御信号EMによってオンになると、駆動素子DTに駆動電流が流れる。駆動電流の大きさは閾値電圧Vthとは無関係であり、Vdata-Vrefの二乗に比例する。この駆動電流により発光素子ELが発光する。
【0062】
発光制御信号EMは、初期化期間P1、閾値電圧サンプリング期間P2、データプログラミング期間P3、ホールド期間P4においてオフレベルで印加され、発光期間P5においてオンレベルで印加される。
【0063】
発光素子ELの発光量は、駆動電流の大きさに比例するので、ピクセル101の発光量がデータ電圧Vdataに応じて制御されると定義することができる。そして、ピクセル101の発光時間は、発光制御信号EMのオンデューティ比に従って制御されると定義することができる。
【0064】
アクティブ区間ACTに含まれる図5の"P2"における高電位の駆動電圧VDDと基準電圧Vrefのショートにより基準電圧Vrefが、デフォルトレベルよりさらに高く上昇し、維持された後に、ブランク区間BLKでデフォルトレベルに戻る。発光素子ELの発光量を決定する駆動電流の大きさはVdata-Vrefの二乗に比例するので、各フレームにおいて、アクティブ区間ACTの平均輝度がブランク区間BLKの平均輝度より、さらに低くなる。
【0065】
言い換えれば、アクティブ区間ACTでデータアドレッシング例えば、図5の"P2"中に、高電位の駆動電圧VDDと基準電圧Vrefとの衝突により基準電圧Vrefがデフォルトレベルよりも上昇する。この基準電圧Vrefはブランク区間BLKでデフォルトレベルに復帰する。したがって、アクティブ区間ACTの平均輝度は、ブランク区間BLKの平均輝度より、さらに低くなる。
【0066】
VRRモードでは、アクティブ区間ACTの長さは固定され、フレーム周波数によってブランク区間の長さが可変されるが、アクティブ区間ACTとブランク区間BLKとの輝度偏差は1フレーム内でブランク区間BLKの長さが長くなるほど、すなわちフレーム周波数が低くなるほど大きくなる。その結果、VRRモードでフレーム周波数が切り替えられると、アクティブ区間ACTとブランク区間BLKとの間の輝度偏差によるフリッカが視認され得る。
【0067】
図6は一比較例による単一トグルベースの発光制御信号EMの駆動波形図である。図7Aおよび図7Bは、単一トグルベースのEMデューティ駆動がVRR(Varialbe Refresh Rate)モードに適用できない理由を説明するための図である。
【0068】
図6を参照すると、発光制御信号EMは、1フレーム期間の間オフレベルLoffからオンレベルLonに、一度トグル(toggle)することがある。このとき、発光制御信号EMのオンデューティは、1フレーム期間の間にオンレベルLonが占める割合として定義することがある。
【0069】
このような単一トグルベースのEMデューティ駆動は、各フレームの開始時に対応するフレームの長さを知ることができず、VRRモードには適用できない。VRRモードでフレーム周波数が切り替わると、1フレーム期間も変化する。
【0070】
ところで、VRRモードでは、可変フレームの長さは当該のフレームの終了時点で確認できるだけで、当該のフレームの開始時点では予め確認することはできない。単一トグルベースのEMデューティ駆動は、1フレーム期間が1つに固定された場合を想定したものであるため、1フレーム期間が可変のVRRモードには適用されにくい。
【0071】
具体的には、シングルトグルベースのEMデューティ駆動は、図7Aのようなバイパス方式のVRRモードだけでなく、図7Bのような1フレーム遅延方式のVRRモードには適用できない。
【0072】
バイパス方式のVRRモードでは、入力垂直同期信号Vsyncと出力垂直同期信号Vsync1とは遅延なく同期している。そして、各フレームの入力アクティブ区間と出力アクティブ区間が遅延なく同期している。このようなバイパス方式のVRRモードでは、例えば40Hzから144Hzの間で変化するフレーム周波数に応じて1フレーム期間も変化するが、各フレームの開始時点で可変フレームの長さが、あらかじめ確認されていないため、シングルトグルベースのEMデューティを適用することができない。
【0073】
1フレーム遅延方式のVRRモードでは、フレームメモリの使用によって、入力垂直同期信号Vsync対出力垂直同期信号Vsync1を1フレーム遅延させることができる。そして、各フレームにおいて、入力アクティブ区間に対する出力アクティブ区間を1フレーム遅延させることができる。このような1フレーム遅延方式のVRRモードでは、40Hzから144Hzの間で変化するフレーム周波数に応じて1フレーム期間も変化するが、一部のフレーム例えば第N+1フレームの開始時点で依然として第N+1フレームの長さが、あらかじめ確認されていないため、単一トグルベースのEMデューティを適用することはできない。
【0074】
図8は、一実施形態による多重トグルされる発光制御信号の駆動波形図である。
【0075】
図8を参照すると、ゲートドライバ120から出力される発光制御信号EMは、1フレーム期間にわたってオフレベルLoffからオンレベルLonに、オンレベルLonからオフレベルLoffに複数回ずつトグル(toggle)されるマルチパルス形態を有することがある。マルチパルス形態の発光制御信号EMは、複数分割されたオン区間とオフ区間とを含む。発光制御信号EMの単位パルス周期Tは、1つのオフ区間とそれに連続した1つのオン区間とを含む。発光制御信号EMのオンデューティ比は、単位パルス周期Tのうちで、ピクセル発光のためオン区間が占める割合で定義することがあり、発光制御信号EMのオフデューティ比は、単位パルス周期Tのうちで、ピクセル非発光のためオフ区間が占める割合として定義することがある。発光制御信号EMは単位パルスの集合で構成されているので、1フレーム期間の間にオン区間の総和が占める割合は、前記単位パルス周期Tに基づくオンデューティ比に等しく、1フレーム期間中のオフ区間の総和が占める割合は、前記単位パルス周期Tに基づくオフデューティ比と同じであり得る。
【0076】
このようなマルチトグルベースのEMデューティ駆動方式は、マルチパルス形態の発光制御信号EMを利用するため、各フレームの開始時点で当該フレームの長さを予め知る必要はない。マルチトグルベースのEMデューティ駆動方式は、VRRモードで可変の1フレーム期間に合わせてリアルタイムで発光制御信号EMに含まれる単位パルス周期Tの個数を対応させることができるため、すべての可変フレーム内で発光制御信号EMのオンデューティ比を一定に設定することができる。したがって、マルチトグルベースのEMデューティ駆動をVRRモードに容易に適用することができる。
【0077】
図9図12は、マルチトグルされる発光制御信号EMのオンデューティ比がアクティブ区間ACTとブランク区間BLKに関係なく一定に固定された比較例を示す図である。
【0078】
図9は、フレーム周波数が120Hzのとき、単位パルス周期Tを基準として発光制御信号EMのオン区間とオフ区間との比率が1:2の場合を示す。そして、図10は、フレーム周波数が40Hzのとき、単位パルス周期Tを基準として発光制御信号EMのオン区間とオフ区間との比率が1:2の場合を示す。
【0079】
図9及び図10において、発光制御信号EMのオンデューティ比は、アクティブ区間ACTとブランク区間BLKに関係なく一定に33%に固定することができる。アクティブ区間ACTとブランク区間BLKで発光制御信号EMのオンデューティ比が同じ値に固定されると、図11のようにアクティブ区間ACTで具現される平均輝度とブランク区間BLKで具現される。平均輝度の間に偏差ΔL1が生じることがある。すなわち、ブランク区間BLKの平均輝度はターゲットレベルTLを有するのに対し、アクティブ区間ACTの平均輝度はターゲットレベルTLより低いかもしれない。
【0080】
例えば、単位パルス周期Tを基準に発光制御信号EMのオン区間とオフ区間の比率が1:2に設定された場合、ブランク区間BLKの平均輝度は目標レベルTLである150nitであり、アクティブ区間ACTの平均輝度は目標レベルTLより低い135nitであり得る。
【0081】
なぜなら、基準電圧Vrefがデフォルトレベルを有するブランク区間BLKでは、駆動電流がデフォルト値を有するのに対し、基準電圧Vrefがデフォルトレベルよりさらに大きいアクティブ区間ACTでは駆動電流がデフォルト値より小さくなるからである。
【0082】
フレーム輝度は、アクティブ区間ACTとブランク区間BLKで実施される平均輝度の合計として定義することがある。フレーム周波数が低いほど、すなわち1フレーム内でブランク区間BLKが占める割合が大きいほどフレーム輝度は大きくなる。逆に、フレーム周波数が高いほど、すなわち1フレーム内でブランク区間BLKが占める割合が小さいほどフレーム輝度は小さくなる。
【0083】
120Hzのフレーム周波数でのフレーム輝度に比べて、40Hzのフレーム周波数でのフレーム輝度がさらに大きい。視聴者はフレーム輝度の累積値を対応するフレーム周波数で輝度として認識するので、VRRモードで第1フレーム周波数から第2フレーム周波数に切り替えると、輝度偏差によるフリッカを視認することができる。
【0084】
図13図15は、マルチトグルされる発光制御信号EMのオンデューティ比がアクティブ区間ACTとブランク区間BLKで互いに異なるように変化した第1実施形態を示す図である。
【0085】
図13図15を参照すると、VRRモードでフレーム周波数切り替え時に生じる輝度偏差は、アクティブ区間ACTとブランク区間BLKとの輝度偏差に起因する。VRRモードでフレーム周波数切り替え時に生じる輝度偏差を軽減するために、本実施例のタイミングコントローラは、アクティブ区間ACTとブランク区間BLKにおける発光制御信号EMのオンデューティ比を互いに異なるように制御する。タイミングコントローラは、アクティブ区間ACTに比べ、ブランク区間BLKにおける発光制御信号EMのオンデューティ比をより小さく制御することにより、アクティブ区間ACTとブランク区間BLKとの間の輝度偏差ΔL2を低減する。別の表現として、タイミングコントローラは、アクティブ区間ACTに比べ、ブランク区間BLKにおける発光制御信号EMのオフデューティ比をより大きく制御することによって、アクティブ区間ACTとブランク区間BLKとの間の輝度偏差△L2を低減する。
【0086】
このために、タイミングコントローラは、アクティブ区間ACTに比べ、ブランク区間BLKにおいて単位パルス周期をより長く設定することができる。例えば、図13のようにフレーム周波数が40Hzの場合、タイミングコントローラはアクティブ区間ACTの第1単位パルス周期を"T1"に、そしてブランク区間BLKの第2単位パルス周期を"T2"(T2>T1)に設定できる。
【0087】
第1単位パルス周期T1は第1オン区間と第1オフ区間を含み、第2単位パルス周期T2は第2オン区間と第2オフ区間を含む。ここで、第1オン区間と第2オン区間は長さが等しく、第2オフ区間は第1オフ区間に比べて長い。
【0088】
その結果、フレーム周波数が40Hzのとき、アクティブ区間ACTの第1単位パルス周期T1における発光制御信号EMのオン区間とオフ区間の比率が1:2であり、ブランク区間BLKの第2単位パルス周期T2における発光制御信号EMのオン区間とオフ区間との比率は1:3であってもよい。アクティブ区間ACTにおける発光制御信号EMのオンデューティは約33.33%であり、発光制御信号EMのオフデューティは約66.67%である。ブランク区間BLKにおける発光制御信号EMのオンデューティは25%であり、発光制御信号EMのオフデューティは75%である。この場合、ブランク区間BLKの平均輝度とアクティブ区間ACTの平均輝度は、135nitレベルに近似し、または等しくなり得る。
【0089】
タイミングコントローラは、アクティブ区間ACTの第1単位パルス周期T1を切り替え可能な全てのフレーム周波数で等しく設定し、第1単位パルス周期T1に基づく発光制御信号EMのオン区間とオフ区間との比率(例えば、1:2)を、すべてのフレーム周波数で等しく設定することができる。すなわち、タイミングコントローラは、第1フレーム周波数に対する第1単位パルス周期T1を第1フレーム周波数とは異なる第2フレーム周波数に対する第1単位パルス周期T1と等しく設定することができる。
【0090】
タイミングコントローラは、ブランク区間BLKの第2単位パルス周期T2が第1単位パルス周期T1よりも大きくなるように全てのフレーム周波数で等しく設定し、第2単位パルス周期T2にベース発光制御信号EMのオン区間とオフ区間の比率例えば、1:3は、全てのフレーム周波数で等しく設定することができる。
【0091】
すると、ゲートドライバは、アクティブ区間ACTとブランク区間BLKでオンデューティ比またはオフデューティ比が異なる発光制御信号EMを生成してピクセルに印加することができる。
【0092】
この第1の実施形態によれば、VRRモードでのフレーム周波数切り替え時の輝度偏差を改善し、フリッカを低減することができる。
【0093】
図16及び図17は、固定オンデューティ比を有する比較例のフレーム周波数別輝度と、可変オンデューティ比を有する第1実施形態のフレーム周波数別輝度を示す図である。
【0094】
図16及び図17を参照すると、固定オンデューティ比を有する比較例のフレーム周波数別輝度は、40Hzで217nit、60Hzで215.7nit、80Hzで214.6nit、100Hzで213.4nit、120Hzで212nit、144Hzで209.6nitである。フレーム周波数間の最大輝度偏差は4.7%として大きい。
【0095】
これに対し、可変オンデューティ比を有する第1実施例のフレーム周波数別輝度は、40Hzで217.9nit、60Hzで217.7nit、80Hzで217.5nit、100Hzで217.3nit、120Hzで211.2nitである。フレーム周波数間の最大輝度偏差は0.05%と非常に小さい。
【0096】
可変オンデューティ比を有する第1の実施形態の場合、フレーム周波数間の輝度偏差が小さいため、フレーム周波数切り替え時に視認可能なフリッカを大幅に低減することができる。
【0097】
図18及び図19は、マルチトグルされる発光制御信号のオンデューティ比がアクティブ区間とブランク区間で互いに異なるように変化した第2実施形態を示す図である。
【0098】
図18及び図19を参照すると、本明細書の第2実施形態は、第1フレームのアクティブ区間ACTから第1フレームのブランク区間BLKに変わる瞬間の急激な輝度変化と、第1フレームのブランク区間BLKから第2フレームのアクティブ区間ACTに変わる瞬間の急激な輝度変化を緩和し、フレーム周波数切り替え時に視認できるフリッカをさらに軽減することができる。
【0099】
第2実施形態によれば、アクティブ区間ACTは、第1アクティブ区間A1と、第1アクティブ区間A1に続く第2アクティブ区間A2とに区分することができる。そして、ブランク区間BLKは、第2アクティブ区間A2に続く第1ブランク区間B1と、第1ブランク区間B1に続く第2ブランク区間B2とに区分することができる。
【0100】
タイミングコントローラは、発光制御信号EMのオンデューティ比を、第1ブランク区間B1で第1値に制御し、第2ブランク区間B2で第2値に制御し、第1アクティブ区間A1で第3値に制御し、第2アクティブ区間A2で第4値に制御することができる。この場合、第1値<第2値<第3値<第4値であり得る。
【0101】
このために、タイミングコントローラは、第1アクティブ区間A1の第1単位パルス周期を"T11"、第2アクティブ区間A2の第2単位パルス周期を"T12"、第1ブランク区間B1の第3単位パルス周期を"T21"に設定し、第2ブランク区間B2の第4単位パルス周期を"T22"に設定することができる。T11~T22は、T12<T11<T22<T21を満たす。
【0102】
第1単位パルス周期T11は、第1オン区間と第1オフ区間を含み、第2単位パルス周期T12は第2オン区間と第2オフ区間を含む。そして、第3単位パルス周期T21は第3オン区間と第3オフ区間を含み、第4単位パルス周期T22は第4オン区間と第4オフ区間を含む。ここで、第1ないし第4オン区間は長さが互いに同一であり、第1ないし第4オフ区間の長さは互いに異なる。第2オフ区間の長さは第1オフ区間の長さに比べてさらに短く、第4オフ区間の長さは第3オフ区間の長さに比べてさらに短い。そして、第4オフ区間の長さは第1オフ区間の長さに比べてさらに長い。
【0103】
第1アクティブ区間A1の第1単位パルス周期T11で発光制御信号EMのオン区間とオフ区間の比率が1:2であり、第2アクティブ区間A2の第2単位パルス周期T12で発光制御信号EMのオン区間とオフ区間の比率が1:1.5であり得る。そして、第1ブランク区間B1の第3単位パルス周期T21で発光制御信号EMのオン区間とオフ区間の比率が1:3であり、第2ブランク区間B2の第4単位パルス周期T22で発光制御信号EMのオン区間とオフ区間の比率が1:2.5であってもよい。
【0104】
第1アクティブ区間A1で発光制御信号EMのオンデューティは約33.33%であり、発光制御信号EMのオフデューティは約66.67%である。第2アクティブ区間A2で発光制御信号EMのオンデューティは40%であり、発光制御信号EMのオフデューティは60%である。第1ブランク区間B1で発光制御信号EMのオンデューティは25%であり、発光制御信号EMのオフデューティは75%である。第2ブランク区間B2で発光制御信号EMのオンデューティは約28.57%であり、発光制御信号EMのオフデューティは約71.43%である。
【0105】
この場合、第1ブランク区間B1の平均輝度と第1アクティブ区間A1の平均輝度は135nitで同一となり得る。第2アクティブ区間A2の平均輝度LA2により、第1アクティブ区間A1から第1ブランク区間B1に変わる瞬間の輝度偏差△L3が軽減され得る。第2ブランク区間B2の平均輝度LB2により、第1ブランク区間B1から後続フレームの第1アクティブ区間A1に変わる瞬間の輝度偏差△L3′を軽減することができる。
【0106】
また、第2実施例によれば、VRRモードでフレーム周波数転換時に輝度偏差を改善し、フリッカを低減することができる。
【0107】
図20および図21は、多重トグルされる発光制御信号のオンデューティ比がアクティブ区間とブランク区間で互いに異なって可変された第3実施例を示す図面である。
【0108】
図20及び図21を参照すると、本明細書の第3実施例は、前述の第1実施例と同様に、ブランク区間BLKの平均輝度をアクティブ区間ACTの平均輝度と同一に合わせる。第3の実施例は、ブランク区間BLKでの平均輝度調整が容易になるように、ブランク区間BLKを連続した複数のブランク区間B1,B2,B3に細分化し、ブランク区間のうち一部のブランク区間B1,B2でアクティブ区間ACTに比べて発光制御信号EMのオンデューティ比をさらに小さく制御するのに対し、複数のブランク区間B3でアクティブ区間ACTに比べて発光制御信号EMのオンデューティ比をより大きく制御することができる。
【0109】
第3実施例によれば、ブランク区間BLKは第1ブランク区間B1と、第1ブランク区間B1に続く第2ブランク区間B2と、第2ブランク区間B2に続く第3ブランク区間B3に区分できる。ここで、複数のブランク区間B1、B2、B3の間には、他のアクティブ区間は位置しない。
【0110】
タイミングコントローラは発光制御信号EMのオンデューティ比を、第1ブランク区間B1から第1値に制御し、第2ブランク区間B2から第2値に制御し、アクティブ区間ACTから第3値に制御し、第3ブランク区間B3から第4値に制御することができる。この場合、第1値<第2値<第3値<第4値であり得る。
【0111】
このため、タイミングコントローラはアクティブ区間ACTの第1単位パルス周期を"T1"に、第1ブランク区間B1の第2単位パルス周期を"T21"に、第2ブランク区間B2の第3単位パルス周期を"T22"に、そして第3ブランク区間B3の第4単位パルス周期を"T23"に設定することができる。T1とT21~T23はT23<T1<T22<T21を満たす。
【0112】
第1単位パルス周期T1は第1オン区間と第1オフ区間を含み、第2単位パルス周期T21は第2オン区間と第2オフ区間を含む。そして、第3単位パルス周期T22は第3オン区間と第3オフ区間を含み、第4単位パルス周期T23は第4オン区間と第4オフ区間を含む。ここで、第1ないし第4オン区間は長さが互いに同一であり、第1ないし第4オフ区間の長さは互いに異なる。第2及び第3オフ区間それぞれの長さは第1オフ区間の長さに比べて長く、第4オフ区間の長さは第1オフ区間の長さに比べてさらに短い。
【0113】
アクティブ区間ACTの第1単位パルス周期T1で発光制御信号EMのオン区間とオフ区間の比率が1:2である。第1ブランク区間B1の第2単位パルス周期T21で発光制御信号EMのオン区間とオフ区間の比率が1:3であり、第2ブランク区間B2の第3単位パルス周期T22で発光制御信号EMのオン区間とオフ区間の比率が1:2.5であり、第3ブランク区間B3の第4単位パルス周期T23で発光制御信号EMのオン区間とオフ区間の比率が1:1.5であり得る。
【0114】
アクティブ区間ACTで発光制御信号EMのオンデューティは約33.33%であり、発光制御信号EMのオフデューティは約66.67%である。第1ブランク区間B1で発光制御信号EMのオンデューティは25%であり、発光制御信号EMのオフデューティは75%である。第2ブランク区間B2で発光制御信号EMのオンデューティは約28.57%であり、発光制御信号EMのオフデューティは約71.43%である。第3ブランク区間B3で発光制御信号EMのオンデューティは約40%であり、発光制御信号EMのオフデューティは約60%である。
【0115】
この場合、ブランク区間BLKの平均輝度とアクティブ区間ACTの平均輝度は135nitで同一になることがある。
【0116】
このような第3実施例によれば、VRRモードでフレーム周波数転換時に輝度偏差を改善し、フリッカを低減することができる。
【0117】
図22及び図23は、フレーム周波数によって可変される発光制御信号のオンデューティ比を毎フレームごとにリセットさせることを説明するための図面である。
【0118】
図22及び図23を参照すれば、フレーム周波数可変によるブランク区間BLKの長さによって発光制御信号EMのブランク区間BLKでのオンデューティが変わることがある。例えば、ブランク区間BLKの単位パルス周期が10水平期間10Hに設定された場合、ブランク区間BLKの終了時点t1,t2,t3によってブランク区間BLKでのオンデューティが変わることがある。
【0119】
したがって、各フレームの開始タイミングでスキャン信号との同期のために、発光制御信号EMに対する初期化の動作が必要になる場合がある。
【0120】
このために、タイミングコントローラは、1フレーム中にリセット区間RSTをさらに割り当て、リセット区間RSTで表示パネルに印加されるすべての発光制御信号EMをオフレベルに初期化することができる。リセット区間RSTは、1フレーム内でブランク区間BLKの後ろに位置する。
【0121】
以上で説明した内容から、当業者であれば本発明の技術思想を逸脱しない範疇内で多様な変更及び修正が可能であろう。したがって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって決定されなければならないであろう。
【符号の説明】
【0122】
100 表示パネル
110 ソースドライバ
120 ゲートドライバ
130 タイミングコントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23