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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/60 20060101AFI20240829BHJP
   F04D 29/66 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
F04D29/60 C
F04D29/66 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023214739
(22)【出願日】2023-12-20
【審査請求日】2024-01-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000152170
【氏名又は名称】株式会社酉島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】潘 応康
(72)【発明者】
【氏名】羽野 洋平
(72)【発明者】
【氏名】王 宇翔
【審査官】森 秀太
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-155898(JP,A)
【文献】特開2015-158135(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/60
F04D 29/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸水槽内を上下方向に延び、下端に吸込口が形成された筒状の揚水管と、
前記揚水管の下部において、前記吸水槽内に水が流入する向きの下流側に間隔をあけて配置され、前記揚水管の軸線に沿って延びる第1渦抑制部材と、
前記吸込口を横断するように前記揚水管の下側に配置された板状の第2渦抑制部材と、
前記下流側へ突出するように前記揚水管に着脱可能に取り付けられ、前記軸線に対して交差する方向に延びる板状で少なくとも1つの中間プレートと
を備え、
前記第1渦抑制部材と前記第2渦抑制部材は、前記揚水管に対して前記中間プレートとともに移動可能に取り付けられており、
前記第2渦抑制部材は、最も下側に位置する前記中間プレートから下方に突出し、前記水が流入する向きに沿って延びている、ポンプ。
【請求項2】
前記第1渦抑制部材の上端は、最も上側に位置する前記中間プレートよりも上方に位置している、請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
前記揚水管は、第1フランジ部を含む直管と、第2フランジ部及び前記吸込口を含む吸込ベルとを有し、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部の締結によって前記直管の下側に前記吸込ベルを連設した構成であり、
前記中間プレートは、前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部と一緒に締結されている、請求項1又は2に記載のポンプ。
【請求項4】
前記中間プレートは、前記揚水管に対して上下方向に間隔をあけて複数固定されており、
前記第1渦抑制部材は、複数の前記中間プレートに貫通して取り付けられ、
前記第2渦抑制部材は、前記最も下側に位置する中間プレートに係着されている、
請求項1又は2に記載のポンプ。
【請求項5】
前記第1渦抑制部材は、前記中間プレートに対して前記軸線まわりの周方向に間隔をあけて複数取り付けられている、請求項1又は2に記載のポンプ。
【請求項6】
前記周方向に隣り合う前記第1渦抑制部材は、60度以上120度以下の間隔をあけて配置されている、請求項に記載のポンプ。
【請求項7】
前記揚水管の内周面を直径Dとすると、前記軸線から前記第1渦抑制部材の中心までの距離R1は以下を満たす、請求項1又は2に記載のポンプ。
0.8D≦R1≦1.3D
D:揚水管の内周面の直径
R1:揚水管の軸線から第1渦抑制部材の中心までの距離
【請求項8】
前記揚水管の内周面を直径Dとすると、前記軸線から前記中間プレートの外周縁までの距離R2は以下を満たす、請求項1又は2に記載のポンプ。
1.0D≦R2≦1.5D
D:揚水管の内周面の直径
R2:揚水管の軸線から中間プレートの外周縁までの距離
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ設備の吸水槽では、排水によって貯留された水量が最低水位に近くなると、ポンプ効率の低下及び振動の原因になる空気吸込渦や水中渦が生じ得る。近年では、吸水槽に対し、ポンプケーシングに向けた水の接近流速を早めること(高流速化)、及び流量増大が要望されているため、ポンプにとって有害な空気吸込渦や水中渦が発生する可能性が高くなっている。空気吸込渦とは、吸水槽内の水面からポンプの吸込口に向かう水流に、空気が連続的又は断続的に含まれた渦のことである。水中渦は、吸水槽の底面や側面から吸込口に向かう水流に、キャビテーションによる気体(泡)が連続的又は断続的に含まれた渦のことである。
【0003】
特許文献1には、ポンプケーシング内への空気吸込渦及び水中渦の流入を抑制する渦抑制装置が取り付けられたポンプが開示されている。渦抑制装置は、ポンプケーシングに対して吸水槽内に水が流入する向きの下流側に配置された複数の縦棒と、ポンプケーシングの下端に配置された+字形状の抑制板とを備える。複数の縦棒は、ポンプケーシングの外側に間隔をあけて固定されてポンプケーシングの軸線に沿って延び、吸込口への空気吸込渦の流入を阻害することによって抑制する。抑制板は、吸込口を横断するようにポンプケーシングの下端に固定され、吸込口への水中渦の流入を阻害することによって抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-169626号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
吸水槽の形状は、ポンプ設備によって異なることがある。空気吸込渦及び水中渦が発生する場所は、吸水槽の形状によって異なり、予測困難である。そのため、特許文献1の渦抑制装置では、ポンプケーシングに対する縦棒と抑制板の固定位置を、実際の吸水槽の形状、つまり空気吸込渦と水中渦が発生する場所に応じて、個別に位置調整する必要がある。よって、特許文献1には、渦抑制装置の固定位置の調整作業性について、改善の余地がある。
【0006】
本発明は、ポンプケーシングに対する渦抑制装置の固定位置の調整作業性を向上できるポンプを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、吸水槽内を上下方向に延び、下端に吸込口が形成された筒状の揚水管と、前記揚水管の下部において、前記吸水槽内に水が流入する向きの下流側に間隔をあけて配置され、前記揚水管の軸線に沿って延びる第1渦抑制部材と、前記吸込口を横断するように前記揚水管の下側に配置された板状の第2渦抑制部材と、前記下流側へ突出するように前記揚水管に着脱可能に取り付けられ、前記軸線に対して交差する方向に延びる板状で少なくとも1つの中間プレートとを備え、前記第1渦抑制部材と前記第2渦抑制部材は、前記揚水管に対して前記中間プレートとともに移動可能に取り付けられており、前記第2渦抑制部材は、最も下側に位置する前記中間プレートから下方に突出し、前記水が流入する向きに沿って延びている、ポンプを提供する。
【0008】
このポンプでは、揚水管の下流側に間隔をあけて配置された第1渦抑制部材によって、吸水槽内の水面から吸込口に向かう空気吸込渦の流れを阻害し、吸込口への空気吸込渦の流入を抑制できる。また、吸込口を横断するように揚水管の下側に配置された板状の第2渦抑制部材によって、吸水槽の壁面(底壁、側壁、下側端壁)から吸込口に向かう水中渦の流れを阻害し、吸込口への水中渦の流入を抑制できる。しかも、揚水管から下流側へ突出した板状の中間プレートによって、吸込口への空気吸込渦と水中渦の流入を補助的に抑制できる。そのため、有害な空気及びキャビテーションを含むことなく、吸水槽内の水を効率的に排出できる。
【0009】
一方で、第1渦抑制部材と第2渦抑制部材は、揚水管に対して中間プレートとともに移動可能に取り付けられている。よって、揚水管に対する中間プレートの固定位置を調整することによって、吸水槽に対する第1渦抑制部材の配置及び第2渦抑制部材の姿勢を一緒に調整できる。その結果、第1渦抑制部材及び第2渦抑制部材の固定位置の調整作業性を向上できるうえ、吸込口への空気吸込渦と水中渦の流入を効果的に抑制できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、ポンプケーシングに対する渦抑制装置の固定位置の調整作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る横軸ポンプを用いたポンプ設備を示す断面図。
図2図1の一部拡大断面図。
図3図2のIII-III線断面図。
図4図2の渦抑制装置を備えるポンプの斜視図。
図5図4の渦抑制装置の分解斜視図。
図6】揚水管に対する渦抑制装置の配置を変えた状態を示す図3と同様の断面図。
図7】第2実施形態のポンプの斜視図。
図8】変形例である立軸ポンプを示す図2と同様の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1を参照すると、本発明の第1実施形態に係る横軸ポンプ20は、建屋1のポンプ床4に固定されている。横軸ポンプ20は、建屋1の吸水槽2内に流入した雨水等を吸い込み、図示しない吐出槽に排出する。建屋1、横軸ポンプ20、及び吐出槽によって、ポンプ設備が構成されている。
【0014】
建屋1は、コンクリートの打設によって構築されており、下側の吸水槽2と上側のポンプ室3とを備える。吸水槽2は、ポンプ床4、一対の側壁5、下側端壁6、及び底壁7によって画定されている。吸水槽2のうち、水が流入する向き(以下「流入方向」と言う。)Fの上流側は、開放された連通部8であり、図示しない流入水路に接続されている。ポンプ室3は、ポンプ床4、一対の側壁5、上流側端壁9、下流側端壁10、及び天壁11によって画定されている。吸水槽2とポンプ室3は、ポンプ床4に形成された貫通孔12を介して空間的に連通している。
【0015】
横軸ポンプ20は、吸込口24bを含むポンプケーシング21、主軸30、インペラ31、及びモータ(駆動源)33を備える。この横軸ポンプ20は、モータ32の作動によって減速機33を介して主軸30を回転させ、主軸30と一体に回転するインペラ31によって、ポンプケーシング21内を通して吸水槽2内の水を吸い込んで吐出槽に排出する。
【0016】
図2を参照すると、水が定められた最低水位LWLの近くまで排出されると、吸水槽2内の残水量が少なくなるため、特にポンプケーシング21の周囲では排水による流速が早くなる。そのため、水面から吸込口24bに向かう水流に空気が連続的又は断続的に含まれた空気吸込渦Va、及び壁5,6,7のいずれかから吸込口24bに向かう水流にキャビテーションによる気体(泡)が連続的又は断続的に含まれる水中渦Vwが、吸水槽2内に生じ得る。
【0017】
本実施形態では、横軸ポンプ20にとって有害な空気吸込渦Vaと水中渦Vwが吸込口24bから流入することを抑制するために、ポンプケーシング21の下部に渦抑制装置40が位置調整可能に固定されている。
【0018】
以下、ポンプケーシング21、主軸30、インペラ31、モータ32、及び渦抑制装置40の構成について、具体的に説明する。
【0019】
図1を参照すると、ポンプケーシング21は、揚水管22、屈曲エルボ25、及びベーンケーシング26を備える。揚水管22は、貫通孔12を貫通してポンプ床4の下側の吸水槽2内に配置されている。屈曲エルボ25とベーンケーシング26は、ポンプ床4の上側のポンプ室3内に配置されている。
【0020】
図2を参照すると、揚水管22は、複数(本実施形態では2本)の直管23と吸込ベル24を備え、吸水槽2内を鉛直方向に延びている。
【0021】
直管23は、一様な直径で延びており、上下端に径方向外側へ突出した円環状のフランジ部(第1フランジ部)23aをそれぞれ備える。複数の直管23は、ボルトとナットによって互いのフランジ部23aを締結することにより、液密に接続されている。個々の直管23の全長は、吸水槽2の最低水位LWLに応じて設定されている。具体的には、吸水槽2内が最低水位LWLになったとき、最も下側に位置する直管23(以下「下端直管」と言うことがある。)は、上側のフランジ部23aが水面から露出して空気に晒され、下側のフランジ部23aが没水した状態になる。最低水位LWLになったときに下端直管23がこの様な状態になるように、個々の直管23の全長が設定されている。
【0022】
吸込ベル24は、下方に向かうに従って次第に拡開した円錐筒状である。吸込ベル24は、上端に径方向外側へ突出した円環状のフランジ部(第2フランジ部)24aを備える。吸込ベル24の開放した下端が吸込口24bを構成する。吸込ベル24は、ボルトとナットによってフランジ部24aと下端直管23のフランジ部23aとを締結することにより、液密に接続されている。この状態で、吸込口24bは、吸水槽2の底壁7に対して定められた間隔をあけて上方に位置している。
【0023】
図1を参照すると、屈曲エルボ25は、中心軸が90度湾曲した曲がり管である。屈曲エルボ25は、ボルトとナットによって揚水管22の上端のフランジ部23aに液密に接続されている。
【0024】
ベーンケーシング26は、概ね楕円球状をなすように径方向外向きに膨出した筒状であり、屈曲エルボ25のうち排水方向の下流側端部に液密に接続されている。ベーンケーシング26の内部には、ガイドベーンを介して軸受ケーシング26aが設けられ、この軸受ケーシング26a内には軸受部26bが設けられている。
【0025】
このように構成されたポンプケーシング21には、ベーンケーシング26の下流側端部に、複数の配管によって構成された送水管27が接続される。送水管27の下流側端部は、下流側端壁10を貫通して建屋1の外部に突出し、図示しない吐出槽内に配管される。送水管27を構成する複数の配管のうちポンプ室3内に位置する1つには、止水弁28が設けられている。但し、ポンプ設備は、止水弁28が設けられない構成であってもよい。
【0026】
引き続いて図1を参照すると、主軸30は、ポンプケーシング21の屈曲エルボ25を貫通して水平方向(横向き)に延びるように取り付けられている。ポンプケーシング21内に配置された主軸30の内端は、軸受部26bに回転可能に支持されている。ポンプケーシング21外に配置された主軸30の外端は、減速機33を介してモータ32に連結されている。
【0027】
インペラ31は、主軸30の内端近傍に相対回転不可能に取り付けられている。より具体的には、インペラ31は、ベーンケーシング26内に配置され、軸受ケーシング26aのうち排水方向の上流側に隣接するように主軸30に取り付けられている。
【0028】
モータ32は、ポンプケーシング21に隣接するようにポンプ床4上に固定され、制御部(図示せず)によって制御される。減速機33は、ポンプケーシング21とモータ32の間に配置され、モータ32の出力軸と主軸30にそれぞれ接続されている。ポンプケーシング21内が満水の状態でモータ32が作動されることにより、減速機33を介して主軸30が回転され、主軸30と一体にインペラ31が回転する。これにより、吸水槽2内の水を吸込口24bからポンプケーシング21内に吸い込んで、吐出槽へ排出する(排水運転)。
【0029】
図2から図5を参照すると、渦抑制装置40は、空気吸込渦Va及び水中渦Vwの発生を抑制、ないし発生した空気吸込渦Va及び水中渦Vwの吸込口24bへの流入を抑制する。この渦抑制装置40は、2枚の中間プレート41A,41B、2本の第1渦抑制部材42、及び1枚の第2渦抑制部材43によって構成されている。
【0030】
中間プレート41A,41Bに対して2本の第1渦抑制部材42と1枚の第2渦抑制部材43が取り付けられている。これにより、揚水管22に対する中間プレート41A,41Bの固定位置の調整によって、吸水槽2に対する第1渦抑制部材42の配置と第2渦抑制部材43の姿勢を、一緒に調整可能としている。
【0031】
中間プレート41A,41Bは、2本の第1渦抑制部材42と1枚の第2渦抑制部材43を揚水管22に取り付けるために設けられている。そのうち、下側の中間プレート41Aは、吸込口24bへの空気吸込渦Vaと水中渦Vwの流入を補助的に抑制する機能を兼ね備える。中間プレート41A,41Bは、流入方向Fの下流側へ突出するように、揚水管22に着脱可能に固定されている。
【0032】
中間プレート41A,41Bは、上方から見て、揚水管22の外周面に沿って延びる内周縁を有する同一の扇形状の板体によってそれぞれ構成されている。これらの中間プレート41A,41Bは、揚水管22に対して上下方向に間隔をあけて配置され、揚水管22の軸線Aに対して交差する水平方向に延びている。但し、揚水管22に対する中間プレート41A,41Bの固定角度は、必要に応じて変更可能である。また、中間プレート41A,41Bの形状も、扇形以外の形状であってもよいし、空気吸込渦Vaの直径よりも小さければ、多数の孔が設けられていてもよい。
【0033】
より具体的には、中間プレート41A,41Bの内周部には、揚水管22のフランジ部23a,24aに形成された挿通孔23b,24cに対応する挿通孔41aがそれぞれ設けられている。下側に位置する中間プレート41Aは、吸込ベル24のフランジ部24aの下面に重ねて配置され、ボルトとナットによって下端直管23のフランジ部23aと一緒に共締め(締結)されている。つまり、中間プレート41Aは、吸水槽2内が最低水位LWLになったとき、水面と揚水管22の吸込口24bとの間で没水した状態になるように、揚水管22に固定されている。上側に位置する中間プレート41Bは、下端直管23の直上の直管23のフランジ部23aの上面に重ねて配置され、ボルトとナットによって下端直管23のフランジ部23aと一緒に共締めされている。つまり、中間プレート41Bは、吸水槽2内が最低水位LWLになったとき、水面から空気中に露出するように、揚水管22に固定されている。
【0034】
中間プレート41A,41Bには、2本の第1渦抑制部材42を取り付けるための取付孔41bが、揚水管22の軸線Aまわりの周方向に間隔をあけて設けられている。また、下側の中間プレート41Aには、1枚の第2渦抑制部材43を係着するための係着溝41cが設けられている。係着溝41cは、一対の取付孔41b間の中央に位置するように設けられ、中間プレート41Aの内周部から径方向外側に延びている。係着溝41cは、上側の中間プレート41Bには設けられていない。
【0035】
図3に最も明瞭に示すように、2本の第1渦抑制部材42は、吸水槽2内のうち上流側から揚水管22を回り込んで下流側に流れる水流によって揚水管22の下流側に生じ得る2つの空気吸込渦Vaの流れを阻害し、揚水管22の吸込口24bに流入することを抑制する。図2から図5を参照すると、第1渦抑制部材42は、吸水槽2の最低水位LWLに対応する揚水管22の下部、より具体的には下端直管23に対して流入方向Fの下流側に間隔をあけて配置され、揚水管22の軸線Aに沿って延びている。
【0036】
2本の第1渦抑制部材42は、中間プレート41A,41Bの取付孔41bへの取り付けによって、中間プレート41A,41Bに対して軸線Aまわりの周方向に間隔をあけて配置されている。個々の第1渦抑制部材42の下端42aは、下側の中間プレート41Aよりも下側に突出し、吸込ベル24の下端である吸込口24bの近傍上側に位置している。個々の第1渦抑制部材42の上端42bは、上側の中間プレート41Bよりも上方、つまり最低水位LWLの水面よりも上方に突出し、揚水管22の上下方向の概ね中央部分に位置している。
【0037】
個々の第1渦抑制部材42は、一様な直径で中実の棒体である。但し、第1渦抑制部材42は、中空状の棒体によって構成されてもよい。個々の第1渦抑制部材42は、取付孔41bを貫通して中間プレート41A,41Bに溶接することによって固着されている。但し、個々の第1渦抑制部材42にフランジ部を設け、フランジ部を中間プレート41A,41Bにボルト止めすることによって、第1渦抑制部材42を中間プレート41A,41Bにそれぞれ固着してもよい。また、個々の第1渦抑制部材42を3本の棒体によって構成し、それぞれの棒体にフランジ部を設け、フランジ部を中間プレート41A,41Bにボルト止めすることによって、3本の棒体からなる単一の第1渦抑制部材42を、中間プレート41A,41Bに固着してもよい。
【0038】
第2渦抑制部材43は、揚水管22の下方での旋回流を阻害することによって、吸込口24bへの水中渦Vw及び空気吸込渦Vaの流入を抑制する。第2渦抑制部材43は、平板状で、揚水管22の吸込口24bの下方に間隔をあけて位置し、吸込口24bを横断するように流入方向Fに沿って延びる本体部43aを備える。流入方向Fの上流側から下流側までの本体部43aの全幅は、吸込ベル24の吸込口24bの直径よりも大きい。
【0039】
第2渦抑制部材43は、本体部43aの幅方向両端から上向きに突出した一対の係着部43bを備える。一対の係着部43bのうちの一方は、下側の中間プレート41Aの係着溝41cに挿通されている。これにより、第2渦抑制部材43は、中間プレート41Aの移動によって一緒に移動可能である。また、一対の係着部43bは、下端直管23の下側のフランジ部23a上に引っ掛けられ、ボルトとナットによって締結されている。図4及び図5を参照すると、個々の係着部43bは、アーム部43cと係着部本体43dを備える。
【0040】
アーム部43cは、本体部43aから上向きに突出し、揚水管22の外側を軸線Aに沿って延びている。アーム部43cの下部の横幅は、吸込ベル24に干渉しない範囲で、本体部43aの幅方向内側へ漸増している。本体部43aが延びる幅方向に直交する方向におけるアーム部43cの厚みは、中間プレート41Aの係着溝41cの溝幅よりも薄い。
【0041】
係着部本体43dは、アーム部43cの上端から本体部43aの幅方向内側へ突出している。本体部43aが延びる幅方向に直交する方向における係着部本体43dの幅は、アーム部43cの厚みよりも広く、中間プレート41Aの係着溝41cの溝幅よりも広い。これにより、係着溝41cにアーム部43cを挿通した状態では、中間プレート41Aに対して第2渦抑制部材43が離脱不可能に係着される。一対の係着部本体43d間の間隔は、下端直管23の外径よりも大きい。一対の係着部本体43dには、下端直管23の挿通孔23bに対応する挿通孔43eがそれぞれ設けられている。
【0042】
このように渦抑制装置40が固定された横軸ポンプ20では、以下の詳述するように、空気吸込渦Va及び水中渦Vwの発生を抑制、ないし発生した空気吸込渦Va及び水中渦Vwの吸込口24bへの流入を抑制できる。
【0043】
空気吸込渦Vaは、吸水槽2における揚水管22の下流側の領域で生じ得る。空気吸込渦Vaの発生は、揚水管22からの流れの剥離によって生じる旋回流に起因する。この空気吸込渦Vaは、発生箇所の近傍に配置された第1渦抑制部材42によって吸込口24bへの流れが阻害される。第1渦抑制部材42によって完全に阻害できない場合、空気吸込渦Vaは、下側の中間プレート41Aによって阻害される。その結果、吸込口24bへの空気吸込渦Vaの流入が抑制される。
【0044】
第1の水中渦Vwは、吸水槽2の底壁7で生じ得る。底壁7での水中渦Vwの発生は、流入方向Fに対して交差する方向である吸水槽2の幅方向において、揚水管22の軸線Aに向かう水流の速度差によって生じ得る旋回流れに起因する。この底壁7での水中渦Vwの旋回は、揚水管22の下方で第2渦抑制部材43によって阻害される。その結果、底壁7から吸込口24bへの水中渦Vwの流入が抑制される。
【0045】
第2の水中渦Vwは、吸水槽2の下側端壁6の下部で生じ得る。下側端壁6での水中渦Vwの発生は、下側端壁6への当接による上側から下側への旋回流に起因する。下側の中間プレート41Aによる流速の大きさ及び旋回流の抑制によって、下側端壁6での水中渦Vwの発生自体が抑制される。
【0046】
第3の水中渦Vwは、吸水槽2の側壁5の下部で生じ得る。側壁5での水中渦Vwの発生は、吸水槽2内における上層領域と下層領域の水の流速差に起因する。図2に右向きの矢印で示すように、吸水槽2内の水の流速は、上側から下側に向かうに従って徐々に遅くなる(矢印の長さが流速に対応している。)。下側の中間プレート41Aによって、側壁5での水中渦Vwの発生自体が抑制されている。具体的には、中間プレート41Aは、前述のように上側から下側に向かう旋回流を抑制し、吸水槽2の下流側上層領域を部分的にせき止めた状態に近似させることができる。これにより、上層領域の水を、揚水管22よりも上流側で、図2において破線で示す向きではなく実線で示す下向きに流動させることができる。その結果、上層領域の流速と下層領域の流速の差を無くすことができるため、側壁5での水中渦Vwの発生自体を抑制できる。
【0047】
以上のように、吸込口24bへの空気吸込渦Vaと水中渦Vwの流入を抑制するために、本実施形態の渦抑制装置40は、更に以下のように構成している。
【0048】
図3を参照すると、周方向に隣り合う一対の第1渦抑制部材42は、周方向に間隔αをあけて配置されている。この間隔αは、大きくし過ぎても小さくし過ぎても、揚水管22の下流側で生じ得る2つの空気吸込渦Vaから離れるため、吸込口24bへの空気吸込渦Vaの流入を抑制できない。そのため、一対の第1渦抑制部材42の間隔αは、60度以上120度以下の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では90度に設定されている。
【0049】
第1渦抑制部材42は、揚水管22の外側に間隔をあけて配置されている。この間隔は、大きくし過ぎても小さくし過ぎても、揚水管22の下流側で生じ得る2つの空気吸込渦Vaから離れるため、吸込口24bへの空気吸込渦Vaの流入を抑制できない。そのため、揚水管22の内周面を直径Dとすると、軸線Aから第1渦抑制部材42の中心までの距離R1は、0.8D以上1.3D以下の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では1.0Dに設定されている。第1渦抑制部材42の直径は、0.05以上0.20D以下の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では0.125Dに設定されている。なお、本明細書において、以下に記載する「D」も揚水管22の内周直径を意味する。
【0050】
中間プレート41Aは、第1渦抑制部材42によって吸込口24bへの空気吸込渦Vaの流入を抑制できない場合に、吸込口24bへの空気吸込渦Vaの流入を抑制する(図2参照)。また、中間プレート41Aは、吸水槽2の下側端壁6での旋回流の抑制によって水中渦Vwの発生を抑制する。揚水管22の軸線Aから中間プレート41Aの外周縁までの距離R2、つまり中間プレート41Aの半径を過度に小さくした場合、空気吸込渦Vaの阻害、及び下側端壁6での水中渦Vwの発生抑制を実現できない。一方で、中間プレート41Aの半径を過度に大きくした場合、渦抑制装置40を固定した揚水管22のバランスが過度に悪くなるうえ、吸水槽2における揚水管22の下流側の面積が過度に大きくなる。そのため、中間プレート41Aの半径に対応する前述の距離R2は、1.0D以上1.5D以下の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では1.2Dに設定している。
【0051】
中間プレート41Aと下側端壁6の間は、隙間S1をあけて位置している。隙間S1を過度に大きくすると、空気吸込渦Vaが発生可能な領域が広くなるうえ、吸水槽2の下側端壁6での水中渦Vwの発生抑制が困難になる。一方で、隙間S1を過度に小さくすると、既設のポンプケーシング21への取り付けが困難になり得る。そのため、中間プレート41Aと下側端壁6の間の隙間S1は、0.05D以上0.1D以下に設定することが好ましく、本実施形態では0.075Dに設定されている。
【0052】
図2を参照すると、揚水管22の吸込口24bは、吸水槽2の底壁7に対して定められた間隔S0をあけて位置している。吸水槽2の最低水位LWLは、1.6D以上2.5D以下に設定され、本実施形態では1.9Dに設定されている。但し、吸水槽2の最低水位LWLは、1.6Dに設定されてもよいし、1.9Dに設定されてもよい。また、揚水管22の吸込口24bと吸水槽2の底壁7の間隔S0は、0.6D以上0.8D以下の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では0.7Dに設定されている。なお、吸込口の直径は、1.3D以上1.4D以下の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では1.36Dに設定されている。
【0053】
これに対し、第2渦抑制部材43は、吸水槽2の底壁7に対して間隔S2をあけて配置されている。第2渦抑制部材43と底壁7の間隔S2を過度に大きくした場合、底壁7で発生した水中渦Vwの流れを阻害し、吸込口24bへの水中渦Vwの流入を抑制できない可能性が生じ得る。第2渦抑制部材43と底壁7の間隔S2を過度に小さくした場合、既設のポンプケーシング21への取り付けが困難になり得る。そのため、第2渦抑制部材43と底壁7の間隔S2は、0.05D以上0.10D以下の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では0.07Dに設定している。
【0054】
このように構成した渦抑制装置40では、空気吸込渦Va及び水中渦Vwの発生を抑制、ないし発生した空気吸込渦Va及び水中渦Vwの吸込口24bへの流入を抑制できる。
【0055】
しかも、新設及び既設に拘わらず、中間プレート41A,41B、第1渦抑制部材42、及び第2渦抑制部材43を一緒に移動させ、図2及び図3に示すようにポンプケーシング21に取り付けることができる。
【0056】
一方で、実際の吸水槽2に応じて第1渦抑制部材42の配置と第2渦抑制部材43の姿勢を調整する場合、中間プレート41A,41B及び第2渦抑制部材43を締結したボルトとナットを外し、図6に示すように、中間プレート41A,41Bを適切な角度位置に回転させて、第2渦抑制部材43を含む中間プレート41A,41Bを再びボルトとナットで締結する。これにより、第1渦抑制部材42と第2渦抑制部材43を一緒に回転(移動)させて、配置及び姿勢を調整できる。
【0057】
以上のように構成した横軸ポンプ20は、以下の特徴を有する。
【0058】
揚水管22の下流側に間隔をあけて配置された第1渦抑制部材42によって、空気吸込渦Vaの流れを阻害し、吸込口24bへの空気吸込渦Vaの流入を抑制できる。また、吸込口24bを横断するように揚水管22の下側に配置された板状の第2渦抑制部材43によって、吸水槽2の壁5~7から吸込口24bに向かう水中渦Vwの流れを阻害し、吸込口24bへの水中渦Vwの流入を抑制できる。しかも、揚水管22から下流側へ突出した板状の中間プレート41Aによって、吸込口24bへの空気吸込渦Vaと水中渦Vwの流入を補助的に抑制できる。そのため、有害な空気及びキャビテーションを含むことなく、吸水槽2内の水を効率的に排出できる。
【0059】
一方で、第1渦抑制部材42と第2渦抑制部材43は、揚水管22に対して中間プレート41Aと一緒に移動可能に取り付けられている。よって、揚水管22に対する中間プレート41Aの固定位置を調整することによって、吸水槽2に対する第1渦抑制部材42の配置及び第2渦抑制部材43の姿勢を一緒に調整できる。その結果、第1渦抑制部材42及び第2渦抑制部材43の固定位置の調整作業性を向上できるうえ、吸込口24bへの空気吸込渦Vaと水中渦Vwの流入を効果的に抑制できる。
【0060】
中間プレート41Aは、直管23のフランジ部23a及び吸込ベル24のフランジ部24aと一緒に締結されている。これにより、フランジ部23a,24aへの中間プレート41Aの締結位置を調整することによって、吸水槽2に対する第1渦抑制部材42の配置及び第2渦抑制部材43の姿勢を容易かつ確実に調整できる。
【0061】
第1渦抑制部材42は、上下に間隔をあけて固定された複数の中間プレート41A,41Bに貫通して取り付けられ、第2渦抑制部材43は、最も下側に位置する中間プレート41Aに係着されている。よって、大きな負荷が加わる第1渦抑制部材42を、水流に対抗した状態で確実に配置できるうえ、小さな負荷しか加わらない第2渦抑制部材43を、簡素な係着構造で確実に配置できる。
【0062】
第1渦抑制部材42は、中間プレート41Aに対して軸線Aまわりの周方向に間隔をあけて複数取り付けられている。よって、吸水槽2内に発生し得る複数の空気吸込渦Vaが吸込口24bに流入することを、複数の第1渦抑制部材42によって個別に抑制できる。
【0063】
周方向に隣り合う第1渦抑制部材42は、60度以上120度以下の間隔をあけて配置されている。このようにすれば、吸水槽2内において揚水管22を回り込んで下流側に向かう水流によって生じ得る2つの空気吸込渦Vaを、周方向に隣り合う第1渦抑制部材42によって阻害し、吸込口24bへの流入を抑制できる。
【0064】
揚水管22の直径Dに対し、軸線Aから第1渦抑制部材42の中心までの距離R1は、0.8D以上1.3D以下の範囲に設定されている。これにより、揚水管22の周囲に発生し得る空気吸込渦Vaを、第1渦抑制部材42によって阻害し、吸込口24bへの流入を確実に抑制できる。
【0065】
揚水管22の直径Dに対し、軸線Aから中間プレート41Aの外周縁までの距離R2は、1.0D以上1.5D以下の範囲に設定されている。これにより、揚水管22の周囲に発生し得る空気吸込渦Vaを、中間プレート41Aによって阻害し、吸込口24bへの流入を確実に抑制できるうえ、吸水槽2の下側端壁6での水中渦Vwの発生を抑制できる。
【0066】
以下、本発明の他の実施形態並びに種々の変形例を説明するが、これらの説明において、特に言及しない点は第1実施形態と同様である。以下で言及する図面において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付している。
【0067】
(第2実施形態)
図7を参照すると、第2実施形態の横軸ポンプ20は、渦抑制装置40の上側の中間プレート41Bを、一対の分割プレートによって構成した点で、第1実施形態と相違している。個々の中間プレート41Bは、いずれも扇形状であり、軸線Aまわりの形成角度範囲は、第1渦抑制部材42を接合できる範囲で可能な限り小さく設定されている。
【0068】
このようにした第2実施形態の横軸ポンプ20は、第1実施形態の横軸ポンプ20と同様の作用及び効果を得ることができる。しかも、最低水位LWLまで低下した状態で水面から露出する中間プレート41Bを、中抜きの分割プレートによって構成しているため、吸水槽2内の水位が中間プレート41Bよりも高いとき、意図しない負荷が加わることを抑制できる。
【0069】
なお、本発明は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0070】
例えば、渦抑制装置40は、1枚の中間プレート41A、2本の第1渦抑制部材42、及び1枚の第2渦抑制部材43によって構成されてもよい。つまり、中間プレートは、最低水位LWLまで低下した状態で没水した状態になる下側のみによって構成されてもよい。また、中間プレートは、3枚以上によって構成されてもよい。
【0071】
第1渦抑制部材42は、1本のみで構成されてもよいし、3本以上で構成されてもよい。第2渦抑制部材43は、2以上の板体によって構成され、互いに交差する向きに延びるように配置されてもよい。
【0072】
図8に示すように、ポンプは、主軸30が揚水管22に沿って上下方向に延び、主軸30の下端にインペラ31が取り付けられた立軸ポンプであってもよい。この場合、揚水管22には、図2に示す下端直管23の代わりに、両端にフランジ部(第1フランジ部)26aを備えるベーンケーシング26が用いられる。そして、このベーンケーシング26に吸込ベル24が締結されるとともに、ベーンケーシング26の下部にインペラ31が配置される。言い換えれば、渦抑制装置40は、上下方向に延びる揚水管22を備えるポンプであれば、いずれでも適用可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 建屋
2 吸水槽
3 ポンプ室
4 ポンプ床
5 側壁
6 下側端壁
7 底壁
8 連通部
9 上流側端壁
10 下流側端壁
11 天壁
12 貫通孔
20 横軸ポンプ
21 ポンプケーシング
22 揚水管
23 直管
23a フランジ部
24 吸込ベル
24a フランジ部
24b 吸込口
25 屈曲エルボ
26 ベーンケーシング
26a 軸受ケーシング
26b 軸受部
27 送水管
28 止水弁
30 主軸
31 インペラ
32 モータ
33 減速機
23b 挿通孔
24c 挿通孔
40 渦抑制装置
41 中間プレート
41a 挿通孔
41b 取付孔
41c 係着溝
42 第1渦抑制部材
42a 下端
42b 上端
43 第2渦抑制部材
43a 本体部
43b 係着部
43c アーム部
43d 係着部本体
43e 挿通孔
A 揚水管の軸線
D 揚水管の内周直径
LWL 吸水槽の最低水位
F 吸水槽の流入方向
Va 空気吸込渦
Vw 水中渦
【要約】
【課題】ポンプケーシングに対する渦抑制装置の固定位置の調整作業性を向上できるポンプを提供する。
【解決手段】ポンプ20は、下端に吸込口24bが形成された筒状の揚水管22と、揚水管22の下流側に間隔をあけて配置されて軸線Aに沿って延びる第1渦抑制部材42と、揚水管22の下側に配置された板状の第2渦抑制部材43と、揚水管22に着脱可能に取り付けられた板状の中間プレート41とを備える。第1渦抑制部材42と第2渦抑制部材43は、揚水管22に対して中間プレート41とともに移動可能に取り付けられている。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8