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特許7546158ハイブリッドアークフラッシュ軽減システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】ハイブリッドアークフラッシュ軽減システム
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/59 20060101AFI20240829BHJP
   H01H 9/50 20060101ALI20240829BHJP
   H02H 3/08 20060101ALI20240829BHJP
   H02H 3/16 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H01H33/59 F
H01H9/50
H02H3/08 D
H02H3/16 B
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023521098
(86)(22)【出願日】2021-10-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 EP2021025397
(87)【国際公開番号】W WO2022078626
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-04-05
(31)【優先権主張番号】17/070,464
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、シン
(72)【発明者】
【氏名】カールソン、ブライアン イー.
(72)【発明者】
【氏名】ラング、ブルック イー.
(72)【発明者】
【氏名】グリフィン、ロバート ピー.
【審査官】荒木 崇志
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-519902(JP,A)
【文献】特開2015-079699(JP,A)
【文献】特開2010-034057(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0018913(US,A1)
【文献】実開昭60-055214(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0022928(US,A1)
【文献】国際公開第2015/185096(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0198271(US,A1)
【文献】特表2016-541088(JP,A)
【文献】特開2016-126920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/30 - 9/52
H01H 33/00 - 33/68
H01H 69/00 - 69/01
H01H 71/00 - 83/22
H02B 1/00 - 1/38
H02B 1/46 - 7/08
H02H 3/08 - 3/253
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アークフラッシュ事象を検出するように構成されたアークフラッシュセンサと、
前記アークフラッシュセンサと通信するアークフラッシュ軽減デバイスであって、
経路入力及び経路出力を有する最小抵抗の経路であって、前記アークフラッシュセンサが前記経路出力の下流に配置されている、経路と、
アクチュエータと、
前記経路入力と前記経路出力との間の電気機械スイッチと、
固体回路遮断器を備え、前記電気機械スイッチの開回路状態に応答して前記経路入力と前記経路出力との間に電流を伝導するように構成されたバイパス電力スイッチデバイスと、
前記アークフラッシュセンサによる前記アークフラッシュ事象の検出に応答して、前記アクチュエータを作動させて前記電気機械スイッチの開回路状態を生成するためのトリガ信号を生成するように構成し、これにより、前記バイパス電力スイッチデバイスに、故障事象に関連する故障電流を遮断させるように構成されたシステムコントローラと、を備える前記アークフラッシュ軽減デバイスと、を含み
前記アークフラッシュ軽減デバイスの下流に複数の分岐回路を更に備え、
前記分岐回路の各々が、関連付けられた回路ブレーカを含み、
前記回路ブレーカの各々が、定格故障電流の検出時に開くように構成され、
前記回路ブレーカの各々が、前記定格故障電流の検出に応答して開いた後に、前記電気機械スイッチを再閉路するための再閉路信号を前記システムコントローラに送信するように構成され、
前記システムコントローラが、回路ブレーカから再閉路信号を受信すると、
前記再閉路信号を送信した前記回路ブレーカの下流で前記アークフラッシュ事象が発生したかどうかを判定し、
前記再閉路信号を送信した前記回路ブレーカの下流で前記アークフラッシュ事象が発生したことを確認すると、前記電気機械スイッチに再閉路させる前記アクチュエータをトリガするように更に構成されている、システム。
【請求項2】
前記アークフラッシュセンサが、
前記アークフラッシュ事象を検出するために前記経路出力の下流に配置された少なくとも1つの光センサ及び少なくとも1つの電流センサを含む複数のセンサを備え、
前記複数の分岐回路の各分岐回路は、少なくとも1つの光センサ及び少なくとも1つの電流センサによって監視される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アークフラッシュ軽減デバイスが、高電流故障事象を検出するために前記経路出力の上流に結合された電流センサを更に備え、
前記システムコントローラがまた、前記アークフラッシュ軽減デバイスの前記電流センサによる前記高電流故障事象の検出に応答して、前記バイパス電力スイッチデバイスに前記高電流故障事象に関連する故障電流を遮断させるために、前記アクチュエータを作動させて前記電気機械スイッチの前記開回路状態を生成するための対応するトリガ信号を生成するようにも構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムコントローラが、通常動作モード、アークフラッシュ低減モード、又はその両方のために前記バイパス電力スイッチデバイスを制御するように構成され、
前記通常動作モードでは、前記電気機械スイッチが、前記システムコントローラによって閉回路状態に設定され、
前記アークフラッシュ低減モードでは、前記電気機械スイッチが開回路状態に設定され、前記バイパス電力スイッチデバイスが「ON」状態にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記バイパス電力スイッチデバイスの前記固体回路遮断器が、
エミッタを備える第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタの前記エミッタに接続されたエミッタを備える第2のトランジスタであって、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタがトランジスタ対を形成する、第2のトランジスタと、
前記第1のトランジスタのコレクタに接続された第1の側、及び前記第2のトランジスタのコレクタに接続された第2の側を有する第1の電圧依存抵抗と、を備え、
前記第1のトランジスタの前記コレクタが、前記経路入力に接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記固体回路遮断器が、
エミッタを備える第3のトランジスタと、
前記第3のトランジスタの前記エミッタに接続されたエミッタを備える第4のトランジスタであって、前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタが第2のトランジスタ対を形成する第4のトランジスタと、
前記第3のトランジスタのコレクタに接続された第1の側、及び前記第4のトランジスタのコレクタに接続された第2の側を有する第2の電圧依存抵抗と、を更に備え、
前記第3のトランジスタの前記コレクタが、前記第2のトランジスタの前記コレクタに接続され、
前記第4のトランジスタの前記コレクタが、前記電気機械スイッチの出力端子と前記経路出力との間の前記最小抵抗の経路に接続されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記電気機械スイッチ、前記最小抵抗の経路、前記バイパス電力スイッチデバイス、及び前記システムコントローラを収容するための筐体を更に備え、
前記筐体が、モールドケース回路ブレーカ又は気中回路ブレーカを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記アークフラッシュ軽減デバイスが、前記電気機械スイッチを備える電気機械スイッチデバイスを更に備え、
前記電気機械スイッチデバイスが、真空遮断器を備え、
前記アクチュエータが、前記真空遮断器に接続されたトンプソンコイル又は圧電アクチュエータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記バイパス電力スイッチデバイスがまた、冷却デバイスも備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
アークフラッシュ軽減デバイスによって、前記アークフラッシュ軽減デバイスの下流又は上流の少なくとも1つの電気回路を保護することであって、前記アークフラッシュ軽減デバイスが、アクチュエータと、経路入力と経路出力との間の最小抵抗の経路内の電気機械スイッチと、前記最小抵抗の経路に結合された固体回路遮断器を含むバイパス電力スイッチデバイスとを含む、保護することと、
アークフラッシュセンサによって、前記経路出力の下流のアークフラッシュ事象を検出することであって、前記アークフラッシュセンサが前記アークフラッシュ軽減デバイスと通信する、検出することと、
前記アークフラッシュセンサによる前記アークフラッシュ事象の検出に応答して、前記最小抵抗の経路内の前記電気機械スイッチを開くために、前記アークフラッシュ軽減デバイスによって、前記アクチュエータをトリガすることと、
前記アークフラッシュ軽減デバイスの前記バイパス電力スイッチデバイスによって、検出された前記アークフラッシュ事象を表す故障電流を遮断することと、を含
前記少なくとも1つの電気回路として複数の電気回路が下流にあり、各電気回路が回路ブレーカを有する分岐回路を含み、
前記アークフラッシュセンサによって前記検出することが、前記分岐回路のいずれかにおける前記アークフラッシュ事象の発生を検出することを含み、
前記回路ブレーカの各々を、定格故障電流の検出時に開くように構成すると共に、前記定格故障電流の検出に応答して開いた後に、前記電気機械スイッチを再閉路するための再閉路信号を前記アークフラッシュ軽減デバイスに送信するように構成し、
前記アークフラッシュ軽減デバイスにより、回路ブレーカから再閉路信号を受信すると、
前記再閉路信号を送信した前記回路ブレーカの下流で前記アークフラッシュ事象が発生したかどうかを判定し、
前記再閉路信号を送信した前記回路ブレーカの下流で前記アークフラッシュ事象が発生したことを確認すると、前記電気機械スイッチに再閉路させるように前記アクチュエータをトリガすること、を更に含む方法。
【請求項11】
前記アークフラッシュ軽減デバイスが、前記経路出力の上流に接続された電流センサを備え、
前記アークフラッシュ軽減デバイスによって、前記保護することが、
前記電流センサによって、前記経路出力の下流の高電流故障事象を検出することと、
前記アークフラッシュ軽減デバイスの前記電流センサによる前記高電流故障事象の検出に応答して、前記最小抵抗の経路内の前記電気機械スイッチを開くために、前記アークフラッシュ軽減デバイスによって、前記アクチュエータをトリガすることと、
前記高電流故障事象を表す故障電流を、前記アークフラッシュ軽減デバイスの前記バイパス電力スイッチデバイスによって遮断することと、を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アークフラッシュセンサが、複数の光センサを備え、前記光センサの各々が、前記分岐回路に関連付けられており、前記関連付けられた分岐回路における検出された前記アークフラッシュ事象を表す閃光の照明の発生を感知する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記アークフラッシュセンサが、複数の電流センサを備え、前記電流センサの各々が、前記電流センサの対応する分岐回路における検出された前記アークフラッシュ事象を表す前記故障電流の発生を感知するように分岐回路に関連付けられている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記バイパス電力スイッチデバイスの前記固体回路遮断器が、
エミッタを備える第1のトランジスタ、
前記第1のトランジスタの前記エミッタに接続されたエミッタを備える第2のトランジスタであって、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタがトランジスタ対を形成する、第2のトランジスタ、
前記第1のトランジスタのコレクタに接続された第1の側、及び前記第2のトランジスタのコレクタに接続された第2の側を有する第1の電圧依存抵抗、を備え、
前記第1のトランジスタの前記コレクタが、前記経路入力に接続されている、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記バイパス電力スイッチデバイスの前記固体回路遮断器が、
エミッタを備える第3のトランジスタ、
前記第3のトランジスタの前記エミッタに接続されたエミッタを備える第4のトランジスタであって、前記第3のトランジスタと第4のトランジスタが第2のトランジスタ対を形成する、第4のトランジスタ、
前記第3のトランジスタのコレクタに接続された第1の側、及び前記第4のトランジスタのコレクタに接続された第2の側を有する第2の電圧依存抵抗、を更に備え、
前記第3のトランジスタの前記コレクタが、前記第2のトランジスタの前記コレクタに接続され、
前記第4のトランジスタの前記コレクタが、前記電気機械スイッチの出力端子と前記経路出力との間の前記最小抵抗の経路に接続されている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記アークフラッシュ軽減デバイスが、前記電気機械スイッチを備える電気機械スイッチデバイスを更に備え、
前記電気機械スイッチが、真空チャンバを有する真空遮断器を備え、
前記アクチュエータが、前記真空遮断器に接続されたトンプソンコイル又は圧電アクチュエータを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記バイパス電力スイッチデバイスが冷却デバイスを備え、
前記方法が、前記冷却デバイスによって前記バイパス電力スイッチデバイスを冷却することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記バイパス電力スイッチデバイスが、前記アークフラッシュ事象を遮断するために100マイクロ秒~0.5ミリ秒の応答時間を有する、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本文書は、電力保護システム及び方法、より具体的には、保守要員及び電力機器を保護するためのハイブリッドアークフラッシュ軽減システムを対象とするシステム及び方法を説明する。
【0002】
アークフラッシュ事象は、開閉装置及び配電盤などの配電システムに重大な損傷を引き起こす場合があるだけでなく、作業員の怪我の原因となる可能性がある。回路ブレーカ及びヒューズは、短絡故障があるときに保護を提供するために開閉装置において使用することができる。しかしながら、電流保護システムは、特に低レベル過電流によって引き起こされる故障である場合、短絡故障に関連する危険な電流の伝搬を遮断し、アークフラッシュ事象を排除するために比較的長い応答時間を有する。
【0003】
故障電流をアークフラッシュから短絡経路に迅速に伝達するボルト短絡回路を上流に形成するいくつかの従来技術のシステムが存在する。しかしながら、そのようなシステムは、電気システム及びその構成要素に対して(高い故障電流による)多くの熱的及び機械的応力を引き起こす可能性がある。
【0004】
他の保護システムは、電流センサ及び光センサによるアークフラッシュ事象の検出時に、アークフラッシュ除去応答(2ミリ秒(ms)以内など)を提供することができ、この場合、検出には2msを要する。しかしながら、下流のアークフラッシュ事象からの電流の転流は、一般に、保護システムとアークフラッシュ事象位置との間の距離(すなわちインピーダンス)によって制限される。
【発明の概要】
【0005】
システムのいくつかの実施形態は、アークフラッシュ事象を検出するように構成されたアークフラッシュセンサと、アークフラッシュセンサと通信するアークフラッシュ軽減デバイスとを含んでもよい。アークフラッシュ軽減デバイスは、経路入力と経路出力とを有する最小抵抗の経路を含んでもよい。アークフラッシュセンサは、経路出力の下流に配置される。アークフラッシュ軽減デバイスは、経路入力と経路出力との間にアクチュエータ及び電気機械スイッチを含んでもよい。アークフラッシュ軽減デバイスは、固体回路遮断器を含み、スイッチの開回路状態に応答して経路入力と経路出力との間に電流を伝導するように構成されたバイパス電力スイッチデバイスを含んでもよい。システムコントローラは、アークフラッシュセンサによるアークフラッシュ事象の検出に応答して、アクチュエータを作動させて電気機械スイッチの開回路状態を生成するトリガ信号を生成するように設けられ、これにより、バイパス電力スイッチデバイスに、故障事象に関連する故障電流を遮断させる。
【0006】
様々な実施形態において、アークフラッシュセンサは、アークフラッシュ事象を検出するために経路出力の下流に配置された少なくとも1つの光センサ及び少なくとも1つの電流センサを含む複数のセンサを含んでもよい。システムは、複数の分岐回路を更に含んでもよい。各分岐回路は、少なくとも1つの光センサ及び少なくとも1つの電流センサによって監視される。
【0007】
様々な実施形態において、アークフラッシュ軽減デバイスは、高電流故障事象を検出するために経路出力の上流に結合された電流センサを更に含むことができる。システムコントローラはまた、アークフラッシュ軽減デバイスの電流センサによる高電流故障事象の検出に応答して、バイパス電力スイッチデバイスに高電流故障事象に関連する故障電流を遮断させるために、アクチュエータを作動させて電気機械スイッチの開回路状態を生成するための対応するトリガ信号を生成するように構成される。
【0008】
いくつかの実施形態では、システムコントローラは、通常動作モード、アークフラッシュ低減モード、又はその両方のためにバイパス電力スイッチデバイスを制御するように構成される。通常動作モードでは、電気機械スイッチは、システムコントローラによって閉回路状態に設定される。アークフラッシュ低減動作モードでは、電気機械スイッチは開回路状態に設定され、バイパス電力スイッチデバイスは「ON」状態にある。
【0009】
様々な実施形態において、バイパス電力スイッチデバイスは、エミッタを含む第1のトランジスタと、第1のトランジスタのエミッタに接続されたエミッタを含む第2のトランジスタと、第1のトランジスタのコレクタに接続された第1の側、及び第2のトランジスタのコレクタに接続された第2の側を有する第1の電圧依存抵抗と、を含んでいてもよい。第1のトランジスタのコレクタは、経路入力に接続されてもよい。第1のトランジスタ及び第2のトランジスタは、トランジスタ対を形成する。
【0010】
様々な実施形態において、バイパス電力スイッチデバイスは、エミッタを含む第3のトランジスタと、第3のトランジスタのエミッタに接続されたエミッタを含む第4のトランジスタと、第3のトランジスタのコレクタに接続された第1の側、及び第4のトランジスタのコレクタに接続された第2の側を有する第2の電圧依存抵抗と、を更に含んでもよい。第3のトランジスタのコレクタは第2のトランジスタのコレクタに接続され、第4のトランジスタのコレクタはスイッチの出力端子と経路出力との間の最小抵抗の経路に接続される。第3のトランジスタ及び第4のトランジスタは、第2のトランジスタ対を構成する。
【0011】
様々な実施形態において、システムは、スイッチ、最小抵抗の経路、双方向バイパス電力スイッチデバイス、及びシステムコントローラを収容するための筐体を含んでもよい。筐体は、モールドケース回路ブレーカ又は気中回路ブレーカのフォームファクターを有していてもよい。
【0012】
様々な実施形態において、アークフラッシュ軽減デバイスは、電気機械スイッチを含む電気機械スイッチデバイスを更に含むことができる。電気機械スイッチデバイスは、真空遮断器を含む。アクチュエータは、真空遮断器に接続されたトンプソンコイル又は圧電アクチュエータを含む。
【0013】
様々な実施形態において、バイパス電力スイッチデバイスは、冷却デバイスを含んでもよい。
【0014】
様々な実施形態において、システムは、アークフラッシュ軽減デバイスの下流に複数の分岐回路を更に含む。分岐回路の各々は、関連する回路ブレーカを含む。回路ブレーカの各々は、定格故障電流の検出時に開くように構成される。回路ブレーカの各々は、定格故障電流の検出に応答して開いた後、再閉路信号をシステムコントローラに送信するように構成される。システムコントローラは、回路ブレーカから再閉路信号を受信すると、a)再閉路信号を送信した回路ブレーカの下流でアークフラッシュ事象が発生したかどうかを判定し、b)再閉路信号を送信した回路ブレーカの下流でアークフラッシュ事象が発生したことを確認すると、電気機械スイッチを再閉路させるアクチュエータをトリガするように更に構成される。
【0015】
本方法のいくつかの実施形態は、アークフラッシュ軽減デバイスによって、アークフラッシュ軽減デバイスの下流又は上流の少なくとも1つの電気回路を保護することを含んでもよい。アークフラッシュ軽減デバイスは、アクチュエータと、経路入力と経路出力との間の最小抵抗の経路内の電気機械スイッチと、最小抵抗の経路に結合された固体回路遮断器を含むバイパス電力スイッチデバイスとを含む。本方法は、アークフラッシュセンサによって、経路出力の下流のアークフラッシュ事象を検出することを含む。アークフラッシュセンサは、アークフラッシュ軽減デバイスと通信する。本方法は、アークフラッシュセンサによるアークフラッシュ事象の検出に応答して、最小抵抗の経路内の電気機械スイッチを開くように、アークフラッシュ軽減デバイスによって、アクチュエータをトリガすることと、アークフラッシュ軽減デバイスのバイパス電力スイッチデバイスによって、検出されたアークフラッシュ事象を表す故障電流を遮断することとを含む。
【0016】
様々な実施形態において、システムは、複数の分岐回路を含んでもよく、分岐回路の各々は、関連付けられた回路ブレーカと、複数の分岐回路の上流に位置するアークフラッシュ軽減デバイスとを含む。アークフラッシュ軽減デバイスは、経路入力及び経路出力を有する最小抵抗の経路と、経路入力と経路出力との間の電気機械スイッチとを含んでもよい。アークフラッシュ軽減デバイスは、固体回路遮断器を含み、電気機械スイッチの開回路状態に応答して経路入力と経路出力との間に電流を伝導するように構成されたバイパス電力スイッチデバイスと、経路出力における電流の量を測定して、システム内のある位置に流れる故障電流に関連する高電流故障事象を検出するように構成された電流センサとを含んでもよい。アークフラッシュ軽減デバイスは、電流センサによる高電流故障事象の検出に応答して、固体回路遮断器に高電流故障事象に関連する故障電流を遮断させるトリガ信号を生成するように構成されたシステムコントローラを含むことができ、高電流故障事象は、分岐回路の回路ブレーカのうちの1つ以上の定格電流の少なくとも倍数であるレベルのものである。
【0017】
様々な実施形態において、システムは、システムコントローラと通信するアークフラッシュ感知システムを含んでもよい。アークフラッシュ感知システムは、アークフラッシュ事象を検出するために経路出力の下流に配置された少なくとも1つの光センサ及び少なくとも1つの電流センサを含む複数のアークフラッシュセンサを含むことができ、複数の分岐回路の各々は、少なくとも1つの光センサ及び少なくとも1つの電流センサによって監視される。
【0018】
様々な実施形態において、システムコントローラはまた、アークフラッシュ感知システムの任意の1つのアークフラッシュセンサによるアークフラッシュ事象の検出に応答して、対応するトリガ信号を生成してアクチュエータを作動させ、電気機械スイッチの開回路状態を生成して、バイパス電力スイッチデバイスにアークフラッシュ事象に関連付けられた故障電流を遮断させるように構成される。
【0019】
様々な実施形態において、回路ブレーカの各々は、その定格故障電流の検出時に開くように構成される。回路ブレーカの各々は、定格故障電流の検出に応答して開いた後、再閉路信号をシステムコントローラに送信するように構成される。システムコントローラは更に、回路ブレーカから再閉路信号を受信すると、a)システム内の位置が再閉路信号を送信した回路ブレーカの下流であったかどうかを判定し、b)システム内の位置が再閉路信号を送信した回路ブレーカの下流であったことを確認すると、アクチュエータをトリガして電気機械スイッチを再閉路させるように構成される。
【0020】
様々な実施形態において、システムは、アークフラッシュ軽減デバイスに接続され、その上流にあり、電気機械スイッチが閉回路状態又は開回路状態のいずれかにあるときに複数の分岐回路に電流を供給するように構成された主回路ブレーカを含んでもよい。
【0021】
様々な実施形態において、バイパス電力スイッチデバイスは、アークフラッシュ事象又は高電流故障事象を遮断するために、100マイクロ秒~0.5ミリ秒の応答時間を有する。
【0022】
様々な実施形態において、システムは、アークフラッシュ軽減デバイスの上流に電気回路を含むことができ、電気回路は、複数の分岐回路のうちの少なくとも1つの分岐回路において保守手順を行うように構成される。アークフラッシュ軽減デバイスは、電気機械スイッチの開回路状態を引き起こす選択的維持モードを含む。
【0023】
様々な実施形態において、アークフラッシュ軽減デバイスは、維持モードを選択するためのユーザインターフェースを提供する外部制御パネルを更に備える。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】ハイブリッドアークフラッシュ軽減システムを使用するシステムのブロック図を示す。
図2A】いくつかの実施形態による、第1の動作モードにあるアークフラッシュ軽減デバイスを有するハイブリッドアークフラッシュ軽減システムの概略図を示す。
図2B】いくつかの実施形態による、第2の動作モードにあるアークフラッシュ軽減デバイスを有するハイブリッドアークフラッシュ軽減システムの概略図を示す。
図3】ハイブリッドアークフラッシュ軽減システムのコンポーネントとインターフェースされた図2A図2Bのアークフラッシュ軽減デバイスのコントローラのブロック図を示す。
図4A】モールドケース回路ブレーカ(molded case circuit breaker、MCCB)フォームファクターを有する筐体を有する、アークフラッシュ軽減デバイスの正面斜視図を図示する。
図4B】筐体の一部が除去された図4Aのアークフラッシュ軽減デバイスの端面斜視図及び側面斜視図を示す。
図4C】筐体の一部が除去された図4Aのアークフラッシュ軽減デバイスの側面図を示す。
図5】電気的開閉装置の構成例を示す。
図6A】気中回路ブレーカ(air circuit breaker、ACB)フォームファクターを有する筐体を有する、アークフラッシュ軽減デバイスの正面斜視図を示す。
図6B】筐体の一部が除去された図6Aのアークフラッシュ軽減デバイスの正面斜視図を示す。
図7】気中回路ブレーカカセットフォームファクターを有する筐体を有する、アークフラッシュ軽減デバイスの正面斜視図を示す。
図8】コンピューティングデバイス、コントローラ、及びセンサの内部処理システムなど、システムの電子構成要素のいずれかに含まれ得る内部ハードウェアの一例を示す。
図9】電気開閉装置における複数の分岐回路に使用されるハイブリッドアークフラッシュ軽減システムを有するシステムの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明の主題の特定の例示的な実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。しかしながら、本発明の主題は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の主題の範囲を当業者に十分に伝えるように提供されるものである。図面において、同様の番号は同様の項目を指す。
【0026】
ある物が別の物に「接続されている」又は「結合されている」と言及されるとき、それは他の物に直接接続又は結合され得るか、又は介在する物が存在し得ることが理解されるであろう。例えば、デバイス間に導電経路が存在する場合、その経路が1つ以上の中間構成要素を含む場合であっても、デバイスは「電気的に接続」されている。
【0027】
本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された物のうちの1つ以上の任意の及びすべての組合せを含む。
【0028】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明の主題を限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、明示的に別段の定めがない限り、複数形も含むことが意図される。用語「含む(includes)」、「備える(comprises)」、「含んでいる(including)」、及び/又は「備えている(comprising)」は、本明細書で使用されるとき、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、物、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、物、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除しないことが更に理解されよう。
【0029】
特に記載がない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明の主題が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。更に、一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、本明細書及び関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的にそのように定義されていない限り、理想化された意味又は過度に形式的な意味に解釈されないことが理解されよう。
【0030】
図1は、ハイブリッドアークフラッシュ軽減システム50を使用するシステム10のブロック図を示す。ハイブリッドアークフラッシュ軽減システム50は、アークフラッシュ軽減デバイス(arc flash mitigation device、AFMD)100を含んでもよい。アークフラッシュ軽減デバイス100は、制御パネル120を有する筐体110を含んでもよい。制御パネル120は、ディスプレイパネル125及びインジケータ130を含んでもよい。インジケータ130は、発光ダイオード(light emitting diode、LED)、別のタイプのライト、又は何らかの他のタイプのインジケータデバイスを含む光インジケータを含んでもよい。非限定的な例として、アークフラッシュ軽減デバイス100を作動させることにより、光インジケータ130を点灯させることができる。光インジケータ130は、保守手順を開始する前に、アークフラッシュ軽減デバイス100が作動状態有効又は「ON」であることを作業員20が判定できるようにすることができる。
【0031】
ディスプレイパネル125は、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)又はLEDディスプレイを含んでもよい。ディスプレイパネル125は、ユーザ入力を受信するためのタッチセンサ式ユーザインターフェースを含んでもよい。制御パネル120は、アークフラッシュ軽減デバイス100をそれぞれ作動状態有効化、作動状態無効化及び/又はリセットするためなどの制御ボタン132及び134を含んでもよい。アークフラッシュ軽減デバイス100の1つ以上の構成要素は、固体設計を含んでもよい。アークフラッシュ軽減デバイス100の詳細は、図2A図2B及び図3に関連付けてより詳細に説明する。
【0032】
筐体110は、図1において破線のボックスとして示されるアークフラッシュ軽減デバイス100の保護電子回路105を収容する。保護電子回路105は、最小抵抗の経路107を含んでもよい。図1において、最小抵抗の経路107は、電気機械スイッチSW1を含んでおり、これについては、図2A図2Bに関連付けてより詳細に説明する。図1において、スイッチSW1は、アークフラッシュ軽減デバイス100が作動又は作動状態有効であるときの、最小抵抗の経路107に沿って保護電子回路105内に開回路を形成する「開」である。
【0033】
システム10は、時々作業員20による保守を必要とする電気回路35を含んでもよい。電気回路35は、電力機械のサブコンポーネント又は配電設備の要素であってもよい。例えば、機械又は設備は、開閉装置、配電盤又は分電盤を含んでもよい。電気回路35は、電力回路を含んでもよい。作業員20は、電気テスター又は他のデバイスなどの電気回路25を電気回路35に電気的に接続して、試験又は他の保守作業を行うことが必要となる場合もある。電気回路25は、試験信号を表す電流を生成することができる。電気回路25は、電気回路35からの応答又は戻り信号を予期してもよい。以下でより詳細に説明するように、アークフラッシュ軽減デバイス100は、作動状態有効であるとき、故障事象の故障電流を遮断することによって作業員20を保護するように構成される。
【0034】
ハイブリッドアークフラッシュ軽減システム50は、閃光15又はアークフラッシュを表す電流などのアークフラッシュ軽減デバイス100の下流のアークフラッシュ事象を感知するように構成されたアークフラッシュセンサシステム(arc flash sensor system、AFSS)150を含んでもよい。アークフラッシュからの閃光15の検出に応答して、アークフラッシュセンサシステム150は、アークフラッシュ軽減デバイス100に故障信号を提供する。アークフラッシュセンサシステム150は、アークフラッシュセンサを含んでもよい。閃光の検出及び故障信号の生成は、標準的な電流感知分岐ブレーカが動作し得るよりも迅速に起こり、システムの主ブレーカが動作し得るよりも更に迅速に起こる。アークフラッシュ軽減デバイス100もまた、図2A図2B及び図3に関連付けてより詳細に説明するように、電流センサを含み、システム内の非常に高いレベルの故障電流の検出に応答してアークフラッシュ軽減デバイス100に(第2の)故障信号を提供することができる。
【0035】
筐体110は、図4A~4Cに関連して後述するように、回路ブレーカのフォームファクターと実質的に同様のフォームファクターを含んでもよい。筐体110は、成形ケースを有してもよい。そのような筐体内のアークフラッシュ軽減デバイス100のためのパッケージングは、標準フォームファクターブレーカの設置に適した場所で電気分電盤又は他の機器においてアーク故障軽減を提供する際に、特に有利な用途を見出すことができる。しかしながら、実施形態はそのようなフォームファクターに限定されないことが理解されるべきである。
【0036】
図2Aは、いくつかの実施形態による、第1の動作モードにおけるアークフラッシュ軽減デバイス100を有するハイブリッドアークフラッシュ軽減システム50の概略図を示す。第1のモードは、電気機械スイッチSW1が「閉」又は閉回路状態にある保護電子回路105の動作の作動状態無効モード又は通常モードに対応する。スイッチSW1は、最小抵抗の経路107に沿ってより低いオン抵抗を有するように構成される。図2Bは、いくつかの実施形態による、第2の動作モードにおけるアークフラッシュ軽減デバイス100を有するハイブリッドアークフラッシュ軽減システム50の概略図を示す。第2のモードは、電気機械スイッチSW1が「開」又は開回路状態にある保護電子回路105の作動状態有効モードに対応しているので、最小抵抗の経路107に沿って開回路状態が形成され、電子双方向バイパス電力スイッチデバイス201を通って電気機械スイッチングデバイス210の真空遮断器310への代替双方向バイパス経路が形成される。電気機械スイッチングデバイス210は、図3に関連付けてより詳細に説明する。スイッチSW1が「閉」であるときの最小抵抗の経路107は、双方向であってもよい。
【0037】
図2A及び図2Bは、同じアークフラッシュ軽減デバイス100構造を示すが、異なる動作モードである。
【0038】
双方向バイパス電力スイッチデバイス201は、故障事象の故障電流を遮断するための固体回路遮断器を含んでもよい。特に、バイパス電力スイッチデバイス201は、システムコントローラ250に電気的に接続されている。アークフラッシュ軽減デバイス100は、アークフラッシュセンサシステム150に電気的に接続されてもよい。具体的には、アークフラッシュセンサシステム150のアークフラッシュセンサは、閃光15を検出することができるカメラ又は他の画像捕捉デバイスなど、1つ以上の光センサ981(図9)を備えた視覚システム280(図2A及び2B)を含んでもよい。アークフラッシュセンサシステム150は、アークフラッシュ軽減デバイス100のコントローラ250とは別個のフラッシュセンサコントローラ284を含んでもよい。アークフラッシュセンサシステム150のアークフラッシュセンサは、Eaton(登録商標)コーポレーションによるArcflash Reduction Maintenance System(商標)(ARMS)の電流センサ982(図9)を含むことができ、又は別の適切な電流センサシステムを含んでもよい。動作中、アークフラッシュセンサシステム150の光センサ981は、閃光15の照明を視覚的に検出するように構成される。閃光15の検出に応答して、アークアークフラッシュセンサシステム150は、通信線155上の故障信号をアークフラッシュ軽減デバイス100に通信することができる。通信線155上の故障信号は、アークフラッシュ事象の検出を示すことができる。フラッシュセンサコントローラ284は、光センサ981(図9)が閃光15を感知したときにアークフラッシュ軽減デバイス100に後続信号を送信するためのアーク検出リレー286を含んでもよい。任意選択的に、フラッシュセンサコントローラ284は、画像処理、特徴抽出、又は他の機械学習アルゴリズムを使用して、アークフラッシュ事象を表す照明レベルを画像から検出することができる。他の実施形態では、光センサは、照明レベルを検出又は感知してもよい。アークフラッシュセンサシステム150は、図9に関連付けてより詳細に説明する。
【0039】
アークフラッシュセンサシステム150から通信線155上で故障信号を受信すると、コントローラ250は、アークフラッシュ事象に応答して超高速アクチュエータ240にトリガ導体255上でトリガ信号を送信してスイッチSW1を開くことができる。超高速アクチュエータ240は、システムの分岐ブレーカ及び/又は主ブレーカよりも速く動作することができるという点で超高速である。例えば、スイッチSW1は、図3に関連付けてより詳細に説明するように、超高速アクチュエータ240によって駆動される数百マイクロ秒(μs)以内に少なくとも1ミリメートル(mm)の距離まで強制的に分離される(開く)電気機械スイッチングデバイス210の接点313及び323(図3)を含んでもよい。コントローラ250はまた、最小抵抗の経路107の直列の電流センサ270からの別個の(第1の)故障信号に、又は以下に説明されるようなアークフラッシュ感知システム150に接続される電流センサからの信号に応答し得る。コントローラ250は、センサ270によって検出された高電流故障事象に応答して、トリガ導体255上のトリガ信号をアクチュエータ240に送信してもよい。ハイブリッドアークフラッシュ軽減システム50は、アークフラッシュ事象又は高電流故障事象を検出するために光センサ及び電流センサの両方を含むことができるアークフラッシュセンサを含み、アークフラッシュ事象又は高電流故障事象の両方ともが「故障事象」と呼ばれる場合がある。電流センサ270は、最小抵抗の経路107に沿った、又はアークフラッシュ軽減システム50の上流の電流を検出し、アークフラッシュ事象15の高いリスクに対応する閾値を超える電流レベルによってトリガされ得る。ハイブリッドアークフラッシュ軽減システム50は、光センサ又は電流センサのいずれかからの信号を使用して、コントローラ250を介して故障事象を検出及び確認するのに約2msかかる場合があり、故障事象は、電気機械スイッチングデバイス210にトリガ信号を送信する。故障事象の故障電流を、約2.5ms以内にハイブリッドアークフラッシュ軽減システム50によって遮断することができる。
【0040】
電流センサ270は、高電流故障(すなわち、電流が、少なくとも下流の分岐ブレーカ及び/又は上流の主ブレーカの定格電流の倍数である閾値を超える故障事象)を検出してもよい。高電流故障事象を検出すると、電流センサ270は、コントローラ250に、アクチュエータ240を作動させるためにトリガ導体255に沿って伝搬されるトリガ信号を送信させ得る信号を送信することができる。分岐ブレーカの定格電流の2倍、分岐ブレーカの定格電流の2.5倍、分岐ブレーカの定格電流の6倍、又は別のブレーカの定格電流の別の倍数の場合もある高電流故障事象は、アーク故障の高い程度のリスクを表す。加えて、ハイブリッドアークフラッシュ軽減システム50は、繰り返し使用することができる。
【0041】
バイパス電力スイッチデバイス201が故障事象を遮断した後、ハイブリッドアークフラッシュ軽減システム50は、個々の分岐と通信して、図9に関連付けてより詳細に説明するように、電流測定レベルを取得し、そのブレーカをトリップし(又はそのブレーカが開いていることを確認する信号をそのブレーカから受信し)、次いで電力電子デバイスを介して電力を回復することによって、電力システムのどの分岐に故障があるかを判定することができる。
【0042】
回路ブレーカと呼ばれることもある回路ブレーカは、電源から負荷に電流を流すために互いに接続する電気接点を含む。接点は、コマンドに応答して電流の供給を遮断するために、又は電流過負荷、短絡、及び高電圧状態又は低電圧状態などの電気故障状態から電気システムを保護するために、力によって分離してもよい。いくつかの実施形態では、電気機械スイッチングデバイス210は、接点を分離する力を生成するために超高速アクチュエータ240に結合されてもよい。超高速アクチュエータ240は、スイッチSW1を開いて、約0.5msの応答時間内に少なくとも1ミリメートル(mm)の接点ギャップを達成するように構成される。電気機械スイッチングデバイス210については、図3に関連付けてより詳細に説明する。
【0043】
本明細書で使用される「ノード」という用語は、接続又は接続場所を指すことがある。基準点として、最小抵抗の経路107上のノードN01が、例えば、外部電気回路25からラインL01上の電流を受け取るように構成された入力ノードであると仮定する。最小抵抗の経路107は、ノードN01で始まり得る。したがって、ノードN01は、入力又は経路入力と呼ばれることもある。ノードN01における電流は、ラインL02に沿って、スイッチSW1に伝搬できる。電流がスイッチSW1を通って伝搬すると、電流は、例えば、ラインL04に沿ってノードN20に伝搬する。スイッチSW1は、出力端子T01を含む。
【0044】
閉回路状態では、スイッチSW1の代表的なスイッチングアームA1は、ラインL02上を流れる電流がスイッチSW1を通って最小抵抗の経路107の一部でもあるラインL04に流れるように配向される。スイッチアームA1は、例示を目的としたものであり、スイッチSW1の構成又は動作を何ら限定するものではない。最小抵抗の経路107は、ノードN20からノードN30における出力まで続く。ノードN20は、スイッチSW1の入力側のノードN01から、最小抵抗の経路107上のノードN20と直列のスイッチSW1の第2の出力側へのバイパス経路を提供することができる。
【0045】
バイパス電力スイッチデバイス201は、最小抵抗の経路107の下に位置付けられた破線ボックス内に示される双方向バイパススイッチ回路であり、故障事象の故障電流を遮断するように構成される。スイッチSW1が「開」であるときなど、電流は、ノードN01から、矢印109Aの方向に双方向バイパススイッチ回路(すなわち、電力スイッチデバイス201)へ、ラインL12に沿ってノードN03へ伝搬し得る。
【0046】
ラインL12上の電流は、矢印109Bの方向に、第2の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(insulated gate bipolar transistor、IGBT)トランジスタ205に接続された第1のIGBTトランジスタ(IGBT)203に伝搬することができる。IGBT203及び205は、IGBT203及び205のエミッタが互いに結合されるような一対のIGBTであってもよい。電圧依存抵抗(voltage-dependent resistor、VDR)又はバリスタ213の第1の側、ならびにIGBT203及び205の第1の側は、ノードN03に接続される。具体的には、IGBT203のコレクタは、バリスタ213の第1の側に接続される。IGBT203及び205の第2の側はノードN13に接続され、ここでバリスタ213の第2の側もノードN13に接続される。具体的には、IGBT205のコレクタがノードN13に接続されている。ノードN13はノードN16に隣接している。
【0047】
第3のIGBTトランジスタ207は、第4のIGBTトランジスタ209に接続される。IGBT207及び209は、IGBT207及び209のエミッタが互いに結合されるような一対のIGBTであってもよい。電圧依存抵抗(VDR)又はバリスタ215の第1の側、ならびにIGBT207及び209の第1の側は、ノードN16に接続される。具体的には、IGBT207のコレクタは、バリスタ215の第1の側に接続される。IGBT207及び209の第2の側はノードN18に接続され、ここでバリスタ215の第2の側もノードN18に接続される。具体的には、IGBT209のコレクタがノードN18に接続されている。ラインL16は、ノードN18から最小抵抗の経路107上のノードN20まで延在し、ノードN20は、例として、スイッチSW1の出力端子T01と経路出力(すなわち、ノードN30)との間にある。バイパス電力スイッチデバイス201において、電流は、電気機械スイッチングデバイス210が開状態にあるときなどに、矢印109Cの方向にノードN20に流れることができる。この説明は、IGBTが使用されることを示すが、いくつかの実施形態では、他のタイプのトランジスタが使用されてもよい。
【0048】
バイパス電力スイッチデバイス201は、図2A図2Bに示すように、2対のトランジスタを有することができる。バイパス電力スイッチデバイス201は、複数対のトランジスタを用いて構成してもよい。
【0049】
IGBTは、金属酸化物シリコン電界効果トランジスタ(metal oxide silicone field effect transistors、MOSFET)又は接合ゲート電界効果トランジスタ(junction gate field effect transistors、JFET)又は他の半導体パワー電子スイッチングデバイスで置き換えられてもよい。
【0050】
電流センサ270は、「出力」又は「経路出力」と呼ばれることもあるノードN30に近接してスイッチSW1の下流にある。電流センサ270は、ラインL25上の電流の量を感知するように構成される。電流センサ270は、コントローラ250と電子通信するか、又は電気的に接続されており、ラインL25上の電流の測定値を表す感知電流信号をライン275上に送出することができる。他の変形例では、感知された電流信号は、(第1の)故障検出信号を生成してもよく、これは、感知された信号が、作業員20の怪我を引き起こすであろう所定の閾値にあるとき、コントローラ250に通信される。
【0051】
図3は、装置の構成要素とインターフェースされた図2A図2Bのアークフラッシュ軽減デバイス100のコントローラ250のブロック図を示す。コントローラ250は、ライン303上の第1の制御信号を受信するために、制御パネル120と電気通信するか又は接続されている。例えば、作業員20は、制御パネル120によって生成された第1の制御信号に応答して、アークフラッシュ軽減デバイス100を通常動作モードにしてもよい。通常動作モードは、「OFF」であるアークフラッシュ低減維持モードに対応し、したがって、コントローラ250は、スイッチSW1を閉回路状態に設定する。コントローラ250は、アークフラッシュ軽減デバイス100をそれぞれ作動状態有効化及び作動状態無効化にするためなどの制御ボタン132及び134に応答することができる。アークフラッシュ軽減デバイス100を作動状態有効化すると、スイッチSW1が開回路状態に設定されるように、アークフラッシュ低減維持モードが「ON」になる。
【0052】
制御パネル120は、ライン303上に第1の制御信号を生成して、コントローラ250にデバイス100の動作モードを制御させてもよい。ライン303は、コントローラ250の制御パネル入力又はポートに接続されてもよい。制御パネル入力又はコントローラ250のポートで受信された信号は、コントローラの動作(アームプロセス又はディスアームプロセス)を制御する。したがって、制御パネルは、デバイス100を作動状態無効化するための作動状態無効化制御信号と、アークフラッシュ軽減デバイス100を作動可能にするための作動状態有効化制御信号とを生成することができる。コントローラ250は、デバイス100が作動状態無効化されているが、作動状態無効モードは一般にスイッチSW1の状態を変化させるので、電力供給されてもよい。
【0053】
具体的には、通常動作モードの場合、コントローラ250は、スイッチSW1を、出力端子T01に接続されたスイッチアームA1として表される、図2Aに示すような閉回路状態に遷移させることができる。矢印101は、スイッチSW1が通常動作モードの閉回路状態に設定されたときの、アークフラッシュ軽減デバイス100を通る通常電流を表す。したがって、最小抵抗の経路107は、開回路条件なしでノードN01からノードN30まで延びる。コントローラ250は、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの制御線309上で制御信号を制御バイパス電力スイッチデバイス201に送信して、「OFF」に切り替えることができる。更に、コントローラ250は、バイパス電力スイッチデバイス201の能動冷却デバイス345が存在する場合、能動冷却デバイスを制御することができる。制御パネル120は、ライン303上に第2の制御信号を生成して、コントローラ250にデバイス100の動作モードを制御させて、図2Bに最もよく見られるように、スイッチSW1を「開」にさせて、デバイス100が作動状態有効化してもよい。言い換えれば、スイッチSW1は、端子T01から離れる方向に持ち上げられているスイッチアームA1として表される開回路状態を有する。
【0054】
コントローラ250は、少なくとも1つのプロセッサ355を含んでもよい。コントローラ250のハードウェアの詳細は、図8に関連付けてより詳細に説明する。コントローラ250はまた、作動状態有効化プロセス360及び作動状態無効化プロセス365を実行するためのハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアを含んでもよい。作動状態無効化プロセス365は、図2Aに示され上述されたように、通常動作モードに従って動作するようにアークフラッシュ軽減デバイス100を構成する。例えば、作動状態無効化プロセス365は、コントローラ250に、ライン303上の制御信号に応答して、スイッチSW1を「閉」に制御させることができる、又は閉回路状態に遷移させることができる。
【0055】
作動状態無効化プロセスは、アークフラッシュ低減維持モードを「OFF」に切り替えることができる。加えて、スイッチSW1は、「閉」位置にあるように設定されてもよく、バイパス電力スイッチデバイス201は、「OFF」状態又は「ON」状態のいずれかでよい。様々な実施形態において、バイパス電力スイッチデバイス201は、アークフラッシュ低減維持モードが「OFF」であるとき、「ON」状態のままであってもよい。
【0056】
作動状態有効化プロセス360は、コントローラ250に、ライン303上の第2の制御信号に応答して、スイッチSW1を「開」に制御させることができる、又は最小抵抗の経路107に対して開回路状態に遷移させることができる。スイッチSW1は、最小抵抗の経路107に対して「開」であるとき、端子T01から持ち上げられたスイッチアームA1として表される。スイッチSW1は低いオン抵抗を有する。作動状態有効化プロセス360はまた、コントローラ250に超高速アクチュエータ240を設定又はリセットしてもよく、アークフラッシュ低減維持モードを「ON」にしてもよい。いくつかの実施形態では、作動状態有効化プロセス360は、真空遮断器310の一部であってもよいスイッチSW1を係合してもよく、いくつかの実施形態では、接点313及び323を互いから分離させるか、又はスイッチSW1を「開」にする。真空遮断器310は、セラミックボトル内などの真空チャンバ315を含むことができ、接点313及び323を分離することによってアークが描かれる。アクチュエータ240がリセットされると、リンク機構330及びアクチュエータ240は、接点313及び323を電気的に開の状態に維持するように構成される。デバイス100はまた、アークフラッシュ事象が検出されてクリアされた後、コントローラ250の制御下で再使用することができる。
【0057】
コントローラ250はまた、トリガ発生器370と、第1の故障検出器372と、第2の故障検出器(比較器)375とを含んでもよく、これらはハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアを含んでもよい。アークフラッシュ軽減デバイス100が作動状態有効である間、第1の故障検出器372は、ライン155上の故障信号がアークフラッシュセンサシステム150から受信されたと判定することができる。ライン155上の信号は、コントローラ250の入力又はポートに接続されてもよい。ライン155上の故障信号の検出は、コントローラ250に超高速アクチュエータ240をトリガさせて、スイッチSW1の接点313及び323(図3)を互いから分離させ、それらの間に間隙を形成させてもよい。様々な実施形態において、例えば、スイッチSW1が「閉」であり、バイパス電力スイッチデバイス201が「ON」状態にあるとき、コントローラ250は、アークフラッシュ低減維持モードが作動状態無効化されているが、第1の故障検出器372又は第2の故障検出器(比較器)375のうちの少なくとも一方によって検出された故障事象に応答して、アクチュエータ240をトリガしてスイッチSW1を「開」にするように依然として動作可能である。したがって、スイッチSW1が「開」になると、故障事象の電流はバイパス電力スイッチデバイス201に転流されるので、故障事象はバイパス電力スイッチデバイス201によって遮断することができる。
【0058】
第2の故障検出器(比較器)375は、270センサから受信した信号を比較してもよい。センサ270からの信号は、高電流故障事象を表す場合がある。ライン275上の(第1の故障)信号は、コントローラ250のセンサ入力又はポートに接続されてもよい。比較の結果に応じて、トリガ発生器370は、トリガ導体255に沿ってアクチュエータ240に伝搬されるトリガ信号を生成してもよい。具体的には、トリガ信号は、超高速アクチュエータ240に通信され得、アクチュエータを作動させ、真空遮断器310を「開」にすることにより電気接点313及び323をリンク機構330によって強制的に「開」にする。図3では、スイッチSW1の接点313及び323は「開」として示されている。
【0059】
いくつかのシナリオでは、センサ270からコントローラ250によって受信される信号は、アークフラッシュ事象を表す故障信号であってもよい。センサ270は、アークフラッシュ事象を表す測定信号を送信してもよい。故障信号及び測定信号は、センサ270によって検出されたアークフラッシュ事象に起因する過電流又は過電圧状態を表すように構成してもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ250の第2の故障検出器(比較器)375は、測定信号を閾値と比較して、アークフラッシュ事象の発生を検出することができる。いずれのシナリオにおいても、第2の故障検出器(比較器)375は、制御信号をトリガ発生器370に提供してトリガ信号を生成させるように構成されてもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、超高速アクチュエータ240は、リンク機構330に接続されたトンプソンコイルアクチュエータを含んでもよい。アクチュエータ240は、圧電アクチュエータ又は他の超高速アクチュエータを含んでもよい。動作中、超高速アクチュエータ240は、コントローラ250から制御(トリガ)信号を受信して、アクチュエータ240を作動させてもよい。アクチュエータ240は、作動されると、リンク機構330に加えられる高速作用力を生成し、次に、真空遮断器310内の接点313及び323(すなわち、スイッチSW1)を分離させる。
【0061】
電気機械スイッチングデバイス210は、「開」のとき、故障事象の故障電流が、下流の電気回路35の電流経路内のバイパス電力スイッチデバイス201に転流させることができる。電流の転流は、高周波電子発振回路(図示せず)を使用することによって、又は電流を流している間に接点313及び323が分離するときに接点313と323との間の接点ギャップにわたるアーク電圧によって行うことができる。故障事象又は故障電流は、数十マイクロ秒以内にバイパス電力スイッチデバイス201を通して電力電子回路電流経路に完全に転流される。接点313及び323は、過渡回復電圧(transient recovery voltage、TRV)に耐えるために最小の接点ギャップに強制的に到達させられる。したがって、故障電流は、バイパス電力スイッチデバイス201によって遮断され、アークフラッシュ事象を停止又は排除する。これらすべて(例えば、バイパス電力スイッチデバイス201によって、スイッチSW1を開くこと、及び故障事象の故障電流を遮断すること)は、約0.5ms以内に起こるように構成される。すなわち、応答時間は約0.5ms以下である。
【0062】
バイパス電力スイッチデバイス201は、受動冷却又は能動冷却を行うように構成された冷却デバイス345を有していてもよい。冷却デバイス345が能動冷却を実行する実施形態では、冷却のためにファンを使用してもよい。受動的冷却のために、冷却デバイス345はヒートシンクを含んでもよい。ファンが使用されるとき、アークフラッシュ軽減デバイス100が作動状態有効化されるとき、又はバイパス電力スイッチデバイス201が「ON」に設定されるとき、能動冷却デバイスも同様に「ON」にされる。コントローラ250は、電気機械スイッチングデバイス210及びバイパス電力スイッチデバイス201に追加の制御信号を提供してもよい。
【0063】
ソフトウェアで実装される場合、コントローラ250の機能は、コンピュータ可読媒体上に1つ以上の命令又はコードとして記憶され、ハードウェアベースの処理ユニットによって実行されてもよい。コンピュータ可読媒体は、データ記憶媒体(例えば、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、又は命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用でき、コンピュータがアクセスできる任意の他の媒体)などの有形媒体に対応する。
【0064】
命令は、例えば、1台以上のデジタル信号プロセッサ(digital signal processors、DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuits、ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(field programmable logic arrays、FPGA)、又は他の同等の集積又は個別論理回路などのような、1台以上のプロセッサ355によって実行されてもよい。したがって、本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、前述の構造のいずれか、又は説明される技法の実装に適した任意の他の物理構造を指す場合がある。更に、本技法は、1つ以上の回路又は論理要素において完全に実装することができる。
【0065】
具体的には、最小抵抗の経路107は、第1の抵抗を有する。スイッチSW1は低いオン抵抗を有する。スイッチSW1は、出力端子T01への経路を完成する閉位置を有する。最小抵抗の経路107は、入力(すなわち、ノードN01)と出力(すなわち、ノードN30)とを有し、スイッチSW1が入力(すなわち、ノードN01)と出力(すなわち、ノードN30)との間にある。電気機械スイッチングデバイス210は、スイッチSW1が開回路状態位置にあるときに開回路状態を有する。双方向バイパス電力スイッチデバイス201は、入力に関連付けられた第1の位置(すなわち、ノードN01)において、及びスイッチSW1と出力との間の第2の位置(すなわち、ノードN30)において、最小抵抗の経路107に電気的に接続される。
【0066】
双方向バイパス電力スイッチデバイス201が「ON」であり、スイッチSW1が「開」であるとき、電力スイッチデバイス201は、ノードN01又は入力で発生する電流をノードN30又は出力に通すように構成される。双方向バイパス電力スイッチデバイス201はまた、ノードN30又は出力から発生する電流をノードN01又は入力に通すように構成される。アークフラッシュ低減維持モードが「ON」であるときに故障事象が発生するシナリオでは、双方向バイパス電力スイッチデバイス201は、故障事象の故障電流を遮断することによって保守要員を保護する。代替として、ラインL25からノードN20への任意の電流は、双方向バイパス電力スイッチデバイス201を通して伝搬されてもよい。
【0067】
双方向バイパス電力スイッチデバイス201が「ON」であり、スイッチSW1が「閉」であるとき、コントローラ250は、故障事象を表す信号の受信に応答して、アクチュエータ240へのトリガ信号を生成して、スイッチSW1を開くことによってアークフラッシュ事象又は高電流故障事象を遮断するように構成され、その結果、故障事象の故障電流は、最小抵抗の経路の一部をバイパスし、ノードN20における故障電流を双方向バイパス電力スイッチデバイス201に流すことによって遮断される。ここでも、ラインL25からノードN20への任意の電流は、双方向バイパス電力スイッチデバイス201を通して伝搬され、故障事象を停止するように遮断され得る。
【0068】
例えば、スイッチSW1が既に「開」であるアークフラッシュ低減維持モードがオンにされる場合、故障電流が定格電流の2X又は2.5Xに達すると、双方向電力電子スイッチ201は、100μs以内に故障電流を遮断する。アークフラッシュエネルギーは、アークフラッシュ事象に関連付けられ、故障電流にアーク電圧を乗じたものとして説明することができる。
【0069】
固体設計は、例えば、図4A図4C図6A図6B、及び図7に関連して説明するように、既存の開閉装置、配電盤、又は分電盤に組み込むように、モールドケース回路ブレーカ(MCCB)又は気中回路ブレーカ(ACB)と同じフォームファクターにパッケージ化することができる。
【0070】
図4Aは、MCCBフォームファクターを有する筐体を伴う、アークフラッシュ軽減デバイス400の正面斜視図を図示する。アークフラッシュ軽減デバイス400は、筐体410のフォームファクターの詳細が説明されることを除いて、アークフラッシュ軽減デバイス100と同じである。筐体410は、電流をライン側から負荷側電気設備、例えば、又は他の電気機械に伝導するためのケーブル又はバスバーを取り付けるための上部コネクタ405及び下部コネクタ407を含んでもよい。筐体410のフロントパネル又はカバー402は、ディスプレイパネル125、インジケータ130、ならびに作業員20による容易なアクセスのための制御ボタン132及び134を有していてもよい(図1)。しかしながら、制御パネル120は、説明のない他の制御ボタンを含んでもよいことを理解されたい。図4Bは、筐体の一部が除去された図4Aのアークフラッシュ軽減デバイス400の端面斜視図及び側面斜視図を示す。図4Cは、筐体の一部が除去された図4Aのアークフラッシュ軽減デバイス400の側面図を示す。筐体410は、保護電子回路105の双方向バイパス電力スイッチデバイス201を筐体410のバックパネル412に隣接して配置することができる。バックパネル412は、開閉装置500の内側のパネルに嵌合して取り付けられてもよい(図5)。電気機械スイッチングデバイス210は、真空遮断器310を含んでもよい。超高速アクチュエータ240は、リンク機構330を介して真空遮断器310に機械的に結合される。電気機械スイッチングデバイス210は、筐体410の上端に接続された一端を有してもよい。アークフラッシュ軽減デバイス400は、異なる極に対して並列に配置された複数の電気機械スイッチングデバイス210を含んでもよい。各電気機械スイッチングデバイス210は、リンク機構330を介してそれ自体のアクチュエータ240に接続される。
【0071】
図5は、いくつかの実施形態による、アーク軽減デバイスが設置され得る例示的な電気開閉装置500を示す。開閉装置500は、標準型回路ブレーカを受け入れるように構成することができる。開閉装置500は、筐体510に取り付けられたバスバックプレーンアセンブリ520を収容するための筐体510を含む。バスバックプレーンアセンブリ520は、回路ブレーカを受け入れるように構成することができ、回路ブレーカは、バスバックプレーンアセンブリ520のバスと、互換性のあるフォームファクターを有する筐体内に収容されたアークフラッシュ軽減デバイス100とに電気的に接続することができ、制御パネル120を含む。開閉装置500は、アークフラッシュセンサシステム150を収容することができる。
【0072】
筐体510は、バスバックプレーンアセンブリ520内に設置された回路ブレーカ550の前面を露出させるようなサイズの切欠きを含んでもよい。筐体510はまた、回路ブレーカ530、540及び560の前面を含む。回路ブレーカ530、540及び560は、回路ブレーカ550と同様であり、図9に関連付けてより詳細に説明する。図示されるように、いくつかの実施形態によれば、回路ブレーカ550と実質的に同じフォームファクターを有するアーク軽減装置100が、回路ブレーカの代わりに配電盤500に設置されてもよい。開閉装置500は、他の電子装置を収容するための様々なサイズのカットアウトとともに示されている。
【0073】
図6Aは、気中回路ブレーカ(ACB)フォームファクターを有する筐体を備えたアークフラッシュ軽減デバイス600の正面斜視図を示す。アークフラッシュ軽減デバイス600は、筐体610のフォームファクターの詳細が説明されることを除いて、アークフラッシュ軽減デバイス100と同じである。筐体610のフロントパネル又はカバー602は、作業員20(図1)が容易にアクセスできるように、ディスプレイパネル125、インジケータ130、ならびに制御パネル120の制御ボタン132及び134を搭載していてもよい。筐体610は、フロントパネル又はカバー602に嵌合して取り付けられるように構成された後部筐体セクション612を含んでもよい。後部筐体セクション612は、例えば、下流の電気設備(図5)、又は他の電気機械などにそのライン側から負荷側に電流を流すためのバスバーコネクタに筐体610を取り付けるための後部上側コネクタ605及び後部下側コネクタ607を後部表面に搭載していてもよい。図6Bは、筐体の一部が除去された図6Aのアークフラッシュ軽減デバイス600の正面斜視図を示す。筐体610は、保護電子回路105の双方向バイパス電力スイッチデバイス201を筐体610のフロントパネル602に隣接して配置することができる。電気機械スイッチングデバイス210は、リンク機構330を介して下部搭載超高速アクチュエータ240に接続された真空遮断器310を含んでもよい。
【0074】
図7は、気中回路ブレーカカセットのフォームファクターを有する筐体を備えたアークフラッシュ軽減デバイス700の正面斜視図を示す。アークフラッシュ軽減デバイス700は、筐体710のフォームファクターの詳細が説明されることを除いて、アークフラッシュ軽減デバイス100と同じである。筐体710のフロントパネル又はカバー702は、作業員20(図1)による容易なアクセスのために、搭載されたディスプレイパネル125、インジケータ130、ならびに制御パネル120の制御ボタン132及び134を有していてもよい。筐体710は、フロントパネル又はカバー702に嵌合して取り付けられるように構成された後部筐体セクション712を含んでもよい。
【0075】
図9は、電気開閉装置500内の複数の分岐回路のために使用されるハイブリッドアークフラッシュ軽減システム950(すなわち、ハイブリッドアークフラッシュ軽減システム50)を有するシステム900の概略図を示す。このシナリオでは、保守要員によって使用される電気回路25は、主回路ブレーカ560によって置き換えられる。アークフラッシュ低減維持モードは、このシナリオにおけるアークフラッシュ低減モードである。
【0076】
主回路ブレーカ560は、ノードN01及びアークフラッシュ軽減システム100の上流に結合され(図2A図2B)、交流電流(alternating current、AC)を供給する。非限定的な例として、主回路ブレーカ560が動作可能であり、電気機械スイッチングデバイス210が通常動作モード(図2A)で動作しているとき、電流は、線L25に沿って矢印901の方向に、分岐回路B01及びB02に流れる。あるいは、主回路ブレーカ560が動作可能であり、電気機械スイッチングデバイス210が開回路状態で動作しているときには(図2B)、電流は、破線で示す矢印907A、907B及び907Cの方向に、バイパス電力スイッチデバイス201を通ってラインL25に流れる。しかしながら、分岐B01及びB02の一方又は両方が動作可能であってもよい。電気機械スイッチングデバイス210が開回路状態に切り替えられると、アークフラッシュ軽減システム100は、アークフラッシュ軽減動作モードに遷移することができる。故障事象がクリアされると、アークフラッシュ軽減システム100は、通常動作モードにリセットされ得る。
【0077】
動作中、電流センサ(current sensor、CS)270によって検出された高電流故障事象は、測定された電流量を表す(第1の)故障信号をライン275(図2A又は図2B)上でコントローラ250に通信する。高電流故障は、アークフラッシュ事象の代理(又は高リスクの指標)であると考えることができる。電気機械スイッチングデバイス210が通常動作モードで動作している場合、コントローラ250は、バイパス電力電子スイッチデバイス201及びアクチュエータ240を(図2B)トリガして、バイパス電力スイッチデバイス201及び電気機械スイッチングデバイス210内に開回路状態を引き起こす。一般に、主回路ブレーカ560は、アークフラッシュ軽減システム100よりも遅い応答時間を有する。アークフラッシュ軽減システム100の応答時間が速ければ速いほど、本明細書で説明される故障事象の場合に、爆発の発生又は深刻な電気設備の損傷を防止するのに役立ち得る。
【0078】
説明のために、分岐B01は、例えば、照明、空調装置などの第1の組の電気デバイスを制御するためなど、パネル935に順番に電気的に接続される分岐回路ブレーカ530を含む。更に、分岐B02は、照明、空調装置などの電気デバイスの第2のセットを制御するためなど、順番にパネル945に電気的に接続される分岐回路ブレーカ540を含む。いくつかの実施形態では、コントローラ250は、また、分岐ブレーカ530及び540の一方又は両方を、電流センサ270によって通信媒体951及び952上の制御信号を介して感知された高電流故障事象の場合にトリップさせて、高電流故障事象を中断させてもよい。前述のように、高電流故障事象)は、下流のブレーカもしくは主ブレーカ、又はシステムの別の構成要素の定格電流の少なくとも指定された倍数(2倍、2.5倍、又は6倍など)の検出又は感知された電流に対応する。バイパス電力スイッチデバイス(bypass power switch device、BPSD)201の応答時間は、故障事象を遮断するために100μsから0.5ミリ秒の間であってもよく、該当する下流の分岐ブレーカ又は上流の主ブレーカよりも速くてもよい。故障(915)が分岐ブレーカ(例えば、530)のうちの1つの下流で発生した場合、故障915の上流にある分岐ブレーカ530が開いた後、分岐ブレーカは、通信媒体951を介してコントローラ250にリセット信号を通信してもよい。これは、電気機械スイッチングデバイス210を再閉路し、電流が回路の他の分岐(分岐ブレーカ540と関連付けられる物等)に流れることを可能にするであろう。
【0079】
動作中、コントローラ250は、アークフラッシュセンサシステム150にも応答する。アークフラッシュセンサシステム150のアーク検出リレー286には、分散光センサ又は光センサ981などの分散センサ、及び/又は分岐に沿った電流センサ(CS)982のうちの少なくとも1つが接続されていてもよい。アークフラッシュ事象に関連する電流は、高電流故障事象よりも高い可能性がある。アーク検出リレー286は、どの分岐又は分岐セグメントにおいてなど、アークフラッシュ事象の位置を判定することができる場合がある。各分岐又は分岐セグメントは、異なるセンサ981及び982を有してもよく、それにより、システムは、アークフラッシュ事象がどこで発生したかを判定することができる。
【0080】
複数の分散光センサ又は光センサ981は、複数の回路分岐に沿った経路出力の下流のアークフラッシュ事象を表す閃光の照明を感知し、アーク検出リレー286によって受信されるアーク感知信号を生成する。フラッシュセンサコントローラ284は、受信したアーク感知信号を処理し、処理されたアーク感知信号に基づいてアークフラッシュ事象が発生したかどうかを判定し、アークフラッシュ事象(すなわち、故障事象)が発生したという判定に応答して、システムコントローラ250への故障信号を生成するように構成される。
【0081】
例えば、アークフラッシュセンサシステム150は、アークフラッシュ事象915に関連するような、アークフラッシュ軽減デバイス100の下流の故障事象の検出に応答して、故障信号をコントローラ250(図3)に提供する。アークフラッシュ事象915は、分岐回路ブレーカ530とパネル935との間で発生するように示されている。故障事象は、限定ではないが、ライン25、分岐B01及びB01上、ならびに回路ブレーカ540とパネル945との間等の他の場所で発生し得ることを理解されたい。
【0082】
アークフラッシュ軽減システム950は、分散型光センサ981のうちの少なくとも1つによる故障事象の感知に基づいて、その電気機械スイッチングデバイス210をトリップさせる場合がある。分岐回路ブレーカ530及び540はまた、故障事象が検出されたことに応答して、アークフラッシュ軽減デバイス100とは独立してトリップするように構成してもよい。適用可能な分岐回路ブレーカ530が故障事象915の検出に応答してトリップした後、分岐回路ブレーカ530は、通信媒体951上でアークフラッシュ軽減デバイス100に信号を送ってもよい。通信媒体は、有線であっても無線であってもよい。通信信号は、電気機械スイッチングデバイス210のリセット及び再閉路を調整するために使用されてもよく、これにより、電流が他の分岐路(回路ブレーカ540など)に流れることができるようになる。
【0083】
いくつかのシナリオでは、分岐回路ブレーカ530(又は540)はまた、感知された故障事象によってトリップされた場合に、制御パネル120上に表示するために、通信媒体951又は952を介してアークフラッシュ軽減システム950に通知を送信する(図3)。図では、故障事象915が分岐回路ブレーカ530とパネル935との間で発生したので、分岐回路ブレーカ540は給電されたままであり、主回路ブレーカ560から電流を受け取って、パネル945によって給電される電気回路に給電することができる。
【0084】
様々な実施形態において、システム900は、アークフラッシュ軽減デバイス100の下流に複数の分岐回路を含んでもよく、分岐回路の各々は、関連付けられた回路ブレーカを含み、回路ブレーカの各々は、定格故障電流の検出時に開くように構成され、回路ブレーカの各々は、定格故障電流の検出に応答して開いた後、再閉路信号をシステムコントローラに送信するように構成される。システムコントローラ250は、回路ブレーカから再閉路信号を受信すると、a)再閉路信号を送信した回路ブレーカの下流でアークフラッシュ事象が発生したかどうかを判定し、b)再閉路信号を送信した回路ブレーカの下流でアークフラッシュ事象が発生したことを確認すると、電気機械スイッチを再閉路させるアクチュエータをトリガするように更に構成される。
【0085】
様々な実施形態において、システムコントローラ250は、更に、回路ブレーカから再閉路信号を受信すると、a)システム内の場所が再閉路信号を送信した回路ブレーカの下流であったかどうかを判定するように構成される。
【0086】
様々な実施形態において、バイパス電力スイッチデバイス201は、アークフラッシュ事象又は高電流故障事象を遮断するために、100マイクロ秒~0.5ミリ秒の第1の応答時間を有する。システムは、アークフラッシュ軽減デバイスの上流に主回路ブレーカ560などの電気回路を含んでもよい。電気回路は、任意のアークフラッシュ事象又は高電流故障事象に対するバイパス電力スイッチデバイス201の第1の応答時間よりも遅い第2の応答時間を有し、アークフラッシュ軽減システム950のアークフラッシュ軽減デバイス100によってシステム内で保護することができる。
【0087】
図8は、コントローラ、センサ、及びコンピューティングデバイスなど、システムの電子構成要素のいずれかに含まれ得る内部ハードウェアの一例を示す。電気バス800は、ハードウェアの他の図示された構成要素を相互接続する情報ハイウェイとして機能する。プロセッサ805は、プログラミング命令を実行するために必要な計算及び論理演算を実行するように構成された、システムの中央処理デバイスである。本文書及び特許請求の範囲で使用される場合、「プロセッサ」及び「処理デバイス」という用語は、中央処理装置(central processing unit、CPU)、リモートサーバ、又はこれらの組合せなど、単一のプロセッサ、又は動作のセットを集合的に実行するプロセッサのセット内の任意の数のプロセッサを指すことがある。読み出し専用メモリ(Read only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、フラッシュメモリ、ハードドライブ、及び電子データを記憶することができる他のデバイスは、メモリデバイス825の例を構成する。メモリデバイス825は、データ及び/又は命令が格納される単一のデバイス又はデバイスの集合を含んでもよい。本発明の様々な実施形態は、1つ以上のプロセッサ、印刷デバイス、及び/又はスキャンデバイスに、前の図の文脈で説明した機能を実行させるように構成されたプログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0088】
任意のディスプレイインターフェース830は、バス800からの情報が、視覚、グラフィック、又は英数字形式で、ディスプレイデバイス835(すなわち、制御パネル)上に表示できるようにすることができる。オーディオインターフェース及びオーディオ出力(スピーカなど)も提供できる。外部デバイスとの通信は、ワイヤレスアンテナ、無線周波数識別(radio frequency identification、RFID)タグ、及び/又は短距離もしくは近距離通信トランシーバなどの様々な通信デバイス840を使用して行うことができ、これらの各々は、任意選択で、1つ以上の通信システムを介してデバイスの他の構成要素と通信可能に接続することができる。通信デバイス(複数可)840は、インターネット、ローカルエリアネットワーク、又は携帯電話データネットワーク等の通信ネットワークに通信可能に接続されるように構成されてもよい。
【0089】
ハードウェアは、キーボード又はキーパッド、ジョイスティック、タッチスクリーン、タッチパッド、リモートコントロール、制御ボタン、ポインティングデバイス及び/又はマイクロフォンなどの入力デバイス850からのデータの受信を可能にするユーザインターフェースセンサ845も含んでもよい。上記の特徴及び機能、ならびに代替物は、多くの他の異なるシステム又は用途に組み合わされてもよい。様々な構成要素が、ハードウェア又はソフトウェア又は埋め込みソフトウェアで実装できる。様々な現在予期されない又は予期されない代替物、修正、変形、又は改善は、当業者によって行われてもよく、これらの各々はまた、開示される実施形態によって包含されることを意図している。
【0090】
上記の開示に関連する用語は、以下のものを含む。
【0091】
「メモリ」及び「コンピュータ可読媒体」という用語はそれぞれ、コンピュータ可読データ、プログラミング命令、又はその両方が記憶される非一時的デバイスを指す。特に明記しない限り、「メモリ」及び「コンピュータ可読媒体(単数又は複数)」という用語は、単一デバイスの実施形態、複数のメモリデバイスがデータ又は命令のセットを一緒に又は集合的に記憶する実施形態、ならびにそのようなデバイス内の個々のセクタを含むことが意図される。
【0092】
「プロセッサ」及び「処理デバイス」という用語は、プログラミング命令を実行するように構成された電子デバイスのハードウェア構成要素を指す。特に明記しない限り、単数形の用語「プロセッサ」又は「処理デバイス」は、単一処理デバイスの実施形態と、複数の処理デバイスが一緒に又は集合的にプロセスを実行する実施形態の両方を含むことが意図される。
【0093】
本文書では、「通信線」という用語は、第1のデバイスが1つ以上の他のデバイスに通信信号を送信し、かつ/又は1つ以上の他のデバイスから通信信号を受信する有線又は無線の経路を意味する。デバイスが通信リンクを介してデータを送信及び/又は受信することができる場合、デバイスは「通信可能に接続されている」。「電子通信」は、有線ネットワークを通じてであれ無線ネットワークを通じてであれ、1つ以上の中間デバイスを介して直接的であれ間接的であれ、2つ以上の電子デバイス間の1つ以上の信号を介したデータの伝送を指す。
【0094】
この文書では、そのような「第1の」及び「第2の」という用語が名詞を修正するために使用される場合、そのような使用は、単に1つの項目を別の項目と区別することを意図するものであり、具体的に記載されない限り、連続的な順序を必要とするものではない。
【0095】
加えて、「垂直」及び「水平」、又は「前」及び「後」などの相対位置の用語は、使用される場合、互いに相対的であることが意図され、絶対的である必要はなく、デバイスの配向に応じて、それらの用語に関連付けられたデバイスの1つの可能な位置のみを指す。更に、「前方」及び「後方」という用語は、前方に面する領域又は後方に面する領域に必ずしも限定されず、それぞれ、後方よりも前方に近い側部領域、又はその逆も含む。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9