IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 江蘇博遷新材料有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-パルス式金属粉末調製凝縮方法 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】パルス式金属粉末調製凝縮方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 9/12 20060101AFI20240829BHJP
   B22F 1/054 20220101ALI20240829BHJP
   B22F 1/065 20220101ALI20240829BHJP
   B82Y 40/00 20110101ALI20240829BHJP
   C23C 14/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B22F9/12 Z
B22F1/054
B22F1/065
B82Y40/00
C23C14/00 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023528288
(86)(22)【出願日】2021-09-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 CN2021120665
(87)【国際公開番号】W WO2022142527
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】202011602571.4
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521539281
【氏名又は名称】江蘇博遷新材料股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100145089
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴立新
(72)【発明者】
【氏名】汪艶春
【審査官】坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-112893(JP,A)
【文献】米国特許第06379419(US,B1)
【文献】中国実用新案第206588345(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第106623957(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109513917(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109648093(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00,1/054,1/065,9/12,9/14
B82Y 40/00
C23C 14/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス式金属粉末調製凝縮方法であって、前記方法は、
原料を反応器内に入れて溶融および蒸発させ、金属蒸気を凝縮管内に入れ結晶化させ、核生成させて、粉体ビレットを形成するステップ1と、
粉体ビレットをパルス冷却室内に入れて冷却し、モノマー金属粒子を形成するステップであって、パルス冷却時に前記パルス冷却室内が窒素ガスで満たされるステップ2と、
モノマー金属粒子が、ガス流の作用下で捕集器内に入り収集されるステップ3と、
捕集器内の吹き返し装置が、金属粉体を粉末捕集器内に吹き返して収集するステップ4と、を含み、
前記パルス冷却室内の前記金属粉体の気固比は、1:(1500~2000)であることを特徴とする、パルス式金属粉末調製凝縮方法。
【請求項2】
前記パルス冷却室は、皿形シールヘッド、円柱体、観察穴及びガス分配器を含み、前記ガス分配器は環状ガス分配器であることを特徴とする、請求項1に記載のパルス式金属粉末調製凝縮方法。
【請求項3】
前記環状ガス分配器は、等弧状に分布された複数のガスノズルが設けられており、前記ガスノズルの開口端は、前記凝縮管の中心に向っていることを特徴とする、請求項2に記載のパルス式金属粉末調製凝縮方法。
【請求項4】
前記パルス冷却室に対する前記凝縮管の断面積比は、1:(8~15)であり、前記パルス冷却室に対する前記凝縮管の容積比は、1:(10~15)であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のパルス式金属粉末調製凝縮方法。
【請求項5】
前記金属粉体は球形であり、且つ粒子径は100nm未満であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のパルス式金属粉末調製凝縮方法。
【請求項6】
前記パルス冷却室内は負圧であり、前記反応器内の圧力は70~90kPaであることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のパルス式金属粉末調製凝縮方法。
【請求項7】
前記凝縮管内にはジルコニアのライニング層が設けられていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のパルス式金属粉末調製凝縮方法。
【請求項8】
前記凝縮管および/または前記パルス冷却室は、中間層が設けられており、前記中間層内には冷却水を有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のパルス式金属粉末調製凝縮方法。
【請求項9】
前記ステップ3において、モノマー金属粒子が、傾斜管を介して前記パルス冷却室から捕集器内に入ることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のパルス式金属粉末調製凝縮方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、粉体調製の技術分野に関し、特に、パルス式金属粉末調製凝縮方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、サブミクロンオーダーの金属粉体の調製業界では、物理気相法を用いて金属ニッケル粉末を調製することが多い。金属が反応器溶融槽内で溶融および気化した後、金属蒸気はシステム窒素ガスの作用下で凝縮管に入り、凝縮管内で窒素により冷却され、粉体を形成した後、収集タンクに入る。
【0003】
しかし、現在の物理気相法で金属ニッケル粉末を調製する場合、金属蒸気は直接凝縮管を通じて凝縮するが、凝縮管の内容積は小さく、パルス冷却室内での粉体の気固比はわずか1:(200~250)であり、粉体の濃度が大きく、温度が高く、および粉体の冷却が不十分であるという問題があった。そして、凝縮管の断面積が小さく、管内のガス流速が高く、流動状態のレイノルズ数Re≧3000となるため、システムの流動状態は遷移流と乱流状を呈している。従来の方法で得られる金属ニッケル粉末は、粉体が大きすぎるため、粉体粒子同士および粒子と管壁との間の衝突確率も高くなり、さらに高温環境下では、冷却されていない金属粒子同士が融着して、連続体を形成しやすく、または、不規則な異形粒子を形成して、粉体の品質が低下してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、金属粉体の分布の均一度と歩留まりを向上させる目的を達成するように、パルス式金属粉末調製凝縮方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
その具体的な技術的解決策は下記の通りである:
パルス式金属粉末調製凝縮方法であって、前記方法は、
原料を反応器内に入れて溶融および蒸発させ、金属蒸気を凝縮管内に入れ結晶化させ、核生成させて、粉体ビレットを形成するステップ1と、
粉体ビレットをパルス冷却室内に入れて冷却し、モノマー金属粒子を形成するステップであって、パルス冷却時に前記パルス冷却室内が窒素ガスで満たされるステップ2と、
モノマー金属粒子が、ガス流の作用下で捕集器内に入り収集されるステップ3と、
捕集器内の吹き返し装置が、金属粉体を粉末捕集器内に吹き返して収集するステップ4と、を含み、
前記パルス冷却室内の前記金属粉体の気固比は、1:(1500~2000)であることを特徴とする
【0006】
任意選択的に、前記パルス冷却室は、皿形シールヘッド、円柱体、観察穴及びガス分配器を含み、前記ガス分配器は環状ガス分配器である。
【0007】
任意選択的に、前記環状ガス分配器は、等弧状に分布された複数のガスノズルが設けられており、前記ガスノズルの開口端は、前記凝縮管の中心に向っている。
【0008】
任意選択的に、前記パルス冷却室に対する前記凝縮管の断面積比は、1:(8~15)であり、前記パルス冷却室に対する前記凝縮管の容積比は、1:(10~15)である。
【0009】
任意選択的に、前記金属粉体は球形であり、且つ粒子径は100nm未満である。
【0010】
任意選択的に、前記パルス冷却室内は負圧であり、前記反応器内の圧力は70~90kPaである。
【0011】
任意選択的に、前記凝縮管内にはジルコニアのライニング層が設けられている。
【0013】
任意選択的に、前記凝縮管および/または前記パルス冷却室は、中間層が設けられており、前記中間層内には冷却水を有する。
【0014】
任意選択的に、前記ステップ3において、モノマー粒子が、傾斜管を介して前記パルス冷却室から捕集器内に入る。
【発明の効果】
【0015】
上記の技術的解決策によれば分かるように、本出願は、パルス式金属粉末調製凝縮方法を提供し、当該パルス式金属粉末調製凝縮方法は、以下の有益な効果を有する:
1、断面積の大きなパルス冷却室を設けることにより、管内のガス流速が低下し、流動状態のレイノルズ数Re≦3000となり、凝縮システムの流動状態は、遷移流と層流状を呈する。
2、体積の大きいパルス冷却室を設けることにより、金属粉体の冷却空間を効果的に拡大し、パルス冷却室における金属粉体の密度を低下させ、さらに粉体粒子同士および粒子と管壁との間の衝突確率を効果的に低下させ、金属粒子の結合および不規則な異形粒子の発生を回避する目的を達成した。
3、温度場の分布が均一なパルス冷却室を設けることにより、粒子の分布が均一な金属粉体が得られ、超大と超微細粒が少なく、粉体の粒度分布が狭いという効果を奏した。
4、パルス冷却室の中心部と室壁との温度差を小さくすることにより、金属蒸気が室壁に形成するスラグや廃棄粉末が少なくなり、粉体の歩留まりを15%向上させる目的を達成した。
5、凝縮管の内壁のスラグ現象が少なく、凝縮管の詰まりが生じにくく、生産サイクルが20%短縮されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本出願の実施例または先行技術における技術的解決策をより明確に説明するために、以下、実施例または先行技術の説明に使用される図面について簡単に説明する。明らかに、下記の説明における図面は、本発明の実施例にすぎず、当業者にとっては、進歩性に値する労働なしに、提供される図面に基づいて他の図面を取得することもできる。
図1図1は本開示のパルス式金属粉末調製凝縮装置の実施例の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本出願の実施例における図面を参考しながら、本出願の実施例における技術的解決策を明確かつ完全に説明する。説明される実施例は本出願の実施例の一部にすぎず、その全ての実施例ではないことが明らかである。本出願の実施例に基づき、当業者は、進歩性に値する労働を行うことなく取得した他の全ての実施例は、本出願の保護範囲に属する。
【0018】
以下、本発明の実施例に係るパルス式金属粉末調製凝縮装置について具体的に説明する。
【0019】
図1に示すように、パルス式金属粉末調製凝縮装置は、反応器1と、凝縮管2と、パルス冷却室3と、捕集器4と、粉末捕集器5とを備える。前記反応器1は、原料を溶融および蒸発させて金属蒸気を得るためのものである。凝縮管2は、金属蒸気が凝縮管2を通過する際に結晶化して核生成し、パルス冷却室3内に入った後にガス流速を遅くすることにより、結晶化・核生成した粉体ビレット粒子間の間隔を瞬間的に広げ、個々の粉体ビレット粒子の衝突確率を大幅に減少させ、結合粒子とスラグの発生を効果的に低減するように、反応器1とパルス冷却室3とを接続している。捕集器4は、パルス冷却室3の冷却により得られた金属粉体を収集するためのものであり、金属粉体は、捕集器4内の吹き返しタンクの吹き返し作用下で粉末捕集器5内に入り収集される。冷却の効果を達成するために、凝縮管2内にはジルコニアのライニング層が設けられており、且つ凝縮管2および/またはパルス冷却室3には中間層が設けられており、中間層内には冷却水を有する。
【0020】
なお、パルス冷却室3は、皿形シールヘッド、円柱体、観察穴及びガス分配器を含む。皿形シールヘッドは、凝縮管2と密封接続するためのものである。円柱体は、金属粉末の冷却及び取得に用いられる。観察穴は、円柱体内の金属粉体の生成状況を観察するためのものである。ガス分配器6は環状ガス分配器であり、ガス分配器6には、等弧状に分布された複数のガスノズルが設けられている。ガスノズルの開口端は、ガス流速を効果的に遅くして粉体ビレットを吹き飛ばすように、凝縮管2の中心に向っている。
【0021】
それと同時に、個々の粉体ビレット粒子の衝突確率を大幅に減少させることで、結合粒子とスラグの発生を効果的に低減するように、パルス冷却室3に対する凝縮管2の断面積比は、1:(8~15)であり、パルス冷却室3に対する凝縮管2の容積比は、1:(10~15)である。
【0022】
本開示は、反応器1、凝縮管2、パルス冷却室3、捕集器4及び粉末捕集器5からなる調製凝縮装置を用いることにより、パルス冷却方法で金属粉体を得るパルス式金属粉末調製凝縮方法を提供する。
【0023】
前記パルス冷却方法は、
原料を反応器1内に入れて溶融および蒸発させ、金属蒸気を凝縮管2内に入れ結晶化させ、核生成させて、粉体ビレットを形成するステップ1と、
粉体ビレットをパルス冷却室3内に入れて冷却し、モノマー金属粒子を形成するステップであって、パルス冷却時にパルス冷却室3内が窒素ガスで満たされるステップ2と、
モノマー金属粒子が、パルス式金属粉末調製凝縮装置のガス流の作用下で、傾斜管を通して捕集器4内に入り収集されるステップ3と、
捕集器4内の吹き返し装置が、金属粉体を粉末捕集器5内に吹き返して収集するステップ4と、を含む。
【0024】
なお、原料は鉄、ニッケル、銅、錫、銀等のうちの1種又は2種以上の金属であり、得られる金属粉体は鉄、ニッケル、銅、錫、銀等のうちの1種又は2種以上の金属からなる合金粉体である。金属粉体は球形であり、且つ粒子径は100nm未満である。金属粉体の分布の均一度と歩留まりを効果的に向上させる効果を奏するように、パルス冷却の過程中に、パルス冷却室3内は負圧であり、反応器1内の圧力は70~90kPaであり、パルス冷却室3内の金属粉体の気固比は、1:(1500~2000)である。
【0025】
実施例1
図1に示すように、パルス式金属粉末調製凝縮装置は、反応器1と、凝縮管2と、パルス冷却室3と、捕集器4と、粉末捕集器5とを備える。前記反応器1は、原料を溶融および蒸発させて金属蒸気を得るためのものである。凝縮管2は、金属蒸気が凝縮管2を通過する際に結晶化して核生成し、パルス冷却室3内に入った後にガス流速を遅くすることにより、結晶化・核生成した粉体ビレット粒子間の間隔を瞬間的に広げ、個々の粉体ビレット粒子の衝突確率を大幅に減少させ、結合粒子とスラグの発生を効果的に低減するように、反応器1とパルス冷却室3とを接続している。捕集器4は、パルス冷却室3の冷却により得られた金属粉体を収集するためのものであり、金属粉体は、捕集器4内の吹き返しタンクの吹き返し作用下で粉末捕集器5内に入り収集される。冷却の効果を達成するために、凝縮管2内にはジルコニアのライニング層が設けられており、且つ凝縮管2には中間層が設けられており、中間層内には冷却水を有する。
【0026】
なお、パルス冷却室3は、皿形シールヘッド、円柱体、観察穴及びガス分配器を含む。皿形シールヘッドは、凝縮管2と密封接続するためのものである。円柱体は、金属粉末の冷却及び取得に用いられる。観察穴は、円柱体内の金属粉体の生成状況を観察するためのものである。ガス分配器6は環状ガス分配器であり、ガス分配器6には、等弧状に分布された複数のガスノズルが設けられている。ガスノズルの開口端は、ガス流速を効果的に遅くして粉体ビレットを吹き飛ばすように、凝縮管2の中心に向っている。
【0027】
それと同時に、個々の粉体ビレット粒子の衝突確率を大幅に減少させることで、結合粒子やスラグの発生を効果的に低減するように、パルス冷却室3に対する凝縮管2の断面積比は、1:8であり、パルス冷却室3に対する凝縮管2の容積比は、1:10である。
【0028】
当該実施例に提供されるパルス式金属粉末調製凝縮方法は、反応器1、凝縮管2、パルス冷却室3、捕集器4及び粉末捕集器5からなる調製凝縮装置を用いることにより、パルス冷却の方法で金属粉体を得た。
【0029】
前記パルス冷却方法は、
原料を反応器1内に入れて溶融および蒸発させ、金属蒸気を凝縮管2内に入れ結晶化させ、核生成させて、粉体ビレットを形成するステップ1と、
粉体ビレットをパルス冷却室3内に入れて冷却し、モノマー金属粒子を形成するステップであって、パルス冷却時にパルス冷却室3内が窒素ガスで満たされるステップ2と、
モノマー金属粒子が、パルス式金属粉末調製凝縮装置のガス流の作用下で、傾斜管を通して捕集器4内に入り収集されるステップ3と、
捕集器4内の吹き返し装置が、金属粉体を粉末捕集器5内に吹き返して収集するステップ4と、を含む。
【0030】
なお、原料は鉄、ニッケル、銅、錫、銀等のうちの1種又は2種以上の金属であり、得られる金属粉体は鉄、ニッケル、銅、錫、銀等のうちの1種又は2種以上の金属からなる合金粉体である。金属粉体は球形であり、且つ粒子径は100nm未満である。金属粉体の分布の均一度と歩留まりを効果的に向上させる効果を達成するように、パルス冷却の過程中に、パルス冷却室3内は負圧であり、反応器1内の圧力は~70kPaであり、パルス冷却室3内の金属粉体の気固比は、1:1500である。
【0031】
実施例2
実施例2と実施例1との相違点は、実施例2における、パルス冷却室3に対する凝縮管2の断面積比が、1:12であり、パルス冷却室3に対する凝縮管2の容積比が、1:13である、ことである。
【0032】
実施例3
実施例3と実施例1との相違点は、実施例3における、パルス冷却室3に対する凝縮管2の断面積比が、1:15であり、パルス冷却室3に対する凝縮管2の容積比が、1:15である、ことである。
【0033】
実施例4
実施例4と実施例1との相違点は、実施例4における、反応器1内の2の圧力が、80kPaであり、パルス冷却室3内の金属粉体の気固比が、1:1800である、ことである。
【0034】
実施例5
実施例5と実施例1との相違点は、実施例5における、反応器1内の2の圧力が、90kPaであり、パルス冷却室3内の金属粉体の気固比が、1:2000である、ことである。
【0035】
実施例6
実施例6と実施例1との相違点は、実施例6における、凝縮管2とパルス冷却室3のいずれにも中間層が設けられており、中間層には冷却水を有する、ことである。
【0036】
以上のことから、本出願は、断面積の大きなパルス冷却室3を設けることにより、管内のガス流速を低下させ、流動状態のレイノルズ数Re≦3000となり、凝縮システムの流動状態が遷移流と層流状を呈する。体積の大きなパルス冷却室3を設けることにより、金属粉体の冷却空間を効果的に拡大し、パルス冷却室3における金属粉体の密度を低下させ、さらに粉体粒子同士および粒子と管壁との間の衝突確率を効果的に低下させ、金属粒子の結合および不規則な異形粒子の発生を回避する目的を達成した。温度場の分布が均一なパルス冷却室3を設けることにより、粒子分布が均一な金属粉体が得られ、超大と超微細粒が少なく、粉体の粒度分布が狭いという効果を奏した。パルス冷却室3の中心部と室壁との温度差を小さくすることにより、金属蒸気が室壁に形成するスラグや廃棄粉末が少なくなり、粉体の歩留まりを15%向上させる目的を達成した。したがって、凝縮管2を有する内壁はスラグ現象が少なく、凝縮管2の詰まりが生じにくく、生産サイクルが20%短縮されるという効果がある。
【0037】
本出願に係る「第1」、「第2」、「第3」、「第4」など(存在する場合)は、類似の対象を区別するために用いられるものであり、特定の順序または優先順位を説明するために用いられる必要はない。このように用いられるデータは、本明細書で説明される実施例が、本明細書に図示または説明される内容を除いた順序で実施され得るように、適切な場合に交換可能であることが理解されるべきである。また、「含む」および「備える」という用語、ならびにそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図しており、例えば、一連のステップまたは単位を含むプロセス、方法または装置が、必ずしも明確に列挙されたそれらのステップまたは単位に限定されるわけではなく、明確に列挙されていないもの、あるいは、それらのプロセス、方法または装置に固有の他のステップまたは単位を含み得る。
【0038】
なお、本出願における「第1」、「第2」などに関する説明は、単に目的を説明するためのものであり、その相対的な重要性を示すまたは示唆するもの、或いは、示される技術的特徴の数を暗黙的に示すものと理解できない。これにより、「第1」、「第2」と限定された特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示的または暗黙的に含み得る。また、各実施例間の技術的解決策は、互いに組み合わせてもよいが、当業者によって達成可能であることを前提としなければならず、技術的解決策の組み合わせが互いに矛盾し、または実現できない場合、このような技術的解決策の組み合わせは存在せず、本出願で主張する保護範囲内ではないとみなされるものとする。
【0039】
本明細書では、具体的な例を用いて本発明の原理及び実施形態について説明したが、以上の実施例の説明は、本出願の方法及びその核心思想を理解するためのものにすぎない。また、当業者にとっては、本出願の思想に基づき、具体的な実施形態及び応用範囲においても変更がある。以上のように、本明細書の内容は本出願を限定するものと理解すべきではない。
【符号の説明】
【0040】
1、反応器;2、凝縮管;3、パルス冷却室;4、捕集器;5、粉末捕集器;6、ガス分配器。
図1