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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】表示装置及び表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10K 71/20 20230101AFI20240829BHJP
   H10K 50/15 20230101ALI20240829BHJP
   H10K 50/16 20230101ALI20240829BHJP
   H10K 50/17 20230101ALI20240829BHJP
   H10K 50/18 20230101ALI20240829BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20240829BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20240829BHJP
   H10K 50/115 20230101ALI20240829BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240829BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240829BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20240829BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20240829BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20240829BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H10K71/20
H10K50/15
H10K50/16
H10K50/17
H10K50/18
H10K59/122
H10K59/35
H10K50/115
G09F9/30 365
G09F9/30 338
G09F9/00 338
H05B33/10
H05B33/12 B
H05B33/14 Z
H05B33/22 A
H05B33/22 C
H05B33/22 Z
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2023531270
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(86)【国際出願番号】 JP2021024871
(87)【国際公開番号】W WO2023276085
(87)【国際公開日】2023-01-05
【審査請求日】2023-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅岡 康
(72)【発明者】
【氏名】喜田 扇太郎
(72)【発明者】
【氏名】安達 考洋
【審査官】辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112864207(CN,A)
【文献】国際公開第2019/138579(WO,A1)
【文献】特開2013-187095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 71/20
H10K 50/15
H10K 50/16
H10K 50/17
H10K 50/18
H10K 59/122
H10K 59/35
H10K 50/115
G09F 9/30
G09F 9/00
H05B 33/10
H05B 33/12
H05B 33/14
H05B 33/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に発光層及び電荷移動層とを備えた発光素子とを備え、
前記発光素子の発光領域と、前記発光領域の周辺部である非発光領域とを含み、
前記非発光領域の一部には、前記電荷移動層よりも下層に凸部が設けられており、
前記電荷移動層は、前記発光領域及び前記非発光領域を含む前記基板上の表示領域に連続膜として形成され、かつ、前記凸部上に、前記発光領域の部分及び前記非発光領域の前記凸部上以外の部分よりも膜厚が薄い薄膜部を有する、表示装置。
【請求項2】
前記第1電極の端部を覆うエッジカバー層をさらに備え、
前記凸部は、前記エッジカバー層上に設けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1電極の一部を露出する開口を形成する前記エッジカバー層の側面と前記第1電極上に設けられた前記エッジカバー層の下面とが成す角度よりも前記凸部の端部と前記凸部の下面とが成す角度が大きい、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記発光層は、前記発光領域及び前記非発光領域に形成され、
前記凸部は、前記非発光領域に形成された前記発光層の一部である、請求項1から3の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記発光層は、前記発光領域及び前記非発光領域に形成され、
前記凸部は、前記非発光領域に形成された前記発光層の端部である、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記発光素子は、複数個備えられており、
前記複数個の発光素子は、前記発光層として第1発光層を備えた第1発光素子と、前記発光層として第2発光層を備えた第2発光素子と、前記発光層として第3発光層を備えた第3発光素子と、を含み、
前記基板の第1方向において、前記第1発光素子と前記第2発光素子と前記第3発光素子とが互いに隣接するように配置され、
前記第1発光層は、前記第1発光素子の発光領域、前記第1発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部、前記第2発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部及び前記第3発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部に形成され、
前記第2発光層は、前記第2発光素子の発光領域、前記第1発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部、前記第2発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部及び前記第3発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部に形成され、
前記第3発光層は、前記第3発光素子の発光領域、前記第1発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部、前記第2発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部及び前記第3発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部に形成され、
前記非発光領域に設けられた前記凸部は、前記第1発光層と前記第2発光層と前記第3発光層との少なくとも2層が積層されて形成されている、請求項1から3の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記凸部は、前記発光領域を取り囲むように設けられている、請求項3から6の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記発光素子は、複数個備えられており、
前記複数個の発光素子は、前記発光層として第1発光層を備えた第1発光素子と、前記発光層として第2発光層を備えた第2発光素子と、前記発光層として第3発光層を備えた第3発光素子と、を含み、
前記基板の第1方向において、前記第1発光素子と前記第2発光素子と前記第3発光素子とが互いに隣接するように配置され、
前記第1方向と直交する前記基板の第2方向において、前記第1発光素子同士、前記第2発光素子同士及び前記第3発光素子同士が隣接するように配置され、
前記第1発光層は、前記第1発光素子の発光領域及び前記第1発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域に形成されているとともに、前記基板の第2方向において、ストライプ状の一つの連続膜として形成され、
前記第2発光層は、前記第2発光素子の発光領域及び前記第2発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域に形成されているとともに、前記基板の第2方向において、ストライプ状の一つの連続膜として形成され、
前記第3発光層は、前記第3発光素子の発光領域及び前記第3発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域に形成されているとともに、前記基板の第2方向において、ストライプ状の一つの連続膜として形成され、
前記第2方向に沿って前記非発光領域に設けられた前記凸部は、前記第1発光層の前記第1方向の端部、前記第2発光層の前記第1方向の端部及び前記第3発光層の前記第1方向の端部の何れか一つと、前記第1発光層の前記第1方向の端部、前記第2発光層の前記第1方向の端部及び前記第3発光層の前記第1方向の端部の他の一つとが積層された部分を含む、請求項1から3の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記凸部は、前記エッジカバー層の一部である、請求項2または3に記載の表示装置。
【請求項10】
前記発光層は、量子ドットを含む、請求項1から9の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記発光層は、量子ドットを含み、かつ、前記発光領域及び前記非発光領域に形成され、
前記凸部は、前記非発光領域に形成された前記発光層の端部と、前記量子ドットを含む樹脂層とで形成されている、請求項1から3の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記電荷移動層は、微粒子を含む、請求項1から11の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記電荷移動層は、無機膜である、請求項1から12の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項14】
前記電荷移動層の前記薄膜部の少なくとも一部に亀裂が形成されている、請求項1から13の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
前記電荷移動層の前記薄膜部の膜厚は、前記亀裂の前記電荷移動層の膜厚と直交する方向の幅よりも大きい、請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記電荷移動層は、電子輸送層、正孔輸送層、電子注入層、正孔注入層、電子注入及び輸送層、正孔注入及び輸送層、電子注入及び輸送兼正孔ブロッキング層、正孔注入及び輸送兼電子ブロッキング層、電子輸送兼正孔ブロッキング層、及び、正孔輸送兼電子ブロッキング層の何れかである、請求項1から15の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項17】
基板上に複数の第1電極を形成する工程と、
前記複数の第1電極のうちの一部の第1電極上に第1発光層を形成する第1発光層形成工程と、前記複数の第1電極のうちの他の一部の第1電極上に第2発光層を形成する第2発光層形成工程と、前記複数の第1電極のうちの残りの第1電極上に第3発光層を形成する第3発光層形成工程とを含む発光層形成工程と、
前記複数の第1電極の間の領域に凸部を設ける工程と、
前記凸部を設ける工程の後に、前記凸部上に、前記複数の第1電極上の部分及び前記複数の第1電極の間の領域の前記凸部上以外の部分よりも膜厚が薄い薄膜部を有する電荷移動層を、前記複数の第1電極と、前記複数の第1電極の間の領域とを含む前記基板上の表示領域に連続膜として形成する電荷移動層形成工程と、
第2電極を形成する工程と、を含む、表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記第1電極を形成する工程と、前記発光層形成工程との間に、前記複数の第1電極のそれぞれの端部を覆うエッジカバー層を形成する工程をさらに含み、
前記凸部を設ける工程においては、前記凸部を前記エッジカバー層上に設ける、請求項17に記載の表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1発光層形成工程と前記第1発光層で前記凸部を設ける工程とは同一工程であり、
前記第2発光層形成工程と前記第2発光層で前記凸部を設ける工程とは同一工程であり、
前記第3発光層形成工程と前記第3発光層で前記凸部を設ける工程とは同一工程であり、
前記第1発光層、前記第2発光層及び前記第3発光層のそれぞれを、前記複数の第1電極の間の領域にまで形成するとともに、前記複数の第1電極の間の領域に形成された前記第1発光層、前記第2発光層及び前記第3発光層のそれぞれの一部に前記凸部を設ける、請求項17または18に記載の表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記複数の第1電極の間の領域に形成された前記第1発光層、前記第2発光層及び前記第3発光層のそれぞれの端部に前記凸部を設ける、請求項19に記載の表示装置の製造方法。
【請求項21】
前記第1発光層形成工程と前記第1発光層で前記凸部を設ける工程とは同一工程であり、
前記第2発光層形成工程と前記第2発光層で前記凸部を設ける工程とは同一工程であり、
前記第3発光層形成工程と前記第3発光層で前記凸部を設ける工程とは同一工程であり、
前記第1発光層の前記凸部、前記第2発光層の前記凸部及び前記第3発光層の前記凸部のうちの少なくとも2つを、前記複数の第1電極の間の領域において積層する、請求項17または18に記載の表示装置の製造方法。
【請求項22】
前記第1発光層、前記第2発光層及び前記第3発光層は、それぞれ、感光性樹脂を含み、
前記第1発光層、前記第2発光層及び前記第3発光層のそれぞれは、露光及び現像することで、パターンニングされる、請求項17から21の何れか1項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項23】
前記第1発光層、前記第2発光層及び前記第3発光層のそれぞれは、感光性レジストを用いたリフトオフ法によって、パターンニングされる、請求項17、18、20、21の何れか1項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項24】
前記発光層形成工程よりも前記凸部を設ける工程を先に行う、請求項17または18に記載の表示装置の製造方法。
【請求項25】
前記電荷移動層形成工程の後に行われる、前記凸部上の前記電荷移動層の少なくとも一部に亀裂を生じさせる亀裂導入工程をさらに含む、請求項17から24の何れか1項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項26】
前記亀裂導入工程は、前記電荷移動層の真空乾燥工程と、前記電荷移動層の熱処理工程と、前記基板の変形工程との少なくとも一つを含む、請求項25に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置及び表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光素子を備えた様々な表示装置が開発されており、特に、QLED(Quantum dot Light Emitting Diode:量子ドット発光ダイオード)または、OLED(Organic Light Emitting Diode:有機発光ダイオード)を備えた表示装置は、低消費電力化、薄型化及び高画質化などを実現できる点から、高い注目を浴びている。
【0003】
特許文献1には、有機発光表示パネルにおいて、表示領域全体に共通層として非発光領域における膜厚が発光領域における膜厚より厚い部分を有する電荷移動層である第1共通層を設けた構成や表示領域全体に共通層として均一な膜厚を有する電荷移動層である第2共通層を設けた構成について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本国特開2014-63719公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている、非発光領域における膜厚が発光領域における膜厚よりも厚い部分を有する電荷移動層である第1共通層を設けた構成や均一な膜厚を有する電荷移動層である第2共通層を設けた構成の場合、連続した一つの膜である電荷移動層を形成する工程中の電荷移動層の収縮により、電荷移動層内に応力が内在されることとなり、意図しないきっかけを基に制御されていない亀裂、すなわち、好ましくない位置に亀裂が生じる恐れがある。特に、前記第1共通層は、発光領域における膜厚が非発光領域の一部の膜厚よりも薄いため、発光領域において亀裂が生じる可能性が高く、前記第2共通層は、発光領域及び非発光領域において均一な膜厚で形成されているので、発光領域において亀裂が生じるのを避けられない。このように、発光素子の発光領域において亀裂が生じると、表示品質の低下を招いてしまうという問題がある。
【0006】
本開示の一態様は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、発光素子の発光領域において電荷移動層に亀裂が生じるのを抑制し、表示品質の低下を抑制することができる表示装置と表示装置の製造方法とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の表示装置は、前記の課題を解決するために、
基板と、
前記基板上に、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に発光層及び電荷移動層とを備えた発光素子とを備え、
前記発光素子の発光領域と、前記発光領域の周辺部である非発光領域とを含み、
前記非発光領域の一部には、前記電荷移動層よりも下層に凸部が設けられており、
前記電荷移動層は、前記発光領域及び前記非発光領域を含む前記基板上の表示領域に連続膜として形成され、かつ、前記凸部上に、前記発光領域の部分及び前記非発光領域の前記凸部上以外の部分よりも膜厚が薄い薄膜部を有する。
【0008】
本開示の表示装置の製造方法は、前記の課題を解決するために、
基板上に複数の第1電極を形成する工程と、
前記複数の第1電極のうちの一部の第1電極上に第1発光層を形成する第1発光層形成工程と、前記複数の第1電極のうちの他の一部の第1電極上に第2発光層を形成する第2発光層形成工程と、前記複数の第1電極のうちの残りの第1電極上に第3発光層を形成する第3発光層形成工程とを含む発光層形成工程と、
前記複数の第1電極の間の領域に凸部を設ける工程と、
前記凸部を設ける工程の後に、前記凸部上に、前記複数の第1電極上の部分及び前記複数の第1電極の間の領域の前記凸部上以外の部分よりも膜厚が薄い薄膜部を有する電荷移動層を、前記複数の第1電極と、前記複数の第1電極の間の領域とを含む前記基板上の表示領域に連続膜として形成する電荷移動層形成工程と、
第2電極を形成する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様は、発光素子の発光領域において電荷移動層に亀裂が生じるのを抑制し、表示品質の低下を抑制することができる表示装置と表示装置の製造方法とを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1の表示装置の概略的な構成を示す平面図である。
図2】実施形態1の表示装置に備えられたトランジスタを含む基板の概略的な構成を示す断面図である。
図3】実施形態1の表示装置に備えられた赤色サブ画素の概略的な構成を示す断面図である。
図4】実施形態1の表示装置に備えられた緑色サブ画素の概略的な構成を示す断面図である。
図5】実施形態1の表示装置に備えられた青色サブ画素の概略的な構成を示す断面図である。
図6】(a)は、亀裂が生じる位置を示す実施形態1の表示装置の平面図であり、(b)は、(a)に示すA-A’線の断面図である。
図7】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)及び(h)は、実施形態1の表示装置の製造工程の一例を示す図である。
図8】(a)、(b)及び(c)は、実施形態1の変形例である表示装置において、凸部を形成する工程の一例を示す図である。
図9】(a)、(b)及び(c)は、実施形態1の表示装置の製造工程中において用いられるテンプレートの形状の一例を示す図である。
図10】(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)は、実施形態1の表示装置の他の製造工程の一例を示す図である。
図11】(a)は、実施形態2の表示装置に備えられた赤色サブ画素と、赤色サブ画素と隣接する緑色サブ画素及び青色サブ画素の一部との概略的な構成を示す断面図であり、(b)は、亀裂が生じる位置を示す実施形態2の表示装置の平面図であり、(c)は、(b)に示すB-B’線の断面図である。
図12】亀裂が生じる位置を示す実施形態3の表示装置の平面図である。
図13】(a)は、実施形態3の表示装置に備えることができる赤色発光層の形状の一例を示す図であり、(b)は、実施形態3の表示装置に備えることができる緑色発光層の形状の一例を示す図であり、(c)は、実施形態3の表示装置に備えることができる青色発光層の形状の一例を示す図である。
図14】(a)は、図12に示すX部分の断面図であり、(b)は、図12に示すY部分の断面図であり、(c)は、図12に示すZ部分の断面図である。
図15】(a)は、図12に示すX部分の第1変形例の断面図であり、(b)は、図12に示すY部分の第1変形例の断面図であり、(c)は、図12に示すZ部分の第1変形例の断面図である。
図16】(a)は、図12に示すX部分の第2変形例の断面図であり、(b)は、図12に示すY部分の第2変形例の断面図であり、(c)は、図12に示すZ部分の第2変形例の断面図である。
図17】実施形態4の表示装置に備えられた赤色サブ画素の概略的な構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態について、図1から図17に基づいて説明すれば、次の通りである。以下、説明の便宜上、特定の実施形態にて説明した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付記し、その説明を省略する場合がある。
【0012】
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1の表示装置1の概略的な構成を示す平面図である。
【0013】
図1に示すように、表示装置1は、額縁領域NDAと、表示領域DAとを備えている。表示装置1の表示領域DAには、複数の画素PIXが備えられており、各画素PIXは、それぞれ、赤色サブ画素RSPと、緑色サブ画素GSPと、青色サブ画素BSPとを含む。本実施形態においては、1画素PIXが、赤色サブ画素RSPと、緑色サブ画素GSPと、青色サブ画素BSPとで構成される場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。例えば、1画素PIXは、赤色サブ画素RSP、緑色サブ画素GSP及び青色サブ画素BSPの他に、さらに他の色のサブ画素を含んでいてもよい。
【0014】
図2は、実施形態1の表示装置1に備えられたトランジスタTRを含む基板2の概略的な構成を示す断面図である。
【0015】
図2に示すように、表示装置1に備えられたトランジスタTRを含む基板(基板)2においては、支持基板12上に、バリア層3と、トランジスタTRを含む薄膜トランジスタ層4とが、支持基板12側からこの順に備えられている。そして、トランジスタTRを含む基板2の上面、すなわち、発光素子側の面2Sには、第1電極22が設けられている。
【0016】
支持基板12は、例えば、ポリイミドなどの樹脂材料からなる樹脂基板であってもよく、ガラス基板であってもよい。本実施形態においては、表示装置1を可撓性表示装置とするため、支持基板12として、ポリイミドなどの樹脂材料からなる樹脂基板を用いた場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。表示装置1を非可撓性表示装置とする場合には、支持基板12として、ガラス基板を用いることができる。
【0017】
バリア層3は、水、酸素などの異物がトランジスタTR及び後述する各色の発光素子に侵入することを防ぐ層であり、例えば、化学的蒸着(CVD)法により形成される、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいは酸窒化シリコン膜、またはこれらの積層膜で構成することができる。
【0018】
トランジスタTRを含む薄膜トランジスタ層4のトランジスタTR部分は、半導体膜SEM及びドープされた半導体膜SEM’・SEM’’と、無機絶縁膜16と、ゲート電極Gと、無機絶縁膜18と、無機絶縁膜20と、ソース電極S及びドレイン電極Dと、平坦化膜21とを含み、トランジスタTRを含む薄膜トランジスタ層4のトランジスタTR部分以外の部分は、無機絶縁膜16と、無機絶縁膜18と、無機絶縁膜20と、平坦化膜21とを含む。
【0019】
半導体膜SEM・SEM’・SEM’’は、例えば、低温ポリシリコン(LTPS)あるいは酸化物半導体(例えば、In-Ga-Zn-O系の半導体)で構成してもよい。本実施形態においては、トランジスタTRがトップゲート構造である場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、トランジスタTRは、ボトムゲート構造であってもよい。
【0020】
ゲート電極Gと、ソース電極S及びドレイン電極Dとは、例えば、アルミニウム、タングステン、モリブデン、タンタル、クロム、チタン、銅の少なくとも1つを含む金属の単層膜あるいは積層膜によって構成できる。
【0021】
無機絶縁膜16、無機絶縁膜18及び無機絶縁膜20は、例えば、化学的蒸着(CVD)法によって形成された、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜または、これらの積層膜によって構成することができる。
【0022】
平坦化膜21は、例えば、ポリイミド、アクリルなどの塗布可能な有機材料によって構成することができる。
【0023】
図2に示すように、複数の第1電極22のそれぞれを制御するトランジスタTRを含む制御回路が、トランジスタTRを含む薄膜トランジスタ層4に設けられている。
【0024】
図3は、実施形態1の表示装置1に備えられた赤色サブ画素RSPの概略的な構成を示す断面図であり、図4は、実施形態1の表示装置1に備えられた緑色サブ画素GSPの概略的な構成を示す断面図であり、図5は、実施形態1の表示装置1に備えられた青色サブ画素BSPの概略的な構成を示す断面図である。
【0025】
図3に示すように、表示装置1の赤色サブ画素RSPにおいては、トランジスタTRを含む基板2と、トランジスタTRを含む基板2上に、第1電極22と、第2電極26と、第1電極22と第2電極26との間に発光層(赤色発光層)24R及び電荷移動層25とを備えた赤色発光素子(第1発光素子)5Rとが備えられている。表示装置1の赤色サブ画素RSPは、赤色発光素子5Rの発光領域RHAと、発光領域RHAの周辺部である非発光領域RNHAとを含み、非発光領域RNHAの一部には、電荷移動層25よりも下層に凸部24RDが設けられている。電荷移動層25は、発光領域RHA及び非発光領域RNHAを含むトランジスタTRを含む基板2上の表示領域DAに連続膜として形成され、かつ、凸部24RD上に、発光領域RHAの部分及び非発光領域RNHAの凸部24RD上以外の部分よりも膜厚が薄い薄膜部25TPを有する。
【0026】
薄膜部25TPを非発光領域RNHAの一部に有する電荷移動層25を備えた表示装置1の赤色サブ画素RSPにおいては、連続した一つの膜である電荷移動層25を形成する工程中の電荷移動層25の収縮により、電荷移動層25内に応力が内在されることとなり、意図しないきっかけを基に亀裂CRが生じる場合があるが、その亀裂CRが生じる位置を電荷移動層25の薄膜部25TPに限定させることができる。
【0027】
図4に示すように、表示装置1の緑色サブ画素GSPにおいては、トランジスタTRを含む基板2と、トランジスタTRを含む基板2上に、第1電極22と、第2電極26と、第1電極22と第2電極26との間に発光層(緑色発光層)24G及び電荷移動層25とを備えた緑色発光素子(第2発光素子)5Gとが備えられている。表示装置1の緑色サブ画素GSPは、緑色発光素子5Gの発光領域GHAと、発光領域GHAの周辺部である非発光領域GNHAとを含み、非発光領域GNHAの一部には、電荷移動層25よりも下層に凸部24GDが設けられている。電荷移動層25は、発光領域GHA及び非発光領域GNHAを含むトランジスタTRを含む基板2上の表示領域DAに連続膜として形成され、かつ、凸部24GD上に、発光領域GHAの部分及び非発光領域GNHAの凸部24GD上以外の部分よりも膜厚が薄い薄膜部25TPを有する。
【0028】
薄膜部25TPを非発光領域GNHAの一部に有する電荷移動層25を備えた表示装置1の緑色サブ画素GSPにおいては、連続した一つの膜である電荷移動層25を形成する工程中の電荷移動層25の収縮により、電荷移動層25内に応力が内在されることとなり、意図しないきっかけを基に亀裂CRが生じる場合があるが、その亀裂CRが生じる位置を電荷移動層25の薄膜部25TPに限定させることができる。
【0029】
図5に示すように、表示装置1の青色サブ画素BSPにおいては、トランジスタTRを含む基板2と、トランジスタTRを含む基板2上に、第1電極22と、第2電極26と、第1電極22と第2電極26との間に発光層(青色発光層)24B及び電荷移動層25とを備えた青色発光素子(第3発光素子)5Bとが備えられている。表示装置1の青色サブ画素BSPは、青色発光素子5Bの発光領域BHAと、発光領域BHAの周辺部である非発光領域BNHAとを含み、非発光領域BNHAの一部には、電荷移動層25よりも下層に凸部24BDが設けられている。電荷移動層25は、発光領域BHA及び非発光領域BNHAを含むトランジスタTRを含む基板2上の表示領域DAに連続膜として形成され、かつ、凸部24BD上に、発光領域BHAの部分及び非発光領域BNHAの凸部24BD上以外の部分よりも膜厚が薄い薄膜部25TPを有する。
【0030】
薄膜部25TPを非発光領域BNHAの一部に有する電荷移動層25を備えた表示装置1の青色サブ画素BSPにおいては、連続した一つの膜である電荷移動層25を形成する工程中の電荷移動層25の収縮により、電荷移動層25内に応力が内在されることとなり、意図しないきっかけを基に亀裂CRが生じる場合があるが、その亀裂CRが生じる位置を電荷移動層25の薄膜部25TPに限定させることができる。
【0031】
以上のように、表示装置1においては、発光素子の発光領域において電荷移動層25に亀裂CRが生じるのを抑制し、表示品質の低下を抑制することができる。
【0032】
なお、発光素子の発光領域とは、第1電極22と第2電極26との間に、発光層及び電荷移動層25を含む機能層が配置され、前記機能層が第1電極22及び第2電極26の両方と直接接している領域を意味する。一方、発光素子の非発光領域とは、前記機能層が第1電極22及び第2電極26の少なくとも一方と直接接していない領域を意味する。
【0033】
本実施形態においては、図3図4及び図5に示すように、表示装置1が第1電極22の端部を覆うエッジカバー層23を備え、凸部24RD、凸部24GD及び凸部24BDがエッジカバー層23上に設けられている場合を一例に挙げて説明する。このように、凸部24RD、凸部24GD及び凸部24BDがエッジカバー層23上に設けられている表示装置1の場合、エッジカバー層23の高さ分、電荷移動層25の薄膜部25TPの厚さをさらに薄くすることができるので、亀裂CRが生じる位置を電荷移動層25の薄膜部25TPにさらに確実に限定させることができる。
【0034】
これに限定されることはなく、例えば、電荷移動層25よりも下層に凸部を形成でき、前記凸部上に、発光領域の部分及び非発光領域の前記凸部上以外の部分よりも膜厚が薄い薄膜部25TPを有する電荷移動層25を形成できるのであれば、エッジカバー層23を適宜省くこともできる。
【0035】
本実施形態においては、図3図4及び図5に示すように、表示装置1が第1電極22の端部を覆うエッジカバー層23を備え、第1電極22の一部を露出する開口23Kを形成するエッジカバー層23の側面と第1電極22上に設けられたエッジカバー層23の下面とが成す角度θ1よりも凸部(24RD、24GD、24BD)の端部と凸部(24RD、24GD、24BD)の下面とが成す角度θ2が大きい場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。
【0036】
以上のように、エッジカバー層23の側面と第1電極22上に設けられたエッジカバー層23の下面とが成す角度θ1よりも凸部(24RD、24GD、24BD)の端部と凸部(24RD、24GD、24BD)の下面とが成す角度θ2が大きい場合には、亀裂CRが生じる位置を電荷移動層25の薄膜部25TPにさらに確実に限定させることができる。
【0037】
本実施形態においては、図3図4及び図5に示すように、発光層24Rは、電荷移動層25よりも下層に設けられているとともに、発光領域RHA及び非発光領域RNHAに形成され、凸部24RDは、非発光領域RNHAに形成された発光層24Rの端部であり、発光層24Gは、電荷移動層25よりも下層に設けられているとともに、発光領域GHA及び非発光領域GNHAに形成され、凸部24GDは、非発光領域GNHAに形成された発光層24Gの端部であり、発光層24Bは、電荷移動層25よりも下層に設けられているとともに、発光領域BHA及び非発光領域BNHAに形成され、凸部24BDは、非発光領域BNHAに形成された発光層24Bの端部である場合を一例に挙げて説明するがこれに限定されることはない。後述するように、感光性レジストを用いて、所定形状のテンプレートを形成した後、このテンプレートを利用したリフトオフ法で、発光層をパターンニングする場合、発光層の端部を容易に凸部形状に形成することができる。また、以上のように、凸部を、発光素子を形成するために必要な発光層を用いて形成することで、凸部を形成するための別材料を使用しなくてもよくなる。
【0038】
凸部24RDは、非発光領域RNHAに形成された発光層24Rの端部でなく、非発光領域RNHAに形成された発光層24Rの一部であってもよく、凸部24GDは、非発光領域GNHAに形成された発光層24Gの端部でなく、非発光領域GNHAに形成された発光層24Gの一部であってもよく、凸部24BDは、非発光領域BNHAに形成された発光層24Bの端部でなく、非発光領域BNHAに形成された発光層24Bの一部であってもよい。後述するように、感光性樹脂を含む発光層を用いて、発光層をパターンニングする場合、非発光領域に凸部を設ける位置を比較的自由に選択することができる。
【0039】
凸部の高さや幅は、適宜決定することができるが、亀裂CRが生じる位置を電荷移動層25の薄膜部25TPにさらに確実に限定させることを考慮すると、凸部の高さは、例えば、40nm以上、1000nm以下であることが好ましく、薄膜部25TPの厚さは、例えば、1nm以上、100nm以下であることが好ましく、凸部の幅(図3図4及び図5の凸部の横幅(薄膜部25TPの横幅))は、例えば、0.08μm以上、2μm以下であることが好ましい。
【0040】
図6の(a)は、亀裂CRが生じる位置を示す実施形態1の表示装置1の平面図であり、図6の(b)は、図6の(a)に示すA-A’線の断面図である。
【0041】
図3図4及び図5に示すように、本実施形態の表示装置1においては、凸部24RDは発光領域RHAを取り囲むように設けられており、凸部24GDは発光領域GHAを取り囲むように設けられており、凸部24BDは発光領域BHAを取り囲むように設けられているので、図6の(a)及び図6の(b)に示すように、亀裂CRは、発光領域を取り囲むように設けられるので、亀裂CRによって、隣接する他の色の発光光と混色が生じるのを抑制することができる。
【0042】
本実施形態においては、後述するように、感光性レジストを用いて、所定形状のテンプレートを形成した後、このテンプレートを利用したリフトオフ法で、量子ドット(QD)を含む発光層をパターンニングした。発光層24R、発光層24G及び発光層24Bは、何れも量子ドット(QD)を含む場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。例えば、後述する実施形態4のように、発光層を用いて凸部を形成しない場合などには、発光層は有機蒸着膜であってもよい。
【0043】
量子ドット(QD)は、例えば、コア構造、コア/シェル構造、コア/シェル/シェル構造、コア/比率を連続的に変化させたシェル構造を有してもよい。
【0044】
コア部は、一元系の場合、例えば、Si、Cなどで構成することができ、二元系の場合、例えば、CdSe、CdS、CdTe、InP、GaP、InN、ZnSe、ZnS、ZnTeなどで構成することができ、三元系の場合、例えば、CdSeTe、GaInP、ZnSeTeなどで構成することができ、四元系の場合、例えば、AIGSなどで構成することができる。
【0045】
シェル部は、二元系の場合、例えば、CdS、CdTe、CdSe、ZnS、ZnSe、ZnTeなどで構成することができ、三元系の場合、例えば、CdSSe、CdTeSe、CdSTe、ZnSSe、ZnSTe、ZnTeSe、AIPなどで構成することができる。
【0046】
電荷移動層25は、例えば、電子輸送層、正孔輸送層、電子注入層、正孔注入層、電子注入及び輸送層、正孔注入及び輸送層、電子注入及び輸送兼正孔ブロッキング層、正孔注入及び輸送兼電子ブロッキング層、電子輸送兼正孔ブロッキング層、及び、正孔輸送兼電子ブロッキング層の何れかであってもよい。
【0047】
電荷移動層25は、微粒子を含んでいてもよく、無機膜であってもよい。電荷移動層25が、微粒子を含む場合、特に無機微粒子を含む場合または無機膜である場合には、連続した一つの膜である電荷移動層25を形成する工程中の電荷移動層25の収縮により、電荷移動層25内に応力が内在されやすくなり、亀裂CRが生じやすい。
【0048】
電荷移動層25が電子輸送層である場合、電子輸送層を構成する電子輸送材料は、無機微粒子として、例えば、ZnO、ZnS、ZrO、LiZnO、MgZnO、AlZnO、TiOなどを含んでいてもよい。
【0049】
電荷移動層25が正孔輸送層である場合、正孔輸送層を構成する正孔輸送材料は、無機微粒子として、例えば、NiO、MgNiO、MoOx、CuI、CuSCN、CuO、CoO、Cr、TiO、CuAlSなどを含んでいてもよい。また、正孔輸送層を構成する正孔輸送材料は、有機材料であるPEDOT:PSS、TFB、p-TPD、PVK、TAPCなどであってもよい。さらに、正孔輸送層を構成する正孔輸送材料は、感光性正孔輸送材料であるOTPD、QUPD、X-F6-TAPCなどであってもよい。
【0050】
表示装置1に備えられた電荷移動層25の薄膜部25TPの膜厚は、亀裂CRの電荷移動層25の膜厚(上下方向)と直交する方向(左右方向)の幅よりも大きいことが好ましい。このような場合、表示装置1の表示領域DAの全面に形成される共通電極である第2電極26の形成が容易になる。
【0051】
本実施形態においては、表示装置1に備えられた電荷移動層25の薄膜部25TPの一部に亀裂CRが生じている場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、電荷移動層25の薄膜部25TP全体に亀裂CRが形成されていてもよい。さらに、表示装置1に備えられた電荷移動層25は、亀裂CRが発生する場合に、薄膜部25TPに発生させればよいので、電荷移動層25の薄膜部25TPに亀裂CRが形成されてなくてもよい。
【0052】
図3に示す表示装置1の赤色サブ画素RSPに含まれる赤色発光素子5Rは、第1電極22と、発光層(赤色発光層)24Rと、電荷移動層25と、第2電極26とを、トランジスタTRを含む基板2側からこの順に備えており、図4に示す表示装置1の緑色サブ画素GSPに含まれる緑色発光素子5Gは、第1電極22と、発光層(緑色発光層)24Gと、電荷移動層25と、第2電極26とを、トランジスタTRを含む基板2側からこの順に備えており、図5に示す表示装置1の青色サブ画素BSPに含まれる青色発光素子5Bは、第1電極22と、発光層(青色発光層)24Bと、電荷移動層25と、第2電極26とを、トランジスタTRを含む基板2側からこの順に備えている。なお、第1電極22は可視光を反射する電極であり、第2電極26は可視光を透過する電極である。
【0053】
赤色発光素子5R、緑色発光素子5G及び青色発光素子5Bは、第1電極22がアノードであり、第2電極26がカソードである順積構造であっても、第1電極22がカソードであり、第2電極26がアノードである逆積構造であってもよい。前記順積構造の場合、アノードである第1電極22は可視光を反射する電極材料で形成し、カソードである第2電極26は可視光を透過する電極材料で形成すればよく、前記逆積構造の場合、カソードである第1電極22は可視光を反射する電極材料で形成し、アノードである第2電極26は可視光を透過する電極材料で形成すればよい。
【0054】
可視光を反射する電極材料としては、可視光を反射でき、導電性を有するのであれば、特に限定されないが、例えば、Al、Mg、Li、Agなどの金属材料または、前記金属材料の合金、前記金属材料と透明金属酸化物(例えば、indium tin oxide、indium zinc oxide、indium gallium zinc oxideなど)との積層体または、前記合金と前記透明金属酸化物との積層体などを用いることができる。
【0055】
一方、可視光を透過する電極材料としては、可視光を透過でき、導電性を有するのであれば、特に限定されないが、例えば、透明金属酸化物(例えば、indium tin oxide、indium zinc oxide、indium gallium zinc oxideなど)、Al、Mg、Li、Agなどの金属材料からなる薄膜、または銀ナノワイヤーやカーボンナノチューブなどの導電性ナノ材料を用いることができる。
【0056】
表示装置1は、赤色サブ画素RSP、緑色サブ画素GSP及び青色サブ画素BSPのそれぞれに備えられた第1電極22の端部を覆うエッジカバー層23を備えている。エッジカバー層23は、例えば、ポリイミドまたはアクリルなどの感光性有機材料を塗布した後にフォトリソグラフィ法によってパターニングすることで形成できる。
【0057】
なお、図示してないが、表示装置1の第2電極上には、封止層がさらに備えられていてもよい。封止層は、例えば、無機膜と、有機膜と、無機膜とを積層して形成することができるが、これに限定されることはない。
【0058】
以後、図7から図10に基づいて、本実施形態の表示装置1の製造方法について説明する。
【0059】
図7の(a)、図7の(b)、図7の(c)、図7の(d)、図7の(e)、図7の(f)、図7の(g)及び図7の(h)は、実施形態1の表示装置1の製造工程の一例を示す図である。
【0060】
図7に基づき、感光性レジスト30を用いて、所定形状のテンプレート30Rを形成した後、テンプレート30Rを利用したリフトオフ法で、量子ドット(QD)を含み、感光性樹脂を含まない発光層24Rをパターンニングする場合について説明する。発光層24Rを形成する場合のみを図示しているが、量子ドット(QD)を含み、感光性樹脂を含まない発光層24G及び発光層24Bについても同様に形成することができる。
【0061】
表示装置1の製造工程は、トランジスタTRを含む基板2上に複数の第1電極22を形成する工程(図7の(a)に図示)と、複数の第1電極22のうちの一部の第1電極22上に発光層24Rを形成する第1発光層形成工程(図7の(d)に図示)と、複数の第1電極22のうちの他の一部の第1電極22上に発光層24Gを形成する第2発光層形成工程(図示せず)と、複数の第1電極22のうちの残りの第1電極22上に発光層24Bを形成する第3発光層形成工程(図示せず)とを含む発光層形成工程と、複数の第1電極22の間の領域に凸部(24RD、24GD、24BD)を設ける工程(図7の(d)に図示)と、を含む。そして、凸部(24RD、24GD、24BD)を設ける工程の後に、凸部(24RD、24GD、24BD)上に、複数の第1電極22上の部分及び複数の第1電極22の間の領域の凸部(24RD、24GD、24BD)上以外の部分よりも膜厚が薄い薄膜部25TPを有する電荷移動層25を、複数の第1電極22と、複数の第1電極22の間の領域とを含むトランジスタTRを含む基板2上の表示領域DAに連続膜として形成する電荷移動層形成工程(図7の(f)に図示)と、第2電極26を形成する工程(図7の(h)に図示)と、を含む。
【0062】
なお、電荷移動層形成工程(図7の(f)に図示)においては、例えば、電荷移動性を有した微粒子と溶媒とを含む溶液を用いて電荷移動層25を形成することができる。
【0063】
本実施形態の表示装置1は、エッジカバー層23を備えているので、第1電極22を形成する工程(図7の(a)に図示)と、発光層形成工程(図7の(d)に一部図示)との間に、複数の第1電極22のそれぞれの端部を覆うエッジカバー層23を形成する工程(図7の(a)に図示)をさらに含む。凸部(24RD、24GD、24BD)を設ける工程(図7の(d)に一部図示)においては、凸部(24RD、24GD、24BD)をエッジカバー層23上に設ける。
【0064】
本実施形態の表示装置1の製造方法は、発光層24Rを形成する第1発光層形成工程と発光層24Rで凸部24RDを設ける工程とは同一工程であり、発光層24Gを形成する第2発光層形成工程と発光層24Gで凸部24GDを設ける工程とは同一工程であり、発光層24Bを形成する第3発光層形成工程と発光層24Bで凸部24BDを設ける工程とは同一工程であり、図7の(d)に示すように、発光層24R、発光層24G及び発光層24Bのそれぞれを、複数の第1電極22の間の領域にまで形成するとともに、複数の第1電極22の間の領域に形成された発光層24R、発光層24G及び発光層24Bのそれぞれの一部に凸部(24RD、24GD、24BD)を設けてもよい。
【0065】
本実施形態の表示装置1においては、複数の第1電極22の間の領域に形成された発光層24R、発光層24G及び発光層24Bのそれぞれの端部に凸部(24RD、24GD、24BD)を設けた。
【0066】
本実施形態の表示装置1においては、発光層24R、発光層24G及び発光層24Bのそれぞれの端部に凸部(24RD、24GD、24BD)を設けるため、発光層24R、発光層24G及び発光層24Bのそれぞれは、感光性レジスト30を用いたリフトオフ法によって、パターンニングされる。感光性レジスト30は、例えば、発光層を形成する溶液の濡れ性が良好な感光性レジストを用いることが好ましいが、これに限定されることはない。例えば、図7の(b)に示すように、感光性レジスト30を、トランジスタTRを含む基板2上の全面に形成した後、露光及び現像することで、図7の(c)に示すテンプレート30Rを形成する。テンプレート30Rは、赤色サブ画素RSPの発光層24Rが形成される位置に開口を有し、緑色サブ画素GSP及び青色サブ画素BSPの全面を覆う形状である。それから、図7の(d)に示すように、量子ドット(QD)を含み、感光性樹脂を含まない発光層24Rを形成する溶液を、トランジスタTRを含む基板2上の全面に形成する。この際に、テンプレート30Rと、発光層24Rを形成する溶液とが接する部分で、発光層24Rを形成する溶液の液溜りが生じ、この部分が凸部24RDを形成する。その後、図7の(e)に示すように、テンプレート30Rを剥離することで、赤色サブ画素RSPの所定位置に、凸部24RDを有する発光層24Rを残すことができる。
【0067】
なお、図示してないが、凸部24GDを有する発光層24Gを形成するためのテンプレートは、緑色サブ画素GSPの発光層24Gが形成される位置に開口を有し、赤色サブ画素RSP及び青色サブ画素BSPの全面を覆う形状であり、凸部24BDを有する発光層24Bを形成するためのテンプレートは、青色サブ画素BSPの発光層24Bが形成される位置に開口を有し、赤色サブ画素RSP及び緑色サブ画素GSPの全面を覆う形状である。
【0068】
本実施形態の表示装置1の製造方法は、電荷移動層形成工程(図7の(f)に図示)の後に行われる、凸部(24RD、24GD、24BD)上の電荷移動層25の少なくとも一部に亀裂を生じさせる亀裂導入工程(図7の(g)に図示)をさらに含んでいてもよい。
【0069】
亀裂導入工程(図7の(g)に図示)は、電荷移動層25の真空乾燥工程と、電荷移動層25の熱処理工程と、基板2の変形工程との少なくとも一つを含む。なお、基板2の変形工程とは、基板2を機械的に一時的に変形する工程を意味する。
【0070】
図8の(a)、図8の(b)及び図8の(c)は、実施形態1の変形例である表示装置において、凸部32を形成する工程の一例を示す図である。
【0071】
図8の(a)に示すように、感光性レジスト30を露光及び現像する際には、露光及び現像の条件によって、テンプレート30Rの他に、感光性レジスト残留部30R’が発生する場合がある。
【0072】
図8の(b)に示すように、テンプレート30Rの他に、感光性レジスト残留部30R’がある状態で、量子ドット(QD)を含み、感光性樹脂を含まない発光層24Rを形成する溶液を、トランジスタTRを含む基板2上の全面に形成すると、発光層24Rに含まれる量子ドット(QD)の一部が感光性レジスト残留部30R’に移動し、量子ドット(QD)を含む樹脂層31が形成される。
【0073】
図8の(c)に示すように、量子ドット(QD)を含む樹脂層31は、量子ドット(QD)を含むため、テンプレート30Rの剥離時に剥離され難く、発光層24Rの端部である凸部24RDと、量子ドット(QD)を含む樹脂層31とで凸部(バリ)32が形成される。
【0074】
図9の(a)、図9の(b)及び図9の(c)は、実施形態1の表示装置1の製造工程中において用いられるテンプレート30Rの形状の一例を示す図である。
【0075】
量子ドット(QD)を含み、感光性樹脂を含まない発光層を形成する溶液と接する部分であるテンプレート30Rの端部は、図9の(a)に示すように順テーパー形状になるように形成してもよく、図9の(b)に示すように逆テーパー形状になるように形成してもよく、図9の(c)に示すようにT字型形状になるように形成してもよい。テンプレート形状をT字型形状に形成する際は、アルカリ可用性樹脂上や水溶性樹脂上に感光性樹脂を積層し、前記感光性樹脂をマスクとしてアルカリ可用性樹脂や水溶性樹脂をエッチングする事により形成してもよい。
【0076】
図10の(a)、図10の(b)、図10の(c)、図10の(d)及び図10の(e)は、実施形態1の表示装置1の他の製造工程の一例を示す図である。
【0077】
図10に基づき、量子ドット(QD)と感光性樹脂とを含む発光層24Rを、露光及び現像してパターンニングする場合について説明する。発光層24Rを形成する場合のみを図示しているが、量子ドット(QD)と感光性樹脂とを含む発光層24G及び発光層24Bについても同様に形成することができる。
【0078】
図10の(a)に示す工程は、上述した図7の(a)に示す工程と同一であり、図10の(c)に示す工程は、上述した図7の(f)に示す工程と同一であり、図10の(d)に示す工程は、上述した図7の(g)に示す工程と同一であり、図10の(e)に示す工程は、上述した図7の(h)に示す工程と同一であるので、ここではその説明を省略する。
【0079】
発光層24Rに含まれる感光性樹脂は、ポジ型の感光性樹脂でもネガ型の感光性樹脂でもよい。図10の(b)に示すように、ハーフトーンマスク(グレイトーンマスク)を用いて、発光層24Rの凸部24RD部分と、凸部24RD部分以外とに露光量の差をつけて露光し、現像することで、発光層24Rのパターンニングと同時に凸部24RDを形成することができる。ここでは、発光層24Rの端部に凸部24RDを設けた場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、複数の第1電極22の間の領域に形成された発光層24Rの一部に凸部24RDを設ければよい。
【0080】
感光性レジスト30や感光性樹脂としては、例えば、アクリル系、ノボラック系、ゴム系、スチレン系、エポキシ系などの感光性を有する樹脂を用いることができる。
【0081】
また、感光性レジスト30や感光性樹脂を現像する工程においては、例えば、KOH、NaOHなどの無機アルカリ系水系現像液を用いてもよく、TMAHなどの有機アルカリ系水系現像液を用いてもよく、PGME、PGMEA、Acetone、NMP、DMSO、IPA、EtOH、Xyleneなどの溶媒系現像液を用いてもよい。
【0082】
〔実施形態2〕
次に、図11に基づき、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態の表示装置1aにおいては、発光層24R、発光層24G及び発光層24Bのそれぞれがストライプ状の一つの連続膜として形成され、凸部もストライプ状に形成されている点において、上述した実施形成1とは異なる。その他については実施形態1において説明したとおりである。説明の便宜上、実施形態1の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0083】
図11の(a)は、実施形態2の表示装置1aに備えられた赤色サブ画素RSPと、赤色サブ画素RSPと隣接する緑色サブ画素GSP及び青色サブ画素BSPの一部との概略的な構成を示す断面図であり、図11の(b)は、亀裂CR’が生じる位置を示す実施形態2の表示装置1aの平面図であり、図11の(c)は、図11の(b)に示すB-B’線の断面図である。
【0084】
本実施形態の表示装置1aは、実施形態1において、図7に基づき既に説明したように、感光性レジスト30を用いて、所定形状のテンプレート30Rを形成した後、テンプレート30Rを利用したリフトオフ法で、量子ドット(QD)を含み、感光性樹脂を含まない発光層をパターンニングする場合について説明するが、これに限定されることはない。
【0085】
図11の(b)に示すように、表示装置1aにおいては、トランジスタTRを含む基板2の第1方向(図11の(b)の左右方向)において、発光素子5Rと第2発光素子5Gと第3発光素子5Bとが互いに隣接するように配置されており、前記第1方向と直交する第2方向(図11の(b)の上下方向)において、発光素子5R同士、発光素子5G同士及び発光素子5B同士が隣接するように配置されている。
【0086】
図11の(a)に示すように、発光層24Rは、発光素子5Rの発光領域RHA及び発光素子5Rの発光領域RHAの周辺部である非発光領域RNHAに形成されているとともに、前記第2方向(図11の(b)の上下方向)において、ストライプ状の一つの連続膜として形成されている。
【0087】
発光層24Gは、発光素子5Gの発光領域GHA(図示せず)及び発光素子5Gの発光領域GHAの周辺部である非発光領域GNHA(図11の(a)に図示)に形成されているとともに、前記第2方向(図11の(b)の上下方向)において、ストライプ状の一つの連続膜として形成されている。
【0088】
発光層24Bは、発光素子5Bの発光領域BHA(図示せず)及び発光素子5Bの発光領域BHAの周辺部である非発光領域BNHA(図11の(a)に図示)に形成されているとともに、前記第2方向(図11の(b)の上下方向)において、ストライプ状の一つの連続膜として形成されている。
【0089】
図11の(a)に示すように、赤色サブ画素RSPと緑色サブ画素GSPとの境界は、発光素子5Rの発光領域RHAの周辺部である非発光領域RNHAと発光素子5Gの発光領域GHAの周辺部である非発光領域GNHAとの境界であり、赤色サブ画素RSPと青色サブ画素BSPとの境界は、発光素子5Rの発光領域RHAの周辺部である非発光領域RNHAと発光素子5Bの発光領域BHAの周辺部である非発光領域BNHAとの境界である。そして、赤色サブ画素RSPと緑色サブ画素GSPとの境界部分と、赤色サブ画素RSPと青色サブ画素BSPとの境界部分とには、電荷移動層25の薄膜部25TPが形成されている。
【0090】
図11の(a)、図11の(b)及び図11の(c)に示すように、前記第2方向に沿って非発光領域(RNHA、GNHA、BNHA)に設けられた凸部は、発光層24Rの前記第1方向の端部である凸部24RD、発光層24Gの前記第1方向の端部である凸部24GD及び発光層24Bの前記第1方向の端部である凸部24BDの何れか一つと、発光層24Rの前記第1方向の端部である凸部24RD、発光層24Gの前記第1方向の端部である凸部24GD及び発光層24Bの前記第1方向の端部である凸部24BDの他の一つとが積層された部分を含む。
【0091】
赤色サブ画素RSPと緑色サブ画素GSPとの境界部分には、発光層24Rの前記第1方向の端部である凸部24RDと発光層24Gの前記第1方向の端部である凸部24GDとが積層された部分を含む凸部が、前記第2方向に沿ってストライプ状に非発光領域に形成される。
【0092】
緑色サブ画素GSPと青色サブ画素BSPとの境界部分には、発光層24Gの前記第1方向の端部である凸部24GDと発光層24Bの前記第1方向の端部である凸部24BDとが積層された部分を含む凸部が、前記第2方向に沿ってストライプ状に非発光領域に形成される。
【0093】
青色サブ画素BSPと赤色サブ画素RSPとの境界部分には、発光層24Bの前記第1方向の端部である凸部24BDと発光層24Rの前記第1方向の端部である凸部24RDとが積層された部分を含む凸部が、前記第2方向に沿ってストライプ状に非発光領域に形成される。
【0094】
以上のように、2種類の発光層を積層して凸部を形成することで、1種類の発光層で凸部を形成する場合よりも、凸部の高さを容易に高くすることができる。したがって、電荷移動層25の薄膜部25TPの膜厚をさらに薄くすることができるので、亀裂CR’が生じる位置を電荷移動層25の薄膜部25TPにさらに確実に限定させることができる。
【0095】
また、表示装置1aにおいては、図11の(b)に示すように、形成された凸部の形状に沿って、亀裂CR’も前記第2方向に沿ってストライプ状に形成されるので、亀裂CR’が前記第1方向には形成されない分、抵抗を低くすることができる。
【0096】
表示装置1aの製造方法としては、発光層24Rを形成する工程と発光層24Rで凸部24RDを設ける工程とは同一工程であり、発光層24Gを形成する工程と発光層24Gで凸部24GDを設ける工程とは同一工程であり、発光層24Bを形成する工程と発光層24Bで凸部24BDを設ける工程とは同一工程であり、発光層24Rの凸部24RD、発光層24Gの凸部24GD及び発光層24Bの凸部24BDのうちの2つを、複数の第1電極22の間の領域において積層すればよい。
【0097】
〔実施形態3〕
次に、図12から図16に基づき、本発明の実施形態3について説明する。本実施形態の表示装置1bにおいては、非発光領域に設けられた凸部が、発光層24Rと発光層24Gと発光層24Bとが積層されて形成されている点において、上述した実施形成1及び2とは異なる。その他については実施形態1及び2において説明したとおりである。説明の便宜上、実施形態1及び2の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0098】
図12は、亀裂CR’’が生じる位置を示す実施形態3の表示装置1bの平面図である。
【0099】
図13の(a)は、実施形態3の表示装置1bに備えることができる発光層(赤色発光層)24Rの形状の一例を示す図であり、図13の(b)は、実施形態3の表示装置1bに備えることができる発光層(緑色発光層)24Gの形状の一例を示す図であり、図13の(c)は、実施形態3の表示装置1bに備えることができる発光層(青色発光層)24Bの形状の一例を示す図である。
【0100】
図14の(a)は、図12に示すX部分の断面図であり、図14の(b)は、図12に示すY部分の断面図であり、図14の(c)は、図12に示すZ部分の断面図である。
【0101】
本実施形態の表示装置1bは、実施形態1において、図7に基づき既に説明したように、感光性レジスト30を用いて、所定形状のテンプレート30Rを形成した後、テンプレート30Rを利用したリフトオフ法で、量子ドット(QD)を含み、感光性樹脂を含まない発光層をパターンニングする場合について説明するが、これに限定されることはない。
【0102】
本実施形態の表示装置1bにおいては、凸部は発光領域を取り囲むように設けられているので、図12に示すように、亀裂CR’’は、発光領域を取り囲むように設けられるので、亀裂CR’’によって、隣接する他の色の発光光と混色が生じるのを抑制することができる。
【0103】
図13の(a)に示すように、表示装置1bに備えることができる発光層24Rは、少なくとも緑色発光素子5Gの発光領域GHA及び青色発光素子5Bの発光領域BHAを除く領域に形成される必要があり、図13の(b)に示すように、表示装置1bに備えることができる発光層24Gは、少なくとも赤色発光素子5Rの発光領域RHA及び青色発光素子5Bの発光領域BHAを除く領域に形成される必要があり、図13の(c)に示すように、表示装置1bに備えることができる発光層24Bは、少なくとも赤色発光素子5Rの発光領域RHA及び緑色発光素子5Gの発光領域GHAを除く領域に形成される必要がある。本実施形態においては、発光層24Rを、緑色発光素子5Gの発光領域GHAと発光領域GHAから連続する非発光領域GNHAの一部とを除く領域と、青色発光素子5Bの発光領域BHAと発光領域BHAから連続する非発光領域BNHAの一部とを除く領域とに形成し、発光層24Gを、赤色発光素子5Rの発光領域RHAと発光領域RHAから連続する非発光領域RNHAの一部とを除く領域と、青色発光素子5Bの発光領域BHAと発光領域BHAから連続する非発光領域BNHAの一部とを除く領域とに形成し、発光層24Bを、赤色発光素子5Rの発光領域RHAと発光領域RHAから連続する非発光領域RNHAの一部とを除く領域と、緑色発光素子5Gの発光領域GHAと発光領域GHAから連続する非発光領域GNHAの一部とを除く領域とに形成した。したがって、表示装置1bにおいては、図12に示すように、発光層24Rと、発光層24Gと、発光層24Bとが積層された積層体24Hが形成される。
【0104】
図14の(a)に示すように、赤色サブ画素RSPと緑色サブ画素GSPとの間の非発光領域である図12に示すX部分では、発光層24Rと発光層24Gと発光層24Bとが積層されて凸部を形成している。
【0105】
本実施形態においては、発光層24Rと発光層24Gと発光層24Bとをこの順に形成しているため、発光層24Rと発光層24Gと発光層24Bとがこの順に積層されて凸部が形成されているが、これに限定されることはなく、発光層24R、発光層24G及び発光層24Bの形成順番を変えることで、積層順も変えることができる。
【0106】
また、本実施形態においては、上述したように、感光性レジスト30を用いて、所定形状のテンプレート30Rを形成した後、テンプレート30Rを利用したリフトオフ法で、発光層24R、発光層24G及び発光層24Bをパターンニングしている。したがって、図14の(a)に示すように、発光層24R形成用のテンプレート30R(図示せず)と接する部分に発光層24Rの凸部24RDが形成される。また、図14の(a)に示すように、発光層24G形成用のテンプレート(図示せず)と接する部分に発光層24Gの凸部24GDが形成される。また、発光層24Gにおいては、凸部24GD以外にも、発光層24Rの凸部24RDを乗り越えた部分が他の部分よりも高い凸部となっている。さらに、図14の(a)に示すように、発光層24B形成用のテンプレート(図示せず)と接する部分に発光層24Bの凸部24BDが形成される。発光層24Bの凸部24BDは、所定距離を離れて形成されている発光層24B形成用のテンプレート(図示せず)と接する部分が他の部分より高い形状になっている。
【0107】
以上のように、表示装置1bの赤色サブ画素RSPと緑色サブ画素GSPとの間の非発光領域には、図14の(a)に示すように、電荷移動層25の薄膜部25TPを2か所形成することができる。
【0108】
図14の(b)に示すように、緑色サブ画素GSPと青色サブ画素BSPとの間の非発光領域である図12に示すY部分では、発光層24Rと発光層24Gと発光層24Bとが積層されて凸部を形成している。
【0109】
図14の(b)に示すように、発光層24R形成用のテンプレート(図示せず)と接する部分に発光層24Rの凸部24RDが形成される。発光層24Rの凸部24RDは、所定距離を離れて形成されている発光層24R形成用のテンプレート(図示せず)と接する部分が他の部分より高い形状になっている。また、図14の(b)に示すように、発光層24G形成用のテンプレート(図示せず)と接する部分に発光層24Gの凸部24GDが形成される。また、発光層24Gにおいては、凸部24GD以外にも、発光層24Rの凸部24RDを乗り越えた部分が他の部分よりも高い凸部となっている。さらに、図14の(b)に示すように、発光層24B形成用のテンプレート(図示せず)と接する部分に発光層24Bの凸部24BDが形成される。また、発光層24Bにおいては、凸部24BD以外にも、発光層24Gの凸部24GDを乗り越えた部分が他の部分よりも高い凸部となっている。
【0110】
以上のように、表示装置1bの緑色サブ画素GSPと青色サブ画素BSPとの間の非発光領域には、図14の(b)に示すように、電荷移動層25の薄膜部25TPを2か所形成することができる。
【0111】
図14の(c)に示すように、青色サブ画素BSPと赤色サブ画素RSPとの間の非発光領域である図12に示すZ部分では、発光層24Rと発光層24Gと発光層24Bとが積層されて凸部を形成している。
【0112】
図14の(c)に示すように、発光層24R形成用のテンプレート30R(図示せず)と接する部分に発光層24Rの凸部24RDが形成される。また、図14の(c)に示すように、発光層24G形成用のテンプレート(図示せず)と接する部分に発光層24Gの凸部24GDが形成される。発光層24Gの凸部24GDは、所定距離を離れて形成されている発光層24G形成用のテンプレート(図示せず)と接する部分が他の部分より高い形状になっている。さらに、図14の(c)に示すように、発光層24B形成用のテンプレート(図示せず)と接する部分に発光層24Bの凸部24BDが形成される。発光層24Bにおいては、発光層24B形成用のテンプレート(図示せず)と接する部分と、発光層24Rの凸部24RDと発光層24Gの凸部24GDとが積層された部分を乗り越えた部分とが他の部分より高い形状になっている。
【0113】
以上のように、表示装置1bの青色サブ画素BSPと赤色サブ画素RSPとの間の非発光領域には、図14の(c)に示すように、電荷移動層25の薄膜部25TPを2か所形成することができる。
【0114】
図15の(a)は、図12に示すX部分の第1変形例の断面図であり、図15の(b)は、図12に示すY部分の第1変形例の断面図であり、図15の(c)は、図12に示すZ部分の第1変形例の断面図である。
【0115】
図15の(a)に示すように、発光層24Rと発光層24Gとを積層せずに隙間を開けて形成し、前記隙間を埋めるとともに、発光層24Rの凸部24RDと発光層24Gの凸部24GDとの上に発光層24Bの凸部24BDが位置するように、発光層24Bを形成してもよい。このようにしても、表示装置1bの赤色サブ画素RSPと緑色サブ画素GSPとの間の非発光領域には、電荷移動層25の薄膜部25TPを2か所形成することができる。
【0116】
図15の(b)に示すように、発光層24Rの一方側の凸部24RDの上に発光層24Gの凸部24GDを形成し、発光層24Rの他方側の凸部24RDの上に発光層24Bの凸部24BDを形成してもよい。このようにしても、表示装置1bの緑色サブ画素GSPと青色サブ画素BSPとの間の非発光領域には、電荷移動層25の薄膜部25TPを2か所形成することができる。
【0117】
図15の(c)に示すように、発光層24Rの凸部24RDの上に発光層24Gの一方側の凸部24GDを形成し、発光層24Gの他方側の凸部24GD上に発光層24Bの凸部24BDを形成してもよい。このようにしても、表示装置1bの青色サブ画素BSPと赤色サブ画素RSPとの間の非発光領域には、電荷移動層25の薄膜部25TPを2か所形成することができる。
【0118】
図16の(a)は、図12に示すX部分の第2変形例の断面図であり、図16の(b)は、図12に示すY部分の第2変形例の断面図であり、図16の(c)は、図12に示すZ部分の第2変形例の断面図である。
【0119】
図16の(a)に示すように、発光層24Rの凸部24RDの上に発光層24Gの凸部24GDを形成し、発光層24Rの凸部24RDと発光層24Gの凸部24GDとが積層されている箇所の上に、発光層24Bの凸部24BDを形成してもよい。このようにして、表示装置1bの赤色サブ画素RSPと緑色サブ画素GSPとの間の非発光領域には、電荷移動層25の薄膜部25TPを1か所形成することができる。
【0120】
図16の(b)に示すように、発光層24Rの一方側の凸部24RDの上に発光層24Gの凸部24GDを形成し、発光層24Rの凸部24RDと発光層24Gの凸部24GDとが積層されている箇所の上に、発光層24Bの凸部24BDを形成してもよい。このようにして、表示装置1bの緑色サブ画素GSPと青色サブ画素BSPとの間の非発光領域には、電荷移動層25の薄膜部25TPを1か所形成することができる。
【0121】
図16の(c)に示すように、発光層24Rの凸部24RDの上に発光層24Gの一方側の凸部24GDを形成し、発光層24Rの凸部24RDと発光層24Gの凸部24GDとが積層されている箇所の上に、発光層24Bの凸部24BDを形成してもよい。このようにして、表示装置1bの青色サブ画素BSPと赤色サブ画素RSPとの間の非発光領域には、電荷移動層25の薄膜部25TPを1か所形成することができる。
【0122】
表示装置1bにおいては、複数種類の発光層の凸部を積層して電荷移動層25の薄膜部25TPを形成することで、1種類の発光層で凸部を形成する場合よりも、凸部の高さを容易に高くすることができる。したがって、電荷移動層25の薄膜部25TPの膜厚をさらに薄くすることができるので、亀裂CR’’が生じる位置を電荷移動層25の薄膜部25TPにさらに確実に限定させることができる。
【0123】
表示装置1bの製造方法としては、発光層24Rを形成する工程と発光層24Rで凸部を設ける工程とは同一工程であり、発光層24Gを形成する工程と発光層24Gで凸部を設ける工程とは同一工程であり、発光層24Bを形成する工程と発光層24Bで凸部を設ける工程とは同一工程であり、発光層24Rの凸部、発光層24Gの凸部及び発光層24Bの凸部24を、複数の第1電極22の間の領域において積層すればよい。
【0124】
〔実施形態4〕
次に、図17に基づき、本発明の実施形態4について説明する。本実施形態の表示装置1cは、凸部23Pがエッジカバー層23の一部であるとともに、電荷移動層25が発光層24Rより下層である点において、上述した実施形成1から3とは異なる。その他については実施形態1から3において説明したとおりである。説明の便宜上、実施形態1から3の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0125】
図15は、実施形態4の表示装置1cに備えられた赤色サブ画素RSPの概略的な構成を示す断面図である。
【0126】
図15に示すように、表示装置1cにおいては、凸部23Pがエッジカバー層23の一部で形成されており、電荷移動層25が発光層24Rより下層である。
【0127】
本実施形態の表示装置1cの製造方法においては、発光層形成工程よりも凸部23Pを設ける工程を先に行っているとともに、凸部23Pを設ける工程と発光層形成工程との間に、凸部23P上に、複数の第1電極22上の部分及び複数の第1電極22の間の領域の凸部23P上以外の部分よりも膜厚が薄い薄膜部25TPを有する電荷移動層25を、複数の第1電極22と、複数の第1電極22の間の領域とを含む基板2上の表示領域に連続膜として形成する電荷移動層形成工程を含む。
【0128】
薄膜部25TPを非発光領域の一部に有する電荷移動層25を備えた表示装置1cにおいては、連続した一つの膜である電荷移動層25を形成する工程中の電荷移動層25の収縮により、電荷移動層25内に応力が内在されることとなり、意図しないきっかけを基に亀裂CRが生じる場合があるが、その亀裂CRが生じる位置を電荷移動層25の薄膜部25TPに限定させることができる。
【0129】
以上のように、表示装置1cにおいては、発光素子の発光領域において電荷移動層25に亀裂CRが生じるのを抑制し、表示品質の低下を抑制することができる。
【0130】
なお、表示装置1cにおいて、電荷移動層25が、例えば、電子輸送層である場合、第2電荷移動層25’は、例えば、正孔輸送層である。
【0131】
さらに、凸部23Pを用いて第2電荷移動層25’に亀裂CRを生じさせても良い。もしくは、電荷移動層25と第2電荷移動層25’との両方に亀裂CRを生じさせても良い。
【0132】
〔まとめ〕
〔態様1〕
基板と、
前記基板上に、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に発光層及び電荷移動層とを備えた発光素子とを備え、
前記発光素子の発光領域と、前記発光領域の周辺部である非発光領域とを含み、
前記非発光領域の一部には、前記電荷移動層よりも下層に凸部が設けられており、
前記電荷移動層は、前記発光領域及び前記非発光領域を含む前記基板上の表示領域に連続膜として形成され、かつ、前記凸部上に、前記発光領域の部分及び前記非発光領域の前記凸部上以外の部分よりも膜厚が薄い薄膜部を有する、表示装置。
【0133】
〔態様2〕
前記第1電極の端部を覆うエッジカバー層をさらに備え、
前記凸部は、前記エッジカバー層上に設けられている、態様1に記載の表示装置。
【0134】
〔態様3〕
前記第1電極の一部を露出する開口を形成する前記エッジカバー層の側面と前記第1電極上に設けられた前記エッジカバー層の下面とが成す角度よりも前記凸部の端部と前記凸部の下面とが成す角度が大きい、態様2に記載の表示装置。
【0135】
〔態様4〕
前記発光層は、前記発光領域及び前記非発光領域に形成され、
前記凸部は、前記非発光領域に形成された前記発光層の一部である、態様1から3の何れかに記載の表示装置。
【0136】
〔態様5〕
前記発光層は、前記発光領域及び前記非発光領域に形成され、
前記凸部は、前記非発光領域に形成された前記発光層の端部である、態様4に記載の表示装置。
【0137】
〔態様6〕
前記発光素子は、複数個備えられており、
前記複数個の発光素子は、前記発光層として第1発光層を備えた第1発光素子と、前記発光層として第2発光層を備えた第2発光素子と、前記発光層として第3発光層を備えた第3発光素子と、を含み、
前記基板の第1方向において、前記第1発光素子と前記第2発光素子と前記第3発光素子とが互いに隣接するように配置され、
前記第1発光層は、前記第1発光素子の発光領域、前記第1発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部、前記第2発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部及び前記第3発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部に形成され、
前記第2発光層は、前記第2発光素子の発光領域、前記第1発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部、前記第2発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部及び前記第3発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部に形成され、
前記第3発光層は、前記第3発光素子の発光領域、前記第1発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部、前記第2発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部及び前記第3発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域の一部に形成され、
前記非発光領域に設けられた前記凸部は、前記第1発光層と前記第2発光層と前記第3発光層との少なくとも2層が積層されて形成されている、態様1から3の何れかに記載の表示装置。
【0138】
〔態様7〕
前記凸部は、前記発光領域を取り囲むように設けられている、態様3から6の何れかに記載の表示装置。
【0139】
〔態様8〕
前記発光素子は、複数個備えられており、
前記複数個の発光素子は、前記発光層として第1発光層を備えた第1発光素子と、前記発光層として第2発光層を備えた第2発光素子と、前記発光層として第3発光層を備えた第3発光素子と、を含み、
前記基板の第1方向において、前記第1発光素子と前記第2発光素子と前記第3発光素子とが互いに隣接するように配置され、
前記第1方向と直交する前記基板の第2方向において、前記第1発光素子同士、前記第2発光素子同士及び前記第3発光素子同士が隣接するように配置され、
前記第1発光層は、前記第1発光素子の発光領域及び前記第1発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域に形成されているとともに、前記基板の第2方向において、ストライプ状の一つの連続膜として形成され、
前記第2発光層は、前記第2発光素子の発光領域及び前記第2発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域に形成されているとともに、前記基板の第2方向において、ストライプ状の一つの連続膜として形成され、
前記第3発光層は、前記第3発光素子の発光領域及び前記第3発光素子の発光領域の周辺部である非発光領域に形成されているとともに、前記基板の第2方向において、ストライプ状の一つの連続膜として形成され、
前記第2方向に沿って前記非発光領域に設けられた前記凸部は、前記第1発光層の前記第1方向の端部、前記第2発光層の前記第1方向の端部及び前記第3発光層の前記第1方向の端部の何れか一つと、前記第1発光層の前記第1方向の端部、前記第2発光層の前記第1方向の端部及び前記第3発光層の前記第1方向の端部の他の一つとが積層された部分を含む、態様1から3の何れかに記載の表示装置。
【0140】
〔態様9〕
前記凸部は、前記エッジカバー層の一部である、態様2または3に記載の表示装置。
【0141】
〔態様10〕
前記発光層は、量子ドットを含む、態様1から9の何れかに記載の表示装置。
【0142】
〔態様11〕
前記発光層は、量子ドットを含み、かつ、前記発光領域及び前記非発光領域に形成され、
前記凸部は、前記非発光領域に形成された前記発光層の端部と、前記量子ドットを含む樹脂層とで形成されている、態様1から3の何れかに記載の表示装置。
【0143】
〔態様12〕
前記電荷移動層は、微粒子を含む、態様1から11の何れかに記載の表示装置。
【0144】
〔態様13〕
前記電荷移動層は、無機膜である、態様1から12の何れかに記載の表示装置。
【0145】
〔態様14〕
前記電荷移動層の前記薄膜部の少なくとも一部に亀裂が形成されている、態様1から13の何れかに記載の表示装置。
【0146】
〔態様15〕
前記電荷移動層の前記薄膜部の膜厚は、前記亀裂の前記電荷移動層の膜厚と直交する方向の幅よりも大きい、態様14に記載の表示装置。
【0147】
〔態様16〕
前記電荷移動層は、電子輸送層、正孔輸送層、電子注入層、正孔注入層、電子注入及び輸送層、正孔注入及び輸送層、電子注入及び輸送兼正孔ブロッキング層、正孔注入及び輸送兼電子ブロッキング層、電子輸送兼正孔ブロッキング層、及び、正孔輸送兼電子ブロッキング層の何れかである、態様1から15の何れかに記載の表示装置。
【0148】
〔態様17〕
基板上に複数の第1電極を形成する工程と、
前記複数の第1電極のうちの一部の第1電極上に第1発光層を形成する第1発光層形成工程と、前記複数の第1電極のうちの他の一部の第1電極上に第2発光層を形成する第2発光層形成工程と、前記複数の第1電極のうちの残りの第1電極上に第3発光層を形成する第3発光層形成工程とを含む発光層形成工程と、
前記複数の第1電極の間の領域に凸部を設ける工程と、
前記凸部を設ける工程の後に、前記凸部上に、前記複数の第1電極上の部分及び前記複数の第1電極の間の領域の前記凸部上以外の部分よりも膜厚が薄い薄膜部を有する電荷移動層を、前記複数の第1電極と、前記複数の第1電極の間の領域とを含む前記基板上の表示領域に連続膜として形成する電荷移動層形成工程と、
第2電極を形成する工程と、を含む、表示装置の製造方法。
【0149】
〔態様18〕
前記第1電極を形成する工程と、前記発光層形成工程との間に、前記複数の第1電極のそれぞれの端部を覆うエッジカバー層を形成する工程をさらに含み、
前記凸部を設ける工程においては、前記凸部を前記エッジカバー層上に設ける、態様17に記載の表示装置の製造方法。
【0150】
〔態様19〕
前記第1発光層形成工程と前記第1発光層で前記凸部を設ける工程とは同一工程であり、
前記第2発光層形成工程と前記第2発光層で前記凸部を設ける工程とは同一工程であり、
前記第3発光層形成工程と前記第3発光層で前記凸部を設ける工程とは同一工程であり、
前記第1発光層、前記第2発光層及び前記第3発光層のそれぞれを、前記複数の第1電極の間の領域にまで形成するとともに、前記複数の第1電極の間の領域に形成された前記第1発光層、前記第2発光層及び前記第3発光層のそれぞれの一部に前記凸部を設ける、態様17または18に記載の表示装置の製造方法。
【0151】
〔態様20〕
前記複数の第1電極の間の領域に形成された前記第1発光層、前記第2発光層及び前記第3発光層のそれぞれの端部に前記凸部を設ける、態様19に記載の表示装置の製造方法。
【0152】
〔態様21〕
前記第1発光層形成工程と前記第1発光層で前記凸部を設ける工程とは同一工程であり、
前記第2発光層形成工程と前記第2発光層で前記凸部を設ける工程とは同一工程であり、
前記第3発光層形成工程と前記第3発光層で前記凸部を設ける工程とは同一工程であり、
前記第1発光層の前記凸部、前記第2発光層の前記凸部及び前記第3発光層の前記凸部のうちの少なくとも2つを、前記複数の第1電極の間の領域において積層する、態様17または18に記載の表示装置の製造方法。
【0153】
〔態様22〕
前記第1発光層、前記第2発光層及び前記第3発光層は、それぞれ、感光性樹脂を含み、
前記第1発光層、前記第2発光層及び前記第3発光層のそれぞれは、露光及び現像することで、パターンニングされる、態様17から21の何れかに記載の表示装置の製造方法。
【0154】
〔態様23〕
前記第1発光層、前記第2発光層及び前記第3発光層のそれぞれは、感光性レジストを用いたリフトオフ法によって、パターンニングされる、態様17、18、20、21の何れかに記載の表示装置の製造方法。
【0155】
〔態様24〕
前記発光層形成工程よりも前記凸部を設ける工程を先に行う、態様17または18に記載の表示装置の製造方法。
【0156】
〔態様25〕
前記電荷移動層形成工程の後に行われる、前記凸部上の前記電荷移動層の少なくとも一部に亀裂を生じさせる亀裂導入工程をさらに含む、態様17から24の何れかに記載の表示装置の製造方法。
【0157】
〔態様26〕
前記亀裂導入工程は、前記電荷移動層の真空乾燥工程と、前記電荷移動層の熱処理工程と、前記基板の変形工程との少なくとも一つを含む、態様25に記載の表示装置の製造方法。
【0158】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本発明は、表示装置及び表示装置の製造方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0160】
1、1a、1b、1c 表示装置
2 トランジスタを含む基板(基板)
2S トランジスタを含む基板の発光素子側の面
3 バリア層
4 薄膜トランジスタ層
5R 発光素子(第1発光素子)
5G 発光素子(第2発光素子)
5B 発光素子(第3発光素子)
12 支持基板
16、18、20 無機絶縁膜
21 平坦化膜
22 第1電極
23 エッジカバー層
23P 凸部
23K 開口
24R、24G、24B 発光層
24RD、24GD、24BD 凸部
24H 積層体
25 電荷移動層
25’ 第2電荷移動層
25TP 薄膜部
26 第2電極
30 感光性レジスト
30R テンプレート
30R’ 感光性レジスト残留部
31 量子ドットを含む樹脂層
32 凸部(バリ)
RHA、GHA、BHA 発光領域
RNHA、GNHA、BNHA 非発光領域
CR、CR’、CR’’ 亀裂
θ1 エッジカバー層の側面と第1電極の上面とが成す角度
θ2 凸部の端部とエッジカバー層の上面とが成す角度
PIX 画素
RSP 赤色サブ画素
GSP 緑色サブ画素
BSP 青色サブ画素
TR トランジスタ
SEM、SEM’、SEM’’ 半導体膜
G ゲート電極
D ドレイン電極
S ソース電極
DA 表示領域
NDA 額縁領域
図1
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