IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

7546181採用支援システム、採用支援方法及びプログラム
<>
  • -採用支援システム、採用支援方法及びプログラム 図1
  • -採用支援システム、採用支援方法及びプログラム 図2
  • -採用支援システム、採用支援方法及びプログラム 図3
  • -採用支援システム、採用支援方法及びプログラム 図4
  • -採用支援システム、採用支援方法及びプログラム 図5
  • -採用支援システム、採用支援方法及びプログラム 図6
  • -採用支援システム、採用支援方法及びプログラム 図7
  • -採用支援システム、採用支援方法及びプログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】採用支援システム、採用支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240829BHJP
   G06Q 10/1053 20230101ALI20240829BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/1053
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2024030922
(22)【出願日】2024-03-01
【審査請求日】2024-03-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512313953
【氏名又は名称】株式会社ビズリーチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】原田 要一
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特許第7403027(JP,B1)
【文献】特開2015-164022(JP,A)
【文献】特開2013-186813(JP,A)
【文献】特許第7022401(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0402014(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0226532(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
採用支援システムであって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成され、
求人抽出ステップでは、求人者がデータベースに登録した求人の中から、当該求人の内容と、第1参照情報とに基づいて算出される成約期待値に基づいて少なくとも1つの推奨求人を抽出し、ここで、前記第1参照情報は、求人の内容と、当該求人における求人成約の確率である前記成約期待値との相関関係を含み、
候補者抽出ステップでは、データベースに登録されている求職者の中から、前記推奨求人の内容と、第2参照情報とに基づいて算出される求職者マッチング指標に基づいて前記推奨求人に対する少なくとも1つの候補者を抽出し、ここで、前記第2参照情報は、求人の内容と、当該求人に対する求職者の適正の度合いを示す前記求職者マッチング指標との相関関係を含み、
提示ステップでは、前記推奨求人と前記候補者とを対応付けて前記求人者に提示し、
スカウト文書管理ステップでは、前記求人者に対し前記候補者のみに送信可能なスカウトメールのストックを付与するか、又は前記求人者が前記候補者にスカウトメールを送信する際に前記求人者のスカウトメールのストックを消費させない、採用支援システム。
【請求項2】
採用支援システムであって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成され、
求人抽出ステップでは、求人者がデータベースに登録した求人の中から、当該求人の内容と、第1参照情報とに基づいて算出される成約期待値に基づいて少なくとも1つの推奨求人を抽出し、ここで、前記第1参照情報は、求人の内容と、当該求人における求人成約の確率である前記成約期待値との相関関係を含み、
候補者抽出ステップでは、データベースに登録されている求職者の中から、前記推奨求人の内容と、第2参照情報とに基づいて算出される求職者マッチング指標に基づいて前記推奨求人に対する少なくとも1つの候補者を抽出し、ここで、前記第2参照情報は、前記求職者マッチング指標の算出対象である求職者と、前記推奨求人と類似の求人に関連するアクションの履歴を有する求職者との類似の度合いを前記求職者マッチング指標として算出するための情報を含み、
提示ステップでは、前記推奨求人と前記候補者とを対応付けて前記求人者に提示する、採用支援システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記第1参照情報は、求人の内容を入力とし、前記成約期待値を出力することが可能なように学習された期待値算出モデルであり、
前記求人抽出ステップでは、求人の内容を前記期待値算出モデルに入力し、前記期待値算出モデルに前記成約期待値を出力させる、採用支援システム。
【請求項4】
請求項に記載の採用支援システムにおいて、
前記期待値算出モデルは、複数の求人の内容と、これらの求人における予め定めた期間内の成約の有無とを用いて学習されたものである、採用支援システム。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記求人抽出ステップでは、前記成約期待値が予め定めた閾値以上の求人を前記推奨求人として抽出する、採用支援システム。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記求人抽出ステップでは、前記求人者がデータベースに登録した求人の中から、当該求人の前記成約期待値と、当該求人に基づいたスカウト文書の求職者への送信履歴とに基づいて前記推奨求人を抽出する、採用支援システム。
【請求項7】
請求項に記載の採用支援システムにおいて、
前記求人抽出ステップでは、求人ごとに算出される求人スコアに基づいて前記推奨求人を抽出し、
前記求人スコアは、前記成約期待値の大きさとその重み付けに応じて増加し、かつ、予め定めた期間における前記スカウト文書の送信数の大きさとその重み付けに応じて減少し、
前記成約期待値の重み付けは、前記送信数の重み付けよりも大きい、採用支援システム。
【請求項8】
請求項に記載の採用支援システムにおいて、
前記求人抽出ステップでは、前記求人スコアとして、前記成約期待値及び前記送信数のうち少なくとも一方の重み付けが互いに異なる第1求人スコア及び第2求人スコアを求人ごとに算出し、前記推奨求人として、前記第1求人スコアに基づいて抽出される少なくとも1つの第1推奨求人と、前記第2求人スコアに基づいて抽出される少なくとも1つの第2推奨求人とを抽出し、
前記提示ステップでは、前記第1推奨求人及び前記第2推奨求人を前記求人者に提示する、採用支援システム。
【請求項9】
請求項1又は請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記第2参照情報は、求人の内容を入力とし、求職者ごとの前記求職者マッチング指標を出力することが可能なように学習されたマッチング指標算出モデルであり、
前記候補者抽出ステップでは、前記推奨求人の内容を前記マッチング指標算出モデルに入力し、前記マッチング指標算出モデルに前記求職者マッチング指標を出力させる、採用支援システム。
【請求項10】
請求項に記載の採用支援システムにおいて、
前記マッチング指標算出モデルは、複数の求人の内容と当該求人に関連するアクションの履歴を有する求職者との関係を学習した学習モデルであり、入力された求人と類似の求人に関連する前記アクションの履歴を有する求職者との類似の度合いとして、前記求職者マッチング指標を出力する、採用支援システム。
【請求項11】
請求項10に記載の採用支援システムにおいて、
前記アクションは、スカウト文書の受信、又は審査の通過である、採用支援システム。
【請求項12】
請求項1又は請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記候補者抽出ステップでは、データベースに登録されている求職者の中から、当該求職者の前記求職者マッチング指標と、当該求職者の任意の求人に対する活動の数とに基づいて前記候補者を抽出する、採用支援システム。
【請求項13】
請求項1又は請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記提示ステップでは、抽出された複数の前記推奨求人の中から、所定の期間ごとに一部の前記推奨求人を選択して提示する、採用支援システム。
【請求項14】
請求項1又は請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記提示ステップでは、抽出された複数の前記候補者の中から、所定の期間ごとに一部の前記候補者を選択して提示する、採用支援システム。
【請求項15】
請求項1又は請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記提示ステップでは、前記成約期待値に応じたラベルを前記推奨求人に付与して提示する、採用支援システム。
【請求項16】
採用支援方法であって、
請求項1又は請求項2に記載の採用支援システムが実行する各ステップを備える、採用支援方法。
【請求項17】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1又は請求項2に記載の採用支援システムの各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採用支援システム、採用支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるように、求職者が登録した求職者情報に基づき、希望の条件に合致する求職者を求人者が検索する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-269220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような技術において、求人者は、求める求職者を検索するためのキーワード等を条件として入力する必要がある。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、求人と候補者との組み合わせを求人者に提示できる採用支援システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、採用支援システムが提供される。この採用支援システムは、プロセッサを備える。プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成される。求人抽出ステップでは、求人者がデータベースに登録した求人の中から、当該求人の内容と、第1参照情報とに基づいて算出される成約期待値に基づいて少なくとも1つの推奨求人を抽出する。第1参照情報は、求人の内容と、当該求人における求人成約の確率である成約期待値との相関関係を含む。候補者抽出ステップでは、データベースに登録されている求職者の中から、推奨求人の内容と、第2参照情報とに基づいて算出される求職者マッチング指標に基づいて推奨求人に対する少なくとも1つの候補者を抽出する。第2参照情報は、求人の内容と、当該求人に対する求職者の適正の度合いを示す求職者マッチング指標との相関関係を含む。提示ステップでは、推奨求人と候補者とを対応付けて求人者に提示する。
【0007】
このような態様によれば、求人成約の期待値が高い推奨求人を、この推奨求人への適正が高い候補者と合わせて求人者に提示することができる。そのため、ユーザである求人者が推奨求人に基づいたアクション(例えばスカウト文書の送信)を実行することで、求人成約の可能性を高めることができる。また、推奨求人に対する候補者が提示されることによって、求人成約の可能性が高い求職者を求人者が把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】採用支援システム1を表す構成図である。
図2】サーバ装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】求人者端末20及び求職者端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】サーバ装置10(制御部11)、求人者端末20(制御部21)及び求職者端末30(制御部31)によって実現される機能を示すブロック図である。
図5】第2ベクトルの取得手順の一例を示す説明図である。
図6】求人者端末20に表示される推奨求人提示画面RDの一例を示す図である。
図7】求人者端末20に表示される求人一覧画面LDの一例を示す図である。
図8】採用支援システム1によって実行される情報処理(推奨求人及び候補者の提示処理)の流れを示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、ハードウェア構成について説明する。
【0014】
<採用支援システム1>
図1は、採用支援システム1を表す構成図である。採用支援システム1は、通信回線2と、サーバ装置10と、複数の求人者端末20と、複数の求職者端末30とを備える。サーバ装置10と、求人者端末20と、求職者端末30とは、通信回線2を通じて通信可能に構成されている。サーバ装置10、求人者端末20及び求職者端末30の接続は有線でも無線でもよい。
【0015】
採用支援システム1は、複数の求人者(第1求人者U1及び第2求人者U2)と、複数の求職者(第1求職者U3及び第3求職者U4)とが利用する求人・求職システムの一部を構成する。採用支援システム1は、求職者の登録情報及び求人票の管理を主に行う。一実施形態において、採用支援システム1とは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。以下、これらの構成要素について説明する。
【0016】
<サーバ装置10>
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、通信バス14とを備える。制御部11、記憶部12、及び通信部13は、サーバ装置10の内部において通信バス14を介して電気的に接続されている。
【0017】
<制御部11>
制御部11は、サーバ装置10に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部11は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部11は、記憶部12に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ装置10に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部11は単一であることに限定されず、機能毎に複数の制御部11を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0018】
<記憶部12>
記憶部12は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部11によって実行されるサーバ装置10に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部12は、制御部11によって実行されるサーバ装置10に係る種々のプログラム、変数等を記憶している。
【0019】
<通信部13>
通信部13は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ装置10は、通信部13及びネットワークを介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0020】
サーバ装置10は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態のサーバ装置10としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上述の機能や処理を提供してもよい。
【0021】
<求人者端末20>
図3は、求人者端末20及び求職者端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。図3Aに示されるように、求人者端末20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25と、通信バス26とを備える。制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、及び出力部25は、求人者端末20の内部において通信バス26を介して電気的に接続されている。制御部21、記憶部22及び通信部23の説明は、サーバ装置10における各部の説明と同様のため省略する。なお、求人者端末20は、求人者の代わりに求職者とのやり取りを行う人材仲介業者が操作する端末であってもよい。
【0022】
<入力部24>
入力部24は、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。操作入力は、命令信号として通信バス26を介して制御部21に転送される。制御部21は、必要に応じて、転送された命令信号に基づいて所定の制御や演算を実行しうる。入力部24は、求人者端末20の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部24は、出力部25と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。入力部24がタッチパネルとして実施される場合、ユーザは、入力部24に対してタップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。入力部24としては、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、トラックパッド、QWERTYキーボード等が採用可能である。
【0023】
<出力部25>
出力部25は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。出力部25は、求人者端末20の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。具体的には、出力部25は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又はプラズマディスプレイ等の表示デバイスとして実施されうる。これらの表示デバイスは、求人者端末20の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。
【0024】
<求職者端末30>
図3Bに示されるように、求職者端末30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35と、通信バス36とを備える。制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34、及び出力部35は、求職者端末30の内部において通信バス36を介して電気的に接続されている。制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34及び出力部35の説明は、求人者端末20における各部の説明と同様のため省略する。
【0025】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11(採用支援システム1が備えるプロセッサ)に含まれる各機能部として実行されうる。
【0026】
図4は、サーバ装置10(制御部11)、求人者端末20(制御部21)及び求職者端末30(制御部31)によって実現される機能を示すブロック図である。
【0027】
図4Aに示されるように、サーバ装置10(制御部11)は、基本表示制御部111と、求人抽出部112と、候補者抽出部113と、提示部114と、スカウト文書管理部115と、人工知能部120とを備える。図4Bに示されるように、求人者端末20(制御部21)は、表示部211と、操作取得部212とを備える。図4Cに示されるように、求職者端末30(制御部31)は、表示部311と、操作受付部312とを備える。
【0028】
<基本表示制御部111>
基本表示制御部111は、種々の情報を求人者端末20及び求職者端末30に表示させるように構成される。例えば、基本表示制御部111は、求職者が作成した履歴書及び職務経歴書、求人者が作成した求人票及びスカウト文書等を、求人者端末20の表示部211又は求職者端末30の表示部311に表示させる。
【0029】
求人者には、営利法人(例えば企業等)、非営利法人(例えば、協同組合、財団法人等)、公的法人(例えば地方公共団体等)等の組織が含まれる。また、求人者には、組織の代理人として、求職者と組織とを仲介する人材仲介業者も含まれる。人材仲介業者は、ヘッドハンター、エージェント等とも呼ばれる。
【0030】
<求人抽出部112>
求人抽出部112は、求人者がデータベースに登録した求人の中から、当該求人の内容(求人票のデータ)と、第1参照情報とに基づいて算出される成約期待値に基づいて少なくとも1つの推奨求人を抽出するように構成される。成約期待値は、成約の可能性の大きさを示す数値であり、成約期待値が大きい求人ほど、成約の可能性が高いと推測される。
【0031】
求人の内容である求人票には、募集するポジション名、仕事内容・労働条件(年収、職種、業種、勤務地、勤務形態、職場環境等)、応募資格(スキル)、求める人物像、アピールポイント等の複数の項目ごとに、求人情報が記載される。また、求人票には、求人のタイトル、見出し、求人者の情報(会社規模(売上、従業員数等)、業種等)などの項目が内容として含まれてもよい。求人票は、例えば記憶部12に記憶された求人者データベースに登録される。求人者データベースには、ユーザである求人者の登録情報(組織の情報)と、当該求人者が作成した求人票とが登録されている。
【0032】
第1参照情報は、求人の内容と、当該求人における求人成約の確率である成約期待値との相関関係を含む。第1参照情報は、例えば、記憶部12に記憶されている。第1参照情報は、求人票を入力として、求人票の成約期待値を出力可能なように構築された推定器である。第1参照情報は、例えば、求人票から抽出される特徴量(ベクトルデータ)と、成約結果との相関関係を示す、テーブル、関数、単純アルゴリズム等であってもよい。第1参照情報に含まれる相関関係は、例えば、実際の求人票における成約結果を記録したデータを統計学的に解析することで構築される。
【0033】
第1参照情報は、求人の内容を入力とし、成約期待値を出力することが可能なように学習された期待値算出モデルであってもよい。この場合、求人抽出部112は、求人の内容を人工知能部120の期待値算出モデルに入力し、期待値算出モデルに成約期待値を出力させる。これにより、多数の求人における成約結果に基づいた成約期待値の予測が可能となる。期待値算出モデルは、例えば、成約期待値を0から1の間の数値として出力する。
【0034】
期待値算出モデルは、学習用の求人票のデータと、当該求人票における求人成約に関するデータ(典型的には求人成約の有無及び成約時期のデータ)とを教師データとして学習した学習モデルである。学習用の求人票のデータには、年収、職種、業種、勤務地、スキル等のマスタ情報(数値、又は予め設定された候補から選択される項目)と、タイトル、詳細情報等の、文章で構成されたテキスト情報とが含まれる。
【0035】
期待値算出モデルは、複数の求人の内容と、これらの求人における予め定めた第1期間内の成約の有無とを用いて学習されたものであるとよい。これにより、例えば現時点に近い期間における求人成約の有無を学習させることで、直近の成約傾向が反映された成約期待値を出力させることができる。そのため、より成約の可能性が高い推奨求人をユーザである求人者に提示することができる。
【0036】
第1指定期間は、例えば、学習時点から半年以内の期間とされる。成約があっても、当該成約が第1指定期間外(例えば1年前の成約)である求人のデータは、「成約が無い求人」の教師データとして期待値算出モデルの学習に使用されるか、期待値算出モデルの教師データから除外される。例えば、期待値算出モデルは、成約のない複数の求人のデータと、第1指定期間内に成約した複数の求人のデータとを用いて学習されてもよい。
【0037】
また、求人成約の有無に関わらず、求人の登録からの経過期間が予め定めた第2指定期間以内の求人のみを期待値算出モデルの学習対象(教師データ)としてもよい。つまり、登録からの経過期間が第2指定期間を超える求人は、期待値算出モデルの学習対象から除外されてもよい。第2指定期間は、例えば、1年とされる。期待値算出モデルには、例えば人工知能部120によって、一定期間ごとに(例えば1日に1回のペースで)、新たに登録された求人及び新たに成約した求人のデータに基づいた追加の学習(学習モデルのアップデート)が行われる。
【0038】
期待値算出モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、求人抽出部112は、求人票を入力とし、成約期待値を出力する指示を含むプロンプトを期待値算出モデルに入力し、成約期待値を期待値算出モデルに出力させる。また、求人抽出部112は、成約期待値の出力指示と求人票とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の求人票のサンプルと、それに対応する1以上の成約期待値のサンプルとを挿入したプロンプトを期待値算出モデルに入力してもよい。
【0039】
<成約期待値算出方法の別例>
成約期待値は、成約期待値を算出する求人票(以下、「対象求人票」)に対するアクションの発生率又は発生数に関する期待値情報に基づいて算出されてもよい。すなわち、求人抽出部112は、対象求人票の内容と、第1参照情報とに基づいて、期待値情報を生成するように構成されてもよい。「対象求人票に対するアクション」には、対象求人票に基づく求人者のアクションである求人者アクションと、対象求人票に対する求職者のアクションである求職者アクションとが含まれる。
【0040】
求人者アクションには、対象求人票を起点とする直接的なアクション(例えば、対象求人票に基づくスカウト文書の送信等)と、別のアクションを起点に発生する間接的なアクション(例えば、スカウト文書を送信し、求職者から返信があった求人票に対する内定のオファー、スカウト文書を送信した求人票の成約等)とが含まれる。求職者アクションにも、対象求人票を起点とする直接的なアクション(例えば、求人票に対する応募等)と、別のアクションを起点に発生する間接的なアクション(例えば、求人者によって送信されたスカウト文書への返信、求人者からの内定のオファーに対する承諾、求職者からの応募があった求人票の成約等)とが含まれる。
【0041】
具体的には、求人抽出部112が期待値情報の算出時に参照する求人者アクションには、対象求人票に基づく求職者へのスカウト文書の送信、スカウト文書への求職者からの返信、及び求職者に対する求人成約の少なくとも1つが含まれるとよい。これにより、求人者からのスカウト文書の送信を起点とする各アクションの期待値を取得することができる。
【0042】
また、求人抽出部112が期待値情報の算出時に参照する求職者アクションには、対象求人票に対する求職者からの応募、及び応募を行った求職者に対する求人成約の少なくとも1つが含まれるとよい。これにより、求職者の応募を起点とする各アクションの期待値を取得することができる。
【0043】
さらに、求人抽出部112は、対象求人票に基づくアクションとして、採用面接(1次面接、2次面接等)の通過や、内定オファーに関する期待値情報を生成してもよい。
【0044】
期待値情報を算出する際の第1参照情報は、求人の内容と、当該求人におけるアクションの発生有無又は発生数との相関関係を含む。第1参照情報は、対象求人票を入力として、対象求人票の期待値情報(アクションの予測発生率又は予測発生数)を出力可能なように構築された推定器である。
【0045】
第1参照情報は、求人の内容(対象求人票)を入力とし、期待値情報を出力することが可能なように学習された期待値情報出力モデルであるとよい。期待値情報出力モデルは、期待値算出モデルの一部を構成する。この場合、求人抽出部112は、対象求人票を人工知能部120の期待値情報出力モデルに入力し、期待値情報出力モデルに期待値情報を出力させる。これにより、実際に使用された求人票である参照求人票の情報を学習したモデルに基づき、成約(求職者の採用の決定)等のアクションが出やすい求人票の傾向を学習しモデル化することで、過去の求人票における実際のアクションの発生有無又は発生数に基づいて、期待値情報を生成することが可能となり、アクションの発生率や発生数を予測することができるため、アクションの予測発生率又は予測発生数の精度が向上する。
【0046】
期待値情報出力モデルは、対象求人票におけるアクションの発生有無又は発生数を予測する学習モデルである。期待値情報出力モデルは、学習用の参照求人票と、それに対応するアクションの発生率又は発生数のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。「参照求人票」とは、求人票データベースに登録されている又は登録され、過去に実際に求人を行った又は現在も求人を行っている求人票である。この場合、学習によって算出されたり、チューニングされたりした期待値情報出力モデルのパラメータが、求人票の内容と、求人票におけるアクションの発生有無又は発生数との相関関係に当たる。
【0047】
期待値情報出力モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、求人抽出部112は、対象求人票を入力とし、対象求人票のアクションの発生率又は発生数を予測して出力する指示を含むプロンプトを期待値情報出力モデルに入力し、アクションの発生率又は発生数を期待値情報出力モデルに出力させる。また、求人抽出部112は、アクションの発生率又は発生数の予測・出力指示と対象求人票とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の求人票のサンプルと、それに対応する1以上のアクションの発生率又は発生数のサンプルとを挿入したプロンプトを期待値情報出力モデルに入力してもよい。
【0048】
求人抽出部112は、期待値情報として、スカウト文書を経た求人成約の確率を生成するとよい。これにより、対象求人票における求人成約の確率を取得することができる。求人成約の確率は、パーセント等の確率で表されてもよく、スコアとして取得され、表されてもよい。求人成約とは、求人者からの内定オファーに対して求職者が承諾し、対象求人票について求職者の採用が決定することを意味し、求人決定と呼ばれてもよい。求人成約の確率は、成約しやすさ、成約期待の高さ、成約可能性、決定しやすさ、決定期待の高さ、又は決定可能性と言い換えられてもよい。この場合、求人抽出部112は、期待値情報出力モデルとして、対象求人票の成約の確率を予測する、第1期待値情報出力モデルを用いる。第1期待値情報出力モデルは、対象求人票を入力とし、求人成約の確率(つまり、求人成約というアクションの発生率)を出力とするように学習された学習モデルである。第1期待値情報出力モデルは、学習用の参照求人票と、それに対応する求人成約の有無のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。この場合、学習によって算出された第1期待値情報出力モデルのパラメータが、求人票の内容と、求人票における成約率との相関関係に当たる。また、求人成約の有無のデータは、例えば、成約有りを「1」、成約無しを「0」として二値化されたデータである。このようなデータを用いて学習された第1期待値情報出力モデルは、成約確率を0から1の間の範囲の数値で出力する。
【0049】
第1期待値情報出力モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、求人抽出部112は、対象求人票を入力とし、対象求人票の求人成約の確率を予測して出力する指示を含むプロンプトを第1期待値情報出力モデルに入力し、求人成約の確率を第1期待値情報出力モデルに出力させる。また、求人抽出部112は、求人成約の確率の予測・出力指示と対象求人票とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の求人票のサンプルと、それに対応する1以上の求人成約の確率のサンプルとを挿入したプロンプトを第1期待値情報出力モデルに入力してもよい。第1期待値情報出力モデルが生成AIである場合、求人抽出部112は、例えば、「成約しやすい」、「成約しにくい」といった求人成約の確率を表すテキストを第1期待値情報出力モデルに出力させてもよい。出力されるテキストは、閾値と求人成約の確率との関係(閾値を超えているか否か)で選択される。閾値は、例えば、求人成約の確率の平均値等の統計値に基づいて設定される。
【0050】
第1期待値情報出力モデルは、参照求人票のうち、参照求人票に基づいて送信されたスカウト文書の数が予め定めた第1閾値よりも多い参照求人票と、当該参照求人票における求人成約の有無とを用いて学習されたものであってもよい。すなわち、第1期待値情報出力モデルは、スカウト文書が一定数以上送信された参照求人票と、この参照求人票における求人成約の有無のデータとを教師データとして機械学習されてもよい。また、第1期待値情報出力モデルは、スカウト文書が一定数以上送信された参照求人票と、この参照求人票における求人成約の有無のデータとを用いてファインチューニング等の学習がなされた大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。求人成約に至るためには、一定数のスカウト文書の送信が必要となる場合が多いところ、スカウト文書の送信数が少ない(又はスカウト文書が送信されていない)求人票は、求人成約の確率が低くなってしまう可能性がある。そのため、スカウト文書の送信数が少ない(又はスカウト文書が送信されていない)参照求人票が学習用のデータから除外することで、第1期待値情報出力モデルの予測精度が向上する。
【0051】
第1期待値情報出力モデルの学習に採用する参照求人票のスカウト文書の送信数の第1閾値は、例えば、5通、10通、20通等の任意の値である。すなわち、例えば、5通、10通、又は20通以上のスカウト文書が送信された参照求人票のみが、第1期待値情報出力モデルの学習に供される。
【0052】
また、第1期待値情報出力モデルは、スカウト文書の送信数に応じて、各参照求人票の学習における重み付けをしてもよい。例えば、第1期待値情報出力モデルは、参照求人票に基づいて送信されたスカウト文書の数が多いほど大きくなる重み付けがされた参照求人票のデータと、当該参照求人票における求人成約の有無とを用いて学習されてもよい。
【0053】
さらに、第1期待値情報出力モデルは、参照求人票のうち、参照求人票に基づいて送信されたスカウト文書の数が予め定めた第1閾値よりも多い参照求人票と、スカウト文書の送信から予め定めた期間内での当該参照求人票における求人成約の有無とを用いて学習されたものであってもよい。すなわち、第1期待値情報出力モデルの学習において、スカウト文書が一定数以上送信された参照求人票のうち、スカウト文書の送信から一定期間内に求人成約があったものに「求人成約有り」のラベルを付す。また、スカウト文書が一定数以上送信された参照求人票のうち、求人成約がないか、又は求人成約があっても一定期間を経過したあとの求人成約のみであったものに「求人成約無し」のラベルを付す。そして、これらのラベルが付された参照求人票を、それぞれ教師データとして用いる。スカウト文書の送信から求人成約までの期間に条件を設けない場合、時間の経過に伴い、成約に至る求人の数が増えていき、求人成約の確率が高くなりすぎる可能性がある。そのため、学習用のデータのラベリングにスカウト文書の送信から求人成約までの期間の条件を設けることで、求人成約が発生した参照求人票の数が増え続けることが抑制され、適切な学習データを用いることができる。また、比較的古い時期にデータベースに登録された参照求人票と、比較的新しい時期にデータベースに登録された参照求人票との成約に関する条件を揃えることができる。その結果、第1期待値情報出力モデルの予測精度が向上する。なお、第1期待値情報出力モデルは、参照求人票のうち、求人票の登録又は公開から予め定めた期間内での当該参照求人票における求人成約が有ったものを用いて学習されたものであってもよい。
【0054】
第1期待値情報出力モデルの学習用のデータに「求人成約有り」のラベルを付けるための求人成約の期間としては、例えば、スカウト文書の送信から6ヶ月、12か月、18か月以内等、任意の期間である。すなわち、スカウト文書の送信から、例えば、6ヶ月、12か月、又は18か月以内に求人成約がなされた参照求人票のみが、「求人成約有り」のラベル付きデータとして使用される。
【0055】
1つの参照求人票に対して、複数の成約が発生している場合、つまり、1つの参照求人票で複数の求職者を採用している場合、第1期待値情報出力モデルは、スカウト文書1通あたりの成約数(つまり、スカウト文書の送信数を求人成約の数で除することで正規化した値)を、当該参照求人票のスカウト文書の成約数として扱ってもよい。このように正規化されたスカウト文書の送信数は、上述した学習用のデータとしての採否、及び重み付けにおいて使用される。
【0056】
第1期待値情報出力モデルの学習に採用する参照求人票の条件として、さらに、データベースへの登録日又は求職者への公開日からの経過期間と、登録日又は公開日からスカウト文書の送信までの期間とが設けられるとよい。公開日とは、求人・求職サービスに掲載された日、又はインターネット上に公開された日である。例えば、第1期待値情報出力モデルは、上述のスカウト文書の送信数の条件を満たすことに加えて、現時点から18ヶ月前から6ヶ月前までに登録され、さらに、登録日又は公開日から6ヶ月以内にスカウト文書が送信された参照求人票のみを、学習用のデータとしてもよい。時期によって、求職者数と求人数とのバランスが異なり、成約しやすさが異なる可能性があるが、スカウト文書が送信された時期を限定することで、時期における求職者数と求人数のバランスの差異による成約のばらつきが抑制できるとともに、求人票の登録から成約までのリードタイムも考慮されるため、第1期待値情報出力モデルの予測精度が向上する。
【0057】
求人抽出部112は、期待値情報として、スカウト文書に対する求職者からの返信の確率を生成してもよい。スカウト文書に対する求職者からの返信は、成約と比べ、求人票の登録から短い期間でアクションが発生するため、スカウト文書への返信の確率を取得することで、求人成約よりも直近の新しい情報を利用したスコアが得られる。この場合、求人抽出部112は、期待値情報出力モデルとして、対象求人票について、求職者からの返信の確率を予測する第2期待値情報出力モデルを用いる。第2期待値情報出力モデルは、対象求人票を入力とし、求職者からの返信の確率(つまり、スカウト文書への返信というアクションの発生率)を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第2期待値情報出力モデルは、参照求人票と、それに対応するスカウト文書への返信の有無のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。この場合、学習によって算出された第2期待値情報出力モデルのパラメータが、求人票の内容と、求職者からの返信の確率との相関関係に当たる。また、スカウト文書の返信の有無のデータは、例えば、返信有りを「1」、返信無しを「0」として二値化されたデータである。このようなデータを用いて学習された第2期待値情報出力モデルは、返信確率を0から1の間の範囲の数値で出力する。
【0058】
第2期待値情報出力モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、求人抽出部112は、対象求人票を入力とし、対象求人票のスカウト文書への返信の確率を予測して出力する指示を含むプロンプトを第2期待値情報出力モデルに入力し、スカウト文書への返信の確率を第2期待値情報出力モデルに出力させる。また、求人抽出部112は、スカウト文書への返信の確率の予測・出力指示と対象求人票とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の求人票のサンプルと、それに対応する1以上のスカウト文書への返信の確率のサンプルとを挿入したプロンプトを第2期待値情報出力モデルに入力してもよい。第2期待値情報出力モデルが生成AIである場合、求人抽出部112は、例えば、「返信されやすい」、「返信されにくい」といった返信の確率を表すテキストを第2期待値情報出力モデルに出力させてもよい。出力されるテキストは、閾値と返信の確率との関係(閾値を超えているか否か)で選択される。閾値は、例えば、返信の確率の平均値等の統計値に基づいて設定される。
【0059】
第2期待値情報出力モデルは、参照求人票のうち、参照求人票に基づいて送信されたスカウト文書の数が予め定めた第2閾値よりも多い参照求人票と、当該参照求人票におけるスカウト文書への返信の有無とを用いて学習されたものであってもよい。すなわち、第2期待値情報出力モデルは、スカウト文書が一定数以上送信された参照求人票と、この参照求人票におけるスカウト文書への返信の有無のデータとを教師データとして機械学習されてもよい。また、第2期待値情報出力モデルは、スカウト文書が一定数以上送信された参照求人票と、この参照求人票におけるスカウト文書への返信の有無のデータとを用いてファインチューニング等の学習がなされた大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。これにより、スカウト文書の送信数が少ない(又はスカウト文書が送信されていない)参照求人票が学習用のデータから除外されるため、第2期待値情報出力モデルの予測精度が向上する。
【0060】
第2期待値情報出力モデルの学習に採用する参照求人票のスカウト文書の送信数の第2閾値は、第1期待値情報出力モデルにおける第1閾値よりも小さい数(例えば5通)である。また、第2期待値情報出力モデルは、第1期待値情報出力モデルと同様に、スカウト文書の送信数に応じて、各参照求人票の学習における重み付けをしてもよい。例えば、第2期待値情報出力モデルは、参照求人票に基づいて送信されたスカウト文書の数が多いほど大きくなる重み付けがされた参照求人票のデータと、当該参照求人票におけるスカウト文書への返信の有無とを用いて学習されてもよい。
【0061】
さらに、第2期待値情報出力モデルは、参照求人票のうち、参照求人票に基づいて送信されたスカウト文書の数が予め定めた閾値よりも多い参照求人票と、スカウト文書の送信から予め定めた期間内での当該参照求人票におけるスカウト文書への返信の有無とを用いて学習されたものであってもよい。すなわち、第2期待値情報出力モデルの学習において、スカウト文書が一定数以上送信された参照求人票のうち、スカウト文書の送信から一定期間内に返信があったものに「返信有り」のラベルを付し、返信がないか、又は返信があっても一定期間を経過したあとの返信のみであったものに「返信無し」のラベルを付して、それぞれ教師データとして用いる。このように学習用のデータのラベリングにスカウト文書の送信から返信までの期間の条件を設けることで、返信が発生した参照求人票の数が増え続けることが抑制されるため、第2期待値情報出力モデルの予測精度が向上する。
【0062】
第2期待値情報出力モデルの学習用のデータに「返信有り」のラベルを付けるための返信の期間としては、例えば、スカウト文書の送信から14日以内であり、第1期待値情報出力モデルの学習用のデータに「求人成約有り」のラベルを付けるための求人成約の期間(例えば6ヶ月以内)よりも短い。すなわち、スカウト文書の送信から14日以内に返信があった参照求人票のみが、「返信有り」のラベル付きデータとして使用される。
【0063】
第2期待値情報出力モデルの学習に採用する参照求人票の条件として、さらに、データベースへの登録日又は求職者への公開日からの経過期間と、登録日又は公開日からスカウト文書の送信までの期間とが設けてもよい。例えば、第2期待値情報出力モデルは、上述のスカウト文書の送信数を満たすことに加えて、現時点から12ヶ月前から14日前までに登録され、さらに、登録日又は公開日から1年以内にスカウト文書が送信された参照求人票のみを、学習用のデータとしてもよい。これにより、第1期待値情報出力モデルよりも直近の参照求人票を用いて確率を予測できるため、第2期待値情報出力モデルの精度が向上する。
【0064】
求人抽出部112は、期待値情報として、スカウト文書の送信数の予測値を生成してもよい。求人票の内容に合う候補者数が少なく、求人者がスカウト文書を送信できる数が少ないと、求人成約の確率やスカウト文書への返信の確率が高い場合でも、人材の採用が難しい場合があるところ、スカウト文書の送信数の予測値を生成することで、対象求人票に基づいたスカウト文書の送信数の期待値を成約期待値として取得することができる。その結果、スカウト文書の予測送信数に基づいた求人票の評価が可能となる。この場合、求人抽出部112は、期待値情報出力モデルとして、対象求人票について、スカウト文書の送信数を予測する第3期待値情報出力モデルを用いる。第3期待値情報出力モデルは、対象求人票を入力とし、スカウト文書の送信数の期待値(つまり、スカウト文書への送信というアクションの発生数)を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第3期待値情報出力モデルは、参照求人票と、それに対応するスカウト文書の送信数のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。この場合、学習によって算出された第3期待値情報出力モデルのパラメータが、求人票の内容と、スカウト文書の送信数との相関関係に当たる。
【0065】
第3期待値情報出力モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、求人抽出部112は、対象求人票を入力とし、対象求人票に基づいたスカウト文書の送信数を予測して出力する指示を含むプロンプトを第3期待値情報出力モデルに入力し、スカウト文書の送信数の期待値を第3期待値情報出力モデルに出力させる。また、求人抽出部112は、スカウト文書の送信数の予測・出力指示と対象求人票とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の求人票のサンプルと、それに対応する1以上のスカウト文書の送信数の期待値のサンプルとを挿入したプロンプトを第3期待値情報出力モデルに入力してもよい。第3期待値情報出力モデルが生成AIである場合、求人抽出部112は、例えば、「送信しやすい」、「送信しにくい」といったスカウト文書の送信数の期待値を表すテキストを第3期待値情報出力モデルに出力させてもよい。出力されるテキストは、閾値と送信数の期待値との関係(閾値を超えているか否か)で選択される。閾値は、例えば、送信数の平均値等の統計値に基づいて設定される。
【0066】
第3期待値情報出力モデルは、参照求人票のうち、データベースへの登録日又は求職者への公開日からの経過期間が予め定めた期間内である参照求人票と、当該参照求人票におけるスカウト文書の送信数とを用いて学習されたものであってもよい。すなわち、第3期待値情報出力モデルは、登録日又は公開日から一定期間経過していない参照求人票(スカウト文書の送信数がゼロのものも含む)と、この参照求人票におけるスカウト文書の送信数のデータとを教師データとして機械学習されるとよい。また、第3期待値情報出力モデルは、登録日又は公開日から一定期間経過していない参照求人票と、この参照求人票におけるスカウト文書の送信数のデータとを用いてファインチューニング等の学習がなされた大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。これにより、求人票の登録時期における、求人と求職者との数のバランスの差異による、スカウト文書の送信数のばらつきが抑制できる。
【0067】
さらに、第3期待値情報出力モデルは、参照求人票と、当該参照求人票の登録日又は公開日から予め定めた期間内での当該参照求人票におけるスカウト文書の送信数とを用いて学習されたものであるとよい。すなわち、第3期待値情報出力モデルの学習において、参照求人票のうち、登録日又は公開日から一定期間内に送信されたスカウト文書の数を「スカウト文書の送信数」としてラベル付けし、教師データとして用いる。したがって、登録日又は公開日から一定期間を経過したあとに送信されたスカウト文書は、「スカウト文書の送信数」に含まれない。このように学習用のデータのラベリングに登録日又は公開日からスカウト文書の送信までの期間の条件を設けることで、各参照求人票におけるスカウト文書の送信数が増え続けることが抑制されるため、第3期待値情報出力モデルの予測精度が向上する。
【0068】
第3期待値情報出力モデルの学習用のデータにおいて「スカウト文書の送信数」としてカウントするためのスカウト文書の送信期間としては、例えば、参考求人票の登録日又は公開日から6ヶ月以内である。すなわち、参照求人票の登録日又は公開日から6ヶ月以内に送信されたスカウト文書のみが、「スカウト文書の送信数」としてカウントされる。
【0069】
求人抽出部112は、期待値情報から、成約期待値を算出する。具体的には、求人抽出部112は、求人成約の確率である第1期待値情報と、求職者からの返信の確率である第2期待値情報と、スカウト文書の送信数の予測値である第3期待値情報とを生成すると共に、第1期待値情報、第2期待値情報及び第3期待値情報に基づいて求人票の成約期待値を算出するとよい。これにより、対象求人票に3つの期待値情報を総合した全体スコア(成約期待値)を付けることができる。
【0070】
例えば、求人抽出部112は、第1期待値情報、第2期待値情報及び第3期待値情報それぞれに重み付けをした値の平均値を求人票の成約期待値として算出するとよい。また、第1期待値情報の重み付けは、第2期待値情報及び第3期待値情報の重み付けよりも小さいとよい。これにより、第1期待値情報(求人成約率)よりも鮮度が高く、かつ、求人成約との相関性も有する第2期待値情報(スカウト返信率)及び第3期待値情報(スカウト送信数)が重視された成約期待値が算出される。その結果、対象求人票に信頼性の高い成約期待値を付けることができる。また、求人抽出部112は、重み付けによらず、他の方法にて、第1期待値情報、第2期待値情報及び第3期待値情報から成約期待値を算出してもよい。
【0071】
求人抽出部112は、成約期待値を0から1までの値に正規化してもよい。さらに、求人抽出部112は、正規化した成約期待値の分布に応じて、例えば「S」、「A」、「B」、「なし」等のラベルで対象求人票をランク付けしてもよい。例えば、「S」は、成約期待値の分布の上位xx%以上の成約期待値を有する対象求人票に付される。
【0072】
ランク付けに用いられる成約期待値の分布は、求人者が設定する対象求人票の評価基準に基づいて決定される。例えば、個人又は部署単位で扱う求人票を評価したい場合は、個人又は部署単位で扱っている求人票における成約期待値の分布を用いて、対象求人票がランク付けされる。また、例えば、組織で扱う求人票を評価したい場合は、同一組織内の求人票における成約期待値の分布を用いて、対象求人票がランク付けされる。さらに、例えば、組織が出している求人票の世の中全体や任意の業界内での評価を確認したい場合は、他の組織の求人票も含めた求人票全体における成約期待値の分布を用いて、対象求人票がランク付けされる。
【0073】
求人抽出部112は、第1期待値情報、第2期待値情報及び第3期待値情報それぞれについて、例えば「高」、「低」等のレベルに分類した上で、第1期待値情報のレベルと、第2期待値情報のレベルと、第3期待値情報のレベルとを組合せた成約期待値を生成してもよい。
【0074】
また、求人抽出部112は、対象求人票を期待値情報出力モデルに入力し、期待値情報出力モデルに期待値情報である成約期待値(例えば、第1期待値情報、第2期待値情報及び第3期待値情報それぞれに重み付けをした値の平均値)を出力させてもよい。この場合、求人抽出部112は、期待値情報出力モデルとして、統合期待値情報出力モデルを用いる。統合期待値情報出力モデルは、対象求人票を入力とし、成約期待値を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、統合期待値情報出力モデルは、参照求人票と、それに対応する成約期待値のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。統合期待値情報出力モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、求人抽出部112は、対象求人票を入力とし、対象求人票の成約期待値を算出して出力する指示を含むプロンプトを統合期待値情報出力モデルに入力し、成約期待値を統合期待値情報出力モデルに出力させる。また、求人抽出部112は、成約期待値の算出・出力指示と対象求人票とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の求人票のサンプルと、それに対応する1以上の成約期待値のサンプルとを挿入したプロンプトを統合期待値情報出力モデルに入力してもよい。統合期待値情報出力モデルが生成AIである場合、求人抽出部112は、例えば、「成約されやすい」、「成約されにくい」といった成約の確率等を表すテキストを統合期待値情報出力モデルに出力させてもよい。
【0075】
求人抽出部112は、期待値情報として、求職者からの応募数の予測値を生成してもよい。これにより、対象求人票に基づいた求職者からの応募数の期待値を成約期待値として取得することができる。この場合、求人抽出部112は、期待値情報出力モデルとして、第4期待値情報出力モデルを用いる。第4期待値情報出力モデルは、対象求人票を入力とし、求職者からの応募数の期待値(つまり、求職者からの応募というアクションの発生数)を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第4期待値情報出力モデルは、参照求人票と、それに対応する求職者からの応募数のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。
【0076】
第4期待値情報出力モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、求人抽出部112は、対象求人票を入力とし、対象求人票に基づいた求職者からの応募数を予測して出力する指示を含むプロンプトを第4期待値情報出力モデルに入力し、求職者からの応募数の期待値を第4期待値情報出力モデルに出力させる。また、求人抽出部112は、求職者からの応募数の予測・出力指示と対象求人票とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の求人票のサンプルと、それに対応する1以上の求職者からの応募数の期待値のサンプルとを挿入したプロンプトを第4期待値情報出力モデルに入力してもよい。第4期待値情報出力モデルが生成AIである場合、求人抽出部112は、例えば、「応募されやすい」、「応募されにくい」といった応募数の期待値を表すテキストを第4期待値情報出力モデルに出力させてもよい。出力されるテキストは、閾値と応募数の期待値との関係(閾値を超えているか否か)で選択される。閾値は、例えば、応募数の平均値等の統計値に基づいて設定される。
【0077】
求人抽出部112は、期待値情報として、求職者からの自主応募を経た求人成約の確率を生成するとよい。これにより、対象求人票における求人成約の確率を成約期待値として取得することができる。この場合、求人抽出部112は、期待値情報出力モデルとして、第5期待値情報出力モデルを用いる。第5期待値情報出力モデルは、対象求人票を入力とし、求人成約の確率(つまり、求人成約というアクションの発生率)を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第5期待値情報出力モデルは、参照求人票と、それに対応する求人成約の有無のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。
【0078】
第5期待値情報出力モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、求人抽出部112は、対象求人票を入力とし、対象求人票の求人成約の確率を予測して出力する指示を含むプロンプトを第5期待値情報出力モデルに入力し、求人成約の確率を第5期待値情報出力モデルに出力させる。また、求人抽出部112は、求人成約の確率の予測・出力指示と対象求人票とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の求人票のサンプルと、それに対応する1以上の求人成約の確率のサンプルとを挿入したプロンプトを第5期待値情報出力モデルに入力してもよい。第5期待値情報出力モデルが生成AIである場合、第1期待値情報出力モデルと同様に、求人抽出部112は、例えば、「成約しやすい」、「成約しにくい」といった求人成約の確率を表すテキストを第5期待値情報出力モデルに出力させてもよい。
【0079】
第5期待値情報出力モデルは、参照求人票のうち、参照求人票に対する求職者からの応募の数が予め定めた第3閾値よりも多い参照求人票と、当該参照求人票における求人成約の有無とを用いて学習されたものであるとよい。すなわち、第5期待値情報出力モデルは、一定数以上の応募があった参照求人票と、この参照求人票における求人成約の有無のデータとを教師データとして機械学習されるとよい。また、第5期待値情報出力モデルは、一定数以上の応募があった参照求人票と、この参照求人票における求人成約の有無のデータとを用いてファインチューニング等の学習がなされた大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。これにより、応募数が少ない(又は応募がない)参照求人票が学習用のデータから除外されるため、第5期待値情報出力モデルの予測精度が向上する。
【0080】
第5期待値情報出力モデルの学習に採用する参照求人票の応募数の第3閾値は、例えば100件である。すなわち、100件以上の応募があった参照求人票のみが、第5期待値情報出力モデルの学習に供される。
【0081】
期待値算出モデル又は期待値情報出力モデルへの入力としては、具体的には、求人票の特徴量が使用される。求人票の特徴量は、求人票のフォーマットによらず、求人票に記載されている内容から導かれるデータである。特徴量としては、例えば、対象求人票の内容を、その特徴を表現するベクトルに変換した特徴ベクトルが使用される。ここで、1つの対象求人票から複数の特徴ベクトルが取得されてもよく、複数の特徴ベクトルが期待値算出モデル又は期待値情報出力モデルへ入力される特徴量として使用されてもよい。なお、求人票の特徴量は、ベクトル化以外の手法によって抽出されてもよい。
【0082】
具体的には、求人抽出部112は、求人票に含まれる文章のベクトル化により得られる第1ベクトルを含む特徴量を期待値算出モデル又は期待値情報出力モデルに入力し、期待値算出モデル又は期待値情報出力モデルに成約期待値又は期待値情報を出力させるとよい。これにより、求人票のフォーマット(項目の種類、並び順等)や、表記揺れ等の影響を排除し、求人票に含まれる文章等のテキスト情報に基づく成約期待値又は期待値情報を出力させることができる。そのため、成約期待値又は期待値情報の精度が高められる。
【0083】
また、求人抽出部112は、求人票に含まれる属性情報のベクトル化により得られる第2ベクトルを含む特徴量を期待値算出モデル又は期待値情報出力モデルに入力し、期待値算出モデル又は期待値情報出力モデルに成約期待値又は期待値情報を出力させるとよい。これにより、求人票に含まれるカテゴリ情報(年収、職種、業種、勤務地等)に基づく成約期待値又は期待値情報の精度が高められる。
【0084】
さらに、求人抽出部112は、第1ベクトルと第2ベクトルとの双方を含む特徴量を期待値算出モデル又は期待値情報出力モデルに入力し、期待値算出モデル又は期待値情報出力モデルに成約期待値又は期待値情報を出力させてもよい。
【0085】
期待値算出モデル又は期待値情報出力モデルは、求人票に含まれる文章のベクトル化により得られる第1ベクトル及び求人票に含まれる属性情報のベクトル化により得られる第2ベクトルの少なくとも一方(好ましくは両方)を含む特徴量を入力とし、成約期待値又は期待値情報を出力とするように学習される。
【0086】
求人抽出部112は、例えば、以下の手順で求人票に含まれる文章を第1ベクトルに変換する。まず、求人抽出部112は、求人票データに含まれるテキストデータを形態素解析し、文章を単語単位で分割する。さらに、分割した単語のフィルタリングによって、ストップワード(助詞、助動詞等の機能語)を除去するとともに、名詞だけを抽出する。ストップワードは、例えば、辞書による定義、出現頻度等に基づいて判定される。次に、求人抽出部112は、抽出した名詞に対し、単語の正規化(表記揺れの吸収)を行う。単語の正規化には、文字種の統一、数字の置き換え、辞書を用いた単語の統一等の手順が含まれる。文字種の統一は、大文字の小文字への統一、半角カナの全角カナへの統一等である。数字の置き換えは、単語に含まれる数字の、数字を表す代表記号(例えば「0」)への置き換えである。
【0087】
その後、求人抽出部112は、求人票の文章及び上述の処理を行った単語を用いて、TF-IDF法等の任意のベクトル化の手法により、第1ベクトルを取得する。
【0088】
TF-IDF法は、文章中の単語の出現頻度を用いて重要度を数値化する手法で、求人抽出部112は、求人票の文章に含まれる単語それぞれの、当該求人票における出現回数を算出する。出現回数の算出は、例えば、Bag of Words等の文章分析モデルによって行われる。次に、求人抽出部112は、1つの求人票における単語の出現回数を単語の出現頻度(tf:term frequency)に変換し、さらに、各求人票における単語の出現頻度(tf)に基づいて、データを取得した求人票全体において、各単語の出現頻度の希少度である逆文書頻度(idf:inverse document frequency)を求める。最後に、求人抽出部112は、出現頻度(tf)と逆文書頻度(idf:inverse document frequency)とから、各求人票における各単語の重要度(tf-idf)を算出し、各単語の重要度を成分とする第1ベクトルを生成する。第1ベクトルの次元は、重要度が算出される単語の数である。
【0089】
なお、各単語の数値化には、上述のTF-IDF法以外に、LSI法、LDA法を用いてもよい。さらに、求人抽出部112は、Word2vec、BERT等の単語の分散表現に基づくベクトル化を行うモデルを用いて求人票の文章から第1ベクトルを生成してもよい。なお、TF-IDF法は、キーワード処理に強く、処理が軽いという利点がある。求人票では、出現するキーワードに特徴があるため、TF-IDF法の使用が好ましい。また、TF-IDF法では、例えば、求人成約の有無にかかわらず、多数の求人に出てくる単語(「会社」、「部署」等)の重みが小さくなるため、好適に求人票の特徴量を決定できる。
【0090】
求人抽出部112は、例えば、以下の手順で求人票に含まれる属性情報を第2ベクトルに変換する。求人抽出部112は、属性情報である数値データ又はカテゴリカル(質的)データを、例えば、One-Hotエンコーディング等の手法によって、ベクトルに変換する。One-Hotエンコーディングでは、求人抽出部112は、属性情報である数値データ又はカテゴリカル(質的)データを、各成分が0又は1であるOne-Hotベクトルに変換する。求人抽出部112は、各属性情報のOne-Hotベクトルを合成することで、第2ベクトルを生成する。「属性情報」は、例えば、性別、年齢、年収、業種等、所定のカテゴリや数値から選択されることにより入力される情報である。
【0091】
図5は、第2ベクトルの取得手順の一例を示す説明図である。例えば図5Aに示すように、求人抽出部112は、左側の表に示す各求人票の業種を、右側の表に示すOne-Hotベクトルにそれぞれ変換する。図5AのOne-Hotベクトルでは、各成分に割り当てられた業種に該当する場合は、その成分が「1」、該当しない場合は、その成分が「0」となる。求人票の業種が、One-Hotベクトルの成分の複数の業種に該当する場合は、複数の成分が「1」となる。また、例えば図5Bに示すように、求人抽出部112は、左側の表に示す各求人票の年収を、右側の表に示すOne-Hotベクトルにそれぞれ変換する。図5BのOne-Hotベクトルでは、年収を一定区間で複数の年収帯に分割し、各成分に割り当てられた年収帯に該当する場合は、その成分が「1」、該当しない場合は、その成分が「0」となる。求人票の年収が、One-Hotベクトルの成分の複数の年収帯に含まれる場合は、複数の成分が「1」となる。
【0092】
求人抽出部112は、大規模言語モデルを含む生成AIであるベクトル化モデルを用いて求人票をベクトル化してもよい。この場合、求人抽出部112は、求人票を入力とし、求人票をベクトル化して出力する指示を含むプロンプトをベクトル化モデルに入力し、第1ベクトル及び/又は第2ベクトルをベクトル化モデルに出力させる。また、求人抽出部112は、求人票のベクトル化・出力指示と求人票とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の求人票のサンプルと、それに対応する1以上の第1ベクトル及び/又は第2ベクトルのサンプルとを挿入したプロンプトをベクトル化モデルに入力してもよい。
【0093】
求人抽出部112は、成約期待値が予め定めた閾値以上の求人を推奨求人として抽出してもよい。これにより、成約の可能性が一定以上であることを条件に、推奨求人を抽出することができる。そのため、ユーザである求人者に、求人成約の可能性が高い求人を優先的に提示できる。例えば、成約期待値が0から1の間の値に正規化されている場合、求人抽出部112は、成約期待値が0.8以上の求人を推奨求人として抽出する。
【0094】
また、成約期待値の閾値は、特定の求人の母集団を対象とした、成約期待値の最上位からの割合(上位パーセント)で定義されてもよい。「特定の求人の母集団」は、求人データベースに登録されている有効な(つまり求人中である)すべての求人、又はユーザである求人者が登録しているすべての有効な求人で構成される。例えば、求人抽出部112は、成約期待値が上位30%以内の求人を推奨求人として抽出してもよい。
【0095】
さらに、求人抽出部112は、最上位からの割合に対する複数の閾値を用意してもよい。例えば、求人抽出部112は、まず、成約期待値が第1閾値(例えば上位30%)以上の求人を推奨求人として抽出し、抽出された推奨求人の数が所定の基準数に満たない場合、成約期待値が第2閾値(例えば上位50%)以上の求人を推奨求人として抽出してもよい。成約期待値が第2閾値以上の求人が存在しない場合、求人抽出部112は、推奨求人の該当がなし、と判定する。
【0096】
また、求人抽出部112は、上述した、成約期待値の分布に基づいて求人に付されたランクが一定以上の求人を推奨求人としてもよい。
【0097】
求人抽出部112は、求人者がデータベースに登録した求人の中から、当該求人の成約期待値と、当該求人に基づいたスカウト文書の求職者への送信履歴とに基づいて推奨求人を抽出してもよい。これにより、成約の可能性が高い求人の中から、さらに稼働率の低い(スカウトの頻度が低い、又はスカウトを行っていない)求人を抽出し、ユーザである求人者に提示することができる。その結果、求職者側の需要に合わせて、あまり稼働していないが成約の可能性が高い求人の稼働(求職者の検索、スカウト文書の送信等)を求人者に促すことができ、採用活動を効率的に行うことができる。
【0098】
具体的には、求人抽出部112は、求人ごとに算出される求人スコアに基づいて推奨求人を抽出するとよい。求人スコアは、成約期待値の大きさとその重み付けに応じて増加し、かつ、予め定めた評価期間におけるスカウト文書の送信数の大きさとその重み付けに応じて減少する。成約期待値の重み付けは、送信数の重み付けよりも大きい。これにより、成約の可能性を重視しつつ、求人の稼働率も考慮した推奨求人の抽出が可能となる。そのため、稼働率の低さを重視する場合に比べ、推奨求人に対して求人者がスカウト文書の送信等の採用活動を行った場合に、成約できる可能性を高めることができる。
【0099】
例えば、求人抽出部112は、成約期待値を0から1の間の値に正規化したものに第1重み付け係数を乗じた成約スコアと、評価期間におけるスカウト文書の送信数を0から1の間の値に正規化したものに第2重み付け係数を乗じた稼働スコアとを算出し、成約スコアから稼働スコアを引いた値等を求人スコアとする。ここでの第1重み付け係数は、第2重み付け係数よりも大きい。また、評価期間は、例えば現時点から半年以内や、1年以内等とすることができる。正規化されたスカウト文書の送信数は、例えば、ユーザである求人者が登録した求人のうち、評価期間におけるスカウト文書の送信数が最大の求人の送信数を基準値とし、当該基準値で評価期間における各求人のスカウト文書の送信数を除することで得られる。
【0100】
さらに、求人抽出部112は、時期に応じて変化する重み付けを用いて、スカウト文書の送信数をカウントしてもよい。例えば、求人抽出部112は、現時点からのスカウト文書の送信日時が遠くなるほど(直近で稼働していない求人ほど)、当該スカウト文書の送信のカウント数が小さくなる(例えば、1ヶ月以上前のスカウト文書の送信は、1回ではなく、0.5回とカウントする)ようにスカウト文書の送信数をカウントしてもよい。
【0101】
また、求人抽出部112は、評価期間におけるスカウト文書の送信数の逆数を0から1の間の値に正規化したものを稼働スコアとし、成約期待値に稼働スコアを乗じた値を求人スコアとしてもよい。この場合、稼働スコアは、送信数が多いほど(稼働している求人ほど)0に近い値となる。
【0102】
求人スコアは、スカウト文書の送信数に替えて、求人に対する求職者からの応募数、求職者による求人の閲覧数、求職者による求人のブックマーク(お気に入り)リストへの登録数等の、求人者から求職者へのスカウト文書の送信数以外の求人稼働パラメータを用いて算出されてもよい。すなわち、求人スコアは、成約期待値の大きさとその重み付けに応じて増加し、かつ、予め定めた評価期間における求人稼働パラメータの大きさとその重み付けに応じて減少するスコアであってもよい。成約期待値の重み付けは、求人稼働パラメータの重み付けよりも大きい。
【0103】
さらに、求人スコアは、成約期待値の大きさとその重み付けに応じて増加し、かつ、予め定めた評価期間における求人稼働パラメータの大きさとその重み付けに応じて増加するスコアであってもよい。これにより、稼働率の高い求人の中から、成約期待値が高い求人を推奨することができるため、注力すべき求人を効率よく特定することができる。
【0104】
求人抽出部112は、例えば、成約スコア及び稼働スコアから算出した求人スコアが予め定めた閾値以上の求人を、推奨求人として抽出する。
【0105】
求人抽出部112は、求人スコアとして、成約期待値及び評価期間におけるスカウト文書の送信数のうち少なくとも一方の重み付けが互いに異なる第1求人スコア及び第2求人スコアを求人ごとに算出し、推奨求人として、第1求人スコアに基づいて抽出される少なくとも1つの第1推奨求人と、第2求人スコアに基づいて抽出される少なくとも1つの第2推奨求人とを抽出してもよい。これにより、例えば、成約の可能性を重視した第1推奨求人と、第1推奨求人よりも稼働率を重視した第2推奨求人とを抽出することができる。そのため、ユーザである求人者に複数の観点で推奨求人を提示することができ、スカウト文書の送付等の求人の稼働(採用活動の実行)に繋がる、適切な求人の提案を安定的に行うことができる。
【0106】
第1求人スコアと第2求人スコアとは、算出時に用いられる第1重み付け係数(成約期待値に対する重み付け)及び第2重み付け係数(スカウト文書の送信数に対する重み付け)の双方が異なっていてもよいし、いずれか一方のみが異なっていてもよい。例えば、第1求人スコアの第1重み付け係数が第2求人スコアの第1重み付け係数と同じとされ、第2求人スコアの第2重み付け係数が第1求人スコアの第2重み付け係数よりも大きくされてもよい。この場合、第2求人スコアは、第1求人スコアよりも稼働率が重視されたスコアとなる。また、第1求人スコアの第2重み付け係数及び第2求人スコアの第2重み付けのいずれか一方は、ゼロであってもよい。すなわち、第1求人スコア及び第2求人スコアの一方が、稼働率(スカウト文書の送信数)を考慮しないスコアであってもよい。
【0107】
求人抽出部112は、例えば、第1求人スコアが予め定めた閾値以上となる少なくとも1つの求人を第1推奨求人として抽出するとともに、第2求人スコアが予め定めた閾値以上となる少なくとも1つの求人を第2推奨求人として抽出する。
【0108】
また、求人抽出部112は、第1求人スコア及び第2求人スコアのそれぞれに対し、第1重み付け係数又は第2重み付け係数の少なくとも一方が異なる第3求人スコアをさらに算出し、第3求人スコアに基づいて第3推奨求人を抽出してもよい。
【0109】
求人抽出部112は、所定の期間ごとに推奨求人の抽出(求人スコアの算出)を実行する。求人抽出部112が推奨求人の抽出を実行する間隔は、例えば、1日である。また、第1参照情報(期待値算出モデル)は、求人抽出部112による推奨求人の抽出に合わせて更新されてもよい。つまり、第1参照情報は、推奨求人の抽出が実行される期間ごとに、最新のデータ(新たに取得された求人又は求職者に関する情報)を用いて更新されてもよい。
【0110】
<候補者抽出部113>
候補者抽出部113は、データベースに登録されている求職者の中から、推奨求人の内容(求人票のデータ)と、第2参照情報とに基づいて算出される求職者マッチング指標に基づいて推奨求人に対する少なくとも1つの候補者を抽出するように構成される。求職者マッチング指標は、推奨求人の内容に対する求職者の属性の合致度(マッチング度)を示す数値であり、求職者マッチング指標が大きい求人ほど、推奨求人に対する適正(審査の通過の可能性)が高いと推測される。
【0111】
第2参照情報は、求人の内容と、当該求人に対する求職者の適正の度合いを示す求職者マッチング指標との相関関係を含む。第2参照情報は、例えば、記憶部12に記憶されている。第2参照情報は、求人票を入力として、データベースに登録されている求職者それぞれの当該求人票に対する求職者マッチング指標を出力可能なように構築された推定器である。第2参照情報は、例えば、求人票から抽出される特徴量(ベクトルデータ)と、求職者の登録情報の特徴(ベクトルデータ)と、当該求人票に対する求職者マッチング指標との相関関係を示す、テーブル、関数、単純アルゴリズム等であってもよい。第2参照情報に含まれる相関関係は、例えば、互いに関連付けられた求人票の特徴量と求職者の特徴量と求職者マッチング指標とのデータを統計学的に解析することで構築される。
【0112】
求職者の登録情報のベクトル化は、上述した求人票のベクトル化と同様の手順で実行される。具体的には、候補者抽出部113は、大規模言語モデルを含む生成AIであるベクトル化モデルを用いる等の手法により、求職者の登録情報に含まれる、業務内容などの文章をベクトル化した第1ベクトルと、経験職種、経験業種、希望職種、希望業種、希望年収等の属性情報をベクトル化した第2ベクトルとを取得する。
【0113】
求職者の登録情報には、求職者の履歴書、職務経歴書、その他のプロフィール情報が含まれる。「履歴書」は、主に求職者のプロフィール、現況、学歴、職歴、希望の労働条件等が記載された文書であり、「職務経歴書」は、レジュメとも呼ばれ、求職者が求人者に対して、自身のこれまでの職務に関する経歴、経験、スキル、資格等を伝える文書である。また、登録情報には、求職者の希望条件(希望業種、希望職種等)が含まれてもよい。
【0114】
候補者抽出部113は、例えば、求職者データベースに登録されている求職者のうち、1つの推奨求人からスカウト文書の送信が可能な(当該推奨求人に応募可能な)求職者に対し、求職者マッチング指標を算出する。具体的には、候補者抽出部113は、第2参照情報に含まれる参考求職者の相関関係(求人票に対する求職者マッチング指標)を用いて、各求職者の求職者マッチング指標を算出する。参考求職者は、求職者データベースに登録されている登録情報に含まれる属性が同一又は類似の他の求職者、又は求人に対する行動履歴が近い他の求職者である。
【0115】
「登録情報に含まれる属性」としては、例えば、職種、業種、スキル、資格等の項目が挙げられる。登録情報における属性の類似は、第2参照情報に含まれる「第1類似判断情報」(属性の類似範囲を定義する情報)に基づいて判定される。第1類似判断情報は、属性を示すキーワードに対する少なくとも1つの類似キーワードを定義するものであってもよいし、属性を示すカテゴリ、キーワード又は文章のベクトル化により得られる特徴量に対する類似基準を定義するものであってもよい。特徴量に対する類似基準は、2つの属性の特徴量の差(ベクトルの距離)の閾値であり、例えば、特徴量の差が当該閾値未満(又はコサイン類似度が閾値以上)の属性は互いに類似すると判断される。
【0116】
また、第1類似判断情報は、類似する属性を予めグルーピングした情報を含んでもよい。この場合、同じグループに属する属性は、互いに類似と判断される。例えば、第1類似判断情報において、「広報」、「マーケティング」、「CRM」等を類似する属性(職種)としてあらかじめ定義し、「マーケティング」といった名称のグループ(群)に束ねる。候補者抽出部113は、同一のグループに属する職種を、類似する職種と判断する。
【0117】
求職者同士の行動履歴の近さは、第2参照情報に含まれる「第2類似判断情報」(行動履歴の類似範囲を定義する情報)に基づいて判定される。第2類似判断情報は、例えば、2人の求職者がそれぞれ、求人の閲覧、求人への応募、求人のブックマークリストへの登録、求人に基づいて送信されたスカウト文書への返信等の行動の対象とした求人のうち、共通の求人の数に対する類似判断の閾値を定義する。つまり、閲覧を行った共通の求人の数が閾値以上となる2人の求職者は、第2類似判定情報に基づいて、行動履歴が近い(類似する)と判定される。第2類似判断情報は、複数の種類の行動履歴の組み合わせによる類似判断(例えば、応募した求人のうち共通する求人の数と、スカウト文書へ返信した求人のうち共通する求人の数とを用いた類似判断)の基準を定義してもよい。このような基準としては、例えば、行動歴ごとの共通求人の数それぞれに重み付けをしたものを加算等した値と閾値とを比較する判定式等が使用される。
【0118】
第2参照情報は、求人の内容を入力とし、求職者ごとの求職者マッチング指標を出力することが可能なように学習されたマッチング指標算出モデルであってもよい。この場合、候補者抽出部113は、推奨求人の内容を人工知能部120のマッチング指標算出モデルに入力し、マッチング指標算出モデルに求職者マッチング指標を出力させる。これにより、多数の求人の内容及び求職者の情報に基づいた求職者マッチング指標の算出が可能となる。マッチング指標算出モデルは、例えば、求職者マッチング指標を0から1の間の数値として出力する。
【0119】
マッチング指標算出モデルは、学習用の求人票のデータと、学習用の求職者の情報(登録情報、求人に関連するアクションの履歴等)のデータ及び当該求人票に対する当該求職者の求職者マッチング指標のデータのうち少なくとも一方のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。
【0120】
マッチング指標算出モデルは、複数の求人の内容(求人票)と当該求人に関連するアクションの履歴を有する求職者との関係を学習した学習モデルであってもよい。この場合、マッチング指標算出モデルは、入力された求人と類似の求人に関連するアクションの履歴を有する求職者との類似の度合いとして、求職者マッチング指標を出力する。「求人に関連するアクション」は、当該求人に基づいた求人者から求職者へのアクションを意味する。これにより、マッチング指標算出モデルに、入力された推奨求人に基づくアクションの発生しやすさが反映された求職者マッチング指標を算出させることができる。
【0121】
「求人に関連するアクション」は、スカウト文書の受信、又は審査の通過であるとよい。これにより、推奨求人と内容が類似する求人からスカウト文書を受信した求職者、又は審査(書類審査、面接審査等)を通過した求職者を候補者として抽出することが可能となる。
【0122】
マッチング指標算出モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、候補者抽出部113は、推奨求人の求人票及び指標算出対象の求職者の情報(登録情報、求人に関連するアクションの履歴等)を入力とし、求職者マッチング指標を出力する指示を含むプロンプトをマッチング指標算出モデルに入力し、求職者マッチング指標をマッチング指標算出モデルに出力させる。また、候補者抽出部113は、求職者マッチング指標の出力指示と求人票及び求職者の情報とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の求人票及び求職者の情報のサンプルと、それに対応する1以上の求職者マッチング指標のサンプルとを挿入したプロンプトをマッチング指標算出モデルに入力してもよい。
【0123】
候補者抽出部113は、求職者マッチング指標が予め定めた閾値以上の求職者を候補者として抽出してもよい。これにより、推奨求人に対する適正の度合いが一定以上であることを条件に、候補者を抽出することができる。そのため、ユーザである求人者に、推奨求人に対する適正の高い求職者を優先的に提示できる。例えば、求職者マッチング指標が0から1の間の値に正規化されている場合、候補者抽出部113は、求職者マッチング指標が0.8以上の求職者を候補者として抽出する。また、当該閾値は、求職者マッチング指標の算出対象となった複数の求職者における最上位からの割合(上位パーセント)で定義されてもよい。例えば、候補者抽出部113は、求職者マッチング指標が上位30%以内の求職者を候補者として抽出してもよい。
【0124】
候補者抽出部113は、データベースに登録されている求職者の中から、当該求職者の求職者マッチング指標と、当該求職者の任意の求人に対する活動の数とに基づいて候補者を抽出してもよい。これにより、推奨求人に対する適正の高い求職者の中から、活動的な求職者をさらに抽出して、ユーザである求人者に提示することができる。
【0125】
「任意の求人」とは、推奨求人と推奨求人以外の求人とを含む、データベースに登録されているいずれか1つ又は複数の求人を意味する。また、「求人に対する活動」には、求人の閲覧、求人への応募、求人のブックマークリストへの登録、求人に基づいて送信されたスカウト文書への返信等の、特定の求人に対する行動に加え、採用支援システム1へのログイン、自身の登録情報の編集等の、すべての求人に関連する行動も含まれる。
【0126】
具体的には、候補者抽出部113は、求職者ごとに算出される求職者スコアに基づいて候補者を抽出するとよい。求職者スコアは、求職者マッチング指標の大きさとその重み付けに応じて増加し、かつ、予め定めた評価期間における任意の求人に対する活動数の大きさとその重み付けに応じて増加する。求職者マッチング指標の重み付けは、活動数の重み付けよりも大きい。これにより、適正の度合いを重視しつつ、求職者の活動率も考慮した候補者の抽出が可能となる。
【0127】
例えば、候補者抽出部113は、求職者マッチング指標を0から1の間の値に正規化したものに第3重み付け係数を乗じたマッチングスコアと、評価期間における活動数を0から1の間の値に正規化したものに第4重み付け係数を乗じた活動スコアとを算出し、マッチングスコアと活動スコアとを足した値等を求職者スコアとする。ここでの第3重み付け係数は、第4重み付け係数よりも大きい。また、評価期間は、例えば現時点から1ヶ月以内や、3ヶ月以内等とすることができる。正規化された活動数は、例えば、求職者マッチング指標が算出された求職者のうち、評価期間における活動数が最大の求職者の活動数を基準値とし、当該基準値で評価期間における各求職者の活動数を除することで得られる。また、候補者抽出部113は、マッチングスコアと活動スコアとを乗じた値を求職者スコアとしてもよい。
【0128】
さらに、候補者抽出部113は、時期に応じて変化する重み付けを用いて、求職者の活動数をカウントしてもよい。例えば、候補者抽出部113は、現時点からの求職者の活動の日時が遠くなるほど、当該活動のカウント数が減少する(例えば、1ヶ月以上前の活動は、1回ではなく、0.5回とカウントする)ように求職者の活動数をカウントしてもよい。
【0129】
候補者抽出部113は、例えば、マッチングスコア及び活動スコアから算出した求職者スコアが予め定めた閾値以上の求職者を、候補者として抽出する。
【0130】
候補者抽出部113は、求職者スコアとして、マッチング指標及び評価期間における活動数のうち少なくとも一方の重み付けが互いに異なる第1求職者スコア及び第2求職者スコアを求人ごとに算出し、候補者として、第1求職者スコアに基づいて抽出される少なくとも1つの第1候補者と、第2求職者スコアに基づいて抽出される少なくとも1つの第2候補者とを抽出してもよい。これにより、例えば、適正を重視した第1候補者と、第1候補者よりも活動性を重視した第2候補者とを抽出することができる。そのため、ユーザである求人者に複数の観点で候補者を提示することができる。
【0131】
候補者抽出部113は、所定の期間ごとに候補者の抽出(求職者スコアの算出)を実行する。候補者抽出部113が候補者の抽出を実行する間隔は、例えば、1日である。また、候補者抽出部113が候補者の抽出を実行するタイミング又は間隔は、求人抽出部112が推奨求人の抽出を実行するタイミング又は間隔と同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、第2参照情報(マッチング指標算出モデル)は、候補者抽出部113による候補者の抽出に合わせて更新されてもよい。つまり、第2参照情報は、候補者の抽出が実行される期間ごとに、最新のデータ(新たに取得された求人又は求職者に関する情報)を用いて更新されてもよい。
【0132】
<提示部114>
提示部114は、求人抽出部112が抽出した少なくとも1つの推奨求人と、候補者抽出部113が抽出した少なくとも1つの候補者とを対応付けて求人者に提示するように構成される。
【0133】
提示部114は、例えば、推奨求人の求人票に含まれる情報の一部(求人名(ポジション名)、求人番号(ID)、条件等)を求人者端末20に表示させることで、推奨求人を提示する。また、提示部114は、例えば、候補者の登録情報に含まれる情報の一部(氏名、在籍組織(会社名)、年齢、現在の職種、役職等)を求人者端末20に表示させることで、候補者を提示する。
【0134】
「対応付けて提示する」には、例えば、推奨求人の情報と対応する候補者の情報とを左右又は上下に並べて表示させる形態、推奨求人ごとにオブジェクト(例えば枠)を用意し、このオブジェクト内に対応する候補者を表示させる形態、対応する推奨求人の情報(例えば、求人名、求人番号等を示す文字、ラベル等)を候補者に付与して表示させる形態等が含まれる。
【0135】
提示部114は、求人抽出部112が抽出した複数の推奨求人をすべて提示してもよいし、複数の推奨求人の一部を提示してもよい。また、求人抽出部112が第1推奨求人及び第2推奨求人を抽出している場合は、提示部114は、少なくとも1つの第1推奨求人及び少なくとも1つの第2推奨求人を求人者に提示するとよい。さらに、提示部114は、提示した推奨求人のうち、成約期待値が高いもの(例えば、成約期待値が所定値以上のもの、成約期待値の順位が上位のもの)を着色、フォントの変更等によってハイライト表示させてもよい。
【0136】
提示部114は、成約期待値に応じたラベルを推奨求人に付与して提示してもよい。これにより、ユーザである求人者に推奨求人ごとの需要の高さを示すことができる。「ラベル」には、例えば、成約期待値又は求人スコアの大きさを示す数値、当該数値をグラフ、バー等で示した図形、成約期待値又は求人スコアの大きさに応じて付与されるランク(例えば、「Aランク」、「Bランク」等)を示す文字又は図形、成約期待値又は求人スコアが所定値以上であること(例えば、「推奨求人」等)を示す文字又は図形等が含まれる。
【0137】
提示部114は、候補者の活動状況を示す情報を候補者の情報として提示してもよい。これにより、ユーザである求人者に候補者の活動性を示すことができる。「活動状況」には、例えば、直近のログイン日時や、所定期間における、求人の閲覧数、スカウト文書への返信数、求人への応募数等が含まれる。
【0138】
図6は、求人者端末20に表示される推奨求人提示画面RDの一例を示す図である。推奨求人提示画面RDには、複数の推奨求人情報RIと、複数の候補者情報CIとがそれぞれカード状のオブジェクトとして配置される。図6の例では、3つの推奨求人情報RIが表示されるとともに、推奨求人情報RIごとに、2つずつの候補者情報CIが対応付けられて表示されている。具体的には、候補者情報CIは、対応する推奨求人情報RIの右側に配置されている。また、一部の候補者情報CIには、成約期待値が所定値以上であることを示すラベルLBが付されている。
【0139】
ユーザである求人者は、推奨求人提示画面RDに表示されている任意の候補者情報CIを選択することで、該当する候補者(求職者)の登録情報の閲覧、候補者に対するスカウト文書の作成等を実行することができる。すなわち、候補者情報CIのオブジェクトが操作入力されることで、求人者端末20に候補者の登録情報の閲覧画面、スカウト文書の作成画面等が表示される。
【0140】
提示部114は、ユーザである求人者からの推奨求人提示の指示の入力を受け付けて、推奨求人及び候補者を求人者端末20に提示してもよいし、所定のイベントの発生又は所定のタイミングに応じて、推奨求人及び候補者を求人者端末20に提示してもよい。所定のイベントとしては、例えば、ユーザである求人者の採用支援システム1へのログイン、求人者端末20における求人の管理画面の表示等が挙げられる。
【0141】
提示部114は、抽出された複数の推奨求人の中から、所定の期間ごとに一部の推奨求人を選択して提示してもよい。これにより、ユーザである求人者に所定期間ごとに新たな推奨求人を提示できるため、スカウト文書の送信の動機づけを高めることができる。推奨求人を切り替える期間としては、例えば1日である。すなわち、提示部114は、日替わりで推奨求人を提示するとよい。これにより、ユーザである求人者に対し、採用支援システム1への毎日のログインを促すことができる。
【0142】
具体的には、提示部114は、求人抽出部112が抽出した複数の推奨求人の中から、提示求人数(例えば3)の推奨求人を提示用求人として選択し、当該提示用求人を求人者端末20に表示させる。提示用求人の選択は、例えば、各求人の成約期待値又は求人スコアに基づいて行われる。例えば、提示部114は、複数の推奨求人の中から、成約期待値又は求人スコアの高い順に提示用求人を選択し、所定期間後に、同じ提示用求人が選択されないように、残りの推奨求人の中から再び成約期待値又は求人スコアの高い順に提示用求人を選択することを繰り返してもよい。例えば、提示部114は、1日目に、成約期待値又は求人スコアが1位、2位、及び3位の推奨求人を提示し、2日目に、成約期待値又は求人スコアが4位、5位、及び6位の推奨求人を提示してもよい。
【0143】
また、提示部114は、複数の推奨求人それぞれに、提示用求人として選ばれる確率(選択確率)を付与し、選択確率に基づいてランダムで提示用求人を選択し、所定期間後に残りの推奨求人の中から再び選択確率に基づいて提示用求人を選択することを繰り返してもよい。選択確率は、成約期待値又は求人スコアの高さに応じて設定され、例えば、成約期待値又は求人スコアが1位の推奨求人に対し40%、2位の推奨求人に対し30%のように設定される。また、各推奨求人の選択確率はランダムで設定されてもよい。
【0144】
提示部114は、算出時の重み付けが異なる求人スコアに基づいてそれぞれ抽出された複数の推奨求人それぞれのグループから、少なくとも1つずつ提示用求人を選択してもよい。例えば、提示部114は、複数の第1推奨求人(第1求人スコアで抽出された求人)で構成される第1グループと、複数の第2推奨求人(第2求人スコアで抽出された求人)で構成される第2グループと、複数の第3推奨求人(第3求人スコアで抽出された求人)で構成される第3グループとのそれぞれから、少なくとも1つずつ提示用求人を選択してもよい。つまり、提示部114は、第1グループ、第2グループ、及び第3グループそれぞれの中から、所定の期間ごとに第1推奨求人、第2推奨求人及び第3推奨求人を選択して提示してもよい。
【0145】
なお、抽出された推奨求人の数が提示求人数以下の場合は、すべての推奨求人が提示され、新たな推奨求人が求人抽出部112によって抽出されるまで、提示される推奨求人は更新されない。また、求人抽出部112が、推奨求人の該当がなし、と判定した場合(つまり、推奨求人が抽出できなかった場合)は、提示部114は推奨求人を求人者に提示しない。また、表示される推奨求人の切り替えに合わせて、推奨求人に対応する候補者も切り替えられる。
【0146】
提示部114は、抽出された複数の候補者の中から、所定の期間ごとに一部の候補者を選択して提示してもよい。これにより、ユーザである求人者に所定期間ごとに新たな候補者を提示できるため、スカウト文書の送信の動機づけを高めることができる。候補者を切り替える期間は、例えば1日である。すなわち、提示部114は、日替わりで候補者を提示するとよい。
【0147】
また、候補者を切り替える期間は、推奨求人を切り替える期間と同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、提示部114は、候補者を切り替える期間を、推奨求人を切り替える期間よりも短くすることで、提示される推奨求人を変えずに、当該推奨求人に対応付けられて提示される候補者のみを変更してもよい。
【0148】
具体的には、提示部114は、候補者抽出部113が抽出した複数の候補者の中から、提示候補者数(例えば2)の候補者を提示用候補者として選択し、当該提示用候補者を求人者端末20に表示させる。提示用候補者の選択は、例えば、各候補者の求職者マッチング指標又は求職者スコアに基づいて行われる。例えば、提示部114は、推奨求人の場合と同様に、複数の候補者の中から、求職者マッチング指標又は求職者スコアの高い順に提示用候補者を選択し、所定期間後に、同じ提示用求人が選択されないように、残りの候補者の中から再び求職者マッチング指標又は求職者スコアの高い順に提示用候補者を選択することを繰り返してもよい。また、提示部114は、推奨求人の場合と同様に、複数の候補者それぞれに提示用候補者として選ばれる確率(選択確率)を付与し、選択確率に基づいてランダムで提示用候補者を選択し、所定期間後に残りの候補者の中から再び選択確率に基づいて提示用候補者を選択することを繰り返してもよい。
【0149】
提示部114は、候補者抽出部113が抽出した候補者のうち、所定の期間内(例えば、現時点から1月以内)に、ユーザである求人者が対応する推奨求人に基づいてスカウト文書を送信した候補者を提示用候補者から除外してもよい。これにより、すでにスカウト文書を送信した候補者が求人者に提示されることが避けられる。
【0150】
提示部114は、提示する推奨求人を所定期間ごとに切り替えることなく(つまり、新たな推奨求人の抽出結果が得られるまで提示される推奨求人を固定したまま)、提示する候補者のみを所定期間ごとに切り替えてもよい。
【0151】
提示部114が提示する推奨求人及び候補者を切り替える期間に合わせて、求人抽出部112による推奨求人の抽出、及び候補者抽出部113による候補者の抽出が実行されるとよい。つまり、提示される推奨求人及び候補者の切り替えタイミングと、推奨求人及び候補者の抽出タイミングとが同期されるとよい。例えば、提示部114が日替わりで推奨求人及び候補者を切り替える場合、求人抽出部112及び候補者抽出部113は1日に1回、推奨求人及び候補者の抽出(求人スコア及び求職者スコアの算出)を実行する。提示部114は、日替わりで抽出された推奨求人及び候補者の中から、提示用推奨求人及び提示用候補者を選択する。
【0152】
このように、逐次的に推奨求人及び候補者の抽出を行いながら提示する推奨求人及び候補者を切り替える場合、提示部114は、抽出された推奨求人及び候補者のうち、所定の期間(例えば、前日や直近の1週間等)に提示されていない推奨求人及び候補者の中から、上述した手順で提示用推奨求人及び提示用候補者を選択してもよい。つまり、提示部114は、抽出された推奨求人及び候補者から、所定の期間に提示された推奨求人及び候補者を除く処理を行ってもよい。その場合、求人抽出部112及び候補者抽出部113は、除かれた推奨求人及び候補者の数に合わせて、新たな推奨求人及び候補者を追加で抽出してもよい。
【0153】
なお、提示部114は、推奨求人を提示させる以外の場面で、ユーザである求人者が登録している求人に対し、成約期待値に応じたラベルを表示させてもよい。例えば、提示部114は、ユーザである求人者が登録している求人の一覧(求人リスト)において、ラベルを付与してもよい。これにより、ユーザである求人者が、手持ちの求人の中から需要の高い(成約期待値が高い)求人を把握することができる。
【0154】
図7は、求人者端末20に表示される求人一覧画面LDの一例を示す図である。求人一覧画面LDには、複数の求人の情報(ステータス)がリスト表示される。求人一覧画面LDには、求人者が登録しているすべての求人、又は検索条件で抽出された(つまり検索結果としての)求人が表示される。図7の例では、成約期待値が所定値以上である求人のポジション名の右側に、成約期待値が高いことを示すラベルLBが付される。
【0155】
<スカウト文書管理部115>
スカウト文書管理部115は、求人に基づいたスカウト文書の作成、及び求職者へのスカウト文書の送信を行うように構成される。スカウト文書管理部115は、求人者端末20からスカウト文書の作成元となる求人と、スカウト文書の送信先の求職者との選択入力を受け付けて、スカウト文書を作成する。例えば、図6の推奨求人提示画面RDにおいて任意の候補者が選択されると、スカウト文書管理部115は、当該候補者をスカウト文書の送信先の求職者、当該候補者が対応する推奨求人をスカウト文書の作成元として受け付ける。スカウト文書は、推奨求人の求人票が添付されることで、求人票とセットで求職者に送信されてもよい。または、スカウト文書中に推奨求人の内容が挿入されてもよい。
【0156】
スカウト文書の作成は、ユーザである求職者による文字の入力によって行われてもよいし、求人票を入力としスカウト文書を出力とすることが可能なように学習された学習モデルによって行われてもよいし、これらの組み合わせによって行われてもよい。
【0157】
作成されたスカウト文書は、スカウトメールとして求職者に送信される。スカウト文書管理部115は、求人者ごとに送信可能なスカウトメールの数を管理する。求人者は、自身のスカウトメールのストックを消費することで、スカウト文書を求職者に送信する。スカウト文書の送信に必要なスカウトメールのストックが不足する場合、スカウト文書管理部115は、スカウトメールの購入(スカウトメールのストックを増加させるための課金)を求人者から受け付ける。
【0158】
スカウト文書管理部115は、ユーザである求人者に対し、所定の期間ごとに一定量(例えば1通以上10通以下)ずつ、提示部114が提示した候補者のみに送信可能な限定スカウトメールのストックを無償で付与してもよい。限定スカウトメールが付与される所定の期間は、例えば、提示部114によって提示される推奨求人及び/又は候補者が更新される期間と同じとされる。例えば、所定の期間を1日とすることで、ユーザである求人者に対し、採用支援システム1への毎日のログイン及びスカウト文書の送信を促すことができる。また、限定スカウトメールの使用期限は、次に限定スカウトメールが付与されるタイミングまでとされ、例えば、限定スカウトメールが毎日付与される場合は、使用期限は付与された当日内となる。
【0159】
また、スカウト文書管理部115は、ユーザである求人者が、提示部114が提示した候補者にスカウトメールを送信する場合、当該求人者のスカウトメールのストックを消費させずに、スカウトメールを候補者に送信してもよい。
【0160】
<人工知能部120>
人工知能部120は、各機能部から入力を受け付け、指示された出力を返すように構成されている。なお、サーバ装置10が各機能部において使用する人工知能は、共通のものであってもよいし、機能部毎に個別に用意されたものであってもよい。
【0161】
人工知能部120は、GPT(Generative Pretrained Transformer、GPT-1、GPT-2、GPT-3を含む)、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)、BART(Bidirectional and Auto-regressive Transformer)等を含むトランスフォーマ(Transformer)や再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network(RNN))等の言語モデル等を備えるAI(Artificial Intelligence)であって、生成AIを含んでもよい。
【0162】
言語モデルは、機械学習アルゴリズムによる学習モデルの一例である。機械学習の具体的なアルゴリズムとしては、最近傍法、ナイーブベイズ法、決定木、サポートベクターマシン、ニューラルネットワークを利用した深層学習(ディープラーニング)等が挙げられる。人工知能部120は、上記のアルゴリズムを適宜適用することができる。
【0163】
人工知能部120は、教師あり学習、教師なし学習、又は自己教師あり学習等の学習方法によって構築された学習済みモデルを有してもよい。教師あり学習では、教師データ(学習データ)を用いて機械学習を行う。教師データは、学習用の入力データ及び出力データ(正解データ)のペアで構成される。また、言語モデルは、特定のタスクのために訓練されたものだけでなく、幅広いタスクに対して汎用的に用いることができる汎用モデルであってもよい。
【0164】
人工知能部120は、人工知能として、膨大なデータを学習した大規模言語モデル(Large Language Models(LLM))のような汎用的な自然言語処理の学習モデルであってもよい。このような汎用的な学習モデルは、One-shot LearningやFew-shot Learning等により、ファインチューニングなしで様々なタスクに対応可能な言語モデルを含む。また、汎用的な学習モデルは、Zero-shot Learningによっても、様々なタスクに対応可能に構成されてもよい。制御部11の各機能部において用いられる人工知能は、それぞれ別個の学習モデルであってもよいし、共通した汎用的な学習モデルであってもよい。
【0165】
人工知能部120に含まれる学習モデル(期待値算出モデル、マッチング指標算出モデル等の、各機能部において使用される学習モデル)は、転移学習又はファインチューニングとして追加の学習を行うことが可能である。例えば、人工知能部120は、新たな求職者の登録情報及び求人票の登録が発生する都度、これらを新たな教師データとして、追加の学習を行ってファインチューニングされてもよい。これにより、学習モデルから出力される情報の精度が向上する。
【0166】
人工知能部120に含まれる学習モデルは、元となる学習モデルを用いた知識蒸留(Knowledge Distillation)により得られた学習モデル(蒸留モデル)であってもよい。知識蒸留では、大規模言語モデルなどの、学習済みモデルを教師モデルとし、教師モデルの出力(Sоft Target)に対する生徒モデル(蒸留モデル)の出力の損失(Sоft Target Loss)が小さくなるように、生徒モデルのパラメータを調整することで、生徒モデルの学習が行われ、その生徒モデルが蒸留モデルとなる。また、教師データ(学習モデルの入力データと出力データとの組合わせ)の正解ラベル(Hard Target)に対する生徒モデルの出力の損失(Hard Target Loss)が小さくなるように生徒モデルの学習が行われてもよい。蒸留モデルは、元となる学習モデル(教師モデル)に比べて、当該学習モデルと近い性能をもちつつ、パラメータ数が小さく、処理負荷が小さくなる。そのため、蒸留モデルを用いることで、採用支援システム1のコストを低減できる。
【0167】
例えば、期待値算出モデル又はマッチング指標算出モデルは、大規模言語モデルにおける入力データと出力データとの組み合わせを教師データとして学習された蒸留モデルであってもよい。また、採用支援システム1の導入時には期待値算出モデル又はマッチング指標算出モデルとして大規模言語モデルを使用し、当該大規模言語モデルによる教師データが蓄積された時点で、当該教師データによる知識蒸留によって得られた蒸留モデルを期待値算出モデル又はマッチング指標算出モデルとして使用してもよい。
【0168】
<表示部>
求人者端末20の表示部211及び求職者端末30の表示部311は、それぞれ、サーバ装置10から送信されてきた画面データが示す画面を表示する。
【0169】
<操作取得部>
求人者端末20の操作取得部212は、求人者端末20を利用するユーザ(求人者)による操作を受け付ける。求職者端末30の操作受付部312は、求職者端末30を利用するユーザ(求職者)による操作を受け付ける。
【0170】
3.情報処理方法
本節では、サーバ装置10の情報処理方法について説明する。この情報処理方法は、サーバ装置10の各部が、各ステップとしてコンピュータにより実行される。
【0171】
この情報処理方法は、求人抽出ステップと、候補者抽出ステップと、提示ステップとを備える。求人抽出ステップでは、求人者がデータベースに登録した求人の中から、当該求人の内容と、第1参照情報とに基づいて算出される成約期待値に基づいて少なくとも1つの推奨求人を抽出する。候補者抽出ステップでは、データベースに登録されている求職者の中から、推奨求人の内容と、第2参照情報とに基づいて算出される求職者マッチング指標に基づいて推奨求人に対する少なくとも1つの候補者を抽出する。提示ステップでは、推奨求人と候補者とを対応付けて求人者に提示する。
【0172】
図8は、採用支援システム1によって実行される情報処理(推奨求人及び候補者の提示処理)の流れを示すアクティビティ図である。以下では、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、情報処理を説明する。
【0173】
推奨求人及び候補者の提示処理は、求人者による、所定の操作から開始される。所定の操作とは、サーバ装置10が推奨求人の提示処理を開始するための操作であり、求人者の採用支援システム1へのログイン等の間接的な操作であってもよいし、求人者による推奨求人の抽出指示等の直接的な操作であってもよい。求人者は、求人者端末20において、このような所定の操作を入力する(アクティビティA101)。サーバ装置10は、求人者端末20における所定の操作を受けて、推奨求人を抽出する(アクティビティA102)。
【0174】
推奨求人の抽出後、サーバ装置10は、推奨求人に対応する候補者を抽出する(アクティビティA103)。続いて、サーバ装置10は、抽出した推奨求人及び候補者の中から、求人者に提示する推奨求人及び候補者を選択する(アクティビティA104)。さらに、サーバ装置10は、選択した推奨求人及び候補者を求人者端末20に出力する(アクティビティA105)。これにより、推奨求人及び候補者が求人者端末20に表示(提示)される(アクティビティA106)。求人者は、必要に応じて、候補者の登録情報の閲覧、スカウト文書の作成等を求人者端末20において指示する。
【0175】
4.作用
本実施形態の作用をまとめると、次の通りとなる。すなわち、求人成約の期待値が高い推奨求人を、この推奨求人への適正が高い候補者と合わせて求人者に提示することができる。そのため、ユーザである求人者が推奨求人に基づいたアクション(例えばスカウト文書の送信)を実行することで、求人成約の可能性を高めることができる。また、推奨求人に対する候補者が提示されることによって、求人成約の可能性が高い求職者を求人者が把握することができる。
【0176】
したがって、本実施形態によれば、稼働させるべき求人の優先度をユーザである求人者に提示しつつ、求人決定のしやすさを可視化して求人者に提供することができる。また、求人者側において、稼働させるべき求人を判断する属人性が低減できるため、稼働させるべき求人の判断基準を個人間又は部門間で平準化することができる。さらに、推奨求人と候補者とがセットで提示されることで、求人者が求職者を検索する手間が削減されるとともに、求人者による検索では見つけにくい求職者を求人者が見つけることが可能となる。例えば、複数の求人を持つ求人者(特に、多数の求人を持つ求人者)は、社内の人員等のリソースの制約の中で、複数の求人に優先度をつけてこれらの求人を稼働させ、適性が高い求職者を見つける必要があるところ、本実施形態によれば、効率的に稼働すべき求人を特定することができ、さらに、稼働すべき求人に対して適性が高い求職者も同時に特定することができる。これにより、採用活動を効率的に進めることが可能になる。
【0177】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0178】
5.その他
上記実施形態では、サーバ装置10が種々の記憶・制御を行ったが、サーバ装置10に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報やプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。特に、人工知能部120は、サーバ装置10の外部構成であってもよい。その場合、外部構成である人工知能部120は、サーバ装置10の各機能部から入力を受け付け、指示された出力をサーバ装置10に返すように構成される。
【0179】
本実施形態の態様は、採用支援システム1に限定されず、情報処理方法であっても、プログラムであってもよい。採用支援方法は、採用支援システム1が実行する各ステップを備える。プログラムは、コンピュータに、採用支援システム1の各ステップを実行させる。
【0180】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0181】
(1)採用支援システムであって、プロセッサを備え、前記プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成され、求人抽出ステップでは、求人者がデータベースに登録した求人の中から、当該求人の内容と、第1参照情報とに基づいて算出される成約期待値に基づいて少なくとも1つの推奨求人を抽出し、ここで、前記第1参照情報は、求人の内容と、当該求人における求人成約の確率である前記成約期待値との相関関係を含み、候補者抽出ステップでは、データベースに登録されている求職者の中から、前記推奨求人の内容と、第2参照情報とに基づいて算出される求職者マッチング指標に基づいて前記推奨求人に対する少なくとも1つの候補者を抽出し、ここで、前記第2参照情報は、求人の内容と、当該求人に対する求職者の適正の度合いを示す前記求職者マッチング指標との相関関係を含み、提示ステップでは、前記推奨求人と前記候補者とを対応付けて前記求人者に提示する、採用支援システム。
【0182】
(2)上記(1)に記載の採用支援システムにおいて、前記第1参照情報は、求人の内容を入力とし、前記成約期待値を出力することが可能なように学習された期待値算出モデルであり、前記求人抽出ステップでは、求人の内容を前記期待値算出モデルに入力し、前記期待値算出モデルに前記成約期待値を出力させる、採用支援システム。
【0183】
(3)上記(2)に記載の採用支援システムにおいて、前記期待値算出モデルは、複数の求人の内容と、これらの求人における予め定めた期間内の成約の有無とを用いて学習されたものである、採用支援システム。
【0184】
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記求人抽出ステップでは、前記成約期待値が予め定めた閾値以上の求人を前記推奨求人として抽出する、採用支援システム。
【0185】
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記求人抽出ステップでは、前記求人者がデータベースに登録した求人の中から、当該求人の前記成約期待値と、当該求人に基づいたスカウト文書の求職者への送信履歴とに基づいて前記推奨求人を抽出する、採用支援システム。
【0186】
(6)上記(5)に記載の採用支援システムにおいて、前記求人抽出ステップでは、求人ごとに算出される求人スコアに基づいて前記推奨求人を抽出し、前記求人スコアは、前記成約期待値の大きさとその重み付けに応じて増加し、かつ、予め定めた期間における前記スカウト文書の送信数の大きさとその重み付けに応じて減少し、前記成約期待値の重み付けは、前記送信数の重み付けよりも大きい、採用支援システム。
【0187】
(7)上記(6)に記載の採用支援システムにおいて、前記求人抽出ステップでは、前記求人スコアとして、前記成約期待値及び前記送信数のうち少なくとも一方の重み付けが互いに異なる第1求人スコア及び第2求人スコアを求人ごとに算出し、前記推奨求人として、前記第1求人スコアに基づいて抽出される少なくとも1つの第1推奨求人と、前記第2求人スコアに基づいて抽出される少なくとも1つの第2推奨求人とを抽出し、前記提示ステップでは、前記第1推奨求人及び前記第2推奨求人を前記求人者に提示する、採用支援システム。
【0188】
(8)上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記第2参照情報は、求人の内容を入力とし、求職者ごとの前記求職者マッチング指標を出力することが可能なように学習されたマッチング指標算出モデルであり、前記候補者抽出ステップでは、前記推奨求人の内容を前記マッチング指標算出モデルに入力し、前記マッチング指標算出モデルに前記求職者マッチング指標を出力させる、採用支援システム。
【0189】
(9)上記(8)に記載の採用支援システムにおいて、前記マッチング指標算出モデルは、複数の求人の内容と当該求人に関連するアクションの履歴を有する求職者との関係を学習した学習モデルであり、入力された求人と類似の求人に関連する前記アクションの履歴を有する求職者との類似の度合いとして、前記求職者マッチング指標を出力する、採用支援システム。
【0190】
(10)上記(9)に記載の採用支援システムにおいて、前記アクションは、スカウト文書の受信、又は審査の通過である、採用支援システム。
【0191】
(11)上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記候補者抽出ステップでは、データベースに登録されている求職者の中から、当該求職者の前記求職者マッチング指標と、当該求職者の任意の求人に対する活動の数とに基づいて前記候補者を抽出する、採用支援システム。
【0192】
(12)上記(1)から(11)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記提示ステップでは、抽出された複数の前記推奨求人の中から、所定の期間ごとに一部の前記推奨求人を選択して提示する、採用支援システム。
【0193】
(13)上記(1)から(12)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記提示ステップでは、抽出された複数の前記候補者の中から、所定の期間ごとに一部の前記候補者を選択して提示する、採用支援システム。
【0194】
(14)上記(1)から(13)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記提示ステップでは、前記成約期待値に応じたラベルを前記推奨求人に付与して提示する、採用支援システム。
【0195】
(15)採用支援方法であって、上記(1)から(14)のいずれか1つに記載の採用支援システムが実行する各ステップを備える、採用支援方法。
【0196】
(16)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)から(14)のいずれか1つに記載の採用支援システムの各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0197】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0198】
1 :採用支援システム
2 :通信回線
10 :サーバ装置
11 :制御部
12 :記憶部
13 :通信部
14 :通信バス
20 :求人者端末
21 :制御部
22 :記憶部
23 :通信部
24 :入力部
25 :出力部
26 :通信バス
30 :求職者端末
31 :制御部
32 :記憶部
33 :通信部
34 :入力部
35 :出力部
36 :通信バス
111 :基本表示制御部
112 :求人抽出部
113 :候補者抽出部
114 :提示部
115 :スカウト文書管理部
120 :人工知能部
211 :表示部
212 :操作取得部
311 :表示部
312 :操作受付部
【要約】      (修正有)
【課題】求人と候補者との組み合わせを求人者に提示する採用支援システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】採用支援システム1において、サーバ装置の制御部が実行する求人抽出ステップでは、求人者がデータベースに登録した求人の中から、当該求人の内容と、第1参照情報とに基づき算出する成約期待値に基づいて少なくとも1つの推奨求人を抽出する。第1参照情報は、求人の内容と、当該求人における求人成約の確率である成約期待値との相関関係を含む。候補者抽出ステップでは、データベースに登録されている求職者の中から、推奨求人の内容と、第2参照情報とに基づき算出する求職者マッチング指標に基づいて推奨求人に対する1以上の候補者を抽出する。第2参照情報は、求人の内容と、当該求人に対する求職者の適正の度合いを示す求職者マッチング指標との相関関係を含む。提示ステップでは、推奨求人と候補者とを対応付けて求人者に提示する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8