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特許7546184車載ディスプレイのための電子アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】車載ディスプレイのための電子アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20240829BHJP
   H05K 5/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H05K7/20 A
H05K5/00 A
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024081671
(22)【出願日】2024-05-20
(62)【分割の表示】P 2022547954の分割
【原出願日】2021-02-05
【審査請求日】2024-06-10
(31)【優先権主張番号】16/784,883
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505035585
【氏名又は名称】ポラリス インダストリーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【弁理士】
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】パウエル,マーク・エイ
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-42582(JP,A)
【文献】特開2010-103278(JP,A)
【文献】特開2015-72960(JP,A)
【文献】特開2020-22154(JP,A)
【文献】特開2019-161439(JP,A)
【文献】特開2018-136912(JP,A)
【文献】米国特許第6351383(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0257967(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H05K 5/00-5/06
H05K 1/14
H05K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に配置された複数の回路基板のための伝熱アセンブリであって、
第一の平面上に配置された第一の回路基板上に配置された第一の電子素子、
前記第一の回路基板から離間され、且つ第二の平面内に配置された第二の回路基板であって、前記第一の電子素子と軸方向に整合される開口を含む第二の回路基板、
前記ハウジングの底面に隣接して配置されたフレキシブル伝熱素子であって、それから延びるタブ部分を含むフレキシブル伝熱素子
を含み、
前記タブ部分は、前記第一の電子素子に対して配置され、前記第一の平面と前記第二の平面との間の第三の平面を形成する中央部分と、前記第二の平面と前記ハウジングとの間に延びる端部分とを有し、それにより、熱は、前記フレキシブル伝熱素子を通して前記ハウジングに伝達する、伝熱アセンブリ。
【請求項2】
前記フレキシブル伝熱素子は、前記中央部分において熱伝導層及び第一の形状適合層を含み、前記第一の形状適合層は、前記中央部分を前記第一の電子素子に向かって付勢する、請求項に記載の伝熱アセンブリ。
【請求項3】
前記端部分に配置され、前記第二の回路基板を前記端部分の前記熱伝導層と熱連通するように付勢する第二の形状適合層をさらに含む、請求項に記載の伝熱アセンブリ。
【請求項4】
前記第一の形状適合層及び前記第二の形状適合層は、前記フレキシブル伝熱素子の反対側に配置される、請求項に記載の伝熱アセンブリ。
【請求項5】
前記第一の形状適合層は、前記ハウジングの底壁と前記第二の回路基板との間に配置される、請求項に記載の伝熱アセンブリ。
【請求項6】
前記端部分は、コネクタの周りに配置される、請求項に記載の伝熱アセンブリ。
【請求項7】
フレキシブル伝熱層は、熱伝導層に隣接するポリマー層を含む、請求項に記載の伝熱アセンブリ。
【請求項8】
電子アセンブリを組み立てる方法であって、
複数の回路基板及びスペーサを交互に積層及び結合するステップと、
フレキシブル伝熱素子をハウジング内に、底壁に隣接して挿入するステップと、
前記フレキシブル伝熱素子のタブ部分の曲げ部分を、前記タブ部分の中央部分が積層内の電子コンポーネントと接触するように曲げるステップと、
端部分を、前記端部分内の開口がコネクタを取り囲むように前記ハウジングに向かって配置するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両のためのディスプレイに関し、より詳細には、スタンドアロンディスプレイ構成のための電子アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
本項では、本開示に関連する背景情報を提供するが、これらは、必ずしも先行技術ではない。
【0003】
バイク等のオープンエアビークルのための車載用ディスプレイは、ディスプレイを取り付けることのできる面積が比較的小さいため、比較的単純であることが多い。多くのバイクは、レトロスタイルを有し、したがって、このレトロスタイルには、単純な形状のディスプレイが合う。
【0004】
自動車用途では、全地球測位及び他の機能を備えるナビゲーション等の機能は、多くの場合、インストルメントクラスタに組み込まれる。スタイリングに適したパッケージへの追加の機能を提供することは、課題を呈する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本項は、本開示の概要を提供するものであり、これは、その完全な範囲又はその特徴の全ての包括的な開示ではない。
【0006】
本開示は、より多くの機能を提供する改良型ディスプレイを提供する。システムは、様々なタイプの自動車に適しているものの、本明細書に記載の構成は、バイク及びオープンエアビークルに特に適した構成を提供する。
【0007】
本開示の1つの態様において、電子アセンブリは、複数の回路基板を含む。複数の回路基板の各々は、第一の回路基板の外壁の周りに離間された係合溝の第一の複数の対を含む。係合溝の対は、第一の溝及び第二の溝を含む。複数の回路基板は、第一の回路基板及び第二の回路基板を含む。アセンブリは、複数のスペーサも含む。複数のスペーサの各々は、アラインメント要素の複数のセットを含む。アラインメント要素の各セットは、第一の軸方向に延びる第一のタブと、第一の軸方向に延びる第一のタブ受容部であって、第一のタブの第一の部分を受けるための第一の大きさを有する第一のタブ受容部とを含む。アラインメント要素の複数のセットは、第一の軸方向とは反対の第二の軸方向に延びる第二のタブと、第二の軸方向に延びる第二のタブ受容部であって、第二のタブの第二の部分を受けるための第二の大きさを有する第二のタブ受容部とをさらに含む。複数のスペーサは、第一のスペーサ及び第二のスペーサを含む。第一のスペーサは、第一の回路基板と第二の回路基板との間に配置される。第一のスペーサの第一のタブは、第一の回路基板の係合溝の対の第一の係合溝内に配置される。第二の回路基板は、複数のスペーサの第一のスペーサと第二のスペーサとの間に配置される。第一のスペーサの第二のタブは、第二の回路基板の係合溝の対の第二の係合溝及び第二のスペーサの第一のタブ受容部内に受けられる。第二のスペーサの第三のタブは、第二の回路基板の第三の係合溝内に受けられ、且つ少なくとも部分的に第一のスペーサの第二のタブ受容部内にある。
【0008】
本開示の他の態様において、複数の回路基板のための伝熱アセンブリは、ハウジング内に配置され、且つ第一の平面上に配置された回路基板上に配置された第一の電子素子と、第一の回路基板から離間され、且つ第二の平面内に配置された第二の回路基板を有する。第二の回路基板は、第一の電子素子と軸方向に整合される開口とを含む。フレキシブル伝熱素子は、ハウジングの底面に隣接して配置され、前記フレキシブル伝熱素子は、それから延びるタブ部分を含む。タブ部分は、第一の電子素子に対して配置され、第一の平面と第二の平面との間の第三の平面を形成する中央部分と、第二の平面とハウジングとの間に延びる端部分とを有し、それにより、熱は、フレキシブル伝熱素子を通してハウジングに伝達する。
【0009】
本開示のまた別の態様において、電子アセンブリを組み立てる方法は、複数の回路基板及びスペーサを交互に積層及び結合するステップと、フレキシブル伝熱素子をハウジング内に、底壁に隣接して挿入するステップと、フレキシブル伝熱素子のタブ部分の曲げ部分を、タブ部分の中央部分が積層内の電子コンポーネントと接触するように曲げるステップと、端部分を、端部分との開口がコネクタを取り囲むようにハウジングに向かって配置するステップとを含む。
【0010】
他の適用分野は、本明細書で提供する説明から明らかになるであろう。この概要の説明及び具体的な例は、例示を目的とするにすぎず、本開示の範囲を限定することを意図されていない。
【0011】
本明細書で説明する図面は、全ての可能な実装形態ではなく、選択された例の図解のみを目的とし、本開示の範囲を限定することを意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示によるディスプレイアセンブリハウジング26を有するバイクの側面図である。
図2A図1のディスプレイアセンブリハウジングの側面図である。
図2B図1のディスプレイアセンブリハウジングの上面図である。
図3A】ディスプレイアセンブリの回路アセンブリの上面図である。
図3B】回路アセンブリの側面図である。
図3C】回路アセンブリの底面斜視図である。
図3D】回路アセンブリの上面斜視図である。
図3E】回路アセンブリの部分分解図である。
図4A】回路基板74の上面図である。
図4B】回路基板74の側面図である。
図4C】回路基板74の斜視図である。
図5】回路基板78の斜視図である。
図6A】スペーサの斜視図である。
図6B】スペーサの上面図である。
図6C】スペーサの側面図である。
図7A】折り畳まれたGPSアンテナの上面図である。
図7B】展開されたアンテナの上面図である。
図7C】途中まで折り畳まれたアンテナの斜視図である。
図8A】スペーサの代替的な例の部分分解図である。
図8B】スペーサの代替的な例の上面図である。
図8C】代替的な構成を有するスペーサの側面図である。
図9】表示アセンブリの断面図である。
図10A】フレキシブル伝熱素子の上面図である。
図10B】フレキシブル伝熱素子の側面図である。
図10C】伝熱素子の斜視図である。
図10D】伝熱素子の途中まで折り畳まれたタブ部分の斜視図である。
図10E】組立後の完全に折り畳まれた伝熱素子の斜視図である。
図10F】伝熱素子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
対応する参照番号は、図面の複数の図を通して対応する部品を示す。
【0014】
ここで、添付の図面を参照して例をより詳細に説明する。以下の説明は、バイク用途を含むが、本願の特徴は、何れの適当な車両にも適用され得ると理解されたく、その例は、スノーモービル、全地形万能車、ユーティリティビークル、モペット、スクータであるが、これらに限定されない。以下に開示する例は、網羅的ではなく、また以下の詳細な説明で開示されるとおりの形態に本発明を限定することを意図されていない。むしろ、これらの例は、当業者が本願の教示を利用できるように選択され、説明される。
【0015】
本開示において使用される相対的な用語は、通常の動作位置における車両10に関する。図1の車両の方向は、通常の走行方向に対応する長さ方向軸を有する。右、左、前、後、下及び上は、全て路上で通常の直立状態にある車両の相対位置を指す。
【0016】
ここで、図1を参照すると、車両10の一部が示されている。車両10は、風防12を備えるツーリングスタイルのバイク等の二輪車であり得る。しかしながら、本例は、他のタイプの車両にも適用可能であり、これには、スノーモービル、スクータ、ユーティリティビークル及びオフロードビークルが含まれるが、これらに限定されない。
【0017】
車両10は、車両10の前輪を操舵するためのハンドル18を含む。ディスプレイアセンブリ26は、車両10に連結される。ディスプレイアセンブリ26は、ハンドル18、フレーム又はハンドル18を受けるトリプルクランプ28に連結され得る。
【0018】
次に、図2Aを参照すると、ディスプレイアセンブリ26の側面図が示されている。この例では、第一のコネクタ36及び第二のコネクタ38が示されている。ハウジング39は、側壁40及び底壁42を有する。ベゼル44は、ハウジング39を、それにカバー46を保持することによって包囲する。複数のインジケータ48は、車両が作動させている各種の機器に関するフィードバックをユーザに提供するために使用され得る。例えば、燃料レベルインジケータ、ニュートラルインジケータ、トランスミッションインジケータ、警告灯、ハイビームインジケータ、バッテリインジケータ、キーインジケータ、ABSインジケータ及びクルーズコントロールインジケータの全てが提供され得る。
【0019】
カバー46は、タッチスクリーンの一部を形成し得、タッチスクリーンボタン50がその上に形成され得る。ボタン50は、後退ボタン、メニューボタン、ダイヤルボタン及び前進ボタン等のそのような機能を含み得る。当然のことながら、他の多くの種類のインジケータ48及びボタン50が使用され得る。
【0020】
次に、図3A~3Eを参照すると、上で例示したハウジング39内に配置される回路アセンブリ52の上面図、側面図、底面斜視図、上面斜視図及び部分分解図が示されている。ハウジング39は、概して、円筒形であり、長さ方向軸43を有する。回路アセンブリ52は、アラインメントフレーム54を含み、その上にタッチスクリーンディスプレイ56が配置される。アラインメントフレーム54は、様々な機能を実行し得、これには、タッチスクリーンディスプレイ56をハウジング39と整合させることが含まれる。アラインメントフレーム54は、ライトガイド58も含み得る。ライトガイド58は、図2Bに示されるインジケータ48のための個別のインジケータ領域を分離する。ライトガイド58は、光源からの隣接するインジケータへの照明漏れを防止する。典型的には、インジケータ48の各々について別々の光源が提供される。アラインメントフレーム54は、補強材60も含み、これは、タッチスクリーンディスプレイ56を、タッチスクリーンディスプレイ上に表示されるボタン50に隣接した状態で支持するために使用される。補強材60は、ディスプレイのための軸方向の補強を提供し、ディスプレイが動作中に曲がりすぎることを防止する。
【0021】
アンテナ64は、アラインメントフレーム54の上に配置される。アンテナ64は、全地球測位システムアンテナである。アンテナ64は、回路基板70、74及び78上のプロセッサ及び他のコンポーネントから離して配置される。アンテナ64は、カバー46と直接隣接する。カバー46は、ガラス等、衛星信号透過性材料で形成される。
【0022】
回路アセンブリ52は、第一の回路基板70を含み、その上にアラインメントフレーム54が1つ又は複数のタブ62によって取り付けられる。第一のスペーサ72は、第一の回路基板70を第二の回路基板74から分離する。第二のスペーサ76は、第二の回路基板74を第三の回路基板78から分離する。第一の回路基板70、第一のスペーサ72、第二の回路基板74、第二のスペーサ76及び第三の回路基板78の形状については、以下でより詳細に説明する。
【0023】
スペーサ72、76は、一体構造であり、回路基板とその上又は下で係合するために使用される。これについては、後により詳細に説明する。
【0024】
次に、図3A~3F及び4A~4Cを参照すると、回路基板74の上面図、側面図及び斜視図が示されている。この例において、回路基板74は、プロセッサ80を含む。プロセッサ80は、熱活性コンポーネントであり、したがって熱がそれから取り除かれることが望ましく、これについては、後により詳細に説明する。しかしながら、熱は、回路アセンブリ52内の他の様々な電子コンポーネントからも取り除かれることが望まれ得る。第一のコネクタ36は、回路基板74から出て開口82を通して延び、これは、図3Eで最もよくわかる。
【0025】
回路基板74は、係合溝84を含む。係合溝84は、回路基板74の周囲から内側に延びる。この例では、回路基板74は、丸く、及び係合溝は、半径方向に内側に延びる。この例では、係合溝84は、対で配置され、回路基板74の周囲に沿って均等に離間される。2つの係合溝84は、比較的相互に近付けて配置され、それらの間に固定具開口86がある。この例では、固定具開口86は、回路基板の切欠きであり、回路基板アセンブリをハウジング39に固定するための固定具を受け得る。固定具開口86は、この例では、概して円形であり、部分的にその周囲の光学ガイド87等の視覚的キューがある。光学ガイド87は、回路基板の表面上でのシルクスクリーンによるアートワークであり得る。
【0026】
オリエンテーションリブ81は、組立中に組立者が回路アセンブリ52をハウジング39と整合させることを支援するために使用される。固定具開口83は、それぞれの固定具86A(そのうちの1つのみが示されている)を受ける。適当な固定具の一例は、ねじファスナである。
【0027】
次に、図3A~3F及び5を参照すると、回路基板78が示されている。回路基板78は、ディスプレイアセンブリ内の一番下の回路基板である。係合溝84も提供され得る。回路基板78は、回路アセンブリ52内の一番下の回路基板である。回路基板78は、一番下の基板であるため、1つの係合溝84が各係合位置に示されている。係合溝84は、回路基板70、74内に示されている係合溝84と軸方向に整合する。固定具開口86もこれらの回路基板78上に配置され得る。
【0028】
次に、図6A~6Cを参照すると、スペーサ72の斜視図、上面図及び側面図が示されている。この例では、スペーサ72、76の全てが同じように構成される。スペーサ72、76は、双方向性でもあり、これは、それらが対称であるため、上向きでも下向きでも使用できることを意味する。係合溝84及び固定具開口86は、スペーサ72の外壁89を画定する外壁89内のスペーサ固定具開口88とも整合する。壁89は、軸方向に延びる。スペーサ72は、複数のタブ90、92及び複数のタブ受容部91、93を含むアラインメント要素も有する。複数のタブ90、92は、反対の軸方向に延びる。タブ90は、組み立てられたときに底壁42に向かって軸方向に下方に延びる。タブ92は、カバー46に向かって軸方向に上方に延びる。タブ90、92は、半径方向に延びる係合面94を有する。係合面94は、隣接する回路基板の平坦な上又は下面と係合するために使用される。係合面94と、スペーサ72の残りの部分の上又は下縁との間の距離Dは、スペーサ72が組み付けられる回路基板の厚さを受けるための大きさにされる。スペーサ72は、補強フランジ96も含み得る。フランジ96は、スペーサ72の外壁89の周囲で半径方向に延びる。フランジ96は、スペーサ72を補強して、それに剛性を提供する。
【0029】
タブ受容部91、93は、軸方向に延びる。タブ受容部91、93は、スペーサ72の上側及び下側(組立に関して)の切欠き又は凹部である。タブ受容部93は、タブ90と軸方向に整合して同じ方向に延びる。タブ受容部91は、タブ92と軸方向に整合して同じ方向に延びる。タブ受容部93とタブ90との整合の方向は、タブ90とタブ受容部91とは反対である。タブ受容部91、93は、タブ90、92の少なくとも一部、例えばタブの、その隣接する回路基板表面を越えて延びる部分を部分的に受ける。各タブ90、92の、タブ90、92の係合面を越える部分は、それぞれのタブ受容部91、93で受けられる。
【0030】
次に、図7A~7Cを参照すると、図3Aに関して説明したアンテナ64が示されている。アンテナ64は、下側部分64Aを有し、これは、アラインメントフレーム54内に64Bにおいて結合され、回路基板70に取り付けられる。上側部分64Cは、図3Aにおいて見える。狭小部分66は、アンテナ64を動かして容易に曲げられるようにするために使用される。
【0031】
次に、図8A~8Cを参照すると、代替的な例の回路アセンブリ52’が示されている。この例では、上述のものと同じコンポーネントを表すために同じ参照番号が使用される。この例では、スペーサ72’は、上で例示したスペーサ72と異なる。この例では、スペーサ72’は、黒鉛含浸プラスチック等の電気的遮蔽材料で形成される。スペーサ72’は、前述のように中央で開放しているのではなく、外壁89の内周にカバー98を有する。カバー98も電気的遮蔽材料で形成され、それにより回路基板74、78からの漂游RF電気信号(EMI)によるGPSアンテナ64の受信への干渉が防止される。さらなる絶縁を提供するために、ドア100が使用され得る。ドア100は、カバー98の開口102内に配置される。ドア100により、組立中、ドア100の下の回路及びコネクタにアクセスできる。ドア100は、組立後、開口102内に設置され得る。スペーサ72’は、前述のスペーサの他の特徴、例えば固定具開口88、タブ90、92及びタブ受容部91、93も含み得る。
【0032】
次に、図9を参照すると、ディスプレイアセンブリ26の断面図がハウジング39内に示されている。この例では、カバー46は、シール110を備えるベゼル44に結合されるように示されている。シール110は、Oリングであり得、ゴム引きされ得る。タッチスクリーンディスプレイ56は、カバーガラス46によって支持され、アラインメントフレーム54によっても支持され得る。アラインメントフレーム54は、第一の回路基板70に取り付けられる。第一のスペーサ72が第一の回路基板70と第二の回路基板74との間に示されている。第二のスペーサ76は、第二の回路基板74と第三の回路基板78との間に示されている。前述のように、プロセッサ80等の電子コンポーネントは、多くの熱を発する。回路構成の早期の破損及び故障を防止するために、熱をプロセッサ80から取り去り、ハウジング39の側壁40及び底壁42に分散させることが望ましい。フレキシブル伝熱素子120がハウジング39内に配置され得る。
【0033】
ここで、図9を参照すると、フレキシブル伝熱素子120は、組み立てられた位置にあり、図10A~10Fでは、組立後の位置に組み立てられる前及び組立中にとられる様々な位置が示されている。フレキシブル伝熱素子120は、底壁42と直接隣接する第一の部分122を有する。第一の部分122は、概して円形の形状で底壁42に適合する。
【0034】
フレキシブル伝熱素子120は、タブ部分124を含む。タブ部分124は、中央部分126、曲げ部分128及び端部分130を有する。曲げ部分128及び端部分130は、第一の部分122の周囲を越えて半径方向に延びる。
【0035】
第一の部分122及び中央部分126は、発泡材等の形状適合層132を有する。形状適合層132は、折り畳まれ、それにより、中央部分126は、回路基板74に対して平面となる概して平坦な部分を形成する。形状適合層132は、伝熱素子120を支持して曲げ部分の形態を保持する。形状適合層132は、伝熱素子120が倒れることを防止する。この動作は、下)の外層のポリマー層142を緊張状態にして、熱伝導層132が破損することを防止する。組み立てられた状態では、中央部分126は、プロセッサに直接隣接する。プロセッサ80は、熱を発し、これは、プロセッサ80から底壁42の層132の周囲に向かって、ハウジング39の中央部分に向かって、且つ図9の一番右側の部分にコネクタ38に向かって伝えられる。端部分130の開口134により、コネクタ38は、それを通過することができる。
【0036】
熱伝導性形状適合層136は、端部分130の反対面上にも配置され得、これは、前述の層132の反対である。層136の厚さは、層132のものと比較して薄くされ得る。層136は、図9に最もよく示されているように、組み立てられたときに回路基板78に直接隣接して配置される。層136は、熱伝導性要素子と底壁42との間の熱接触を改善することを促進する。
【0037】
端部分130が組立中に完全に折り畳まれると、端部分は、切欠き138内に納まる。切欠き138は、組立前には端部分130の反対に位置する。
【0038】
ディスプレイアセンブリ26の組立は、以下のように行われ得る。回路基板78は、それに連結された第二のスペーサ76を有し得る。下側タブ92は、係合溝84と係合し得る。タブ92の係合面94は、回路基板の縁に沿って嵌り、回路基板をスペーサに保持する。回路基板74は、回路基板78に連結された同じスペーサに連結され得る。この例では、上側タブ90は、回路基板74と係合溝84において係合する。組立中、固定具開口86、光学ガイド87及び固定具開口88は、その形状に基づく視覚的キューによって整合され得る。固定具86Aは、固定具開口86、88に受けられて、回路基板をハウジング39の底壁42に固定する。
【0039】
スペーサ72は、回路基板74に組み付けられ得る。すなわち、下側タブ92は、回路基板74と係合面94において係合し得る。
【0040】
回路基板70は、タブ90を係合溝84において連結することによってスペーサ72に連結され得る。
【0041】
アラインメントフレーム54のタブ62は、回路基板70の係合溝84と係合して、アラインメントフレーム54をその上に保持する。
【0042】
フレキシブル伝熱素子120が形成される。その後、フレキシブル伝熱素子は、底壁42に隣接してハウジング39内に組み付けられる。タブ部分124は、フレキシブルであるため、タブ部分は、フレキシブル伝熱素子120を挿入する際、図10Dに示されるように曲がり得る。したがって、曲げ部分82が曲がり得、端部分130がコネクタ38の周囲で切欠き138内に配置される。このようにして、中央部分126における形状適合層132は、第一の部分122上の伝導性発泡材に隣接する。
【0043】
次に、図10Fを参照すると、フレキシブル伝熱素子120が示されている。図のように、形状適合層132は、熱伝導性を有し、黒鉛層140の上に配置される。黒鉛層140は、ポリマー層142を有し得、曲げ部分の外面の緊張状態を保持し得る。形状適合層136は、下側回路基板からの熱の伝導を容易にするために使用される。
【0044】
システムが組み立てられると、フレキシブル伝熱素子120の第一の部分122は、中央部分126の平面に平行な第一の平面内に配置され、その向きは、曲げ部分128で反転する。黒鉛層140は、取り除かれる熱を有するプロセッサ又は他の電子電気コンポーネントに直接隣接する。端部分130は、回路基板78の平面の直下の平面内に配置される。したがって、熱は、第一の平面内にあるプロセッサ80から取り除かれ、この熱は、第二の平面内に配置される回路基板78の下に伝達される。このように、熱は、ディスプレイアセンブリ26のハウジング39に伝達され、これは、この例では、底壁42及び側壁40の両方である。
【0045】
例に関する上記の説明は、例示及び解説のために提供されている。これは、網羅的であること又は本開示を限定することを意図されていない。特定の例の個々の要素又は特徴は、概して、その特定の例に限定されず、該当する場合には相互に入れ替え可能であり、具体的に示されていないか又は記載されていなくても、選択された例で使用され得る。これらは、様々な方法でも変更され得る。このような変更形態は、本開示からの逸脱とみなされず、このような改変形態は、本開示の範囲に含まれるものとする。
〔態様1〕
回路アセンブリであって、
複数の回路基板であって、前記複数の回路基板の各々は、第一の回路基板の周囲の周りに離間された係合溝の第一の複数の対を含み、前記係合溝の対は、第一の溝及び第二の溝を含み、前記複数の回路基板は、第一の回路基板及び第二の回路基板を含む、複数の回路基板、
複数のスペーサであって、前記複数のスペーサの各々は、アラインメント要素の複数のセットを含み、アラインメント要素の各セットは、第一の軸方向に延びる第一のタブと、前記第一の軸方向に延びる第一のタブ受容部であって、前記第一のタブの第一の部分を受けるための第一の大きさを有する第一のタブ受容部とを含み、前記アラインメント要素の複数のセットは、前記第一の軸方向とは反対の第二の軸方向に延びる第二のタブと、前記第二の軸方向に延びる第二のタブ受容部であって、前記第二のタブの第二の部分を受けるための第二の大きさを有する第二のタブ受容部とをさらに含み、前記複数のスペーサは、第一のスペーサ及び第二のスペーサを含む、複数のスペーサ
を含み、
前記第一のスペーサは、前記第一の回路基板と前記第二の回路基板との間に配置され、前記第一のスペーサの前記第一のタブは、前記第一の回路基板の前記係合溝の対の第一の係合溝内に配置され、
前記第二の回路基板は、前記複数のスペーサの前記第一のスペーサと第二のスペーサとの間に配置され、
前記第一のスペーサの第二のタブは、前記第二の回路基板の前記係合溝の対の第二の係合溝及び前記第二のスペーサの第一のタブ受容部内に受けられ、
前記第二のスペーサの第三のタブは、前記第二の回路基板の第三の係合溝及び少なくとも部分的に前記第一のスペーサの第二のタブ受容部内に受けられる、回路アセンブリ。
〔態様2〕
前記第一のタブは、前記第二のタブ受容部と軸方向に整合され、前記第二のタブは、前記第一のタブ受容部と軸方向に整合される、態様1に記載の回路アセンブリ。
〔態様3〕
前記第二のタブは、前記第二の回路基板と係合する第一の係合面を含み、前記第三のタブは、前記第二の回路基板と係合する第二の係合面を含む、態様1に記載の回路アセンブリ。
〔態様4〕
前記複数のスペーサは、回転対称である、態様1に記載の回路アセンブリ。
〔態様5〕
前記複数の回路基板は、丸く、及び前記係合溝の複数のセットは、均等に離間される、態様1に記載の回路アセンブリ。
〔態様6〕
前記複数のスペーサは、双方向性である、態様1に記載の回路アセンブリ。
〔態様7〕
前記複数のスペーサは、前記アラインメント要素の複数のセットにおける第一の固定具開口を含む、態様1に記載の回路アセンブリ。
〔態様8〕
前記第一の固定具開口は、前記第一のタブと前記第二のタブとの間に配置される、態様7に記載の回路アセンブリ。
〔態様9〕
前記複数の回路基板は、前記第一の固定具開口と整合される第二の固定具開口を含む、態様8に記載の回路アセンブリ。
〔態様10〕
第三のスペーサをさらに含み、前記第一の回路基板は、前記第三のスペーサと前記第一のスペーサとの間に配置される、態様1に記載の回路アセンブリ。
〔態様11〕
前記第三のスペーサは、少なくとも部分的に外壁と共に延びるRFシールドを含む、態様10に記載の回路アセンブリ。
〔態様12〕
前記第一の回路基板は、アラインメントフレームと、全地球測位アンテナであって、前記アラインメントフレーム及びガラスカバーに直接隣接して配置された全地球測位アンテナとに連結される、態様1に記載の回路アセンブリ。
〔態様13〕
ハウジング内に配置された複数の回路基板のための伝熱アセンブリであって、
第一の平面上に配置された第一の回路基板上に配置された第一の電子素子、
前記第一の回路基板から離間され、且つ第二の平面内に配置された第二の回路基板であって、前記第一の電子素子と軸方向に整合される開口を含む第二の回路基板、
前記ハウジングの底面に隣接して配置されたフレキシブル伝熱素子であって、それから延びるタブ部分を含むフレキシブル伝熱素子
を含み、
前記タブ部分は、前記第一の電子素子に対して配置され、前記第一の平面と前記第二の平面との間の第三の平面を形成する中央部分と、前記第二の平面と前記ハウジングとの間に延びる端部分とを有し、それにより、熱は、前記フレキシブル伝熱素子を通して前記ハウジングに伝達する、伝熱アセンブリ。
〔態様14〕
前記フレキシブル伝熱素子は、前記中央部分において熱伝導層及び第一の形状適合層を含み、前記第一の形状適合層は、前記中央部分を前記第一の電子素子に向かって付勢する、態様13に記載の伝熱アセンブリ。
〔態様15〕
前記端部分に配置され、前記第二の回路基板を前記端部分の前記熱伝導層と熱連通するように付勢する第二の形状適合層をさらに含む、態様14に記載の伝熱アセンブリ。
〔態様16〕
前記第一の形状適合層及び前記第二の形状適合層は、前記フレキシブル伝熱素子の反対側に配置される、態様15に記載の伝熱アセンブリ。
〔態様17〕
前記第一の形状適合層は、前記ハウジングの底壁と前記第二の回路基板との間に配置される、態様14に記載の伝熱アセンブリ。
〔態様18〕
前記端部分は、コネクタの周りに配置される、態様13に記載の伝熱アセンブリ。
〔態様19〕
フレキシブル伝熱層は、熱伝導層に隣接するポリマー層を含む、態様13に記載の伝熱アセンブリ。
〔態様20〕
電子アセンブリを組み立てる方法であって、
複数の回路基板及びスペーサを交互に積層及び結合するステップと、
フレキシブル伝熱素子をハウジング内に、底壁に隣接して挿入するステップと、
前記フレキシブル伝熱素子のタブ部分の曲げ部分を、前記タブ部分の中央部分が積層内の電子コンポーネントと接触するように曲げるステップと、
端部分を、前記端部分内の開口がコネクタを取り囲むように前記ハウジングに向かって配置するステップと
を含む方法。
【要約】      (修正有)
【課題】より多くの機能を提供する改良型ディスプレイを提供する。
【解決手段】外壁の周りの係合溝84を有する複数の回路基板70、74、78から構成される電子アセンブリ52は、複数のスペーサ72、76から構成されるアラインメント要素は、第一の軸方向に延びる第一のタブ92及び第一のタブ受容部93を含む。該アラインメント要素は、第一のものと反対の第二の軸方向に延びる第二のタブ90と、第二の軸方向に延びる第二のタブ受容部91とをさらに含む。第一のスペーサは、第一の回路基板と第二の回路基板との間に配置される。第一のスペーサの第一のタブは、第一の回路基板の第一の係合溝内に配置される。第二の回路基板は、第一のスペーサと第二のスペーサとの間に配置される。第一のスペーサの第二のタブは、第二の回路基板の第二の係合溝84及び第二のスペーサの第一のタブ受容部内に受けられる。
【選択図】図3E
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F