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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-28
(45)【発行日】2024-09-05
(54)【発明の名称】面状照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240829BHJP
【FI】
F21S2/00 481
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024123776
(22)【出願日】2024-07-30
(62)【分割の表示】P 2023570459の分割
【原出願日】2023-07-06
【審査請求日】2024-07-30
(31)【優先権主張番号】P 2022127388
(32)【優先日】2022-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 銀河
(72)【発明者】
【氏名】藤原 雅也
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-190417(JP,A)
【文献】特開2021-12884(JP,A)
【文献】特開2011-151218(JP,A)
【文献】国際公開第2021/171878(WO,A1)
【文献】特開2006-302622(JP,A)
【文献】特開2010-272448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローカルディミング駆動が可能な直下型の面状照明装置であって、
複数の光源と、
前記複数の光源に対応して配置される集光レンズと、
を備え、
前記面状照明装置の発光エリアの平面形状が矩形でない異形であることにより前記光源を配置できない部分において、当該部分に前記集光レンズが拡張され、
前記集光レンズは、リニアフレネルレンズであり、
前記リニアフレネルレンズの拡張は、前記リニアフレネルレンズに対応するシリンドリカルレンズの曲面に対応して行われる、
面状照明装置。
【請求項2】
ローカルディミング駆動が可能な直下型の面状照明装置であって、
複数の光源と、
前記複数の光源に対応して配置される集光レンズと、
を備え、
前記面状照明装置の発光エリアの平面形状が矩形でない異形であることにより前記光源を配置できない部分において、当該部分に前記集光レンズが拡張され、
前記集光レンズは、リニアフレネルレンズであり、
前記リニアフレネルレンズの拡張は、前記リニアフレネルレンズの凹凸の溝が延在する方向と直交する方向に行われる、
面状照明装置。
【請求項3】
ローカルディミング駆動が可能な直下型の面状照明装置であって、
複数の光源と、
前記複数の光源に対応して配置される集光レンズと、
を備え、
前記面状照明装置の発光エリアの平面形状が矩形でない異形であることにより前記光源を配置できない部分において、当該部分に前記集光レンズが拡張され、
前記集光レンズは、リニアフレネルレンズであり、
前記リニアフレネルレンズの凹凸の溝が延在する方向と直交する方向に延在する凹凸の溝を有する他のリニアフレネルレンズを備える、
面状照明装置。
【請求項4】
前記複数の光源の個々を平面視して矩形に囲んでセグメントを構成する反射面を有するリフレクタを備える、
請求項1~3のいずれか1項に記載の面状照明装置。
【請求項5】
前記他のリニアフレネルレンズは、前記リニアフレネルレンズの反対側の面に形成されるか、または、前記リニアフレネルレンズとは別体に形成される、
請求項3に記載の面状照明装置。
【請求項6】
前記複数の光源は、前記リニアフレネルレンズの集光位置に沿って基板上に直線状に配置される、
請求項1~3のいずれか1項に記載の面状照明装置。
【請求項7】
前記リフレクタの前記セグメントは、前記光源を配置できない部分に隣接する前記リフレクタの前記セグメントが前記面状照明装置の外縁側に拡張される、
請求項4に記載の面状照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面状照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リニアフレネルレンズを備えた直下型の面状照明装置が提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。リニアフレネルレンズが用いられることで、配光が効率よく行われ、高輝度、高輝度均一性、低消費電力化、薄型化等が図られる。
【0003】
また、平面形状(発光面形状)が異形形状である場合に、周辺に発生する輝度ムラを抑制した面状光源が提案されている(例えば、特許文献2等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2022/004036号
【文献】特開2021-190417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、リニアフレネルレンズを備えた直下型の面状照明装置の平面形状が異形形状である場合における異形部分の輝度ムラの解消については検討されておらず、その対応が要望されていた。
【0006】
すなわち、リニアフレネルレンズを備えた直下型の面状照明装置では、リニアフレネルレンズの集光位置(焦点位置)に沿ってLED(Light Emitting Diode)等の光源を直線状に配置する必要がある。しかし、発光エリアの平面形状が矩形でない異形である場合、額縁部分の構造的な制約から発光エリアの端部まで、リニアフレネルレンズの集光位置に沿って光源を直線状に配置することが困難となり、暗部の発生により輝度均一性が低下してしまう。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、異形部分に暗部が発生することを防止し、輝度均一性を改善することができる面状照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る面状照明装置は、ローカルディミング駆動が可能な直下型の面状照明装置であって、複数の光源と、前記複数の光源に対応して配置される集光レンズと、を備える。前記面状照明装置の発光エリアの平面形状が矩形でない異形であることにより前記光源を配置できない部分において、当該部分に前記集光レンズが拡張され、前記集光レンズは、リニアフレネルレンズであり、前記リニアフレネルレンズの拡張は、前記リニアフレネルレンズに対応するシリンドリカルレンズの曲面に対応して行われる。
【0009】
また、本発明の一態様に係る面状照明装置は、ローカルディミング駆動が可能な直下型の面状照明装置であって、複数の光源と、前記複数の光源に対応して配置される集光レンズと、を備える。前記面状照明装置の発光エリアの平面形状が矩形でない異形であることにより前記光源を配置できない部分において、当該部分に前記集光レンズが拡張され、前記集光レンズは、リニアフレネルレンズであり、前記リニアフレネルレンズの拡張は、前記リニアフレネルレンズの凹凸の溝が延在する方向と直交する方向に行われる。
【0010】
また、本発明の一態様に係る面状照明装置は、ローカルディミング駆動が可能な直下型の面状照明装置であって、複数の光源と、前記複数の光源に対応して配置される集光レンズと、を備える。前記面状照明装置の発光エリアの平面形状が矩形でない異形であることにより前記光源を配置できない部分において、当該部分に前記集光レンズが拡張され、前記集光レンズは、リニアフレネルレンズであり、前記リニアフレネルレンズの凹凸の溝が延在する方向と直交する方向に延在する凹凸の溝を有する他のリニアフレネルレンズを備える。
【0011】
本発明の一態様に係る面状照明装置は、異形部分に暗部が発生することを防止し、輝度均一性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、一実施形態にかかる面状照明装置の外観斜視図である。
図2図2は、面状照明装置の要部の分解斜視図である。
図3図3は、リフレクタの平面図である。
図4図4は、面状照明装置の発光エリアと光源が配置される集光位置を簡略に示した図である。
図5図5は、図4のX-X断面に対応する面状照明装置の断面図である。
図6図6は、集光レンズの拡張部の拡大図である。
図7図7は、平面形状が矩形でない異形であることにより比較例の面状照明装置に暗部が発生する例を示す図(1)である。
図8図8は、平面形状が矩形でない異形であることにより比較例の面状照明装置に暗部が発生する例を示す図(2)である。
図9図9は、比較例の面状照明装置の発光エリアと光源が配置される集光位置の例を示す図である。
図10図10は、図9のX-X断面に対応する面状照明装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態に係る面状照明装置について図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
【0014】
図1は、一実施形態にかかる面状照明装置1の外観斜視図である。図においては、便宜上、面状照明装置1の長手方向をX軸方向、短手方向をY軸方向、厚み方向をZ軸方向としているが、使用時における姿勢は任意である。
【0015】
図1において、面状照明装置1は、略長方形(略正方形でも可)で略板状の外形をしており、後述する基板等を収容する有床箱状のボトムフレーム(図では背後に隠れている)と、ボトムフレームの開口側を覆うトップフレーム9とから筐体が構成されている。トップフレーム9には略矩形状の開口9aにより出射面1a(発光エリア)が形成されており、面状照明装置1の内部から外部に向かって光が照射されるようになっている。図では、出射面1aに内部の光学シート8が露出している。開口9a(出射面1a)の形状(異形形状)の詳細は後述する。クラスターメータやCID(Center Information Display)、ヘッドアップディスプレイ、インジケータなどの車載用ディスプレイのバックライトとして面状照明装置1が用いられる場合、液晶表示装置等は出射面1aの側に装着される。
【0016】
図2は、面状照明装置1の要部の分解斜視図であり、図1と同様に出射面側から見た図である。図2において、面状照明装置1は、ボトムフレーム2に対して、複数(多数)の光源4が配置された基板3と、リフレクタ5と、集光レンズ6と、配光・視野範囲調整レンズ7と、光学シート8とが取り付けられ、トップフレーム9がボトムフレーム2の外側に嵌って蓋をする形となる。
【0017】
ボトムフレーム2は、底部と、底部の外周に設けられた4辺の側壁とを有している。ボトムフレーム2は、ダイカストや板金等により形成されている。ボトムフレーム2の底部の内側には、両面テープ等による固定部材(図示せず)を介して基板3が固定される。基板3上には、複数(多数)のLED(Light Emitting Diode)等による光源4が例えば格子状に配置されている。複数の光源4は、ローカルディミング駆動が可能であり、個別に点灯可能に電気的に接続されている。また、各光源4の発光強度の調整により、より輝度均一性が改善されようになっている。
【0018】
基板3上の光源4の間には図の左右方向(上下方向でも可)に延びる短冊状の複数の両面テープ等による固定部材(図示せず)を介してリフレクタ5の裏面が固定される。リフレクタ5は、個々の光源4を囲む反射面を有し、光源4から広角に放出される光を出射面側に反射し、輝度を高めるためのものである。リフレクタ5は、合成樹脂の射出成型等により製造される。
【0019】
リフレクタ5の出射側に配置される集光レンズ6は、光源4側から入射する光をほぼ平行光に集光するものであり、例えば長手方向(X軸方向)に凹凸の溝が延びるリニアフレネルレンズが例えば出射面に設けられる。リニアフレネルレンズは集光レンズ6の入射面に設けられるようにしてもよい。リニアフレネルレンズは、一つの凸レンズ(シリンドリカルレンズ)の曲面の傾斜部分に対応する凹凸の溝が短手方向(Y軸方向)に並ぶものであり、(短手方向に並ぶ)光源4の数だけ周期的に設けられる。
【0020】
集光レンズ6の出射側に配置される配光・視野範囲調整レンズ7は、例えば出射面における各部での出射光の光軸をY-Z面内で変える(光軸傾斜、ピークシフト)とともに各部でのY軸方向の拡散を調整するものである。配光・視野範囲調整レンズ7は、入射面または出射面のいずれかに例えばX軸方向に凹凸の溝が延びる複数(多数)の微小なプリズムと、同方向に凹凸の溝が延びる複数(多数)の微小なレンチキュラーレンズとを有している。それらのプリズムとレンチキュラーレンズは、複合レンズとして一体化されたものでもよい。また、一方の面に複合レンズが設けられる場合は、他方の面に、直交するY軸方向に凹凸の溝が延びX軸方向の拡散および輝度均一性を調整する複数(多数)の微小なレンチキュラーレンズが設けられるようにしてもよい。
【0021】
配光・視野範囲調整レンズ7の出射側に配置される光学シート8は、拡散シートまたは偏光反射シートであるが、これに限定されず、例えば、プリズムシートやルーバーシートであってもよい。拡散シートは、通過する光を拡散させる。偏光反射シートは、所定の方向の偏光を通過させ、それと直交する方向の偏光を反射する。
【0022】
光学シート8の出射面側にはトップフレーム9が配置され、ボトムフレーム2にトップフレーム9が固定される。トップフレーム9は、樹脂や板金等により形成されている。
【0023】
なお、面状照明装置1が平面状である場合について図示されているが、面状照明装置1は曲面状であってもよい。
【0024】
図3は、リフレクタ5の平面図である。図3において、リフレクタ5は、外側が側壁5aで囲われ、その内側は光源4ごとのセグメントとされている。各セグメントは、光源4が露出して配置される略矩形の開口5bと、その開口5bを取り囲む、出射面側に向けて開く傾斜した複数の反射面5c、5d、5e、5fとを有している。また、リフレクタ5は、上側の辺の略全長にわたって中央部を中心に外側に凸となる異形となっている。上側の平面形状が矩形でない異形部分の反射面は、拡張部5gとして外縁側に拡張されている。なお、本実施形態においては、異形部分の開口を異形部分以外の開口5bと同一形状とした上で反射面を傾けることによって拡張部5gを設けている。すなわち、リフレクタ5の光源4が露出する複数の開口5bは、異形部分を含めて、同一形状、かつ、格子状に配列され、異形部分の外縁側の反射面が異形部分の外縁の形状に対応して調整されている。言い換えると、図3において、反射面5d、5fが形成する稜線は、一方向(Y方向)に直線状に延び、反射面5c、5eが形成する稜線は、一方向と直交する方向(X方向)に直線状に延び、拡張部5gの稜線のみが非直線状(根本の谷線は直線状)に延びている。このような構成とすることにより、リフレクタ5の成形(リフレクタ5を成形する金型の作製)が容易になる。また、異形部分においても光源4に反射面を極力近づけることができるため、輝度の低下を抑制することができる。なお、拡張部5gは、2面以上から構成されていてもよく、例えば、傾斜面とZ軸に略平行に延びる面を含んでいてもよい。異形部分の少なくとも一部において、外縁の形状に沿ってZ軸に略平行に延びる面を(例えば、傾斜面の開口9a側に)含むことにより、拡張部5gにおける反射面の傾斜角度を全長にわたって一定にすることができ、リフレクタ5の成形(リフレクタ5を成形する金型の作製)が更に容易になる。また、本実施形態の開口9a(出射面1a、発光エリア)形状以外にも、例えば、矩形の開口の外縁の一辺の一部または複数辺に円弧部分や、格子に非平行な直線部分が含まれている場合にも適用できる。異形部分は、外側に凸となる形状に限らず内側に凹となる形状でもよい。更に、異形部分の開口を異形部分以外の開口5bと同一形状とすることに代え、例えば、異形部分の開口を大きくした上で拡張部5gを設けるようにしてもよい。
【0025】
図4は、面状照明装置1の発光エリアと光源が配置される集光位置を簡略に示した図である。図4において、破線で示される外形は、発光エリアを示している。ここでは、上側の辺の中央部が外側に凸となる異形となっている。また、図の横方向(X軸方向)に延びる複数の一点鎖線はリニアフレネルレンズ6aの集光位置(焦点位置)であり、その集光位置に光源4が配置される。なお、リニアフレネルレンズ6aの集光位置(焦点位置)と、直線状に配置された光源4の位置とが一致する場合だけではなく、集光位置と光源4の位置とが幾分離れた状態で平行であってもよい。例えば、光源4の光軸に対してリニアフレネルレンズ6aの中心軸(リニアフレネルレンズ6aの直線状に延びる集光位置)を、光軸に垂直な面内においてリニアフレネルレンズ6aのプリズムが並んでいる方向に相対的にずらすことにより、リニアフレネルレンズ6aから出射する光を、光源4の光軸に対してリニアフレネルレンズ6aのプリズムが並んでいる方向に傾けることができる。
【0026】
図5は、図4のX-X断面に対応する面状照明装置1の断面図であり、ボトムフレーム2や配光・視野範囲調整レンズ7、光学シート8、トップフレーム9は図示が省略されている。図5において、右側の異形部分以外は、各セグメントにおいて各光源4に対するリフレクタ5の反射面5c、5eの位置はほぼ同じになっているが、右側の異形部分においては、外側の反射面から除去部5hが取り除かれ、拡張部5gとなっている。これにより、異形部分に隣接する光源4からの光を邪魔していた除去部5hがなくなり、発光エリアの端部まで光が届くことになり、異形部分に暗部が発生することが防止され、輝度均一性が改善される。
【0027】
また、拡張部5gの出射面側に位置する集光レンズ6のリニアフレネルレンズ6aは、他の部分とは異なり、プリズムが外側に拡張して連続する拡張部6bとなっている。そのため、発光エリアの端部においても集光機能が維持され、輝度均一性がいっそう改善される。
【0028】
図6は、集光レンズ6の拡張部6bの拡大図であり、プリズムの拡張部6bは、リニアフレネルレンズ6aに対応するシリンドリカルレンズの凸レンズ曲面Lに対応して拡張が行われる。すなわち、セグメント内の他の部分は凸レンズ曲面Lのうち部分曲面L1に対応したものとなっているが、拡張部6bは部分曲面L1に連続する部分曲面L2に対応したものとなっている。これにより、リニアフレネルレンズ6aによる集光が異形部分においても連続的なものとなり、ムラの発生が防止され、輝度均一性がいっそう改善される。
【0029】
図7は、平面形状が矩形でない異形であることにより比較例の面状照明装置1’に暗部DAが発生する例を示す図である。図7において、破線で囲まれた領域は面状照明装置1’の発光エリアであり、図における上側が、平面形状が矩形でない異形となっている。また、小さい四角のそれぞれはセグメントを示しており、図7では上側に横方向に並ぶセグメントの上側の外側に異形によりはみ出した部分が発生している。この異形によりはみ出した部分には、額縁部分の構造的な制約から(リニアフレネルレンズを設けることができたとしても)そのリニアフレネルレンズの集光位置に沿って光源を直線状に配置することが困難となる。また、各セグメントは四方を反射面により囲まれているため、上側の異形部分には光が供給されず暗部DAとなり、輝度均一性を低下させてしまう。
【0030】
図8は、平面形状が矩形でない異形であることにより比較例の面状照明装置1’に暗部DAが発生する他の例を示す図である。図8においては、異形の部分がセグメントの並びの中に含められている。この場合、両端の数個(図示の例では3個ずつ)のセグメントでは額縁部分の構造的な制約からリニアフレネルレンズの集光位置に沿って光源を配置することが困難となるため、両端に暗部DAが発生してしまう。
【0031】
図9は、比較例の面状照明装置1’の発光エリアと光源が配置される集光位置の例を示す図であり、図7の発光エリアおよびセグメントの配置に対応している。図9における横方向(X軸方向)に延びる複数の一点鎖線はリニアフレネルレンズ6a’の集光位置(焦点位置)であり、その集光位置に光源4’が配置される。
【0032】
図10は、図9のX-X断面に対応する面状照明装置1’の断面図であり、ボトムフレームや配光・視野範囲調整レンズ、光学シート、トップフレームは図示が省略されている。図10において、基板3’上には複数の光源4’が配置され、その出射側にはリフレクタ5’が配置されている。各光源4’は開口5b’から露出し、開口5b’には両側に反射面5c’、5e’が連なっている。
【0033】
図10において、各セグメントにおいて各光源4’に対するリフレクタ5’の反射面5c’、5e’の位置は同じになっているため、右側の異形部分においては、反射面5e’とそれに連なる枠により発光エリアの端部まで光が届かず、暗部DAとなってしまう。
【0034】
この点、図5の実施形態の面状照明装置1においては、右側の異形部分においては、外側の反射面から除去部5hが取り除かれ、拡張部5gとなっている。すなわち、面状照明装置1の発光エリアの平面形状が矩形でない異形であることにより(仮想的に設けたリニアフレネルレンズの)集光位置に(スペースが無いか小さいために)光源4を配置できない部分において、その部分に隣接するリフレクタ5のセグメントが面状照明装置1の外縁側に拡張されている。そのため、光源4からの光が発光エリアの端部まで届くことになり、異形部分に暗部が発生することが防止され、輝度均一性が改善される。
【0035】
また、図5の実施形態の面状照明装置1においては、リフレクタ5の除去部5hにより拡張された拡張部5gの部分に対応するリニアフレネルレンズ6aにプリズムの拡張部6bが設けられるため、集光機能も維持され、暗部となるはずだった部分の輝度均一性がいっそう改善される。更に、前述のように、プリズムの拡張部6bはリニアフレネルレンズ6aに対応するシリンドリカルレンズの曲面に従って連続的に設けられるため、ムラの発生が防止され、輝度均一性がいっそう改善される。
【0036】
また、図5の実施形態の面状照明装置1においては、セグメントの外縁側への拡張と、リニアフレネルレンズ6aのプリズムの拡張は、リニアフレネルレンズ6aの凹凸の溝が延在する方向と直交する方向に行われる。そのため、セグメントを拡張することによる効果とリニアフレネルレンズ6aのプリズムを拡張することによる効果とが同時に実現される。
【0037】
また、リニアフレネルレンズ6aの凹凸の溝が延在する方向と直交する方向に延在する凹凸の溝を有する他のリニアフレネルレンズを備えるようにしてもよい。これにより、種々の配光に対応することができる。
【0038】
また、上記の他のリニアフレネルレンズは、リニアフレネルレンズ6aの反対側の面に形成されるか、または、リニアフレネルレンズ6aとは別体に形成される。これにより、両方のリニアフレネルレンズの構成の自由度が高まる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0040】
以上のように、実施形態に係る面状照明装置は、リニアフレネルレンズを備えた直下型の面状照明装置であって、前記リニアフレネルレンズの集光位置に沿って基板上に直線状に配置された複数の光源と、前記光源の個々を囲んでセグメントを構成する反射面を有するリフレクタと、を備え、前記面状照明装置の発光エリアの平面形状が矩形でない異形であることにより前記集光位置に沿って前記光源を配置できない部分において、当該部分に隣接する前記リフレクタの前記セグメントが前記面状照明装置の外縁側に拡張される。これにより、異形部分に暗部が発生することが防止され、輝度均一性が改善される。
【0041】
また、前記面状照明装置の発光エリアの平面形状が矩形でない異形であることにより前記集光位置に沿って前記光源を配置できない部分において、前記リニアフレネルレンズのプリズムが拡張される。これにより、リニアフレネルレンズの集光機能が維持され、暗部となるはずだった部分の輝度均一性がいっそう改善される。
【0042】
また、前記リニアフレネルレンズのプリズムの拡張は、前記リニアフレネルレンズに対応するシリンドリカルレンズの曲面に対応して行われる。これにより、リニアフレネルレンズによる集光が異形部においても連続的なものとなり、ムラの発生が防止され、輝度均一性がいっそう改善される。
【0043】
また、前記セグメントの前記外縁側への拡張と、前記リニアフレネルレンズのプリズムの拡張は、前記リニアフレネルレンズの凹凸の溝が延在する方向と直交する方向に行われる。これにより、セグメントを拡張することによる効果とリニアフレネルレンズのプリズムを拡張することによる効果とが同時に実現できる。
【0044】
また、前記リニアフレネルレンズの凹凸の溝が延在する方向と直交する方向に延在する凹凸の溝を有する他のリニアフレネルレンズを備える。これにより、種々の配光に対応することができる。
【0045】
また、前記他のリニアフレネルレンズは、前記リニアフレネルレンズの反対側の面に形成されるか、または、前記リニアフレネルレンズとは別体に形成される。これにより、両方のリニアフレネルレンズの構成の自由度が高まる。
【0046】
また、前記リフレクタの前記光源が露出する複数の開口は、異形の部分を含めて、同一形状、かつ、格子状に配列され、異形の部分の外縁側の反射面が異形の部分の外縁の形状に対応して調整されている。これにより、リフレクタの成形(リフレクタを成形する金型)の作成が容易になる。
【0047】
また、リニアフレネルレンズを備えた直下型の面状照明装置であって、前記リニアフレネルレンズの集光位置に沿って基板上に直線状に配置された複数の光源と、前記光源の個々を囲んでセグメントを構成する反射面を有するリフレクタと、を備え、前記面状照明装置の発光エリアの平面形状が矩形でない異形であることにより前記集光位置に沿って前記光源を配置できない部分において、当該部分に前記リニアフレネルレンズのプリズムが拡張される。これにより、異形部分に暗部が発生することが防止され、輝度均一性が改善される。
【0048】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 面状照明装置,1a 出射面,2 ボトムフレーム,3 基板,4 光源,5 リフレクタ,5a 側壁,5b 開口,5c~5f 反射面,5g 拡張部,5h 除去部,6 集光レンズ,6a リニアフレネルレンズ,6b 拡張部,7 配光・視野範囲調整レンズ,8 光学シート,9 トップフレーム,9a 開口
【要約】
【課題】異形部分に暗部が発生することを防止し、輝度均一性を改善することである。
【解決手段】 実施形態の面状照明装置は、ローカルディミング駆動が可能な直下型の面状照明装置であって、複数の光源と、集光レンズとを備える。前記集光レンズは、前記複数の光源に対応して配置される。前記面状照明装置の発光エリアの平面形状が矩形でない異形であることにより前記光源を配置できない部分において、当該部分に前記集光レンズが拡張される。前記集光レンズは、リニアフレネルレンズであり、前記リニアフレネルレンズの拡張は、前記リニアフレネルレンズに対応するシリンドリカルレンズの曲面に対応して行われる。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10